JP2014126074A - 潤滑油供給装置 - Google Patents

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和史 安藤
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Abstract

【課題】差動機構への潤滑油の供給をより適切に行なう。
【解決手段】車載された差動機構への潤滑流量を切り替える切替バルブと、共通の信号圧により切替バルブとライン圧を生成するプライマリレギュレータバルブとを駆動するリニアソレノイドバルブSLTとを備えるものにおいて、左右の車輪の車輪速差ΔVが閾値Vref以上の場合には、切替バルブの潤滑流量が増量するようSLTを駆動制御し(通常潤滑モード)、車輪速差ΔVが閾値Vref未満の場合には、切替バルブの潤滑流量がスロットル開度に対応した流量となるようSLTを駆動制御する。これにより、車輪速差が大きい場合には、差動機構に潤滑油を十分に供給してその焼き付きの発生を防止することができ、車輪速差が小さい場合には差動機構に過剰な潤滑油が供給されないようにすることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、差動機構を介して左右輪に出力される動力により走行する車両に搭載され、前記差動機構に潤滑油を供給する潤滑油供給装置に関する。
従来より、車両の終減速機(差動機構)において、デフケース内の差動歯車を潤滑するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この差動機構では、デフケースの内部と連通する油穴と、デフケースの回転に伴って潤滑油を油穴へ案内する潤滑油ガイド部とが設けられており、潤滑油ガイド部によって潤滑油を油穴に導入することにより、雪道等で車両の片輪がスリップした場合等において、デフケース内に潤滑油を十分に導くことができ、差動歯車の焼き付きの発生を防止することができるとしている。
また、油圧ポンプからの吐出油のうちレギュレータからリークされたリーク油を潤滑対象に供給するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、潤滑対象への供給圧(潤滑圧)を調圧すると共にリーク油をオイルクーラに供給する潤滑圧レギュレータを備えており、この潤滑圧レギュレータを専用の電磁弁によって駆動している。
特開平08−270763号公報 特開2002−81530号公報
このように、左右輪のうち片輪側にスリップが発生した場合等、左右輪に大きな差回転が生じた場合、焼き付きが生じないよう差動機構に十分な潤滑油を供給する必要があるものの、左右輪の差回転が小さい場合には、多量の潤滑油の供給は差動機構が動作する際の抵抗となるから、このことを十分に考慮しなければならない。また、例えば、変速機の作動に用いられる作動油の一部を潤滑油として供給する場合、車両の限られた搭載スペースを考えると、部品点数をできる限り少なくして、装置全体の小型化を図ることが望ましい。
本発明の潤滑油供給装置は、差動機構への潤滑油の供給をより適切に行なうことを主目的とする。
本発明の潤滑油供給装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の潤滑油供給装置は、
差動機構を介して左右輪に出力される動力により走行する車両に搭載され、前記差動機構に潤滑油を供給する潤滑油供給装置であって、
油を圧送するポンプと、
信号圧を出力する信号圧出力バルブと、
前記信号圧出力バルブからの信号圧により作動し、前記ポンプから圧送された油を潤滑油として入力すると共に該入力した潤滑油の流量を切り替えて前記差動機構へ供給する切替バルブと、
前記左右輪の各車輪速を取得すると共に、該取得した各車輪速の車輪速差が所定速度差以上の場合には、前記差動機構へ供給される潤滑油が増量されるよう前記信号圧出力バルブを制御する制御装置と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の潤滑油供給装置では、差動機構を介して左右輪に出力される動力により走行する車両に搭載されて差動機構に潤滑油を供給するものにおいて、ポンプから圧送された油を潤滑油として入力すると共に入力した潤滑油の流量を切り替えて差動機構へ供給する切替バルブと、切替バルブを作動させる信号圧出力バルブと、左右輪の各車輪速の車輪速差が所定速度差以上の場合には、差動機構へ供給される潤滑油が増量されるよう信号圧出力バルブを制御する制御装置とを設ける。これにより、左右輪の車輪速差が大きい場合に、差動機構に十分な潤滑油が供給されるため、差動機構の焼き付きの発生を抑制することができる。また、切替バルブにより潤滑油の流量を切り替えることによって、不要な潤滑油の供給を抑制することができる。これらの結果、差動機構への潤滑油の供給をより適切に行なうことができる。
変速機と前記差動機構とを介して前記左右輪に出力される動力により走行する車両に搭載され、前記変速機の作動に用いられる作動油を前記潤滑油として前記差動機構に供給する態様の本発明の潤滑油供給装置において、前記ポンプからの圧送された油の圧力を調圧して前記変速機を作動させるためのライン圧を生成するライン圧生成バルブを備え、前記信号圧出力バルブは、共通の信号圧によって前記ライン圧生成バルブと前記切替バルブとを作動させるバルブであるものとすることもできる。こうすれば、部品点数を少なくすることができ、装置全体をより小型化することができる。
信号圧出力バルブが共通の信号圧によってライン圧生成バルブと切替バルブとを作動させる態様の本発明の潤滑油供給装置において、前記ライン圧生成バルブは、前記信号圧出力バルブからの信号圧の変化に対して前記ライン圧がリニアに変化する特性を有し、前記切替バルブは、前記信号圧出力バルブからの信号圧の変化に対して潤滑油の流量が段差をもって変化する特性を有するものとすることもできる。こうすれば、ライン圧を過剰に増圧させることなく、差動機構へ供給する潤滑油を増量することができる。
自動車10の構成の概略を示す構成図である。 変速機構40の作動表を示す説明図である。 本発明の一実施例としての油圧制御装置50の構成の概略を示す構成図である。 スロットル開度とリニアソレノイドバルブSLTの信号圧Psltとの関係を示す説明図である。 小潤滑モードと可変モードと通常潤滑モードの各モードにおけるLUBEリレーバルブ80の状態を示す説明図である。 リニアソレノイドバルブSLTの信号圧Psltとデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89へ供給される潤滑油の流量(潤滑流量)との関係を示す説明図である。 ATECU16により実行されるSLT制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の油圧制御装置150の構成の概略を示す構成図である。 変形例の小潤滑モードと可変モードと通常潤滑モードの各モードにおけるLUBEリレーバルブ80の状態を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
