JP2014130554A - 情報機器、認証方法、認証システム - Google Patents

情報機器、認証方法、認証システム Download PDF

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Abstract

【課題】 指紋認証、IDとパスワードによる認証は、指紋を複製されたり、パスワードが盗まれたりすることで、容易に認証が可能となってしまうので、他人による「なりすまし」がし易い。
【解決手段】 そこで、指紋やパスワードの代わりに、手書き署名による認証をする。手書き署名による認証は署名の形状を時系列に取得することで、時間軸、X軸、Y軸の3次元のデータとなり、署名スピードや筆順によっても個人を特定できる。これにより、容易に「なりすまし」ができなく、また容易でありながら正確な入力ができる認証機能を有する情報機器、認証方法、認証システムを提供することができる
【選択図】図1

Description

本発明は、使用者を認証する機能を有する情報機器、使用者を認証する認証方法、および使用者を認証する機能を有する認証システムに関する。
近年、携帯端末(例えば、スマートフォンやタブレットデバイスなどの多機能型端末)は、可搬性に優れ、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)的な便利さと多機能でネット接続がしやすく、アプリケーションで機能を追加できるというパソコン的な便利さを兼ね備えている点が評価され、個人や業務で多く利用されている。また、デスクトップ型のパソコンも同様に広く利用されている。携帯端末またはデスクトップ型のパソコンなどの情報機器で採用されている個人照合技術は、本人がもつ知識、情報によるもの、すなわち、暗証番号やパスワードによって認証するものが知られている。また近年では情報機器の画面にアルファベットや記号を描くなど、正当な本人しか知り得ない情報を入力し、予め登録されたパターンとの形状比較し、認証を行うものがある。また、個人を特定できる指紋を利用し、指紋読取装置で指紋を読み込み、予め登録された指紋と形状比較し、認証を行うものがある。
例えば、特開2001−283223号公報には、署名データや指紋などのバイオメトリックデータを取得し、入力したバイオメトリックデータと予め記憶してある基準バイオメトリックデータを比較し、その比較の結果で入力した者が本人であるか否かを決める技術が開示されている。この発明では、盗まれたバイオメトリックデータでは、以前入力したものと完全一致する可能性高く、この場合は不正なものであると認識することができるが、不正使用者は、盗んだバイオメトリックデータを更の改竄し完全一致を無くした上で使用する場合があり、これに対する対策を講じている。すなわち、バイオメトリックデータを比較する区分を複数に分け、その区分ごとに比較し、完全一致の度合いが多い場合は不正があり、少ない場合は不正が無いと判断している。
また、特開平2−143317号公報では、署名ボードにペン入力し、この筆圧のデータおよび座標を入力し、予め格納されているデータと比較を行い、比較結果に応じて個人認証を行っている。この筆圧は、署名ボードの上空をスタイラスペンが接触せずに移動しているか、署名ボードに接触しているかを判断し、接触の有無を筆圧データとしている。数mmの上空まで検出が可能なものを例としている。また、接近して接触せずに移動している場合でも、その軌跡が入力でき、筆跡データとして利用できるとしている。
特開2001−283223号公報 特開平2−143317号公報
上述の特開2001−283223号公報に記載の発明では、パスワードなら文字列情報、指紋なら指紋の画像情報が予め記憶され、それと入力された情報を比較している。しかし、文字列情報も指紋も簡便である反面、盗まれることによる「なりすまし」がしやすいという問題がある。例えば、文字列情報は誰が入力しても入力する値に変わりが無く、また指紋は物に触れたときに付く油脂等から容易に複製が可能であり、なりすましが容易にできるという問題がある。また特開平2−143317号公報に記載の発明では、筆圧データを入力するということは予期せぬデータを入力してしまう問題がある。例えば、ペンを斜めにした状態で、接近しているペン先以外の部分によって、あるいは、ペンを持っている手によって、意図しないで入力可能エリアに入ると、それが入力して扱われてしまう場合があり、正しく入力できないという問題が生じている。また、専用のペンが必要であり、ペンなしには入力ができないという問題がある。
本発明は、容易に「なりすまし」ができなく、また容易でありながら正確な入力ができる認証機能を有する情報機器、認証方法、認証システムを提供することを目的とする。
本発明の情報機器は、入力手段から入力された位置情報に基づいて演算される入力署名データと予めメモリーに記憶されている署名基礎データとを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データと一致するか否かを判断し、該判断に応じて処理を変える情報機器において、前記署名基礎データは、上限値と下限値を含み、前記入力手段は、操作された位置の情報を出力する位置入力手段であり、前記位置入力手段からの定期的に前記位置の情報を取得し、該取得した前記位置の情報と前回に取得した前記位置の情報とから、前記取得した前記位置の情報と前記前回に取得した前記位置の情報の特徴を示す特徴データを演算し、該特徴データから前記入力署名データを演算し、該演算によって求められた前記入力署名データと前記署名基礎データを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データの前記上限値と前記下限値との間に有るか否かを検出する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明の認証方法は、入力手段から入力された位置情報に基づいて演算される入力署名データと予めメモリーに記憶されている署名基礎データとを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データと一致するか否かを判断し、該判断に応じて処理を変える情報機器の認証方法において、前記署名基礎データは、上限値と下限値を含み、前記入力手段は、操作された位置の情報を出力する位置入力手段であり、前記位置入力手段からの定期的に前記位置の情報を取得するステップと、該取得した前記位置の情報と前回に取得した前記位置の情報とから、前記取得した前記位置の情報と前記前回に取得した前記位置の情報の特徴を示す特徴データを演算するステップと、該特徴データから前記入力署名データを演算するステップと、該演算によって求められた前記入力署名データと前記署名基礎データを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データの前記上限値と前記下限値との間に有るか否かを検出するステップと、を有することを特徴とする。
