JP2014126225A - 車両用空調システムおよび気液混合器 - Google Patents

車両用空調システムおよび気液混合器 Download PDF

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Abstract

【課題】主に、過熱冷媒に液状冷媒を効率的に混合させることにより、最終的に、凝縮部の加熱性能を向上し得るようにする。
【解決手段】冷媒1を循環可能なループ状の冷媒流路2と、この冷媒流路2に冷媒1の流れ方向に沿って順番に設置された、圧縮部4、凝縮部5、減圧部6、蒸発部7と、を備えた車両用空調システムに関する。
この車両用空調システムは、上記圧縮部4が、冷媒1の流れ方向に沿って順番に設置された、低段側圧縮機11および高段側圧縮機12を備えたものとされる。
そして、上記冷媒流路2に、上記凝縮部5の出口側の液状冷媒1fを、上記低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ送る液インジェクション流路14を設けるようにしている。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両用空調システム、および、この車両用空調システムに使用される気液混合器に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の温度を調整するための空調装置が設けられている。
この空調装置には、冷媒を循環可能なループ状の冷媒流路と、この冷媒流路に冷媒の流れ方向に沿って順番に設置された、圧縮機、凝縮器、減圧部、蒸発器と、を備えた空調システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
そして、特許文献1の空調システムでは、上記した減圧部を、第1絞り弁と第2絞り弁との2つに分けて構成すると共に、第1絞り弁と第2絞り弁との間に気液分離器を設けて、気液分離器で分離されたガス状冷媒を、圧縮機の内部へ送るガスインジェクション流路を備えるようにしている。
このような構成では、気液分離器で分離されたガス状冷媒を、圧縮機の内部へ送って、(圧縮機で)圧縮中の冷媒を注入したガス状冷媒によって冷やす(冷媒の過熱度を低減させる)ことにより、冷媒の密度を低下させて、圧縮機の圧縮効率の向上や動力低減などを図るようにしている。
特開平08−121331号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された空調システムには、以下のような問題があった。
即ち、圧縮機で圧縮中の冷媒を、上記したようにガス状冷媒を注入して冷やすようにしていたが、ガス状冷媒は、熱含量が十分に低いとは言えないため、冷媒の過熱度を十分に下げることが難しかった。
上記課題を解決するために、本発明にかかる「車両用空調システム」は、
冷媒を循環可能なループ状の冷媒流路と、
該冷媒流路に冷媒の流れ方向に沿って順番に設置された、圧縮部、凝縮部、減圧部、蒸発部と、を備え、
前記圧縮部が、冷媒の流れ方向に沿って順番に設置された、低段側圧縮機および高段側圧縮機を備えた車両用空調システムにおいて、
前記冷媒流路に、前記凝縮部の出口側の液状冷媒を、前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送る液インジェクション流路を設けたことを特徴としている。
上記において、
前記減圧部が、冷媒の流れ方向に沿って順番に設置された、高段側減圧装置および低段側減圧装置を備えると共に、
前記高段側減圧装置と低段側減圧装置との間に、気液分離装置が設けられ、
該気液分離装置で分離されたガス状冷媒を、前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送るガスインジェクション流路を備えると共に、
前記液インジェクション流路が、前記気液分離装置で分離された液状冷媒を、前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送るものとしても良い。
また、上記において、
前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間に、
前記低段側圧縮機からの過熱冷媒と、
前記ガスインジェクション流路からのガス状冷媒と、
前記液インジェクション流路からの液状冷媒と、を混合して、前記高段側圧縮機へ送る気液混合器を設けるようにしても良い。
そして、本発明にかかる「気液混合器」は、
上記車両用空調システムに設けられて、
過熱冷媒の入口部と、過熱冷媒の出口部と、
前記入口部と出口部との間を結ぶ内部冷媒通路と、が設けられた気液混合器本体を備え、
該気液混合器本体が、液状冷媒を、前記内部冷媒通路へ流入可能な液状冷媒流入口部を備えると共に、
該液状冷媒流入口部から前記内部冷媒通路へ流入される液状冷媒を霧化する液冷媒噴霧部と、
該液冷媒噴霧部による液状冷媒の噴霧量を調整する液冷媒噴霧量調整部と、
を備えたことを特徴としている。
上記において、
前記気液混合器本体が、ガス状冷媒を、前記内部冷媒通路へ流入可能なガス状冷媒流入口部を備えるようにしても良い。
また、上記において、
前記内部冷媒通路に対し、前記液状冷媒流入口部が、前記ガス状冷媒流入口部よりも、冷媒の流れ方向の上流側に設けられるようにしても良い。
更に、上記において、
前記液冷媒噴霧量調整部が、前記内部冷媒通路における、
前記液状冷媒流入口部よりも冷媒の流れ方向の下流側、
または、