図1は自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は変速機構40の作動表を示す説明図である。
自動車10は、図1に示すように、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料の爆発燃焼により動力を出力する内燃機関としてのエンジン12と、エンジン12を運転制御するエンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)15と、エンジン12のクランクシャフト14に接続されると共に左右の車輪19a,19bの車軸18a,18bに接続されてエンジン12からの動力を車軸18a,18bに伝達する自動変速機20と、自動変速機20を制御する自動変速機用電子制御ユニット(ATECU)16と、車両全体をコントロールするメイン電子制御ユニット(メインECU)90と、を備える。なお、メインEUC90には、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサ92からのシフトポジションSPやアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ94からのアクセル開度Acc,ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ96からのブレーキスイッチ信号BSW,車速センサ98からの車速V、左右の車輪19a,19bにそれぞれ取り付けられた車輪速センサ99a,99bからの車輪速Vr,Vlなどが入力ポートを介して入力されている。また、メインECU90は、エンジンECU15やATECU16と通信ポートを介して通信しており、エンジンECU15やATECU16と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
自動変速機20は、図1に示すように、エンジン12のクランクシャフト14に接続された入力側のポンプインペラ32と出力側のタービンランナ33とからなるロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ30と、トルクコンバータ30のタービンランナ33に接続されたインプットシャフト22と車軸18a,18bにギヤ機構26とデファレンシャルギヤ(差動機構)28とを介して接続されたアウトプットシャフト24とを有しインプットシャフト22に入力された動力を変速してアウトプットシャフト24に出力する有段の変速機構40と、トルクコンバータ30および変速機構40を制御すると共に変速機構40やギヤ機構26,デファレンシャルギヤ28へ潤滑油を供給する本発明の潤滑油供給装置としても機能する油圧制御装置50(図3参照)と、を備える。
変速機構40は、6段変速の有段変速機構として構成されており、シングルピニオン式の遊星歯車機構とラビニヨ式の遊星歯車機構と三つのクラッチC1,C2,C3と二つのブレーキB1,B2とワンウェイクラッチF1とを備える。シングルピニオン式の遊星歯車機構は、外歯歯車としてのサンギヤ41と、このサンギヤ41と同心円上に配置された内歯歯車としてのリングギヤ42と、サンギヤ41に噛合すると共にリングギヤ42に噛合する複数のピニオンギヤ43と、複数のピニオンギヤ43を自転かつ公転自在に保持するキャリヤ44とを備え、サンギヤ41はケースに固定されており、リングギヤ42はインプットシャフト22に接続されている。ラビニヨ式の遊星歯車機構は、外歯歯車の二つのサンギヤ46a,46bと、内歯歯車のリングギヤ47と、サンギヤ46aに噛合する複数のショートピニオンギヤ48aと、サンギヤ46bおよび複数のショートピニオンギヤ48aに噛合すると共にリングギヤ47に噛合する複数のロングピニオンギヤ48bと、複数のショートピニオンギヤ48aおよび複数のロングピニオンギヤ48bとを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリヤ49とを備え、サンギヤ46aはクラッチC1を介してシングルピニオン式の遊星歯車機構のキャリヤ44に接続され、サンギヤ46bはクラッチC3を介してキャリヤ44に接続されると共にブレーキB1を介してケースに接続され、リングギヤ47はアウトプットシャフト24に接続され、キャリヤ49はクラッチC2を介してインプットシャフト22に接続されている。また、キャリヤ49は、ワンウェイクラッチF1を介してケースに接続されると共にワンウェイクラッチF1と並列に設けられたブレーキB2を介してケースに接続されている。
変速機構40は、図2に示すように、クラッチC1〜C3のオンオフとブレーキB1,B2のオンオフとの組み合わせにより前進1速〜6速と後進とニュートラルとを切り替えることができるようになっている。後進の状態は、クラッチC3とブレーキB2とをオンとすると共にクラッチC1,C2とブレーキB1とをオフとすることにより形成することができる。また、前進1速の状態は、クラッチC1をオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。この前進1速の状態では、エンジンブレーキ時には、ブレーキB2がオンとされる。前進2速の状態は、クラッチC1とブレーキB1とをオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB2とをオフとすることにより形成することができる。前進3速の状態は、クラッチC1,C3をオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進4速の状態は、クラッチC1,C2をオンとすると共にクラッチC3とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進5速の状態は、クラッチC2,C3をオンとすると共にクラッチC1とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進6速の状態は、クラッチC2とブレーキB1とをオンとすると共にクラッチC1,C3とブレーキB2とをオフとすることにより形成することができる。また、ニュートラルの状態は、クラッチC1〜C3とブレーキB1,B2のすべてをオフとすることにより形成することができる。
トルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ付きの流体式トルクコンバータとして構成されており、図3に示すように、コンバータカバー31を介してエンジン12のクランクシャフト14に接続されるポンプインペラ32と、ポンプインペラ32と対向配置され自動変速機20のインプットシャフト22に接続されるタービンランナ33と、ポンプインペラ32とタービンランナ33との間に配置されタービンランナ33からポンプインペラ32への作動油の流れを整流するステータ34と、ステータ34の回転を一方向に制限するワンウェイクラッチ35と、ポンプインペラ32(コンバータカバー31)とタービンランナ33とを機械的に連結させるロックアップクラッチ37とを備える。このトルクコンバータ30では、エンジントルクをポンプインペラ32により作動油の流れに変換し、この作動油の流れをタービンランナ33により自動変速機20のインプットシャフト22上のトルクに変換することによりトルクの伝達を行なう。この際、ポンプインペラ32とタービンランナ33との回転速度差が大きいときにはステータ34の作用によりトルク増幅機として機能し、ポンプインペラ32とタービンランナ33との回転速度差が小さいときには単なる流体継手として機能する。トルクコンバータ30のコンバータカバー31とポンプインペラ32とにより囲まれるコンバータ油室31aには、内部に作動油を循環させるため、作動油を導入するための循環用入力ポート36aと、作動油を排出するための循環用出力ポート36bとが形成されている。
ロックアップクラッチ37は、図3に示すように、ポンプインペラ32とタービンランナ33とを連結するロックアップとその解除とが可能な多板クラッチとして構成されており、コンバータカバー31に固定されたクラッチハブに摺動自在に支持されたクラッチプレート38aと、タービンランナ33に接続されたクラッチハブに摺動自在に支持されたクラッチプレート38bと、クラッチプレート38a,38bを押圧するようコンバータカバー31内で移動自在に配置されたクラッチピストン39とを備える。クラッチピストン39はその背面側にロックアップ油室39aが区画されており、ロックアップ油室39aに導入される作動油の油圧とコンバータ油室31a内の作動油の油圧との差圧によってクラッチピストン39を移動させることにより、クラッチプレート38a,38bに対して圧縮圧力を作用させてポンプインペラ32とタービンランナ33とを連結するロックアップを行なう。なお、ロックアップ油室39aは、作動油を導入したり作動油を排出したりするためのロックアップ用ポート36cが形成されている。
実施例の油圧制御装置50は、図3に示すように、エンジン12からの動力によりオイルパン51からストレーナ51aを介して作動油を吸引してライン圧用油路L1に圧送する機械式オイルポンプ52と、ライン圧用油路L1の油圧を調圧してライン圧PLを生成すると共にライン圧PLの生成に伴う排圧をセカンダリ圧用油路L2に出力するプライマリレギュレータバルブ53と、セカンダリ圧用油路L2の油圧を調圧してセカンダリ圧Psecを生成すると共にセカンダリ圧Psecの生成に伴う排圧(セカンダリ排圧Pex)をセカンダリ排圧用油路L3に出力するセカンダリレギュレータバルブ54と、ライン圧PLを降圧してモジュレータ圧Pmodを生成するモジュレータバルブ55と、モジュレータバルブ55からのモジュレータ圧Pmodを調圧してプライマリレギュレータバルブ53およびセカンダリレギュレータバルブ54を作動させるための信号圧Psltを生成するリニアソレノイドバルブSLTと、ライン圧用油路L1のライン圧PLからロックアップクラッチ37を係合するための制御圧Pclを生成して出力するロックアップコントロールバルブ60と、トルクコンバータ30に対して給排する作動油の経路を切り替えるロックアップリレーバルブ70と、モジュレータ圧Pmodを調圧してロックアップコントロールバルブ60およびロックアップリレーバルブ70を駆動するための信号圧Psluを生成するリニアソレノイドバルブSLUと、リニアソレノイドバルブSLTからの信号圧Psltによって作動してクーラ(COOLER)88およびデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象(例えば、ベアリング等)89に供給する潤滑油の流量を切り替えるLUBEリレーバルブ80と、を備える。ここで、リニアソレノイドバルブSLTとリニアソレノイドバルブSLUは、ATECU16により制御されている。ATECU16は、詳細には図示しないが、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートなどを備える。このATECU16は、メインECU90と通信しており、互いに制御信号やデータをやり取りしている。
ライン圧PLは、図示しないが、クラッチC1〜C3やブレーキB1,B2を係合するための係合圧として用いられており、係合しているクラッチやブレーキが自動変速機20のインプットシャフト22からの入力トルクをアウトプットシャフト24に伝達可能なトルク容量を持つように調圧される。具体的には、スロットル開度THやインプットシャフト22の入力トルクTin,インプットシャフト22の入力回転速度Nin等に基づいて信号圧Psltを設定し、設定した信号圧Psltでプライマリレギュレータバルブ53が駆動されるようリニアソレノイドバルブSLTを制御することにより行なう。図4に、スロットル開度と信号圧Psltとの関係の一例を示す。信号圧Psltは、図示するように、スロットル開度が大きいほど大きくなるように設定される。なお、プライマリレギュレータバルブ53は、出力圧のフィードバックにより油圧を調圧するコントロールバルブとして構成されており、図示しないが、信号圧Psltの変化に対してライン圧PLがリニアに変化する油圧特性を有する。
ロックアップコントロールバルブ60は、リニアソレノイドバルブSLUからの信号圧Psluにより作動する調圧バルブであり、図3に示すように、各種ポートが形成されたスリーブ62と、対応するポート間の連通と遮断とを行なうスプール64と、スプール64を図中上方向に付勢するスプリング66とを備える。スリーブ62には、各種ポートとして、リニアソレノイドバルブSLUからの信号圧Psluを入力する信号圧入力ポート62aと、ライン圧用油路L1に接続されてライン圧PLを入力する入力ポート62bと、ライン圧PLを調圧して制御圧Pclとして制御圧用油路L4,L5に出力する出力ポート62cと、出力ポート62cの出力圧をスプール64を図中下方向に付勢するフィードバック圧として入力するフィードバックポート62dとが形成されている。信号圧入力ポート62aは、スプール64に形成された外径の異なる2つのランド間に挟まれる位置に形成されている。信号圧入力ポート62aに入力される信号圧は、その2つのランドである図中上方側の大径のランドと図中下方側の小径のランドとの各受圧面の面積差(外径差)により、スプール64を図中上方向に付勢する力として作用する。したがって、スプール64は、スプリング66のバネ力と信号圧入力ポート62aに入力される信号圧Psluとにより図中上方向に付勢され、フィードバックポート62dに入力されるフィードバック圧により図中下方向に付勢される。このロックアップコントロールバルブ60では、スプール64が図中上方向に進むほど、入力ポート62bと出力ポート62cとの間の連通面積を広くして制御圧Pclが高くなるよう調圧する。
