JP2014136926A - 目荒らし施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設建築物の耐震改修をはじめ、既設コンクリート部材の強度不足を補う場合や補強構造物を新設する際、設置等の作業空間が不要な装置で簡易に凹凸状の目荒らしを形成することができ、一体化の度合いについて定量的評価が可能であり、既設コンクリート部材の外面の全ての領域を斫る必要がない、目荒らし施工方法を提供する。
【解決手段】既設コンクリート部材(コンクリート躯体10)の所定の接合面11に新たにコンクリートを増し打ちする前に、コアドリルやバキュームブラストを用いて前記既設コンクリート部材の接合面11からその内部に向かって凹む円柱状、半球状もしくは部分球面状先端部を伴う円柱状をなす、有限深さの凹部13を穿つとともに、それら凹部13を所定寸法離間させて複数形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設コンクリート部材の接合面に目荒らしを施工する目荒らし施工方法に関する。
耐震改修等、既設コンクリート部材の強度不足を補う場合や補強構造物を新設する際、既設コンクリート部材の外面の一部または全部に凹凸状の目荒らしを形成し、当該既設コンクリート部材の外面に、新たにコンクリートを打設してコンクリート部材断面の拡張を図る、もしくは、補強構造物としての新設のコンクリート部材を当該既設コンクリート部材と一体化させる必要が生じる場合がある。
通常、既設コンクリート部材と新設コンクリート部材との一体化を図る場合には、既設コンクリート部材の外面を圧縮空気を利用した電動ピック等のチッパーで斫った後、当該外面を水洗いして既設コンクリート部材の外面に骨材を露出させた目荒らしを形成する方法を採用することが多い。また、その方法として、例えば次に示すような前記凹凸状の目荒らしを形成する方法等が開示されている。
特開平7−091057号公報 特開平8−165803号公報
既設コンクリート部材の外面を圧縮空気を利用した電動ピック等のチッパーで斫った後、当該外面を水洗いした目荒らしを形成する方法では、目荒らし部分の必要面積を効率的に計測管理できないため、外面のほぼ全ての面を斫る等かなり余分に目荒らしを行うことになる他、新旧コンクリートの一体化について、その度合いを定量的に評価することが難しかった。また、この目荒らし方法は、入念な施工管理を要し、明確な形状寸法を有しているわけではないので、十分な経験と知識とを有する技術者が目荒らしの形成状況の目視確認を行わなければ、施工不良による強度不足が懸念される。
次に、前記特許文献1によれば、凹凸状の目荒らしについて形状寸法が比較的明確になるものの、この技術は、コンクリート構造物を段階的に構築する場合、すなわち、コンクリート打設を複数回に分けて行う、施工技術に係るものであって、目荒らしの形成を既設コンクリートの打設時に済ませておく必要がある。
前記特許文献2は、劣化した既設鉄筋コンクリート梁に対して、引張鉄筋に替えて引張補強鋼材で補修するため、ワイヤーソーを用いてコンクリート梁の引張側断面を鉄筋とともに除去し、新たに付加する引張補強鋼材との接合面にせん断キーを設ける技術に関するものであるが、対象とする構造物が、ワイヤーソーを設置可能な作業空間を有する橋梁等の構造物に限られ、さらに、目荒らしの形成も上記方法に比べれば効率的ではあるものの、ワイヤーソーという比較的大がかりな装置を必要とする。
本発明の目的は、上記の技術課題に対して、既存建築物の耐震改修をはじめ、既設コンクリート部材の強度不足を補う場合や補強構造物を新設する際、設置等の作業空間が不要な装置で簡易に凹凸状の目荒らしを形成することができ、一体化の度合いについて定量的評価が可能であって、既設コンクリートの外面の全ての領域を斫る必要のない目荒らし施工方法を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、既設コンクリート部材の所定の接合面に新たにコンクリートを増し打ちする場合の前処理として、それら新旧コンクリートどうしを接合するための凹凸状の目荒らしを既設コンクリート部材の接合面に施工する目荒らし施工方法である。
