JP2014145344A - ターボ圧縮機及びターボ冷凍機 - Google Patents

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修 長谷川
Shintaro Omura
真太郎 大村
Hiroshi Hasegawa
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Abstract

【課題】より短時間で起動することが可能なターボ圧縮機及びターボ冷凍機を提供する。
【解決手段】電動機40と、該電動機40により回転されることによって冷媒を圧縮する圧縮部50と、冷媒が存在する収容空間21に電動機40及び圧縮部50を収容するとともに、収容空間21の下方に形成された貯留空間30に潤滑油Oを収容するケーシング20と、貯留空間30の潤滑油Oを加熱するヒータ70と、貯留空間30の潤滑油Oを収容空間21における電動機40及び圧縮部50の少なくとも一方の回転摺動部に供給する潤滑油循環部80と、ケーシング20内に設けられ、回転摺動部から滴下する潤滑油Oを貯留空間30に導く潤滑油通過部104を形成しながら収容空間21と貯留空間30とを隔てるように区画するカバー100と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ターボ圧縮機及びこれを備えたターボ冷凍機に関する。
ターボ冷凍機は、電気電子関連工場のようなクリーンルームを有する大型の工場空調や、地域冷暖房などの用途に幅広く使用されている大容量の熱源機器である。ターボ冷凍機としては、ターボ圧縮機、凝縮器、蒸発器等の構成機器を近傍に配置して一体とし、ユニット化されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のターボ圧縮機は、回転駆動部となる電動機と、この電動機によって回転される複数のインペラを有する圧縮部とを備えている。これら電動機や圧縮部には、電動機の回転を圧縮部に伝達するギアや回転軸を摺動支持する軸受部が設けられている。これらギアや軸受部等の回転摺動には、オイルタンクに貯留された潤滑油が供給される。
ここで、ターボ冷凍機を長期間停止した場合には、冷媒が潤滑油に混入して該潤滑油の粘度が低下する場合がある。ターボ冷凍機の起動時にこのような潤滑油が回転摺動部に供給されると、潤滑油本来の潤滑機能を発揮することができない。
これに対して、例えば特許文献1に記載されたターボ冷凍機では、ターボ冷凍機の起動前にヒータによって潤滑油を加熱することで、該潤滑油内から冷媒を除去するとともに該潤滑油の粘度を回復させている。
特開2011−026958号公報
ところで、上記特許文献1に記載の技術は、オイルタンクに貯留された潤滑油の液面全面が熱伝達率の高い冷媒と常時接する構成とされている。即ち、オイルタンクにおける潤滑油の液面上方には、インペラでの圧縮対象となる冷媒や電動機を冷却するための冷媒が存在する。この冷媒の存在によって、ヒータから潤滑油に与えられる熱量の一部が該冷媒に放熱されてしまい、潤滑油の加熱に時間を要してしまう。これによって、長期間停止後のターボ圧縮機を迅速に起動することができないという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、より短時間で起動することが可能なターボ圧縮機及びこのターボ圧縮機を備えたターボ冷凍機を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係るターボ圧縮機は、回転駆動部と、該回転駆動部により回転されることによって冷媒を圧縮する圧縮部と、前記冷媒が存在する収容空間に前記回転駆動部及び圧縮部を収容するとともに、前記収容空間の下方に形成された貯留空間に潤滑油を収容するケーシングと、前記貯留空間の前記潤滑油を加熱するヒータと、前記貯留空間の前記潤滑油を前記収容空間における前記回転駆動部及び圧縮部の少なくとも一方の回転摺動部に供給する潤滑油循環部と、前記ケーシング内に設けられ、前記回転摺動部から滴下する前記潤滑油を前記貯留空間に導く潤滑油通過部を形成しながら前記収容空間と前記貯留空間とを隔てるように区画するカバーと、を備えることを特徴とする。