制御圧用油路L5には、オリフィス68が形成されており、ロックアップコントロールバルブ60の出力ポート62cからの制御圧Pclはオリフィス68により減圧されてロックアップリレーバルブ70(入力ポート72c)に供給されるようになっている。
ロックアップリレーバルブ70は、リニアソレノイドバルブSLUからの信号圧Psluにより作動して油圧の給排経路を切り替える切替バルブであり、図3に示すように、各種ポートが形成されたスリーブ72と、対応するポート間の連通と遮断とを行なうスプール74と、スプール74を図中上方向に付勢するスプリング76とを備える。スリーブ72には、各種ポートとして、リニアソレノイドバルブSLUからの信号圧Psluを入力する信号圧入力ポート72aと、ロックアップコントロールバルブ60の出力ポート62cに制御圧用油路L4を介して接続され出力ポート62cからの制御圧Pclを入力する入力ポート72bと、ロックアップコントロールバルブ60の出力ポート62cに制御圧用油路L5を介して接続され出力ポート62cから出力された制御圧Pclがオリフィス68により減圧された油圧を入力する入力ポート72cと、セカンダリ圧用油路L2に接続されてセカンダリ圧Psecを入力する入力ポート72dと、セカンダリ排圧用油路L3に接続されてセカンダリ排圧Pexを入力する入力ポート72eと、トルクコンバータ30の循環用入力ポート36aに循環用入力油路L6を介して接続された出力ポート72fと、トルクコンバータ30の循環用出力ポート36bに循環用出力油路L7を介して接続された入力ポート72gと、トルクコンバータ30のロックアップ用ポート36cにロックアップ用油路L8を介して接続された出力ポート72hと、リリーフ弁78が取り付けられたリリーフ用油路L9に接続されたリリーフポート72iと、同じくリリーフ用油路L9に接続されたリリーフポート72jと、リリーフ弁79が取り付けられたリリーフ用油路L10に接続されたリリーフポート72kとが形成されている。リリーフ弁79の後段にはLUBEリレーバルブ80を介してクーラ(COOLER)88が接続され、クーラ88の後段にはデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89への油路が接続されており、リリーフ用油路L10からリリーフ弁79によりリリーフされた作動油はクーラ88により冷却されてデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給されるようになっている。
ロックアップリレーバルブ70は、図3に示すように、リニアソレノイドバルブSLUから信号圧入力ポート72aに信号圧Psluが入力されないときには、スプリング76の付勢力によりスプール74が図中上方向に移動する。これにより、入力ポート72bと出力ポート72hとの連通が遮断し、入力ポート72cと出力ポート72fとの連通が遮断し、入力ポート72dと出力ポート72fとが連通し、入力ポート72eとリリーフポート72kとの連通が遮断し、入力ポート72gとリリーフポート72iとの連通が遮断し、入力ポート72gとリリーフポート72kとが連通し、出力ポート72hとリリーフポート72jとが連通する。したがって、入力ポート72dが接続されたセカンダリ圧用油路L2と出力ポート72fが接続された循環用入力油路L6とが連通すると共に入力ポート72gが接続された循環用出力油路L7とリリーフポート72kが接続されたリリーフ用油路L10とが連通し、出力ポート72hが接続されたロックアップ用油路L8とリリーフポート72jが接続されたリリーフ用油路L9とが連通する。
一方、リニアソレノイドバルブSLUから信号圧入力ポート72aに信号圧Psluが入力されるときには、スプール74にスプリング76の付勢力に打ち勝つ押圧力が作用してスプール74が図中下方向に移動する。これにより、入力ポート72bと出力ポート72hとが連通し、入力ポート72cと出力ポート72fとが連通し、入力ポート72dと出力ポート72fとの連通が遮断し、入力ポート72eとリリーフポート72kとが連通し、入力ポート72gとリリーフポート72iとが連通し、入力ポート72gとリリーフポート72kとの連通が遮断し、出力ポート72hとリリーフポート72jとの連通が遮断する。したがって、入力ポート72bが接続された制御圧用油路L4と出力ポート72hが接続されたロックアップ用油路L8とが連通し、入力ポート72cが接続された制御圧用油路L5と出力ポート72fが接続された循環用入力油路L6とが連通すると共に入力ポート72gが接続された循環用出力油路L7とリリーフポート72iが接続されたリリーフ用油路L9とが連通し、入力ポート72eが接続されたセカンダリ排圧用油路L3とリリーフポート72kが接続されたリリーフ用油路L10とが連通する。
LUBEリレーバルブ80は、クーラ88を介してデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89へ供給する潤滑油の油量を切り替える切替バルブとして構成されており、図3に示すように、各種ポートが形成されたスリーブ82と、対応するポート間の連通と遮断とを行なうスプール84と、スプール84を図中下方向に付勢するスプリング86とを備える。スリーブ82には、各種ポートとして、リニアソレノイドバルブSLTからの出力圧(信号圧Pslt)をスプリング86の付勢力とは逆方向にスプール84を押圧する信号圧として入力する信号圧入力ポート82aと、潤滑用入力油路L11を介してリリーフ弁79の後段に接続されリリーフ弁79からリリーフされた作動油を潤滑油として入力する入力ポート82bと、潤滑用出力油路L12を介してクーラ88に接続された出力ポート82cと、ドレンポート82dとが形成されている。入力ポート82bは、出力ポート82cとドレンポート82dとの間に配置されており、スプール84の二つのランド84a,84b間に挟まれた油室と常時連通している。LUBEリレーバルブ80は、スプール84を移動させることで二つのランド84a,84b間に挟まれた油室を出力ポート82cとドレンポート82dのいずれか又は両方と連通させることにより、入力ポート82bに入力される潤滑油の流量を調節して出力ポート82cから出力できるようになっている。