前記前提における本発明の第1の特徴は、前記目荒らしが既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって凹む円柱状の凹部であり、前記目荒らし施工方法がコアドリルを利用して既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって既設コンクリートを穿つことでそれら有限深さの凹部を作るとともに、それら凹部を所定寸法離間して複数形成することにある。
前記前提における本発明の第2の特徴は、前記目荒らしが既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって凹む半球状もしくは部分球面状先端部を伴う円柱状の凹部であり、目荒らし施工方法がバキュームブラストを利用して既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって既設コンクリートを穿つことでそれら有限深さの凹部を作るとともに、それら凹部を所定寸法離間して複数形成することにある。
前記目荒らし施工方法では、隣接するそれら凹部の離間寸法ならびに凹部と既設コンクリート部材の端縁との間の離間寸法を凹部の直径の3分の1以上であって凹部の直径の5倍以下にする。
前記目荒らし施工方法では、凹部の接合面からの最大深さ寸法を凹部の直径の10分の1以上であって凹部の直径の1.5倍以下にする。
前記目荒らし施工方法では、新たに増し打ちするコンクリートの強度が既設コンクリートのそれと同等以上である。
前記第1の特徴を有する本発明によれば、有限深さの円柱状凹部を所定寸法離間して複数形成する目荒らし施工方法であることから、既設コンクリートの接合面の全域にわたって目荒らしを形成する必要はなく、コアドリルを利用して、設計条件からあらかじめ必要な個数のみ円柱状の目荒らしを形成すれば、既設コンクリート部材を新設コンクリートによって補強する場合に、新旧コンクリートの一体化を図るための接合面を確実に作ることができる。また、この目荒らし施工方法は、大がかりな装置を必要とせず、作業空間が不要なコアドリルを利用して簡易に凹凸状の目荒らしを形成することができる。
前記第2の特徴を有する本発明によれば、有限深さの半球状もしくは部分球面状先端部を伴う円柱状凹部を所定寸法離間して複数形成する目荒らし施工方法であることから、既設コンクリートの接合面の全域にわたって目荒らしを形成する必要はなく、作業性に優れたバキュームブラストを利用して、設計条件からあらかじめ必要な個数のみの半球状もしくは部分球面状先端部を伴う略円柱状の目荒らしを効率的に多数形成することが可能であることに加え、新旧コンクリートの一体化を図るための接合面を容易に作ることができる。
本発明に係る目荒らし施工方法では、隣接するそれら凹部どうしの離間寸法ならびに凹部と既設コンクリート部材の端縁との間の離間寸法を凹部の直径の3分の1以上であって凹部の直径の5倍以下とし、新旧コンクリート接合面で負担すべきせん断力に対して、目荒らしを形成する各凹部が隣接する他の凹部もしくは既設コンクリート部材の接合面の端縁との離間距離を十分に確保することで、各凹部の側面の支圧抵抗面積やへりあきせん断に対する有効投影面積を確保することができる。
本発明に係る目荒らし施工方法では、凹部の接合面からの最大深さ寸法を凹部の直径の10分の1以上であって凹部の直径の1.5倍以下とし、目荒らしを形成する各凹部において、新たに打ち増しされたコンクリートで形成される各凸部が前記各凹部と確実に坩合されることで、せん断力による新旧コンクリートの位置ずれを防ぐことができる。また、この目荒らし施工方法は、必要以上に深い凹部を形成することによる目荒らし作業の無駄を省くとともに、凹部を穿つ目荒らし作業の手間と時間とを省くことで、目荒らし作業の工期を短縮することができる。
本発明に係る目荒らし施工方法では、新たに増し打ちするコンクリートの強度が既設コンクリートのそれと同等以上であるから、新たに打ち増しされたコンクリートに既設コンクリートが負担する以上の強度を負担させることができ、既設コンクリート部材を確実に補強することができる。
さらに、本発明に係る目荒らし施工方法によれば、目荒しの形状寸法および個数が明確になり、設計条件に対して、例えば、後述するような、せん断耐荷力式等による一体化した新旧コンクリートの接合度合いの定量的評価が可能になる。
