はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.遊技に関する制御を司る制御基板(主基板等)、及び該制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス273等)を有する制御装置(主制御装置271等)を、台座部材(取付台251)によって遊技機本体(本体枠12や遊技盤30等の集合体)の背面から離間させて設置するようにした遊技機において、
前記制御装置と前記遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材(スペーサ部材285)を設けるとともに、該スペーサ部材の一部を前記遊技機本体に軸支させて回動可能とし、さらに、前記遊技機本体と前記スペーサ部材とに、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした結合部(結合部292及び支持部材294の上側貫通孔294b)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、台座部材によって、制御装置が遊技機本体の背面から離間させて設置されるため、制御装置と遊技機本体との間には所定の隙間領域が形成される。この隙間領域は、例えば各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置する場合の設計自由度を高める意味で有効である。ただし、同隙間領域が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
この点手段1では、制御装置と遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材を設け、そのスペーサ部材により前記隙間領域を制限するようにした。これにより、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域そのものを縮小又は無くすことができ、当該隙間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。また、スペーサ部材の一部を遊技機本体に軸支させて回動可能な構成としているため、遊技機本体の背面に取り付けられた各種役物や基板装置などがスペーサ部材の裏側に隠れていても、スペーサ部材の回動動作によって各種役物や基板装置などを現出させることができる。したがって、各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を容易なものとすることができる。さらに、遊技機本体とスペーサ部材とに、いわゆる封印部(カシメ部とも言う)としての機能を有する結合部を設けた。この結合部で結合処理が施されることにより遊技機本体とスペーサ部材とが分離不能とされ、結合後に結合解除が行われると痕跡が残ることとなる。したがって、スペーサ部材の不正な取り外し行為を抑止でき、隙間領域が悪用されて不正部品等が設置される等の不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。以上によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
手段2.遊技に関する制御を司る制御基板(主基板等)、及び該制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス273等)を有する制御装置(主制御装置271等)と、
該制御装置を装着するための平板状の装着部(基板装着部252,253)、及び該装着部の基板搭載面(基板搭載面252a,253a)とは逆方向に延びる脚部(下側脚部261、上側脚部262)を有する台座部材(取付台251)と、を備え、
前記装着部上に前記制御装置を装着し、かつ前記脚部を遊技機本体(本体枠12や遊技盤30等の集合体)の背面に載せた状態で、前記台座部材を遊技機本体の背面側に取付固定した遊技機において、
前記台座装置の装着部と前記遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材(スペーサ部材285)を設けるとともに、該スペーサ部材の一部を前記遊技機本体に軸支させて回動可能とし、さらに、前記遊技機本体と前記スペーサ部材とに、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした結合部(結合部292及び支持部材294の上側貫通孔294b)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段2の遊技機では、台座部材の装着部に制御装置が装着され、その状態で台座部座が遊技機本体の背面側に取付固定されている。台座部材には脚部が設けられており、台座部材を遊技機本体の背面側に取り付けた状態では、装着部と遊技機本体との間に所定の隙間領域が形成されるようになっている。この隙間領域は、例えば各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置する場合の設計自由度を高める意味で有効である。ただし、同隙間領域が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
この点手段2では、台座装置の装着部と遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材を設け、そのスペーサ部材により前記隙間領域を制限するようにした。これにより、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域そのものを縮小又は無くすことができ、当該隙間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。また、スペーサ部材の一部を遊技機本体に軸支させて回動可能な構成としているため、遊技機本体の背面に取り付けられた各種役物や基板装置などがスペーサ部材の裏側に隠れていても、スペーサ部材の回動動作によって各種役物や基板装置などを現出させることができる。したがって、各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を容易なものとすることができる。さらに、遊技機本体とスペーサ部材とに、いわゆる封印部(カシメ部とも言う)としての機能を有する結合部を設けた。この結合部で結合処理が施されることにより遊技機本体とスペーサ部材とが分離不能とされ、結合後に結合解除が行われると痕跡が残ることとなる。したがって、スペーサ部材の不正な取り外し行為を抑止でき、隙間領域が悪用されて不正部品等が設置される等の不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。以上によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
手段3.上記手段2において、前記台座部材は複数の制御装置を装着するものであって、これらの制御装置を装着するための複数の装着部(基板装着部252,253)を、互いに段差を有する態様で形成したことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、台座部材には複数の制御装置を装着するための装着部が段差状に形成されているため、遊技機本体の裏面から離間させて配置したい制御装置と、遊技機本体の裏面に近接させて配置したい制御装置とを共に同一の台座部材に装着することができる。この場合、複数の制御装置を遊技機に搭載する上で配置形態等を多様化させることができる。
手段4.上記手段3において、前記遊技機本体の裏面側から見て前記複数の装着部を互いに交差する向きに延びるようにして形成したことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、複数の装着部が互いに交差する向きに延びるようにして形成されるため、それに合わせて制御装置を例えば縦横に交差させて配置することができる。従って、自由度の高い制御装置の配置が可能となる。例えば、2つの装着部を各々の長手方向が直交するように配置し、全体として略L字状、略T字状などに構成するとよい。
手段5.上記手段3又は手段4において、遊技機の前後方向に重複した状態で前記複数の制御装置をそれぞれの装着部に装着したことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、遊技機の前後方向に重複した状態で前記複数の制御装置がそれぞれの装着部に装着されるため、遊技機本体の裏面側において限られた大きさを効率良く使って複数の制御装置を配置することが可能となる。
手段6.上記手段3乃至手段5のいずれかにおいて、絵柄を変動表示する絵柄表示ユニット(可変表示ユニット35)を遊技機本体の裏面側に突出した状態で配設した遊技機であって、前記絵柄表示ユニットを迂回するようにして前記台座部材を配置したことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、絵柄表示ユニットを迂回するようにして台座部材が配置されており、この絵柄表示ユニットに干渉することなく台座部材が効率良く配置できる。
手段7.上記手段6において、前記装着部の背後空間に通じる一つの開口部を前記絵柄表示ユニットで塞ぎ、他の開口部を前記脚部で塞いだことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、装着部の背後空間に通じる一つの開口部が前記絵柄表示ユニットで塞がれ、他の開口部が台座部材の脚部で塞がれる。この場合、装着部の背後空間に通じる開口部が全て遮蔽部により塞がれなくとも、当該背後空間への侵入を防止するといった所望の効果が得られる。
手段8.上記手段2乃至手段6のいずれかにおいて、前記脚部を、前記台座装置の装着部と前記遊技機本体との間の隙間領域を囲むように設けたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、台座部材に設けられる脚部によって、台座装置の装着部と遊技機本体との間に形成された隙間領域に対する外からの侵入が阻止される。これにより、不正対策効果を高めることができる。
手段9.上記手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記結合部を前記スペーサ部材の開閉中心側に設け、前記結合処理を行った後も前記スペーサ部材が回動可能となる構成としたことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、スペーサ部材と遊技機本体とに結合処理を施した後もスペーサ部材は回動可能に保持される。したがって、結合解除を行うことなく各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を行うことが可能となり、メンテナンス作業等を容易に行うことができる。
手段10.上記手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記遊技機本体と前記スペーサ部材のいずれか一方に支軸部(掛止ピン291)を設けると共に他方に軸受部(支持部材294の下側貫通孔294a)を設け、前記支軸部及び前記軸受部と同一軸線上となる位置に前記結合部をそれぞれ設けると共に前記結合部を軸部材(圧入ピン)により分離不能に結合したことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、支軸部及び軸受部と同一軸線上となる位置に結合部をそれぞれ設け、この結合部を軸部材により分離不能に結合した。かかる場合、封印部としての機能と、スペーサ部材を遊技機本体に軸支させる軸支部としての機能とを結合部に付与することが可能となる。したがって、各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を容易なものとしつつ、スペーサ部材の不正な取り外し行為を抑止できる。
