JP2014138381A - 無線送信回路、その制御方法、及び情報機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線送信回路において、高周波信号を電力増幅器で増幅した際に発生する高調波成分を十分に減衰させることができるようにする。
【解決手段】無線送信回路は、複数の送信系の信号を夫々増幅する電力増幅器を有する電力増幅モジュールと、アンテナスイッチモジュールと、を備える。ここで、該アンテナスイッチモジュールは、増幅された複数の送信系の信号の位相を調整する位相調整回路と、複数の送信系の各々の周波数帯域に応じた低域通過フィルタと、複数の送信系を切り替える第1スイッチと、を有する。そして、位相調整回路は、低域通過フィルタの前段に配置される。
【選択図】図1
【解決手段】無線送信回路は、複数の送信系の信号を夫々増幅する電力増幅器を有する電力増幅モジュールと、アンテナスイッチモジュールと、を備える。ここで、該アンテナスイッチモジュールは、増幅された複数の送信系の信号の位相を調整する位相調整回路と、複数の送信系の各々の周波数帯域に応じた低域通過フィルタと、複数の送信系を切り替える第1スイッチと、を有する。そして、位相調整回路は、低域通過フィルタの前段に配置される。
【選択図】図1
Description
本発明は、無線送信回路に関し、特に複数の周波数帯域を用いる無線送信回路に関する。
近年、携帯端末装置では複数の通信システムに対応したマルチモード化(GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communication)、DCS(Digital Cellular System)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)等による)が進んでおり、今後もこの傾向は続くと考えられる。このような状況の中、GSMは日本国内では国際ローミングとして標準的に対応されることが多い。GSMは他の通信規格と比較して送信電力が大きいため、歪みが大きく高調波が発生しやすく、所望レベルまで高調波を抑えることが難しい。また、電力増幅モジュールとアンテナモジュールの間の電気長によって、高調波特性が変動を受けやすい傾向にある。
特許文献1には、GSM/DCSデュアルバンド方式の携帯電話に適用される高周波モジュールが開示されている。該高周波モジュールは、電力増幅器からの信号をスイッチモジュールに伝送するカプラを備えている。該カプラは、電力増幅器で増幅された高周波入力信号の高調波成分を減衰させる低域通過フィルタ機能を有している。
この低域通過フィルタは、コンデンサCG21と主伝送線路STLG21とがローパスフィルタとしての並列共振回路を構成し、コンデンサCG21の静電容量値と主伝送線路STLG21のインダクタンスによって、増幅器で発生する高調波の内の所望の成分を減衰させるようにしている。また、主伝送線路のSTLG22によりカプラを通過する高調波成分の位相を変更するようにしている(特許文献1の図4を参照)。
また、特許文献2には、周波数帯の異なる複数の通信システムに対応して備えられた2以上の高周波スイッチSW1、SW2が開示されている。高周波スイッチSW1、SW2の夫々の共通端子ANT1、ANT2は、直流通過可能なフィルタ機能を有するマッチング回路MAT1を介して接続されている。これにより、例えば、高周波スイッチSW1のうちの1つの経路がオンのとき、高周波スイッチSW1の他の経路及び高周波スイッチSW2の全経路におけるアイソレーションが確保され、それらをオフ状態とすることができる(特許文献2の図1を参照)。
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
しかしながら、電力増幅された高周波信号に高調波成分が発生しやすいGSM通信方式等においては、経路中に設けられた低域通過フィルタだけでは、十分に高調波成分を減衰させることができないという問題が生じている。特に、高調波インピーダンスが共役整合の位相関係になることがあり、その場合には高調波信号が低域通過フィルタに伝達してしまうことになり、低域通過フィルタだけは十分に高調波成分を減衰させることができなくなる。
特許文献1に記載されたカプラの低域通過フィルタ機能は、位相調整をローパスフィルタ機能の後で行っているため、低域通過フィルタに高調波成分を伝達させてしまっており、高調波成分を十分に減衰させることができないという課題がある。
また、特許文献2では、各送信系のラインに低域通過フィルタを設けて高調波成分の減衰を図っているが、高調波インピーダンスを調整することができないため、高調波成分を十分に減衰させることができないという課題がある。
そこで、本発明は、高周波信号を電力増幅器で増幅した際に発生した高調波成分を十分に減衰させることに貢献しうる無線送信回路を提供することを目的とする。
本発明の第1の視点による無線送信回路は、複数の送信系の信号を夫々増幅する電力増幅器を有する電力増幅モジュールと、アンテナスイッチモジュールと、を備える。ここで、該アンテナスイッチモジュールは、増幅された前記複数の送信系の信号の位相を調整する位相調整回路と、前記複数の送信系の各々の周波数帯域に応じた低域通過フィルタと、前記複数の送信系を切り替える第1スイッチと、を有する。ここで、前記位相調整回路は、前記低域通過フィルタの前段に配置される。
本発明の第2の視点による無線送信回路の制御方法は、第1及び第2の送信系を含む複数の送信系に対応し、各々の前記送信系の経路に、低域通過フィルタと、前記低域通過フィルタの前段に配置された位相調整回路と、を備えた無線送信回路の制御方法であって、以下のステップを含む。該無線送信回路の制御方法は、第1の送信系で無線通信を行う際に、前記第1の送信系の経路の前記位相調整回路に第1設定値を設定し、前記第2の送信系の経路の前記位相調整回路に第2設定値を設定するステップを含む。さらに、該無線送信回路の制御方法は、前記第2の送信系で無線通信を行う際に、前記第1の送信系の経路の前記位相調整回路に前記第1設定値と異なる第3設定値を設定し、前記第2の送信系の経路の前記位相調整回路に前記第2設定値と異なる第4設定値を設定するステップと、を含む。
本発明の第3の視点による無線送信回路の制御プログラムは、第1及び第2の送信系を含む複数の送信系に対応し、各々の前記送信系の経路に、低域通過フィルタと、前記低域通過フィルタの前段に配置された位相調整回路と、を備えた無線送信回路の制御をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、以下の処理をコンピュータに実行させる。該無線送信回路の制御プログラムは、第1の送信系で無線通信を行う際に、前記第1の送信系の経路の前記位相調整回路に第1設定値を設定し、前記第2の送信系の経路の前記位相調整回路に第2設定値を設定する処理をコンピュータに実行させる。さらに、該無線送信回路の制御プログラムは、前記第2の送信系で無線通信を行う際に、前記第1の送信系の経路の前記位相調整回路に前記第1設定値と異なる第3設定値を設定し、前記第2の送信系の経路の前記位相調整回路に前記第2設定値と異なる第4設定値を設定する処理をコンピュータに実行させる。
