JP2014126218A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】内箱の背壁部と側壁部とのなすコーナー部に断熱部材を配置しながらも、貯蔵容器の十分な引出し量を確保する。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、内箱のうち、背壁部と左右の側壁部とのなす左右のコーナー部に、それら各コーナー部を庫内側から覆う断熱部材が夫々配置されていると共に、内箱の左右の側壁部を構成する内板には、前記断熱部材の前方に位置して、引出し式の貯蔵容器を前後方向に出し入れ可能に案内するレール機構が設けられており、そのレール機構は、各内板に取付けられた固定レールと、貯蔵容器を支持する可動レールと、それらの間に設けられる中間レールとを含んだダブルレール方式とされている。
【選択図】図22
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、内箱のうち、背壁部と左右の側壁部とのなす左右のコーナー部に、それら各コーナー部を庫内側から覆う断熱部材が夫々配置されていると共に、内箱の左右の側壁部を構成する内板には、前記断熱部材の前方に位置して、引出し式の貯蔵容器を前後方向に出し入れ可能に案内するレール機構が設けられており、そのレール機構は、各内板に取付けられた固定レールと、貯蔵容器を支持する可動レールと、それらの間に設けられる中間レールとを含んだダブルレール方式とされている。
【選択図】図22
Description
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
冷蔵庫の本体である断熱キャビネットは、外側面を構成する外板と庫内内面を構成する内板との間に断熱パネルを介在させて、全体として前面が開口する矩形箱状に構成されている(例えば、特許文献1、2参照)。近年では、断熱性能の高い真空断熱パネルをメインの断熱材として使用する構造が考えられてきている。尚、冷蔵庫においては、野菜室や冷凍室は、いわゆる引出し式のものが一般的となっており、扉に連結された貯蔵容器を、レール機構により案内しながら前後方向に出し入れするように構成されている。
上記したような真空断熱パネルを用いた断熱キャビネットにあっては、例えば、全体を、左右の側壁、背壁、天井壁、底壁の5つの分割パネルに分割した形態とし、各分割パネルを、真空断熱パネルの一方の面に、外箱となる外板を接着し、他方の面に、内箱となる内板を接着したものから構成することが考えられている。
この場合、上記5つの分割パネルを突合せて結合することにより、断熱キャビネットが構成されるのであるが、例えば側壁と背壁との間のコーナー部分には、断熱性に劣る突合せ部が生ずる。そのため、庫内から外部への冷気の漏れを防止するために、そのコーナー部に、例えば発泡スチロール等からなる断面三角形状の断熱部材を設けることも考えられる。ところが、このように断熱部材を設けた場合、内箱の左右の側壁部の前後方向の寸法が、断熱部材の分だけ小さくなり、引出し式の貯蔵室におけるレール機構を設ける際の制約となる。レール機構の前後方向の寸法が制限された場合、貯蔵容器を出し入れする場合の十分な引出し量(ストローク)が得られなくなる虞が生ずる。
そこで、内箱の背壁部と側壁部とのなすコーナー部に断熱部材を配置しながらも、貯蔵容器の十分な引出し量を確保することができる冷蔵庫を提供する。
実施形態の冷蔵庫は、外箱と、内箱と、これら外箱及び内箱の間に配置される真空断熱パネルとから構成された前面が開口する断熱キャビネットを備えると共に、前記内箱が、少なくとも左右の内側壁部及び背壁部が分割された形態の複数の内板から構成されたものであって、前記内箱のうち、前記背壁部と左右の側壁部とのなす左右のコーナー部には、それら各コーナー部を庫内側から覆う断熱部材が夫々配置されていると共に、前記内箱の左右の側壁部を構成する内板には、前記断熱部材の前方に位置して、引出し式の貯蔵容器を前後方向に出し入れ可能に案内するレール機構が設けられており、前記レール機構は、前記各内板に取付けられた固定レールと、前記貯蔵容器を支持する可動レールと、それらの間に設けられる中間レールとを含んだダブルレール方式とされているところに特徴を有する。
第1の実施形態について、図1から図25を参照しながら説明する。図1には、第1の実施形態に係る冷蔵庫1の外観が示され、図2及び図3には冷蔵庫1の断熱キャビネット2の外観が示されている。断熱キャビネット2は、前面が開口した縦長矩形箱状をなし、その内部には、上から順に冷蔵室3、野菜室4が設けられ、この野菜室4の下方に製氷室5と切替室(第2冷凍室)6が左右に並べて設けられ、最下部に冷凍室7が設けられている。
これら冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、切替室6、及び冷凍室7は、それぞれ貯蔵室を形成している。このうち、冷蔵室3及び野菜室4は、庫内温度が例えば1℃〜5℃程度の冷蔵温度に制御される。このように冷蔵室3及び野菜室4は、いずれも冷蔵温度帯例えば0℃〜10℃の貯蔵室であることから、この冷蔵室3及び野菜室4間では有る程度の断熱性を確保できれば良く、例えば合成樹脂製の冷蔵室底板8(図2、図3参照)によって仕切られている。製氷室5、切替室6、及び冷凍室7は、庫内温度が例えば冷凍温度帯例えば−18℃以下の冷凍温度に制御されるもので、冷凍温度帯の貯蔵室である。図2、図3に示すように、冷蔵温度帯の野菜室4と、冷凍温度帯の製氷室5及び切替室6との間は、相互間の熱リークを極力防止するために断熱性を有する断熱仕切壁9によって上下に仕切られている。上記冷蔵室底板8は冷蔵室の底板を構成しており、貯蔵品が載置される。
