JP2014146523A - 荷電粒子線装置の評価装置、及び荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、コンタミネーション付着に基づく測定誤差を高精度に評価することが可能な荷電粒子線装置の評価装置、及び荷電粒子線装置の提供を目的とする。
【解決手段】
本発明は上記目的を達成するために、試料上のパターンを測定する荷電粒子線装置の評価装置であって、パターンの第1の測定結果と、当該第1の測定結果を得た後、所定時間荷電粒子ビームを照射した後に得られる前記パターンの第2の測定結果との差分を演算し、当該差分に基づいて得られる評価値に基づいて、前記荷電粒子線装置の評価結果を出力する荷電粒子線装置の評価装置、及び荷電粒子線装置を提案する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、荷電粒子線の評価装置、及び荷電粒子線装置に係り、特にパターン寸法を測定するための荷電粒子線装置を評価する荷電粒子線の評価装置、及び荷電粒子線装置に関する。
荷電粒子線を観察試料上に走査して,観察した試料から発生する二次電子または反射電子等の信号により,試料表面の観察,計測,検査を行なう荷電粒子線評価装置は,ナノテク製品における微細形状の観察,半導体素子の微細パターンの計測・検査などに必要不可欠な装置となっている。
一般的に良く知られた現象として,荷電粒子線を用いた表面観察装置,例えば電子顕微鏡を用いて観察を行なうと,試料の電子線を照射した部分に試料汚染が生じることが知られている。この試料汚染は,例えば非特許文献1に記載されているように,基板を観察するための真空室内に残留している炭化水素系のガス分子が,荷電粒子が照射された部分に凝集して固体化・堆積するものであり,一般に電子線照射コンタミネーションあるいは単にコンタミネーションと称されている。
試料表面にコンタミネーションが付着・堆積すると,観察試料表面は真の形状を表しているわけではなく,コンタミネーション付着後の表面形状を表している。すなわち,観察中に表面形状や,表面に形成されたパターンの寸法が変化してしまうという,致命的な問題となる。この現象は,高倍率で行なう評価であるほど顕著になる。
このような現象に対しては,従来から炭化水素系ガスの装置内からの排除という観点での様々な対策が講じられている。例えば特許文献1や特許文献2には,装置内に活性酸素を導入し,装置内部品表面に吸着しているハイドロカーボン系ガス分子を二酸化炭素に分解して排気,除去する,いわゆるドライクリーニング技術が開示されている。
特開2002−56797号公報 特開2009−266697号公報
「コンタミネーション」( 矢田慶治,電子顕微鏡16(1981)2)
特に半導体パターン等の計測を行うための荷電粒子線装置には、コンタミネーションによって生じる微細パターン計測値の真の値からのずれ,すなわち計測誤差抑制の要求が益々高くなってきている。半導体デバイスは微細化が進み,計測対象となる寸法は例えば数十nmに達している。管理すべき計測誤差を1/10程度と見積もると,数nm,つまり検査装置の分解能と近いレベルの誤差を管理する必要に迫られている。
近年の荷電粒子線装置では,低いレベルのコンタミネーションを達成するために,装置の洗浄や装置を構成する材料を厳選することによって,炭化水素系残留ガスの低レベル化を実現している。一方,プロセスの多様化によって荷電粒子線装置の計測対象となる試料の種類は増加する傾向にあり、様々な種類の試料が荷電粒子線装置の真空試料室に持ち込まれている。試料の中には,炭化水素系ガスを表面に吸着しているものも存在する。つまり,初期の装置を低汚染レベルに仕上げても,装置稼動中に外部から炭化水素系ガスが持ち込まれ,基板のインプット枚数によりコンタミネーションの付着状況が変動する,あるいはある程度の期間を経ることでコンタミネーションに起因する計測誤差が顕在化する事態が発生する状況にある。
特許文献1、2に説明されているような真空室内のクリーニング法を用いることによって、コンタミネーションの付着を抑制しても良いが、クリーニングを行っている間は装置を稼動させることができない。装置内の清浄化の観点からは、頻度良くクリーニングを行うことが望ましいが、その分、装置の稼働時間が低下する。また、ガス分析装置等を用いて真空室内のガス成分を検出することによって、クリーニングのタイミングを決定する場合であっても、ガス検出量とコンタミネーションとの関係が不明であるため、必要以上に装置を停止させてしまったり、或いはクリーニングが必要なタイミングを見誤ってしまう可能性もある。