手段11.上記手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記遊技機本体及び前記スペーサ部材の一側部に前記結合部を同一軸線上に複数設け、前記結合部を軸部材(圧入ピン)により分離不能に結合したことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、同一軸線上に結合部を複数設け、この結合部を軸部材により分離不能に結合した。かかる場合、封印部としての機能と、スペーサ部材を遊技機本体に軸支させる軸支部としての機能とを各結合部に付与することが可能となる。したがって、各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を容易なものとしつつ、スペーサ部材の不正な取り外し行為を抑止できる。
手段12.上記手段10又は手段11において、前記結合部を前記台座部材によって覆う構成としたことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、台座部材が遊技機本体に取り付けられた状態では結合部が露出しておらず、軸部材による結合部の結合を解除することができない。これは遊技機本体からスペーサ部材を容易に取り外すことができないことを意味する。したがって、不正抑止効果をより一層高めることができる。
手段13.上記手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記スペーサ部材は、全体として中空の立体形状をなし、その外郭部により形成される中空部内に、格子状をなす複数の仕切り板部(リブ286)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、スペーサ部材が全体として中空の立体形状をなしているため、スペーサ部材の軽量化を図りつつ前記隙間領域を制限するのに好適なものとなる。更に、スペーサ部材に格子状をなす複数の仕切り板部を設けたため、中空部内の空間の一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。また、仕切り板部によってスペーサ部材の補強効果も得られる。
手段14.上記手段1乃至手段13のいずれかにおいて、前記スペーサ部材は、全体として中空の立体形状をなし、その外郭部により形成される中空部内に、複数の柱部材(ボス621)を点在させて設けたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、スペーサ部材が全体として中空の立体形状をなしているため、スペーサ部材の軽量化を図りつつ前記隙間領域を制限するのに好適なものとなる。更に、スペーサ部材に複数の柱部材を点在させて設けたため、中空部内を遮る部材を適宜配することができる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。
手段15.上記手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記スペーサ部材は、全体として中空の立体形状をなし、その外郭部により形成される中空部を細分化する空間細分化部材(リブ286等)を有することを特徴とする遊技機。
手段15によれば、スペーサ部材が全体として中空の立体形状をなしているため、スペーサ部材の軽量化を図りつつ前記隙間領域を制限するのに好適なものとなる。更に、スペーサ部材に空間細分化部材を設けたため、中空部内の空間の一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。
手段16.上記手段13乃至手段15のいずれかにおいて、前記スペーサ部材を少なくとも一方に開口する立体形状とし、前記スペーサ部材の開口側が前記台座部材と対向するように前記スペーサ部材を前記遊技機本体に軸支させたことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、スペーサ部材を少なくとも一方に開口する立体形状としたため、スペーサ部材の製造容易性を確保することができ、遊技機のコストアップを抑制することが可能となる。また、スペーサ部材の開口側が台座部材と対向するようにスペーサ部材を遊技機本体に軸支させたため、仮にスペーサ部材の中空部内を細分化する仕切り板部等の一部を切断して不正基板等を設置する不正行為が行われたとしても、当該不正行為を容易に発見する事が可能となる。
手段17.上記手段1乃至手段16のいずれかにおいて、前記台座部材を透明な合成樹脂材料にて形成したことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、台座部材は透明な合成樹脂材料にて形成されている。かかる構成とすることにより、仮に隙間領域に不正基板等を設置する不正行為がなされたとしても、これを比較的容易に発見することができる。故に、遊技機を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。また、手段13乃至手段16のいずれかの構成に適用する場合、仕切り板部等を装着部と直交する向きとなるように形成すれば、仮に隙間領域に不正基板等を設置する不正が行われたとしても遊技機本体の背面側からこれを比較的容易に発見することができ、遊技機を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。なお、ここに言う透明とは、無色透明に限らず有色透明をも含む。
手段18.上記手段17において、少なくとも前記第1制御装置の基板ケースを透明な合成樹脂材料にて形成したことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、第1制御装置の基板ケースは透明な合成樹脂材料にて形成されている。かかる構成とすることにより、仮に基板ケース内部に不正基板等を設置されたり制御基板自体に不正が行われたりしたとしても、遊技機本体の背面側からこれを比較的容易に発見することができる。また、隙間領域に不正基板等を設置する不正が行われたとしても、遊技機本体の背面側からこれを比較的容易に発見することができる。故に、遊技機を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。なお、ここに言う透明とは、無色透明に限らず有色透明をも含む。
手段19.上記手段18において、少なくとも前記第1制御装置の制御基板を透明な合成樹脂材料にて形成したことを特徴とする遊技機。
手段19によれば、第1制御装置の制御基板は透明な合成樹脂材料にて形成されている。かかる構成とすることにより、仮に隙間領域に不正基板等を設置する不正行為がなされたとしても、遊技機本体の背面側からこれを比較的容易に発見することができる。故に、遊技機を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。なお、ここに言う透明とは、無色透明に限らず有色透明をも含む。
手段20.遊技に関する制御を司る制御基板(主基板等)、及び該制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス273等)を有する制御装置(主制御装置271等)を、台座部材(取付台251)によって遊技機本体(本体枠12や遊技盤30等の集合体)の背面から離間させて設置するようにした遊技機において、
前記制御装置と前記遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材(スペーサ部材285)を設けるとともに、該スペーサ部材の一部を前記遊技機本体に支持させて所定方向にスライド移動可能とし、さらに、前記遊技機本体と前記スペーサ部材とに、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした結合部を設けたことを特徴とする遊技機。
手段20の遊技機では、台座部材によって、制御装置が遊技機本体の背面から離間させて設置されるため、制御装置と遊技機本体との間には所定の隙間領域が形成される。この隙間領域は、例えば各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置する場合の設計自由度を高める意味で有効である。ただし、同隙間領域が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
この点手段20では、制御装置と遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材を設け、そのスペーサ部材により前記隙間領域を制限するようにした。これにより、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域そのものを縮小又は無くすことができ、当該隙間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。また、スペーサ部材の一部を遊技機本体に支持させて所定方向にスライド移動可能な構成としているため、遊技機本体の背面に取り付けられた各種役物や基板装置などがスペーサ部材の裏側に隠れていても、スペーサ部材のスライド動作によって各種役物や基板装置などを現出させることができる。したがって、各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を容易なものとすることができる。さらに、遊技機本体とスペーサ部材とに、いわゆる封印部(カシメ部とも言う)としての機能を有する結合部を設けた。この結合部で結合処理が施されることにより遊技機本体とスペーサ部材とが分離不能とされ、結合後に結合解除が行われると痕跡が残ることとなる。したがって、スペーサ部材の不正な取り外し行為を抑止でき、隙間領域が悪用されて不正部品等が設置される等の不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。以上によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
手段21.遊技に関する制御を司る制御基板(主基板等)、及び該制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス273等)を有する制御装置(主制御装置271等)と、
該制御装置を装着するための平板状の装着部(基板装着部252,253)、及び該装着部の基板搭載面(基板搭載面252a,253a)とは逆方向に延びる脚部(下側脚部261、上側脚部262)を有する台座部材(取付台251)と、を備え、
前記装着部上に前記制御装置を装着し、かつ前記脚部を遊技機本体(本体枠12や遊技盤30等の集合体)の背面に載せた状態で、前記台座部材を遊技機本体の背面側に取付固定した遊技機において、
前記台座装置の装着部と前記遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材(スペーサ部材285)を設けるとともに、該スペーサ部材の一部を前記遊技機本体に支持させて所定方向にスライド移動可能とし、さらに、前記遊技機本体と前記スペーサ部材とに、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした結合部を設けたことを特徴とする遊技機。
手段21の遊技機では、台座部材の装着部に制御装置が装着され、その状態で台座部座が遊技機本体の背面側に取付固定されている。台座部材には脚部が設けられており、台座部材を遊技機本体の背面側に取り付けた状態では、装着部と遊技機本体との間に所定の隙間領域が形成されるようになっている。この隙間領域は、例えば各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置する場合の設計自由度を高める意味で有効である。ただし、同隙間領域が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
