JP2014126481A - 円筒容器の幾何公差測定方法と測定装置 - Google Patents

円筒容器の幾何公差測定方法と測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】円筒容器を構成する構成材同士の幾何公差の測定精度を高まる。
【解決手段】幾何公差測定装置100は、高圧ガスタンクWtの幾何公差を測定するに当たり、装置架台102に設置された第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112、および第2アッパークランプ120と第2アンダークランプ122にて、高圧ガスタンクWtをそのシリンダー部Wtsの外周にて保持する。こうしたタンク保持は、第1、第2のアッパー・アンダーのクランプが有するタンク保持弧状面Sbにて行い、タンク保持弧状面Sbをタンク設計上の設計半径rsで規定される真円の円弧とする。幾何公差測定装置100は、こうして保持した高圧ガスタンクWtの口金Wtkの外周に、測定機構部130にて、デジタルゲージ140の測定子を接触させたまま、シリンダー部Wtsのタンク中心軸CLの軸回りに回転させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、円筒容器の幾何公差測定方法と測定装置に関する。
円筒容器は、多種多様な用途の基幹部品として多用されており、その外形形状の精度や円筒容器の特定部位をデータムとした場合の幾何公差に高い精度が求められる。こうした精度測定手法として、円筒容器の一態様である電子写真観光体用の円筒基体の外周面の振れを、円筒基体を回転させながら測定することが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2006−251233号公報
ところで、電子写真観光体用の円筒基体では、円筒表面への静電潜像の形成を図る都合上、円筒表面については、曲がりや芯ズレが小さいことに加え、高い平滑性が求められる。このため、円筒基体をベアリングやV字状のいわゆるヤゲンで受けて回転させても、円筒基体表面の平滑性は回転の際の軸ブレにさほど影響しない。その一方、ある種の円筒容器では、その構成材同士の幾何公差が円筒表面の平滑性よりも重要視される場合がある。例えば、高圧ガスを貯留する高圧ガスタンクは、円筒形のタンク胴体部材とその端部から延びた円筒形の端部小径部材とを備え、燃料電池搭載車両や燃料電池発電プラント等において、所定の位置に設置される。そして、設置済みの高圧ガスタンクは、円筒形の端部小径部材において、燃料電池への配管と接続される。この配管は、高圧ガスの経路をなすことから、剛性が高く、配管末端の接続ポートの位置自由度はさほど高くない。よって、高圧ガスタンクの設置済みの状態において、タンク胴体部材と円筒形の端部小径部材との幾何公差が所定範囲に収まっていないと、円筒形の端部小径部材における配管接続に支障を来したり、接続作業が繁雑となる。高圧ガスタンクで代表されるこうした円筒容器について、上記の特許文献で提案された手法を適用すると、円筒表面の平滑の程度の影響を受けて回転時の軸ブレが起きるので、円筒形の胴体部材をデータムとする円筒形の端部小径部材の幾何公差の測定精度の低下が危惧される。こうしたことから、円筒形の胴体部材とその端部から延びた円筒形の端部小径部材とを備える円筒容器の幾何公差の測定精度の向上が要請されるに到った。このほか、円筒容器の幾何公差測定の低コスト化、省資源化、簡便化や、測定装置の小型化等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、円筒容器の幾何公差測定方法が提供される。この円筒容器の幾何公差測定方法は、円筒形の胴体部材と該部材の端部から延びた円筒形の端部小径部材とを有する円筒容器の幾何公差を測定するに当たり、前記円筒容器を前記胴体部材の外周にて保持する工程(1)と、該保持された前記胴体部材の中心軸の軸回りに回転可能に保持済みの測定デバイスを、前記中心軸の軸回りに回転させる工程(2)とを備える。この形態の円筒容器の幾何公差測定方法では、測定デバイスの中心軸回りの回転により、胴体部材の保持箇所における外周、延いてはこの外周で定まる胴体部材の中心軸をデータムとする端部小径部材の幾何公差を、測定デバイスの測定機能により測定できる。そして、上記の形態の円筒容器の幾何公差測定方法では、幾何公差の測定に当たって、円筒容器をその胴体部材の外周にて保持すればよく、円筒容器を回転させない。この結果、上記の形態の円筒容器の幾何公差測定方法によれば、円筒表面の平滑程度の影響を幾何公差の測定精度から排除でき、その分、測定精度を高めることができる。また、外郭が大きくなりがちな円筒容器を回転させないので、容器回転機器やその駆動源も不要となり、機器構成の簡略化と小型化、測定コストの低減を図ることも可能となる。
(2)上記形態の円筒容器の幾何公差測定方法において、前記工程(1)では、前記胴体部材の設計上の半径で規定される真円の円弧で形成された弧状保持部を有する治具を用い、該治具の前記弧状保持部にて前記胴体部材の外周を把持して、前記胴体部材を保持するようにできる。こうすれば、真円円弧の弧状保持部による胴体部材の外周把持により、胴体部材の把持箇所における外周、延いてはこの外周で定まる胴体部材の中心軸がより正確に定まるので、これらをデータムとする端部小径部材の幾何公差の測定精度も高まる。
