以下、図面と共に本発明に係る訪問先提案装置及び訪問先提案方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明に係る訪問先提案装置は、ユーザが訪問する複数の訪問先を組み合わせた訪問先セットを提案するものである。まず、図1を参照して、訪問先提案装置10の機能を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る訪問先提案装置の機能構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る訪問先提案装置10は、クライアント端末30と、評判生成装置40と通信を行う。訪問先提案装置10及び評判生成装置40は、例えば事業者が運営するサーバである。訪問先提案装置10と評判生成装置40を運営する事業者は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。クライアント端末30は、例えば移動通信端末であり、訪問先提案装置10によって訪問先の提案を受けるユーザが利用する端末である。クライアント端末30は、移動体通信網や無線LAN、インターネット等の通信網を利用して、訪問先提案装置10及び評判生成装置40と通信を行う。訪問先提案装置10と評判生成装置40とは、インターネット等の通信網を利用して互いに通信を行う。
図1に示すように、訪問先提案装置10は、行動予定データ記憶部11と、行動予定データ入力部12と、訪問先データ記憶部13と、訪問先データ入力部14と、嗜好情報記憶部15と、嗜好情報入力部16と、評判入力部17と、提案訪問先決定部18と、出力部19と、ログ受け取り部20と、ログデータ記憶部21と、嗜好演算部22と、訪問先セット生成部23と、を備えている。
行動予定データ記憶部11は、ユーザの行動予定データを記憶する手段である。行動予定データとは、ユーザが事前に登録しているスケジュールデータであり、ユーザ毎に管理されているデータである。例えば行動予定データには、ユーザを特定するユーザIDが対応付けられており、どのユーザのデータか把握できるようになっている。行動予定データは、ユーザが、クライアント端末30において起動したスケジューラに登録され、クライアント端末30と訪問先提案装置10とが該登録されたデータの送受信を行うことにより、行動予定データ記憶部11に記憶される。1つの行動予定に対しては、1つの行動予定データが登録される。1つの行動予定とは、例えば、行動内容、行動場所、行動時間(開始時間と終了時間)が特定される行動予定をいう。ただし、行動予定は必ずしもそれら全てが特定されている必要はない。本発明においては、行動予定の内容(行動内容)を示す何らかの情報を用いるため、それは必須である。なお、行動予定データは、ユーザがスケジューラに登録することによって、他のスケジュール管理サーバ(図示せず)に登録され、該スケジュール管理サーバと訪問先提案装置10が通信することによって、行動予定データ記憶部11に記憶されるものであってもよい。
行動予定データ記憶部11に記憶された行動予定データの一例について、図2(a)を用いて説明する。図2(a)は、行動予定データテーブルを示す表である。図2(a)に示すように、行動予定データには、タイトル、場所、カテゴリ、予定日、開始時間、終了時間からなる行動予定項目が含まれている。そして、各行動予定データを一覧にしたものを行動予定データテーブルとして、行動予定データ記憶部11が記憶している。
行動予定項目について説明する。タイトルは、行動予定データの名称であり、例えば、行動予定において訪問する訪問先名(AAレストランなど)が入力される項目である。場所は、行動予定に係る位置を示す行動予定位置情報であり、例えば行動予定で訪問する訪問先の場所を示す情報(新宿など)が入力される項目である。なお、行動予定に係る位置を示す情報として、訪問先の場所の緯度経度が管理されてもよい。緯度経度は、例えばクライアント端末30において、地図アプリケーションが起動された状態で、ユーザが行動予定に係る場所を地図上で指定することで、該指定場所の緯度経度が取得され、行動予定に係る位置を示す情報(場所)として管理されるものであってもよい。
カテゴリは、行動予定の内容を示す行動内容情報であり、行動予定の各分類を示す情報である。カテゴリには、例えば、「食べる」や「見る」などの分類が入力される。予定日は、行動予定に係る実施日が入力される項目である。開始時間、終了時間は、上述した予定日における、行動予定を開始する時間及び行動予定が終了する時間が入力される項目である。予定日、開始時間、及び終了時間は、ユーザの行動予定に係る時刻を示す行動時刻情報である。行動予定項目の各内容は、例えば、クライアント端末30におけるユーザの入力によって決定される。上述した行動予定項目のうち、ユーザの行動予定の内容を示す行動内容情報であるカテゴリは、必ず入力されている必要がある。一方で、カテゴリ以外の行動予定項目は、必ずしも入力されている必要はない。
行動予定データ入力部12は、ユーザの行動予定の内容を示す行動内容情報を含む行動予定データを入力する行動予定データ入力手段である。行動予定データ入力部12は、行動予定データ記憶部11に記憶された行動予定データテーブルを取得し、該行動予定データテーブルに含まれている行動予定データを訪問先セット生成部23に入力する。行動予定データ入力部12は、クライアント端末30から訪問先の提案要求があったタイミングで、行動予定データを訪問先セット生成部23に入力する。また、行動予定データ入力部12は、一定の周期で、行動予定データを訪問先セット生成部23に入力することとしてもよい。行動予定データ入力部12は、クライアント端末30に係るユーザ(訪問先の提案対象となるユーザ)の全行動予定データを訪問先セット生成部23に入力する。また、例えばクライアント端末30から訪問先の提案要求時に訪問先提案を要求する日程を指定するクエリが送信された場合には、行動予定データ入力部12は、行動予定データテーブルを参照し、各行動予定データのうち、行動予定項目である予定日がクライアント端末30から指定された日にちと同一のもののみを訪問先セット生成部23に入力してもよい。また、クライアント端末30において、行動予定データ記憶部11に記憶された行動予定データと同様の行動予定データが記憶されていてもよい。このことで、クライアント端末30と訪問先提案装置10とが通信できない状態であっても、クライアント端末30側でユーザが自身の行動予定(スケジュール)を確認できる。
