JP2014140635A - 雪下ろし用シットハーネス - Google Patents

雪下ろし用シットハーネス Download PDF

Info

Publication number
JP2014140635A
JP2014140635A JP2013243479A JP2013243479A JP2014140635A JP 2014140635 A JP2014140635 A JP 2014140635A JP 2013243479 A JP2013243479 A JP 2013243479A JP 2013243479 A JP2013243479 A JP 2013243479A JP 2014140635 A JP2014140635 A JP 2014140635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
harness
buttocks
snow
sit
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013243479A
Other languages
English (en)
Inventor
Motohiro Fujita
基弘 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KIYO KK
Original Assignee
KIYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KIYO KK filed Critical KIYO KK
Priority to JP2013243479A priority Critical patent/JP2014140635A/ja
Publication of JP2014140635A publication Critical patent/JP2014140635A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Emergency Lowering Means (AREA)

Abstract

【課題】いわゆる安全帯は、高所作業者においてはその着用が義務づけされ、厳格に運用されている一方で、例えば「雪下ろし作業」について見ると、毎年何回もの雪下ろしが必要な豪雪地方であっても、安全帯はおろか一本の命綱さえ着用しないことが多いのが実情である。
【解決手段】本発明は、上記問題を解決するために、腰ベルト以外に左右の腿ベルトを有するハーネスであって、該腰ベルト及び左右の腿ベルトの背面側には、生地を縫着してなる尻当て部が張設されており、かつ該腰ベルトの正面側には長さ調整機構ならびに着脱式の固定具が設けられていることを特徴とする雪下ろし用シットハーネスである。
【選択図】図1