潤滑用入力油路L11と潤滑用出力油路L12には、LUBEリレーバルブ80をバイパスするバイパス油路L13が接続されており、バイパス油路L13にはオリフィス87が形成されている。バイパス油路L13は、実施例では、互いに並列の2本の油路により構成されており、それぞれの油路にオリフィスが形成されている。なお、バイパス油路L13の本数は、2本に限られず1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
次に、こうして構成された実施例の油圧制御装置50の動作について説明する。まず、ロックアップクラッチ37を解放する際の動作について説明する。ロックアップクラッチ37の解放は、リニアソレノイドバルブSLUをオフとしてロックアップリレーバルブ70のスプール72を図3中の上方向に移動させることにより行なうことができる。この状態では、前述したように、セカンダリ圧用油路L2と循環用入力油路L6とが連通すると共に循環用出力油路L7とリリーフ用油路L10とが連通するから、セカンダリ圧Psecが循環圧として循環用入力油路L6を介してトルクコンバータ30のコンバータ油室31aに供給されると共にコンバータ油室31aから循環用出力油路L7,リリーフ用油路L10を介してリリーフ弁79に送られる。そして、リリーフ弁79でリリーフされた作動油は、潤滑油としてLUBEリレーバルブ80およびバイパス油路L13を介してクーラ88に供給され、クーラ88で冷却されてからデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給される。即ち、ロックアップクラッチ37の解放時には、セカンダリ圧Psecを循環圧としてコンバータ油室31aに供給し、コンバータ油室31aを通過した後の作動油を潤滑油としてデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給するのである。なお、ロックアップ用油路L8はリリーフ用油路L9と連通するから、ロックアップ油室39a内の作動油はロックアップ用油路L8,リリーフ用油路L9を介してリリーフ弁78に送られ、リリーフ弁78によりドレンされる。
次に、ロックアップクラッチ37を係合する際の動作について説明する。ロックアップクラッチ37の係合は、リニアソレノイドバルブSLUをオンとしてロックアップリレーバルブ70のスプール72を図3中の下方向に移動させ且つロックアップ油室39aの油圧とコンバータ油室31aの油圧との差圧が目標油圧となるようにリニアソレノイドバルブSLUから出力する信号圧Psluを調節してロックアップコントロールバルブ60を制御することにより行なう。この状態では、前述したように、制御圧用油路L4とロックアップ用油路L8とが連通し、制御圧用油路L5と循環用入力油路L6とが連通すると共に循環用出力油路L7とリリーフ用油路L9とが連通するから、ロックアップコントロールバルブ60の出力ポート62cから出力された制御圧Pclがロックアップクラッチ37を係合するための係合圧として制御圧用油路L4,ロックアップ用油路L8を介してロックアップ油室39aに供給され、ロックアップコントロールバルブ60の出力ポート62cから出力されオリフィス68で減圧された油圧が循環圧として制御圧用油路L5,潤滑用入力油路L6を介してコンバータ油室31aに供給されると共にコンバータ油室31aを通過した作動油が循環用出力油路L7,リリーフ用油路L9,リリーフ弁78を介してドレンされる。即ち、ロックアップ油室39aには制御圧Pclが作用し、コンバータ油室31aには制御圧Pclをオリフィス70で減圧したものが作用するから、ロックアップ油室39aとコンバータ油室31aとの間で油圧の差圧が生じ、ロックアップクラッチ37が係合する。この差圧は、制御圧Pclが高いほど大きくなり、制御圧Pclが低いほど小さくなるから、ロックアップコントロールバルブ60で制御圧Pclを調圧することによりロックアップクラッチ37の係合圧を制御することができる。また、ロックアップクラッチ37の係合時には、セカンダリ排圧用油路L3とリリーフ用油路L10とが連通するから、セカンダリ排圧Pexにより圧送される作動油がセカンダリ排圧用油路L3,リリーフ用油路L10を介してリリーフ弁79に送られる。そして、リリーフ弁79でリリーフされた作動油は、潤滑油としてLUBEリレーバルブ80およびバイパス油路L13を介してクーラ88に供給され、クーラ88で冷却されてからデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給される。即ち、ロックアップクラッチ37の係合時には、セカンダリ排圧Pexにより圧送される作動油を潤滑油としてデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給するのである。
ここで、LUBEリレーバルブ80は、信号圧Psltに応じて小潤滑モードと可変モードと通常潤滑モードの3つのモードを切り替えて動作する。図5に小潤滑モードと可変モードと通常潤滑モードの各モードにおけるLUBEリレーバルブ80の状態を示す。図示するように、小潤滑モードは、出力ポート82cが完全に閉塞して入力ポート82bがドレンポート82dと連通するモードであり(図5(a)参照)、デファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89へはバイパス油路L13からの潤滑油のみが供給される。可変モードは、入力ポート82bが出力ポート82cとドレンポート82dの両方に連通するモードであり(図5(b)参照)、デファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89へはバイパス油路L13からの潤滑油とLUBEリレーバルブ80から一部ドレンされて流量が調節された潤滑油とが供給される。通常潤滑モードは、ドレンポート82dが完全に閉塞して入力ポート82bとドレンポート82dとが連通するモードであり(図5(c)参照)、デファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89へはバイパス油路L13からの潤滑油とLUBEリレーバルブ80からの潤滑油とが供給される。図6に、リニアソレノイドバルブSLTの信号圧Psltとデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89へ供給される潤滑油の流量(潤滑流量)との関係を示す。なお、図6中の一点鎖線はデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89の耐久性を確保するために必要な必要潤滑流量を示す。図示するように、小潤滑モードは信号圧Psltが低圧時に使用され、可変モードは信号圧Psltが中圧時に使用され、通常潤滑モードは信号圧Psltが高圧時に使用されるが、いずれもモードも潤滑流量が必要潤滑流量以上となるよう設定されている。実施例では、LUBEリレーバルブ80をリニアソレノイドバルブSLTの信号圧Psltによって動作するフィードバックポートのない切替バルブとして構成することにより、可変モードにおける信号圧Psltの変化に対する潤滑流量の変化を急峻とし、小潤滑モードにおける潤滑流量を必要潤滑流量付近まで低減させるものとした。これは、信号圧Psltが図4に示すようにスロットル開度が小さいほど小さくなるから、スロットル開度が大きい領域における潤滑油量を確保しつつスロットル開度が小さい領域における潤滑流量を必要潤滑流量付近にまで低下させるものと言える。これにより、過剰な潤滑油の供給を抑制して潤滑流量の適正化を図ることができ、自動変速機20の損失を低減させて燃費をより向上させることができる。
