JP2014140967A - 無端状ベルトの製造装置および無端状ベルトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い生産効率が得られると共に、金型の高速回転時の蛇行が抑制される無端状ベルトの製造装置および無端状ベルトの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 遠心成形法に用いる無端状ベルトの製造装置であって、円筒状の金型と、金型の両端部に各々着脱自在に嵌め合わされる一対の保持治具と、保持治具および金型を一体に固定する引っ張り部材と、駆動ローラとを有し、保持治具は、有底円筒状の蓋部と円筒状の駆動用筒部とを有し、当該駆動用筒部がその円筒軸が蓋部の円筒軸に一致する状態で当該蓋部の底部分の外面から当該蓋部分の円筒軸方向の外方に伸びるように連続して形成され、金型が保持治具に各々嵌め合わされた状態で、駆動ローラの外周面が保持治具の駆動用筒部の外周面に接触するよう配置され、一対の保持治具および金型からなる一体物の左右方向の移動が抑制された状態で、駆動ローラを回転させることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 遠心成形法に用いる無端状ベルトの製造装置であって、円筒状の金型と、金型の両端部に各々着脱自在に嵌め合わされる一対の保持治具と、保持治具および金型を一体に固定する引っ張り部材と、駆動ローラとを有し、保持治具は、有底円筒状の蓋部と円筒状の駆動用筒部とを有し、当該駆動用筒部がその円筒軸が蓋部の円筒軸に一致する状態で当該蓋部の底部分の外面から当該蓋部分の円筒軸方向の外方に伸びるように連続して形成され、金型が保持治具に各々嵌め合わされた状態で、駆動ローラの外周面が保持治具の駆動用筒部の外周面に接触するよう配置され、一対の保持治具および金型からなる一体物の左右方向の移動が抑制された状態で、駆動ローラを回転させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、中間転写ベルトなどとして電子写真方式の画像形成装置に用いられる無端状ベルトを製造するための製造装置および当該無端状ベルトの製造方法に関する。
例えば、電子写真方式の画像形成装置の中間転写ベルトや定着ベルト、感光体ベルトなどとして、無端状ベルトが用いられている。
このような無端状ベルトの製造方法としては、従来から、遠心成形法が広く利用されている。遠心成形法においては、まず、円筒状の金型の内面に、無端状ベルトとなる樹脂またはその原料を含有する塗布液を供給し、当該金型を回転させることによって遠心力により塗布液を流延させて均一な塗膜を形成する。そして、金型を回転させながら、塗膜中の溶剤成分を蒸発させて当該塗膜を乾燥または重合させて固化し、その後、塗膜を金型から剥離して取り出すことにより、無端状ベルトを得ることができる。塗膜の硬化が必要である場合は、塗膜の乾燥、固化後、または、金型からの剥離後に、加熱や光照射などによって硬化を行うことができる。
このような無端状ベルトの製造方法としては、従来から、遠心成形法が広く利用されている。遠心成形法においては、まず、円筒状の金型の内面に、無端状ベルトとなる樹脂またはその原料を含有する塗布液を供給し、当該金型を回転させることによって遠心力により塗布液を流延させて均一な塗膜を形成する。そして、金型を回転させながら、塗膜中の溶剤成分を蒸発させて当該塗膜を乾燥または重合させて固化し、その後、塗膜を金型から剥離して取り出すことにより、無端状ベルトを得ることができる。塗膜の硬化が必要である場合は、塗膜の乾燥、固化後、または、金型からの剥離後に、加熱や光照射などによって硬化を行うことができる。
このような無端状ベルトを製造するための製造装置としては、例えば、水平面上において同方向に伸びる状態に配置された2本の駆動ローラ上に、金型が同方向に伸びるよう載置され、当該2本の駆動ローラが回転することにより、金型が自転する構成のものが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
遠心成形法を用いた製造装置において、均一な厚みの無端状ベルトを得るためには、金型を高速回転させる必要がある。
しかしながら、上記のような製造装置においては、金型の外周面の精度の影響や、金型の左右方向の移動が抑制されない構造上の理由から、金型を1000rpm以上に高速回転させると金型が蛇行して金型の上下動や微小なスリップを生じ、その結果、得られる無端状ベルトの厚さ精度にばらつきが生じてしまう、という問題がある。
しかしながら、上記のような製造装置においては、金型の外周面の精度の影響や、金型の左右方向の移動が抑制されない構造上の理由から、金型を1000rpm以上に高速回転させると金型が蛇行して金型の上下動や微小なスリップを生じ、その結果、得られる無端状ベルトの厚さ精度にばらつきが生じてしまう、という問題がある。
このような厚さ精度のばらつきの問題を解決するために、例えば特許文献4には、金型の両端部に各々固定手段を嵌入させて金型の左右方向の移動を抑制する装置が開示されている。
しかしながら、このような製造装置においては、塗布液の金型の内面への供給と、遠心力の付与とを別個の独立した工程として行わなければならないために、生産効率が低い、という問題がある。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、高い生産効率が得られると共に、金型の高速回転時の蛇行が抑制される無端状ベルトの製造装置および無端状ベルトの製造方法を提供することにある。
本発明の無端状ベルトの製造装置は、水平方向に伸びる円筒状の金型の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型を高速回転させることによって遠心力により塗膜を形成する、遠心成形法による無端状ベルトの製造方法に用いる無端状ベルトの製造装置であって、
