JP2014131181A - 無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

無線通信システムおよび無線通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014131181A
JP2014131181A JP2012287925A JP2012287925A JP2014131181A JP 2014131181 A JP2014131181 A JP 2014131181A JP 2012287925 A JP2012287925 A JP 2012287925A JP 2012287925 A JP2012287925 A JP 2012287925A JP 2014131181 A JP2014131181 A JP 2014131181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
receiving antenna
antenna element
antenna elements
amplitude ratio
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012287925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5788860B2 (ja
Inventor
Kazumitsu Sakamoto
一光 坂元
Takeshi Hiraga
健 平賀
Tomohiro Seki
智弘 関
Tadao Nakagawa
匡夫 中川
Kazuhiro Uehara
一浩 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2012287925A priority Critical patent/JP5788860B2/ja
Publication of JP2014131181A publication Critical patent/JP2014131181A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5788860B2 publication Critical patent/JP5788860B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

【課題】負荷の小さい信号処理により近距離MIMO伝送を実現することができる無線通信システムおよび無線通信方法を提供する。
【解決手段】本発明による無線通信システムは、対向するアンテナ素子間のチャネルと斜め方向のアンテナ素子間のチャネルとの振幅比が1であり、位相差が90度となるように各アンテナ素子が配置され、受信アンテナ素子(211〜213)からの信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けし、前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け部としての分配器(2211〜2213)および移相器(2221〜2223)と、前記位相回転が付与された信号と、前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部としての合成器(2231〜2233)および受信部(231〜233)とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信システムおよび無線通信方法に関し、特に、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナを用いた無線通信技術に関する。
近年、限られた周波数帯域でギガビット級の高速無線通信を実現することが求められている。その実現方法の一つに、MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)伝送技術がある。MIMO伝送では、複数の送信アンテナから同一時間に同一周波数で異なる信号を送信し、送信機と受信機との間のマルチパス環境を利用することによって、受信機側で信号処理により各信号を分離して復号する。これにより、使用周波数帯域を広げることなく、送受アンテナ素子数に応じて通信速度を向上させることができる。
一方、RF−ID(Radio Frequency−IDentification)に代表される近距離通信が検討されており、また、ミリ波やUWB(Ultra−Wide−Band)通信を利用した近距離・高速通信が注目されている。また、近距離通信にMIMO伝送技術を適用することも可能であり、コンクリート壁などの障害物内部を伝搬路として用いる近距離超高速無線中継システムが提案されている。例えば、近傍界であれば、壁などにより送受信アレーアンテナの見通しが無い場合でも、MIMO伝送技術を用いて高速通信が可能であることが知られている。MIMO伝送によれば広い周波数帯域が不要であるため、周波数資源の有効利用を図ることができる。
また、本願発明者等は、非特許文献1および非特許文献2において、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとが開口サイズと比べて近接する近距離MIMO伝送について、その基本特性を示している。例えば、非特許文献1では、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間の距離に対する空間相関特性と信号対雑音比(SNR:Signal−to−Noise Ratio)との関係を考慮することによって、各アレーアンテナを構成するアンテナ素子の最適な素子間隔を求めている。
また、非特許文献1では、近距離MIMO伝送においてチャネル容量を増大するための検討が行われている。しかしながら、実際のMIMO伝送を実現するためには、チャネル容量を増大させる技術に加え、送受信機における信号処理技術が必要である。この信号処理技術について、非特許文献2では、MIMO伝送の最適送受信方法として知られている固有モード伝送(以下、EM−BFと称する)の特性と、受信側のみで信号処理を行う方法として知られているゼロフォーシング(以下、ZFと称する)の特性とが比較検討されている。そして、非特許文献1で示したアレーアンテナの最適な素子間隔では、EM−BFの特性とZFの特性とがほぼ一致することが示されている。
図6は、近距離MIMO伝送におけるアンテナ素子の配置例を示す図である。図6において、平面PT上に行列状に配列された複数の送信アンテナ素子Tx(jは、1≦j≦Mの正整数であり、Mは、M≧2の正整数である)は送信側のアレーアンテナを構成し、平面PTと平行をなす平面PR上に行列状に配列された複数の受信アンテナ素子Rx(iは、1≦i≦Mの正整数)は、受信側のアレーアンテナを構成する。送信アンテナ素子Txの個数と受信アンテナ素子Rxの個数は、いずれもM個である。これら複数の送信アンテナ素子Txと複数の受信アンテナ素子Rxは、相互に対向した位置に配置されている。また、平面PTと平面PRとの間の距離は、距離Dとなっている。以下では、平面PTと平面PRとの間の距離Dを「送受信間隔D」と称する。また、送信アンテナ素子Txのアンテナ素子間隔と、受信アンテナ素子Rxのアンテナ素子間隔は、共に距離dである。以下では、M=3の場合、すなわち3×3(3入力3出力)近距離MIMO伝送を例として説明する。
図7は、3×3近距離MIMO伝送のモデル図である。
図7の例では、送信アンテナ素子Tx〜Txは、一辺がアンテナ素子間隔dの正三角形の頂点に位置するようにして、上述の図6に示す平面PT上に配置されている。即ち、送信アンテナ素子Tx〜Txは、アンテナ素子間隔dだけ隔てて等間隔で配置されている。また、受信アンテナ素子Rx〜Rxは、それぞれ、送信アンテナ素子Tx〜Txと対向するようにして、上述の図6に示す平面PR上に配置されている。従って、受信アンテナ素子Rx〜Rxもアンテナ素子間隔dだけ隔てて等間隔で配置されている。
図7に示す3×3近距離MIMO伝送において、送信アンテナ素子Tx〜Txと受信アンテナ素子Rx〜Rxとの間のチャネルの伝搬特性を表すチャネル行列Hを式(1)で表すと、受信信号は式(2)で表される。
Figure 2014131181
Figure 2014131181
ここで、式(1)において、チャネル行列Hの要素hij(i,jは、それぞれ3以下の正整数)は、送信アンテナ素子Txから受信アンテナ素子Rxへのチャネルを伝搬した信号の位相および振幅の変化率を、例えば複素数表現にて示す。また、式(2)において、sは、送信アンテナ素子Txから送信される信号を表し、rは、受信アンテナ素子Rxで受信される信号を表し、nは、受信信号rに付加される雑音を表す。
また、3×3MIMO伝送における信号分離のための受信ウェイト行列Wを式(3)のように表すと、受信ウェイト演算後に各受信回路へ出力される信号は、式(4)で表される。
Figure 2014131181
Figure 2014131181
式(4)において、受信ウェイト行列Wの要素wij(i,jは、それぞれ3以下の正整数)は、送信アンテナ素子Txが送信するデータ系列に対応するデータ系列s’を抽出するために、アンテナ素子Rxが受信した信号rに対して乗算するウェイトを示す。
3×3近距離MIMO伝送では、チャネル行列Hが式(5)もしくは式(6)で表されるとき、チャネル容量が最大となる。以下では、チャネル容量が最大となるときの素子間隔dを「最適素子間隔dopt」と称する。
Figure 2014131181
Figure 2014131181
チャネル行列Hが式(5)で表されるとき、すなわち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子Txと受信アンテナ素子Rxとの間のチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子Txと受信アンテナ素子Rxとの間のチャネルとの間の位相差θが90度であるとき、ZFにおける受信ウェイト行列WZFは式(7)で表される。
Figure 2014131181
また、チャネル行列Hが式(6)で表されるとき、ZFにおける受信ウェイト行列WZFは式(8)で表される。
Figure 2014131181
従って、式(5)と式(7)、または、式(6)と式(8)から、式(9)が導出される。式(9)に示すように、チャネル行列Hと受信ウェイト行列WZFの積は対角行列で表される。このことは、各送信アンテナ素子Txから送信された信号が、受信アンテナ素子Rxにより受信されて受信機内で受信ウェイトwijが乗算されることにより分離され、互いに干渉を与えることなく復調されることを意味する。
Figure 2014131181
関,西森,本間,西川,「近距離超高速中継システム」,信学技報,AP2008-124, Nov. 2008. 本間,西森,関,溝口,「近傍MIMO通信における伝送容量の評価」,信学技報,AP2008-125, Nov. 2008.
