JP2014125378A - ガラスおよびこのガラスを用いた電気化学セルならびに電気化学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸素イオン伝導体に孔が存在しても、孔を封止することにより、酸素含有ガスと随伴ガスとの孔内における混合を抑制し、酸素イオン伝導体が求められる性能を発揮することができるようにするガラス,電気化学セルおよび電気化学装置を提供する。
【解決手段】 Ba,Si,Zr,AlおよびNaを酸化物換算でそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下含み、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下であるガラスである。
【選択図】 図3
【解決手段】 Ba,Si,Zr,AlおよびNaを酸化物換算でそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下含み、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下であるガラスである。
【選択図】 図3
Description
本発明は、主にシール材として用いられるガラスおよびこのガラスを用いた電気化学セルおよび電気化学装置に関する。
現在、石油の産出時に随伴して産出されるガス(以下、随伴ガスという。)は、主に燃焼されることで処理されており、近年の環境問題において、例えば、随伴ガスを高圧コンプレッサーで地下に戻す方法など、随伴ガスを燃焼以外の方法で処理する方法が検討されている。
そして、酸素を用いて随伴ガスを分解して炭化水素ガスを生成する方法も多数提案されており、例えば、酸素イオン伝導性を有する酸素イオン伝導体を用いた電気化学セルが用いられている。このような電気化学セルの基本的な構造は、例えば、特許文献1に記載されている円筒型燃料電池セルであり、その転用が検討されている。
ところで、上記円筒型燃料電池セルを転用し、固体電解質層を酸素イオン伝導体に置き換えてなる電気化学セルにおいて、製造時等に生じる引っ張り応力の影響や、粉末の凝集粉やゴミの付着等により、酸素イオン伝導体に孔が生じる場合があった。そして、酸素イオン伝導体に孔が生じた場合には、この孔内で随伴ガスと酸素含有ガスとが混合して、酸素イオン伝導性および電子伝導性を十分に発揮することができないという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑み、酸素イオン伝導体に孔が存在しても、孔を塞ぐことにより、酸素含有ガスと随伴ガスとの孔内における混合を抑制し、酸素イオン伝導体が求められる性能を発揮することができるようにするガラス,電気化学セルおよび電気化学装置を提供するものである。
本発明のガラスは、Ba,Si,Zr,AlおよびNaを酸化物換算でそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下含み、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下であることを特徴とする。
また、本発明の電気化学セルは、内部をガスが流れる円筒状の支持基体上に、第1電極、イオン伝導性と電子伝導性とを有してなる酸素イオン伝導体および第2電極が順次積層されてなり、前記酸素イオン伝導体に存在する孔が、上記ガラスを含んでなるシール材にて塞がれていることを特徴とする。
また、本発明の電気化学装置は、電気化学セルを複数個備えてなることを特徴とする。
本発明のガラスによれば、Ba,Si,Zr,AlおよびNaを酸化物換算でそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下含み、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下であるガラスであることから、酸素イオン伝導体に生じる孔をシールするためのシール材として用いる場合に、その線膨張係数を、酸素イオン伝導体の線膨張係数に近い値にすることができるので、長期間に亘って信頼性を向上させることができる。
また、本発明の電気化学セルによれば、内部をガスが流れる円筒状の支持基体上に、第1電極、イオン伝導性と電子伝導性とを有してなる酸素イオン伝導体、第2電極が順次積層されてなり、酸素イオン伝導体に存在する孔が上述したガラスを含んでなるシール材にて塞がれていることから、信頼性の向上した電気化学セルとすることができる。
また、本発明の電気化学装置によれば、上記の電気化学セルを複数個備えてなることから、信頼性の向上した電気化学装置とすることができる。
以下、まず本実施形態のガラスを詳述する。
本実施形態のガラスは、Ba,Si,Zr,AlおよびNaを酸化物換算でそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下含み、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下のガラスである。