このような特徴のターボ圧縮機によれば、カバーによって潤滑油が貯留された貯留空間と冷媒が存在する収容空間とが隔てられる。これによって、貯留空間の潤滑油液面における冷媒と接する面積を低減させることができる。
また、本発明に係るターボ圧縮機では、前記カバーの内部に中空部が形成されていることが好ましい。
これによって、カバーによる貯留空間と収容空間との断熱効果を高めることができるため、カバーを介しての潤滑油の熱の収容空間への放熱を低減できる。
さらに、本発明に係るターボ圧縮機では、前記カバーの少なくとも一部が多孔板であってもよい。
これにより、潤滑油が加熱されることにより該潤滑油から分離された冷媒を、多孔板の多孔を介して貯留空間から収容空間に放出させることができる。
また、本発明に係るターボ圧縮機では、前記カバーの前記収容空間側の表面が凹凸形状をなしていることが好ましい。
このようなカバーの収容空間側の表面付近には、潤滑油の熱に基づいてカバーを介して温められた冷媒が滞留する。即ち、カバーの当該表面に滞留した冷媒層を形成することができるため、潤滑油から冷媒への対流熱伝達による放熱量を低減させることができる。
さらに、本発明に係るターボ圧縮機の前記潤滑油通過部は、前記カバーに形成されて前記収容空間と前記貯留空間とを連通させる複数の孔部であって、該孔部が上下方向に対して傾斜して延びていてもよい。
このように孔部が傾斜して延びていることで、上下に移動しようとする冷媒の流動抵抗が増加する結果、孔部付近に冷媒を滞留させることができる。これによって、カバーにおける孔部の形成領域に、潤滑油の熱に基づいて温められた冷媒層を形成することができるため、潤滑油から冷媒への対流熱伝達による放熱量を低減させることができる。
また、本発明に係るターボ圧縮機では、前記カバーが、前記上下方向に積層されるように複数設けられており、各前記カバーは、該カバーにおける各前記孔部の延在方向が平行をなしており、互いに上下方向に隣り合う前記カバー同士の前記孔部の傾斜方向が互いに異なっていてもよい。
複数のカバーを設けてこれらカバーの孔部の傾斜向きをカバー同士で異ならせることで、上下に移動する冷媒の流動抵抗をより一層増加させることができる。したがって、上記同様、潤滑油から冷媒への対流熱伝達による放熱量を低減させることができる。
さらに、本発明に係るターボ冷凍機は、上記いずれかのターボ圧縮機を備えることを特徴とする。
これによって、上記同様、貯留空間の潤滑油液面における冷媒を接する面積を低減させることができる。
本発明のターボ圧縮機及びターボ冷凍機によれば、ケーシングにおける貯留空間の潤滑油液面における冷媒を接する面積を低減させることができるため、潤滑油から冷媒への放熱を低減することができる。これによって、ヒータによって潤滑油の温度を短時間で上昇させることができるため、ターボ圧縮機及びターボ冷凍機を短時間で起動すること可能となる。
本発明の第一実施形態に係るターボ冷凍機の模式的な系統図である。 本発明の第一実施形態に係るターボ圧縮機の模式的な縦断面図である。 本発明の第二実施形態に係るターボ圧縮機の模式的な縦断面図である。 図3のA―A断面図である。 本発明の第三実施形態に係るターボ圧縮機における図3のA−A断面図に対応する図である。
以下、本発明の熱交換器の第一実施形態について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
本実施形態のターボ冷凍機1は、図1に示すように、蒸発部2と、ターボ圧縮機10と、凝縮部4と、中間冷却部6とを備えている。
蒸発部2において、冷媒液(例えばフルオロカーボン類等の有機冷媒)はチューブ3内を流通する冷水より蒸発熱を奪って蒸発・気化し、冷媒ガスとなって該蒸発部2外部に導出される。