前記液状冷媒流入口部および前記ガス状冷媒流入口部よりも冷媒の流れ方向の下流側に設けられるようにしても良い。
そして、上記において、
前記液冷媒噴霧量調整部が、前記高段側圧縮機の入口部と、前記内部冷媒通路における液冷媒噴霧量調整部の接続部との差圧に基づいて液状冷媒の噴霧量を調整するようにしても良い。
また、上記において、
前記液冷媒噴霧部の入側に、前記液状冷媒に旋回流を与えるスワール微粒化機構を設けるようにしても良い。
本発明の「車両用空調システム」は、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。
まず、冷媒は、ループ状の冷媒流路を循環される。
この際、冷媒は、圧縮部で圧縮され、凝縮部で凝縮され、減圧部で減圧され、蒸発部で蒸発されるという作用を繰返す。
そして、例えば、凝縮部にて、冷媒と空調用の空気との熱交換を行い、冷媒が放出する凝縮熱で空調用の空気を加熱することにより、加熱された空調用の空気で、暖房を行わせることができる。
そして、圧縮部では、低段側圧縮機と高段側圧縮機とによって、二段階に冷媒の圧縮が行われる。即ち、蒸発部で蒸発された低温低圧のガス状冷媒を低段側圧縮機で圧縮して高温中圧のガス状冷媒(過熱冷媒)とし、更に、この過熱冷媒を高段側圧縮機で圧縮して高温高圧のガス状冷媒(過熱冷媒)とする。このように圧縮部を二台の圧縮機(低段側圧縮機および高段側圧縮機)に分けて、冷媒の圧縮を二段階に行わせることにより、圧縮機一台当たりの圧縮比を小さくして、圧縮部の圧縮効率を向上することができる。
そして、上記した凝縮部の出口側の液状冷媒が、液インジェクション流路を介して、低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送られる。このように液状冷媒を、低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送ることにより、(熱含量が低い)液状冷媒を用いて、低段側圧縮機から出た過熱冷媒を大きく冷やし(過熱度を低下させ)、過熱冷媒の密度を大幅に低下させて、高段側圧縮機における、過熱冷媒の単位時間当たりの循環量を増やせるようにし、以って、高段側圧縮機の圧縮効率を向上させるようにする。
この液状冷媒の混合による高段側圧縮機の圧縮効率の向上によって、高段側圧縮機の下流側に設置される凝縮部の加熱性能(暖房能力)を向上することができ、例えば、(液状冷媒よりも熱含量の高い)ガス状冷媒を低段側圧縮機からの過熱冷媒に混合する場合と比べて、凝縮部の加熱性能(暖房能力)に十分な余力を持たせることが可能となる。
本発明の実施例にかかる空調システムの構成図である。 図1の変形例の構成図である。 図2の空調システムにおける、圧力と比エンタルピとの関係を示すモリエール線図である。 ブロック型の気液混合器の縦断面図である。 図4のスワール微粒化機構の平面図である。 アングル型の気液混合器の縦断面図である。 図6のスワール微粒化機構の平面図である。 図4の変形例の縦断面図である。 図6の変形例の縦断面図である。
以下、本実施の形態、および、それを具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図9は、この実施例およびその変形例を示すものである。
このうち、図1〜図3は、主に、空調システムに関するものであり、図4〜図9は、主に、気液混合器に関するものである。
<構成>以下、構成について説明する。
自動車などの車両には、車室内の温度を調整するための空調装置が設けられている。
この空調装置には、図1の実施例(または図2の変形例)に示すように、冷媒1を循環可能なループ状の冷媒流路2と、この冷媒流路2に冷媒1の流れ方向に沿って順番に設置された、圧縮部4、凝縮部5、減圧部6、蒸発部7と、を備えた空調システムが用いられている。
そして、上記圧縮部4が、冷媒1の流れ方向に沿って順番に設置された、低段側圧縮機11および高段側圧縮機12を備えるようにしている。
(補足説明)
ここで、上記した「車両」は、乗用車などの公道を走行可能なものを対象としている。但し、車両は、乗用車に限るものではない。
上記した「車室」は、車両における、乗員が搭乗するためのスペースである。
上記した「温度を調整」は、文字通り、乗員が快適となるように、車室の温度環境を整えることである。
上記した「空調装置」は、文字通り、車室内の空気を調和・調整するための装置である。
上記した「冷媒1」は、空調システムに使用される冷却媒体である。
上記した「冷媒流路2」は、冷媒1を流すための流路であり、例えば、金属製のパイプなどが使用される。この場合には、冷媒流路2は、主に、4つの流路部2a〜2dによって構成されている。
このうち、流路部2aは、上記した蒸発部7の出口部と圧縮部4の入口部との間を接続するものである。流路部2bは、上記した圧縮部4の出口部と凝縮部5の入口部との間を接続するものである。流路部2cは、上記した凝縮部5の出口部と減圧部6の入口部との間を接続するものである。流路部2dは、上記した減圧部6の出口部と蒸発部7の入口部との間を接続するものである。
上記した「圧縮部4」は、(蒸発部7からの)低温低圧のガス状冷媒1aを圧縮して、高温高圧のガス状冷媒1bにするためのものである。圧縮部4には、コンプレッサーなどの圧縮機を使用することができる。
