JP2014140815A - 溶存硫化物による処理水の白濁を防止する方法及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
排水処理場で浄化した処理水を放流した際に放流先で白濁することがあるため、この白濁を防止する必要がある。よって、放流後の処理水の白濁を効率良く防止できる白濁防止方法及びこれを用いる水処理方法を提供すること。
【解決手段】
被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び/又は被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含む、溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶存硫化物による処理水の白濁を防止する方法及び水処理方法に関する。
排水処理場で浄化した処理水を海水や河川などに放流すると、放流先で徐々に白濁することがある。放流後に白濁が認められると、水質の悪化と受け止められ、問題となることがある。
放流後に徐々に進行する白濁は、処理水に含まれる溶存硫化物が、海洋や河川で酸化されて固相硫黄となることが原因である。このような酸化は、水中の溶存酸素によって徐々に進行するため、反応に時間を要する。そのため、排水処理場では白濁せず、事前に白濁を予測することは難しいのが実状である。
処理水に含まれる白濁の原因となる溶存硫化物は、排水処理の最終段階であるろ過器、活性炭塔で発生する事例が多い。ろ過器、活性炭塔の内部に繁殖した硫酸塩還元菌は、酸素のない嫌気的環境で硫酸イオンから硫化水素を生成する。発生した硫化水素は処理水中に溶解し、溶存硫化物となる。
このため、海洋や河川への放流前に貯水槽を設け、溶存硫化物が酸化される時間を確保し、白濁した処理水を直接環境に放流しないような対策が取られてきた。
しかし、貯水槽を設けて処理する方法では、広大面積の貯水槽が必要となる。また、貯水槽を設けて処理する方法では、固相硫黄の生成を抑制することもできない。仮に、貯水槽で白濁させた処理水を、再度、ろ過器、活性炭塔で除濁しようと試みても、内部に硫酸塩還元菌が繁殖していれば、再び溶存硫化物が生成されることとなり、本質的な改善にはならないのが実状であった。
なお、溶存硫化物は、溶解している硫化水素分子(HS)、硫化水素イオン(HS)、硫化物イオン(S2−)の総称である。これらは、水のpHにより存在状態が異なり、平衡を保って存在している。また、固相硫黄(S)は硫黄分子のことであり、水に難溶解性の淡黄色固体である。
例えば、特許文献1には、硫酸還元菌及び脱窒細菌が共生する被処理水中に硝酸塩、硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸を添加するとともに、被処理水のpHを4〜6に調整する微生物による硫化水素発生の防止方法が開示されている。この硫化水素発生の防止方法によれば、排水処理工程や活性炭処理での硫化水素発生を効率的に防止できる。
特許3951276号公報
また、硝酸塩、硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸は排水の嫌気化を抑制することにより硫化水素の発生を防止し、処理水中の溶存硫化物の濃度を抑える効果がある。このため、硝酸塩等のような嫌気化抑制剤を白濁防止剤として被処理水に用いることで、放流先の処理水の白濁を防止することが可能であろうと一般的に考えられる。
しかしながら、上記特許文献1のような従来の硫化水素発生の防止方法において、安定的に放流先の処理水の白濁を防止する場合には、事前に白濁を予測することが困難であるため、被処理水に嫌気化抑制剤等の薬剤処理を常時行うのが望ましく、効率的ではなかった。
よって、本発明は、放流後の処理水の白濁を効率良く防止できる白濁防止方法及びこれを用いる水処理方法を提供しようとするものである。
そこで、本発明は、被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び/又は被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含む、溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法を提供するものである。
また、本発明は、前記記載の溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法を用いる水処理方法を提供するものである。
また、本発明は、前記記載の方法を用いる水処理システムを提供するものである。
本発明によれば、放流後の処理水の白濁を効率良く防止できる白濁防止方法及びこれを用いる水処理方法を提供することが可能である。
