JP2014139591A - 投射型表示装置 - Google Patents

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豪 鎌田
Seiji Ohashi
誠二 大橋
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時由 梅田
Masahiro Tsujimoto
昌洋 辻本
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Abstract

【課題】輝度むらが少ない映像を観察することができる投射型表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の投射型表示装置10は、再帰性スクリーン11と、再帰性スクリーン11に投射する映像の信号を処理する投射映像処理部およびその投射映像処理部からの映像を再帰性スクリーン11に投射する投射部26が設けられた投射光学部を少なくとも有するプロジェクタ12と、プロジェクタ12の位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する距離が最適な位置よりも近い場合、または、プロジェクタ12の位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する距離が最適な位置よりも遠い場合に、プロジェクタ12から再帰性スクリーン11に投射される映像の輝度分布を補正する補正機構と、を備えたことを特徴とする 。
【選択図】図1

Description

本発明は、投射型表示装置に関する。
光を入射した方向と同じ方向に反射する再帰性スクリーンと、その再帰性スクリーンに映像を投射するプロジェクタと、を備えた投射型表示装置が知られている。この投射型表示装置では、プロジェクタが、映像を見る者(視聴者)の眼の近傍に配置される。また、プロジェクタから再帰性スクリーンに照射された光は、プロジェクタの方向に戻る。そのため、この投射型表示装置は、光の利用効率が極めて高く、低出力のプロジェクタを用いた場合でも、高輝度の映像が得られる。
また、同一の再帰性スクリーンに対して、多数の視聴者がそれぞれの傍に配置されたプロジェクタから異なる映像(光)を投射しても、それぞれの映像(光)は、それぞれのプロジェクタの方向に戻るので、視聴者はそれぞれ異なる映像を見ることができる。このような再帰性スクリーンの特徴を利用して、視聴者の両眼の近傍に個別のプロジェクタを配置し、それぞれのプロジェクタから再帰性スクリーンに対して、それぞれの眼に対応する映像を投射することによって、3D映像を実現できることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭56−29223号公報
しかしながら、上述のような投射型表示装置では、再帰性スクリーンの投射面と平行な面に沿って視聴者の眼の位置がずれた場合、画面(映像)全体の輝度が低下し、映像が見難くなるという問題があった。また、再帰性スクリーンの投射面と視聴者の眼との距離がずれた場合、すなわち、再帰性スクリーンの投射面に対して、視聴者の眼の位置が、最適な位置から近付いた場合、あるいは、遠ざかった場合、映像の輝度にむらが生じるという問題があった。具体的には、再帰性スクリーンの投射面に対して、視聴者の眼の位置が、最適な位置から近付いた場合および遠ざかった場合に、映像の中央部が明るく、その周縁部が暗くなるという輝度分布を示すという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、輝度むらが少ない映像を観察することができる投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の投射型表示装置は、再帰性スクリーンと、前記再帰性スクリーンに投射する映像の信号を処理する投射映像処理部および該投射映像処理部からの像を前記再帰性スクリーンに投射する投射部が設けられた投射光学部を少なくとも有するプロジェクタと、前記プロジェクタの位置が、前記再帰性スクリーンの投射面に対する距離が最適な位置よりも近い場合、または、前記プロジェクタの位置が、前記再帰性スクリーンの投射面に対する距離が最適な位置よりも遠い場合に、前記プロジェクタから前記再帰性スクリーンに投射される前記映像の輝度分布を補正する補正機構と、を備えたことを特徴とする。
前記再帰性スクリーンの投射面の近傍に指向性散乱スクリーンが配設され、該指向性散乱スクリーンにより、前記再帰性スクリーンの反射光を、前記再帰性スクリーンの幅方向と縦方向で拡散する角度が異なるようにすることが好ましい。
前記輝度分布は同心円状であることが好ましい。
前記輝度分布は、中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなることが好ましい。
前記輝度分布は、前記映像の視聴者の眼と前記投射部を結ぶ直線を、前記再帰性スクリーン側に延長した直線が、前記再帰性スクリーンの投射面または該投射面を延伸した面と交差する点を中心とすることが好ましい。
前記補正機構は、前記投射映像処理部であり、前記投射映像処理部により、前記映像の信号が処理され、前記輝度分布が補正されることが好ましい。
前記補正機構は、前記投射部と前記再帰性スクリーンとの間に設けられた補正フィルタであり、該補正フィルタにより、前記輝度分布が補正されることが好ましい。
前記投射部の位置および/または前記視聴者の眼の位置を検知する位置検知手段を備えたことが好ましい。
前記投射部の位置および/または前記視聴者の眼の位置を検知する位置検知手段を有する椅子を備えたことが好ましい。
本発明によれば、再帰性スクリーンの投射面に対して最適な位置に配置されたプロジェクタの投射部よりも前後の位置、並びに、再帰性スクリーンとプロジェクタの投射部とを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた位置においても、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
