JP2014128451A - 血液浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、全身性炎症反応症候群に罹患した生体の血液中より、HMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去することのできる血液浄化システムを提供することにある。
【解決手段】血液中の炎症性メディエーターを除去するための血液浄化システム1とする。血液浄化システム1は、アルブミン篩係数が0.1〜0.8、且つフィブリノーゲンの篩係数が0.1以下の膜を主たる構成要素とし、供給された血液から炎症性メディエーターを除去可能に構成された血液浄化器10と、炎症性メディエーターを含む血液を、血液浄化器10に供給する供給手段20と、血液浄化器10に供給された血液のうち、膜を介して炎症性メディエーターが除去された血液を、血液浄化器10外に送る送り手段30と、膜を介して除去された炎症性メディエーターを含む液体を、血液浄化器10外に排出する排出手段40とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、敗血症を中心とした全身性炎症反応症候群に罹患した生体の血液中より、有害物質を除去するための血液浄化システムに関する。
敗血症は、全身性炎症反応症候群(Systemic Inflammatory Response Syndrome:SIRS)と呼ばれる反応を伴う全身性感染である。SIRSは、サイトカインなどの数多くの内因性炎症メディエーターが血流へ放出されて起きる全身症状を伴う急性炎症反応である。生体に対する侵襲に反応して非特異的に免疫反応が活性化すると、メディエーターの産生が制御不能になって重篤な多臓器不全を起こしかねない。
このような敗血症などの全身性炎症反応症候群に対して、血液浄化療法によって血中のメディエーターを除去し血中濃度を抑えることが行われている。血液浄化療法としては、例えば持続的血液濾過(Continuous Hemofiltration:CHF)、持続的血液透析(Continuous Hemodialysis:CHD)、持続的血液濾過透析(Continuous Hemodiafiltration:CHDF)或いは吸着療法等の治療法が実施されており、各種システムが実用化されている。
例えば特許文献1には、メディエーターの1つであるハイモビリティーグループタンパク(HMGタンパク)を吸着する吸着材及びそれを備えるカラムが開示されている。吸着材は、水素結合可能な官能基及び/又は疎水性の官能基を有する物質が固定化された水不溶性担体からなっており、当該吸着材を備えるカラムを用いて血液の体外循環を行うことにより血液中のHMGタンパクを除去できることが、特許文献1の中で報告されている。
HMGタンパクとは、真核細胞内に存在する一群の非ヒストン性のDNA結合タンパク質のことであり、HMGB1、HMGB2、HMGB14、HMGB17、HMG−I(Y)等がHMGタンパクとして知られている。このうち、HMGB1(high-mobility group box1 protein)は、分子量約30キロダルトンの非ヒストン性染色体関連タンパク質であり、敗血症時の晩期致死性メディエーターとして、その存在が知られている。例えば非特許文献1及び2では、細胞死や個体死が生じる後期段階においてHMGB1の血中濃度が上昇することが報告されている。
国際公開第01/074420号
Wang H, et al., Science 1999; 285:248-251 篠▲崎▼正博・秋澤忠男編、「急性血液浄化法 徹底ガイド」、第2版、株式会社総合医学社、2010年6月12日、p.271-272
ところで、敗血症などの全身性炎症反応症候群の病態は、HMGB1だけでなく、種々のサイトカインの作用で発症していることが判明している。その点を踏まえると、仮にHMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去することができれば、敗血症などの全身性炎症反応症候群の症状を改善することができると考えられる。
そこで、本発明の目的は、全身性炎症反応症候群に罹患した生体の血液中より、HMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去することのできる血液浄化システムを提供することにある。
本発明者らは、特定の構造からなる膜を備えた血液浄化器を用いることで、HMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下(1)〜(3)を特徴とする。
(1)血液中の炎症性メディエーターを除去するための血液浄化システムであって、
アルブミン篩係数が0.1〜0.8、且つフィブリノーゲンの篩係数が0.1以下の膜を主たる構成要素とし、供給された血液から前記炎症性メディエーターを除去可能に構成された血液浄化器と、
前記炎症性メディエーターを含む血液を、前記血液浄化器に供給する供給手段と、
前記血液浄化器に供給された前記血液のうち、前記膜を介して前記炎症性メディエーターが除去された血液を、前記血液浄化器外に送る送り手段と、
前記膜を介して除去された前記炎症性メディエーターを含む液体を、前記血液浄化器外に排出する排出手段とを備える、血液浄化システム。