Description

本発明は、雪下ろし作業時に用いる落下防止のためのシットハーネスの構造に関する。
シットハーネスは、登山用具の一種であって、腰を中心に落下時のショックを吸収するハーネスで、我が国ではクライミング用ハーネスの主流である。腿でショックを吸収できるベルトを有するレッグループタイプと、アイゼンを履いたまま着脱可能なウィランスタイプとがある。
一方、安全帯は、高所作業者がたとえ落下したとしても該作業者を安全に宙吊りすることによって安全を確保することを目的とする装具であり、高所作業現場においてはその着用が義務づけされている。また、着用すべき安全帯に関しても、構造・強度等に関して厳格に規格化されている。しかし、例えば「雪下ろし作業」についてみると、毎年何回もの雪下ろしが必要な豪雪地方であっても、安全帯はおろか一本の命綱さえ着用しないことが多いのが実情である。
特開2004−321562号公報 特開平10−5371号公報
したがって、当然のことながら、たとえ自宅屋根の雪下ろし作業の場合であっても本来は安全帯の着用が好ましい。また、屋根からの転落のみならず、地上で除雪作業中に滑って水路に転落するケースも少なくないので、地上での作業であっても、安全帯の着用が好ましい。ところが、高所作業を業務とする者と異なり一般の者にとって安全帯は、厳格な規格に基づいて製造されているものであるため重量があって、高価であり、構造が複雑であるため装着は容易ではない。安全帯によって保障される安全性は、適切な手法で装着された場合を前提としているので、不適切な装着の場合かえって危険であるということもあり得る。さらに、雪国において高齢者が使用するケースも多い除雪作業用安全帯は、高齢者の体に負担なく使用できるものであることも考慮する必要がある。
そこで、本発明者は雪下ろし作業を業務として行わない者(例えば自宅の屋根の雪下ろしを行う者)であれば、労働安全衛生法第42条、第21条の2、第26条でいうところの労働者等に該当しないので、これらの法律で定義された安全帯ではないものを使用しても支障ないので、登山用品であるシットハーネスを雪下ろし作業時の安全帯に援用できることに着目した。ところが、単純にこれを用いようとしても、シットハーネスは幾本ものベルトの集合体であって、絡んだり捩れたりしやすく、装着に際してそれを元に戻すのは容易でない。また、滑落を防止するには、偶発的な要因から足を滑らせたときに、瞬時に滑落停止ができればよいが、通常のシットハーネスには、このような滑落停止の機能はない。特許文献2の発明は、着用者の臀部に突刺部を備える滑り止め部材を有する滑落停止具を提案している。当該滑落停止具に係る滑り止め部材の各突刺部は、先端に従って下方に傾斜して形成されており、着用者が尻もちをついたときに、突刺部がすぐに斜面に突き当たり、滑落を早期に停止することができるとしている。しかし、突刺部は名称に示すとおり、先端が尖った形状で人体の一部、例えば装着時に手を傷つけかねず、安全面では難がある。
以上のような現状に鑑み、本発明者は、長年鋭意研究の結果ついに本発明を成したものであり、その特徴とするところは、胴ベルト以外に左右の腿掛けベルトを有するハーネスであって、該腰ベルト及び該左右の腿掛けベルトの背面側には、生地を縫着してなる尻当て部が張設されており、かつ該腰ベルトの正面側には長さ調整機構並びに着脱式の固定具が設けられている点にある。また、該尻当て部には滑落防止のための滑り止め部材が設けられている点にも特徴がある。
すなわち、本発明は、ベルトの捩れや絡まりを生地縫着によって規制することで軽減するものであるといえる。また、従来のレッグループタイプのシットハーネスは、腰ベルトと腿ベルトを幾本かのベルトで連結一体化したものであり、腰ベルトと二本の腿ベルトは固定具によってループ状になるベルトである。そして固定具による固定が解除された状態では、多数のベルトが絡まりあったものであり、ハーネスの前後ですら判別しにくい。本発明はこの判別を容易にすることで装着の容易性を獲得したものであるといえる。
本発明における「シットハーネス」は、レッグループタイプのものである。なお、登山用具にあって「ハーネス」と言えば、一般に「レッグループタイプ」を指すことが多く、逆に「シットハーネス」と言えば、一般に「ウィランスタイプ」を指すことが多い。本明細書では、一般的な言い方とは異なることとなる。したがって、本発明に係る雪下ろし用シットハーネスは、従来の登山用の「レッグループタイプのシットハーネス」と同様、腰ベルトと腿掛けベルトとを有している。そして、基本的に腰ベルトと腿掛けベルトについての構造は従来品(登山用具)と同様でよく、本発明において特に限定されるものではない。すなわち、腰ベルトも腿掛けベルトも、ループ状のものであって、着脱自在な固定具が設けられている。それにより、外した状態で腰や太腿にあてがい、周回させて連結するといいう方法で装着する。また、この固定具は通常、ベルト長さの調整機構部を有しているが、これについても特に限定するものではない。ただし、本発明においてこの固定部は、装着時体躯前面側に位置するものであるのが望ましく、特に腰ベルトに関しては体躯背面側に設けるべきではない。
尻当て部は、文字通り装着時着用者の臀部を覆うこととなる部材であり、本発明の最大の特徴部分である。これは、腰ベルト及び左右の腿掛けベルトの背面側部分に配置される生地であり、縫着することで形成される。腰ベルト、左右の腿掛けベルトをそれぞれ「線」と考えると、これらの「線」のうち、着用者体躯背面側を「面」で連結したものが尻当て部であるということもできる。面で連結されているがゆえに、第一に該「線」は捩れたり絡んだりしにくい。第二に、体躯背面側のみに「面」が存在しているので、着用者は「面の存在する方が後ろになる」あるいは「面がお尻に当たるように装着する」という意識を持ってさえいれば正規の装着ができることになり、誤装着の可能性は激減する。
