以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において同一の符号が付された部分は実質的に同一の機能を有している。また、発明の明確化のため重複部分は適宜説明が省略されている。
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係るポインティングデバイス100の外観図と六面図をそれぞれ示している。図3及び図4は、ポインティングデバイス100のA−A断面図とB−B断面図をそれぞれ示している。本実施形態1に係るポインティングデバイス100は、筐体として底面101、上面102、左側面103、右側面104、後方側面105、前方側面106、傾斜面107の7つの面を少なくとも有する。後述するように、上面102は、タッチセンサとして機能する。
底面101は、長辺の長さが40mm〜100mm、短辺の長さが10mm〜40mmである長方形形状の平面である。底面101の中央付近、すなわち、底面における2つの対角線の交点を含む領域には、光学読み取り用の開口108が設けられている。また、底面101にはポインティングデバイス100の電源のON−OFFを行う電源スイッチ109が設けられている。電源スイッチ109をONにすることで、ポインティングデバイス100内に配置された電池と各ユニットとが通電し、各ユニットに電力が供給される。なお、電源スイッチ109は、左側面103、右側面104、後方側面105、前方側面106のいずれかに配置される構成であっても良い。但し、左側面103及び右側面104は把持面としてユーザの親指及び薬指と接触する側面であり、前方側面106はユーザが入力操作を行う際に触れうる側面であるため、電源スイッチ109は、底面101又は後方側面105に配置されていることが好ましい。
上面102は、底面101と5mm〜30mmの間隔で略平行に対向する平面である。図1において上面102は、略長方形形状の平面であり、長辺の長さは、底面101と同様40mm〜100mmの長さであるのに対し、短辺の長さは、底面101における短辺の長さよりも短く、9mm〜36mmである。上面102の第1の短辺は左側面103に接続され、第2の短辺は右側面104に接続され、第1の長辺は後方側面105に接続され、第2の長辺は傾斜面107に接続されている。
後述するように、傾斜面107に設置されるボタン111、112は、上面102の一部の領域にまたがった状態で配置されている。ここで、上面102が完全な平面である場合は、ボタン111、112が有する厚みのために、上面102に跨ったボタン部分が上面からでっぱりとして残ってしまう。後述するように上面102は、タッチセンサとしてスクロール操作に用いられるため、ボタン111、112が上面102から上方に突き出していると、このボタン部分にスクロール操作を行う指がぶつかってしまい、スクロール操作中にボタンの出っ張り部分にぶつかって誤ってボタンを押下してしまうと言った事象が発生し、操作性の低下に繋がる。
そこで、上面102には、当該上面102に跨るボタン部分を収納し、上面102よりボタン111,112の厚み分出っ張ることがないように、所定の高さの窪み部(切欠き部)110が設けられている。
図5〜7は、それぞれ主ボタン111と副ボタン112を取り外した状態のポインティングデバイス100の外観図、平面図、B−B断面図を示している。図5〜7に示すように、上面102の前方部分には、ボタン111、112の厚みよりも大きい高さの窪み部110が設けられており、当該窪み110の部分にボタン111と112において上面102に跨る部分が嵌まることで、上面102とボタン111、112の表面の高さがほぼ一定となるように構成されている。
ボタン111、112の厚みは0.2mm〜2mm程度あるため、窪み部110の段差の高さZはボタン押下時の押し込み幅も加えて0.5mm〜5mm程度に設定される。窪み部110の横の長さXは、2つのボタン111、112が収まる長さに設定される。デバイス本体100の長手方向の長さにも依存するが、2つのボタンは操作性の観点からそれぞれ横の長さが10mm〜40mmに設定されるため、当該窪み部110の横の長さXもこれに対応して20mm〜80mmの間に設定される。なお、上面102全体の長手方向(横方向)の長さに対応する窪み部110の横の長さXの割合は20%〜90%に対応し、より好ましくは、40%〜80%、更に好ましくは50%〜70%に設定される。
また、上面102におけるボタン111の後方部分はタッチセンサとして機能するため、窪み部分の縦の長さYが長くなると、その分だけタッチセンサとして機能する領域が狭くなることになる。従って、窪み部110の縦の長さYは、上面102全体の縦の長さの50%以下に設定されていることが好ましく、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下に設定されていることが好ましい。すなわち、窪み部110の縦の長さYは、1mm〜5mmの長さに設定されていることが好ましい。
ここで、ボタン111、112が押下された場合に,ボタン111、112における上面部部分が窪み部110の段差面とぶつかってボタン111、112を十分に押下できないことを防止するため、0.2mm〜2mm程度の間隔の隙間が設けられている。
ポインティングデバイス100は、長手方向の両端の面、すなわち図1において左側面103と右側面104を把持面とし、ユーザは、親指と薬指又は親指と小指で両側からこれら2つの把持面を挟み込んで筐体を保持した状態でポインティングデバイス100を操作する。
左側面103は、底面101の第1の短辺側に、当該底面101に対して略垂直に立設され、右側面104は、底面101の第2の短辺側に、当該底面101に対して略垂直に立設されている。従って、左側面103と右側面104は、お互い略平行に対向している。
後方側面105は、底面101の第1の長辺側に、当該底面101に対して略垂直に立設され、前方側面106は、底面101の第2の長辺側に、当該底面101に対して略垂直に立設されている。従って、後方側面105と前方側面106は、お互い略平行に対向している。
後方側面105は、底面101と上面102とに接続されており、長辺(横辺)の長さが40mm〜100mm、短辺(縦辺)の長さ(高さ)が3mm〜30mmである長方形形状の平面である。前方側面106は、底面101と傾斜面107とに接続されており、長辺(横辺)の長さが40mm〜100mm、短辺(縦辺)の長さ(高さ)が2.5mm〜25mmである長方形形状の平面である。前方側面106は傾斜面107を介して上面102に接続されるため、後方側面105よりも高さ(縦辺の長さ)が低く(短く)設計されている。
図1〜図7に示すポインティングデバイス100では、ボタン111、112の一部は、前方側面106にも跨る形で構成されており、上面102と同様、前方側面106の上方部分の一部に窪み部(切欠き部)113が設けられている。窪み部113は、窪み部110と同様、段差の高さはボタン押下時の押し込み幅も加えて0.5mm〜5mm程度に設定される。窪み部113の横の長さは、2つのボタン111、112が収まる長さに設定される。デバイス本体100の長手方向の長さにも依存するが、2つのボタンは操作性の観点からそれぞれ横の長さが10mm〜40mmに設定されるため、当該窪み部113の横の長さXもこれに対応して20mm〜80mmの間に設定される。なお、前方側面106全体の長手方向(横方向)の長さに対応する窪み部113の横の長さXの割合は20%〜90%に対応し、より好ましくは、40%〜80%、更に好ましくは50%〜70%に設定される。
窪み部113の縦の長さYは、前方側面106全体の縦の長さの80%以下に設定されていることが好ましく、より好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下に設定されていることが好ましい。前方側面106の縦の長さYは、傾斜面107の大きさや傾斜角にも依存するが、窪み部113の縦の長さYは、1mm〜15mmの長さに設定されていることが好ましい。
ここで、ボタン111、112が押下された場合に,ボタン111、112における側面部が窪み部113の段差面とぶつかってボタン111、112を十分に押下できないことを防止するため、0.2mm〜2mm程度の間隔の隙間が設けられている。
後方側面105には、電気端子114が設けられている。電気端子114は、内部電池を充電するための充電端子として、また、外部コンピュータとケーブル接続して通信を行うための端子として使用される。電気端子114としては、例えばUSB端子(Universal Serial Bus)端子や、FireWire端子などとすると充電及び通信を同時に行えるため良好である。なお、電気端子114は、後方側面105ではなく前方側面106や左側面103、右側面104に配置される構成であっても良い。但し、左側面103や右側面104は把持面として用いられるため、操作の邪魔にならないよう後方側面105に配置されていることが好ましい。
傾斜面107は、上面101と前方側面106の間に設けられた所定の傾斜角θを有する平面である。上面102と傾斜面107が作る角度である傾斜角θは、105度≦θ≦165度の間に設定され、より好ましくは、120度≦θ≦150度に設定される。図1に示すポインティングデバイス100では、傾斜角θ=135度に設定されている。このように、傾斜面107は、上面101と前方側面106とを接続する直方形形状の斜面である。当該傾斜面107には、主ボタン111と副ボタン112とが並んだ状態で配置されている。
傾斜面107においても、上面102における窪み部110と同様、主ボタン111と副ボタン112が配置される部分に段差が設けられ、ボタンが配置されていない部分の傾斜面107表面とボタン111、112における傾斜面部111c、112cの表面の高さが同一になるように設計されていても良い。この場合の段差の高さは、ボタン111、112の厚みやボタン押下のための余りを含めて0.5mm〜5mm程度に設定されている。
