JP2014119670A - 蛍光発生装置、投影装置及び励起ビーム発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光体が局所的に劣化することを防止する。
【解決手段】蛍光発生装置10が、励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源21,21…と、蛍光体層41dが設けられた蛍光体ホイール41と、励起光光源21,21…から蛍光体ホイール41までの励起ビームの光路上に配置され、励起ビームが入射し、回転可能に設けられた光学素子23と、光学素子23を回転させる回転駆動器25と、備える。
【選択図】図1
【解決手段】蛍光発生装置10が、励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源21,21…と、蛍光体層41dが設けられた蛍光体ホイール41と、励起光光源21,21…から蛍光体ホイール41までの励起ビームの光路上に配置され、励起ビームが入射し、回転可能に設けられた光学素子23と、光学素子23を回転させる回転駆動器25と、備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、蛍光発生装置、投影装置及び励起ビーム発生装置に関する。
投影装置は、光源から発した光をデジタル・マイクロミラー・デバイス等の反射型表示素子又は液晶シャッターアレイパネル等の透過型表示素子に照射し、表示素子によって形成された画像を投影レンズによってスクリーンに投影するものである。
従来、高輝度の放電ランプを光源として利用する投影装置が主流であった。しかし、近年、レーザー光源装置(例えば、特許文献1参照)及び蛍光体を利用する投影装置の開発が多々なされている。具体的には、レーザー光源装置に組み込まれたレーザーダイオードによって励起ビーム(レーザー光)を発生させ、その励起ビームをレンズ等を利用して蛍光体に照射し、その蛍光体から発せられた蛍光をレンズ等によって表示素子に照射する。
従来、高輝度の放電ランプを光源として利用する投影装置が主流であった。しかし、近年、レーザー光源装置(例えば、特許文献1参照)及び蛍光体を利用する投影装置の開発が多々なされている。具体的には、レーザー光源装置に組み込まれたレーザーダイオードによって励起ビーム(レーザー光)を発生させ、その励起ビームをレンズ等を利用して蛍光体に照射し、その蛍光体から発せられた蛍光をレンズ等によって表示素子に照射する。
ところが、蛍光体の一定の箇所に励起ビームを照射すると、その照射箇所が急速に劣化する。そこで、蛍光体を回転することによって励起ビームが一定の箇所に集中して照射されることを防止する。しかし、蛍光体を回転したものとしても、励起ビームが蛍光体に描く軌跡は円形となり、蛍光体がその円形軌跡において局所的に劣化してしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、蛍光体が局所的に劣化することを防止することである。
以上の課題を解決するために、本発明に係る蛍光発生装置は、励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、蛍光体層が設けられた蛍光体板と、前記励起光光源から前記蛍光体板までの前記励起ビームの光路上に配置され前記励起ビームが入射する、回転可能に設けられた光学素子と、前記光学素子を回転させる回転駆動器と、備える。
本発明に係る励起ビーム発生装置は、互いに平行な励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、前記励起ビームの光路上に配置されて前記励起ビームが入射し、前記励起ビームの断面像を当該励起ビームの光軸回りに回転させ、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられた像回転素子と、前記像回転素子を回転させる回転駆動器と、を備える。
本発明によれば、光学素子或いは像回転素子の回転によって励起ビーム中の励起光線が蛍光体板の蛍光体層の一定箇所に照射されることを防止することができる。これにより、蛍光体板の蛍光体層の長寿命化を図ることができる。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔第1の実施の形態〕
図1は、蛍光発生装置10の側面図である。
図1に示すように、蛍光発生装置10は励起ビーム発生装置20、収束光学系30及び励起光変換装置40を備える。
図1は、蛍光発生装置10の側面図である。
図1に示すように、蛍光発生装置10は励起ビーム発生装置20、収束光学系30及び励起光変換装置40を備える。
励起ビーム発生装置20は励起ビームを発生させる。励起ビーム発生装置20によって発せられる励起ビームは平行光又は収束光である。励起ビーム発生装置20によって発せられる励起ビームは複数の励起光線の束である。励起ビーム発生装置20によって発せられる励起ビームは波長帯域が狭い単色光であることが好ましい。また、励起ビーム発生装置20によって発せられる励起ビームは波長が短い高エネルギーの光が好ましい。励起ビーム発生装置20によって発せられる励起ビームは例えば紫外光又は青色光である。
収束光学系30は、励起ビーム発生装置20によって発せられた励起ビームを収束することによって励起光のスポット19を形成する。収束光学系30は一枚又は複数枚のレンズ等を有する。
励起光変換装置40は、収束光学系30によって収束された励起ビームを蛍光に変換し、励起光のスポット19を蛍光光源像に変換する。
励起ビーム発生装置20について説明する。
励起ビーム発生装置20は複数の励起光光源21,21…、複数のコリメータレンズ22,22…、光学素子23及び回転駆動器25を備える。
励起光光源21,21…は半導体発光素子であり、より具体的にはレーザーダイオードである。これら励起光光源21,21…は図1の紙面に対して垂直な面に沿って二次元アレイ状に配列されている。これら励起光光源21,21…は何れも同じ向きに励起光線を発し、励起光光源21,21…の光軸が互いに平行であり、励起光光源21,21…によって発せられる励起光線が互いに平行である。これら励起光光源21,21…によって発せられた励起光線の束を励起ビームという。
励起光光源21,21…によって発せられた何れの励起光線も励起ビームの光軸からずれている。つまり、何れの励起光光源21,21…もこれら励起光光源21,21…が分布する領域の中心に配置されていない。
励起光光源21,21…は点滅してもよいし、常時点灯してもよい。励起光光源21,21…が点滅する場合、その点滅周期は短く、励起光光源21,21…の点滅が肉眼で識別できないほど高速であることが好ましい。
コリメータレンズ22,22…は図1の紙面に対して垂直な面に沿って二次元アレイ状(格子状)に配列されている。コリメータレンズ22,22…が励起光光源21,21…にそれぞれ対向する。コリメータレンズ22,22…は励起光光源21,21…から発した励起光線をコリメートする。
コリメータレンズ22,22…の光軸が励起光光源21,21…の光軸に揃っているか(図2参照)、或いは、コリメータレンズ22,22…の光軸が励起光光源21,21…の光軸からずれている(図3参照)。
コリメータレンズ22,22…の光軸が励起光光源21,21…の光軸に揃っていれば、コリメータレンズ22,22…を通過した励起光線が互いに平行である。従って、コリメータレンズ22,22…の通過後の励起ビームは平行光である。
コリメータレンズ22,22…の光軸が励起光光源21,21…の光軸からずれている場合、コリメータレンズ22と励起光光源21の組の配置位置がより周辺になるにつれて、両者の光軸のずれ量がより大きくなる。そのため、コリメータレンズ22,22,…を通過した励起光線が中心(励起ビームの光軸)に偏向し、コリメータレンズ22,22…通過後の励起ビームは収束光である。
なお、図4又は図5に示すように、コリメータレンズ22,22…の出射側に階段ミラー28,28…又は平面反射面(鏡面又は全反射面)29を配置してもよい。コリメータレンズ22,22…を通過した励起光線が階段ミラー28,28…又は平面反射面29によって反射されることによって、これら励起光線の間隔が短くなり、これら励起光線の束(励起ビーム)の径が細くなる。
図1に示すように、コリメータレンズ22,22…を通過した励起光線(図4又は図5のような構成を採用した場合、階段ミラー28,28…又は平面反射面29によって反射された励起光線)の束つまり励起ビームは光学素子23に入射される。
