JP2014148138A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷を行った記録媒体に対して加熱処理を行ったとして皺の発生を抑制できる印刷装置を提供する。
【解決手段】 インクジェット印刷装置100は画像データを印刷する。用紙9に対して印刷された画像を乾燥するため、制御部1は前述の画像データのデータ解析に応じてコクリング現象を防止するのに設定された加熱温度で乾燥部4の制御を行なう。制御部1は、皺発生有無テーブルTの示された条件に対して画像データに応じてコクリング影響対象エリアの有無を判定し、確認された画像濃度からコクリングの発生が抑制されるように、乾燥処理の加熱温度が設定される。その結果、印字量が多い領域とその境界の用紙部位とで加えられる熱量が弱くなる。そして、それぞれの領域からの水分蒸発の極端な差異が生じず、コクリングの発生を防ぐことができるので、用紙9の変形を防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】 インクジェット印刷装置100は画像データを印刷する。用紙9に対して印刷された画像を乾燥するため、制御部1は前述の画像データのデータ解析に応じてコクリング現象を防止するのに設定された加熱温度で乾燥部4の制御を行なう。制御部1は、皺発生有無テーブルTの示された条件に対して画像データに応じてコクリング影響対象エリアの有無を判定し、確認された画像濃度からコクリングの発生が抑制されるように、乾燥処理の加熱温度が設定される。その結果、印字量が多い領域とその境界の用紙部位とで加えられる熱量が弱くなる。そして、それぞれの領域からの水分蒸発の極端な差異が生じず、コクリングの発生を防ぐことができるので、用紙9の変形を防止することができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、印刷用の画像データに基づいて印刷を行なった記録媒体に対して加熱処理を行なう乾燥手段を備えた記録装置に関する。
従来から、高品位(高画質)な画像記録を行う記録装置として、多階調表現が可能なインクジェットヘッドを用いた印刷装置が存在する。ここで、多階調表現は、インクジェットヘッドにおいて噴射するインク滴の大きさを制御することで可能としている。
このインクジェットヘッドを用いた印刷装置では、上述したようにインク滴を噴射して記録用紙に付着させるため、インク滴が付着した際に用紙上でインクの拡がりが生じ、別々に噴射されたインクが重なる部分が発生する。このため、特にベタ印刷(黒く塗りつぶした印刷)やこれに近い高濃度の印刷等で多量のインクが必要な印刷においては、インクが重なった部分について、記録用紙の乾燥に長い時間を必要とする場合や、記録用紙の裏抜け[M1](表面に付着させたインクが裏面に染み出す現象)等が生じるという問題がある。
一方、印刷装置では、複数のローラにより支持されて搬送される記録用紙に対して、印刷直後にインクを乾燥させるための乾燥手段を備えた印刷装置が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、ヒートローラに記録用紙を接触して乾燥させるため、画像が印刷された部分、すなわちインクの吐出が行なわれた部分(印刷部分)と、インクの吐出が行なわれなかった、あるいはほとんど行なわれなかった部分(非印刷部分)についても同じ熱量を加える構成となっている。そのため、インクの吐出が多い(印字量が多い)場合に記録用紙に対して充分な乾燥を行なうための熱量を加えた場合、インクが無い非印刷部分から蒸発するのは記録用紙に含まれる水分であるため、記録用紙にカールやワカメ状のウネリなどの変形が生じる。そのことにより、記録用紙の搬送不良や後工程の印刷における不良、あるいは断裁・製本工程における不良が生じる要因となっていた。
そこで、印刷する画像の濃度に対応してインク滴の量を制御することにより、記録用紙の乾燥時間の短縮および裏[M2]抜けを防止する画像記録方法が提供されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2に記載の装置では、画像濃度に対応してインク量を制御するので出来上がった画質に影響する。そのため、乾燥手段による温度を制御することで最適な乾燥を実現することが考えられている。例えば、画像濃度が高い場合、インク量が多くなるので熱量を多くするため乾燥温度を通常処理の乾燥温度より高くすることが考えられる。また、印刷する画像濃度に対応して、即ち、記録用紙のインクの吐出が多い部分に対して加える熱量を変えることで記録用紙の乾燥を最適に設定する方法が考えられる。けれども、乾燥温度によっては乾燥後の記録用紙にコクリング現象、所謂、皺の発生が確認されるという問題が判った。
このような問題に対して、インクの吐出の量のみの考慮でコクリングの発生を改善するのは困難であった。また、このような問題は、インクジェット印刷装置のみならず、オフセット印刷機においても生じうる。また、記録媒体が長尺状でなく枚葉状であったとしても、同様の問題は生じ得る。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、加熱処理による乾燥を記録媒体に対して行なったとしても、乾燥温度により生じる記録媒体の皺の発生を防止する記録装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、印刷装置が、画像データに基づき記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、前記記録媒体の搬送方向上流側から前記記録媒体を記録媒体供給部から前記印刷手段へ搬送し、前記印刷手段によって印刷が行われた前記記録媒体を下流側へ搬送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送路で、前記印刷手段による印刷後に搬送される前記記録媒体を加熱する乾燥手段と、前記乾燥手段が加熱温度の設定に応じて前記記録媒体の加熱する加熱状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記乾燥手段に設定される加熱温度に基づいて画像領域と画像濃度による皺発生有無テーブルを有し、前記画像データに応じて前記皺発生有無テーブルから前記乾燥手段の加熱温度を設定することを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した印刷装置であって、前記画像データを解析することで前記皺発生有無テーブルから前記乾燥手段の加熱温度を設定すること、を特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した印刷装置であって、前記画像データを解析することで前記皺発生有無テーブルから前記乾燥手段の加熱温度を設定すること、を特徴としている。