図2及び図3に示すように断熱キャビネット2の前部において、前記冷蔵室底板8の前方に位置させて横方向に延びる前仕切部材10が設けられ、前記断熱仕切壁9の前方に位置させて横方向に延びる前仕切部材11が設けられている。また、断熱キャビネット2の前部において、製氷室5と切替室6との間に位置させて上下方向に延びる前仕切部材12が設けられ、製氷室5及び切替室6と冷凍室7との間に位置させて横方向に延びる前仕切部材13が設けられている。
図1に示すように、冷蔵室3は、前面が左右の回転扉15、16によって開閉される。左の回転扉15は、図2及び図3に示すように、上下一対のヒンジ部材17a、17bによって回転可能に支持されている。すなわち、一方のヒンジ部材17bは後述する左側壁用断熱パネル26の前縁の略上下中間部に設けられ、他方のヒンジ部材17aは、断熱キャビネット2の開口の左側前縁のうち上壁である後述する天井壁用断熱パネル28の前縁左部に設けられている。前記ヒンジ部材17aは下向きに突出するヒンジ軸17ajを備え、ヒンジ部材17bは上向きに突出するヒンジ軸17bjを備えており、これらヒンジ軸17aj、17bjにより回転扉15が枢支されている。
又、右の回転扉16は、同じく図2及び図3に示すように、上下一対のヒンジ部材18a、18bによって回転可能に支持されている。すなわち、一方のヒンジ部材18bは後述する右側壁用断熱パネル27の前縁の上下略中間部に設けられ、他方のヒンジ部材18bは、断熱キャビネット2の開口の右側前縁のうち上壁である天井壁用断熱パネル28の前縁右部に設けられている。前記ヒンジ部材18aは下向きに突出するヒンジ軸18ajを備え、ヒンジ部材18bは上向きに突出するヒンジ軸18bjを備えており、これらヒンジ軸18aj、18bjにより回転扉16が枢支されている。これら回転扉15、16は夫々ヒンジ部材17a、17b、18a、18bを中心に前後方向に回動される観音開き式である。
野菜室4は、前面が引き出し式の扉19によって開閉される。その扉19の裏側には、野菜を収納する貯蔵容器14(図23参照)が設けられている。製氷室5は、前面が引き出し式の扉20によって開閉される。製氷室5には図示しない製氷装置が設けられ、扉20の裏側には、図示しない氷収納容器が設けられている。切替室6は、前面が引き出し式の扉21によって開閉される。その扉21の裏側には、図示しない収納容器が設けられている。冷凍室7も、前面が引き出し式の扉22によって開閉される。その扉22の裏側には、図示しない収納容器が設けられている。
上記引き出し式の扉19、20、21、22で開閉される貯蔵室である野菜室4、製氷室5、切替室6、冷凍室7のうち、容積の大きい冷凍室7を、他の貯蔵室この場合野菜室4、製氷室5及び切替室6よりも下方に設けている。尚、詳しくは後述するように、前記野菜室4の貯蔵容器14、及び、冷凍室7の収納容器は、ダブルレール方式のレール機構24(図22(a)等参照)により、前後方向に案内されるようになっている。
前記断熱キャビネット2は、プラスチック製の内箱と、鋼板製の外箱との間に、真空断熱パネルを配置して構成され、全体として前面が開口した矩形箱状をなす。本実施形態では、断熱キャビネット2は、図4に示すように、いずれも断熱壁に相当する、背壁を形成する背壁用断熱パネル25と、左側壁を形成する左側壁用断熱パネル26と、右側壁を形成する右側壁用断熱パネル27と、上壁を形成する天井壁用断熱パネル28と、底壁を形成する底壁用断熱パネル29とを連結固定して構成される。
これら断熱パネル25〜29はいずれも真空断熱パネルを有して構成されている。前記背壁用断熱パネル25、左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の基本的な概略構成は同様であるので、左側壁用断熱パネル26を代表して説明する。図5に示すように、左側壁用断熱パネル26は、外箱を構成する金属板製の外板30Bと、内箱を構成する合成樹脂製の例えばシート部材からなる内板31Bと、これら外板30Bと内板31Bとの間に挟まれた状態で配置される(介在する)断熱材としてパネル状の真空断熱パネル32とから構成されている。外板30A,30B,30C,30D,30Eから外箱が構成され、内板31A,31B,31C,31D,31Eから内箱が構成される。
前記左側壁用断熱パネル26の内板31B(内箱の左側壁部に相当)には、図5に示すように、棚受部材40、冷蔵室底板用取付部材41、第1のレール用取付部材42、仕切壁用取付部材43、第2のレール用取付部材44、支持具65が取り付けられており、これらを一体に備えた状態で、前記真空断熱パネル32に接着されるものである。
真空断熱パネル32は、図7、図16、図18に示すように、一面を内板31Bの裏面に図示しない接着剤により接着固定すると共に、前記一面とは反対側の他面を外板30Bの内面に図示しない接着剤により接着固定することにより、内板31Bと外板30Bとの間に挟み込まれた状態となっている。この真空断熱パネル32は、図16、図18に示すように、ガラスウールなどのコア材35と、ガスバリア性を有する包装材38とから構成されている。真空断熱パネル32は、コア材35を包装材38内に収容し、この状態で包装材38内を真空引きすることによってパネル状(板状)に製造される。
なお、左側壁用断熱パネル26の内板31Bと対向する右側壁用断熱パネル27の内板31C(内箱の右側壁部にに相当)にも、図示はしないが、左側壁用断熱パネル26の前記棚受部材40と、冷蔵室底板用取付部材41と、第1のレール用取付部材42と、仕切壁用取付部材43と、第2のレール用取付部材44と夫々対向するように(左右対称的に)、棚受部材40と、冷蔵室底板用取付部材41と、第1のレール用取付部材42と、仕切壁用取付部材43と、第2のレール用取付部材44、支持具65が設けられている。これら各部材40〜44、65の取付け構成については後述する。又、図6に示すように、背壁用断熱パネル25も、左側壁用断熱パネル26と同様に、外板30Aと内板31A(内箱の背壁部に相当)との間に真空断熱パネル32を介在させた構成である。