次に、左右の車輪19a,19bに回転速度差が生じた場合におけるLUBEリレーバルブ80(リニアソレノイドバルブSLT)の動作について説明する。図7は、ATECU16により実行されるSLT制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。SLT制御ルーチンが実行されると、ATECU16のCPUは、まず、スロットル開度THと入力トルクTinと入力回転速度Ninとを入力し(ステップS100)、入力したスロットル開度THと入力トルクTinと入力回転速度Ninとに基づいてリニアソレノイドバルブSLTの信号圧Psltを設定する(ステップS110)。ステップS100の処理では、例えば、スロットル開度THはエンジンECU12から通信によって入力することができ、入力トルクTinはインプットシャフト22に取り付けられた図示しないトルクセンサから入力することができ、入力回転速度Ninはインプットシャフト22に取り付けられた図示しない回転速度センサから入力することができる。なお、実施例では、スロットル開度THと入力トルクTinと入力回転速度Ninとに基づいて信号圧Psltを設定するものとしたが、これらのうち一部を省略するものとしてもよい。続いて、車輪速センサ99a,99bからの左右の車輪19a,19bの車輪速Vr,VlをメインECU90から通信により入力し(ステップS120)、入力した右側の車輪19aの車輪速Vrから左側の車輪19bを車輪速Vlを減じてその絶対値をとることにより車輪速差ΔVを演算し(ステップS130)、演算した車輪速差ΔVが閾値Vref以上か否かを判定する(ステップS140)。ここで、閾値Vrefは、デファレンシャルギヤ28の焼き付きを防止するために潤滑油の増量が必要となる車輪速差であり、例えば、左右の車輪19a,19bのうち片輪にスリップが発生したと判断される車輪速として定められている。車輪速差ΔVが閾値Vref以上と判定すると、ステップS110で設定した信号圧Psltが所定圧Pset未満であるか否かを判定する(ステップS150)。ここで、所定圧Psetは、本実施例では、通常潤滑モードを形成可能な信号圧Psltのうち最も低い信号圧として定めるものとした。車輪速差ΔVが閾値Vref以上であり且つステップS110で設定した信号圧Psltが所定圧Pset未満であると判定すると、信号圧Psltを所定圧Psetに再設定し(ステップS160)、再設定した信号圧Psltに基づいてリニアソレノイドバルブSLTを駆動制御して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。一方、車輪速差ΔVが閾値Vref未満と判定したり、ステップS110で設定した信号圧Psltが所定圧Pset以上と判定したりすると、ステップS110で設定した信号圧Psltに基づいてリニアソレノイドバルブSLTを駆動制御して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。このように、車輪速差ΔVが閾値Vref以上のときには、スロットル開度TH等が小さい場合であっても、LUBEリレーバルブ80の動作モードを通常潤滑モードとするのである。これにより、デファレンシャルギヤ28に十分な潤滑油を供給することができるから、デファレンシャルギヤ28の焼き付きの発生を防止することができる。
以上説明した実施例の潤滑油供給装置によれば、左右の車輪19a,19bの車輪速差ΔVが閾値Vref以上の場合には、LUBEリレーバルブ80の動作モードを通常潤滑モードとして潤滑流量が増量するようリニアソレノイドバルブSLTを駆動制御するから、デファレンシャルギヤ28に潤滑油を十分に供給することができ、デファレンシャルギヤ28の焼き付きの発生を防止することができる。もとより、車輪速差ΔVが閾値Vref未満の場合には、スロットル開度THや入力トルクTin,入力回転速度Ninに基づいてLUBEリレーバルブ80の潤滑流量を設定するから、デファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に過剰な潤滑油が供給されないようにすることができる。これらの結果、デファレンシャルギヤ28への潤滑油の供給をより適切に行なうことができる。しかも、単一のリニアソレノイドバルブSLTにおける共通の信号圧Psltを用いて、LUBEリレーバルブ80とライン圧PLを生成するプライマリレギュレータバルブ53の両方を作動させるから、部品点数を減少させて、装置の小型化を図ることができる。また、プライマリレギュレータバルブ53をフィードバックポートのあるコントロールバルブとして構成することにより信号圧Psltの変化に対してライン圧PLがリニアに変化する特性を有するものとする一方で、LUBEリレーバルブ80をフィードバックポートのない切替バルブとして構成することにより信号圧Psltの変化に対して潤滑流量の変化が急峻となる特性を有するものとしているから、可変モード付近において信号圧Psltを増圧することにより、ライン圧PLを過剰に増圧させることなく、潤滑流量を増量させることができる。
実施例の潤滑油供給装置では、車輪速差ΔVが閾値Vref以上の場合に、リニアソレノイドバルブSLTの信号圧を、通常潤滑モードを形成する信号圧のうち最も低い所定圧Psetとするものとしたが、これに限定されるものではなく、デファレンシャルギヤ28の焼き付きを防止することができる程度の流量で潤滑油を供給することができれば、所定圧Psetよりも若干高い通常潤滑モード内の信号圧とするものとしてもよいし、所定圧Psetよりも若干低い可変モード内の信号圧とするものとしてもよい。
実施例の潤滑油供給装置では、LUBEリレーバルブ80を信号圧Psltの変化に対して潤滑流量の変化が急峻となる特性を有する切替バルブとして構成するものとしたが、これに限定されるものではなく、信号圧Psltの変化に対して潤滑流量がリニアに変化する特性を有するコントロールバルブとして構成するものとしてもよい。また、実施例では、単一のリニアソレノイドバルブSLTからの共通の信号圧Psltを用いてプライマリレギュレータバルブ53とLUBEリレーバルブ80の両方を作動させるものとしたが、それぞれ別個の信号圧生成バルブからの信号圧を用いるものとしてもよい。
