JP2014122908A - 検体生体粒子の電荷監視質量分析を行うためのシステムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体生体粒子の電荷監視質量分析のための新規なシステムおよび方法の提供。
【解決手段】a)前記検体生体粒子をレーザー脱離によって気化し、イオン化して、検体生体粒子イオンを生成しつつ、圧力制御放電を発生させるステップと、b)質量分析器内において前記検体生体粒子イオンの質量対電荷比を決定するステップと、c)電荷検出器を用いて前記検体生体粒子イオンの電荷を測定するステップと、を含む方法および、そのための装置。迅速な質量分布測定のために用いられ、また、癌細胞および通常細胞の質量分布が異なる場合、癌細胞を通常細胞と区別するために用いられる。
【選択図】図1A

Description

本出願は、2007年12月13日に出願された米国暫定出願第61/013,408号に対し、合衆国法典第35編第119条(e)に基づく優先権を主張し、当該出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
本明細書における開示は一般的に質量分析の分野に関し、より具体的には、分子から細胞および微粒子へと多岐にわたる検体の質量測定を行うことができる速度、容易さ、検出効率、および精度を増加させるための、新規の電荷監視質量分析のシステムおよび方法に関する。
分光分析は、電磁場および電磁放射との検体の相互作用に基づいて、検体についての情報を推定する技術である。質量分析は、その名前が示唆するように、質量の測定に関係する。一部のものが単一原子を「秤量」できるので、質量分析計(MS)は世界最小の秤と呼ばれてきた。徐々に、質量分析の用途は高分子を含むますます大きな分子へと拡大してきた。
ノーベル賞受賞者であるJohn B. Fennは、「質量または重量の情報は、種の固有性を決定する際には、時に十分であり、頻繁に必要であり、かつ常に有用である」と発言した。質量分析がますます大きい検体に適合するにつれ、MSが生化学的混合物中の高分子成分を同定するのに頻繁に用いられているので、この発言は真実であり続けている。このポストゲノム時代では、ますます大規模な高分子集合体、および、ウイルスや全細胞等のさらにより大きい生体粒子の特性評価に今まで以上に関心がある。
ウイルス、細菌、および全哺乳類細胞を含む無傷の生体粒子の質量は実際に、レーザー誘起音波脱離(LIAD)等の軟脱離法を使用する質量分析計で測定されている。トラップを使用する質量分析器は、これらの脱離した生体粒子の質量対電荷比(m/z)を決定する光散乱測定のために用いることができる。これらの生体粒子の質量を決定するためには、脱離した微粒子の電荷数が、その光散乱パターンの変化を観測するために電子衝撃によって変化される必要がある。この手法に関する1つの問題は、電荷数を変化させるこの方法には過剰に時間がかかり得ることである。例えば、1個のトラップした微粒子の質量を決定するのに平均して約15〜30分かかる。ほとんどの生体粒子の質量分布が広範であり、かつ、質量分布を得るために多くの微粒子を測定する必要があるので、微粒子の質量分布測定のために従来の光散乱法を行うことは非現実的となる。
これまでの手法に関する1つのさらなる問題は、電荷測定の雑音レベルおよび精度に関する。単一微粒子は、マトリクス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法、またはLIAD測定法において、10〜2,000の範囲内の電荷数を有し得る。しかしながら、これらの脱離した細胞または微粒子の電荷数の直接測定による正確な質量決定は、検出装置に起因する電子雑音と比較して低い細胞または微粒子の電荷数のために困難となっている。
ほとんどの従来の質量分析計では、マイクロチャネルプレート(「MCP」)等の電荷増幅装置によってイオンを検出する。当該電荷増幅装置は二次電子の放出に基づいて電荷を検出するので、この種類の検出器は一般的に望ましくない検出バイアスが伴う。さらに、二次電子放出の効率は入ってくるイオンの速度に密接に関係する。それ故、大きい生体粒子の混合物の質量スペクトルは通常、電荷増幅装置で検出される実際のイオン数を反映しない。
電荷監視質量分析を行うためのシステムおよび方法が開示される。1つの実施形態では、当該装置は、検体を搭載して脱離/気化させるための構成部と、検体の静電電荷を増強するための構成部と、電場および/または磁場とのその相互作用に基づいて検体の質量対電荷(m/z)比を決定するための質量分析器と、検体の電荷を測定するための電荷検出器とを含む。いくつかの実施形態では、特定の構成部が上記役割のうち2つ以上を行うか、あるいはこれらに貢献し得る。
別の実施形態では、当該装置は、検体のレーザー誘起音波脱離のための構成部と、電場および/または磁場とのその相互作用に基づいて検体の質量対電荷(m/z)比を決定するための質量分析器と、検体の電荷を測定するための電荷検出器とを含む。
なお別の実施形態では、当該方法は、検体を脱離および/または気化させるステップと、前記検体の電荷を増強するステップと、前記検体を電場または磁場に曝し、前記検体とその場との相互作用を用いてその質量対電荷比を決定するステップと、先行測定に基づいて前記検体の質量を計算するステップとを含む。当該方法は、様々な種類の検体および当該装置の様々な構成により変化してよい。
さらなる一実施形態では、当該方法は、検体のレーザー誘起音波脱離と、前記検体を電場または磁場に曝し、前記検体とその場との相互作用を用いてその質量対電荷比を決定するステップと、前記検体の電荷を測定するステップと、先行測定に基づいて前記検体の質量を計算するステップとを含む。
本発明の利点は、特に添付の特許請求の範囲で取り上げられる要素および組み合わせによって実現および達成される。本明細書で主張されるように、前述の一般的な記述と下記の詳細な記述の両方は例示または説明のためだけのものであり、本発明を制限するものではないことを理解されたい。
本明細書に盛り込まれ、かつ、本明細書の一部を構成する図面は、本発明の原理の実施形態を図示し、当該記述とともに本発明の原理を説明するのに役立つ。可能な限り、同一の参照番号が、当該図面を通じて同一または同様の部分を指すのに用いられる。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
質量分析を行うように構成される装置であって、
a)検体用の気化器と、
b)電荷増強器と、
c)少なくとも1つの質量分析器と、
d)少なくとも1つの電荷検出器と、
を含む装置。
(項目2)
上記電荷増強器が放電を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記電荷増強器が、コロナ放電、グロー放電、冷陰極放電、中空陰極放電、RF誘起放電、またはDC誘起放電のうち少なくとも1種から選択される放電を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目4)
上記電荷増強器がコロナ放電を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目5)
上記電荷増強器が荷電粒子線を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目6)
上記電荷増強器が荷電粒子線を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目7)
上記電荷増強器が電子線を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目8)
上記電荷増強器がイオン線を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目9)
上記電荷増強器が陽子線を発生させることができる、項目1に記載の装置。
(項目10)
上記検体用の気化器がレーザーおよび脱離板を備える、項目1に記載の装置。
(項目11)
上記検体用の気化器がLIADによって作動することができる、項目1に記載の装置。
(項目12)
上記検体用の気化器がMALDIによって作動することができる、項目1に記載の装置。
(項目13)
上記検体用の気化器が電荷付着によって作動することができる、項目1に記載の装置。
(項目14)