上述のように、EM−BFやZFでは、ディジタル信号レベルにおける逆行列の計算や特異値分解といった負荷の大きい信号処理を必要とする。この近距離MIMO伝送に必要とされる信号処理の負荷を軽減することができれば、通信システムの製造コストや消費電力の低減、装置の小型化を図ることが可能になる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、より負荷の小さい信号処理により近距離伝送を実現することができる無線通信システムおよび無線通信方法を提供することにある。
本発明の一態様による無線通信システムは、第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、前記第2の通信装置が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け部と、前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、を具備することを特徴とする無線通信システムの構成を有する。
前記無線通信システムにおいて、例えば、前記復号部は、前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第1の復号部と、前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第2の復号部と、前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第3の復号部と、を備える。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、前記第2の通信装置が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け部と、前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、を具備することを特徴とする無線通信システムの構成を有する。
前記無線通信システムにおいて、例えば、前記復号部は、前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第1の復号部と、前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第2の復号部と、前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第3の復号部と、を備える。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1から第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つとが対向する位置に配置され、前記送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、前記第2の通信装置が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け部と、前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、を具備することを特徴とする無線通信システムの構成を有する。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子の一つとが対向する位置に配置され、前記送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、前記第2の通信装置が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け部と、前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、を具備することを特徴とする無線通信システムの構成を有する。
本発明の一態様による無線通信方法は、第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムによる無線通信方法であって、前記第2の通信装置による信号処理が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け手順と、前記重み付け手順により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け手順により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号手順と、を含むことを特徴とする無線通信方法の構成を有する。
本発明の一態様による無線通信方法は、第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムによる無線通信方法であって、前記第2の通信装置による信号処理が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け手順と、前記重み付け手順により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け手順により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号手順と、を含むことを特徴とする無線通信方法の構成を有する。
本発明は、次のように言い換えることができる。
即ち、本発明の一態様による無線通信装置は、第1の通信装置が具備する第1〜第3の送信アンテナ素子と第2の通信装置が具備する第1〜第3の受信アンテナ素子とが、それぞれ対向する位置に配置され、さらに、対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1でかつ位相差が90度となるように配置された無線通信装置であって、前記第2の通信装置が、前記第1〜第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2の振幅比で分岐させ、1の振幅比で分岐された信号に−135度の位相回転を付与し、位相回転が付与されていない2つの信号と、−135度の位相回転が付与された信号とを出力する重み付け手段と、前記重み付け手段が出力する信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され−135度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第1の復号手段と、前記重み付け手段が出力する信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第2の復号手段と、前記重み付け手段が出力する信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第3の復号手段と、を具備することを特徴とする無線通信装置の構成を有する。
また、本発明の一態様による無線通信装置は、第1の通信装置が具備する第1〜第3の送信アンテナ素子と第2の通信装置が具備する第1〜第3の受信アンテナ素子とが、それぞれ対向する位置に配置され、さらに、対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルに対して斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの振幅比が2−1/2でかつ位相差が135度となるように配置された無線通信装置であって、前記第2の通信装置が、前記第1〜第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1の振幅比で分岐させ、分岐された信号のうち1つの信号に−90度の位相回転を付与し、位相回転が付与されていない2つの信号と、−90度の位相回転が付与された信号とを出力する重み付け手段と、前記重み付け手段が出力する信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され−90度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第4の復号手段と、前記重み付け手段が出力する信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第5の復号手段と、前記重み付け手段が出力する信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第6の復号手段と、を具備することを特徴とする無線通信装置の構成を有する。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、第1の通信装置が具備する第1〜第3の送信アンテナ素子と第2の通信装置が具備する第1〜第3の受信アンテナ素子とが、それぞれ対向する位置に配置され、さらに、対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1でかつ位相差が90度となるように配置された無線通信装置による無線通信方法であって、前記第2の通信装置が、前記第1〜第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2の振幅比で分岐させ、1の振幅比で分岐された信号に−135度の位相回転を付与し、位相回転が付与されていない2つの信号と、−135度の位相回転が付与された信号とを出力する重み付け手順と、前記重み付け手順により出力される信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され−135度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第1の復号手順と、前記重み付け手順により出力される信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第2の復号手順と、前記重み付け手順により出力される信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第1の復号手順と、を具備することを特徴とする無線通信方法の構成を有する。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、第1の通信装置が具備する第1〜第3の送信アンテナ素子と第2の通信装置が具備する第1〜第3の受信アンテナ素子とが、それぞれ対向する位置に配置され、さらに、対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルに対して斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と前記受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの振幅比が2−1/2でかつ位相差が135度となるように配置された無線通信装置による無線通信方法であって、前記第2の通信装置が、前記第1〜第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1の振幅比で分岐させ、分岐された信号のうち1つの信号に−90度の位相回転を付与し、位相回転が付与されていない2つの信号と、−90度の位相回転が付与された信号とを出力する重み付け手順と、前記重み付け手順により出力される信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され−90度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第4の復号手順と、前記重み付け手順により出力される信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第5の復号手順と、前記重み付け手順により出力される信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され位相回転が付与されていない信号とを合成して復号する第6の復号手順と、を具備することを特徴とする無線通信方法の構成を有する。