本発明の認証システムは、入力手段から入力された位置情報に基づいて演算される入力署名データと予めメモリーに記憶されている署名基礎データとを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データと一致するか否かを判断し、該判断に応じて処理を変える認証システムにおいて、前記署名基礎データは、上限値と下限値を含み、該署名基礎データを管理する外部コンピュータと、前記入力手段は、操作された位置の情報を出力する位置入力手段であり、前記入力手段を備える情報機器と、前記情報機器は、前記位置入力手段からの定期的に前記位置の情報を取得し、該取得した前記位置の情報と前回に取得した前記位置の情報とから、前記取得した前記位置の情報と前記前回に取得した前記位置の情報の特徴を示す特徴データを演算し、該特徴データから前記入力署名データを演算する制御手段と、前記外部コンピュータと通信する第1の通信手段と、を備え、前記外部コンピュータは前記情報機器と通信する第2の通信手段と、前記前記入力署名データと前記署名基礎データを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データの前記上限値と前記下限値との間に有るか否かを検出する比較制御手段と、を備え、前記情報機器から前記外部コンピュータに前記入力署名データを前記第1の通信手段および前記第2の通信手段を介して送信し、前記比較制御手段で前記送信された前記入力署名データと前記署名基礎データとを比較することを特徴とする。
本発明によれば、情報機器を操作する者が、容易に「なりすまし」できず、また容易でありながら正確に入力ができる認証機能を有する情報機器、認証方法、認証システムを提供することができる。
図1は、情報機器の構成の例を示す図である。 図2は、情報機器の構成の例を示すブロック図である。 図3は、入力手段および表示手段の例を説明する図である。 図4は、入力データの例を説明する図である。 図5は、入力データの取得状態の例を説明する図である。 図6は、署名データの入力の例を説明する図である。 図7は、署名データの入力の別の例を説明する図である。 図8は、入力された署名データと署名基礎データとの照合を説明する図である。 図9は、メモリーに記憶される入力データの構成を説明する図である。 図10は、動作の例を示すフローチャートである。 図11は、認証システムの構成の例を示す図である。 図12は、異なる入力表示手段の情報機器の例を示す図である。 図13は、サイズの異なる入力表示手段での署名の入力範囲の例を示す図である。 図14は、署名の入力範囲を表示する動作の例を示すフローチャートである。 図15は、サイズの異なる入力表示手段の情報機器の入力範囲の例を示す図である。 図16は、サイズの異なる入力表示手段の署名の入力範囲を表示する動作の例を示すフローチャートである。 図17は、署名基礎データの入力の例を示すフローチャートである。
図1は、情報機器の構成の例を示す図である。情報機器1はタッチパネル2を備える。タッチパネル2は、例えば液晶パネルのような表示装置と、例えばタッチパッドのような位置入力装置とを組み合わせたものであり、画像等が表示されている画面上に触れることで、触れた場所の位置を入力データとして取得することができる。このように、タッチパネル2は位置入力手段と表示手段を備える。情報機器1は好ましくは可搬型の情報機器であり、例えば、携帯電話、タブレットPC、ブックリーダーなどである。タッチパネル2には、署名枠5が表示され、この署名枠5内に署名を行う。また、タッチパネル2には、スタートストップボタン7が表示され、ここに触れることで、署名の開始と終了をさせることができる。スタートすることで、署名の入力待ちとなり、ストップすることで、署名の終了を後述の制御手段に入力できる。
操作者は、例えば手3の指先4で署名枠5の内側に署名6をすることができる。操作者は、まずスタートストップボタン7に触れ、署名の入力をスタートさせ、指先4で署名をする。署名が済んだ後に再びスタートストップボタン7に触れ署名が済んだことを入力する。ここでは、「y」の字を入力している。指によって入力するので、専用ペンなど不要であり、署名者はいつでも入力ができる。署名が終わると、情報機器は、その入力された入力署名データと予め記憶されている署名基礎データとを比較し、予め決められた条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は認証成功としての処理がされ、満たさない場合は認証失敗としての処理がされる。例えば、認証が成功することで、後続の処理をすることを可能とし、失敗することで後続の処理をすることが不可能とする。認証が成功した者だけが機器あるいは機器を介して他の機器を利用することができる。また、条件を満たすか否かは、入力署名データが署名基礎データの上限値および下限値の範囲内に99.7%入っていれば満たし、それ未満なら満たさないというような予め決められた閾値によって判断される。
図2は、情報機器の構成の例を示すブロック図である。タッチパネル2は、入力手段12と表示手段13を備える。表示手段13は例えば液晶ディスプレイである。入力手段12は液晶ディスプレイの上に構成された透明のスイッチ群である。このスイッチ群は縦横方向、すなわちY軸方向X軸方向に細分された領域上を触れることで、触れた位置に対応する信号を出力する。すなわち、これは位置入力装置である。この触れた位置を取得する信号を制御手段8が入力する。メモリー9は、RAM11と不揮発性メモリーのROM10を備える。ROM10には制御手段8の制御プログラムや電源が切れた際にも残したいデータが格納されている。制御手段8はこの制御プログラムに従って動作する。RAM11は制御手段8のワークメモリー、データの一時的な記憶、設定値などの記憶をする。ROM10には制御に必要な初期値や、動作中に消去したくないデータを記憶する。制御手段8は、タッチパネル2に指によって書かれる署名を入力し、それを、ROM10に予め記憶され署名基礎データと比較することで認証を行う。また、制御手段8は制御プログラムに従って、入力手段12から入力データを取得し、演算し、表示手段13に図や文字などの画像データを表示する。