上記検体用の気化器が、SELDI、DIOS、DESI、PD、FD、EI、CI、FI、FAB、IA、ES、TS、API、APP、APCI、またはDARTから選択される機構によって作動することができる、項目1に記載の装置。
(項目15)
上記質量分析器がイオントラップを備える、項目1に記載の装置。
(項目16)
上記質量分析器が四重極イオントラップを備える、項目1に記載の装置。
(項目17)
上記質量分析器が直線状イオントラップを備える、項目1に記載の装置。
(項目18)
上記直線状イオントラップが検体を軸方向および/または半径方向に放出するように構成され、1つ以上の検出器が上記検体を検出するように配置される、項目17に記載の装置。
(項目19)
上記質量分析器が、ICR質量分析器、TOF質量分析器、四重極質量分析器、または磁場領域質量分析器から選択される、項目1に記載の装置。
(項目20)
上記電荷検出器が電荷増幅を伴わずに作動することができる、項目1に記載の装置。
(項目21)
上記電荷検出器が電荷検出用の板またはカップを備える、項目1に記載の装置。
(項目22)
上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目1に記載の装置。
(項目23)
上記電荷検出器が誘起電荷検出器を備える、項目1に記載の装置。
(項目24)
上記電荷検出器が多段誘起電荷検出器を備える、項目1に記載の装置。
(項目25)
上記質量分析器がイオントラップを備え、上記電荷増強器が放電を発生させることができ、上記検体用の気化器が脱離板を備え、かつ上記電荷検出器が電荷検出用の板またはカップを備える、項目1に記載の装置。
(項目26)
上記質量分析器が四重極イオントラップまたは直線状イオントラップを備える、項目25に記載の装置。
(項目27)
上記電荷増強器がコロナ放電を発生させることができる、項目25に記載の装置。
(項目28)
上記検体用の気化器がレーザーおよび脱離板を備え、かつLIADによって作動することができる、項目25に記載の装置。
(項目29)
上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目25に記載の装置。
(項目30)
上記質量分析器が直線状イオントラップまたは四重極イオントラップを備え、上記電荷増強器がコロナ放電を発生させることができ、上記検体用の気化器が脱離板を備えかつLIADによって作動することができ、かつ上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目25に記載の装置。
(項目31)
上記質量分析器が四重極イオントラップを備え、上記電荷増強器がコロナ放電を発生させることができ、上記検体用の気化器がレーザーおよび脱離板を備えかつLIADによって作動することができ、かつ上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目25に記載の装置。
(項目32)
質量分析を行うように構成される装置であって、
a)検体用の気化器と、
b)少なくとも1つの質量分析器と、
c)少なくとも1つの電荷検出器と、
を含む装置。
(項目33)
上記検体用の気化器がレーザーおよび脱離板を備える、項目32に記載の装置。
(項目34)
上記検体用の気化器がLIADによって作動することができる、項目32に記載の装置。
(項目35)
上記検体用の気化器がMALDIによって作動することができる、項目32に記載の装置。
(項目36)
上記検体用の気化器が電荷付着によって作動することができる、項目32に記載の装置。
(項目37)
上記検体用の気化器が、SELDI、DIOS、DESI、PD、FD、EI、CI、FI、FAB、IA、ES、TS、API、APP、APCI、またはDARTから選択
される機構によって作動することができる、項目32に記載の装置。
(項目38)
上記質量分析器がイオントラップを備える、項目32に記載の装置。
(項目39)
上記質量分析器が四重極イオントラップを備える、項目32に記載の装置。
(項目40)
上記質量分析器が直線状イオントラップを備える、項目32に記載の装置。
(項目41)
上記直線状イオントラップが検体を軸方向および/または半径方向に放出するように構成され、1つ以上の検出器が上記検体を検出するように配置される、項目40に記載の装置。
(項目42)
上記質量分析器が、ICR質量分析器、TOF質量分析器、四重極質量分析器、または磁場領域質量分析器から選択される、項目32に記載の装置。
(項目43)
上記電荷検出器が電荷増幅を伴わずに作動することができる、項目32に記載の装置。
(項目44)
上記電荷検出器が電荷検出用の板またはカップを備える、項目32に記載の装置。
(項目45)
上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目32に記載の装置。
(項目46)
上記電荷検出器が誘起電荷検出器を備える、項目32に記載の装置。
(項目47)
上記電荷検出器が多段誘起電荷検出器を備える、項目32に記載の装置。
(項目48)
上記質量分析器がイオントラップを備え、上記電荷増強器が放電を発生させることができ、上記検体用の気化器が脱離板を備え、かつ上記電荷検出器が電荷検出用の板またはカップを備える、項目32に記載の装置。
(項目49)
上記質量分析器が四重極イオントラップまたは直線状イオントラップを備える、項目48に記載の装置。
(項目50)
上記検体用の気化器がレーザーおよび脱離板を備え、かつLIADによって作動することができる、項目48に記載の装置。
(項目51)
上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目48に記載の装置。
(項目52)
上記質量分析器が直線状イオントラップまたは四重極イオントラップを備え、上記検体用の気化器が脱離板を備えかつLIADによって作動することができ、かつ上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目48に記載の装置。
(項目53)
上記質量分析器が四重極イオントラップを備え、上記検体用の気化器がレーザーおよび脱離板を備えかつLIADによって作動することができ、かつ上記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップを備える、項目48に記載の装置。
(項目54)
電荷監視質量分析を行うための方法であって、
a)検体を気相へと気化させるステップと、
b)上記検体の電荷を増強するステップと、
c)質量分析器内において上記検体の質量対電荷比を決定するステップと、
d)電荷検出器を用いて上記検体の電荷を測定するステップと、
e)上記電荷および質量対電荷比に基づいて質量を計算するステップと
を含む方法。
(項目55)
検体の電荷が放電によって増強される、項目54に記載の方法。
(項目56)
検体の電荷がコロナ放電によって増強される、項目54に記載の方法。
(項目57)
検体の電荷が、コロナ放電、グロー放電、冷陰極放電、中空陰極放電、RF誘起放電、またはDC誘起放電のうち少なくとも1種によって増強される、項目54に記載の方法。
(項目58)
検体の電荷が電荷付着によって増強される、項目54に記載の方法。
(項目59)
検体の電荷が、荷電粒子線によってもたらされる電荷付着によって増強される、項目54に記載の方法。
(項目60)
検体の電荷が、イオン線によってもたらされる電荷付着によって増強される、項目54に記載の方法。
(項目61)
検体の電荷が、電子線によってもたらされる電荷付着によって増強される、項目54に記載の方法。
(項目62)
上記検体の気相への気化が脱離による、項目54に記載の方法。
(項目63)
上記検体の気相への気化が、LIAD、MALDI、DIOS、DESI、またはSELDIのうち少なくとも1種による、項目54に記載の方法。
(項目64)
上記検体の気相への気化がLIADによる、項目54に記載の方法。
(項目65)
上記検体の気相への気化がMALDIによる、項目54に記載の方法。
(項目66)
上記検体の気相への気化が、API、APP、APCI、EI、FAB、FD、PD、CI、DART、熱スプレー、またはエレクトロスプレーによる、項目54に記載の方法。
(項目67)
上記用いられる質量分析器はイオントラップである、項目54に記載の方法。
(項目68)
上記用いられる質量分析器は四重極イオントラップである、項目54に記載の方法。