なお、尻当て部は腰ベルト及び左右の腿掛けベルトの背面側部分に配置されるものであるが、「背面」と「正面」の境界について特に定めることはしない。本発明に係る雪下ろし用シットハーネスを着用した状態で、着用者を正面視した時に見える部分にまで尻当て部が進出していても、正面すべてを覆っていなければ機能上の不都合はない。また、着用者を背面側から見たときに背面側すべてが尻当て部である必要はないが、当然ながら尻当て部存在割合が小さくなれば、捩れ絡まり防止効果が小さくなるし、尻当て部自体が捩れてしまうという問題発生の可能性もある。以上の観点から判断し、腰回り全周360度のうち尻当て部が配置されていて効果が高いのは、120度〜270度の範囲ではないかと思われる。ただし、この数値が本発明を限定するものではない。
尻当て部を構成する生地の材質については特に限定しない。雪下ろし作業という現場環境を勘案すると、耐水性に優れた強靭なものが好ましいし、部材重量を小さくするという意味ではメッシュ生地が好適である。もちろん、後述するように、滑り止めテープを付ける、あるいは臀部形状に沿わせるために複数枚を縫合して一枚の尻当て部にする等の工夫を加えてもよい。
屋根の急傾斜のみならず、緩やかな傾斜であっても、雪や氷に足をすべらせるときは、尻もちをつくのがほとんどであり、尻もちをついたまま、屋根から滑落したり、水路に転落したりすることになる。本発明においては、該雪下ろし用シットハーネスを着用した状態の着用者の臀部の曲面形状に着目したもので、尻当て部には、その表面の一部又は全部に突出して形成された複数の突起やリブを備える滑り止め部材が設けられていることを特徴とする。なお、滑り止め部材は、ゴム及び/又は樹脂を素材として構成されるとよい。さらに、尻当て部は、軟質ゴム又は軟質樹脂を素材として形成される基台部と、該基台部に穿たれた複数の穴に配置される複数のスパイクピンであって、硬質ゴム又は硬質樹脂を素材として形成されるスパイクピンと、を備えるようにしてもよい。なお、スパイクピンの先端の高さは、基台部の表面と同一又は基台部の表面より低く構成されると、荷重が掛かった軟質ゴム又は軟質樹脂により形成される基台部は圧力を受けて変形する一方、硬質ゴム又は硬質樹脂で形成されるスパイクピンは圧力を受けても変形率が基台部よりも小さいので、その変形率の圧縮比の違いにより、スパイクピンの先端部が雪や氷を突き刺し食い込むことになり、制動抵抗を発揮することになり滑落を防止する。また、無雪又は無氷状態で尻もちをついた際には、スパイクピンは屋根面又は路面を突き刺すことはなく、基台部のみが変形することになり、やはり滑落を防止することができる。
雪下ろし作業時に用いる落下防止のための製品であるので、母綱やランヤードといったロープ類は必須であるし、これらのロープを連結するためのカラビナ類もまた必須であるが、本発明の構造自体ではないので、これらについては何ら限定しない。
本発明に係る雪下ろし用シットハーネスは、腰ベルト以外に左右の腿掛けベルトを有するハーネスであって、該腰ベルト及び左右の腿掛けベルトの背面側には、生地を縫着してなる尻当て部が張設されており、かつ該腰ベルトの正面側には長さ調節機構並びに着脱式の固定具が設けられていることを特徴とするものであり、以下述べるごとき効果を有する極めて高度な発明である。
(1) 登山用具のシットハーネスを改良したものであるので、従来の高所作業用安全帯に比して軽量安価である。
(2) 絡まったり捩れたりするという支障が発生しやすかったベルトの一部を生地で連結することで固定化したので、そうした支障が発生しにくい。
(3) 装着は、生地部分が臀部に来るよう、パンツを履くかのごとく行うので非常に簡単であるし、前後を誤って装着することもなくなる。
(4) 尻当て部に防滑機構を備えているので、尻もちをついた時点で滑り止めの効果が発揮される。
本発明の実施例1に係る雪下ろし用シットハーネスの一例を示す概略斜視図である。 図1の本発明ハーネス1を実際に着用した状態を後方から見たところを示す概略斜視図である。 図1の本発明ハーネス1の展開図であり、(a)は正面から、(b)は背面から見たところを示す図である。 図2に示す滑り止めテープ41を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)の変形形態を示す側面図である。 本発明の実施例2に係る雪下ろし用シットハーネス1の滑り止め部材42を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 図5に示す滑り止め部材の変形形態を示す図である。 本発明の実施例3に係る雪下ろし用シットハーネス10を後方から見たところを示す概略斜視図である。 本発明の実施例4に係る雪下ろし用シットハーネス100を示す図であり、(a)は後方から見たところを示す概略斜視図、(b)は(a)のX部分の拡大平面図、(c)は(b)の断面図、(d)は(c)の概略拡大図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。各図において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は、本発明を理解するために誇張して表現している場合もあり、必ずしも縮尺どおり精緻に表したものではないことに留意されたい。なお、本発明は下記に示される実施例に限られるものではない。