被処理水の検水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含む、溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法を用いる本開示の水系処理システムの概要を示す図である。 被処理水の検水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する、第1実施形態のフローチャート図である。 被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含む、溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法を用いる本開示の水系処理システムの概要を示す図である。 被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する、第2実施形態のフローチャート図である。 被処理水の検水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び/又は被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含む、溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法を用いる本開示の水系処理システムの概要を示す図である。 被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び/又は被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する、第3実施形態のフローチャート図である。 各濃度の溶存硫化物を添加した処理水に、白濁検出剤として各濃度の亜塩素酸ナトリウムを添加し、反応時間1分の濁度結果を示す図である。 各濃度の溶存硫化物を添加した処理水に、白濁検出剤として各濃度の亜塩素酸ナトリウムを添加し、反応時間2分の濁度結果を示す図である。 各濃度の溶存硫化物を添加した処理水に、白濁検出剤として各濃度の亜塩素酸ナトリウムを添加し、反応時間3分の濁度結果を示す図である。
以下、本開示を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す各実施形態に限定されるものではない。
本開示の溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法は、被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び/又は被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含むことである。
本開示のように被処理水の検水の濁度検出結果及び/又は酸化還元電位計測結果を利用し、かつ嫌気化抑制剤を白濁防止剤として使用して、被処理水への白濁防止剤の添加量を増減させることにより、放流後の処理水の白濁を効率良く防止することができる。
さらに、本開示のように濁度検出結果により白濁防止剤の増量調整及び酸化還元電位計測結果により白濁防止剤の減量調整を行うことで、放流後の処理水の白濁をより効率良く防止することができる。
斯様に本開示により、放流後の処理水の白濁を効率良く防止できる。
なお、本開示の方法及び手順を、CPU等を含む制御部及び記憶媒体(USBメモリ、HDD、CD等)等を備えるハードウエア資源にプログラムとして格納し、制御部によって実現させることも可能である。
本開示の対象として、下水処理場、総合排水処理工程、ろ過器及び/又は活性炭塔を利用した排水処理工程などにおいて、硫酸塩還元菌に基づいた溶存硫化物が含まれる被処理水が好適である。この溶存硫化物含有排水として、例えば、石油精製プロセスや紙パルププロセスや製缶プロセスから出る排水等が挙げられる。
被処理水の性状は、特に限定されず、無機物及び/又は有機物を含むものが挙げられる。
放流される処理水のpHは、5.5〜8.5であるのが好適である。
また、水処理水系の一例として、原水→前処理→生物処理→沈殿池→ろ過器→活性炭塔→処理水が挙げられる。
本開示に用いる白濁防止剤として、被処理水中の硫酸塩還元反応を防止でき、硫化水素発生を防止できる薬剤であれば特に限定されない。当該白濁防止剤として、例えば、嫌気化防止剤が挙げられ、当該嫌気化防止剤として、例えば、硝酸、亜硝酸等及びその塩等が挙げられる。当該塩として、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム、マグネシウム等)、アンモニウム塩、重金属塩(ニッケル、銅、亜鉛、銀等)等が挙げられる。このうち、硝酸又はその塩が好ましい。これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、被処理水に添加する白濁防止剤の量は、好ましくは0.5〜50mg/Lであり、より好ましくは2〜25mg/Lの範囲内であるのが、好適である。