第1実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 第1実施形態の投射型表示装置のプロジェクタおよび補正機構の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態の投射型表示装置によって、再帰性スクリーンに投射される映像の輝度分布を示す図である。 第1実施形態の投射型表示装置の補正機構の他の例を示す概略構成図である。 第2実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図である。 第2実施形態の投射型表示装置によって、再帰性スクリーンに投射される映像の補正の中心点Pを示す図である。 第3実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図である。 第3実施形態の投射型表示装置によって、再帰性スクリーンに投射される映像の輝度分布を示す図である。 第4実施形態の投射型表示装置およびその補正機構の一例を示す概略構成図である。 第4実施形態の投射型表示装置およびその補正機構の他の例を示す概略構成図である。 第5実施形態の投射型表示装置の一部を示す概略構成図である。 第6実施形態の投射型表示装置の一部を示す概略構成図である。 第7実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 第7実施形態の投射型表示装置によって、再帰性スクリーンに投射される映像の輝度分布を示す図である。 指向性散乱スクリーンを用いた場合、再帰性スクリーンに投射される映像の輝度分布を示す図である。 第8実施形態の投射型表示装置によって、再帰性スクリーンに投射される映像の輝度分布を示す図である。 第8実施形態の投射型表示装置によって、再帰性スクリーンに投射される映像の輝度分布を示す図である。
(1)第1実施形態
図1は、第1実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。図2は、第1実施形態の投射型表示装置のプロジェクタおよび補正機構の一例を示す概略構成図である。
本実施形態の投射型表示装置10は、再帰性スクリーン11と、再帰性スクリーン11と所定の距離を置いて対向するように配置されたプロジェクタ12と、補正機構(図示略)とから概略構成されている。
なお、図1において符号12で示すものは、プロジェクタ12の一部を構成する投射部26である。
再帰性スクリーン11は、樹脂などからなる基板13の一方の面13aに、透明のビーズ(球状体)が埋め込まれた構造をなしている。透明のビーズが埋め込まれた基板13の一方の面13aは、再帰性スクリーン11の投射面11aである。
プロジェクタ12は、再帰性スクリーン11に投射する映像の信号を処理するための投射映像処理部21と、投射映像処理部21からの信号を光に変換して、その光を再帰性スクリーン11に投射する投射光学部22とから概略構成されている。
投射映像処理部21は、プロジェクタ12から再帰性スクリーン11に投射される映像(光)の輝度分布を補正するための補正データが記録された補正データ記憶部23と、再帰性スクリーン11に投射される映像の信号を処理して、映像(光)の輝度分布を補正する補正回路24とを少なくとも有する映像処理回路25を備えている。
投射光学部22は、再帰性スクリーン11に映像を投射する投射部26を備えている。投射部26は、その射出面26aが再帰性スクリーン11の投射面11aに対向するように配置されている。そして、投射部26の射出面26aから、再帰性スクリーン11に対して映像が投射される。
本実施形態では、投射映像処理部21が補正機構として機能する。
補正機構は、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置よりも近い場合、または、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置よりも遠い場合の両方において、同様の輝度分布が生じ、この輝度分布を軽減するべく、プロジェクタ12から再帰性スクリーン11に投射される映像(光)の輝度分布を補正する。
投射型表示装置10による映像の補正方法を説明する。
まず、プロジェクタ12の投射部26を、再帰性スクリーン11に投射される映像の視聴者の眼31と離隔して配置する。この時、図1(b)に示すように、視聴者の眼31と投射部26を結ぶ直線41を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)42が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。
次いで、投射映像処理部21により、投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布を、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
投射映像処理部21では、補正回路24において、入力された映像情報(映像に関する信号)51を、補正データ記憶部23に記録されている、映像の補正に必要なデータに基づいて処理し、映像(光)の輝度分布を補正する。さらに、補正データ記憶部23には、補正関数の定義も記録されている。投射映像処理部21では、その補正関数に基づいて、演算により映像情報を補正する。
これにより、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合における両者の距離(投射面11aと射出面26aとの距離)に対して、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31の距離が小さい場合または大きい場合に、再帰性スクリーン11に投射される映像に生じる輝度むらが打ち消されるように、映像情報51が補正される。
再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合、図3(a)に示すように、補正回路24に入力される映像情報51を補正せずに、プロジェクタ12から再帰性スクリーン11に投射して得られる映像61は、輝度むらがなく、輝度が均一である。しかし、このままでは、再帰性スクリーン11の投射面11aと投射部26の射出面26aとの距離に対して、再帰性スクリーン11と視聴者の眼31との距離が小さい場合または大きい場合には、再帰性スクリーン11に投射される映像61は輝度むらを生じる。
そこで、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合に、映像情報51によって得られる映像62の輝度分布を、図3(b)に示すように、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
