JP2014138921A - 廃液の処理システムおよび廃液処理方法 - Google Patents

廃液の処理システムおよび廃液処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部に汚染物質を放出することなく安定して廃液処理を行う。
【解決手段】処理システム1は処理装置10と噴霧乾燥装置20とスクラバ40とを有している。廃液源19の廃液Dは、先ず、処理装置10で前処理されてpHが弱酸性〜弱アルカリ性になる。前処理後の廃液Dは噴霧乾燥装置20で乾燥され、固形分の粒子が回収される。噴霧乾燥装置20の排気ガスはスクラバ40で処理されるので、排気ガスに固形分等が混入していても処理システム1の外部には漏れ出さない。廃液Dは噴霧乾燥装置20やスクラバ40に直接供給されず、処理装置10で処理されてから他の装置へ送られるので、装置がダメージを受けない。処理後、回収された紛体は、直接又は後処理を経て再利用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃液処理システム及び廃液処理方法に関する。
従来より、メッキ廃液等の廃液の処理方法としては、噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)を用いる方法が広く知られているが、噴霧乾燥装置の排気ガスは粉塵を含むため、その排気ガスの処理が問題となる。
下記特許文献1には、粉塵処理装置(スクラバ)と噴霧乾燥装置とを組み合わせた処理システムが開示されている。この処理システムでは、廃液をスクラバの処理液として使用して排気ガスが処理されるため、廃液や粉塵が外部に漏れ出すことなく処理可能であり、しかも、粉塵を集めてリサイクル可能な有効成分を回収することができる。
特開2002−346545号公報
しかし、上記の処理システムでは廃液を直接スクラバに導入するため、強酸・強アルカリ等の腐食性のある廃液を処理することができないという問題があった。しかも、スクラバ内で噴霧・循環可能な廃液量は、スクラバの容量やその処理能力で制限されるため、大量の廃液を連続して処理することは困難であり、逆にスクラバへの廃液の供給量が少なすぎると、スクラバ処理に必要な廃液が確保できず、粉塵処理が十分に行えないという問題もあった。
そこで、本発明は、安全にかつ安定して廃液処理可能な処理システム及び処理方法を提供することを主な目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の処理システムには、処理対象である廃液が供給され、当該廃液の前処理を行う処理装置と、前記処理装置に接続され、前処理後の前記廃液を噴霧乾燥して固形分を紛体として取り除く噴霧乾燥装置と、前記噴霧乾燥装置に接続されて粉塵処理を行うスクラバとを設ける。前記スクラバには、前記噴霧乾燥装置に接続されたスクラバ槽と、前記スクラバ槽の内部に処理液を噴出するシャワーノズルとを設け、前記スクラバ槽には前記処理液を畜液する畜液部を形成し、前記シャワーノズルを処理液源と前記畜液部の両方に接続する。そして、前記処理液源から供給される清浄な処理液と、前記畜液部から供給される使用済み処理液のいずれか一方又は両方を前記シャワーノズルから噴出可能にする。
また、本発明の処理システムにおいて、粉塵処理済みの前記処理液が前記畜液部から前記処理装置へ逆流せずに供給可能にすることがより望ましい。
前記スクラバ槽には制御手段を設け、前記制御手段が前記処理液源からの供給量を増減させ、前記畜液部の畜液量を一定に維持可能に設計することができる。
また、上記のような処理システムを複数連結して廃液の連結循環処理システムを構築してもよく、この場合は複数の前記処理システムのうち、1以上の処理システムに廃液を供給し、当該処理システムの前記スクラバを1以上の他の処理システムの処理装置に接続し、当該スクラバの蒸気が冷却して生じた液体を前記他の処理システムで処理する。
更に、上記のような処理システムを用いて廃液処理を行う廃液処理方法においては、前記廃液を前記スクラバへは流入させずに前記処理装置で前処理し、前処理後の前記廃液を前記噴霧乾燥装置で噴霧乾燥する。
前記畜液部の前記処理液が汚染されたときには、汚染された前記処理液を廃液として前記畜液部から前記処理装置に移し、前記処理装置で処理してから噴霧乾燥を行うこともできる。
前記廃液のpHを中性に近づけた後に、当該廃液を前記処理装置から前記噴霧乾燥装置へ送ることがより望ましい。
前記噴霧乾燥装置の温度を127℃以上に維持した状態で噴霧乾燥を行い、前記固形分の紛体を作成することが望ましく、前記紛体を前記噴霧乾燥装置から回収した後、予め設定した焼成温度で加熱する後処理を効率良く行うことができる。前記焼成温度の上限は回収目的成分の融点を超えないようにし、かつ、前記焼成温度の下限は、不純物の融点と、前記不純物の沸点と、前記不純物の分解温度と、前記不純物の燃焼温度のうち、いずれか1の温度に設定することがより望ましい。
上記のような連結循環処理システムを用いて廃液処理を行う廃液処理方法は、前記廃液として放射能汚染水を処理する場合にも適している。
噴霧乾燥装置の排気ガスはスクラバで処理され、しかも、スクラバの処理液はシステム内で循環するから、外部に有害物質が漏れ出すことがなく、かつ、廃液から金属等の目的成分を高収率で回収することができる。処理装置で処理する前の廃液が噴霧乾燥装置とスクラバに直接導入されることがないので、噴霧乾燥装置やスクラバが腐食しにくい。廃液の供給量に影響されずに、スクラバを安定して稼働することができる。本発明の処理システムを用いれば微小な紛体を得ることができるので、回収後の紛体の後処理(焼成等)が容易である。
本発明の処理システム(第1例)の模式的に示す図である。 本発明の処理システム(第2例)を模式的に示す図である。 工場排水紛体の電子顕微鏡写真である。 工場排水紛体の元素組成を示すSEM−EDXチャートである。 工場排水紛体の化学組成を示すFTIRチャートである。 工場排水紛体の結晶構造を示すXRDチャートである。 ニッケルメッキ廃液紛体の電子顕微鏡写真である。 クロムメッキ廃液紛体の電子顕微鏡写真である。 ニッケルメッキ廃液紛体の焼成による変化を示す電子顕微鏡写真である。 ニッケルメッキ廃液紛体の焼成による元素変化を示すSEM−EDXチャートである。 焼成後のニッケルメッキ廃液紛体の電子顕微鏡写真である。 焼成後のニッケルメッキ廃液紛体の元素マッピングを示す図である。 クロムメッキ廃液紛体の焼成による変化を示す電子顕微鏡写真である。 クロムメッキ廃液紛体の焼成による元素変化を示すSEM−EDXチャートである。 焼成後のクロムメッキ廃液紛体の電子顕微鏡写真である。 焼成後のクロムメッキ廃液紛体の元素マッピングを示す図である。 ニッケルメッキ廃液紛体の結晶構造を示すXRDチャートである。 クロムメッキ廃液紛体の結晶構造を示すXRDチャートである。 ニッケル、クロムメッキ廃液紛体のFTIRチャートである。
