JP2014122948A - 感光性樹脂組成物および該感光性組成物より形成された感光性樹脂組成物フィルムならびにそれらを用いたマスクレジスト層付き基板の製造方法およびハンダ突起付き基板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物および該感光性組成物より形成された感光性樹脂組成物フィルムならびにそれらを用いたマスクレジスト層付き基板の製造方法およびハンダ突起付き基板の製造方法 Download PDF

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Takuo Oda
拓郎 小田
Michiko Yamaguchi
美智子 山口
Kazuyuki Matsumura
和行 松村
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Abstract

【課題】フォトリソグラフィーによりパターン形成が可能かつ、現像時にフィルムの剥がれが生じず、リフロー加熱時に樹脂層の剥がれが生じず、さらに、容易に剥離できることが可能な感光性樹脂組成物および該感光性樹脂組成物からなる層を有する感光性樹脂組成物フィルムを提供すること。
【解決手段】(A)アルカリ可溶性ポリイミド、(B)一般式(1)で表される不飽和結合含有重合性化合物、および(C)光重合開始剤を含有し、前記(A)アルカリ可溶性ポリイミド100重量部に対し前記(B)不飽和結合化合物の含有量が60〜110重量部、前記(C)光重合開始剤の含有量が1〜5重量部の範囲内である感光性樹脂組成物および該感光性樹脂組成物からなる層を有する感光性樹脂組成物フィルムとする。
【化1】
Figure 2014122948

(式中、R、Rはそれぞれ水素原子もしくはメチル基を示し、nは5〜18の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、リフロー処理後に剥離可能な感光性樹脂組成物、該感光性組成物より形成された感光性樹脂組成物フィルムおよび、それらを用いて形成したマスクレジスト層付き基板の製造方法、およびハンダ突起付き基板の製造方法に関する。
スマートフォンに代表される携帯通信機器やデジタルカメラ、デジタルビデオ等のモバイル製品の高機能化、小型化に伴い、これらの機器に搭載される電子デバイスに対して、小型・薄型化、高性能化への要求が厳しくなっている。半導体チップにおいては、ハンダ突起(半導体チップ素子面に形成された突起電極)の微細化が進んでいる。最近では、シリコン貫通ビア技術を活用した3次元積層化デバイスなどの開発に向けて、より微細なハンダ突起が必要となっている。
ハンダ突起形成に関して、今までハンダボールにて形成する技術があったが、バンプのファインピッチ化のため、リフロー時に溶融しない銅突起上に、ハンダキャップと呼ばれる小型のハンダ突起を形成する技術がファインピッチ用途の主流になっていくと考えられている。ハンダキャップを形成するために、ハンダペースト印刷法、電解めっき法など、様々な手法が開発されている。
ファインピッチ化によりバンプ接合部のハンダ体積が大幅に減少し、接合部のハンダがすべて金属間化合物化するなど、ハンダの機械特性が変化することが課題となると考えられている。そのため、接合部の信頼性に関係するハンダ組成は制御すべき重要な項目となるが、電解めっき法ではハンダの組成が安定せず、問題になると考えられている。その点、ペースト印刷法は、ペーストの組成が安定で、レジスト材料によるマスクの微細化が可能であり、ハンダキャップ形成法の一つとして期待されている。
ハンダキャップ形成を行う方法として、樹脂組成物フィルムを二層積層してハンダキャップを形成する方法が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。この方法では、下層である非感光性かつアルカリ可溶性である材料は、現像液に溶解しやすく、現像量を制御することが困難であった。また、下層材料の膜厚を薄くした場合、現像量の制御は容易になるものの、レジスト材料の除去に時間がかかるという問題があった。
一方、レジスト材料として、アルカリ可溶性ポリイミドを使用した材料が報告されている(例えば、特許文献4参照)。ポリイミドは耐熱性が高く、高温に加熱しても分解しないため、ペースト印刷法によるハンダキャップ形成に有効と考えられるが、現像後の密着性や、リフロー後の剥離性に問題があった。
特開2005−266795号公報 特開2007−052351号公報 特開2007−079550号公報 特開2009−258471号公報
かかる状況に鑑み、本発明は、アルカリ可溶性ポリイミドと特定の不飽和結合含有重合性化合物を含む感光性樹脂組成物を用いることにより、フォトリソグラフィーによりパターン形成が可能かつ、現像時にフィルムの剥がれが生じず、高温でのリフロー加熱時に樹脂層の剥がれが生じず、さらに、高温でのリフロー処理後に容易に剥離できることが可能な感光性樹脂組成物および該感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物フィルムを提供することを目的とする。
すなわち本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリイミド、(B)一般式(1)で表される不飽和結合含有重合性化合物、および(C)光重合開始剤を含有し、前記(A)アルカリ可溶性ポリイミド100重量部に対し前記(B)不飽和結合含有重合性化合物の含有量が60〜110重量部、前記(C)光重合開始剤の含有量が1〜5重量部の範囲内である感光性樹脂組成物である。
Figure 2014122948
(式中、R、Rはそれぞれ水素原子もしくはメチル基を示し、nは5〜18の整数を表す。)
本発明によれば、ビア形状の制御が容易かつ、ハンダ微粒子を融解するために240℃以上にリフロー処理しても、基板からの剥離が容易な感光性樹脂組成物からなる層を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリイミド、(B)上記一般式(1)で表される不飽和結合含有重合性化合物、および(C)光重合開始剤を含有し、前記(A)アルカリ可溶性ポリイミド100重量部に対し前記(B)不飽和結合含有重合性化合物の含有量が60〜110重量部、前記(C)光重合開始剤の含有量が1〜5重量部の範囲内である樹脂組成物である。
また、本発明の感光性樹脂組成物フィルムは、上述の感光性樹脂組成物からなる層を支持フィルム上に形成してなる感光性樹脂組成物フィルムである。
本発明の感光性樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液に容易に溶解するが、露光後はアルカリ現像液に不溶になるネガ型のパターンを形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、既に閉環したポリイミドを含有するため、ポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物のように、加熱あるいは適当な触媒を用いることにより、ポリイミド前駆体を閉環反応によりポリイミドに転換する必要がない。それ故、この感光性樹脂組成物からなる層を基板上に形成させた際に、基板と感光性樹脂組成物層の間に発生するボイドを抑制することができる。さらに、既に閉環したポリイミドを含有するため、ポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物とは異なり、高温加熱時のイミド化時に発生する水の揮発がなく、リフロー処理時の膜の変形を抑制することができる。
本発明における(A)アルカリ可溶性ポリイミドは、アルカリ水溶液で現像するためにアルカリ可溶性の官能基を有することが望ましい。アルカリ可溶性の官能基とは酸性を有する官能基であり、具体的には、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。ここで言うアルカリ可溶性とは、水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液100gに対して、25℃で0.1g以上溶解するものを指す。上記アルカリ可溶性基の中でも、感光性接着剤組成物の保存安定性や、導体である銅配線の腐食等の問題抑制のためには、アルカリ可溶性基はフェノール性水酸基であることが好ましい。ポリイミドへのアルカリ可溶性基の導入は、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、または末端封止剤にアルカリ可溶性基を持たせることにより行うことができる。なお、ポリイミドのイミド化率が100%未満である場合には、テトラカルボン酸二無水物に由来するカルボキシル基が残るが、そのカルボキシル基はここでいうアルカリ可溶性基には含めない。このようなアルカリ可溶性ポリイミドとしては、特に限定されるものではないが、下記一般式(2)の構造単位を有し、かつ主鎖末端の少なくとも一方に一般式(3)および/または(4)構造を有することが好ましい。