光学素子23は、入射される励起ビームの断面像をその光軸を中心に回転させて、その励起ビームを出射する像回転光学素子である。より具体的には、光学素子23は、励起ビームの入射光軸と励起ビームの出射光軸をずらさずに、これら入射光軸と出射光軸を一直線状に一致させる像回転光学素子である。そのような像回転作用を有するダブプリズム(ドーブプリズム:Dove prism)又はシュミット・ペシャンプリズム(Schmidt-Pechan prism)を光学素子23に適用することが好ましい。
光学素子23がダブプリズムである場合、入射光軸及び出射光軸に沿った光学素子23の断面形状は2つの底角が等しい等脚台形である。ダブプリズムは、その等脚台形をその断面の直交方向に平行移動することで得られた稠密体(ソリッド体)である。等脚台形の一方の脚を含む面23aが入射面であり、他方の脚を含む面23cが出射面であり、長い底辺を含む面23bが全反射面である。入射面23aに入射する励起ビームの光軸が全反射面に対して平行であり、その励起ビームは入射面23aに斜めに入射して、入射面23aによって全反射面23b側へ屈折される。入射した励起ビームは全反射面23bによって出射面23cへ反射される。反射された励起ビームは、出射面23cによって屈折されて、出射面23cから外部へ出射する。これにより、出射面23cから出射する励起ビームが入射面23aに入射する励起ビームを所定角度(例えば、180°)だけ捩ったものとなり、出射励起ビームの断面像が入射励起ビームの断面像をその光軸を中心にして所定角度(180°)だけ回転させたものとなる。また、入射励起ビームの光軸と出射励起ビームの光軸が一直線状に重なる。なお、光学素子23がダブプリズムである場合、コリメータレンズ22,22…の光軸が励起光光源21,21…の光軸に揃っていて、光学素子23に入射される励起ビームが平行光であることが好ましい。
光学素子23は、光学素子23の入射光軸及び出射光軸に平行な回転軸を中心にして回転可能に設けられている。具体的には、光学素子23がホルダー24に取り付けられ、そのホルダー24がベアリング等によって回転可能に設けられている。このホルダー24及び光学素子23の回転軸が光学素子23の入射光軸及び出射光軸に一致しているか、又はその入射光軸及び出射光軸に対して偏心している。光学素子23が回転すれば、光学素子23から出射される励起ビームやその断面像もその光軸を中心にして回転し、その励起ビームの各励起光線が励起ビームの出射光軸及び入射光軸を中心にして旋回する。光学素子23がダブプリズムであれば、励起ビームやその断面像の回転角が光学素子23の回転角の2倍になり、励起ビームやその断面像は光学素子23の2倍の速度で回転する。従って、光学素子23が1回転すれば、励起ビームやその断面像は2回転する。
回転駆動器25はモーターであり、そのモーターの出力軸が歯車列等の伝動機構を介してホルダー24に連結されている。ホルダー24及び光学素子23は回転駆動器25によって駆動される。回転駆動器25は等速度でホルダー24及び光学素子23を回転するか、周期的、断続的又は連続的に回転速度を変化させてホルダー24及び光学素子23を回転する。また、回転駆動器25によって回転されるホルダー24及び光学素子23の回転周期は後述する蛍光体ホイール41の回転周期よりも短く、ホルダー24及び光学素子23が蛍光体ホイール41よりも高速で回転される。
光学素子23によって出射される励起ビームの光軸が収束光学系30の光軸と一直線状に揃っていることが好ましい。
励起光変換装置40について説明する。
励起光変換装置40は、蛍光体ホイール41及びスピンドルモーター(回転駆動器)42を有する。蛍光体ホイール41は励起光によって励起する蛍光体を有する。蛍光体ホイール41が円板状に設けられている。蛍光体ホイール41が励起光のスポット19において収束光学系30の光軸に対して直交する。スピンドルモーター42が蛍光体ホイール41の中心において蛍光体ホイール41に連結されており、蛍光体ホイール41がスピンドルモーター42によって回転される。スピンドルモーター42が蛍光体ホイール41を等速度で回転することが好ましい。
なお、スピンドルモーター42と回転駆動器25のどちらか一方を設けず、他方によって光学素子23及び蛍光体ホイール41を駆動してもよい。つまり、光学素子23と蛍光体ホイール41の駆動源を共通化してもよい。
図6は蛍光体ホイール41の平面図である。なお、図6を見る方向と図1を見る方向は垂直である。
蛍光体ホイール41はホイール板41a及び蛍光体層41d等を有する。ホイール板41aが円板状に設けられている。ホイール板41aの中心には取付孔41bが形成され、スピンドルモーター42の出力軸が取付孔41bに嵌め込まれて固定されている。スピンドルモーター42の出力軸が収束光学系30の光軸に対して平行であり、ホイール板41aが収束光学系30の光軸に対して直交する。ホイール板41aの表側の面が収束光学系30側に向き、ホイール板41aの裏側の面が反対を向いている。
蛍光体層41dはホイール板41aの表側の面に形成されている。蛍光体層41dは、ホイール板41aの表側の面全体に形成されていてもよいし、ホイール板41aの表側の面の一部に形成されていてもよい。ここでは、蛍光体層41dが取付孔41bを中心とした円環状に形成されている。
収束光学系30の光軸が蛍光体層41dに交差し、励起ビームのスポット19が蛍光体層41dに形成される。蛍光体層41dは励起ビームの照射箇所(スポット19)において励起されて、蛍光を発する。これにより、励起ビームのスポット19が蛍光の光源像に変換される。蛍光体層41dから発せられる蛍光は可視光であり、好ましくは波長帯域が狭い単色光であり、より好ましくは三原色の光である。例えば、蛍光体層41dは緑色光、赤色光又は青色光である。
図7に示すように蛍光体層41dが周方向に複数に分けられ、これら複数に分けられた蛍光体層41d1,41d2…が周方向に並設されていてもよい。この場合、蛍光体層41d1,41d2…から発せられる蛍光色は互いに異なる。蛍光体層41dが3つに分けられた場合、蛍光体層41d1,41d2,41d3から発せられる蛍光色はそれぞれ赤色光、緑色光、青色光であることが好ましい。
図8に示すように、蛍光体ホイール41が励起光を拡散透過させる透過拡散板41eを更に有してもよい。ここで、ホイール板41aの周縁には開口41cが形成され、その開口41cが透過拡散板41eに閉塞されている。軸方向に見て、その開口41cが周方向に延在し、蛍光体層41dは円弧帯状又は扇形状に形成されている。開口41c内の透過拡散板41eと蛍光体層41dが周方向に並設され、開口41c内の透過拡散板41eと蛍光体層41dとが同一回転軌道上にある。蛍光体ホイール41に透過拡散板41eが設けられている場合には、蛍光体層41dや透過拡散板41eに入射する励起ビームが可視光であることが好ましい。なお、図8に示すようにホイール板41aに開口41cが形成されている場合でも、図6に示す場合と同様に蛍光体層41dが一色の蛍光体層からなるか、図7に示す場合と同様に蛍光体層41dが周方向に複数に分けられた複数色の蛍光体層からなる。
蛍光体ホイール41がスピンドルモーター42によって回転されることによって、励起ビームのスポット19により蛍光体ホイール41(特に、蛍光体層41d及び透過拡散板41e)に描かれる軌跡が円状になる。図9に示す円状軌跡18は、蛍光体ホイール41一回転当たりに、励起ビームの光軸(スポット19の中心)によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡である。
上述したように励起ビームは複数の励起光線の束であり、これら励起光線は何れも励起ビームの光軸に一致していない。そのうえ、光学素子23が回転されることによって励起ビーム及びその断面像がその光軸を中心にして回転する。そのため、各励起光線によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡は円形ではない。また、各励起光線によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡(蛍光体ホイール41の一回転当たり)は、励起ビームの光軸によって蛍光体層41dに描かれる軌跡(蛍光体ホイール41の一回転当たり)よりも長くなる。図9に示す曲線状軌跡17は、蛍光体ホイール41一回転当たりに、励起ビームを構成する一つの励起光線によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡である。蛍光体ホイール41の中心を原点にしてxy直交座標系を設定した場合、励起光線によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡は次式で表される曲線となる。