一例として示す凹部が形成されたコンクリート躯体の斜視図。 コンクリート躯体にコンクリートを増し打ちしたときのそれらの斜視図。 目荒らし施工方法で使用するコアドリルの一例を示す斜視図。 目荒らし施工方法で使用するバキュームブラストの一例を示す斜視図。 図1のコンクリート躯体の接合面の平面図。 図2のA−A線矢視断面図。 他の一例として示す凹部が形成されたコンクリート躯体の接合面の平面図。 図7のコンクリート躯体の図6と同様の矢視断面図。
一例として示す凹部13が形成されたコンクリート躯体10の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる目荒らし施工方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、コンクリート躯体10にコンクリート12を増し打ちしたときのそれらの斜視図であり、図3は、目荒らし施工方法で使用するコアドリル14の一例を示す斜視図である。図4は、目荒らし施工方法で使用するバキュームブラスト30の一例を示す斜視図であり、図5は、図1のコンクリート躯体10の接合面11の平面図である。図6は、図2のA−A線矢視断面図である。本実施の形態は、位置決めが比較的容易な格子状配列の目荒らしを形成した例である。
図5ならびに図6では、説明の便宜上、コンクリート躯体10(既設コンクリート部材)やコンクリート12(新たなコンクリート)を角柱状の概念図として図示しているが、実際には、コンクリート躯体やそこに増し打ちするコンクリートの形状は各建造物の耐震補強を施す箇所の各種形状に合致したものであり、角柱状に限定するものではない。
本発明による目荒らしの施工は、たとえば、建造物の外壁や床からモルタルを斫って(切削して)コンクリート躯体10(既設コンクリート部材)の外面を露出させた後、その躯体10の耐震補強またはその躯体10にコンクリート12(新設コンクリート)を新たに増築する場合の前処理として、躯体10の外面(接合面11)に新たにコンクリート12を増し打ち(接合)し、既設躯体10と新設コンクリート12とを一体化させるために実施される。
また、本発明による目荒らしの施工は、既設建造物の外壁の打ちっ放しのコンクリート躯体10の耐震補強またはその躯体10にコンクリート12(新設コンクリート)を新たに増築する場合の前処理としても同様に実施される。
この目荒らし施工方法について、コンクリート躯体10にコンクリート12を増し打ちする場合を例に挙げて説明する。まず、図3に示すコアドリル14や図4に示すバキュームブラスト30を利用してコンクリート躯体10の接合面11に目荒らしを形成した後、躯体10の回りに型枠(図示せず)を施工し、その型枠内にコンクリート12を打設する。打設したコンクリート12を所定期間養生した後、型枠を外すことで、コンクリート躯体10がコンクリート12によって増し打ちされ、コンクリート躯体10の耐震補強が完成する。
目荒らしの施工に先立ち、コンクリート躯体10の接合面11に形成する凹部13(目荒らし)の位置決め(墨入れ)を行って、事前に凹部13の穿孔箇所を決めておく。これと同時に、間接接合部として用いるアンカー筋の位置も同時に決定することができる(通常の目荒らしの場合では、目荒らしの後、あらためてアンカー筋の位置決め(墨入れ)を行う)。図1のコンクリート躯体10の接合面11には躯体10の接合面11とそれに増し打ちされたコンクリート12との間に作用するせん断力を負担すべく、所定寸法離間して並ぶ3個の凹部13が形成され、前記せん断力がいかなる方向へ作用したとしても、最低限必要な離間寸法が確保されるように凹部13が形成されている。なお、凹部13の個数は、耐震補強をするコンクリート躯体10の設計基準強度や面積、増し打ちするコンクリート12の強度や厚み寸法等による構造計算によって事前に求められる。
接合面11における凹部13の穿孔箇所の位置決めを行った後、図3に示すように、コアドリル14を利用してコンクリート躯体10の接合面11からその内部(深さ方向)に向かって躯体10を穿つ(穿孔する)ことで有限深さの複数の凹部13を作る。コアドリル14によって接合面11に形成されたそれら凹部13は、コンクリート躯体10の接合面11からその内部に向かって直状に凹む円柱状を呈する。それら凹部13は、コンクリート躯体10の接合面11の側に位置する円形の開口部分15と躯体10の内部に位置する円形の底部分16とを有する。