Baは、歪点をほとんど低下させることなく、高温における粘度を低くする成分であるが、その含有量が51質量%未満では、粘度を十分低くすることができず、形成されたガラスの表面にクラックが生じやすい。一方、Baは、含有量が61質量%を超えると、線膨張係数が高くなるので、耐熱衝撃性が低下する傾向となる。それゆえ、Baを酸化物換算で51質量%以上61質量%以下含むことにより、形成されたガラスの表面にクラックが生じにくく、かつ耐熱衝撃性を高くことができる。
また、Siは、ガラスのネットワークを形成する成分であるが、その含有量が32質量%未満では、シール材としてのガラスを形成することが難しくなる。一方、Siは、含有量が38質量%を超えると、溶融温度が大幅に上昇するので他の成分が蒸発するおそれが生じるほか、高温での溶融を余儀なくされるため、エネルギーの損失が大きくなる。それゆえ、Siを酸化物換算で32質量%以上38質量%以下含むことにより、シール材としてのガラスを容易に形成するとともに、他の成分が蒸発しにくくなり、エネルギーの損失を抑制することができる。
また、Zrは、ガラスの化学的耐久性を向上させる成分であるが、その含有量が4質量%未満では、化学的耐久性を十分向上させることができない。一方、Zrは、溶融しにくいため、その含有量が8質量%を超えると、溶融温度が大幅に上昇するので他の成分が蒸発するおそれが生じるほか、高温での溶融を余儀なくされるため、エネルギーの損失が大
きくなる。それゆえ、Zrを酸化物換算で4質量%以上8質量%以下含むことにより、化学的耐久性を十分向上させることができるとともに、他の成分が蒸発しにくくなり、エネルギーの損失を抑制することができる。
きくなる。それゆえ、Zrを酸化物換算で4質量%以上8質量%以下含むことにより、化学的耐久性を十分向上させることができるとともに、他の成分が蒸発しにくくなり、エネルギーの損失を抑制することができる。
また、Alは、ガラスの溶融性,化学的耐久性および硬さを向上させる成分であるが、その含有量が1質量%未満では、これらの特性を十分向上させることができない。一方、Alは、その含有量が4質量%を超えると、溶融温度が大幅に上昇するので他の成分が蒸発するおそれが生じるほか、高温での溶融を余儀なくされるため、エネルギーの損失が大きくなる。それゆえ、Alを酸化物換算で1質量%以上4質量%以下含むことにより、溶融性,化学的耐久性および硬さを向上させることができるとともに、他の成分が蒸発しにくくなり、エネルギーの損失を抑制することができる。
また、Naは、ガラスの溶融性を向上させる成分であるが、その含有量が0.3質量%未
満では、ガラスの溶融性を十分向上させることができない。一方、Naは、その含有量が0.7質量%を超えると、ガラスの化学的耐久性が低下する。それゆえ、Naを酸化物換算
で0.3質量%以上0.7質量%以下含むことにより、ガラスの化学的耐久性が低下することなく、溶融性を向上させることができる。
満では、ガラスの溶融性を十分向上させることができない。一方、Naは、その含有量が0.7質量%を超えると、ガラスの化学的耐久性が低下する。それゆえ、Naを酸化物換算
で0.3質量%以上0.7質量%以下含むことにより、ガラスの化学的耐久性が低下することなく、溶融性を向上させることができる。
本実施形態のガラスは、上記各元素の含有量が酸化物換算でそれぞれ上述した範囲内にあり、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下であるガラスであることが重要である。比率(M2/M1)をこの範囲内とすることによって、酸素イオン伝導体に生じる孔をシールするためのシール材としてガラスを用いる場合には、その線膨張係数を、酸素イオン伝導体の線膨張係数に近い値にすることができるので、長期間に亘って信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態のガラスは、Siの酸化物の含有量M2に対するAlの酸化物の含有量M3の比率(M3/M2)が0.07以上0.1以下であることが好適である。
Siの酸化物の含有量に対してAlの酸化物の含有量が多くなると、ムライト等の結晶が生じやすくなり、Alの酸化物の含有量が少なくなると、クリストバライト等の結晶が生じやすくなる。いずれの場合もこれら結晶に伴う収縮によって空隙が生じると、化学的耐久性を低下させるおそれが生じる。これに対し、比率(M3/M2)を上記範囲内とすることによって、これらの結晶を生じにくくすることができ、化学的耐久性を維持することができる。
以下、本実施形態の電気化学セルおよびこれを備える電気化学装置の一例について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の電気化学セルの基本構成の一例を示す斜視図であり、図2は図1に示す例の電気化学セルの長手方向に垂直な断面における断面図であり、図3は図2に示す例の電気化学セルのA部を模式的に示した拡大図である。まず本実施形態の電気化学セル10の構成について図面を用いて説明する。