Figure 2014122948
Figure 2014122948
Figure 2014122948
式中、Yはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する1価の有機基を表し、Zはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する2価の有機基を表す。Yは好ましくは芳香族基であり、Zは好ましくは芳香族基または炭素−炭素二重結合を有する基である。YおよびZは、上述の有機基中でも、フェノール性水酸基またはチオール基を有することが特に好ましい。
また、Rは4〜14価の有機基を表し、Rは2〜12価の有機基を表し、RおよびRは、それぞれ独立にカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、およびチオール基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表す。また、αおよびβはそれぞれ独立に0〜10の整数を表す。ここで、α+βの範囲については、溶解性や製造のしやすさの観点から、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜6である。
本発明において、(A)アルカリ可溶性ポリイミドの重量平均分子量は、10,000以上100,000以下であることが好ましい。アルカリ可溶性ポリイミドが2種以上含まれる場合、そのうちの少なくとも1種の重量平均分子量が上記範囲であればよい。重量平均分子量が10,000以上だと、硬化膜の機械強度が向上し、接着強度が高くなる。一方、重量平均分子量が100,000以下であると、アルカリ水溶液での現像残渣の発生が抑制される。さらに、現像性が向上する点から、好ましくは50,000以下であることが好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定し、ポリスチレン換算で算出する。
(A)アルカリ可溶性ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られる。
一般式(2)において、Rはテトラカルボン酸二無水物の残基である。Rは、芳香族基または環状脂肪族基を含有する炭素原子数4〜40の有機基であることが好ましい。
このようなテトラカルボン酸二無水物としては具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物、および下記に示した構造の酸二無水物などを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
Figure 2014122948
ここで、Rは酸素原子、C(CF、C(CH、CO、COOおよびSOより選ばれる基を、RおよびRは、それぞれ、水素原子、水酸基およびチオール基より選ばれる基を表す。
一般式(2)において、Rはジアミンの残基である。Rは、芳香族基または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基であることが好ましい。
このようなジアミンの具体的な例としては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンおよび下記に示した構造のジアミンなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
Figure 2014122948
ここで、R10は酸素原子、C(CF、C(CH、CO、COOおよびSOより選ばれる基を、R11〜R14はそれぞれ、水酸基およびチオール基より選ばれる基を表す。
これらのうち、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンおよび下記に示した構造のジアミンなどが好ましい。
Figure 2014122948
ここで、R10は酸素原子、C(CF、C(CHおよびSOより選ばれる基を、R11〜R14はそれぞれ、水酸基およびチオール基より選ばれる基を表す。
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲でシロキサン構造を有するジアミンを共重合してもよい。具体的には、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどが挙げられる。
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性ポリイミドは、主鎖末端の少なくとも一部が1級モノアミンまたはジカルボン酸無水物で封止されていることが好ましい。この末端封止剤により、アルカリ可溶性ポリイミドの重量平均分子量を適切な範囲に調整することができる。アルカリ可溶性が向上する点から、末端封止剤がアルカリ可溶性基を有するものがさらに好ましい。さらに、末端のアルカリ可溶性基の中でも、感光性樹脂組成物の保存安定性や、導体である銅配線への腐食等の問題から、アルカリ可溶性基はフェノール性水酸基であることが好ましい。
本発明に用いられる末端を封止したアルカリ可溶性ポリイミドは、ポリマーの繰り返し単位数が小さいものであることが好ましい。その場合、繰り返し単位数が大きいものと比べ、分子の自由度が高く、加熱によって分子運動は大きくなる。よって、このポリイミドを用いて得られる感光性樹脂組成物フィルムは、被着体に熱圧着する際に、フィルムの流動性が向上し、被着体の凹凸への追従性が良好となる。
一般式(3)において、Yは末端封止剤である1級モノアミンに由来する。末端封止剤の具体的な例としては、1級モノアミンとして、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノールなどが好ましい。
また、一般式(4)において、Zは末端封止剤であるジカルボン酸無水物に由来する。ジカルボン酸無水物としては、4−カルボキシフタル酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物、シス−アコニット酸無水物などが好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性ポリイミドは、ジアミンの一部を末端封止剤である1級モノアミンに置き換えて、または、テトラカルボン酸二無水物を、末端封止剤であるジカルボン酸無水物に置き換えて、公知の方法で合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とモノアミンを反応させる方法、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジカルボン酸無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミンとモノアミンと縮合剤の存在下で反応させる方法などの方法を利用して、ポリイミド前駆体を得る。その後、公知のイミド化反応法を利用してポリイミドを合成することができる。
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性ポリイミドとして一般式(2)で表される構造単位を有するものが用いられる場合、そのポリイミドは、一般式(2)で表される構造単位のみからなるものであってもよいし、他の構造単位との共重合体であっても良い。その際、一般式(2)で表される構造単位をポリイミド全体の構造単位の50mol%以上含有していることが好ましい。共重合あるいは混合に用いられる構造単位の種類および量は、最終加熱処理によって得られるポリイミドの耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
また、(A)アルカリ可溶性ポリイミドのイミド化率は、例えば、以下の方法で容易に求めることができる。ここで、イミド化率とは、前記のようにポリイミド前駆体を経てポリイミドを合成するにあたって、ポリイミド前駆体のうち、何モル%がポリイミドに転換しているかを意味する。まず、ポリマーの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認する。次に、そのポリマーについて、350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前と熱処理後の1377cm−1付近のピーク強度を比較する。熱処理後のポリマーのイミド化率を100%として、熱処理前のポリマーのイミド化率を求める。ポリマーのイミド化率は90%以上であることが好ましい。