また、嫌気化防止剤を添加する被処理水のpHは5〜8に調整されていることが好適である。
また、白濁防止剤の添加調整を行うために、水処理水系に、当該白濁防止剤を貯留するため薬剤貯槽及びこの薬剤貯槽から被処理水に流入させるためのポンプ等を備えるのが好ましい。この白濁防止剤の貯留及び添加の調整(添加タイミング及び添加量等)は、後述する第1制御部及び/又は第2制御部、白濁防止のための制御部等によって制御されてもよい。
本開示の放流後の処理水中の溶存硫化物による白濁を防止する方法を水処理方法として用いることが可能であり、本開示の方法を用いる水処理システムを構築することも可能である。
また、水処理システムとして、本開示の濁度検出結果に基づく白濁防止システムを、単数又は複数設けることが好ましく、複数にすることで放流後の被処理水の白濁防止をより効率良く行うことが可能となる。
水処理システムとして、本開示の酸化還元電位計測結果に基づく白濁防止システムを、単数又は複数設けることが好ましく、複数にすることで放流後の被処理水の白濁防止をより効率良く行うことが可能となる。
さらに放流後の被処理水の白濁防止をより効率良く行うために、水処理システムに、本開示の濁度検出結果に基づく白濁防止システム及び酸化還元電位計測結果に基づく白濁防止システムを併用することが好適である。
<第1実施形態>
本開示の方法において、被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整することについて、以下に説明する(図1及び2参照)。
本開示の濁度検出する際の被処理水は、水処理水系内のいずれの場所から採取した被処理水(以下、「検水」ともいう)でもよい。当該検水として、例えば、沈殿池や浮遊槽通過後の被処理水であってもよいが、白濁の発生を効率良く防止するためには、通水時間経過後の被処理水を検水として使用するのが好適である。
ここで、「通水時間経過後の被処理水」とは、水処理水系において、内部が嫌気化し微生物によって硫化水素が発生しやすい処理部を通水した後の被処理水をいう。
当該内部が嫌気化し、微生物によって硫化水素が発生しやすい処理部として、例えば、ろ過器及び活性炭塔等が挙げられる。通常、ろ過器は、ろ過砂を構成の一部として用いているものであり、また、活性炭塔は、活性炭を用いる処理部である。当該ろ過器及び活性炭塔は、それぞれ単独で又は併用して使用することも可能であり、また1基又は2基以上使用してもよい。
前記検水として、ろ過器及び/又は活性炭塔等の処理部を通水した後の被処理水を用いることが、精度よく白濁防止剤の量を決定でき、効率良く薬剤を使用して放流後の処理水の白濁を防止することができる。
本開示に用いる白濁検出剤として、酸化剤を用いることが可能である。当該酸化剤として、例えば、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等及びこれらの塩の塩素系酸化剤;臭素酸、亜臭素酸、次亜臭素酸等及びこれらの塩の臭素系酸化剤;過酸化水素、有機過酸化物等及びその塩等の過酸化剤等から選ばれる1種又は2種以上のものである。当該塩は、特に限定されず、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム等)が挙げられる。
このうち、好ましくは亜塩素酸塩及び過酸化水素が、精度よく濁度検出を行うことができるので、好ましい。
白濁検出剤の検水への添加率としては、特に限定されないが、検水中の溶存硫化物1mg/Lあたり、好ましくは0.1〜30mgである。検水中の溶存硫化物1mg/Lあたり、亜塩素系酸化剤の場合には1〜3mgであるのが好適であり、過酸化物の場合には10〜30mgである。
本開示に用いる濁度検出の方法は、被処理水と白濁検出剤とを混合し、一般的な濁度検出方法を用いればよい。濁度検出方法として、例えば、500〜700nmの波長の吸光度又は透過率を測定し、検出機器として、例えば濁りや濁度を測定する一般的な吸光度センサ又は透過率センサ等が使用できる。また、濁度検出方法として、例えば、JIS K0101「工業用水試験方法」の定めに従って行う方法が知られている。
濁度(カオリン濁度)の場合には、精製水1Lに対し、標準物質であるカオリン1mgを含ませ、均一に分散させた懸濁液の濁りを濁度1度と定義することができる。
本開示において、濁度検出結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する。この調整方法について、以下の〔S1〕にて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
また、この調整を行うために、水処理水系に、被処理水と白濁検出剤とを添加し混合するための濁度反応槽、その濁度を検出する濁度計測器(例えば吸光度計等)及び制御部(第1制御部)等を備えるのが好ましい。当該制御部(第1制御部)は、濁度検出及びその結果判定、並びに判定結果に基づく白濁防止剤添加タイミング及び添加量等を制御する部である。また、当該制御部(第1制御部)は、さらに白濁防止のための制御部によって制御されてもよい。