図1に示す例の電気化学セル10は、内部をガスが流れる円筒状の多孔質の支持基体1上に、第1電極である燃料極層2、イオン伝導性と電子伝導性とを備えてなる酸素イオン伝導体3および第2電極である空気極層4が順次積層されてなる。支持基体1の内部を流れるガスは、例えば、随伴ガスである。
ここで、燃料極層2を支持基体1として、その外周に酸素イオン伝導体3と空気極層4とを順次配置した構成とすることもできる。さらに、支持基体1上に、第1電極である空
気極層、酸素イオン伝導体、第2電極である燃料極層が順次積層された構成とすることもできる。なおこの場合、電気化学セルの外部を随伴ガスが流れることとなる。
気極層、酸素イオン伝導体、第2電極である燃料極層が順次積層された構成とすることもできる。なおこの場合、電気化学セルの外部を随伴ガスが流れることとなる。
支持基体1は、外径,肉厚および長さは、例えば、8〜9mm,1〜2mm,800〜1200mmである。また、支持基体1は、酸化ニッケルと酸化イットリウムとからなり、酸化
ニッケルおよび酸化イットリウムの各含有量は、それぞれ35質量%以上65質量%以下、65質量%以上35質量%以下である。
ニッケルおよび酸化イットリウムの各含有量は、それぞれ35質量%以上65質量%以下、65質量%以上35質量%以下である。
燃料極層2は、例えば、厚みが10μm以上50μm以下であって、酸化ニッケルと安定化ジルコニアとからなり、酸化ニッケルおよび安定化ジルコニアの各含有量は、それぞれ35質量%以上65質量%以下,65質量%以上35質量%以下とすることができる。なお、その他
として、酸化ニッケルとセリア系酸化物(例えば、Gdが固溶したCeO2)とから構成することもできる。なお、燃料極層2は複数の層から構成することもできる。
として、酸化ニッケルとセリア系酸化物(例えば、Gdが固溶したCeO2)とから構成することもできる。なお、燃料極層2は複数の層から構成することもできる。
なお、燃料極層2の厚みが薄い場合には、支持基体1と同様の組成からなる支持層5を設けて、支持層5に燃料極層2を設けたものを、支持基体1に積層した構成としてもよい。この場合、支持層5としては、例えば、厚みが10μm以上100μm以下であって、酸化
ニッケルと酸化イットリウムとからなり、酸化ニッケルおよび酸化イットリウムの各含有量は、それぞれ35質量%以上65質量%以下、65質量%以上35質量%以下とすることができる。なお、図1,2においては、支持層5を設けた例を示している。
ニッケルと酸化イットリウムとからなり、酸化ニッケルおよび酸化イットリウムの各含有量は、それぞれ35質量%以上65質量%以下、65質量%以上35質量%以下とすることができる。なお、図1,2においては、支持層5を設けた例を示している。
酸素イオン伝導体3は、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(以下、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物をランタンクロマイトという。)と、酸化カルシウム,酸化ガリウムおよび希土類酸化物の少なくとも1種を安定化剤とする酸化ジルコニウム(以下、酸化カルシウム,酸化ガリウムおよび希土類酸化物の少なくとも1種を安定化剤とする酸化ジルコニウムを安定化ジルコニアという。なお、安定化ジルコニアには部分安定化ジルコニアも含むものとする。)と、を含み、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともいずれか1種がランタンクロマイトに固溶している。
酸素イオン伝導体3が、ランタンクロマイトと、安定化ジルコニアとを含んでいると、密度を十分高くすることができるので、酸素イオン伝導性および電子伝導性をともに高くすることができる。
そして、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともいずれか1種
がランタンクロマイトに固溶していることから、酸素イオン伝導性および電子伝導性を低下させるランタンジルコネートの生成を抑制できるので、これらの特性をいずれも高くすることができる。なお、ランタンジルコネートの生成が抑制される理由について、詳細は分からないが、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトがランタンクロマイト
のペロブスカイト型構造のBサイトに固溶することで、Laの拡散を抑制することができるものと考えられる。
がランタンクロマイトに固溶していることから、酸素イオン伝導性および電子伝導性を低下させるランタンジルコネートの生成を抑制できるので、これらの特性をいずれも高くすることができる。なお、ランタンジルコネートの生成が抑制される理由について、詳細は分からないが、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトがランタンクロマイト
のペロブスカイト型構造のBサイトに固溶することで、Laの拡散を抑制することができるものと考えられる。