以下、本発明を実施するための好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態を例示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<処理システム(第1例)>
図1の符号1は、本発明の処理システムの第1例を示している。この処理システム1は、処理装置10と、処理装置10に接続された噴霧乾燥装置20と、噴霧乾燥装置20と処理装置10の両方に接続されたスクラバ40とを有しており、処理装置10で処理された廃液Dは噴霧乾燥装置20で乾燥処理され、噴霧乾燥装置20の排気ガスはスクラバ40の処理液Lで処理され、処理に利用された処理液Lの一部又は全部が処理装置10に供給可能になっている。
以下、各装置について詳細に説明する。
(1)処理装置10
処理装置10は1又は複数の処理槽11a〜11cを有している。処理槽11a〜11cが複数の場合、処理槽11a〜11cは互いに接続(直列または並列接続)されており、これら処理槽11a〜11cのうち、1以上の処理槽11aがメッキプラント等の廃液源19に接続され、他の1以上の処理槽11cが噴霧乾燥装置20に接続され、廃液源19から処理槽11a供給された廃液Dは、複数の処理槽11a〜11cを通過してから噴霧乾燥装置20に供給される。
なお、処理槽の数が1の場合は、同一の処理槽に噴霧乾燥装置20と廃液源19とスクラバ40とを接続する。すなわち、処理槽11a〜11cの数が1の場合でも複数の場合でも、廃液D及び/又は処理液Lは処理槽11a〜11cを通過してから噴霧乾燥装置20へ送られることになる。
処理装置10は処理槽11a〜11cを通過する廃液Dの前処理を行う。前処理としては化学処理と、分散処理と、加熱処理のうちいずれかを1以上の処理を行う。例えば、1以上の処理槽11a〜11cに添加手段13が接続されており、添加手段13の添加剤を処理槽11a〜11cの廃液Dに添加し、化学処理を行う。添加手段13の数や種類は特に限定されないが、1種以上(pH調整剤、固形分を分離させる分離剤等)の添加剤、特にpH調整剤を供給可能なものが望ましく、添加剤が2種以上の場合、それらは同じ処理槽11a〜11cに供給してもよいし、別々の処理槽11a〜11cに供給してもよい。
分散処理や加熱処理のためには、1以上の処理槽11a〜11cに撹拌手段18及び/又は加熱手段15を設けることが好ましい。撹拌手段18は廃液Dを撹拌し、加熱手段15は廃液Dを所定の温度(廃液Dの沸点未満、例えば80℃以上100℃未満)に加熱する。よって、固形分や添加剤が均一に分散(溶解)し、及び/又は加熱された廃液Dが噴霧乾燥装置20に供給されることになる。なお、廃液Dが有機溶媒や放射性物質等の汚染物質を含む場合、または廃液Dから硫化水素のような汚染ガスが発生する場合は処理槽11a〜11cを密閉することが望ましい。密閉した処理槽11a〜11cにはダクト16を接続することができる。加熱等で生じた蒸気はダクト16を通して外部に直接放出してもよいが、スクラバ40や他の排気ガス処理装置へ排出することが望ましい。撹拌手段18は特に限定されず、例えば、撹拌羽根、マグネット撹拌子、超音波発生装置等を単独又は組み合わせて使用することができる。
(2)噴霧乾燥装置20
噴霧乾燥装置20は乾燥チャンバー21と、スプレーノズル22とを有しており、スプレーノズル22は、噴出口を乾燥チャンバー21の内部に向けた状態で乾燥チャンバー21に取り付けられている。スプレーノズル22はガス源31と処理装置10に接続されており、ガス源31からは圧縮ガス(例えば圧縮空気)が、処理装置10からは前処理済みの廃液Dが供給され、廃液Dは圧縮空気で吹き飛ばされ、微細な液滴となってスプレーノズル22から乾燥チャンバー21の内部へ噴出される。
ガス源31と処理装置10は配管を介して乾燥チャンバー21に接続されており、それらの配管、乾燥チャンバー21、スプレーノズル22、ガス源31のいずれか1以上が加熱手段32で加熱される。その結果、廃液Dが噴出前及び/又は噴出後に加熱され、廃液Dの液滴から溶媒(水や有機溶媒)が効率良く蒸発して粒子状の固形分が分離し、固形分の粒子が乾燥チャンバー21内部に放出される。
なお、廃液Dを効率良く蒸発させるためには、乾燥チャンバー21に加熱手段32と保温手段のいずれか一方又は両方を設ける。保温手段は例えば断熱材であって、乾燥チャンバー21の一部又は全部を覆って保温する。加熱手段32には電熱ヒータを用いてもよいが、例えば熱配管39を乾燥チャンバー21に巻き回し、加熱手段32(熱源、例えば他の工場設備)の熱排水を熱配管39に供給すれば、エネルギーコストを抑え、かつ、効率良く乾燥チャンバー21を加熱できる。熱配管39と電熱ヒータを併用することもでき、熱配管39からの熱量が足りない場合に補助的に電熱ヒータを使用してもよい。
また、ガス源31にも圧縮ガスを加熱する加熱手段(不図示)を設け、熱風で廃液Dを噴霧することが好ましい。効率良く廃液Dを噴霧乾燥するためには、この熱風温度と乾燥チャンバー21の温度の両方を制御する制御装置36を設ける。制御装置36はガス源31の加熱手段及び乾燥チャンバー21の加熱手段32に接続され、熱風温度と乾燥チャンバー21温度の測定結果に基づき、これら加熱手段32への通電量や熱排水流量を制御する。温度測定は、例えば、スプレーノズル22内部の温度を熱風温度、乾燥チャンバー21内部の中心位置の温度を乾燥チャンバー21の内部温度とみなして測定する。
工場排水等の廃液Dを処理する場合、金属等の無機材料が主な除去対象物質であるため、低温乾燥する必要はない。従って、加熱手段32は高温加熱(例:熱風温度が181℃以上、乾燥チャンバー温度が127℃以上)可能なものを用いることが望ましく、また低温噴霧乾燥のための減圧装置(真空ポンプ等)は不要である。
乾燥チャンバー21は直接又はサイクロン25を介してスクラバ40に接続されている。乾燥チャンバー21とサイクロン25の下方部分は集積部23、26となっており、固形分の粒子は乾燥チャンバー21の集積部23で集められるか、一部または全部がサイクロン25に送られ、サイクロン25の集積部26に集められる。集積部23、26の不図示の弁(扉)を介して、または集積部23、26を処理システム1から切り離すことで、固形分の粒子M(紛体)を処理システム1から取り出し、廃棄物トレイ等に回収することができる。他方、乾燥チャンバー21に噴出された圧縮ガスは、排気ガスとして直接又はサイクロン25を通ってスクラバ40に送られる。