実施例1を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る雪下ろし用シットハーネス1(以下単に「本発明ハーネス1」という)の一例を斜め前方から見た状態を示す概略斜視図である(ただし、ランヤード等は描出していない)。図より明らかなように本例の本発明ハーネス1は、レッグループタイプのシットハーネスを原型とするものであって、腰ベルト2、腿ベルト3(二本)、等にて構成される。ただし、従来の同タイプにはない尻当て部4が本発明ハーネス1には設けられている。
腿ベルト2の前側ほぼ中央位置には、ビレイループ5が設けられている。これは、カラビナによりランヤードを介して母綱に連結するための、カラビナ取設箇所であり、強度に優れたベルトを輪状に構成したものである。また、このビレイループ5の輪内には、左右の腿ベルト3の前方位置から延出する腿ベルト3に連結ベルト6が通されており、落下や滑落時の荷重を両太腿にも分散させる働きがある。(なお、カラビナ、ランヤード、母綱等については図面描出を省略している。)
図2は、図1の本発明ハーネス1を実際に着用した状態を後方から見たところを示すものである。尻当て部4は着用者の背面側に存在するものであり、そのため、尻当て部4の材料生地(本例ではメッシュ生地)は、腰ベルト2の背側の約半周と腿ベルト3(二本)の背側の約半周を連結する形で縫着により張設されている。結果、生地は着用者の臀部に当てる部分だけに存在することとなり、それさえ認識されていれば本発明ハーネス1の前後を見誤ることがなくなる。
なお、従来のレッグループタイプのシットハーネスの場合、腿ベルト3の大勢を保持させることで装着容易性を図る目的で、リアストラップと呼ばれる細幅のベルトを設けていることが多いが、本発明ハーネス1においては尻当て部4の存在がすでにこの目的を果たしており、設けるには及ばない。(もちろん、リアストラップを設けてはならないわけではないので、リアストラップの付いた構造も本発明の権利範囲に属する。)
本例の腰ベルト2の背側には、アクセサリーリング21が二基取設されており、雪下ろし作業に必要な工具等を吊り下げることができるようにしたナイロン製部材である。ただし、これは耐荷重強度が求められる部材ではない。その意味において、脆弱であるといえ、ここに荷重支持ロープ(母綱)を連結してはならない。よって、誤った連結を回避するという観点で、アクセサリーリング21の取設を割愛するのも正当な選択である。
本発明ハーネス1の腰ベルト2及び左右の腿ベルト3は、いずれも固定フック7を有していて着脱自在となっている。本例の固定フック7は、バックル構造のものであり、かつベルト端部を適宜長さだけ延出させた状態で固定する長さ調整機構を有しているが、固定フック7とは別個の部材を設け、それに長さ調整機能を持たせてもよい(図示しない)。なお、操作性という点からこれらの固定フック7は前面側に設けるのが良いわけであるが、本発明の場合には背面側には尻当て部4が設けられているので、構造上の要求もあって前面側に設けることが必須となる。
図3は、図1の本発明ハーネス1の概略展開図であり、(a)は正面から、(b)は背面から見たところを示す図であり、本発明ハーネス1についてフック等を解除して展開した状態を示している。図3(a)においては、本発明ハーネス1の内側部分、すなわち体に対する装着面を示しており、他方、図3(b)においては、本発明ハーネス1の外側部分を示している。実施例1において、図2及び図3(b)に示すとおり、尻当て部4の外側表面に滑り止めテープ41が縫着されている。
次に、図4を参照して、滑り止めテープ41をより詳細に説明する。図4は、図2に示す滑り止めテープ41を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)の変形形態を示す側面図である。実施例1において、滑り止めテープ41はゴム製で、尻当て部4に相当する臀部メッシュの略中央を水平に横断するように合成樹脂糸で臀部メッシュに縫着されている。すなわち、滑り止めテープ41は、ゴム製の基台部410と、合成樹脂糸により基台部410を臀部メッシュに縫着することにより突出する凸部411とから構成されることとなる。したがって、本発明ハーネス1を装着した作業者が屋根斜面や地上においてバランスを失い横転したとき、尻もちをつくことがほとんどであるが、尻もちをついた際に体重の重心がかかっている尻当て部4に装着された滑り止めテープ41のゴム製の基台部410と合成樹脂製の凸部411で滑落を防止することが期待できる。なお、図3(c)に示す凸部412は、(b)に示す凸部411の高さよりも高く構成されており、屋根面や地上面に積層された雪や氷の表面に凸部411が突き刺さることにより防滑効果が高まる。
実施例2を図面を参照して詳細に説明する。実施例2は、滑り止めテープ41の機能向上やこれに代わる防滑機構に注目したところに特徴がある。
図5を参照する。図5は、本発明の実施例2に係る雪下ろし用シットハーネス1の滑り止め部材42を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。滑り止め部材42は、基台部420と水平リブ421とを備える。基台部420は実施例1の滑り止めテープ41と同様にゴム製であり、尻当て部4に相当する臀部メッシュの略中央を水平に横断するように合成樹脂糸で臀部メッシュに縫着される。基台部420の表面には水平リブ421が四本突出し所定の間隔で配置されている。各リブ421は、基台部420に接着により接合されている。なお、水平リブ421の数量は任意であり四本に限定されるわけではない。また、水平リブ421と基台部420は両者ともにゴムで一体成形してもよいし、可撓性を有するウレタン樹脂により一体成型してもよい。さらに、水平リブ421は硬質プラスチック製であってもよい。