ターボ圧縮機10は、蒸発部2で生成された冷媒ガスを吸入し、該冷媒ガスを電動機40によって回転する2段のインペラ54によって2段圧縮する。これにより、冷媒ガスは蒸発部2で冷水より奪った蒸発熱に加え、圧縮による熱も加わった高温高圧の状態となる。なお、2段目のインペラ54には、中間冷却部6からの冷媒ガスも吸入される。
凝縮部4では、ターボ圧縮機10から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、チューブ5内を流れる冷却水に、内部に含んだ蒸発熱と圧縮の熱を放出することで、再び凝縮液化する。この際、冷却水は、凝縮部4における熱交換により加熱された後、該凝縮部4の外部に導出される。
中間冷却部6では、凝縮部4から供給される冷媒液の一部を図示しない一段目のオリフィスで中間圧力まで減厚して膨張させて蒸発させ、これにより生じる冷媒ガスを管路7を介してターボ圧縮機10の2段目のインペラ54に吸入させる。このとき、該冷媒ガスは凝縮部4から吐出される残りの冷媒液から蒸発潜熱を奪い去り、該冷媒液の温度を下げる効果があるとともに、中間冷却部6で分離された該冷媒ガスは、1段目のインペラ54で圧縮され高温になった冷媒ガスと混合することによって、2段目のインペラ54に吸いこまれる冷媒ガスの温度を下げる効果がある。このように、中間冷却部6を設けることで、単位冷媒量あたりの冷凍量を増やす効果と圧縮機の動力を減らす効果の両方が得られ、省エネ効果が高くなるという特徴がある。
次に、上記で概略を説明したターボ冷凍機1の詳細について説明する。
図2に示すように、ターボ圧縮機10は、ケーシング20と、電動機40(回転駆動部)と、圧縮部50と、ヒータ70と、潤滑油循環部80と、カバー100とを備えている。
ケーシング20はターボ圧縮機10の外観を形成する部材であって、その内部には収容空間21と貯留空間30とが形成されている。
収容空間21は、ケーシング20内の上部に形成された空間であって、上下方向に延びる隔壁24によって、第一収容空間22と第二収容空間23とに水平方向に区画されている。隔壁24には、該隔壁24を水平方向に貫通してこれら第一収容空間22と第二収容空間23とを連通する貫通孔25が形成されている。この貫通孔25の内周には、後述する電動機40の駆動軸43と貫通孔25との間をシールするシール部材26が設けられている。
貯留空間30は、ケーシング20内の下部に形成された空間、即ち、収容空間21の下方に形成された空間であって、後述する回転摺動部の潤滑剤となる潤滑油Oを収容している。この潤滑油Oは、貯留空間30の所定の水位まで貯留されている。本実施形態では、第一収容空間22と第二収容空間23とのうち、第二収容空間23の直下に貯留空間30が形成されており、これら第二収容空間23と貯留空間30とは互いに上下に連通している。
電動機40は、ステータ41、ロータ42、駆動軸43、駆動ギア44(回転摺動部)及び電動機軸受45(回転摺動部)を有している。
ステータ41は、水平方向に中心軸線が沿って配置された筒状をなしており、外部から供給される電流によって、上記中心軸線を中心とした回転磁界を生成する。
ロータ42は、ステータ41の内側に同軸に配置された円筒状をなしており、ステータ41の回転磁界に応じて中心軸線回りに回転される。
なお、このような電動機40のステータ41及びロータ42を収容する第一収容空間22内には、ケーシング20に設けられた冷媒供給口27を介して冷媒ガスが供給される。この冷媒ガスは、ステータ41及びロータ42を冷却した後、ケーシング20に設けられた冷媒吐出口28を介して例えば蒸発部2に排出される。
駆動軸43は、ロータ42の内側に一体に同軸に固定された円柱状をなしており、ケーシング20内の隔壁24の貫通孔25を第一収容空間22側から第二収容空間23内に水平方向に貫いている。この駆動軸43は、ロータ42の回転に伴ってその中心軸線回りに回転駆動される。
電動機軸受45は、電動機40の駆動軸43を摺動支持しており、ケーシング20内に一体に固定されている。本実施形態では、駆動軸43におけるロータ42の両側の部分に一対の電動機軸受45が配置されている。