訪問先データ記憶部13は、訪問先を示す訪問先データを複数記憶する手段である。訪問先データとは、各種のイベントやスポットなどの訪問先に関するデータである。1つの訪問先データに対しては、1つの訪問先、すなわち、1つのイベント又は1つのスポットが登録される。ここでのイベントとは、例えば学園祭やフリーマーケットなどの各種催し物をいう。また、スポットとは、例えば映画館やボーリング場などの各種施設や店舗をいう。訪問先データ記憶部13に記憶されている訪問先データの何れかが、ユーザに提案する訪問先となる。訪問先データは、手作業で更新されて訪問先データ記憶部13に記憶されるものであってもよいし、複数の訪問先が記憶されている訪問先管理サーバ(図示せず)と訪問先提案装置10とが一定の周期で通信することによって最新の訪問先データが訪問先データ記憶部13に記憶されるものであってもよい。
訪問先データ記憶部13に記憶された訪問先データの一例について、図2(b)を用いて説明する。図2(b)は、訪問先データテーブルを示す表である。図2(b)に示すように、訪問先データには、タイトル、場所、カテゴリ、開始日、終了日、開催時間、評判、所要時間、カテゴリ満足度、費用からなる訪問先項目が含まれている。そして、各訪問先データを一覧にしたものを訪問先データテーブルとして、訪問先データ記憶部13が記憶している。
訪問先項目について説明する。タイトルは、訪問先データの名称であり、例えば、イベント名(学園祭など)やスポット名(映画館など)が入力される項目である。場所は、訪問先に係る位置を示す訪問先位置情報であり、訪問先の場所を示す情報(新宿など)が入力される項目である。なお、訪問先に係る位置を示す情報として、訪問先の場所の緯度経度が管理されてもよい。カテゴリは、訪問先の内容を示す訪問先内容情報であり、訪問先の各分類を示す情報である。カテゴリには、例えば、「食べる」や「見る」などの分類が入力される。開始日及び終了日は、訪問先であるイベント等の開催初日、及び、イベント等の開催最終日が入力される項目である。開催時間は、上述した開始日から終了日までの日にちにおける、訪問先であるイベント等が開催されている時間や店舗の開店時間が入力される項目である。開始日、終了日、及び開催時間は、訪問先データに含まれる訪問先に係る時刻を示す訪問先時刻情報である。
評判は、訪問先に係る評判を示す情報であり、評判がよい訪問先ほど高いスコアが、評判が悪い訪問先ほど低いスコアが、入力される項目である。評判を示す情報として入力されるスコア(以下、評判スコアと記載)は、例えば、−1.0〜1.0の間の数値をとり、評判が高いほど1.0に近い値が入力され、評判が低いほど−1.0に近い値が入力されることとできる。評判スコアは、後述する評判入力部17が評判生成装置40から取得したデータを用いて、訪問先データに反映させることができる。また、訪問先データが、訪問先管理サーバ(図示せず)と訪問先提案装置10とが通信することによって取得されるものである場合には、該訪問先管理サーバが管理している評判スコアを、訪問先データに反映させることとしてもよい。所要時間は、訪問先を訪問したユーザが、該訪問先にて要する時間を示す所要時間情報であり、具体的な時間が入力される項目である。該訪問先にて要する時間とは、行動予定に係る場所から訪問先に移動するために要する移動時間等が含まれていない、ユーザが該訪問先のみで要すると想定される時間である。例えば、食事をする店舗であればユーザが食事をする時間、あるいは、美術館等であればユーザが鑑賞する時間である。
カテゴリ満足度は、訪問先データに係る訪問先にユーザが訪問することによって、該訪問先データに係るカテゴリに関してどの程度満足するかを示すものである。例えば、カテゴリがともに食べる、である訪問先データとして、ラーメン屋と喫茶店があったような場合には、食べることに関して満足度はラーメン屋の方が大きいと考えられるため、カテゴリ満足度は、喫茶店と比してラーメン屋に大きいスコアを与える。カテゴリ満足度は、1つの訪問先については、−1.0〜1.0の範囲であり、満足度が高いものほど1.0に近づき、満足度が低いものほど−1.0に近づく。例えば、図2に示した、ボジョレー試飲会では、該訪問先データのカテゴリが食べるであり、カテゴリ満足度が0.1であることから、ボジョレー試飲会に参加した場合には、食べることに関して満足度が0.1であることを示している。また、ゴルフ試打会では、体験する、というカテゴリについてはカテゴリ満足度が0.1であるのに対し、食べる、というカテゴリについてはカテゴリ満足度が−0.3となる。ゴルフを行うことで、体験することの満足度がある一方、体を動かすため空腹状態となると想定されるため、食べることについてのカテゴリ満足度がマイナスの値となっている。費用は、訪問先に係る費用を示す情報であり、訪問先に訪れた場合に必要となる平均的な費用が入力される項目である。例えば、食事をする店舗であれば食事にかかる費用、あるいは、美術館等であれば入場料等の費用であり、具体的には、訪問先がラーメン屋であれば700円、居酒屋であれば3000円、などのように平均的な費用が入力される。上述した訪問先項目のうち、訪問先の内容を示す訪問先内容情報であるカテゴリは、必ず入力されている必要がある。一方で、カテゴリ以外の訪問先項目は、必ずしも入力されている必要はない。
訪問先データ入力部14は、訪問先の内容を示す訪問先内容情報を含む訪問先データを複数入力する訪問先データ入力手段である。訪問先データ入力部14は、訪問先データ記憶部13に記憶された訪問先データテーブルを取得し、該訪問先データテーブルに含まれている訪問先データを訪問先セット生成部23に入力する。訪問先データ入力部14は、クライアント端末30から訪問先の提案要求があったタイミングで、訪問先データを訪問先セット生成部23に入力する。また、訪問先データ入力部14は、一定の周期で、訪問先データを訪問先セット生成部23に入力することとしてもよい。訪問先データ入力部14は、訪問先データ記憶部13に記憶された全訪問先データを訪問先セット生成部23に入力する。また、例えばクライアント端末30からの訪問先の提案要求時に、上述した訪問先項目の何れかの内容を指定するクエリが送信された場合には、訪問先データ入力部14は、訪問先データテーブルを参照し、各訪問先データのうち、該指定に沿っている特定の訪問先データのみを訪問先セット生成部23に入力してもよい。また、例えば訪問先の提案要求において、クライアント端末30から特定の場所を指定された場合には、訪問先データ入力部14は、該特定の場所近辺の訪問先データのみを訪問先セット生成部23に入力してもよい。特定の場所近辺とは、例えば、特定の場所を中心とした予め設定した所定の距離圏内(例えば数キロ圏内)をいう。特定の場所とは、クライアント端末30のユーザが希望する場所であり、例えば緯度及び経度で示されるクライアント端末30で測位されたユーザ(クライアント端末30)の現在位置であってもよいし、後述するクライアント端末30の画面上に表示される地図の中央に示される位置であってもよい。