以上のように、ポインティングデバイス100は底面101〜傾斜面107までの7つの面を少なくとも有する。各面は、例えば0.3mm〜3mm程度の厚みを有する樹脂や金属などで構成される。
主ボタン111は、所謂左クリック操作を受ける第1のボタンであり、決定の入力を行うためのボタンである。副ボタン112は、所謂右クリック操作を受ける第2のボタンであり、メニュー画面等の補助画面を開くためのボタンである。主ボタン111が押下された場合に、主ボタンが押下されたことを示す信号がデバイス内部の情報処理ユニットに送られる。また、副ボタン112が押下された場合に、副ボタンが押下されたことを示す信号がデバイス内部の情報処理ユニットに送られる。
主ボタン111及び副ボタン112は、それぞれ付勢された状態で配置されているため、ユーザが指をボタンから話すことで、これらのボタンが引き上げられる。
主ボタン111及び副ボタン112は、上面102、傾斜面107、前方側面106の3つの面に跨る形で配置されている。これらのボタンの横幅の長さは、デバイス100の長手方向の長さにも依存するが、ここでは10mm〜40mmに設定される。
主ボタン111と副ボタン112も、厚さ0.3mm〜3mm程度の厚みを有する樹脂または金属で構成される。ボタン111、112の裏側にはマイクロスイッチ111d、112dが配置されており、主ボタン111、副ボタン112が押下されることでマイクロスイッチ111d、112dが押し込まれ、ボタン基盤115で電気信号に変換される。
その他、ポインティングデバイス100の内部には、移動検出ユニット116と、タッチセンサ117と、情報処理ユニット118と、無線通信ユニット119と、バッテリ120と、が配置されている。情報処理ユニット118は、外部バスを介して他ユニットと接続されている。
バッテリ120は、ポインティングデバイス100内に配置されている各ユニットに対して電力を供給する。バッテリ120は、充電が可能な二次電池であり、電気端子114を介して外部電源に接続されている場合に充電される。バッテリ120は、ポインティングデバイス100内に配置されている各部品の中で最も重い部品である。バッテリ120がポインティングデバイス100内において左右前後のいずれかの偏った場所に配置されているとポインティングデバイス100の重心が偏ってしまい、操作性が低下する。そこで、バッテリ120は、XY平面におけるその重心がポインティングデバイス100のXY平面における中央付近に来るようにポインティングデバイス内部に配置される。なお、図3に例示する本実施の形態1に係るポインティングデバイス100においては、略同一形状のバッテリの2つが左右前後対称な位置関係で配置されることで、当該複数のバッテリ120全体についての重心の位置がポインティングデバイス100の中央付近、すなわち、底面101に設けられた開口108の上方に来るように設計されている。
移動検出ユニット116は、ポインティングデバイス100本体の移動を検出するユニットである。移動検出ユニット116は、光源ランプ116aと、レンズ116bと、イメージセンサ116cと、画像情報処理プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)116dと、を含んで構成される。
光源ランプ116aは、バッテリ120から供給される電力を光に変換して放出する光源であり、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光体である。光源ランプ116aより放出された光が底面101に設けられた開口108を通ってポインティングデバイス100を載置している机等の接触面を照らす。なお、開口108は、当該光を通過させるための開口であり、物理的な開口が底面101に設けられている必要はなく、底面101を構成する樹脂に設けられた透明部分などが開口108に該当する。
レンズ116bは、光源ランプ116aが照射する机等の接触面からの反射光を集光する。イメージセンサ116cは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)と言った固体撮像素子であり、レンズ116bで集光された反射光をマトリクス配列された素子で検知して電荷に変換することで、接触面の二次元画像データを取得する。
DSP116dは、イメージセンサ111cで取得された二次元画像データを時系列で比較する処理を行うことで、ポインティングデバイス100の移動ベクトルを算出し、当該算出した移動ベクトルを情報処理ユニット118へ出力する。
タッチセンサ117は、上面102部分に配置されており、ユーザからの接触操作を感知する。タッチセンサ117としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式、超音波式など様々なセンサ方式を用いることが可能である。
抵抗膜方式タッチセンサは、透明電極膜を形成させたフィルムとガラスとをドットスペーサを用いて所定の間隔離れた状態で貼りあわせた構造を有し、ユーザが上面102を押下することで電極同士が接触し、電流が流れる。当該電流を検知することでユーザが押下した位置を検知する。静電容量方式タッチセンサは、誘電体であるフロントパネルの背面に設置された駆動電極に電圧を印加することでパネル全面に電界を加えておき、指でタッチすることで生じる静電容量の変化を検知することで、ユーザが押下した位置を検知する。
本実施の形態1では、タッチセンサ117は、投影型静電容量方式であるとして説明する。タッチセンサ117は、上面102を構成する保護カバーと、電極パターン層と、ガラス基盤とが積層された構造であり、電極パターン層に含まれるxy方向の透明電極パターン層でそれぞれ検知される静電容量の変化を検知する。電極パターン層に配置された電極で検知された電圧の変化をAD変換器でデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号をタッチセンサ117における感知結果として情報処理ユニット118へ出力する。
タッチセンサ117は、ユーザからのスクロール操作を捕捉するためのセンサである。当該スクロール操作は、通常、ポインティングデバイスに設置されたスクロールホイールを前後に回転させることで行われる動作であり、通常人差し指を前後に動かすことで行われる。当該操作との親和性を高めるため、本願のポインティングデバイス100においても人差し指をタッチセンサ117上で前後に移動する動作を捕捉できるよう、タッチセンサ117は、上面102において、人差し指で押下する左クリックに対応する主ボタン111の後方部分に配置されている。このように、タッチセンサ117は、上面102における主ボタン111の後方部分を感知領域117aとしてユーザの指の接触動作を感知する。
情報処理ユニット118は、他ユニットより信号を入力し、所定の情報処理を行う。情報処理ユニット118は、プロセッサ、ROM、RAMなどで構成される。当該プロセッサは、他ユニットから出力された各種情報を入力し、ROMに記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、処理後の情報を他ユニットへ出力する。RAMは、プロセッサで行われる処理に必要となるプログラムやデータを一次的に記憶しておくメモリである。
情報処理ユニット118は、移動検出ユニット116のDSP116dより出力された移動ベクトルを入力する。情報処理ユニット118は、当該移動ベクトルに基づいて移動情報を生成し、無線通信ユニット119へ出力する。当該移動情報には、移動検出ユニット116で検出されたデバイス本体の移動方向及び移動量に関する情報が含まれる。
また、情報処理ユニット118のプロセッサは、タッチセンサ117における感知結果である信号を入力し、ユーザからの所定の操作が入力されたかを判定する。具体的には、当該プロセッサは、タッチセンサ117における感知結果に基づいてスクロール操作が行われたかを少なくとも判定する。所定の操作が入力されたと判定された場合に、当該操作に対応する通知情報を生成し、無線通信ユニット119に出力する。
また、当該プロセッサは、主ボタン111又は副ボタン112が押下された場合に、当該ボタンが押下されたことを示すクリック情報を生成し、無線通信ユニット119に出力する。クリック情報には、クリックされたボタンを示す情報と、ボタンが押下されたか又は引き上げられたかを示す情報などが含まれる。
図8は情報処理ユニット118の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット118は、移動検出ユニット116で検出されたデバイス本体の移動を示す移動情報を生成する移動情報生成処理部1181と、タッチパネル112で感知された接触動作に基づいて、スクロール操作が行われたかを判定するスクロール判定処理部1182と、スクロール操作が行われたと判定された場合に、スクロール操作に対応するスクロール情報を生成するスクロール情報生成処理部1183と、主ボタン111又は副ボタン112がクリックされた場合にクリック情報を生成するクリック情報生成処理部1184と、を備える。これら各部の処理機能は、情報処理ユニット118におけるプロセッサとROMに格納されているソフトウェアとの協働により実現される。なお、移動情報、スクロール情報、クリック情報の各種情報を生成する機能を纏めて指示情報生成処理部と称することがある。
移動情報生成処理部1181は、移動検出ユニット116で検出されたデバイスの移動に関する情報に基づいて移動情報を生成し、生成した移動情報を無線通信ユニット119に送る。