補正回路24で補正された信号は、駆動信号52として、投射光学部22に出力され、投射光学部22にて光に変換されて、その光が、投射部26の射出面26aから再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される。
すると、図3(c)に示すように、投射部26から再帰性スクリーン11に対して投射された映像63は、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31との距離が最適な場合には、輝度分布を補正する前の映像61と比較すると、輝度むらが若干悪化する。
一方、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合における両者の距離(投射面11aと射出面26aとの距離)に対して、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31の距離が小さい場合または大きい場合には、映像63は、輝度むらが軽減された映像として見ることができる。
すなわち、上述のように再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合、映像情報51によって得られる映像62の輝度分布を補正することより、視聴者の眼31の位置が、前記の最適な位置を基準として前後にずれても、再帰性スクリーン11に投射される映像63は、輝度むらが少なくなり、視野範囲が広くなる。
なお、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置とは、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31の距離と、再帰性スクリーン11の投射面11aと投射部26の射出面26aの距離とが等しくなる位置であり、映像情報51を補正することなく再帰性スクリーン11に投射しても、映像(光)の輝度むらがなく、輝度が均一となる位置のことである。
また、補正機構としては、図4に示すように、投射部26と再帰性スクリーン11との間に設けられた補正フィルタ71を用いてもよい。
補正フィルタ71は、投射部26の射出面26aから再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される光の透過率を補正するためのものである。投射部26の射出面26aから出射された光が補正フィルタ71を透過すると、その光の輝度分布は、再帰性スクリーン11の投射面11aにおいて、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正される。
なお、補正フィルタ71を用いる場合、補正回路24に入力された映像情報51は、投射映像処理部21にて補正されることなく、駆動信号52に変換され、投射光学部22に出力される。
本実施形態の投射型表示装置10によれば、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31との距離に対して、視聴者の眼31の前後にプロジェクタ12を配置することが可能となる。したがって、プロジェクタ12と視聴者の眼31との位置関係の自由度が極めて高くなり、利用価値が向上する。
そもそも、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31の距離と、再帰性スクリーン11の投射面11aと投射部26の射出面26aの距離とが等しくなるように、プロジェクタ12を配置することは物理的に不可能である。そこで、従来、ハーフミラーなどを用いて、光学的に共役な位置にプロジェクタを配置することが提案されている。ところが、ハーフミラーを用いると、映像の輝度が1/2以下になるという問題があった。本実施形態の投射型表示装置10によれば、映像の輝度が大幅に低下することなく、プロジェクタ12と視聴者の眼31との位置関係の自由度を高くすることができる。
(2)第2実施形態
図5は、第2実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図である。
なお、図5において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の投射型表示装置80は、再帰性スクリーン11と、再帰性スクリーン11と所定の距離を置いて対向するように配置されたプロジェクタ12と、補正機構(図示略)とから概略構成されている。
なお、図5において符号12で示すものは、プロジェクタ12の一部を構成する投射部26である。
投射型表示装置80による映像の補正方法を説明する。
まず、プロジェクタ12の投射部26を、視聴者の眼31と離隔して配置する。この時、視聴者の眼31と投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。
この補正の中心点Pの設定において、上述の第1実施形態のように、視聴者の眼31の位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置に対して前後にずれた場合だけでなく、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対して、上下方向や左右方向にずれた場合にも、補正の中心点Pをずれた位置に合わせて設定する。
例えば、図5に示すように、視聴者の眼31Aの位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線上において、その投射部26よりも後にある場合、図6(b)に示すように、再帰性スクリーン11の投射面11aの中央部に、補正の中心点Pを設定する。
これに対して、図5に示すように、視聴者の眼31Bの位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対して左側(紙面の左側)にずれた場合、図6(a)に示すように、視聴者の眼31Bと投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。すなわち、再帰性スクリーン11の投射面11aの右側(紙面の右側)に、補正の中心点Pを設定する。