以下、実施例2の作用を述べる。作業者は、雪下ろしを行う際に本発明ハーネス1を装着する。前述したとおり、作業者が雪下ろし中に屋根斜面や地上においてバランスを失い横転したとき、尻もちをつくことがほとんどである。斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に平行な状態の場合、尻当て部4に装着された滑り止め部材42の水平リブ421が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止することが期待できる。また、尻もちをついた場所が雪面でなく露出した屋根面や路面である場合は、荷重が掛かった水平リブ421と基板420に挟まれた面部分が制動抵抗を発揮し、滑落を防止することが期待できる。
図6を参照する。図6は、図5に示す滑り止め部材の変形形態を示す。図6(a)を説明する。滑り止め部材43は、基台部430と水平リブ431、432と垂直リブ433、434を備える。基台部430は図5に示す基台部420と同様にゴム製であり、尻当て部4に相当する臀部メッシュの略中央を水平に横断するように合成樹脂糸で臀部メッシュに縫着される。基台部430の表面には左右端部それぞれに垂直リブ433、434が突出して形成配置され、垂直リブ433と垂直リブ434との間に水平リブ431、432が二本突出し、所定の間隔で配置されている。なお、図5に係る滑り止め部材42と同一の内容は説明を省略する。
以下、図6(a)に係る滑り止め部材43の作用を述べる。斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に平行な状態の場合、尻当て部4に装着された滑り止め部材43の水平リブ431、432が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止することは、滑り止め部材42の場合と同様である。他方、斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に垂直な状態の場合、すなわち横滑りするような場合、尻当て部4に装着された滑り止め部材43の垂直リブ433、434が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止することが期待できる。また、尻もちをついた場所が雪面でなく露出した屋根面や路面である場合は滑り止め部材42の場合と同様である。
図6(b)を説明する。滑り止め部材44は、基台部440と傾斜リブ441、442、443、444と垂直リブ445、446を備える。基台部440の表面には左右端部それぞれに垂直リブ445、446が突出して形成配置され、垂直リブ445と垂直リブ446との間上方に傾斜リブ441、442が二本逆V字状に突出し、垂直リブ445と垂直リブ446との間下方に傾斜リブ443、444が二本V字状に突出し、それぞれ所定の間隔で配置されている。なお、図5に係る滑り止め部材42と同一の内容は説明を省略する。
以下、図6(b)に係る滑り止め部材44の作用を述べる。斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に平行な状態の場合で足の方から滑る場合、尻当て部4に装着された滑り止め部材44の傾斜リブ443、444が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止する。斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に平行な状態の場合で頭の方から滑る場合、尻当て部4に装着された滑り止め部材44の傾斜リブ441、442が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止する。他方、斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に垂直な状態の場合、すなわち横滑りするような場合、尻当て部4に装着された滑り止め部材44の垂直リブ445、446が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止することは図6(a)に係る滑り止め部材43の場合と同様である。
実施例3を図面を参照して詳細に説明する。実施例3は、本発明においては、該雪下ろし用シットハーネスを着用した状態の着用者の臀部の曲面形状に着目したもので、尻当て部には、その表面の一部又は全部に突出して形成された複数のリブを備える滑り止め部材が設けられていることを特徴とする。
図7を参照する。図7は、本発明の実施例3に係る雪下ろし用シットハーネス10を後方から見たところを示す概略斜視図である。実施例1に係る雪下ろし用シットハーネス1と同様に、尻当て部14は着用者の背面側に存在するものであり、尻当て部14の材料生地は、腰ベルト12の背側の約半周と腿ベルト13(二本)の背側の約半周を連結する形で縫着により張設されている。図7に示すとおり、尻当て部14は、傾斜リブ141、142、143、144、145、146、147、148を備えている。傾斜リブ141、142、143、144、145、146、147、148は、尻当て部14に所定の間隔で接着により接合されている。より詳細には、傾斜リブ141、142は尻当て部14の中央上方に二本V字状に突出し、傾斜リブ143と傾斜リブ144は尻当て部の中央下方に二本逆V字状に突出し、それぞれ所定の間隔で配置されている。さらに、傾斜リブ145、146は尻当て部14の中央に向かって二本V字状に突出し、また傾斜リブ147、148は傾斜リブ145、146と尻当て部14の中央で対称になるようにV字状に突出して形成されている。なお、傾斜リブの数量は任意であり八本に限定されるわけではない。また、傾斜リブと尻当て部14は両者ともにゴムで一体成形してもよいし、可撓性を有するウレタン樹脂により一体成型してもよい。