円筒状の金型と、当該金型の両端部に各々着脱自在に嵌め合わされる一対の保持治具と、一対の保持治具を互いに接近する方向に引っ張ることによって一対の保持治具および金型を一体に固定する引っ張り部材と、前記金型を回転させるための駆動ローラとを有し、
前記保持治具は、その底部分にその径が前記金型の内径よりも小さい貫通孔が形成された有底円筒状の蓋部と、前記蓋部の外径よりも小さい外径を有する円筒状の駆動用筒部とを有し、当該駆動用筒部が、その円筒軸が前記蓋部の円筒軸に一致する状態で、当該蓋部の底部分の外面から当該蓋部分の円筒軸方向の外方に伸びるように連続して形成されてなるものであり、
前記金型が一対の保持治具に各々嵌め合わされた状態において当該一対の保持治具が前記引っ張り部材によって引っ張られて当該一対の保持治具および金型が一体に固定されると共に、前記駆動ローラの外周面が前記保持治具の駆動用筒部の外周面に接触するよう配置され、前記一対の保持治具および金型からなる一体物の左右方向の移動が抑制された状態で、前記駆動ローラを回転させることにより、前記金型を自転させることを特徴とする。
円筒状の金型と、当該金型の両端部に各々着脱自在に嵌め合わされる一対の保持治具と、一対の保持治具を互いに接近する方向に引っ張ることによって一対の保持治具および金型を一体に固定する引っ張り部材と、前記金型を回転させるための駆動ローラとを有し、
前記保持治具は、その底部分にその径が前記金型の内径よりも小さい貫通孔が形成された有底円筒状の蓋部と、前記蓋部の外径よりも小さい外径を有する円筒状の駆動用筒部とを有し、当該駆動用筒部が、その円筒軸が前記蓋部の円筒軸に一致する状態で、当該蓋部の底部分の外面から当該蓋部分の円筒軸方向の外方に伸びるように連続して形成されてなるものであり、
前記金型が一対の保持治具に各々嵌め合わされた状態において当該一対の保持治具が前記引っ張り部材によって引っ張られて当該一対の保持治具および金型が一体に固定されると共に、前記駆動ローラの外周面が前記保持治具の駆動用筒部の外周面に接触するよう配置され、前記一対の保持治具および金型からなる一体物の左右方向の移動が抑制された状態で、前記駆動ローラを回転させることにより、前記金型を自転させることを特徴とする。
本発明の無端状ベルトの製造装置においては、前記保持治具の蓋部の底部分の内面が、離型性を有する部材によって形成されていることが好ましい。
本発明の無端状ベルトの製造装置においては、前記金型の内面が、JIS B0601 ’94による表面粗さRzが0.2〜1.0μmであることが好ましい。
本発明の無端状ベルトの製造方法は、上記の無端状ベルトの製造装置を用いて、水平方向に伸びる円筒状の金型の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型を高速回転させることによって遠心力により塗膜を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の無端状ベルトの製造装置によれば、貫通孔を有する特定の保持治具によって金型が固定されることにより、高い生産効率が得られると共に、金型の高速回転時の蛇行を抑制することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔無端状ベルトの製造装置〕
本発明の無端状ベルトの製造装置は、水平方向に伸びる円筒状の金型の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型を高速回転させることによって遠心力により塗膜を形成する、遠心成形法による無端状ベルトの製造方法に用いる無端状ベルトの製造装置である。
図1は、本発明の無端状ベルトの製造装置の構成の一例を示す縦断面図、図2は、図1に示す無端状ベルトの製造装置のY−Y線断面図である。
この無端状ベルトの製造装置(以下、「遠心成形装置」ともいう。)は、円筒状の金型10と、当該金型10の両端部に各々着脱自在に嵌め合わされる一対の保持治具12,13と、一対の保持治具12,13を互いに接近する方向に引っ張ることによって一対の保持治具12,13および金型10を一体に固定する引っ張り部材15と、金型10を回転させるための駆動ローラ18とを有する。
また、この遠心成形装置には、金型10の一側に配置され、金型10の内面に塗布液を供給するためのノズルを有する図示しない塗布液供給手段が設けられている。このノズルは、定量ポンプ、圧縮ポンプなどにより一定量の塗布液を送液することができるものである。ノズルの先端は、注液またはスプレー塗装をすることができる形状とされており、また、このノズルは、その先端が金型10の円筒軸方向に移動させることができる。
さらに、この遠心成形装置には、一対の保持治具12,13および金型10の一体物の全体を加熱したり、空気を供給して塗布液を固化させる加熱装置、乾燥装置などの図示しない固化手段や、その他の遠心成形装置に必要な部材が備えられている。
本発明の無端状ベルトの製造装置は、水平方向に伸びる円筒状の金型の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型を高速回転させることによって遠心力により塗膜を形成する、遠心成形法による無端状ベルトの製造方法に用いる無端状ベルトの製造装置である。
図1は、本発明の無端状ベルトの製造装置の構成の一例を示す縦断面図、図2は、図1に示す無端状ベルトの製造装置のY−Y線断面図である。
この無端状ベルトの製造装置(以下、「遠心成形装置」ともいう。)は、円筒状の金型10と、当該金型10の両端部に各々着脱自在に嵌め合わされる一対の保持治具12,13と、一対の保持治具12,13を互いに接近する方向に引っ張ることによって一対の保持治具12,13および金型10を一体に固定する引っ張り部材15と、金型10を回転させるための駆動ローラ18とを有する。