また、図5に示すように、視聴者の眼31Cの位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対して右側(紙面の右側)にずれた場合、図6(c)に示すように、視聴者の眼31Cと投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。すなわち、再帰性スクリーン11の投射面11aの左側(紙面の左側)に、補正の中心点Pを設定する。
このように、再帰性スクリーン11の投射面11aに設定する補正の中心点Pの位置を、視聴者の眼31の位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対してずれた方向とは反対側の方向とする。
投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布は、上述の第1実施形態と同様に補正される。
本実施形態の投射型表示装置80によれば、再帰性スクリーン11と投射部26とを結ぶ直線に対する視聴者の眼31の位置に応じて、補正の中心点Pの位置を設定することにより、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aよりも前後の位置、並びに、再帰性スクリーン11と投射部26とを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた位置においても、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
(3)第3実施形態
図7は、第3実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図である。
なお、図7において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の投射型表示装置90は、再帰性スクリーン11と、再帰性スクリーン11と所定の距離を置いて対向するように配置されたプロジェクタ12と、補正機構(図示略)とから概略構成されている。
なお、図7において符号12で示すものは、プロジェクタ12の一部を構成する投射部26である。
投射型表示装置90による映像の補正方法を説明する。
本実施形態では、視聴者の目31が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aと同じ位置、および、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aよりも前後の位置にあっても、輝度むらが少ない映像を観察することができるようにすることを目的とする。
図7に示すように、視聴者の眼31Aの位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aと同じ位置にある場合、図8(b)に示すように、映像101の輝度分布を、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
また、図7に示すように、視聴者の眼31Bの位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aよりも前にある場合、図8(a)に示すように、映像102の輝度分布を、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。なお、映像102は、全体的に映像101の輝度よりも劣るものの、輝度むらが少なくなる。
また、図7に示すように、視聴者の眼31Cの位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aよりも後にある場合、図8(c)に示すように、映像103の輝度分布を、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。なお、映像103は、全体的に映像101の輝度よりも劣るものの、輝度むらが少なくなる。
投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布の補正は、上述の第1実施形態と同様に行われる。
これにより、投射部26の射出面26aから再帰性スクリーン11に対して投射された映像101は輝度むらが若干悪化するが、映像102および映像103は輝度むらが軽減される。その結果、再帰性スクリーン11に投射される映像は、輝度むらが少なく、視野範囲が広くなる。
本実施形態の投射型表示装置90によれば、再帰性スクリーン11と視聴者の眼31の距離が最適な位置よりも前後にずれた場合にも、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
また、視聴者の目31が、再帰性スクリーン11と投射部26とを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた場合、上述の第2実施形態と同様にして補正の中心点Pをずれた位置に合わせて設定する。このようにすれば、再帰性スクリーン11の投射面11aと最適な位置に配置された投射部26の射出面26aとを結ぶ直線に対する視聴者の眼31の位置(ずれ量)に応じて、補正の中心点Pの位置を設定することにより、再帰性スクリーン11の投射面11aと最適な位置に配置された投射部26の射出面26aとを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた位置においても、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
(4)第4実施形態
図9は、第4実施形態の投射型表示装置およびその補正機構の一例を示す概略構成図である。
なお、図9において、図1および2に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の投射型表示装置110は、上述の第1実施形態、第2実施形態または第3実施形態の投射型表示装置に加えて、視聴者の眼31の位置を検知する位置検知手段111を備えている。
本実施形態では、例えば、投射映像処理部21が補正機構として機能する。
位置検知手段111としては、例えば、赤外線検知装置、視聴者の眼31の位置を撮影して画像処理により位置を検知する検知装置などが用いられる。
投射型表示装置110による映像の補正方法を説明する。