駆動ギア44は、該駆動軸43の外周面から径方向外側に張り出すように第二収容空間内23に設けられており、その外周面にはギア歯が形成されている。この駆動ギア44は、駆動軸43とともに回転駆動される。
圧縮部50は、従動軸51、圧縮部軸受52(回転摺動部)、従動ギア53(回転摺動部)及び2つのインペラ54を有している。
従動軸51は、その全体が第二収容空間23内に収まるように配置されており、水平方向に延びて軸線回りに回転される円柱状をなしている。
圧縮部軸受52は、ケーシング20内に一体に固定されており、上記従動軸51を軸線回りに回転可能に支持している。本実施形態では、従動軸51の軸線方向に離間して一対の圧縮部軸受52が設けられている。
従動ギア53は、従動軸51の外周面から径方向外側に張り出すようにして、該従動軸51に一体に設けられている。本実施形態では、該従動ギア53は、一対の圧縮部軸受52に軸線方向から挟み込まれるように設けられている。
この従動ギア53の外周面のギア歯は、駆動ギア44のギア歯と噛み合っており、これによって駆動ギア44の回転に従って従動ギア53も回転し、該従動ギア53と一体と固定された従動軸51が回転駆動される。
インペラ54としては、1段目のインペラ54、2段目のインペラ54の計二つのインペラ54が設けられている。これら2つのインペラ54は、それぞれ従動軸51の外周面に一体に固定されている。これによって従動軸51の回転に伴って2つのインペラ54が軸線回りに回転する。この際、蒸発部2からターボ圧縮機10におけるケーシング20の第二収容空間23内に冷媒ガス供給流路61を介して導入された冷媒ガスが、これらインペラ54によって2段階で圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、冷媒ガス排出流路62を介して凝縮部4に送り出される。
なお、第二収容空間23内には、このインペラ54から漏出した冷媒ガスがその全域に存在している。
ヒータ70は、その加熱部となるヒータ本体71がケーシング20内の貯留空間30内に位置するように設けられており、本実施形態ではヒータ本体71の全体が貯留空間30内に収容された潤滑油O内に浸漬されている。このヒータ70は、例えば外部から電流が供給される際のジュール熱に基づいてヒータ本体71が発熱し、これによって潤滑油Oを加熱する。
潤滑油循環部80は、ポンプ81及び潤滑油流路82を備えている。
ポンプ81は、ケーシング20内の貯留空間30内に配置されており、全体が潤滑油O内に浸漬している。このポンプ81は駆動することによって、貯留空間30内に貯留された潤滑油Oをケーシング20外部へと吸い出す。
潤滑油流路82は、一端がポンプ81における潤滑油Oの吸出出口に接続されており、これによって、ポンプ81によって吸い込まれた潤滑油Oは潤滑油流路82内に導入される。この潤滑油流路82の一端は、ケーシング20の上方に該ケーシング20内と連通状態で接続されている。したがって、ポンプ81によって潤滑油流路82内に送り込まれた潤滑油Oは、順次ケーシング20内へと該ケーシング20の上方から供給される。
本実施形態では、潤滑油流路82の他端は、ケーシング20内における第二収容空間23に連通するように接続されている。これによって、第二収容空間23内にはその上方から潤滑油Oが降り注ぐ。このように第二収容空間23内に供給された潤滑油Oは、圧縮部50の圧縮部軸受52、従動ギア53等の回転摺動部の潤滑剤としての役割を果たす他、潤滑油Oの一部は図示しない流路を介して第一収容空間22内に移動し、該第一収容空間22の電動機軸受45等の回転摺動部の潤滑剤としての役割を果たす。
カバー100は、収容空間21と貯留空間30とを隔てるように区画している。このカバー100は、貯留空間30の潤滑油Oの液面よりも上方に配置された水平方向に延びる水平部101と、該水平部101の端部から潤滑油O内に先端が浸漬するように傾斜して延びる傾斜部102とを有している。水平部101における傾斜部102との接続される端部以外の端部はケーシング20の内面に固定されている。これによって、水平部101、傾斜部102、潤滑油Oの液面によって区画された密封空間103が形成されている。