スクロール判定処理部1182は、タッチセンサ117において傾斜面107側から後方側面105側、すなわちデバイス前方からデバイス後方へ移動していく接触動作が感知された場合に、当該感知された接触動作の移動量に対応するスクロール量の第1方向のスクロール操作が行われたと判定する。ユーザがタッチセンサ117の感知領域であるデバイス上面102における主ボタン111後方部分を前方から後方へなぞるように指で接触することで、タッチセンサ117で当該動作が捕捉され、当該タッチセンサ117で感知された電圧・電流の変化を表すデジタル信号がスクロール判定処理部1182に送られる。スクロール判定処理部1182は、当該信号で示される操作が、スクロールホイールを後方向に動かす動作であるかどうかを所定の判定基準と比較することで行う。例えば、スクロール判定処理部1182は、タッチセンサ117における各座標位置でそれぞれ感知される静電容量が所定の基準値以上である座標を抽出してその中央値を算出し、当該算出した中央値がタッチセンサ117におけるY方向のプラス方向からマイナス方向に所定の距離以上、所定期間以上に渡って移動している場合に、スクロールホイールを後方向に動かすスクロール操作が行われたと判定する。
一方、スクロール判定処理部1182は、後方側面105側から傾斜面107側、すなわちデバイス後方からデバイス前方へ移動していく接触動作が感知された場合に、第2方向のスクロール操作が行われたと判定する。ユーザがタッチセンサ117の感知領域であるデバイス上面102における主ボタン111後方部分を後方から前方へなぞるように指で接触することで、タッチセンサ117で当該動作が捕捉され、当該タッチセンサ117で感知された電圧・電流の変化を表すデジタル信号がスクロール判定処理部1182に送られる。スクロール判定処理部1182は、当該信号で示される操作が、スクロールホイールを前方向に動かす動作であるかどうかを所定の判定基準と比較することで行う。例えば、スクロール判定処理部1182は、タッチセンサ117における各座標位置でそれぞれ感知される静電容量が所定の基準値以上である座標を抽出してその中央値を算出し、当該算出した中央値がタッチセンサ117におけるY方向のマイナス方向からプラス方向に所定の距離以上、所定期間以上に渡って移動している場合に、スクロールホイールを前方向に動かすスクロール操作が行われたと判定する。
また、スクロール判定処理部1182は、タッチセンサ117の感知領域において押し込む操作が感知された場合に、スクロールボタンを押下するスクロール操作が行われたと判定する。ユーザがタッチセンサ117の感知領域であるデバイス上面102における主ボタン111後方部分を押し込むように指で接触することで、タッチセンサ117で当該動作が捕捉され、当該タッチセンサ117で感知された電圧・電流の変化を表すデジタル信号がスクロール判定処理部1182に送られる。スクロール判定処理部1182は、当該信号で示される操作が、スクロールホイールを押し込む動作であるかどうかを所定の判定基準と比較することで行う。例えば、スクロール判定処理部1182は、タッチセンサ117における各座標位置でそれぞれ感知される静電容量が所定の基準値以上である座標を抽出し、当該抽出した座標のうち所定の割合以上の座標において、所定期間以上の間前記基準値以上である数値を維持している場合に、スクロールホイールを押し込むスクロール操作が行われたと判定する。
なお、スクロール判定処理部1182におけるスクロール操作の判定方法は上記方法に限られるものではない。より、適切にユーザのスクロール操作を捕捉するために、スクロール判定処理部1182は、各タイミングでタッチセンサ117より送られているデジタル信号をRAM118cに格納し、新たに送られてきたデジタル信号と比較を行い、静電容量が所定の基準値以上増加しているかを合わせて判定しても良い。
スクロール情報生成処理部1183は、スクロール操作判定処理部1182で判定されたスクロール操作のスクロール方向と、スクロール量を含むスクロール情報を生成し、生成したスクロール情報を無線通信ユニット119に送る。
クリック情報生成処理部1184は、第1クリック情報生成処理部1184aと第2クリック情報生成処理部1184bとを有する。第1クリック情報生成処理部1184aは、第1クリックボタン111が押下又は引き上げられる操作が行われた場合に、当該操作内容を示す第1クリック情報を生成する。また、第2クリック情報生成処理部1184bは、第2クリックボタン112が押下又は引き上げられる操作が行われた場合に第2クリック情報を生成する。クリック情報生成処理部1184は、これら生成したクリック情報を無線通信ユニット119に送る。
無線通信ユニット119は、情報処理ユニット118より受け取った移動情報やメッセージ情報を無線信号に乗せて外部へ無線送信する。無線通信ユニット119が使用する無線方式としては、例えばBlueTooth(登録商標)や赤外線通信などの近距離無線接続方式を用いることができる。但し、無線通信ユニット119が使用する無線方式としては、赤外線通信方式やIEEE11a、11b、11n等の無線通信方式を使用することも可能である。
以上説明したように、本実施形態1に係るポインティングデバイス100は、長辺の長さが40mm〜100mm、短辺の長さが10mm〜40mmである長方形形状の底面101と、底面101と5mm〜30mmの間隔で略平行に対向する上面102と、底面101の第1の短辺側に、当該底面101に対して略垂直に立設されている左側面103と、底面101の第2の短辺側に、当該底面101に対して略垂直に立設されている右側面104と、底面101の第1の長辺側に設けられている後方側面105と、底面の第2の長辺側に設けられている前方側面106と、上面102と前方側面106とを接続する傾斜面107と、を少なとも筐体として有する。本実施形態1に係るポインティングデバイス100では、よりコンパクトな構造とするため、後方側面105は、底面101の第1の長辺側に、底面101に対して略垂直に立設され、前方側面106は、底面101の第2の長辺側に、底面101に対して略垂直に立設される構造を取る。
当該筐体を有するポインティングデバイス100は、傾斜面107に並べて配置された第1のクリックボタン(主ボタン)111と第2のクリックボタン(副ボタン)112を有する。
当該ポインティングデバイス100は、デバイス100本体の移動方向及び移動量を検出する移動検出部(移動検出ユニット)116と、上面102における第1クリックボタン111の後方の感知領域に対する接触動作を感知するタッチセンサ117と、移動検出部116で検出された移動方向及び移動量を含む移動情報を生成する移動情報生成処理部1181と、タッチセンサ117における感知結果に基づいて、スクロール操作が行われたかを判定するスクロール操作判定処理部1182と、スクロール操作判定処理部1182でスクロール操作が行われたと判定された場合に、スクロール情報を生成するスクロール情報生成処理部1183と、第1クリックボタン111が押下された場合に第1クリック情報を生成する第1クリック情報生成処理部1184aと、前記第2クリックボタンが押下された場合に第2クリック情報を生成する第2クリック情報生成処理部1184bと、各生成処理部で生成された第1クリック情報、第2クリック情報、スクロール情報、移動情報を少なくともデバイス外部へ無線送信する無線送信部(無線通信ユニット)119と、を具備する。
上記構成とすることで、携帯性の高いポインティングデバイスであって、ポインティングデバイスで求められる各操作を、操作性を落とさず入力することが可能となる。
なお、本実施形態1に係るポインティングデバイス100では、第1クリックボタン111及び前記第2クリックボタン112は、上面101の一部分と前方側面106の一部分に跨った状態で傾斜面107に配置されている。クリックボタン111、112が傾斜面107を超えて上面102と前方側面106の3面に渡るボタンであることで、ユーザがボタンをクリックする角度の自由度が上がり、操作性を向上することができる。
ここで、本実施形態1に係るポインティングデバイス100は、上面102の形状は、短辺の長さが底面101の短辺よりも短く、長辺の長さが底面101の長辺と略同一の長さである略長方形形状であり、上面102における傾斜面107側の一部分に、第1クリックボタン111及び第2クリックボタン112の一部が嵌まる切欠き部(窪み部)110が設けられている。当該構成とすることで、スクロール操作を感知する上面102と、当該上面102に跨った部分のボタン111、112の表面の高さとが略同一になるため、スクロール操作を行う指がボタン111、112に引っ掛かることが無いため操作性が向上する。
なお、上記説明では、傾斜面107が略長方形形状の平面であるとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば図9に示すように、傾斜面107が曲面で構成されていても良い。この場合、ボタン111、112の当該傾斜面部分の形状も曲面であることが好ましい。
また、上記説明では、ボタン111、112がデバイスの長手方向に対称な位置関係で、傾斜面107に配置されている場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すように長手方向に非対称な位置関係で傾斜面107に配置されていても良い。図10では、ボタン111、112が薬指で支える右側面104側に偏った位置関係で傾斜面107に配置されている。
図10に示すポインティングデバイス100では、主ボタン111と副ボタン112は、傾斜面107における長手方向に非対称な位置関係で付勢された状態で配置されている。これは、左側面103と右側面104をそれぞれ右利きのユーザが親指と薬指で両側から挟み込んで把持する場合に、主ボタン111をクリックする人差し指と親指との間隔が、副ボタン112をクリックする中指と薬指との間隔よりも広いためである。しかしながら、ポインティングデバイス100の横の長さ(長辺)が40mm〜60mm程度と十分短くなる場合は、強制的に親指と人差し指の間隔が狭くなるため、図1に示すように、傾斜面107に主ボタン111と副ボタン112が長手方向に対称な位置関係で配置されていても良い。