以下、実施例3の作用を述べる。斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に平行な状態の場合で足の方から滑る場合、尻当て部14に装着された傾斜リブ143、144、146、148が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止する。斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に平行な状態の場合で頭の方から滑る場合、尻当て部4に傾斜リブ141、142、145、147が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止する。他方、斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が斜面に垂直な状態であって、シットハーネス10を後方から見て左方向に横滑りするような場合、傾斜リブ141、143、145、146が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止し、同じく右方向に横滑りするような場合、傾斜リブ142、144、147、148が雪面に食い込み、大きな抵抗となって滑落を防止する。
実施例4を図面を参照して詳細に説明する。実施例4は、尻当て部の表面構造に防滑機構を施したところに特徴がある。
図8を参照する。図8は、本発明の実施例4に係る雪下ろし用シットハーネス100を示す図であり、(a)は後方から見たところを示す概略斜視図、(b)は(a)のX部分の拡大平面図、(c)は(b)の断面図、(d)は(c)の一部の概略拡大図である。図8(a)に示すとおり、実施例1及び3に係る雪下ろし用シットハーネス1、10の場合と同様に、尻当て部104は着用者の背面側に存在するものであり、尻当て部104の材料生地は、腰ベルト12の背側の約半周と腿ベルト13(二本)の背側の約半周を連結する形で縫着により張設されている。
図8(b)、(c)、(d)を参照しながら、実施例4に係る防滑機構を詳細に説明する。図8(b)は、図8(a)に示されるX部分を拡大したものであり、その断面は図8(c)に示し、さらにその断面の一部を拡大したものを図8(d)に示している。図8(d)を参照すると、尻当て部104は、基台部1040と、複数のスパイクピン1041とから構成される。基台部1040は、その表面に所定の間隔をもって穿たれた複数の穴が配置され、軟質ゴム又は軟質樹脂により成形されるとよい。他方、スパイクピン1041は、いわゆるスパイクピン形状の先端が尖った形状品で基台部1040の穴に配置され、硬質ゴム又は硬質樹脂により成形されることが好適である。図8(c)、(d)において、スパイクピン1041の高さは、その先端が基台部1040の表面と略同じ高さになっているが、基台部1040の表面より突出しないように形成されることが好ましい。
以下、実施例4の作用を述べる。斜面において、尻もちをついた際に体重の重心が尻当て部104の任意の部分に掛かったとき、荷重が掛かった軟質ゴム又は軟質樹脂により形成される基台部1040は圧力を受けて変形する。一方、硬質ゴム又は硬質樹脂で形成されるスパイクピン1041は圧力を受けても変形率が基台部1040よりも小さいので、その変形率の圧縮比の違いにより、スパイクピン1041の先端部が雪や氷を突き刺し食い込むことになり、制動抵抗を発揮することになり滑落を防止する。また、無雪又は無氷状態で尻もちをついた際には、スパイクピン1041は屋根面又は路面を突き刺すことはなく、基台部1040のみが変形することになり、やはり滑落を防止することができる。
以上、本発明に係るシットハーネスにおける好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。例えば、固定フックの構造に工夫を加えることで、より確実なあるいはより簡便な固定を図ってもよいし、面ファスナを採用することでベルト端部を係止できるようにしたり、軽い工具等を留めたりできるようにすると、利便性はさらに向上する。
本発明に係るシットハーネスは、雪下ろし作業を業務として行わない者、例えば自宅の屋根の雪下ろしを行う者に広く利用することができる。また、雪下ろし以外の作業で高所等滑落の危険性を伴う作業を業務として行わない場合にも広く利用することが可能である。
1 10 100 雪下ろし用シットハーネス
2 12 102 腰ベルト
21 アクセサリーリング
3 13 103 腿ベルト
4 14 104 尻当て部
41 滑り止めテープ
42 43 44 滑り止め部材
410 420 430 440 1040 基台部
411 412 凸部
421 431 432 水平リブ
433 434 445 446 垂直リブ
441 442 443 444 傾斜リブ
141 142 143 144 傾斜リブ
145 146 147 148 傾斜リブ
1041 スパイクピン
5 ビレイループ
6 16 106 腿ベルト連結ベルト
7 17 107 固定フック

