JP2014126942A - 対象検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対象検出装置1は、入力画像を取得する画像取得部10と、入力画像から動物体領域を抽出する動物体領域抽出41と、入力画像から物体領域を検出する物体領域検出手段42と、入力画像から物体領域と特定の位置関係にある識別領域を抽出する識別領域抽出手段43と、識別領域から検出対象らしさを表す特徴量を算出しその特徴量を用いてその識別領域に検出対象が含まれていることの確からしさを表す評価値を出力するよう構成された識別器を含み、その評価値を用いて入力画像に検出対象が含まれるか否かを判定する判定手段44と、を有し、判定手段は、識別領域に対するその識別領域と動物体領域の重複率が低いほど入力画像に検出対象が含まれると判定しにくくする。
【選択図】図4
Description
従来、予め登録している顔画像に基づいて人物を認証する顔画像認証装置に対して、登録されていない未登録者が、予め登録された登録者の顔写真または登録顔画像を引き延ばして印刷した紙を自分の顔の前に掲げることにより、登録者と判定されようとする不正行為が行われる問題がある。この問題に対して、例えば、検出対象を顔写真とし、検出対象を識別する特徴を画像内において写真枠により顔の周囲に生じる直線成分として、非特許文献1に開示されたシステムを適用することにより、不正行為を検出することができる。しかし、画像内の顔の周囲に、写真枠と同様に直線成分を有する窓、柱、壁の模様等が写っている場合、顔写真が写っていないにも関わらず顔写真が写っていると誤って判定されるおそれがある。
そこで、本発明にかかる対象検出装置は、人物を撮影した入力画像から動物体を表す動物体領域を抽出する一方で、入力画像において人物の顔を含む領域と特定の位置関係にある識別領域を抽出して、識別領域について顔写真らしさを表す特徴量を算出する。
さらに対象検出装置は、識別領域に対する識別領域と動物体領域が重複している領域の比率が低いほど、その算出した特徴量を顔写真らしくないことを表すように補正して、補正した特徴量を用いて入力画像に顔写真が含まれるか否かを判定する。
これにより、対象検出装置は、入力画像に顔写真を掲げていない人物が写っており、且つその人物の顔の周囲に静止物体である窓、柱、壁の模様等が写っている場合に、窓、柱、壁の模様等による直線成分を写真枠と誤って判定し、窓、柱、壁の模様等で囲われた領域を顔写真と誤って検出することの抑制を図る。
図1(a)は、撮像装置2が、入口101に向かう人物110を撮影する様子を示し、図1(b)は、撮像装置2が、入口101に向かう人物120を撮影する様子を示している。この人物120は、顔画像認証装置1に登録されていない未登録者であり、顔画像認証装置1に予め登録されている登録者の顔写真121を自分の顔の前に掲げている。つまり、この人物120は、自分の顔の代わりに、登録者の顔写真121を撮像装置2に撮影させて、登録者の顔写真121により認証を受けようとする不正行為を行っている。このような人物の顔が写っている写真又はディスプレイ(以下、顔写真等と称する)を用いた不正行為を以下では写真画策と称する。
図2(a)は、図1(a)の写真画策を行っていない人物110が撮影された入力画像から抽出された画像200の例を示し、図2(b)は、図1(b)の人物120が登録者の顔写真121を自分の顔の前に掲げた状態で撮影された入力画像から抽出された画像210の例を示している。
図2(b)に示すように、画像210には、顔写真121に写っている登録者の顔の周囲に顔写真121の枠が写っており、写真枠による直線成分が存在する。したがって、人物の顔の周囲に存在する直線成分を顔写真等の特徴とする機械学習により生成した識別器を用いることにより顔写真等を検出することができる。入力画像に顔写真等が写っているか否かを判定する識別器は、顔写真等が写っている多数の学習用画像と顔写真等が写っていない多数の学習用画像のそれぞれから抽出した特徴量を用い、特徴量空間において顔写真等の特徴量が分布する空間とそれ以外の空間とを分ける識別境界を機械学習することによって生成される。