上記した「凝縮部5」は、(圧縮部4からの)高温高圧のガス状冷媒1bを凝縮させて、中温高圧の液状冷媒1cにするためのものである。この凝縮部5には、空調用の空気との熱交換によって冷媒を凝縮させるようにしたコンデンサなどの凝縮器を使用することができる。この凝縮部5は、空気加熱用熱交換器(エアヒーター)として使用することが可能である。特に、この実施例では、凝縮部5を、空気加熱用熱交換器(エアヒーター)として、空気加熱用熱交換器(エアヒーター)によって車室内を暖房させるものとして使用している。即ち、凝縮部5は、室内機として使用されている。
上記した「減圧部6」は、(凝縮部5からの)中温高圧の液状冷媒1cを減圧させて、低温低圧の気液二相状冷媒1dにするためのものである。減圧部6には、絞り弁や、減圧弁や、流量調整弁などを使用することができる。
上記した「蒸発部7」は、(減圧部6からの)低温低圧の気液二相状冷媒1dを蒸発させて、低温低圧のガス状冷媒1aにするためのものである。この蒸発部7には、空気との熱交換によって冷媒を蒸発させるようにしたエバポレーターなどの蒸発器を使用することができる。この蒸発部7は、空気冷却用熱交換器(エアクーラー)として使用することが可能である。この実施例の場合、蒸発部7は、室外機として使用されている。
また、上記した「低段側圧縮機11」は、蒸発部7からの低温低圧のガス状冷媒1aを圧縮して、高温中圧のガス状冷媒(過熱冷媒1e)にするためのものである。
そして、上記した「高段側圧縮機12」は、低段側圧縮機11からの高温中圧のガス状冷媒(過熱冷媒1e)を更に圧縮して、上記した高温高圧のガス状冷媒1b(過熱冷媒)にするためのものである。
なお、低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間には、流路部2eが設けられる。
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
まず、上記した空調システムの特徴について説明する。
(構成1)
上記冷媒流路2に、上記凝縮部5の出口側の液状冷媒1c(図1の実施例参照)、または、後述する液状冷媒1f(図2の変形例参照)を、上記低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ送る液インジェクション流路14を設けるようにする。
(補足説明1)
ここで、上記した「凝縮部5の出口側」は、文字通り、凝縮部5の出口部よりも、冷媒1の流れ方向の下流側となる部分のことである。この場合には、凝縮部5と減圧部6との間の部分(図1)、または、後述する高段側減圧装置15と低段側減圧装置16との間の部分(図2)である。
上記した「液状冷媒1c,1f」は、文字通り、液状の冷媒1のことである。このうち、液状冷媒1cは、凝縮部5から出た冷媒1であり、液状冷媒1fは、後述する気液分離装置17で分離された冷媒1である。
上記した「低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間」は、上記した流路部2eの位置のことである。
上記した「液インジェクション流路14」は、文字通り、液状冷媒1c,1fを上記した流路部2eの位置へ注入するための流路のことである。
(構成2)
上記において、好ましくは、図2の変形例に示すように、上記減圧部6が、冷媒1の流れ方向に沿って順番に設置された、高段側減圧装置15および低段側減圧装置16を備えるようにする。
また、上記高段側減圧装置15と低段側減圧装置16との間に、気液分離装置17が設けられるようにする。
更に、この気液分離装置17で分離されたガス状冷媒1gを、上記低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ送るガスインジェクション流路18を備えるようにする。
そして、上記した液インジェクション流路14が、上記気液分離装置17で分離された液状冷媒1fを、上記低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ送るものとされる。
(補足説明2)
ここで、上記した「高段側減圧装置15」は、凝縮部5からの中温高圧の液状冷媒1cを減圧して、中温(または低温)中圧の気液二相状冷媒1hにするためのものである。
上記した「低段側減圧装置16」は、高段側減圧装置15からの中温(または低温)中圧の気液二相状冷媒1h(または、気液分離装置17からの液状冷媒1f)を減圧して、低温低圧の気液二相状冷媒1dにするためのものである。
上記した「高段側減圧装置15と低段側減圧装置16との間」には、流路部2fが設けられる。よって、「高段側減圧装置15と低段側減圧装置16との間」は、上記した流路部2fの位置のことである。
上記した「気液分離装置17」は、文字通り、高段側減圧装置15からの中温(または低温)中圧の気液二相状冷媒1hを気液分離して、ガス状冷媒1gと液状冷媒1fとにするためのものである。このうち、ガス状冷媒1gは、上記した流路部2eの位置へ送られ、液状冷媒1fは、上記した流路部2eの位置および低段側減圧装置16へ送られる。
上記した「ガス状冷媒1g」は、文字通り、ガス状の冷媒1のことである。
上記した「ガスインジェクション流路18」は、文字通り、ガス状冷媒1gを上記した流路部2eの位置へ注入するための流路のことである。
(構成3)
上記において、好ましくは、上記低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間に、
上記低段側圧縮機11からの過熱冷媒1eと、
上記ガスインジェクション流路18からのガス状冷媒1gと、
上記液インジェクション流路14からの液状冷媒1c,1fと、を混合して、上記高段側圧縮機12へ送る気液混合器19を設けるようにする。