以下に、コンタミネーション付着に基づく測定誤差を高精度に評価することを目的とする荷電粒子線装置の評価装置、及び荷電粒子線装置について説明する。
上記目的を達成するための一態様として、以下に荷電粒子線装置によって得られた画像、或いは検出信号に基づいて、試料上のパターンを測定する荷電粒子線装置の評価装置であって、前記画像、或いは検出信号に基づいて得られる前記パターンの第1の測定結果と、当該第1の測定結果を得た後、所定時間荷電粒子ビームを照射した後に、前記画像、或いは検出信号に基づいて得られる前記パターンの第2の測定結果との差分を演算し、当該差分に基づいて得られる評価値に基づいて、前記荷電粒子線装置の評価結果を出力する演算装置を備えた荷電粒子線装置の評価装置、及び荷電粒子線装置を提案する。
また、上記目的をより短時間で達成するための他の一態様として、前記画像、或いは検出信号を得るための荷電粒子ビーム条件より、前記所定時間照射される荷電粒子ビーム条件を、よりコンタミネーションが付着し易い条件とする荷電粒子線評価装置、及び荷電粒子線装置を提案する。
上記構成によれば、コンタミネーション付着に基づく測定誤差を高精度に評価することが可能となる。
走査電子顕微鏡の概略を示す図。 コンタミネーションの堆積によるラインパターン幅増加の例示す図。 コンタミネーション起因の測定誤差を高感度に評価する関係式示す図。 電子線条件とコンタミネーション量及び炭化水素系ガスの関係示す図。 評価用サンプル設置位置の例を示す図。 走査電子顕微鏡の診断工程を示す図。 複数の走査電子顕微鏡ごとの測定誤差の演算結果を示す図。 複数のSEMの診断を行う診断装置が含まれる測定システムの一例を示す図。 測定誤差の評価工程のフローチャート。 SEMの診断条件を設定するGUI画面の一例を示す図。
以下に説明する実施例では、荷電粒子線により試料(例えば半導体装置が形成された基板)を走査し,試料から放出される二次電子や反射電子、或いはこれらの電子が他部材に衝突することによって生じる電子等を検出する装置について説明する。例えば試料の表面の観察するための走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)、試料表面に形成されたパターンの寸法を計測する寸法計測装置(Critical Dimension−SEM:CD−SEM)や試料に発生した欠陥や異物等を検査する検査装置(Defect Review−SEM:DR−SEM)などが該当する。なお、以下に説明する実施例は、荷電粒子線装置のみならず、荷電粒子線装置を評価する装置にも関わり、そのような装置を荷電粒子線評価装置として説明する。
以下に、コンタミネーション付着によって生じる測定誤差を評価するのに好適な荷電粒子線装置の評価装置、及び荷電粒子線装置について説明する。先述したように、コンタミネーションは、真空室内に残留する残留ガスを原因とするものであるが、残留ガス自体を評価してもコンタミネーションに基づく測定誤差を定量評価することができない。それは、残留ガス量と測定誤差との間との相関が明確ではないためである。ガス分析に基づく装置管理では計測誤差,すなわちプロセス管理という観点では配慮が不足している。ドライクリーニング直後と次のドライクリーニングまでの間のコンタミネーション付着量が不明であり,ドライクリーニングを行うための指標も明確にすることができない。炭化水素系ガスを計測し,指標とする場合,ガス分圧とコンタミネーション付着量との相関が不明確であり,計測誤差の管理指標としては精度の点で不十分と考えられる。
以下に、コンタミネーション起因の測定誤差を高感度に評価する手法,ならびに評価結果を用いた装置の状態診断機能について、説明する。
以下の説明では主に、荷電粒子線装置によって得られた画像、或いは検出信号に基づいて、試料上のパターンを測定する荷電粒子線装置評価装置であって、前記画像、或いは検出信号に基づいて得られる前記パターンの第1の測定結果と、当該第1の測定結果を得た後、所定時間荷電粒子ビームを照射した後に、前記画像、或いは検出信号に基づいて得られる前記パターンの第2の測定結果との差分を演算し、当該差分に基づいて得られる評価値に基づいて、前記荷電粒子線装置の評価結果を出力する演算装置を備えた荷電粒子線装置評価装置、及び荷電粒子線装置について説明する。
また、前記画像、或いは検出信号を得るための荷電粒子ビーム条件より、前記所定時間照射される荷電粒子ビーム条件を、よりコンタミネーションが付着し易い条件とする荷電粒子線評価装置、及び荷電粒子線装置について説明する。
上記構成によれば,コンタミネーション起因の測定誤差の高感度な評価,ならびに評価結果を用いた装置の状態診断を行うことが可能となる。