画像処理部40の各手段は、マイクロプロセッサ、メモリ、その周辺回路及びそのマイクロプロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。これらの手段を、ファームウェアにより一体化して構成してもよい。また、これらの手段の一部または全てを、独立した電子回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成してもよい。以下、画像処理部40の各手段について詳細に説明する。
顔領域を検出するために、顔検出手段42は、Adaboost識別器を用いる(非特許文献1を参照)。
顔領域を検出する識別器は、顔が写っている画像に生じる明暗差やエッジ情報などを顔に関する特徴量として用いて、機械学習を行うことにより生成される。つまり、顔が写っている多数の学習用画像と顔が写っていない多数の学習用画像のそれぞれから抽出した特徴量を用い、特徴量空間において顔の特徴量が分布する空間とそれ以外の空間とを分ける識別境界を機械学習することによって生成される。
なお、顔領域の検出方法は種々存在するので、他の方法を適宜採用してもよい。例えば、顔検出手段42は、動物体領域抽出手段41が抽出した動物体領域のうち、その動物体領域の大きさ、縦横比等から人物らしいと考えられる動物体領域を人物領域として抽出する。顔検出手段42は、抽出した人物領域に対して、周知のエッジフィルタを用いて、エッジ画素抽出を行う。そして顔検出手段42は、抽出したエッジ画素から、所定の大きさをもつ、頭部の輪郭形状を近似した楕円形状のエッジ分布を検出し、そのエッジ分布に囲まれた領域を顔領域として検出してもよい。
ハールライク特徴量は、画像領域中に任意に設定された複数の隣接矩形領域間の輝度差である。ハールライク特徴量の詳細については、例えば、非特許文献1に開示されている。
さらに、判定手段44は、セルごとに、各勾配方向について、各勾配方向の勾配強度の総和を度数としたヒストグラムを求め、求めたヒストグラムをブロックごとに正規化する。本実施形態の判定手段44は、正規化したヒストグラムの中で検出対象の特徴である写真枠の直線成分が表れやすい1つの勾配方向のみに着目し、その勾配方向の度数をHOG特徴量として用いる。
着目する勾配方向は、例えば顔検出手段42が検出した顔領域の上側部及び下側部では水平方向が望ましく、顔領域の左側部及び右側部では垂直方向が望ましい。または、学習によって最適な勾配方向を求めてもよい。
なお、特徴量の算出手段を別途設けて、弱識別器に入力することとしてもよい。
(1)事前学習を行うコンピュータは、使用可能な全ての弱識別器について、各特徴量の値に基づいて、識別領域に顔写真等が写っているか否かを識別する閾値を設定する。
(2)コンピュータは、各サンプル画像に対する重みを決定する。重みの初期値は、各サンプル画像に対して同じ値とする。
(3)コンピュータは、全ての弱識別器に対して各サンプル画像を入力して、弱識別器ごとに識別に失敗したサンプル画像に付けられた重みを合計する。
(4)コンピュータは、重みの合計が最も小さい弱識別器をアダブースト識別器で使用する弱識別器として選択する。そして選択された弱識別器の出力に付される重みを決定する。
(5)コンピュータは、選択された弱識別器が識別に失敗したサンプル画像の重みを大きくする。
(6)コンピュータは、(3)〜(5)の手順を繰り返す。
なお、Adaboost法の詳細については、例えば、非特許文献1に開示されている。このようにして決定された各弱識別器にて用いる特徴量を算出する部分領域を表す情報と、特徴量についての情報(ハールライク特徴量であるかHOG特徴量であるか、ハールライク特徴量である場合はどのハールライク特徴量であるか)と、各弱識別器の出力に付される重みを表す情報は、識別器情報32として記憶部30に記憶される。
このような事前学習では、識別領域に顔写真等が写っているか否かを明確に区別できるように、各部分領域は、識別領域内の顔領域に対して顔写真等の特徴である背景との境界(写真枠)が写っている可能性が高いと評価された領域に設定される。したがって、選択された弱識別器に対応するハールライク特徴量は、識別領域に顔写真等が写っている場合は顔写真等と背景の間の輝度差により高い値を取り、写っていない場合は低い値を取る傾向にある。また、選択された弱識別器に対応するHOG特徴量は、識別領域に顔写真等が写っている場合は写真枠により特定の画素値勾配方向が強くなって高い値を取り、写っていない場合は低い値を取る傾向にある。