請求項1に記載の印刷装置は、記録媒体の搬送方向に乾燥手段を有し、印刷後の記録媒体に乾燥処理を行なうに際して、制御部は、乾燥手段に設定される加熱温度に基づいて画像領域と画像濃度による皺発生有無テーブルを有し、画像データに応じて皺発生有無テーブルから乾燥手段の加熱温度を設定して乾燥手段の加熱制御を行なうことで、皺発生を抑制した加熱処理が行われることで、記録媒体の変形を防止することができる。
特に、請求項2に記載の印刷装置は、画像データを解析することで皺発生有無テーブルから乾燥手段の加熱温度を設定することにより、解析結果を利用して自動的に加熱温度の設定が行われる。その結果、皺発生を抑制した加熱処理が行われることで、記録媒体の変形を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、図1は、本実施の形態に係る記録装置であるインクジェット印刷装置100の構成を示す概略図であり、以下、インクジェット印刷装置100の概略構成について説明する。
〈第1の実施形態〉
図1に示されるように、インクジェット印刷装置100は、情報処理装置110と、プリンタ120とを含んで構成されており、情報処理装置110及びプリンタ120は、通信媒体130を介して接続されている。プリンタ120は、記録媒体である搬送されるロール紙タイプの記録用紙に対してインクを吐出して印刷を行なうインクジェット方式の印刷装置である。プリンタ120は、制御部1、搬送部2、吐出部3、乾燥部4、検査部5を備える。
制御部1は、プリンタ120全体を制御するためのものである。制御部1が、搬送部2による用紙9の搬送、吐出部3による用紙9へのインク吐出、乾燥部4におけるインクが吐出された用紙9の乾燥、検査部5における用紙9の印刷像撮影をそれぞれ制御することにより、用紙9に対するプリンタ120の印刷を実現している。
搬送部2は、プリンタ120における用紙9の搬送を行なうための構成で、用紙収納部20a、20b、駆動ローラ21a、21b、支持ローラ22を備えており、搬送手段として機能する。用紙収納部20aは、印刷を行なうためのロール状の用紙9を収納するためのものであり、用紙収納部20aは印刷前の用紙9を収納し、用紙収納部20bは印刷後の用紙9を収納する。用紙収納部20aから引き出された用紙9は、支持ローラ22によって支持されながら駆動ローラ21a、21bによって用紙9の搬送方向の上流側から吐出部3、乾燥部4、検査部5を搬送され、下流側の用紙収納部20bに巻取られる。
吐出部3は、図示しないインクタンクからインクの供給を受け、制御部1が情報処理装置110からの印刷用の画像データに基づいて生成したインク吐出信号によってインクを吐出し、用紙9に対する印刷を行なう印刷手段として機能する。吐出部3は複数のインクジェットノズル群として、インクジェットノズル群30k、30c、30m、30yを備えている。インクジェットノズル群30k、30c、30m、30yは用紙9の搬送方向に直交しており、多数のノズルを列設することにより用紙9の搬送幅以上の吐出幅を実現している。吐出部3がこのような構成を備えることにより、吐出部3は用紙9の搬送幅方向に往復走査せずとも一度の吐出で印刷を実行する。なお、吐出部3のインクジェットノズル群の数は4つに限定されることはなく、単色吐出のためインクジェットノズル群の数は1つであってもよいし、特色を加えた吐出を行なうため5つ以上のインクジェットノズル群を備えていても良い。
乾燥部4は、ヒーターにより、吐出部3による印刷後の用紙9に対して熱を加えることにより、インクの溶媒(主に水である)を蒸発させることで、インクの定着を行なう乾燥手段として機能する。乾燥部4は、搬送部2によって搬送される用紙9の搬送方向に直交して跨ぎ越すようにヒーター40を備えている。ヒーター40は図2に示す温度センサー15からの検出温度が入力された制御部1による乾燥処理信号に基づいて、後述するように画像データの領域範囲の大きさに対応し用紙9に対する適切な加熱処理を実行する。ヒーター40は、印刷される画像データの変化に対応して加熱制御を行なうために、反応性の良い加熱器具を使用することが望ましい。具体的には赤外線加熱器やマイクロ波発振器のように、供給する電圧の変化に追随して対応することで加熱出力の制御を行なうことができる加熱器具を、ヒーター40として使用する。
検査部5は、制御部1が用紙9に行なわれた印刷が良好であるか否かを判定するために、印刷像を撮影する。検査部5は、CCDラインセンサ、あるいはCCDカメラにより、搬送される用紙9に印刷された印刷像を撮影し、制御部1へ撮影情報を送信する。制御部1は、インク吐出を行なうために使用した画像データと撮影情報とを比較することにより、吐出部3における吐出不良の有無を判定することによって、印刷が良好であるか否かを判定することができる。
なお、通信媒体130としては、有線通信を行うケーブル等の他、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)規格等に代表される無線通信を行うための赤外線、電波等を適用することができる。
制御部1に関して更に詳しく説明する。図2は、この発明の第1実施形態に係るプリンタ120の主要な電気的構成を示すブロック図である。上述した制御部1は、論理演算を実行するCPU11と、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM12と制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM13とを備える。この制御部1は、上述したように、インターフェース14を介してヒーター40、ヒータ40の装着される温度センサ15とに接続される。また、この制御部1は、インターフェース14を介して搬送部2の駆動機構とも接続されている。