(A)成分のアルカリ可溶性ポリイミドに導入された末端封止剤は、以下の方法で検出できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリイミドを、酸性溶液に溶解して、ポリイミドの構成単位であるアミン成分とカルボン酸無水物成分に分解した後に、分取HPLCや分取GPC、各種溶離液によるカラムクロマトグラフィー等の手法により、各成分の単離精製を行う。各成分をHNMRや13CNMR、DEPT測定、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR等の手法により同定できる。これとは別に、末端封止剤が導入されたポリイミドを直接、熱分解ガスクロクロマトグラフ(PGC)や赤外分光法(IR)および13CNMRスペクトルを用いて測定しても、検出可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)一般式(1)で表される不飽和結合含有重合性化合物を含む。
Figure 2014122948
一般式(1)中、式中、R、Rは、それぞれ水素原子もしくはメチル基を示し、nは5〜18の整数を表す。該重合性化合物は末端に重合性基を含んでいるため、露光前はアルカリ現像液に容易に溶解するが、露光後はアルカリ現像液に不溶になるネガ型のパターンを形成することができる。また、該重合性化合物が芳香環等の構造を含まないことで、240℃以上のリフロー処理後でも基板から剥離でき、さらにnが5以上と分子量が大きいため、リフロー処理時の低分子量成分の揮発による膜の変形や、基板からの剥がれを防ぐことができる。また、該重合性化合物の含有量は、(A)成分のアルカリ可溶性ポリイミド100重量部に対して、60〜110重量部であり、現像性、剥離性の観点から70〜100重量部とすることが好ましい。この含有量が60重量部より少なくなると、240℃以上のリフロー処理後の剥離性が低下する。一方、この含有量が110重量部より多くなると、支持体となるフィルムや保護フィルムを剥離するときに、感光性樹脂組成物層の凝集破壊が起こる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、不飽和結合含有重合性化合物を添加してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は(C)光重合開始剤を含有する。(C)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−エチル−4−ピペリドンなどのベンジリデン類、7−ジエチルアミノ−3−ノニルクマリン、4,6−ジメチル−3−エチルアミノクマリン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチルメチルベンゾイミダゾリル)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリンなどのクマリン類、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノンなどのアントラキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールなどのメルカプト類、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(4−シアノフェニル)グリシンなどのグリシン類、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ビス(α−イソニトロソプロピオフェノンオキシム)イソフタル、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(o−ベンゾイルオキシム)などのオキシム類、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノアルキルフェノン類、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールなどが挙げられる。これらの中で、上記のベンゾフェノン類、グリシン類、メルカプト類、オキシム類、α-アミノアルキルフェノン類および2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールから選択される化合物の組み合わせが光反応の点から好適である。これらの光重合開始剤は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用される。オキシム類がより好ましく、特に好ましくは、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ビス(α−イソニトロソプロピオフェノンオキシム)イソフタル、OXE01およびOXE02(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)から選ばれた化合物である。
(C)光重合開始剤の好ましい含有量は、(A)のポリイミド100重量部に対して1〜5重量部である。光重合開始剤を二種類以上組み合わせて用いる場合は、その総量がこの範囲である。(C)光重合開始剤の含有量が1重量部以上であると、露光時の重合性化合物の重合反応が十分進行する。また、5重量部以下であると、厚膜でも十分な光線透過率を保つことができ、パターン形成が可能である。
本発明の感光性樹脂組成物の成分の同定および、各成分の配合量の確認は、以下の方法で行うことができる。感光性樹脂組成物を各種溶離液組成によるHPLC測定および、GPC測定を行い、感光性樹脂組成物に配合されている成分数を確認する。溶剤については、各成分が変性しないように注意しながら、ロータリーエバポレーターや精密蒸留等により除去する。その後、分取HPLCや分取GPC、各種溶離液によるカラムクロマトグラフィー等の手法により、各成分を(単離)精製を行う。各成分の(単離)精製については、溶剤を除去することなく、分取HPLCや分取GPC、各種溶離液によるカラムクロマトグラフィー等の手法により、各成分を(単離)精製を行うこともできる。溶剤種の同定は、GC−MASSやHNMRや13CNMR、HMBCやHMQC等の各種2次元NMRの手法により行うことができる。複数の高分子量成分が含まれている場合は、各種良溶媒、貧溶媒を選択し、高分子成分の溶解性の違いを利用した再沈殿により精製することも可能である。高分子量成分については、HNMRや13CNMR、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR、IR測定等の手法により高分子量成分にポリイミドが含まれているか判断できる。次に精製したポリイミドの溶解性を評価し、ポリイミド成分がアルカリ可溶性ポリイミドであるかを判断できる。低分子量成分については、単離精製した各成分を質量分析法による親ピークの確認およびフラグメントの解析、HNMRや13CNMR、DEPT測定、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR等の手法により同定することができ、一般式(1)の不飽和結合含有重合性化合物が含まれているか判断できる。また、一般式(1)の繰り返し単位n数については、質量分析法による分子量の確認、HNMRにおける末端重合性基のプロトン数とメチレンユニットのプロトン数の比較および、13CNMRにおける炭素数を比較することにより確認することができる。光重合開始剤については、単離精製した成分を質量分析法による親ピークの確認およびフラグメントの解析、HNMRや13CNMR、DEPT測定、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR等の手法により同定することができる。次に、各成分の配合量の確認方法について説明する。各成分の配合量は、例えば100gの感光性樹脂組成物を各成分に単離し、その重量を秤量することにより確認することが可能である。また、ビフェニル等の内部標準物質と単離精製物を用い、HPLCやGCを利用した検量線の作成および各成分の定量を行って配合量を決定することも可能である。これらの手法により、アルカリ可溶性ポリイミド100重量部に対して、一般式(1)の配合量、光重合開始剤の配合量を確認することができる。
次に、アルカリ可溶性ポリイミドのモノマーユニット構造の同定については、以下の方法で行うことができる。アルカリ可溶性ポリイミドを、酸性溶液に溶解して、ポリイミドの構成単位であるアミン成分とカルボン酸無水物成分に分解した後に、分取HPLCや分取GPC、各種溶離液によるカラムクロマトグラフィー等の手法により、各成分の単離精製を行う。各成分をHNMRや13CNMR、DEPT測定、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR等の手法により同定できる。