そこで、判定手段44は、算出した重複率に応じて各弱識別器にて用いる特徴量を補正するための補正係数を算出し、各弱識別器は、その弱識別器に対応する特徴量に補正係数を乗じることにより補正特徴量を算出し、補正特徴量を用いて評価値を算出する。補正係数は、0から1の範囲の値である。判定手段44は、重複率が高いほど、特徴量を検出対象らしいことを表すように補正して、部分領域に検出対象が含まれると判定し易くし、重複率が低いほど、特徴量を検出対象らしくないことを表すように補正して、部分領域に検出対象が含まれると判定しにくくする。本実施形態では、各弱識別器にて用いる特徴量は、値が高いほど顔写真等の特徴を表す度合いが高く、値が低いほど顔写真等の特徴を表す度合いが低い。そのため、判定手段44は、重複率が高いほど、補正係数を大きくして補正特徴量を大きくし、重複率が低いほど、補正係数を小さくして補正特徴量を小さくする。
一方、図6(e)に示すように、写真画策がされている識別領域210の部分領域601〜610のうち、部分領域604以外の部分領域は、大部分が動物体である顔写真等が写っている領域である。したがって、例えば閾値Dthが25%である場合、部分領域604についての重複率のみが閾値Dth未満となり、補正係数が1未満となるが、他の部分領域についての重複率は閾値Dth以上となり、補正係数は1となる。これにより、部分領域604以外の部分領域についての特徴量は小さくなるように補正されず、顔写真121を顔写真等であると判定することができる。
一方、ステップS103において、一つ以上の動物体領域を抽出した場合、動物体領域抽出手段41は、抽出した動物体領域についての情報(例えば、入力画像中での位置、形状等)を記憶部30に記憶する(ステップS104)。次に、顔検出手段42は、入力画像から顔領域を検出し、その顔領域を入力画像から切り出して顔領域画像を抽出する処理を行う(ステップS105)。顔検出手段42は、一つ以上の顔領域が検出されたか否か判定し(ステップS106)、顔領域が全く検出されなかった場合、ステップS101へ処理を移行し、顔領域が検出されるまでステップS101〜S106の処理を繰り返す。一方、一つ以上の顔領域が検出された場合、顔検出手段42は、ステップS107へ処理を移行させる。
画像処理部40は、顔領域の周囲に写真枠らしき物体が写っているか否かにより、入力画像に顔写真等が含まれるか否かを判定する不正行為判定処理を実施する(ステップS107)。不正行為判定処理の詳細については後述する。判定手段44は、不正行為判定処理において不正行為があったと判定したか否かを判定し(ステップS108)、不正行為があった場合、写真画策が行われたと判定し、写真画策が行われたことを示す信号を出力部20に出力し(ステップS109)、処理をステップS101へ戻す。写真画策が行われたことを示す信号が出力部20に出力された場合、出力部20を介して不図示の警報ランプの点灯、不図示のブザーの鳴動等が行われる。あるいは、出力部20を介して、その写真画策が行われたことを示す信号が不図示の監視センタ装置へ出力される。これにより監視センタ装置は、写真画策が行われたことを管理者に通知し、またその履歴を記録することができる。
全ての顔領域についてステップS107〜S109の処理の処理が終わり、不正行為がなかった場合、画像処理部40は、ステップS110へ処理を移行させる。
顔照合手段45は、顔領域画像と登録者データ31に記憶されている登録顔画像との類似度を算出し(ステップS110)、最も値が高い類似度が認証閾値以上であるか否かを判定する(ステップS111)。最も値が高い類似度が認証閾値以上である場合、その顔領域画像に写っている顔がその登録顔画像に対応する登録者の顔であると判定し、出力部20に認証成功を示す信号を出力する(ステップS112)。認証成功を示す信号が出力部20に出力された場合、出力部20から電気錠制御装置3に対して解錠制御を行う信号が出力される。一方、最も値が高い類似度が認証閾値未満である場合、顔照合手段45は、特に処理を行わない。
全ての顔領域についてステップS110〜S112の処理の処理が終わると、画像処理部40は、処理をステップS101へ戻す。