また、上記説明では、ボタン111、112が長手方向に同一の長さを有するボタンである場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように主ボタン111が副ボタン112よりも長手方向に長いボタンであると更に好ましい。主ボタン111は、副ボタン112と比較して操作頻度が高いために、より大きなボタンとしておくことで操作性が向上するためである。また、主ボタン111の操作は可動領域の大きい人差し指で行われるため、ボタンを押下する人差し指が左右に揺らいでも主ボタン111を適切に押下することが可能となる。
また、上記説明では、傾斜面107は、デバイス100の長手方向全体に設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、上面102の一部と前方側面106の一部を接続する形で傾斜面107が設けられていてもよい。図12に示すポインティングデバイス100では、左側面103、右側面104は、矩形である一方、上面102と前方側面106の中央付近を繋ぐ傾斜面107が設けられており、当該傾斜面107に主ボタン111及び副ボタン112が配置されている。
また、上記説明では、前方側面106が底面101に対して垂直に立設されている場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、前方側面106は、底面に対して所定の鋭角φを持って立設されていても良い。この場合、傾斜面107が底面101に対して作る角度は前方側面106が底面101に対して作る角度よりも小さくなっている。このように、底面101に対して第2の傾斜角φを有する側面として前方側面106が設けられることで、ボタン入力操作が行いやすくなる。
また、上記説明では、上面102における主ボタン111の後方にタッチセンサ117の感知領域117aが設定される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図14に示すように上面102の主ボタン111及び副ボタン112の後方にタッチセンサ117の感知領域117aが設定され、その中において、上面102における主ボタン111の後方部分の感知領域117aに対する操作についてスクロール操作であるかどうかの判定が行われる構成とすると更に良好である。この場合、副ボタン112後方部分の感知領域117aで感知された操作については別の判定処理を行い、基準を満たす操作内容であった場合に、所定の操作情報を生成する構成とすることも可能である。
また、上記説明では、傾斜面107を含む領域に左クリックを行う主ボタン111、右クリックを行う副ボタン112の2つのボタンが配置されている場合について説明したがこれに限定されるものではない。中央ボタンとして、第3のボタンが当該傾斜面107を含む領域に配置されていても良い。
その他、図15、図16で示すデバイス形態を取ることも可能である。図15、図16は、それぞれ本実施形態1に係るポインティングデバイス100の変形例を示している。デバイス100の筐体は、上方筐体と下方筐体とを嵌め込む形で筐体が形成されるが、当該ポインティングデバイス100では、上方筐体と下方筐体の内径が異なる。内径の大きさの異なる2つの筐体100aと100bの2つのパーツを係合させることで筐体が形成される。
その他、底面101、上面102、左側面103、右側面104、後方側面105、前方側面106、傾斜面107において隣り合う面との間にある辺又は角を適宜面取りして、隣り合う面が滑らかに接続されていると更に良好である。
(実施形態2)
本実施形態2に係るポインティングデバイスの筐体は、長手方向に非対称な構造を有することを特徴としている。以下図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1で説明した部分については一部説明を省略・簡略化する。
図17、図18は、本実施形態2に係るポインティングデバイス200の外観図及び六面図である。実施形態2に係るポインティングデバイス200は、実施形態1で説明したポインティングデバイス100と比較して、左側面103と右側面104の形状が異なることを特徴としている。
右側面104は、上部前方の角が切り落とされた形状を有しており、ポインティングデバイス100の右側面104の形状と同一である。左側面103は、略長方形形状の平面である。
このように、ポインティングデバイス200は、略直方体形状の筐体から上部前方の辺部分が左側面104から所定の長さに渡って面取りされることで傾斜面107が形成されている形状の筐体を有する。当該傾斜面107の長さは、ポインティングデバイス200の長手方向全体の長さの50%以上95%以下の長さであり、より好ましくは、60%以上90%以下、更に好ましくは70%以上85%以下の長さである。これは、ポインティングデバイス200の長手方向の長さにも依存するが、30mm以上70mm以下、より好ましくは40mm以上60mm以下の長さとなる。
当該傾斜面107に主ボタン111と副ボタン112が配置される。これら2つのボタンは、面取りされて傾斜面107が形成されている部分の上面102の前方部分と、当該面取りされて傾斜面107が形成されている部分の前方側面106の上方部分とに跨る形で構成される。すなわち、ボタン111、112は、底面101に平行な第1部分と、傾斜面107に平行な第2部分と、前方側面106に平行な第3部分とを含み、筐体の3つの面に跨る形で構成される。この点は、実施形態1のポインティングデバイス100と同様である。
また、実施形態1のポインティングデバイス100と同様、傾斜面107には切欠きである窪み部201aが形成され、当該窪み部に嵌まる(収納される)形でボタン111、112が配置されている。図19は、ボタン111、112を取り外した場合におけるポインティングデバイス200の外観図を示している。この場合、傾斜面107が形成されている部分の上面102の一部の前方部分と、傾斜面107が形成されている部分の前方側面106の一部の上方部分とにもそれぞれ窪み部201b、201cが形成されており、ボタン111,112が、当該窪み部201が無い部分の筐体の表面よりボタン111、112自体の厚み分よりも出っ張らないように構成されている。
すなわち、上面102、傾斜面107、前方側面106の3つの面に跨って一体の窪み部(切欠き部)201が形成されており、角度の異なる第1〜3部分を有するボタン111、112が当該窪み部201に収納される形で配置されている。ボタン111、112の裏側に配置されるマイクロスイッチは傾斜面107に配置されているものとする。
傾斜面107がポインティングデバイス200の長手方向に非対称に形成されているため、主ボタン111と副ボタン112もポインティングデバイス200の長手方向に非対称に配置されている。また、ポインティングデバイス200では、長手方向中央に近い主ボタン111が、右側面103の近傍に配置されている副ボタン112よりも大きい、すなわち横長に設計されている。これは、主ボタン111を操作する人差し指の可動域が副ボタン112を操作する中指よりも広く、また、人差し指は、主ボタン111後方にあるスクロール操作感知領域117aをデバイス短手方向になぞるように操作してスクロール操作を行うためにも用いられるため、移動する範囲が比較的広い。このような場合に、主ボタン111が小さいと、スクロール操作を行った後に主ボタン111に戻ってクリック操作を行おうとした場合に、主ボタン111の上に人差し指が戻らず別の場所をクリックしてしまうと言った弊害が生じることになる。従って、主ボタン111にはゆとりを持たせ、デバイス長手方向に副ボタン112よりも長い形状のボタンが主ボタン111として形成されている。
上面102における主ボタン111の後方部分にはタッチセンサ117の感知領域117aが設けられている。すなわち、主ボタン111の後方部分の上面102の裏側にタッチセンサ117が設けられ、当該感知領域117a部分をなぞる操作が行われた場合に、内部の情報処理ユニットにおいてスクロール操作が検知されてスクロール情報が生成される。
以上のように本実施形態2に係るポインティングデバイス200は、底面101、上面102、左側面103、右側面104、後方側面105、前方側面106、を有する横長の略直方体の形状から、上面と前方側面との間の部分が、右側面側から所定の長さに渡って面取りされて傾斜面107が形成されている形状を筐体とするデバイスである。従って、右側面104は、面取りされて傾斜面107が形成されている分、右側面104における右上の角が斜めに切り落とされ、5角形形状になっているのに対し、左側面103は、角が切り落とされておらず矩形形状である。従って、左側面103は右側面104よりも一部が切り落とされていない分、大きい面積を有する。
右利きのユーザがポインティングデバイス200を左右から挟み込む形で把持する場合、左側面103は、親指がデバイス200の左側から当該左側面103に対して垂直に当たることになる。一方、右側面104は、薬指の左側部分で押さえつける形になる。従って、右側面104にあっては、右上の角が切り落とされていても元来この部分は薬指が主として当たる部分ではないため把持性には問題にはならない。一方、親指の腹の部分は薬指と比較しても大きいため、左側面103の左上の角が切り落とされているとこの部分に親指が触れてしまい違和感を生じさせる。
このようなことを防ぐため、傾斜面107は、ポインティングデバイス200の長手方向全体に形成するのではなく、右側面104側からデバイス200の長手方向の50%以上90%以下の長さ分だけ傾斜面107が形成されている。
なお、この場合、傾斜面107が形成されなかった左側面103から所定の長さの上面102部分は、面取りされて傾斜面107が形成されている上面部分よりもデバイス短手方向に広い平面領域が確保されることになる。この平面領域は、ユーザがポインティングデバイス200を操作する場合に、左側面103を支えている親指と、主ボタン111上に添えられている人差し指の間となり、ユーザからの視界が開けている。従って、当該平面領域にユーザに対して所定のレスポンスを返す機構が組み込まれていると更にエンリッチなポインティングデバイスとすることができる。