この点手段21では、台座装置の装着部と遊技機本体との間に形成される隙間領域にスペーサ部材を設け、そのスペーサ部材により前記隙間領域を制限するようにした。これにより、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域そのものを縮小又は無くすことができ、当該隙間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。また、スペーサ部材の一部を遊技機本体に支持させて所定方向にスライド移動可能な構成としているため、遊技機本体の背面に取り付けられた各種役物や基板装置などがスペーサ部材の裏側に隠れていても、スペーサ部材の回動動作によって各種役物や基板装置などを現出させることができる。したがって、各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を容易なものとすることができる。さらに、遊技機本体とスペーサ部材とに、いわゆる封印部(カシメ部とも言う)としての機能を有する結合部を設けた。この結合部で結合処理が施されることにより遊技機本体とスペーサ部材とが分離不能とされ、結合後に結合解除が行われると痕跡が残ることとなる。したがって、スペーサ部材の不正な取り外し行為を抑止でき、隙間領域が悪用されて不正部品等が設置される等の不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。以上によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
なお、上記手段3乃至手段19の特徴的構成を上記手段20又は手段21に適用することもでき、その場合には相乗効果が期待できる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル111)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射装置61)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(球発射通路53)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、可変表示ユニット35等)とを備えた遊技機。
可変表示装置を備えた弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル111)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射装置61)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(球発射通路53)と、遊技領域内に配置された作動口(作動口33)、可変表示装置(第1図柄表示装置41)及び可変入賞装置(可変入賞装置32)とを備え、作動口への遊技球の入球を検知すると可変表示装置に表示される図柄を可変表示し、その停止時の図柄が特定図柄である場合に可変入賞装置を所定態様で開放させるようにした遊技機。
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に図柄列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2,3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。
本体枠12の前面側の下部位置には前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成する奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。奥壁パネル17には球排出口17aが設けられており、球排出口17aより排出された遊技球が下皿16内に貯留されるようになっている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。球抜きレバー19が操作されると、下皿16の底面に設けられた球抜き穴を介して下皿16内の貯留球が下方に排出される。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
ベース部15には膨出部15aの左方に灰皿21が設けられている。灰皿21は、内部に溜まった吸い殻等を除去しやすいように手前側下方に反転可能に取り付けられており、その右側面と背面とでベース部15に対面している。具体的な図示は省略するが、灰皿21の右側面には当該灰皿21を回動可能な状態で片持ち支持するための支軸が設けられ、同背面には灰皿21が図示のように上方に開口した位置でベース部15に係止される係止部が設けられている。前面板14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。なお、上皿23も下皿16等と同様、難燃性のABS樹脂にて構成することが可能である。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、第1図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部には、第1図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。また、センターフレーム43の上部中央には、スルーゲート34の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置42が設けられている。センターフレーム43の下部には、第2図柄表示装置42に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
第1図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。第1図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして可変表示されるようになっている。なお、第1図柄表示装置41は、液晶ディスプレイ以外に、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第2図柄表示装置42は、例えば「○」、「×」の2種類の第2図柄を表示する表示部45を備えている。そして、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に表示部45の表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄(例えば「○」図柄)で停止した場合に、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。具体的な変動態様は、遊技球がスルーゲート34を通過すると、「○」と「×」の表示が付された部分の背面に内蔵された各LEDが交互に点灯され、最終的に「○」か「×」の一方に対応したLEDのみが点灯されるというものである。なお、表示部45は、複数のランプ(LED)を交互に点灯させることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置41(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態(以下、大当たりという)の際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、作動口33に遊技球が入賞すると第1図柄表示装置41で第1図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に大当たりが発生する。そして、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態になるよう構成されている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、より具体的には、摩擦抵抗を低減するべくフッ素配合のポリカーボネート樹脂が用いられている。レールユニット50は、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部52は内レール部51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール部51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。
内レール部51は、他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。また、外レール部52は、内レール部51と同様に他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられた支持部52aを有し、その支持部52aの内側面に、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするための摺動プレート52bが取り付けられている。摺動プレート52bは、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなり、複数箇所で支持部52aに支持されている。かかる場合、内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球案内通路が形成されている。なお、内外のレール部51,52が対向する部位では、遊技盤30との当接部53により各レール部51,52が連結されており、球案内通路は手前側に開放した溝状に形成されている。
レールユニット50において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。ここで、レールユニット50の上下及び左右の各端部は略直線状に形成されている。つまり、レールユニット50の上下及び左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。レールユニット50は、遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置に至るように配設されている。なお、レールユニット50の球案内通路に対応する部位のなかでも特に遊技球の受け入れ部位に関しては、当該レールユニット50を強固に取り付けて遊技球の飛びを安定させるべく、該当するフランジ56が他よりも多い箇所(本実施の形態では3カ所、他は2カ所)でネジ止めされている。
内レール部51及び外レール部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。凸部57は、内レール部51の外周部から下方へ延びるように形成され、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路76(図3参照)に導く機能を有する。
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース25において、窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース25に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後球案内通路を通じて遊技領域に案内される。発射レール61と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。従って、仮に遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。
ファール球が球案内通路内を逆流してくる際、その多くは外レール部52に沿って流れ、外レール部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は球案内通路内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路76に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路76に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
本体枠12の前面において発射レール61の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図10参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部に小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図5に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。従って、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。従って、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