(補足説明3)
ここで、上記した「低段側圧縮機11からの過熱冷媒1e」は、文字通り、低段側圧縮機11で圧縮されて過熱状態となっているガス状冷媒のことである。
上記した「気液混合器19」は、低段側圧縮機11で圧縮された過熱冷媒1eと、ガスインジェクション流路18からのガス状冷媒1gと、液インジェクション流路14からの液状冷媒1c,1fと、を効率的に混合するために特に設けられる専用の機器である。そして、過熱冷媒1eに液状冷媒1c,1fなどが混合された冷媒1は、過熱度が低下された過熱冷媒1e′となる。
次に、上記した空調システムで使用される気液混合器19について説明する。
(構成4)
例えば、図4(または図6)に示すように、上記した気液混合器19が、過熱冷媒1eの入口部21と、過熱冷媒1e′の出口部22と、上記入口部21と出口部22との間を結ぶ内部冷媒通路23と、が設けられた気液混合器本体24を備えるようにする。
そして、この気液混合器本体24が、液状冷媒1c,1fを、上記内部冷媒通路23へ流入可能な液状冷媒流入口部25を備えるようにする。
更に、この液状冷媒流入口部25から上記内部冷媒通路23へ流入される液状冷媒1fを霧化する液冷媒噴霧部26を備えるようにする。
加えて、この液冷媒噴霧部26による液状冷媒1fの噴霧量を調整する液冷媒噴霧量調整部27を備えるようにする。
(補足説明4)
ここで、上記した「入口部21」は、低段側圧縮機11で圧縮された過熱冷媒1eの入口となるものである。
上記した「出口部22」は、上記した過熱冷媒1e′の出口となるものである。出口部22から出た過熱冷媒1e′は、その後、高段側圧縮機12へ向けて送られることになる。
上記した「内部冷媒通路23」は、上記した気液混合器本体24の内部で、過熱冷媒1eを、入口部21から出口部22へ向かって流す通路となるものである。
上記した「気液混合器本体24」は、金属製のものなどとされている。
上記した「液状冷媒流入口部25」は、文字通り、気液混合器本体24(の内部冷媒通路23)に対する液状冷媒1c,1fの流入口となるものである。
上記した「液冷媒噴霧部26」は、文字通り、液状冷媒1c,1fを霧化して内部冷媒通路23内へ噴霧させるものである。液冷媒噴霧部26は、概ね、狭い隙間から液状冷媒1c,1fを噴霧することによって、液冷媒噴霧部26を霧化するようにした噴霧器などの構造を有するものとされる。
上記した「液冷媒噴霧量調整部27」は、文字通り、液状冷媒1c,1fの噴霧量を調整するためのものである。
ここで、より具体的な構造について説明すると、例えば、図4のブロック型の気液混合器19の場合、ブロック状をした気液混合器本体24の側面の図中上下方向の中間部に入口部21が設けられ、この入口部21の上側に出口部22が設けられ、内部冷媒通路23が入口部21から出口部22へ向かって側面視ほぼC字状に設けられている。
また、上記した液状冷媒流入口部25は、入口部21の下側に設けられている。
そして、液状冷媒流入口部25の奥側に、冷媒吸入室31が設けられ、この冷媒吸入室31と内部冷媒通路23の入口部21側の部分との間に、液冷媒噴霧部26としてのボール弁機構32が設けられている。
このボール弁機構32は、冷媒吸入室31と内部冷媒通路23との間に形成された連通孔33に設けられた弁座34と、この弁座34を開閉可能に設けられたボール弁などの弁体35とを備えて、弁座34と弁体35との間の狭い隙間から液状冷媒1c,1fを噴き出すことによって液状冷媒1c,1fを霧化し得るようにしている。
上記した連通孔33は、冷媒吸入室31側が大径孔部33aとされ、内部冷媒通路23側が小径孔部33bとされると共に、両者の中間に形成される絞り状の径変化部分が上記した弁座34とされている。また、弁体35としてのボール弁は、大径孔部33aの内部に配設されている。
なお、上記した冷媒吸入室31は、気液混合器本体24の下端部に対し、下端側から穿設した室形成用孔部とされており、この室形成用孔部に蓋部36を螺着することによって、室形成用孔部を閉止して冷媒吸入室31とすると共に、冷媒吸入室31の容積を調整し得るようにしている。蓋部36の上部には、バネ37などの弾性体を介して昇降体38が取付けられている。
更に、気液混合器本体24の図中上端部には、液冷媒噴霧量調整部27が設けられている。この液冷媒噴霧量調整部27は、ダイヤフラム41と、このダイヤフラム41の上下に2つの差圧室42,43(ダイヤフラム上室およびダイヤフラム下室)を形成する中空のケース部44(ダイヤフラムケース)とを備えている。そして、上側の差圧室42が、上記した高段側圧縮機12の入側の流路部2e(高段側圧縮機12の入口部)に対し連通管42aを介して連通可能(または圧力を取得可能)とされ(図2参照)、下側の差圧室43が、側面視ほぼC字状をした内部冷媒通路23の出口部22側の部分に連通されて、両者の差圧に応じてダイヤフラム41が上下に変形されるようにしている。
そして、ダイヤフラム41からは、弁体35に接続される操作ロッド45が、内部冷媒通路23や気液混合器本体24を貫通させて延設されており、この操作ロッド45が上記差圧によるダイヤフラム41の動きを弁体35に伝えることによって、ボール弁機構32を開閉および開度調整し得るようにしている。この場合、操作ロッド45は、ダイヤフラム41が中立位置にある時に、ボール弁機構32を閉弁する長さに設けられている。なお、気液混合器本体24と操作ロッド45との間には、ボール弁機構32を閉弁方向へ常時付勢するようにしたバネなどの付勢機構46が設けられている。