以下,図面に基づいて,荷電粒子線装置の評価装置、及び荷電粒子線装置を説明する。なお,以下に説明する実施例は荷電粒子線を利用する各種の評価装置(例えば測長装置や検査装置)に適用可能であるが,以下の説明では測長SEM装置に適用する場合について説明する。また,以下の説明では,二次電子像に関して説明するが,反射電子像を利用することも可能である。
走査電子顕微鏡を応用した測長SEM装置は,現在,半導体製造工程においてパターン寸法の管理に必須の装置である。図1に,形態例に係る測長SEM装置の概略構成を示す。測長SEM装置は,電子光学系1100,ステージ機構系を備える試料室1200,真空に保たれている試料室1200へ大気雰囲気からウエハを導入するためのロードロック室1400,真空排気系(図示せず),情報処理・装置制御部1300等で構成される。
電子光学系1100は,電子銃1101と,電子銃1101からの一次電子ビーム1102をアライメントするアライメントコイル1107と,一次電子ビーム1102を集束させるコンデンサレンズ1103と,一次電子ビーム1102の非点を補正する非点補正コイル1108と,一次電子ビーム1102を二次元に偏向させる偏向器1105,1106と,対物レンズ1104と,対物レンズ絞り1109とにより構成される。
ウエハ等の基板試料1201(以下,「ウエハ」という。)は,XYステージ1202上の試料テーブル(図示しない)に載置され,ステージコントローラ1301からの指令によりXY方向に走行し,任意の位置に停止させることができる。二次電子検出器1110は,ウエハ1201に一次電子ビームを照射することで発生した二次電子、或いは当該二次電子が他部材に衝突することによって発生する二次電子を検出し,電気信号に変換する。これにより,二次電子線像(SEM画像)を得ることができる。
電子銃1101から放出された一次電子ビーム1102は,コンデンサレンズ1103,対物レンズ1109によって集束され,微小スポットとしてウエハ1201上に照射される。電子ビームが照射されると,照射された部分から試料の材質や形状に応じた二次電子や反射電子が発生する。偏向器1105,1106を用いて一次電子ビーム1102を二次元走査し,発生する二次電子を二次電子検出器1110で検出する。二次電子検出器1110は,検出した二次電子を電気信号に変換し,A/D(Analog to digital)変換器1111に出力する。A/D変換器1111は,入力した電気信号をディジタル信号に変換する。これにより,二次元ディジタル画像としてのSEM画像が得られ,ウエハ上のパターン形状を再現することができる。
情報処理・装置制御部1300は,ステージコントローラ1301,偏向・焦点制御部1302,加速電圧制御部1303をそれぞれ制御する。ステージコントローラ1301は,情報処理・装置制御部1300からの指令に基づいてXYステージ1202を制御する。偏向・焦点制御部1302は,情報処理・装置制御部1300からの指令に基づいて偏向器1105,1106を制御し,画像倍率設定やフォーカス制御を行う。
加速電圧制御部1303は,情報処理・装置制御部1300からの指令に基づいて加速電圧を制御する。情報処理・装置制御部1300は,得られた画像や計測データを保存するデータベース1304と,装置に対する操作入力,条件の設定入力(レシピ作成),結果表示に用いられるコンピュータ1305とを有する。
図1は、後述する測定誤差評価や装置の診断装置をSEMに設けられた演算装置にて行う例を説明しているが、図8に例示するように、複数のSEMを診断可能な評価装置を別に設けることも可能である。図8に例示する走査電子顕微鏡の診断システムには、荷電粒子線装置の評価装置である診断装置801、及び当該診断装置801とネットワークを介して接続されるSEM802〜804が含まれている。診断装置801には演算装置805、及び必要な情報を記憶する記憶媒体であるメモリ806が含まれている。また、演算装置805には、ビーム条件設定部807、測定誤差演算部808、及び警報発生部809が含まれている。ビーム条件設定部807では後述するように、パターンを測定するためのビーム条件と、コンタミネーションを積極的に付着するビーム条件の設定が可能となっており、この診断装置801における設定条件に基づいて、SEM802〜804の装置条件の設定が可能となっている。
また、測定誤差演算部808では、後述する演算式等に基づいて、コンタミネーションに基づく測定誤差の演算が行われる。また、警報発生部809では、測定誤差演算部808にて演算された測定誤差が所定の条件となった場合(例えば測定誤差が所定値を超えた場合)にその旨、或いはクリーニングを促すような警報を診断装置801に設けられた入力装置810の表示装置等に出力する。