図2に示すように、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、カバー部材92には、その上端部及び下端部に係止部(フック)が形成されている。従って、上側の係止部を本体枠12側に係止させると共に、下側の係止部を本体枠12と前面板14との間に挟み込むことにより、カバー部材92が本体枠12に取り付けられる。前扉枠13には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、前扉枠13を閉鎖した状態ではこの前扉枠13と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。なお、前扉枠13を閉鎖したとき、カバー部材92に形成された鍔部が前扉枠13により押さえられ、カバー部材92のがたつきが防止されるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部120を設けた本パチンコ機10の構成において、カードユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図5の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図5の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134には、前記発射レール61に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図5に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール61の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール61から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
前扉枠13には、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140が取り付けられている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前扉枠13に取着した図5の状態で右端となる部位)には、球案内通路がガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。以上のレールカバー140の構成により、前扉枠13が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が球案内通路のほぼ全域を覆うこととなって、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
また、レールカバー140の下部裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ後方へ向けて突出する突条142が形成されている。突条142は、前扉枠13が閉じられた状態において、球案内通路内に入り込んだ状態で内レール部51に重なり合うように配置される。従って、例えば前扉枠13と本体枠12との隙間から針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、球案内通路の内側にある遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金やフィルム等を侵入させにくくなり、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図6はパチンコ機10の背面図、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図8の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図9は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図10は本体枠12を後方より見た斜視図、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図9にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、第1図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に集合板ユニット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複していない。従って、遊技盤30を本体枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿23の裏側に配置されており、上皿23に至る球排出口(図2の球通路樋138)より針金やフィルム等を差し込み、さらにその針金やフィルム等を本体枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで、本パチンコ機10では、図10に示すように、排出通路盤217には、球通路樋138の上部位置に対応する高さ位置に、本体枠12に重なり合うようにしてパチンコ機10前方に延びるプレート219を設けた。従って、本体枠12と排出通路盤217との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して可変入賞装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271に取り込まれ、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。ここで、従来のいわゆる証拠球方式では、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行うようにしていたが、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に検知して払出が直ちに行われるようにしているため、払い出す遊技球が多量にあってもその払出をいち早く実施することが可能となるとともに、入賞球処理装置が不要となる。
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(確定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。なお、図9に示すように、本体枠12裏側の左下部には、打球槌等を備えるセットハンドル228及び発射モータ229が設けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。さらに、集合板ユニット215には、スペーサ部材285を取り付けるための取付機構が設けられている。なお、スペーサ部材285及びこの取付機構については後述することとする。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図12に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図9では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図9では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
なお、本体枠12の左右側部に軸受け金具235と施錠装置(基枠247、連動杆248等)とが振り分けられる上記構成において、これら軸受け金具235及び施錠装置(基枠247、連動杆248等)を配置するための領域を残した幅となるようにして、本体枠12に前記遊技盤30が取り付けられている。これによっても遊技領域の拡張が図られていることは前述した通りである。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。遊技球分配部245は、本体枠12に対してネジ等により強固に取り付けられている。従って、遊技球分配部245の設置部位における浮き上がりが防止され、隙間から針金やフィルム等を侵入させることによる不正行為が防止できるようになっている。なお、本体枠12の下端部には、奥壁パネル17の裏側に設置されたスピーカ20の背後を囲むための合成樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、スピーカボックス246がスピーカ音を後方へ逃さないように機能することで低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図13〜図17に基づいて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図である。また、第1制御基板ユニット201を構成する各部材のうち、主制御装置271の構成を図16に、取付台251の構成を図17に、それぞれ示す。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす台座部材としての取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニット274によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット274はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図16等に示すように、5つの封印部材が並べて設けられた構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。これにより、基板ボックス273のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、基板ボックス273において、封印ユニット274と反対側の短辺部には、その封印ユニット274とは別に基板ボックス273を封印するための封印部275が上下2カ所に設けられている。この封印部275は、本パチンコ機10が工場で製造された後、遊技ホール等まで搬送されるまでの不正行為を抑止するための搬送用封印部であり、パチンコ機10の工場出荷時に同封印部275に対する封印処理が施される。そして、同パチンコ機10のホール搬送後において主制御装置271の検査確認等の目的で封印部275の封印が解除され基板ボックス273が開放された場合には、再度使われることはなくそのまま放置される。遊技ホールでの設置後は、前述の封印ユニット274で封印処理が行われることによって基板ボックス273の不正な開封が防止される。
基板ボックス273の上端部には、上方に突出するようにして複数(本実施の形態では4つ)の結合片276が設けられている。結合片276は、連結部276aによって基板ボックス273のボックスベース(又はボックスカバー)に連結されており、後述するように結合片276を封印部(カシメ部)として用いる場合において、連結部276aが破断用工具により破断可能となっている。
図16の(b)に示すように、基板ボックス273の背面部は平坦面となっており、その背面部には、円柱状の突起277が1カ所に設けられるとともに、左右2カ所に締結部材としての回動操作式の係止具278が設けられている。突起277は、複数種類存在する主制御装置271ごとに個別の特定位置(例えば、5つの規定ポジションのうちいずれか)に形成されている。また、係止具278は、基板ボックス273の裏面に立設された支軸278aにより回動可能となっており、該係止具278は90度の角度範囲内で回動となっている。この場合、係止具278は、横一文字状となる位置と縦一文字状となる位置との間で回動される。
音声ランプ制御装置272は、表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス281に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置272上には電源中継基板282が搭載されており、電源装置313の電源が電源中継基板282を介して表示制御装置214及び音声ランプ制御装置272に供給されるようになっている。主制御装置271の基板ボックス273及び音声ランプ制御装置272の基板ボックス281は何れもケース部材に相当する。