嗜好情報記憶部15は、ユーザ毎の訪問先に対する嗜好を示す嗜好情報を記憶する手段である。嗜好情報は、ユーザが選択した各訪問先の履歴に基づいて生成される。より具体的には、嗜好情報は、ユーザが各訪問先を選択した回数(訪問先へユーザが訪れた回数)から生成される。すなわち、ユーザが頻繁に訪れる訪問先は、ユーザが好む訪問先であるとして、嗜好情報が生成される。嗜好情報は、ユーザが好む訪問先の各訪問先項目の内容から、ユーザが好む各訪問先項目の内容を特定し、訪問先項目の内容毎に特徴量を定めたものである。特徴量とは、後述する提案訪問先決定部18による各訪問先セットの評価に用いられる評価ルールを反映した(評価ルールの一部となる)、予め設定されたスコアである。よって、嗜好情報に含まれている特徴量が、ユーザに提案する問先を決定する一要因となる。なお、嗜好情報は、ユーザが選択した訪問先の履歴(ログデータ)から、後述する嗜好演算部22により生成される。複数の嗜好情報がまとまったものが嗜好情報テーブルとして、嗜好情報記憶部15に記憶されている。
嗜好情報の例について説明する。ユーザが選択した各訪問先の履歴に基づいて、選択された訪問先をカテゴリ毎に集計することで、どのカテゴリがユーザによく選択されているか(どのカテゴリをユーザが好んでいるか)が特定できる。このようにして生成した嗜好情報を図2(c)に示す。図2(c)は、カテゴリに関する嗜好情報である。該嗜好情報は、カテゴリ毎の訪問回数から、特徴量が決まっている。特徴量であるスコアは、例えば、−1.0〜1.0の間の数値をとり、訪問回数が多いカテゴリほど1.0に近づき、訪問回数が少ないカテゴリほど−1.0に近づく値とすることができる。ここで、特徴量は、値が大きいほど、対応する項目をユーザが好むことを示している。図2(c)に示す例では、訪問回数が多い、食べるのカテゴリの特徴量を0.5とし、訪問回数が少ない、買うのカテゴリの特徴量を0.3と定めている。
また、嗜好情報の他の例として、訪問先への訪問順序(カテゴリ毎)に関する嗜好情報がある。該嗜好情報は、訪問順序の組合せ回数から、特徴量が決まっている。また、費用に関する嗜好情報がある。上述したように、各訪問先データには訪問先項目として費用が設定されているため、選択された訪問先を費用の範囲(例えば、費用をある所定の範囲で区切って区分けする)毎に集計することで、どの費用の範囲の訪問先がユーザによく選択されているか、を考慮した該嗜好情報を生成することができる。なお、嗜好情報は、上記のようにユーザの履歴に基づくものでなくてもよく、ユーザや訪問先提案装置10の管理者によって訪問先提案装置10に入力されたものを用いてもよい。また、嗜好情報は、ユーザ毎の(ユーザに応じた)情報であってもよいし、全ユーザに共通のものであってもよい。上述した以外の嗜好情報(特徴量に係る情報)については、提案訪問先決定部18の説明において説明する。
嗜好情報入力部16は、ユーザ毎の訪問先に対する嗜好情報を入力する嗜好情報入力手段である。嗜好情報入力部16は、嗜好情報記憶部15に記憶された嗜好情報を取得し、該嗜好情報を訪問先セット生成部23に入力する。嗜好情報入力部16は、クライアント端末30から訪問先の提案要求があったタイミングで、嗜好情報を訪問先セット生成部23に入力する。
評判入力部17は、評判生成装置40と通信を行うことで、各訪問先に対する評判を示す情報である評判スコアを取得し、各訪問先の評判スコアを、訪問先データ記憶部13に記憶された各訪問先データに入力する手段である。なお、評判入力部17が評判生成装置40から取得する評判スコアは、訪問先データ記憶部13に記憶されたどの訪問先データに係る訪問先の評判であるかが対応付けられているものとする。評判入力部17が訪問先データに評判スコアを入力するタイミングは、例えば、クライアント端末30から訪問先の提案要求があったタイミングである。評判入力部17は、訪問先データの訪問先項目(評判)に評判スコアを入力する。最新の評判スコアが入力された後に、訪問先データ入力部14により訪問先データが訪問先セット生成部23に入力される必要があるため、評判入力部17による評判スコアの入力は、訪問先データ入力部14による訪問先セット生成部23への訪問先データの入力よりも前にされる必要がある。
評判生成装置40は、ブログやRSS(Really Simple Syndication)、SNS(social networkingservice)から各訪問先(イベント、スポット)の評判を取得し、集計することで、各訪問先毎に評判スコアを生成する装置である。評判スコアは、上述したように、例えば、−1.0〜1.0の間の数値をとり、評判が高いほど1.0に近い値が設定され、評判が低いほど−1.0に近い値が設定される。評判生成装置40によってブログ等から評判スコアを生成する方法は、従来から当業者に周知となっている方法を用いることができる。評判入力部17が評判生成装置40と通信を行って、訪問先に対する評価を取得するタイミングは、所定のタイミングで定期的に行われてもよいし、クライアント端末30から訪問先の提案要求があったタイミングでもよい。
訪問先セット生成部23は、訪問先データ入力部14によって入力された訪問先データによって示される訪問先を複数組み合わせた訪問先セットを生成する訪問先セット生成手段である。訪問先セット生成部23は、生成した訪問先セットを提案訪問先決定部18に入力する。訪問先セット生成部23が組み合わせる訪問先セットの数は予め設定しておくこととしてもよいし、設定しなくてもよい。例えば、1日でユーザが訪問できる訪問先のセットを提案するものである場合、組み合わせる訪問先の数は2つ〜6つと予め設定しておく。訪問先セット生成部23は、訪問先を順序付けして、訪問先セットを生成する。なお、訪問先の数が1つである訪問先セットを生成してもよい。