本発明の無線送信回路によれば、高周波信号を電力増幅器で増幅した際に発生した高調波成分を十分に減衰させることに貢献しうる無線送信回路を提供することができる。
まず、本発明の一実施形態の概要について説明する。なお、実施形態の概要の説明において付記した図面参照符号は専ら理解を助けるための例示であり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
一実施形態における無線送信回路1は、図1に示すように複数の送信系(例えば、通信システムGSM、DCS)に対応した無線送信回路である。無線送信回路1は、複数の送信系(GSM、DCS)の信号を夫々増幅する電力増幅器4a〜bを有する電力増幅モジュールPAM(2)と、アンテナスイッチモジュールASM(3)と、を備える。ここで、アンテナスイッチモジュールASM(3)は、増幅された複数の送信系(GSM、DCS)の信号の位相を調整する位相調整回路5a〜bと、複数の送信系(GSM、DCS)の各々の周波数帯域に応じた低域通過フィルタ6a〜bと、複数の送信系(GSM、DCS)を切り替える第1スイッチ7a〜bと、を有する。ここで、位相調整回路5a〜bは、低域通過フィルタ6a〜bの前段に配置される。
上記の構成によれば、電力増幅器4a〜bと対応する低域通過フィルタ6a〜bの間に夫々位相調整回路5a〜bを設けて、電力増幅器4a〜bで発生した高調波成分を低域通過フィルタ6a〜bに通す前に、位相調整回路5a〜bにより高調波の位相調整を行うようにしたから、低域通過フィルタ6a〜bの出力において高調波成分の減衰量を十分に取ることが可能になる。
上記の無線送信回路1において、位相調整回路5a〜bは、電力増幅モジュールPAM(2)の電力増幅器4a〜bと低域通過フィルタ6a〜b間の電気長を調整することが好ましい。
上記の無線送信回路1において、図3に示すように、位相調整回路5a〜bは可変ディレイラインで構成されるようにしてもよい。
上記の無線送信回路1において、図7に示すように、位相調整回路15a〜bは複数の電気長から所望の電気長をトリミングカットにより選択可能にしてもよい。
上記のトリミングカットによる位相調整回路15a〜bは、図7に示すように、ヒューズ22a〜dとコンデンサ23a〜dを直列接続したものを、並列に複数接続したものであってもよい。
上記の無線送信回路は、図8に示す無線送信回路31のように、電力増幅モジュールPAM(2)の各々の電力増幅器4a〜bの出力ラインに、オン/オフを切り替える第2スイッチ10a〜bを設けるようにしてもよい。
上記の第2スイッチ10a〜bは、接続された電力増幅器4a〜bのオン/オフと連動するようにオン/オフ制御されることが好ましい。
他の一実施形態における情報機器は、上記の無線送信回路1、31のいずれかを搭載した情報機器であって、複数の送信系の通信システムに対応することができる。
一実施形態における無線送信回路の制御方法は、図6に示すように、第1及び第2の送信系(例えば、第1の送信系はGSM、第2の送信系はDCS)を含む複数の送信系に対応し、各々の送信系の経路に、低域通過フィルタ(図2の6a、6b)と、低域通過フィルタ(図2の6a、6b)の前段に配置された位相調整回路(図2の5a、5b)と、を備えた無線送信回路1の制御方法であって、以下のステップを含む。該無線送信回路の制御方法は、第1の送信系(GSM)で無線通信を行う際に、第1の送信系の経路(LBライン;図2の端子P_TX1〜端子PAのライン)の位相調整回路5aに第1設定値(Ctrl_LB_GSM)を設定し、第2の送信系の経路(HBライン;図2の端子P_TX2〜端子PAのライン)の位相調整回路5bに第2設定値(Ctrl_HB_GSM)を設定するステップ(図6のステップS21、S22)を含む。さらに、該無線送信回路の制御方法は、第2の送信系(DCS)で無線通信を行う際に、第1の送信系の経路(LBライン)の位相調整回路5aに第1設定値と異なる第3設定値(Ctrl_LB_DCS)を設定し、第2の送信系の経路(HBライン)の位相調整回路5bに第2設定値と異なる第4設定値(Ctrl_HB_DCS)を設定するステップ(図6のステップS23、S24)と、を含む。
また、上記の無線送信回路の制御方法は、図4、図5のいずれかに示すように、さらに以下のステップを含むようにしてもよい。即ち、該無線送信回路の制御方法は、第1の送信系GSMをオン状態、第2の送信系DCSをオフ状態にして、第1の送信系の経路(LBライン)の出力の高調波を測定することによって第1設定値(Ctrl_LB_GSM)を算出するステップ(図4のステップS12〜S15)を含む。また、該無線送信回路の制御方法は、第1の送信系GSMをオン状態、第2の送信系DCSをオフ状態にして、第2の送信系の経路(HBライン)の出力の高調波を測定することによって第2設定値(Ctrl_HB_GSM)を算出するステップ(図4のステップS16〜S19)を含む。また、該無線送信回路の制御方法は、第1の送信系GSMをオフ状態、第2の送信系DCSをオン状態にして、第1の送信系の経路(LBライン)の出力の高調波を測定することによって第3設定値(Ctrl_LB_DCS)を算出するステップ(図5のステップS32〜S35)を含む。さらに、該無線送信回路の制御方法は、第1の送信系GSMをオフ状態、第2の送信系DCSをオン状態にして、第2の送信系の経路(HBライン)の出力の高調波を測定することによって第4設定値(Ctrl_HB_DCS)を算出するステップ(図5のステップS36〜S39)と、を含む。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
[第1の実施形態]
(第1の実施形態の構成)
第1の実施形態に係る無線送信回路1の構成について、図2、図3を参照しながら詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る無線送信回路1の構成を示すブロック図である。無線送信回路1は、GSM/DCSデュアルバンド方式に対応した無線送信回路である。GSMは900MHz帯の周波数帯域、DCSは1800MHz帯の周波数帯域を使用した通信システムである。図2に示すように、無線送信回路1は、GSMの無線送信信号Tx1_GSMを入力して処理するLB(Low Band)ライン(図2の端子P_Tx1〜端子PAのライン)と、DCSの無線送信信号Tx2_DCSを入力して処理するHB(High Band)ライン(図2の端子P_Tx2〜端子PAのライン)と、を含み、各々のラインを通って伝達した無線送信信号は、共通のアンテナ9から無線送信される。
(第1の実施形態の構成)
第1の実施形態に係る無線送信回路1の構成について、図2、図3を参照しながら詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る無線送信回路1の構成を示すブロック図である。無線送信回路1は、GSM/DCSデュアルバンド方式に対応した無線送信回路である。GSMは900MHz帯の周波数帯域、DCSは1800MHz帯の周波数帯域を使用した通信システムである。図2に示すように、無線送信回路1は、GSMの無線送信信号Tx1_GSMを入力して処理するLB(Low Band)ライン(図2の端子P_Tx1〜端子PAのライン)と、DCSの無線送信信号Tx2_DCSを入力して処理するHB(High Band)ライン(図2の端子P_Tx2〜端子PAのライン)と、を含み、各々のラインを通って伝達した無線送信信号は、共通のアンテナ9から無線送信される。