(2)前記送り手段によって前記血液浄化器外に送られた前記血液に、アルブミン又は血漿を供給する他の供給手段をさらに備える、上記(1)に記載の血液浄化システム。
(3)前記炎症性メディエーターが、HMGB1及びサイトカインのうち少なくとも1種である、上記(1)又は(2)に記載の血液浄化システム。
詳細については実施例で後述するが、本発明の血液浄化システムによれば、HMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去することができるため、敗血症などの全身性炎症反応症候群の症状を改善することができ、ひいては多臓器不全の発症を抑制することができる。
実施形態に係る血液浄化システム1を説明するために示す図である。 実施例群及び比較例群における血液中HMGB1濃度の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る血液浄化システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る血液浄化システム1を説明するために示す図である。
実施形態に係る血液浄化システム1は、血液中の炎症性メディエーターを除去するための血液浄化システムである。血液浄化システム1は、例えば単純血漿交換療法(plasma exchange:PE)を実施するための血液浄化システムである。
ここで、「炎症性メディエーター」とは、傷ついた組織や炎症部分に浸潤した白血球、細胞、マクロファージ等から放出される生理活性物質のことであり、敗血症を含む全身性炎症反応症候群を引き起こす因子を指す。炎症性メディエーターとしては、例えば、HMGB1などのHMGタンパクや、ケモカインを含むサイトカインなどが挙げられる。
なお、特許請求の範囲及び明細書で用いる「サイトカイン」には、例えばIL−1α、IL−1β、IL−6、TNF−αなどのいわゆる炎症性サイトカインのみならず、例えばIL−4、IL−10などのいわゆる抗炎症性サイトカインも含まれる。
また、特許請求の範囲及び明細書で用いる「血液」には、血漿や血清も含まれる。
血液浄化システム1は、図1に示すように、血液浄化器10と、炎症性メディエーターを含む血液を血液浄化器10に供給する供給手段20と、血液浄化器10によって炎症性メディエーターが除去された血液を血液浄化器10外に送る送り手段30と、血液浄化器10によって除去された炎症性メディエーターを含む液体を血液浄化器10外に排出する排出手段40と、送り手段30によって血液浄化器10外に送られた血液に、アルブミン又は血漿を供給する他の供給手段50とを備える。他の供給手段50には、貯留容器60が接続されている。
血液浄化器10は、図示による詳細な説明は省略するが、いわゆる膜型血液浄化器でああって、筒状ハウジングの内部には、流入する血液を選択的に分離する選択性分離膜が配置されている。選択性分離膜は、例えば複数の中空糸膜からなり、ハウジングの長手方向に沿って束状になって延在配置されている。選択性分離膜の両端部は、例えばウレタン等の樹脂材料によってハウジング内面に固定されている。ハウジングの両端部には、血液の流入口又は流出口としての血液ポートが装着されている。
選択性分離膜は、アルブミン篩係数が0.1〜0.8であり、且つ、フィブリノーゲンの篩係数が0.1以下の性能を有する膜である。詳細については実施例で後述するが、このような性能を有する膜によって、HMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去することができる。なお、フィブリノーゲンの篩係数が0.1以下であることにより、血液凝固因子の漏出を防止するという効果もある。
選択性分離膜の材質としては、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、セルローストリアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスルフォンなどを好ましく用いることができる。中でも、線溶系各因子や血小板に対する影響が軽度であり、優れた血液抗凝固性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いることが好ましい。
このような選択性分離膜を有する血液浄化器としては、例えば川澄化学工業株式会社製のエバキュアーEC−2A(「エバキュアー」は川澄化学工業株式会社の登録商標)などを好適に用いることができる。
なお、血液浄化器としては、中空糸膜からなる選択性分離膜で構成された血液浄化器に限定されるものではなく、例えば、平膜(平板状膜を複数積層したもの)やチューブラー膜など、中空糸膜以外の選択性分離膜で構成された血液浄化器も用いることができる。また、選択性分離膜が内蔵された血液浄化器に限らず、吸着材が内蔵された血液浄化器も用いることができる。
供給手段20は、動脈側回路中の血液を血液浄化器10に向けて送るための血液ポンプ22を有する。排出手段40は、血液浄化器10によって除去された炎症性メディエーターを含む液体を血液浄化器10外に排出するための排出用ポンプ42を有する。他の供給手段50は、静脈側回路を流れる血液(送り手段30によって血液浄化器10外に送られた血液)に向けて、貯留容器60に貯留された液体を送るための他のポンプ52を有する。貯留容器60には、置換液としての新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma:FFP)や、5%〜25%アルブミン溶液などが貯留されている。