(項目69)
上記用いられる質量分析器は直線状イオントラップである、項目54に記載の方法。
(項目70)
上記用いられる質量分析器は、飛行時間型質量分析器、イオンサイクロトロン共鳴質量分析器、磁気質量分析器、磁場領域質量分析器、静電場質量分析器、二重領域質量分析器、四重極質量分析器、またはオービトラップ質量分析器のうち少なくとも1種から選択される、項目54に記載の方法。
(項目71)
上記電荷検出器は電荷検出用の板またはカップである、項目54に記載の方法。
(項目72)
上記電荷検出器はファラデー板またはファラデーカップである、項目54に記載の方法。
(項目73)
上記電荷検出器は誘起電荷検出器である、項目54に記載の方法。
(項目74)
上記電荷検出器は多段誘起電荷検出器である、項目54に記載の方法。
(項目75)
上記検体の気相への気化は脱離により、かつ上記用いられる質量分析器はイオントラップである、項目54に記載の方法。
(項目76)
上記電荷検出器は、電荷検出用の板またはカップ、単一段誘起電荷検出器、または多段誘起電荷検出器である、項目75に記載の方法。
(項目77)
上記イオントラップは四重極イオントラップまたは直線状イオントラップである、項目76に記載の方法。
(項目78)
上記検体の気相への気化はLIADまたはMALDIによる、項目77に記載の方法。
(項目79)
上記電荷検出用の板またはカップはファラデー板またはファラデーカップである、項目78に記載の方法。
(項目80)
上記検体が少なくとも1つの細胞を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目81)
上記少なくとも1つの細胞が洗浄され固定される、項目80に記載の方法。
(項目82)
上記検体が少なくとも1つの癌細胞を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目83)
上記検体が少なくとも1つの細菌、胞子、または花粉粒を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目84)
上記検体が少なくとも1つのウイルスを含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目85)
上記検体が少なくとも1つの高分子錯体、リボソーム、細胞小器官、ミトコンドリア、葉緑体、シナプトソーム、または染色体を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目86)
上記検体が少なくとも1つの高分子を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目87)
上記検体が少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、核酸、タンパク質、または多糖類を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目88)
上記検体が少なくとも1つの分子を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目89)
上記検体が少なくとも1つの重合体を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目90)
上記検体が少なくとも1つのデンドリマーを含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目91)
上記検体が少なくとも1つの微粒子を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目92)
上記検体が少なくとも1つのナノ粒子を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目93)
上記検体が少なくとも1つのエアロゾル粒子または細微粒子物体を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目94)
上記検体が、細胞、ナノ粒子、微粒子、高分子、細胞小器官、ウイルス、および/または分子の混合物を含む、項目54〜79の何れかに記載の方法。
(項目95)
電荷監視質量分析を行うための方法であって、
a)検体を気相へと気化させるステップと、
b)質量分析器内において上記検体の質量対電荷比を決定するステップと、
c)電荷検出器を用いて上記検体の電荷を測定するステップと、
d)上記電荷および質量対電荷比に基づいて質量を計算するステップと
を含む方法。
(項目96)
上記検体の気相への気化が脱離による、項目95に記載の方法。
(項目97)
上記検体の気相への気化が、LIAD、MALDI、DIOS、DESI、またはSELDIのうち少なくとも1種による、項目95に記載の方法。
(項目98)
上記検体の気相への気化がLIADによる、項目95に記載の方法。
(項目99)
上記検体の気相への気化がMALDIによる、項目95に記載の方法。
(項目100)
上記検体の気相への気化が、API、APP、APCI、EI、FAB、FD、PD、CI、DART、熱スプレー、またはエレクトロスプレーによる、項目95に記載の方法。
(項目101)
上記用いられる質量分析器はイオントラップである、項目95に記載の方法。
(項目102)
上記用いられる質量分析器は四重極イオントラップである、項目95に記載の方法。
(項目103)
上記用いられる質量分析器は直線状イオントラップである、項目95に記載の方法。
(項目104)
上記用いられる質量分析器は、飛行時間型質量分析器、イオンサイクロトロン共鳴質量分析器、磁気質量分析器、磁場領域質量分析器、静電場質量分析器、二重領域質量分析器、四重極質量分析器、またはオービトラップ質量分析器のうち少なくとも1種から選択される、項目95に記載の方法。
(項目105)
上記電荷検出器は電荷検出用の板またはカップである、項目95に記載の方法。
(項目106)
上記電荷検出器はファラデー板またはファラデーカップである、項目95に記載の方法。
(項目107)
上記電荷検出器は誘起電荷検出器である、項目95に記載の方法。
(項目108)
上記電荷検出器は多段誘起電荷検出器である、項目95に記載の方法。
(項目109)
上記検体の気相への気化は脱離により、かつ上記用いられる質量分析器はイオントラップである、項目95に記載の方法。
(項目110)
上記電荷検出器は、電荷検出用の板またはカップ、単一段誘起電荷検出器、または多段誘起電荷検出器である、項目109に記載の方法。
(項目111)
上記イオントラップは四重極イオントラップまたは直線状イオントラップである、項目110に記載の方法。
(項目112)
上記検体の気相への気化はLIADまたはMALDIによる、項目111に記載の方法。
(項目113)
上記電荷検出用の板またはカップはファラデー板またはファラデーカップである、項目112に記載の方法。
(項目114)
上記検体が少なくとも1つの細胞を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目115)
上記少なくとも1つの細胞が洗浄され固定される、項目114に記載の方法。
(項目116)
上記検体が少なくとも1つの癌細胞を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目117)
上記検体が少なくとも1つの細菌、胞子、または花粉粒を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目118)
上記検体が少なくとも1つのウイルスを含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目119)
上記検体が少なくとも1つの高分子錯体、リボソーム、細胞小器官、ミトコンドリア、葉緑体、シナプトソーム、または染色体を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目120)
上記検体が少なくとも1つの高分子を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目121)
上記検体が少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、核酸、タンパク質、または多糖類を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目122)