無線送信回路1は、図2に示すように、高周波集積回路RFIC(8)、電力増幅モジュールPAM(2)、アンテナスイッチモジュールASM(3)、及びアンテナANT(9)を含んで構成される。RFIC(8)は、無線送信信号Tx_GSM、Tx_DCSを生成する機能を有する集積回路であり、生成した無線送信信号を電力増幅モジュールPAM(2)に出力する。
電力増幅モジュールPAM(2)は、LBライン、HBラインに夫々電力増幅器4a、4bを備えている。電力増幅器4a、4bは夫々無線送信信号Tx1_GSM、Tx2_DCSを増幅し、出力端子P1、P3を介して、アンテナスイッチモジュールASM(3)の入力端子P2、P4に増幅した無線送信信号を供給する。
電力増幅器4a、4bは、大きな電力の出力を要求されるため、望ましくない高調波成分を発生する。例えば、GSMの場合、基本波周波数は900MHzであり、高調波成分は、基本波周波数の整数倍(例えば、第2高調波は1800MHz、第3高調波は2700MHz)になる。DCSの場合、基本波周波数は1800MHzであり、高調波成分は、基本波周波数の整数倍(例えば、第2高調波は3600MHz、第3高調波は5400MHz)になる。
アンテナスイッチモジュールASM(3)は、入力端子P2を介して入力されたGSMの無線送信信号を処理する位相調整回路5a、低域通過フィルタ6a、第1スイッチ7aを備えている。また、アンテナスイッチモジュールASM(3)は、入力端子P4を介して入力されたDCSの無線送信信号を処理する位相調整回路5b、低域通過フィルタ6b、第1スイッチ7bを備えている。
低域通過フィルタ6a、6bは、電力増幅器4a、4bで発生した高調波成分を減衰させるために設けられている。低域通過フィルタ6a、6bのカットオフ周波数は、基本波周波数を通過させ、高調波周波数を減衰させるように設定される。低域通過フィルタ6aのカットオフ周波数と低域通過フィルタ6bのカットオフ周波数を比較すると、DCSの基本波周波数は、GSMの基本波周波数の2倍になるので、低域通過フィルタ6bのカットオフ周波数は、低域通過フィルタ6aのカットオフ周波数の約2倍の周波数に設定される。
第1スイッチ7a、7bは、GSM、DCSのうち、選択された送信系のラインをオンし、それ以外の送信系のラインをオフにするスイッチである。図2は、GSMが選択され、第1スイッチ7aがオンし、第1スイッチ7bがオフに制御された状態を示している。この状態では、主として、LBラインの出力がアンテナANT(9)から無線送信される。
一方、DCSが選択された場合には、第1スイッチ7aがオフし、第1スイッチ7bがオンするように制御される。この状態では、主としてHBラインの出力がアンテナANT(9)から無線送信される。
アンテナスイッチモジュールASM(3)において、入力端子P2と低域通過フィルタ6aの間、入力端子P4と低域通過フィルタ6bの間には、夫々位相調整回路5a、5bが配置される。位相調整回路5aには、送信系の選択に応じて、設定パラメータCtrl_LB_GSM/Ctrl_LB_DCSが供給される。ここで、設定パラメータCtrl_LB_GSM、Ctrl_LB_DCSは、夫々送信系GSM、DCSが選択された場合のLBラインの位相調整回路5aの設定値である。また、位相調整回路5bには、送信系の選択に応じて、設定パラメータCtrl_HB_GSM/Ctrl_HB_DCSが供給される。ここで、設定パラメータCtrl_HB_GSM、Ctrl_HB_DCSは、夫々送信系GSM、DCSが選択された場合のHBラインの位相調整回路5bの設定値である。
次に、図2の位相調整回路5a、5bについて、図3を参照しながら詳細に説明する。図3は、図2の位相調整回路5a、5bの詳細を示す回路図である。位相調整回路5aと位相調整回路5bは同じ構成であるため、以下では位相調整回路5aについて説明する。図3(A)に示すように、位相調整回路5aは、複数の遅延素子11a〜dとマルチプレクサ12とで構成される可変ディレイラインである。遅延素子11a〜dは、アナログ信号を入力し所定量遅延したアナログ信号を出力する素子であり、例えば、図3(B)に示すように、偶数個のNOTゲート13a〜dを直列接続することにより構成される。但し、NOTゲートに限定されず、アナログ信号を遅延させる素子であれば、任意の素子を適用することが可能である。また、1つの遅延素子Dに含まれるNOTゲートの数は、4つに限定されず、任意の偶数とすることができる。
マルチプレクサ12の複数の入力端子には、通過した遅延素子Dの数により遅延量が異なる複数の信号が入力される。1つの遅延素子による遅延時間をτとすると、マルチプレクサ12には、遅延時間が0、τ、2τ、3τ、4τの5通りの信号が入力される。マルチプレクサ12は、供給される設定パラメータCtrl_LB_GSM/Ctrl_LB_DCSにより上記した遅延時間の異なる5つの信号からいずれかを選択して出力する。設定パラメータCtrl_LB_GSM/Ctrl_LB_DCSは3ビットで構成され、000のとき遅延時間が0、001のとき遅延時間がτ、010のとき遅延時間が2τ、011のとき遅延時間が3τ、100のとき遅延時間が4τの信号が選択されるようにする。但し、遅延時間の設定は上記の5通りに限定されず、任意数とすることが可能であり、それに応じて設定パラメータCtrl_LB_GSM/Ctrl_LB_DCSのビット幅を適宜調整すればよい。
(比較例1)
次に、関連技術である比較例1について、図9〜10を参照しながら説明し、比較例1の問題点を示す。図9は、比較例1に係る無線送信回路101の構成を示すブロック図である。図9を図2(第1の実施形態)と比較すると分かるように、図9の無線送信回路101は、図2の無線送信回路1から位相調整回路5a、5bをなくし、マッチング回路MAT24a〜bを電力増幅モジュールPAM(2)とアンテナスイッチモジュールASM(3)間に配置した構成となっている。図9における図2と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し重複する説明は省略する。
次に、関連技術である比較例1について、図9〜10を参照しながら説明し、比較例1の問題点を示す。図9は、比較例1に係る無線送信回路101の構成を示すブロック図である。図9を図2(第1の実施形態)と比較すると分かるように、図9の無線送信回路101は、図2の無線送信回路1から位相調整回路5a、5bをなくし、マッチング回路MAT24a〜bを電力増幅モジュールPAM(2)とアンテナスイッチモジュールASM(3)間に配置した構成となっている。図9における図2と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し重複する説明は省略する。