また、ランタンクロマイトは、ランタンクロマイトを構成するクロムイオン(Cr3+)の一部がマグネシウムイオン(Mg2+)に置換されたランタンマグネシウムクロマイトおよびカルシウムイオン(Ca2+)に置換されたランタンカルシウムクロマイトの少なくともいずれか1種であることが好適であり、このような場合には、正孔(ホール)が多く生じるので、電子はこれらの正孔を移動しやすくなり、高い電子伝導性を得ることができる。
ランタンクロマイトは、組成式が、例えば、La(Cr1―(x+y)MxNy)zO3(Mはマグネシウムおよびカルシウムの少なくともいずれか1種であり、Nはチタン,
バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともいずれか1種である。また、xお
よびyは、いずれも0より大きく0.3以下であって、zは0.9以上1以下である。)である。
バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともいずれか1種である。また、xお
よびyは、いずれも0より大きく0.3以下であって、zは0.9以上1以下である。)である。
ここで、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともいずれか1種
が固溶しているランタンクロマイトは、エネルギー分散形X線分光器を装着した透過型電子顕微鏡を用いて、その化学量論的組成および含有量を求めることができる。
が固溶しているランタンクロマイトは、エネルギー分散形X線分光器を装着した透過型電子顕微鏡を用いて、その化学量論的組成および含有量を求めることができる。
一方、安定化ジルコニアは、X線回折法を用いて同定することができる。また、安定化ジルコニアの含有量は、蛍光X線分析法またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法によってジルコニウムおよび安定化剤を構成するカルシウム、ガリウムおよび希土類元素のそれぞれの含有量を求め、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化ガリウムおよび前記希土類元素の酸化物に換算することにより、それぞれの酸化物の含有量を算出し、その合計が安定化ジルコニアの含有量となる。
また、酸素イオン伝導体3においては、安定化ジルコニアは、50質量%以上70質量%以下であることが好適である。安定化ジルコニアの含有量を50質量%以上とすることでイオン導電率を高くすることができ、70質量%以下とすることで電子伝導率を高くすることができるので、高いイオン導電性と高い電子伝導性とを兼ね備えることができる。
また、酸素イオン伝導体3は、酸化マグネシウムを含むことが好適である。酸素イオン伝導体が酸化マグネシウムを含むときには、酸化マグネシウムは線膨張係数が大きいので、例えば、酸素イオン伝導体3を金属部材(図示しない)に接合する場合には、金属部材,燃料極層2および空気極層4のそれぞれの線膨張係数に近づけることができ、高温に曝されても、信頼性が容易に損なわれにくくなる。
特に、酸化マグネシウムは、ランタンクロマイト100質量%に対する含有量が4質量%
以上6質量%以下であることが好適で、この範囲であると、金属部材,燃料極層2および空気極層4のそれぞれの線膨張係数にさらに近づけることができ、信頼性が向上する。
以上6質量%以下であることが好適で、この範囲であると、金属部材,燃料極層2および空気極層4のそれぞれの線膨張係数にさらに近づけることができ、信頼性が向上する。
酸素イオン伝導体3に含まれる酸化マグネシウムは、X線回折法を用いて同定することができるとともに、その含有量は、蛍光X線分析法またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法によってマグネシウムの含有量を求め、酸化マグネシウムに換算すればよい。但し、ランタンクロマイトが、その組成式にマグネシウムを含む場合には、まず、エネルギー分散形X線分光器を装着した透過型電子顕微鏡を用い、ランタンクロマイトの化学量論的組成を特定する。そして、マグネシウムの含有量から化学量論的組成が特定されたランタンクロマイトを構成するマグネシウムの含有量を除いた含有量を求め、酸化マグネシウムに換算すればよい。
また、酸素イオン伝導体3は、酸化ニッケルを含むことが好適である。酸素イオン伝導体3が酸化ニッケルを含むときには、酸化ニッケルの還元による収縮に伴って、酸素イオン伝導体3の還元膨張(酸素イオンが抜けることによって生じる格子膨張)も抑制されるので、耐久性を高くすることができる。
酸素イオン伝導体3に含まれる酸化ニッケルは、X線回折法を用いて同定することができるとともに、その含有量は、蛍光X線分析法またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法によって求めることができる。但し、ランタンクロマイトが、その組成式にニッケルを含む場合には、まず、エネルギー分散形X線分光器を装着した透過型電子顕微鏡を用い、ランタンクロマイトの化学量論的組成を特定する。そして、ニッケルの含有量から化学量論的組成が特定されたランタンクロマイトを構成するニッケルの含有量