情報処理装置110には、ユーザインタフェース、文書データ等の作成、編集を実行するアプリケーション、OS(Operating System)及びプリンタ120に対応したプリンタドライバがインストールされており、ユーザインタフェース、アプリケーション及びプリンタドライバは、OSにより管理制御される。プリンタドライバは、OSと連携してプリンタ120の設定やプリンタ120で行う印刷の条件等を設定してプリンタ120に印刷用の画像データを出力する処理を実行する。
ユーザインタフェースは、情報処理装置110に設けられた不図示の表示装置やパネル、情報処理装置110に接続されたボタン、キーボード、マウス等(何れも図示省略)を適用することができ、アプリケーションに対するデータの入力、編集、印刷、データ保存等の各種指示、及び、プリンタドライバに対するプリントサイズやプリント順序、拡大・縮小等の各種指示をはじめとする情報処理装置110に対する指示入力が可能に構成されている。
アプリケーションでは、ユーザインタフェースを介してプリント指示が入力されると、OSに印刷データとして描画命令を入力する。これにより、OSを介してプリンタドライバが起動され、印刷画像データは当該プリンタドライバに入力される。
プリンタドライバは、イメージデータ生成部と、インタフェース部と、を含んで構成されており、インタフェース部はイメージデータ生成部に接続されている。インタフェース部は、上記ユーザインタフェースを介したユーザからの印刷に関する指示入力を取得して、印刷に関する指示情報を生成する。すなわち、表示装置やタッチパネル等に対する印刷に関する各種指示内容の表示を制御すると共に、タッチパネル、ボタン、キーボードやマウス等の操作に基づいて表示装置やタッチパネル等に表示した各種指示内容の選択状況を把握し、選択状況に応じて印刷のパラメータを決定する。
また、イメージデータ生成部では、アプリケーションから入力された印刷画像データに対して、言語変換やデータ変換等、プリンタ120の仕様に応じた処理を適宜施すと共に、ユーザインタフェースを介して入力された印刷に関する各種指示の内容に応じて、記録面単位のページイメージを生成する。
なお、以下では、アプリケーションから入力された印刷用の画像データのページを「論理ページ」といい、印刷物の記録面単位のページを「物理ページ」といい、印刷物の枚数を「物理枚数」という。例えば、1枚の記録媒体の1記録面に論理ページ1ページを印刷する場合、論理ページ数と物理ページ数と物理枚数とは互いに一致する。よって、ロール紙である用紙9の場合は、1つの物理枚数上に複数の論理ページが印刷されることとなり、物理枚数は1となるが、物理ページと論理ページは1以外の場合がありうる。
〈画像濃度に基づく乾燥制御〉
また、イメージデータ生成部では、アプリケーションから入力された印刷画像データに対して、言語変換やデータ変換等、プリンタ120の仕様に応じた処理を適宜施すと共に、ユーザインタフェースを介して入力された印刷に関する各種指示の内容に応じて、記録面単位のページイメージを生成する。
なお、以下では、アプリケーションから入力された印刷用の画像データのページを「論理ページ」といい、印刷物の記録面単位のページを「物理ページ」といい、印刷物の枚数を「物理枚数」という。例えば、1枚の記録媒体の1記録面に論理ページ1ページを印刷する場合、論理ページ数と物理ページ数と物理枚数とは互いに一致する。よって、ロール紙である用紙9の場合は、1つの物理枚数上に複数の論理ページが印刷されることとなり、物理枚数は1となるが、物理ページと論理ページは1以外の場合がありうる。
〈画像濃度に基づく乾燥制御〉
図3は、インクジェット印刷装置100において、印刷用の画像データに基づく画像の濃度に対応した乾燥制御を説明するためのフローチャートである。図3に示すインクジェット印刷装置100の動作は、ロール紙の記録面に印刷される物理ページ1ページにおいてコクリング現象の発生を防止するため、1ページの範囲に基づいて、乾燥部4における乾燥処理を実行する態様である。
ステップS10において、インクジェット印刷装置100が印刷を行なうべき印刷用の画像データを情報処理装置110から取得する。そして、制御部1は画像データのデータ解析に応じてコクリング現象を防止する加熱温度を求める。
以下、制御部1で行う画像データのデータ解析を、図4および図5を用いて具体的に説明する。図4は、乾燥温度における印字率と画像濃度に伴うコクリングの発生状況を示す皺発生有無テーブルを示す図である。図5は、制御部1が行うデータ解析処理を示す説明図である。なお、前提条件として以下の説明において、各画素の濃度は、3ビットデータの8階調「レベル0」〜「レベル7」で与えられており、「レベル0」が最も濃度が低い白抜けの状態を表し、「レベル7」が最も濃度が高い、言い換え[M3]れば吐出されたインクの量が多いベタ黒の状態を表すものとする。そして、インクジェットヘッドから吐出される液滴はそのサイズがレベルに応じて小滴から大滴に大きさが変更される。
まず、データ解析においてはコクリング影響対象印字エリアサイズを決定する。図5(a)の左図は、用紙9上のコクリング影響対象印字エリアを示す説明図である。コクリング影響対象印字エリアサイズデータP1の大きさは、論理ページに相当し、その中の一部の領域がコクリング影響対象印字エリアP2として設定される。このコクリング影響対象印字エリアP2の大きさであるエリアサイズ(画像領域)は、あらかじめ実験で求められる。具体的には、用紙の大きさに対して印字率、即ち用紙上の印刷可能領域における一塊の画像の印刷率(像密度)が段階的に増加するサンプル画像を画像濃度のレベルごとに用意する。そのサンプル画像で印刷処理を行い、コクリングの発生の有無を検査する。なお、印字率は、用紙中に画像が一塊の画像の場合と分散した画像の場合でも同じなるが、コクリング発生の対象となるのは連続した一塊の画像である。よって、以下の説明において印字率は、全て一塊の画像をコクリング影響対象印字エリアP2として設定したものである。
図4(a)の皺発生有無テーブルTに丸印で示すように乾燥温度が150℃において印字率が10%ずつ増加するサンプル画像では全ての画像濃度でコクリング現象は見られない。図4(b)に丸印が入力されていない空白の条件欄で示すように乾燥温度が170℃においては、印字率を50%以上で画像濃度がレベル4以上のサンプル画像でコクリング現象が見られた。そして、図4(c)に示すように乾燥温度が190℃においては、印字率を40%以上で濃度がレベル3以上のサンプル画像でコクリング現象が見られた。