(3)本発明の他の形態によれば、円筒容器の幾何公差測定装置が提供される。この円筒容器の幾何公差測定装置は、円筒形の胴体部材と該部材の端部から延びた円筒形の端部小径部材とを有する円筒容器の幾何公差測定装置であって、装置架台に設置され、前記円筒容器を前記胴体部材の外周にて保持する治具と、該保持された前記胴体部材の中心軸に沿って前記胴体部材の端部から延びた前記端部小径部材との隔たりを測定する測定デバイスと、前記装置架台に設置され、前記保持された前記胴体部材の中心軸の軸回りに前記測定デバイスを回転可能に保持するデバイス保持部とを備える。そして、前記治具は、前記胴体部材の設計上の半径で規定される真円の円弧で形成された弧状保持部を有し、該弧状保持部にて前記胴体部材の外周を把持して、前記胴体部材を保持する。上記の形態の円筒容器の幾何公差測定装置は、デバイス保持部で胴体部材の中心軸の軸回りに回転可能に保持した測定デバイスを中心軸回りに回転させて、弧状保持部による胴体部材の把持箇所における外周、延いてはこの外周で定まる胴体部材の中心軸をデータムとする端部小径部材の幾何公差を測定する。そして、上記の形態の円筒容器の幾何公差測定装置では、幾何公差の測定に当たって、円筒容器をその胴体部材の外周にて弧状保持部で把持すればよく、円筒容器を回転させない。しかも、胴体部材の外周把持を真円円弧の弧状保持部で行うことで、胴体部材の把持箇所における外周、延いてはこの外周で定まる胴体部材の中心軸は、より正確に規定される。これらの結果、上記の形態の円筒容器の幾何公差測定装置によれば、円筒表面の平滑程度の影響を幾何公差の測定精度から排除でき、その分、測定精度を高めることができる。また、外郭が大きくなりがちな円筒容器を回転させないので、容器回転機器やその駆動源も不要となり、機器構成の簡略化と小型化、測定コストの低減を図ることも可能となる。
(4)上記形態の円筒容器の幾何公差測定装置において、前記治具は、前記弧状保持部を、前記設計上の半径を超える半径で規定される真円の円弧で形成されたものとした上で、前記弧状保持部の表面に、前記設計上の半径を超える半径と前記設計上の半径との差分に相当する厚みと弾性とを備える凹凸吸収部材を装着して備えるようにできる。こうすれば、凹凸吸収部材を介在させて前記弧状保持部にて前記胴体部材の外周を把持するので、胴体部材の外周表面に凹凸が存在しても、この凹凸は弾性を有する凹凸吸収部材により吸収される。よって、この形態の円筒容器の幾何公差測定装置によれば、弧状保持部により把持された胴体部材の把持箇所における外周、延いてはこの外周で定まる胴体部材の中心軸が胴体部材の外周表面の凹凸に拘わらず正確に定まるので、これらをデータムとする端部小径部材の幾何公差の測定精度も高まる。
(5)上記形態の円筒容器の幾何公差測定装置において、前記凹凸吸収部材は、測定対象の前記円筒容器の重量が増すほど硬度が高くなる硬度調整を受けて形成されている。こうすれば、円筒容器の重量による胴体部材の把持箇所における外周、延いてはこの外周で定まる胴体部材の中心軸のズレを抑制できるので、重量の影響を抑制もしくは回避して、端部小径部材の幾何公差の測定精度を高めることが可能となる。
本発明は、上記の形態で得られた幾何公差の測定結果による円筒容器の良品・不良品の判定として、円筒容器の製造方法或いは製造装置に適用できる。
第1実施形態の幾何公差測定装置100を正面視と側面視して概略構成を模式的に示す説明図である。 アッパークランプの退避の態様を示す説明図である。 高圧ガスタンクWtの外形形状と幾何公差を規定する基準となるデータム規定の様子を示す説明図である。 高圧ガスタンクWtの外周表面の平滑性を規定する表面凹凸を想定した上でのデータムとタンク把持箇所との対応を示す説明図である。 他の実施形態の幾何公差測定装置100Aを正面視と側面視して概略構成を模式的に示す説明図である。 スペーサー150の装着の様子と取り得るスペーサーの形態の一例を示す説明図である。 また別の実施形態の幾何公差測定装置200を正面視して概略構成を模式的に示す説明図である。 幾何公差測定装置200を側面視した上でタンク保持の様子を合わせて示す説明図である。 他の実施形態の幾何公差測定装置100Bを側面視して概略構成を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1は第1実施形態の幾何公差測定装置100を正面視と側面視して概略構成を模式的に示す説明図である。
図示するように、幾何公差測定装置100は、装置架台102に、第1アッパークランプ110と、第1アンダークランプ112と、第2アッパークランプ120と、第2アンダークランプ122と、測定機構部130とを備える。第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112とは、対となって高圧ガスタンクWtを上下で把持する。この両クランプは、後述する高圧ガスタンクWtの設計半径rsで規定される真円の円弧、詳しくは半円分の円弧とされたタンク保持弧状面Sbを有する。そして、第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112とは、接合上面Sbuと接合下面Sbdとが接合することで、設計半径rsの真円を全周に亘って形成し、設計半径rsの真円形状のタンク保持弧状面Sbで高圧ガスタンクWtのシリンダー部Wtsの外周を把持して当該タンクを保持する。第2アッパークランプ120と第2アンダークランプ122とについても同様である。