サイクロン25内部が低温であると、乾燥チャンバー21で乾燥されなかった廃液Dが乾燥せず、また、乾燥した紛体の潮解が起こる場合もあるので、乾燥チャンバー21の場合と同様にサイクロン25にも加熱手段を設け、制御装置等でサイクロン25の温度(例えばサイクロン25内部中心位置の温度)を所望の温度に維持することが望ましい。
(3)スクラバ40
スクラバ40はスクラバ槽41と、シャワーノズル42とを有しており、シャワーノズル42はその噴出口をスクラバ槽41の内部に向けた状態で、スクラバ槽41上部に取り付けられている。噴霧乾燥装置20をスクラバ40に接続する排気管28は、シャワーノズル42の噴出口よりも下方でスクラバ槽41に接続されており、噴霧乾燥装置20からの排気ガスはシャワーノズル42から落下する処理液Lに接触してスクラバ処理(粉塵除去)される。
スクラバ槽41の排気管28の接続位置よりも下方の部分は液密にされ、処理液Lを畜液可能な畜液部43となっている。スクラバ槽41の外部には、清浄な処理液L(pH 5.8〜8.6の液体、例えば水道水)を供給する処理液源35が配置されている。シャワーノズル42は処理液源35と畜液部43の両方に接続されており、シャワーノズル42からは、排気ガスと接触する前の清浄な処理液及び/又は畜液された処理液Lが噴出され、排気ガスをスクラバ処理した使用済み処理液Lが畜液部43に溜まる。
畜液部43の処理液Lはポンプ37等でシャワーノズル42に戻され、再びシャワーノズル42から噴出されるので、処理液Lはスクラバ40内で循環することになる。スクラバ40には畜液部43の液量を制御する制御手段45が取り付けられている。制御手段45は、例えば、処理液Lの液面高さ(または畜液量)を検出するセンサー48を有し、センサー48の検出値が設定値(設定範囲)未満の場合は処理液源35からの供給を開始し(又は供給量を増加)、その検出値が設定値(設定範囲)を超える場合は処理液源35からの供給を停止させる(又は供給量を減少)。従って、処理液Lの畜液量は常に一定になり、その液面高さが設定した高さに維持される。
制御手段45で制御できない異常事態等に備え、スクラバ槽41にはオーバーフロー用のドレイン管47を接続することが望ましい。ドレイン管47は、例えば、設定液面高さよりも高く、かつ、排気管28の接続位置よりも低い位置でスクラバ槽41に接続されている。設定液面高さを超えた処理液Lはドレイン管47より流出するため、排気管28を通って噴霧乾燥装置20側に処理液Lが流れ込むこともない。
オーバーフロー用のドレイン管47とは別に、処理液交換用のドレイン管46を畜液部43に接続することが望ましい。これらのドレイン管46、47は同一又は別々の処理槽11aに接続されており、畜液部43の処理液Lはスクラバ40内で循環するだけでなく、処理装置10にも供給可能になっている。
このように、本発明の処理システム1では、スクラバ40から処理装置10に処理液Lが供給されるが、処理装置10からスクラバ40へは廃液Dが直接供給されず、スクラバ40と噴霧乾燥装置20には必ず処理槽11a〜11cで処理された後の廃液D(蒸気、固形分)が供給される。従って、腐食性の廃液Dを処理する場合もスクラバ40や噴霧乾燥装置20の金属部品等が腐食されず、機械寿命が長くなる。なお、スクラバ40と処理装置10との間、例えばドレイン管46、47に、逆止弁等の逆流防止手段39を設けると、スクラバ40への廃液逆流をより確実に防止することができる。
スクラバ槽41に放出管49を接続し、スクラバ40内のガスを直接又はフィルタ等を介して外部に放出することもできる。放出管49をシャワーノズル42の噴出口よりも上方でスクラバ槽41に接続すれば、スクラバ処理前の排気ガスが外部に放出されることを防止できる。これに対し、処理装置10のダクト16を、シャワーノズル42の噴出口よりも下方でスクラバ槽41に接続すれば、処理装置10の蒸気は処理液Lに接触して汚染物質等が除去されるので、汚染物質を含む蒸気が直接外部に放出されない。
次に、第1例の処理システム1を用いた廃液処理方法について説明する。
<廃液処理方法(第1例)>
メッキプラント等の工場設備や大学等の実験設備を廃液源19とし、廃液源19から処理装置10に廃液D(例えばメッキ廃液等の強酸または強アルカリ廃液)を供給する。処理槽11a〜11cの数が複数の場合、1番目の処理槽11aで廃液Dと処理液Lを混合してから、2番目以降の処理槽11b、11cで添加剤を添加する。
添加剤としては、pH調整剤、分離剤、必要に応じて他の添加剤(分散剤等)を同じ処理槽11b、又は別々の処理槽11a〜11cに添加する。pH調整剤(酸、アルカリ等の中和剤、pH緩衝剤等)は廃液DのpHを中性に近づけ、弱酸〜弱アルカリ(pH 5.0〜9.0)にする。分散剤は固形分を均一に分散させる。分離剤は必須ではないが、分離対象成分が廃液中に溶解して回収が困難な場合に特に必要となる。
すなわち、処理装置10で処理後の廃液Dは、弱酸〜弱アルカリで、かつ、対象物質が固形分として分散しており、強酸・強アルカリ等で噴霧乾燥装置20がダメージを受けることなく、対象物質を固形分として乾燥分離することができる。従って、各装置10、20、40の材質には、耐強酸・耐アルカリ性のもの(SUS316等)を用いる必要がなく、一般的な材質(SUS304、SUS430、アルミニウム等)を広く使用することができる。
なお、噴霧乾燥装置20での回収効率を高めるためには、添加剤を添加した後の廃液Dを処理槽11cで80℃以上100℃未満に加熱してから噴霧乾燥装置20へ送る。廃液Dから蒸気や汚染ガスが発生するおそれのある場合は、ダクト16のバルブを開け、廃液Dが蒸発するおそれのある処理槽11a〜11cをスクラバ40に接続しておけば、汚染物質を含む蒸気(汚染ガス)が大気に漏れ出さずにスクラバ40で処理される。
噴霧乾燥の間、乾燥チャンバー21を加熱(又は保温)しておけば、廃液Dを液化することなく蒸発させ、固形分を分離することができる。ここで、乾燥チャンバー21やサイクロン25の温度が低温(熱風温度181℃未満、乾燥チャンバー温度(中心温度)125℃以下、サイクロン温度(中心温度)102℃以下)の場合、廃液Dがヘドロ状やパテ状に固まり、微細な紛体とならない。従って、噴霧乾燥の間は、熱風温度を181℃以上、乾燥チャンバー21温度を127℃以上に維持することが望ましく、更にサイクロン25の温度を105℃以上にすることがより望ましい。なお、微細な紛体を安定して生成するためには、熱風温度を187℃以上にすることがより望ましい。
上記温度であれば紛体の液化は生じないが、温度むらや突発的な装置の不具合等で一部に液化が起こるおそれがある場合は、乾燥チャンバー21とサイクロン25のいずれか一方又は両方にドレイン管(不図示)を接続し、液化した蒸気を処理装置10及び/又はスクラバ40に排出する。噴霧乾燥により得られる固形分の粒子は微細な紛体であるから産業廃棄物としての廃棄が容易であり、また廃棄せずに集積部23、26から回収して原料として再利用することも容易である。紛体は直接再利用することができるが、紛体の不純物濃度が高い場合には、後述する後処理を行ってから再利用に供する。
