JP2014144744A - 車速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御ゲインを大きくすることなく、目標加速度への車両加速度の応答性を改善することが可能な車速制御装置を提供すること。
【解決手段】設定された車速で定速走行するか又は自車両前方の先行車に追従走行する車速制御装置100であって、制御サイクル毎に自車両の現在の車速と前記設定された車速との車速差に基づき目標加速度を決定するか、又は、制御サイクル毎に前記先行車との相対速度及び車間距離に基づき目標加速度を決定する目標加速度決定手段32,34と、前回の制御サイクルの前記目標加速度と現在の加速度の差から不足加速度偏差を算出する不足加速度偏差算出手段331と、今回の制御サイクルの前記目標加速度と自車両の現在の加速度の差に、前記不足加速度偏差を加えた値を制御ゲインに乗じて、スロットル開度の変化量を算出するスロットル開度制御手段33と、を有することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、設定された車速で定速走行するか又は自車両前方の先行車に追従走行する車速制御装置に関する。
設定された一定車速で走行する車速制御装置、又は、自車両の車速に応じて先行車両との車間距離や速度を自動制御する車間距離制御装置(以下、両者を区別せずに車速制御装置という)が知られている。
車速制御装置は設定されたセット車速と自車両の車速との差に応じて目標の加速度や減速度を決定する(この制御状態を定速走行モードという)。また、先行車両が捕捉されている場合、車速制御装置は自車両の車速に応じて先行車両との目標車間距離を決定し、目標車間距離になる目標の加速度や減速度を決定する(この制御状態を車間距離制御モードという)。いずれのモードでも、目標の加減速度と車両の現在の加速度(以下、車両加速度という)の差に応じてスロットル開度を決定している。目標の加減速度と車両加速度の差がどの程度スロットル開度に反映されるかは制御ゲインにより定まる。
定速走行モードでは車両は定速走行しており、車間距離制御モードにおいても、先行車両がほぼ定速で走行している場合は自車両はほぼ定速で走行している。このため、運転者がセット車速を急激に大きくした場合、車間距離制御モードにて捕捉されている先行車両が加速した場合、又は、先行車両が離脱した場合などでは、目標加速度と車両加速度との差が大きくなるためスロットル開度要求値も大きくなる状況が生じる。
しかし、制御ゲインは一定の加速度を維持するように設計されているため、目標加速度と車両加速度との差が大きいため目標加速度が増大する状況では加速するための応答性が低下する場合がある。
図1は、目標加速度と車両加速度の関係を模式的に示す図の一例である。定速走行モードか車間距離制御モードかに関係なく定速走行中では、目標加速度も車両加速度もほぼ一定(ゼロ)である。これに対し時刻tで目標加速度が大きくなると、車両加速度が増加するが、制御ゲインは一定の加速度を維持するためのものなので目標加速度の変化に対し若干の遅延が生じてしまう。このような応答性の低下は商品性が低下する要因となる。
応答性を改善するには制御ゲインを大きくすればよく、制御ゲインを大きくする技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、加速初期に制御ゲインを大きくする車速制御装置が開示されている。加速初期において目標加速度と車両加速度と偏差に応じたスロットル開度よりも大きなスロットル開度にすることができるので、応答性を改善できる。
特開2008−012967号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、加速初期において偏差に応じたスロットル開度よりも大きなスロットル開度に変更すると、加速しすぎとなるおそれがあるという問題がある。すなわち、一定の加速度を維持するための制御ゲインはかなり小さい値でよく、応答性のみに着目して制御ゲインを大きくすると加速度のハンチング等の不具合が発生しやすくなるという別の不都合をもたらす。
また、上記のように制御ゲインは一定の加速度を維持するように設計されることが好ましく、本来、大きく変更することは好ましくないとされている。
本発明は上記課題に鑑み、制御ゲインを大きくすることなく、目標加速度への車両加速度の応答性を改善することが可能な車速制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、設定された車速で定速走行するか又は自車両前方の先行車に追従走行する車速制御装置であって、制御サイクル毎に自車両の現在の車速と前記設定された車速との車速差に基づき目標加速度を決定するか、又は、制御サイクル毎に前記先行車との相対速度及び車間距離に基づき目標加速度を決定する目標加速度決定手段と、前回の制御サイクルの前記目標加速度と自車両の実加速度との差から不足加速度偏差を算出する不足加速度偏差算出手段と、今回の制御サイクルの前記目標加速度と自車両の実加速度との差に前記不足加速度偏差を加えた値を制御ゲインに乗じて、スロットル開度の変化量を算出するスロットル開度制御手段と、を有することを特徴とする。
制御ゲインを大きくすることなく、目標加速度への車両加速度の応答性を改善することが可能な車速制御装置を提供することができる。
目標加速度と要求加速度の差と実際の加速度の関係を模式的に示す図の一例である(従来図)。 本実施形態の車速制御装置の概略的な特徴について説明する図の一例である。 車速制御装置の概略構成図の一例である。 車間制御ECUとエンジンECUの機能ブロック図の一例である。 目標加速度を決定するための概略的な手順を示すフローチャート図の一例である。 車両加速度とスロットル開度を従来と比較して示す図の一例である。 車両加速度のハンチングを模式的に説明する図の一例である。 エンジンECU14がスロットル開度を算出する手順を示すフローチャート図の一例である。 車両加速度とスロットル開度を従来及び実施例1と比較して示す図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲が、本実施の形態に限定されるものではない。
図2を用いて、本実施形態の車速制御装置100の概略的な特徴について説明する。
図2(a)では自車両Aが車速Vaで先行車両Bに追従走行しているが、先行車両Bが急に加速している。この場合、セット車速VがVaより大きければ、先行車両Bに追従するので自車両Aは比較的大きな加速度で加速する。
図2(b)では自車両Aが車速Vaで先行車両Bに追従走行しているが、先行車両Bが離脱した。この場合、定速走行モードになるので、セット車速VがVaより大きければ、自車両Aは比較的大きな加速度で加速する。
図2(c)は、自車両Aが定速走行モードで定速走行している。この状態で、運転者がVaよりも大きなセットVを設定した場合、自車両Aは比較的大きな加速度で加速する。
従来、このように比較的大きな加速が必要となる状況において、自車両Aは、それほど大きな加速が必要でない状況と同様に、次式からスロットル開度を求めていた。
MAn=MAn-1 + G × Ddn × Tsk …(1)
dn=(Atn−ΔVn) …従来式
MAn:今回スロットル開度
MAn-1:前回スロットル開度
G:制御ゲイン
sk:スキップ時間
Atn:目標加速度
ΔVn:車両加速度(実加速度)
dn:現在加速度偏差
式(1)は現在加速度偏差が制御ゲインによりスロットル開度に反映されている。しかし、現在加速度偏差を求めるための従来式では、制御時点の目標加速度と車両加速度しか考慮されておらず、実際の加速度変化に対するフィードバックができない。この結果、目標加速度の変化が大きい場合、補償が遅れてしまう。
本実施例では、現在加速度偏差Ddnに、過去の車両加速度の不足分を考慮して今回スロットル開度を算出することを特徴の1つとする。
dn=(Atn−ΔVn)+Ddnp … (2)
但し Ddnp=Atn-1 − ΔVn
車速制御では、制御サイクル(例えば、1〜数十ミリ秒)毎に目標加速度の決定及びスロットル開度の決定を行う。式(2)において従来式「Ddn=(Atn−ΔVn)」に対する修正項であるDdnpは、1つ前の制御サイクルの目標加速度Atn-1と現在の車両加速度ΔVnとの差になっており、1つ前の制御サイクルで達成すべきだった車両加速度の不足分を表す。以下、Ddnpを「不足加速度偏差」と称する。
式(2)に示すようにDdn(現在加速度偏差)に過去の目標加速度に対する車両加速度の不足分を反映させることで、目標加速度の変化が大きい場合に大きなフィードバックを作用させることができる。また、目標加速度の変化が小さくなると不足加速度偏差もゼロに近くなるので、目標加速度と車両加速度との差がなくなると安定した加速制御を行うことができる。したがって、制御ゲインを大きくすることなく、目標加速度への車両加速度の応答性を改善することができる。
〔構成例〕
図3は、車速制御装置の概略構成図の一例である。定速走行モードにおいて、車速制御装置100は設定されたセット車速で走行する。車間距離制御モードにおいて、車速制御装置100の一般的な車間距離制御は以下のようになる。なお、車速制御装置100はACC(Adaptive Cruise Control)と呼ばれる場合がある。また、本実施形態では車間距離制御という用語と追従走行という用語を特に区別せずに使用している。
I.レーダ等で先行車両を検出する。先行車両が検出されている場合は、レーダで検出した先行車両との距離が車速に応じた目標車間距離となるように追従走行する。
II.先行車両が検出されなくなった場合、運転者がセットしたセット車速で定速走行する。
また、I、IIの制御を、低速域から停止時にかけて可能とした車速制御装置100を「全車速域定速走行・車間距離制御装置(又は全車速ACC)」と称する場合がある。
全車速域定速走行・車間距離制御装置は、さらに以下のような機能を備える。
III.先行車両が停止した場合、適正な車間距離を維持して停車する。
IV.先行車両が走行を再開した場合、車速に応じた車間距離を維持しながら追従走行を開始する。
本実施形態の車速制御装置100は低速域においても上記の制御が可能である。したがって、ACCと全車速ACCの区別なしに、以下で説明する、目標加速度が増大した場合の応答性の改善が可能である。
車間距離制御は車間制御ECU(Electronic Control Unit)13が、センサ部12、エンジンECU14、及び、スキッド制御ECU15等と協働することで行われる。定速走行モードでは車間制御ECU13がなくてもよい。センサ部12、車間制御ECU13、エンジンECU14、及び、スキッド制御ECU15はCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワーク又は専用線を介して通信可能に接続されている。エンジンECU14には、クルーズコントロールスイッチ11、トランスミッション16、スロットルモータ17、スロットルポジションセンサ18が、また、スキッド制御ECU15には車輪速センサ19とブレーキACT(アクチュエータ)20がそれぞれシリアル通信などの専用線で接続されている。
各ECUはマイコン、電源、ワイヤーハーネスのインタフェースなどを搭載した情報処理装置である。マイコンは、CPU、ROM、RAM、不揮発メモリ、I/O、及び、CAN通信装置等を備えた公知の構成を有する。図示されている各ECUと各ECUが有する機能の対応は固定ではなく、例えばエンジンECU14が車間制御ECU13の機能を備えることなども可能であり、図示する構成は一例に過ぎない。
センサ部12は、レーダセンサ21とカメラセンサ22を有している。いずれも少なくとも先行車両との距離を検出することが可能であり、少なくとも一方を有していればよい。レーダセンサ21は、車両のフロントグリルなど車両の前方の中央部に配置され、車両の前方を中心に所定の角度(例えば、正面を中心に左右10度)にミリ波を出射し、この範囲に存在する物体により反射したミリ波を受信する。レーダセンサ21は、例えばFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダやパルスレーダである。レーダセンサ21は、送信信号と受信信号をミキサーでミキシングすることで、受信アンテナ毎にビート信号を生成する。送信信号が送信されてから受信信号が受信されるまでの時間は対象物との距離に比例し、またビート信号の周波数は相対速度によりシフトする。よって、ビート信号を例えばFFT解析することで距離及び相対速度(=Vb−Va。距離が長くなる相対速度が正、接近する相対速度が負)が得られる。また、レーダセンサ21は、MUSIC(Multiple Signal Classification)解析やDBF(Digital Beam Forming)処理等により障害物の横位置x(方位θ)を検出することも可能である。
カメラセンサ22は、単眼カメラでもステレオカメラでもよいが、好ましくはステレオカメラである。カメラセンサ22は、例えば、光軸を車両前方に向けてルームミラーに配置される。ステレオカメラの場合、予め用意されているキャリブレーションデータを用いて各カメラが撮像したフレーム(画像データ)にレンズ歪み、光軸ずれ、焦点距離ずれ及び撮像素子歪み等を取り除く前処理を行う。これにより2つのカメラのフレームは視差に相当する違いのみを有するようになる。ステレオカメラは、左右の画像データの相関をブロックマッチングなどの手法により評価して、同一の対象物が撮影された画素に生じている視差やレンズの焦点距離fなどを用いて、画素毎に距離情報を算出する。
単眼カメラの場合、周期的に撮影される複数の画像データにオプティカルフロー処理を施し、同じ撮影物の移動量を監視して、距離情報を推定する。
また、距離情報を得た後又は距離情報を得る前に、カメラセンサ22はHOG((Histograms of Oriented Gradients)、Joint HOG、CPF(Co-occurrence Probability Features)、CoHOG (Co-occurrence Histograms of Oriented Gradients)、などの手法で先行車両を認識する。先行車両として認識された画素の距離情報により、先行車両との距離を特定できる。カメラセンサ22は、1秒間に所定数(30〜60個)の画像を撮影することを繰り返すので、フレーム毎に先行車両の距離が得られる。したがって、フレーム間で先行車両との距離の変化を監視することで相対速度が得られる。また、先行車両の横位置(車幅方向の中央)は認識結果から明らかになっている。
このように、レーダセンサ21とカメラセンサ22は同等の情報を得られる。センサ部12は、周期的に先行車両との距離、相対速度、及び、横位置(以下、物標情報という)を車間制御ECU13に送信する。
車間制御ECU13は、センサ部12から送信される物標情報、現在の車速及び加速度等に基づき、目標加速度(信号)をエンジンECU14やスキッド制御ECU15に送信する。目標加速度は正値又は負値であり、正値であればエンジンECU14が加速制御し、負値であり制動が必要な目標加速度であればスキッド制御ECU15がブレーキACT20を制御して減速する。
クルーズコントロールスイッチ11は、車速制御装置100について運転者の操作を受け付け車間制御ECU13に通知する。例えば、以下のような操作が可能である。
(i) 定速走行制御機能又は車間距離制御機能のON/OFF
(ii) 車間距離制御モードと定速走行モードの切り換え
(iii) 減速、加速及び定速走行用の車速のセット
(iv) 車間距離の設定(例えば、長・中・短の3種類から選択でき、長・中・短のそれぞれで車速に応じて車間距離が決定される)
エンジンECU14は、一般的なエンジン制御を行うと共に、スロットル開度等を制御する。また、エンジンECU14は車速とスロットル開度に対して定められているシフトアップ線とシフトダウン線に基づき変速段の切り換えの必要性を判断し、必要であればトランスミッション16に変速段を指示する。トランスミッション16は、AT(オートマチックトランスミッション)又はCVT(Continuously Variable Transmission)など、どのような機構でもよい。
スキッド制御ECU15は、ブレーキACT20のバルブの開閉及び開度を制御することで車両を制動する。ブレーキACT20はポンプが作動流体に発生させた油圧により各輪のホイルシリンダ圧を増圧・維持・減圧することで、車両の加速度(減速度)を制御する。
図4は、車間制御ECUとエンジンECUの機能ブロック図の一例を示す。車間制御ECU13はACC制御部34を有し、エンジンECU14はクルーズ制御部32、エンジン制御部31、及び、スロットル制御部33を有する。これらの制御部はCPUがROMに記憶されたプログラムを実行し各種のハードウェアと協働することで実現される。
ACC制御部34は、車間距離制御モードにおいて目標加速度を算出し、エンジンECU14等に出力する。クルーズ制御部32は定速走行モードにおいて目標加速度を算出する。エンジン制御部31は、エンジンの状態に応じた燃料噴射量の制御、点火時期制御、インテークバルブタイミング及びエキゾーストバルブタイミングの調整等を行う。スロットル制御部33は、運転者が車速を調整する通常走行時はアクセル開度と車速に応じて最適なスロットル開度にスロットルモータ17を制御し、定速走行モード又は車間距離制御モードでは目標加速度と車両加速度の差に応じてスロットル開度を決定しスロットルモータ17を制御する。また、不足加速分算出部331は、1つ前の制御サイクルの目標加速度Atn-1と現在の車両加速度ΔVnとの差Ddnpを算出する。
〔目標加速度の決定〕
・セット車速で走行時(定速走行モードで走行中の場合、車間距離制御モードだが先行車両が捕捉されない場合)
図5(a)は、目標加速度を決定するための概略的な手順を示すフローチャート図の一例である。車間制御ECU13は、クルーズコントロールスイッチ11がONの間、図5(a)の処理を制御サイクル毎に繰り返す。
S10:クルーズ制御部32は車輪速センサ19が検出した車速を取得する。
S20:次いで、クルーズコントロールスイッチ11により設定されたセット車速を取得する。
S30:クルーズ制御部32は現在の車速とセット車速の差である車速偏差を算出する。
車速偏差=セット車速−現在の車速
車速偏差が正値の場合、自車両を加速すべきであり、車速偏差が負値の場合、自車両を減速すべきことになる。
S40:クルーズ制御部32は車速偏差から制御サイクル1回分の目標加速度を算出する。
目標加速度= 車速偏差/ΔT
なお、目標加速度に上限値が設定されている場合は、上限を超えないように(つまり上限値に)目標加速度が制限される。
・車間距離の制御時(車間距離制御モードで先行車両が捕捉されている場合)
図5(b)は、目標加速度を決定するための概略的な手順を示すフローチャート図の一例である。ACC制御部34は、クルーズコントロールスイッチ11がONの間、制御サイクル毎に目標加速度を決定する。
S10:ACC制御部34は、センサ部12から先行車両との距離と相対速度を、車輪速センサ19から自車両の車速をそれぞれ取得する。
S20:ACC制御部34は、運転者が設定した車間距離の設定(長・中・短)と現在の車速から目標車間距離を決定する。
S30:ACC制御部34は、目標車間距離を現在の車速で除算することで目標車間時間を算出し、現在の先行車両との距離を車速で除算することで車間時間を算出する。目標車間時間は目標車間距離を現在の車速で移動した場合に先行車両に到達するために必要な時間である。車間時間は現在の距離を現在の車速で移動した場合に先行車両に到達するために必要な時間である。
S40:車間制御ECU13は、目標車間時間から車間時間を減じて車間時間偏差を算出する。車間時間偏差が正値の場合、目標車間距離に対し車間距離が短く、負値の場合、目標車間距離に対し車間距離が長いことになる。
S50:車間制御ECU13は、相対速度と車間時間偏差を演算して、目標加速度を算出する。相対速度が正値の場合、先行車両が遠ざかっているので自車両を加速すべきであり、相対速度が負値の場合、先行車両が近づいてくるので自車両を減速すべきである。車間時間偏差が正値の場合、車両を減速すべきであり、車間時間偏差が負値の場合、車両を加速すべきである。したがって、適切な係数(ゲイン)を相対速度と車間時間偏差にそれぞれ乗じて符号を逆にして加算すれば、目標加速度が得られる。
目標加速度=−K1×相対速度+K2×車間時間偏差
なお、相対速度や車間時間偏差の他、相対速度の微分値や車間時間偏差の微分値などから目標加速度を決定してもよく、目標加速度の決定方法は一例である。
〔スロットル開度の計算〕
そして、スロットル制御部33はクルーズ制御部32又はACC制御部34が算出する目標加速度に対し、スロットル開度を決定する。不足加速分算出部331は不足加速度偏差Ddnpを算出する。
MAn=MAn-1 + G × Ddn × Tsk …(1)
dn=(Atn−ΔVn)+Ddnp … (2)
但し Ddnp=Atn-1 − ΔVn
スロットル制御部33は、このようにして算出されたスロットル開度になるように、スロットルポジションセンサ18が検出するスロットル開度を監視しながらスロットルモータ17を制御する。
式(1)(2)によりスロットル開度を算出することで、不足加速度偏差Ddnpがフィードバック項として作用するので、目標加速度と車両加速度との差を低減でき、目標加速度が増大する状況における加速の応答性を向上できる。
なお、不足加速度偏差Ddnpとして、さらに過去の目標加速度に対する不足分を考慮してもよい。
dnp=Atn-1−ΔVn + 0.5・Atn-2−ΔVn + 0.25・Atn-3−ΔVn
「0.5」や「0.25」は係数であり、過去の不足加速度偏差ほど係数を小さくすることで補償(フィードバック)が大きくなることを抑制できる。過去の何サイクルまで過去に遡るかは実験的に最適化することができるが、例えば、加速初期に最も大きくし、徐々に少なくする。
図6は、車両加速度とスロットル開度を従来と比較して示す図の一例である。定速走行中、目標加速度と車両加速度はほぼ一定(ゼロ)である。時刻tで目標加速度が大きくなると不足加速度偏差Ddnpにより従来よりもスロットル開度が大きくなる。このため、時刻tで目標加速度が大きくなると、車両加速度が従来よりも応答性よく増加することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、制御ゲインを大きくすることなく、目標加速度への実加速度の応答性を改善することができる。
実施例1では不足加速度偏差Ddnpにより過去の目標加速度と車両加速度の不足分を現在のスロットル開度に反映させた。しかしながら、車両の性能によっては、不足加速度偏差Ddnpが大きくなる制御サイクルと小さくなる制御サイクルが生じて、加速度がハンチングするおそれがある(本実施例のハンチングとは加速制御における加速度の安定性をいい、必ずしも減速することを含まなくてもよい)。本実施例ではハンチング抑制が可能な車速制御装置100について説明する。なお、機能ブロック図や目標加速度の算出等は実施例1と同様なので説明は省略する。
図7は、車両加速度のハンチングを模式的に説明する図の一例である。車両加速度の応答性は従来よりも向上しているが、車両加速度の傾きが安定していない。このような車両加速度では乗員の快適性が低下してしまう。
そこで、本実施例では、不足加速度偏差Ddnpに対し加速度変化に対する不感帯を設ける。すなわち、目標加速度変化と車両加速度変化の差が充分に大きいか又は小さい場合以外は、不足加速度偏差Ddnpをゼロにすることで、目標加速度と車両加速度に偏差があっても不足加速度偏差Ddnpがスロットル開度に影響しないようにする。これにより、目標加速度変化と車両加速度変化の差の絶対値が一定以上でない限り、不足加速度偏差Ddnpがスロットル開度に影響しないのでハンチングを抑制できる。
〔スロットル開度の計算〕
本実施例のスロットル制御部33はクルーズ制御部32又はACC制御部34が算出する目標加速度に対し、以下のようにスロットル開度を決定する。
MAn=MAn-1 + G × Ddn × Tsk …(1)
dn=(Atn−ΔVn)+Ddnp … (2)
a) MHYS ≦ ΔAtn−ΔΔVn ≦ PHYS の場合
Ddnp=0
b) ΔAtn−ΔΔVn < MHYS 又は、PHYS<ΔAtn−ΔΔVn の場合
dnp=Atn-1 − ΔVn
ΔAtn:目標加速度変化
ΔΔVn:車両加速度変化
MHYS:加速度変化に対する不感帯(−側)
PHYS:加速度変化に対する不感帯(+側)
MHYSからPHYSまでが不感帯である。不感帯は−側と+側で個別に設定されるので、車両の加速のしやすさ及び減速のしやすさに応じて−側と+側で最適な不感帯を設定できる。したがって、不要な加減速の発生を抑制でき、車両の商品性の向上に寄与することができる。
〔制御手順〕
図8は、エンジンECU14がスロットル開度を算出する手順を示すフローチャート図の一例である。図7の手順は目標加速度が算出された後、スロットル開度を算出するために実行される。
スロットル制御部33は、加速制御が開始されたか否かを判定する(S110)。加速制御が開始されるとは、目標加速度が前回値よりも所定値以上大きくなっていること、又は、過去の複数回の目標加速度よりも連続して大きくなっていること、などから判定される。
スロットル制御部33は目標加速度変化ΔAtn、車両加速度変化ΔΔVnを算出する(S120)。
ΔΔVn=ΔVn−ΔVn-1
ΔAtn=Atn−Atn-1
不足加速分算出部331は「 MHYS ≦ ΔAtn−ΔΔVn ≦ PHYS」が成立するか否かを判定する(S130)。
MHYS ≦ ΔAtn−ΔΔVn ≦ PHYSが成立する場合(S130のYes)、スロットル制御部33はDdnpをゼロとする(S160)。
MHYS ≦ ΔAtn−ΔΔVn ≦ PHYSが成立しない場合(S130のNo)、不足加速分算出部331は不足加速度偏差Ddnpを算出し、スロットル制御部33は不足加速度偏差Ddnpを用いてDdnを算出する(S140)。
次に、スロットル制御部33は加速制御中か否かを判定し(S150)、加速制御中の場合(S150のYes)、ステップS120以下の処理を繰り返す。
図9は、車両加速度とスロットル開度を従来及び実施例1と比較して示す図の一例である。時刻tで目標加速度が大きくなると不足加速度偏差Ddnpにより従来よりもスロットル開度が大きくなり、実施例1と同様に応答性が向上されている。
さらに、本実施例では、目標加速度変化と車両加速度変化の差が不感帯に入る場合は、不足加速度偏差Ddnpをゼロにするので、不足加速度偏差Ddnpが考慮される場合を、加速度変化が一定以上大きいか又は小さい場合に限ることができる。これにより、ハンチングを抑制することができる。
したがって、本実施例の車速制御装置100は、車両加速度を従来よりも応答性よく増加させ、かつ、ハンチングすることも抑制できる。
11 クルーズコントロールスイッチ
12 センサ部
13 車間制御ECU
14 エンジンECU
15 スキッド制御ECU
17 スロットルモータ
19 車輪速センサ
31 エンジン制御部
32 クルーズ制御部
33 スロットル制御部
34 AAC制御部
100 車速制御装置

Claims (5)

  1. 設定された車速で定速走行するか又は自車両前方の先行車に追従走行する車速制御装置であって、
    制御サイクル毎に自車両の現在の車速と前記設定された車速との車速差に基づき目標加速度を決定するか、又は、制御サイクル毎に前記先行車との相対速度及び車間距離に基づき目標加速度を決定する目標加速度決定手段と、
    前回の制御サイクルの前記目標加速度と自車両の実加速度との差から不足加速度偏差を算出する不足加速度偏差算出手段と、
    今回の制御サイクルの前記目標加速度と自車両の実加速度との差に前記不足加速度偏差を加えた値を制御ゲインに乗じて、スロットル開度の変化量を算出するスロットル開度制御手段と、
    を有することを特徴とする車速制御装置。
  2. 前記不足加速度偏差算出手段は、
    今回の目標加速度と前回の目標加速度との差である目標加速度変化と、
    今回の実加速度と前回の実加速度との差である実加速度変化と、の差である加速度変化偏差が所定範囲内の場合、前記不足加速度偏差をゼロに設定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の車速制御装置。
  3. 前記所定範囲は、前記目標加速度変化の方が前記実加速度変化よりも小さい場合の負側の下限値と、前記目標加速度変化の方が前記実加速度変化よりも大きい場合の正側の上限値とにより規定され、前記下限値の絶対値と前記上限値は異なっている、
    ことを特徴とする請求項2記載の車速制御装置。
  4. 前記制御ゲインは、前記目標加速度と自車両の実加速度の差に関わらず一定である、 ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1記載の車速制御装置。
  5. 前記不足加速度偏差算出手段は、
    前回の制御サイクルの前記目標加速度と自車両の実加速度との差に、前回よりもさらに過去の制御サイクルの前記目標加速度と自車両の実加速度との差を加えて、前記不足加速度偏差を算出する、
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の車速制御装置。
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