プリンタ120は、乾燥部4の乾燥温度として150℃が最低乾燥温度として設定されている。この最低乾燥温度はインクの乾燥が行える乾燥温度の下限の意味を持ち、これ以下の乾燥温度ではインクの乾燥が不十分となる温度である。そして、用紙の種類によって用紙に吐出されるインクの量が多くなるとこの最低乾燥温度でも乾燥が不十分な場合が発生する。そのため、プリンタ120では乾燥温度として170℃、190℃の切り替え設定が可能に構成される。こうすることで、インクが浸透し難い用紙の場合に予め乾燥温度を高く設定して印刷処理を行うことができる。しかしながら、乾燥温度の上昇とともにインク部分と用紙部分との境界で乾燥速度の差が大きくなり、即ち、インクの量が多いインク部分と用紙部分で水分量の差異により用紙部分がより早く乾燥してしまい、結果的に用紙上にコクリングが発生することが分かった。このコクリングの発生部位は、図5(a)の左図では、コクリング影響対象印字エリアP2の周囲を示す枠線の近傍で枠線の外側に位置する。
プリンタ120では、図4(c)からコクリングが発生する場合で用紙に付着しているインクの量が最も少ない条件は、印字率40%で画像濃度レベル3であることが判る。また、印刷画像データ中に印字率50%以上の画像エリアが存在すると、乾燥温度が150℃より高く設定され、画像濃度レベルがレベル4以上に設定される条件でコクリングが発生する。そして、印字率40%以上で画像濃度レベルをレベル3以上に設定される条件では図4(c)中の斜線部の条件で乾燥温度が170℃ではコクリングが発生しないが、190℃でコクリングが発生する。このように、印字率40%以上の領域が存在すると乾燥条件と画像濃度条件によってコクリングが発生する可能性が生じることになる。その結果として、このコクリングが発生する可能性のある印字率40%の画像サイズをコクリング影響対象印字エリアサイズとして設定する。この設定は、コクリング影響対象印字エリアサイズP2を画像データとして制御部1のROM12に記憶される。
図4(a)と図4(b)より、印字率50%以上で画像濃度がレベル4[M4]以上の画像の場合に、乾燥温度を150℃に変えることでコクリングの発生が無くなるが、乾燥温度を190℃から170℃に変えたとしてもコクリングの発生が無くならないことが判る。同様に、乾燥温度が190℃において図4(c)中の斜線部の条件で、この場合に乾燥温度を150℃もしくは、170℃に変えることでコクリングの発生が無くなることが判る。よって、40%印字率の場合にこのエリアのサイズをコクリング影響対象印字エリアサイズとし、このエリアサイズと同等のサイズのエリアが印刷用の画像データ中に存在するかを比較し検出することでコクリングの発生可能状況を判定することができる。
制御部1は、画像データのデータ解析を行うにあたり、図2に示すように、データ解析の対象、すなわち印刷の対象となる印刷用の画像データを情報処理装置110から取り出す。そして、CPU11でROM12に記憶されたコクリング影響対象印字エリアサイズP2を用いて後述の解析処理を実行する。
データ解析は、まずエリアサイズの解析を行う(ステップS10)。エリアサイズ解析は、印刷用の画像データの論理ページの印字率を求める(ステップS20)。印字率は画像データの総画素数に対する印字対象の画素の合計の割合より求める。画像が連続的な印字エリアである絵柄でなくとも印字率が40%未満であれば画像濃度レベルに関係なくプリンタ120の乾燥処理でコクリングが発生する可能性が無い。よって、印刷画像データにおいて印字率40%未満が検出されれば、乾燥手段における加熱温度は任意に設定されたまま乾燥処理が実行されるように、通常乾燥モードが選択され設定される(ステップS60)。一方、印字率40%以上が検出されるとコクリング影響対象印字エリアP2以上の大きさのエリアの検出に進む。
印字率40%以上の画像データに対して、画像データの中にコクリング影響対象印字エリアP2のエリアサイズと同じサイズのエリアが存在するかを解析する(ステップS30)。このエリアサイズの検出には既存のマッチング技術が使用される。例えば、5図(a)右図に示すようにコクリング影響対象印字エリアP2の画像データを印刷用の画像データP3に対して1画素ずつずらしていく過程で画像マッチングを行い、印字エリアP4の中でマッチング率が高いと判断された印字エリアの領域が存在すると、その領域をコンクリング影響対象エリアと認識する。5図(a)右図に示すように、画像データP3においコクリング影響対象印字エリアP2とマッチングされる印字エリアP4が無い場合、乾燥温度は任意に設定された乾燥温度のまま乾燥処理が実行されるように、通常乾燥モードが選択され設定される(ステップS60)。このとき画像濃度が高くとも一定のエリアサイズが無いのであればコクリングの発生は抑制されるので、画像濃度は考慮されない。
なお、エリアサイズ解析はマッチング技術の場合、同等サイズのエリアの存在有無は判定されるが、在りと判定されたエリアのサイズの区別までは認識されない。そこで、マッチングを行う前に既存の領域判定技術を用いて印刷画像データから印字画素の閉領域を対象エリアとして抽出し、この対象エリア画像とコクリング影響対象印字エリアP2とのマッチングを行い判定するようにしてもよい。こうすることで、対象エリアのサイズを求めることができ、印字エリアP4の個々の印字率を求めることが出来る。
画像データP3中にコンクリング影響対象エリアP2に相当するエリアサイズが認識されると、その個数が確認される(ステップS40)。図5(b)は個数が1個の場合の例を示し、図5(c)は個数が2個以上の場合を説明する説明図である。エリアサイズ認識の個数が1個の場合は、印刷処理モードにおける設定された加熱温度が照会され加熱温度切替判定が行われる(ステップS80)。切替判定では乾燥モードを切り替える必要性が判定され照会された加熱温度が150℃であれば、切り替える必要が無いのでそのまま印刷処理に進み通常乾燥モードとなる(ステップS60)、加熱温度が170℃もしくは190℃であれば対象エリアの平均画像濃度レベルが濃度判定として確認される(ステップS90)。図5(b)に示すように平均画像濃度レベルがレベル4以上であれば、濃度判定は判定要として切替乾燥モードとなり対象エリアの加熱温度を150℃に変更する。即ち、最低乾燥温度で乾燥するよう制御される(ステップS70)。加熱温度170℃で平均画像濃度レベル3の場合は濃度判定は判定不要のため170℃のままとなる通常乾燥モードとなる(ステップS60)。同様に、加熱温度190℃で平均画像濃度レベル3の場合は170℃となる切替乾燥モードとなる(ステップS70)。また、平均画像濃度レベルが2以下の条件で通常乾燥モードとなる(ステップS60)。