上記検体が少なくとも1つの分子を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目123)
上記検体が少なくとも1つの重合体を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目124)
上記検体が少なくとも1つのデンドリマーを含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目125)
上記検体が少なくとも1つの微粒子を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目126)
上記検体が少なくとも1つのナノ粒子を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目127)
上記検体が少なくとも1つのエアロゾル粒子または細微粒子物体を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
(項目128)
上記検体が、細胞、ナノ粒子、微粒子、高分子、細胞小器官、ウイルス、および/または分子の混合物を含む、項目95〜113の何れかに記載の方法。
当該開示される実施形態に従って用いられてよい、例示的な電荷監視質量分光計システム概略ブロック図である。当該システムは、四重極イオントラップと、パルスYAGレーザーと、He−Neレーザーと、電荷検出器と、CCDカメラとを含む。当該Nd−Yagレーザーは、LIADを用いて細胞脱離を達成するためのものである。当該Nd−Yagレーザーは、細胞をCCDカメラによって検出することができるように、トラップされた細胞を照射するためのものである。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、例示的なトラップされた細胞の光散乱パターンの例示的な光学的画像である。 図2A〜2Bは、当該開示される実施形態に従って用いられてよい例示的な電荷検出器の回路設計である。当該要素は44mm×44mmのPCB板上に展開されている。 図2A〜2Bは、当該開示される実施形態に従って用いられてよい例示的な電荷検出器の回路設計である。当該要素は44mm×44mmのPCB板上に展開されている。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、フラーレン(C60)分子の例示的な質量スペクトルのグラフィック表現である。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、CEM細胞の例示的な質量スペクトルのグラフィック表現である。 図4A〜4Dは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 図4A〜4Dは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 図4A〜4Dは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 図4A〜4Dは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 図4E〜4Hは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な電荷分布のヒストグラム表現である。 図4E〜4Hは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な電荷分布のヒストグラム表現である。 図4E〜4Hは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な電荷分布のヒストグラム表現である。 図4E〜4Hは、当該開示される実施形態に従って測定され得る、それぞれ3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmのポリスチレン微粒子の例示的な電荷分布のヒストグラム表現である。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、リンパ球(CD3+細胞、黒色)および単球(CD14+細胞、灰色)の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、リンパ球(CD3+細胞)およびCEM細胞の等比混合物の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、リンパ球(CD3+細胞)の等比混合物の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、CEM細胞の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、ジャーカット細胞の例示的な質量分布のヒストグラム表現である。 当該開示される実施形態に従って測定され得る、リンパ球(CD3+細胞)(1)、単球(CD14+細胞)(2)、ジャーカット細胞(3)、およびCEM細胞(4)の質量に対する細胞径の例示的グラフィック表現である。
A.装置
ここで本発明の開示される実施形態に対して、詳細に言及する。本発明は、新規の電荷監視質量分析システム、および、その質量測定を行うことができる速度を(例えば、光散乱法と比較して数桁)増加させる方法を提供することによって、先行技術の不利点を克服する。その目的のために、当該発明は、先行の測定法と比較して1桁より多く検体の電荷数を増加させ、それによってその質量測定の信号対雑音比を増加させる。従って、検体の電荷数は、電荷検出器で従来の電荷増幅を必要とすることなく、迅速かつ直接的に測定することができる。
1.検体の導入
質量分光分析は一般的に、その後の(特に質量分析器による)分析のために、検体を気相内に気化させることを必要とする。本発明は、多数の方法でこれを達成する質量分析計に関する。
a)脱離
脱離は、検体を気相内に気化させるのに一般的に用いられる方法である。多様な種類の脱離が本発明に従って用いられてよい。レーザー誘起音波脱離(LIAD)は、下層マトリクスなしに、検体が搭載され得る基板を有する装置を構成することによって用いられてよい。基板のレーザー照射を、検体が気相に進入し、当該装置の他の構成部によって発生した電場および/または磁場に曝されるように、基板から検体を脱離させるために用いることができる。
マトリクス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)は、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸、ピコリン酸、3−ヒドロキシピコリン酸等の光吸収化学物質を含む下層マトリクスを用いて、検体が搭載され得る基板を有する装置を構成することによって用いることができる。マトリクスのレーザー照射を、基板から検体を脱離させるのに用いることができる。
脱離の他の様式としては、表面増強レーザー脱離イオン化(SELDI)、シリコン上脱離イオン化(DIOS)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、プラズマ脱離、および場脱離(FD)が無制限に挙げられる。脱離のさらなる様態も本発明に含まれる
b)脱離に対する代替手段
検体が気相に導入され得る他の方法としては、電子イオン化(EI)、化学イオン化(CI)、場イオン化(FI)、高速原子衝撃(FAB)、イオン付着イオン化(IA)、エレクトロスプレー(ES)、サーモスプレー(TS)、大気圧イオン化(API)、大気圧光イオン化(APP)、大気圧化学イオン化(APCI)、および実時間直接分析(DART)が無制限に挙げられる。および場脱離(FD)が無制限に挙げられる。検体を気相内に導入するさらなる様態も本発明に含まれる
2.電荷増強器
特定の実施形態では、本発明は、検体の電荷数を高めるステップを含み得る。この特長は、電荷測定の精度に対する背景電子雑音の影響を減少させる。それは、二次電荷検出法の使用を不必要にし、このような方法が導入し得る検出バイアスを除去する。従って、それは、最初の気化/脱離ステップにおいてのみ荷電した検体を用いることで可能となるであろう精度とバイアスよりも高度な精度と少ないバイアスでの、その後の検体の質量の決定を容易にする。2つの様態の電荷増強器が下記に記載されているが、さらなる様態も本発明に含まれる。加えて、電荷増強器または電荷増強ステップを使用することなしに、本発明の装置が構成されてよく、かつ、その対応する方法が行われてよい。