図9において、ディスクリートで構成されるマッチング回路MAT24a〜bにより、LBラインとHBラインにおいて、夫々基本波周波数(LBラインは900MHz、HBラインは1800MHz)のインピーダンス結合が基準インピーダンス50Ωになるように調整がなされる。
次に、高調波特性について説明する。図9において、実線で示す矢印ラインはLBラインからの高調波成分、破線で示す矢印ラインはHBラインからの高調波成分を示している。図9に示すように、GSMが選択され第1スイッチ7aがオン状態の場合を想定する。即ち、LBラインがオン状態、HBラインがオフ状態の場合である。
LBラインでは、第1スイッチ7aがオン状態のため、基本波周波数ではインピーダンスは50Ωに調整されているが、高調波インピーダンスは50Ωにはならない。低域通過フィルタ6aでカットしきれなかった高調波成分は、その高調波インピーダンスに基づいてアンテナANT9に出力される。
一方、電力増幅モジュールPAM(2)では、オン状態であるLBラインの電力増幅器4aからオフ状態であるHBラインの電力増幅器4bへ信号が回り込み、HBラインの出力端子P3からLBラインの基本波周波数の高調波(第2高調波が1800MHz、第3高調波が2700MHz等)が出力される。この高調波をクロスアイソレーション(Cross Isolation)による高調波漏れ量と呼ぶ。この高調波漏れ量は、マッチング回路MAT(24b)を通り、アンテナスイッチモジュールASM(3)の入力端子P4に入力される。
HBラインにおけるクロスアイソレーションによる高調波漏れ量は、低域通過フィルタ6bにおいて、カットオフ周波数以上の周波数成分が減衰される。高調波漏れ量のうち、第2高調波の周波数はHBライン(DCS側)の基本波周波数と同じであるが、低域通過フィルタ6bはHBラインの基本波を通過させる必要があるため、低域通過フィルタ6bは高調波漏れ量のうちの第2高調波成分を減衰させることはできない。一方、第3高調波以上は、低域通過フィルタ6bにより減衰させることができる。
HBラインの低域通過フィルタ6bの出力(高調波漏れ量の第2高調波成分、及び高調波漏れ量の第3以上の高調波成分うち低域通過フィルタ6bでカットしきれなかったもの)が、第1スイッチ7bの入力端子に入力される。第1スイッチ7bはオフ状態であり、第1スイッチ7bに入力された信号は、オフ状態のアイソレーションに応じて減衰し、アンテナANT9に出力される。
このように、高調波特性はLBラインからの高調波成分とHBラインからの高調波成分の足し合わせとなる。
次に、高調波インピーダンスの特性変動について説明する。前述したように基本波インピーダンスは50Ωになるようにマッチング回路MAT24a〜bで調整されるが、高調波インピーダンスは50Ωとならないために、部品間のインピーダンス結合において以下の高調波特性の変動が生じてしまう。第1の高調波特性の変動は、LBラインにおいて低域通過フィルタ6aによる高調波の減衰量を十分にとれない状況が生じることである。これは、電力増幅器4aと低域通過フィルタ6a間の電気長に依存して高調波インピーダンスが変動することが原因である。
第2の高調波特性の変動は、HBラインにおけるクロスアイソレーションによる高調波漏れ量が、PAM(2)のHBラインの負荷インピーダンスによって、出力される信号の強さが変動するということである。オフ状態のHBラインにおいては、基本波インピーダンスも50Ωではないため、高調波インピーダンスは50Ωから大きく外れる。これにより、PAM(2)の負荷インピーダンスは大きく変動し、結合時のインピーダンスによっては大きな高調波が発生することとなる。
図10に、電気長によるインピーダンス変動の様子をスミスチャートに示す。図10に示すように電気長によって矢印のようにインピーダンスは変動する。基本波インピーダンスでは50Ωに近く調整されているため、電気長による影響は少ない。一方、高調波インピーダンスはスミスチャート中心の50Ωから離れた位置にあり、インピーダンスが大きく動くため、電気長による影響を受けやすい。また、高調波周波数は基本波周波数の逓倍となるため、周波数が高く波長は短くなるため、インピーダンスの動きは大きくなる。
次に、上記の特性を有する高調波インピーダンスの変動を抑えて、アンテナ9に望ましくない高調波が伝達されないための条件について検討する。図9に示すように、低域通過フィルタ6a、6bの手前に、夫々接続基準面25a、25bを取り、接続基準面25a、25bにおけるインピーダンスの位相関係について検討する。まず、接続基準面25aにおいて、基本波周波数の場合は、接続基準面25aからPAM(2)側を見たときのインピーダンスと、接続基準面25aから低域通過フィルタ6a側を見たときのインピーダンスが、共役整合になっていると、接続基準面25aで信号の反射が発生しない状態となり、基本波周波数の信号を効率よく伝送することができる。具体的には、共役整合とはインピーダンスをR+jX(実部Rは抵抗成分、虚部Xはリアクタンス成分)と表した場合、+jXと−jXの位相関係で結合された状態である。
一方、高調波の場合には、接続基準面25aからPAM(2)側を見たときの高調波インピーダンスと、接続基準面25aから低域通過フィルタ6a側を見たときの高調波インピーダンスとが、共役整合の位相関係から外れるようになっていたほうが、接続基準面25aで望ましくない高調波信号が反射し、低域通過フィルタ6a側に信号が伝達しにくくなる。上記は、HBライン側の接続基準面25bについても同様である。以上のことから、高調波を安定的に抑制するには接続基準面25a、25bにおける高調波インピーダンスの位相関係が共役整合の位相関係から外れて、信号の反射が多く生じる条件にする必要がある。従って、電力増幅器4aと低域通過フィルタ6a間の電気長、電力増幅器4bと低域通過フィルタ6b間の電気長が上記の位相関係になるように調整される必要がある。
しかしながら、比較例1では、電力増幅器4aと低域通過フィルタ6a間の電気長、電力増幅器4bと低域通過フィルタ6b間の電気長が調整できるように考慮されていない。
また、比較例1の無線送信回路101を携帯端末等に実装する場合、近年の携帯端末は多機能化しているため、PAM(2)、ASM(3)以外のICの配線が優先されることがあり、PAM(2)とASM(3)間の電気長を必ずしも最適な距離に置くことができず、その結果、電力増幅器4aと低域通過フィルタ6a間の電気長、電力増幅器4bと低域通過フィルタ6b間の電気長が最適にならずに、高調波に対して望ましい位相関係にすることができないという問題があった。
(第1の実施形態の動作)
次に、第1の実施形態に戻り、第1の実施形態の無線送信回路1が前述した比較例1の問題をどのように解決しているかについて述べる。図2の無線送信回路1において、GSMが選択され、第1スイッチ7aがオン状態、第2スイッチ7bがオフ状態の場合を想定する。第1の実施形態の無線送信回路1では、位相調整回路5aを設けたことにより、電力増幅器4aと低域通過フィルタ6a間の電気長を調整可能にしている。これにより、接続基準面25aから電力増幅器4a側を見たときの高調波インピーダンスと接続基準面25aから低域通過フィルタ6aを見たときの高調波インピーダンスとの位相関係が、望ましい位相関係(共役整合から外れ、信号の反射が生じる位相関係)になるように調整することができ、LBラインの低域通過フィルタ6aの出力において高調波の減衰量が十分にとれるようにすることができる。