上述の第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態と同様にして、視聴者の眼31と投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。
また、位置検知手段111により、視聴者の眼31の位置が検知され、眼31の位置に関するデータが補正回路24に出力される。
次いで、投射映像処理部21により、投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布を、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
投射映像処理部21では、補正回路24において、眼31の位置に応じて、補正データ記憶部23に記録されている複数のデータの中から、映像の補正に必要なデータを選択したり、補正データあるいは補正関数を切り替えたりするなどして、入力された映像情報51を、映像の補正に必要なデータに基づいて処理し、映像(光)の輝度分布を補正する。
これにより、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合における両者の距離に対して、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31の距離が小さい場合または大きい場合に、再帰性スクリーン11に投射される映像に生じる輝度むらが打ち消されるように、映像情報51が補正される。
また、補正機構としては、図10に示すように、投射部26と再帰性スクリーン11との間に設けられた補正フィルタ71を用いてもよい。この場合、投射型表示装置110は、補正フィルタ71に加えて、視聴者の眼31の位置を検知する位置検知手段121と、補正フィルタ71の位置を変動させる補正フィルタ位置変動機構122とを備えている。
ここでは、位置検知手段121により、視聴者の眼31の位置が検知され、眼31の位置に関するデータが補正フィルタ位置変動機構122に出力される。
すると、補正フィルタ位置変動機構122が、眼31の位置に応じて、補正フィルタ71の位置を、再帰性スクリーン11と投射部26を結ぶ直線に沿って変動させることにより、投射部26の射出面26aから再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される光の透過率を補正する。これにより、補正フィルタ71を透過した光の輝度分布を、再帰性スクリーン11の投射面11aにおいて、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
本実施形態の投射型表示装置110によれば、補正機構により、視聴者の眼31の位置に応じて、投射部26から再帰性スクリーン11に投射される映像(光)の輝度分布を最適に補正することにより、視聴者の眼31の位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aと最適な位置に配置された投射部26の射出面26aとを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた位置でも、輝度むらが少ない映像を観察することができる。したがって、映像の輝度が大幅に低下することなく、プロジェクタ12と視聴者の眼31との位置関係の自由度をさらに高くすることができる。その結果、仮想空間を容易に実現することができる。
(5)第5実施形態
図11は、第5実施形態の投射型表示装置の一部を示す概略構成図である。
なお、図11において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の投射型表示装置130は、上述の第1実施形態、第2実施形態または第3実施形態の投射型表示装置に加えて、視聴者30の眼31の位置を検知する位置検知手段141を備えている。
本実施形態では、例えば、投射映像処理部21が補正機構として機能する。
位置検知手段141は、天井151に取り付けられている。
位置検知手段141としては、上述の第4実施形態と同様のものが用いられる。
投射型表示装置130による映像の補正方法を説明する。
上述の第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態と同様にして、視聴者30の眼31と投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。
また、位置検知手段141により、視聴者30の眼31の位置が検知され、視聴者30の眼31の位置に関するデータが補正回路24に出力される。
次いで、投射映像処理部21により、投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布を、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
投射映像処理部21では、補正回路24において、視聴者30の眼31の位置に応じて、補正データ記憶部23に記録されている複数のデータの中から、映像の補正に必要なデータを選択したり、補正データあるいは補正関数を切り替えたりするなどして、入力された映像情報51を、映像の補正に必要なデータに基づいて処理し、映像(光)の輝度分布を補正する。
これにより、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合における両者の距離に対して、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者30の眼31の距離が小さい場合または大きい場合に、再帰性スクリーン11に投射される映像に生じる輝度むらが打ち消されるように、映像情報51が補正される。
本実施形態の投射型表示装置130によれば、補正機構により、視聴者30の眼31の位置に応じて、投射部26から再帰性スクリーン11に投射される映像(光)の輝度分布を最適に補正することにより、視聴者30の眼31の位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aと最適な位置に配置された投射部26の射出面26aとを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた位置でも、輝度むらが少ない映像を観察することができる。したがって、視聴者30が最適な位置に配置されたプロジェクタ12の位置から動いても、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