〔S1−1〕 検水に白濁検出剤を添加し、濁度検出し、濁度検出結果を判定する。「白濁が認められる」の判定の基準は、目視による濁度の有無、所定の濁度値以上、前回の濁度結果以上の濁度値等が挙げられる。所定の濁度値以上として、カオリン濁度10以上又はこれと同程度とされる濁度値以上が、好適である。
〔S1−2〕 濁度検出の結果、検水に白濁が認められた場合には、白濁防止剤を水処理水系内の被処理水に添加する。この添加は、ろ過器及び/又は活性炭塔に流入する前の被処理水に行うのが、好適である。当該流入前に添加することにより、硫化水素が発生しやすい処理部内部での硫化水素発生を効率良く行うことが可能となる。当該流入前とは、ろ過器及び/又は活性炭塔に流入する直前〜30分前であるのが好ましい。
濁度検出の結果、検水に濁度が認められなかった場合には、白濁防止剤を水処理水系内の被処理水に添加せず、終了する。
〔S1−3〕 上記〔S1−2〕の白濁防止剤添加後の被処理水を検水として採取し、この検水に白濁検出剤を添加し、再び濁度検出する。
〔S1−4〕 再濁度検出の結果、検水に白濁が認められた場合には、被処理水に添加する白濁防止剤の添加量を維持又は増量する。
この増量は、上記〔S1−1〕で添加した白濁防止剤の添加量と比較してさらに添加量を増量すること;予め白濁防止剤の添加濃度を複数設定し、上記〔S1−1〕で使用した濃度と比較し、さらに高濃度の設定に変更すること等が挙げられる。
再濁度検出の結果、検水に白濁が認められなかった場合には、白濁防止剤を被処理水に添加する量を減量する又は添加を停止する。
〔S1−5〕 終了後に、上記〔S1−1〕の「濁度検出」に戻り、〔S1−1〕〜〔S1−4〕を繰り返し行なってもよい。当該濁度検出は継続的に又は定期的に行なってもよい。
また、以下のような濁度検出に基づく白濁防止方法も可能である。
〔S1−1〕〜〔S1−3〕は上述のとおりである。
〔S1−41〕 上記〔S1−4〕の「白濁の有無」による判定に代えて、「前回の濁度結果との比較」による判定を行い、白濁防止剤の添加量の調整を行なってもよい。
「前回の濁度と比較」の判定の場合、再検水として、白濁防止剤を水処理水系内の被処理水に添加した後の検水を用い、この再検水の濁度検出の結果が、前回の濁度検出結果と比較して、同等以上の場合、白濁防止剤の添加量を増量する。
また、前記再検水の濁度検出の結果が、前回の濁度検出結果と比較して、低下していた場合、白濁防止剤の添加量を減量又は停止する。
〔S1−51〕 終了後、上記〔S1−1〕に戻り、〔S1−1〕〜〔S1−41〕を繰り返し行なってもよい。当該濁度検出は継続的に又は定期的に行なってもよい。
上記〔S1〕濁度検出結果に基づき、水処理水系内の被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する手順について、より具体的な手順の一例を以下に説明する。
〔S1−1a〕 検水に白濁検出剤を添加し、濁度検出し、濁度検出結果を判定する。
〔S1−2a〕 検水に白濁が認められた場合、2mg/Lの白濁防止剤を被処理水に添加を開始する。添加速度は特に限定されないが、設定濃度で白濁防止剤が添加できるよう、白濁防止剤の添加速度を処理水流速に比例させることが望ましい。
〔S1−3a〕 ろ過器及び/又は活性炭塔での通水時間経過後の被処理水を検水として白濁検出した結果に基づき、2mg/Lずつ増減させるのが、効率がよく、好ましい。
例えば、検水に白濁が認められた場合には、又は前回の白濁検出結果と比較して濁度値が同等以上だった場合には、白濁防止剤の添加濃度を、前回の白濁防止剤の添加濃度よりも+2mg/Lに調整する。
一方で、前回の白濁検出結果と比較して濁度値が低下した場合には、前回の白濁防止剤の添加濃度よりも−2mg/Lに調整する。また、検水に白濁が認められない場合には、白濁防止剤の添加を中止する。
図1を参照して濁度検出結果に基づく白濁防止システムの一例を説明する。
原水がろ過器1及び活性炭塔2を通過した被処理水を検水として白濁反応槽3に流入させる。白濁反応槽3に白濁検出剤貯槽4から酸化剤を添加し濁度検出反応を行う。濁度検出反応の結果を白濁計測槽5で計測し、その濁度検出データは制御部6に送信され、制御部6は濁度検出結果に基づき、白濁防止剤を貯留する薬剤貯槽9からポンプ10を利用して、ろ過器1の流入前及び/又は活性炭塔2の流入前の被処理水に白濁防止剤を添加する。
添加後のろ過器1の通水時間経過後の被処理水及び/又は活性炭塔2の通水時間経過後の被処理水を検水として採取し、同様に濁度検出結果に基づく白濁防止システムを再び行うことも可能である。
<第2実施形態>
本開示の方法において、被処理水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整することについて、以下に説明する(図3及び4参照)。なお、上記第1実施形態で述べたことについては適宜省略する。