判定手段44は、その弱識別器に対応する部分領域と動物体領域についての重複率を算出し(ステップS202)、算出した重複率に応じて補正係数を算出する(ステップS203)。さらに、判定手段44の各弱識別器は、その弱識別器に対応する部分領域について顔写真等に関する特徴量を算出する(ステップS204)。次に、判定手段44の各弱識別器は、ステップS204で算出した特徴量にステップS203で算出した補正係数を乗じることにより補正特徴量を算出し(ステップS205)、補正特徴量を用いて評価値を出力する(ステップS206)。
さらに、複数の顔領域が検出された場合、ある顔領域について抽出した識別領域内の部分領域と他の顔領域が重複している場合、その部分領域について重複率を算出するときはその重複している領域は動物体領域でないものとして重複率を算出してもよい。これにより、注目する人物の近傍に他の人物が写っている場合に、注目する人物について求めた識別領域について、その近傍に写っている人物によって重複率が高くなり、顔写真が写っていると誤って判定しやすくなることを抑制することができる。
2 撮像部
3 電気錠制御装置
10 画像取得部
20 出力部
30 記憶部
40 画像処理部
41 動物体領域抽出手段
42 顔検出手段
43 識別領域抽出手段
44 不正行為判定手段
45 顔照合手段
Claims (7)
- 所定の撮影領域を撮影した入力画像を取得する画像取得部と、
前記入力画像から動物体を表す動物体領域を抽出する動物体領域抽出手段と、
前記入力画像から所定の物体を含む物体領域を検出する物体領域検出手段と、
前記入力画像から前記物体領域と特定の位置関係にある識別領域を抽出する識別領域抽出手段と、
前記識別領域から検出対象らしさを表す特徴量を算出し当該特徴量を用いて当該識別領域に前記検出対象が含まれていることの確からしさを表す評価値を出力するよう構成された識別器を含み、当該評価値を用いて前記入力画像に前記検出対象が含まれるか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記判定手段は、前記識別領域に対する当該識別領域と前記動物体領域が重複している領域の比率である重複率が低いほど前記入力画像に前記検出対象が含まれると判定しにくくすることを特徴とする対象検出装置。 - 前記判定手段は、前記重複率が低いほど、前記特徴量を前記検出対象らしくないことを表すように補正することにより、前記入力画像に前記検出対象が含まれると判定しにくくする、請求項1に記載の対象検出装置。
- 前記判定手段は、前記識別領域から、当該識別領域と所定の位置関係にある部分領域を複数特定し、当該部分領域のそれぞれについて、前記特徴量及び前記重複率を算出し、当該重複率が低いほど、当該特徴量を前記検出対象らしくないことを表すように補正する、請求項2に記載の対象検出装置。
- 前記判定手段は、前記重複率が低いほど、前記評価値を前記検出対象が含まれていないことを表すように補正することにより、前記入力画像に前記検出対象が含まれると判定しにくくする、請求項1に記載の対象検出装置。
- 前記判定手段は、前記識別領域から、当該識別領域と所定の位置関係にある部分領域を複数特定し、当該部分領域のそれぞれについて、前記評価値及び前記重複率を算出し、当該重複率が低いほど、当該評価値を前記検出対象が含まれていないことを表すように補正する、請求項4に記載の対象検出装置。
- 前記判定手段は、前記重複率が半分より低い所定値以下である場合に限り、当該重複率が低いほど前記入力画像に前記検出対象が含まれると判定しにくくする、請求項1〜5の何れか一項に記載の対象検出装置。
- 前記識別領域抽出手段は、前記識別領域をそれぞれサイズが異なるように複数抽出し、
前記判定手段は、前記複数の識別領域のそれぞれについて、前記評価値を算出し、当該評価値を用いて前記入力画像に前記検出対象が含まれるか否かを表す度合いを算出し、前記複数の識別領域のうち、前記度合いの大きさが最も大きい識別領域を用いて、前記入力画像に前記検出対象が含まれるか否かを判定する、請求項1〜6の何れか一項に記載の対象検出装置。
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