また、傾斜部102の先端はケーシング20の内面には固定されておらず、これによって傾斜部102とケーシング20との間には、第二収容空間23と貯留空間30とを連通させる潤滑油通過部104が形成されている。なお、潤滑油通過部104の面積は、水平部101の面積よりも十分に小さく設定されている。
このように、カバー100は、回転摺動部から滴下する潤滑油Oを貯留空間30に導く潤滑油通過部104を形成しながら、収容空間21から貯留空間30を隔てるように貯留空間30内の潤滑油Oの液面の大部分を覆っている。
なお、カバー100を形成する材料としては、ある程度の強度を有し、熱伝導率の低い材料が適しており、特にステンレスを用いることが好ましい。また、製造コスト等を考慮して、カバー100の材料としてステンレス以外の鉄鋼板や合金板、樹脂板等を採用してもよい。
次に上記構成のターボ冷凍機1の作用について説明する。
このようなターボ冷凍機1を長期間停止した後、起動する際には、初めにヒータ70によって貯留空間30内の潤滑油Oを加熱する。この加熱により、潤滑油Oから該潤滑油O内に溶け込んだ冷媒を除去するとともに潤滑油Oの粘度を回復させることで、該潤滑油Oによる回転摺動部の潤滑効果が発揮される。そのため、ヒータ70によって潤滑油Oを所定の温度まで昇温させる工程を行う。
そして、潤滑油Oが所定の温度まで昇温した後に、ポンプ81を駆動させることにより潤滑油流路82を介して各回転摺動部に潤滑油Oを供給する。これによって、電動機40及び圧縮部50が円滑に駆動可能となる。そして、回転摺動部にて潤滑効果を発揮した潤滑油Oは、これら回転摺動部からカバー100の表面に滴下し、その後、カバー100における潤滑油通過部104を介して貯留空間30内に導入される。このように、潤滑油Oは貯留空間30内で加熱されながら、該貯留空間30と回転摺動部との間を循環する。
ここで、仮に本実施形態のように潤滑油Oを覆うカバー100が設けられていない場合、ヒータ70により潤滑油Oが加熱されると、第二収容空間23内に存在する冷媒ガスに潤滑油Oの液面全域が接するため、潤滑油Oから冷媒ガスへの対流熱伝達が大きくなり放熱量が増加してしまう。
これに対して本実施形態では、カバー100が第二収容空間23と貯留空間30とを隔てることによって潤滑油O液面の大部分から第二収容空間23の冷媒ガスを隔離することができるため、潤滑油O液面における冷媒ガスと接する面積を大幅に低減することができる。
さらに、駆動ギア44や従動ギア53の回転に伴って流動する冷媒ガスが直接的に潤滑油Oの液面に接することを低減できる。
これによって、ターボ冷凍機1の起動時に、潤滑油Oの液面から冷媒ガスへの対流熱伝達による放熱を低減することができるため、より短時間で潤滑油Oを所定の温度まで昇温し、その中に溶け込んだ冷媒ガスを分離することができる。その結果、ターボ冷凍機1の再起動、即ち、電動機40及び圧縮部50の駆動までの時間の短縮化を図ることができる。
さらに、ヒータ70による熱を潤滑油Oの加熱に効率的に寄与させることができるため、ヒータ70が消費する電力を大幅に低減させることができる。
また、カバー100によって第二収容空間23と貯留空間30とを隔てることで、これら第二収容空間23と貯留空間30とを別々に形成した場合に比べて、ターボ冷凍機1自体のコンパクト化を図ることができる。即ち、第二収容空間23、貯留空間30を別途形成した場合、これらの空間をそれぞれ形成するケーシング20や、これらケーシング20同士を接続する配管等を設ける必要があり、装置全体が大掛かりなものとなってしまう。これに対して、本実施形態では、電動機40、圧縮部50、潤滑油Oを同一のケーシング20内に設けているため、潤滑油Oの効率的な加熱を可能としつつ、装置全体のコンパクト化を実現できる。