血液ポンプ22、排出用ポンプ42及び他のポンプ52は、例えばローラポンプである。血液浄化器10として、例えばエバキュアーEC−2Aを用いた場合において、血液ポンプ22の流量を60〜100mL/分としたとき、排出用ポンプ42の流量は血液ポンプ22の流量の20%以下に設定するのがよい。
なお、ローラポンプに限らず、例えばシリンジポンプなど、公知である他の送液手段を用いてもよい。
以上のように構成された実施形態に係る血液浄化システム1によれば、血液浄化器として、上記性能を有する膜を主たる構成要素とし、供給された血液から炎症性メディエーターを除去可能に構成された血液浄化器10を備えているため、詳細については実施例で後述するが、サイトカインやHMGB1などの炎症性メディエーターを網羅的に除去することができる。このため、敗血症などの全身性炎症反応症候群の症状を改善することができ、ひいては多臓器不全の発症を抑制することができる。
実施形態に係る血液浄化システム1を用いることによって、溶血性尿毒素症;急性肝不全;術後肝不全;劇症肝炎;多発性骨髄腫の改善に効果があり、とくに、SIRS及びそれに付随する疾病(例えば、敗血症性ショック、急性臓器障害、臓器不全等)の改善に有用である。
また、実施形態に係る血液浄化システム1によれば、炎症性サイトカインのみならず抗炎症性サイトカインも除去することができるため、抗炎症性サイトカインが優位な状態である代償性抗炎症性反応症候群(Compensatory Anti-inflammatory Response Syndrome:CARS)や、SIRSとCARSが混在した状態である混合性拮抗反応症候群(Mixed Antagonistic Response Syndrome:MARS)といった病態の改善も期待できる。
以上、本発明の血液浄化システムを上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態においては、単純血漿交換療法を実施するための血液浄化システムに本発明が適用される場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、持続的血液濾過透析(CHDF)や持続的血液濾過(CHF)、血液吸着療法(hemoadsorption:HA)などの他の血液浄化療法にも、本発明は適用可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されない。
<被験動物>
被験動物としては、体重300〜400gの雄ラット(Wister rat)を使用し、実験前後において食物と水を無制限に摂取できるようにした。実験は、大分大学医学部における動物研究に関する倫理委員会の承認のもと、米国国立衛生研究所(NIH)のガイドラインに沿った実験プロトコルに基づいて行った。実験に用いる麻酔としては、4%のセボフルラン(丸石製薬株式会社製)を選択した。
<実施例>
まず、準備したラットを無作為に2つのグループに分け、一方のグループを実施例からなる群(以下、実施例群という)とし、他方のグループを比較例からなる群(以下、比較例群という)とした。次に、実施例群のラットに、LPS(Lipopolysaccharide)10.0mg/kgを陰茎静脈より投与し、LPS投与から6時間経過後、単純血漿交換療法(PE)を30分間実施した。このとき実施した単純血漿交換療法においては、上述の実施形態に係る血液浄化システム1と同様のシステムを用いた。血液浄化器としては、エバキュアーEC−2A(川澄化学工業社製)を用いた。各ポンプの設定流量としては、供給手段が備える血液ポンプの流量Qbを1mL/分とし、排出手段が備える排出用ポンプの流量Qfを0.2mL/分とし、他の供給手段が備える他のポンプの流量Qsを0.2mL/分とした。貯留容器には、置換液としての2%アルブミン溶液を貯留させ、当該溶液を送り手段に連続的に供給するようにした。
<比較例>
比較例群のラットに、LPS10.0mg/kgを陰茎静脈より投与し、LPS投与から6時間経過後、単純血漿交換療法を30分間実施した。
なお、体外循環による侵襲の影響を実施例の場合となるべく揃えるため、比較例においても実施例で用いた血液浄化システム(すなわち実施形態で説明した血液浄化システム)と同様のシステムを用いたが、比較例においては実施例とは異なる血液浄化器を用いることとした。具体的には、血液浄化器として、エバキュアーEC−2Aから選択性分離膜(中空糸膜)を除去したものを用いた。また、選択性分離膜を除去した血液浄化器を用いたことにともない、比較例においては置換液の供給を行わなかった。
<試験例1>
試験例1は、本発明の血液浄化システムが備える血液浄化器による、炎症性メディエーター除去性能を評価するための試験である。血液浄化器の当該性能を評価するにあたっては、上述の実施例において、単純血漿交換療法を実施中に血液浄化器から排出手段に排出される液体を1mL採取し、当該試料に含まれるHMGB1及び各種サイトカインの濃度を測定した。HMGB1の測定には、ELISA法を用いた。各種サイトカインの測定には、バイオ・ラッド・ラボラトリーズ社のBio−Plexサスペンションアレイシステム(多項目ELISA同時検出装置)を用いた。