また、例えば、図6のアングル型の気液混合器19の場合、軸線がほぼ図中上下方向へ延びる中空筒状をした気液混合器本体24の側面の上部(上端側の側面)に入口部21が設けられ、気液混合器本体24側面の下部(下端側の側面)に出口部22が設けられると共に、気液混合器本体24の内部空間が内部冷媒通路23とされている。
また、上記した液状冷媒流入口部25は、入口部21の下側に設けられている。この液状冷媒流入口部25は、気液混合器本体24を貫通して、気液混合器本体24のほぼ中心部へ向かって延びる筒状部材とされている。
そして、気液混合器本体24の上端側内部の軸心位置には、液冷媒噴霧部26としてのニードル弁機構47が設けられている。このニードル弁機構47は、下端部に弁座34ともなる1つの噴射孔48を有する筒状のノズル部材49と、このノズル部材49の内部の軸心位置に対し、前記噴射孔48を開閉可能および開度調整に配設されたニードル弁などの弁体35とを備えて、弁座34と弁体35との間の狭い隙間から液状冷媒1c,1fを噴き出すことによって液状冷媒1c,1fを霧化し得るようにしている。
更に、気液混合器本体24の図中上端部には、上記と同様の液冷媒噴霧量調整部27が設けられている。この液冷媒噴霧量調整部27は、ダイヤフラム41と、このダイヤフラム41の上下に2つの差圧室42,43を形成する中空のケース部44とを備えている。そして、上側の差圧室42が、上記した高段側圧縮機12の入側の流路部2e(高段側圧縮機12の入口部)に対し連通管42aを介して連通可能(または圧力を取得可能)とされ、下側の差圧室43が、上記したノズル部材49の上端部に連通されて、両者の差圧に応じてダイヤフラム41が上下に変形されるようにしている。
そして、ダイヤフラム41からは、弁体35に接続される操作ロッド45が、ノズル部材49の内部を通して延設されており、この操作ロッド45が上記差圧によるダイヤフラム41の動きを弁体35に伝えることによって、ニードル弁機構47を開閉または開度調整し得るようにしている。この場合、操作ロッド45は、ダイヤフラム41が中立位置にある時に、ニードル弁機構47を閉弁する長さに設けられている。
(構成5)
上記において、好ましくは、 図8(または図9)に示すように、上記気液混合器本体24が、ガス状冷媒1gを、上記内部冷媒通路23へ流入可能なガス状冷媒流入口部51を備えるようにする。
(補足説明5)
ここで、上記した「ガス状冷媒流入口部51」は、文字通り、ガス状冷媒1gの流入口となるものである。
なお、気液混合器本体24に対してガス状冷媒流入口部51を設けない場合には、図6に示すように、ガスインジェクション流路18を、上記した流路部2eに対して直接接続させるようにしても良い。この場合には、ガスインジェクション流路18は、流路部2eにおける、気液混合器19の出側の位置に接続するのが好ましい。
(構成6)
上記したように、液状冷媒流入口部25とガス状冷媒流入口部51との両方が気液混合器本体24に設けられる場合において、好ましくは、図8(または図9)に示すように、上記内部冷媒通路23に対し、上記液状冷媒流入口部25が、上記ガス状冷媒流入口部51よりも、冷媒1の流れ方向の上流側に設けられるようにする。
(補足説明6)
ここで、上記した「上流側」は、内部冷媒通路23における、過熱冷媒1eの流れ方向を基準としている。即ち、内部冷媒通路23の入口部21に近い側が上流となっている。
より具体的には、図8のブロック型の気液混合器19の場合、ガス状冷媒流入口部51は、気液混合器本体24の中間部で、側面視ほぼC字状をした内部冷媒通路23の中間部の位置に設けられることにより、液状冷媒流入口部25の下流側に位置されている。
また、図9のアングル型の気液混合器19の場合、ガス状冷媒流入口部51は、気液混合器本体24の中間部よりも下側で、ニードル弁機構47よりも下側の位置に設けられることにより、液状冷媒流入口部25の下流側に位置されている。
(構成7)
上記において、好ましくは、上記液冷媒噴霧量調整部27が、上記内部冷媒通路23における、
上記液状冷媒流入口部25よりも冷媒1の流れ方向の下流側(図4の場合)、
または、
上記液状冷媒流入口部25および上記ガス状冷媒流入口部51よりも冷媒1の流れ方向の下流側(図8の場合)に設けられる(または、接続される)ようにする。
(補足説明7)
ここで、上記した「下流側」は、内部冷媒通路23における、過熱冷媒1eの流れ方向を基準としている。即ち、内部冷媒通路23の出口部22に近い側が下流となっている。
より具体的には、図4、図8のブロック型の気液混合器19の場合、液冷媒噴霧量調整部27は、気液混合器本体24の上端部で、側面視ほぼC字状をした内部冷媒通路23の上部の位置に設けられ(接続され)ることにより、液状冷媒流入口部25(および上記ガス状冷媒流入口部51)の下流側に位置されている。
(構成8)
そして、図4、図8に示すように、上記した液冷媒噴霧量調整部27が、(上記した空調システムを構成する)高段側圧縮機12の入口部と、上記した内部冷媒通路23における液冷媒噴霧量調整部27の接続部との差圧に基づいて液状冷媒1c,1fの噴霧量を調整するように構成される。
(補足説明8)
ここで、上記した「差圧」は、既に上記したように、上側の差圧室42が、上記した高段側圧縮機12の入側の流路部2e(高段側圧縮機12の入口部)に対し連通管42aを介して連通可能(または圧力を取得可能)とされ(図2参照)、下側の差圧室43が、側面視ほぼC字状をした内部冷媒通路23の出口部22側の部分に連通されて、両者の差圧に応じてダイヤフラム41が上下に変形されることによって、得ることができる。