x=Rcos(t)+rcos(ωt)
y=Rsin(t)+rcos(ωt)
ここで、座標(x,y)は励起光線によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡上の点を表し、Rは蛍光体ホイール41の中心から励起ビームの光軸までの距離であり、rは励起ビームから励起光線までの距離であり、ωは蛍光体ホイール41一回転当たりの光学素子23の回転数であり、tは媒介変数である。
y=Rsin(t)+rcos(ωt)
ここで、座標(x,y)は励起光線によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡上の点を表し、Rは蛍光体ホイール41の中心から励起ビームの光軸までの距離であり、rは励起ビームから励起光線までの距離であり、ωは蛍光体ホイール41一回転当たりの光学素子23の回転数であり、tは媒介変数である。
励起光線が蛍光体ホイール41に描く軌跡が長くなり、励起光線が蛍光体ホイール41の径方向に分布するように蛍光体層41dに入射するので、蛍光体層41dが励起光線によって劣化することを抑えることができる。よって、蛍光体層41dの寿命を長期化することができる。
励起ビームのスポット19により蛍光体ホイール41に描かれる円状軌跡は径方向に幅を有する。その円状軌跡の何れの位置においても励起光線の入射光量の累積値がほぼ等しくなる。よって、蛍光体層41dの特定の箇所が他の箇所と比較して早く劣化することを防止することができるとともに、蛍光体層41dの寿命の均一化を図ることができる。これは、光学素子23の回転により励起ビームの断面像が回転して、励起ビームのスポット19も回転することに起因する。
光学素子23がダブプリズム又はシュミット・ペシャンプリズムであるので、光学素子23に入射する励起ビームの光軸が光学素子23から出射する励起ビームの光軸と一直線状に揃う。そのため、光学素子23が回転したものとしても、光学素子23から出射する励起ビームの光軸を収束光学系30の光軸と一直線状に揃えることができる。よって、励起ビームのスポット19が蛍光体ホイール41の径方向に揺れ動くことがなく、蛍光が発せられる位置が一定の位置にすることができる。それにより、蛍光体層41dから発せられた蛍光を他の箇所に照射するべく、レンズ等の光学系を設置する場合、その光学系の設計を容易にすることができるとともに、その光学系をシンプル且つ小型化することができる。
回転駆動器25は周期的、断続的又は連続的に回転速度を変化させてホルダー24及び光学素子23を回転すれば、励起光線が蛍光体ホイール41に描く軌跡の形状が不規則的になる。そのため、蛍光体層41dの特定箇所が励起光線によって局所的に劣化することを防止することができる。
回転駆動器25によって回転されるホルダー24及び光学素子23の回転周期は蛍光体ホイール41の回転周期よりも短いので、蛍光体ホイール41が1回転する間に励起光線によって蛍光体ホイール41に描かれる軌跡(例えば、曲線状軌跡17)が長くなるので、蛍光体層41dの劣化を抑えることができる。
蛍光体ホイール41の1回転当たりの光学素子23の回転角度の2倍値と、360との最小公倍数が大きいほどより好ましい。その最小公倍数が大きくなるにつれて、励起光線が蛍光体ホイール41に或る軌跡を描き始めてから、次にその励起光線がその軌跡と同一の軌跡を描き始めるまでの期間が長くなるためである。
〔第2の実施の形態〕
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る蛍光発生装置10Aの側面図である。第2実施形態に係る蛍光発生装置10Aと第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。以下、第1実施形態に係る蛍光発生装置10から変更した部分について主に説明する。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る蛍光発生装置10Aの側面図である。第2実施形態に係る蛍光発生装置10Aと第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。以下、第1実施形態に係る蛍光発生装置10から変更した部分について主に説明する。
第1実施形態では、光学素子23が像回転素子であった。それに対して第2実施形態では、光学素子23は、出射励起ビームの光軸を入射励起ビームの光軸からずらす光軸シフト素子である。
具体的には、図10に示すように、光学素子23が透明な平行平板であり、光学素子23の入射面23fと出射面23gが互いに平行である。入射面23f及び出射面23gは、コリメータレンズ22,22…を通過した励起ビームの光軸に対して傾斜する。そのため、入射面23fに入射した励起ビームが入射面23fによって屈折し、その励起ビームが出射面23gによって屈折されて、出射面23gから外部へ出射する。これにより、出射面23gから出射する励起ビームの光軸が入射面23fに入射する励起ビームの光軸からずれたものとなり、入射光軸と出射光軸が互いに平行である。
光学素子23及びそれを保持するホルダー24は、入射光軸を中心にして回転駆動器25によって回転される。
以上に説明したことを除いて、第2実施形態に係る蛍光発生装置10Aと第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分は同様に設けられている。
平行平板たる光学素子23が回転されることによって、励起ビームのスポット19が光学素子23の回転軸を中心にして旋回する。そのため、蛍光体層41d(透過拡散板41eがある場合には、蛍光体層41d及び透過拡散板41e)の特定箇所が励起光線によって局所的に劣化することを防止することができ、蛍光体層41dの寿命の均一化を図ることができる。
〔第3の実施の形態〕
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る蛍光発生装置10Bの側面図である。第3実施形態に係る蛍光発生装置10Bと第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。以下、第1実施形態に係る蛍光発生装置10から変更した部分について主に説明する。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る蛍光発生装置10Bの側面図である。第3実施形態に係る蛍光発生装置10Bと第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。以下、第1実施形態に係る蛍光発生装置10から変更した部分について主に説明する。
第3実施形態に係る蛍光発生装置10Bには、光学素子23、ホルダー24及び回転駆動器25が設けられていない。そして、光学素子たる収束光学系30の光軸30cはコリメータレンズ22,22…を通過した励起ビームの光軸からずれている。また、収束光学系30の光軸30cはコリメータレンズ22,22…を通過した励起ビームの光軸に対して平行である。
収束光学系30は、その光軸30cからずれた回転軸(光軸30cに平行である。)を中心にして回転可能に設けられている。より具体的には、収束光学系30は、コリメータレンズ22,22…を通過した励起ビームの光軸を中心にして回転可能に設けられている。つまり、収束光学系30がホルダー30aに取り付けられ、そのホルダー30aがベアリング等によって回転可能に設けられている。このホルダー30a及び収束光学系30の回転軸は収束光学系30の光軸30cからずれているとともに、その光軸30cに対して平行である。
更に、この蛍光発生装置10Bは回転駆動器30bを有する。回転駆動器30bはモーターであり、そのモーターの出力軸が歯車列等の伝動機構を介してホルダー30aに連結されている。ホルダー30a及び収束光学系30は回転駆動器30bによって駆動される。回転駆動器30bは等速度でホルダー30a及び収束光学系30を回転するか、周期的、断続的又は連続的に回転速度を変化させてホルダー30a及び収束光学系30を回転する。また、回転駆動器30bによって回転されるホルダー30a及び収束光学系30の回転周期は蛍光体ホイール41の回転周期よりも短い。
以上に説明したことを除いて、第3実施形態に係る蛍光発生装置10Bと第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分は同様に設けられている。