なお、例えば圧縮部50で冷媒ガスを圧縮した後の高温高圧の冷媒ガスによって潤滑油Oを加熱することも考えられるが、この場合、潤滑油Oの昇温前に電動機40、圧縮部50を駆動する必要があるため、回転摺動部を十分に潤滑させることができない状態での駆動となってしまう。
これに対して、本実施形態では、電動機40、圧縮部50の駆動前に潤滑油Oを昇温し、該潤滑油Oが所定の温度になった際に電動機40、圧縮部50を駆動する構成のため、上記不都合が生じない。
さらに、カバー100と潤滑油Oとの間に密封空間103が形成された場合には、当該密封空間103の断熱効果によって、カバー100を介しての放熱をより低減させることができる。
なお、第一実施形態の第一変形例として、例えばカバー100の内部に中空部が形成されていてもよい。なお、この中空部はカバー100の一部に形成されていてもよいし、全域に形成されていてもよい。この場合、中空部が断熱効果を発揮することにより、カバー100による貯留空間30と収容空間21との断熱効果を高めることができるため、カバー100を介しての潤滑油Oの熱の収容空間21への放熱を低減できる。
また、第一実施形態の第二変形例として、例えばカバー100の少なくとも一部がパンチングメタルや網板状をなす多孔板であってもよい。この場合、潤滑油Oがヒータ70によって加熱されることにより該潤滑油Oから分離した冷媒を、多孔板の多孔を介して貯留空間30から収容空間21に放出させることができる。これによって、潤滑油O内への冷媒ガスの溶け込みを低減させ、より潤滑効果を発揮できる適正な粘度の潤滑油Oを回転摺動部に供給することができる。
また、ヒータ70による加熱と同時にポンプ81を駆動し、潤滑油Oを循環させながら加熱し、潤滑油Oが適正温度に到達した時点で圧縮機10を起動させることも可能である。この場合の潤滑油Oは圧縮機の通常運転時の潤滑油流路82を循環させても良いし、もしくは、起動時等にのみ使用するために、潤滑油流路82から分岐して別途設置され、再び貯留空間30に戻るように設置されたバイパス流路83を循環させても良い。なお、バイパス流路83での潤滑油Oの循環は、潤滑油流路82からバイパス流路83への分岐部に設置した切換弁84を操作することで行われる。この方法によれば、貯留空間30内の潤滑油Oが強制的に撹拌されることでヒータから潤滑油Oへの対流熱伝達率が向上するとともに、ヒータ70による加熱に加えポンプ81による流動仕事による潤滑油自身の発熱効果も加わり、更に短時間で目標温度に到達させることができる。
次に本発明の第二実施形態について図3及び図4を参照して説明する。第二実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態のターボ冷凍機1は、カバー110の構成について第一実施形態と相違する。
本実施形態のカバー110は、図3に示すように、水平方向に延在する板状をなしており、第二収容空間23と貯留空間30とを隔てるように該カバー110の縁部全域がケーシング20の内面に固定されている。
また、図4に示すように、カバー110における第二収容空間23側の表面が凹凸形状111をなしている。この凹凸形状111としては、例えば図3(a)に示すように縦断面視にて上向きに凸の三角形状が連なる形状であってもよいし、例えば図3(b)に示すように縦断面視にて上向きに凸の半円形状が連なる形状であってもよい。即ち、凹凸形状111は、縦断面視において凸部と凹部とが繰り返して連なる形状であればよい。
また、カバー110における凹部に当たる箇所には、潤滑油通過部112としてのスリットが複数形成されている。このスリットは、カバー110の凹部を上下に貫通するように形成されており、カバー110の全域に形成されていてもよいし、一部のみに形成されていてもよい。このような潤滑油通過部112は、スリット状に限られず、カバー110を上下方向に貫通していればいかなる形状であってもよい。この回転摺動部から滴下した潤滑油Oは潤滑油通過部112を通過して貯留空間30に導入されることで、潤滑油Oが循環する。
このような第二実施形態でも第一実施形態と同様、貯留空間30の潤滑油Oをカバー110が覆っているため、該潤滑油O上面が冷媒ガスに接触する面積を大幅に低減させることができる。