(構成9)
上記において、好ましくは、図4(または図6)に示すように、上記液冷媒噴霧部26の入側に、上記液状冷媒1c,1fに旋回流を与えるスワール微粒化機構55(図5(または図7))を設けるようにする。
(補足説明9)
ここで、上記した「旋回流」は、文字通り、液状冷媒1c,1fを旋回させる流れのことである。
上記した「スワール微粒化機構55」は、文字通り、旋回流を利用して、液状冷媒1fを微粒化し易くするための機構である。
より具体的には、上記したブロック型の気液混合器19の場合、図5に示すように、スワール微粒化機構55は、上記した冷媒吸入室31の内部における、上記した連通孔33の大径孔部33a(の入口部分)の周囲に設けられて、上記した大径孔部33aに対し、ほぼ接線方向へ向けて液状冷媒1c,1fを吹き出す小孔部55aなどを有するものとされている。この場合、小孔部55aは、大径孔部33aの周方向に対し、均等な間隔を有して2箇所に設けられているが、1個としても、(周方向にほぼ均等な)3個以上の複数箇所としても良い。
また、上記したアングル型の気液混合器19の場合、図7に示すように、スワール微粒化機構55は、ニードル弁機構47のノズル部材49に対し、上記した液状冷媒流入口部25を接線方向へ向けて接続したものなどとされている。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
図1(または図2)に示すように、冷媒1は、ループ状の冷媒流路2を循環される。
この際、図3のモリエール線図に示すように、冷媒1は、圧縮部4で圧縮され(点AB間)、凝縮部5で凝縮され(点BC間)、減圧部6で減圧され(点CD間)、蒸発部7で蒸発される(点DA間)という作用を繰返す。
そして、例えば、凝縮部5にて、冷媒1と空調用の空気との熱交換を行い、冷媒1が放出する凝縮熱で空調用の空気を加熱することにより、加熱された空調用の空気で、(車室内の)暖房を行わせることができる。
そして、圧縮部4では、低段側圧縮機11と高段側圧縮機12とによって、二段階に冷媒1の圧縮が行われる。即ち、蒸発部7で蒸発された低温低圧(圧力Ps)のガス状冷媒1aを低段側圧縮機11で圧縮して高温中圧(圧力Pm)のガス状冷媒(過熱冷媒1e)とし、更に、この過熱冷媒1eを高段側圧縮機12で圧縮して高温高圧(圧力Pd)のガス状冷媒1b(過熱冷媒)とする。このように圧縮部4を二台の圧縮機(低段側圧縮機11(圧力Ps→圧力Pm)および高段側圧縮機12(圧力Pm→圧力Pd))に分けて、冷媒1の圧縮を二段階に行わせることにより、圧縮機一台当たりの圧縮比を小さくして、圧縮部4の圧縮効率を向上することができる。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)
上記した空調システムでは、上記した凝縮部5の出口側の液状冷媒1c(図1)、または、気液分離装置17で分離された液状冷媒1f(図2)が、液インジェクション流路14を介して、低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ送られる。このように液状冷媒1c,1fを、低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ送ることにより、(熱含量が低い)液状冷媒1c,1fを用いて、低段側圧縮機11から出た過熱冷媒1eを大きく冷やし、または、過熱冷媒1eの過熱度を低下させ(図3中、一点鎖線X(過熱冷媒1eに何も混合しない場合)から破線Yへ(過熱冷媒1eに液状冷媒1c,1fを混合した場合))、過熱冷媒1eの密度を大幅に低下させて、高段側圧縮機12における、過熱冷媒1eの単位時間当たりの循環量を増やせるようにし、以って、高段側圧縮機12の圧縮効率を向上させるようにする。
この液状冷媒1c,1fの混合による高段側圧縮機12の圧縮効率の向上によって、高段側圧縮機12の下流側に設置される凝縮部5の加熱性能(暖房能力)を向上することができ、例えば、(液状冷媒1fよりも熱含量の高い)ガス状冷媒1gを低段側圧縮機11からの過熱冷媒1eに混合する場合(特に図示しないが、一点鎖線Xと破線Yとの中間の値となる)と比べて、凝縮部5の加熱性能(暖房能力)に十分な余力を持たせることが可能となる。
(効果2)
そして、図2の変形例の場合、減圧部6では、高段側減圧装置15と低段側減圧装置16とによって、二段階に冷媒1の減圧が行われる(図3中、圧力Pd→圧力Pm、(高段側減圧装置15)および、圧力Pm→圧力Ps(低段側減圧装置16))。これによって、気液分離装置17を設けるのに必要な中間圧力(圧力Pm)の部分を冷媒流路2に設定することができる。
そして、高段側減圧装置15と低段側減圧装置16との間に気液分離装置17を設けることによって、高段側減圧装置15で減圧された冷媒1を気液分離し、液状冷媒1fとガス状冷媒1gとを得ることができる。
また、気液分離装置17で分離された液状冷媒1fを、液インジェクション流路14を介して、低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ確実に送ることができる。
このように、気液分離装置17からの液状冷媒1fを、液インジェクション流路14を介して、低段側圧縮機11からの過熱冷媒1eに混合することにより、上記したように、高段側圧縮機12の圧縮効率をより向上させて、上記した凝縮部5の加熱性能(暖房能力)をより向上させる効果を確実に得ることができる。