又、天井壁用断熱パネル28は、図7に示すように、金属板からなる外板30Dと、合成樹脂の一体成形品である内板31Dと、真空断熱パネル32と、断熱材である発泡ウレタン33とを有して構成されている。この場合、内板31Dの裏面に真空断熱パネル32を接着により接合し、この真空断熱パネル32と外板30Dとの間に発泡ウレタン33を充填している。この天井壁用断熱パネル28は、図1、図2に示すように、後方上部にL字状に凹む機械室28kを有しており、この機械室28kには冷凍サイクルのコンプレッサ36(図1参照)が収容配置されている。
なお、底壁用断熱パネル29も前記天井壁用断熱パネル28とは形状は異なるが、当該天井壁用断熱パネル28同様、外板30Eと内板31Eとの間に上述の真空断熱パネル32と発泡ウレタンとを設けた構成である。前記外板30A〜30Eは断熱キャビネット2の外面(外箱)を構成し、前記内板31A〜31Eは断熱キャビネット2の庫内内面(内箱)を構成する。
そして、図6に示すように、背壁用断熱パネル25(内板31A)と、左右の側壁用断熱パネル26、27(内板31B,31C)とのなす左右のコーナー部には、各コーナー部を庫内側から覆うように、上下方向に延び断面三角形状(二等辺直角三角形)をなす断熱部材23,23が夫々設けられている。これら断熱部材23は、プラスチック製のカバー23aの内側に、例えば発泡スチロール製の断熱材23bを配置して構成され、接着やねじ止め等の適宜の方法で断熱キャビネット2に取付けられている。
更に、背壁用断熱パネル25と、左右の側壁用断熱パネル26、27との連結部の隙間部分(外板30Aの内側)には、発泡スチロールやソフトテープ(スポンジテープ)などからなる複数個の断熱材34が適宜挿入配置されている。又、天井壁用断熱パネル28及び底壁用断熱パネル29も適宜各断熱パネル25〜27と連結固定されている。上記したように、左側壁用断熱パネル26の前部と右側壁用断熱パネル27の前部とは、前記前仕切部材10、11、12、13によって連結されている。
後述するように、前記野菜室4及び冷凍室7の左右の内側壁部に設けられるレール機構24は、断熱部材23の前方に位置して設けられるようになっている。尚、図6にのみ図示するように、背壁用断熱パネル25(内板31A)の前面部には、左右の断熱部材23,23間に位置して、ダクト形成部材39aが取付けられることにより、前後に薄型で上下方向に延びる冷気ダクト39が設けられている。
図8及び図9に示すように、断熱キャビネット2の前面開口縁部のうち、左右前縁部(左側壁用断熱パネル26の前縁部及び右側壁用断熱パネル27の前縁部)は、縦補強部材51、51により補強されており、さらに上部前縁から左右前縁にかけては、上部補強部材52により補強されている。なお、この図8及び図9には、図面の煩雑さを避けるため、各部材40〜44及び支持具65の図示を省略している。
前記左右の縦補強部材51は左右対称形であるので、左側の縦補強部材51について説明する。この縦補強部材51は左側壁用断熱パネル26の上下方向長さと略同等の長さに設定されており、その横断面形状は、図11に示すように、外側板部51a、中間板部51b、内側板部51cを有するコ字状をなす。ただし、この縦補強部材51の一部(前仕切部材10、11、13との接合部)においては、図13及び図14に示すように、前記内側板部51cが除去された形態のL字状をなす。
この縦補強部材51は、図10に示すように、左側壁用断熱パネル26の前縁部に上方から(あるいは下方から)挿入配置されている。この左側壁用断熱パネル26の前縁部においては、外板30Bの前部には、コ字状部30bが形成されている。すなわち、このコ字状部30bは、外板30Bの主板部30aよりも若干外側に膨出して真空断熱パネル32と離間し且つ内板31Bよりも前方へ突出する外側膨出部30b1と、この外側膨出部30b1の前端より内向きに屈曲する中間部30b2と、この中間部30b2の内側端より後方へ屈曲するL字状の内側延出部30b3とを有して、略コ字状をなす。
このコ字状部30bの内面に前記縦補強部材51が嵌合する形態で挿入配置されて、接着やねじ止めにより外板30Bと連結されている。又、前記縦補強部材51は前記内板31Bに対して離間しており、もって当該内板31Bに対して非連結状態である。
なお、この図10において、真空断熱パネル32と外側膨出部30b1との間には冷凍サイクルの放熱パイプ53が配設され、また、内板31Bと外板30Bのコ字状部30bとの間にはこの間をシールする合成樹脂製のシール部材54が配設されており、このシール部材54には、断熱キャビネット2前面の結露を防止する防露パイプ55(これは放熱パイプからなる)を固定するパイプホルダ部54aが形成されている。なお、前記放熱パイプ53は図6に示すように左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の後部にも配設されている。又、図10に示すように、この外板30Bの前部30a内には、例えばソフトテープからなる断熱材37、37が挿入配置されている。
前記上部補強部材52は、図8、図9に示すように、中間板部52aとその両端部から直角をなして垂下状態に連結された左板部52bと右板部52cとから構成されており、左右板部52b、52cが前記左側壁用断熱パネル26、右側壁用断熱パネル27の前部に上方から差し込まれて縦補強部材51内面に配置固定され(図11参照)、中間板部52aが天井壁用断熱パネル28の前縁部に配置固定されている。