本発明の感光性樹脂組成物および該感光性樹脂組成物フィルムは、基板との親和性を向上させる目的で、界面活性剤を含んでいてもよい。このような界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。この中でも基板との親和性改善効果の高いフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては(以下、商品名)、エフトップEF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成(株)(旧(株)ジェムコ)製)、メガファックF171、F173、R−30(DIC(株)(旧大日本インキ化学工業(株))製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、界面活性剤は、複数種を組み合わせて用いることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物および該感光性樹脂組成物フィルムは、基板との密着性を向上させる目的で、密着促進剤を含んでいてもよい。その際、複数種の密着促進剤を組み合わせて用いても良い。
このような密着促進剤としては、例えば、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類;トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類;ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類;ビニルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−ピペリジニル)プロピルトリメトキシシラン等のシラン類;ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環状化合物;1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物等を挙げることができる。
これらの密着促進剤の使用割合は、ポリイミドと重合性化合物の総量100重量部に対して、通常20重量部以下、好ましくは1〜10重量部である。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、エポキシ基やオキセタン基、メチロール基、アルコキシメチル基等を有する架橋剤を添加してもよい。例えば、エポキシ基を有する架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。メチロール基やアルコキシメチル基を有する架橋剤としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX−750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW−30(以上、三和ケミカル社製)や、サイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712などのメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254などのメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508などのブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123−10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125−80のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)が挙げられるが、これらに限定されない。
さらに、感光性樹脂組成物は必要に応じて、架橋促進剤、光増感剤、安定剤、消泡剤などの添加剤を含有することもできる。光増感剤としては、例えば、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3 − 置換クマリン系、3 , 4 − 置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系、フェノチアジン系、アントラセン系、コロネン系、ベンズアントラセン系、ぺリレン系、メロシアニン系、ケトクマリン系、フマリン系、ボレート系が挙げられる。これらは、単独で用いる事も、2種類以上組み合わせて用いる事も出来る。
感光性樹脂組成物は、好ましくは(A)アルカリ可溶性ポリイミド、(B)一般式(1)で表される不飽和結合含有重合性化合物、および(C)光重合開始剤を有機溶剤に溶解させることにより得られる。ここで使用される有機溶剤としては、感光性樹脂組成物を溶解するものであればよい。
有機溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、その他、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらのうち、(A)成分を溶解しかつ、大気圧下沸点が100℃〜180℃であるものが特に好ましい。沸点がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物の塗布時に溶剤が揮発しすぎて塗布できなくなることがなく、かつ感光性樹脂組成物の乾燥熱処理温度を高くしなくてもよいため、基板や支持フィルムの材質に制約が生じることがない。また、(A)成分を溶解する溶剤を用いることによって、基板や支持フィルムに均一性の良い塗膜を形成することができる。ここで、本発明でいう沸点とは、1気圧、即ち1.013×10N/mの圧力下での沸点である。沸点の測定は公知の技術を用いて行うことができ、特に限定されないが、例えば、Swietoslawskiの沸点計を用いることで測定できる。
このような沸点を有する特に好ましい有機溶剤として、具体的には、シクロペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、ジアセトンアルコールおよび3−メチル−3−メトキシブタノール等が挙げられる。
また、上述のように混合、溶解させて得られた感光性樹脂組成物をろ紙やフィルターを用いてろ過しても良い。ろ過方法は特に限定されないが、保留粒子径0.4μm〜10μmのフィルターを用いて加圧ろ過によりろ過する方法が好ましい。
次に、本発明の感光性樹脂組成物フィルムを作製する方法について説明する。本発明の感光性樹脂組成物フィルムは上述の感光性樹脂組成物を支持フィルム上に塗布し、次いでこれを必要により乾燥することにより得られる。
本発明の感光性樹脂組成フィルムは支持フィルム上に形成される。その際用いられる支持フィルムは特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルムなど、通常市販されている各種のフィルムが使用可能である。支持フィルムと感光性樹脂組成物フィルムとの接合面には、密着性と剥離性を向上させるために、シリコーン、シランカップリング剤、アルミキレート剤などの表面処理を施してもよい。また、支持フィルムの厚みは特に限定されないが、作業性の観点から、10〜75μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物フィルムは、感光性樹脂組成物フィルムを保護するために、膜上に保護フィルムを有してもよい。これにより、大気中のゴミやチリ等の汚染物質から感光性樹脂組成物フィルム表面を保護することができる。
保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。保護フィルムは、感光性樹脂組成物フィルムとの接着力が小さいものであると好ましい。
感光性樹脂組成物を支持フィルムに塗布する方法としては、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーターなどの方法が挙げられる。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、0.5μm以上100μm以下であることが好ましい。