また、図17において、取付台251はポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、全体に無色透明となっている。ただし、取付台251は緑や青等に着色されて不透明又は半透明であっても良い。取付台251には平坦板状をなす2つの基板装着部252,253が設けられている。これら基板装着部252,253は縦横に直交する向きに延び、パチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されている。具体的には、一方の基板装着部252は左右方向に延びる略長方形状の平板部よりなり、他方の基板装着部253は上下方向に延びる略長方形状の平板部よりなる。また、基板装着部252,253は、取付台251の表側(パチンコ機10への設置状態で言えばパチンコ機後方に向く側)が基板搭載面252a,253aとなっており、それら基板搭載面252a,253aには、取付台251の表側から見て基板装着部252の基板搭載面252aが手前側となるようにして20〜30mm程度の段差が設けられている。
基板装着部252には、その下端部に基板搭載面252a側に起立した起立部254が形成されるとともに、その上端部に複数(本実施の形態では4つ)の被結合片255が形成されている。また、基板装着部252には、複数(本実施の形態では5つ)の位置合わせ孔256が横並びに形成されるとともに、左右2カ所に横長形状の貫通孔257が形成されている。
位置合わせ孔256はそれぞれ切除可能な切除片を有する孔部となっており、都度使用される主制御装置271に応じて複数の位置合わせ孔256のうち1つの切除片が打ち抜かれ開放される。本構成によれば、基板装着部252に本来装着されるべき主制御装置271を装着しようとする場合には、同主制御装置271の基板ボックス背面に設けた突起277の位置と、開放された位置合わせ孔256の位置とが一致し、主制御装置271が支障なく装着できる。これに対し、基板装着部252に間違った主制御装置271を装着しようとする場合には、同主制御装置271の突起277の位置と、開放された位置合わせ孔256の位置とが不一致となり、主制御装置271の装着が不可となっている。これにより、基板装着部252に装着されるべき主制御装置271の組み付け間違いが防止されるようになっている。例えば、パチンコ機10の機種が相違する場合や、同一機種であっても型式等が異なる場合において、それら機種や型式ごとに主制御装置271の突起277の位置を換えるようにしておけば、機種ごと或いは型式ごとの組み付け間違いが防止できる。
主制御装置271を基板装着部252に搭載する際には、横長となる向きに主制御装置271が配置される。このとき、主制御装置271の下辺側を起立部254上に載せた状態で、基板装着部252の左右の貫通孔257に係止具278を挿通させるとともに、位置合わせ孔256(複数の同孔のうち開放された孔)に突起277を挿通させるようにして主制御装置271を基板装着部252上に装着する。そして、基板装着部252の背後にて係止具278を90度回動させてロック位置に操作する。この係止具278の回動操作によって、基板装着部252上にて取り外し不能に主制御装置271が装着できる。この場合、第1制御基板ユニット201の裏面側から再び係止具278を回動操作してアンロック位置に戻さなければ(ロック解除しなければ)、主制御装置271を取り外すことができないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
また、基板装着部252上に主制御装置271を装着した状態では、主制御装置271の結合片276と取付台251側の被結合片255とが前後で重なるようにして合致する。この場合、4組の結合片276及び被結合片255のうち、1つに封印ネジがねじ込まれることで、主制御装置271と取付台251との間で封印処理が施される。図示は省略するが、封印ネジは、ドライバ等の締付け工具による締付け時に所定の締付け力以上の負荷がかかると頭部が破断される、いわゆる破断ネジであり、結合片276及び被結合片255の封印時にネジ頭部が破断されることで、その後はドライバ等によるネジの緩め作業が不可となる。この場合、封印を解除するには、結合片276の連結部276aを破断しなければならず、その破断により封印解除の履歴が残るようになっている。
破断ネジに代えて、所定の締付け方向にはねじ回しができるが、その逆の緩め方向にはねじ回しができない、いわゆる一方向ネジ(ワンウェイネジとも称される)を用いることも可能である。なお、基板装着部252には、封印ネジのストックを備えておくための封印ネジ備蓄部258が設けられている。
また、他方の基板装着部253には、縦長となる向きに音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、音声ランプ制御装置172は、複数箇所でネジ等により位置決めされかつ固定されるようになっている。
取付台251を遊技盤30の背面側に取り付けた状態では、2つの基板装着部252,253が遊技盤30から離間するようになっており、そのための構成として、基板装着部252,253において基板搭載面252a,253aとは逆側(取付台251の背面側)に延びる脚部が設けられている。この脚部は、大まかにいって取付台251の下側に設けられる下側脚部261と、同取付台251の上側に設けられる上側脚部262とからなる。詳しくは、下側脚部261は、左右の側辺部261a,261bとその側辺部261a,261b間に設けられる下辺部261cとからなる。左右の側辺部261a,261bは、脚部としての長さ方向の寸法が相違しており、側辺部261aの方が側辺部261bよりも長くなっている。この違いは、2つの基板装着部252,253における高さ位置の違いによる。これら左右の側辺部261a,261b及び下辺部261cからなる下側脚部261は連続的に一体成形されており、基板装着部252,253の背後部分への侵入を阻止するための遮蔽部ともなっている。つまり、本取付台251を遊技盤30の背面側に取り付けた状態では基板装着部252と遊技盤30の間に隙間領域が形成されるが、下側脚部261によってその隙間領域に対する不正道具等の侵入が阻止されるようになっている。また、この隙間領域に不正基板等を取り付けられることも阻止できる。
下側脚部261において、一方の側辺部261aには、上下一対の掛止ピン263が設けられており、この掛止ピン263を前記集合板ユニット215の軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持されるようになっている。また、同じく側辺部261aには、各制御装置や遊技盤30から延びる電気配線を束ねるための結束具264が取り付けられている。他方の側辺部261bには、前記集合板ユニット215の被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ265が設けられている。なお、同側辺部261aは、第1制御基板ユニット201の支軸部を構成する部位であるため、その補強ために壁板が二重構造となっている。
また、上側脚部262は、基板装着部253の上端部に設けられており、その基端部267には長孔267aが形成されている。長孔267aは、前記集合板ユニット215の係止爪片233に対応する位置に設けられている。
したがって、取付台251を遊技盤30の背面側(実際には集合板ユニット215)に取り付けた場合には、下側脚部261及び上側脚部262の先端部が遊技盤30の背面側(集合板ユニット215)に当接する。そしてこのとき、ナイラッチ265が被締結孔232にはめ込まれるとともに、長孔267aによって係止爪片233が係止されることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン263が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ265が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔267aが前記係止爪部M3にそれぞれ相当する。
上記のとおり、取付台251を遊技盤30に取り付けた状態で2つの基板装着部252,253が遊技盤30から離間するよう構成されていることにより、その取り付け状態下においては、取付台251の背後(基板装着面252a,253aとは逆側)に所定の隙間領域が形成されるようになっている。かかる場合、その隙間領域を用いることで、遊技盤30の背面側に設けられる各種役物(例えば、始動入賞装置や可変入賞装置など)、中継基板等の基板装置、各種配線などが効率良く配置できるようになっている。このとき、取付台251の背後に形成される隙間領域が大きければ、遊技盤30の背面側に設けられる各種役物や基板装置等が増えたり、大きくなったりしてもそれに容易に対処できる。故に、異なる機種又は型式のパチンコ機に対して共有使用する上で有利となるとも考えられる。
ただしその反面、取付台251の背後の隙間領域が不正目的で悪用されることが懸念される。具体的には、上記隙間領域に不正基板などが取り付けられることが懸念される。なお、上記隙間領域は下側脚部261の遮蔽機能により遮蔽されるため、手や工具類の差し入れが阻止されると考えられるが、この隙間領域の存在によって、不正基板等の設置可能領域ができることにもなる。また、取付台251が有色である場合等においては、下側脚部261の遮蔽機能により、却って一旦取り付けられた不正基板等の発見が困難になるといったデメリットも想定される。
そこで本実施の形態では、取付台251と遊技盤30の間に形成される隙間領域にスペーサ部材285を配し、当該隙間領域を埋めることで不正対策を講じることとする。そのスペーサ部材285の構成を図18により説明する。
図18に示すように、スペーサ部材285は、全体として中空ブロック状の直方体形状をなしており、相対向する表裏両側のうち表側すなわち取付台251と対向する側は開放された面となっているのに対し、裏側すなわち遊技盤30と対向する側は閉ざされた面となっている。スペーサ部材285は、無色透明の合成樹脂材料により一体成形されている。スペーサ部材285の上下及び左右方向の最大寸法は概ね取付台251の基板装着部252の寸法と合致している。また、スペーサ部材285の厚さは、取付台251の脚部の長さとほぼ同じ、又は取付台251の脚部の長さよりも若干小さい長さ寸法となっている。故に、スペーサ部材285は、取付台251の基板装着部252の背後に形成される隙間領域に丁度収まるようになっている。
ただし、スペーサ部材285の相対向する表裏両側のうち、閉ざされた面と開放された面とを逆にすることも可能である。つまり、スペーサ部材285の相対向する表裏両側のうち、表側を閉ざされた面とし、裏側を開放された面とする。又は、スペーサ部材285の相対向する表裏両側をいずれも、閉ざされた面若しくは開放された面とすることも可能である。なお、表裏両側を閉ざされた面とするには、一側が開放された部材を形成すると共にこの部材の開放側に平板状の板材を後付けすると良い。
スペーサ部材285には格子状の多数のリブ286が形成されており、その多数のリブ286によって、スペーサ285の中空部に比較的大きな空間が形成されないようになっている。つまり、空間が細分化されている。また、多数のリブ286を設けることにより、空間の細分化といった所望とする効果を得つつ、スペーサ部材285の重量軽減を図ることができるようになっている。この場合、スペーサ部材285が透明材料により成形されているために、仮にリブ286の一部が切除されたとしても、その発見が容易となっている。リブ286は、取付台251の基板装着部252と直交する向きに、且つ主制御装置271の突起277との干渉を回避するようにして形成されている。具体的には、主制御装置271に設けられる突起277は、あらかじめ定められた5カ所の規定ポジションのうちいずれかに設けられるようになっているため、いずれの規定ポジションに突起277が設けられた場合であっても突起277が格子内に収容されるようにリブ286を形成している。また、スペーサ部材285には、主制御装置271の係止具278との干渉を回避するために矩形状の切欠部288が2カ所に形成されるとともに、取付台251に設けられた封印ネジ備蓄部258との干渉を回避するために矩形状の切欠部289が1カ所に形成されている。