Claims (7)

  1. 腰ベルト以外に左右の腿ベルトを有するハーネスであって、該腰ベルト及び左右の腿ベルトの背面側には、生地を縫着してなる尻当て部が張設されており、かつ該腰ベルトの正面側には長さ調整機構ならびに着脱式の固定具が設けられていることを特徴とする雪下ろし用シットハーネス。
  2. 前記尻当て部は、メッシュ生地にて構成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の雪下ろし用シットハーネス。
  3. 前記尻当て部は、表面の全面又は一部に滑り止め部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の雪下ろし用シットハーネス。
  4. 前記滑り止め部材は、ゴム及び/又は樹脂を素材として構成され、表面に複数の突起を備えることを特徴とする請求項3に記載の雪下ろし用シットハーネス。
  5. 前記滑り止め部材は、ゴム及び/又は樹脂を素材として構成され、表面に複数の滑り止め用リブを備えることを特徴とする請求項3に記載の雪下ろし用シットハーネス。
  6. 前記尻当て部は、軟質ゴム又は軟質樹脂を素材として形成される基台部と、該基台部に穿たれた複数の穴に配置される複数のスパイクピンであって、硬質ゴム又は硬質樹脂を素材として形成されるスパイクピンと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の雪下ろし用シットハーネス。
  7. 前記スパイクピンの先端の高さは、前記基台部の表面と同一又は前記基台部の表面より低く構成されることを特徴とする請求項6に記載の雪下ろし用シットハーネス。
JP2013243479A 2012-12-26 2013-11-26 雪下ろし用シットハーネス Pending JP2014140635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013243479A JP2014140635A (ja) 2012-12-26 2013-11-26 雪下ろし用シットハーネス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012281960 2012-12-26
JP2012281960 2012-12-26
JP2013243479A JP2014140635A (ja) 2012-12-26 2013-11-26 雪下ろし用シットハーネス