本開示における酸化還元電位(以下、「ORP」ともいう)の計測方法は、被処理水を、酸化還元電位測定可能な機器を使用して行えばよい。
本開示において、酸化還元計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する。この調整方法について、以下の〔S2〕にて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
また、この調整を行うために、水処理水系に、被処理水のORP値を計測するORP計測器及び第2制御部等を備えるのが好ましい。当該制御部(第2制御部)は、ORP計測及びその結果判定、並びに判定結果に基づく白濁防止剤添加タイミング及び添加量等を制御する部である。また、当該制御部(第2制御部)は、さらに白濁防止のための制御部によって制御されてもよい。
〔S2−1〕 検水のORP値を計測し、ORP計測結果を判定する。「溶存硫化物が認められる」の判定の基準は、所定のORP値以下、前回のORP計測結果以下のORP計測値等が挙げられる。所定のORP計測値以下として、−50mV〜−100mV以下が、好適であり、さらに−50mV以下がより好適である。−50mV以上になると被処理水中に溶存硫化物が存在しえないためである。
〔S1−2〕 ORP計測の結果、検水に溶存硫化物の存在が認められた場合には、白濁防止剤を水処理水系内の被処理水に添加する。この添加は、ろ過器及び/又は活性炭塔に流入する前の被処理水に行うのが、好適である。当該流入前に添加することにより、硫化水素が発生しやすい処理部での硫化水素発生を効率良く行うことが可能となる。
ORP計測の結果、検水に溶存硫化物の存在が認められなかった場合には、白濁防止剤を水処理水系内の被処理水に添加せず、終了する。
〔S2−3〕 上記〔S2−2〕の白濁防止剤添加後の被処理水を検水として採取し、この検水のORP値を、再びORP計測する。
〔S2−4〕 再ORP計測の結果、検水に溶存硫化物の存在が認められた場合には、被処理水に添加する白濁防止剤の添加量を維持又は増量する。
この増量は、上記〔S2−1〕で添加した白濁防止剤の添加量と比較してさらに添加量を増量すること;予め白濁防止剤の添加濃度を複数設定し、上記〔S2−1〕で使用した濃度と比較し、さらに高濃度の設定に変更すること等が挙げられる。
再ORP計測の結果、検水に溶存硫化物の存在が認められなかった場合には、白濁防止剤を被処理水に添加する量を減量する又は添加を停止する。
〔S2−5〕 終了後に、上記〔S2−1〕の「ORP計測」に戻り、〔S2−1〕〜〔S2−4〕を繰り返し行なってもよい。当該ORP計測は継続的に又は定期的に行なってもよい。
また、以下のようなORP計測結果に基づく白濁防止方法も可能である
〔S2−1〕〜〔S2−3〕は上述のとおりである。
〔S2−41〕 上記〔S2−4〕の「ORP計測値以下」による判定に代えて、「前回のORP計測結果との比較」による判定を行い、白濁防止剤の添加量の調整を行なってもよい。
「前回のORP値と比較」の判定の場合、再検水として、白濁防止剤を水処理水系内の被処理水に添加した後の検水を用い、この再検水のORP計測の結果が、前回のORP計測結果と比較して、同等以下の場合、白濁防止剤の添加量を増量する。
また、前記再検水のORP計測の結果が、前回のORP計測結果と比較して、上昇していた場合、白濁防止剤の添加量を減量又は停止する。
〔S2−51〕 終了後、上記〔S2−1〕に戻り、〔S2−1〕〜〔S2−41〕を繰り返し行なってもよい。当該濁度検出は継続的に又は定期的に行なってもよい。
上記〔S1〕ORP計測結果に基づき、水処理水系内の被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する手順について、より具体的な手順の一例を以下に説明する。
〔S2−1a〕 検水をORP計測し、ORP計測結果を判定する。
〔S2−2a〕 検水のORP計測値が−50mV以下の場合、2mg/Lの白濁防止剤を被処理水に添加を開始する。添加速度は特に限定されないが、設定濃度で白濁防止剤が添加できるよう、白濁防止剤の添加速度を処理水流速に比例させることが望ましい。
〔S2−3a〕 ろ過器及び/又は活性炭塔での通水時間経過後の被処理水を検水としてORP計測した結果に基づき、2mg/Lずつ増減させるのが、効率がよく、好ましい。
例えば、検水が−50mVより高い場合、又は前回のORP計測結果と比較してORP計測値が上昇した場合には、白濁防止剤の添加濃度を、前回の白濁防止剤の添加濃度よりも−2mg/Lに調整する。
一方で、前回のORP計測結果と比較してORP計測値が下降した場合には、前回の白濁防止剤の添加濃度よりも+2mg/Lに調整する。また、検水のORP計測値が、一定時間、−50mVより高い場合には、白濁防止剤の添加を中止する。一定時間として例えば直後〜通水時間経過後が好適である。
図3を参照してORP計測結果に基づく白濁防止システムの一例を説明する。