図2にコンタミネーション量を評価した例を示す。図2の例は,コンタミネーションの堆積によって実際のラインパターン幅が増加した例である。すでに説明したように,このように画像を取得してパターン計測を行なう場合,コンタミネーションの堆積は,真の形状を取得するに当たっての大きな障害となる。すなわち,画像取得中に表面に形成されたパターンの寸法が変化してしまい,パターン寸法の正確な計測を行なうことができなくなるという致命的な問題となる。そして,真のパターン寸法との食い違いは,パターン寸法が微細になればなるほど大きな値となる。
コンタミネーションの原因は,試料室内に残留している炭化水素系のガス分子が原因であることは既に述べた。装置の洗浄や装置を構成する材料を厳選することにより低いレベルのコンタミネーションを達成した装置であっても,長期間の装置稼動によってコンタミネーションの付着レベルが増加する場合がある。その原因の一つが,ウエハ自体が持込み放出された炭化水素系ガスの蓄積である。ウエハには表面にレジストが塗布されたものや有機系の薄膜を塗布されたもの,大気中のガスを吸着しやすい材質である場合があるためである。
以下に図2に例示する現象に基づいて、効率良く荷電粒子線装置の診断を行う例について説明する。
既に述べたように,コンタミネーションによって生じる計測誤差の管理値は,装置の分解能と近いレベルに達している。したがって,通常の観察条件で装置の状態を把握するためには,長期の計測寸法変動のトレンドを見なければならない。ウエハが持ち込む吸着ガスがコンタミネーションの原因になると仮定すると,ウエハの処理条件により影響度合いが異なるために,ウエハの処理条件によるばらつきも生じるので,装置の状態を把握することはより困難となる。
本実施例によれば,高感度でコンタミネーション起因の計測誤差を評価することができる。発明者らの実験にて,コンタミネーション量は,電子線条件が一定の場合,観察や計測に必要とする電子線照射時間に比例すること,また電子線照射倍率にも比例することが明らかとなった。すなわち計測条件よりも,観察倍率を大きくし,観察時間を長くすれば,それに比例してコンタミネーション量は多くなる。
図3に,コンタミネーション起因の測定誤差を高感度に評価する関係式の例を示す。計測条件に対して,少なくとも大きな倍率N,十分に長い電子線照射時間Tを任意に設定し,倍率Nで電子線を照射直後のライン寸法を取得することで,コンタミネーション量を拡大することができる。例えば観察倍率をNとし実際の計測時間,例えば40ms×3フレームでパターン寸法幅W0minを取得する。その後5分間電子線照射を続け,再度40ms×3フレームでパターン寸法幅W5minを取得する。ΔW=W5min−W0minとなるので,図3に示した式で,計測条件における誤差量ΔWmを求めることができる。
寸法計測に必要な電子線照射時間は数秒レベルであり,装置残留ガス影響が少ない近年の装置ではコンタミネーション量も微量となる。しかし実施形態によれば,実際の計測条件に対する管理・診断条件を明確にし,例に示した式を利用することで,計測条件下での測定誤差を予想できるとともに高感度な管理徹底が可能となる。
また,ΔWを管理することによって,計測誤差を抑制することが可能である。例えば,計測誤差の許容量ΔWmを設定し,Daily診断を実施し,診断値との比較を行う機能を持つことで,装置の状態を把握することが可能となる。例えば,管理値 ΔW を超えた場合,アラームを出し装置メンテを行うことがその例となる。
図9は、測定誤差診断工程を示すフローチャートである。まず、パターンを測定する測定条件にてビーム走査し、パターン寸法を測定する(ステップ901、902)。この場合、一旦SEMによって画像を形成し、その上で対象パターンの輝度信号波形を求め、ピーク間の寸法を測定することによって寸法を計測するようにしても良いし、画像を形成することなく、検出信号(波形信号)に基づいて寸法を計測するようにしても良い。次に、コンタミネーションを付着するビームの走査を行う(ステップ903)。