例えば、図20に示すように上面102における左側面103から傾斜面107までの間の平面領域202に、タッチパネル203を配置し、当該タッチパネル203で電池残量、無線信号強度、現在の時刻、デバイスの設定画面、などを表示する構成とすることも可能である。また、当該平面領域202の裏側に光源ランプを配置し、ボタン111、112のクリック操作が行われた場合は、タッチセンサ117でスクロール操作が行われた場合に、当該光源ランプを点灯・点滅させることで、ユーザに対してデバイス200が適切にユーザの操作を検知したことをユーザに対して応答する構成とすると良好である。
なお、上記説明では、ボタン111、112は筐体とは別構造である場合について説明したが、これに限定されるものではない。筐体の一部と連結された状態でボタン111、112が配置されていても良い。
例えば、図21では筐体の上面102とボタン111、112とが連結されており、当該ボタン111、112を押下することで、当該ボタン111、112の裏側に配置されているマイクロスイッチが押下される構成とすることも可能である。なお、この場合、当該マイクロスイッチは、ボタン111、112の裏側の傾斜面107に配置されていても良いし、ボタン111、112の裏側の前方側面106に配置されていても良い。ボタン111、112を押下することでボタン111、112の前方部分が筐体の前方側面106面に押し下げられるため、この位置にマイクロスイッチを配置していても適切に当該マイクロスイッチを押すことが可能となる。
なお、上記説明では、ユーザが右利きである場合について説明したが、左利きユーザ用のポインティングデバイスとする場合には、傾斜面107やボタン111、112の配置が逆になる。すなわち、左利きユーザ用のポインティングデバイス200は、上面102と前方側面106との間の部分が、左側面103側から所定の長さに渡って面取りされて傾斜面107が形成されている形状を筐体とするデバイスである。従って、左側面103は、面取りされて傾斜面107が形成されている分、左側面103における左上の角が斜めに切り落とされ、5角形形状になっているのに対し、右側面104は、角が切り落とされておらず矩形形状である。左側面103に近い方から、副ボタン112、主ボタン111の順に傾斜面107に配置される。
(実施形態3)
実施形態1、2に示すポインティングデバイス100、200の内部に配置されている無線通信ユニット119は、情報処理ユニット118で生成された各操作情報を所定の無線方式でコンピュータに無線送信する。ここで、コンピュータ自体がBluetooth(登録商標)の無線通信機能を備えている場合は、直接コンピュータに無線送信することが可能であるが、そのような機能を有していないコンピュータの場合は、当該コンピュータが備えるUSB等の端子(コネクタ)に無線通信レシーバを接続し、当該無線通信レシーバでポインティングデバイス100からの無線信号を受信する構成とする。
他のIOデバイスとPCとを接続する場合は、コンピュータが有する端子数には限りがあるため、無線通信レシーバを一旦取り外しておくことになる。ここで、無線通信レシーバは、コンピュータと接続する端子部と無線通信ユニットが格納された本体部とから構成されるが、利便性向上の観点から当該無線通信レシーバについても小型化が進んでいる。
小型化が進むことで携帯性や利便性が向上する一方、取り外した無線通信レシーバが小さすぎるゆえに紛失してしまい、ポインティングデバイス100が使用不可能になると言った問題が発生していた。
本実施形態3に係るポインティングデバイスは、当該課題を解決することを目的としている。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1で説明した部分については、適宜説明が省略・簡略化されている。
図22は、本実施形態3に係るポインティングデバイス300から無線送信される各種情報を無線受信する無線通信レシーバ3000の外観図である。無線通信レシーバ3000は、コンピュータ側接続端子3010と、本体部3020と、から構成される。
コンピュータ側接続端子3010は、コンピュータと直接接続されて通信及び電力の供給を受ける複数の端子を備えたコネクタである。
本体部3020は、コンピュータ側接続端子3010の先に設けられた部分であり、樹脂製の筐体を有している。本体部3020は、高さが5mm〜10mm、縦の長さが5mm〜10mm、横の長さが15mm〜20mmの大きさを有する小型の直方体形状であり、その一つの面にコンピュータ側接続端子3010が配置されている。
本体部3020内部には、ポインティングデバイス300から無線送信される各種情報を無線受信する無線通信ユニットを少なくとも備える。無線通信ユニットは、半導体回路やアンテナで構成される。無線通信ユニットは、無線受信した情報をコンピュータ側接続端子3010を介してコンピュータに送信する。
また、本体部3020内部には自装置に割り当てられた装置IDと、自装置と無線通信するポインティングデバイスを識別する装置IDとを少なくとも格納する記憶部(ROM)と、無線通信ユニットが受信した信号をデコードして、当該受信した信号が自装置と対になるポインティングデバイスからの信号であるかを判定するマイクロプロセッサを備える。このように、無線通信レシーバ3000は、自装置と対となるポインティングデバイスから送信された情報のみをコンピュータ側接続端子3010を介してコンピュータに送信する。
なお、上記記憶部は、自装置と対になるポインティングデバイスとの通信に用いる暗号・復号鍵を記憶しておく構成とすると更に良好である。無線通信ユニットは当該記憶部に記憶されている暗号鍵で情報を暗号化して自装置に固有の相手先であるポインティングデバイスに情報を無線送信し、当該ポインティングデバイスから無線送信された情報を無線受信し、当該記憶部に記憶されている復号鍵で復号化処理を行った後に、復号済みの情報をコンピュータに送信する。
また、上記記憶部には、当該ポインティングデバイス300のドライバを記憶しておく構成とすると更に良好である。コンピュータ側接続端子3010がコンピュータのコネクタと接続されることで、当該記憶部に記憶されているドライバが読み出されてコンピュータにインストールされ、ポインティングデバイスから送られてくる各情報が適切に処理されてアプリケーションに渡される。
図23、図24は、それぞれポインティングデバイス300の六面図と左後方からの外観斜視図である。ポインティングデバイス300の筐体形状は実施形態2に係るポインティングデバイス200と同様であるが、後方側面105に収納部301が設けられていることを特徴としている。
収納部301は、無線通信レシーバ3000を嵌め込んで収納する。図23、図24に示すポインティングデバイス300は、無線通信レシーバ3000の本体部3020を収納する形状の収納部301が設けられている。
また、ポインティングデバイス300は、自装置を識別する装置IDや、自装置に固有の相手先である無線通信レシーバ3000を固有に識別する装置ID、その他、当該無線通信レシーバ3000との通信を暗号化する際に使用する暗号鍵等の情報を記憶する記憶部を備えている。このように、ポインティングデバイス300と無線通信レシーバ3000は、一対一に対応しており、収納部301も当該固有の相手先の無線通信レシーバ3000を収納するように、形状が定められている。
図25は、ポインティングデバイス300の収納部301に無線通信レシーバ3000を収納している状態のポインティングデバイス300後方からの斜視図である。図25に示すように、収納部301に無線通信レシーバ3000の本体部3020を収納している。図25の例では、本体部3020全体が収まる収納部301が設けられている。一方、コンピュータ側接続端子3010は収納部301からはみ出している。これは、収納部301に無線通信レシーバ3000全体を収納する収納部301を設けると、収納部301の大きさが大きくなってしまい、デバイス300内部に配置する電子部品の配置スペースに制限が大きくなってしまうためである。そのため、図25では、無線通信レシーバ3000のうち、本体部3020を収納する一方、接続端子3010は完全には収納しきらない構成としている。
以上説明したように、本実施形態3に係るポインティングデバイス300は、無線送信ユニット119より送信された情報を無線受信してコンピュータに有線送信する無線通信レシーバ3000を収納する収納部301が、後方側面105に設けられていることを特徴とする。
本体部3010を収納するためには、一定の大きさの収納部とする必要があるため、把持面である左側面103、右側面104に収納部301を設けることは操作性に影響が出るため好ましくない。また、前方側面106は、クリックボタン111、112を操作する指と接触し得るため好ましくない。そこで、後方側面105又は底面101に収納部301を設けておくことが好ましい。中でも後方側面105であれば無線通信レシーバ3000の一部を収納する構成とすることが可能であるため好ましい。なお、前方側面106であっても、傾斜面107が設けられていない部分の前方側面106であれば、操作に支障をきたさないため収納部301を設けることも可能である。
なお、上記説明では、無線通信レシーバ3000の本体部3020を収納し、コンピュータ側接続端子3010は収納されずにポインティングデバイス300の外側にむき出しの状態となるばあいについて説明したが、これに限定されるものではない。
例えば図26に示すように、本体部3020を収納する本体収納部301aとコンピュータ側接続端子3010を収納する端子収納部301bとが収納部301として設けられていても良い。図26では、底面101と後方側面105の長手方向中央付近であって、これら2つの面に跨る場所に収納部301が配置され、底面側から無線通信レシーバ3000を差し込むことで無線通信レシーバ3000のコンピュータ側接続端子3010を端子収納部301bに、本体部3020を本体収納部301aにそれぞれ収納できるように構成されている。なお、本体収納部301bの高さが本体部3020の縦の長さよりも長く設定されていることで、無線通信レシーバ3000を収納部301に収納している場合でも後方側面105側にわずかに隙間ができることにより、そこに爪をひっかけて下方に引き下げることで無線通信レシーバ3000を取り外すことができる。