第1アッパークランプ110と第2アッパークランプ120とは、対応するアンダークランプに対して位置決め可能に退避する。図2はアッパークランプの退避の態様を示す説明図である。図示するように、第1と第2のアッパークランプは、対応するアンダークランプに対して上方に退避する構成、或いは対応するアンダークランプに対して旋回して退避する構成とされる。そして、第1と第2のアッパークランプは、いずれの構成であっても、図示しない基準ピンやダイヤピン等を用いて位置決めされた上で、接合下面Sbdを対応するアンダークランプの接合上面Sbuに接合させ、既述したように設計半径rsの真円を形成して高圧ガスタンクWtのシリンダー部Wtsの外周を把持する。
このように把持される高圧ガスタンクWtについて説明する。図3は高圧ガスタンクWtの外形形状と幾何公差を規定する基準となるデータム規定の様子を示す説明図、図4は高圧ガスタンクWtの外周表面の平滑性を規定する表面凹凸を想定した上でのデータムとタンク把持箇所との対応を示す説明図である。
図3に示すように、高圧ガスタンクWtは、円筒形のシリンダー部Wtsの両端に凸状曲面形状のドーム部Wtdを接合した円筒容器であって、ドーム部Wtdの頂上に口金Wtkを有する。この口金Wtkは、高圧ガスタンクWtの両端から延び、シリンダー部Wtsより小径の円形シャフト材であり、少なくとも一方は、内部にガス流通路を有する。
こうした構成の高圧ガスタンクWtは、ガスバリア性を有する中空の樹脂製ライナーをカーボン繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックで被覆したFRP(Fiber Reinforced Plastics : 繊維強化プラスチック)製のタンクであり、フィラメントワインディング法(以下、FW法)にて製造される。このFW法は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸した繊維を中空の樹脂製ライナーの外周に繰り返し巻き付けて繊維強化樹脂層をライナーに形成した後、当該樹脂層に含まれる熱硬化樹脂を熱硬化させる。高圧ガスタンクWtは、熱硬化後の繊維強化樹脂層を外郭とし、その外形寸法は、タンク設計の際に設計半径rsとされ、こうした半径となるよう、FW法において繊維の巻回数や樹脂含浸の程度が規定されている。その一方、高圧ガスタンクWtは、図示しない燃料電池搭載車両に搭載される際、シリンダー部Wtsの2箇所で図示しない載置台座に設置され、口金Wtkにおいてガス配管と接続される。
こうしたことから、高圧ガスタンクWtには、設置台座に当接する第1外周当接箇所Aおよび第2外周当接箇所Bにおけるシリンダー部Wtsの外周で定まるタンク中心軸CLをデータムとし、タンク中心軸CLに対する口金Wtkの同軸度が所定範囲で要求される。この場合、熱硬化樹脂はFW法での補強繊維の巻回が進むことでタンク外周側に押し出されて熱硬化し、この押出状況と熱硬化状況はシリンダー部Wtsにおいて一律でない。よって、高圧ガスタンクWtにおけるシリンダー部Wtsの外周には、凹凸が生じる。本実施形態の幾何公差測定装置100は、こうした凹凸を考慮した上で、タンク中心軸CLに対する口金Wtkの同軸度を測定する。この測定には、既述した第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112、第2アッパークランプ120と第2アンダークランプ122および測定機構部130が用いられる。第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112および第2アッパークランプ120と第2アンダークランプ122は、高圧ガスタンクWtが設置台座に当接する第1外周当接箇所Aと第2外周当接箇所Bとに相当する箇所において、設計半径rsの真円形状のタンク保持弧状面Sbでシリンダー部Wtsの外周を把持して、高圧ガスタンクWtを保持する。
測定機構部130は、保持アーム131と、モーター132と、測定デバイスとしてのデジタルゲージ140とを備える。保持アーム131は、装置架台102に立設された脚114に対して回転自在に組み込まれ、モーター132の駆動力を受けて回転する。モーター132を用いることなく保持アーム131をハンドル操作にて回転させるようにしてもよい。そして、保持アーム131は、その回転軸DCLが第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112および第2アッパークランプ120と第2アンダークランプ122のタンク保持弧状面Sbの中心軸と一致するように、脚114に組み込まれる。