なお、上述したようにコンタミネーションを顕在化するビーム条件(高感度測定のための処理条件)は、測定条件に対して照射時間を長くしたり、高倍率(視野が相対的に狭い)とすることによって得られる。よって、例えば入力装置810の表示装置に図10のようなGUI(Graphical User Interface)画面を表示し、このGUI画面上でそのようなビーム条件を入力するようにすることもできる。図10の例では予め登録されている測定レシピを選択するウィンドウ1001が設けられている。測定レシピとは走査電子顕微鏡のビーム条件等を予め定めておく動作プログラムであり、電子ビームの加速電圧や倍率(視野の大きさ)等の光学条件が登録されている。測定に要する光学条件を読み出すことができれば、その光学条件に応じてコンタミネーションのための光学条件を設定することが容易になる。図10では測定レシピに登録されている各ビーム条件(加速電圧:Vacc、視野サイズ(倍率):FOV size、ビーム電流:Iprobe、照射時間:Exposure time)がGUI画面の右側に表示され、左側の入力ウィンドウにてコンタミネーション付着のためのビーム照射条件の設定が可能となっている。ビーム条件設定部807はこのGUI画面の入力に基づいてビーム条件を設定する。
例えばGUI画面上の照射時間入力ウィンドウ1002では、測定用ビームの照射時間が1秒であるのに対し、その10倍、20倍の設定が可能となっている。このように上述のΔWmを求めるための値を入力可能とし、この入力値に基づいて測定誤差演算部808にて測定誤差値を求めるようにしても良い。なお、予め測定条件とコンタミネーション用ビームの比率を登録しておき、その値にしたがってビーム条件設定、及び上記演算を行うようにしても良い。
次に再度測定条件でのビーム走査を実行し、第2の測定結果を取得する(ステップ904、ステップ905)。ステップ901とステップ904のビーム走査は基本的に同じ個所であり、ステップ903のビーム走査領域はこれらの領域内に含まれるものとする。測定誤差演算部808では第1の測定結果と第2の測定結果に基づいて、ΔWやΔWmを演算する(ステップ906)。警報発生部809では、この演算結果が所定の値を超えている(コンタミネーションが所定値より多く付着している)場合には、その旨、クリーニングを促すメッセージ、或いはエラーメッセージ等を報告し、所定値未満の場合にはその旨、或いは装置状態が正常である等のメッセージを報告する(ステップ907)。また、測定誤差とメンテナンスまでの時間を関連付けて記憶しておき、次のメンテナンスまでの時間やメンテナンス日時を出力するようにしても良い。
発明者らの実験によれば,装置残留ガス中に炭化水素系ガスが多い場合と少ない場合で,プローブ電流量に影響するコンタミネーション量が異なるとの結果が得られている。図4に,電子線条件(加速電圧/電流)とコンタミ量及び炭化水素系ガス(図示はCH系ガス)量の関係を示す。
すでに説明したように近年の荷電粒子線評価装置では,炭化水素系ガスが少ない製造方法を取り込んでいることから,図4(b)の関係を持つことが明らかである。例えば計測条件が5kV等の比較的高い加速電圧の場合,あるいは1kVでもプローブ電流が30pA辺りの比較的大きい条件の場合,この関係を利用して実際の計測条件より低加速,低電流で診断することによって,厳しい管理が可能となる。具体的には,電子線条件は,加速電圧<5kV,プローブ電流<30pAが有効である。また,ユーザの使用環境にあわせて,電子線条件を決めることで,管理・診断条件をより厳しくすることも可能となる。 更には,SEMで生成するコンタミネーション量をもとに残留炭化水素系ガスの多少を判定することも可能である。例えば,メンテナンス直後に診断をすることで,炭化水素系ガスの多少判定,実施作業やクリーニングの有効性判断にも利用できる。本実施形態では,図4に示したような,加速電圧とプローブ電流によるコンタミネーション量のデータテーブルをあらかじめ取得し,記憶する機能を持つことが必要となる。装置の状態は,ある程度の期間が経過すると変動することも考えられるために,定期的にデータテーブルを取得,更新することが望ましい。
装置の管理・診断に利用するコンタミネーション量評価用サンプルは,専用化することが望ましい。製品(具体的には半導体計測対象ウエハ)の寸法を利用することも可能ではあるが,試料自身の吸着ガスの影響を直接受けることとなり,装置残留ガスによる管理を厳密に行うことは困難となり,また診断値のばらつきが大きくなる原因ともなる。半導体製造工程中の試料自身の吸着ガスとして考えられることは,レジストなどの有機溶剤を溶媒に使ったスピンコート膜等であり,計測検査前の熱処理不足や材料不良が考えられる。