また、接合面11における凹部13の穿孔箇所の位置決めを行った後、図4に示すように、バキュームブラスト30を利用してコンクリート躯体10の接合面11からその内部(深さ方向)に向かって躯体10を穿つ(穿孔する)ことによっても、有限深さの複数の凹部13を作ることができる。バキュームブラスト30によって接合面11に形成されたそれら凹部13は、コンクリート躯体10の接合面11からその内部に向かって凹む半球状もしくは部分球面状先端部を伴う円柱状を呈する。それら凹部13は、接合面11の側に位置する円形の開口部分15と躯体10の内部に位置する底部分16とを有する。
バキュームブラスト30は、ノズル本体31と研削材噴射管32と目荒らし屑・研削材回収管33とを有し、それら管32,33がバキュームブラスト車(図示せず)に接続されている。バキュームブラスト30とは、アルミナ製の細かい金属片状の研削材34を高圧の圧縮空気とともにノズルから噴射してコンクリート表面を削り取る装置である。バキュームブラスト30を利用する目荒し施工では、ノズルの吹出し口をコンクリート躯体10の接合面11の所定の箇所に当てて、数十秒間静止させた状態で研削材34を噴射させることによって、凹凸状の凹部13(目荒らし)を形成する。
図5に示す実施例では、それら凹部13が横方向へ延びる仮想直線S1と平行に等間隔で直線状に配置され、それら凹部13が縦方向へ延びる仮想直線S2と平行に等間隔で直線状に配置されている。この実施例では、コンクリート躯体10の接合面11の端縁17と凹部13の中心点との間の離間寸法L1が凹部13の直径φの略1倍(L1≒φ)の場合を表している。また、その他のいずれの端縁18〜20に対しても、凹部13との離間寸法L1を同等としている。
本発明の目荒らしの形状は、軸対象回転図形を基本としており、端縁17〜20から凹部13(目荒らし)までの離間寸法L1は、当該凹部13(目荒らし)の中心点から端縁17〜20までの距離が最小となる方向(図5に示すL1)と、コンクリート躯体10の接合面11に作用するせん断力の作用方向とが一致する場合に、耐震補強が完了した躯体10の接合度合いが最も影響を受ける。すなわち、凹部13(目荒らし)の端縁17〜20に対する離間寸法L1を所定寸法以上確保する必要がある。本発明では、凹部13(目荒らし)の側面の支圧抵抗面積やへりあきせん断に対する有効投影面積を確保できるよう、凹部13と端縁17〜20との離間寸法L1を凹部13の直径φの3分の1以上(φ/3≦L1)とする。ただし、新旧コンクリートの一体化を図るためには、接合面11の全体に均一に配置するのが望ましく、接合面11の全面積に対して少なくとも5%以上の凹部目荒らし面積を確保するよう、凹部13の直径φの5倍以下(L1≦5φ)にする。すなわち、本発明の目荒らし施工方法では、凹部13と端縁17〜20との最小離間寸法について、φ/3≦L1≦5φの条件を満たすように凹部目荒らしを配置することが望ましい。
コンクリート躯体10の接合面11に形成される凹部13について、図5に示す実施例では、隣接する2個の凹部13どうしの各中心点を結ぶ離間寸法L2が凹部13の直径φの略5倍(L2≒5φ)であり、その他、離間寸法L3が凹部13の直径φの略3倍(L3≒3φ)、離間寸法L4が凹部13の直径φの略6倍(L4≒6φ)の場合を表している。
前述のとおり、軸対象回転図形を基本としており、隣接する2個の凹部13(目荒らし)の各中心点を結ぶ直線の方向と、コンクリート躯体10の接合面11に作用するせん断力の作用方向とが一致する場合、耐震補強が完了した躯体10の接合度合いが最も影響を受ける。すなわち、隣接する2個の凹部13(目荒らし)の中心点の最小離間寸法(本実施例ではL3)を所定寸法以上確保する必要がある。端縁と凹部との離間寸法について前述したと同様の理由から、本発明では、凹部13(目荒らし)の側面の支圧抵抗を十分に確保できるよう、凹部13どうしの最小離間寸法L3を凹部13の直径φの3分の1以上(φ/3≦L3)、かつ、凹部13の直径φの5倍以下(L3≦5φ)にする。すなわち、本発明の目荒らし施工方法では、凹部13どうしの最小離間寸法についって、φ/3≦L3≦5φの条件を満たすように凹部目荒らしを配置することが望ましい。