図18の(b)に示すように、スペーサ部材285の裏側には矩形状の凹部290が形成されている。この凹部290は、本スペーサ部材285の装着相手側(遊技盤16側)との兼ね合いで設けられるものであり、同凹部290によって遊技盤16背面の突起状の部位又は部材との干渉が回避できるようになっている。具体的には、遊技盤16に設けられた可変入賞装置32やその背面側に取り付けられた盤面中継基板226、大入賞口中継基板227との干渉を凹部290により回避している(例えば図11参照)。また、凹部290をスペーサ部材285の上面に開放されるようにして形成することにより、盤面中継基板226等に接続される電気配線等の取り回しを比較的容易なものとしている。
スペーサ部材285の左側辺部285aの下部には、上下方向に延びる掛止ピン291が設けられており、左側辺部285aの中央部には、結合部292が設けられている。結合部292は、上下に貫通する貫通孔292aを有しており、該貫通孔292aと掛止ピン291とが同一軸線上に並ぶようにして左側辺部285aに設けられている。また、スペーサ部材285の右側辺部285bには、ナイラッチ293が設けられている。
遊技盤30(より詳しくは集合板ユニット215)の背面側には、スペーサ部材285を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、図9,図11に示すように、遊技盤30の左下部には上下方向に延びる支持部材294が設けられ、遊技盤30の右下部には被締結孔295が設けられている。集合板ユニット215には支持部材294を取り付けるための結合部が形成されており、支持部材294は、集合板ユニット215の結合部と支持部材294とに封印ネジがねじ込まれることにより、集合板ユニット215に対して固定される。図示は省略するが、封印ネジは、ドライバ等の締付け工具による締付け時に所定の締付け力以上の負荷がかかると頭部が破断される、いわゆる破断ネジであり、支持部材294の固定時にネジ頭部が破断されることで、その後はドライバ等によるネジの緩め作業が不可となる。つまり、集合板ユニット215と支持部材294との間で封印処理が施される。この場合、封印を解除するためには、集合板ユニット215又は支持部材294の少なくとも一方を破壊しなければならず、その破壊により封印解除の履歴が残るようになっている。支持部材294には、同一軸線上に上下一対の貫通孔294a,294bが形成されており、上側貫通孔294bはその下側が閉じられている。
スペーサ部材285を遊技盤30に組み付ける際には、スペーサ部材285の掛止ピン291を集合板ユニット215に設けられた支持部材294の下側貫通孔294aに挿通させる。そして、スペーサ部材285の結合孔292aと集合板ユニット215の上側貫通孔294bが同一軸線上となるよう上下に重ね、圧入ピン(図示略)を結合孔292aと上側貫通孔294bに完全に没入するまで押し入れる。これにより、スペーサ部材285が集合板ユニット215に対して回動可能に片持ち支持されるようになる。その後、スペーサ部材285のナイラッチ293を集合板ユニット215の被締結孔295にはめ込むことにより、スペーサ部材285が遊技盤20に固定される。このスペーサ部材285の組付状態では、取付台251の基板装着部252と集合板ユニット215の間に形成される隙間領域がスペーサ部材285によって埋められることになる。故に、取付台251の基板装着部252の背後側においては、不正基板等を設置する余地が無くされるようになっている。
またこのとき、上側貫通孔294bの下側が閉じられているため、圧入ピンの圧入後は強引な破壊等を伴わなければ当該圧入ピンを抜き取ること(すなわち結合解除すること)が不可能となる。つまり、圧入ピンによってスペーサ部材285と集合板ユニット215との間で封印処理が施されており、封印処理が施された状態でスペーサ部材285の回動可能な状態が維持されている。この場合、封印処理が施された後は所定の破壊行為を行わなければその封印処理を解除することができないため、仮に不正に封印処理が解除されてスペーサ部材285が遊技盤30から取り外されたとしても、その不正の痕跡が残るようになっている。なお、返し部が設けられた圧入ピンを用いれば、圧入ピンの抜き取りがより一層困難なものとなり、不正行為に対する抑止力をより発揮することができる。
第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態を想定しても、上記のとおり取付台251の基板装着部252の背後に形成される隙間領域がスペーサ部材285によって埋められているため、取付台251の背後の隙間領域が不正目的で悪用されることが抑制できる。また、制御基板ユニット201は、絵柄表示ユニットとしての可変表示ユニット35に隣接して配置されているため、基板装着部252の隙間領域に通じる開口部のうち上側の開口部が可変表示ユニット35によって塞がれており、スペーサ部材285に対する不正行為も困難なものとなっている。つまり、スペーサ部材285を不正に取り外したり、同スペーサ部材285の一部を切除したりする行為ができなくなっている。
なお、取付台251の背後に形成される隙間領域を、各種役物や基板装置の設置領域として活用する場合には、スペーサ部材285を設置することなく実現することも可能である。
また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該制御基板ユニット201の上部がカバー部材としての裏パックユニット203により覆われるため、これによっても取付台251の背後に手や工具などを差し入れることの困難性が増すようになっている。
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放することが、裏パックユニット203を開放するための開放条件となっている。
ここで、主制御装置271及び音声ランプ制御装置272の配置に関して図19を用いて説明する。主制御装置271用の基板装着部252と音声ランプ制御装置272用の基板装着部253とは互いに平行な平坦面にて構成され、パチンコ機10の裏面から見てL字状に直交するようにして形成されている。このとき、遊技盤30中央の可変表示ユニット35を迂回するようにして各基板装着部252,253が形成され、さらに、遊技盤30の下辺及び左辺に沿うようにして各基板装着部252,253が形成されている。また、これら基板装着部252,253は前後方向に見て段差状に形成されている。
各基板装着部252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272が搭載されると、主制御装置271はパチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置272はその奥側に配置される。この場合、基板装着部252,253がパチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板装着部252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を搭載した状態において各制御装置271,272はその一部が前後に重ねられて配置される。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置272を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置272に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御装置271,272の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,272を効率良く設置できる。なおこの場合、各基板装着部252,253の段差を音声ランプ制御装置272の高さ寸法よりも大きくしている。故に、各制御装置271,272を立体配置したとしても、その高さ方向で干渉するといった不都合も生じない。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板装着部252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
また、上記のとおり主制御装置271及び音声ランプ制御装置272の一部を上下(パチンコ機10においては前後)に重ね、主制御装置271の一部を浮かせた状態としたことにより、取付台251において主基板用の基板装着部252の背面側に比較的大きな隙間領域が形成されることとなる。故に、不正行為のターゲットともなり得る隙間領域ができてしまうが、上記のように遊技盤30にスペーサ部材285を取り付けることにより、不正行為を困難なものとすることができる。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図20〜図22に基づいて説明する。図20は第2制御基板ユニット202の正面図、図21は同ユニット202の斜視図、図22は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図23及び図24に基づいて説明する。図23は裏パックユニット203の正面図、図24は裏パックユニット203の分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置272も併せて囲む構成となっている。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置214等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができるようになっている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。なお、図示は省略するが、ケースレール357の上流部には、タンク355やタンクレール356から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置358には、払出モータ358aの回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。バイブレータ360は、バイブモータとそのバイブモータを収容する合成樹脂製のケースとによりユニット化されており、2本の脚部360aでタンクレール356に取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット203を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット203を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図25のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置271には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置271は、本パチンコ機10における主要な制御(利益に絡む演算処理全般)を実施するためのメインコントローラであり、その動作主体たるCPU501は、遊技球の入賞判定処理、所定の始動入賞をトリガとする大当たり抽選処理、大当たり当選時の可変入賞装置32(いわゆる大入賞アタッカ)の開放処理、遊技球の払出指令を出力する払出指令処理等を適宜実行する。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