また、この遠心成形装置には、金型10の一側に配置され、金型10の内面に塗布液を供給するためのノズルを有する図示しない塗布液供給手段が設けられている。このノズルは、定量ポンプ、圧縮ポンプなどにより一定量の塗布液を送液することができるものである。ノズルの先端は、注液またはスプレー塗装をすることができる形状とされており、また、このノズルは、その先端が金型10の円筒軸方向に移動させることができる。
さらに、この遠心成形装置には、一対の保持治具12,13および金型10の一体物の全体を加熱したり、空気を供給して塗布液を固化させる加熱装置、乾燥装置などの図示しない固化手段や、その他の遠心成形装置に必要な部材が備えられている。
(金型)
金型10は、その内面が製造すべき無端状ベルトの外周面を形成する成形面とされるものである。
金型10としては、250℃以上の耐熱性を有する材料からなるものを用いることが好ましく、例えばステンレス鋼、アルミニウム、鉄、真鍮などの金属製のものを用いることができる。
金型10は、その内面が製造すべき無端状ベルトの外周面を形成する成形面とされるものである。
金型10としては、250℃以上の耐熱性を有する材料からなるものを用いることが好ましく、例えばステンレス鋼、アルミニウム、鉄、真鍮などの金属製のものを用いることができる。
金型10の内面は、JIS B0601’94による表面粗さRzが0.2〜1.0μmであることが好ましい。
このように金型10の内面が鏡面化されたものであることにより、成形された無端状ベルトの当該金型10からの脱型を容易に行うことができる。
JIS B0601 ’94による表面粗さRzは、JIS B0601’94に準拠して測定された、粗さ曲線で最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と、最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均の和である十点平均粗さである。
このように金型10の内面が鏡面化されたものであることにより、成形された無端状ベルトの当該金型10からの脱型を容易に行うことができる。
JIS B0601 ’94による表面粗さRzは、JIS B0601’94に準拠して測定された、粗さ曲線で最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と、最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均の和である十点平均粗さである。
金型10の内径は、所望する無端状ベルトの外径に適合する大きさであればよく、例えば無端状ベルトが中間転写ベルトである場合は、周長800〜1400mmとされる。
また、金型10の軸方向の長さは、所望する無端状ベルトの軸方向の長さよりも長ければよく、例えば幅200〜800mmとされる。
また、金型10の軸方向の長さは、所望する無端状ベルトの軸方向の長さよりも長ければよく、例えば幅200〜800mmとされる。
(保持治具)
一対の保持治具12,13は、図2および図3にも示すように、有底円筒状の蓋部121,131と、この蓋部121,131の外径よりも小さい外径を有する円筒状の駆動用筒部122,132とを有し、当該駆動用筒部122,132が、その円筒軸が蓋部121,131の円筒軸に一致する状態で、当該蓋部121,131の底部分の外面から当該蓋部121,131の円筒軸方向の外方に伸びるように連続して一体的に形成されてなるものである。
蓋部121,131の内径は、当該蓋部121,131内に、金型10の両端部の各々を液密に嵌入させることができるよう、金型10の外径と適合する大きさとされている。
また、蓋部121,131の底部分には、金型10の円筒軸Xとその中心軸が一致すると共にその径が金型10の内径よりも小さい貫通孔が形成されており、保持治具12,13の各々において、蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔が、駆動用筒部122,132の内部空間に連通している。この例の保持治具12,13においては、蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔の外径が、駆動用筒部122,132の内径に一致する大きさとされている。
蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔の径は、さらに、金型10の内面に積層されて形成される無端状ベルトとなる円筒状の塗膜Wの内径よりも小さいことが好ましい。これにより、金型10の内面に供給された塗布液が遠心力によって流延されたときに当該金型10の両端において蓋部121,131の底部分における貫通孔が形成されていない底壁によって堰き止められるために、得られる塗膜Wを均一な厚みのものにすることができる。
一対の保持治具12,13は、図2および図3にも示すように、有底円筒状の蓋部121,131と、この蓋部121,131の外径よりも小さい外径を有する円筒状の駆動用筒部122,132とを有し、当該駆動用筒部122,132が、その円筒軸が蓋部121,131の円筒軸に一致する状態で、当該蓋部121,131の底部分の外面から当該蓋部121,131の円筒軸方向の外方に伸びるように連続して一体的に形成されてなるものである。
蓋部121,131の内径は、当該蓋部121,131内に、金型10の両端部の各々を液密に嵌入させることができるよう、金型10の外径と適合する大きさとされている。
また、蓋部121,131の底部分には、金型10の円筒軸Xとその中心軸が一致すると共にその径が金型10の内径よりも小さい貫通孔が形成されており、保持治具12,13の各々において、蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔が、駆動用筒部122,132の内部空間に連通している。この例の保持治具12,13においては、蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔の外径が、駆動用筒部122,132の内径に一致する大きさとされている。
蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔の径は、さらに、金型10の内面に積層されて形成される無端状ベルトとなる円筒状の塗膜Wの内径よりも小さいことが好ましい。これにより、金型10の内面に供給された塗布液が遠心力によって流延されたときに当該金型10の両端において蓋部121,131の底部分における貫通孔が形成されていない底壁によって堰き止められるために、得られる塗膜Wを均一な厚みのものにすることができる。
保持治具12,13においては、蓋部121,131の底部分の内面、特に当該底部分における金型10の内面に積層されて形成される無端状ベルトとなる円筒状の塗膜Wが接触される領域が、離型性を有する部材によって形成されていることが好ましい。
具体的には、蓋部121,131の底部分に、蓋部121,131の内径に適合する外径を有し、テフロン(登録商標)などの離型材料によってコーティングされた円環状の離型部材121a,131aが嵌めこまれて構成されている。
当該円環状の離型部材121a,131aの円環の幅は、塗布液による塗膜Wの厚みよりも厚いことが好ましく、また、遠心力を付与されたときにも塗布液がこの離型部材121a,131aを乗り越えて行かない程度の厚みを有することが好ましい。
保持治具12,13における無端状ベルトとなる円筒状の塗膜Wが接触される領域が離型部材121a,131aによって形成されていることにより、塗膜Wの両端部の厚みが薄いものとなることが抑制されると共に、後述するように乾燥された塗膜Wが形成された金型10を保持治具12,13から外すときに、塗膜Wの保持治具12,13からの優れた剥離性が得られる。
具体的には、蓋部121,131の底部分に、蓋部121,131の内径に適合する外径を有し、テフロン(登録商標)などの離型材料によってコーティングされた円環状の離型部材121a,131aが嵌めこまれて構成されている。
当該円環状の離型部材121a,131aの円環の幅は、塗布液による塗膜Wの厚みよりも厚いことが好ましく、また、遠心力を付与されたときにも塗布液がこの離型部材121a,131aを乗り越えて行かない程度の厚みを有することが好ましい。
保持治具12,13における無端状ベルトとなる円筒状の塗膜Wが接触される領域が離型部材121a,131aによって形成されていることにより、塗膜Wの両端部の厚みが薄いものとなることが抑制されると共に、後述するように乾燥された塗膜Wが形成された金型10を保持治具12,13から外すときに、塗膜Wの保持治具12,13からの優れた剥離性が得られる。
保持治具12,13においては、離型部材121a,131aの貫通孔、蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔および駆動用筒部122,132の内部空間は、塗布液を供給するノズルを挿入するために、全て連通して1つの貫通孔Hが形成されている。また、貫通孔Hを形成する。これらの離型部材121a,131aの貫通孔、蓋部121,131の底部分に形成された貫通孔および駆動用筒部122,132の内部空間は、すべて同じ径を有することが好ましい。
保持治具12,13としては、100℃以上の耐熱性を有する材料からなるものを用いることが好ましい。また、耐久性を得る観点から、例えば保持治具12,13における離型部材121a,131a以外の部材として金型10と同様の金属製のものを用いることが好ましい。
離型部材121a、131aとしては、100℃以上の耐熱性を有するテフロン(登録商標)からなるものなどを用いることができる。
離型部材121a、131aとしては、100℃以上の耐熱性を有するテフロン(登録商標)からなるものなどを用いることができる。
保持治具12,13の蓋部121,131の外周面には、後述する引っ張り部材15の脚部151a,151a,152a,152aを係止する、径方向内方に凹んだ凹部121b,131bが形成されている。
(引っ張り部材)
引っ張り部材15は、スプリング15sによって互いに接近する方向に引っ張られる引っ張り部材本体151,152と、当該引っ張り部材本体151,152から各々略垂直方向に伸び、保持治具12,13の蓋部121,131の外周面に形成された凹部121b,131bに係止することができる脚部151a,151a,152a,152aとから構成されている。
引っ張り部材15は、スプリング15sによって互いに接近する方向に引っ張られる引っ張り部材本体151,152と、当該引っ張り部材本体151,152から各々略垂直方向に伸び、保持治具12,13の蓋部121,131の外周面に形成された凹部121b,131bに係止することができる脚部151a,151a,152a,152aとから構成されている。
(駆動ローラ)
駆動ローラ18は、耐熱シリコンゴムから形成された円筒状のものである。
駆動ローラ18は、耐熱シリコンゴムから形成された円筒状のものである。
以上のような遠心成形装置においては、金型10の両端部が一対の保持治具12,13に各々嵌め合わされている。また、当該一対の保持治具12,13が、引っ張り部材15の脚部151a,151a,152a,152aが当該保持治具12,13の凹部121b,131bに係止されることによって互いに接近する状態に引っ張られて、当該一対の保持治具12,13および金型10が一体に固定されている。
そして、この一対の保持治具12,13および金型10からなる一体物が、底の浅い箱状の支持枠20内に配置されると共に、当該支持枠20における対向する左右壁からそれぞれ2本ずつ伸びる合計4本の駆動ローラ18,18,18,18によって、押圧状態に支持されている。4本の駆動ローラ18,18,18,18は、水平面内において並列に伸びた2つの仮想の軸上の一方に、支持枠20の左壁から伸びる1本の駆動ローラ18と右壁から伸びる別の1本の駆動ローラ18とがそれぞれ軸方向に伸びるよう配置されると共に、支持枠20の左壁から伸びるさらに別の1本の駆動ローラ18と右壁から伸びるさらにまた別の1本の駆動ローラ18とがそれぞれ軸方向に伸びるよう配置されている。