訪問先セット生成部23は、訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを生成する。訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを生成する、とは、複数の訪問先データの開始日、終了日、及び開催時間を参照することにより、例えば、同一日に訪問可能な訪問先データを束ねて1つの訪問先セットとする。この場合、訪問先セット生成部23は、同一日に訪問可能な訪問先データ全ての訪問先セットを生成してもよい。また、訪問先セット生成部23は、訪問先位置情報に基づいて訪問先セットを生成する。訪問先位置情報に基づいて訪問先セットを生成する、とは、複数の訪問先データの場所を示す情報を参照することにより、場所を示す情報として緯度、経度が登録されている場合には、該緯度経度から算出される距離が所定の範囲内である訪問先データを束ねて1つの訪問先セットとする。この場合、訪問先セット生成部23は、緯度経度から算出される距離が所定の範囲内である訪問先データ全ての訪問先セットを生成してもよい。また、訪問先セット生成部23は、訪問先位置情報に基づいて訪問先間の移動時間を算出して、算出した移動時間に基づいて訪問先セットを生成する。移動時間は、例えば、複数の訪問先データの訪問先位置情報から位置を特定し、それぞれの位置から、徒歩や電車等を利用した場合に要する時間を、従来から周知である技術により算出する。訪問先セット生成部23は、移動時間が所定の範囲内である訪問先データを束ねて1つの訪問先セットとする。
提案訪問先決定部18は、予め設定されると共に訪問先の組合せに応じた評価ルールに基づき、訪問先セット生成部23によって生成された訪問先セットのユーザへの適合度を特定することで該訪問先セットを評価し、該評価に基づいて該ユーザに提案する訪問先セットを決定する提案訪問先決定手段である。適合度は、具体的には、後述する訪問先セットに対する評価を示すスコアとして特定される。なお、提案訪問先決定部18は、所定の対象時間において提案する訪問先を決定するものである。所定の対象時間は、例えば、予め定められた1日における所定の時間(9:00〜21:00など)や、クライアント端末30(ユーザ)から指定された所定の時間とする。
提案訪問先決定部18は、各評価ルールに基づいた評価を行う前処理として、訪問が不可能な訪問先のフィルタリングを行う。すなわち、全行動予定データから導出される予定が埋まっていない時間に訪問が不可能な訪問先に係る訪問先データを除外する。予定が埋まっていない時間とは、提案訪問先決定部18が訪問先を提案する対象時間から、行動予定データに係る行動予定を実施する時間を除いた時間である。具体的には、予定が埋まっていない時間は、提案訪問先決定部18が訪問先を提案する対象時間と、行動予定データの日時、開始時間、終了時間とから算出される。そして、訪問先データの開始日、終了日、開催時間を照合することで、該当の予定が埋まっていない時間に訪問することが不可能な訪問先を除外する。また、訪問が不可能な訪問先のフィルタリング(前処理)として、訪問先と行動予定に係る場所から算出される移動時間に、訪問先での所要時間を加えたものが、上述した予定が埋まっていない時間に収まらない(訪問ができない)訪問先を含んでいる訪問先セットを除外する。すなわち、訪問先が3つある訪問先セットであれば、訪問先3つで要する所要時間と訪問先間での移動時間との合計が、予定が埋まっていない時間内であるかを判定する。
提案訪問先決定部18は、訪問先の内容のカテゴリの組み合わせに応じた評価ルールに基づき、該訪問先セットを評価する。訪問先の内容のカテゴリの組合せに応じて訪問先セットを評価するための評価ルールは、例えば、訪問先セット内の複数の訪問先のカテゴリが、食べる、で重複しているような場合には、連続して食事をすることになり、ユーザにとっては適切でない訪問先の組合せであると判断できるため、評価を低くする。一方で、例えば、複数の訪問先でカテゴリが一致する場合であっても該カテゴリが、共に、見る、であるような場合には、連続して観覧することは、ユーザにとっては不適切でない訪問先であると判断できるため、当該訪問先セットを通常の評価とする。このような場合、嗜好情報を、訪問先のカテゴリが特定のカテゴリ(上述した例では食べる)であって、複数の訪問先でカテゴリが一致する場合には低い特徴量を与え、それ以外の場合には高い特徴量を与えるものとする。また、嗜好情報として、特定の組合せに対して特定の特徴量を与えるものを用いてもよい。
また、提案訪問先決定部18は、訪問先データの順序からも訪問先セットを評価する。順序で評価する場合には、訪問先セット生成部23により、訪問先データが順序づけられていてもよい。また、例えばカテゴリの組合せを評価する場合には、訪問先データは時間的に直前の訪問先データとの間においてのみ、組合せに対する特徴量が導出されることとしてもよい。なお、訪問先データの開始日、終了日、及び開催時間とから、順序の前後として成立し得ないと判断した順序の評価については行わないこととしてもよい。順序の評価についても、嗜好情報入力部16により入力された嗜好情報を用いる。この場合の嗜好情報は、例えば、カテゴリ毎に、先に訪れる訪問先のカテゴリと後に訪れる訪問先のカテゴリとの組合せ、及びそれぞれの組合せに対応する特徴量が設定されているものである。
また、訪問先の内容のカテゴリの組合せに応じて訪問先セットを評価するための評価ルールとして、カテゴリ満足度を用いた評価ルールがある。上述したように、カテゴリ満足度は、各訪問先データに、−1.0〜1.0の範囲のスコアが設定されている。カテゴリ満足度は低すぎる場合及び高すぎる場合の双方で、訪問先セットとしてはユーザにとっての適合度が高くない場合がある。例えば、カテゴリが食べる、である場合のカテゴリ満足度として、低すぎる場合には、空腹状態となり、ユーザにとって望ましくない。一方で、カテゴリ満足度が高すぎる場合にも、食べることに関する訪問先が多すぎる(ユーザのキャパシティを超えて食べることに関する訪問先を詰め込む)こととなり、ユーザにとって望ましくない。このことから、嗜好情報は、例えば、訪問先セットに含まれる訪問先データのカテゴリ満足度のそれぞれのカテゴリについての合計(カテゴリトータル満足度:Σ(カテゴリ満足度))が、−1.0〜1.0の範囲内であれば、カテゴリ満足度の偏りがない訪問先セットであるとし高い特徴量を与え、上記範囲外であれば、カテゴリ満足度の偏りがある訪問先セットであるとし低い特徴量を与えるものとする。また、提案訪問先決定部18は、カテゴリトータル満足度が上述した−1.0〜1.0の範囲外である訪問先セットを、提案する訪問先セットの対象から除外してもよい(カテゴリトータル満足度によるフィルタリング)。