本発明によれば、アナログデバイスのみでウェイト演算回路を構成することができ、ハードウェア規模や消費電力の増大を抑えることができる。従って、より負荷の小さい信号処理により近距離伝送を実現することが可能になる。
本発明の第1実施形態による無線通信システムの概略構成を示す構成図である。 同実施形態による無線通信システムの合成器における信号の合成の様子を示す説明図である。 同実施形態による無線通信システムにおけるアンテナ素子の配置を決定する処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による無線通信システムにおけるアンテナ素子の配置を決定する処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態または第2実施形態による無線通信システムの変形例の概略構成を示す構成図である。 近距離MIMO伝送におけるアンテナ素子の配置例を示す説明図である。 3×3近距離MIMO伝送のモデル図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
<第1の実施形態>
[構成の説明]
図1は、本発明の第1の実施形態による無線通信システム1の概略構成を示す構成図である。無線通信システム1は、3×3MIMO(3入力3出力のMIMO)伝送により、通信装置100から通信装置200へ3系列のデータ系列S1,S2,S3を伝送してデータ通信を行うものとして構成されている。
具体的には、無線通信システム1は、通信装置100(第1の通信装置)と、通信装置200(第2の通信装置)とを具備する。通信装置100は、3系列のデータ系列S1,S2,S3を送信するものである。本実施形態では、通信装置100は、信号の重み付けを行う必要がないため、通信装置100として、3×3MIMO方式の近距離通信における、一般的な通信装置を用いることができる。通信装置100は、送信部111,112,113と、送信アンテナ素子121,122,123とを具備する。送信アンテナ素子121,122,123は、それぞれ、送信部111,112,113の出力部に接続されている。
通信装置200は、通信装置100から送信される信号から各系列のデータを抽出して復調するものである。通信装置200は、受信アンテナ素子211,212,213と、ウェイト演算回路220と、受信部231,232,233とを具備する。ウェイト演算回路220は、分配器2211,2212,2213と、移相器2221,2222,2223と、合成器2231,2232,2233とを具備する。
ここで、受信アンテナ素子211は分配器2211の入力部に接続されている。分配器2211の第1出力部は、移相器2221の入力部に接続され、分配器2211の第2出力部および第3出力部は、それぞれ、合成器2232の第1入力部および合成器2233の第1入力部に接続されている。移相器2221の出力部は、合成器2231の第1入力部に接続されている。合成器2231の出力部は、受信部231の入力部に接続されている。
受信アンテナ素子212は分配器2212の入力部に接続されている。分配器2212の第2出力部は、移相器2222の入力部に接続され、分配器2212の第1出力部および第3出力部は、それぞれ、合成器2231の第2入力部および合成器2233の第2入力部に接続されている。移相器2222の出力部は、合成器2232の第2入力部に接続されている。合成器2232の出力部は、受信部232の入力部に接続されている。
受信アンテナ素子213は分配器2213の入力部に接続されている。分配器2213の第3出力部は、移相器2223の入力部に接続され、分配器2213の第1出力部および第2出力部は、それぞれ、合成器2231の第3入力部および合成器2232の第3入力部に入力されている。移相器2223の出力部は、合成器2233の第3入力部に接続されている。合成器2233の出力部は、受信部233の入力部に接続されている。
送信アンテナ素子121,122,123は、前述の図6に示す平面PTに相当する平面上に配列され、受信アンテナ素子211,212,213は、前述の図6に示す平面PRに相当する平面上に配列されている。以下では、同一平面上に配置される複数のアンテナ素子を具備するアンテナをアレーアンテナと称する。送信アンテナ素子121,122,123は、送信アレーアンテナ120を構成し、受信アンテナ素子211,212,213は受信アレーアンテナ210を構成する。
ここで、本実施形態では、送信アンテナ素子121と送信アンテナ素子122と送信アンテナ素子123とは、前述の図7に示す送信アンテナ素子Tx〜Txに対応し、同一平面内で互いに最適素子間隔doptだけ離れた位置に配置されている。即ち、送信アンテナ素子121と送信アンテナ素子122と送信アンテナ素子123とは、一辺の長さが最適素子間隔doptに相当する正三角形の頂点に位置している。この最適素子間隔doptは、送信アレーアンテナ120と受信アレーアンテナ210との間の距離、即ち送受信間隔Dに応じて定められる所定の距離(MIMO伝送のEM−BFにおけるチャネル容量が最大となる距離、あるいは、MIMO伝送のZFにおけるチャネル容量が最大となる距離)であり、このときチャネル行列Hは、前述の式(5)で表される。
式(5)を満足するように各アンテナ素子を配置すれば、そのときの各アンテナ素子の間隔は、MIMO伝送のEM−BFあるいはZFにおけるチャネル容量が最大となる所定の最適素子間隔doptとなる。具体的には、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの間の位相差θ(=tan−1(h21/h11)=tan−1(h31/h11)=tan−1(h12/h22)=tan−1(h32/h22)=tan−1(h13/h33)=tan−1(h23/h33))は−90度であり、かつ、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1となるように各アンテナ素子を配置すればよい。本実施形態では、式(5)を満足するように、送信アレーアンテナ120と受信アレーアンテナ210とが配置されている。
また、受信アンテナ素子211と受信アンテナ素子212と受信アンテナ素子213とは、前述の図7に示す受信アンテナ素子Rx〜Rxに対応し、上記の送信アンテナ素子121および送信アンテナ素子122および送信アンテナ素子123と同様に、同一平面内で互いに最適素子間隔doptだけ離れた位置に配置されている。即ち、受信アンテナ素子211と受信アンテナ素子212と受信アンテナ素子213とは、一辺の長さが最適素子間隔doptに相当する正三角形の頂点に位置している。
また、受信アンテナ素子211,212,213は、送信アンテナ素子121,122,123とそれぞれ対向する位置に配置されている。即ち、受信アンテナ素子211は、送信アンテナ素子121に対向して、送信アンテナ素子121から送受信間隔Dだけ離れた位置に配置されている。また、受信アンテナ素子212は、送信アンテナ素子122に対向して、送信アンテナ素子122から送受信間隔Dだけ離れた位置に配置されている。更に、受信アンテナ素子213は、送信アンテナ素子123に対向して、送信アンテナ素子123から送受信間隔Dだけ離れた位置に配置されている。
なお、本実施形態では、無線通信システム1が通信装置100から通信装置200へのデータ通信を行う場合を例として説明するが、これに加えて、無線通信システム1が通信装置200から通信装置100へのデータ通信を行うようにしてもよい。この場合、通信装置200から通信装置100への通信方式として種々の方式を用いることができる。例えば、通信装置200から通信装置100への通信も、通信装置100から通信装置200への通信と同様に、本発明を適用した通信方式を用いて行われるようにしてもよいし、あるいは、他の通信方式を用いて行われるようにしてもよい。
[動作の説明]
通信装置100は、3系列のデータ系列S1,S2,S3を送信する。具体的には、通信装置100が具備する送信部111は、データ系列S1を取得し、符号化や変調等の処理を行って、データ系列S1の送信信号を生成し、生成した送信信号を送信アンテナ素子121に出力する。同様に、送信部112はデータ系列S2を取得し、符号化や変調等の処理を行って、データ系列S2の送信信号を生成し、生成した送信信号を送信アンテナ素子122に出力する。同様に、送信部113はデータ系列S3を取得し、符号化や変調等の処理を行って、データ系列S3の送信信号を生成し、生成した送信信号を送信アンテナ素子123に出力する。ここで、データ系列S1とデータ系列S2とデータ系列S3は、互いに独立した系列であってもよいし、相関を有する系列であってもよい。
送信アンテナ素子121は、送信部111から出力された送信信号を無線送信する。同様に、送信アンテナ素子122は送信部112から出力された送信信号を無線送信し、送信アンテナ素子123は送信部113から出力された送信信号を無線送信する。
通信装置200は、通信装置100から送信された信号から各系列のデータを抽出して復調する。具体的には、受信アンテナ素子211と受信アンテナ素子212と受信アンテナ素子213とは、いずれも、送信アンテナ素子121から送信された無線信号と、送信アンテナ素子122から送信された無線信号と、送信アンテナ素子123から送信された無線信号とを、全無線信号が合成された無線信号として受信する。すなわち、受信アンテナ素子211,212,213の各々は、送信アンテナ素子121,122,123から送信されたデータ系列S1,S2,S3の全無線信号を受信してウェイト演算回路220に出力する。具体的には、受信アンテナ素子211,212,213は、それぞれ、受信信号をウェイト演算回路220内の分配器2211,2212,2213に出力する。