この場合、比較的重量が重い前記コンプレッサ36が断熱キャビネット2の後部に存在するのに対して、これら縦補強部材51及び上部補強部材52は断熱キャビネット2の前部に存在し、もって、これら縦補強部材51及び上部補強部材52が断熱キャビネット2における前後の重量の均等化に寄与している。
前記断熱キャビネット2の左側壁用断熱パネル26と前記前仕切部材10の左端部との接合部分には、図12及び図13に示すように、前記ヒンジ部材17bが取り付けられており、又、右側壁用断熱パネル27と前仕切部材10の右端部との接合部分には前記ヒンジ部材18b(図2参照)が取り付けられている。各ヒンジ部材17b、18bの取り付け構成は、左右対称であるので、ヒンジ部材17b部分について説明する。
縦補強部材51は、当該前仕切部材10の左端部との接合部においては、既述したように図10に示した前記内側板部51cが除去された形態のL字状をなす。さらに同じく図10に示した外板30Bの内側延出部30b3も除去された形態とされている。
図13に示すように、前記左側の縦補強部材51裏面と前記前仕切部材10の左端部裏面とにかけて、補強当て部材56が配置固定されており、さらに、前記ヒンジ部材17bが、左側壁用断熱パネル26前面及び前仕切部材10左端部前面にかけて配置固定されている。すなわち、前記ヒンジ部材17bには、例えば3つのねじ挿通孔部17b1、17b2、17b3が形成され、又、外板30Bの中間部30b2にねじ挿通孔部30nが形成され、さらに、縦補強部材51の中間板部51bにもねじ挿通孔部51b1が形成されている。
さらに前記補強当て部材56には、3つのねじ螺合孔部(これは雌ねじ部、タッピング用孔部を含む)56a〜56cが形成されていると共に、皿状の凹み部56dが形成され、この凹み部56dの底部にねじ挿通孔部56eが形成されている。さらに前記前仕切部材10にはねじ挿通孔部10a、10bが形成されている。
そして、前記補強当て部材56が縦補強部材51及び前仕切部材10の裏側に配置されると共に、ヒンジ部材17bが外板30Bの中間部30b2の前面及び前仕切部材10の前面に配置される。その状態で、ヒンジ部材17bのねじ挿通孔部17b1、外板30Bのねじ挿通孔部30n及び縦補強部材51のねじ挿通孔部51b1を通したねじ57aを補強当て部材56のねじ螺合孔部56aにねじ締めする。これと共に、ヒンジ部材17bのねじ挿通孔部17b2、前仕切部材10のねじ挿通孔部10aを通したねじ57bを補強当て部材56のねじ螺合孔部56bにねじ締めする。そして、ヒンジ部材17bのねじ挿通孔部17b3、前仕切部材10のねじ挿通孔部10bを通したねじ57cを補強当て部材56のねじ螺合孔部56cにねじ締めする。
このように、前記左側壁用断熱パネル26に設けられるところのヒンジ部材17bは、その一部が前記縦補強部材51に締結されている。この場合、このヒンジ部材17bは、その一部が前記補強当て部材56を介して前記縦補強部材51に締結されている。このヒンジ部材17bは前仕切部材10と左側壁用断熱パネル26との接合部分に配置固定されている。なお、前記ヒンジ部材18bも、同様にして前記仕切部材10の右端部と右側壁用断熱パネル27との接合部分に配置固定されている。
又、上述したように、前仕切部材10は、その両端部が左右一対の補強当て部材56(右の補強当て部材56は図示せず)に連結されていて、結果的に外板30B、30Cに連結されており、この前仕切部材10によって左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の前部が拡開変形することを防止できる。なお、上側のヒンジ部材17a及び18aは、断熱キャビネット2における天井壁用断熱パネル28の上部補強部材52の左右のコーナー部にねじ固定されている。
前仕切部材10の裏側には、合成樹脂製の仕切裏カバー58が設けられている。すなわち、この仕切裏カバー58は、前仕切部材10の取り付け前において、予め前記補強当て部材56のねじ挿通孔部56eに通したねじ(皿ねじ)59により当該補強当て部材56を介して前仕切部材10に固定されている。そして、この仕切裏カバー58は、この前仕切部材10の裏側を覆っている。この仕切裏カバー58の後方部に前記冷蔵室底板8が配置されている。この仕切裏カバー58は、左側壁用断熱パネル26の内板31Bと右側壁用断熱パネル27の内板31Cとのいずれとも非連結状態とし、且つ、内板31B、内板31Cのうち少なくともいずれかの内板との間に隙間ができる寸法に形成されている。
次に、前仕切部材11と左側壁用断熱パネル26との接合部分、前仕切部材11と右側壁用断熱パネル27との接合部分とについて説明するが、両部分は左右対称形であるので、前仕切部材11と左側壁用断熱パネル26との接合部分について、図14及び図15を参照して説明する。すなわち、縦補強部材51は、当該前仕切部材11との接合部においては、既述したように図10に示した前記内側板部51cが切除されたL字状をなす。さらに外板30Bの図10に示した内側延出部30b3も切除されている。そして、縦補強部材51と補強当て部材61とにより前仕切部材11が取り付けられている。
すなわち、図14に示すように、外板30Bの中間部30b2には、ねじ挿通孔部30mが形成され、さらに、縦補強部材51の中間板部51bにもねじ挿通孔部51b2が形成されている。また、前記補強当て部材61は前記補強当て部材56と同じ構成であり、3つのねじ螺合孔部61a〜61cが形成されていると共に、皿状の凹み部61dが形成され、この凹み部61dの底部にねじ挿通孔部61eが形成されている。さらに前記前仕切部材11にはねじ挿通孔部11a、11bが形成されている。