収束光学系30の光軸と、コリメータレンズ22,22…を通過した励起ビームの光軸とが一致しない状態で収束光学系30が回転されることによって、励起ビームのスポット19が旋回する。そのため、蛍光体層41d(透過拡散板41eがある場合には、蛍光体層41d及び透過拡散板41e)の特定箇所が励起光線によって局所的に劣化することを防止することができ、蛍光体層41d(透過拡散板41eがある場合には、蛍光体層41d及び透過拡散板41e)の寿命の均一化を図ることができる。
〔第4の実施の形態〕
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る蛍光発生装置の要部の側面図である。第4実施形態に係る蛍光発生装置と第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。以下、第1実施形態に係る蛍光発生装置10から変更した部分について主に説明する。
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る蛍光発生装置の要部の側面図である。第4実施形態に係る蛍光発生装置と第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。以下、第1実施形態に係る蛍光発生装置10から変更した部分について主に説明する。
第4実施形態に係る蛍光発生装置には、光学素子23、ホルダー24及び回転駆動器25が設けられていない。そして、光学素子たるコリメータレンズ22,22…の光軸22c,22c…が励起光光源21,21…の光軸21c,21c…からずれた状態で励起光光源21,21…とそれぞれ対向する。コリメータレンズ22,22…の光軸22c,22c…と励起光光源21,21…の光軸21c,21c…のずれ量は僅かである。
コリメータレンズ22,22…はそれぞれ励起光光源21,21…の光軸21c,21c…を中心にして回転可能に設けられている。具体的には、コリメータレンズ22,22…はそれぞれホルダー22a,22a…に取り付けられ、それらホルダー22a,22a…がそれぞれベアリング等によって回転可能に設けられている。
更に、この蛍光発生装置は回転駆動器22bを有する。回転駆動器22bはモーターであり、そのモーターの出力軸が歯車列等の伝動機構を介してホルダー22a,22a…に連結されている。コリメータレンズ22,22…及びホルダー22a,22a…は回転駆動器30bによって駆動される。回転駆動器22bは等速度でコリメータレンズ22,22…及びホルダー22a,22a…を回転するか、周期的、断続的又は連続的に回転速度を変化させてコリメータレンズ22,22…及びホルダー22a,22a…を回転する。また、回転駆動器22bによって回転されるコリメータレンズ22,22…及びホルダー22a,22a…の回転周期は蛍光体ホイール41の回転周期よりも短い。
以上に説明したことを除いて、第4実施形態に係る蛍光発生装置と第1実施形態に係る蛍光発生装置10との間で互いに対応する部分は同様に設けられている。
コリメータレンズ22,22…の光軸22c,22c…と励起光光源21,21…の光軸21c,21c…とが一致しない状態で、コリメータレンズ22,22…が回転されることによって、励起光光線がそれぞれの励起光光源21,21…の光軸21c,21c…を中心にして旋回する。そのため、蛍光体層41d(透過拡散板41eがある場合には、蛍光体層41d及び透過拡散板41e)の特定箇所が励起光線によって局所的に劣化することを防止することができ、蛍光体層41d(透過拡散板41eがある場合には、蛍光体層41d及び透過拡散板41e)の寿命の均一化を図ることができる。
〔第5の実施の形態〕
第1実施形態の蛍光発生装置10、第2実施形態の蛍光発生装置10A、第3実施形態の蛍光発生装置10B又は第4実施形態の蛍光発生装置を用いた投影装置について説明する。
第1実施形態の蛍光発生装置10、第2実施形態の蛍光発生装置10A、第3実施形態の蛍光発生装置10B又は第4実施形態の蛍光発生装置を用いた投影装置について説明する。
図13は、第1実施形態の蛍光発生装置10を利用した投影装置100の図面である。
図13に示すように、この投影装置100は、照明装置(シーケンシャルカラー発生装置)1、光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4等を備える。
図13に示すように、この投影装置100は、照明装置(シーケンシャルカラー発生装置)1、光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4等を備える。
照明装置1は、出射光を赤色光、緑色光及び青色光に時間で分割するものである。具体的には、照明装置1は、赤色光、緑色光及び青色光を順次繰り返し出射するものである。
照明装置1は、蛍光発生装置10、第一光源50、第二光源60及び光路合成光学系70を備える。
この蛍光発生装置10の蛍光体ホイール41は図6に示すようなものである。また、本実施形態では、ホイール板41aに銀蒸着等で反射面を形成し、その反射面に重なって蛍光体層41dが形成される。蛍光発生装置10の収束光学系30はレンズ31、レンズ群32及びレンズ群33から構成されている。レンズ31、レンズ群32及びレンズ群33はこれらの光軸が一直線状に揃うように配列されている。なお、蛍光発生装置10を第2実施形態の蛍光発生装置10A、第3実施形態の蛍光発生装置10B又は第4実施形態の蛍光発生装置の何れかに代えてもよい。
第一光源50及び第二光源60は半導体発光素子であり、より具体的には発光ダイオードである。第一光源50により発生される光、第二光源60により発せられる光及び蛍光発生装置10の蛍光体ホイール41により発せられる蛍光は色が互いに異なる。励起光光源21,21…によって発せられる光と第一光源50により発生される光は同色である。具体的には、第一光源50により発せられる光及び励起光光源21,21,…により発せられる光は青色光であり、第二光源60により発せられる光は赤色光であり、蛍光体ホイール41により発せられる蛍光は緑色光である。
第一光源50が高速で点滅し、その点滅周期が短く、第一光源50の点滅が肉眼で識別できない。第二光源60及び励起光光源21,21…についても同様である。ここで、第一光源50、第二光源60及び励起光光源21,21…が順次繰り返し点灯し、第一光源50の点灯期間と第二光源60の点灯期間と励起光光源21,21…の点灯期間がずれている。
第一光源50の光軸がレンズ群32とレンズ群33との間においてレンズ31、レンズ群32及びレンズ群33に直交する。第二光源60の光軸が第一光源50の光軸に直交する。第二光源60の光軸がレンズ31、レンズ群32及びレンズ群33の光軸に対して平行であり、励起光光源21,21…によって発せられる励起光の進行方向と第二光源60により発せられる光の進行方向が逆である。
光路合成光学系70は、第一光源50により発せられた青色光の光軸、蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光の光軸及び第二光源60により発せられた赤色光の光軸を一つに合成して、これらの赤色光、緑色蛍光及び青色光を同一の経路に沿って出射する。光路合成光学系70は、レンズ群71、第一ダイクロイックミラー72、レンズ73、第二ダイクロイックミラー74、レンズ群75、レンズ76、ミラー77及びレンズ78を有する。
レンズ群71が第一光源50に対向する。レンズ73が第一光源50との間にレンズ群71を置いて第一光源50に対向する。レンズ群71、レンズ73及び第一光源50はこれらの光軸が一直線状に揃うように配列されている。レンズ群71及びレンズ73の光軸がレンズ群32及びレンズ群33の光軸に直交する。
第一ダイクロイックミラー72は、レンズ群71とレンズ73との間に配置されているとともに、レンズ群32とレンズ群33との間に配置されている。第一ダイクロイックミラー72は、レンズ群32,33の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ群71及びレンズ73の光軸に対して45°で斜交する。第一ダイクロイックミラー72は、緑色光を反射させ、青色光を透過させる。具体的には、第一ダイクロイックミラー72は、第一光源50により発せられた青色光をレンズ73に向けて透過させる。更に、第一ダイクロイックミラー72は、励起光光源21,21…により発せられた青色の励起ビーム(青色の励起光線の束)を蛍光体ホイール41に向けて透過させる。更に、第一ダイクロイックミラー72は、蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光をレンズ73に向けて反射させる。これにより、蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光の光軸と第一光源50により発せられた青色光の光軸が、第一ダイクロイックミラー72よりもレンズ73側において合成されて、その青色光とその緑色蛍光が同一の経路を進行する。