ウェイト演算回路220は、受信アンテナ素子211,212,213がそれぞれ受信した信号に対して分配や位相回転や合成を行うことにより、各データ系列の信号を分離する。具体的には、ウェイト演算回路220が具備する分配器2211は、受信アンテナ素子211が受信した信号を3分配して、移相器2221と合成器2232と合成器2233とに出力する。このとき分配器2211は、移相器2221へ出力する信号と合成器2232へ出力する信号と合成器2233へ出力する信号との振幅比が1:2−1/2:2−1/2となるように分配する。
分配器2212は、受信アンテナ素子212が受信した信号を3分配して、移相器2222と合成器2231と合成器2233とに出力する。このとき分配器2212は、移相器2222へ出力する信号と合成器2231へ出力する信号と合成器2233へ出力する信号との振幅比が1:2−1/2:2−1/2となるように分配する。分配器2213は、受信アンテナ素子213が受信した信号を3分配して、移相器2223と合成器2231と合成器2232とに出力する。このとき分配器2213は、移相器2223へ出力する信号と合成器2231へ出力する信号と合成器2232へ出力する信号との振幅比が1:2−1/2:2−1/2となるように分配する。
移相器2221は、分配器2211から分配された信号に対して−135度の位相回転を付与して(すなわち、位相を135度だけ遅らせて)、合成器2231に出力する。また、移相器2222は、分配器2212から分配された信号に対して−135度の位相回転を付与して、合成器2232に出力する。更に、移相器2223は、分配器2213から分配された信号に対して−135度の位相回転を付与して、合成器2233に出力する。
ここで、分配器2211,2212,2213と移相器2221,2222,2223は、受信アンテナ素子211,212,213から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる所定の振幅比で重み付けして分岐し、この分岐により得られた信号のうち、受信アンテナ素子211,212,213の一つから入力されて上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け部を構成する。このうち、分配器2211と移相器2221とで第1の重み付け部を構成し、分配器2212と移相器2222とで第2の重み付け部を構成し、分配器2213と移相器2223とで第3の重み付け部を構成する。
第1の重み付け部によれば、分配器2211が、受信アンテナ素子211から入力された信号を上記振幅比で3分配する。そして、移相器2221が、分配器2211により3分配された信号のうち、上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされた信号に対して−135度の位相回転を付与して合成器2231に出力し、上記振幅比の第2項「2−1/2」および第3項「2−1/2」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号に対しては位相回転を付与せずに合成器2232,2233にそれぞれ出力する。
第2の重み付け部によれば、分配器2212が、受信アンテナ素子212から入力された信号を上記振幅比で3分配する。そして、移相器2222が、分配器2212により3分配された信号のうち、上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされた信号に対して−135度の位相回転を付与して合成器2232に出力し、上記振幅比の第2項「2−1/2」および第3項「2−1/2」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号に対しては位相回転を付与せずに合成器2231,2233にそれぞれ出力する。
第3の重み付け部によれば、分配器2213が、受信アンテナ素子213から入力された信号を上記振幅比で3分配する。そして、移相器2223が、分配器2213により3分配された信号のうち、上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされた信号に対して−135度の位相回転を付与して合成器2233に出力し、上記振幅比の第2項「2−1/2」および第3項「2−1/2」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号に対しては位相回転を付与せずに合成器2231,2232にそれぞれ出力する。
合成器2231は、移相器2221から入力される信号と、分配器2212から分配される信号と、分配器2213から分配される信号とを合成する。ここでいう信号の合成は、信号の重ね合わせ(足し合わせ)である。以下の合成器2232,2233による信号の合成についても同様である。合成器2231は、当該合成によって、送信アンテナ素子121が送信するデータ系列S1の信号に対応するデータ系列S1’の信号を生成する。合成器2231は、合成によって得られた信号を受信部231に出力する。
同様に、合成器2232は、移相器2222から入力される信号と、分配器2211から分配される信号と、分配器2213から分配される信号とを合成する。合成器2232は、当該合成によって、送信アンテナ素子122が送信するデータ系列S2の信号に対応するデータ系列S2’の信号を生成する。合成器2232は、合成によって得られた信号を受信部232に出力する。
同様に、合成器2233は、移相器2223から入力される信号と、分配器2211から分配される信号と、分配器2212から分配される信号とを合成する。合成器2233は、当該合成によって、送信アンテナ素子123が送信するデータ系列S3の信号に対応するデータ系列S3’の信号を生成する。合成器2233は、合成によって得られた信号を受信部233に出力する。
受信部231は、合成器2231から入力されるデータ系列S1’の信号に対して復調や復号等の処理を行って、データ系列S1’ のデータを生成する。受信部232は、合成器2232から入力されるデータ系列S2’の信号に対して復調や復号等の処理を行って、データ系列S2’ のデータを生成する。受信部233は、合成器2233から入力されるデータ系列S3’の信号に対して復調や復号等の処理を行って、データ系列S3’のデータを生成する。
ここで、合成器2231,2232,2233と受信部231,232,233は、受信アンテナ素子211,212,213の一つから入力され上記の重み付け部により上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて上記位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子211,212,213の残りの二つから入力されて上記重み付け部により上記振幅比の第2項「2−1/2」および第3項「2−1/2」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部を構成する。このうち、合成器2231と受信部231とで第1の復号部を構成し、合成器2232と受信部232とで第2の復号部を構成し、合成器2233と受信部233とで第3の復号部を構成する。
第1の復号部は、上記重み付け部により分岐された信号のうち、受信アンテナ素子211から入力され上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子212から入力され上記振幅比の第2項「2−1/2」に対応する重み付けがなされた信号と、受信アンテナ素子213から入力され上記振幅比の第3項「2−1/2」に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する。
第2の復号部は、上記重み付け部により分岐された信号のうち、受信アンテナ素子212から入力され上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子211から入力され上記振幅比の第2項「2−1/2」に対応する重み付けがなされた信号と、受信アンテナ素子213から入力され上記振幅比の第3項「2−1/2」に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する。
第3の復号部は、上記重み付け部により分岐された信号のうち、受信アンテナ素子213から入力され上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子211から入力され上記振幅比の第2項「2−1/2」に対応する重み付けがなされた信号と、受信アンテナ素子212から入力され上記振幅比の第3項「2−1/2」に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する。
上述した本実施形態の構成によれば、分配器2211,2212,2213と移相器2221,2222,2223と合成器2231,2232,2233とをアナログデバイスを用いて実現することができ、これらのアナログデバイスを用いることにより前述の式(7)に示すZFにおける受信ウェイト行列WZFと同等の行列演算処理を実現することができる。また、送信アレーアンテナ120および受信アレーアンテナ210のそれぞれを構成する各アンテナ素子は式(5)を満たすように最適素子間隔doptで配置されているので、EM−BFの特性とZFの特性とはほぼ一致する。従って、無線通信システム1によれば、ZFやEM−BFのディジタル信号処理に要する演算処理を省略できると共に、ZFやEM−BFの場合と同様のチャネル容量を得ることができる。
なお、図1の構成では、受信側の通信装置200にウェイト演算回路220を備えているが、このウェイト演算回路220を送信側の通信装置100に設け、受信側の通信装置200からウェイト演算回路220を削除して、受信アンテナ素子211,212,213と受信部231,232,233とが直接接続される構成としてもよい。
次に、図2を参照して、前述の合成器2231,2232,2233における信号の合成によって行われる、所望信号の抽出と干渉信号の除去との仕組みについて説明する。ここでは、図1の合成器2231における信号の合成を例として説明する。
図2は、無線通信システム1の合成器2231における信号の合成の様子を示す説明図である。