そして、前記補強当て部材61を縦補強部材51及び前仕切部材11の裏側に配置し、外板30Bのねじ挿通孔部30m及び縦補強部材51のねじ挿通孔部51b2を通したねじ62aを補強当て部材61のねじ螺合孔部61aにねじ締めし、前仕切部材11のねじ挿通孔部11aを通したねじ62bを補強当て部材61のねじ螺合孔部61bにねじ締めし、そして、前仕切部材11のねじ挿通孔部11bを通したねじ62cを補強当て部材61のねじ螺合孔部61cにねじ締めする。
又、上述したように、前仕切部材11は、その両端部が左右一対の補強当て部材61(右の補強当て部材61は図示せず)に連結されていて、結果的に外板30B、30Cに連結されており、この前仕切部材10によって左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の前部が拡開変形することを防止できる。
前仕切部材11の裏側には、合成樹脂製の仕切裏カバー63が設けられている。すなわち、この仕切裏カバー63は、前仕切部材11の取り付け前において、予め前記補強当て部材61のねじ挿通孔部61eに通したねじ(皿ねじ)64により当該補強当て部材61を介して前仕切部材11に固定されている。そして、この仕切裏カバー63は、この前仕切部材11の裏側を覆っている。この仕切裏カバー63の後方部に前記断熱仕切壁9が配置されている。
さらに、前記仕切裏カバー63は、左側壁用断熱パネル26に設けられた支持具65により支持されている。この支持具65は、突出部65aと、この突出部65aから上下方向に延出する延出部65b、65cとを有する。そして、この支持具65は、左側壁用断熱パネル26の組み立て前に、その突出部65aが内板31Bの孔部31kに裏側から挿入されて表側に突出され、延出部65b、65cが内板31B裏面に接着されている。左側壁用断熱パネル26の組み立て完成状態では、この延出部65b、65cは真空断熱パネル32にも接着され、内板31Bと真空断熱パネル32とで挟持されている。前記突出部65aには、ねじ挿通孔部65dが形成されており、このねじ挿通孔部65dは、左右方向に若干長い長孔状に形成されている。
一方、図15に示すように、前記仕切裏カバー63の下部には、固定具65により支持される被支持部63aが凹んで形成されている。そして、この被支持部63aにはねじ螺合孔部63bが形成されている。又、この仕切裏カバー63は、左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27との間には予め隙間Gが存するように、その左右長さ寸法が設定されている。
つまり、左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27は、製造時において、断熱キャビネット2は外側幅寸法Hs(図6参照)を順守するように組み立てられるものである。そうすると、左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の厚み寸法にばらつきが発生すると、内側幅寸法Huにばらつきが発生する。このばらつきを予め見越しても隙間Gが出る長さに設定されている。ただし、この隙間Gは僅かであり、仮に左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27が、冷却時において内外側部の熱収縮率の差によって湾曲しようとした場合でも、大きな湾曲を阻止できる程度に設定している。この隙間Gには、ソフトテープなどの断熱材を詰めても良い。
そして、前記仕切裏カバー63は、その下部が前記支持具65により支持されて、ねじ挿通孔部65dに通したねじ66をねじ螺合孔部63bにねじ止めすることにより、当該支持具65により支持固定されている。
ここで、左側壁用断熱パネル26に設けられた前記棚受部材40と、冷蔵室底板用取付部材41と、第1のレール用取付部材42と、仕切壁用取付部材43と、第2のレール用取付部材44について説明する。前記棚受部材40は、図16、図17に示すように、例えば金属板により形成されたもので、複数例えば上方で左右対をなす突出部40aと、下方で左右対をなす突出部40bと、これら突出部40aと、突出部40bとを繋ぐと共に上下方向へ延出する延出部40cとを有して構成されている。前記突出部40a、40bは、鉤状をなす。
そして内板31Bには、孔部31a、31bが上下に離れて形成されており、左側壁用断熱パネル26の組み立て前において、内板31Bの裏面(冷蔵庫の庫内の面を表面としたときの裏面)から、前記突出部40a、40bを孔部31a、31bに挿入して内板31B表側へ突出させ、延出部40cを内板31B裏面の孔部31a、31b周辺部に接着している。そして、この延出部40c及び内板31Bの一体物(図5参照)の裏面と真空断熱パネル32とを接着している。この左側壁用断熱パネル26の組み立て完成状態では、この延出部40cは内板31Bと真空断熱パネル32とで挟持されている(図16参照)。この場合、図示しない棚が上記棚受部材40の鉤状の突出部40a、40bに載せられるものである。
前記冷蔵室底板用取付部材41は、補強部材取付部を兼用するものであり、図2、図3に示すように、冷蔵室3と野菜室4との間を上下に仕切る冷蔵室底板8(板部材に相当)の下側となる部位に位置させて設けられている。図18、図19に示すように、この冷蔵室底板用取付部材41は、例えば金属板から全体として前後方向に延びる長尺状に形成されている。そして、突出部としての略水平向き状態の突出部41aと、この突出部41aから垂下状に延出された延出部41bとを有し、さらにこの延出部41bの下端部に略水平に張り出す係合部41cとを有して構成されている。前記突出部41aと延出部41bとはL字状に連続しており、この冷蔵室底板用取付部材41は全体として断面コ字状をなす。
突出部41aには、長尺方向に沿う(前後方向に延びる)複数のスリット状の連結用孔部である配置孔部41dが形成されていると共に、左右方向に長い長孔からなる連結用孔部であるねじ挿通孔部41eが形成されている。又、図18に示すように、内板31Bには、前記突出部41aを内板31B裏側から挿入するためのスリット状の孔部31dと、前記係合部41cを同じく内板31B裏側から挿入するためのスリット状の孔部31eが形成されている。