図5に本実施形態における評価用サンプル設置例を示す。図の例は,試料搬送用のホルダに評価用サンプルを設置した例である。ホルダは,常時装置内に設置され,搬送を繰り返す部品となる。そのホルダに,コンタミネーション量評価用サンプルを常設することで,装置内の残留ガスは評価用サンプルに吸着される。先に述べたように,装置稼動中に外部から炭化水素系ガスが持ち込まれ,コンタミネーション量が変動する。あるいはある程度の期間を経ることでコンタミネーションに起因する計測誤差が顕在化することがある。常設した評価用サンプルにて,コンタミネーション量をDailyあるいは一定期間後に診断することで計測誤差を把握し,装置状態を管理することが可能となる。
実施例3では、コンタミネーション量評価用サンプルを常設する例について説明したが,常設せず,診断直前に前処理を施した評価用サンプルを利用することも可能である。コンタミネーションの量は,装置残留ガスと試料の吸着ガスに影響する。プラズマクリーニングや熱処理,あるいはUV処理等を行った評価用サンプルを直前に搬送し,計測することで,装置残留ガスだけを直接診断することも可能である。ユーザの使用環境にあわせた診断として,評価用サンプルの条件を決めるとともに実施例1、2にて説明した高感度条件での診断をすることで装置の状態を管理することができる。
ここでは図6を用いて本発明に適した測長SEM装置の例について説明する。実施例2〜4の条件を予めレシピとして登録し、デイリー診断した例について説明する。例えば,診断時刻を夜間とし,その日(診断時刻から24h中)に検査したウエハ枚数をカウントしておき,診断結果ΔWと照合する。この場合は,ウエハCの計測(搬送)回数が多いほどΔWが増加する傾向にあることから ,誤差を与えるウエハはCと予想される。これらの結果を用いて,計測誤差を抑制する手段の具体例を上げると,以下が可能であり,ユーザ工程・管理ツールとして使用可能 となる。
対策1)測長SEMロードロック室で予備排気する時間を長くし(ガス出しをする),排気時間最適化を図る。
対策2)ウエハ熱処理など前処理工程を追加する。
対策3)前工程を調査し,汚染ガスを排除する。
また,計測誤差管理値 ΔW を超えた場合,装置メンテを行う アラームを出すことが可能であり,事前にアラームを出すことによって,ウエハ起因かの判定をし,プロセス異常の早期発見が可能となる 。
実施例5で使用した情報を利用し,演算機能を持たせると次の日の着工計画が可能である。図7に演算機能例を示す。ΔWの増加の原因が,ウエハの持ち込みガス(吸着ガス)であることを前提となる。
コンタミネーションによる計測誤差量とインプットされたウエハ枚数(コンタミネーションに影響を及ぼすウエハ持ち込みガス量と等価となる)との関連は重回帰解析によって求めることができる。例えば,装置にインプットされるウエハの種類を3工程(工程A,B,Cとする)とすると,コンタミネーションによる計測誤差とウエハA,B,Cのインプット枚数(a,b,c)の関係式は次のようになる。
ΔW=δ+αa+βb+γc (1)
式中の係数δ,α,β,γはウエハA,B,Cのインプット枚数(a,b,c)とコンタミネーションによる計測誤差量ΔWの実測値について重回帰解析を行うことによって求めることができる。すなわち,ΔWの実測値と,その実測した時点におけるウエハA,B,Cのインプット枚数(a,b,c)とを組み合わせた複数のデータ,ΔW1〜ΔWnに対し重回帰式を用いることで,係数δ,α,β,γを求めることができる。
この係数を求めたことにより,ウエハが経てきた工程の影響度合いを知ることができる。例えば,γが大であれば,ウエハCはコンタミネーションを生成するガスを多く持ち込むことを表している。したがって,ウエハCのインプット数を減らすことをアナウンスできる。また,ユーザが測長SEM数台所有の場合は,各装置の状態に応じて,計測(検査)装置を決めることも可能である。効果は誤差の少ない計測を行う計画を立てることである。具体的に以下の例が可能である。
装置A:(汚染が多くなってきた)・・・ウエハCを検査しない
装置B:(メンテ直後)・・・・・・・・ウエハCをメインに検査する
さらに,式(1)によって今後の装置のコンタミネーション起因の計測誤差を予測することも可能となる。メンテナンス時期を予測することも可能となるために装置管理計画が容易になる効果も期待できる。
上述のように装置の診断結果を出力することによって、装置の運用を適正に行うことができるようになる。また、製品の性能維持が可能であり,半導体歩留まり向上にもつながる。
以上説明してきた形態例に係る装置構成や処理手法の採用により,コンタミネーション起因の測定誤差を高感度に評価する手法,ならびに評価結果を用いた装置の状態診断機能が実現できる。