図3は、入力手段および表示手段の入力および表示の例を説明する図である。タッチパネル2上に署名枠5があり、その署名枠5の部分を拡大して示している。X軸16は紙面左右方向、Y軸17は紙面上下方向を表している。署名枠5内は、X軸16、Y軸17に複数に分割され、マトリクス状に、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式などの方式のスイッチ18が配置されている。スイッチ18が変化した位置が、X軸16方向とY軸17方向で細かく分かれているので、その位置すなわち座標が特定でき、その位置を入力位置データとして取得することができる。
タッチパネル2は極短い間隔で、例えば10ミリ秒毎に、サンプリングして触れている部分の入力位置を取得する。サンプリングする時に指先が第1の位置14に触れ、次のサンプリングする時に第2の位置15にある例を用いて、入力および表示の例を説明する。指の動くスピードが1秒間当たり数〜十数センチメートル程度であるので、サンプリング間隔は1ミリ秒〜100ミリ秒の間の間隔が好ましく、その中でも10ミリ秒以下の間隔でサンプリングするのがより好ましい。早すぎると処理が間に合わなく、遅すぎると精度が悪くなる。指先が第1の位置14にあるときにタッチパネル2は、第1の輪郭19で囲まれた範囲内を検出しそれらの位置を入力する。すなわち、第1の輪郭19で囲まれた範囲の座標を入力データとして取得することになる。この入力データを用いて演算し、指先が第1の位置14にある状態の特徴データを取得する。演算等は後述する。
指先が動き、次のサンプリングタイミングの時に指先は第2の位置15にある。指先が第2の位置15にあるときにタッチパネル2は、第2の輪郭20で囲まれた範囲内を検出する。すなわち、第2の輪郭20で囲まれた範囲の座標を入力データとして取得することになる。この入力データを用いて演算し、指先が第2の位置15にある状態の特徴データを取得する。演算等は後述する。当然ながら、第1の輪郭19と、第2の輪郭20とは、サイズが異なる。各サンプリングタイミングにおいて入力データを取得し、さらに、その入力データから特徴データを演算することになる。
例えば特徴データとして、第1の位置14の入力データから、第1の輪郭19を構成する位置データ、第1の輪郭19を構成する位置データの内のX軸方向の最少の位置、X軸方向の最大の位置、Y軸方向の最少の位置、Y軸方向の最大の位置、第1の位置14の入力データの第1の重心の位置21、第2の位置15の入力データから、第2の輪郭20を構成する位置データ、第2の輪郭20を構成する位置データの内のX軸方向の最少の位置、X軸方向の最大の位置、Y軸方向の最少の位置、Y軸方向の最大の位置、第2の位置15の入力データの第2の重心の位置22、第1の重心の位置21から第2の重心の位置22に重心が移動したことを示す重心移動ベクトル23、重心移動ベクトル23に平行であり且つ第1の輪郭19と接する2本の仮想線の上側の第1仮想線24と下側の第2仮想線25、重心移動ベクトル23に垂直であり且つ第1の輪郭19と接する2本の仮想線の上側の第3仮想線26と下側の第4仮想線27、各仮想線と第1の輪郭19と接する点である第1の重心移動方向水平最大点28、第1の重心移動方向水平最小点29、第1の重心移動方向垂直最大点30、第1の重心移動方向垂直最小点31、重心移動ベクトル23の延長線上にある仮想線であるベクトル延長仮想線32、重心移動ベクトル23に平行であり且つ第2の輪郭20と接する2本の仮想線の上側の第5仮想線33、下側の第6仮想線34、重心移動ベクトル23に垂直であり且つ第2の輪郭20と接する2本の仮想線の上側の第7仮想線35と下側の第8仮想線36、各仮想線と第2の輪郭20と接する点である第2の重心移動方向水平最大点37、第2の重心移動方向水平最小点38、第2の重心移動方向垂直最大点39、第2の重心移動方向垂直最小点40、第1の重心移動方向水平最大点28と第2の重心移動方向水平最大点37を結ぶ第1線分41、第1の重心移動方向水平最小点29と第2の重心移動方向水平最小点38を結ぶ第2線分42、第1の重心移動方向垂直最大点30と第2の重心移動方向垂直最大点39を結ぶ第3線分43、第1の重心移動方向垂直最小点31と第2の重心移動方向垂直最小点40を結ぶ第4線分44、第1の位置14の全入力データ数を第1の面積、第2の位置15の全入力データ数を第2の面積、などがある。また、第1の輪郭19のX軸方向の最大点、最少点、Y軸方向の最大点、最少点から、その中心を求め、それを重心点と置き換えて、移動ベクトル、これに平行、垂直な仮想線、および輪郭との接点を特徴データとすることもできる。これらの値を特徴データとして、サンプリング毎にメモリーに記憶し、各種演算に用いる。またこれら特徴データは、あるサンプリングで取得した入力データと、次のサンプリングで取得した入力データとから演算されるので、その性質上、各入力位置には2種類の特徴データが備わる場合がある。また、入力署名データあるいは署名基礎データは、上述の例示した特徴データの内から選択されたものを用いることができ、また、上述の例示した特徴データを用いて、例えば移動角度、移動速度、データの変化量などを演算して用いることができる。
第1の輪郭19、第2の輪郭20、第1線分41、第2線分42で囲まれている部分、および、第1の輪郭19、第2の輪郭20、第3線分43、第4線分44で囲まれている部分に対応させて表示手段13の対応部分の色を変えることで、筆跡としてタッチパネル2に表示できる。しかし、他人に筆跡を見られたくない場合は、この表示をしない制御をしてもよい。このようにタッチパネル2に触れた位置の色を変えないこともできるので、表示部が無い位置入力装置を使用することも可能であり、例えば、暗証番号を入力するテンキーの代わりに使用することもでき、なりすましを防止でき、より個人を特定する精度を向上させることができる。