この冷蔵室底板用取付部材41は、その突出部41a及び係合部41cが、左側壁用断熱パネル26の組み立て前における内板31Bの前記孔部31d、31eに裏側から挿入されて表側に突出され、延出部41bが内板31B裏面に接着されている。左側壁用断熱パネル26の組み立て完成状態では、この延出部41bは内板31Bと真空断熱パネル32とで挟持されている。上記係合部41cと前記孔部31eとの係合により取付強度が向上する。
このように構成された冷蔵室底板用取付部材41は、左右の内板31B、31Cに対向して一対設けられており、これら冷蔵室底板用取付部材41、41に橋架状補強部材71の一端部及び他端部が連結されている。すなわち、この橋架状補強部材71は、例えば、金属板から細長い棒状に形成されており、橋架状補強部材71の一端部及び他端部が、これら冷蔵室底板用取付部材41、41の中央部分のねじ挿通孔部41eに下方から通したねじ72により、ねじ止めされて連結されている。この場合、ねじ挿通孔部41eが左右方向に長孔であるから、橋架状補強部材71が左右の冷蔵室底板用取付部材41に対して連結位置調整可能であり、左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の厚みにばらつきがあっても、橋架状補強部材71を左右の冷蔵室底板用取付部材41に良好に取り付けることが可能となる。
前記冷蔵室底板用取付部材41の配置孔部41dに、前記冷蔵室底板8の係合突起(図示せず)が上方から係合されて配置固定されている。この場合、比較的重量が重い前記コンプレッサ36が断熱キャビネット2の後部に存在するのに対して、この橋架状補強部材71は断熱キャビネット2の前部に存在し、もって、この橋架状補強部材71が断熱キャビネット2における前後の重量の均等化に寄与している。
さて、前記第1のレール用取付部材42及び前記レール機構24について、図20〜図23を参照して説明する。図2〜図5に示すように、前記第1のレール用取付部材42は、野菜室4に対応する部位に位置させて前後に設けられている。尚、ここでは、左側壁用断熱パネル26に設けられる第1のレール用取付部材42について説明するが、右側壁用断熱パネル27にも第1のレール用取付部材42が左右対称的に設けられている。レール機構24についても同様に、左右対称的に設けられる。
図20、図21に示すように、この第1のレール用取付部材42は、例えば金属板からなり、ほぼ円筒形(椀に近い円筒形)の突出部42aと、この突出部42aの一端から周囲に延びる延出部42bとを有する構成である。さらに、延出部42bの上部中央1箇所に上向きにL字状をなす係合部42cが形成され、又下部左右2箇所に、庫内に突出する形態の係合部42dが形成されている。なお、突出部42aにはねじ螺合孔部42eを有する。
そして内板31Bには、前記突出部42aを挿入し突出させるための孔部31fが形成されていると共に、この孔部31fの上方1箇所に係合孔部31gが形成され、下方2箇所に係合孔部31hが形成されている。前記第1のレール用取付部材42を内板31Bに取り付けるについては、左側壁用断熱パネル26の組み立て前において、内板31Bの裏面から、前記突出部42aを前記孔部31fに挿入して内板31B表側へ突出させ、上方の係合孔部31gに上方の係合部42cを挿入係合させ、下方の係合孔部31hに下方の係合部42dを挿入係合させ、そして、延出部42bを内板31Bの裏面に接着している。左側壁用断熱パネル26の組み立て完成状態では、この延出部42bは、真空断熱パネル32にも接着されており、もって、内板31Bと真空断熱パネル32とで挟持されている。
前記二つの第1のレール用取付部材42の突出部42aのねじ螺合孔部42eには、図21に示すように、前記レール機構24を構成する前後に延びる固定レール45がねじ止めされる。図21及び図22(a)に示すように、前記レール機構24は、いわゆるダブルレール方式とされ、前記第1のレール用取付部材42に取付けられる固定レール45、前記貯蔵容器14を支持する可動レール46、それら固定レール45と可動レール46との間に設けられる中間レール47を、左右対称的に備えている。
図21に示すように、前記固定レール45は、庫内を向く内面側に、前後方向に延び中間レール47をガイドするためのガイド凹部45aを有していると共に、前後両端部に、中間レール47の前後方向の移動範囲を規制するための図示しないストッパが設けられている。前記中間レール47は、固定レール45の内側(庫内側)に位置しやはり前後方向に延びている。この中間レール47の上部には、前後方向に延び可動レール46をガイドするためのガイド凹部47aを有していると共に、前記固定レール45のガイド凹部45aに沿って転動するローラ(滑車)48を備えている。更に、前記可動レール46の前後方向の移動範囲を規制するための図示しない係止部が設けられている。
前記可動レール46は、板面を左右方向に向けた状態で前後方向に延びる板状をなし、その上部には、前記中間レール47のガイド凹部47aに沿って転動するローラ(滑車)49が設けられている。このように、中間レール47は、固定レール45に対して前後方向に移動可能に支持され、可動レール46は中間レール47に対して前後方向に移動可能に支持されている。このときの移動は、弱い力でスムーズに行われる。また、このとき、ストッパや係止部によって、中間レール47及び可動レール46の移動範囲(引出し量)が規制されている。