更に、気液分離装置17で分離されたガス状冷媒1gを、ガスインジェクション流路18を介して、低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間へ送るようにすることもできる。
このように、気液分離装置17からのガス状冷媒1gを、ガスインジェクション流路18を介して、低段側圧縮機11からの過熱冷媒1eに混合することにより、過熱冷媒1eを更に冷やし(図3中、破線Yから実線Zへ)、高段側圧縮機12の圧縮効率を更に向上させて、上記した凝縮部5の加熱性能(暖房能力)をより向上させることができる。
(効果3)
更に、図1、図2に示すように、低段側圧縮機11と高段側圧縮機12との間に気液混合器19を設けることにより、過熱冷媒1eに対する、ガス状冷媒1gや液状冷媒1c,1fの混合を、気液混合器19の内部において、短時間で且つ効率的に、また、均一に行わせることが可能となる。
これに対し、例えば、気液混合器19を設けずに冷媒流路2内で過熱冷媒1eに、ガス状冷媒1gや液状冷媒1c,1fを直接混合させるようにすることも、構造的には可能である。但し、このようにした場合には、これら(ガス状冷媒1gや液状冷媒1c,1f)が流入してから均一に混合するまでに必要な冷媒流路2の流路長が長くなる。そのため、その分、冷媒流路2の流動抵抗が大きくなって圧力損失が大きくなったり、冷媒流路2から外部への放熱量が大きくなって熱損失を生じたりするので、空調システムの総合的な効率が低下するおそれがある。
よって、気液混合器19を設けた方が、空調システムの総合的な効率において、有利となる。
(効果4)
図4、図6に示すように、上記した気液混合器19では、過熱冷媒1eは、入口部21から気液混合器本体24へ入り、気液混合器本体24の内部冷媒通路23を通って、出口部22から取出される。
そして、液状冷媒1c,1fは、液状冷媒流入口部25から気液混合器本体24の内部冷媒通路23へ流入されて、内部冷媒通路23を流れる過熱冷媒1eと混合される。
この際、液状冷媒流入口部25から内部冷媒通路23へ流入される液状冷媒1c,1fは、液冷媒噴霧部26によって霧化された後に過熱冷媒1eに混合される。そして、液冷媒噴霧部26による液状冷媒1c,1fの噴霧量は、液冷媒噴霧量調整部27によって調整される。これによって、出口部22から取出される過熱冷媒1e′のの過熱度が適正に保たれる。
このように、内部冷媒通路23を流れる過熱冷媒1eに、液状冷媒1c,1fを混合させることにより、(熱含量が低い)液状冷媒1c,1fを用いて、過熱冷媒1eを大きく冷やし(過熱度を低減させ)、過熱冷媒1e′の密度を大幅に低下させて、気液混合器19の下流側に設置される高段側圧縮機12における、過熱冷媒1e′の単位時間当たりの循環量を増やして、高段側圧縮機12の圧縮効率を向上させ得るようにする。
そして、この液状冷媒1c,1fの混合による高段側圧縮機12の圧縮効率の向上によって、高段側圧縮機12の下流側に設置される凝縮部5の加熱性能(暖房能力)を向上することができ、凝縮部5の加熱性能(暖房能力)に十分な余力を持たせることが可能となる。
また、気液混合器本体24の内部で、過熱冷媒1eに液状冷媒1c,1fを混合させるようにすることにより、過熱冷媒1eと液状冷媒1c,1fとの混合を、短時間で且つ効率的に、また、均一に行わせることが可能となる。
また、気液混合器本体24を使用すると、過熱冷媒1eにガス状冷媒1gや液状冷媒1c,1fを混合させて過熱度を低減させるのに長い流路が必要にならなくなるので、その分、冷媒流路2の流動抵抗が大きくなって圧力損失が大きくなったり、冷媒流路2から外部への放熱量が大きくなって熱損失を生じたりするおそれが少なく、空調システムの総合的な効率の低下を防止することができる。
(効果5)
図8、図9の変形例に示すように、ガス状冷媒1gを、ガス状冷媒流入口部51から気液混合器本体24の内部へ流入させて、気液混合器本体24の内部で、内部冷媒通路23を流れる過熱冷媒1eと混合させるようにする。これにより、過熱冷媒1eに対する液状冷媒1c,1fの混合に加えて、ガス状冷媒1gの混合も、気液混合器本体24の内部で行わせることができるようになる。よって、液状冷媒1c,1fとガス状冷媒1gとの両方を使用して、過熱冷媒1eを大きく冷やし(過熱度を大幅に低下させて)、過熱冷媒1e′の密度をより大きく低下させることができるようになる。
(効果6)
内部冷媒通路23を流れる過熱冷媒1eに対し、液状冷媒流入口部25からの液状冷媒1c,1fが先に混合され、次に、ガス状冷媒流入口部51からのガス状冷媒1gが後から混合されるようにする。
これにより、内部冷媒通路23を流れる過熱冷媒1eは、まず、(熱含量が低い)液状冷媒1c,1fにより一気に冷やされて、密度が急激に低下され(図3中、一点鎖線Xから破線Yへ)、次に、(液状冷媒1c,1fよりも熱含量の高い)ガス状冷媒1gにより更に追加的に冷やされて(図3中、破線Yから実線Zへ)、密度が更に低下され、安定化されることとなるので、(液状冷媒1c,1fよりも熱含量の高い)ガス状冷媒1gを先に過熱冷媒1eに混合させ、(熱含量が低い)液状冷媒1c,1fを後から過熱冷媒1eに混合させる場合と比べて、より効率的且つ安定的に過熱冷媒1e′を冷やすことが可能となる。
(効果7)
図4、図8に示すように、液状冷媒1c,1fやガス状冷媒1gで冷やされて密度が低下し終わった後の過熱冷媒1e′に基づいて、液冷媒噴霧量調整部27による液状冷媒1c,1fの噴霧量を調整させ得るようにする。これにより、常に最適な量の液状冷媒1c,1fを液冷媒噴霧部26に噴霧させて、過熱冷媒1e′の過熱度を適正に保つことが可能となる。