噴霧乾燥の間は、排気管28のバルブを開けて噴霧乾燥装置20とスクラバ40とを接続し、スクラバ40内で処理液Lを循環させておく。循環の手順は特に限定されないが、例えば、噴霧乾燥の開始前又は開始直後は、処理液源35からの処理液Lのみを供給し、畜液部43に処理液Lがある程度畜液されたら、畜液部43からシャワーノズル42へ処理液Lを循環させる。
スクラバ処理の間は、上述した制御手段45で処理液Lの畜液量を一定に維持する。制御手段45による制御と一緒に(または別に)、オーバーフロー用のドレイン管47のバルブを開け、そのドレイン管47でスクラバ40と処理装置10とを接続しておけば、増水分の処理液Lはドレイン管47からオーバーフローする。いずれにしろ、スクラバ処理の間は処理液Lの液面高さが一定に維持されるので、シャワーノズル42からの噴出量が安定し、噴霧乾燥装置20側への処理液Lの逆流も防止される。
噴霧乾燥装置20の排気ガス及び処理装置10の蒸気はスクラバ40内で処理液Lに接触し、排気ガス中の固形分(粉塵)が処理液Lに補足され、蒸気中の汚染物質(汚染ガス)は処理液Lに混合(分散、溶解)して補足され、畜液部43に落下する(スクラバ処理)。このように、排気ガスや蒸気が汚染されていても、汚染物質は処理液Lに補足されて畜液部43に落下するので、処理液Lからの清浄な蒸気が放出管49から放出されることはあっても、スクラバ処理前の汚染蒸気や汚染排気ガスが放出管49から放出されない。
畜液部43に落下した固形分や汚染物質は外部に流出せず、処理液Lと一緒にスクラバ40内を循環するので、処理時間が長くなると処理液L中の固形分や汚染物質の濃度が高くなる。これらの濃度が高くなりすぎると、ポンプ37の負荷、シャワーノズル42の詰まり、汚染物質による処理液LのpH低下(またはpH上昇)等の問題が生じるので、予め設定した処理時間が経過したとき、または、処理液Lの固形分濃度、汚染物質濃度が設定値よりも高くなったときには、噴霧乾燥とスクラバ処理を停止し、汚染処理液Lの交換を行う。
汚染処理液Lの交換は、交換用のドレイン管46のバルブを開けて畜液部43と処理装置10に接続し、汚染処理液Lを処理装置10の処理槽11aに排出して行う。汚染処理液Lの一部又は全部が排出されたらドレイン管46のバルブを閉じて畜液部43を処理装置10から遮断し、汚染処理液Lを廃液Dとして処理装置10で処理をし、噴霧乾燥とスクラバ処理を行う。
このように、汚染処理液Lを外部に運び出さずとも、廃液Dとして処理システム1内で処理できるので、汚染物質が一切外部に流出することなく、閉鎖システムの中で処理を行うことができる。また、噴霧乾燥により生じた排気ガスからは固形分が分離され、処理液Lと一緒に処理装置10に戻り、廃液Dとして処理されるので、対象物質の回収率が極めて高くなる。なお、第1例の処理システム1や、他の例の処理システム(例えば後述する連結循環システム2)を使用する際は、処理装置10で再処理不可能なほど処理液Lが汚染された場合にのみ、外部に排出して他の処理装置などで処理する。
<後処理>
廃液Dが再利用可能な成分(金属等)を含有する場合は、集積部23、26から回収した紛体から目的成分を抽出する後処理を行うことができる。後処理は特に限定されないが、回収目的成分の融点未満であって、不純物が溶融、蒸発、分解または燃焼して固体(目的成分)から分離する温度、すなわち、融点、沸点、分解温度または燃焼温度以上にすれば、目的成分(固相)から不純物を液相又は気相として分離可能なので、簡易な燃焼処理で不純物を除去することができる。紛体が多孔質性粒子の場合、不純物が液相であると毛細管力により紛体に閉じ込められる場合があるので、焼成温度を不純物の沸点、分解温度または焼成温度以上にし、不純物を気体として除去することがより望ましい。
焼成処理を酸素含有雰囲気(例えば空気中)で行えば、不純物のうち有機化合物を効率良く燃焼除去することができる。融点が異なる2種以上の目的成分が紛体に含有される場合は、焼成温度の上限としては低い方の融点を採用すればよい。また、融点(より好ましくは沸点)、分解温度または燃焼温度が異なる2種以上の不純物を混合する場合は、より高い方の融点(沸点)、分解温度または燃焼温度であって、目的成分の融点未満の温度を下限として採用する。
上記燃焼温度の最適範囲は、焼成処理前の粉体の組成を調べることで決定することができる。組成の測定は、EDX(エネルギー分散型X線分光法、走査型または透過型顕微鏡に付属して測定)、赤外分光法(IR法)、X線回折法(XRD)、原子吸光分析法(AAS)、誘導結合プラズマ法(IPC)等の公知の測定法を用いることができる。本発明により得られる粉体は、粒径数μmの微小粒子または微小粒子の集合体(物理的衝撃で容易に分解)であるから、特に、EDX、IR(FTIR:フーリエ変換赤外分光法)、粉末XRD、IPC用の試料調整が容易である。
上記測定法を複数組み合わせて(例えば、EDXとXRDとFTIR)、元素組成と分子構造の両方について調べることが望ましい。粉体の組成は必ずしも回収粉体全てについて測定する必要はなく、廃液Dの種類毎に組成を測定し、その測定結果を同じ種類の廃液から得た他の処理ロット(粉体)に使用することもできる。なお、通常の測定法では不純物の組成決定が困難な場合には加熱温度を変えた燃焼試験を予め行い、廃液Dの種類ごとに紛体の最適燃焼温度を前もって調べておくことが望ましい。
後処理は焼成処理に限定されず、不純物を分解または溶解させ、目的成分のみを残す反応液(例えば強酸、強アルカリ等)に粉体を浸漬する化学処理を行うこともできる。反応溶液を100℃未満に加熱しながら化学処理を行えば、不純物をより短時間で除去することができる。粉体組成の測定は、反応溶液の成分の決定にも利用することができる。
化学処理を単独で行うことでなく、焼成処理と組み合わせることもできる。例えば、化学処理を焼成前と焼成後のいずれか一方または両方で行い、不純物を目的成分から化学的に分離(分解、還元等)してから焼成する、または焼成後に残った不純物を化学処理で除去することもできる。焼成処理の前と後で反応溶液の成分を変えて化学処理を行うことでもできるし、化学処理と焼成処理を複数回繰り返してもよい。本発明により得られる粉体は多孔質性の微小粒子であって、比表面積が大きいから、反応溶液との接触面積が大きく、また、加熱効率も高い。従って、焼成処理、化学処理のいずれの後処理も効率よく行うことができる。
後処理後の紛体は不純物濃度が低下しているので、直接又は山元還元等を経て目的成分を再利用できる。例えば、紛体を山元還元に供する場合、硫黄(S)が残留すると処理が困難であるから、少なくとも硫黄が除去されるまで後処理を行うことが望ましい。