図22(a)に概略的に示すように、左右一対の可動レール46、46は、前端部が扉19の後面に夫々連結され、後端部同士が、左右方向に延びる連結部50aにより接続されている。これにて、可動レール46、46と連結部50aとから、全体として平面コ字状をなす支持枠50が構成される。図23に示すように、貯蔵容器14は、上端の両側部に外側に突出する引掛け部23aを有しており、支持枠50内に上方から嵌込まれるようにして、支持枠50(可動レール46、46)に下方への抜止め状態に支持されるようになっている。
尚、図22(a)に示すように、前記レール機構24を構成する固定レール45、中間レール47、可動レール46は、前記断熱部材23の幅寸法a内に配置されるようになっている。また、前記貯蔵容器14は、その左右の端部が前記可動レール46、46に支持されているため、貯蔵容器14の左右の端部は、前記断熱部材23の幅寸法a内に配置されている。
上記したレール機構24においては、野菜室4に対する貯蔵容器14の収納状態(扉19の閉塞状態)では、図21に示すように、固定レール45、中間レール47、可動レール46の3者が左右方向に重なるように配置される。このとき、これらレール45〜47は、前後方向に比較的コンパクトに配置され、中間レール47や可動レール46が、固定レール45の後端部よりも後方に突出することはない。
この状態から、扉19を前方に引出し操作すると、支持枠50(可動レール46,46)に支持された貯蔵容器14が、レール機構24によってスムーズに案内されながら前方に引出される。図22(a)に示すように、扉19を一杯まで引出すことにより、貯蔵容器14全体を断熱キャビネット2から引出す(野菜室4の開口部よりも前方に位置させる)ことができる。扉19を押込むことにより、レール機構24により貯蔵容器14をスムーズに後方に案内させながら、野菜室4内に収納させることができる。
この場合、野菜室4の左右の側壁部の奥部に断熱部材23が設けられ、レール機構24の前後方向の配置スペースがその分小さくなる事情があっても、ダブルレール方式のレール機構24を採用したことにより、レール機構24を前後方向にコンパクトに配置しながら、前後方向の移動ストロークを大きくして、貯蔵容器14の十分な引出し量を確保することができる。
ちなみに、図22(b)には、比較のための参考例として、いわゆるシングルレール方式のレール機構67を採用した場合を図示している。このレール機構67は、内板(側壁部)31B、31Cに固定的に取付けられる固定レール68と、この固定レール68に対して前後方向に移動可能に支持され、貯蔵容器14を支持する可動レール69とを備えて構成される。ところが、図22(a)の本実施形態と比較すれば明らかなように、このレール機構67では、前後方向の移動ストロークが小さく、貯蔵容器14の十分な引出し量が得られなくなってしまうことが理解できる。
前記第2のレール用取付部材44は、冷凍室7に対応する部位に位置させて前後に位置して設けられている。この第2のレール用取付部材44は、前記第1のレール用取付部材42と、同等の構成であって、内板31Bに同様にして取付けられている。そして、図示はしないが、第2のレール用取付部材44には、上記と同様のダブルレール方式のレール機構24(固定レール45)が支持されており、扉22の背面側の収納容器を前後方向に案内するようになっている。
前記仕切壁用取付部材43は、補強部材取付部を兼用するものであり、前記断熱仕切壁9が設けられる部位の近傍であるこの場合下側に位置させて、前後方向に延びる形態に設けられている。この仕切壁用取付部材43について、図24、図25を参照して説明する。この仕切壁用取付部材43は、前記冷蔵室底板用取付部材41と同等の構成としている。すなわち、この仕切壁用取付部材43は、例えば金属板から全体として前後方向に延びる長尺状に形成されており、突出部としての突出部43aと、この突出部43aから垂下状に延出された延出部43bとを有し、さらに延出部43bの下端部に係合部43cを有して構成されている。上記突出部43aと延出部43bとはL字状に連続している。
突出部43aには、長尺方向に沿う(前後方向に延びる)複数のスリット状の連結用孔部である配置孔部43dが形成されている。又、内板31Bには、前記突出部43aを内板31B裏側から挿入するためのスリット状の孔部31iと、前記係合部43bを同じく内板31B裏側から挿入するためのスリット状の孔部31jが形成されている。
前記仕切壁用取付部材43は、その突出部43a及び係合部43cが、左側壁用断熱パネル26の組み立て前における内板31Bの前記孔部31i、31jに裏側から挿入されて表側に突出され、延出部43bが内板31B裏面に接着されている。左側壁用断熱パネル26の組み立て完成状態では、この延出部43bは、真空断熱パネル32にも接着され、内板31Bと真空断熱パネル32とで挟持されている。上記係合部43cと前記孔部31jとの係合により取付強度が向上する。
そして、図25に示すように前記断熱仕切壁9(これは橋架状補強部材を兼用する)は、外筐部9aの内部に発泡ウレタンなどの断熱材9bを配設して構成されており、外筐部9aの両端部下部に突起部9c(片方のみ図示)が形成されている。この突起部9cが、左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27に夫々取り付けられた仕切壁用取付部材43の配置孔部43dに差し込まれて係合されている。これにより断熱仕切壁9が断熱キャビネット2にその内部を上下に仕切るように配設されている。
この場合、前記断熱仕切壁9の左右長さは、前述したように、前記左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の厚み寸法のばらつきを考慮して、隙間Gが出る長さに設定されている。又、同様の理由で、この断熱仕切壁9の突起部9cの左右幅寸法に対して前記配置孔部43dを左右方向長さをやや大きめに設定している。これにより、断熱仕切壁9も仕切壁用取付部材43に対して連結位置調整可能である。なお、前記隙間Gには適宜ソフトテープなどの断熱材を詰めると良い。