乾燥には、オーブン、ホットプレート、赤外線などを使用することができる。乾燥温度及び乾燥時間は、有機溶媒を揮発させることが可能な範囲であればよく、感光性樹脂組成物フィルムが未硬化または半硬化状態となるような範囲を適宜設定することが好ましい。具体的には、40℃から120℃の範囲で1分から数十分行うことが好ましい。また、これらの温度を組み合わせて段階的に昇温してもよく、例えば、50℃、60℃、70℃で各1分ずつ熱処理してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物フィルムの成分の同定および、各成分の配合量の確認は、以下の方法で行うことができる。感光性樹脂組成物フィルムの中で、支持フィルムと保護フィルムを除く感光性組成物フィルムの成分を、クロロホルムやテトラヒドロフラン等の有機溶媒に完全に溶解させる。その後、感光性樹脂組成物フィルムからなる溶液を各種溶離液組成によるHPLC測定および、GPC測定を行い、感光性樹脂組成物に配合されている成分数を確認する。その後、分取HPLCや分取GPC、各種溶離液によるカラムクロマトグラフィー等の手法により、各成分を(単離)精製を行う。複数の高分子量成分が含まれている場合は、各種良溶媒、貧溶媒を選択し、高分子成分の溶解性の違いを利用した再沈殿により精製することも可能である。高分子量成分については、HNMRや13CNMR、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR、IR測定等の手法により高分子量成分にポリイミドが含まれているか判断できる。次に精製したポリイミドの溶解性を評価し、ポリイミド成分がアルカリ可溶性ポリイミドであるかを判断できる。低分子量成分については、単離精製した各成分を質量分析法による親ピークの確認およびフラグメントの解析、HNMRや13CNMR、DEPT測定、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR等の手法により同定することができ、一般式(1)の不飽和結合含有重合性化合物が含まれているか判断できる。また、一般式(1)の繰り返し単位n数については、質量分析法による分子量の確認、HNMRにおける末端重合性基のプロトン数とメチレンユニットのプロトン数の比較および、13CNMRにおける炭素数を比較することにより確認することができる。光重合開始剤については、単離精製した成分を質量分析法による親ピークの確認およびフラグメントの解析、HNMRや13CNMR、DEPT測定、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR等の手法により同定することができる。次に、各成分の配合量の確認方法について説明する。各成分の配合量は、例えば100gの感光性樹脂組成物を各成分に単離し、その重量を秤量することにより確認することが可能である。また、ビフェニル等の内部標準物質と単離精製物を用い、HPLCやGCを利用した検量線の作成および各成分の定量を行って配合量を決定することも可能である。これらの手法により、アルカリ可溶性ポリイミド100重量部に対して、一般式(1)の配合量、光重合開始剤の配合量を確認することができる。
次に、アルカリ可溶性ポリイミドのモノマーユニット構造の同定については、以下の方法で行うことができる。アルカリ可溶性ポリイミドを、酸性溶液に溶解して、ポリイミドの構成単位であるアミン成分とカルボン酸無水物成分に分解した後に、分取HPLCや分取GPC、各種溶離液によるカラムクロマトグラフィー等の手法により、各成分の単離精製を行う。各成分をHNMRや13CNMR、DEPT測定、HMBCやHMQC等の各種2次元NMR等の手法により同定できる。
本発明のマスクレジスト層付き基板の製造方法は、基板上に請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物からなる層を形成し、あるいは基板上に請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物からなる層を形成し、その上に、(D)不飽和結合含有重合性化合物および(E)光重合開始剤を含む第2の感光性樹脂組成物からなる層を形成し、露光し、現像して、ビアを有するマスクレジスト層を形成することを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物からなる層を基板上に形成する方法について説明する。感光性樹脂組成物を用いて樹脂層を基板に形成する方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーターなどの方法が挙げられる。また、樹脂層を基板に形成後、さらに感光性樹脂組成物を回転塗布やスクリーン印刷等の方法により、樹脂層を積層しても構わない。また、ハンダキャップ付き基板を作製するときに用いられるような、銅突起付き基板のように凹凸のある基板に塗布する場合、凹凸部に空隙が発生したり、また平坦に塗布することが困難であるため、次に示す感光性樹脂組成物フィルムを用いて樹脂層を形成することが好ましい。
感光性樹脂組成物フィルムを用いて樹脂層を基板に形成する方法としては、熱プレス処理、熱ラミネート処理、熱真空ラミネート処理等による熱圧着により行うことができる。具体的には感光性樹脂組成物フィルムが保護フィルムを有する場合にはこれを剥離し、感光性樹脂組成物フィルムと基板が対向するように、熱圧着により貼り合わせる。基板と感光性樹脂組成物フィルムの間に空隙が生じることを避けるため、真空ラミネート処理が好ましい。また、凹凸のある基板上に作製する場合、真空ラミネート処理した後に、プレス処理することが好ましい。通常、凹凸のある基板に樹脂組成物を直接塗布する場合、基板の凹凸に追従して、塗膜膜表面は凹凸形状になることや、凹凸部に残存する空隙が発生することが問題となるが、樹脂組成物フィルムを用いた場合、樹脂膜の平坦性や基板上の空隙を抑制することが可能となるため、感光性樹脂組成物フィルムを用いて樹脂層を形成することが好ましい。特に、ハンダキャップを形成するときに使用される銅突起付き基板のような凹凸のある基板上に樹脂層を形成する場合、感光性樹脂組成物フィルムを用いて樹脂層を形成することが好ましい。熱圧着温度は、被着体への密着性、埋め込み性の点から40℃以上が好ましい。また、熱圧着時に感光性樹脂組成物フィルムが硬化し、露光・現像工程におけるパターン形成の解像度が悪くなることを防ぐために、熱圧着温度は150℃以下が好ましい。また、樹脂層を熱ラミネート処理等により基板に形成後、さらに感光性樹脂組成物フィルムを熱ラミネート処理や熱真空ラミネート処理等の方法により、樹脂層を積層しても構わない。
ハンダ突起付き基板を作製するときに、感光性樹脂組成物からなる層は製造プロセスを簡潔にする目的から一層のみを用いることが好ましいが、本発明の感光性樹脂組成物からなる層を基板上に形成した後に、さらにその上に(D)不飽和結合含有重合性化合物および(E)光重合開始剤を含む第2の感光性樹脂組成物からなる層を形成してもよい。第2の感光性樹脂組成物からなる層を形成する方法は、液状の組成物を、スピンナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーターなどの方法などでもよいし、液状の組成物を支持フィルム上に塗工して作製した感光性樹脂組成物フィルムを熱プレス処理、熱ラミネート処理、熱真空ラミネート処理等による熱圧着により形成してもよい。基板側に非感光性樹脂組成物からなる層を形成し、その上にさらに感光性樹脂組成物からなる層を形成し、ビアを形成する場合、現像マージンが狭くなるという問題があるが、本発明の感光性樹脂組成物からなる層を基板側に形成した場合、このような問題はない。
第2の感光性樹脂組成物については、露光前にアルカリ現像液に溶解し、露光後にアルカリ現像液に不溶になるネガ型の感光性樹脂組成物であれば特に限定されない。第2の感光性樹脂組成物に添加される樹脂としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられるが、リフロー処理後の膜の変質の観点から、ポリイミド樹脂が好ましい。(D)不飽和結合含有重合性化合物としては、アクリロイル基やメタアクリロイル基等を有する公知の不飽和結合含有重合性化合物を用いることができるが、リフロー処理時に揮発しにくい化合物であることが好ましい。(E)光重合開始剤としては、本発明の(C)光重合開始剤として例示した化合物等が挙げられる。
第2の感光性樹脂組成物には、有機溶剤として、シクロペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、ジアセトンアルコールおよび3−メチル−3−メトキシブタノール等を添加してもよい。また、シラン系等の密着促進剤や、エポキシ基やオキセタン基、メチロール基等を有する架橋剤や、フッ素系やシリコーン系等の界面活性剤等を添加してもよい。