さらに、カバー110の収容空間21側の表面付近、即ち、凹凸形状111の凹部には、冷媒ガスが移動することなく滞留する。このように滞留した冷媒ガスは、潤滑油Oの熱に基づいてカバー110を介して温められる。即ち、カバー110の凹凸形状111付近に潤滑油Oによって温められた冷媒層を形成することができるため、潤滑油Oから冷媒への対流熱伝達による放熱量を低減させることができる。これによって、より短時間で潤滑油Oを目標温度に到達させることができ、ターボ冷凍機1の起動時間の短縮化を図ることが可能となる。
次に本発明の第三実施形態について図5を参照して説明する。第三実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態のターボ冷凍機1は、カバー120の構成について第一実施形態及び第二実施形態と相違する。
本実施形態のカバー120は、第二実施形態と同様に、水平方向に延在する板状をなしており、第二収容空間23と貯留空間30とを隔てるように該カバー120の縁部全域がケーシング20の内面に固定されている。
図5(a)に示すように、本実施形態のカバー120の潤滑油通過部121は、収容空間21と貯留空間30とを連通させる複数の孔部122であって、この孔部122は上下方向に対して傾斜して延びている。また、これら複数の孔部122は互いに平行になるように延びており、即ち、一の傾斜方向に延在方向を一致させて延びている。
このように孔部122が傾斜して延びていることで、上下に移動しようとする冷媒ガスの流動抵抗が増加する結果、孔部122付近に冷媒を滞留させることができる。即ち、鉛直方向に孔部122が形成されている場合に比べて、該孔部122の延在寸法を大きくすることができるため、該孔部122内に冷媒ガスが滞留し易くなる。
これによって、カバー120における孔部122の形成領域に、第二実施形態同様、潤滑油Oの熱に基づいて温められた冷媒層を形成することができるため、潤滑油Oから冷媒への対流熱伝達による放熱量を低減させることができる。
また、本実施形態では、例えば図5(b)に示すように、カバー120が上下方向に積層されるように複数設けられていてもよい。また、このようにカバー120が複数積層された場合、互いに上下方向に隣り合うカバー120同士の孔部122の傾斜方向は互いに異なることが好ましい。即ち、本実施形態では、2つのカバー120における複数の孔部122はカバー120毎に同一方向に傾斜しており、上方に位置するカバー120の孔部122における孔部122の傾斜方向は、下方に位置するカバー120の孔部122の傾斜方向と異なるものとされている。
このように、複数のカバー120を設けてこれらカバー120の孔部122の傾斜向きをカバー120同士で異ならせることで、上下に移動する冷媒ガスの流動抵抗をより一層増加させることができる。したがって、潤滑油Oから冷媒への対流熱伝達による放熱量をより一層低減させることができる。
なお、第二実施形態でも第一実施形態同様、ヒータ70による加熱と同時にポンプ81を駆動し、潤滑油Oを循環させながら加熱し、潤滑油Oが適正温度に到達した時点で圧縮機10を起動させてもよい。また、第一実施形態と同様に、バイパス流路83及び切換弁84を設けて潤滑油Oを循環させてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、実施形態ではカバー100,110,120の上下方向位置を固定したものとしたが、例えば貯留空間30に収容された潤滑油O表面の高さに応じて、カバー100,110,120の高さを可変としてもよい。
また、カバー100,110,120を潤滑油O表面に浮かせたフローティング構造を採用し、潤滑油O表面の液位にしたがってカバー100,110,120が上下移動する構成であってもよい。