実施例における炎症性メディエーター濃度の測定結果を、表1に示す。なお、表中の数値は、複数個の試料から得られる測定データの平均値とその標準誤差である。
Figure 2014128451
表1から分かるように、実施例においてサンプリングされた試料からは、IL−1α、IL−1β、IL−6、TNF−αなどに代表される炎症性サイトカインに加えて、IL−4、IL−10などに代表される抗炎症性サイトカインなどの様々なサイトカイン、さらにはHMGB1の存在が認められた。これより、アルブミン篩係数が0.1〜0.8であり、且つ、フィブリノーゲンの篩係数が0.1以下の性能を有する膜を備えた血液浄化器を用いることによって、HMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去できることが確認できた。
<試験例2>
試験例2は、本発明の血液浄化システムが備える血液浄化器のHMGB1抑制効果を評価するための試験である。血液浄化器のHMGB1抑制効果を評価するにあたっては、実施例群及び比較例群の各ラットについて、単純血漿交換療法を実施した前後(LPS投与から6時間後と6.5時間後)、LPS投与から12時間後及び24時間後に採血し、血液中のHMGB1濃度を測定した。なお、HMGB1の測定方法は、試験例1の場合と同様である。
実施例群及び比較例群における血液中HMGB1濃度の測定結果を、表2及び図2に示す。なお、表中の数値は、複数個の試料から得られる測定データの平均値とその標準誤差である。
Figure 2014128451
表2及び図2に示すように、比較例群においては、LPS投与から24時間後のHMGB1濃度はLPS投与から6時間後のHMGB1濃度の約2倍まで上昇しているのに対し、実施例群においては、LPS投与から24時間後のHMGB1濃度はLPS投与から6時間後のHMGB1濃度の1.5倍弱であり、実施例群の方が比較例群に比べて血液中におけるHMGB1の濃度上昇が抑えられていることが認められた。これより、アルブミン篩係数が0.1〜0.8であり、且つ、フィブリノーゲンの篩係数が0.1以下の性能を有する膜を備えた血液浄化器を用いることによって、血液中のHMGB1濃度の上昇を抑制できることが確認できた。
本発明者らは、上記性能を有する膜を備えた血液浄化器を用いることによって、血液中のHMGB1濃度の上昇が抑制されたメカニズムとして、仮説ではあるが次の2点を推測する。1点目は、上記性能を有する膜によってHMGB1が物理的に除去されたことによる濃度低下である。2点目は、上記性能を有する膜によってサイトカインが網羅的に除去されたことによる、サイトカイン産生に由来するHMGB1の発現の抑制である。これら2点の理由に基づく効果が相乗効果として現れた結果、血液中のHMGB1濃度の上昇が抑制されたと推測する。
<試験例3>
試験例3は、本発明の血液浄化システムを用いて単純血漿交換療法を実施したときの治療効果を確認するための試験である。当該効果を確認するにあたっては、試験で用いたラットの生存率(LPS投与から24時間後の生存率)を指標とした。
その結果、比較例群のラットの生存率が53%であったのに対し、実施例群のラットの生存率が85%であり、実施例群の方が比較例群に比べて生存率が高かった。これより、本発明の血液浄化システムを用いて単純血漿交換療法を実施することにより、生存率に著しい改善がみられ、敗血症などの全身性炎症反応症候群の症状に対する治療効果を確認することができた。
以上の試験結果から、本発明の血液浄化システムは、HMGB1をはじめとする種々のメディエーターを網羅的に除去することができるため、敗血症などの全身性炎症反応症候群の症状を改善できることが確認できた。
1 血液浄化システム
10 血液浄化器
20 供給手段
22 血液ポンプ
30 送り手段
40 排出手段
42 排出用ポンプ
50 他の供給手段
52 他のポンプ
60 貯留容器

Claims (3)

  1. 血液中の炎症性メディエーターを除去するための血液浄化システムであって、
    アルブミン篩係数が0.1〜0.8、且つフィブリノーゲンの篩係数が0.1以下の膜を主たる構成要素とし、供給された血液から前記炎症性メディエーターを除去可能に構成された血液浄化器と、
    前記炎症性メディエーターを含む血液を、前記血液浄化器に供給する供給手段と、
    前記血液浄化器に供給された前記血液のうち、前記膜を介して前記炎症性メディエーターが除去された血液を、前記血液浄化器外に送る送り手段と、
    前記膜を介して除去された前記炎症性メディエーターを含む液体を、前記血液浄化器外に排出する排出手段とを備える、血液浄化システム。
  2. 前記送り手段によって前記血液浄化器外に送られた前記血液に、アルブミン又は血漿を供給する他の供給手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の血液浄化システム。
  3. 前記炎症性メディエーターが、HMGB1及びサイトカインのうち少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の血液浄化システム。
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