を除いた含有量を求め、酸化ニッケルに換算すればよい。
を除いた含有量を求め、酸化ニッケルに換算すればよい。
特に、酸化ニッケルは、ランタンクロマイト100質量%に対する含有量が10質量%以下
であることが好適で、この範囲であると、ランタンクロマイトの結晶構造が変化しにくくなり、安定化する。
であることが好適で、この範囲であると、ランタンクロマイトの結晶構造が変化しにくくなり、安定化する。
上述の構成の酸素イオン伝導体3を燃料極層2と、空気極層4との間に配置することで、ランタンクロマイトが、燃料極層2側から空気極層4側に電子を移動させて、気体から解離された酸素をイオン化し、安定化ジルコニアが、イオン化された酸素イオンを空気極層4側に移動させて再結合させることにより、純度の高い酸素を得ることができる電気化学セル10とすることができる。また、上述の構成の酸素イオン伝導体3は、ランタンジルコネートの生成を抑制することができることから、酸素イオン伝導性および電子伝導性をともに高くすることができ、性能の向上した電気化学セル10とすることができる。
また、空気極層4は、例えば、厚みが10μm以上50μm以下であって、ランタンストロンチウムコバルト鉄や、ランタンストロンチウムマンガナイト等から構成できる。
ところで、上述した電気化学セル1において、製造時等に生じる引っ張り応力の影響や、粉末の凝集粉やゴミの付着等により、酸素イオン伝導体3に孔が生じる場合がある。そして、この孔内で燃料ガスと酸素含有ガスとが混合した場合には、イオン伝導性および電子伝導性を十分に発揮することができないおそれがある。
それゆえ、本実施形態の電気化学セル1では、酸素イオン伝導体3に存在する孔3aが、上述した本実施形態のガラスからなるシール材6にて塞がれていることが好適である。このような構成にすることにより、孔3aがガラス成分からなるシール材6によって塞がれている場合には、孔3aにおける酸素含有ガスと随伴ガスとの混合が抑制されるため、電気化学セル全体として求められる酸素イオン伝導性および電子伝導性を十分に発揮することができる。
なお、本実施形態における主成分とは、各部材を構成する成分のうち、最も多い成分をいい、上述の例において、酸素イオン導電体3の主成分とは安定化ジルコニアを意味する。なお、孔3aは酸素イオン伝導体3の外周面から内周面まで貫通していない方が好ましいが、孔3aを本実施形態のガラスからなるシール材6で塞ぐことで、酸素イオン伝導体3の外周面から内周面まで貫通している場合であっても、孔3aにおける酸素含有ガスと随伴ガスとの混合が抑制されるため、電気化学セル全体として求められる酸素イオン伝導性および電子伝導性を十分に発揮することができる。
また、本実施形態の電気化学セルを構成する酸素イオン伝導体は、安定化ジルコニアを含むイオン伝導部と、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともい
ずれか1種が固溶したランタンクロマイトを含んでなる電子伝導部とが隣接して配置されていてもよい。
ずれか1種が固溶したランタンクロマイトを含んでなる電子伝導部とが隣接して配置されていてもよい。
イオン伝導部と電子伝導部とが隣接して配置されている酸素イオン伝導体で、孔がイオン伝導部に存在する場合には、本実施形態のガラスからなるシール材に安定化ジルコニアを含んでいてもよく、また、孔が電子伝導部に存在する場合には、本実施形態のガラスからなるシール材に、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともいず
れか1種が固溶したランタンクロマイトを含んでいてもよい。
れか1種が固溶したランタンクロマイトを含んでいてもよい。
また、上述した本実施形態の電気化学セル10では、酸素イオン伝導体3と燃料極層2との間に、燃料極層2を構成する成分と、酸素イオン伝導体3を構成する成分とを含む混合
層(図示しない)を有することが好適である。このような構成にすることにより、燃料極層2に対する酸素イオン伝導体3の密着強度を高くすることができる。
層(図示しない)を有することが好適である。このような構成にすることにより、燃料極層2に対する酸素イオン伝導体3の密着強度を高くすることができる。
そして、酸素イオン伝導体3の酸素イオン伝導性は600℃程度から高くなるため、600℃以上の温度域で、燃料極層2に随伴ガスとして、例えば、水素を含むガスを、空気極層4に酸素を含むガスをそれぞれ供給する。燃料極層2に供給されたガスがメタン(CH4)ガスである場合、メタン(CH4)ガスは、空気極層4から酸素イオン伝導体3を通じて移動した酸素イオンと、以下の式(1)に示すように反応して、水素,一酸化炭素および電子を発生する。発生した電子は、燃料極層2から酸素イオン伝導体3を通じて空気極層4に移動し、以下の式(2)に示すように酸素分子をイオン化する。以下の式(1),(2)に示す反応を繰り返すことによって、水素および一酸化炭素が生成され、この生成された気体を、例えば、フィッシャー・トロプシュ法(FT法)を用いて合成することにより、石油の代替品となる合成油や合成燃料を作り出すことができる。