なお、カバー100,110,120に加えて、貯留空間30の潤滑油Oに浸漬されてヒータ70を覆い、潤滑油O内を前記ヒータ70が存在する加熱領域と該加熱領域に連通する該加熱領域の外側の非加熱領域とに区画するヒータカバーをさらに備えた構成であってもよい。この場合、ヒータカバー内の潤滑油Oのみに効率的にヒータ70の熱を伝えることができるため、局所的ではあるがより短時間で所望の温度の潤滑油Oを得ることができる。
なお、実施形態ではターボ圧縮機10をターボ冷凍機1に適用した例について説明したが、ターボ圧縮機10を他の装置に適用してもよい。
さらに、本発明が対象とする圧縮機は、以上で説明した駆動ギア44、従動ギア53を持つものに限らず、電動機40と従動軸51が直結された直結式圧縮機にも適用可能であるし、中間冷却部6を有しない圧縮機や、インペラが2段の2段式圧縮機に限らず、単段、もしくはより多段の圧縮機にも適用可能である。
1 ターボ冷凍機
2 蒸発部
3 チューブ
4 凝縮部
5 チューブ
6 中間冷却部
7 管路
8 中間吸込弁
10 ターボ圧縮機
20 ケーシング
21 収容空間
22 第一収容空間
23 第二収容空間
24 隔壁
25 貫通孔
26 シール部材
27 冷媒供給口
28 冷媒吐出口
30 貯留空間
40 電動機(回転駆動部)
41 ステータ
42 ロータ
43 駆動軸
44 駆動ギア(回転摺動部)
45 電動機軸受(回転摺動部)
50 圧縮部
51 従動軸
52 圧縮部軸受(回転摺動部)
53 従動ギア(回転摺動部)
54 インペラ
61 冷媒ガス供給流路
62 冷媒ガス排出流路
70 ヒータ
71 ヒータ本体
80 潤滑油循環部
81 ポンプ
82 潤滑油流路
83 バイパス流路
84 切換弁
100 カバー
101 水平部
102 傾斜部
103 密封空間
104 潤滑油通過部
110 カバー
111 凹凸形状
112 潤滑油通過部
120 カバー
121 潤滑油通過部
122 孔部
O 潤滑油

Claims (7)

  1. 回転駆動部と、
    該回転駆動部により回転されることによって冷媒を圧縮する圧縮部と、
    前記冷媒が存在する収容空間に前記回転駆動部及び圧縮部を収容するとともに、前記収容空間の下方に形成された貯留空間に潤滑油を収容するケーシングと、
    前記貯留空間の前記潤滑油を加熱するヒータと、
    前記貯留空間の前記潤滑油を前記収容空間における前記回転駆動部及び圧縮部の少なくとも一方の回転摺動部に供給する潤滑油循環部と、
    前記ケーシング内に設けられ、前記回転摺動部から滴下する前記潤滑油を前記貯留空間に導く潤滑油通過部を形成しながら前記収容空間と前記貯留空間とを隔てるように区画するカバーと、
    を備えることを特徴とするターボ圧縮機。
  2. 前記カバーの内部に中空部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のターボ圧縮機。
  3. 前記カバーの少なくとも一部が多孔板であることを特徴とする請求項1又は2に記載のターボ圧縮機。
  4. 前記カバーの前記収容空間側の表面が凹凸形状をなしていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のターボ圧縮機。
  5. 前記潤滑油通過部は、前記カバーに形成されて前記収容空間と前記貯留空間とを連通させる複数の孔部であって、
    該孔部が上下方向に対して傾斜して延びていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のターボ圧縮機。
  6. 前記カバーが、前記上下方向に積層されるように複数設けられており、
    各前記カバーは、該カバーにおける各前記孔部の延在方向が平行をなしており、
    互いに上下方向に隣り合う前記カバー同士の前記孔部の傾斜方向が互いに異なることを特徴とする請求項5に記載のターボ圧縮機。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のターボ圧縮機を備えることを特徴とするターボ冷凍機。
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