デジタルゲージ140は、その接触子が口金Wtkの外周に接触するようにして、保持アーム131の先端に装着される。そして、このデジタルゲージ140は、その接触子を口金Wtkの外周に接触させたまま、保持アーム131の回転に伴って、タンク保持弧状面Sbの中心軸である回転軸DCLの軸回りに回転し、接触子の変位を検出値として出力する。デジタルゲージ140を、アナログ式のダイヤルゲージとしてもよい。
次に、上記した幾何公差測定装置100によるタンク中心軸CLに対する口金Wtkの同軸度測定について説明する。まず、高圧ガスタンクWtの装着に備え、図2に示すように、第1アッパークランプ110と第2アッパークランプ120とを退避させる。次いで、図示しない搬送装置にて高圧ガスタンクWtを、第1アンダークランプ112と第2アンダークランプ122に載置する。この際、搬送装置は、第1外周当接箇所Aと第2外周当接箇所Bに相当する箇所にて第1アンダークランプ112と第2アンダークランプ122に保持されるよう、高圧ガスタンクWtを搬送する。上記の両アンダークランプへの搬送に続き、退避済みであった第1アッパークランプ110と第2アッパークランプ120とを、その接合下面Sbdが対応するアンダークランプの接合上面Sbuに接合するように、セットし、両アッパークランプを図示しない押圧機器にて押圧する。これにより、高圧ガスタンクWtは、シリンダー部Wtsの外周全域において、設計半径rsの真円形状のタンク保持弧状面Sbで把持されて、第1、第2のアッパー・アンダーの上記クランプにて保持される。こうしたタンク保持の状態において、シリンダー部Wtsの外周全域に亘る上記のタンク保持弧状面Sbによる把持により、タンク保持弧状面Sbの中心軸と、第1外周当接箇所Aおよび第2外周当接箇所Bにおけるシリンダー部Wtsの外周で定まるタンク中心軸CL、即ち第1、第2のアッパー・アンダーのクランプによる把持箇所で定まるタンク中心軸CLとは、高い精度で一致する。これは、第1、第2のアッパー・アンダーのクランプによる把持箇所では、設計半径rsの真円形状のタンク保持弧状面Sbに高圧ガスタンクWtが倣うからである。
上記したタンク保持に続いて、デジタルゲージ140を保持アーム131を介してタンク保持弧状面Sbの中心軸である回転軸DCLの軸回りに回転させる。これにより、デジタルゲージ140から、タンク中心軸CLに対する口金Wtkの同軸度が測定される。測定後には、上記の手順を逆に行って高圧ガスタンクWtを取り除き、新たな高圧ガスタンクWtについて、同軸度測定を行う。
以上説明したように、本実施形態の幾何公差測定装置100を用いた同軸度測定によれば、図3に示す第1外周当接箇所Aおよび第2外周当接箇所Bにおけるシリンダー部Wtsの外周で定まるタンク中心軸CL、即ち第1、第2のアッパー・アンダーのクランプによる把持箇所で定まるタンク中心軸CLをデータムとする口金Wtkの同軸度の測定に当たり、高圧ガスタンクWtを第1、第2のアッパー・アンダーのクランプで把持して保持すればよく、高圧ガスタンクWtを回転させない。よって、本実施形態の幾何公差測定装置100を用いた同軸度測定によれば、FW法によりシリンダー部Wtsの表面に凹凸が存在しても、この凹凸の影響を口金Wtkの同軸度の測定精度から排除できるので、高い精度で口金Wtkの同軸度を測定できる。しかも、多量のガス貯留が求められるために外郭が大きくなる高圧ガスタンクWtを回転させいので、タンク回転機器やその駆動源も不要となる。この点から、本実施形態の幾何公差測定装置100を用いた同軸度測定によれば、機器構成の簡略化と小型化を図ることができる。また、デジタルゲージ140を回転させればよりので、モーター132を小型のモーターとすれば良く、測定コストも低減できる。
この他、本実施形態の幾何公差測定装置100では、設計半径rsの真円形状のタンク保持弧状面Sbにてシリンダー部Wtsをその外周全域に亘って把持して、高圧ガスタンクWtを保持する。よって、表面に凹凸がある高圧ガスタンクWtを設計半径rsの真円形状のタンク保持弧状面Sbに倣わせて、タンク保持弧状面Sbの中心軸とタンク中心軸CLとを高い精度で一致させるので、タンク保持弧状面Sbの中心軸と一致済みの回転軸DCLの軸回りのデジタルゲージ140の回転により、口金Wtkの同軸度をより高い精度で測定できる。
本実施形態の幾何公差測定装置100では、高精度での口金Wtkの同軸度測定が可能であることから、測定同軸度が所定範囲の高圧ガスタンクWtについては、これを良品として出荷できる。このため、良品の高圧ガスタンクWtについては、これを燃料電池搭載車両の載置台座に作業手順通りに設置すれば、口金Wtkに作業手順通りに無理なくガス配管を接続できる。つまり、剛性が高い故に配管末端の接続ポートの位置自由度がさほど高くないガス配管を、口金Wtkに容易に接続でき、配管接続作業が簡便となる。また、測定同軸度が所定範囲外の高圧ガスタンクWtについては、タンク両端の口金Wtkを軸支して回転させつつシリンダー部Wtsの表面凹凸と外径をやすり等にて矯正できる。こうすれば、矯正後の高圧ガスタンクWtを、測定同軸度が所定範囲の良品の高圧ガスタンクWtと同等に扱うことができる。
次に、他の実施形態について説明する。図5は他の実施形態の幾何公差測定装置100Aを正面視と側面視して概略構成を模式的に示す説明図、図6はスペーサー150の装着の様子と取り得るスペーサーの形態の一例を示す説明図である。この実施形態は、スペーサー150にてシリンダー部Wtsの凹凸を吸収する点に特徴がある。