以上は、1台の処理システム1の中で廃液Dや処理液Lを循環させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の処理システム1を用いて一の廃液処理を行うこともできる。以下に、本発明第2例の処理システム(連結循環処理システム)を説明する。
<連結循環処理システム>
図2の符号2は連結循環処理システムを示している。連結循環処理システム2は、処理装置10と、噴霧乾燥装置20と、スクラバ40とを有するユニット1‘、1、1が複数接続されて形成されている。各ユニット1‘、1、1の装置構成は特に限定されず、第1例の処理システム1と同じものを用いることができるが、ここでは、廃液源19の接続と、放出管49の接続方法が第1例の処理システム1とは異なる。以下、第1例の処理システム1と同じ装置(部材)については図1で使用した符号と同じ符号を付けて説明を省略する。
連結循環処理システム2では、全てのユニット1‘、1、1に廃液源19を接続する必要はない。複数のユニット1‘、1、1のうち、選択した1以上のユニット1’(上流ユニット)のみに廃液源19を接続し、上流ユニット1‘のスクラバ40には放出管49を設けず(または放出管49を開放せず)、そのユニット1’全体を外部雰囲気(大気)から遮断する。
上流ユニット1‘のスクラバ40では、放出管49の代わりに連結管51をスクラバ槽41に接続し、当該スクラバ40を、連結管51を介して廃液源19が接続されていないユニット1(下流ユニット)の処理装置10に接続する。上流ユニット1’のスクラバ40から放出された蒸気は、連結管51を通る間に自然冷却又は冷却装置(不図示)で冷却されて液体となり、処理装置10に送られる。すなわち、下流ユニット1は、廃液源19からの廃液Dではなく、上流ユニット1‘の放出蒸気を廃液として処理する。
ユニット1‘、1の数が2台(上流、下流の各1)の場合は、上流ユニット1’直後の下流ユニット1に放出管49を設けてもよいが、汚染レベルの高い廃液Dを処理する場合は下流ユニット1、1を2台以上設け、上流ユニット1‘側の下流ユニット1には、放出管49を設けず(または放出管49を開放せず)、放出管49の代わりに連結管51を接続し、スクラバ40を他の下流ユニット1の処理装置10に接続する。この場合、下流ユニット1のスクラバ40が放出した蒸気が、他の下流ユニット1で処理されることになる。
すなわち、上流ユニット1‘に接続された1台目の下流ユニット1は上流ユニット1’の蒸気を処理し、1台目の下流ユニット1に接続された2台目の下流ユニット1は1台目の下流ユニット1の蒸気を処理し、n−1台目の下流ユニットn−1に接続されたn台目の下流ユニットは、n−1台目のユニットn−1の蒸気を処理する(nは任意の整数)。
最初のスクラバ40で発生した蒸気は、下流ユニット1、1の台数分(n回)の処理が繰り返され、汚染物質濃度が減少する。予め実験等で汚染物質濃度が十分に低くなる繰り返し回数を求めておき、その回数分(n台)の下流ユニット1、1を接続することが望ましい。この場合、最後(n台目、ここでは2台目)の下流ユニット1では連結管51ではなく放出管49を開放して、スクラバ40を直接又はフィルタ等を介して外部雰囲気に接続する。放出管49から放出される蒸気は、汚染物質濃度が十分に低くなっているから、大気汚染等の問題が生じない。
なお、各ユニット1‘、1、1において、畜液部43のドレイン管46、47は、同一ユニット1‘、1、1の処理装置10に接続してもよいし、他のユニット1‘、1、1の処理装置10に接続してもよいが、いずれの場合も外部に流出させず、連結循環処理システム2の内部で循環させる。畜液部43の処理液が高濃度に汚染されたときには、ドレイン管46、47を上流ユニット1’の処理装置10へ接続して、処理液を廃液として処理することが望ましい。
<廃液処理方法(第2例)>
次に、連結循環処理システム2を用いた廃液処理方法(第2例)について説明する。第2例の廃液処理方法は、汚染物質が高濃度に含まれる廃液D、または毒性の強い汚染物質が含まれる廃液Dの処理に特に適しており、例えば放射性物質を含む放射能汚染水がある。ここで放射能汚染水は原子炉や使用済燃料貯蔵施設からの排水、土壌や建物等を除染処理後に排出される排水、放射能汚染された河川水、海水、湖水、下水等である。
第2例の廃液処理方法では、放射能汚染水は廃液源19(原子炉等)から上流ユニット1‘の処理装置10に送られる。この場合、添加剤として、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素等の放射性物質の吸着剤(分離剤)を用いる。吸着剤は特に限定されず、公知のものを広く使用することができるが、陽イオン吸着性物質、多孔性物質が好ましく、具体的にはゼオライト、層状ケイ酸塩、プルシアンブルー等である。吸着剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
放射能汚染水が強アルカリ・強酸の場合、または、そのままのpHでは吸着効率が悪い場合は、吸着剤の他にpH調整剤を添加し、放射能汚染水のpHを弱酸〜弱アルカリ性(あるいは吸着最適pH)にする。また、吸着剤の分散性を向上させる分散剤等の他の添加剤を添加してもよい。いずれの場合も、装置がダメージを受けずに、放射性物質が吸着した吸着剤(固形分)を分離し、乾燥させることができ、しかも、放射性物質で汚染された排気ガスはスクラバ40で処理されて外部に流出しない。
上記のような放射性物質の吸着剤は、単独で又は他の添加剤と共に下流ユニット1、1でも使用する。除染で発生した蒸気に放射性物質が混入しても、その蒸気は下流ユニット1、1で除染されるので、十分に除染された蒸気(ガス)のみが放出管49から放出されることになる。
吸着塔やフィルタを組み合わせた従来の除染装置では、装置から放出されるガス(蒸気)に混じって放射性物質が漏れ出すことがあり、放射性物質の漏れ出しを完全に防止するためには装置構造が複雑かつ大型化するという問題があった。これに対し、本発明の連結循環処理システム2は装置構造が比較的単純であり、しかも、バルブ切替、取り外し、連結等の簡易な方法で連結管51の接続を変更し、連結するユニット1‘1、1の数を変えることもできる。
すなわち、廃液(放射性汚染水)の汚染レベルに応じて連結するユニット1‘、1、1の数を変えることが可能であり、低〜高汚染レベルの多様な廃液(放射性汚染水)に対応可能である。また、使用予定のユニット1’、1、1に加え、予備ユニットを用意しておき、最後(n台目)のスクラバ40で検出される汚染レベル(放射線線量)が基準値よりも高い場合は、そのスクラバ40の放出管49を閉じるとともに連結管51を開放して予備ユニットに接続し、当該スクラバ40の蒸気を除染することもできる。予備ユニットは特に限定されないが、下流ユニット1、1と同じものを1又は複数台用いることができる。