燃料極層2: CH4+O2- → 2H2+CO+2e- …(1)
空気極層4: 1/2O2+2e- → O2- …(2)
空気極層4: 1/2O2+2e- → O2- …(2)
次に、本実施形態のガラス,電気化学セルおよび電気化学装置の製造方法について説明する。
まず、酸化バリウム(BaO),酸化珪素(SiO2),酸化ジルコニウム(ZrO2),酸化アルミニウム(Al2O3)および酸化ナトリウム(NaO)の各粉末の質量がそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下であって、酸化バリウム(O)の粉末の質量m1に対する酸化珪素(SiO2)の質量m2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下となるように調合することによって、本実施形態のガラスを得ることができる。
ここで、Siの酸化物の質量M2に対するAlの酸化物の質量M3の比率(M3/M2)が0.07以上0.1以下であるガラスを得るには、酸化珪素(SiO2)の粉末の質量m2
に対する酸化アルミニウム(Al2O3)の粉末の質量m3が0.07以上0.1以下となるよ
うに調合すればよい。
に対する酸化アルミニウム(Al2O3)の粉末の質量m3が0.07以上0.1以下となるよ
うに調合すればよい。
そして、調合した上記各粉末を有機溶媒とともに混合してペーストにする。ここで、有機溶媒としては、テルピネオール等のアルコール,アセトン,トルエン,キシレン,時エチレングリコールモノブチルエーテル等を用いることができる。
一方、本実施形態の電気化学セルを得るには、まず、酸化ニッケルを主成分とし、酸化イットリウムを副成分としてなる円筒状の脱脂体の外周面に、酸化ニッケルの粉末を主成分とし、安定化ジルコニア(例えばY2O3が固溶したZrO2(YSZ))の粉末を副成分とする混合粉末のペーストをスクリーン印刷法により印刷する。なお、支持層5を設ける場合には、円筒状の脱脂体の外周面に、脱脂体を構成する成分と同じ成分からなるグリーンシートを巻き付けて、そのグリーンシート上にスクリーン印刷法等により、上記ペーストを塗布すればよい。
次に、ペーストを印刷した円筒状の脱脂体を、例えば、温度および保持時間をそれぞれ1150℃以上1250℃,1時間以上3時間以下として熱処理する。そして、ランタンクロマイト,安定化ジルコニア(例えば上記YSZ)ならびにチタン,バナジウム,マンガン,鉄
およびコバルトの少なくともいずれか1種の各粉末を含むスラリーに、脱脂体を浸漬することによって皮膜を得て、例えば、温度および保持時間をそれぞれ1440℃以上1500℃以下
,1時間以上3時間以下として大気雰囲気中にて焼成する。そして、この焼成により、円筒状の脱脂体,グリーンシート,塗布された混合粉末のペーストおよび皮膜は、それぞれ支持基体1,支持層5,燃料極層2,酸素イオン伝導体3となる。
およびコバルトの少なくともいずれか1種の各粉末を含むスラリーに、脱脂体を浸漬することによって皮膜を得て、例えば、温度および保持時間をそれぞれ1440℃以上1500℃以下
,1時間以上3時間以下として大気雰囲気中にて焼成する。そして、この焼成により、円筒状の脱脂体,グリーンシート,塗布された混合粉末のペーストおよび皮膜は、それぞれ支持基体1,支持層5,燃料極層2,酸素イオン伝導体3となる。
ここで、上記酸素イオン伝導体3となるスラリーは、安定化ジルコニアならびにチタン,バナジウム,マンガン,鉄およびコバルトの少なくともいずれか1種は、それぞれ50質
量%以上70質量%以下,1質量%以上3質量%以下となるように、また、残部がランタンクロマイトとなるように各粉末を混合して作製すればよい。
量%以上70質量%以下,1質量%以上3質量%以下となるように、また、残部がランタンクロマイトとなるように各粉末を混合して作製すればよい。
また、上記スラリーに酸化マグネシウムの粉末を適宜添加して、ランタンクロマイト100質量%に対して4質量%以上6質量%以下で酸化マグネシウムを含む酸素イオン伝導体
3を得ることができる。
3を得ることができる。
また、上記スラリーに酸化ニッケルの粉末を適宜添加することで、ランタンクロマイト100質量%に対して10質量%以下で酸化ニッケルを含む酸素イオン伝導体3を得ることが
できる。
できる。
ここで、得られた酸素イオン伝導体3には、例えば、製造時等に生じる引っ張り応力の影響や、焼成前のグリーンシートに付着していたゴミ、粉末の凝集粉、グリーンシートの形成不良,皮膜に含まれているゴミ等によって、孔3aが生じる場合がある。そして、この孔3aを塞ぐために、上記ガラスを構成する各粉末を有機溶媒とともに混合して得られたペーストを注入した後、温度および保持時間をそれぞれ1020℃以上1080℃以下,1時間以上3時間以下として大気雰囲気中で熱処理すればよい。