原水がろ過器1及び活性炭塔2を通過した被処理水を検水としてORP計測槽7に流入させ、ORP計にて検水のORP値を計測し、そのORP計測データは制御部8に送信され、制御部8はORP計測結果に基づき、白濁防止剤を貯留する薬剤貯槽9からポンプ10を利用して、ろ過器1の流入前及び/又は活性炭塔2の流入前の被処理水に白濁防止剤を添加する。
添加後のろ過器1の通水時間経過後に及び/又は活性炭塔2の通水時間経過後の被処理水を検水として採取し、同様にORP計測結果に基づく白濁防止システムを再び行うことも可能である。
<第3実施形態>
本開示の方法において、被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整することについて、以下に説明する(図5及び6参照)。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態で述べたことについては省略する。
本開示において、濁度検出結果及びORP計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整する。この調整方法について、以下の〔S3〕にて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
また、この調整を行うために、上述した、水処理水系に、白濁反応槽、白濁計測槽、第1制御部、ORP計測槽及び第2制御部等を備えるのが好ましい。第1制御部及び第2制御部は、協働して白濁防止剤の添加タイミング及び添加量等を制御する部であり、また第1制御部及び第2制御部は、さらに白濁防止制御部によって制御されてもよいし、1つの制御部として構成されてもよい。
上記〔S1〕の濁度検出結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量の増量を行い、上記〔S2〕のORP計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量の減量又は停止を行うのが好適である。
溶存硫化物が10mg/L以上のような高濃度の場合には、白濁検出剤によって容易に白濁が生じて白濁防止剤の的確な増量が判断できるものの、ORP計測では白濁防止剤の的確な増量が判断しづらい。しかし、白濁検出剤では白濁防止剤の増量の判断はできるものの、白濁防止剤の過剰添加を判断できない。一方、ORP計測では被処理水中に溶存硫化物が存在しえない所定のORP値を設定することで、白濁防止剤の過剰添加を容易に判断することができる。このように濁度検出結果及びORP計測結果の両方の利点を活かすことが可能であるので、より効率良く放流後の処理水の白濁防止を行うことができる。
〔S3−1〕 検水に白濁検出剤を添加し、濁度検出し、濁度検出結果を判定する。
白濁が認められた場合には、所定の場所に被処理水が流入する前に、被処理水に白濁防止剤を添加する。所定の場所として、例えば、上述したろ過器及び/又は活性炭塔が挙げられる。白濁が認められない場合には、〔S3−3〕にスキップする。
〔S3−2〕 白濁防止剤を被処理水に添加後に、通水後の被処理水を濁度検出し、濁度検出の結果、白濁が認められた場合には白濁防止剤を増量する、又は(b)白濁が認められない場合には白濁防止剤の添加を減量する。
〔S3−3〕 白濁防止剤を被処理水に添加後に、通水時間経過後の被処理水をORP計測し、(a)ORP値が−50mVより高い場合には白濁防止剤の添加を減量する、又は(b)ORP値が−50mV以下の場合には、上記〔S3−2〕に戻る。
〔S3−4〕 前記ORP計測結果に基づき白濁防止剤の添加を減量した後に、通水時間経過後の被処理水をORP計測し、(a)ORP値が−50mVより高い場合には白濁防止剤の添加を停止し、その後終了する、又は、(b)ORP値が−50mV以下の場合には、上記〔S3−2〕に戻る。
なお、前記ORP計測結果に基づき白濁防止剤の添加を減量した後に、通水時間経過後の被処理水を濁度検出してもよく、このときに白濁が認められた場合には、白濁防止剤を増量し、上記〔S3−2〕に戻る。
〔S3−5〕 終了後に、上記〔S1−1〕の「濁度検出」に戻り、〔S1−1〕〜〔S1−4〕を繰り返し行なってもよい。当該濁度検出は継続的に又は定期的に行なってもよい。
図5の水処理水系システムにおいて第1制御部及び第2制御部を併用した場合について、以下に詳細に説明する。
なお、図5の水処理水系システムにおいて第1制御部及び第2制御部を併用せず、上記〔S1〕又は上記〔S2〕の方法で白濁防止剤の調整を行うことも可能である。
〔S3−1a〕 第1制御部にて、白濁防止剤の添加開始又は増量を制御する。
〔S3−2a〕 白濁検出にて白濁が認められた場合、白濁防止剤を2mg/Lで被処理水への添加を開始する。この白濁防止剤の添加は、被処理水がろ過器・活性炭塔に流入する前に行うのが好ましい。