次に、第1の実施形態に戻り、第1の実施形態の無線送信回路1が前述した比較例1の問題をどのように解決しているかについて述べる。図2の無線送信回路1において、GSMが選択され、第1スイッチ7aがオン状態、第2スイッチ7bがオフ状態の場合を想定する。第1の実施形態の無線送信回路1では、位相調整回路5aを設けたことにより、電力増幅器4aと低域通過フィルタ6a間の電気長を調整可能にしている。これにより、接続基準面25aから電力増幅器4a側を見たときの高調波インピーダンスと接続基準面25aから低域通過フィルタ6aを見たときの高調波インピーダンスとの位相関係が、望ましい位相関係(共役整合から外れ、信号の反射が生じる位相関係)になるように調整することができ、LBラインの低域通過フィルタ6aの出力において高調波の減衰量が十分にとれるようにすることができる。
また、第1の実施形態の無線送信回路1では、位相調整回路5bを設けたことにより、電力増幅器4bと低域通過フィルタ6b間の電気長を調整可能にしている。これにより、接続基準面25bから電力増幅器4b側を見たときの高調波インピーダンスと接続基準面25bから低域通過フィルタ6b側を見たときの高調波インピーダンスとの位相関係が、望ましい位相関係(共役整合から外れ、信号の反射が生じる位相関係)になるように調整することができ、HBラインにおけるクロスアイソレーションによる高調波漏れ量を抑制することができる。
一方、位相調整回路5a、5bによって電気長を調整した場合、基本波周波数のインピーダンスは50Ω付近にあり、基本波インピーダンスの変動は小さいため、基本波周波数の特性の影響は少ない。尚、第1の実施形態において、マッチング回路(不図示;比較例1のマッチング回路MAT24a〜b(図9)に相当)により、基本波周波数においてインピーダンスは50Ω付近に調整されているものとする。
次に、図4、図5を参照しながら、位相調整回路5a、5bの設定パラメータの算出方法について詳細に説明する。図4は、GSMオン時の調整モードにおいて、位相調整回路5a、5bの設定パラメータを算出する方法を示すフローチャートである。無線通信回路1は、図示されない外部の制御部と接続され、該制御部から設定パラメータの送信等の制御が行われる。図4において、まず、GSM送信系を選択する(S10)。即ち、LBラインがオン状態、HBラインがオフ状態である。具体的には第1スイッチ7aをオン、第2スイッチ7bをオフにする。
続いて、位相調整回路5a、5bの初期設定を行う(S11)。ここで、位相調整回路5a、5bの設定は、前述したように3ビット幅の設定パラメータCtrl_LB_GSM、Ctrl_HB_GSMを、制御部から位相調整回路5a、5bに送信することにより行う。
次に、LBライン(GSMライン)の出力において、高調波出力を測定する(S12)。そして、測定された高調波出力が第1所定値よりも小さいか否かを判定する(S13)。ここで、第1所定値は、通信品質の観点から許容される値を予め設定したものである。ステップS13でYesの場合には、外部の制御部は、設定パラメータCtrl_LB_GSMを保存する(S14)。一方、ステップ13でNoの場合には、設定パラメータCtrl_LB_GSMの変更を行う(S15)。以降、ステップS13でYesの判定になるまで、S12、S13、及びS15を繰り返す。このようにして、低域通過フィルタ6aの出力において高調波の減衰量が十分にとれるようにすることができる。
尚、図4では、ステップS13で高調波出力が第1所定値よりも小さくなる条件を満たすまで処理を繰り返しているが、それに限定されず、例えば、位相調整回路5aで設定可能な5通りの設定値Ctrl_LB_GSMについて高調波出力を測定し、その中で最も高調波出力が小さい設定値Ctrl_LB_GSMを選択するようにしてもよい。
次に、同様にLBラインがオン状態、HBラインがオフ状態で、HBライン(DCSライン)の出力におけるクロスアイソレーションによる高調波漏れ量を測定する(S16)。そして、測定された高調波漏れ量が第2所定値よりも小さいか否かを判定する(S17)。ここで、第2所定値は、通信品質の観点から許容される値を予め設定したものである。ステップS17でYesの場合には、外部の制御部は、設定パラメータCtrl_HB_GSMを保存する。一方、ステップ17でNoの場合には、Ctrl_HB_GSMの設定変更を行う(S19)。以降、ステップS17でYesの判定になるまで、S16、S17、及びS19を繰り返す。このようにして、HBラインで出力される高調波の漏れ量を抑制することができる。
尚、図4では、ステップS17で高調波漏れ量が第2所定値よりも小さくなる条件を満たすまで処理を繰り返しているが、それに限定されず、例えば、位相調整回路5bで設定可能な5通りの設定値Ctrl_HB_GSMについて高調波出力を測定し、その中で最も高調波出力が小さい設定値Ctrl_HB_GSMを選択するようにしてもよい。
次に、図5は、DCSオン時の調整モードにおいて、位相調整回路5a、5bの設定パラメータを算出する方法を示すフローチャートである。この調整モードでは、図2の第1スイッチ7aをオフ、第1スイッチ7bをオンにする。即ち、LBラインがオフ状態、HBラインがオン状態である。
図5において、ステップS30でDCS送信系を選択し、ステップS31で設定パラメータCtrl_LB_DCS、Ctrl_HB_DCSの初期設定を行う。続いて行われる、図5のステップS32〜S35は、図4のステップS12〜S15と同様であり、相違点は高調波出力を測定するラインがDCSラインで、算出するパラメータがCtrl_HB_DCSになっている点である。続いて行われる、図5のステップS36〜S39は、図4のステップS16〜S19と同様であり、相違点はクロスアイソレーションによる高調波漏れ量を測定するラインがGSMラインで、算出するパラメータがCtrl_LB_DCSになっている点であり、処理内容については同じであるため、重複する説明は省略する。
以上のようにして、図4〜5に示す2つの調整モードにより、GSMオン時の位相調整回路5a、5bの各々の設定パラメータCtrl_LB_GSM、Ctrl_HB_GSMと、DCSオン時の位相調整回路5a、5bの各々の設定パラメータCtrl_LB_DCS、Ctrl_HB_DCSが無線送信回路1を制御する制御部に記憶される。
次に、無線送信回路1の通常モードでの動作について、図6を参照しながら詳細に説明する。通常モードは、無線送信回路1を使用してGSM、DCSのいずれかの送信系の無線送信を行うモードである。図6は、通常モードにおける無線送信回路1を制御するフローチャートである。図6において、外部の制御部は、送信系の選択が変更されたか否かを所定期間をおいて判定する(S20)。ステップS20において、送信系がGSMに変更されたことを検知した場合は、ステップS21に進み、調整モードで算出し記憶された設定パラメータCtrl_LB_GSMを位相調整回路5aに設定し(S21)、調整モードで算出し記憶された設定パラメータCtrl_HB_GSMを位相調整回路5bに設定する(S22)。