上述した実施形態においては、断熱キャビネット2を、外板30A〜30Eと庫内内面を構成する内板31A〜31Eとの間に真空断熱パネル32を介在させて構成された、背壁用断熱パネル25、左側壁用断熱パネル26、右側壁用断熱パネル27、天井壁用断熱パネル28、底壁用断熱パネル29から構成した。そして、図6に示したように、背壁用断熱パネル25(内板31A)と、左右の側壁用断熱パネル26、27(内板31B,31C)とのなす左右のコーナー部に、各コーナー部を庫内側から覆うように断熱部材23,23を夫々設けた。これにより、断熱キャビネット2の十分な断熱性を確保することができる。
そして、断熱部材23,23を設けたことにより、野菜室4(及び冷凍室9)の左右の内側壁部(内板31B,31C)における、レール機構24を配置可能な前後方向の寸法が、断熱部材23の分だけ小さくなる事情がある。ところが、本実施形態では、固定レール45、可動レール46、中間レール47を含んだダブルレール方式のレール機構24を採用したので、レール機構24の前後方向の寸法が制限されても、貯蔵容器14を出し入れする場合の十分な引出し量(ストローク)を得ることができるものである。
また、本実施形態では、レール機構24を断熱部材23の幅寸法a内に配置し、また、貯蔵容器14の左右の端部も断熱部材23の幅寸法a内に配置するようにした。これにより、レール機構24全体を左右方向にコンパクトに配置し、貯蔵容器14を左右方向に小さくならずに済ませることができるので、野菜室4や冷凍室9内の十分な収納容積を確保することができる。更に、本実施形態では、背壁用断熱パネル25(内板31A)の前面部に、左右の断熱部材23,23間に位置して、前後方向に薄型のダクト39を設けたので、左右の断熱部材23,23間のスペースの有効利用を図ることができる。
図26は、第2の実施形態を示している。この第2の実施形態では、次の点が第1の実施形態と異なる。すなわち、上記第1の実施形態では、左側壁用断熱パネル26と右側壁用断熱パネル27と底壁用断熱パネル29とにおける外板(外板30B、30C、30E)が分割された形態であるが、この第2の実施形態では、上述の外板が一枚の外板85で構成されている。
尚、上記第1の実施形態では、断熱キャビネット2を、後、左右、上下の各壁部(背壁用断熱パネル25、左側壁用断熱パネル26、右側壁用断熱パネル27、天井壁用断熱パネル28、底壁用断熱パネル29)に分割したが、その分割形態は、背壁部と天井壁部とを一つの壁部とし、これに左側壁部、右側壁部を接合する形態としても良いし、その他、適宜分割形態は変更しても良い。この場合、真空断熱パネルも各壁部で一つ(平板状)としても良いし、複数の壁部にわたる形態(L字状とかコ字状)でも良い。
さらに断熱キャビネットの各壁部は、外板と内板との間に、真空断熱パネルと、発泡ウレタン等を適宜配置して構成しても良い。特に左側壁用断熱パネル26及び右側壁用断熱パネル27の壁の厚さとしては、35mm以下とすると断熱性能をキープしながら薄型化について特に有効であり、本実施形態では、真空断熱パネル32が20mm、内板及び外板の合計厚さが1.5mmであって、全体厚さが21.5mmであり、さらに薄型化にとって有効な25mm以下の厚さとなっている。
断熱部材23の形状や構造、材質などについても様々な変更が可能であり、ダブルレール方式のレール機構24の詳細な構造や、各レールの形状などについても、種々の変形が可能である。その他、上記した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、冷蔵庫本体の各室の構成(配置)や、真空断熱パネルの構成(材質)、断熱キャビネット2の各部の補強構造についても、種々の変更が可能である等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
図面中、1は冷蔵庫、2は断熱キャビネット、4は野菜室、7は冷凍室、14は貯蔵容器、19,22は扉、23は断熱部材、24はレール機構、25は背壁用断熱パネル、26は左側壁用断熱パネル、27は右側壁用断熱パネル、28は天井壁用断熱パネル、29は底壁用断熱パネル、30A〜30Eは外板、31A〜31Eは内板、32は真空断熱パネル、39はダクト、45は固定レール、46は可動レール、47は中間レール、50は支持枠を示す。
Claims (3)
- 外箱と、内箱と、これら外箱及び内箱の間に配置される真空断熱パネルとから構成された前面が開口する断熱キャビネットを備えると共に、前記内箱が、少なくとも左右の内側壁部及び背壁部が分割された形態の複数の内板から構成された冷蔵庫であって、
前記内箱のうち、前記背壁部と左右の側壁部とのなす左右のコーナー部には、それら各コーナー部を庫内側から覆う断熱部材が夫々配置されていると共に、
前記内箱の左右の側壁部を構成する内板には、前記断熱部材の前方に位置して、引出し式の貯蔵容器を前後方向に出し入れ可能に案内するレール機構が設けられており、
前記レール機構は、前記各内板に取付けられた固定レールと、前記貯蔵容器を支持する可動レールと、それらの間に設けられる中間レールとを含んだダブルレール方式とされていることを特徴とする冷蔵庫。 - 前記レール機構は、前記断熱部材の幅寸法内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記貯蔵容器の左右の端部は前記断熱部材の幅寸法内に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫。
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