図26の構成によれば、見苦しい端子収納部301bが底面側からしか見えないため、通常使用時のデバイスのデザインを損なうことが無く、また、図25の例と比較して収納時においてもすっきりと無線通信レシーバ3000を収めることが可能となるため、移動時に無線通信レシーバ3000の端子部分が鞄などに引っ掛かり、デバイス300から外れてしまうと言った事態を防ぐことができる。
なお、図26では、底面101と後方側面105との間の領域に収納部301を設ける場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、図27に示すように、底面101から挿入する形で無線通信レシーバ3000を収納する収納部301が配置されていてもよい。図27では、傾斜面107が形成されていない部分、すなわち、前方側面106と左側面103の近傍であって、傾斜面107の隣の部分に底面101側に開口を有する収納部301が配置されている。底面101にある収納部301の開口は無線通信レシーバ3000の本体部3020と略同一の形状であるが、当該開口の長手方向が前方側面106と平行になり、短手方向が左側面103と平行になるように収納部301が配置されている。
当該構成とすることで、傾斜面107部分と収納部301が共にデバイス前方に位置することになるため、当該傾斜面107と収納部301の後方領域に跨る広いタッチセンサを上面102裏側に配置することができる。
なお、左側面103と収納部301の開口長辺が平行に、前方側面106と収納部301の開口短辺が平行になるように、左側面103付近の底面101に収納部301が配置されていても良い。
この場合、本体部301を収納する本体収納部301aとコンピュータ側接続端子3010を収納する端子収納部301bとが収納部301として配置されている。すなわち、端子収納部301bは、コンピュータ側接続端子3010と接続する電気端子ソケットとすることができる。
ここで、無線通信レシーバ3000を当該収納部301に収納した場合に、底面101の高さと無線通信レシーバ3000の本体部3020におけるコンピュータ側接続端子3010が接続されている面と反対側の面の高さが一致するように、すなわち、無線通信レシーバ3000が完全に収納できる収納部301が配置されていると不使用時の管理が簡単となり好ましい。ここで、本体部3020まで本体収納部301aに収納すると取り外す引っ掛かりがなくなってしまう。そこで、本体収納部301aの開口は無線通信レシーバ3000の本体部302の面積よりも大きい面積の開口を有していることが好ましい。
なお、図26、27において、電源スイッチ109が別途配置されている場合について説明したが、収納部301に電源スイッチ109が配置されていても良い。不使用時に無線通信レシーバ3000を収納することで収納部301に配置された付勢された状態の電源スイッチが押し込まれて充電池と各ユニットが電気的に切り離され、電源が切れる構成とすることも可能である。無線通信レシーバ3000を取り外すと、電源スイッチが戻され、充電池と各ユニットが通電する。
なお、図28に示すようにコンピュータ側接続端子3010と本体部3020を横向きに収納できる収納部301が設けられていても良い。図28では、後方側面105に当該レシーバの上面又は底面を平行にした状態で差し込んで収納する収納部301が配置されている。当該構成によれば、ポインティングデバイス300の縦方向(Y方向)の長さが短い場合でも無線通信レシーバ3000を収納することが可能となる。
なお、図29に示すように、コンピュータ側接続端子3010と本体部3020の一部を収納する収納部301が後方側面105や底面101に配置されていても良い。図29は、無線通信レシーバ3000を図25の場合と比較して逆向きに収納する収納部301が設けられたポインティングデバイスである。図29のように、無線通信レシーバ3000を収納部301に挿入しても、本体部3020の縦の長さが収納部301よりも長いために完全には本体部3020が収まりきらず一部がポインティングデバイス300の後方側面105から突き出す形になっている。
当該構成とすることで、無線通信レシーバ3000の大部分を収納しつつも、一部が出っ張っているため無線通信レシーバ3000の取り外しが簡単になる。なお、収納部301の奥にばねが配置されており、無線通信レシーバ3000を押し込むことで反発力により収納部301より離脱できる構成とする場合には、完全に収納部301に収納できる構成とすることが見栄えや省スペースの観点から好ましい。また、収納部301の開口面積が本体部3020の面積よりも大きく構成しておくことで、当該本体部3020と収納部301の開口との隙間から爪をひっかけて無線通信レシーバ3000を取り外すことを可能とする構成であっても良い。
その他、上記ポインティングデバイス300には別途充電用端子が後方側面105や底面101などに配置されていても良い。また、無線通信レシーバ3000を収納部301に収納した状態で外れにくくするよう、本体部3020と収納部301にはそれぞれ、お互いが引っ掛かることで係止する係止部が設けられていても良い。
(実施形態4)
小型のポインティングデバイスでは、電池は充電可能な充電池(蓄電池)が内蔵されていることが好ましい。この場合、当該充電池を充電するためにポインティングデバイスの筐体には充電用端子が配置され、当該充電用端子とコンピュータ等に配置されたコネクタ等をケーブルで接続することで充電池と電源とを接続し、充電池を充電できる構成を取る。
しかしながら、小型のポインティングデバイスは、学校や職場その他の公共の場所に持ち出して使用することが想定されるため、ケーブルを持ち合わせていない場合がある。このような場合、充電をすることができずノートパソコンにデフォルトで設置されているタッチパッドで操作入力を行う必要があり不便に絶えないと言う問題が発生していた。
本実施形態4に係るポインティングデバイスは、上記課題を鑑みてなされたものであり、ケーブルを用いることなく手軽に充電できることを特徴としている。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1〜3で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図30及び図31は、それぞれ本実施形態4に係るポインティングデバイス400の六面図と無線通信レシーバ4000の六面図を示している。ポインティングデバイス400の後方側面105には、収納部(接続部)401が設けられ、当該収納部401の内側には充電用端子402が配置されている。
無線通信レシーバ4000は、コンピュータ側接続端子(コネクタ)4010と、本体部4020と、を備える。この点は実施形態3に係る無線通信レシーバ3000と同様である。一方、無線通信レシーバ4000は、本体部4020にポインティングデバイス側接続端子(コネクタ)4030を有する点を特徴としている。
コンピュータ側接続端子4010とポインティングデバイス側接続端子4030とは電気的に繋がっている。無線通信レシーバ4000の本体部4020にポインティングデバイス400の収納部401に差し込むことで、無線通信レシーバ4000の本体部4020に配置されているポインティングデバイス側接続端子4030と、ポインティングデバイス400の収納部401の内側に配置されている充電用端子402とが接触し、コンピュータ側接続端子4010を介してコンピュータ内の電源から送られてくる電力がポインティング側接続端子4030と充電用端子402を介してポインティングデバイス内の充電池120に給電される。
図32は、コンピュータ10に無線通信レシーバ4000を介してポインティングデバイス400を充電用に接続している場合の接続部付近の平面図を示している。コンピュータ10の本体部分には、前方に左クリックボタン11と右クリックボタン12とタッチパッド13とを備え、後方にキーボード14とを備えている。当該コンピュータ10の本体部分には回動可能な状態でディスプレイが備え付けられている。また、本体部分側面にはUSB端子等の接続端子が配置されており、当該接続端子に無線通信レシーバ4000のコンピュータ側接続端子4010を挿入して接続し、さらに反対側からポインティングデバイス400を本体部4020と収納部401とを嵌合することで、無線通信レシーバ4000が備えるポインティングデバイス側接続端子4030と、ポインティングデバイス400の充電用端子が接続されるため、コンピュータ10内の電源とポインティングデバイス400内の充電池が通電し、当該充電池に対する給電が行われる。
以上に示すように、本実施形態4に係るポインティングシステムは、ユーザからの操作に基づいて信号を無線送信する無線送信ユニットを少なくとも備えるポインティングデバイス400と、当該無線送信された信号を無線受信する無線受信ユニットを少なくとも有する無線通信レシーバ4000と、から構成されるポインティングシステムである。
無線通信レシーバ4000は、コンピュータに接続する第1端子(第1コネクタ:コンピュータ側接続端子)4010と、ポインティングデバイス400と接続する第2端子(第2コネクタ:ポインティング側接続端子)4030と、を備えることを特徴とする。無線通信レシーバ4000は、少なくとも上記無線受信ユニットを内部に有する本体部4020を更に備え、当該本体部4020の第1面に第1端子4010が配置され、当該本体部4020の当該第1側面とは異なる第2面に上記第1端子4010と電気的に接続されている第2端子4030が配置される。本体部4020は、樹脂製の筐体を有し、その形状は高さ5mm〜10mm程度、縦の長さ5mm〜10mm程度、横の長さが10mm〜20mm程度である直方体形状に設計されている。但し、本体部4020の形状は略直方体形状に限定されるものではなく、段差を有する構造であっても良い。当該段差がポインティングデバイス400と係止する部分として用いられることも可能である。第1端子4010及び第2端子4030は、少なくとも給電用端子とグラウンド端子の2つの端子を備えており、より好ましくは通信用端子を備えている。