実施例では、LUBEリレーバルブ80をバイパスして潤滑油をデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給するバイパス油路L13を設けるものとしたが、バイパス油路L13を設けないものとしてもよい。
実施例では、LUBEリレーバルブ80やバイパス油路L13から出力される潤滑油をクーラ88を介してデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給するものとしたが、クーラ88を介さずに直接にデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給するものとしてもよい。
実施例では、ロックアップクラッチ37を多板クラッチとして構成するものとしたが、単板クラッチとして構成するものとしてもよい。この場合の変形例の油圧制御装置150を図8に示す。なお、変形例の油圧制御装置150の各構成のうち実施例の油圧制御装置50と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は重複するから省略する。変形例のトルクコンバータ130は、単板のクラッチプレート138と、コンバータカバー31の内壁にクラッチプレート138を押し当ててロックアップオンするクラッチピストン139と、を有するロックアップクラッチ137を備えており、ロックアップオフ用油路L7Bに接続されたロックアップオフ用ポート136aと、ロックアップオン用油路L8Bに接続されたロックアップオン用ポート136bとが形成されている。コンバータカバー31とクラッチピストン139との間にはロックアップオフ室139aが画成されており、このロックアップオフ室139aにロックアップオフ用ポート136aが連通していいる。また、ロックアップコントロールバルブ160のスリーブ162には、信号圧Psluが入力される信号圧入力ポート162aの他に、セカンダリ圧用油路L2に接続された入力ポート162bと、制御圧用油路L5Bに接続された出力ポート162cと、ロックアップオン用油路L8Bに接続されたフィードバックポート162dとが形成されている。ロックアップコントロールバルブ160のスプール164は、信号圧入力ポート162aに入力される信号圧Psluにより図中上方向に付勢されると共にスプリング166のバネ力とフィードバックポート162dに入力されるフィードバック圧とにより図中下方向に付勢されており、スプール164が図中上方向に進むほど、入力ポート162bと出力ポート162cとの間の連通面積を狭くして制御圧Pclが低くなるよう調圧する。また、ロックアップリレーバルブ170のスリーブ172には、信号圧Psluが入力される信号圧入力ポート72aやセカンダリ圧Psecが入力される入力ポート72d,セカンダリ排圧Pexが入力される入力ポート72e,リリーフ用油路L10に接続されたリリーフポート72jの他に、制御圧用油路L5Bに接続された入力ポート172cと、ロックアップオフ用油路L7Bに接続された入出力ポート172gと、ロックアップオン用油路L8Bに接続された入出力ポート172hと、セカンダリ圧用油路L2に接続された入力ポート172iとが形成されている。ロックアップリレーバルブ170は、信号圧入力ポート72aに信号圧Psluが入力されないとき即ちロックアップオフ時には、入力ポート172cと入出力ポート172gとの連通が遮断し、入力ポート72dと入出力ポート172gとが連通し、入力ポート172iと入出力ポート172hとの連通が遮断し、入力ポート72eとリリーフポート72jとの連通が遮断し、入出力ポート172hとリリーフポート72jとが連通する。したがって、セカンダリ圧用油路L2とロックアップオフ用油路L7Bとが連通すると共にロックアップオン用油路L8Bとリリーフ用油路L10とが連通するから、セカンダリ圧Psecが循環圧としてロックアップオフ用油路L7Bを介してコンバータ油室31aに導入され、コンバータ油室31aからロックアップオン用油路L8B,リリーフ用油路L10を介してリリーフ弁79へ送られる。そして、リリーフ弁79でリリーフされた作動油は、潤滑油としてLUBEリレーバルブ80およびバイパス油路L13を介してクーラ88に供給され、クーラ88で冷却されてからデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給される。一方、信号圧入力ポート72aに信号圧Psluが入力されているとき即ちロックアップオン時には、入力ポート172cと入出力ポート172gとが連通し、入力ポート72dと入出力ポート172gとの連通が遮断し、入力ポート172iと入出力ポート172hとが連通し、入力ポート72eとリリーフポート72jとが連通し、入出力ポート172hとリリーフポート72jとの連通が遮断する。したがって、セカンダリ圧用油路L2とロックアップオン用油路L8Bとが連通すると共に制御圧用油路L5Bとロックアップオフ用油路L7Bとが連通するから、コンバータ油室31aにはセカンダリ圧Psecが作用し、ロックアップオフ室139aには制御圧Pclがオリフィス68で減圧されて作用する。制御圧Pclは、ロックアップコントロールバルブ160の信号圧入力ポート62aに作用させる信号圧Psluが大きくなるほど低くなるから、リニアソレノイドバルブSLUを制御することにより、コンバータ油室31aとロックアップオフ室139aとの間で油圧の差圧が生じさせ、ロックアップクラッチ137を係合することができる。また、セカンダリ排圧用油路L3とリリーフ用油路L10とが連通するから、セカンダリ排圧Pexにより圧送される作動油が潤滑油としてセカンダリ排圧用油路L3,リリーフ用油路L10,リリーフ弁79,LUBEリレーバルブ80およびバイパス油路L13を介してクーラ88に供給され、クーラ88で冷却されてからデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に供給される。
実施例では、小潤滑モードで、出力ポート82cを完全に閉塞してLUBEリレーバルブ80からデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に対して潤滑油を供給しない構成(バイパス油路L13からの潤滑油のみを供給する構成)としたが、これに限定されるものではなく、小潤滑モードでも、LUBEリレーバルブ80からデファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89に対して少量の潤滑油を供給するものとしてもよい。図9に、変形例の小潤滑モードと可変モードと通常潤滑モードの各モードにおけるLUBEリレーバルブ80の状態を示す。この変形例では、図示するように、小潤滑モードは、入力ポート82bが出力ポート82cに僅かに連通すると共にドレンポート82dに最大限連通するモードであり(図9(a)参照)、デファレンシャルギヤ28やその他の潤滑対象89へは出力ポート82cからの少量の潤滑油とバイパス油路L13からの潤滑油とが供給される。なお、可変モードと通常潤滑モードについては、実施例と同様である。