各々の駆動ローラ18は、支持枠20の左右壁から伸びる回転軸16の先端に設けられており、その一端面が保持治具12(13)の蓋部121(131)の底部分の外面に摩擦低減部材であるボール部材17を介して接触し、駆動ローラ18の外周面が保持治具12(13)の駆動用筒部122(132)の外周面に接触すると共に、当該駆動ローラ18が回転軸16の周りに巻回状態に嵌められたスプリング19によって前記一体物を金型10の円筒軸方向の中心に向かう方向に押す状態に設置されている。
そして、この一対の保持治具12,13および金型10からなる一体物が、底の浅い箱状の支持枠20内に配置されると共に、当該支持枠20における対向する左右壁からそれぞれ2本ずつ伸びる合計4本の駆動ローラ18,18,18,18によって、押圧状態に支持されている。4本の駆動ローラ18,18,18,18は、水平面内において並列に伸びた2つの仮想の軸上の一方に、支持枠20の左壁から伸びる1本の駆動ローラ18と右壁から伸びる別の1本の駆動ローラ18とがそれぞれ軸方向に伸びるよう配置されると共に、支持枠20の左壁から伸びるさらに別の1本の駆動ローラ18と右壁から伸びるさらにまた別の1本の駆動ローラ18とがそれぞれ軸方向に伸びるよう配置されている。
各々の駆動ローラ18は、支持枠20の左右壁から伸びる回転軸16の先端に設けられており、その一端面が保持治具12(13)の蓋部121(131)の底部分の外面に摩擦低減部材であるボール部材17を介して接触し、駆動ローラ18の外周面が保持治具12(13)の駆動用筒部122(132)の外周面に接触すると共に、当該駆動ローラ18が回転軸16の周りに巻回状態に嵌められたスプリング19によって前記一体物を金型10の円筒軸方向の中心に向かう方向に押す状態に設置されている。
以上のような遠心成形装置は、4本の駆動ローラ18を同じ回転速度で回転させることにより、一対の保持治具12,13および金型10からなる一体物を自転させることができ、従って金型10を自転させることができる。
以上のような遠心成形装置によれば、貫通孔を有する特定の一対の保持治具12,13によって金型10が固定されることにより、高い生産効率が得られると共に、金型10の高速回転時の蛇行を抑制することができ、その結果、厚みの均一性の高い無端状ベルトを製造することができる。
具体的には、金型10が、一対の保持治具12,13および引っ張り部材15によって一体的に固定されており、その一体物が4本の駆動ローラ18,18,18,18によって左右方向の移動が規制されていることにより、蛇行が抑制される。また、保持治具12,13に貫通孔が形成されていることにより、塗布液の塗布と遠心力の付与を同時に行うことができて、高い生産効率が得られる。
具体的には、金型10が、一対の保持治具12,13および引っ張り部材15によって一体的に固定されており、その一体物が4本の駆動ローラ18,18,18,18によって左右方向の移動が規制されていることにより、蛇行が抑制される。また、保持治具12,13に貫通孔が形成されていることにより、塗布液の塗布と遠心力の付与を同時に行うことができて、高い生産効率が得られる。
〔無端状ベルトの製造方法〕
本発明の無端状ベルトの製造方法は、上記の無端状ベルトの製造装置を用いて行う方法である。
具体的には、水平方向に伸びる円筒状の金型10の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型10を高速回転させることによって遠心力により均一な塗膜Wを形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の無端状ベルトの製造方法は、上記の無端状ベルトの製造装置を用いて行う方法である。
具体的には、水平方向に伸びる円筒状の金型10の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型10を高速回転させることによって遠心力により均一な塗膜Wを形成する工程を有することを特徴とする。
以下に、無端状ベルトがポリイミド樹脂よりなる画像形成装置用の中間転写ベルトである場合の、無端状ベルトの製造方法の一例を具体的に説明する。
無端状ベルトを作製する具体的な工程の一例を挙げると、例えば、
(1)金型10を高速回転しながら、ポリアミック酸を含有する塗布液を当該金型10の内面に供給して塗膜Wを形成する塗布工程、
(2)金型10の回転を維持しながら、プレ焼成を行う乾燥工程、
(3)プレ焼成された塗膜Wを有する金型10を、保持治具12,13から外し、当該金型10ごと本焼成してイミド化反応によりポリイミド樹脂による無端状ベルトを作製するイミド化反応工程
(4)無端状ベルトを金型10から脱型する脱型工程
から構成される。
(1)金型10を高速回転しながら、ポリアミック酸を含有する塗布液を当該金型10の内面に供給して塗膜Wを形成する塗布工程、
(2)金型10の回転を維持しながら、プレ焼成を行う乾燥工程、
(3)プレ焼成された塗膜Wを有する金型10を、保持治具12,13から外し、当該金型10ごと本焼成してイミド化反応によりポリイミド樹脂による無端状ベルトを作製するイミド化反応工程
(4)無端状ベルトを金型10から脱型する脱型工程
から構成される。
(1)塗布工程
無端状ベルトを形成するための塗布液は、本焼成してポリイミド樹脂となるポリアミック酸を含有するものとされる。
この塗布液中には、無端状ベルトが中間転写ベルトとしての効果を発揮するための、導電性フィラー、導電剤、界面活性剤、粘度調整剤、可塑剤などの種々の添加剤を含有させることができる。
無端状ベルトを形成するための塗布液は、本焼成してポリイミド樹脂となるポリアミック酸を含有するものとされる。