図示するように、本実施形態の幾何公差測定装置100Aは、既述した幾何公差測定装置100と同様、装置架台102に、第1アッパークランプ110と、第1アンダークランプ112と、第2アッパークランプ120と、第2アンダークランプ122と、測定機構部130とを備える。第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112、および第2アッパークランプ120と第2アンダークランプ122は、対となって高圧ガスタンクWtを上下で把持する。この両クランプは、高圧ガスタンクWtの設計半径rsを超える半径(rs+α)で規定される真円の円弧、詳しくは半円分の円弧とされたタンク保持弧状面SbLを有する。そして、上記の第1、第2のアッパー・アンダーのクランプは、接合上面Sbuと接合下面Sbdとが接合することで、半径(rs+α)で規定される真円を形成し、半径(rs+α)の真円形状のタンク保持弧状面SbLで高圧ガスタンクWtのシリンダー部Wtsの外周を取り囲む。また、上記の第1、第2のアッパー・アンダーのクランプは、タンク保持弧状面SbLに、スペーサー150を点在させて備える。スペーサー150は、弾性を有するゴム材から形成され、タンク保持弧状面SbLの表面に接着される。スペーサー150は、図6に示すように、タンク保持弧状面SbLの幅と同程度の薄葉状の長方体とできるほか、タンク保持弧状面SbLの幅より短い長さの薄葉状の長方体からなる分割タイプスペーサー151や、タンク保持弧状面SbLの側に多列の溝153を有する溝付スペーサー152とできる。スペーサー150を始めとする上記の各スペーサーは、弾性を備えるほか、高圧ガスタンクWtの設計半径rsとこれを超える半径(rs+α)との差分αに相当する厚みを備える。
この実施形態の幾何公差測定装置100Aでは、上記の差分αに相当する厚みのスペーサー150を半径(rs+α)で規定される真円のタンク保持弧状面SbLとシリンダー部Wtsとの間に介在させた状態で、第1、第2のアッパー・アンダーのクランプにて、高圧ガスタンクWtのシリンダー部Wtsの外周をそのほぼ全域に亘って把持する。つまり、本実施形態の幾何公差測定装置100Aでは、上記の差分αに相当する厚みと弾性とを備えるスペーサー150にて、シリンダー部Wtsの表面凹凸を吸収した上で、高圧ガスタンクWtのシリンダー部Wtsの外周をそのほぼ全域に亘って把持する。よって、本実施形態の幾何公差測定装置100Aによれば、高圧ガスタンクWtのタンク中心軸CLをシリンダー部Wtsの外周表面の凹凸に拘わらずより正確にタンク保持弧状面SbLの中心軸と一致させるので、タンク中心軸CLに対する口金Wtkの同軸度を高精度で測定できる。この場合、図6に示す分割タイプスペーサー151や溝付スペーサー152を用いても、同様である。特に、溝付スペーサー152は、タンク保持弧状面SbLの側に多列の溝153を備えるので、溝153の縮みによってシリンダー部Wtsの表面凹凸の吸収効率が高まるので、より高精度の同軸度測定が可能となる。
上記したようにスペーサー150〜152を併用した幾何公差測定装置100Aは、以下に説明する実施形態とできる。つまり、スペーサー150〜152については、これを硬度調整剤の配合等を含む硬度調整を経て形成し、測定対象となる高圧ガスタンクWtの重量が増すほど硬度が高くなるようにする。こうした硬度調整をなしたスペーサー150〜152を用いれば、高圧ガスタンクWtの重量によるタンク中心軸CLとタンク保持弧状面Sbの中心軸とのズレを抑制できるので、タンク重量の影響を抑制もしくは回避して、口金Wtkの同軸度を高い精度で測定できる。この場合、タンク重量を直接受ける第1アンダークランプ112と第2アンダークランプ122におけるスペーサー150〜152についてだけ上記の硬度調整を行うようにすることもできる。この他、アッパー・アンダーのクランプについてのスペーサー150〜152を硬度調整した上で、タンク重量を直接受ける第1アンダークランプ112と第2アンダークランプ122におけるスペーサー150〜152についでは、第1アッパークランプ110と第2アッパークランプ120におけるスペーサー150〜152より硬度を高めるようにしてもよい。
図7はまた別の実施形態の幾何公差測定装置200を正面視して概略構成を模式的に示す説明図、図8は幾何公差測定装置200を側面視した上でタンク保持の様子を合わせて示す説明図である。この実施形態は、タンク搬入とタンク保持とを一連の動作にて行う点に特徴がある。