図4は、入力データの例を説明する図である。ここでは、タッチパネル2から3回のサンプリングで得たデータについて説明する。1回目のサンプリングと2回目のサンプリングで得た情報は図3で説明したとおりである。3回目のサンプリングで第3の位置の入力データから、第3の輪郭55を構成する位置データ、第3の輪郭55を構成する位置データの内のX軸方向の最少の位置、X軸方向の最大の位置、Y軸方向の最少の位置、Y軸方向の最大の位置、第3の位置の入力データの第3の重心の位置45、第2の重心の位置22から第3の重心の位置45に重心が移動したことを示す重心移動ベクトル46、重心移動ベクトル46に平行であり且つ第2の輪郭20と接する2本の仮想線の上側の第9仮想線、下側の第10仮想線、重心移動ベクトル46に垂直であり且つ第2の輪郭20と接する2本の仮想線の上側の第11仮想線、下側の第12仮想線、各仮想線と第2の輪郭20と接する点である第3の重心移動方向水平最大点47、第3の重心移動方向水平最小点48、第3の重心移動方向垂直最大点49、第3の重心移動方向垂直最小点50、重心移動ベクトル46の延長線上にある仮想線であるベクトル延長仮想線、重心移動ベクトル46に平行であり且つ第3の輪郭55と接する2本の仮想線の上側の第12仮想線、下側の第13仮想線、重心移動ベクトル46に垂直であり且つ第3の輪郭55と接する2本の仮想線の上側の第14仮想線、下側の第15仮想線、各仮想線と第3の輪郭55と接する点である第4の重心移動方向水平最大点51、第4の重心移動方向水平最小点52、第4の重心移動方向垂直最大点53、第4の重心移動方向垂直最小点54、第3の重心移動方向水平最大点47と第4の重心移動方向水平最大点51を結ぶ第5線分、第3の重心移動方向水平最小点48と第4の重心移動方向水平最小点52を結ぶ第6線分、第3の重心移動方向垂直最大点49と第4の重心移動方向垂直最大点53を結ぶ第7線分、第3の重心移動方向垂直最小点50と第4の重心移動方向垂直最小点54を結ぶ第8線分、第3の位置の全入力データ数を第3の面積などを特徴データとすることができる。また、第2の輪郭20および第3の輪郭55のX軸方向の最大点、最少点、Y軸方向の最大点、最少点から、その中心を求め、それを重心点と置き換えて、移動ベクトル、これに平行、垂直な仮想線、および輪郭との接点を特徴データとすることもできる。特徴データは、入力されたデータから演算して求め、必要に応じて選択して用いることが好ましい。
指先のタッチパネル2への接触度合いについて述べると、署名するときの力の入れ具合によって、署名の幅が太くなる傾向にある。これは、指を強くタッチパネル2に当てるので、接触面積が大きくなるからである。このことも、個人を特定する場合に、すなわち署名を比較の際に重要な要因とすることができる。力の入れ具合をまねすることは困難である。これも特徴データとすることができる。また、時系列データとして扱うことで、時間軸、X軸、Y軸の3次元を構成することで、これを他人がまねすることが困難となる。例えば、書き順を変えた場合、同じ形状をまねしても、書いた順番が異なるので、一致と判断することはない。
図9は、メモリーに記憶される入力データの構成を説明する図である。上述の特徴データをメモリー9に記憶する場合の例を示している。サンプリング毎にサンプリングナンバーが付され、それに対応して、特徴データが記憶されている。入力位置の位置情報はX軸Y軸の座標で表わすことができる。重心移動ベクトル23は重心点移動距離、重心点の位置、重心点移動角度で表わすことができる。ここでは、サンプリングナンバーに対応させて、面積、重心点座標、重心点移動角度、重心点移動距離、重心点移動方向水平最大点座標、重心点移動方向水平最小点座標、重心点移動方向垂直最大点座標、重心点移動方向垂直最小点座標、水平方向最大点座標、水平方向最小点座標、垂直方向最大点座標、垂直方向最小点座標、中心点座標、中心点移動角度、中心点移動距離、中心点移動方向水平最大点座標、中心点移動方向水平最小点座標、中心点移動方向垂直最大点座標、中心点移動方向垂直最小点座標、輪郭点座標群、重心点移動幅変化量、中心点移動幅変化量を記憶させている。これら記憶するデータは上述のものに限らず、署名データの比較に使用するデータに必要なものを記憶することが好ましい。入力されたデータは各種演算に用いる。
図5は、入力データの取得状態の例を説明する図である。タッチパネル2の署名枠5に「y.」の文字が入力された場合を示している。最初のサンプリング位置56から「y」の文字の最後のサンプリング位置58まで複数のサンプリングが行われる。例えば、途中のサンプリング位置57など楕円で示されている。「y」の文字の最後のサンプリング位置58からパネルから指を離し、次に接するのは「.」の開始位置59であり、「.」の最後のサンプリング位置は60である。位置58から位置59の間の矢印はその間離れていることをしめす矢印64である。この間も複数回のサンプリングを行っているがその都度接触がないデータが蓄えられていく。この接触の無い時間が所定時間、例えば2秒とか通常のサインでは考えられない時間が続くとデータの入力を停止し、認証の処理を行ってもよい。そうすればいちいち入力が終了したことを指示するボタンを触れなくても良いからである。形状だけを認証判断に用いた場合は、「.」「y」の順に書いても、「y.」の判を押すように一度で入力しても認証されるが、時系列的なデータを用いる場合はこのような不正ができない。
図6は、署名データの入力の例を説明する図である。署名する場合に入力された筆跡の形状の比較が重要ではあることには間違いは無い。しかし、それだけでは無い。例えば指紋認証の場合に指紋を正確に複製された場合に形状の比較だけなら「なりすまし」が容易にできる。ここでは、タッチパネルによる手書き入力の良い点の一つは、時系列にデータを取得することができ、その時系列のデータを認証に使うことができる点である。例えば、文字の重ね書き部分があれば、その重ね順が異なっていれば、認証されないので、形状だけではなし得ないことができる。
ここで、同じ署名枠5内に「世界太郎」という4文字署名を重ね書きした場合を例にして説明する。入力例1(65)の場合、「世」の文字の入力68、「界」の文字の入力69、「太」の文字の入力70、「郎」の文字の入力71、と矢印72が示す順番に入力する。入力例2(66)の場合、「太」の文字の入力73、「郎」の文字の入力74、「世」の文字の入力75、「界」の文字の入力76、と矢印77が示す順番に入力する。入力例3(67)の場合、「世」の文字の入力78、「太」の文字の入力79、「界」の文字の入力80、「郎」の文字の入力81と、矢印82が示す順番に入力する。そしてこれらの入力結果83は、重ねられた文字は、ほぼ皆同じものとなり、これだけを認証に用いた場合は、容易に「なりすまし」が可能となる。すなわち、指紋と同様に画面に残った油脂などの跡から、入力された形状を復元される可能性があるからである。しかし、入力された文字の順番、指の接触範囲の変化など入力の時系列のデータを認証に利用すれば、単に形状のみによる認証より格段に「なりすまし」が難しくなることは明らかである。指が接触する部分の幅の変化は、指先の力の入れ具合に関係する。この力の入れ具合は他人が真似をするのは困難である。この特性を利用して認証を行うことで、より正確な認証が可能となる。