(6)第6実施形態
図12は、第6実施形態の投射型表示装置の一部を示す概略構成図である。
なお、図12において、図1および図11に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の投射型表示装置160は、上述の第1実施形態、第2実施形態または第3実施形態の投射型表示装置に加えて、プロジェクタ12の投射部26の位置および視聴者30の眼31の位置を検知する位置検知手段172を有する椅子170を備えている。
本実施形態では、例えば、投射映像処理部21が補正機構として機能する。
位置検知手段172は、椅子170の背もたれ171において、視聴者30の頭部32が当接する位置に取り付けられている。
位置検知手段172としては、上述の第4実施形態と同様のものが用いられる。
また、プロジェクタ12の投射部26は、椅子170の背もたれ171において、視聴者30の頭部32が当接する位置の近傍に取り付けられている。
投射型表示装置160による映像の補正方法を説明する。
視聴者30が椅子170に腰掛けて、背もたれ171に寄り掛かると、視聴者30の眼31と投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点が、補正の中心点Pとして設定される。
また、位置検知手段172により、視聴者30の眼31の位置が検知され、視聴者30の眼31の位置に関するデータが補正回路24に出力される。
次いで、投射映像処理部21により、投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布を、中心点Pが中央部をなす同心円状であり、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
投射映像処理部21では、補正回路24において、視聴者30の眼31の位置に応じて、補正データ記憶部23に記録されている複数のデータの中から、映像の補正に必要なデータを選択したり、補正データあるいは補正関数を切り替えたりするなどして、入力された映像情報51を、映像の補正に必要なデータに基づいて処理し、映像(光)の輝度分布を補正する。
これにより、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合における両者の距離に対して、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者30の眼31の距離が小さい場合または大きい場合に、再帰性スクリーン11に投射される映像に生じる輝度むらが打ち消されるように、映像情報51が補正される。
本実施形態の投射型表示装置160によれば、補正機構により、視聴者30の眼31の位置に応じて、投射部26から再帰性スクリーン11に投射される映像(光)の輝度分布を最適に補正することにより、視聴者30の眼31の位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aと最適な位置に配置された投射部26の射出面26aとを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた位置でも、輝度むらが少ない映像を観察することができる。したがって、視聴者30が最適な位置に配置されたプロジェクタ12の位置から動いても、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
(7)第7実施形態
図13は、第7実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
なお、図13において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の投射型表示装置180は、再帰性スクリーン11と、再帰性スクリーン11の投射面11aの近傍に、その投射面11aと重なるように配設された指向性散乱スクリーン181と、指向性散乱スクリーン181と所定の距離を置いて対向するように配置されたプロジェクタ12と、補正機構(図示略)とから概略構成されている。
なお、図13において符号12で示すものは、プロジェクタ12の一部を構成する投射部26である。
指向性散乱スクリーン181は、再帰性スクリーン11の反射光を、再帰性スクリーン11の幅方向と縦方向で拡散する角度を異なるようにするものである。すなわち、指向性散乱スクリーン181は、再帰性スクリーン11の反射光を、再帰性スクリーン11の幅方向の拡散角度が、縦方向の拡散角度よりも広くなるように拡散するか、あるいは、再帰性スクリーン11の縦方向の拡散角度が、幅方向の拡散角度よりも広くなるように拡散する。本実施形態では、指向性散乱スクリーン181が、再帰性スクリーン11の反射光を、再帰性スクリーン11の縦方向の拡散角度が、幅方向の拡散角度よりも広くなるように拡散する場合を例示する。
投射型表示装置180による映像の補正方法を説明する。
まず、プロジェクタ12の投射部26を、再帰性スクリーン11に投射される映像の視聴者の眼31と離隔して配置する。この時、図13(b)に示すように、視聴者の眼31と投射部26を結ぶ直線41を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)42が、指向性散乱スクリーン181の一方の面181a(再帰性スクリーン11の投射面11a)と交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。
再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合、図14(a)に示すように、補正回路24に入力される映像情報51を補正せずに、プロジェクタ12から再帰性スクリーン11に投射して得られる映像191は、輝度むらがなく、輝度が均一である。しかし、このままでは、再帰性スクリーン11の投射面11aと投射部26の射出面26aとの距離に対して、再帰性スクリーン11と視聴者の眼31との距離が小さい場合または大きい場合には、図14(b)に示すように、再帰性スクリーン11に投射される映像191は、中央部が楕円形状に最も明るく、周縁部に向かって次第に暗くなるという輝度むらを生じる。