a)放電
本発明の電荷増強の特長は、放電の使用を通じて実現することができる。放電現象は、気体のイオン化を通じたプラズマの生成から生じ得る。放電によって起こるプラズマへの検体の曝露は、検体の絶対電荷を増加させるのに用いることができる。
放電の種類はコロナ放電であってよい。コロナ放電は、導体の周りの流体(気体等)が、アーク絶縁破壊または完全な電気絶縁破壊を伴わずに、その流体の一部イオン化を引き起こすのに十分に強い電場に曝される場合に起こる。検体は、およそ10〜100ミリトールの圧力の不活性気体中に気化されてよい。使用可能な気体としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、水素、およびメタンが無制限に挙げられ得る。その緩衝気体の圧力は、コロナ放電を引き起こすために微調整されてよい。その放電は、当該機器の脱離板または試料注入口の付近で引き起こされ得る。その放電は、当該装置が1,000Vより高いピーク振幅を伴う無線周波数(RF)電圧も発生させ、その気体の圧力が数ミリトールより高い場合、レーザー脱離法において用いられるような、レーザーの使用の際に起こり得る。
当該気体は、調整器等の圧力調整機器、および、針弁等の流速制御機手段で加圧源から導入され得る。機械ポンプと連結したターボポンプを、気体を送り出すのに用いることができる。その平衡圧は、気体の流入およびポンプによるその除去の組み合わせによって生じ得る。
穏やかなコロナ放電がヘリウム緩衝気体を用いて起こる場合、青色および白色のプラズマが観測され得、例えば、LIAD脱離板と四重極イオントラップ(QIT)を装備した装置を用いた場合、そのプラズマが脱離板とイオントラップとの間に現れ得る。その装置が経時変化する電磁場を発生する場合、前記場の周波数によって起こるプラズマ振動が、例えば、オシロスコープを用いて観測可能であり得る。この穏やかなコロナ放電で、検体に付着する電荷数は増加され得る。その増加は1〜2桁の程度であり得る。例えば、1つの実施形態では、その電荷数は、2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、またはそれ以上に増加され得る。電荷の増加の程度は、粒径、粒子物質、および実験条件に依存し得る。正電荷を帯びた検体と負電荷を帯びた検体の両方を、この例示的実験設定を用いて観測することができる。
冷陰極放電、中空陰極放電、DC誘起放電、無線周波数(RF)誘起放電、およびグロー放電を含むが、これらに限定されない他の種類の放電も同様の方法で使用可能であり得る。例えば、様々なレベルのRF力の適用により、気体を励起し得、設計と用いられる放電の種類に応じて、プラズマ生成、および同時に起こる放電をもたらし得る。1つの例では、10〜200ワットのRF力が用いられ、別の例では、25〜150ワット、10〜150ワット、25〜100ワット、50〜75ワット、または10〜300ワットのRF力が用いられる。
b)荷電粒子線
電荷増強は、イオンまたは電子等の荷電粒子線への検体の曝露によって行われてもよい。その荷電粒子は、検体の分解または検体への損傷によってその後の質量決定の精度を下げないように、十分に低いエネルギー(例えば、1eV以下)とすることできる。その検体は、捕獲または電荷移動によって荷電粒子から電荷を獲得し得る。
3.質量分析器
当該質量分析器は電磁場を用い、検体の質量対電荷比によって検体を空間または時間で分類し得る。本発明は、多種の質量分析器を使用する質量分析計に関し得る。
a)イオントラップ系分析器
当該検体はイオントラップ内で分析されてよい。この種の質量分析器は検体を無線周波数(RF)で振動している電場に曝し得、そのトラップの電極は、さらに、例えば、およそ2,000VのDCバイアスを有し得る。
当該イオントラップは、ポールイオントラップとしても知られる三次元四重極イオントラップであってよく、これは端部キャップ電極および環状電極を有してよい。その端部キャップ電極は双曲線状であってよい。その端部キャップ電極は楕円状であってよい。光散乱の観測を可能にし、それを通じて検体が放出され得る穴が、その端部キャップ電極に開けられてよい。その振動の周波数は、その質量対電荷比によって検体をトラップから放出するために走査されてよい。
当該イオントラップは、二次元イオントラップとしても知られる直線状イオントラップ(LIT)であってよい。直線状イオントラップは4つの棒電極を有してよい。棒電極は、RF電位の使用によりトラップ内で検体の振動を引き起こし得る。検体をはね返し、トラップの中間に向かわせるために、追加のDC電圧を棒電極の端部に印加してよい。直線状イオントラップは棒電極の末端付近に末端電極を有してよく、これらの末端電極は、検体をはね返し、トラップの中間に向かわせるためにDC電圧が印加されてよい。検体は直線イオントラップから放出されてよい。放出は、例えば、トラップ付近の追加の電極によって発生したフリンジ電界効果を用いて軸方向に達成されてよい。放出は、棒電極内のスロット口を通じて半径方向に達成されてよい。LITは、軸方向および半径方向に放出された検体を検出するために、2つ以上の検出器に連結されてよい。
b)飛行時間
当該質量分析器は飛行時間型分析器であってよい。飛行時間型分析器は、検体を加速する1つの領域、その後のフィールドフリー領域、その後の検出器内の電場を発生する電極を含んでよい。飛行時間型分析器はリフレクトロン飛行時間型分析器であってよく、当該分析器では、リフレクトロンまたは静電反射器が検体の総飛行距離および飛行時間を増加させ得る。飛行時間型分析器は遅延パルス抽出によって動作してよく、当該分析器では、加速場がイオンエネルギー分散を補正するように制御され、かつ/または遅延追随吸収の後にのみ存在する。飛行時間型分析器は連続抽出によって動作してよく、当該分析器では、加速場が分析の最中にその領域内で連続的に存在する。
c)その他の質量分析器
本発明との使用のために適合されてよいさらなる質量分析器は、四重極分析器、磁場領域分析器、オービトラップ分析器、およびイオンサイクロトロン共鳴分析器を無制限に含む。さらなる質量分析器も本発明に含まれる。
4.電荷検出器
検体の総電荷数(z)は、質量分析器に連結した小型かつ低雑音の電荷検出器を用いて検出されてよい。検出器の電子雑音は、その検出電子機器を冷却することによって減少され得る。検体の質量(m)は、m/zおよびzの測定値に基づいて決定することができる。
a)電荷検出板
当該電荷検出器は、導電性板または導電性カップと、電荷統合回路とを備えてよい。1つの開示される実施形態では、当該電荷統合回路は、とりわけ、電荷感応型検出器(すなわち、入力段)としての低雑音JFETトランジスタと、検出した電荷信号を増幅するための少なくとも1つの演算増幅器(AD8674 Analog Devices、米国)と、低周波数の雑音を濾波するためのいくつかの簡易低域濾波回路とを含んでよい。当該電荷検出器は、電荷収集器として、ファラデー板またはファラデーカップを備えてよい。例えば、図2は、開示される一実施形態に従って、小さい印刷回路板上に統合された例示的なファラデー板と電荷感応型増幅器を示す。当該例示的な電荷統合器の機械的構造が、質量分析器と統合されてもよい。当該電荷検出器およびその付随する構成部はステンレス鋼薄板を用いてシールドされてよく、検出器への検体の入口は接地電位に接続した1cmの金網でシールドされてよい。ファラデー板はイオントラップの出口から約2cmの場所に配置されてよい。
b)誘起電荷検出器
別の開示される実施形態では、当該電荷検出器は誘起電荷検出器を備えてよい。当該誘起電荷検出器は、検体の電荷の1つ以上の測定結果をもたらす単一段または多段の機器であってよい。当該誘起電荷検出器は、検出器の1つまたは複数の段を通じての、検体の飛行時間の測定ももたらし得る。その感知器は1つ以上の導電管または導電板を含んでよい。その管は、共線形、円筒形、および等直径形であってよい。その板は平行対に配置されてよい。その感知器の入口は、一度に1個のように、進入する粒子の数を制限するより狭い管であってよく、その軌道が円筒軸に近い状態を保つことを確実にする。荷電粒子が各感応管に進入する時、管上で自身と同程度の電荷を誘起する。各感応管は、誘起電荷に付随する電位を感応する演算増幅回路に接続されてよい。粒子の電荷は、この電位および管の電気容量から計算されてよい。