図7は、署名データの入力の別の例を説明する図である。ここでは、署名枠5を横長にした場合である。複数文字の入力ができるように、横に長くした。点線はタッチパネル2から指が離れている区間を示す。署名開始位置84から一文字目終了位置85、二文字目開始位置86から二文字目終了位置87、三文字目、四文字目終了位置88、署名終了位置89まで入力データとして扱う。この間複数回のサンプリング行われデータ収集がされる。また署名終了位置89は、離れた状態で所定時間経過したことによって入力終了としている。このように、複数文字が入力される場合もある。文字だけでなく、絵や記号も考えられる。
図8は、入力された署名データと署名基礎データとの照合を説明する図である。署名基礎データ予め登録されたデータであり、これと署名された入力データを比較して、その比較結果に基づいて認証されるか否かが決められる。署名の速度、すなわち指をタッチパネル2上で動かす速さ、速さの変化を認証の条件とすることができる。また、署名の移動角度、すなわち指をタッチパネル2上で動かす角度、角度の変化を認証の条件とすることができる。また、タッチパネル2上で指が接している幅、幅の変化を認証の条件とすることができる。また、指をタッチパネル2上で動かす距離、距離の変化を認証の条件とすることができる。このように取得した特徴データの全てまたはその一部に基づいて入力署名データを演算し、それと予め記憶されている署名基礎データとを比較することで認証を行うことができる。
署名基礎データは、予め複数回の入力を行い、演算し、その平均、分散、標準偏差、最大値、最小値など統計データに基づいて決められる。入力の動作については後述する。署名基礎データは、比較する署名データに対して認証されるか否かを決めるための許容範囲が含まれる。精度を高くするには、数多く入力したデータから求めることが望まれるが、使用する者にとっては回数が少ない方が使い勝手がよい。例えば、3回から5回程度の署名データを入力し、その特徴データの最大値と最小値を標準偏差の3倍の幅と仮定し、平均値から小さい側に最大値と最小値の3分の1離れた値を下限とし、平均値から大きい側に最大値と最小値の3分の1離れた値を上限として許容範囲をきめてもよい。または、入力された値から標準偏差を演算し、同様に上限下限を決めてもよい。また、署名基礎データ作成のときに、より有効なのは、同じ位置に、時間を変えて複数回重ねて入力されることを署名基礎データの条件にすることである。こうすることで、署名をまねされる可能性をさらに低くできる。すなわち、同じ枠内に文字を複数回重ねて入力することで、署名の重ね順番を比較条件とすることができるからである。
移動速度軸91はタッチパネル2で入力される署名データの指の移動速度を示す。時間軸92はタッチパネル2のサンプリングタイミングを示す。時間軸92上の印はサンプリングタイミングを示す。図は、各サンプリングタイミングで取得された署名データの特徴データを線で接続したグラフである。図中点線で示した上限100は移動速度の変化の上限値を接続した点線である。下限102は移動速度の変化の下限値を接続した点線である。移動速度データ101は、各サンプリングタイミングで入力された署名データの特徴データの内の移動速度を接続した線である。この線が上限あるいは下限を越えなければ認証は許可され、越えれば認証は却下される。たとえば越えた点103があるので認証は却下される。また、入力された署名データと署名基礎データとの比較は、複数回のサンプリングをまとめて1度に行うことで、処理を簡素化し、処理速度を上げることができる。たとえば第一タイミング96から第二タイミング97の間のサンプリングタイミングをまとめて1回で処理し、同様に第二タイミング97から第三タイミング98の間、第三タイミング98から第四タイミング99の間でそれぞれ比較される。最初の2回は許容範囲内にあるが、3回目の比較で許容範囲を超える部分があり、認証はされない結果となる。
次に移動角度軸93はタッチパネル2で入力される署名データの指の移動方向の変化を角度で示す。時間軸92はタッチパネル2のサンプリングタイミングを示す。図は、各サンプリングタイミングで取得された署名データの特徴データを線で接続したグラフである。図中点線で示した上限104は移動角度の変化の上限値を接続した点線である。下限105は移動角度の変化の下限値を接続した点線である。移動角度データ106は各サンプリングタイミングで入力された署名データの特徴データの内の移動角度を接続した線である。この線が上限あるいは下限を越えなければ認証は許可され、越えれば認証は却下される。移動角度データ106は上限も下限も越えていないので、たとえば、このデータだけを認証に使用すれば、認証は許可される。また、入力された署名データと署名基礎データとの比較は、複数回のサンプリングをまとめて1度に行うことで、処理を簡素化し、処理速度を上げることができる。
次に幅変化量軸94はタッチパネル2で入力される署名データの指の接触幅の変化を示す。時間軸92はタッチパネル2のサンプリングタイミングを示す。図は、各サンプリングタイミングで取得された署名データの特徴データを線で接続したグラフである。図中点線で示した上限107は幅変化量の変化の上限値を接続した点線である。下限108は幅変化量の変化の下限値を接続した点線である。幅変化量データ109は各サンプリングタイミングで入力された署名データの特徴データの内の幅変化量を接続した線である。この線が上限あるいは下限を越えなければ認証は許可され、越えれば認証は却下される。幅変化量データ106は上限も下限も越えていないので、たとえば、このデータだけを認証に使用すれば、認証は許可される。また、入力された署名データと署名基礎データとの比較は、複数回のサンプリングをまとめて1度に行うことで、処理を簡素化し、処理速度を上げることができる。幅変化量は、入力時の指の力の入れ具合と、指をあてる角度の具合を表しているに他ならない。これは他人にはなかなかまねできないので、このデータを特徴データとして認証のための比較に用いることで、なりすましが難しくなる。