レンズ群75は第二光源60に対向する。レンズ群75及び第二光源60はこれらの光軸が一直線状に揃うように配列されている。レンズ群75及び第二光源60の光軸はレンズ73に関して第一光源50及び第一ダイクロイックミラー72の反対側でレンズ群71及びレンズ73の光軸に対して直交する。
第二ダイクロイックミラー74はレンズ群75の光軸とレンズ群71及びレンズ73の光軸との交差部に配置されている。第二ダイクロイックミラー74と第一ダイクロイックミラー72は互いに平行となるように配置されている。第二ダイクロイックミラー74は、レンズ群75の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ群71及びレンズ73の光軸に対して45°で斜交する。第二ダイクロイックミラー74は、赤色光を反射させ、緑色光及び青色光を透過させる。具体的には、第二ダイクロイックミラー74は、レンズ73を通過した青色光(第一光源50により発せられた青色光)をレンズ76に向けて透過させる。更に、第二ダイクロイックミラー74は、レンズ73を通過した緑色蛍光(蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光)をレンズ76に向けて透過させる。更に、第二ダイクロイックミラー74は、第二光源60により発せられた赤色光(レンズ群75を通過した赤色光)をレンズ76に向けて反射させる。これにより、蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光の光軸と第一光源50により発せられた青色光の光軸と第二光源60により発せられた赤色光が、第二ダイクロイックミラー74よりもレンズ76側において合成されて、その青色光とその緑色蛍光とその赤色光が同一の経路を進行する。
レンズ76はレンズ73との間に第二ダイクロイックミラー74を置いてレンズ73に対向する。レンズ76及びレンズ73はこれらの光軸が一直線状に揃うように配列されている。
ミラー77は第二ダイクロイックミラー74との間にレンズ76を置いて第二ダイクロイックミラー74に対向する。ミラー77と第二ダイクロイックミラー74は互いに平行となるように配置されている。
レンズ78の光軸はレンズ76に関して第二ダイクロイックミラー74の反対側でレンズ76、レンズ73及びレンズ群71の光軸に対して直交する。
ミラー77がレンズ78の光軸の光軸とレンズ76、レンズ73及びレンズ群71の光軸との交差部に配置されている。ミラー77は、レンズ76、レンズ73及びレンズ群71の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ78の光軸に対して45°で斜交する。
ミラー77がレンズ78の光軸の光軸とレンズ76、レンズ73及びレンズ群71の光軸との交差部に配置されている。ミラー77は、レンズ76、レンズ73及びレンズ群71の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ78の光軸に対して45°で斜交する。
第一光源50によって発せられた青色光は、レンズ群71によって集光され、次いで第一ダイクロイックミラー72を通過し、次いでレンズ73によって集光され、次いで第二ダイクロイックミラー74を通過し、次いでレンズ76によって集光され、次いでミラー77によって反射され、次いでレンズ78によって集光される。これにより、照明装置1から青色光が出射されて、第一光源50の光源像がレンズ群71、第一ダイクロイックミラー72、レンズ73、第二ダイクロイックミラー74、レンズ76、ミラー77及びレンズ78によって所定の面(詳細には導光装置2aの入射面)に投影される。
蛍光体ホイール41から発せられた緑色蛍光は、レンズ群33によって集光され、次いで第一ダイクロイックミラー72によって反射され、次いでレンズ73によって集光され、次いで第二ダイクロイックミラー74を通過し、次いでレンズ76によって集光され、次いでミラー77によって反射され、次いでレンズ78によって集光される。これにより、照明装置1から緑色蛍光が出射されて、蛍光体ホイール41の蛍光体層41dに形成された蛍光の光源像がレンズ群33、第一ダイクロイックミラー72、レンズ73、第二ダイクロイックミラー74、レンズ76、ミラー77及びレンズ78によって所定の面(詳細には導光装置2aの入射面)に投影される。
第二光源60によって発せられた赤色光は、レンズ群75によって集光され、次いで第二ダイクロイックミラー74によって反射され、次いでレンズ76によって集光され、次いでミラー77によって反射され、次いでレンズ78によって集光される。これにより、照明装置1から赤色光が出射されて、第二光源60の光源像がレンズ群75、第二ダイクロイックミラー74、レンズ76、ミラー77及びレンズ78によって所定の面(詳細には導光装置2aの入射面)に投影される。
なお、第一光源50が赤色光を発生させ、第二光源60が青色光を発生させてもよい。その場合、第一ダイクロイックミラー72が赤色光及び青色光を反射させ、緑色光を通過させる。更に第二ダイクロイックミラー74が青色光を反射させ、赤色光及び緑色光を通過させる。
光源側光学系2は、照明装置1から出射された赤色光、緑色蛍光及び青色光を表示素子3に投射する。光源側光学系2は、導光装置2a、レンズ2b、光軸変換ミラー2c、レンズ群2d、照射ミラー2e及びフィールドレンズ2fを有する。このうちフィールドレンズ2fは光源側光学系2と投影光学系4に兼用される。
導光装置2aはライトトンネル又はライトロッドである。導光装置2aは、照明装置1によってされた赤色光、緑色蛍光及び青色光を入射面で取り込み、その取り込んだ赤色光、緑色蛍光及び青色光を側面で複数回反射又は全反射させることで、赤色光、緑色蛍光及び青色光を均一な強度分布の光束にする。レンズ2bは、導光装置2aによって導光された赤色光、緑色蛍光及び青色光を光軸変換ミラー2cに向けて投射するとともに、集光する。光軸変換ミラー2cは、レンズ2bによって投射された赤色光、緑色蛍光及び青色光をレンズ群2dに向けて反射させる。レンズ群2dは、光軸変換ミラー2cによって反射された赤色光、緑色蛍光及び青色光を照射ミラー2eに向けて投射するとともに、集光する。照射ミラー2eは、レンズ群2dによって投射された光を表示素子3に向けて反射させる。フィールドレンズ2fは、照射ミラー2eによって反射された光を表示素子3へ投射する。
表示素子3は、空間光変調器であり、光源側光学系2によって照射された赤色光、緑色蛍光及び青色光を各画素(各空間光変調素子)で変調することによって画像を形成する。具体的には、表示素子3は、二次元アレイ状に配列された複数の可動マイクロミラー等を有するデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である。表示素子3はドライバによって駆動される。つまり、赤色光が表示素子3に照射されている時に、表示素子3の各可動マイクロミラーが制御(例えば、PWM制御)されることで、赤色光が投影光学系4に向けて反射される時間比(デューティー比)が可動マイクロミラー毎に制御される。これにより、表示素子3によって赤色の画像が形成される。緑色蛍光や青色光が表示素子3に照射されている際も、同様である。
なお、表示素子3が反射型の空間光変調器ではなく、透過型の空間光変調器(例えば、液晶シャッターアレイパネル:いわゆる液晶表示器)であってもよい。表示素子3が透過型の空間光変調器である場合、光源側光学系2の光路を変更し、赤色光、緑色蛍光及び青色光が光源側光学系2の裏側から表示素子3に照射されるようにする。
投影光学系4は表示素子3に対向するように設けられ、投影光学系4の光軸が前後に延びて表示素子3に交差(具体的には、直交)する。投影光学系4は、表示素子3によって反射された光を前方に投射することによって、表示素子3によって形成された画像をスクリーンに投影する。この投影光学系4は可動レンズ群4a及び固定レンズ群4b等を備える。投影光学系4は、可動レンズ群4aの移動によって、焦点距離が変更可能であるとともに、フォーカシングが可能である。