(効果8)
そして、上記した液冷媒噴霧量調整部27が、上記した高段側圧縮機12の入口部と、上記した内部冷媒通路23における液冷媒噴霧量調整部27の接続部との差圧に基づいて液状冷媒1c,1fの噴霧量を調整することにより、上記したように、常に最適な量の液状冷媒1c,1fを液冷媒噴霧部26により噴霧させて、過熱冷媒1e′の過熱度を適正に保つという効果を確実に得ることができる。
(効果9)
図5、図7に示すように、スワール微粒化機構55によって液状冷媒1c,1fに旋回流を与えた後に、液冷媒噴霧部26によって(旋回流を与えられた)液状冷媒1c,1fを噴霧させるようにすることにより、液状冷媒1c,1fを一層効率的且つ効果的に微粒化して、過熱冷媒1eと混合し易くすることが可能となる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
1 冷媒
1e 過熱冷媒
1e′過熱冷媒
1f 液状冷媒
1g ガス状冷媒
2 冷媒流路
4 圧縮部
5 凝縮部
6 減圧部
7 蒸発部
11 低段側圧縮機
12 高段側圧縮機
14 液インジェクション流路
15 高段側減圧装置
16 低段側減圧装置
17 気液分離装置
18 ガスインジェクション流路
19 気液混合器
21 入口部
22 出口部
23 内部冷媒通路
24 気液混合器本体
25 液状冷媒流入口部
26 液冷媒噴霧部
27 液冷媒噴霧量調整部
51 ガス状冷媒流入口部
55 スワール微粒化機構

Claims (9)

  1. 冷媒を循環可能なループ状の冷媒流路と、
    該冷媒流路に冷媒の流れ方向に沿って順番に設置された、圧縮部、凝縮部、減圧部、蒸発部と、を備え、
    前記圧縮部が、冷媒の流れ方向に沿って順番に設置された、低段側圧縮機および高段側圧縮機を備えた車両用空調システムにおいて、
    前記冷媒流路に、前記凝縮部の出口側の液状冷媒を、前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送る液インジェクション流路を設けたことを特徴とする車両用空調システム。
  2. 前記減圧部が、冷媒の流れ方向に沿って順番に設置された、高段側減圧装置および低段側減圧装置を備えると共に、
    前記高段側減圧装置と低段側減圧装置との間に、気液分離装置が設けられ、
    該気液分離装置で分離されたガス状冷媒を、前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送るガスインジェクション流路を備えると共に、
    前記液インジェクション流路が、前記気液分離装置で分離された液状冷媒を、前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間へ送るものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調システム。
  3. 前記低段側圧縮機と高段側圧縮機との間に、
    前記低段側圧縮機からの過熱冷媒と、
    前記ガスインジェクション流路からのガス状冷媒と、
    前記液インジェクション流路からの液状冷媒と、を混合して、前記高段側圧縮機へ送る気液混合器を設けたことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調システム。
  4. 請求項3に記載の車両用空調システムに設けられて、
    過熱冷媒の入口部と、過熱冷媒の出口部と、
    前記入口部と出口部との間を結ぶ内部冷媒通路と、が設けられた気液混合器本体を備え、
    該気液混合器本体が、液状冷媒を、前記内部冷媒通路へ流入可能な液状冷媒流入口部を備えると共に、
    該液状冷媒流入口部から前記内部冷媒通路へ流入される液状冷媒を霧化する液冷媒噴霧部と、
    該液冷媒噴霧部による液状冷媒の噴霧量を調整する液冷媒噴霧量調整部と、
    を備えたことを特徴とする気液混合器。
  5. 前記気液混合器本体が、ガス状冷媒を、前記内部冷媒通路へ流入可能なガス状冷媒流入口部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の気液混合器。
  6. 前記内部冷媒通路に対し、前記液状冷媒流入口部が、前記ガス状冷媒流入口部よりも、冷媒の流れ方向の上流側に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の気液混合器。
  7. 前記液冷媒噴霧量調整部が、前記内部冷媒通路における、
    前記液状冷媒流入口部よりも冷媒の流れ方向の下流側、
    または、
    前記液状冷媒流入口部および前記ガス状冷媒流入口部よりも冷媒の流れ方向の下流側に設けられたことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の気液混合器。
  8. 前記液冷媒噴霧量調整部が、前記高段側圧縮機の入口部と、前記内部冷媒通路における液冷媒噴霧量調整部の接続部との差圧に基づいて液状冷媒の噴霧量を調整することを特徴とする請求項7に記載の気液混合器。
  9. 前記液冷媒噴霧部の入側に、前記液状冷媒に旋回流を与えるスワール微粒化機構を設けたことを特徴とする請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の気液混合器。
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