ここで、図4(c)の斜線部の条件では、加熱温度を170℃に切り替えることでコクリングの抑制を行えるが、上記のエリアサイズ解析では画像データ中の対象エリアの大きさまで検出していない。そのため、図4(c)の斜線部の条件において平均画像濃度レベル3の場合に加熱温度が170℃と190℃で切り替える加熱温度の条件が異なることとなる。その加熱温度の切り替え状態を図6に示す。
次に、コクリング[M5]影響対象エリアが複数個検出される場合を説明する。例えば、エリアサイズ認識の個数が2個以上の場合は、それぞれの対象エリアの画像濃度レベルが確認される。図5(c)に示すように、2個の対象エリアの取り出した画像データの各平均濃度レベルを算出する。同時に印刷処理モードにおける加熱温度が参照されるとともに、それぞれのコクリング[M6]影響対象エリアの変更設定される乾燥温度の中でもっとも低温である加熱温度で乾燥処理が実行されるように設定される。図5(c)に示すように2つのコクリング影響対象エリアの夫々の画像濃度がレベル4とレベル3の場合の場合、レベル3であれば乾燥温度170℃の設定でコクリングが発生しない。しかしながら、同じ用紙中に存在するもう1つの対象エリアがレベル4であるため、加熱温度170℃であればコクリングが発生する。そのため、レベル4に対応して加熱温度の設定が行われる。対象エリアが決定すると加熱温度の設定は、対象エリアが1個の場合と同じように制御される。
以上のようにデータ解析が完了して、乾燥部4の加熱温度が設定されるとプリンタ120は、印刷処理を実行する。まず、図1に示すインクジェット印刷装置100の動作は、二値化画像データを取得する。なお、取得した画像データがRIP前ならば、制御部1はRIPを行ない、画像データを二値化画像データに変換する。
情報処理装置110において、アプリケーションが起動している場合に、当該アプリケーションに対してユーザが印刷指示を入力すると、OSを介してプリンタドライバが起動され、プリンタドライバは、インタフェース部により印刷に関する指示情報を入力するための印刷画面を不図示のLCDに表示する。制御部1は、OSから入力された印刷データを読み出し、印刷に関する指示情報を読み出す。
以下、制御部1で行う画像データのデータ解析を、図4および図5を用いて具体的に説明する。図4は、乾燥温度における印字率と画像濃度に伴うコクリングの発生状況を示す皺発生有無テーブルを示す図である。図5は、制御部1が行うデータ解析処理を示す説明図である。なお、前提条件として以下の説明において、各画素の濃度は、3ビットデータの8階調「レベル0」〜「レベル7」で与えられており、「レベル0」が最も濃度が低い白抜けの状態を表し、「レベル7」が最も濃度が高い、言い換え[M3]れば吐出されたインクの量が多いベタ黒の状態を表すものとする。そして、インクジェットヘッドから吐出される液滴はそのサイズがレベルに応じて小滴から大滴に大きさが変更される。
まず、データ解析においてはコクリング影響対象印字エリアサイズを決定する。図5(a)の左図は、用紙9上のコクリング影響対象印字エリアを示す説明図である。コクリング影響対象印字エリアサイズデータP1の大きさは、論理ページに相当し、その中の一部の領域がコクリング影響対象印字エリアP2として設定される。このコクリング影響対象印字エリアP2の大きさであるエリアサイズ(画像領域)は、あらかじめ実験で求められる。具体的には、用紙の大きさに対して印字率、即ち用紙上の印刷可能領域における一塊の画像の印刷率(像密度)が段階的に増加するサンプル画像を画像濃度のレベルごとに用意する。そのサンプル画像で印刷処理を行い、コクリングの発生の有無を検査する。なお、印字率は、用紙中に画像が一塊の画像の場合と分散した画像の場合でも同じなるが、コクリング発生の対象となるのは連続した一塊の画像である。よって、以下の説明において印字率は、全て一塊の画像をコクリング影響対象印字エリアP2として設定したものである。
図4(a)の皺発生有無テーブルTに丸印で示すように乾燥温度が150℃において印字率が10%ずつ増加するサンプル画像では全ての画像濃度でコクリング現象は見られない。図4(b)に丸印が入力されていない空白の条件欄で示すように乾燥温度が170℃においては、印字率を50%以上で画像濃度がレベル4以上のサンプル画像でコクリング現象が見られた。そして、図4(c)に示すように乾燥温度が190℃においては、印字率を40%以上で濃度がレベル3以上のサンプル画像でコクリング現象が見られた。
プリンタ120は、乾燥部4の乾燥温度として150℃が最低乾燥温度として設定されている。この最低乾燥温度はインクの乾燥が行える乾燥温度の下限の意味を持ち、これ以下の乾燥温度ではインクの乾燥が不十分となる温度である。そして、用紙の種類によって用紙に吐出されるインクの量が多くなるとこの最低乾燥温度でも乾燥が不十分な場合が発生する。そのため、プリンタ120では乾燥温度として170℃、190℃の切り替え設定が可能に構成される。こうすることで、インクが浸透し難い用紙の場合に予め乾燥温度を高く設定して印刷処理を行うことができる。しかしながら、乾燥温度の上昇とともにインク部分と用紙部分との境界で乾燥速度の差が大きくなり、即ち、インクの量が多いインク部分と用紙部分で水分量の差異により用紙部分がより早く乾燥してしまい、結果的に用紙上にコクリングが発生することが分かった。このコクリングの発生部位は、図5(a)の左図では、コクリング影響対象印字エリアP2の周囲を示す枠線の近傍で枠線の外側に位置する。
プリンタ120では、図4(c)からコクリングが発生する場合で用紙に付着しているインクの量が最も少ない条件は、印字率40%で画像濃度レベル3であることが判る。また、印刷画像データ中に印字率50%以上の画像エリアが存在すると、乾燥温度が150℃より高く設定され、画像濃度レベルがレベル4以上に設定される条件でコクリングが発生する。そして、印字率40%以上で画像濃度レベルをレベル3以上に設定される条件では図4(c)中の斜線部の条件で乾燥温度が170℃ではコクリングが発生しないが、190℃でコクリングが発生する。このように、印字率40%以上の領域が存在すると乾燥条件と画像濃度条件によってコクリングが発生する可能性が生じることになる。その結果として、このコクリングが発生する可能性のある印字率40%の画像サイズをコクリング影響対象印字エリアサイズとして設定する。この設定は、コクリング影響対象印字エリアサイズP2を画像データとして制御部1のROM12に記憶される。