そこで、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合に、映像情報51によって得られる映像192の輝度分布を、図14(c)に示すように、中心点Pを中心とする中央部が楕円形状をなし、その中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなるように補正する。
補正回路24で補正された信号は、駆動信号52として、投射光学部22に出力され、投射光学部22にて光に変換されて、その光が、投射部26の射出面26aから再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される。
すると、図14(d)に示すように、投射部26から再帰性スクリーン11に対して投射された映像193は、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31との距離が最適な場合には、輝度分布を補正する前の映像191と比較すると、輝度むらが若干悪化する。
一方、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合における両者の距離(投射面11aと射出面26aとの距離)に対して、再帰性スクリーン11の投射面11aと視聴者の眼31の距離が小さい場合または大きい場合には、映像193は、輝度むらが軽減された映像として見ることができる。
すなわち、上述のように再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置にある場合、映像情報51によって得られる映像192の輝度分布を補正することより、視聴者の眼31の位置が、前記の最適な位置を基準として前後にずれても、再帰性スクリーン11に投射される映像193は、輝度むらが少なくなり、視野範囲が広くなる。
投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布は、上述の第1実施形態と同様に補正される。
本実施形態の投射型表示装置180によれば、再帰性スクリーン11の投射面11aの近傍に、その投射面11aと重なるように指向性散乱スクリーン181を配設した場合にも、再帰性スクリーン11と投射部26とを結ぶ直線に対する視聴者の眼31の位置に応じて、補正の中心点Pの位置を設定することにより、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aよりも前後の位置にずれた位置においても、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
ところで、上記の指向性散乱スクリーン181などを用いて、再帰性スクリーン11の反射光を拡散させた場合、拡散度が大きくなるにつれて、映像(光)の輝度むらが大きくなる。
指向性散乱スクリーン181を用いない場合、図15(a)に示すように、中央部が円形状をなし、その中央部が最も明るく、周縁部に向かって次第に暗くなるような輝度むらを生じる。
拡散度の小さい指向性散乱スクリーン181を用いた場合、図15(b)に示すように、中央部が楕円形状をなし、その中央部が最も明るく、周縁部に向かって次第に暗くなるような輝度むらを生じる。
次第に、指向性散乱スクリーン181の拡散度を大きくしていくと、図15(c)に示すように、輝度むらの領域が再帰性スクリーン11の下端を超える。そして、さらに、指向性散乱スクリーン181の拡散度を大きくすると、図15(d)に示すように、輝度むらの領域が再帰性スクリーン11の上下端を超える。
(8)第8実施形態
図16は、第8実施形態の投射型表示装置を示す概略平面図である。
なお、図16において、図1および図13に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の投射型表示装置200は、再帰性スクリーン11と、再帰性スクリーン11の投射面11aの近傍に、その投射面11aと重なるように配設された指向性散乱スクリーン181と、指向性散乱スクリーン181と所定の距離を置いて対向するように配置されたプロジェクタ12と、補正機構(図示略)とから概略構成されている。
なお、図16において符号12で示すものは、プロジェクタ12の一部を構成する投射部26である。
投射型表示装置200による映像の補正方法を説明する。
まず、プロジェクタ12の投射部26を、視聴者の眼31と離隔して配置する。この時、視聴者の眼31と投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を、補正の中心点Pとして設定する。
この補正の中心点Pの設定において、上述の第1実施形態のように、視聴者の眼31の位置が、再帰性スクリーン11の投射面11aに対する投射部26の射出面26aの位置が最適な位置に対して前後にずれた場合だけでなく、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対して、上下方向や左右方向にずれた場合にも、補正の中心点Pをずれた位置に合わせて設定する。
例えば、図16に示すように、視聴者の眼31Aの位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線上において、その投射部26よりも後にある場合、図17(b)に示すように、再帰性スクリーン11の投射面11aの中央部が楕円形状をなし、その中央部が最も明るく、周縁部に向かって次第に暗くなるような輝度むらを生じる。このとき、楕円形状をなす最も明るい領域に、補正の中心点Pを設定する。
これに対して、図16に示すように、視聴者の眼31Bの位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対して左側(紙面の左側)にずれた場合、図17(a)に示すように、視聴者の眼31Bと投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を中心として、その中央部が楕円形状をなし、その中央部が最も明るく、周縁部に向かって次第に暗くなるような輝度むらを生じる。このとき、楕円形状をなす最も明るい領域、すなわち、再帰性スクリーン11の投射面11aの右側(紙面の右側)の領域に、補正の中心点Pを設定する。