次に移動距離軸94はタッチパネル2で入力される署名データの指のサンプリング間の移動距離を示す。時間軸92はタッチパネル2のサンプリングタイミングを示す。図は、各サンプリングタイミングで取得された署名データの特徴データを線で接続したグラフである。図中点線で示した上限110は移動距離の変化の上限値を接続した点線である。下限111は移動距離の変化の下限値を接続した点線である。移動距離データ112は各サンプリングタイミングで入力された署名データの特徴データの内の移動距離を接続した線である。この線が上限あるいは下限を越えなければ認証は許可され、越えれば認証は却下される。移動距離データ112は越えた点113で上限を超えているので、認証は却下される。また、入力された署名データと署名基礎データとの比較は、複数回のサンプリングをまとめて1度に行うことで、処理を簡素化し、処理速度を上げることができる。
この例では、移動速度、移動角度、幅変化量、移動距離の4つの特徴データを用いて認証のための比較を行う例をしめした。これは、重心移動ベクトルの変化と、その重心移動ベクトルに平行であり且つその始点の重心のある入力位置の輪郭と接する点間の距離を幅として、その幅の変化を特徴データとして用いる。これは、指で署名する際に、指の動きと接触具合の変化を認証のための比較に用いていることになる。また、時系列データを用い、3次元のデータを基にしているので、まねをするのが困難である。さらに他の特徴データを加えて認証のための比較を行ってもよい。そうすることで更に、まねされる可能性が低くなる。また、第一タイミング96から比較を開始するが、これは、夫々の署名の最初に取得した入力データから比較することで、各署名の入力の先頭を合わせることができる。また、入力署名データが完全に署名基礎データの範囲内にあれば認証されるが、例えば一定の割合で範囲外にあった場合でも、例えば各タイミング間で1回は範囲外でも、認証されるようにしてもよい。これによって、精度は落ちる可能性があるが、入力のばらつきの大きい人でも認証することができるようになる。また、移動速度はサンプリング間隔の時間と、重心の2点間の距離から求めることができる。移動角度も重心の2点からX軸、Y軸上での角度を求めることができる。
図17は、署名基礎データの入力の例を示すフローチャートである。この例では3回の署名の入力によって署名基礎データを生成する。まずステップS200で1回目の署名をする。そして、特徴データを演算し、メモリー9のRAM11に一時保存する。次にステップS201では、この1回目の署名で取得した特徴データを解析し、文字の重なりがあるか判断する。例えば時系列に取得されているデータで同じ座標位置に複数回の入力データがあるか否かを検出することで文字の重なりがあるか否か判断する。ここで重なりが無ければステップS207へ移行し、重なりが有ればステップS202へ移行する。
ステップS202で2回目の署名をする。そして、特徴データを演算し、メモリー9のRAM11に一時保存する。次にステップS203では、この2回目の署名で取得した特徴データを解析し、文字の重なりがあるか判断する。例えば時系列に取得されているデータで同じ座標位置に複数回の入力データがあるか否かを検出することで文字の重なりがあるか否か判断する。ここで重なりが無ければステップS207へ移行し、重なりが有ればステップS204へ移行する。ステップS204で3回目の署名をする。そして、特徴データを演算し、メモリー9のRAM11に一時保存する。次にステップS205では、この1回目の署名で取得した特徴データを解析し、文字の重なりがあるか判断する。例えば時系列に取得されているデータで同じ座標位置に複数回の入力データがあるか否かを検出することで文字の重なりがあるか否か判断する。ここで重なりが無ければステップS207へ移行し、重なりが有ればステップS206へ移行する。
ステップS206では、1から3回目の特徴データから署名基礎データを演算し、メモリー9に保存する。署名基礎データは電池などが無くても記憶が保存されるROM10に記憶される。ステップS207では、署名に文字の重なり部分が無いと判断されたので、これを署名基礎データとして扱うことはできないので、最初かやり直しを行う。また、ステップS200、S202、S204で署名の入力をする際に長時間入力が無い場合も、正しい入力でないと推定し、ステップS207へ移行し、最初からやり直しとなる。
このように、署名基礎データを生成するために所定の条件を付けることで、署名の個人特定の精度が向上する。例えば、所定の条件は上述のように時系列データの特徴を生かした文字の重なりを条件とすることができる。また、入力枠5を複数枠に分割して、例えば上下左右を半分に区切って4分割し、各分割枠で必ず署名された文字の重なりがあることを条件として入力することで、より署名の個人特定の精度が向上する。
図10は、動作の例を示すフローチャートである。このフローチャートを用いて認証処理の動作を説明する。予め基礎署名データはメモリーに記憶され、また署名枠5に署名の入力が開始されていることとする。まず署名枠5に署名がされているか否かを判断する。たとえば、所定時間ごとにタッチパネルに何かが触れているか否かを確認する。触れられていれば、ステップS2へ移行する。触れられていなければステップS7へ移行する。
ステップS2では、その操作が入力終了の操作であるか否かを判断する。入力終了の操作ならステップS8に移行する。入力終了の操作でなければステップS3へ移行する。入力終了の操作か否かは、スタートストップボタン7が操作されて、署名の入力が終了したか否かを判断する。ステップS3では、入力がされている最中であり、タッチパネル2に触れられている部分の位置が入力される。次にステップS4では、入力されたデータを用いて、特徴データを演算する。特徴データは最新の入力されたデータから演算するものと、前回に入力されたデータと最新の入力されたデータとから演算するものがある。次にステップS5では、特徴データを最新の入力されたデータを時系列に判断するためのサンプリングナンバーと共にメモリーに格納する。
次にステップS6では、入力されたデータの内の、最新のものと、前回のものとの輪郭と移動方向に対して平行な接点を接続した線分とで囲まれた部分に対応するLCDの表示エリアを着色する表示を行う。そうすることで軌跡を描くことができる。ステップS6の次は、次の処理に移行する。ステップS6の表示処理をするかしないかは選択できるようにしてもよいし、表示するかまたは表示しないかのどちらか一方にしてもよい。ステップS7では、たとえば指が離れた状態であり、その離れた状態が所定時間経過したか否かを判断する。たとえば通常の署名ですと、一連の入力で2秒以上指を離すことはなく、その時間を超えた場合は、署名が完了したとみなして次のステップS8に移行する。越えていなければ、まだ署名が続けられているとみなし、次の処理に移行する。