図5の実施例における深さ方向について図6に示すが、各凹部13の開口部分15から底部分16までの深さ寸法L5は、凹部13の直径φの略1倍(L5≒φ)としている。本発明の目荒らし施工方法では、凹部13の深さ寸法L5を凹部13の直径φの10分の1以上(φ/10≦L5)であって凹部13の直径φの1.5倍以下(L5≦1.5φ)、すなわち、φ/10≦L5≦1.5φの条件を満たすものとする。この条件下であれば、接合面11に形成された各凹部13の深さ寸法L5は必ずしも同一である必要はない。
コンクリート躯体10の接合面11にそれら凹部13を作った後、躯体10の外側に型枠を組み、型枠内にコンクリート12を打設する。型枠内にコンクリート12を打設すると、コンクリート12が凹部13全域に進入する。本発明の目荒らし施工方法では、既設躯体10のコンクリート強度が例えば10〜15N/mであった場合、それと同等以上の強度(例えば、30〜35N/m等)を有する新設コンクリート12を打設、所定期間養生後の脱枠により、コンクリート12の増し打ち(耐震補強)が完了する。
図5ならびに図6の実施例では、各端縁17〜20と凹部13との間の離間寸法L1や隣接する凹部13どうしの最小離間寸法L3について、凹部13の直径φに対する条件をφ/3≦L1(L3)≦5φとしており、コンクリート躯体10(旧コンクリート)とコンクリート12(新コンクリート)との接合面11で躯体10を余分に斫ることなく必要箇所のみの凹部形成によって、経済性に配慮した目荒らし施工が可能となるだけでなく、十分な一体化接合が図られる。
また、同実施例では、凹部13の接合面11からの最大深さ寸法L5を凹部13の直径φに対して、φ/10≦L5≦1.5φとしており、目荒らしを形成する各凹部13において、新たに打ち増しされたコンクリート12で形成される各凸部が前記各凹部13と確実に坩合されることで、せん断力によるコンクリート躯体10とコンクリート12との位置ずれを防ぐことができるだけでなく、凹部13を必要な深さだけ形成することで目荒らし作業の手間と時間とを省くことができ、目荒らし作業の工期短縮が図られる。
さらに、同実施例では、新たに増し打ちするコンクリート12の強度がコンクリート躯体10のそれと同等以上であるから、新旧コンクリートの接合によって躯体10を確実に補強することができる。
同実施例で、コアドリル14を利用した場合には、コンクリート躯体10の接合面11からその内部に向かって躯体10を穿つことで、有限深さの円柱状の凹部13を所定寸法離間して複数形成でき、設計条件からあらかじめ必要な個数のみの目荒らし(凹部13)を形成すれば、躯体10とコンクリート12との一体化の度合いについて定量的評価が可能であって、躯体10を新設コンクリート12によって補強することが可能なコンクリート接合面を確実に作ることができる。
一方、同実施例でバキュームブラスト30を利用した場合には、コンクリート躯体10の接合面11からその内部に向かって躯体10を穿つことで有限深さの半球状や部分球面状先端部の凹部13を所定寸法離間して複数形成することが一層効率的に行えることから、作業性に優れたバキュームブラスト30を利用して、設計条件からあらかじめ必要な個数のみの目荒らしを形成すれば、躯体10とコンクリート12との一体化の度合いについて定量的評価が可能であって、躯体10を新設コンクリート12によって補強することが可能なコンクリート接合面を容易に作ることができる。同実施例の場合、大がかりな装置を必要とせず、作業空間が不要なコアドリル14や作業性に優れたバキュームブラスト30を利用して簡易に凹凸状の目荒らしを形成することができる。
図7は、他の一例として示す凹部13が形成されたコンクリート躯体10の平面図であり、図8は、図7のコンクリート躯体10の図6と同様の矢視断面図である。図7,8のコンクリート躯体10の接合面11には、各凹部13が隣接する他のいずれの凹部13に対しても、同一離間寸法L2を確保することができるよう、正三角形配列を基本として交互に形成されている。
また、本実施例では、コンクリート躯体10の接合面11の端縁17〜20と凹部13との間の離間寸法L1が凹部13の直径φの略3倍(L1≒3φ)、隣接する2個の凹部13どうしの各中心点を結ぶ離間寸法L2は、凹部13の直径φの略3倍(L2≒3φ)の場合を表示しているが、当該各離間寸法は、図5,6の実施例と同様に、φ/3≦L1(L2)≦5φの条件を満たせばよい。