また、図16に示すように、視聴者の眼31Cの位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対して右側(紙面の右側)にずれた場合、図17(c)に示すように、視聴者の眼31Cと投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を中心として、その中央部が楕円形状をなし、その中央部が最も明るく、周縁部に向かって次第に暗くなるような輝度むらを生じる。このとき、楕円形状をなす最も明るい領域、すなわち、再帰性スクリーン11の投射面11aの左側(紙面の左側)の領域に、補正の中心点Pを設定する。
また、図16に示すように、視聴者の眼31Dの位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対して、眼31Cの位置よりもさらに右側(紙面の右側)にずれた場合、図17(d)に示すように、視聴者の眼31Dと投射部26を結ぶ直線を、再帰性スクリーン11側に延長した直線(延長線)が、再帰性スクリーン11の投射面11aと交差する点を中心として、その中央部が楕円形状をなし、その中央部が最も明るく、周縁部に向かって次第に暗くなるような輝度むらを生じる。ここでは、楕円形状をなす最も明るい領域における左側(紙面の左側)の部分が、再帰性スクリーン11の左端(紙面の左端)を超える。このとき、楕円形状をなす最も明るい領域、すなわち、再帰性スクリーン11の投射面11aの左側(紙面の左側)の領域に、補正の中心点Pを設定する。
このように、再帰性スクリーン11の投射面11aに設定する補正の中心点Pの位置を、視聴者の眼31の位置が、再帰性スクリーン11と、最適な位置に配置された投射部26とを結ぶ直線に対してずれた方向とは反対側の方向とする。
投射部26から再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度分布は、上述の第1実施形態と同様に補正される。
本実施形態の投射型表示装置200によれば、再帰性スクリーン11の投射面11aの近傍に、その投射面11aと重なるように指向性散乱スクリーン181を配設した場合も、再帰性スクリーン11と投射部26とを結ぶ直線に対する視聴者の眼31の位置に応じて、補正の中心点Pの位置を設定することにより、再帰性スクリーン11の投射面11aに対して最適な位置に配置された投射部26の射出面26aよりも前後の位置、並びに、再帰性スクリーン11と投射部26とを結ぶ直線に対して上下方向または左右方向にずれた位置においても、輝度むらが少ない映像を観察することができる。
ところで、再帰性スクリーン11の投射面11aに投射される映像(光)の輝度むらは、再帰性スクリーン11、プロジェクタ12および視聴者の眼31の相対位置や角度、並びに、再帰性スクリーン11の再帰反射光の指向性などによって決まる。再帰性スクリーン11の再帰反射光の指向性は、それぞれに固有の(既知の)ものであるので、再帰性スクリーン11、プロジェクタ12および視聴者の眼31の相対位置や角度を把握することによって、映像(光)の輝度分布を補正することができる。
本発明は、投射型表示装置の分野に利用することができる。
10,80,90,110,130,160,180,200 投射型表示装置
11 再帰性スクリーン
12 プロジェクタ
13 基板
21 投射映像処理部
22 投射光学部
23 補正データ記憶部
24 補正回路
25 映像処理回路
26 投射部
30 視聴者
31 眼
111,121,141,172 位置検知手段
122 補正フィルタ位置変動機構
170 椅子
171 背もたれ
181 指向性散乱スクリーン

Claims (9)

  1. 再帰性スクリーンと、
    前記再帰性スクリーンに投射する映像の信号を処理する投射映像処理部および該投射映像処理部からの映像を前記再帰性スクリーンに投射する投射部が設けられた投射光学部を少なくとも有するプロジェクタと、
    前記プロジェクタの位置が、前記再帰性スクリーンの投射面に対する距離が最適な位置よりも近い場合、または、前記プロジェクタの位置が、前記再帰性スクリーンの投射面に対する距離が最適な位置よりも遠い場合に、前記プロジェクタから前記再帰性スクリーンに投射される前記映像の輝度分布を補正する補正機構と、を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
  2. 前記再帰性スクリーンの投射面の近傍に指向性散乱スクリーンが配設され、該指向性散乱スクリーンにより、前記再帰性スクリーンの反射光を、前記再帰性スクリーンの幅方向と縦方向で拡散する角度が異なるようにすることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 前記輝度分布は同心円状であることを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
  4. 前記輝度分布は、中央部が最も暗く、周縁部に向かって次第に明るくなることを特徴とする請求項3に記載の投射型表示装置。
  5. 前記輝度分布は、前記映像の視聴者の眼と前記投射部を結ぶ直線を、前記再帰性スクリーン側に延長した直線が、前記再帰性スクリーンの投射面または該投射面を延伸した面と交差する点を中心とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
  6. 前記補正機構は、前記投射映像処理部であり、前記投射映像処理部により、前記映像の信号が処理され、前記輝度分布が補正されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
  7. 前記補正機構は、前記投射部と前記再帰性スクリーンとの間に設けられた補正フィルタであり、該補正フィルタにより、前記輝度分布が補正されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
  8. 前記投射部の位置および/または前記視聴者の眼の位置を検知する位置検知手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
  9. 前記投射部の位置および/または前記視聴者の眼の位置を検知する位置検知手段を有する椅子を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
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