送信アンテナ素子121から送信されたデータ系列S1の信号(受信アンテナ素子211に対しては所望信号成分)は、受信アンテナ素子211,212,213によりそれぞれ受信され、前述のウェイト演算回路220において、分配および位相回転の処理後に合成器2231に入力される。また、他の送信アンテナ素子122および送信アンテナ素子123からそれぞれ送信された他のデータ系列S2,S3の各信号(受信アンテナ素子211に対しては干渉信号成分)は、受信アンテナ素子211,212,213によりそれぞれ受信され、前述の分配および位相回転の処理後に合成器2231に入力される。すなわち、合成器2231には、移相器2221から入力された信号と、分配器2212から分配された信号と、分配器2213から分配された信号の3つの信号が入力される。
ここで、図2(a)に示すIQ平面上で合成器2231における所望信号成分の合成の様子を見ると、合成器2231に入力された3つの信号(移相器2221から入力された信号と分配器2212から分配された信号と分配器2213から分配された信号)の所望信号成分はベクトル合成することによって強められる。図2(a)の例では、ベクトルVC1は、移相器2221から入力された信号成分を表し、ベクトルVC2およびベクトルVC3は、それぞれ、分配器2212から分配された信号成分と分配器2213から分配された信号成分を表し、ベクトルVC4は、上記のベクトルVC1,VC2,VC3の合成ベクトルを表している。ベクトルVC4により示されるように、合成器2231において、移相器2221から入力された信号と分配器2212から分配された信号と分配器2213から分配された信号とを合成することにより、データ系列S1に相当する所望信号成分として大きな振幅の信号が得られる。
一方、図2(b)に示すIQ平面上で合成器2231における干渉信号成分の合成の様子を見ると、干渉信号成分はベクトル合成することによって、互いに打ち消し合い、振幅が0となる。図2(b)は、送信アンテナ素子122から送信されたデータ系列S2または送信アンテナ素子123から送信されたデータ系列S3の各信号による干渉信号成分のベクトルを示している。
ここで、送信アンテナ素子122から送信されたデータ系列S2の信号による干渉信号成分の合成を例に説明する。この場合、図2(b)において、ベクトルVCAは、送信アンテナ素子122から送信された信号が受信アンテナ素子211により受信された場合の干渉信号成分を表し、ベクトルVCBは、送信アンテナ素子122から送信された信号が受信アンテナ素子212により受信された場合の干渉信号成分を表し、ベクトルVCCは、送信アンテナ素子122から送信された信号が受信アンテナ素子213により受信された場合の干渉信号成分を表している。
このうち、送信アンテナ素子122から送信されて受信アンテナ素子211により受信された信号は、前述の式(5)の第1行第2列の要素「−j」に示されるようにチャネル上で−90度の位相回転が付与されて受信アンテナ素子211により受信される。そして、この受信された信号は、分配器2211により上記振幅比の第1項「1」に相当する重み付けがなされて移相器2221に入力され、この移相器2221により更に−135度の位相回転が付与されて合成器2231に供給される。この結果、図2(b)のベクトルVCAに示すように、送信アンテナ素子122から送信されて受信アンテナ素子211により受信された信号は、振幅が「1」で−225度の位相回転が付与された干渉信号成分として表される。
これに対し、送信アンテナ素子122から送信されて受信アンテナ素子212により受信された信号は、前述の式(5)の第2行第2列の要素「1」に示されるようにチャネル上では位相回転が付与されず、分配器2212により上記振幅比の第2項「1/2−1/2」に相当する重み付けがなされて合成器2231に供給される。この結果、図2(b)のベクトルVCBに示すように、送信アンテナ素子122から送信されて受信アンテナ素子212により受信された信号は、振幅が「1/2−1/2」で0度の位相回転が付与された干渉信号成分として表される。
また、送信アンテナ素子122から送信されて受信アンテナ素子213により受信された信号は、前述の式(5)の第3行第2列の要素「−j」に示されるようにチャネル上で−90度の位相回転が付与され、分配器2213により上記振幅比の第3項「1/2−1/2」に相当する重み付けがなされて合成器2231に供給される。この結果、図2(b)のベクトルVCCに示すように、送信アンテナ素子122から送信されて受信アンテナ素子213により受信された信号は、振幅が「1/2−1/2」で−90度の位相回転が付与された干渉信号成分として表される。
ここで、ベクトルVCA,VCB,VCCの3つのベクトルを合成して得られる合成ベクトルの長さは0になる。即ち、送信アンテナ素子122から送信されて受信アンテナ素子211,212,213によりそれぞれ受信された干渉信号成分は、合成器2231における信号合成において相殺されて0になる。送信アンテナ素子123から送信されて受信アンテナ素子211,212,213によりそれぞれ受信された干渉信号成分も同様に合成器2231における信号合成により相殺されて0になる。これにより、送信アンテナ素子121から送信された所望信号成分のみが合成器2231によりデータ系列S1’の信号として抽出される。同様に、合成器2232,2233においても、信号合成によって干渉信号成分が相殺され、送信アンテナ素子122,123からそれぞれ送信された所望信号成分が合成器2232,2233によりデータ系列S2’,S3’の信号として抽出される。
次に、図3を参照して、送信アンテナ素子121,122,123および受信アンテナ素子211,212,213の各アンテナ素子の配置の決定方法について説明する。
図3は、無線通信システム1における送信アンテナ素子121,122,123および受信アンテナ素子211,212,213の配置を決定する処理手順を示すフローチャートである。概略的には、前述の式(5)に示すチャネルの伝搬特性が得られるように、送信アンテナ素子121,122,123および受信アンテナ素子211,212,213の配置を決定する。
まず、無線通信システム1を使用する環境における送受信間隔Dを決定する(ステップS11)。例えば、建築物の壁を隔ててデータ通信を行う場合、その壁の両面に送信アンテナ素子121,122,123と受信アンテナ素子211,212,213とを対向配置する。この場合、壁の厚さが送受信間隔Dとして決定される。
次に、アンテナ素子間隔dを徐々に変更しながら、各アンテナ素子間隔dにおける送信アンテナ素子121,122,123と受信アンテナ素子211,212,213との間の各伝搬チャネルの振幅比と位相差θを推定する(ステップS12)。
そして、送信アンテナ素子121,122,123と受信アンテナ素子211,212,213との間のチャネル行列が、式(5)で表されるチャネル行列Hを満足するアンテナ素子間隔doptを探索し、この探索により得られた最適素子間隔doptにアンテナ素子間隔dを設定する。これにより、送受アンテナ素子間のチャネル行列が、式(5)で表されるチャネル行列Hを満足するように、送信アンテナ素子121,122,123および受信アンテナ素子211,212,213の配置が決定される。
上述したように、無線通信システム1によれば、複雑な行列演算を実施することなく、式(7)に示される行列演算と同等の処理を実施することができるので、式(5)を満足するように送受信アンテナの配置を決定すれば、EM−BFの特性とZFの特性とがほぼ一致し、受信側において各系列のデータを互いに干渉を与えることなく分離することができる。従って、より負荷の小さい信号処理により近距離MIMO伝送を実現することができる。よって、本実施形態によれば、アナログデバイスのみでウェイト演算回路を構成することができ、ハードウェア規模や消費電力の増大を抑えることが可能になる。
<第2の実施形態>
次に、上述の第1の実施形態における図面を援用して、本発明の第2の実施形態を説明する。
上述の第1の実施形態では、送受アンテナ素子間のチャネル行列が式(5)で表されるチャネル行列となるように各アンテナ素子を配置し、通信装置200のウェイト演算回路220において分配器2211,2212,2213と移相器2221,2222,2223と合成器2231,2232,2233とを用いて、式(7)に示すZFにおける受信ウェイト行列WZFと同等の受信ウェイト行列を得る構成としたが、第2の実施形態では、送受アンテナ素子間のチャネル行列が前述の式(6)で表されるチャネル行列となるように各アンテナ素子を配置し、通信装置200のウェイト演算回路220において分配器2211,2212,2213と移相器2221,2222,2223と合成器2231,2232,2233とを用いて、式(8)に示すZFにおける受信ウェイト行列WZFと同等の受信ウェイト行列を得る構成として、3×3近距離MIMO伝送を行う。ただし、本実施形態では式(8)に示す受信ウェイト行列WZFと同等の受信ウェイト行列を得る必要上、後述するように、分配器2211,2212,2213による信号分配において用いられる振幅比の値と、移相器2221,2222,2223において信号に付与される位相回転の値が上述の第1の実施形態とは異なる。
本実施形態では、アンテナ素子の配置に関して、具体的には、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの間の位相差θ(=tan−1(h21/h11)=tan−1(h31/h11)=tan−1(h12/h22)=tan−1(h32/h22)=tan−1(h13/h33)=tan−1(h23/h33))は−135度であり、かつ、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2となるように各アンテナ素子を配置する。また、本実施形態では、式(6)を満足するように、送信アレーアンテナ120と受信アレーアンテナ210とが配置される。
本実施形態では、ウェイト演算回路220が具備する分配器2211は、受信アンテナ素子211が受信した信号を3分配して、移相器2221と合成器2232と合成器2233とに出力する。このとき分配器2211は、移相器2221へ出力する信号と合成器2232へ出力する信号と合成器2233へ出力する信号との振幅比が1:1:1となるように分配する。また、分配器2212は、受信アンテナ素子212が受信した信号を3分配して、移相器2222と合成器2231と合成器2233とに出力する。このとき、分配器2212は、移相器2222へ出力する信号と合成器2231へ出力する信号と合成器2233へ出力する信号との振幅比が1:1:1となるように分配する。更に、分配器2213は、受信アンテナ素子213が受信した信号を3分配して、移相器2223と合成器2231と合成器2232とに出力する。このとき分配器2213は、移相器2223へ出力する信号と合成器2231へ出力する信号と合成器2232へ出力する信号との振幅比が1:1:1となるように分配する。