この塗布液中には、無端状ベルトが中間転写ベルトとしての効果を発揮するための、導電性フィラー、導電剤、界面活性剤、粘度調整剤、可塑剤などの種々の添加剤を含有させることができる。
塗布液は、溶媒を含むものであってもよく、その濃度や粘度は金型10の回転速度の応じて適宜に調整されていればよく、粘度は例えば10〜100Pa・sとされる。
塗布液における溶媒の量は、20〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。
塗布液における溶媒の量は、20〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。
塗布工程における、金型10の内面への塗布液の供給方法としては、スプレー塗布法、スパイラル塗布法などを採用することができる。
スパイラル塗布法は、モーノポンプやギアポンプなどの送液ポンプ、テフロン(登録商標)チューブなどの配管およびノズルからなる塗布装置を用い、金型10が自転された状態において、当該塗布装置のノズルを金型10の内面に近接させて当該ノズルから塗布液を吐出しながら当該ノズルを金型10の円筒軸方向に移動させることにより、当該金型10の内面全域に塗布液をスパイラル状に塗布する方法である。
スパイラル塗布法は、モーノポンプやギアポンプなどの送液ポンプ、テフロン(登録商標)チューブなどの配管およびノズルからなる塗布装置を用い、金型10が自転された状態において、当該塗布装置のノズルを金型10の内面に近接させて当該ノズルから塗布液を吐出しながら当該ノズルを金型10の円筒軸方向に移動させることにより、当該金型10の内面全域に塗布液をスパイラル状に塗布する方法である。
塗布工程における塗布液の塗布量は、所望の無端状ベルトの厚みに応じて異なり、当該無端状ベルトが中間転写ベルトとして用いられるものである場合は、通常は5μm〜500μm、好ましくは10μm〜300μmとされる。
塗布工程における金型10の回転速度は、例えば1,000〜4,000rpmとすることができる。
回転速度が上記の範囲にあることにより、塗布液を金型10の内面に均一に流延させることができる。回転速度が小さすぎる場合は、金型10の内径によっても異なるが、所望の塗膜Wの厚みに対して十分な遠心力を付与することが難しく、円周方向の膜厚ムラが生じるおそれがある。また、回転速度が大きすぎる場合は、金型10の内面に供給された塗布液にかかる遠心力が過度に大きくなるために、金型10の軸方向の膜厚ムラが生じるおそれがある。
回転速度が上記の範囲にあることにより、塗布液を金型10の内面に均一に流延させることができる。回転速度が小さすぎる場合は、金型10の内径によっても異なるが、所望の塗膜Wの厚みに対して十分な遠心力を付与することが難しく、円周方向の膜厚ムラが生じるおそれがある。また、回転速度が大きすぎる場合は、金型10の内面に供給された塗布液にかかる遠心力が過度に大きくなるために、金型10の軸方向の膜厚ムラが生じるおそれがある。
塗布工程における塗膜Wの形成時間は、塗布にかかる時間および塗布液の均一化にかかる時間の合計が、例えば、30秒間〜1時間であることが好ましい。
(2)乾燥工程
乾燥工程においては、金型10を回転させながら、塗膜Wを乾燥させる(プレ焼成)。金型10を回転させながら塗膜Wを乾燥させることにより、塗膜Wの形態を保持した状態で塗膜Wを固化させることができる。
プレ焼成温度は、離型部材121a,131aの耐熱温度未満の温度である必要があり、塗膜Wの流動性が消失する程度の高さでよい。具体的には、200℃以下、具体的には100℃程度である。
プレ焼成時間は、例えば30〜120分間である。
金型10の回転速度は、塗布工程における金型10の回転速度と同じであってもよく、また、これよりも小さい回転速度であってもよい。具体的には、1,000〜2,000rpmとすることができる。
乾燥工程においては、金型10を回転させながら、塗膜Wを乾燥させる(プレ焼成)。金型10を回転させながら塗膜Wを乾燥させることにより、塗膜Wの形態を保持した状態で塗膜Wを固化させることができる。
プレ焼成温度は、離型部材121a,131aの耐熱温度未満の温度である必要があり、塗膜Wの流動性が消失する程度の高さでよい。具体的には、200℃以下、具体的には100℃程度である。
プレ焼成時間は、例えば30〜120分間である。
金型10の回転速度は、塗布工程における金型10の回転速度と同じであってもよく、また、これよりも小さい回転速度であってもよい。具体的には、1,000〜2,000rpmとすることができる。
(3)イミド化反応工程
イミド化反応工程においては、プレ焼成された塗膜Wを有する金型10を、保持治具12,13から外し、当該金型10ごと本焼成して、プレ焼成された塗膜Wを構成するポリアミック酸をイミド化して、ポリイミド樹脂による無端状ベルトを作製する工程である。
イミド化反応工程においては、プレ焼成された塗膜Wを有する金型10を、保持治具12,13から外し、当該金型10ごと本焼成して、プレ焼成された塗膜Wを構成するポリアミック酸をイミド化して、ポリイミド樹脂による無端状ベルトを作製する工程である。
イミド化反応に係る本焼成温度は、イミド化開始温度であって、通常280℃以上、好ましくは280〜400℃、より好ましくは300〜380℃、特に好ましくは330〜380℃とされる。
また、本焼成時間は、通常10分間以上、好ましくは30〜240分間である。
また、本焼成時間は、通常10分間以上、好ましくは30〜240分間である。
(4)脱型工程
脱型工程においては、無端状ベルトを金型10から脱型する。
脱型の具体的な方法としては、無端状ベルトの端部の隙間にエアーを吹き付ける方法などが挙げられる。
脱型工程においては、無端状ベルトを金型10から脱型する。
脱型の具体的な方法としては、無端状ベルトの端部の隙間にエアーを吹き付ける方法などが挙げられる。
以上のような無端状ベルトの製造方法によれば、貫通孔を有する特定の保持治具12,13によって金型10が固定されることにより、高い生産効率が得られると共に、金型10の高速回転時の蛇行を抑制することができ、その結果、厚みの均一性の高い無端状ベルトを得ることができる。