1100…電子光学系,1200…試料室,1300…情報処理・装置制御部,1101…電子銃,1102…一次電子ビーム,1103…コンデンサレンズ,1104…対物レンズ,1105,1106…偏向器,1107…アライメントコイル,1108…非点補正コイル,1109…対物レンズ絞り,1110…二次電子検出器,1111…A/D変換器,1112…制御電極,1201…ウエハ(基板試料),1202…XYステージ,1301…ステージコントローラ,
1302…偏向・焦点制御部,1303…加速電圧制御部,1304…データベース,1305…コンピュータ,1400…ロードロック室,1401,1402…バルブ

Claims (10)

  1. 荷電粒子線装置によって得られた画像、或いは検出信号に基づいて、試料上のパターンを測定する荷電粒子線装置の評価装置であって、
    前記画像、或いは検出信号に基づいて得られる前記パターンの第1の測定結果と、当該第1の測定結果を得た後、所定時間荷電粒子ビームを照射した後に、前記画像、或いは検出信号に基づいて得られる前記パターンの第2の測定結果との差分を演算し、当該差分に基づいて得られる評価値に基づいて、前記荷電粒子線装置の評価結果を出力する演算装置を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置の評価装置。
  2. 請求項1において、
    前記所定時間照射される荷電粒子ビームは、前記画像、或いは検出信号を得るための荷電粒子ビームより、当該荷電粒子ビームの照射に起因して発生するコンタミネーションがより多く付着する荷電粒子ビームであることを特徴とする荷電粒子線装置の評価装置。
  3. 請求項1において、
    前記所定時間照射される荷電粒子ビームは、前記画像、或いは検出信号を得るための荷電粒子ビームより、照射時間、及び倍率の少なくとも1つが大きいことを特徴とする荷電粒子線装置の評価装置。
  4. 請求項1において、
    前記所定時間照射される荷電粒子ビームは、前記画像、或いは検出信号を得るための荷電粒子ビームより、ビーム電流、或いは加速電圧の少なくとも1つが小さいことを特徴とする荷電粒子線装置の評価装置。
  5. 請求項1において、
    前記所定時間照射される荷電粒子ビームのビーム条件を、前記画像、或いは検出信号を得るための荷電粒子ビームのビーム条件に対して変化させて設定する設定装置を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置の評価装置。
  6. 荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームの試料への照射に基づいて得られる荷電粒子を検出する検出器と、当該検出器の出力に基づいて前記試料上のパターンを測定する制御装置を備えた荷電粒子線装置において、
    前記制御装置は、前記試料への荷電粒子ビームの照射に基づいて前記パターンの第1の測定結果を求め、当該第1の測定結果を得た後、所定時間荷電粒子ビームを照射した後に、前記試料への荷電粒子ビームの照射に基づいて前記パターンの第2の測定結果を求め、当該第1の測定結果と第2の測定結果の差分に基づいて得られる評価値を、荷電粒子線装置の評価結果として出力することを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6において、
    前記制御装置は、前記所定時間照射される荷電粒子ビームを、前記測定結果を得るための荷電粒子ビームより、当該荷電粒子ビームの照射に起因して発生するコンタミネーションがより多く付着する荷電粒子ビームとすることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項6において、
    前記制御装置は、前記所定時間照射される荷電粒子ビームを、前記測定結果を得るための荷電粒子ビームより、照射時間、及び倍率の少なくとも1つを大きく設定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項6において、
    前記制御装置は、前記所定時間照射される荷電粒子ビームを、前記測定結果を得るための荷電粒子ビームより、ビーム電流、或いは加速電圧の少なくとも1つが小さく設定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項6において、
    前記所定時間照射される荷電粒子ビームのビーム条件を、前記測定結果を得るための荷電粒子ビームのビーム条件に対して変化させて設定する設定装置を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
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