実施例では、1つのリニアソレノイドバルブSLUからの信号圧Psluによりロックアップコントロールバルブ60とロックアップリレーバルブ70の両方を制御するものとしたが、これに限られず、別個のリニアソレノイドからの信号圧を用いてロックアップコントロールバルブ60とロックアップリレーバルブ70とを別々に制御するものとしてもよい。また、ロックアップコントロールバルブ60やロックアップリレーバルブ70にソレノイドを内蔵して直接作動させるものとしてもよい。
実施例では、トルクコンバータ30の循環用入力油路L6,循環用出力油路L7,ロックアップ用油路L8に対する油圧の給排経路の切り替えを単一のロックアップリレーバルブ70を用いて行なうものとしたが、複数のリレーバルブを用いて行なうものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例のデファレンシャルギヤ28が「差動機構」に相当し、機械式オイルポンプ52が「ポンプ」に相当し、リニアソレノイドバルブSLTが「信号圧出力バルブ」に相当し、LUBEリレーバルブ80が「切替バルブ」に相当し、車輪速センサ99a,99bが「車輪速センサ」に相当し、ATECU16が「制御装置」に相当する。また、自動変速機20が「変速機」に相当し、プライマリレギュレータバルブ53が「ライン圧生成バルブ」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、潤滑油供給装置の製造産業に利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 クランクシャフト、15 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、16 自動変速機用電子制御ユニット(ATECU)、18a,18b 車軸、19a,19b 車輪、20 自動変速機、22 インプットシャフト、24 アウトプットシャフト、26 ギヤ機構、28 デファレンシャルギヤ、30,130 トルクコンバータ、31 コンバータカバー、31a コンバータ油室、32 ポンプインペラ、33 タービンランナ、34 ステータ、35 ワンウェイクラッチ、36a 循環用入力ポート、36b 循環用出力ポート、36c ロックアップ用ポート、136a ロックアップオフ用ポート、136b ロックアップオン用ポート、37,137 ロックアップクラッチ、38a,38b,138 クラッチプレート、39,139 クラッチピストン、39a ロックアップ油室、139a ロックアップオフ室、40 変速機構、41 サンギヤ、42 リングギヤ、43 ピニオンギヤ、44 キャリヤ、46a,46b サンギヤ、47 リングギヤ、48a ショートピニオンギヤ、48b ロングピニオンギヤ、49 キャリヤ、50 油圧制御装置、51 オイルパン、51a ストレーナ、52 機械式オイルポンプ、53 プライマリレギュレータバルブ、54 セカンダリレギュレータバルブ、55 モジュレータバルブ、60,160 ロックアップコントロールバルブ、62,162 スリーブ、62a,162a 信号圧入力ポート、62b,162b 入力ポート、62c,162c 出力ポート、62d,162d フィードバックポート、64,164 スプール、66,166 スプリング、68 オリフィス、70,170 ロックアップリレーバルブ、72,172 スリーブ、72a 信号圧入力ポート、72b,72c,72d,72e,72g,172c,172i 入力ポート、172g,172h 入出力ポート、72f,72h 出力ポート、72i,72j,72k リリーフポート、74 スプール、76 スプリング、78,79 リリーフ弁、80 LUBEリレーバルブ、82 スリーブ、82a 信号圧入力ポート、82b 入力ポート、82c 出力ポート、82d ドレンポート、84 スプール、84a,84b ランド、86 スプリング、87 オリフィス、88 クーラ、89 潤滑対象、90 メイン電子制御ユニット、92 シフトポジションセンサ、94 アクセルペダルポジションセンサ、96 ブレーキスイッチ、98 車速センサ、99a,99b 車輪速センサ、L1 ライン圧用油路、L2 セカンダリ圧用油路、L3 セカンダリ排圧用油路、L4,L5,L5B 制御圧用油路、L6 循環用入力油路、L7 循環用出力油路、L7B ロックアップオフ用油路、L8 ロックアップ用油路、L8B ロックアップオン用油路、L9,L10 リリーフ用油路、L11 潤滑用入力油路、L12 潤滑用出力油路、L13 バイパス油路、SLU,SLT リニアソレノイドバルブ。

Claims (3)

  1. 差動機構を介して左右輪に出力される動力により走行する車両に搭載され、前記差動機構に潤滑油を供給する潤滑油供給装置であって、
    油を圧送するポンプと、
    信号圧を出力する信号圧出力バルブと、
    前記信号圧出力バルブからの信号圧により作動し、前記ポンプから圧送された油を潤滑油として入力すると共に該入力した潤滑油の流量を切り替えて前記差動機構へ供給する切替バルブと、
    前記左右輪の各車輪速を取得すると共に、該取得した各車輪速の車輪速差が所定速度差以上の場合には、前記差動機構へ供給される潤滑油が増量されるよう前記信号圧出力バルブを制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする潤滑油供給装置。
  2. 変速機と前記差動機構とを介して前記左右輪に出力される動力により走行する車両に搭載され、前記変速機の作動に用いられる作動油を前記潤滑油として前記差動機構に供給する請求項1記載の潤滑油供給装置であって、
    前記ポンプからの圧送された油の圧力を調圧して前記変速機を作動させるためのライン圧を生成するライン圧生成バルブを備え、
    前記信号圧出力バルブは、共通の信号圧によって前記ライン圧生成バルブと前記切替バルブとを作動させるバルブである
    ことを特徴とする潤滑油供給装置。
  3. 請求項2記載の潤滑油供給装置であって、
    前記ライン圧生成バルブは、前記信号圧出力バルブからの信号圧の変化に対して前記ライン圧がリニアに変化する特性を有し、
    前記切替バルブは、前記信号圧出力バルブからの信号圧の変化に対して潤滑油の流量が段差をもって変化する特性を有する
    ことを特徴とする潤滑油供給装置。
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