B.方法
開示される本発明は、本発明の装置を用いて、多くの種類の試料または検体の質量および/または質量分布を決定するための方法に関する。検体は、気化または脱離され、電荷増強を行われ得、質量対電荷(m/z)比が質量分析器によって決定され得、その後電荷が電荷検出器によって決定され得る。これらの測定結果から、質量を計算することができる。
1.生体粒子の質量決定
開示される本発明は、ウイルス、高分子錯体、リボソーム、細胞小器官、ミトコンドリア、葉緑体、シナプトソーム、染色体、または癌細胞を含み得る全細胞等の、しかしこれらに限定されない生体粒子の質量および/または質量分布を決定するための方法にさらに関する。当該細胞としては、細菌細胞、花粉粒、および胞子も挙げられ得、これらは、細菌性、真菌性、原生生物、または植物であってよい。
当該生体粒子は、洗浄および化学的固定によって脱離および/または気化のために調製されてよい。当該洗浄は水溶液を用いるものであってよい。その溶液は塩性かつ緩衝用であってよい。1つの明確な例はダルベッコのリン酸塩緩衝塩水であり、他のものも使用可能である。
パラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、および同様の分子等のアルデヒド含有架橋剤を用いて固定を達成してよい。その後、当該細胞は繰り返して、例えば、蒸留脱イオン化水の中で3回洗浄されてよく、その後装置内への投入の前にカウントし再懸濁されてよい。
2.小分子、ナノ粒子、微粒子、および重合体の質量決定
本発明は、直径1nmであるナノ粒子様フラーレン(C60)等の小分子を測定するのに用いられてよい。本発明は、少なくとも30μmまでの大きさの範囲にわたる微粒子を分析するのにも用いられてよい。例えば、本発明は、1〜30μm、5〜25μm、10〜20μm、15〜30μm、20〜30μm、1〜10μm、または5〜15μmの大きさの微粒子を分析するのに用いられてよい。これらの能力は、本発明が、直径において4桁超過の範囲にわたる粒径を有する重合体およびその他の分子を解析するのに用いられてよく、それは体積および質量において12桁以上に相当し得ることを示す。本発明は、エアロゾル、有機重合体、デンドリマー、燃焼生成物等の細微粒子物質、および生体重合体の質量測定等の、他の種類の質量測定を行うためにも用いられてよい。
3.混合物の質量分光分析
有利なことに、電荷監視質量分析法は、単一種類の検体の質量を測定するだけでなく、細胞および/または微粒子等の検体の混合物の質量を測定するためにも用いることができる。例えば、図6Aは、CEM細胞およびリンパ球の個別のスペクトルを付加することによって得られるヒストグラムとほぼ同一である、開示される一実施形態に従うCEM白血病細胞および通常リンパ球(CD3+細胞)の混合試料から得られたヒストグラムを示す。
実施例1:電荷監視LIAD−QIT−MS
1つの開示された例示的実施形態では、本発明は下記の方法の組み合わせを伴う:1)マトリクスを用いない微粒子のレーザー誘起音波脱離、2)細胞または微粒子の電荷数を高めるための圧力制御コロナ放電、3)過大m/z測定のための低周波数四重極イオントラップ、および4)総電荷測定のための小型で低雑音の電荷検出器。
図1は、開示された一実施形態に従う例示的実験設定を示す。マトリクスを用いず、シリコンウエハー(およそ0.5mmの厚さ)上に、細胞または微粒子の試料を直接載せた。およそ6ナノ秒のパルス持続時間を有する周波数二倍化Nd:YAGレーザー光線(例えば、λ=532nm、Laser Technik社、ドイツ、ベルリン)を、試料板の背面を直接照射して、およそ10W・cm−2の出力密度で、LIADによって、細胞または微粒子を脱離させた。その脱離した細胞または微粒子を、その後四重極イオントラップ内にトラップ(収容)した。当該四重極イオントラップの各末端キャップには穴が開けられた。一方の穴を散乱したレーザー光の収集のために用い、他方の穴を、トラップされた細胞または微粒子が当該トラップを脱出し、その後電荷検出板によって検出されるために、用いた。He−Neレーザー(例えば、λ=632nm)を用いてそのトラップされた細胞または微粒子を照射してよく、電荷結合素子(「CCD」)を設置して当該イオントラップ内の脱離した細胞および微粒子を監視してよい。
図1Aに示される例示的なQIT−MSでは、レーザー脱離からの細胞を、およそ100ミリトールの圧力を有するヘリウム緩衝気体中にトラップした。およそ350Hzの周波数を有する経時変化する電磁場を、四重極イオントラップ内の脱離した細胞および微粒子に適用した。図1Aは、CCDカメラによって測定した、イオントラップ内にある細胞の例示的な光学的画像を示す。CCDカメラの小さい光収集角のために、各細胞または微粒子の画像の大きさは、当該細胞または微粒子の本当の大きさを必ずしも反映し得ないが、その安定軌道の範囲は多少反映し得る。トラップの内部にあるいくらかの検体は、光収集のための立体角が小さいために、CCDカメラによって観測可能でなかった可能性がある。
穏やかなコロナ放電を脱離板付近で適用してトラップした検体の電荷数を高め、このようにして、電荷検出器での背景電子雑音の効果を減少させた。当該緩衝気体の圧力を微調整し、コロナ放電を発生させた。穏やかなコロナ放電が上記ヘリウム緩衝気体を用いて発生した時、イオントラップと脱離板との間の青色および白色のプラズマを観測した。適用した電磁場の低周波数によって発生したプラズマの振動を、オシロスコープ(図示せず)を用いて観測可能であった。この穏やかなコロナ放電を用い、粒径、粒子物質、および実験条件に応じて、検体に付着する電荷数を1〜2桁増加させた。正および負に帯電した微粒子の両方を、この例示的実験設定を用いて観測した。不安定軌道を有する荷電粒子を放出する電磁場周波数を走査することによって、質量対電荷比を測定した。
約20Hz〜数MHzの範囲内のトラップ推進周波数を走査することによって、軸方向の質量選択不安定性モード下で当該四重極イオントラップを作動させた。その目的のために、可聴周波数の出力増幅器(図示せず)と関数発生器(図示せず)によって駆動する高電圧変圧器を用いて、およそ1,520Vの電圧を最初に印加した。関数発生器を用いて適用した可聴周波数を走査することによって、四重極イオントラップ内の検体をトラップから軸方向に沿って放出した。各放出した検体の電荷数を、その後電荷検出板で検出した。その検体に対するm/zおよびzの測定結果により、放出した検体の質量を決定した。
実施例2:電荷検出器
図2Aおよび2Bは、用いた例示的電荷検出器を図示する。この例示的電荷検出器は導電板と電荷統合回路を備える。その要素を44mm×44mmのPCB板上に展開した。この電荷統合回路は、とりわけ、電荷感応型検出器(すなわち、入力段)としての低雑音JFETトランジスタと、検出した電荷信号を増幅するための演算増幅器(AD8674 Analog Devices、米国)と、低周波数の雑音を濾波するためのいくつかの簡易低域濾波回路とを含んだ。当該例示的な電荷検出器は、電荷収集器としてファラデー板を用いた。図2Aは、小さい印刷回路板上に一体化したファラデー板と電荷感応型増幅器を示す。当該電荷統合器の機械的構造を四重極イオントラップと直接一体化した。当該ファラデー検出器およびその付随する構成部を、ステンレス鋼薄板を用いてシールドし、検出器への細胞または微粒子の入口を接地電位に接続した1cmの金網でシールドした。当該ファラデー板をイオントラップの出口から約2cmの場所に配置した。
当該例示的電荷検出器の回路構成を図2Bに示す。抵抗器を長方形で示し、コンデンサを平行線で示し、演算増幅器を記号+および−を含む三角形で示し、1つの低雑音の接合型電界効果トランジスタをQ1と名付けた円で示す。要素は1つ以上の文字および数字によっても識別され、R、C、J、およびUという頭文字は、抵抗器、コンデンサ、シールドされた同軸接続器、および演算増幅器をそれぞれ示す。小さい黒一色の円は接合点を示す。小さい三角形とGNDという文字で接地を示す。+9Vおよび−9Vは、電池によって供給される正および負の供給電圧をそれぞれ示す。抵抗および電気容量を各記号に隣接するオーム(Ω)およびファラッド(F)の値で示し、そこで、p、n、u、K、M、およびGは、ピコ、ナノ、マイクロ、キロ、メガ、およびギガという、必要に応じた単位のための修飾語を示す。