〔無端状ベルト〕
以上の無端状ベルトは、例えば電子写真方式の画像形成装置用の中間転写ベルト、定着ベルト、感光体ベルトおよびこれらの基材とすることができる。
以上の無端状ベルトは、例えば電子写真方式の画像形成装置用の中間転写ベルト、定着ベルト、感光体ベルトおよびこれらの基材とすることができる。
無端状ベルトが中間転写ベルトである場合、中間転写ベルトは、ポリイミドに導電性フィラーが分散されてなる半導電性ベルトからなるものであることが好ましい。
中間転写ベルトは、ポリイミドに導電性フィラーが分散されてなるものそれ自体によって構成されていてもよく、これを基体としてその外側に、トナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素の層が被覆されてなる2層構造のものであってもよい。
中間転写ベルトの周長は、800〜1400mmであることが好ましい。
また、中間転写ベルトの厚みは、50〜100μmであることが好ましい。
中間転写ベルトは、ポリイミドに導電性フィラーが分散されてなるものそれ自体によって構成されていてもよく、これを基体としてその外側に、トナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素の層が被覆されてなる2層構造のものであってもよい。
中間転写ベルトの周長は、800〜1400mmであることが好ましい。
また、中間転写ベルトの厚みは、50〜100μmであることが好ましい。
〔画像形成装置〕
上記の中間転写ベルトは、中間転写方式の画像形成装置に搭載されるものである。
このような中間転写方式の画像形成装置としては、例えば、カラー画像を形成する画像形成装置であって、複数の像担持体に形成される互いに異なる色のトナー像を、共通の無端状ベルトに順次に1次転写することにより当該無端状ベルト上で各色のトナー像を重ね合わせ、この無端状ベルト上において形成されたカラートナー像を画像支持体に一括して転写することにより画像支持体上において中間トナー像を形成するものが挙げられる。
上記の中間転写ベルトは、中間転写方式の画像形成装置に搭載されるものである。
このような中間転写方式の画像形成装置としては、例えば、カラー画像を形成する画像形成装置であって、複数の像担持体に形成される互いに異なる色のトナー像を、共通の無端状ベルトに順次に1次転写することにより当該無端状ベルト上で各色のトナー像を重ね合わせ、この無端状ベルト上において形成されたカラートナー像を画像支持体に一括して転写することにより画像支持体上において中間トナー像を形成するものが挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示される無端状ベルトの製造装置を用いて、無端状ベルトの前駆体を作製した。
金型は、周長が1068mm、長さが500mm、厚みが1.5mm、内面の表面粗さが1.0μm以下のステンレス製のものである。
離型部材は、耐熱温度が250℃のものである。
塗布液としては、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用い、ポリアミック酸を20質量%含有する溶液を用いた。塗布液の粘度は20Pa・sである。
塗布液は、スパイラル塗布法によって金型の内面に供給した。
塗布液の塗布量は、得られる無端状ベルトの厚みが70μmとなる量とした。
金型の回転速度は1,000rpm、回転時間は30分間とした。
プレ焼成温度は150℃、プレ焼成時間は60分間とした。この時の金型の回転速度は1000rpmとした。
本焼成温度は300℃、本焼成時間は120分間とした。
以上により得られた無端状ベルトを、「無端状ベルト〔1〕」とする。
図1に示される無端状ベルトの製造装置を用いて、無端状ベルトの前駆体を作製した。
金型は、周長が1068mm、長さが500mm、厚みが1.5mm、内面の表面粗さが1.0μm以下のステンレス製のものである。
離型部材は、耐熱温度が250℃のものである。
塗布液としては、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用い、ポリアミック酸を20質量%含有する溶液を用いた。塗布液の粘度は20Pa・sである。
塗布液は、スパイラル塗布法によって金型の内面に供給した。
塗布液の塗布量は、得られる無端状ベルトの厚みが70μmとなる量とした。
金型の回転速度は1,000rpm、回転時間は30分間とした。
プレ焼成温度は150℃、プレ焼成時間は60分間とした。この時の金型の回転速度は1000rpmとした。
本焼成温度は300℃、本焼成時間は120分間とした。
以上により得られた無端状ベルトを、「無端状ベルト〔1〕」とする。
〔実施例2〕
実施例1において、保持治具〔1〕に離型部材を設けなかったことの他は同様の保持治具を用いたことの他は実施例1と同様にして、無端状ベルト〔2〕を得た。
実施例1において、保持治具〔1〕に離型部材を設けなかったことの他は同様の保持治具を用いたことの他は実施例1と同様にして、無端状ベルト〔2〕を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、金型として内面のJIS B0601’94による表面粗さRzが2.0であるものを用いたことの他は同様にして、無端状ベルト〔3〕を得た。
実施例1において、金型として内面のJIS B0601’94による表面粗さRzが2.0であるものを用いたことの他は同様にして、無端状ベルト〔3〕を得た。
〔実施例4〕
実施例1において、金型として内面のJIS B0601’94による表面粗さRzが2.5であるものを用いたことの他は同様にして、無端状ベルト〔4〕を得た。
実施例1において、金型として内面のJIS B0601’94による表面粗さRzが2.5であるものを用いたことの他は同様にして、無端状ベルト〔4〕を得た。
〔比較例1〕
金型のみを駆動ローラ上に設置した装置を用いたこと以外は実施例1と同様にして、無端状ベルト〔5〕を得た。
金型のみを駆動ローラ上に設置した装置を用いたこと以外は実施例1と同様にして、無端状ベルト〔5〕を得た。
(1)膜厚の均一性についての評価
それぞれ無端状ベルト〔1〕〜〔5〕について、膜厚偏差の評価を行った。
具体的には、膜厚測定機「フィッシャースコープMMS」(フィッシャー社製)を用いて、軸方向に10mmのピッチで500mmまで測定し、周長方向にも10mmのピッチで1060mmまで測定し、全ての最大値と最小値の差を膜厚偏差とし、膜厚偏差が5.0μm以下である場合を○、膜厚偏差が5.0μmより大きく7.0μm以下である場合を△、膜厚偏差が7.0μmより大きい場合を×として評価を行った。結果を表1に示す。
それぞれ無端状ベルト〔1〕〜〔5〕について、膜厚偏差の評価を行った。
具体的には、膜厚測定機「フィッシャースコープMMS」(フィッシャー社製)を用いて、軸方向に10mmのピッチで500mmまで測定し、周長方向にも10mmのピッチで1060mmまで測定し、全ての最大値と最小値の差を膜厚偏差とし、膜厚偏差が5.0μm以下である場合を○、膜厚偏差が5.0μmより大きく7.0μm以下である場合を△、膜厚偏差が7.0μmより大きい場合を×として評価を行った。結果を表1に示す。
(2)脱型性についての評価
それぞれ無端状ベルト〔1〕〜〔5〕について、金型から手またはエアーで剥がすことができる場合を○、金型を水に浸漬させ、US(超音波)により剥がすことができる場合を△、剥がすことができない場合を×として評価した。結果を表1に示す。
それぞれ無端状ベルト〔1〕〜〔5〕について、金型から手またはエアーで剥がすことができる場合を○、金型を水に浸漬させ、US(超音波)により剥がすことができる場合を△、剥がすことができない場合を×として評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明に係る保持治具を使用した実施例1〜4においては、得られる無端状ベルトに均質な厚みが得られることが確認された。一方、本発明に係る保持治具を使用しなかった比較例1においては、得られる無端状ベルトの端部が薄膜化してしまい、均質な厚みが得られないことが確認された。また、比較例1においては、無端状ベルトの端部が薄膜化してしまったことにより、脱型が困難であることも確認された。
また、内表面が鏡面化された金型を用いた実施例1においては、金型からの脱型を容易に行うことができることが確認された。
また、内表面が鏡面化された金型を用いた実施例1においては、金型からの脱型を容易に行うことができることが確認された。
10 金型
12,13 保持治具
121,131 蓋部
121a,131a 離型部材
121b,131b 凹部
122,132 駆動用筒部
15 引っ張り部材
151,152 引っ張り部材本体
151a,152a 脚部
15s スプリング
16 回転軸
17 ボール部材
18 駆動ローラ
19 スプリング
20 支持枠
H 貫通孔
W 塗膜
12,13 保持治具
121,131 蓋部
121a,131a 離型部材
121b,131b 凹部
122,132 駆動用筒部
15 引っ張り部材
151,152 引っ張り部材本体
151a,152a 脚部
15s スプリング
16 回転軸
17 ボール部材
18 駆動ローラ
19 スプリング
20 支持枠
H 貫通孔
W 塗膜
Claims (4)
- 水平方向に伸びる円筒状の金型の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型を高速回転させることによって遠心力により塗膜を形成する、遠心成形法による無端状ベルトの製造方法に用いる無端状ベルトの製造装置であって、
円筒状の金型と、当該金型の両端部に各々着脱自在に嵌め合わされる一対の保持治具と、一対の保持治具を互いに接近する方向に引っ張ることによって一対の保持治具および金型を一体に固定する引っ張り部材と、前記金型を回転させるための駆動ローラとを有し、
前記保持治具は、その底部分にその径が前記金型の内径よりも小さい貫通孔が形成された有底円筒状の蓋部と、前記蓋部の外径よりも小さい外径を有する円筒状の駆動用筒部とを有し、当該駆動用筒部が、その円筒軸が前記蓋部の円筒軸に一致する状態で、当該蓋部の底部分の外面から当該蓋部分の円筒軸方向の外方に伸びるように連続して形成されてなるものであり、
前記金型が一対の保持治具に各々嵌め合わされた状態において当該一対の保持治具が前記引っ張り部材によって引っ張られて当該一対の保持治具および金型が一体に固定されると共に、前記駆動ローラの外周面が前記保持治具の駆動用筒部の外周面に接触するよう配置され、前記一対の保持治具および金型からなる一体物の左右方向の移動が抑制された状態で、前記駆動ローラを回転させることにより、前記金型を自転させることを特徴とする無端状ベルトの製造装置。 - 前記保持治具の蓋部の底部分の内面が、離型性を有する部材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無端状ベルトの製造装置。
- 前記金型の内面が、JIS B0601 ’94による表面粗さRzが0.2〜1.0μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無端状ベルトの製造装置。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無端状ベルトの製造装置を用いて、水平方向に伸びる円筒状の金型の内面に、加熱することにより無端状ベルトを構成する樹脂となる材料を含む塗布液を供給し、当該金型を高速回転させることによって遠心力により塗膜を形成する工程を有することを特徴とする無端状ベルトの製造方法。
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