ポインティングデバイス400は、上記第2端子4030と接続可能な充電用端子(接続コネクタ)402を備えている。より具体的には、ポインティングデバイス400は、無線通信レシーバ4000の本体部4020の一部又は全部を少なくとも収納可能な収納部401を有し、当該収納部401の内側に充電用端子(接続コネクタ)402が配置されている。当該収納部401とは、第1端子4010の反対側より本体部4020と嵌合可能な収納スペースであり、ポインティングデバイス400の側面等に設けられた本体部4020の大きさと同等の大きさの切欠き(窪み)である。従って、当該収納部401は、深さが5mm〜10mm程度、縦の長さが5mm〜10mm程度、横の長さが10mm〜20mm程度の凹み(切欠き)である。当該切欠きである収納部401の内側には、無線通信レシーバ4000の本体部4020とポインティングデバイス400の収納部401を嵌合させた状態で、当該本体部4020に配置されている第2端子4030と接触するように充電用端子402が配置されている。充電用端子402として、少なくとも給電用端子とグラウンド端子が配置され、更に好ましくは通信用端子が配置される。
図33は、本実施形態4に係る無線通信レシーバ4000の変形例を示している。当該無線通信レシーバ4000は、ポインティングデバイス400内の無線送信ユニットから無線送信される信号を無線受信する無線受信ユニットを少なくとも内部に備える本体部4020と、本体部4020の第1面に設置され、コンピュータ10からの給電を受ける第1電源端子を少なくとも含む第1コネクタ(コンピュータ側接続端子)4010と、本体部4020の第2面に設置され、第1コネクタ4010の電源端子と電気的に接続されている第2電源端子を少なくとも含む第2コネクタ(ポインティングデバイス側接続端子)4030とを備える。上記本体部4020は樹脂製の略直方体形状であり、上記第1面と第2面は対向する面である。第1コネクタ4010と第2コネクタ4020は、それぞれタイプの異なるUSB端子であり、グラウンド端子、電源端子、通信端子がお互い導通した状態で本体部4020の両サイドの面に配置されている。
コンピュータ側の接続端子である第1コネクタ4010は、第2コネクタ4030と比較して大きいコネクタであるが、第2コネクタ4030は、小型化が求められるポインティングデバイス4000に配置される接続コネクタ402と接続するよう小さいコネクタである。図32からもわかるように、無線通信レシーバ4000とポインティングデバイス400を接続した状態では、ポインティングデバイス400が宙に浮く状態となるため不安定な状態で充電が行われる。従って、第2コネクタ4030と接続コネクタ402とを接続しただけでは、ポインティングデバイス400に誤って腕がぶつかってしまった場合にコネクタ4030、402が破損する可能性が高まる。そこで、比較的強度の高い本体部4020を収納部(接続部)401に嵌合して係止する構成とし、当該収納部401内に接続コネクタ402を配置して第2コネクタ4030と接続する構成とすることで、接続強度を高めることができる。
この場合、ポインティングデバイス400には、当該本体部4020と第2コネクタ4030とを収納する収納部401と当該収納部401内に、第2コネクタ4020と接続する接続端子402が配置されている。第2コネクタ4030側からポインティングデバイス400を押し込むことで、収納部401及び接続端子402と本体部4020及び第2コネクタ4030とが嵌合し、充電が可能となる。
なお、図33では、無線通信レシーバ4000側にオス型コネクタ、ポインティングデバイス400側にメス型コネクタが配置される場合について説明したが、これに限定されるものではなく逆の配置であっても良い。
図32は、コンピュータにおけるUSB等のコネクタに無線通信レシーバ4000の第1端子4010を接続している状態において、当該無線通信レシーバ4000の本体部4020とポインティングデバイス400の収納部401とが嵌合されている状態を示している。
図32に示すように、ポインティングデバイス400内部の充電池が切れた場合に、コンピュータに接続している無線通信レシーバ4000と直接接続することで、ポインティングデバイス400の充電池とコンピュータ内の電源が通電し、当該充電池を充電することが可能となる。
従って、ケーブルを別途持ち合わせていなくても無線通信レシーバ4000にポインティングデバイス400を嵌合させておくことで充電を行うことが可能となる。
なお、上記説明における第2端子(ポインティングデバイス側接続端子)4030と、ポインティングデバイス400の充電用端子402の形状は図30〜図32に例示する形状に限定されるものではない。例えば図33に示すような形状の第2端子4030が本体部4020に接続されていても良い。当該第1端子4010と第2端子4030は、所謂USB端子であり、本体部4020の両側面に配置されている。この場合、ポインティングデバイス400には、図30に示すように本体部4020の一部又は全部と嵌合可能な収納部(切欠き部)401と、その内側に当該第2端子(USB端子)4030を差し込む充電用端子(USB端子)402が配置されている。
また、図34に示すように本体部4020に切欠き部(凹み部)4021が設けられ、当該切欠き部4021の内側に第2端子(ポインティングデバイス側接続端子)4030が配置される構成であっても良い。この場合、ポインティングデバイス400には、図35に示すように当該形状にあった収納部401及び充電用端子402が配置される。
なお、図35において収納部401は後方側面105の中央付近に配置されている場合について説明したがこれに限定されるものではない。長手方向の中央付近に配置すると、図32に示すように、コンピュータのコネクタの両側に他のコネクタがある場合にぶつかってしまう。そこで、後方側面105の長手方向の端付近(すなわち左側面103又は右側面104のいずれかの近く)に収納部401を配置することで、片方に他のコネクタがあってIO機器等がケーブル接続されている場合であっても当該ケーブルにぶつからずにポインティングデバイス400を無線通信レシーバ4000に接続することができる。具体的には、長手方向の端から0mm〜10mmの間に収納部401の中央が来るように当該収納部401が配置されていると好ましい。
また、後方背面105の短手方向(高さ方向)の中央付近に配置すると、接続しているポインティングデバイス400の上部がコンピュータ本体10の表面から突き出してしまい、キーボード14を操作する腕とぶつかってしまう可能性が高くなる。そこで、収納部401を後方背面105の上方の短手方向の端付近(すなわち上面102の近く)に配置することで無線通信レシーバ4000に接続しているポインティングデバイス400がコンピュータ10の上面から出っ張らない構成とすることができる。具体的には、短手方向の端から0mm〜10mmの間に収納部401の中央が来るように当該収納部401が配置されていることが好ましい。
但し、コンピュータ10自体の厚みが薄いと、後方側面105の上方に収納部401を設けるとコンピュータ10を載置しているデスクとポインティングデバイス400とがぶつかってしまう可能性がある。このようなことを防ぐため後方側面105の下方に収納部401を設ける構成としても良い。
これらの場合において、収納部401及びコネクタの形状が左右又は上下に非対称であり、ポインティングデバイス400をひっくり返しても無線通信レシーバ4000と接続可能な構成としておくと更に良好である。
コンピュータのUSB端子等は複数個並んで配置されている場合が多いため、他のUSB端子に他のデバイスが接続されている場合、当該デバイスが邪魔になって無線通信レシーバ4000とポインティングデバイス400とを繋げることができない場合がある。
当該事態を防ぐため、上述したようにポインティングデバイス400は、後方側面105又は底面101であって、長手方向の端すなわち左側面103又は右側面104の近傍に収納部401が配置されていると良い。この場合、隣のUSB端子にかからずに無線通信レシーバ4000とポインティングデバイス400とを繋げて充電することが可能となる。
但し、この場合でも両隣にUSB端子がある場合やその他の端子等がある場合には無線通信レシーバ4000と嵌合させるポインティングデバイス400が他端子に取り付けられた機器とぶつかってしまい充電するために他機器を取り外す必要が出てくる。そこで、図37に示すように、ポインティングデバイス400を立てた状態で無線通信レシーバ4000と嵌合できるように設置することが好ましい。図37は、ポインティングデバイス400をコンピュータ10に接続されている無線通信レシーバ4000に接続した状態の正面図を示している。
ポインティングデバイス400には、後方側面105、前方側面106、底面101のいずれかの面における長手方向の端付近に、当該面の長手方向に平行に短い第1辺を、当該面の短手方向に平行に長い第2辺をそれぞれ辺とする略長方形形状の開口の切欠きが収納部401として設けられている。この場合、当該収納部401は、後方側面105、前方側面106、底面101のいずれかの面において、左側面103又は右側面104の近い方の面から0mm〜20mm程度、より好ましくは1mm〜10mm程度離れた位置に収納部401の中央がくるように当該収納部401が配置されていると好ましい。