〔S3−3a〕 白濁防止剤を添加した後、ろ過器・活性炭塔での通水時間経過後の被処理水に白濁が認められた場合には、さらに2mg/L添加増量し、4mg/Lの白濁防止剤を被処理水へ添加する。この白濁防止剤の添加は、被処理水がろ過器・活性炭塔に流入する前に行うのが好ましい。
〔S3−4a〕 白濁検出にて白濁が認められた場合には、現在の白濁防止剤の添加量をさらに2mg/L増量する。
〔S3−5a〕 第2制御部にて、白濁防止剤の添加減量又は終了を制御する。
〔S3−6a〕 検水のORP値が−50mVより高くになった場合、白濁防止剤の添加量を2mg/L減量する。
〔S3−7a〕 白濁防止剤を減量した後、通水時間経過後も検水のORP値が−50mVより高い場合、白濁防止剤の添加量をさらに2mg/L減量する。
〔S3−8a〕 検水の白濁検出にて白濁が認められた場合、上記〔S3−1a〕に戻る。
〔S3−9a〕 検水のORP値が−50mVより高く及び検水の白濁が認められない場合、かつ、次回の白濁防止剤の添加量が0mg/Lと判定したときに、白濁防止剤の添加を停止する。
〔S3−10a〕 その後、第2制御部のORP計測にて、−50mV以下になった場合、第1制御部の白濁検出にて、白濁の確認を行う。
〔S3−11a〕 終了後に、上記〔S3−1a〕の「濁度検出」に戻り、〔S3−1a〕〜〔S3−10a〕を繰り返し行なってもよい。当該濁度検出は継続的に又は定期的に行なってもよい。
図5を参照して、濁度検出結果及びORP計測結果に基づく白濁防止システムの一例を説明する。濁度検出結果に基づく白濁防止システム及びORP計測結果に基づく白濁防止システムが協働することで、白濁防止剤の添加量の増減を効率良く調整することができると共に、放流後の処理水の白濁も防止することができる。
原水がろ過器1及び活性炭塔2を通過した被処理水を検水として白濁反応槽3に流入させる。白濁反応槽3に白濁検出剤槽4から酸化剤を添加し濁度検出反応を行う。濁度検出反応の結果を白濁計測槽5で計測し、その濁度検出データは第1制御部6に送信され、第1制御部6は濁度検出結果に基づき、白濁防止剤を貯留する薬剤貯槽9からポンプ10を利用して、ろ過器1の流入前及び/又は活性炭塔2の流入前の被処理水に白濁防止剤を添加する。
添加後のろ過器1の通水時間経過後に及び/又は活性炭塔2の通水時間経過後の被処理水を検水として採取し、同様に濁度検出結果に基づく白濁防止システムを再び行い、白濁が認められた場合には、白濁防止剤の添加量を維持又は増量する。
一方、原水がろ過器1及び活性炭塔2を通過した被処理水を検水としてORP計測槽7に流入させ、ORP計にて検水のORP値を計測する。そのORP計測データは第2制御部8に送信される。第2制御部8は、濁度検出結果において白濁が発生していない場合、ORP計測結果に基づき、白濁防止剤を貯留する薬剤貯槽9からポンプ10を利用して、ろ過器1の流入前及び/又は活性炭塔2の流入前の被処理水に白濁防止剤の添加量を減量する。白濁が発生しないことは第1制御部6と協働することで確認することが可能である。
添加後のろ過器1の通水時間経過後に及び/又は活性炭塔2の通水時間経過後の被処理水を検水として採取し、同様にORP計測結果に基づく白濁防止システムを再び行うことも可能である。
本技術は、以下の構成を採用することも可能である。
〔1〕 被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び/又は被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含む、溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法。
白濁防止剤を添加していないときに、濁度検出した濁度検出結果において白濁が認められた場合には、被処理水への白濁防止剤の添加を開始することが好適である。
白濁が一定期間認められず、かつ酸化還元電位計測結果において所定の値以上である場合には、被処理水への白濁防止剤の添加量を中止することが好適である。
〔2〕 前記白濁防止剤を添加後に、通水時間経過後の被処理水を濁度検出し、白濁が認められた場合には、被処理水に白濁防止剤を添加する前記〔1〕記載の方法。
〔3〕 前記白濁防止剤を添加後に、通水時間経過後の被処理水を濁度検出し、(a)白濁が認められた場合には白濁防止剤を増量する、又は(b)白濁が認められない場合には白濁防止剤の添加を減量する前記〔2〕記載の方法。
〔4〕 前記白濁防止剤を添加後に、通水時間経過後の被処理水を酸化還元電位計測し、酸化還元電位値が−50mVより高い場合には白濁防止剤の添加を減量する、前記〔3〕記載の方法。
〔5〕 前記酸化還元電位計測結果に基づき白濁防止剤の添加を減量した後に、通水時間経過後の被処理水を濁度検出し、白濁が認められた場合には、白濁防止剤を増量する前記〔4〕記載の方法。
〔6〕 前記白濁検出剤が酸化剤であり、当該酸化剤が、亜塩素酸又はその塩、次亜塩素酸又はその塩、過酸化水素又はその塩から選ばれる1種又は2種以上のものである前記〔1〕〜〔5〕の何れか1項記載の方法。