また、提案訪問先決定部18は、訪問先セットに含まれる訪問先の数から訪問先セットを評価する。訪問先セットを評価するための変数として、訪問先詰め込み満足度(訪問先をどれだけ詰め込んだ場合にユーザの満足度を高くするか)を決める変数αを用いてもよい。当該変数αは訪問先セットに含まれる各訪問先の特徴量に掛けわされる値である。変数αは、訪問先セットに含まれる訪問先数に応じて設定される値である。例えば、より多くの訪問先が含まれる訪問先セットを高く評価する場合には、変数αは、訪問先数が多いほど、大きい値をとることとすればよい。変数αは、0より大きく、1.0以下の値とする。また、提案訪問先決定部18は、訪問先セットに含まれる訪問先の数と、訪問先セットに含まれる訪問先のカテゴリとから訪問先を評価することとしてもよい。この場合、図2(c)に示すカテゴリと特徴量とが対応づいた嗜好情報を用いる。そして、訪問先セットに含まれる各訪問先の特徴量(各訪問先のカテゴリにより定まる特徴量)を足し合せたものを訪問先セットの評価とすることができる。この場合、訪問先セットに含まれる訪問先の数が多く、且つ、訪問先セットに含まれる訪問先のカテゴリの特徴量が高いほど、訪問先セットの評価が高くなる。
また、提案訪問先決定部18は、訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを評価する。訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを評価するための嗜好情報は、例えば、所定の時間内に各訪問先を訪問できる訪問先セットには高い特徴量を与え、所定の時間内に各訪問先を訪問できない訪問先セットには低い特徴量を与えるものとできる。
また、提案訪問先決定部18は、訪問先位置情報に基づいて訪問先セットを評価する。訪問先位置情報に基づいて訪問先セットを評価するための嗜好情報は、例えば、訪問先セットに含まれる各訪問先の緯度経度から算出される距離が所定の範囲内である訪問先セットには高い特徴量を与え、訪問先セットに含まれる各訪問先の緯度経度から算出される距離が所定の範囲外である訪問先セットには低い特徴量を与えるものとできる。
また、提案訪問先決定部18は、訪問先位置情報に基づいて訪問先間の移動時間を算出して、算出した移動時間からも該訪問先セットを評価する。算出した移動時間から訪問先セットを評価するための嗜好情報は、例えば、訪問先セットに含まれる各訪問先間での移動時間が所定の範囲内である訪問先セットには高い特徴量を与え、訪問先セットに含まれる各訪問先間での移動時間が所定の範囲外である訪問先セットには低い特徴量を与えるものとできる。
また、提案訪問先決定部18は、訪問先に係る評判又は費用を示す情報からも訪問先セットを評価する。評判を示す情報である評判スコアは、訪問先データの訪問先項目である評判に設定されている。提案訪問先決定部18は、訪問先セットの評価を、該評判スコアの合計(訪問先セットに含まれる訪問先データの評判スコアの合計)により行う。上述したように、評判スコアは、評判が高いほど1.0に近い値が、評判が低いほど−1.0に近い値が設定されている。なお、評判スコアは、個々の訪問先の評判だけではなく、訪問先を複数組み合わせたものに対しての評判のスコアであってもよい。この場合、嗜好情報として特定の組合せの評判に応じて特定の特徴量を与えるものであってもよい。具体的には、例えば、京都の五山の組合せに対する評判スコアから特定の特徴量を与えてもよい。評判スコアが訪問先を複数組み合わせたものに対して設定されている場合、例えば、1箇所ずつではメジャーではない五山の各寺院(1つの訪問先として考えた場合には、清水や金閣、渡月橋を回った方が満足度は大きい)についても、組合せとして、高い評判スコアとできる。さらに、五山のように組合せとして周知なものだけではなく、京都を観光等で訪れた場合に併せて訪問すると訪問者の満足度が大きい訪問先(例えば清水や金閣、渡月橋など)を加えたものに対する評判スコアから特定の特徴量を与えてもよい。費用から訪問先を評価するための嗜好情報は、例えば、費用が所定の範囲内である場合には高い特徴量を与え、費用が所定の範囲外である場合には低い特徴量を与えるものとできる。
なお、上述した提案訪問先決定部18による訪問先セットの評価は、訪問先セットの組み合わせに応じた特徴量に、行動予定データに応じた特徴量を考慮して行うものであってもよい。ただし、本実施形態においては、ユーザによって事前にスケジュール(行動予定データ)が登録されており、該スケジュールを考慮し、行動予定データが登録されていない時間帯について、ユーザが訪問する訪問先の組合せを提案する、として説明しているところ、行動予定データは必須ではなく、行動予定データが登録されていない状態で訪問先セットを提案するものであってもよい。
上述した、複数の基準を用いた、提案訪問先決定部18による訪問先セットの評価について説明する。提案訪問先決定部18は、全訪問先セットについて各評価ルールの特徴量を合計したスコアを算出することで、最終的な訪問先セットの評価を行う。なお、各評価ルールには、各ユーザがその評価ルールをどれだけ重視しているか、という観点から、重みをつけてもよい。重みづけを示す情報は、提案訪問先決定部18に記憶されている。本実施形態の説明においては、拘りのないユーザを想定し、重みづけは行わない。提案訪問先決定部18は、例えば、合計スコアが高い訪問先セットを提案訪問先に決定する。或いは、提案訪問先決定部18は、予め定めた順位までの訪問先セットを提案訪問先セットに決定し、出力部19は、順位が高い訪問先セットから順に出力する。或いは、提案訪問先決定部18は、予め定めたスコアよりも合計スコアが高い訪問先セットを提案訪問先セットに決定する。
上述した提案訪問先決定部18による訪問先セットの評価の具体例について説明する。なお、各評価ルールには、各ユーザがその評価ルールをどれだけ重視しているか、という観点から、重みをつけてもよい。重みづけを示す情報は、提案訪問先決定部18に記憶されている。本実施形態の説明においては、重みを1.0として説明する。訪問先詰め込み満足度(訪問先をどれだけ詰め込んだ場合にユーザの満足度を高くするか)を決める変数αの値は訪問先セットに含まれる訪問先数により決定する。訪問先セットの評価(スコア)は、例えば、特徴量(例えば−1.0から1.0までの値)と重み(各ユーザがその特徴をどれだけ重視しているかの値)を掛け合わせた値の総和とされ、下記式により表される。