基板としてはシリコンやゲルマニウムのIV族半導体ウェハ、ガリウムヒ素、SiC、窒化ガリウムなどの化合物半導体ウェハ有機系回路基板、無機系回路基板、およびこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、ハンダキャップ形成用に基板上に銅突起を形成していてもよい。有機系回路基板の例としては、ガラス布・エポキシ銅張積層板などのガラス基材銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板などのコンポジット銅張積層板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板などの耐熱・熱可塑性基板、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板などのフレキシブル基板が挙げられる。また、無機系回路基板の例は、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などのセラミック基板、アルミニウムベース基板、鉄ベース基板などの金属系基板が挙げられる。回路の構成材料の例は、銀、金、銅などの金属を含有する導体、無機系酸化物などを含有する抵抗体、ガラス系材料および/または樹脂などを含有する低誘電体、樹脂や高誘電率無機粒子などを含有する高誘電体、ガラス系材料などを含有する絶縁体などが挙げられる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物もしくは、感光性樹脂組成物フィルムを用いてパターンを形成する方法について説明する。感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する場合、スピンコーターなどの方法により基板上に皮膜を形成し、乾燥させて溶媒を除去する。この皮膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。次に、本発明の感光性樹脂組成物フィルムを用いてパターンを形成する方法について説明する。熱真空ラミネート等の方法で未硬化または半硬化状態の感光性樹脂組成物フィルムを基板に貼り合せる。この感光性樹脂組成物フィルム上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。支持フィルムがこれらの光線に対して透明な材質である場合は、感光性樹脂組成物フィルムから支持フィルムを剥離してから露光を行ってもよく、剥離せずに露光を行ってもよい。剥離をせずに露光を行った場合は、露光後、現像処理を行う前に支持フィルムを剥離する。
パターンを形成するには、露光後、現像液を用いて未露光部を除去する。露光方法はプロミキシティギャップ露光でも良いが、コンタクト露光が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物フィルムはタックが発生しないため、コンタクト露光が可能であり、高解像度なパターンを形成できる。
現像液としては、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを含有してもよい。
現像は上記の現像液を塗膜面にスプレーする、現像液中に浸漬する、あるいは浸漬しながら超音波をかける、基板を回転させながら現像液をスプレーするなどの方法によって行うことができる。
現像後は水にてリンス処理をしてもよい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。
本発明のハンダ突起付き基板の製造方法は、上述のマスクレジスト層付き基板の製造方法により得られたマスクレジスト層付き基板上にハンダペーストを印刷し、リフローした後、マスクレジスト層を除去してハンダ突起を形成することを特徴とするハンダ突起付き基板の製造方法である。
ハンダペーストの印刷方法について説明する。ハンダペーストの印刷とは、ハンダ微粒子やフラックスを含むハンダペーストを、例えば東レエンジニアリング社製真空印刷装置VD500C等を用いて、基板上に形成したビア内に埋め込む方法を指す。ハンダペーストとしては、M705−BPS7(千住金属工業(株)社製)等を用いることができる。ハンダペーストに含まれるハンダ微粒子のサイズは、ビア内に充填されるサイズであればいずれでも構わないが、ビアへの埋め込み性から10μm以下が好ましい。また、ビアへの埋め込み性を高めるため、真空下ハンダペーストを印刷することが好ましい。
次にハンダペーストをビア内に充填した基板のリフロー処理について説明する。ビア内に充填したハンダペーストをリフロー処理により加熱して融解し、ハンダ突起を形成する。このとき、リフロー処理の方法は、赤外線リフローや真空リフロー、ギ酸リフローなどがあるが、いずれの方法でも構わない。リフローにより加熱する温度については、ハンダペーストが融解する温度であればいずれでも構わないが、鉛フリーハンダにより調合されたハンダペーストを用いる場合、240℃以上に加熱することが好ましい。特に、ウェハ全面に印刷したペーストを溶解する場合、炉内の面内均一性の観点から240℃以上の高い温度で保持する必要があるが、本発明の感光性樹脂組成物からなる層は容易に剥離することができる。特に、本発明の感光性樹脂組成物からなる層は、240℃以上の高温リフロー処理後も容易に剥離することが可能であるため、240℃以上のリフロー処理を必要とする鉛フリーハンダを用いてハンダキャップを形成するマスクレジストとして特に有用である。
次に、ハンダ突起形成時に使用したビアを有するマスクレジスト層の除去方法について説明する。マスクレジスト層の除去は、ジメチルスルホキシドやN,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶剤や、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤とモノエタノールアミン等の有機アルカリ化合物等の混合溶剤、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドやモノエタノールアミン、水酸化ナトリウム等のアルカリ性化合物を溶解したアルカリ水溶液等に、基板を浸漬することで除去できる。浸漬する溶媒については、マスクレジスト層の下層に存在する基板上の樹脂層への腐食の観点から、有機溶剤ではなく、アルカリ水溶液が好ましい。また、アルカリ水溶液に溶解するアルカリ化合物は、マスクレジスト除去後に基板上に残存する可能性があるため、ナトリウム等の金属を含まない有機アルカリ化合物であることが好ましい。また、アルカリ水溶液に含まれる有機アルカリ化合物の含有量は、マスクレジスト層の下層に存在する樹脂層への腐食の観点から、少ないほうが好ましい。有機アルカリ化合物の配合量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下が好ましい。また、マスクレジスト層の除去性能を高めるため、溶剤を加温することが好ましい。溶剤の揮発性から、溶剤の温度は80℃以下、より好ましくは60℃以下が好ましい。また、マスクレジスト層の除去性を高めるため、超音波処理を行いながら基板を浸漬してもよい。マスクレジスト除去後に水にてリンス処理をしてもよい。また、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。
以下、本発明の感光性樹脂組成物および感光性樹脂組成物フィルムについて例を挙げて説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。まず、評価方法について説明する。
<合成したポリイミドのイミド化率>
まず、ポリマーの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認した。次に、そのポリマーについて、350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前と熱処理後の1377cm−1付近のピーク強度を比較した。熱処理後のポリマーのイミド化率を100%として、熱処理前のポリマーのイミド化率を求めた。
各実施例および比較例で用いたポリイミドは以下の方法により合成した。
合成例1
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン30.95g(0.0845モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物31.02g(0.1モル)をNMP30gとともに加えて、20℃で1時間攪拌し、次いで50℃で4時間攪拌した。ここに、3−アミノフェノール2.5g(0.02モル)を加え、50℃で2時間攪拌後、180℃で5時間攪拌して樹脂溶液を得た。次に、樹脂溶液を水3Lに投入して白色沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で5時間乾燥した。得られた樹脂粉体のイミド化率は94%であった。
実施例1