図4(a)と図4(b)より、印字率50%以上で画像濃度がレベル4[M4]以上の画像の場合に、乾燥温度を150℃に変えることでコクリングの発生が無くなるが、乾燥温度を190℃から170℃に変えたとしてもコクリングの発生が無くならないことが判る。同様に、乾燥温度が190℃において図4(c)中の斜線部の条件で、この場合に乾燥温度を150℃もしくは、170℃に変えることでコクリングの発生が無くなることが判る。よって、40%印字率の場合にこのエリアのサイズをコクリング影響対象印字エリアサイズとし、このエリアサイズと同等のサイズのエリアが印刷用の画像データ中に存在するかを比較し検出することでコクリングの発生可能状況を判定することができる。
制御部1は、画像データのデータ解析を行うにあたり、図2に示すように、データ解析の対象、すなわち印刷の対象となる印刷用の画像データを情報処理装置110から取り出す。そして、CPU11でROM12に記憶されたコクリング影響対象印字エリアサイズP2を用いて後述の解析処理を実行する。
データ解析は、まずエリアサイズの解析を行う(ステップS10)。エリアサイズ解析は、印刷用の画像データの論理ページの印字率を求める(ステップS20)。印字率は画像データの総画素数に対する印字対象の画素の合計の割合より求める。画像が連続的な印字エリアである絵柄でなくとも印字率が40%未満であれば画像濃度レベルに関係なくプリンタ120の乾燥処理でコクリングが発生する可能性が無い。よって、印刷画像データにおいて印字率40%未満が検出されれば、乾燥手段における加熱温度は任意に設定されたまま乾燥処理が実行されるように、通常乾燥モードが選択され設定される(ステップS60)。一方、印字率40%以上が検出されるとコクリング影響対象印字エリアP2以上の大きさのエリアの検出に進む。
印字率40%以上の画像データに対して、画像データの中にコクリング影響対象印字エリアP2のエリアサイズと同じサイズのエリアが存在するかを解析する(ステップS30)。このエリアサイズの検出には既存のマッチング技術が使用される。例えば、5図(a)右図に示すようにコクリング影響対象印字エリアP2の画像データを印刷用の画像データP3に対して1画素ずつずらしていく過程で画像マッチングを行い、印字エリアP4の中でマッチング率が高いと判断された印字エリアの領域が存在すると、その領域をコンクリング影響対象エリアと認識する。5図(a)右図に示すように、画像データP3においコクリング影響対象印字エリアP2とマッチングされる印字エリアP4が無い場合、乾燥温度は任意に設定された乾燥温度のまま乾燥処理が実行されるように、通常乾燥モードが選択され設定される(ステップS60)。このとき画像濃度が高くとも一定のエリアサイズが無いのであればコクリングの発生は抑制されるので、画像濃度は考慮されない。
なお、エリアサイズ解析はマッチング技術の場合、同等サイズのエリアの存在有無は判定されるが、在りと判定されたエリアのサイズの区別までは認識されない。そこで、マッチングを行う前に既存の領域判定技術を用いて印刷画像データから印字画素の閉領域を対象エリアとして抽出し、この対象エリア画像とコクリング影響対象印字エリアP2とのマッチングを行い判定するようにしてもよい。こうすることで、対象エリアのサイズを求めることができ、印字エリアP4の個々の印字率を求めることが出来る。
画像データP3中にコンクリング影響対象エリアP2に相当するエリアサイズが認識されると、その個数が確認される(ステップS40)。図5(b)は個数が1個の場合の例を示し、図5(c)は個数が2個以上の場合を説明する説明図である。エリアサイズ認識の個数が1個の場合は、印刷処理モードにおける設定された加熱温度が照会され加熱温度切替判定が行われる(ステップS80)。切替判定では乾燥モードを切り替える必要性が判定され照会された加熱温度が150℃であれば、切り替える必要が無いのでそのまま印刷処理に進み通常乾燥モードとなる(ステップS60)、加熱温度が170℃もしくは190℃であれば対象エリアの平均画像濃度レベルが濃度判定として確認される(ステップS90)。図5(b)に示すように平均画像濃度レベルがレベル4以上であれば、濃度判定は判定要として切替乾燥モードとなり対象エリアの加熱温度を150℃に変更する。即ち、最低乾燥温度で乾燥するよう制御される(ステップS70)。加熱温度170℃で平均画像濃度レベル3の場合は濃度判定は判定不要のため170℃のままとなる通常乾燥モードとなる(ステップS60)。同様に、加熱温度190℃で平均画像濃度レベル3の場合は170℃となる切替乾燥モードとなる(ステップS70)。また、平均画像濃度レベルが2以下の条件で通常乾燥モードとなる(ステップS60)。
ここで、図4(c)の斜線部の条件では、加熱温度を170℃に切り替えることでコクリングの抑制を行えるが、上記のエリアサイズ解析では画像データ中の対象エリアの大きさまで検出していない。そのため、図4(c)の斜線部の条件において平均画像濃度レベル3の場合に加熱温度が170℃と190℃で切り替える加熱温度の条件が異なることとなる。その加熱温度の切り替え状態を図6に示す。
次に、コクリング[M5]影響対象エリアが複数個検出される場合を説明する。例えば、エリアサイズ認識の個数が2個以上の場合は、それぞれの対象エリアの画像濃度レベルが確認される。図5(c)に示すように、2個の対象エリアの取り出した画像データの各平均濃度レベルを算出する。同時に印刷処理モードにおける加熱温度が参照されるとともに、それぞれのコクリング[M6]影響対象エリアの変更設定される乾燥温度の中でもっとも低温である加熱温度で乾燥処理が実行されるように設定される。図5(c)に示すように2つのコクリング影響対象エリアの夫々の画像濃度がレベル4とレベル3の場合の場合、レベル3であれば乾燥温度170℃の設定でコクリングが発生しない。しかしながら、同じ用紙中に存在するもう1つの対象エリアがレベル4であるため、加熱温度170℃であればコクリングが発生する。そのため、レベル4に対応して加熱温度の設定が行われる。対象エリアが決定すると加熱温度の設定は、対象エリアが1個の場合と同じように制御される。
以上のようにデータ解析が完了して、乾燥部4の加熱温度が設定されるとプリンタ120は、印刷処理を実行する。まず、図1に示すインクジェット印刷装置100の動作は、二値化画像データを取得する。なお、取得した画像データがRIP前ならば、制御部1はRIPを行ない、画像データを二値化画像データに変換する。