〔第6の実施の形態〕
第1実施形態の蛍光発生装置10、第2実施形態の蛍光発生装置10A、第3実施形態の蛍光発生装置10B又は第4実施形態の蛍光発生装置を用いた投影装置について説明する。
第1実施形態の蛍光発生装置10、第2実施形態の蛍光発生装置10A、第3実施形態の蛍光発生装置10B又は第4実施形態の蛍光発生装置を用いた投影装置について説明する。
図14は、第1実施形態の蛍光発生装置10を利用した投影装置100Aの図面である。
図14に示すように、この投影装置100Aは、照明装置(シーケンシャルカラー発生装置)1A、光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4等を備える。この投影装置100Aの光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4は、第5実施形態の投影装置100の光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4と同じように構成されている。そのため、第5実施形態の投影装置100の光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4の各構成要素と同一の符号を第6実施形態の投影装置100Aの光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4の各構成要素に付し、第6実施形態の投影装置100Aの光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4についての説明を省略する。
図14に示すように、この投影装置100Aは、照明装置(シーケンシャルカラー発生装置)1A、光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4等を備える。この投影装置100Aの光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4は、第5実施形態の投影装置100の光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4と同じように構成されている。そのため、第5実施形態の投影装置100の光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4の各構成要素と同一の符号を第6実施形態の投影装置100Aの光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4の各構成要素に付し、第6実施形態の投影装置100Aの光源側光学系2、表示素子3及び投影光学系4についての説明を省略する。
照明装置1は、出射光を時間で赤色光、緑色光及び青色光に分割するものである。具体的には、照明装置1は、赤色光、緑色光及び青色光を順次繰り返し出射するものである。
照明装置1は、蛍光発生装置10、第一光源150及び光路合成光学系170を備える。
この蛍光発生装置10の蛍光体ホイール41は図8に示すようなものである。本実施形態では、ホイール板41aに銀蒸着等で反射面を形成し、その反射面に重なって蛍光体層41dが形成される。また、コリメータレンズ22,22…の出射側に階段ミラー28,28…が設けられており、これら階段ミラー28,28…が励起光線をそれぞれ反射させることによって、これら励起光線の進行方向が90°曲げられ、これら励起光線の間隔が短くなる。蛍光発生装置10の収束光学系30はレンズ31、レンズ群32及びレンズ群33から構成されている。なお、蛍光発生装置10を第2実施形態の蛍光発生装置10A、第3実施形態の蛍光発生装置10B又は第4実施形態の蛍光発生装置の何れかに代えてもよい。
第一光源150が半導体発光素子であり、より具体的には発光ダイオードである。第一光源150により発生される光、励起光光源21,21…によって発せられる光及び蛍光発生装置10の蛍光体ホイール41により発せられる蛍光は色が互いに異なる。具体的には、第一光源150により発せられる光が赤色光であり、励起光光源21,21,…により発せられる光は青色光であり、蛍光体ホイール41により発せられる蛍光は緑色光である。
第一光源150が高速で点滅し、その点滅周期が短く、第一光源150の点滅が肉眼で識別できない。励起光光源21,21…についても同様である。第一光源150及び励起光光源21,21…が交互に繰り返し点灯し、第一光源150の点灯期間と励起光光源21,21…の点灯期間がずれている。
励起光光源21,21…の点灯・消灯タイミングについて図8を参照して説明する。開口41c(透過拡散板41e)が収束光学系30の光軸を通過する期間の全体にわたって励起光光源21,21…が消灯し続けることがないうえ、蛍光体層41dが収束光学系30の光軸を通過する期間の全体にわたって励起光光源21,21…が消灯し続けることがない。例えば、蛍光体層41dの周方向に沿った一部の範囲(例えば、半分)Aが収束光学系30の光軸を通過する際には、励起光光源21,21…が消灯し、蛍光体層41dの残りの範囲及び開口41cが収束光学系30の光軸を通過する際には、励起光が点灯する。
図14に示すように、第一光源150の光軸がレンズ群32とレンズ群33との間においてレンズ31、レンズ群32及びレンズ群33に直交する。
光路合成光学系170は、第一光源150により発せられた赤色光の光軸、蛍光体ホイール41(特に蛍光体層41d)により発せられた緑色蛍光の光軸及び蛍光体ホイール41(特に透過拡散板41e)を通過した青色励起光(第二光源60により発せられた赤色光の光軸を一つに合成して、これらの赤色光、緑色蛍光及び青色励起光を同一の経路に沿って出射する。光路合成光学系170は、レンズ群171、第一ダイクロイックミラー172、レンズ173、第二ダイクロイックミラー174、レンズ175、レンズ176、ミラー177、レンズ178、ミラー179及びレンズ180を有する。
レンズ群171が第一光源150に対向する。レンズ173が第一光源150との間にレンズ群171を置いて第一光源150に対向する。レンズ群171、レンズ173及び第一光源150はこれらの光軸が一直線状に揃うように配列されている。レンズ群171及びレンズ173の光軸がレンズ群32及びレンズ群33の光軸に直交する。
第一ダイクロイックミラー172は、レンズ群171とレンズ173との間に配置されているとともに、レンズ群32とレンズ群33との間に配置されている。第一ダイクロイックミラー172は、レンズ群32,33の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ群171及びレンズ173の光軸に対して45°で斜交する。第一ダイクロイックミラー172は、緑色光を反射させ、青色光及び赤色光を透過させる。具体的には、第一ダイクロイックミラー172は、第一光源150により発せられた赤色光をレンズ173に向けて透過させる。更に、第一ダイクロイックミラー172は、励起光光源21,21…により発せられた青色の励起ビーム(青色の励起光線の束)を蛍光体ホイール41に向けて透過させる。更に、第一ダイクロイックミラー172は、蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光をレンズ173に向けて反射させる。これにより、蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光の光軸と第一光源150により発せられた赤色光の光軸が、第一ダイクロイックミラー172よりもレンズ173側において合成されて、その赤色光とその緑色蛍光が同一の経路を進行する。
レンズ176はレンズ群33との間に蛍光体ホイール41を置いてレンズ群33に対向する。レンズ76及びレンズ群33はこれらの光軸が一直線状に揃うように配列されている。レンズ群171及びレンズ173の光軸がレンズ群32及びレンズ群33の光軸に直交する。
ミラー177はレンズ176に関してレンズ群33の反対側に配置されている。ミラー177は第一ダイクロイックミラー172に対して垂直になるように配置されている。
レンズ178がレンズ173の横に配置されている。レンズ178の光軸とレンズ173の光軸が互いに平行である。レンズ178の光軸がレンズ176の光軸に直交する。ミラー177がレンズ178の光軸とレンズ176の光軸の交差部に配置されている。ミラー177は、レンズ176の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ178の光軸に対して45°で斜交する。