合成例1で得られたポリイミド14.0g、プロピレングリコールモノメチルエーエルアセテート(以下、PGMEAとする)21.0gを100mLポリ容器に添加し、室温下、ボールミル架台上で48時間攪拌した。溶液にブレンマーPDE−600(日油株式会社製、一般式(1)で表され、RおよびRがいずれもメチル基であり、nの平均値が約14のもの)12.0g、アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)を0.4g、PGMEA5.4gを添加し、室温下、ボールミル架台上で24時間攪拌した。その後、保留粒子径2μmのフィルターを用いて、得られた混合液の加圧ろ過を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
比較製造例1
合成例1で得られたポリイミド21.0g、アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)を1.8g、フェノール系架橋剤HMOM−TPHA−GE(本州化学工業株式会社製)の20wt%γ―ブチロラクトン溶液を18.0g、ライトアクリレートDPE−6A(共栄社化学株式会社製)を1.2g、ライトエステルBP−6EM(共栄社化学株式会社製)を10.8g、乳酸エチルを20.8g、ジアセトンアルコール14.7gを250mLポリ容器に添加し、室温下、ボールミル架台上で72時間攪拌した。その後、保留粒子径2μmのフィルターを用いて、得られた混合液の加圧ろ過を行い、感光性樹脂組成物2を得た。
比較製造例2
合成例1で得られたポリイミド14.0g、PGMEA21.0gを250mLポリ容器に添加し、室温下、ボールミル架台上で48時間攪拌した。溶液に、ライトエステルBP−6EM(共栄社化学株式会社製)10.0g、ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学株式会社製)10.0g、HOA−MPL(共栄社化学株式会社製)10.0g、 PEG600(東京化成工業株式会社製)10.0g、アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)を0.4g、PGMEA22.5gを添加し、室温下、ボールミル架台上で18時間攪拌した。その後、保留粒子径2μmのフィルターを用いて、得られた混合液の加圧ろ過を行い、感光性樹脂組成物3を得た。
比較製造例3
合成例1で得られたポリイミド14.0g、PGMEA21.0gを100mLポリ容器に添加し、室温下、ボールミル架台上で48時間攪拌した。溶液にブレンマーPDE−600(日油株式会社製、一般式(1)で表され、RおよびRがいずれもメチル基であり、nの平均値が約14のもの)19.0g、アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)を0.4g、PGMEA5.4gを添加し、室温下、ボールミル架台上で24時間攪拌した。その後、保留粒子径2μmのフィルターを用いて、得られた混合液の加圧ろ過を行い、感光性樹脂組成物4を得た。
比較製造例4
合成例1で得られたポリイミド14.0g、PGMEA21.0gを100mLポリ容器に添加し、室温下、ボールミル架台上で48時間攪拌した。溶液にエチレングリコールジメタクリレート(一般式(1)で表され、RおよびRがいずれもメチル基であり、n=1のもの)12.0g、アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)を0.4g、PGMEA5.4gを添加し、室温下、ボールミル架台上で24時間攪拌した。その後、保留粒子径2μmのフィルターを用いて、得られた混合液の加圧ろ過を行い、感光性樹脂組成物5を得た。
比較製造例5
合成例1で得られたポリイミド14.0g、PGMEA21.0gを100mLポリ容器に添加し、室温下、ボールミル架台上で48時間攪拌した。溶液にジ(エチレングリコール)ジメタクリレート(一般式(1)で表され、RおよびRがいずれもメチル基であり、n=2のもの)12.0g、アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)を0.4g、PGMEA5.4gを添加し、室温下、ボールミル架台上で24時間攪拌した。その後、保留粒子径2μmのフィルターを用いて、得られた混合液の加圧ろ過を行い、感光性樹脂組成物6を得た。
比較製造例6
合成例1で得られたポリイミド14.0g、PGMEA21.0gを100mLポリ容器に添加し、室温下、ボールミル架台上で48時間攪拌した。溶液に3官能性アクリルA−GLY−9E(新中村化学工業株式会社製、25℃における粘度95mPa・s)12.0g、アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)を0.4g、PGMEA5.4gを添加し、室温下、ボールミル架台上で24時間攪拌した。その後、保留粒子径2μmのフィルターを用いて、得られた混合液の加圧ろ過を行い、感光性樹脂組成物7を得た。
実施例2
実施例1にて得られた感光性樹脂組成物1を、バーコーターを用いて、シリコーン系の剥離処理が施された厚さ38μmのセラピールHP2(U)(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルムとしてSR3(大槻工業株式会社製)をラミネートし、感光性樹脂組成物フィルムの膜厚が20μm、25μmの感光性樹脂組成物フィルム1を得た。
実施例3
ポリイミドコーティング剤セミコファインSP−341(商品名、東レ(株)製)を、シリコンウェハー上にスピンコートし、窒素雰囲気下、140℃にて30分、200℃にて30分、350℃にて60分焼成して、膜厚2μmの皮膜を作製した。作製した基板に、真空ラミネート装置VTM−200M(株式会社タカトリ製)を用いて、実施例2にて製造した厚み20μmの感光性樹脂組成物フィルム1を、保護フィルムを剥がして、積層した。積層条件は、ラミネート速度5mm/秒、ラミネートロール圧力0.2MPa、ロール温度80℃、ステージ温度80℃、チャンバー圧力150Paにて行った。次に、露光装置PEM−6M(ユニオン光学株式会社製)を用いて、積層材料付き基板に露光した。光線照射量は紫外線積算光量計UIT−250(ウシオ電機株式会社製)と、光量計測用フィルターUVD−S405(ウシオ電機(株)製)を用いて測定し、400mJ/cmとなるように、露光した。また、積層した材料とマスクの距離をゼロとした。
得られた基板上のセラピールHP2(U)を剥がした後に、窒素気流下、リフロー炉STR−3100RC(株式会社シンアペックス製)を用いて、基板のリフロー処理を行った。処理条件は、80℃にて1秒保持した後に、150℃まで90秒で昇温し、150℃にて10秒保持した後に、190℃まで80秒で昇温した後に、190℃にて10秒保持し、220℃まで30秒で昇温し、220℃にて1秒保持した後に、245℃まで30秒で昇温し、245℃で20秒保持し、熱処理基板1を作製した。
熱処理基板1を1cm角に切断し、60℃に加温した50wt%モノエタノールアミン水溶液50mLに浸漬した。感光性樹脂組成物フィルム1の剥離時間を計測したところ、2分で剥離した。
実施例4
実施例3にて作製した熱処理基板1を1cm角に切断し、60℃に加温した10wt%モノエタノールアミン水溶液50mLに浸漬した。感光性樹脂組成物フィルム1の剥離時間を計測したところ、5分で剥離した。
比較例1
比較製造例1にて得られた感光性樹脂組成物2を、バーコーターを用いて、シリコーン系の剥離処理が施された厚さ38μmのPETフィルムセラピールHP2(U)(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルムとしてPPフィルムSR3(大槻工業株式会社製)をラミネートし、感光性樹脂組成物フィルムの膜厚が20μmの感光性樹脂組成物フィルム2を得た。
比較例2
感光性樹脂組成物フィルム1を感光性樹脂組成物フィルム2に変更する以外は、実施例3と同様の方法にて、熱処理基板2を作製した。得られた熱処理基板2を1cm角に切断し、60℃に加温した50wt%モノエタノールアミン水溶液50mLに浸漬した。感光性樹脂組成物フィルム2の剥離時間を計測したが、30分で剥離しなかった。
比較例3
比較例2にて作製した熱処理基板2を1cm角に切断し、60℃に加温した10wt%モノエタノールアミン水溶液50mLに浸漬した。感光性樹脂組成物フィルム2の剥離時間を計測したが、30分で剥離しなかった。
比較例4
比較製造例2にて得られた感光性樹脂組成物3を、バーコーターを用いて、シリコーン系の剥離処理が施された厚さ38μmのPETフィルムセラピールHP2(U)(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルムとしてPPフィルムSR3(大槻工業株式会社製)をラミネートし、感光性樹脂組成物フィルムの膜厚が20μmの感光性樹脂組成物フィルム3を得た。
比較例5