また、本実施形態では、移相器2221は、分配器2211から入力された信号に対して−90度の位相回転を付与して(すなわち、位相を90だけ度遅らせて)、合成器2231に出力する。また、移相器2222は、分配器2212から入力された信号に対して−90度の位相回転を付与して、合成器2232に出力する。更に、移相器2223は、分配器2213から入力された信号に対して−90度の位相回転を付与して、合成器2233に出力する。
ここで、分配器211,212,213と移相器2221,2212,2213は、受信アンテナ素子211,212,213から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、この分岐により得られた信号のうち、受信アンテナ素子211,212,213の一つから入力されて上記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け部を構成する。このうち、分配器2211と移相器2221とで第4の重み付け部を構成し、分配器2212と移相器2222とで第5の重み付け部を構成し、分配器2213と移相器2223とで第6の重み付け部を構成する。
第4の重み付け部によれば、分配器2211が、受信アンテナ素子211から入力された信号を上記振幅比「1:1:1」で3分配する。また、移相器2221が、分配器2211により3分配された信号のうち、上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされた信号に対して−90度の位相回転を付与して合成器2231に出力する。上記振幅比の第2項「1」および第3項「1」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号に対しては位相回転を付与せずに合成器2232,2233にそれぞれ出力する。
また、第5の重み付け部によれば、分配器2212が、受信アンテナ素子212から入力された信号を上記振幅比「1:1:1」で3分配する。また、移相器2222が、分配器2212により3分配された信号のうち、上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされた信号に対して−90度の位相回転を付与して合成器2232に出力する。上記振幅比の第2項「1」および第3項「1」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号に対しては位相回転を付与せずに合成器2231,2233にそれぞれ出力する。
また、第6の重み付け部によれば、分配器2213が、受信アンテナ素子213から入力された信号を上記振幅比「1:1:1」で3分配する。また、移相器2223が、分配器2213により3分配された信号のうち、上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされた信号に対して−90度の位相回転を付与して合成器2233に出力する。上記振幅比の第2項「1」および第3項「1」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号に対しては位相回転を付与せずに合成器2231,2232にそれぞれ出力する。
合成器2231は、移相器2221から入力される信号と、分配器2212から入力される信号と、分配器2213から入力される信号とを合成する。合成器2231は、当該合成によって、送信アンテナ素子121が送信するデータ系列S1の信号に対応するデータ系列S1’の信号を生成する。合成器2231は、合成によって得られた信号を受信部231に出力する。
同様に、合成器2232は、移相器2222から入力される信号と、分配器2211から入力される信号と、分配器2213から入力される信号とを合成する。合成器2232は、当該合成によって、送信アンテナ素子122が送信するデータ系列S2の信号に対応するデータ系列S2’の信号を生成する。合成器2232は、合成によって得られた信号を受信部232に出力する。
同様に、合成器2233は、移相器2223から出力される信号と、分配器2211から出力される信号と、分配器2212から出力される信号とを合成する。合成器2233は、当該合成によって、送信アンテナ素子123が送信するデータ系列S3の信号に対応するデータ系列S3’の信号を生成する。合成器2233は、合成によって得られた信号を受信部233に出力する。
本実施形態においても、合成器2231,2232,2233と受信部231,232,233は、受信アンテナ素子211,212,213の一つから入力され上記の重み付け部により上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて上記位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子211,212,213の残りの二つから入力されて上記重み付け部により上記振幅比の第2項「1」および第3項「1」にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部を構成する。このうち、合成器2231と受信部231とで第4の復号部を構成し、合成器2232と受信部232とで第5の復号部を構成し、合成器2233と受信部233とで第6の復号部を構成する。
第4の復号部は、上記重み付け部により分岐された信号のうち、受信アンテナ素子211から入力され上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子212から入力され上記振幅比の第2項「1」に対応する重み付けがなされた信号と、受信アンテナ素子213から入力され上記振幅比の第3項「1」に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する。
第5の復号部は、上記重み付け部により分岐された信号のうち、受信アンテナ素子212から入力され上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子211から入力され上記振幅比の第2項「1」に対応する重み付けがなされた信号と、受信アンテナ素子213から入力され上記振幅比の第3項「1」に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する。
第6の復号部は、上記重み付け部により分岐された信号のうち、受信アンテナ素子213から入力され上記振幅比の第1項「1」に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、受信アンテナ素子211から入力され上記振幅比の第2項「1」に対応する重み付けがなされた信号と、受信アンテナ素子212から入力され上記振幅比の第3項「1」に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する。
その他の構成は、上述の第1の実施形態と同一である。
なお、第1の実施形態と同様に、受信側の通信装置200が備えるウェイト演算回路220を送信側の通信装置100に設け、受信側の通信装置200からウェイト演算回路220を削除して、受信アンテナ素子211,212,213と受信部231,232,233とが直接接続される構成としてもよい。
上述した第2の実施形態の構成によれば、分配器2211,2212,2213と移相器2221,2222,2223と合成器2231,2232,2233とをアナログデバイスを用いて実現することができ、これらのアナログデバイスを用いることにより前述の式(8)に示すZFにおける受信ウェイト行列WZFと同等の行列演算処理を実現することができる。また、送信アレーアンテナ120および受信アレーアンテナ210のそれぞれを構成する各アンテナ素子は式(6)を満たすように最適素子間隔doptで配置されているので、EM−BFの特性とZFの特性とはほぼ一致する。従って、本実施形態による無線通信システムによれば、第1実施形態と同様に、ZFやEM−BFのディジタル信号処理に要する演算処理を省略できると共に、ZFやEM−BFの場合と同様のチャネル容量を得ることができる。よって、本実施形態によれば、アナログデバイスのみでウェイト演算回路を構成することができ、ハードウェア規模や消費電力の増大を抑えることが可能になる。
次に、図4を参照して、アンテナ素子の配置の決定方法について説明する。
図4は、本実施形態による無線通信システムにおける送信アンテナ素子121,122,123および受信アンテナ素子211,212,213の配置を決定する処理手順を示すフローチャートである。概略的には、前述の式(6)に示すチャネルの伝搬特性が得られるように、送信アンテナ素子121,122,123および受信アンテナ素子211,212,213の配置を決定する。
まず、本実施形態による無線通信システムを使用する環境における送受信間隔Dを決定する(ステップS21)。例えば、建築物の壁を隔ててデータ通信を行う場合、その壁の両面に送信アンテナ素子121,122,123と受信アンテナ素子211,212,213とを対向配置する。この場合、壁の厚さが送受信間隔Dとして決定される。
次に、アンテナ素子間隔dを徐々に変更しながら、各アンテナ素子間隔dにおける送信アンテナ素子121,122,123と受信アンテナ素子211,212,213との間の各伝搬チャネルの振幅比と位相差θを推定する(ステップS22)。
そして、送信アンテナ素子121,122,123と受信アンテナ素子211,212,213との間のチャネル行列が、式(6)で表されるチャネル行列Hを満足するアンテナ素子間隔doptを探索し、この探索により得られた最適素子間隔doptにアンテナ素子間隔dを設定する。これにより、送受アンテナ素子間のチャネル行列が、式(6)で表されるチャネル行列Hを満足するように、送信アンテナ素子121,122,123および受信アンテナ素子211,212,213の配置が決定される。
上述したように、本実施形態においても、複雑な行列演算を実施することなく、式(8)に示される行列演算と同等の処理を実施することができるので、式(6)を満足するように送受信アンテナの配置を決定すれば、EM−BFの特性とZFの特性とがほぼ一致し、各系列のデータを互いに干渉を与えることなく分離することができる。従って、より負荷の小さい信号処理により近距離MIMO伝送を実現することができる。
次に、図5を参照して、上述した第1および第2実施形態の変形例を説明する。
図5は、上述した本発明の第1または第2の実施形態の変形例による無線通信システム2の概略構成を示す構成図である。概略的には、本変形例による無線通信システム2は、本発明をSIMO(Single−Input Multiple−Output)伝送技術に適用したものである。
図5に示す無線通信システム2は、通信装置1000と通信装置2000とを備える。通信装置1000は、前述の図1に示す通信装置100の構成において、送信アンテナ121によりデータ系列S1の信号を送信するために必要とされる送信部111と送信アンテナ素子121とを備え、その他の構成は削除されている。