図示するように、本実施形態の幾何公差測定装置200は、既述した幾何公差測定装置100と同様の第1アッパークランプ210と、第1アンダークランプ212と、第2アッパークランプ220と、第2アンダークランプ222と、測定機構部130とを備え、タンクリフター兼用の押圧機構250を有する。上記の第1、第2のアッパー・アンダーの上記クランプは、第1アッパークランプ110等と同様、対となって高圧ガスタンクWtを上下で把持し、高圧ガスタンクWtの設計半径rsで規定される真円の円弧、詳しくは半円分の円弧とされたタンク保持弧状面Sbを有する。そして、この実施形態の幾何公差測定装置200は、第1架台102aに第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220とを備え、第2架台102bに第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220および測定機構部130を備える。その上で、幾何公差測定装置200は、第1架台102aと第2架台102bとを、架台下面側の図示しないリニアレールに沿って、図7における左右方向に水平にスライド可能に備える。これにより、幾何公差測定装置200は、第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220とを、第1架台102aごと、待機ポジションSPとワーキングポジションWPとの間をスライドさせ、第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220および測定機構部130を、第2架台102bごと、待機ポジションSPとワーキングポジションWPとの間をスライドさせる。そして、上記の第1、第2のアッパー・アンダーのクランプは、ワーキングポジションWPにて、高圧ガスタンクWtを把持する。また、測定機構部130は、ワーキングポジションWPにて、デジタルゲージ140を回転軸DCL、即ちシリンダー部Wtsのタンク中心軸CLの軸回りに回転させる。
押圧機構250は、タンク下方側に位置するプレート230と、タンク台座232と、連結アーム251と、クランプ押圧アーム252とを備える。プレート230は、図示しない上下動駆動機構により、第1、第2の架台下方の待機ポジションSPと架台上方のワーキングポジションWPとの間を上下動する。タンク台座232は、図8に示すように、例えばV字状のヤゲンにて高圧ガスタンクWtをその下方から受け、プレート230と共に、待機ポジションSPとワーキングポジションWPとの間を上下動する。クランプ押圧アーム252は、図7〜図8に示すように、連結アーム251にて、タンク台座232或いはプレート230と連結されている。よって、クランプ押圧アーム252にあっても、プレート230と共に、待機ポジションSPとワーキングポジションWPとの間を上下動する。この場合、押圧機構250は、ワーキングポジションWPにおいて、クランプ押圧アーム252を第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220の上方に位置させる。なお、クランプ押圧アーム252は、待機ポジションSPにおいては第1アッパークランプ210および第2アッパークランプ220と干渉する高さとなるが、待機ポジションSPでは、上記の両クランプは図7における右方或いは左方の待機ポジションSPに位置するため、機器干渉は起きない。
次に、上記した幾何公差測定装置200を用いた口金Wtkの同軸度の測定シーケンスについて説明する。つまり、この実施形態の幾何公差測定装置200は、図示しないシーケンス制御機器を備え、スタートボタンの操作を経て、口金Wtkの同軸度を自動計測する。スタートボタンの操作前に、幾何公差測定装置200は、第1アッパークランプ210等を既述した待機ポジションSPに位置させ、タンク台座232への高圧ガスタンクWtの搬入を待機する。高圧ガスタンクWtが搬入されてタンク台座232に載置され、スタートボタンが操作されると、幾何公差測定装置200は、タンク台座232および押圧機構250をプレート230と共にワーキングポジションWPまで昇降させる。このワーキングポジションWPは、高圧ガスタンクWtが、離間した第1アッパークランプ210と第1アンダークランプ212および離間した第2アッパークランプ220と第2アンダークランプ222のほぼ中央位置となるように設定されている。
プレート230等のワーキングポジションWPまでの昇降が完了すると、幾何公差測定装置200は、第1アッパークランプ210と第1アンダークランプ212、第2アッパークランプ220と第2アンダークランプ222および測定機構部130を、架台ごと待機ポジションSPからワーキングポジションWPまでスライドさせる。この間、第1、第2のアッパー・アンダーのクランプは離間したままである。そして、ワーキングポジションWPは、離間した第1、第2のアッパー・アンダーのクランプが図3で説明したデータム箇所となるように設定されている。この状態を側面視すると、図8(A)に示すように、タンク台座232に載置された高圧ガスタンクWtは、離間した第1アッパークランプ210と第1アンダークランプ212の間、離間した第2アッパークランプ220と第2アンダークランプ222の間に位置し、押圧機構250は、クランプ押圧アーム252を第1、第2のアッパークランプの上方に位置させている。なお、この図8(A)では、プレート230とタンク台座232が第1アンダークランプ212、第2アンダークランプ222と干渉しているが、プレート230とタンク台座232は、図7に示すように第1、第2のアンダークランプの間に位置するので、機器干渉は起きない。