一方、ステップS20において、送信系がDCSに変更されたことを検知した場合は、ステップS23に進み、調整モードで算出し記憶された設定パラメータCtrl_LB_DCSを位相調整回路5aに設定し(S23)、調整モードで算出し記憶された設定パラメータCtrl_HB_DCSを位相調整回路5bに設定する(S24)。
尚、図4、図5の調整モードでは、オン状態のラインの高調波出力、オフ状態のラインの高調波漏れ量を測定することによりそれらが小さくなる条件を求めているが、それに限定されない。例えば、シミュレーションにより位相調整回路5a、5bの設定パラメータを算出するようにしてもよい。
以上説明したように、第1の実施形態に係る無線送信回路1によれば、電力増幅器4a、4bと低域通過フィルタ6a、6bの間に、夫々位相調整回路5a、5bを設けることにより、電力増幅器4aと低域通過フィルタ6a間の電気長、電力増幅器4bと低域通過フィルタ6b間の電気長をそれぞれ調整可能とすることができ、接続基準面25a、25bにおけるインピーダンスの位相関係が高調波にとって望ましい関係(共役整合の位相から外れ、信号の反射が生じる状態)にすることができる。それにより、選択された送信系のラインにおいて低域通過フィルタ(6a又は6b)の出力において、安定して高調波減衰量を十分に取ることができる効果が得られる。また、選択されない送信系のライン(オフ状態のライン)の出力においてクロスアイソレーションによる高調波漏れ量を抑制することができるという効果が得られる。以上により、全体として無線送信信号に含まれる望ましくない高調波成分を安定的に抑制し、通信品質を確保することが可能になる。
第1の実施形態を特許文献1に記載されたカプラの低域通過フィルタ機能と比較すると、特許文献1に記載のカプラでは、高調波を減衰させた後に位相調整を行っているため、低域通過フィルタに高調波成分を伝達させてしまっており、十分に高調波成分を抑制することができないという問題があったが、第1の実施形態では位相調整回路を低域通過フィルタの前段に設けて、位相調整回路を高調波インピーダンスが共役整合の位相関係から外すことにより高調波を低域通過フィルタになるべく伝達させないようにすることができるため、上記したように十分に高調波成分を抑制することが可能になる。
また、送信系GSM/DCSの選択に応じて、位相調整回路5a、5bの設定パラメータを変えることができるように構成したから、各ラインの位相調整回路は、そのラインがオン状態のときは低域通過フィルタの出力の高調波減衰量が十分に取れる設定を行い、そのラインがオフ状態のときはクロスアイソレーションによる高調波漏れ量を抑制する設定を行うようにすることができる。このように、各送信系のラインにおいて、その送信系がオン状態の場合と、オフ状態の場合の高調波特性を両立させることができるという効果が得られる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について、図7を参照しながら詳細に説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の位相調整回路5a、5bを、夫々、図7に示す位相調整回路15a、15bに置き換えた構成になっている。その他の構成要素は第1の実施形態と同じであるため重複する説明は省略する。位相調整回路15aと位相調整回路15bは同じ構成であるため、以下では位相調整回路15aについて説明を行い、位相調整回路15bの説明は省略する。
次に第2の実施形態について、図7を参照しながら詳細に説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の位相調整回路5a、5bを、夫々、図7に示す位相調整回路15a、15bに置き換えた構成になっている。その他の構成要素は第1の実施形態と同じであるため重複する説明は省略する。位相調整回路15aと位相調整回路15bは同じ構成であるため、以下では位相調整回路15aについて説明を行い、位相調整回路15bの説明は省略する。
位相調整回路15aは、図7に示すように、伝送線路20、21と、複数のコンデンサとヒューズを直列接続したもの(コンデンサ23aとヒューズ22aの直列接続、コンデンサ23bとヒューズ22bの直列接続、コンデンサ23cとヒューズ22cの直列接続、コンデンサ23dとヒューズ22dの直列接続)を並列に複数接続している。この並列接続されたものの一端がノードN1と接続され、並列接続されたものの他端が接地と接続されている。図7では、4つのコンデンサとヒューズの直列接続が使用されているが、4つに限定されず、コンデンサとヒューズの直列接続の数は任意である。ノードN1と位相調整回路15aの入力端子間、ノードN1と位相調整回路15aの出力端子間にはそれぞれ伝送線路20、21が接続されている。
図7の位相調整回路15aはウェハ上に形成され、レーザビームを照射して複数のヒューズ22a〜dの幾つかを焼き切ることで、ノードN1と接地間のキャパシタンスを調整することができる。このように、レーザビームを照射して所望の特性が得られるようにする手法をトリミングカットという。各コンデンサ23a〜dの容量をCとすると、ヒューズ22a〜dを選択的に焼き切ることで、5通りのキャパシタンス(0、C、2C、3C、4C)のいずれかになるようにすることができる。
ノードN1と接地間には何も接続されていない状態では、伝送線路20、21の電気長により位相θ0が決まる。レーザ光照射によりヒューズを1つずつ切断していくことにより、ノードN1と接地間の容量が4C→3C→2C→C→0と変化し、それに応じて位相をθ4→θ3→θ2→θ1→θ0と変化させることができる。そして、所望の位相調整が得られたところで、レーザ光照射によるトリミングカットを終了させればよい。
次に、位相調整回路15a、15bにおけるトリミングカットによる位相調整は、そのラインがオン状態かオフ状態かによって位相調整量を変えることができないため、第1の実施形態における位相調整回路5a、5bに比べると制約が生じる。そこで、第2の実施形態のトリミングカットによる位相調整では、例えば、GSMとDCSのいずれか一方の送信系に対して、高調波特性の最適化を行うようにすればよい。
GSMオン時とDCSオン時の高調波漏れ量について比較すると、GSMオン時の場合に、LBラインの高調波成分がHBラインに現われるクロスアイソレーションによる高調波漏れ量のうち第2高調波成分は、前述したように、HBラインの基本波周波数と重なるため低域通過フィルタ6bで減衰させることができない。一方、DCSオン時の場合、HBラインの高調波成分がLBラインに現われるクロスアイソレーションによる高調波漏れ量は第2高調波に対しても低域通過フィルタ6aで減衰させることができる。このように、高調波漏れ量はGSMオン時のほうがアンテナ9から出力される無線送信信号に多く含まれ、通信品質を劣化させる傾向があるため、位相調整回路15a、15bの位相調整は、高調波漏れ量の影響が大きなGSMオン時に対して最適化したほうが好ましい。一般に異なる複数の周波数帯の通信方式がある場合、低い周波数帯の通信方式の高調波漏れ量が問題となるので、低い周波数帯の通信方式のほうを最適化する位相調整を行うことが好ましい。