そして、孔3aを塞ぐ熱処理を施した後、ランタンストロンチウムコバルト鉄の粉末を含むスラリーに、酸素イオン伝導体3を浸漬することによって、酸素イオン伝導体3の外周面上に皮膜が得られ、この皮膜は、例えば、温度および保持時間をそれぞれ1100℃以上1200℃以下,1時間以上3時間以下として焼成することによって、空気極層4となり、図1に示す例の本実施形態の電気化学セル10を得ることができる。
そして、上述した電気化学セル10を複数個備えることで、随伴ガスを効率よく分解することができるとともに、信頼性の向上した電気化学装置とすることができる。このような電気化学装置としては、例えば、上述した電気化学セル10に随伴ガスを供給するための随伴ガスタンクに電気化学セル10の一端を固定し、随伴ガスを分解して生じる水素ガスタンクに電気化学セル10の他端を固定することで、効率よく随伴ガスを分解できるとともに、分解により生じた水素ガスを効率よく回収することができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述の例において、支持基体1として導電性の支持基体1を用いる例を説明したが、支持基体1の表面に導電性を有する層が設けられている場合には、支持基体1を絶縁性とすることもできる。
また、上述の例において、支持基体1上に、燃料極層2の1層を設ける構成について説明したが、燃料極層2と空気極層4とでの電子やイオンの伝導をより効率よく行うにあたり、燃料極層2と支持基体1との間に、支持層5とは異なる層であって、燃料極層2よりも導電性を有する材料からなる層を設けることもできる。
また、上記の製造方法以外にも、適宜公知の方法により、燃料極層2と、燃料極層2を覆うように設けられイオン伝導部と電子伝導部とが隣接して設けられてなる酸素イオン伝導体3と、酸素イオン伝導体3を覆うように設けられた空気極層4とを備える構成とすればよい。なお、上記構成において、孔3aがイオン伝導部に存在する場合には、上記ガラスを構成する各成分を混合する際に、安定化ジルコニア(例えばY2O3が固溶したZrO2(YSZ))の粉末を混合してもよく、また孔3aが電子伝導部に存在する場合には、上記ガラスを構成する各成分を混合する際に、チタン,バナジウム,マンガン,鉄およ
びコバルトの少なくともいずれか1種が固溶したランタンクロマイトの粉末を混合してもよい。
びコバルトの少なくともいずれか1種が固溶したランタンクロマイトの粉末を混合してもよい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、ガラスを構成する成分が酸化物換算でそれぞれ表1に示す含有量となるように、各成分の粉末を調合した。調合した粉末を白金坩堝に入れ、温度および保持時間をそれぞれ1050℃,3時間として溶解し、融液を得た。
この融液をカーボンからなる成形型に流し込んだ後、空冷することにより、JIS R
3102−1995で規定する形状の試験片を得た。
3102−1995で規定する形状の試験片を得た。
なお、上記形状の試験片が得られなかった試料については、表1の各試料の評価項目の欄に横線を施した。
そして、各試料を構成する成分の含有量をICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法によって求め、それぞれ酸化物に換算した。
また、各試料の線膨張係数については、JIS R 3102−1995に準拠して常温から1000℃における平均線膨張係数を測定した。
また、各試料の化学的耐久性については、まず、日本光学硝子工業会規格06−1975に準拠して、粒度が420μm〜590μmになるように試料を粉砕し、粉砕された試料の質量W0を測定した。そして、この試料を濃度が0.01Nの沸騰した硝酸水溶液が入ったフラスコに入れて60分間浸漬し、浸漬後の試料の質量W1を測定し、以下の式(1)で表される質量減少率ΔWを算出した。
ΔW=(W0−W1)/W0 × 100・・・(1)
また、X線回折法により、各試料における結晶の有無を確認した。
また、X線回折法により、各試料における結晶の有無を確認した。
各試料を構成する成分の含有量,各試料の表面におけるクラックの有無,結晶の有無,質量減少率ΔWおよび平均線膨張係数を表1に示す。
なお、試料No.2,4,6,8,11〜23,26,28,30,32は、その平均線膨張係数を酸素イオン伝導体の常温から1000℃における平均線膨張係数である10.5×10−6/Kと比較した。
表1に示すように、Baが酸化物換算で51質量%未満である試料No.1は、形成されたガラスの表面には、クラックが生じていることが分かる。
また、Baが酸化物換算で61質量%を超える試料No.33は、平均線膨張係数が高いので、耐熱衝撃性が低いと言える。
また、Siが酸化物換算で32質量%未満である試料No.3は、ガラスのネットワークを形成することができなかったために、そして、Siが酸化物換算で38質量%を超える試料No.31は、上記保持温度では十分溶融させることができなかったために、いずれも試験片を得ることができなかった。