ステップS8は、入力が終了し、署名基礎データと入力されたデータとを比較するための入力署名データを演算する。これは、署名基礎データとの比較を容易にするために、署名基礎データの書式に合わせた情報を生成する。次にステップS9では、署名基礎データと入力署名データを比較する演算を行う。次にステップS10では比較演算の結果、認証が許可される範囲か否かを判断する。すなわち、入力された署名が、あらかじめ記憶されている署名と一致か不一致かを判断する。これは、署名基礎データのもつ許容範囲内に入力署名データが入っていれば、ステップS11へ、入っていなければステップS12へ移行する。
ステップS11では、認証が成功し、すなわち入力された署名が、あらかじめ記憶されている署名と一致したと判断し、署名が成功したことを示す情報を付加し以降の処理をする。ステップS12では、認証が失敗し、すなわち入力された署名が、あらかじめ記憶されている署名と不一致したと判断し、署名が失敗したことを示す情報を付加し以降の処理をする。例えば認証が成功すれば次以降の処理ができるようにし、失敗すれば次以降の処理ができないようにする。
図11は、認証システムの構成の例を示す図である。上述の例は機器内に署名基礎データがある場合について説明したが、ここでは、署名基礎データが外部にある例を説明する。制御手段8はさらに第1の通信手段114を備える。また、機器の外部には外部コンピュータ116があり、第2の通信手段115が接続されている。第1の通信手段114と第2の通信手段115は、無線通信119で接続される。無線通信119は、赤外線通信、無線LANなどの単距離通信、あるは携帯電話の通信などである。
外部コンピュータ116はメモリー118と接続され、そのメモリー118内には認証情報記憶手段117が備わる。例えばメモリー118はハードディスクであり、その中の一部を認証情報記憶手段117として割り当てる。認証情報記憶手段117には、たとえば、外部コンピュータ116が指定する処理にアクセス可能な人のIDとそれに対応する署名基礎データが格納されている。外部コンピュータ116は、第1の通信手段114から送られてきたIDと入力署名データをメモリー118内のIDと署名基礎データを比較し、認証が成功すれば指定する処理にアクセス可能とし、失敗すればアクセスを禁止する。例えば、外部にあるサーバーにログインできるか否かをこのシステムで可能とする。IDとパスワードによるものではなく、IDと署名によってログインを可能とすることで、なりすましを防止できる。または、いままでパスワードとうの数字、文字の入力の代わりに使用できる。表示手段13は無くてもよい。すなわち、入力手段12のみでも署名をすることが可能である。表示手段13があれば、入力のかの確認ができるという点で利便性はあるが、入力の確認が不要ならばなくともよい。
図12は、異なる入力表示手段の情報機器の例を示す図である。図13は、サイズの異なる入力表示手段での署名の入力範囲の例を示す図である。インターネット124に様々な画面サイズの可搬型の情報機器である第1携帯機器125、第2携帯機器127、第3携帯機器129が、有線または無線で接続されている例を示している。これら携帯機器は例えば携帯電話、タブレットPC、ブックリーダーなどタッチパネル等の位置入力装置付の可搬型情報機器である。認証コンピュータ120は認証情報記憶手段121と接続されている。これは認証処理をするサーバーと認証情報を記憶するサーバーを分けた場合の例である。認証情報記憶手段121は、署名基礎データ122を記憶している。ここでは、ID毎に記憶されている。また署名基礎データとともに、その署名基礎データを入力したときの署名枠のサイズ情報123を記憶している。
第1携帯機器125はタッチパネル126が中サイズ、第2携帯機器127はタッチパネル128が小サイズ、第3携帯機器129はタッチパネル130が大サイズである。例えば、署名をするときに、どこにどうするかで、微妙にことなる。例えば、署名枠5のサイズに合わせて入力された情報に基づき署名基礎データが作られる。ところが、このような携帯機器は様々サイズがあり、この署名枠5のサイズを一定のサイズにすることが望まれる。例えば、署名枠がタッチパネル130と外縁と同じサイズであった場合、タッチパネル126では、署名ができない。そこで、署名枠5を一定のサイズにすることが望まれる。タッチパネル126、タッチパネル128、タッチパネル130はそれぞれ同じサイズの署名枠131、署名枠132、署名枠133が表示される。
図14は、署名の入力範囲を表示する動作の例を示すフローチャートである。ステップS100では、まず、可搬型の情報機器である携帯機器は、認証情報記憶手段121からサイズ情報123を取得する。次にステップS101では、携帯機器固有のタッチパネルの解像度情報を取得する。これは、あらかじめ機器に記憶されている。次にステップS102では、タッチパネルの解像度情報とサイズ情報123から表示する枠の描画位置情報を演算する。次にステップ103では、その枠の描画位置情報に基づいてタッチパネルに表示する。次にステップS104では、署名の入力をするように表示し、入力を即す。
図15は、サイズの異なる入力表示手段の情報機器の入力範囲の例を示す図である。図16は、サイズの異なる入力表示手段の署名の入力範囲を表示する動作の例を示すフローチャートである。可搬型の情報機器である第1携帯機器125はタッチパネル126が中サイズ、第2携帯機器127はタッチパネル128が小サイズ、第3携帯機器129はタッチパネル130が大サイズである。署名枠のサイズを一定にすることが望まれるが、一方タッチパネルに応じて適した署名枠のサイズがある。例えば、タッチパネル126、タッチパネル128、タッチパネル130はそれぞれ署名枠134、署名枠135、署名枠136が表示される。これらの枠のサイズは異なる。認証処理をする場合に、ステップS110では、まず、携帯機器固有のタッチパネルの解像度情報を取得する。次に、ステップS111では、その枠内に入力された署名データを取得する。次にステップS112では、タッチパネルのサイズに応じた枠内に入力された署名データに対して、補正演算を行う。これは、補正演算で使用する補正データは、あらかじめ様々サイズで入力された署名基礎データに基づいて、補正データを作成し、枠サイズ固有に表れる特徴をなくし、一つの署名基礎データで比較できるようにするものである。次にステップ113では、補正された署名データと署名基礎データを比較し認証を行う。このようにすれば、様々なサイズのタッチパネル、入力する署名枠のサイズによっても、認証精度を悪くすることなく認証処理ができる。