なお、上記説明では、略直方体形状の本体部4020を有する無線通信レシーバ4000の接続する収納部401の開口の長手方向がポインティングデバイス400の短手方向に平行であり、したがってコンピュータ10に対して垂直にデバイスが取り付けられる場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、収納部401が斜めの角度を有する状態で配置されることで、無線通信レシーバ4000と接続した状態において、ポインティングデバイス400の長手方向と、コンピュータ10の上面(コンピュータを載置するデスクの上面)との角度Ψが0<Ψ<90度の所定の角度となるように構成されていても良い。斜め向きにポインティングデバイス400が接続されることでスタイリッシュなデザインとなると共に、腕にぶつかりにくくすることができる。
また、上記説明では、本体部4020の形状が略直方体形状の樹脂製の筐体である場合について説明したがこれに限定されるものではなく、例えば本体部4020が球体上の筐体を有し、収納部401も当該無線通信レシーバ4000の形状に合わせて半球状の形状の収納部401を有する構成とすることも可能である。当該構成とすることで、ポインティングデバイス400の接続角度を回転して自由に変更することができ、他のIO機器等の邪魔にならない角度で接続することで充電を行うことが可能となる。
また、ポインティングデバイス400は充電が行われていることを示すインゲージランプを備えていると更に良好である。無線通信レシーバ4000の第2コネクタ4030とポインティングデバイス400の接続コネクタ402が接続され、コンピュータ10の電源と通電する場合に、当該インゲージランプに電力が供給されて点灯する。充電池120の充電が完了している場合に、インゲージランプの点灯する色が変更されると更に良好である。当該機構は既存技術を利用することができるため、詳細な説明は省略する。
以上各実施の形態に係るポインティングデバイスによれば、操作性を維持しつつ携帯性を向上させたポインティングデバイスとすることが可能となる。
なお、上記説明した各実施の形態は、本発明の一実施例を示しているにすぎず、適宜変更が可能であることは言うまでもない。例えば、各実施の形態の構成を取捨選択して組み合わせたポインティングデバイスとしても良い。
なお、上記説明ではポインティングデバイス内にタッチセンサで感知された接触動作がスクロール操作であるかを判定するスクロール操作判定処理部と、当該判定結果に基づいてスクロール操作情報を生成するスクロール情報生成処理部が設けられる場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、タッチセンサで感知された信号をそのままタッチセンサ感知信号として無線通信ユニットから無線送信し、当該タッチセンサ感知信号を受信したコンピュータ側で、当該タッチセンサ感知信号に基づいてスクロール操作が行われたかどうかを判定する機能を備える構成とすることも可能である。
無線通信ユニットから送信される移動情報、第1クリック情報、第2クリック情報、スクロール情報は、コンピュータ10で処理されてWM_MOUSEMOVEメッセージ、WM_LBUTTONDOWNメッセージ、WM_RBUTTONDOWNメッセージ、WM_MOUSEWHEELメッセージ、等の各種メッセージに変換されてアプリケーションに送られる。
なお、上記で説明した、DSP、情報処理ユニットは、無線通信ユニット等は、それぞれ半導体集積回路を用いて実現されてもよい。ここで集積回路はLSI、VLSI,ULSIと称されることもある。
その他、本発明は以下の形態を取ることが可能である。
(付記1)
長辺の長さが40mm〜100mm、短辺の長さが10mm〜40mmである長方形形状の底面と、
前記底面の第1の短辺側に、前記底面に対して略垂直に立設されている左側面と、
前記底面の第2の短辺側に、前記底面に対して略垂直に立設されている右側面と、
前記底面の第1の長辺側に設けられている後方側面と、
前記底面の第2の長辺側に設けられている前方側面と、
前記底面と5mm〜30mmの間隔で略平行に対向する上面と、
前記上面と前記前方側面とを接続する傾斜面と、
を少なくとも筐体として有し、
前記傾斜面に第1クリックボタンと第2クリックボタンが並べて配置され、
デバイス本体の移動方向及び移動量を検出する移動検出部と、
前記上面における前記第1クリックボタンの後方に設けられた感知領域に対する接触動作を感知するタッチセンサと、
前記タッチセンサにおける感知結果に基づいて、スクロール操作が行われたかを判定するスクロール操作判定部と、
前記第1クリックボタンが押下された場合に第1クリック情報を生成する第1クリック情報生成部と、
前記第2クリックボタンが押下された場合に第2クリック情報を生成する第2クリック情報生成部と、
前記スクロール操作判定部でスクロール操作が行われたと判定された場合に、スクロール情報を生成するスクロール情報生成部と、
前記移動検出部で検出された前記移動方向及び移動量を含む移動情報を生成する移動情報生成部と、
前記生成された第1クリック情報、第2クリック情報、スクロール情報、移動情報をデバイス外部へ無線送信する無線送信部と、
を具備するポインティングデバイス。
(付記2)
前記後方側面は、前記底面の第1の長辺側に、前記底面に対して略垂直に立設され、
前記前方側面は、前記底面の第2の長辺側に、前記底面に対して略垂直に立設され、
前記第1クリックボタン及び前記第2クリックボタンは、前記上面の一部分と前記前方側面の一部分に跨った状態で前記傾斜面に配置されていることを特徴とする、
付記1に記載のポインティングデバイス。
(付記3)
前記上面は、短辺の長さが前記底面の短辺よりも短く、長辺の長さが前記底面の長辺と略同一の長さである略長方形形状であり、
前記上面における前記傾斜面側の一部分に、前記第1クリックボタン及び前記第2クリックボタンの一部が嵌まる切欠き部が設けられていることを特徴とする、
付記1又は2に記載のポインティングデバイス。
(付記4)
前記スクロール操作判定部は、前記タッチセンサにおいて前記傾斜面側から前記後方側面側へ移動していく接触動作が感知された場合に、前記感知された接触動作の移動量に対応するスクロール量の第1方向のスクロール操作が行われたと判定し、前記後方側面側から前記傾斜面側へ移動していく接触動作が感知された場合に、第2方向のスクロール操作が行われたと判定し、
前記スクロール情報生成部は、前記スクロール操作判定部で判定されたスクロール操作のスクロール方向と、スクロール量を含むスクロール情報を生成する、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記5)
前記無線送信部より送信された情報を無線受信し、コンピュータに有線送信する無線レシーバの一部又は全部を収納する収納部が、前記後方側面又は底面に設けられていることを特徴とする、
付記1乃至4のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記6)
前記筐体内部に配置された充電池を充電する接続端子が、前記収納部に設けられていることを特徴とする、
付記5に記載のポインティングデバイス。
(付記7)
クリック操作及び移動操作を受けて前記操作内容を示す信号を無線送信するポインティングデバイスであって、
前記無線送信された信号を無線受信してコンピュータに伝送する無線レシーバを収納する収納部を備えるポインティングデバイス。
(付記8)
前記無線レシーバは、前記無線送信された信号を無線受信する無線受信ユニットを少なくとも内部に備える本体部と、前記本体部に設置され、前記無線受信された信号をコンピュータに伝送する端子を少なくとも含む第1コネクタとを備え、
前記収納部は、前記本体部及び第1コネクタと嵌合することで前記無線レシーバを収納することを特徴とする、付記7に記載のポインティングデバイス。
(付記9)
前記収納部は、筐体の底面に配置され、
前記収納部に前記無線レシーバを嵌合させた状態で、前記筐体の底面と前記本体部とが略同一の高さとなることを特徴とする付記7又は8に記載のポインティングデバイス。
(付記10)
クリック操作及び移動操作を受けて前記操作内容を示す信号を無線送信する無線送信ユニットを少なくとも含むポインティングデバイスであって、
前記無線送信ユニットは前記信号を無線レシーバに送信し、
前記無線レシーバは、前記無線送信ユニットから無線送信される信号を無線受信する無線受信ユニットを少なくとも内部に備える本体部と、前記本体部の第1面に設置され、コンピュータからの給電を受ける第1電源端子を少なくとも含む第1コネクタと、前記本体部の第2面に設置され、前記第1コネクタの電源端子と電気的に接続されている第2電源端子を少なくとも含む第2コネクタとを備え、
前記ポインティングデバイスは、前記無線送信ユニットに電力を給電する充電池と、前記第2コネクタに接続して前記充電池の充電に用いられる充電用端子を少なくとも備える充電用コネクタを備えることを特徴とするポインティングデバイス。
(付記11)
前記本体部と前記第2コネクタを収納する収納部を備え、
前記充電用コネクタは、前記収納部内に配置されていることを特徴とする付記10に記載のポインティングデバイス。
(付記12)
横長の略直方体の形状から、上面と前方側面との間の部分が、右側面側から所定の長さに渡って面取りされて傾斜面が形成されている形状を筐体とするデバイスであって、
前記筐体内部には少なくとも前記傾斜面に配置された第1入力ボタンと第2入力ボタンがクリックされた場合に信号を無線送信する無線送信ユニットが備えられ、
前記前方側面付近であって前記傾斜面が形成されていない位置に、前記無線送信される信号を無線受信する無線レシーバを底面側から挿入して収納する収納部が設けられていることを特徴とするポインティングデバイス。
(付記13)
IO機器から無線信号を受信する無線受信ユニットを少なくとも内部に備える略長方形形状の本体部と、
前記本体部の第1面に配置された第1コネクタと、
前記本体部の第2面に配置された前記第1コネクタと電気的に接続されている第2コネクタと、
を備える無線通信レシーバ。