次に、本発明の処理システム1を用いた廃液処理例をより具体的に説明する。
実用機(処理能力500リットル(l)/日)の5分の1モデルの処理システム1試験機を作成した。この試験機の処理能力は215ml/分(1日8時間稼働として約103リットル(l)/日)である。廃液Dとして、金属加工工場の工場排水、メッキ廃液(ニッケルメッキ廃液、クロムメッキ廃液)を用い、前処理と噴霧乾燥処理を行った後紛体を回収した。
前処理としては、廃液Dを処理装置10に導入し、pH調整剤(水酸化ナトリウム水溶液)を用いて中和処理をした。クロムメッキ廃液については、中和処理の前に重亜硫酸ソーダ(NaHSO3)を添加して六価クロムを三価クロムに還元した。六価から三価の還元はpH3の強酸溶液中で行い、その後中和処理(pH6.2)した。
噴霧乾燥には熱風発生機として(株)竹綱製作所社製の製品名「TSK−52」を使用し、噴霧乾燥装置温度(乾燥チャンバーの中心温度)127℃、サイクロン温度(サイクロンの中心温度)105℃の条件で行った。工場排水は空気圧1.3Kg/m、廃液供給量215ml/分、空気供給量85リットル(l)/分の条件で噴霧した。有機物をより多く含むニッケルメッキ廃液とクロムメッキ廃液については、空気圧1.5Kg/m、廃液供給量120ml/分、空気供給量96リットル(l)/分の条件で噴霧した。得られた紛体を集積部23、26から回収して「微細構造及び元素組成の分析試験」、「化学組成試験」、「結晶構造試験」を行った。なお、各試験の使用装置及び試験条件は下記の通りである。
<微細構造及び元素組成の分析>
装置:走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子(株)社製の製品名「JSM-6320F」)、エネルギー分散型X線分析装置(EDX、日本電子(株)社製の製品名「JED-2300F」)
加速電圧:15kV
<化学組成>
装 置:フーリエ変換型赤外分光光度計(日本電子(株)社製の製品名「JIR-WINSPEC50」)
測定方法:測定方法:全反射(ATR)法(SENSIR Technologies社製の製品名「DuraScope」)
測定波数:600−4000cm-1
分解能 :4cm-1
積算回数:32回
<結晶構造>
装 置:X線回折装置(フィリップス社製の製品名「X’ Part-PRO」)
電 圧:45kV
電 流:40mA
測定範囲:10‐100°
試験結果を下記に示す。
<加熱温度>
工場排水、ニッケルメッキ廃液、クロムメッキ廃液のいずれの場合も、噴霧乾燥装置20の内部温度が127℃、サイクロン25の内部温度105℃の条件では、集積部23、26からは紛体のみが回収された。噴霧乾燥装置20の温度を125℃以下、サイクロン25の温度を102℃以下にしたところ、集積部23、26にはヘドロ状の廃液が多数混入し、紛体化が正常に行われなかった。以上のことから、紛体回収に必要な最低加熱温度は噴霧乾燥装置20で127℃、サイクロン25で105℃であることがわかる。この最低加熱温度は、電熱ヒーター等を別途設けなくても、工場の排熱と熱風の組合せで十分達成可能な温度である。なお、ニッケルメッキ廃液7.4kgから回収された紛体量は250gであり、本発明の処理システム1を用いた場合の金属回収率も高いことがわかる。
<微細構造>
工場排水から得られた紛体のSEM像を図3(a)、(b)に、ニッケルメッキ廃液から得られた紛体のSEM像を図7(a)、(b)に、クロムメッキ廃液から得られた紛体のSEM像を図8(a)、(b)にそれぞれ示す。
図3、8から分かるように、噴霧乾燥装置20を127℃以上にして得られた紛体(工場排水、クロムメッキ廃液)は、直径1μm〜30μmの微小粒子であった。ニッケルメッキ廃液の紛体は直径100μm以上にも見えるが、図7(b)からその紛体が直径10μm未満の微小粒子の集合体であることが分かる。実際に、この紛体に物理的衝撃を加えたところ、簡単に分解して微小粒子となった。
また、図3(b)、図8(b)のSEM像から、紛体粒子が直径1μm未満のナノ粒子の集合体であることがわかる。実際、これらの紛体粒子に物理的衝撃を加えた場合も、ナノ粒子がばらばらに分解した。従って、本発明の処理システム1を用いれば、様々な種類の廃液Dからナノ粒子の集合体(多孔質性の紛体)が得られることが確認された。
<工場排水から得た紛体の分析結果>
紛体の元素組成の測定結果を図4、下記表1に示す。
図4及び上記表1から分かるように、元素ピークは、Na、S、Cl、Fe、Si、Caなどであり、本発明の処理システム1は重金属だけではなく、Na、Si、Ca等の多種の無機化合物の回収にも適していることが確認された。
図4のEDX原子数比をみると、Na量(61.5%)はS量(22.8%)の2倍にCl量(9.1%)を合計した値(54.7%)に近く、図6のX線回折スペクトルに出現する硫酸ナトリウム(NaSO)、塩化ナトリウム(NaCl)と一致する。また、図5の赤外線吸収スペクトルからは硝酸イオンの存在もわかる。このことから、試験に用いた工場排水には硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸が含まれることがわかり、本発明の処理システム1は多様な塩の回収にも利用可能なことがわかる。
<メッキ廃液から得た紛体の分析結果>
ニッケルメッキ廃液から得た紛体の元素組成の測定結果を図10(a)、下記表2に示し、クロムメッキ廃液から得た紛体の元素組成の測定結果を図14(a)、下記表3に示す。
図10(a)、図14(a)、表2、3から焼成前の紛体の組成は、ニッケルメッキ廃液でNa、P、S、Ni、クロムメッキ廃液でNa、S、Crであることが分かり、メッキ廃液の種類にかかわず処理システム1を用いた金属回収が可能なことが確認された。
次に、メッキ廃液から得た紛体について、下記の条件で後処理(焼成試験)を行った。<焼成試験>
装 置:高温雰囲気炉(光洋リンドバーグ(株)社製の商品名「KB-9814-VP」)
焼成雰囲気 :空気 (粉体はるつぼに収容して焼成)
焼成温度:1000℃、1500℃又は1550℃
焼成時間:1時間(1550℃のみ3時間)
<Ni試料の焼成試験結果>
図9(a)〜(c)にニッケルメッキ廃液の紛体(Ni試料)の焼成前、焼成後の電子顕微鏡写真(SEM)を示す。焼成前Ni試料は凝集状態(集合体)であり、1000℃では元々の凝集状態をとどめているが(図9(b))、1500℃では溶融していることが分かる(図9(c))。ただし、1500℃では粉体を収容したルツボ表面の溶融も起こってしまったため、溶融したNi試料がルツボ表面に溶け込んだような形になっている。