主制御装置271のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置214や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置271のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置271のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置271、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置214は、第1図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示と、第2図柄表示装置42における第2図柄(普通図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置214は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置271の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には第2図柄表示装置42(表示部45)や、音声ランプ制御装置272が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には第1図柄表示装置41が接続されている。
表示制御装置214のCPU521は、主制御装置271から送信される図柄表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置41及び第2図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置41に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置271や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置271や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置271のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置271及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置271及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置271及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置271及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置271及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置271及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
以上本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1制御基板ユニット201において取付台251の背後に形成される隙間領域にスペーサ部材285を配し、それにより当該隙間領域を埋めるようにしたため(隙間領域に制限を加えるようにしたため)、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域そのものを縮小又は無くすことができ、当該隙間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。
スペーサ部材285が集合板ユニット215に対して回動可能に片持ち支持される構成としたため、遊技盤30の背面に取り付けられた可変入賞装置32等がスペーサ部材285の裏側に隠れていても、スペーサ部材285の回動動作によって可変入賞装置32等を現出させることができる。したがって、スペーサ部材285によって隠れる可変入賞装置32等のメンテナンス作業を容易なものとすることができる。さらに、スペーサ部材285を封印処理により集合板ユニット215に結合する構成としたため、スペーサ部材285の不正な取り外し行為を抑止でき、隙間領域が悪用されて不正部品等が設置される等の不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。以上によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
スペーサ部材285と集合板ユニット215とに封印処理を施した後もスペーサ部材285の回動可能な状態が維持される構成としたため、圧入ピンを抜き取るという封印解除を行うことなく可変入賞装置32等のメンテナンス作業を行うことが可能となり、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
スペーサ部材285には、貫通孔292aと掛止ピン291とが同一軸線上に並ぶようにして結合部292を設け、集合板ユニット215には、同一軸線上に上下一対の貫通孔294a,294bが形成された支持部材294を設けた。そして、スペーサ部材285の掛止ピン291を集合板ユニット215に設けられた支持部材294の下側貫通孔294aに挿通させると共に、スペーサ部材285の結合孔292aと集合板ユニット215の上側貫通孔294bが同一軸線上となるよう上下に重ね、圧入ピンを結合孔292aと上側貫通孔294bに完全に没入するまで押し入れることにより、スペーサ部材285が集合板ユニット215に対して回動可能に片持ち支持される構成とした。かかる構成においては、結合部292,上側貫通孔294b及び圧入ピンに、封印処理を施す封印部としての機能と、スペーサ部材285を遊技盤30に軸支させる軸支部としての機能とを付与することが可能となる。したがって、可変入賞装置32等のメンテナンス作業を容易なものとしつつ、スペーサ部材285の不正な取り外し行為を抑止できる。
取付台251が遊技盤30に取り付けられた状態では、スペーサ部材285を遊技盤30に取り付けるための取付機構が取付台251によって隠れる構成とした。かかる場合、スペーサ部材285を遊技盤30から取り外すためには、取付台251を遊技盤30から開放させてスペーサ部材285の取付機構を露出させる必要がある。また、取付台251を遊技盤30から開放するためには、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態とする必要があり、さらに、裏パックユニット203を開くためには、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放する必要がある。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に取付台251を開放させることができず、ひいてはスペーサ部材285の取付機構を露出させることも不可能となる。これは、集合板ユニット215からスペーサ部材285を容易に取り外すことができないことを意味する。したがって、不正抑止効果をより一層高めることができる。
スペーサ部材285を中空ブロック状の立体形状をなすものとしたため、スペーサ部材285の軽量化を図りつつ取付台251の背後の隙間領域を埋める(制限する)のに好適な構成が実現できる。また、スペーサ部材285に複数のリブ286を設けたため、スペーサ中空部において一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。リブ286によってスペーサ部材285の補強効果も得られる。
スペーサ部材285を表裏両側のうち一方が開放された立体形状としたため、スペーサ部材285の製造容易性を確保することができる。仮に表裏両側が閉ざされた立体形状とした場合、複数の部材を用いてスペーサ部材285を形成する必要が生じ、スペーサ部材285の製造工程が繁雑化し得るからである。このようにスペーサ部材285の製造容易性を確保することにより、スペーサ部材285を遊技盤30に取り付ける構成においてパチンコ機10のコストアップを抑制することが可能となる。また、スペーサ部材285の取付台251と対向する側を開放された面としたため、仮にスペーサ部材285の中空部内を仕切るリブ286の一部を切断して不正基板等を設置する不正行為が行われたとしても、当該不正行為を容易に発見する事が可能となる。
取付台251を全体に無色透明な合成樹脂製としたため、仮に隙間領域に不正基板等を設置する不正行為がなされたとしても、これを比較的容易に発見することができる。故に、パチンコ機10を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。また、スペーサ部材285のリブ286を基板装着部252と直交する向きに形成したため、仮に隙間領域に不正基板等を設置する不正が行われたとしてもパチンコ機10の背面側からこれを比較的容易に発見することができ、パチンコ機10を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。
基板装着部252の背後空間に通じる開口部のうち、一つが可変表示ユニット35で塞がれるため、基板装着部252の背後空間に通じる開口が脚部等により全て塞がれていなくても、前記背後空間への侵入やスペーサ部材285に対する不正工作等を防止することができる。
取付台251には、2つの基板装着部252,253が段差状に形成されているため、高低2段に配置したい制御装置(主制御装置271、音声ランプ制御装置272)を共に同一の取付台251に装着することができる。この場合、複数の制御装置をパチンコ機10に搭載する上で配置形態等を多様化させることができる。
2つの基板装着部252,253が互いに交差する向きに設けられるため、主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を縦横に交差させて配置することができる。従って、自由度の高い制御装置の配置が可能となる。
パチンコ機10の前後方向に重複した状態で主制御装置271及び音声ランプ制御装置272が取付台251に装着されるため、パチンコ機10の裏面側において限られた大きさを効率良く使って複数の制御装置を配置することが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、支持部材294の下側貫通孔294aと掛止ピン291との係止に加えて、支持部材の上側貫通孔294bと結合部292の貫通孔292aに圧入ピンを挿通させることにより、スペーサ部材285が遊技盤30に対して回動可能に支持される構成としたが、掛止ピン291を設けることなく圧入ピンのみによってスペーサ部材285が遊技盤30に対して回動可能に支持される構成としてもよい。かかる場合、同一軸線上に結合部を複数設け、それぞれに圧入ピンを挿通させる構成とすれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(b)上記実施の形態では、支持部材の上側貫通孔294bと結合部292の貫通孔292aに圧入ピンを挿通させることによって封印処理を施す構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、封印処理を施した後もスペーサ部材285の回動可能な状態が維持される構成であればよい。
例えば、スペーサ部材を遊技盤に組み付けた状態において、スペーサ部材の開閉中心側(掛止ピン側)の側面と集合板ユニットとを跨ぐようにして封印シールを貼付するようにしてもよい。封印シールは、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、封印シールが剥がされた場合にはその形跡が残るようになっている。封印シールを貼付することにより、スペーサ部材を遊技盤に組み付けた状態において、それらが分離されたかどうかが確認できるものとなっている。故に、スペーサ部材が遊技盤から不正に取り外された際には当該不正を容易に発見することができ、不正抑止効果が期待できる。また、封印シールをスペーサ部材の開閉中心側に貼付することにより、封印処理が施された状態でスペーサ部材の回動可能な状態を維持することができる。
(c)上記実施の形態では、スペーサ部材285が遊技盤30に対して回動可能に支持される構成としたが、例えば上下方向等の所定方向にスライド可能に支持される構成としてもよい。
例えば、遊技盤30には上下方向に延びるガイド孔を有する支持部を設け、スペーサ部材285にはガイド孔と対応する位置に挿通孔を有する取付部を設ける。そして、取付部と支持部を当接させた状態で挿通孔とガイド孔に圧入ピンを圧入する。かかる構成とすれば、封印処理が施された状態でスペーサ部材285のスライド移動可能な状態を維持することができる。