本発明はパソコン、携帯電話、スマートフォンなどの情報機器および可搬型情報機器に利用できる。またキャッシュディスペンサー、クレジットカード、入退出管理の認証装置など特定の情報を入力し認証する情報機器に利用できる。
1 情報機器
2 タッチパネル
5 署名枠
7 スタートストップボタン
8 制御手段
9 メモリー
12 入力手段
13 表示手段
16 X軸
17 Y軸
14 第1の位置
15 第2の位置
19 第1の輪郭
20 第2の輪郭
21 第1の重心の位置
22 第2の重心の位置
23 重心移動ベクトル

Claims (8)

  1. 入力手段から入力された位置情報に基づいて演算される入力署名データと予めメモリーに記憶されている署名基礎データとを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データと一致するか否かを判断し、該判断に応じて処理を変える情報機器において、
    前記署名基礎データは、上限値と下限値を含み、
    前記入力手段は、操作された位置の情報を出力する位置入力手段であり、
    前記位置入力手段からの定期的に前記位置の情報を取得し、該取得した前記位置の情報と前回に取得した前記位置の情報とから、前記取得した前記位置の情報と前記前回に取得した前記位置の情報の特徴を示す特徴データを演算し、該特徴データから前記入力署名データを演算し、該演算によって求められた前記入力署名データと前記署名基礎データを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データの前記上限値と前記下限値との間に有るか否かを検出する制御手段と、を有することを特徴とする情報機器。
  2. 前記特徴データは、前記定期的に取得される前記位置の情報の移動ベクトルと、前記位置の情報の幅の変化量と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
  3. 前記署名基礎データは、前記入力手段のX軸とY軸で表わされるデータと時間軸で表わされるデータを含み、前記時間軸の異なる位置で前記X軸と前記Y軸で表わされる同じデータが存在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報機器。
  4. 前記入力手段は、表示手段を備えるタッチパネルであり、前記特徴データに基づいて前記位置情報の軌跡の描画データを演算し、前記表示手段に前記描画データを表示しながら前記入力手段から前記位置情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報機器。
  5. 前記入力手段は、表示手段を備えるタッチパネルであり、前記タッチパネルに入力する範囲を示す署名枠が表示されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報機器。
  6. 前記署名基礎データは前記署名枠のサイズ情報を含み、
    前記表示手段は、前記サイズ情報に基づき前記署名枠を描画することを特徴とする請求項5に記載の情報機器。
  7. 入力手段から入力された位置情報に基づいて演算される入力署名データと予めメモリーに記憶されている署名基礎データとを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データと一致するか否かを判断し、該判断に応じて処理を変える情報機器の認証方法において、
    前記署名基礎データは、上限値と下限値を含み、
    前記入力手段は、操作された位置の情報を出力する位置入力手段であり、
    前記位置入力手段からの定期的に前記位置の情報を取得するステップと、
    該取得した前記位置の情報と前回に取得した前記位置の情報とから、前記取得した前記位置の情報と前記前回に取得した前記位置の情報の特徴を示す特徴データを演算するステップと、
    該特徴データから前記入力署名データを演算するステップと、
    該演算によって求められた前記入力署名データと前記署名基礎データを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データの前記上限値と前記下限値との間に有るか否かを検出するステップと、
    を有することを特徴とする認証方法。
  8. 入力手段から入力された位置情報に基づいて演算される入力署名データと予めメモリーに記憶されている署名基礎データとを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データと一致するか否かを判断し、該判断に応じて処理を変える認証システムにおいて、
    前記署名基礎データは、上限値と下限値を含み、該署名基礎データを管理する外部コンピュータと、
    前記入力手段は、操作された位置の情報を出力する位置入力手段であり、前記入力手段を備える情報機器と、
    前記情報機器は、前記位置入力手段からの定期的に前記位置の情報を取得し、該取得した前記位置の情報と前回に取得した前記位置の情報とから、前記取得した前記位置の情報と前記前回に取得した前記位置の情報の特徴を示す特徴データを演算し、該特徴データから前記入力署名データを演算する制御手段と、前記外部コンピュータと通信する第1の通信手段と、を備え、
    前記外部コンピュータは前記情報機器と通信する第2の通信手段と、前記前記入力署名データと前記署名基礎データを比較し、前記入力署名データが前記署名基礎データの前記上限値と前記下限値との間に有るか否かを検出する比較制御手段と、を備え、
    前記情報機器から前記外部コンピュータに前記入力署名データを前記第1の通信手段および前記第2の通信手段を介して送信し、前記比較制御手段で前記送信された前記入力署名データと前記署名基礎データとを比較することを特徴とする認証システム。
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