〔7〕 前記白濁防止剤が、硝酸又はその塩である前記〔1〕〜〔6〕の何れか1項記載の方法。
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕記載の溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法を用いる水処理方法。
〔9〕 前記〔1〕〜〔8〕の何れか1項記載の方法を用いる水処理システム。
以下に、具体的な実施例等を説明するが、本発明(本技術)はこれに限定されるもので
はない。
〔試験例〕
白濁検出薬剤である亜塩素酸ナトリウムを用いて、その添加率及び白濁の関係を確認した。
<方法>
工場の放流水に、中性付近にpH調節した硫化ナトリウム溶液を溶存硫化物として5,10,20,30,40mg/L添加し、所定濃度の溶存硫化物含有処理水を調節する。
亜塩素酸ナトリウム液(25%、グラフ表記は原体添加率)を添加し、1分、2分、3分後の白濁の吸光度変化をA660にて測定し、濁度(カオリン濁度)を算出する(2cmガラスセル)。
試料の処理水(環境放流する水)を表1に示す。上記<方法>の結果(実測値)を表2に示す。また、亜塩素酸ナトリウム添加率0mg/Lの濁度を基準とした場合の各反応条件における濁度の上昇結果を、図7(1分)、図8(2分)、図9(3分)を示す。
Figure 2014140815
Figure 2014140815
溶存硫化物5mg/Lの低濃度の処理水だと、亜塩素酸ナトリウムを添加しても濁度がほとんど上昇しないので、白濁ポテンシャルは低いと考えた。
溶存硫化物10mg/L以上、特に20mg/L以上含有の処理水は、亜塩素酸ナトリウムを添加すると処理水の濁度が大きく上昇するので、白濁ポテンシャルは高いと考えた。
濁度検出の反応時間1分では、溶存硫化物濃度と濁度に相関がありそうだが、濁度検出の反応時間2分以上だと、濁度が頭打ちになり、反応が安定化する傾向があると考えられた。溶存硫化物30mg/L以上では、反応時間1分の濁度より反応時間2分の濁度が高いのに対し、反応時間2分の濁度と反応時間3分の濁度はほぼ同じであり、2分程度で反応が終了した。
このことから、白濁検出において、処理水中の溶存硫化物濃度が上限50mg/Lであれば、処理水中の溶存硫化物の濃度を精度よく把握できると考えられた。通常の処理水では概ね50mg/L以下であるので、濁度検出は有効であると考える。よって、処理水の溶存硫化物を濁度検出し、この濁度検出結果に基づき、白濁防止剤の添加量を調整し、効率良く放流後の処理水の白濁を防止しやすくなると考えた。
また、白濁防止剤を添加し、通水時間経過後の被処理水を再度確認するフィードバックプロセスを設けることで、また、濁度検出結果に基づく白濁防止システムを複数設けることで、溶存硫化物濃度が高濃度(例えば、50mg/L以上)であっても対応することが可能と考える。
1 ろ過器;2 活性炭塔;3 白濁反応槽;4 白濁検出剤貯槽;5 白濁計測槽;6制御部(第1制御部);7 酸化還元電位計測槽;8 制御部(第2制御部);9 薬剤貯槽;10 ポンプ

Claims (9)

  1. 被処理水を白濁検出剤にて濁度検出した濁度検出結果及び/又は被処理水の検水を酸化還元電位計測した酸化還元電位計測結果に基づき、被処理水への白濁防止剤の添加量を調整すること、を含む、溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法。
  2. 前記白濁防止剤を添加後に、通水時間経過後の被処理水を濁度検出し、白濁が認められた場合には、被処理水に白濁防止剤を添加する請求項1記載の方法。
  3. 前記白濁防止剤を添加後に、通水時間経過後の被処理水を濁度検出し、(a)白濁が認められた場合には白濁防止剤を増量する、又は(b)白濁が認められない場合には白濁防止剤の添加を減量する請求項2記載の方法。
  4. 前記白濁防止剤を添加後に、通水時間経過後の被処理水を酸化還元電位計測し、酸化還元電位値が−50mVより高い場合には白濁防止剤の添加を減量する、請求項3記載の方法。
  5. 前記酸化還元電位計測結果に基づき白濁防止剤の添加を減量した後に、通水時間経過後の被処理水を濁度検出し、白濁が認められた場合には、白濁防止剤を増量する請求項4記載の方法。
  6. 前記白濁検出剤が酸化剤であり、当該酸化剤が、亜塩素酸又はその塩、次亜塩素酸又はその塩、過酸化水素又はその塩から選ばれる1種又は2種以上のものである請求項1〜5の何れか1項記載の方法。
  7. 前記白濁防止剤が、硝酸又はその塩である請求項1〜6の何れか1項記載の方法。
  8. 請求項1〜7記載の溶存硫化物による処理水中の白濁を防止する方法を用いる水処理方法。
  9. 請求項1〜8の何れか1項記載の方法を用いる水処理システム。
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