訪問先セットの評価=Σα(重み×特徴量)・・・(1)
説明は図2を用いて行う。いま、図2(b)に示す訪問先データが訪問先データ入力部14により訪問先セット生成部23に入力されている。そして、図2(b)に示す訪問先データから、訪問先セット生成部23により、訪問先セット1(ゴルフ試打会、立ち飲み♯1、立ち飲み♯2を含む)と訪問先セット2(ボジョレー試飲会、立ち飲み♯2、スイーツ食べ放題を含む)とが生成されたとする。上記訪問先セットの評価は、訪問先セットに含まれる訪問先の数と訪問先セットに含まれる訪問先のカテゴリとから導出される特徴量により行う。なお、訪問先セット1と訪問先セット2はともに訪問先セットに含まれる訪問先数が3つであるため、訪問先詰め込み満足度(訪問先をどれだけ詰め込んだ場合にユーザの満足度を高くするか)を決める変数αの値は、訪問先数(3つ)に応じた0.1で同一とする。
訪問先セットに含まれる訪問先のカテゴリから導出される特徴量は、図2(c)より、カテゴリが体験する、であるゴルフ試打会は特徴量が0.4であり、カテゴリが食べる、である立ち飲み♯1、立ち飲み♯2、スイーツ食べ放題は特徴量が0.5である。よって、変数α=0.1、重み=1.0であることから、上記(1)式より、訪問先セット1の評価は、0.1×(1.0×0.4)+0.1×(1.0×0.5)+0.1×(1.0×0.5)=0.14となる。当該スコアは、行動予定データが考慮された値としてもよい。同様に、訪問先セット2の評価は、0.1×(1.0×0.5)+0.1×(1.0×0.5)+0.1×(1.0×0.5)=0.15となる。当該スコアは、行動予定データが考慮された値としてもよい。両者を比較した場合には提案訪問先決定部18は、ユーザに提案する訪問先セットを訪問先セット2に決定する。
また、訪問先セットの評価の前処理として、カテゴリトータル満足度に基づいた訪問先セットのフィルタリングを行う場合には、提案訪問先決定部18は、カテゴリトータル満足度が−1.0〜1.0の範囲外である訪問先セットを、提案する訪問先セットの対象から除外してもよい。上述した訪問先セットの例では、訪問先セット2のカテゴリ、食べる、のカテゴリトータル満足度は1.1となり、−1.0〜1.0の範囲外である。よって、提案訪問先決定部18は、訪問先セット2を、提案する訪問先セットの候補から除外してもよい。
出力部19は、提案訪問先決定部18によって決定された訪問先セットを示す情報を出力する出力手段である。例えば、出力部19は、提案訪問先決定部18によって決定された訪問先を示す情報を、クライアント端末30に送信する。なお、クライアント端末30では、後述するように、地図データに提案訪問先決定部18によって決定された訪問先を合成して表示する場合があるため、出力部19は、訪問先提案装置内の地図データ記憶部(図示せず)から地図データを取得し、上述した訪問先の出力時に同時に出力することとしてもよい。
ログ受け取り部20は、出力部19がクライアント端末(ユーザ)に提案する訪問先を送信し、ユーザが、該訪問先を行動予定が埋まっていない時間帯に訪問する訪問先として選択した場合に、選択された訪問先を追加した行動予定データ(ログデータ)を、クライアント端末から受信する手段である。ログ受け取り部20により受信されたログデータは、ログデータ記憶部21に格納される。ログデータ記憶部21は、ログ受け取り部20に入力されたログデータ(訪問先データ)を記憶する手段である。ログデータ記憶部21は、ユーザ毎にログデータを記憶することとできる。また、ログデータ記憶部21は、全てのユーザ共通でログデータを記憶することとしてもよい。
嗜好演算部22は、ログデータ記憶部21に記憶されたログデータ(選択された訪問先を追加した行動予定データ)を取得し、嗜好を演算することで嗜好情報を生成する手段である。上記のログデータは、ユーザが訪問した訪問先の履歴を示す情報として扱うことができる。嗜好を演算する、とは、例えば訪問先データから特徴量を算出することをいう。一例として、図2(c)に示したカテゴリに関する嗜好情報を生成する場合について説明する。該嗜好情報は、ユーザが選択した各訪問先の履歴(ログデータ)に基づいて、選択された訪問先をカテゴリ毎に集計することで、ユーザによく選択されているカテゴリ(ユーザが好んでいるカテゴリ)に高い特徴量を与えるものである。嗜好演算部22は、該嗜好情報を生成するために、ログデータである各訪問先のカテゴリを特定し、カテゴリ毎に集計することにより、カテゴリ毎の訪問回数を算出する。そして、カテゴリ毎の訪問回数に応じて特徴量を設定する。具体的には、訪問回数が多いカテゴリには高い特徴量を設定し、訪問回数が少ないカテゴリには低い特徴量を設定する。このようにして嗜好演算部22は訪問先データから特徴量を算出し、嗜好情報を生成する。嗜好演算部22が生成した嗜好情報は、嗜好情報記憶部15に格納される。なお、上述した嗜好情報以外の嗜好情報の作成も、上記と同様にして特徴量に対応する項目に対してユーザが行動予定とした頻度を算出することで、嗜好演算部22により行われる。
つぎに、クライアント端末30について説明する。クライアント端末30は上述したとおり、例えば移動通信端末である。クライアント端末30を利用するユーザは、自身の行動予定データが訪問先提案装置10に格納されており、該行動予定データを考慮した訪問先の提案を要求するユーザである。クライアント端末30は、訪問先提案装置10に訪問先の提案要求を行うためのクエリを生成し、該クエリを訪問先提案装置10に送信する。当該提案要求は、訪問先提案装置10の行動予定データ入力部12、訪問先データ入力部14、嗜好情報入力部16、評判入力部17に送信される。当該クエリには、訪問先の提案要求を行う日時(時刻)や時間帯を指定する要求が含まれていてもよい。また、当該クエリには、訪問先データの所定の訪問先項目(例えば場所など)を指定する要求が含まれていてもよい。また、当該クエリには、地図データの取得要求が含まれていてもよい。クライアント端末30は、訪問先提案装置10の出力部19から送信された、訪問先を示す情報を受信する。該訪問先を示す情報と併せて地図データが送信されている場合には、地図データについても受信する。