ミラー179はレンズ178に関してミラー177の反対側に配置されている。ミラー179は第一ダイクロイックミラー172に対して平行となるように配置されているとともに、ミラー177に対して垂直になるように配置されている。
レンズ180がレンズ群33及びレンズ176の横に配置されている。レンズ180の光軸とレンズ群33及びレンズ176の光軸が互いに平行である。レンズ180の光軸がレンズ178の光軸に直交する。ミラー179がレンズ180の光軸とレンズ178の光軸の交差部に配置されている。ミラー179は、レンズ180の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ178の光軸に対して45°で斜交する。
レンズ175がレンズ180に関してミラー179の反対側に配置されている。レンズ175とレンズ180はこれらの光軸が一直線状に揃うように配列されている。レンズ180及びレンズ175の光軸がレンズ173の光軸に直交する。
第二ダイクロイックミラー174がレンズ180とレンズ175の間に配置されている。その第二ダイクロイックミラー174は、レンズ175及びレンズ180の光軸とレンズ173の光軸の交差部に配置されている。第二ダイクロイックミラー174とミラー179と第一ダイクロイックミラー172は互いに平行である。第二ダイクロイックミラー174は、レンズ173の光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ180及びレンズ175の光軸に対して45°で斜交する。第二ダイクロイックミラー174は、赤色光及び緑色光を反射させ、青色光を透過させる。具体的には、第二ダイクロイックミラー174は、レンズ173を通過した赤色光(第一光源150により発せられた赤色光)をレンズ175に向けて反射させる。更に、第二ダイクロイックミラー174は、レンズ173を通過した緑色蛍光(蛍光体ホイール41により発せられた緑色蛍光)をレンズ175に向けて反射させる。更に、第二ダイクロイックミラー174は、レンズ180を通過した青色励起光(蛍光体ホイール41の透過拡散板41eを透過した青色励起光)をレンズ175に向けて透過させる。これにより、蛍光体ホイール41の蛍光体層41dにより発せられた緑色蛍光の光軸と第一光源150により発せられた赤色光の光軸と蛍光体ホイール41の透過拡散板41eを通過した青色励起光が、第二ダイクロイックミラー174よりもレンズ175側において合成されて、その赤色光とその緑色蛍光とその青色蛍光が同一の経路を進行する。
第一光源150によって発せられた赤色光は、レンズ群171によって集光され、次いで第一ダイクロイックミラー172を通過し、次いでレンズ173によって集光され、次いで第二ダイクロイックミラー174によって反射され、次いでレンズ175によって集光される。これにより、照明装置1から赤色光が出射されて、第一光源150の光源像がレンズ群171、第一ダイクロイックミラー172、レンズ173、第二ダイクロイックミラー174及びレンズ175によって導光装置2aの入射面に投影される。
蛍光体ホイール41の蛍光体層41dから発せられた緑色蛍光は、レンズ群33によって集光され、次いで第一ダイクロイックミラー172によって反射され、次いでレンズ173によって集光され、次いで第二ダイクロイックミラー174によって反射され、次いでレンズ175によって集光される。これにより、照明装置1から緑色蛍光が出射されて、蛍光体ホイール41の蛍光体層41dに形成された蛍光の光源像がレンズ群33、第一ダイクロイックミラー172、レンズ173、第二ダイクロイックミラー174及びレンズ175導光装置2aの入射面に投影される。
蛍光体ホイール41の透過拡散板41eによって拡散されるようにしてその透過拡散板41eを通過した青色励起光は、レンズ176によって集光され、次いでミラー177によって反射され、次いでレンズ180によって集光され、次いで第二ダイクロイックミラー174を通過し、次いでレンズ175によって集光される。これにより、照明装置1から青色励起光が出射されて、透過拡散板41eに形成されたスポット19の光源像がレンズ176、ミラー177、レンズ178、ミラー179、レンズ180、第二ダイクロイックミラー174及びレンズ175によって導光装置2aの入射面に投影される。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、
蛍光体層が設けられた蛍光体板と、
前記励起光光源から前記蛍光体板までの前記励起ビームの光路上に配置され前記励起ビームが入射する、回転可能に設けられた光学素子と、
前記光学素子を回転させる回転駆動器と、備える、
ことを特徴とする蛍光発生装置。
<請求項2>
前記光学素子が、前記励起ビームの断面像を当該励起ビームの光軸回りに回転させる像回転素子であり、
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項3>
前記像回転素子は当該像回転素子に入射する前記励起ビームの光軸と当該像回転素子から出射する前記励起ビームの光軸とを一直線状に一致させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の蛍光発生装置。
<請求項4>
前記像回転素子はダブプリズム又はシュミット・ペシャンプリズムである、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の蛍光発生装置。
<請求項5>
前記励起光線が互いに平行である、
ことを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項6>
前記回転駆動器が周期的、断続的又は連続的に前記光学素子の回転速度を変化させる、
ことを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項7>
蛍光体板を回転させる第二回転駆動器を更に備え、
前記回転駆動器によって回転される前記光学素子の回転周期が前記第二回転駆動器によって回転される前記蛍光体板の回転周期よりも短い、
ことを特徴とする請求項2から6の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項8>
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸をずらす光軸シフト素子であり、
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項9>
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸に対して斜めに交わる透明な平行平板である、
ことを特徴とする請求項8に記載の蛍光発生装置。
<請求項10>
前記光学素子が前記励起光光源にそれぞれ対向したコリメータレンズであり、
前記コリメータレンズの光軸が前記励起光光源の光軸からずれており、
前記コリメータレンズが前記励起光光源の光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項11>
前記光学素子から前記蛍光体板までの前記励起ビームの光路上に設けられ、前記光学素子を通過した前記励起ビームを前記蛍光体板に収束させて、当該励起ビームのスポットを前記蛍光体板に形成する収束光学系を更に備える、
ことを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項12>
前記光学素子が、前記励起ビームを前記蛍光体板に収束させて、当該励起ビームのスポットを前記蛍光体板に形成する収束光学系であり、
前記収束光学系の光軸が前記収束光学系に入射する前記励起ビームの光軸からずれており、
前記収束光学系が前記収束光学系に入射する前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項13>
請求項1から12の何れか一項に記載の蛍光発生装置と、
表示素子と、
前記蛍光体板の前記蛍光体層から発せられた蛍光を前記表示素子に照射する光学系と、
前記表示素子によって形成された像を投影する投影光学系と、を備える、
ことを特徴とする投影装置。
<請求項14>
互いに平行な励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、