この時の組成変化をSEM-EDXにより分析した結果を図10(a)〜(c)に示す。焼成温度1000℃ではNa、P、Sが残っているが、Sのピークは減少し、硫黄が除去されたことがわかる。一方、焼成温度1500℃ではルツボ表面が溶けた影響で、ルツボの構成元素であるAl、Si、K、Caなどが現れているが、他方、SのピークはなくなりNaのピークも小さくなっており、Ni試料由来の残留物はPが約82.53%、Niが約17.47%である。
また、1500℃焼成のニッケルメッキ廃液粉体(Ni試料)に関する元素マッピング(図12)を見ると、粒子状の部分にNi、P、Caが分布していることが分かる。このうちNiとPは元々Ni試料中に含まれていた元素であり、Pは1500℃焼成後にもNi中に残る。一方Caはルツボから溶け出したものが混入したと考えられる。このことから、粒子状の部分はNi試料が溶融して形成されたものであり、1500℃焼成でNaとSは取り除かれているが、Pは依然として残っていることが明らかになった。
焼成前Ni試料のX線回折スペクトル、FTIRチャートをそれぞれ図17、図19に示す。図17の出現ピーク(30〜30°、約23°、約25°)、そして図10(a)の元素組成の結果から、焼成前には結晶相として硫酸ナトリウムが存在すると推測される。また、図19のチャートから焼成前Ni試料には少なくとも、硝酸イオン(NO )、硫酸イオン(SO 2−、)が含まれることが推測される。従って、焼成前Ni試料は不純物として硫酸ナトリウムと硝酸ナトリウムを含有すると推測される。
硫酸ナトリウムは融点が884℃であり、硝酸ナトリウムは融点が308℃、沸点が380℃(分解)であり、そして、ニッケル(目的成分)の融点は1445℃である。上述したように、焼成温度1000℃ではSのピークが小さくなっているのだから、不純物融点(884℃)以上目的成分融点(1445℃)未満の焼成温度で不純物を除去しつつ、目的成分(ニッケル)を回収可能なことが確認された。
Niの山元還元処理においては、Ni含有量が5重量%以上で硫黄残留量が極力少ないものが好ましいといわれている(めっきスラッジのリサイクルに伴うモデル循環システムの調査研究、2005年3月、経済産業省)。上述した後処理(焼成)でNi試料からSが除去される上、Ni濃度が高くなるので(約17.47%)、山元還元処理に供することが十分に可能となる。なお、焼成温度が高すぎるとルツボ成分(Ca等)が混入するが、これは高純度アルミナなどの高耐熱ルツボを用いることで防ぐことが可能である。また、焼成後のNi試料には残留するPについても、焼成後の化学処理等で除去可能である。
<Cr試料の焼成試験結果>
図13(a)〜(c)は焼成前、1000℃および1500℃で焼成後のCr試料の電子顕微鏡写真(SEM像)を示す。Cr試料では1000℃ですでに粉体粒子の形状の変化が起こっており、1500℃では1μm以下の微細粒子構造は消失し、表面が滑らかな状態に変わっている。 この時の組成変化をSEM-EDXにより分析した結果を図14(a)〜(c)に示す。焼成温度が上がるにつれてCrのピークが大きくなっており、NaとSが減少し、目的成分であるCrを残して不純物(Na、S等)が除去されたことがわかる。ただしNi試料では1500℃焼成で消失していたNaとSが、Cr試料の場合には1500℃焼成後も残留していた。
そこで、温度をさらに1550℃まで上げ、焼成時間も1時間から3時間に延ばして焼成を行った。図15、図16(a)〜(c)は1550℃で焼成した試料のSEM像と元素マッピングであるが、この場合にもNiの1500℃と同様にルツボ表面が溶けた影響で、ルツボ表面にCr試料が溶けこんでしまっている。しかし、図16の元素マッピングを見ると中央の四角い塊ではNaやSがほとんど存在していない状態であり、1550℃焼成によりCrからNaとSが取り除かれていることを示している。
焼成前Cr試料のX線回折スペクトル、FTIRチャートをそれぞれ図18、図19に示す。なお、Ni試料との対比のため、図19ではCr試料のベースラインを0.5(吸光度)高くしている。図18の出現ピークから焼成前には結晶相として硫酸ナトリウムが存在し、図19のチャートから硫酸イオン(SO 2−、)が存在したと推測される。従って、焼成前Cr試料は不純物として少なくとも硫酸ナトリウム(融点884℃)を含むと推測されるが、1500℃の焼成でNi試料よりもNa,Sが多く残留することから、硫酸ナトリウムの他に高融点不純物を含むと推測される。
Crの沸点は1907℃であり、少なくとも1550℃ではNa、Sが取り除かれるのだから、Cr試料については1550℃以上1907℃未満の焼成温度で目的成分であるCrを高純度で回収可能なことがわかる。なお、ニッケルの場合と同様に、ルツボの溶融やルツボ成分の混入は、高耐熱性ルツボの使用等で防止することができる。
<その他>
処理槽11a〜11c、乾燥チャンバー21、スクラバ槽41はいずれも密閉(液密、気密)可能なものを用い、処理システム1、2全体を外部雰囲気から遮断可能にすることが望ましい。処理槽11a〜11c、乾燥チャンバー21、スクラバ槽41、ドレイン管等の配管は特に限定されないがステンレス等の耐食性や耐摩耗性の高い材質を用いることが望ましい。ただし、廃液Dの前処理でpH調整を行う場合は、耐アルカリ・耐酸の材質が不要になる。処理装置10、噴霧乾燥装置20、スクラバ40には、温度制御装置、圧力制御装置、汚染物質検出装置(放射線線量計)等の装置を接続することもでき、これらの装置を制御装置(コンピュータ)等に接続して、バルブ(弁)の切替え等の切替作業と連動させることもできる。また、バルブの切替は機械制御に限定されず、検出装置の測定結果等を参考にして人間が手動で行ってもよい。
また、ドレイン管、連結管、排気管等の装置同士を接続する配管には、開閉バルブ、オリフィス、背圧弁、保圧弁、定流量弁、減圧弁、流量計、圧力計等を1以上設け、接続の切替や流量調整を行うこともできる。廃液源19からの廃液D供給量が処理システム1、2の処理能力を超えるおそれがある場合には、処理システム1、2と廃液源19の間にクッション槽等を設けることもできる。また、処理槽11a〜11cをクッション槽として使用することもできる。
処理液Lの種類も特に限定されず、有機溶媒、緩衝液等種々のものを用いることができるが、安全性の面からは水(水道水)が好ましい。処理液Lが水の場合、汚染処理液Lを廃液Dとして処理して汚染物質を取り除けば、いずれのシステム1、2においても、装置内の廃液D(処理液L)は下水としての基準を満たすものとなり、下水として廃棄することができる。なお、粉塵の補足(分散)性を向上させるため、処理液LにpH調整剤、緩衝剤、界面活性剤等の添加剤を添加することもできる。