クライアント端末30は、訪問先を示す情報と地図データとを受信した場合には、これらを合成して、地図データ上に訪問先を示す情報を表示する。地図データと訪問先を示す情報の合成は、例えば、地図データ、及び、訪問先を示す情報の緯度経度を取得することにより行われる。地図データ上に表示する訪問先を示す情報は、該訪問先を示す情報のカテゴリを取得することで、該カテゴリに関するアイコンを表示してもよい。クライアント端末30に表示された訪問先を示す情報から、ユーザ(クライアント端末30のユーザ)は提案された訪問先を、自身の行動予定の中に組み込むか否かを選択する。ユーザが訪問先を行動予定の中に組み込むと選択した場合には、ユーザの選択操作を受けつけることで、クライアント端末30は、ユーザの行動予定に該訪問先への訪問を追加する(行動予定(スケジュール)データを更新する)。クライアント端末30は、訪問先を追加した新たな行動予定データ(ログデータ)を、訪問先提案装置10に送信する。新たな行動予定データは、ログデータ受け取り部20及び行動予定データ記憶部11に格納される(ログ通知)。
図3及び図4を用いて、クライアント端末における訪問先表示イメージについて説明する。なお、以下に説明する表示は、クライアント端末30が、スマートフォンやタブレット型端末、PC端末であることを想定している。図3に示す例では、クライアント端末30においては、画面上で、マップモードとスケジューラモードの何れかを表示している(別々の表示を行っている)。そして、XX駅をスタートし(14:00)、YY駅を経由し(14:02)、PP駅にたどり着く(17:58)行動予定が設定されている。マップモードには、訪問先提案装置10に提案された訪問先であるカフェYYとフリマ@ZZ公園が表示されている。ここで、ユーザが提案された上記の訪問先を選択したとすると、該選択操作が受けつけられ、行動予定に上記の訪問先が追加され、スケジューラモードの表示においても、カフェYYとフリマ@ZZ公園が表示される。
図4に示す例では、マップモードとスケジューラモードとが、クライアント端末30の同一の画面上に表示されている。該クライアント端末30が例えばスマートフォンである場合では、提案された訪問先のアイコンをスケジューラモードの表示にドラッグすることによって、訪問先への訪問を行動予定に組み込むことができる。また、図4に示すスケジューラモードの表示においては、XX駅の後のスケジュールとして2パターン(映画館Vと居酒屋Y、又は、映画館Xと居酒屋Z)表示されている。このように、クライアント端末30のスケジューラモードでは、複数パターンのスケジュールを表示させ、ユーザが容易に比較できるようになっている。また、図4に示す各行動予定については、スケジューラモードにおいて、各行動予定を表示したブロックの中心部をスクロールすることで、予定の順序変更が可能なようにしてもよい。また、各行動予定を表示したブロックの端部のバーをドラッグすることで、各行動予定の開始と終了時刻を変更することとしてもよい。また、マップモードの表示では、行動する順番が分かるように、回る訪問先順に矢印で表示してもよい。なお、クライアント端末30は、訪問先提案装置10に対して、特定の場所を希望(指定)して、訪問先の提案を要求してもよい。ユーザが希望する場所は、例えば、緯度及び経度で示されるクライアント端末30で測位された位置であってもよいし、図4に示したようなマップモードにおける画面中央に示される位置であってもよい。
つぎに、図5により、訪問先提案装置10のハードウェア構成について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る訪問先提案装置のハードウェア構成を示す図である。図5に示すように、訪問先提案装置10は、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述した各機能が発揮される。
引き続いて、図6のフロー図を用いて、訪問先提案装置10による訪問先提案に関するフローを説明する。図6は、本実施形態に係る訪問先提案装置の処理フローを示す図である。
まず、クライアント端末30により送信された訪問先提案要求が、行動予定データ入力部12、訪問先データ入力部14、嗜好情報入力部16、評判入力部17により受信される(S11)。つぎに、評判入力部17により、評判スコアが訪問先データ記憶部13に格納された訪問先データに入力される(S12)。つぎに、行動予定データ入力部12により行動予定データが、訪問先データ入力部14により訪問先データが、嗜好情報入力部16により嗜好情報が、それぞれ提案訪問先決定部18に入力される(S13、行動予定データ入力ステップ、訪問先データ入力ステップ)。つぎに、訪問先セット生成部23により、訪問先セットが生成される(S14、訪問先セット生成ステップ)。訪問先セットの生成は、訪問先データの時刻又は場所を示す情報に基づいて生成してもよい。つぎに、提案訪問先決定部18によって提案する訪問先セットが決定される(S15、提案訪問先決定ステップ)。提案訪問先決定部18は、予め設定されると共に訪問先の組合せに応じた評価ルールに基づき、訪問先セット生成部23によって生成された訪問先セットのユーザへの適合度を特定することで該訪問先セットを評価し、提案する訪問先セットを決定する。
つぎに、出力部19により、提案訪問先決定部18により決定された訪問先セットを示す情報がクライアント端末30に送信される(S16、出力ステップ)。そして、クライアント端末30において、ユーザの操作に基づき訪問先が選択された場合には、当該選択された訪問先を追加した行動予定データ(ログデータ)がクライアント端末から送信され、訪問先提案装置10のログ受け取り部20にて受信される(S17)。なお、クライアント端末30から送信される選択された訪問先を追加した行動予定データは行動予定データ記憶部11にも格納される。ログ受け取り部20が受け取った選択された訪問先を追加した行動予定データは、ログデータ記憶部21に格納され、嗜好演算部22が、該ログデータから嗜好情報を生成し嗜好情報記憶部15に格納する(S18)。以上が、訪問先提案装置10による訪問先提案に関するフローの説明である。