また、Zrが酸化物換算で4質量%未満である試料No.5は、化学的耐久性が低いことがわかり、Zrが酸化物換算で8質量%を超える試料No.29は、上記保持温度では十分溶融させることができなかったために、試験片を得ることができなかった。
また、Alが酸化物換算で1質量%未満である試料No.7は、化学的耐久性が低いことがわかり、Alが酸化物換算で4質量%を超える試料No.27は、上記保持温度では十分溶融させることができなかったために、試験片を得ることができなかった。
また、Naが酸化物換算で0.3質量%未満である試料No.9は、上記保持温度では十
分溶融させることができなかったために、試験片を得ることができず、Naが酸化物換算で0.7質量%を超える試料No.25は、化学的耐久性が低いことがわかった。
分溶融させることができなかったために、試験片を得ることができず、Naが酸化物換算で0.7質量%を超える試料No.25は、化学的耐久性が低いことがわかった。
また、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56未満である試料No.10は、酸素イオン伝導体よりも平均線膨張係数が高いことがわかった。
また、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.77を超える試料No.24は、酸素イオン伝導体よりも平均線膨張係数が低いことがわかった。
一方、試料No.2,4,6,8,11〜23,26,28,30,32は、Ba,Si,Zr,AlおよびNaを酸化物換算でそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下含み、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下であることから、これらの試料を用いて酸素イオン伝導体に生じた孔をシールする場合には、その平均線膨張係数は、酸素イオン伝導体の平均線膨張係数に近い値となるので、長期間に亘って信頼性を向上させることができるといえる。
特に、試料No.2,4,6,8,11〜23,28,30,32は、Siの酸化物の質量M2に対するAlの酸化物の質量M3の比率(M3/M2)が0.07以上0.1以下であることから
、結晶の発生が抑制され、化学的耐久性が維持されていることが分かる。
、結晶の発生が抑制され、化学的耐久性が維持されていることが分かる。
1:支持基体
2:燃料極
3:酸素イオン伝導体
3a:孔
4:空気極
5:支持層
6:シール材
10:電気化学セル
2:燃料極
3:酸素イオン伝導体
3a:孔
4:空気極
5:支持層
6:シール材
10:電気化学セル
Claims (4)
- Ba,Si,Zr,AlおよびNaを酸化物換算でそれぞれ51質量%以上61質量%以下,32質量%以上38質量%以下,4質量%以上8質量%以下,1質量%以上4質量%以下,0.3質量%以上0.7質量%以下含み、Baの酸化物の含有量M1に対するSiの酸化物の含有量M2の比率(M2/M1)が0.56以上0.77以下であることを特徴とするガラス。
- Siの酸化物の質量M2に対するAlの酸化物の質量M3の比率(M3/M2)が0.07以上0.1以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス。
- 内部をガスが流れる円筒状の支持基体上に、第1電極、イオン伝導性と電子伝導性とを有してなる酸素イオン伝導体および第2電極が順次積層されてなり、前記酸素イオン伝導体に存在する孔が、請求項1または請求項2のガラスを含んでなるシール材にて塞がれていることを特徴とする電気化学セル。
- 請求項3に記載の電気化学セルを複数個備えてなることを特徴とする電気化学装置。
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JP2012283050A JP2014125378A (ja) | 2012-12-26 | 2012-12-26 | ガラスおよびこのガラスを用いた電気化学セルならびに電気化学装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2016157637A (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 燃料電池及び燃料電池の製造方法、並びに、燃料電池の修復方法 |
JP2017098027A (ja) * | 2015-11-20 | 2017-06-01 | 京セラ株式会社 | セル、セルスタック装置、モジュール、およびモジュール収容装置 |
-
2012
- 2012-12-26 JP JP2012283050A patent/JP2014125378A/ja active Pending
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