通信装置2000は、前述の図1に示す通信装置200の構成において、受信部231によりデータ系列S1’の信号を復調するために必要される構成を備え、その他の構成は削除されている。具体的には、通信装置2000は、受信アンテナ素子211,212,213とウェイト演算回路2200と受信部231とを備える。このうち、ウェイト演算回路2200は、前述の図1のウェイト演算回路220の構成において、分配器2211,2212,2213と、移相器2221と、合成器2231とを備えて構成され、その他の構成は削除されている。
本変形例の動作は、データ系列S1の伝送に着目すれば、上述の第1または第2の実施形態と同様である。
なお、本変形例では、3系列のデータ系列S1,S2,S3のうちの一つのデータ系列を伝送するものとしているが、これに限定されず、3系列のデータ系列S1,S2,S3のうちの任意の二つのデータ系列を伝送するように構成することもできる。
上述した本変形例のうち、第1の実施形態に対応する変形例による無線通信システムは、送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1から第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つとが対向する位置に配置され、前記送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、前記第2の通信装置が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け部と、前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、を具備することを特徴とする無線通信システムとして表現される。
また、第2の実施形態に対応する変形例による無線通信システムは、送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子の一つとが対向する位置に配置され、前記送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、前記第2の通信装置が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け部と、前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、を具備することを特徴とする無線通信システムとして表現される。
上述した第1および第2実施形態では、本発明を無線通信システムとして表現したが、本発明は無線通信方法として表現することもできる。この場合、本発明は、第1の実施形態に対応して、第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムによる無線通信方法であって、前記第2の通信装置による信号処理が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け手順と、前記重み付け手順により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け手順により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号手順と、を含むことを特徴とする無線通信方法として表現することができる。
また、本発明は、第2の実施形態に対応して、第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムによる無線通信方法であって、前記第2の通信装置による信号処理が、前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け手順と、前記重み付け手順により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け手順により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号手順と、を含むことを特徴とする無線通信方法として表現することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意の変形や修正が可能である。
例えば、上述の実施形態では、本発明をMIMO伝送技術に適用した例を説明し、変形例では、本発明をSIMO伝送技術に適用して例を説明したが、本発明は、MISO(Multiple−Input Single−Output)伝送技術にも適用することが可能である。
また、本発明は、例えば2×2MIMO伝送または4×4MIMO伝送など、3×3MIMO伝送以外のMIMO伝送にも適用することが可能である。この場合、各伝送に応じて特定のチャネル行列が得られるように送受信アレーアンテナの各アンテナ素子を配置し、それに合わせてウェイト演算回路(220,2200)の分配器、移相器、合成器の各回路定数を選定することにより、上述の実施形態と同様に、簡易にMIMO受信復号を実施することができる。
100,1000…通信装置(送信側)
111,112,113…送信部
120…送信アレーアンテナ
121,122,123…送信アンテナ素子
200,2000…通信装置(受信側)
210…受信アレーアンテナ
211,212,213…受信アンテナ素子
220,2200…ウェイト演算回路
231,232,233…受信部
2211,2212,2213…分配器
2221,2222,2223…移相器
2231,2232,2233…合成器
S1,S2,S3,S1’,S2’,S3’…データ系列
S11,S12,S13,S21,S22,S23…処理ステップ

Claims (8)

  1. 第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、
    前記第2の通信装置が、
    前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け部と、
    前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記復号部は、
    前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第1の復号部と、
    前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第2の復号部と、
    前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−135度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第3の復号部と、
    を備えた請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、
    前記第2の通信装置が、
    前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け部と、
    前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  4. 前記復号部は、
    前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第1の復号部と、
    前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第2の復号部と、
    前記重み付け部により分岐された信号のうち、前記第3の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされて−90度の位相回転が付与された信号と、前記第1の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第2項に対応する重み付けがなされた信号と、前記第2の受信アンテナ素子から入力され前記振幅比の第3項に対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する第3の復号部と、
    を備えた請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1から第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つとが対向する位置に配置され、前記送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、
    前記第2の通信装置が、
    前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け部と、
    前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  6. 送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子の一つとが対向する位置に配置され、前記送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムであって、
    前記第2の通信装置が、
    前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け部と、
    前記重み付け部により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け部により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号部と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  7. 第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が1であり、かつ、前記チャネル間の位相差が90度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムによる無線通信方法であって、
    前記第2の通信装置による信号処理が、
    前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:2−1/2:2−1/2なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−135度の位相回転を付与する重み付け手順と、