上記したクランプのスライドが完了すると、幾何公差測定装置200は、プレート230とタンク台座232および押圧機構250を降下させる。これにより、高圧ガスタンクWtは、第1アンダークランプ212と第2アンダークランプ222のタンク保持弧状面Sbに近づくよう降下し、押圧機構250は、クランプ押圧アーム252を第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220の天井面に押し当てる(図8(A))。幾何公差測定装置200は、更に上記の機器降下を継続するので、タンク台座232は、載置していた高圧ガスタンクWtを第1アンダークランプ212と第2アンダークランプ222に載せ替える。これにより、高圧ガスタンクWtは、上記のアンダークランプのタンク保持弧状面Sbにシリンダー部Wtsの外周面が接合した状態となり、上記のアンダークランプにて下方から保持される。また、押圧機構250は、クランプ押圧アーム252にて第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220を押し下げる(図8(B))。幾何公差測定装置200は、プレート230等が待機ポジションSPに復帰するまで上記の機器降下を継続するので、第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220は、クランプ押圧アーム252により継続して押し下げられ、やがて、接合下面Sbdを第1アンダークランプ212と第2アンダークランプ222の接合上面Sbuに接合させる(図8(C))。これにより、高圧ガスタンクWtは、そのシリンダー部Wtsにおいて第1、第2のアッパー・アンダーのクランプのタンク保持弧状面Sbにより外周全域に亘って把持され、上記クランプに保持される。
プレート230等が待機ポジションSPに復帰して高圧ガスタンクWtの保持が完了すると、幾何公差測定装置200は、モーター132を駆動制御して、デジタルゲージ140を、その接触子が口金Wtkの外周に接触したまま、回転軸DCL、即ちシリンダー部Wtsのタンク中心軸CLの軸回りに回転させる。この際のデジタルゲージ140の出力を読み取ることで、口金Wtkの同軸度測定が完了する。幾何公差測定装置200は、測定完了後、上記した各シーケンスを逆に実行するので、同軸度測定済みの高圧ガスタンクWtは幾何公差測定装置200から搬出される。なお、第1アッパークランプ210と第2アッパークランプ220は、対応するアンダークランプとの間にシャフト材とスプリングを用いた図示しない復帰機構により、対応するアンダークランプから離れるよう上昇する。
以上説明したように、本実施形態の幾何公差測定装置200によれば、先に説明した実施形態と同様、高圧ガスタンクWtの回転を伴うことなく、口金Wtkの同軸度を高い精度で自動測定できるので、測定効率の向上、測定作業工数の低減を図ることができる。また、本実施形態の幾何公差測定装置200によれば、水平方向および垂直方向への機器スライドを図れば良いので、設備構成の統一化や簡素化を図ることができる。
図9は他の実施形態の幾何公差測定装置100Bを側面視して概略構成を模式的に示す説明図である。この実施形態は、シリンダー部Wtsの外周の一部領域を把持して高圧ガスタンクWtを保持する点に特徴がある。
図示するように、本実施形態の幾何公差測定装置100Bは、装置架台102に、第1アッパークランプ110Bと第1アンダークランプ112B、および第2アッパークランプ120Bと第2アンダークランプ122Bとを備える。第1アッパークランプ110Bと第1アンダークランプ112Bとは、対となって高圧ガスタンクWtを上下で把持する。この両クランプは、高圧ガスタンクWtの設計半径rsで規定される真円の円弧とされたタンク保持弧状面Sbを有する。そして、第1アッパークランプ110と第1アンダークランプ112とは、接合上面Sbuと接合下面Sbdとの間に間隔規定ブロックBdを介在させて接合することで、設計半径rsの真円をその一部領域、詳しくは下方側円弧領域と上方側円弧領域に亘って形成し、設計半径rsの真円形状のタンク保持弧状面Sbで高圧ガスタンクWtのシリンダー部Wtsの外周を把持して当該タンクを保持する。この場合、間隔規定ブロックBdは、アッパー・アンダーのクランプ間の間隔を規定するほか、その上下面に有するピンにて、アッパー・アンダーのクランプを位置決めする。第2アッパークランプ120Bと第2アンダークランプ122Bとについても同様である。
図9に示す実施形態の幾何公差測定装置100Bによっても、先に説明した実施形態と同様、高圧ガスタンクWtの回転を伴うことなく、口金Wtkの同軸度を高い精度で測定できる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
例えば、上記の各実施形態では、対となるアッパー・アンダーのクランプをタンク保持に用いたが、アンダー側のクランプのみを備え、このアンダー側のクランプのタンク保持弧状面Sbにシリンダー部Wtsの外周を接合させてタンク保持を図るようにしてもよい。この場合、アンダー側のクランプをV字状のヤゲンを有するものとしてもよい。