次に、GSMオン時に位相調整回路15a、15bをトリミングカット調整する手順を説明する。まず、図2の第1スイッチ7aをオン、第2スイッチ7bをオフとし、LBラインをオン状態、HBラインをオフ状態にする。そして、LBラインの出力の高調波成分を測定し、位相調整回路15aのトリミングカットを行うことで位相調整を行い、所望の高調波の減衰量が十分に取れるようにする。具体的には前述したように、位相調整回路15aのヒューズ22a〜dの切断によりノードN1と接地間のキャパシタンス調整を行う。
次に、HBラインの出力の高調波漏れ量を測定し、位相調整回路15bのトリミングカットを行うことで位相調整を行い、高調波漏れ量が所望の値以下になるようにする。具体的には前述したように、位相調整回路15bのヒューズ22a〜dの切断によりノードN1と接地間のキャパシタンス調整を行う。
以上により、GSMオン時の位相調整回路15a、15bの調整が完了する。尚、上記の方法とは別の方法として、高調波漏れ量を考慮せずに、GSMオン時の高調波の減衰量、DCSオン時の高調波の減衰量を、夫々位相調整回路15a、15bで位相調整をするようにしてもよい。
尚、第2の実施形態のトリミングカット調整は、アンテナスイッチモジュールASM(3)の製造段階で行う。ここで、アンテナスイッチモジュールASM(3)を様々な基板に搭載する際には、組み合わせて使用する電力増幅モジュールPAM(2)の電力増幅器に対する電気長などで条件が変わってくるので、各々の場合にトリミング調整の最適化を行う必要がある。但し、一旦試作段階でトリミングカット調整の設定値が決まると、量産時には、その設定値でASM(3)の製造段階でトリミングカットを行うようにすればよい。
以上説明したように、第2の実施形態に係る無線送信回路によれば、各送信系のラインに配置された位相調整回路15a、15bをトリミングカットにより位相調整することができる。これにより各送信系のラインは、オン状態の低域通過フィルタの出力の高調波成分の減衰量、或いは、オフ状態のクロスアイソレーションによる高調波漏れ量のいずれかを最適化することができるという効果が得られる。
また、位相調整回路15a、15bは、第1の実施形態の位相調整回路5a、5bのように設定パラメータによる制御は不要となり、簡易な回路構成とすることができる効果が得られる。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態について、図8を参照しながら詳細に説明する。図8は第3の実施形態に係る無線送信回路31のブロック図である。図8を図2(第1の実施形態)と比較すると分かるように、図8の無線通信回路31では、電力増幅モジュールPAM(2)に第2スイッチ10a、10bが新たに追加されている。それ以外の構成は、図2の無線送信回路1と同じであるため、同じ参照符号を付し重複する説明は省略する。
次に第3の実施形態について、図8を参照しながら詳細に説明する。図8は第3の実施形態に係る無線送信回路31のブロック図である。図8を図2(第1の実施形態)と比較すると分かるように、図8の無線通信回路31では、電力増幅モジュールPAM(2)に第2スイッチ10a、10bが新たに追加されている。それ以外の構成は、図2の無線送信回路1と同じであるため、同じ参照符号を付し重複する説明は省略する。
図8において、第2スイッチ10a、10bは夫々LBライン、HBラインにおいて電力増幅器4a、4bの出力ラインに設けられている。第2スイッチ10aがオンの場合は、電力増幅器4aの出力はPAM(2)の出力端子P1と導通し、第2スイッチ10bがオンの場合は、電力増幅器4bの出力はPAM(2)の出力端子P3と導通する。また、第2スイッチ10aがオフの場合は、電力増幅器4aの出力は接地と接続され、第2スイッチ10bがオフの場合は、電力増幅器4bの出力は接地と接続される。
GSMがオン状態(LBラインがオン、HBラインがオフ)の場合には、第2スイッチ10aはオン状態、第2スイッチ10bはオフ状態である。一方、DCS送信系がオン状態(LBラインがオフ、HBラインがオン)の場合には、第2スイッチ10aはオフ状態、第2スイッチ10bはオン状態である。このように、送信系の選択に応じて第2スイッチ10a、10bをオン/オフ制御することにより、GSM送信系が選択されている場合、第2スイッチ10bをオフすることにより、PAM(2)のLBラインからHBラインへのクロスアイソレーションによる高調波漏れがASM(3)側に伝達することを防ぐことができる。また、DCS送信系が選択されている場合、第2スイッチ10aをオフすることにより、PAM(2)のHBラインからLBラインへのクロスアイソレーションによる高調波漏れがASM(3)側に伝達することを防ぐことができる。
第2スイッチ10a、10bのオン/オフの切り替えは、PAM(2)の電力増幅器4a、4bのオン/オフと連動させることで、PAM(2)に制御信号を追加する必要は生じない。
以上説明したように、第3の実施形態に係る無線送信回路31によれば、第1の実施形態の効果に加えて、クロスアイソレーションによる高調波漏れ量をさらに抑制することができるという効果が得られる。これによりアンテナ9から送信される無線送信信号の通信品質を向上させることができる。
尚、図8の無線送信回路31の位相調整回路5a、5bを、第2の実施形態で示したトリミングカットによる位相調整回路15a、15b(図7)で置き換えて構成することもできる。この場合、第2スイッチ10a、10bによりクロスアイソレーションによる高調波漏れ量は抑制されるので、位相調整回路15a、15bにおけるトリミングカットの設定を、高調波漏れ量を考慮せずに、GSMオン時の高調波の減衰量、DCSオン時の高調波の減衰量を、夫々位相調整回路15a、15bで位相調整をするようにしてもよい。
尚、各実施形態では、GSM/DCSデュアルバンド方式で、LBラインがGSM、HBラインがDCSの場合について説明したが、それに限定されず、任意数の様々な送信系に対応したマルチバンド方式の無線回路に対して、各実施形態の開示内容を適用することができる。例えば、GSM/DCS/PCSのトリプルバンド方式に適用する場合には、GSM、DCS、PCSの送信信号を処理する3つのライン(ライン1、ライン2、ライン3とする)を有し、各ラインの電力増幅器と低域通過フィルタ間に位相調整回路を配置する。位相調整回路を可変ディレイラインで構成する場合は、ライン1の位相調整回路には、GSM/DCS/PCSの送信系の選択に応じて、Ctrl_1_GSM/Ctrl_1_DCS/Ctrl_1_PCSを設定する。また、ライン2の位相調整回路には、GSM/DCS/PCSの送信系の選択に応じて、Ctrl_2_GSM/Ctrl_2_DCS/Ctrl_2_PCSを設定する。また、ライン3の位相調整回路には、GSM/DCS/PCSの送信系の選択に応じて、Ctrl_3_GSM/Ctrl_3_DCS/Ctrl_3_PCSを設定するようにすればよい。
また、各実施形態では、送信系のみを含む無線送信回路について開示したが、送信系と受信系の両方を含む無線回路に対しても開示した内容を適用することができる。受信系を含む場合は、各送受信系の信号を送信系と受信系に分ける機能が必要となるが、例えば、特許文献1、2に開示されているように、高周波スイッチ(本発明のアンテナスイッチモジュールASMに相当)に送信系と受信系を分離する回路を追加すればよい。
尚、各実施形態で開示された無線送信回路は、様々な情報機器に搭載することで、複数の通信方式の送信系に対応した無線送信を行うことが可能な情報機器を提供することができる。
尚、各実施形態における無線送信回路を制御する処理(図4のS10〜S19;図5のS30〜S39;図6のS20〜S24)は、無線送信回路(図2の1、図8の31等)の外部の図示しない制御部にプログラムとして格納され、制御部が備えたコンピュータによって呼び出されて実行される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、或いは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。
本発明は、複数の周波数帯域を用いる無線送信回路を備えた情報機器全般に適用することができる。上記情報機器としては、携帯電話、スマートフォンに限らず、ゲーム機、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Data Assistants:携帯情報端末)、デジタルカメラなどが含まれる。
なお、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
1、31、101:無線送信回路
2:電力増幅モジュールPAM
3:アンテナスイッチモジュールASM
4a〜b:電力増幅器
5a〜b:位相調整回路(可変ディレイライン)
6a〜b:低域通過フィルタ
7a〜b:第1スイッチ
8:高周波集積回路RFIC
9:アンテナ
10a〜b:第2スイッチ
11a〜d:遅延素子D
12:マルチプレクサ
13a〜d:NOTゲート
15a〜b:位相調整回路
20、21:伝送線路
22a〜d:ヒューズ
23a〜d:コンデンサ
24a〜b:マッチング回路MAT
25a〜b:接続基準面
Ctrl_LB、Ctrl_HB、Ctrl_LB_GSM、Ctrl_HB_GSM、Ctrl_LB_DCS、Ctrl_HB_DCS:設定パラメータ
2:電力増幅モジュールPAM
3:アンテナスイッチモジュールASM
4a〜b:電力増幅器
5a〜b:位相調整回路(可変ディレイライン)
6a〜b:低域通過フィルタ
7a〜b:第1スイッチ
8:高周波集積回路RFIC
9:アンテナ
10a〜b:第2スイッチ
11a〜d:遅延素子D
12:マルチプレクサ
13a〜d:NOTゲート
15a〜b:位相調整回路
20、21:伝送線路
22a〜d:ヒューズ
23a〜d:コンデンサ
24a〜b:マッチング回路MAT
25a〜b:接続基準面
Ctrl_LB、Ctrl_HB、Ctrl_LB_GSM、Ctrl_HB_GSM、Ctrl_LB_DCS、Ctrl_HB_DCS:設定パラメータ
Claims (10)
- 複数の送信系の信号を夫々増幅する電力増幅器を有する電力増幅モジュールと、
増幅された前記複数の送信系の信号の位相を調整する位相調整回路と、前記複数の送信系の各々の周波数帯域に応じた低域通過フィルタと、前記複数の送信系を切り替える第1スイッチと、を有するアンテナスイッチモジュールと、
を備え、
前記位相調整回路は、前記低域通過フィルタの前段に配置される、ことを特徴とする無線送信回路。 - 前記位相調整回路は、前記電力増幅モジュールの前記電力増幅器と前記低域通過フィルタの間の電気長を調整することを特徴とする請求項1に記載の無線送信回路。
- 前記位相調整回路は可変ディレイラインで構成されることを特徴とする請求項2に記載の無線送信回路。
- 前記位相調整回路は複数の電気長から所望の電気長をトリミングカットにより選択可能とした、ことを特徴とする請求項2に記載の無線送信回路。
- 前記位相調整回路は、ヒューズとコンデンサを直列接続したものを、並列に複数接続した、ことを特徴とする請求項4に記載の無線送信回路。
- 前記電力増幅モジュールの各々の電力増幅器の出力ラインに、オン/オフを切り替える第2スイッチを設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の無線送信回路。
- 前記第2スイッチは、接続された前記電力増幅器のオン/オフと連動するようにオン/オフ制御されることを特徴とする請求項6に記載の無線送信回路。
- 請求項1乃至7のいずれか一に記載の無線送信回路を備えた情報機器。
- 第1及び第2の送信系を含む複数の送信系に対応し、各々の前記送信系の経路に、低域通過フィルタと、前記低域通過フィルタの前段に配置された位相調整回路と、を備えた無線送信回路の制御方法であって、
第1の送信系で無線通信を行う際に、
前記第1の送信系の経路の前記位相調整回路に第1設定値を設定し、
前記第2の送信系の経路の前記位相調整回路に第2設定値を設定するステップと、
前記第2の送信系で無線通信を行う際に、
前記第1の送信系の経路の前記位相調整回路に前記第1設定値と異なる第3設定値を設定し、
前記第2の送信系の経路の前記位相調整回路に前記第2設定値と異なる第4設定値を設定するステップと、を含むこと、を特徴とする無線送信回路の制御方法。 - 前記第1の送信系をオン状態、前記第2の送信系をオフ状態にして、前記第1の送信系の経路の出力の高調波を測定することによって前記第1設定値を算出するステップと、
前記第1の送信系をオン状態、前記第2の送信系をオフ状態にして、前記第2の送信系の経路の出力の高調波を測定することによって前記第2設定値を算出するステップと、
前記第1の送信系をオフ状態、前記第2の送信系をオン状態にして、前記第1の送信系の経路の出力の高調波を測定することによって前記第3設定値を算出するステップと、
前記第1の送信系をオフ状態、前記第2の送信系をオン状態にして、前記第2の送信系の経路の出力の高調波を測定することによって前記第4設定値を算出するステップと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の無線送信回路の制御方法。
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WO2018168603A1 (ja) * | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 株式会社村田製作所 | 高周波モジュール及び通信装置 |
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2013
- 2013-01-18 JP JP2013007355A patent/JP2014138381A/ja active Pending
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