情報処理装置110において、アプリケーションが起動している場合に、当該アプリケーションに対してユーザが印刷指示を入力すると、OSを介してプリンタドライバが起動され、プリンタドライバは、インタフェース部により印刷に関する指示情報を入力するための印刷画面を不図示のLCDに表示する。制御部1は、OSから入力された印刷データを読み出し、印刷に関する指示情報を読み出す。
次に、インクジェット印刷装置100は画像データを印刷する。制御部1は画像データを吐出部3を制御するためのインク吐出信号に変換し、用紙9に対して画像データが表現する画像を印刷する。用紙9に対して印刷された画像を乾燥するため、制御部1は前述の画像データのデータ解析に応じてコクリング現象を防止するのに設定された加熱温度で乾燥部4の制御を行なう。制御部1は、ヒーター4について、加熱量を変更するような乾燥処理信号を乾燥部4に送信する。乾燥部4は乾燥処理信号に基づいて、ヒーター4に印加する電圧を各々変更することにより、ヒーター4の加熱量を変更する。ヒーター4は、温度センター15の検出温度でフィードバック制御が行われる。
これにより、皺発生有無テーブルの示された条件に対して画像データに応じてコクリング影響対象エリアの有無を判定し、確認された画像濃度からコクリングの発生が抑制されるように、乾燥処理の加熱温度が設定される。すなわち印刷のためにインクが大量に吐出され画像濃度レベルが高い領域には強力な乾燥が行なわれる設定になっていた場合に、加熱温度の設定が変更され弱い乾燥が行なわれることになる。その結果、印字量が多い領域とその境界の用紙部位とで加えられる熱量が弱くなる。そして、それぞれの領域からの水分蒸発の極端な差異が生じず、コクリングの発生を防ぐことができるので、用紙9の変形を防止することができる。
〈第2の実施形態〉
上記の第1の実施形態では、乾燥部4のヒーター40は用紙9を物理ページの1ページにわたって比較的大サイズの領域を一様に加熱乾燥する構造について説明を行なってきたが、本発明は用紙の搬送方向に垂直のライン上で分割部位に応じて個別に加熱処理を行う装置にも適用可能である。図7は、分割乾燥装置を説明するための図である。分割乾燥装置41は、複数のヒーター部42をライン状に列設させて備える。ヒーター部42は、用紙の搬送方向矢印Fに直交する方向に40個配置され、個別に点灯制御される赤外線ランプにより構成される。搬送部2は、インクジェット印刷装置100の搬送部2と同様なので、説明を省略する。
分割乾燥装置41は、図示しているように、搬送部2によって搬送される用紙9の搬送方向に対して直交するように備えられ、吐出部3によって用紙9に印刷された画像に対して乾燥処理を行なう。分割乾燥装置41は、所定の照射範囲を有する複数のヒーター部42によって構成される。ヒーター部42の光照射範囲は、加熱能力に応じて決定する。すなわち、加熱能力が低ければヒーター部42の照射範囲を小さくすることにより、用紙9の乾燥処理に対応することが可能となる。一方、加熱能力が高ければヒーター部41の照射範囲を大きくして照射強度を高めて用紙9の乾燥処理に対応することが可能となる。
分割乾燥装置41のヒーター部412、制御部1からの乾燥処理信号に基づいて、各々の加熱量が変更される。加熱量の変更は、乾燥処理信号に基づく印加電圧量の変更で実行される。すなわち、乾燥処理信号を受信した分割乾燥装置41は、該乾燥処理信号に基づいて、ヒーター部42それぞれに印可すべき電圧量を決定する。
こうすることで、ロール紙上の物理ページと物理ページの間に位置する用紙部分に対する乾燥処理を分割乾燥装置41による加熱処理をオフ制御することで、用紙の不必要な乾燥を防止できる。同様にロール紙の搬送方向に直交する用紙の幅方向においても、ヒーター部42を個別のオン・オフ制御することで隙間を空けた加熱処理を制御できる。例えば、ロール紙の幅に対して論理ページが小さい場合、ロール紙の幅方向の端部に空白部が生じる。この空白部への加熱処理をオフ制御することで、用紙の不必要な乾燥を防止できる。
〈第3の実施形態〉
ここまでの説明では、乾燥部4は用紙9の物理ページ全体を設定された加熱温度で乾燥する構造について説明を行なってきたが、本発明は画像データの位置に応じて個別に加熱温度を設定し乾燥処理を行う装置にも適用可能である。乾燥部は、第2の実施形態の分割乾燥装置41を用い、他の構造は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。
制御部1は、図8に示す加熱マッピングデータを予め備えるように加熱マッピング手段200を情報処理装置110に具備する。加熱マッピングデータP20は、図5(a)のコクリング影響対象印字エリアP2に対応して設定されるもので、コクリング影響対象印字エリアP2の個別加熱エリアを示したものである。即ち、側部P21は用紙9の搬送方向に直交する論理ページの幅に対応し、側部P22は用紙9の搬送方向に平行な論理ページの長さに対応し、この側部P21と側部P22で囲まれた領域が四角形で分割され、それぞれの分割領域P23に乾燥処理時の加熱温度が設定されている。ここで、側部P21の分割数は分割乾燥装置41のヒーター部42の個数に対応して分割され、側部P22の分割数は分割領域P23が正方形となるように側部P21に位置する分割領域P23の一辺の長さで分割される。この分割領域P23をそれぞれ、分割乾燥装置41のヒーター部42が加熱処理することで、小領域サイズでの加熱処理が行われる。
そして、加熱マッピングデータP20は、印刷用の画像データに投影され、画像データが加熱マッピングデータP20と重なった状態で加熱マッピング手段200によって、情報処理装置110のモニターに表示される。この表示画面でユーザーは加熱マッピングデータP20の分割領域P23の加熱温度を選択すると加熱マッピング手段200が分割乾燥装置41のヒーター部42の加熱制御を選択された加熱温度に応じて加熱を行う。即ち、この加熱マッピングデータP20が皺発生有無テーブルに相当することとなり、上記第1の実施形態では、エリアサイズ解析でもって皺発生有無テーブルからヒーター40の加熱温度を設定していたが、ユーザーが皺発生有無のテーブルを加熱マッピング手段200によって加熱マッピングデータP20に入力設定することで皺発生有無のテーブルを予め準備していることとなる。