当該電荷感応型増幅器の電荷変換利得を既知の電荷を有する較正パルスを用いて較正し、脱離した細胞および微粒子の実際の測定結果と比較した、検出された信号の正確な電荷収集時間をシミュレートした。当該電荷統合器の利得を、既知の電気容量の全域にわたる既知の電圧パルスを適用することによって較正し、入ってくるパルス波形をシミュレートした。当該電荷統合器の電荷からパルス高への変換定数を、およそ52emV−1であるように較正した。その二乗平均平方根(「rms」)の出力電圧雑音は、約500個の電子の同等な雑音に相当する10mVよりわずかに低かった。細胞または微粒子への電荷の付着を増加させる穏やかなコロナ放電を用いた場合、各微粒子の電荷数は50,000より高く、100を超える信号対雑音比をもたらした。
電荷監視質量分析計を用いる場合、質量スペクトルにおける個別のピークは、そのそれぞれのイオン集団を、検出バイアスを伴わずに反映するはずである。電荷検出板は二次電子放出による増幅を有しないので、このような電荷検出板を装備した図1Aの電荷監視質量分析計は、検出効率バイアスを伴わずに質量スペクトルを得ることができた。当該機器の感度の主な制限は電子雑音であった。100個の電子と同等な電子雑音レベルが報告されている。電荷検出板の電子機器の冷却を用いることにより、当該例示的なシステムの雑音レベルを約5分の一に減少すること、例えばおよそ100個の電子と同様の雑音レベルを達成することが期待できる。
実施例3:ナノ粒子の質量分析法
図1Aに示した電荷監視質量分析計と図2Aの電荷検出器を用い、フラーレン(C60)等の小さい脱離した分子を測定した。駆動低周波数をおよそ200kHzに設定し、およそ20ミリトールのヘリウム緩衝気体を四重極イオントラップに適用した。広帯域出力増幅器を用いて無線周波数の振幅を150Vの一定電圧まで上げ、イオントラップをおよそ2,000VのDCバイアスに曝した。この実験では電荷増強ステップを全く行わなかった。レーザー脱離によって発生した小分子イオンが単一電荷を有するので、検出したイオン数は生成した本当のイオン数を反映するはずであり、これによって定量的測定を実現することができる。
図3Aは、図1Aに示した装置を用いて測定したC60の例示的質量スペクトルを示す。図3Aの質量スペクトルは、C60イオン等の小さいイオンが、良好な質量分解能(m/Δm≒500)を有する電荷検出器によって検出することができることを示す。そのピークの高さは、約15,000個のC60の単荷電イオンがレーザー溶発法の最中に生成したことを示す。このスペクトルの走査時間は1秒であった。
実施例4:癌細胞の質量分析法
本発明を用いて癌細胞、具体的には白血病細胞株CEMの質量分布を決定した。そのCEM細胞をダルベッコのリン酸塩緩衝塩水(PBS、Gibco BRL社)で洗浄し、PBS中の4%パラホルムアルデヒドで15分間室温にて固定した。その後、その細胞を蒸留脱イオン水中で3回洗浄し、その後、図1Aに示した質量分析計に入れる前にカウントし再懸濁させた。
その得られたCEM細胞の質量スペクトルを図3Bに示す。5つのピークを示す。各ピークは細胞粒子を示し、そのピークの高さは粒子の電荷数である。質量対電荷比(m/z)と電荷(z)の同時測定結果から各細胞の質量を計算した。対応する放出周波数によって決定した特定のm/z値と各ピークを関連付けた。各脱離したCEM細胞の電荷数は、電荷検出板で検出した信号振幅から導き出された。各レーザーパルスによってトラップしたCEM細胞は平均で約10個あった。その走査速度をおよそ5秒に固定し、低周波数範囲全体を網羅して、質量測定の速度は1時間当たりおよそ7,200個の検体粒子であると推定された。これは光散乱測定の先行技術(例えば、1時間当たりおよそ2〜4個の細胞または微粒子)に対して3桁を超える改善であった。
図1Aのシステムを用いると、四重極イオントラップ内に時折、二重検体がトラップされてあった。二重検体の電荷数は単一検体の電荷数の約2倍であるので、そのm/z値は単一検体の値とほぼ同一であるはずである。それにもかかわらず、総電荷に対応する振幅は単一検体の振幅の約2倍であった。得られた質量を二重質量として決定することができる。その一方で、従来の質量分析計は、電荷の情報を全く得ることができず、両方の種類のイオンに対するm/zが同一であるので、M 2+とMの区別を付けることができない。
実施例5:微粒子の質量分析法
図4A〜4Hは、3μm、7.2μm、10.1μm、および29.6μmの大きさを有するポリスチレン微粒子の質量分布および電荷分布を示す。各カウントは単一の検出した微粒子を表す。重力に起因して、大きい粒子をトラップすることがより困難になるので、29.6μmに関してはより少ないカウントしか得なかった。これらの分布に基づいて、9.9×1012Da、1.3×1014Da、3.5×1014Da、および7.1×1015Daとしてそれぞれその平均質量を測定したが、これらは、8.8×1012Da、1.2×1014Da、3.4×1014Da、および8.6×1015Daという計算質量とそれぞれ良好な一致を示す。さらに、これらのポリスチレン粒子の質量(Δm)のFWHM値(半値幅)を、9.1×1011Da、2.3×1013Da、6.2×1013Da、および1.5×1015Daであるとそれぞれ測定した。ポリスチレン二量体のピーク(2.7×1014Da)を図4Bで観察し得、単量体に対する二量体の個体比をおよそ11%であると推定した。
様々な大きさのポリスチレンの電荷数の分布を4E〜4Hに示す。図で示すように、その電荷数は微粒子の大きさとともに増加したが、微粒子の表面積に必ずしも比例しなかった。さらに、図4Hに示すように、その質量分析計は、単一の29.6μmのポリスチレン微粒子上の250,000という多数の電荷を検出することができた。
実施例6:リンパ球および単球の質量分析法
様々な種類の細胞の質量分布も測定した。例えば、Tリンパ球(CD3+細胞)および単球(CD14+細胞)は末梢血単核細胞の主成分であり、これらは免疫系において必要不可欠な役割を果たす。図5は、図1Aのシステムを用いて測定した、それぞれ2×1013Daと4.2×1013Daのリンパ球細胞と単球細胞の質量分布を示す。それらの質量分布における差異のために、これら2つの異なる種類の細胞を本発明を用いてはっきりと区別することができる。特に、リンパ球と単球の質量分布にはいくらかの重複があるので、場合によっては、わずか数個の細胞の質量を測定することによって特定の細胞の種類を同定するのは困難であり得る。この危険性にもかかわらず、当該質量分析計はこれら2つの異なる種類の細胞を区別することができた。
図6A〜6Cは、CEM白血病細胞と通常リンパ球(CD3+細胞)の質量分布を比較する。リンパ球細胞およびCEM細胞の質量分布ピークを、それぞれ2.2×1013Daおよび1.1×1014Daであると測定した。図で示すように、CEM細胞の平均質量は通常リンパ球の平均質量より明らかに大きかった。従って、図1AのシステムがCEM細胞を通常リンパ球と容易に区別することが可能である。
実施例7:異なる細胞型の混合物の質量分析法
同数のCEM細胞とリンパ球(CD3+細胞)を単一の試料に混合した。図6Aに示すように、このような混合試料のヒストグラムは、CEM細胞とリンパ球細胞の個別のスペクトル(図6B〜6C)を付加することによって得られるヒストグラムとほぼ同一であり、当該質量分析計が単一種類の細胞だけでなく、細胞の混合物も測定することができることを実証した。粒度測定機器でCEM細胞の大きさをおよそ直径9.8±1.8μmであると測定し、空気中における平均の細胞重量はおよそ3×1014Daであった。これらの結果は、当該四重極イオントラップ質量分析計の真空室内における細胞内水の損失を示唆する。また、図6Aにおける大きさ分布は真の質量分布を反映しない可能性があるが、その理由は、CEM細胞の密度がその二倍の数の染色体のために通常リンパ球の密度と異なり得るからである。図1Aのシステムを用いて、CEM細胞に付着する平均の電子数を約45,000であると測定し、これは同程度の大きさのポリスチレン粒子の電子数とほぼ同一であった。