また、上記の各実施形態では、FW法にて繊維を巻回した繊維強化樹脂層を形成済みの完成品として高圧ガスタンクWtを測定対象としたが、FW法による繊維巻回に先立って、幾何公差測定装置100等により、口金Wtkの同軸度を測定するようにしてもよい。こうすれば、次の利点がある。高圧ガスタンクは、FW法による繊維巻回の際、中空の樹脂製ライナーをその両端の口金Wtkを回転軸として回転させる。このため、樹脂製ライナーのシリンダー部Wtsと口金Wtkとの幾何公差が所定範囲に収まっていないと、シリンダー部Wtsが軸ブレして回転しつつ補強繊維の巻き付けを受けることから、補強繊維の巻回が不均一となり補強強度の均等化が妨げられかねない。しかしながら、中空の樹脂製ライナーをFW法に処する前に幾何公差測定装置100等にて口金Wtkの同軸度を測定すれば、その測定同軸度が所定範囲の樹脂製ライナーについては、これを良品としてFW法に処して、高圧ガスタンクWtを製造できる。また、測定同軸度が所定範囲外の樹脂製ライナーについては、両端の口金Wtkを軸支して回転させつつ樹脂製ライナーのシリンダー部Wtsの表面を切削する、或いは、樹脂製ライナーのシリンダー部Wtsを軸支して回転させつつ口金Wtkの表面を切削することで、樹脂製ライナーと口金Wtkの同軸度を矯正できる。こうすれば、矯正後の樹脂製ライナーをFW法に処して、高圧ガスタンクWtを製造できる。
また、上記の各実施形態では、測定デバイスとして、接触式のデジタルゲージ140を採用したが非接触の測定デバイスとすることもできる。例えば、光反射式の距離センサーをデジタルゲージ140に代えて用いてもよい。光反射式の距離センサーを用いる場合には、測定機構部130の保持アーム131に回転軸DCLの軸回りで保持した上で、光照射軌跡が回転軸DCLと交差するようにする。この場合、光照射軌跡と回転軸DCLのズレを予め把握しておけば、光照射軌跡と回転軸DCLとの交差は無用となる。つまり、測定デバイスは、接触式・非接触式を問わず各種の測定機器で構成され、測定デバイスの特定部分と端部小径部材である口金Wtkの外周との距離を測定する、もしくは、距離変化を測定することで、口金Wtkの幾何公差を測定する機能を有すればよい。
100、100A、100B…幾何公差測定装置
102…装置架台
102a…第1架台
102b…第2架台
110、110B…第1アッパークランプ
112、112B…第1アンダークランプ
114…脚
120、120B…第2アッパークランプ
122、122B…第2アンダークランプ
130…測定機構部
131…保持アーム
132…モーター
140…デジタルゲージ
150…スペーサー
151…分割タイプスペーサー
152…溝付スペーサー
153…溝
200…幾何公差測定装置
210、212…第1アンダークランプ
220、222…第2アンダークランプ
230…プレート
232…タンク台座
250…押圧機構
251…連結アーム
252…クランプ押圧アーム
A…第1外周当接箇所
B…第2外周当接箇所
CL…タンク中心軸
SP…待機ポジション
WP…ワーキングポジション
Sb、SbL…タンク保持弧状面
Bd…間隔規定ブロック
rs…設計半径
Wt…高圧ガスタンク
Wtd…ドーム部
Wts…シリンダー部
Wtk…口金
DCL…回転軸
Sbd…接合下面
Sbu…接合上面

Claims (5)

  1. 円筒形の胴体部材と該部材の端部から延びた円筒形の端部小径部材とを有する円筒容器の幾何公差測定方法であって、
    前記円筒容器を前記胴体部材の外周にて保持する工程(1)と、
    該保持された前記胴体部材の中心軸の軸回りに回転可能に保持済みの測定デバイスを、前記中心軸の軸回りに回転させる工程(2)とを備える
    円筒容器の幾何公差測定方法。
  2. 前記工程(1)では、前記胴体部材の設計上の半径で規定される真円の円弧で形成された弧状保持部を有する治具を用い、該治具の前記弧状保持部にて前記胴体部材の外周を把持して、前記胴体部材を保持する請求項1に記載の円筒容器の幾何公差測定方法。
  3. 円筒形の胴体部材と該部材の端部から延びた円筒形の端部小径部材とを有する円筒容器の幾何公差測定装置であって、
    装置架台に設置され、前記円筒容器を前記胴体部材の外周にて保持する治具と、
    該保持された前記胴体部材の中心軸に沿って前記胴体部材の端部から延びた前記端部小径部材の外周との隔たりを測定する測定デバイスと、
    前記装置架台に設置され、前記保持された前記胴体部材の中心軸の軸回りに前記測定デバイスを回転可能に保持するデバイス保持部とを備え、
    前記治具は、
    前記胴体部材の設計上の半径で規定される真円の円弧で形成された弧状保持部を有し、該弧状保持部にて前記胴体部材の外周を把持して、前記胴体部材を保持する
    円筒容器の幾何公差測定装置。
  4. 前記治具は、前記弧状保持部を、前記設計上の半径を超える半径で規定される真円の円弧で形成されたものとした上で、前記弧状保持部の表面に、前記設計上の半径を超える半径と前記設計上の半径との差分に相当する厚みと弾性とを備える凹凸吸収部材を装着して備える請求項3に記載の円筒容器の幾何公差測定装置。
  5. 前記凹凸吸収部材は、測定対象の前記円筒容器の重量が増すほど硬度が高くなる硬度調整を受けて形成されている請求項4に記載の円筒容器の幾何公差測定装置。
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