ドレイン管46、47の接続は特に限定されないが、第1例、第2例のいずれの処理システム1、2においても、添加剤(特にpH調整剤)を添加する処理槽11b、またはその処理槽11bよりも廃液源19側の処理槽11aに接続することが望ましい。この場合、汚染された処理液Lは処理装置10で前処理(例えばpH調整)された後に噴霧乾燥装置20に送られるから、汚染処理液Lが噴霧乾燥装置20に供給されず、装置の腐食が防止される。
噴霧乾燥装置20や処理装置10(処理槽11a〜11c)の加熱手段32は特に限定されず、電熱線、熱風器、燃焼炉等多様なものを用いることができるが、処理ユニット1、2の設置場所が工場等の場合は、ボイラ熱交換器等を用いて工場設備から発生する排熱を利用することが、費用面、環境面から好ましい。本発明の処理システム1は小型であり、また、連結により自由にユニット1’、 1、1の数を変えることができるので、既存の工場設備と組み合せて設置することが容易である。
本発明に用いる分離剤は、対象物質の溶解性(分散性)を低下させる物質であれば特に限定されないが、硫化剤、アルカリ、凝集剤(無機凝集剤、有機凝集剤を含む)、凝集助剤、共沈剤、吸着剤のうち、いずれか1以上を用いることが望ましい。例えば、硫化剤は廃液中の金属イオンと反応して難溶性の硫化物を生成し、アルカリは金属イオンと反応して難溶性の金属水酸化物を生成するものであり、これらは廃液Dの腐食性低減のため、そして固形分の凝集性向上のためにpH調整剤を併用することが特に望ましい。凝集剤、凝集助剤、共沈剤は対象物質を凝集(共沈)させて固形分として分離するものであり、硫化剤やアルカリと併用することが望ましい。
吸着剤は特に限定されないが、例えばゼオライト、シリカ、アルミナゲル、白土、活性炭等の多孔性物質を用いることができ、廃液中Dの対象物質は吸着剤に吸着され、固形分(対象物質が吸着した吸着剤)として廃液Dから分離される。対象物質がイオンとして廃液D中に存在する場合には、イオン吸着性の多孔質物質(陽イオン性物質、陰イオン性物質)を用いると、対象物質の補足効率が高くなる。
ただし、固形分の量が多く、スプレーノズル22が詰まるおそれがある場合は、分離剤の使用は不要である。目的成分回収のために分離剤を使用する必要がある場合は、例えば、撹拌手段18による分散処理、希釈液等での希釈、分散剤等の使用等でスプレーノズル22詰まりを防止することが望ましい。
第2例の連結処理システム2においては、上記のような分離剤(吸着剤)の種類をユニット1‘、1、1毎に替えることができる。例えば、上流側のユニット1’では安価で大量の物質を吸着できる吸着剤(ゼオライト、活性炭等)を使用し、放出管49に近い下流ユニット1では高価で吸着能の高い(プルシアンブルー等)を使用する等というように、分離剤(吸着剤)を使い分けることができる。また、廃液Dや蒸気の汚染レベルが高い場合には、配管(連結管51、放出管49、ドレイン管46、47等)、スクラバ40、処理装置10等に吸着フィルタ等を設け、吸着剤による吸着と吸着フィルタによる吸着を併用することもできる。
1……処理システム(第1例)、2……連結循環処理システム(第2例)、10……処理装置、13……添加手段、20……噴霧乾燥装置、32……加熱手段、36……制御装置、35……処理液源、40……スクラバ、41……スクラバ槽、42……シャワーノズル、43……畜液部、45……制御手段、D……廃液、L……処理液

Claims (10)

  1. 処理対象である廃液が供給され、当該廃液の前処理を行う処理装置と、
    前記処理装置に接続され、前処理後の前記廃液を噴霧乾燥して固形分を紛体として取り除く噴霧乾燥装置と、
    前記噴霧乾燥装置に接続されて粉塵処理を行うスクラバと、を有し、
    前記スクラバは、前記噴霧乾燥装置に接続されたスクラバ槽と、前記スクラバ槽の内部に処理液を噴出するシャワーノズルとを有し、
    前記スクラバ槽には、前記処理液を畜液する畜液部が形成され、
    前記シャワーノズルは処理液源と前記畜液部の両方に接続され、
    前記処理液源から供給される清浄な処理液と、前記畜液部から供給される使用済み処理液のいずれか一方又は両方が前記シャワーノズルから噴出される処理システム。
  2. 前記蓄液部は前記処理装置に接続され、
    粉塵処理済みの前記処理液が、前記畜液部から前記処理装置へ逆流せずに送られる請求項1記載の処理システム。
  3. 前記スクラバ槽には制御手段が設けられ、
    前記制御手段は前記処理液源からの供給量を増減させ、前記畜液部の畜液量を一定に維持する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の処理システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の処理システムが複数連結された廃液の連結循環処理システムであって、
    複数の前記処理システムのうち、1以上の処理システムに廃液を供給し、当該処理システムの前記スクラバが1以上の他の処理システムの処理装置に接続され、当該スクラバの蒸気が冷却して生じた液体が前記他の処理システムで処理される連結循環処理システム。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の処理システムを用いて廃液処理を行う廃液処理方法であって、
    前記廃液を前記スクラバへは流入させずに前記処理装置で前処理し、前処理後の前記廃液を前記噴霧乾燥装置で噴霧乾燥する廃液処理方法。
  6. 前記畜液部の前記処理液が汚染されたときには、汚染された前記処理液を廃液として前記畜液部から前記処理装置に移し、前記処理装置で処理してから噴霧乾燥を行う請求項5記載の廃液処理方法。
  7. 前記廃液のpHを中性に近づけてから、前記処理装置から前記噴霧乾燥装置に送る請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の廃液処理方法。
  8. 前記噴霧乾燥装置の温度を127℃以上に維持した状態で噴霧乾燥を行い、前記固形分の紛体を作成する請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載の廃液処理方法。
  9. 前記紛体を前記噴霧乾燥装置から回収した後、予め設定した焼成温度で加熱する後処理を行う廃液処理方法であって、
    前記焼成温度の上限は回収目的成分の融点を超えず、
    前記焼成温度の下限は、不純物の融点と、前記不純物の沸点と、前記不純物の分解温度と、前記不純物の燃焼温度のうち、いずれか1の温度とする請求項8記載の廃液処理方法。
  10. 請求項4記載の連結循環処理システムを用いて廃液処理を行う廃液処理方法であって、
    前記廃液として放射能汚染水を処理する廃液処理方法。
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