図6A〜6Cで示す分布に基づいて、リンパ球、単球、およびジャーカットの大きさをそれぞれ5.8±1.7μm、6.9±1.3μm、および8.0±2.2μmであると測定したので、ジャーカット細胞の平均質量が単球の平均質量より大きいだろうことを予想した。しかしながら、驚くべきことに、ジャーカット細胞の質量ピーク位置がおよそ4.5×1013Da(図6D)であり、実際には、ジャーカット細胞の方が16%大きかったが、これは単球の質量ピーク位置(4.2×1013Da)より8%だけ重かったことが分かった。図6Eは細胞直径に対する細胞重量をプロットする。大きさと質量との間には一般的な相関があったが、図6Eにおけるデータは完全には直線に沿って収まらなかった。
要約すると、我々は、細胞および微粒子の迅速な質量測定のための新規な電荷監視質量分析システムおよび方法を開発した。異なる種類の単核細胞(CD3+リンパ球とCD14+単核)をはっきりと区別した。質量分布を得て、通常Tリンパ球をTリンパ球から生じたCEM癌細胞と区別した。当該システムは、細胞、微粒子、およびナノ粒子を含む、異なる種類の検体を質量測定結果に基づいて区別することを可能にする。29.6μmの大きさを有するポリスチレン微粒子の平均質量がおよそ7×1015Daであるという測定結果は、質量分析検出法を用いてこれまで報告された最大の質量の一つである。さらに、単一の29.6μmのポリスチレン粒子に付着した100,000を超える電荷を、当該システムを用いて観測することができた。
用語の定義
下記の資料は、本出願において特定の用語がどのように用いられているかを説明する。
「検体」は、粒子、微粒子、ナノ粒子、細胞、癌細胞、細菌、ウイルス、胞子、細胞小器官、リボソーム、ミトコンドリア、葉緑体、シナプトソーム、染色体、花粉粒、高分子、高分子錯体、オリゴヌクレオチド、核酸、タンパク質、多糖類、重合体、デンドリマー、エアロゾル粒子、細微粒子物体、分子、その他の物体、または、質量分光分析に曝されるこれらの混合物である。
「気化」は、検体を気相内に結集させる過程である。
「気化器」は、気化をもたらす構成部または下位システムである。
「電磁場」は、電気成分、磁気成分、またはその両方を有する場である。
「電荷増強」は、検体の絶対電荷を少なくとも2倍に増加させることを意味する。例えば、その電荷数は、2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、またはそれ以上に増加され得る。
「電荷増強器」は、電荷増強をもたらす構成部または下位システムである。
「電荷付着」は、電子、陽子、またはイオン等の荷電粒子の付加による検体の電荷の変化を意味する。
「質量分析器」は、検体の質量対電荷比の決定のために用いられる構成部または下位システムである。
「電荷検出器」は、検体の電荷の決定のために用いられる構成部または下位システムである。
本明細書は、本明細書内で引用される参考文献の教示を踏まえると最も十分に理解される。本明細書内の実施形態は本発明の実施形態の例解を提供し、本発明の範囲を制限すると解釈してはならない。当業者は、多くの他の実施形態が本発明によって包含されることを容易に認識する。本開示で引用される全ての刊行物および特許は、その全体が参照することにより組み込まれる。参照することにより組み込まれる資料が本明細書と矛盾するか一致しない場合、本明細書がいかなるこのような資料にも優先する。本明細書における任意の参考文献の引用は、このような参考文献が本発明に対する先行技術であるということの承認ではない。
他に示さない限り、特許請求の範囲を含む本明細書で用いられる成分、反応条件等の量を表す全ての数は、全ての例において用語「約」によって修飾されると理解されたい。従って、他にそうでない旨が示されない限り、当該数値パラメーターは近似値であり、本発明によって得られるように求められる所望の特性によって変化し得る。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメーターは、有効数字の数および通常の丸め手法を踏まえて解釈されたい。
他に示されない限り、列挙された要素の直前につく用語「少なくとも」は、その列挙されたものの全ての要素をそれぞれ指すと理解されたい。当業者は、日常の実験以上のものを使用することなく、本明細書で開示されている発明の明確な実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または解明することができる。このような均等物は、下記の特許請求の範囲によって包含されることを意図される。
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例えば、G. Siuzdak、The Expanding Role of Mass Spectrometry in Biotechnology(第2版、MCC Press、2006年)、または、E. de Hoffman and V. Stroobant、Mass Spectrometry: Principles and Applications(第3版、John Wiley & Sons社、2007年)を参照されたい。
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Claims (12)

  1. 検体生体粒子の電荷監視質量分析を行うための方法であって、
    a)前記検体生体粒子をレーザー脱離によって脱離板から圧力制御放電内に気化し、イオン化して、緩衝気体の存在下、検体生体粒子イオンを生成しつつ、1,000Vより高いピーク振幅を伴う無線周波数電圧を質量分析器に印加し、それによって、前記脱離板と前記質量分析器との間に前記圧力制御放電を発生させるステップであって、ここに、前記脱離板および前記質量分析器は前記緩衝気体を含有する同一の室内に保持され、前記室は10〜100ミリトールの緩衝気体の圧力に維持され、かつ、前記圧力制御放電は前記質量分析器に隣接する、ステップと、
    b)質量分析器内において前記検体生体粒子イオンの質量対電荷比を決定するステップと、
    c)電荷検出器を用いて前記検体生体粒子イオンの電荷を測定するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記放電がコロナ放電、グロー放電またはRF誘起放電である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記気化がMALDIまたはレーザー誘起音波脱離による、請求項1に記載の方法。
  4. 前記質量分析器が四重極イオントラップまたは直線状イオントラップである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記電荷検出器が電荷増幅を伴わずに作動することができる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記電荷検出器がファラデー板またはファラデーカップである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記電荷検出器が誘起電荷検出器である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記電荷検出器が多段誘起電荷検出器である、請求項1に記載の方法。
  9. 電荷検出器導電性板が、信号対雑音比を増加させるために冷却される、請求項1に記載の方法。
  10. 電荷監視質量分析を行うための装置であって、
    a)検体生体粒子をレーザー脱離によって脱離板から圧力制御放電内に気化し、イオン化して、緩衝気体の存在下、検体生体粒子イオンを生成する気化器と、
    b)前記検体生体粒子イオンの質量対電荷比を決定し、1,000Vより高いピーク振幅を伴う無線周波数電圧を質量分析器に印加することによって、前記脱離板と前記質量分析器との間に前記圧力制御放電を発生させる質量分析器と、
    c)前記脱離板、前記質量分析器および前記緩衝気体を封入する室であって、ここに、前記室は10〜100ミリトールの緩衝気体の圧力に維持され、かつ、前記圧力制御放電は前記質量分析器に隣接する、室と、
    d)前記検体生体粒子イオンの電荷を決定する少なくともひとつの電荷検出器と、
    を含む装置。
  11. 前記気化が、MALDIまたはレーザー誘起音波脱離による、請求項10に記載の装置。
  12. 前記質量分析器が四重極イオントラップまたは直線状イオントラップである、請求項10に記載の装置。
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