具体的には、分割領域P23に「H」が入力されると、この部位は通常乾燥モードの加熱温度設定となり、「L」が入力されると最低乾燥温度に加熱温度は設定される。コクリング発生を抑制するのは、重ねられた画像データの対象エリアの境界線部位に位置する分割領域P23に「L」設定を行うのが好ましい。こうすることで、乾燥処理時には、この加熱マッピングデータP20の設定に応じて分割乾燥装置41のヒーター部42の加熱制御が行われる。
印刷処理時に分割乾燥装置41は、設定された加熱温度を確認する。設定された加熱温度が170℃または190℃の場合、加熱マッピングデータP20の設定で分割領域P23に対する加熱温度を分析され決定される。
分割乾燥装置41は、搬送部2によって搬送される用紙9に対して、ヒーター部42は、制御部1により決定された加熱マッピングデータP20による乾燥処理信号に基づいて、用紙9に対する適切な乾燥処理を実行する。
なお、分割乾燥装置41に備えられるヒーター部42の数は40個に限定されることはない。ヒーター部42の数が多数の場合、分割乾燥装置41は、ヒーター部42を所定の数で分割して乾燥制御を行なうようにしても良い。同様に加熱マッピングデータP20の分割個数も任意に変更可能で、1つの分割領域を1つのヒーター部42で加熱するのに限られず、複数のヒーター部42で加熱処理するようにしてもよい。
また、加熱マッピングデータP20は正方形で分割されているが、それに限られず、用紙9の搬送方向と直交する方向にライン状に分割される形態でもよい。
〈変形例〉
ここまでの説明では、インクジェット印刷装置における乾燥装置について説明を行なってきたが、例えば、オフセット印刷装置、グラヴィア印刷装置、フレキソ印刷装置、孔版印刷装置、凸版印刷装置など、他の印刷手法を採用した印刷装置においても、本発明に関わる乾燥装置は適用可能である。
また、上記実施形態において搬送部2はロール状の用紙9を搬送するものとして説明を行なってきたが、搬送部2が搬送する用紙9が枚葉紙であってもよい。
また、上記実施形態において乾燥部4のヒーターについて、電圧制御を行なうものとして説明を行なってきたが、電流制御でヒーターの加熱を行なうようにしても良い。
これにより、画像データからコクリング影響対象エリアの有無を判定し、コクリングの発生が抑制されるように、乾燥処理の加熱温度が設定される。すなわち印刷のためにインクが大量に吐出され画像濃度レベルが高い領域には強力な乾燥が行なわれる設定になっていた場合に、加熱温度の設定が変更され弱い乾燥が行なわれることになる。その結果、印字量が多い領域とその境界の用紙部位とで加えられる熱量が弱くなる。そして、それぞれの領域からの水分蒸発の極端な差異が生じず、コクリングの発生を防ぐことができるので、用紙9の変形を防止することができる。
1 制御部
2 搬送部
3 吐出部
4 乾燥部
5 検査部
9 用紙
40 ヒーター
100 インクジェット印刷装置
120 プリンタ
P1 コクリング影響対象印字エリアサイズデータ
P2 領域がコクリング影響対象印字エリア
P3 画像データ
P4 印字エリア
T 皺発生有無テーブル
2 搬送部
3 吐出部
4 乾燥部
5 検査部
9 用紙
40 ヒーター
100 インクジェット印刷装置
120 プリンタ
P1 コクリング影響対象印字エリアサイズデータ
P2 領域がコクリング影響対象印字エリア
P3 画像データ
P4 印字エリア
T 皺発生有無テーブル
Claims (2)
- 画像データに基づき記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、
前記記録媒体の搬送方向上流側から前記記録媒体を記録媒体供給部から前記印刷手段へ搬送し、前記印刷手段によって印刷が行われた前記記録媒体を下流側へ搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による搬送路で、前記印刷手段による印刷後に搬送される前記記録媒体を加熱する乾燥手段と、
前記乾燥手段が加熱温度の設定に応じて前記記録媒体の加熱する加熱状態を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記乾燥手段に設定される加熱温度に基づいて画像領域と画像濃度による皺発生有無テーブルを有し、前記画像データに応じて前記皺発生有無テーブルから前記乾燥手段の加熱温度を設定することを特徴とする印刷装置。 - 前記制御部は、前記画像データを解析することで前記皺発生有無テーブルから前記乾燥手段の加熱温度を設定することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013019129A JP2014148138A (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013019129A JP2014148138A (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014148138A true JP2014148138A (ja) | 2014-08-21 |
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ID=51571522
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013019129A Pending JP2014148138A (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014148138A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3034309A1 (en) * | 2014-12-17 | 2016-06-22 | Ricoh Company, Ltd. | Dryer and inkjet image forming apparatus |
JP2017074725A (ja) * | 2015-10-15 | 2017-04-20 | 三菱重工印刷紙工機械株式会社 | 新聞用輪転機及びそれに使用するデジタル印刷機 |
-
2013
- 2013-02-04 JP JP2013019129A patent/JP2014148138A/ja active Pending
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