(d)上記実施の形態では、スペーサ部材285が集合板ユニット215に対して回動可能に片持ち支持される構成としたが、遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される構成としてもよい。すなわち、集合板ユニットではなく遊技盤に支持部材を取付固定し、スペーサ部材を回動可能に支持する構成とする。支持部材を遊技盤に取付固定する場合には、支持部材と集合板ユニットが干渉しないよう、集合板ユニットの対応する位置に切欠き部を設ければよい。かかる構成としても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(e)上記実施の形態では、スペーサ部材285に多数のリブ286を格子状に設けてスペーサ部材285の中空部を細分化する構成としたが、リブ286の設置域を一部のみに限定し、中空部を細分化する中空部細分化領域と、中空部を細分化しない中空部非細分化領域とが設けられた構成としてもよい。かかる構成としても、不正基板を設置できない大きさに中空部をリブ286によって区画するのであれば、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。
また、スペーサ部材285において、格子状の多数のリブ286に代えて、柱部材として円柱状をなす複数のボスを点在させて設けてもよい。柱部材として、多角形状、断面十字状、断面T字状、クランク状、断面ドーナツ状などをなす柱部材を設けてもよい。これら構成においても、取付台251の背後に形成される隙間領域を遮る部材を適宜配することができる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。例えば、円柱状をなすボスを点在させて設ける場合、その外径寸法は大きい方が良い。外径寸法が大きくなれば、不正道具等を直線的に差し入れることが困難になるためである(特に、ボスが千鳥パターンで配置される場合に有効)。外径寸法を大きくするには、断面ドーナツ状の中空形状とするのが望ましい。
その他、スペーサ部材285において、リブ286とボスとを混在させて設けることも可能である。例えば、多数のリブ286を格子状に設けると共に、これらリブ286によって区画された各領域にボスを設ける。かかる構成とした場合には、スペーサ部材285の中空部を区画しつつさらにボスによって遮ることができる。故に、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。
(f)上記実施の形態では、スペーサ部材285において格子状の多数のリブ286を設け、それらリブ286により区画された各領域(細分化された領域)が前後方向に延びるように構成したが、これを変更する。同領域(細分化された領域)は左右方向又は上下方向に延びるものであっても良い。この場合、例えば、前後2枚の板材の間に、上下方向又は左右方向に延びる複数の仕切り板部を設ける。これにより、スペーサ部材において、左右方向又は上下方向に延びる細分化領域が形成できる。
(g)上記実施の形態では、スペーサ部材285の厚さを、取付台251の脚部の長さとほぼ同じ、又は取付台251の脚部の長さよりも若干小さい長さ寸法としたが、この構成を変更する。例えば、スペーサ部材285の厚さを、取付台251の脚部の長さよりも大きい長さ寸法としても良い。この場合、取付台251の脚部からはみ出るようにしてスペーサ部材285が存在することとなる。故に、スペーサ部材285の存在の有無や、正常状態であることの確認を容易に行うことができる。
(h)上記実施の形態では、スペーサ部材285を無色透明の合成樹脂材料により形成したが、これを変更し有色材料により形成しても良い。ただし、有色材料にすると内部の視認性が低下するため、その対策が必要となる場合がある。上記のようにスペーサ部材285の表側(取付台251側)を開放された面とし、裏側(取付台251とは反対側)を閉ざされた面とする場合にはさして問題にならないが、その逆にスペーサ部材285の表側(取付台251側)を閉ざされた面とし、裏側(取付台251とは反対側)を開放された面とする場合には、視認性の低下防止のために、表側(取付台251側)に透明板を貼り付ける構成として内部視認可能にすると良い(両方を閉ざされた面とする場合も同様)。
(i)上記実施の形態では、スペーサ部材285を無色透明の合成樹脂材料により一体成形したが、複数のスペーサ形成片を組み合わせてスペーサ部材を形成するようにしてもよいことは言うまでもない。複数のスペーサ形成片を組み合わせる構成とすれば、スペーサ部材の中空部においてより細かな細分化が容易に実現できる。つまり、リブ等の突状部を作製する場合、製造上の都合によりその設置間隔が制限されるが、複数のスペーサ形成片の組み合わせによれば設置間隔の狭小化が可能となる。例えば、スペーサ部材を樹脂成形する場合には、金型の大きさ等の制約から突状部の設置間隔が制限されるが、上記構成によればこの不都合が解消される。
(j)上記実施の形態では、取付台251において主制御装置271用の基板装着部252の背後空間を埋めるようにスペーサ部材285を設けたが、同じく取付台251において主制御装置271用の基板装着部252及び音声ランプ制御装置272用の基板装着部253の背後空間を埋めるようにスペーサ部材を設ける構成としてもよい。
(k)上記実施の形態では、主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を遊技盤30に装着するための構造として略L字状の取付台251を用い、この取付台251に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を装着することで第1制御基板ユニット201を構成したが、これを変更し、主制御装置及び音声ランプ制御装置を装着する取付台(台座部材)を各々個別に設ける構成としてもよい。かかる場合、各取付台の背後空間を埋めるようにしてスペーサ部材を設ければ、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(l)基板ボックス273に加えて主基板を透明な合成樹脂材料にて形成してもよい。かかる構成とすれば、隙間領域に不正基板等を設置する不正行為がなされていないかの確認を、取付台251を開放させることなく、主制御装置271を取付台251から取り外すことなく、パチンコ機10の背面側から行うことができる。故に、不正行為を容易に発見することが可能となり、パチンコ機10を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。なお、ここに言う透明とは、無色透明に限らず有色透明をも含む。
(m)上記実施の形態では、第1制御基板ユニット201の構成として、遊技盤30の背面側に取付台251を装着し、その取付台251の基板装着部252,253に主制御装置271や音声ランプ制御装置272を装着したが、この構成を変更する。例えば、遊技盤30の背面側に台座部材として複数の脚部材を立設する。そして、その脚部材によって、遊技盤30の背面側から離間した状態(浮いた状態)で主制御装置271や音声ランプ制御装置272を装着する。かかる構成において、遊技盤30の背面部と主制御装置271との間に形成される隙間領域(主制御装置271の背後領域)にスペーサ部材を配し、当該隙間領域を埋めるようにする。
(n)上記実施の形態では、スペーサ部材を合成樹脂製としたが、これ以外に、スペーサ部材をアルミニウム等の軽金属により作製したり、セラミックス等の陶磁器により作製したりしても良い。ただし、合成樹脂製とした方が、成型の容易性、軽量化、低コスト化の観点で言って有利であると言える。
(o)スペーサ部材は、中空ブロック状とする以外に、中空でない塊状(ソリッド状)であっても良い。
(p)上記実施の形態では、第1制御基板ユニット201の取付台251において、遊技盤30の裏面に対して平行な2つの基板装着部252,253を略L字状に且つ段差を付けて設けたが、この構成を変更する。例えば、前記基板装着部252,253のうち少なくとも一方を、遊技盤30の裏面に対して非平行に設ける。また、前記基板装着部252,253を略T字状に設ける。この場合、例えば音声ランプ制御装置272用の基板装着部253の途中位置に、主制御装置271用の基板装着部252を連結する。その他、各基板装着部252,253を略十文字状に設けることも可能である。
また、同基板装着部252,253の長手方向を同方向とし、それらを横又は縦に並べて配置する。また、同基板装着部252,253の段差を無くし、ほぼ同じ高さとする。ただしこの場合、主制御装置271用の基板装着部252の背後空間を確保することを考えると、当該基板装着部252と同様、音声ランプ制御装置272用の基板装着部253も遊技盤30の裏面から離間させるようにして配置されるとよい。さらに、3つ以上の基板装着部を設ける構成とする。例えば、3つの基板装着部を設ける場合、3辺に折れ曲がったように各基板装着部を設けることも可能である。
(q)主制御装置271と共に取付台251に搭載される制御装置を、音声ランプ制御装置272から別の制御装置に変更してもよい。又は、音声ランプ制御装置272に更に加えて別の制御装置を主制御装置271と共に取付台251に搭載してもよい。別の制御装置としては、図柄の表示制御を実施するための表示制御装置などが考えられる。
(r)脚部を取付台251とは別体で設ける構成としてもよい。例えば、遊技盤30の裏面に取り付けた集合板ユニット215に、板部を後方に起立させて設け、この板部を遮蔽部とする。
(s)上記実施の形態では、第1制御基板ユニット201の取付台251において、主制御装置271用の基板装着部252の背後空間に通じる開口部のうち、上側の開口部を可変表示ユニット35で塞ぐように構成したが、可変表示ユニット35でなく、第1制御基板ユニット201(取付台251)に隣接して設けられる別の構成部材で塞ぐ構成としてもよい。
(t)上記実施の形態では、遊技盤30の裏面に第1制御基板ユニット201(取付台251)を取り付ける構成としていたが、これを変更し、遊技機本体の裏面において第1制御基板ユニット201を別部材に取り付ける構成としてもよい。例えば、第1制御基板ユニット201(取付台251)を、遊技機本体を構成する本体枠12に取り付ける。スペーサ部材285についても同様であり、スペーサ部材285を本体枠12に回動可能に支持させてもよい。
(u)上記実施の形態では、第1制御基板ユニット201の取付台251において、各基板装着部252,253に高さがほぼ等しい制御装置271,272を装着したが、この構成を変更する。例えば、各基板装着部252,253に装着する制御装置の高さを各々異なるものとし、下段側には比較的背の高い制御装置を装着し、上段側には比較的背の低い制御装置を装着する構成としても良い。この場合、パチンコ機10後方への各制御装置の高さ(出っ張り)をほぼ均等にすることが可能となる。従って、制御装置等の望ましいレイアウトが実現できる。
(v)上記実施の形態では、パチンコ機10の裏面側において、各種制御装置を2つの制御基板ユニット(第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202)に分散して搭載したが、この構成も変更でき、制御基板ユニット(すなわち取付台)を3つ以上設ける構成としてもよい。
(w)制御装置以外の部材を装着するための台座部材を本体枠12や遊技盤30に取り付ける構成としても良い。制御装置以外の部材としては、電源装置313、モータやソレノイド等の電気部材、遊技球通路部材などが考えられる。
(x)上記実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機や、メダルに代えて遊技球(パチンコ球)を使用する球使用タイプの回胴式遊技機にも適用できる。
球使用タイプの回胴式遊技機では、外周に複数の図柄が付されたリール装置(回胴装置)、遊技者により操作されるベットスイッチやスタートレバー等の装置類、遊技球の取込を許可又は禁止すると共に順次取り込まれる遊技球をカウントするための取込装置などが設けられる。この場合、球受皿に貯留された遊技球は、整列通路部及び取込口を介して取込装置に導かれる。そして、遊技者によるベットスイッチの操作に伴い取込装置で遊技球の取込が行われ、その取り込まれた遊技球数に応じて毎回の遊技の開始(スタートレバー操作に伴うリール回転)が許容される。