感光性樹脂組成物フィルム1を感光性樹脂組成物フィルム3に変更する以外は、実施例3と同様の方法にて、熱処理基板3を作製した。得られた熱処理基板3を1cm角に切断し、60℃に加温した50wt%モノエタノールアミン水溶液50mLに浸漬した。感光性樹脂組成物フィルム3の剥離時間を計測したところ、5分で剥離した。
比較例6
比較例5にて作製した熱処理基板3を1cm角に切断し、60℃に加温した10wt%モノエタノールアミン水溶液50mLに浸漬した。感光性樹脂組成物フィルム3の剥離時間を計測したが、30分で剥離しなかった。
Figure 2014122948
比較例7
比較製造例3にて得られた感光性樹脂組成物4を、バーコーターを用いて、シリコーン系の剥離処理が施された厚さ38μmのPETフィルムセラピールHP2(U)(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルムとしてPPフィルムSR3(大槻工業株式会社製)をラミネートし、感光性樹脂組成物フィルムの膜厚が20μmの感光性樹脂組成物フィルム4を得た。保護フィルムSR3を剥がしたところ、感光性樹脂組成物フィルムに凝集破壊が生じた。
比較例8
比較製造例4にて得られた感光性樹脂組成物5を、バーコーターを用いて、シリコーン系の剥離処理が施された厚さ38μmのPETフィルムセラピールHP2(U)(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行って20μmの感光性樹脂組成物フィルム5を作製したところ、フィルムにクラックが生じるとともに、PETフィルムセラピールHP2(U)が変形した。
比較例9
比較製造例5にて得られた感光性樹脂組成物6を、バーコーターを用いて、シリコーン系の剥離処理が施された厚さ38μmのPETフィルムセラピールHP2(U)(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルムとしてPPフィルムSR3(大槻工業株式会社製)をラミネートし、感光性樹脂組成物フィルムの膜厚が25μmの感光性樹脂組成物フィルム6を得た。
実施例5
シリコンウェハーに、真空ラミネート装置MVLP−500/600(株式会社名機製作所製)を用いて、実施例2にて製造した厚み25μmの感光性樹脂組成物フィルム1を、保護フィルムを剥がして、ラミネートした。ラミネート条件は、上熱盤温度80℃、下熱盤温度80℃、真空時間20秒、プレス圧力0.4MPa、加圧時間20秒にて行った。さらに同じ条件にて、比較例1にて製造した膜厚20μmの感光性樹脂組成物フィルム2を、保護フィルムを剥がして、貼り付けた。次に、露光装置PEM−6M(ユニオン光学株式会社製)を用いて、積層材料付き基板に露光した。光線照射量は紫外線積算光量計UIT−250(ウシオ電機株式会社製)と、光量計測用フィルターUVD−S405(ウシオ電機(株)製)を用いて測定し、400mJ/cmとなるように、露光した。また、積層した材料とマスクの距離をゼロとした。
得られた基板上のセラピールHP2(U)を剥がした後に、窒素気流下、リフロー炉STR−3100RC(株式会社シンアペックス製)を用いて、基板の加熱処理を行った。処理条件は、80℃にて1秒保持した後に、150℃まで90秒で昇温し、150℃にて10秒保持した後に、190℃まで80秒で昇温した後に、190℃にて10秒保持し、220℃まで30秒で昇温し、220℃にて1秒保持した後に、245℃まで30秒で昇温し、245℃で20秒保持し、熱処理基板4を作製した。熱処理基板4には、感光性樹脂組成物からなる層の剥がれは見られなかった。
比較例10
厚み25μmの感光性樹脂組成物フィルム1の代わりに、比較例9にて製造した厚み25μmの感光性樹脂組成物フィルム6を使用する以外は、実施例5と同じ方法にて熱処理基板5を作製したところ、感光性樹脂組成物からなる層の剥がれが生じた。
実施例6
直径80μm、高さ20μmの円柱状銅突起を有する基板に、真空ラミネート装置VTM−200M(株式会社タカトリ製)を用いて、実施例2にて製造した膜厚25μmの感光性樹脂組成物フィルム1を、保護フィルムを剥がして、貼り付けた。積層条件は、ラミネート速度5mm/秒、ラミネートロール圧力0.2MPa、ロール温度80℃、ステージ温度80℃、チャンバー圧力150Paにて行った。さらに同じ条件にて、実施例2にて製造した膜厚25μmの感光性樹脂組成物フィルム1を、保護フィルムを剥がして、貼り付けた。
続いて、銅突起部分に光が照射されないようにマスクを設置し、露光装置PEM−6M(ユニオン光学株式会社製)を用いて、積層材料付き基板に露光した。光線照射量は紫外線積算光量計UIT−250(ウシオ電機株式会社製)と、光量計測用フィルターUVD−S405(ウシオ電機(株)製)を用いて測定し、400mJ/cmとなるように、露光した。また、積層した材料とマスクの距離をゼロとした。次に、自動現像装置AD3000(滝沢産業株式会社製)を用いて、2.38%TMAH水溶液にて現像を行い、銅突起上にビアを形成した。次に、真空印刷装置VD500C(東レエンジニアリング株式会社製)を用いて、ビア内にハンダペーストSENJU M705−BPS7(千住金属工業株式会社製)を埋め込んだ。真空印刷用スキージとしてDB70−200−55/35、真空度130Pa、埋め込み圧力0.1MPa、埋め込み速度5mm/秒、かきとり圧力0.3Paとして、ハンダペーストの埋め込みを行った。
次にハンダペーストを埋め込んだ基板を、窒素気流下、リフロー炉STR−3100RC(株式会社シンアペックス製)を用いて、加熱処理した。処理条件は、80℃にて1秒保持した後に、150℃まで90秒で昇温し、150℃にて10秒保持した後に、190℃まで80秒で昇温した後に、190℃にて10秒保持し、220℃まで30秒で昇温し、220℃にて1秒保持した後に、245℃まで30秒で昇温し、245℃で20秒保持した。得られた基板を、60℃に加温した50wt%モノエタノールアミン水溶液に浸漬し、積層した樹脂フィルムを剥離した。光学顕微鏡にて観察し、銅突起上にハンダ突起が形成されていることを確認した。
比較例11
比較製造例6にて得られた感光性樹脂組成物7を、バーコーターを用いて、シリコーン系の剥離処理が施された厚さ38μmのPETフィルムセラピールHP2(U)(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルムとしてPPフィルムSR3(大槻工業株式会社製)をラミネートし、感光性樹脂組成物フィルムの膜厚が25μmの感光性樹脂組成物フィルム7を得た。
比較例12
直径80μm、高さ20μmの円柱状銅突起を有する基板に、実施例6と同様の方法にて、比較例11にて製造した感光性樹脂組成物フィルム7を2枚貼り付けた。続いて、実施例6と同じ方法にて露光、現像を行ったところ、貼り付けたフィルムの剥がれが確認された。

Claims (6)

  1. (A)アルカリ可溶性ポリイミド、(B)一般式(1)で表される不飽和結合含有重合性化合物、および(C)光重合開始剤を含有し、前記(A)アルカリ可溶性ポリイミド100重量部に対し前記(B)不飽和結合含有重合性化合物の含有量が60〜110重量部、前記(C)光重合開始剤の含有量が1〜5重量部の範囲内である感光性樹脂組成物。
    Figure 2014122948
    (式中、R、Rはそれぞれ水素原子もしくはメチル基を示し、nは5〜18の整数を表す。)
  2. 前記(A)アルカリ可溶性ポリイミドが、主鎖末端にフェノール性水酸基を少なくとも一つ有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物からなる層を支持フィルム上に形成してなる感光性樹脂組成物フィルム。
  4. 、基板上に請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物からなる層を形成し、露光し、現像して、ビアを有するマスクレジスト層を形成することを特徴とするマスクレジスト層付き基板の製造方法。
  5. 基板上に請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物からなる層を形成し、その上に、(D)不飽和結合含有重合性化合物および(E)光重合開始剤を含む第2の感光性樹脂組成物からなる層を形成し、露光し、現像して、ビアを有するマスクレジスト層を形成することを特徴とするマスクレジスト層付き基板の製造方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載のマスクレジスト層付き基板の製造方法により得られたマスクレジスト層付き基板上にハンダペーストを印刷し、リフローした後、マスクレジスト層を除去してハンダ突起を形成することを特徴とするハンダ突起付き基板の製造方法。
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