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017228612A Division JP6466550B2 (ja) 2012-12-26 2017-11-29 雪下ろし用シットハーネス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014140635A true JP2014140635A (ja) 2014-08-07

Family

ID=51422489

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013243479A Pending JP2014140635A (ja) 2012-12-26 2013-11-26 雪下ろし用シットハーネス
JP2017228612A Active JP6466550B2 (ja) 2012-12-26 2017-11-29 雪下ろし用シットハーネス

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017228612A Active JP6466550B2 (ja) 2012-12-26 2017-11-29 雪下ろし用シットハーネス

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2014140635A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105833444A (zh) * 2016-04-26 2016-08-10 国家电网公司 一种包臀式安全带

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019172118A1 (ja) 2018-03-05 2019-09-12 株式会社小糸製作所 センサシステム、センサモジュール、およびランプ装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5881235U (ja) * 1981-10-31 1983-06-01 藤井 恒雄 屋根雪の除雪装置
JPS61193676A (ja) * 1985-02-25 1986-08-28 石岡 繁雄 雪おろし装置
JPS6244269A (ja) * 1985-08-22 1987-02-26 石岡 繁雄 高所作業用身体保持具
JPH03193073A (ja) * 1989-12-22 1991-08-22 Kingo Onuki 滑落防止具
JPH0591903A (ja) * 1991-10-01 1993-04-16 Asahi Corp 防滑性靴底を有する靴
JPH05246216A (ja) * 1992-03-09 1993-09-24 Ishikawa Giken Rubber Kk 滑り止め用成形品
JPH105371A (ja) * 1996-06-19 1998-01-13 Kingo Onuki 滑落停止具
JP2000176034A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Kazuo Nishino 屋根の雪下ろし時の転落防止装置
US20050121040A1 (en) * 2003-12-09 2005-06-09 Franklin Scott D. Fall protection harness
JP2005279047A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Fujii Denko Co Ltd 防爆型フルハーネス安全帯

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5881235U (ja) * 1981-10-31 1983-06-01 藤井 恒雄 屋根雪の除雪装置
JPS61193676A (ja) * 1985-02-25 1986-08-28 石岡 繁雄 雪おろし装置
JPS6244269A (ja) * 1985-08-22 1987-02-26 石岡 繁雄 高所作業用身体保持具
JPH03193073A (ja) * 1989-12-22 1991-08-22 Kingo Onuki 滑落防止具
JPH0591903A (ja) * 1991-10-01 1993-04-16 Asahi Corp 防滑性靴底を有する靴
JPH05246216A (ja) * 1992-03-09 1993-09-24 Ishikawa Giken Rubber Kk 滑り止め用成形品
JPH105371A (ja) * 1996-06-19 1998-01-13 Kingo Onuki 滑落停止具
JP2000176034A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Kazuo Nishino 屋根の雪下ろし時の転落防止装置
US20050121040A1 (en) * 2003-12-09 2005-06-09 Franklin Scott D. Fall protection harness
JP2005279047A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Fujii Denko Co Ltd 防爆型フルハーネス安全帯

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105833444A (zh) * 2016-04-26 2016-08-10 国家电网公司 一种包臀式安全带

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018038876A (ja) 2018-03-15
JP6466550B2 (ja) 2019-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10596397B2 (en) Harness configurations for a suspension device
EP2403366B1 (en) Safety harness
CN110225783B (zh) 具有一体式能量吸收器的背带
EP1068880B1 (fr) Harnais d'encordement à longe d'accrochage déportée
US9101789B2 (en) Belt and harness assembly
US20070095873A1 (en) Roping belt equipped with an improved equipment-carrying device
US8752590B2 (en) Extendable rope protecting sleeve
US4632217A (en) Automatically adjustable climbing harness
EP3551297A1 (en) Harness with structural tear tape
JP6466550B2 (ja) 雪下ろし用シットハーネス
JP6049026B2 (ja) 着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣
US11850452B2 (en) Harness with continuous linemans loop
US20150060195A1 (en) Harness with Integral Relief Loops for Suspension Trauma
JPH09510368A (ja) 個人用安全装置
JP6733884B2 (ja) ハーネス型安全帯
JP6899197B2 (ja) 安全装置
US5806095A (en) Safety trousers
JP5823916B2 (ja) ヘリ救助用の被災者用装着バンド
WO2017035612A1 (pt) Disposição introduzida em cinto de segurança de sobrepor com argolas desengatáveis
JP2005185598A (ja) 安全帯
CN211932953U (zh) 带有防掉落绳的工具袋
CN215781092U (zh) 溯溪、攀岩安全吊带的护垫结构
CN212141375U (zh) 一种电力塔攀爬用防护装置
KR200456394Y1 (ko) 하네스결합이 가능한 허리벨트 구조
WO2019043271A1 (en) SAFETY APPAREL FOR LIFT EQUIPMENT

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170819

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170830

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20171115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171115