    前記重み付け手順により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け手順により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号手順と、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  8. 第1、第2、第3の送信アンテナ素子を具備する第1の通信装置と、第1、第2、第3の受信アンテナ素子を具備する第2の通信装置とを備え、前記第1、第2、第3の送信アンテナ素子と前記第1、第2、第3の受信アンテナ素子とがそれぞれ対向する位置に配置され、前記第1から第3の送信アンテナ素子および前記第1から第3の受信アンテナ素子のうち、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルと、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルとの振幅比が2−1/2であり、かつ、前記チャネル間の位相差が135度となるように、前記第1から第3の送信アンテナ素子と前記第1から第3の受信アンテナ素子とが配置された無線通信システムによる無線通信方法であって、
    前記第2の通信装置による信号処理が、
    前記第1から第3の受信アンテナ素子から入力された信号の各々を1:1:1なる振幅比で重み付けして分岐し、前記分岐により得られた信号のうち、前記第1から第3の受信アンテナ素子の一つから入力されて前記振幅比の第1項に対応する重み付けがなされた信号に−90度の位相回転を付与する重み付け手順と、
    前記重み付け手順により前記位相回転が付与された信号と、前記第1から第3の受信アンテナ素子の残りの二つから入力されて前記重み付け手順により前記振幅比の第2項および第3項にそれぞれ対応する重み付けがなされた信号とを合成して復号する復号手順と、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
JP2012287925A 2012-12-28 2012-12-28 無線通信システムおよび無線通信方法 Expired - Fee Related JP5788860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012287925A JP5788860B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 無線通信システムおよび無線通信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012287925A JP5788860B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 無線通信システムおよび無線通信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014131181A true JP2014131181A (ja) 2014-07-10
JP5788860B2 JP5788860B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=51409198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012287925A Expired - Fee Related JP5788860B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 無線通信システムおよび無線通信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5788860B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017050823A (ja) * 2015-09-04 2017-03-09 日本電信電話株式会社 無線通信システム
WO2017187541A1 (ja) * 2016-04-27 2017-11-02 株式会社日立国際電気 無線通信システム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080012753A1 (en) * 2005-03-24 2008-01-17 Feng Cheng Passive channel calibration method based on non-linear antenna array
JP2008541639A (ja) * 2005-05-18 2008-11-20 ミツビシ・エレクトリック・インフォメイション・テクノロジー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ 多入力多出力通信システム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080012753A1 (en) * 2005-03-24 2008-01-17 Feng Cheng Passive channel calibration method based on non-linear antenna array
JP2008541639A (ja) * 2005-05-18 2008-11-20 ミツビシ・エレクトリック・インフォメイション・テクノロジー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ 多入力多出力通信システム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014031337; 堅岡 良知 他: '近距離MIMO伝送における簡易受信復号法の提案' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.111, No.376, 20120111, pp.153-158 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017050823A (ja) * 2015-09-04 2017-03-09 日本電信電話株式会社 無線通信システム
WO2017187541A1 (ja) * 2016-04-27 2017-11-02 株式会社日立国際電気 無線通信システム
JPWO2017187541A1 (ja) * 2016-04-27 2018-09-13 株式会社日立国際電気 無線通信システム
US10505596B2 (en) 2016-04-27 2019-12-10 Hitachi Kokusai Electric Inc. Wireless communication system

Also Published As

Publication number Publication date
JP5788860B2 (ja) 2015-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11202211B2 (en) OAM multiplexing communication system and OAM multiplexing communication method
González-Prelcic et al. Radar aided beam alignment in mmWave V2I communications supporting antenna diversity
EP2741429B1 (en) Method for determining beamforming parameters in a wireless communication system and to a wireless communication system
Liu et al. Space-time block coding-based beamforming for beam squint compensation
KR101413507B1 (ko) 프리코딩 행렬을 획득하기 위한 방법 및 디바이스
JP5770691B2 (ja) 無線通信システムおよび無線通信方法
JP5645135B2 (ja) 無線通信システムおよび無線通信方法
JP2007159130A (ja) 分散型アンテナ移動通信システムにおける上り受信方法及び装置
CN108141268A (zh) 使用混合波束成形的无线通信方法和装置
US20160268681A1 (en) Three-Element Antenna Array for Wireless Handsets
US11569583B2 (en) Multi-beam routing using a lens antenna
EP3679659A1 (en) Antenna arrangement for two polarizations
Jeyakumar et al. Wideband hybrid precoding techniques for THz massive MIMO in 6G indoor network deployment
JP5788860B2 (ja) 無線通信システムおよび無線通信方法
JP5759427B2 (ja) 無線通信システムおよび無線通信方法
Gupta et al. A novel hybrid precoding technique for millimeter wave
US20160191129A1 (en) System and method for multi-user multiple polarized input multiple output (mu-mpimo)
CN112088497A (zh) 对mimo无线传输进行极化优化的方法和装置
CN108370265A (zh) 一种确定预编码矩阵的方法及装置
KR101748814B1 (ko) 하이브리드 빔포밍을 위한 송신기, 수신기 및 신호 송수신 방법
JP2012191281A (ja) 無線通信装置
Baghel et al. MIMO Antennas: A 5G Communication Perspective
Mercy Sheeba et al. Beamforming Techniques for Millimeter Wave Communications-A Survey
EP3562050B1 (en) Beamforming method and device for massive mimo system
JP2005354365A (ja) 空間多重伝送装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5788860

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees