JP2014144539A - ヘアライン加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製品歩留まりの低下を抑制可能なヘアライン加工法を提供する。
【解決手段】 ヘアラインの加工対象として、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムを用いる。微細な凹凸は次の条件を満足する。算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以上1.0μm以下である。微細な凹凸は平滑なフィルム表面にブラスト加工を施すことで形成してもよい。マット剤を練り込んだ練り込みマットフィルムで実現してもよい。合成樹脂を発泡させた発泡マットフィルムで実現してもよい。
【選択図】 なし
【解決手段】 ヘアラインの加工対象として、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムを用いる。微細な凹凸は次の条件を満足する。算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以上1.0μm以下である。微細な凹凸は平滑なフィルム表面にブラスト加工を施すことで形成してもよい。マット剤を練り込んだ練り込みマットフィルムで実現してもよい。合成樹脂を発泡させた発泡マットフィルムで実現してもよい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、プラスチックフィルムの表面にヘアライン加工を施す方法に関する。
フィルム表面を単一方向に削り、該フィルム表面に無数の毛髪状極細溝(ヘアライン)を施し、その後、削りカスを水で洗い流し、水切りした後、乾燥させて巻き取るヘアライン加工法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1技術を含む従来手法でフィルム表面にヘアライン加工を施した場合、水洗した後であっても、削りカスで構成される「ヒゲ」と呼ばれる不良部分がヘアラインの所々から立ち上がり、これが残存することが多かった。ヘアライン加工後の最終製品中に、このような不良部分が残存していると、品質検査時に不良と判断され、その結果、製品歩留まりが低下する。
本発明の目的は、製品歩留まりの低下を抑制可能なヘアライン加工法を提供することである。
本発明者らは、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムを用い、このプラスチックフィルムの微細凹凸面にヘアライン加工を施すことで、ヘアライン加工後の最終製品中に、削りカスで構成されるヒゲ(「毛羽」と言うこともある。)と呼ばれる不良部分の発生を抑制することができ、その結果、製品の歩留まり低下を抑制することができることを見いだし本発明を完成させた。
すなわち本発明によれば、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムを用い、該フィルムの微細凹凸面にヘアライン加工を施すことを特徴とするヘアライン加工方法が提供される。
本発明において、プラスチックフィルム表面に施される微細な凹凸は、下記条件を満足することが好ましい。算術平均粗さが0.05μm以上1.0μm以下である。
本発明において、ヘアライン加工の対象となるプラスチックフィルムは、特に限定されず、平滑なフィルム表面にブラスト加工を施したブラストマットフィルムであってもよい。あるいはマット剤を練り込んだ練り込みマットフィルム(例えば、東レ社製のルミラーX44など)や、合成樹脂を発泡させた発泡マットフィルム(例えば、東レ社製のルミラーE20など)などを用いることもできる。
本発明によれば、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムに対してヘアライン加工するので、平滑なプラスチックフィルムに直接、ヘアライン加工を施す場合と比較して、ヘアライン加工後に削りカスで構成されるヒゲと呼ばれる不良部分の発生を抑制することができ、その結果、製品歩留まりの低下を効果的に抑制することができる。
以下、本発明の一例を説明する。
まず、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムを準備する。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリルなどの材質(合成樹脂)で形成された透明フィルムが挙げられる。その厚みは適宜選択すればよく、一般には25〜250μmであり、好ましくは50〜200μmである。これらの中でも、機械的強度や寸法安定性に優れる点で、二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
まず、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムを準備する。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリルなどの材質(合成樹脂)で形成された透明フィルムが挙げられる。その厚みは適宜選択すればよく、一般には25〜250μmであり、好ましくは50〜200μmである。これらの中でも、機械的強度や寸法安定性に優れる点で、二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
プラスチックフィルム表面に施される微細な凹凸は、下記条件を満足することが好ましい。算術平均粗さ(Ra)が、通常0.05μm以上、好ましくは0.07μm以上であって、通常1.0μm以下、好ましくは0.8μm以下である。
なお、Raとともに、最大高さ(Rmax)や十点平均粗さ(Rz)などを例えば下記条件に調整してもよい。Rmaxが、1.0μm以上、好ましくは1.5μm以上であって、10μm以下、好ましくは9.0μm以下である。Rzが、0.5μm以上、好ましくは0.8μm以上であって、8.0μm以下、好ましくは7.0μm以下である。
なお、Raとともに、最大高さ(Rmax)や十点平均粗さ(Rz)などを例えば下記条件に調整してもよい。Rmaxが、1.0μm以上、好ましくは1.5μm以上であって、10μm以下、好ましくは9.0μm以下である。Rzが、0.5μm以上、好ましくは0.8μm以上であって、8.0μm以下、好ましくは7.0μm以下である。
Raは、粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を基準長さで除した値であって、粗さ曲線の粗さの平均を示すパラメータであり、この値が大きくなるほど、表面の粗面度合い高く、表面の艶消し度合いが増すことになる。
Rmaxは、表面のうねりを除いた粗さ曲線の、基準長さにおける一番高い山と一番低い谷との高低差を示すパラメータである。
Rzは、表面のうねりを除いた粗さ曲線の、基準長さにおける上位5番目までの山の高さの平均値と、上位5番目までの谷の低さの平均値との高低差を示すパラメータである。
Rmaxは、表面のうねりを除いた粗さ曲線の、基準長さにおける一番高い山と一番低い谷との高低差を示すパラメータである。
Rzは、表面のうねりを除いた粗さ曲線の、基準長さにおける上位5番目までの山の高さの平均値と、上位5番目までの谷の低さの平均値との高低差を示すパラメータである。
上述したRa、Rmax、Rzの値はすべて、JIS−B0601(1982)に準拠した方法で測定された値を意味している。
上記表面特性を持つプラスチックフィルムを得る手段は特に限定されない。例えば、平滑なプラスチックフィルムに、微細な砂(研磨材)を投射する(吹きつける)ことによりフィルム表面に微細凹凸を付与するブラスト加工によってもよい。研磨材を吹き付ける方法も特に限定されない。例えば、回転する印ペラーから研磨材をブレードに供給し遠心力で投射するショットブラスト(遠心式ブラスト)法によってもよいし、あるいは圧縮空気を用いたエアーブラスト(サンドブラスト)法によってもよい。
また、平滑なプラスチックフィルムを用いる代わりに、酸化チタンなどの無機粒子マット剤を含有させた上でフィルム製膜して得られる、いわゆる練り込みマットフィルムを用いてもよい。また、各種合成樹脂(前出)を発泡白色化させてフィルム製膜した、いわゆる発泡マットフィルムを用いてもよい。
また、平滑なプラスチックフィルムを用いる代わりに、酸化チタンなどの無機粒子マット剤を含有させた上でフィルム製膜して得られる、いわゆる練り込みマットフィルムを用いてもよい。また、各種合成樹脂(前出)を発泡白色化させてフィルム製膜した、いわゆる発泡マットフィルムを用いてもよい。
いずれにしても本例では、上述した所定の表面特性を満足する微細凹凸を持つプラスチックフィルムを用いることが必須である。このような特定の表面特性を持つプラスチックフィルムを用いた場合、後述のヘアライン加工後に、削りカスで構成されるヒゲと呼ばれる不良部分の発生が抑制される理由は必ずしも明らかではない。思うに、所定の微細凹凸を持つプラスチックフィルムを用いた場合、平滑なプラスチックフィルムを用いてヘアライン加工した場合と比較して、微細凹凸部が基点となってカスが脆くなり、その結果、削りカスが線状ではなく、粉末状となって、ヒゲの発生が抑制されるのではないかと推測している。
(2)次に、プラスチックフィルムの微細凹凸面にヘアライン加工を施す。具体的には、プラスチックフィルムの微細凹凸面を単一方向へライン状に削り、無数の毛髪状極細溝(ヘアライン)を形成する。
平滑なプラスチックフィルムに直接、ヘアライン加工を施した場合、加工後のライン終端部付近に削りカス(ヒゲ)が残存し、これが不良となり、最終的に製品歩留まりを低下させていたが、微細な凹凸を施したプラスチックフィルムを用いた場合、加工後のヒゲの発生を抑制することができることを見出した。その結果、製品の歩留まり向上が期待される。
平滑なプラスチックフィルムに直接、ヘアライン加工を施した場合、加工後のライン終端部付近に削りカス(ヒゲ)が残存し、これが不良となり、最終的に製品歩留まりを低下させていたが、微細な凹凸を施したプラスチックフィルムを用いた場合、加工後のヒゲの発生を抑制することができることを見出した。その結果、製品の歩留まり向上が期待される。
本例で言うヘアラインは、フィルム表面を単一方向に削ることにより付与される無数の毛髪状極細溝を意味している。
本例で施すヘアライン加工は、例えば、ヘアライン加工機を用い、不織布に砥粒を付着させたヘアライン用研磨材や金属ブラシなどを、プラスチックフィルムの微細凹凸面に一方向に擦り付けることによって無数の毛髪状極細溝を該表面に形成することにより実施される。
本例で施すヘアライン加工は、例えば、ヘアライン加工機を用い、不織布に砥粒を付着させたヘアライン用研磨材や金属ブラシなどを、プラスチックフィルムの微細凹凸面に一方向に擦り付けることによって無数の毛髪状極細溝を該表面に形成することにより実施される。
ヘアライン加工は、プラスチックフィルムの微細凹凸面に、通常0.05μm以上、好ましくは0.07μm以上であって、通常15μm以下、好ましくは10μm以下程度の深さ(D)、及び、通常1.0μm以上、好ましくは10μm以上であって、通常1.0mm以下、好ましくは0.5mm以下程度の幅(W)となるライン状に施すことが好ましい。
上述した加工後のプラスチックフィルムは、そのヘアライン形成面の、60度表面光沢度が100%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下とされる。
表面光沢度は、本例の加工後プラスチックフィルムのヘアライン形成面に入射した光の反射の程度を示すパラメータであり、この値が小さいほど低光沢度であるとされ、低光沢度であるほど艶消し効果があるものと判断される。60度表面光沢度とは、ヘアライン形成面の垂直方向を0度とし、ここから60度傾いた角度で入射した100の光が、反射側に60度傾いた受光部にどれだけ反射(受光部に入射)するかを示すパラメータである。
表面光沢度の値は、JIS−Z8741(1997)に準拠した方法で測定された値を意味している。
表面光沢度は、本例の加工後プラスチックフィルムのヘアライン形成面に入射した光の反射の程度を示すパラメータであり、この値が小さいほど低光沢度であるとされ、低光沢度であるほど艶消し効果があるものと判断される。60度表面光沢度とは、ヘアライン形成面の垂直方向を0度とし、ここから60度傾いた角度で入射した100の光が、反射側に60度傾いた受光部にどれだけ反射(受光部に入射)するかを示すパラメータである。
表面光沢度の値は、JIS−Z8741(1997)に準拠した方法で測定された値を意味している。
なお、本例ではさらに、加工後プラスチックフィルムのヘアライン形成面に、蒸着法などで金属蒸着層を積層形成してもよい。本例の加工後プラスチックフィルムを用い、これに金属蒸着することで、メタリック感を表現することができ、ラベル用途や、家電製品や自動車などの内外装材に対して、魅力ある加飾を付与することが可能となる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
厚さが50μmの平滑なポリエステルフィルム(ルミラーS10、東レ社製。Ra:0.05μm未満、Rmax:1.0μm未満、Rz:0.5μm未満)を準備した。
次に、このフィルムに対し、ショットブラストを行った。ショットブラストは、直径が500mmのローター2台を使用し、ローターの回転速度2200rpm、研磨材として平均粒径170μmの珪砂を用い、幅1.2mのフイルムを10m/分の速度で搬送しながら30Kg/m2の珪砂を1m離れたフイルム面にショットすることにより行った。その後、100L/分の水で1分間水洗、80℃で1分間乾燥し、微細な凹凸が施されたポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの微細凹凸面のRa、Rmax、Rzを、JIS−B0601(1982)に基づき接触式表面粗さ測定機(Surfcorder 「SE500」、小坂研究所製)を用いて測定したところ、Raは0.350μm、Rmaxは4.500μm、Rzは4.000μmであった。
厚さが50μmの平滑なポリエステルフィルム(ルミラーS10、東レ社製。Ra:0.05μm未満、Rmax:1.0μm未満、Rz:0.5μm未満)を準備した。
次に、このフィルムに対し、ショットブラストを行った。ショットブラストは、直径が500mmのローター2台を使用し、ローターの回転速度2200rpm、研磨材として平均粒径170μmの珪砂を用い、幅1.2mのフイルムを10m/分の速度で搬送しながら30Kg/m2の珪砂を1m離れたフイルム面にショットすることにより行った。その後、100L/分の水で1分間水洗、80℃で1分間乾燥し、微細な凹凸が施されたポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの微細凹凸面のRa、Rmax、Rzを、JIS−B0601(1982)に基づき接触式表面粗さ測定機(Surfcorder 「SE500」、小坂研究所製)を用いて測定したところ、Raは0.350μm、Rmaxは4.500μm、Rzは4.000μmであった。
次に、このフィルムの微細凹凸面にヘアライン加工を施し、無数のヘアライン(毛髪状極細溝)が施されたフィルム試料を得た。ヘアライン加工は、市販のヘアライン加工機を用いて行った。得られたフィルム試料に対し、ヘアライン形成面の60度表面光沢度を、JIS−Z8741(1997)に基づき光沢度計(デジタル変角光沢度計UVG−4D、スガ試験機社製)を用いて測定したところ12%であった。得られたフィルム試料のヘアライン形成面を電子顕微鏡(SEM)で観察した。結果を図1に示す。得られたフィルム試料のヘアライン形成面におけるヘアラインを任意に10本抜き出し、その深さ(D)及び幅(W)を測定したところ、深さDは概ね5μm程度であり、幅Wは概ね200μm程度であった。
[実施例2]
マット剤が練り込められた練り込みマットポリエステルフィルム(ルミラーX44、東レ社製。Ra:0.200μm、Rmax:3.000μm、Rz:2.500μm)を準備し、このフィルムの表面にヘアライン加工を施し、無数のヘアラインが施されたフィルム試料を得た。得られたフィルム試料の、ヘアライン形成面の60度表面光沢度を同様に測定したところ38%であった。また得られたフィルム試料のヘアラインの深さDと幅Wを同様に測定したところ、深さDは概ね5μm程度であり、幅Wは概ね200μm程度であった。
マット剤が練り込められた練り込みマットポリエステルフィルム(ルミラーX44、東レ社製。Ra:0.200μm、Rmax:3.000μm、Rz:2.500μm)を準備し、このフィルムの表面にヘアライン加工を施し、無数のヘアラインが施されたフィルム試料を得た。得られたフィルム試料の、ヘアライン形成面の60度表面光沢度を同様に測定したところ38%であった。また得られたフィルム試料のヘアラインの深さDと幅Wを同様に測定したところ、深さDは概ね5μm程度であり、幅Wは概ね200μm程度であった。
[実施例3]
白色発泡マットポリエステルフィルム(ルミラーE20、東レ社製。Ra:0.200μm、Rmax:2.500μm、Rz:2.000μm)を準備し、このフィルムの表面にヘアライン加工を施し、無数のヘアラインが施されたフィルム試料を得た。得られたフィルム試料の、ヘアライン形成面の60度表面光沢度を同様に測定したところ40%であった。また得られたフィルム試料のヘアラインの深さDと幅Wを同様に測定したところ、深さDは概ね5μm程度であり、幅Wは概ね200μm程度であった。
白色発泡マットポリエステルフィルム(ルミラーE20、東レ社製。Ra:0.200μm、Rmax:2.500μm、Rz:2.000μm)を準備し、このフィルムの表面にヘアライン加工を施し、無数のヘアラインが施されたフィルム試料を得た。得られたフィルム試料の、ヘアライン形成面の60度表面光沢度を同様に測定したところ40%であった。また得られたフィルム試料のヘアラインの深さDと幅Wを同様に測定したところ、深さDは概ね5μm程度であり、幅Wは概ね200μm程度であった。
[比較例]
実施例1で準備したポリエステルフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に直接、実施例1と同じヘアライン加工を施し、無数のヘアラインが施されたフィルム試料を得た。得られたフィルム試料の、ヘアライン形成面の60度表面光沢度を同様に測定したところ60%であった。得られたフィルム試料のヘアライン形成面を電子顕微鏡(SEM)で観察した。結果を図2に示す。得られたフィルム試料のヘアラインの深さDと幅Wは、実施例1とほぼ同様であった。
実施例1で準備したポリエステルフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に直接、実施例1と同じヘアライン加工を施し、無数のヘアラインが施されたフィルム試料を得た。得られたフィルム試料の、ヘアライン形成面の60度表面光沢度を同様に測定したところ60%であった。得られたフィルム試料のヘアライン形成面を電子顕微鏡(SEM)で観察した。結果を図2に示す。得られたフィルム試料のヘアラインの深さDと幅Wは、実施例1とほぼ同様であった。
[考察]
ヘアライン加工の対象として、実施例1では、微細な凹凸が施されたポリエステルフィルムを用いたから、フィルム試料中に、削りカスで構成されるヒゲの発生が殆ど見られなかった(図1参照)。これに対し、比較例では、平滑なポリエステルフィルムを用いたから、ヘアライン加工後の削りカス(ヒゲ)が多数残存していた(図2参照)。
なお、練り込みマットフィルムや白色発泡マットフィルムを用いた実施例2,3の各フィルム試料は、実施例1のフィルム試料と同様の評価が得られた。
ヘアライン加工の対象として、実施例1では、微細な凹凸が施されたポリエステルフィルムを用いたから、フィルム試料中に、削りカスで構成されるヒゲの発生が殆ど見られなかった(図1参照)。これに対し、比較例では、平滑なポリエステルフィルムを用いたから、ヘアライン加工後の削りカス(ヒゲ)が多数残存していた(図2参照)。
なお、練り込みマットフィルムや白色発泡マットフィルムを用いた実施例2,3の各フィルム試料は、実施例1のフィルム試料と同様の評価が得られた。
Claims (5)
- 微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムを用い、該フィルムの微細凹凸面にヘアライン加工を施すことを特徴とするヘアライン加工方法。
- 請求項1記載のヘアライン加工方法において、前記微細な凹凸が下記条件を満足することを特徴とするヘアライン加工方法。
算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以上1.0μm以下。 - 請求項1又は2記載のヘアライン加工方法において、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムとして、平滑なフィルム表面にブラスト加工を施したブラストマットフィルムを用いることを特徴とするヘアライン加工方法。
- 請求項1又は2記載のヘアライン加工方法において、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムとして、マット剤を練り込んだ練り込みマットフィルムを用いることを特徴とするヘアライン加工方法。
- 請求項1又は2記載のヘアライン加工方法において、微細な凹凸が表面に施されたプラスチックフィルムとして、合成樹脂を発泡させた発泡マットフィルムを用いることを特徴とするヘアライン加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013012699A JP2014144539A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | ヘアライン加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013012699A JP2014144539A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | ヘアライン加工方法 |
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JP (1) | JP2014144539A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018027510A (ja) * | 2016-08-15 | 2018-02-22 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | リブレット用転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シート |
-
2013
- 2013-01-25 JP JP2013012699A patent/JP2014144539A/ja active Pending
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