つぎに、本実施形態に係る訪問先提案装置10の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る訪問先提案装置10では、訪問先の組み合わせに応じた評価ルールに基づいて、訪問先セットを評価し、該評価に基づいて提案訪問先を決定している。訪訪問先セットとして評価を行うため、ユーザにとって適合度の高い訪問先セットを提案することができる。また、単体では訪問するモチベーションを引き出しにくい訪問先であっても、該訪問先が含まれたユーザにとって適合度の高い訪問先セットとして提案することで、該訪問先に対するユーザの訪問するモチベーションを高めることができる。
また、訪問先提案装置10では、訪問先データ入力部14は、訪問先の内容のカテゴリを示す情報を含む訪問先データを入力し、提案訪問先決定部18は、訪問先の内容のカテゴリの組み合わせに応じた評価ルールに基づき、該訪問先セットを評価するため、例えば、同じ訪問先セットの中に特定のカテゴリが複数含まれているような場合(カテゴリが食べるである訪問先が3つ含まれる場合、など)には、該訪問先セットの評価を低くする、などの判断が可能となる。
また、訪問先提案装置10では、提案訪問先決定部18は、訪問先セットに含まれる訪問先の数から該訪問先セットを評価することで、訪問先の数が望ましい訪問先セットを提案することができる。
また、訪問先提案装置10では、訪問先セット生成部23は、訪問先を順序付けして複数組み合わせた訪問先セットを生成し、提案訪問先決定部18は、順序からも訪問先セットを評価することで、訪問先が適切な順序となっている訪問先セットを提案することができる。
また、訪問先提案装置10では、訪問先データ入力部14は、訪問先に係る時刻を示す訪問先時刻情報を更に含む訪問先データを入力し、訪問先セット生成部23は、訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを生成し、又は、提案訪問先決定部18は、該訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを評価することが好ましい。訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを生成することで、時間的に関連する訪問先を訪問先セットとすることができる。また、訪問先時刻情報に基づいて訪問先セットを評価することで、互いに時間的に関連する訪問先を含む訪問先セットを提案することができる。
また、訪問先提案装置10では、訪問先セット生成部23は、訪問先位置情報に基づいて訪問先間の移動時間を算出して、算出した移動時間に基づいて訪問先セットを生成し、又は、提案訪問先決定部18は、訪問先位置情報に基づいて訪問先間の移動時間を算出して、算出した移動時間からも該訪問先セットを評価することで、訪問先間での移動時間が適切な移動時間の訪問先セットを提案することができる。
また、訪問先提案装置10では、訪問先データ入力部14は、訪問先に係る評判又は費用を示す情報を更に含む訪問先データを入力し、提案訪問先決定部18は、訪問先に係る評判又は費用を示す情報からも、訪問先セットを評価することで、評判又は費用を示す情報を考慮して、ユーザにとってより望ましい訪問先セットの提案を行うことが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、行動予定データにおける行動内容を示す情報として、カテゴリを例示したが、カテゴリに限られるものではない。また、カテゴリの内容として、食べるや見るといった区分を例示したがこれに限られるものではない。
また、訪問先提案装置10,10aの構成として、嗜好情報を生成するための構成である、ログ受け取り部20、ログデータ記憶部21、嗜好演算部22を備えているとしたが、嗜好情報は上述したとおりユーザ固有のものでなく全ユーザに共通の予め定めたものとすることもできるため、ユーザ固有の嗜好情報を生成しない場合などには、ログ受け取り部20、ログデータ記憶部21、嗜好演算部22を備えない構成とすることもできる。
また、訪問先提案装置10からクライアント端末30に送信する、とした地図データは、クライアント端末30内部で保持するものとできる。
また、訪問先データ記憶部13に格納された訪問先データは、必ずしも訪問先データ記憶部13に格納されている必要はなく、例えば他社サーバに備わっており、訪問先データ入力部14が、訪問先データを入力するタイミングで、該他社サーバから訪問先データを受信するものであってもよい。
また、嗜好情報としては、ユーザ毎の場所・状況、定番志向、新規志向の組合せに関するものが嗜好情報記憶部15に記憶されていてもよい。例えば、旅行先では評判がよいところを1つは必ず入れることで失敗を避け、後は冒険するのが好きである、というユーザであれば、場所・状況が旅行中である場合には、定番(評判がいい)の訪問先が決定されるとともに、新しい(例えば評判自体が少ない、など)訪問先も決定される、ように特徴量を与えた嗜好情報が用いられる。
また、嗜好情報は、訪問先セットに含まれる訪問先における費用の配分、及び、時間の配分に応じて特徴量を与えるものであってもよい。費用の配分は、例えば、訪問先セットに含まれる複数の訪問先のうち、1つの訪問先に費用を多く費やし、他の訪問先には費用を余り費やさない(一点豪華主義)ことを好むユーザには、1つの訪問先に偏って費用を費やすような訪問先セットの評価を高くするように嗜好情報の特徴量を設定してもよい。このような嗜好情報を用いて提案訪問先決定部18が提案する訪問先を決定することで、例えば、箱根の各訪問先を訪問する場合に、午前と午後でゆったりと費用が余り費やされない2か所(美術館と自然観照)をめぐり、夜に、費用が多く費やされる、高級旅館での会席料亭を訪問先として組み込むことができる。
また、提案訪問先決定部18は、訪問先決定時に、重要視するパラメータ(ユーザの現在地からの距離、訪問先の評判、新規性など)を地域の特性を踏まえて変更することとしてもよい。具体的には、評判の信憑性が高くなりがちな都心(人口密集地)では、訪問先の評判に判断の重きを置き、訪問先の新規性に希少性を見出しやすい地方(人口非密集地)では、新規性に重きを置いて訪問先を提案することとしてもよい。
また、評価ルールとして嗜好情報を用い、特徴量(スコア)で訪問先を評価する例について説明したが、必ずしも評価ルールとして嗜好情報を用いる必要はなく、例えば、予め設定したある行動予定とある訪問先との組合せとなる場合には、該訪問先を提案訪問先として決定する(逆に、予め設定したある行動予定とある訪問先との組合せとなる場合には、該訪問先を提案する訪問先の候補から除外する)といった評価ルールを設定してもよい。