それら凹部13の形成方法は、前記図4ならびに図5に例示した格子状配列の場合と同等であるが、本実施例は、コンクリート躯体10とコンクリート12とを一体化する際、その接合面で負担すべきせん断力が比較的大きく、目荒らしの個数が構造計算上多くなる場合に、隣接する各凹部13の離間寸法L2を十分に確保できる配列方法として有効である。
本実施例における各凹部13の開口部分15から底部分16までの最大深さ寸法L5が凹部13の直径φの略1.5倍(L5≒1.5φ)の場合を図8に表示しているが、図5,6の実施例と同様に、φ/10≦L5≦1.5φの条件を満たせばよい。なお、接合面11に形成されたそれら凹部13の深さ寸法L5は同一であるが、深さ寸法L5が異なっていてもよい。図7,8の実施例における目荒らし施工方法は、図5,6の実施例の目荒らし施工方法の効果と同様の効果を有する。
本発明の目荒らし施工方法では、一体化したコンクリート躯体10とコンクリート12との接合度合いについて、例えば、下記に示す望月らのせん断耐荷力式を用いて、新旧コンクリート接合面のせん断耐力Quを定量的に評価することが可能になる。すなわち、次式の第1項で、本発明の凹部13(目荒らし)の形状寸法や個数等の諸元を代入することで、躯体10の接合面11に作用するせん断力に対する評価が可能となり、さらに、軸圧縮力が作用する場合に第4項を考慮することができ、接合面11を交差する鉄筋を有する場合には、第2および第3項を考慮することができる。
Figure 2014136926
10 コンクリート躯体(既設コンクリート部材)
11 接合面
12 コンクリート(新たなコンクリート)
13 凹部(目荒らし)
14 コアドリル
15 開口部分
16 底部分
17〜20 端縁
30 バキュームブラスト
31 ノズル本体
32 研削材噴射管
33 目荒らし屑・研削材回収管
L1 端縁と凹部との離間寸法
L2〜L4 隣接する凹部どうしの離間寸法
L5 凹部の深さ寸法

Claims (5)

  1. 既設コンクリート部材の所定の接合面に新たにコンクリートを増し打ちする場合の前処理として、それら新旧コンクリートどうしの接合度合いを強化するための凹凸状の目荒らしを前記既設コンクリート部材の接合面に施工する目荒らし施工方法において、
    前記目荒らしが、前記既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって凹む円柱状の凹部であり、前記目荒らし施工方法が、コアドリルを利用して前記既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって既設コンクリートを穿つことでそれら有限深さの凹部を作るとともに、それら凹部を所定寸法離間して複数形成することを特徴とする目荒らし施工方法。
  2. 既設コンクリート部材の所定の接合面に新たにコンクリートを増し打ちする場合の前処理として、それら新旧コンクリートどうしの接合度合いを強化するための凹凸状の目荒らしを前記既設コンクリート部材の接合面に施工する目荒らし施工方法において、
    前記目荒らしが、前記既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって凹む半球状もしくは部分球面状先端部を伴う円柱状の凹部であり、前記目荒らし施工方法が、バキュームブラストを利用して前記既設コンクリート部材の接合面からその内部に向かって既設コンクリートを穿つことでそれら有限深さの凹部を作るとともに、それら凹部を所定寸法離間して複数形成することを特徴とする目荒らし施工方法。
  3. 前記目荒らし施工方法では、隣接するそれら凹部の離間寸法ならびに前記凹部と前記既設コンクリート部材の端縁との間の離間寸法を該凹部の直径の3分の1以上であって該凹部の直径の5倍以下にする請求項1または請求項2に記載の目荒らし施工方法。
  4. 前記目荒らし施工方法では、前記凹部の前記接合面からの最大深さ寸法を該凹部の直径の10分の1以上であって該凹部の直径の1.5倍以下にする請求項1ないし請求項3いずれかに記載の目荒らし施工方法。
  5. 前記目荒らし施工方法では、前記新たに増し打ちするコンクリートの強度が前記既設コンクリートのそれと同等以上である請求項1ないし請求項4いずれかに記載の目荒らし施工方法。
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