前記励起ビームの光路上に配置されて前記励起ビームが入射し、前記励起ビームの断面像を当該励起ビームの光軸回りに回転させ、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられた像回転素子と、
前記像回転素子を回転させる回転駆動器と、を備える、ことを特徴とする励起ビーム発生装置。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、
蛍光体層が設けられた蛍光体板と、
前記励起光光源から前記蛍光体板までの前記励起ビームの光路上に配置され前記励起ビームが入射する、回転可能に設けられた光学素子と、
前記光学素子を回転させる回転駆動器と、備える、
ことを特徴とする蛍光発生装置。
<請求項2>
前記光学素子が、前記励起ビームの断面像を当該励起ビームの光軸回りに回転させる像回転素子であり、
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項3>
前記像回転素子は当該像回転素子に入射する前記励起ビームの光軸と当該像回転素子から出射する前記励起ビームの光軸とを一直線状に一致させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の蛍光発生装置。
<請求項4>
前記像回転素子はダブプリズム又はシュミット・ペシャンプリズムである、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の蛍光発生装置。
<請求項5>
前記励起光線が互いに平行である、
ことを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項6>
前記回転駆動器が周期的、断続的又は連続的に前記光学素子の回転速度を変化させる、
ことを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項7>
蛍光体板を回転させる第二回転駆動器を更に備え、
前記回転駆動器によって回転される前記光学素子の回転周期が前記第二回転駆動器によって回転される前記蛍光体板の回転周期よりも短い、
ことを特徴とする請求項2から6の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項8>
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸をずらす光軸シフト素子であり、
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項9>
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸に対して斜めに交わる透明な平行平板である、
ことを特徴とする請求項8に記載の蛍光発生装置。
<請求項10>
前記光学素子が前記励起光光源にそれぞれ対向したコリメータレンズであり、
前記コリメータレンズの光軸が前記励起光光源の光軸からずれており、
前記コリメータレンズが前記励起光光源の光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項11>
前記光学素子から前記蛍光体板までの前記励起ビームの光路上に設けられ、前記光学素子を通過した前記励起ビームを前記蛍光体板に収束させて、当該励起ビームのスポットを前記蛍光体板に形成する収束光学系を更に備える、
ことを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の蛍光発生装置。
<請求項12>
前記光学素子が、前記励起ビームを前記蛍光体板に収束させて、当該励起ビームのスポットを前記蛍光体板に形成する収束光学系であり、
前記収束光学系の光軸が前記収束光学系に入射する前記励起ビームの光軸からずれており、
前記収束光学系が前記収束光学系に入射する前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。
<請求項13>
請求項1から12の何れか一項に記載の蛍光発生装置と、
表示素子と、
前記蛍光体板の前記蛍光体層から発せられた蛍光を前記表示素子に照射する光学系と、
前記表示素子によって形成された像を投影する投影光学系と、を備える、
ことを特徴とする投影装置。
<請求項14>
互いに平行な励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、
前記励起ビームの光路上に配置されて前記励起ビームが入射し、前記励起ビームの断面像を当該励起ビームの光軸回りに回転させ、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられた像回転素子と、
前記像回転素子を回転させる回転駆動器と、を備える、ことを特徴とする励起ビーム発生装置。
2 光源側光学系(光学系)
3 表示素子
4 投影光学系
10、10A、10B 蛍光発生装置
20 励起ビーム発生装置
21 励起光光源
22 コリメータレンズ(光学素子)
22b 回転駆動器
23 光学素子(像回転素子、ダブプリズム、シュミット・ペシャンプリズム、平行平板、光軸シフト素子)
25 回転駆動器
30 収束光学系(光学素子)
30b 回転駆動器
41 蛍光体ホイール(蛍光体板)
42 スピンドルモーター(第二回転駆動器)
70 合成光学系(光学系)
3 表示素子
4 投影光学系
10、10A、10B 蛍光発生装置
20 励起ビーム発生装置
21 励起光光源
22 コリメータレンズ(光学素子)
22b 回転駆動器
23 光学素子(像回転素子、ダブプリズム、シュミット・ペシャンプリズム、平行平板、光軸シフト素子)
25 回転駆動器
30 収束光学系(光学素子)
30b 回転駆動器
41 蛍光体ホイール(蛍光体板)
42 スピンドルモーター(第二回転駆動器)
70 合成光学系(光学系)
Claims (14)
- 励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、
蛍光体層が設けられた蛍光体板と、
前記励起光光源から前記蛍光体板までの前記励起ビームの光路上に配置され前記励起ビームが入射する、回転可能に設けられた光学素子と、
前記光学素子を回転させる回転駆動器と、備える、
ことを特徴とする蛍光発生装置。 - 前記光学素子が、前記励起ビームの断面像を当該励起ビームの光軸回りに回転させる像回転素子であり、
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。 - 前記像回転素子は当該像回転素子に入射する前記励起ビームの光軸と当該像回転素子から出射する前記励起ビームの光軸とを一直線状に一致させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の蛍光発生装置。 - 前記像回転素子はダブプリズム又はシュミット・ペシャンプリズムである、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の蛍光発生装置。 - 前記励起光線が互いに平行である、
ことを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の蛍光発生装置。 - 前記回転駆動器が周期的、断続的又は連続的に前記光学素子の回転速度を変化させる、
ことを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載の蛍光発生装置。 - 蛍光体板を回転させる第二回転駆動器を更に備え、
前記回転駆動器によって回転される前記光学素子の回転周期が前記第二回転駆動器によって回転される前記蛍光体板の回転周期よりも短い、
ことを特徴とする請求項2から6の何れか一項に記載の蛍光発生装置。 - 前記光学素子が、前記励起ビームの光軸をずらす光軸シフト素子であり、
前記光学素子が、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。 - 前記光学素子が、前記励起ビームの光軸に対して斜めに交わる透明な平行平板である、
ことを特徴とする請求項8に記載の蛍光発生装置。 - 前記光学素子が前記励起光光源にそれぞれ対向したコリメータレンズであり、
前記コリメータレンズの光軸が前記励起光光源の光軸からずれており、
前記コリメータレンズが前記励起光光源の光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。 - 前記光学素子から前記蛍光体板までの前記励起ビームの光路上に設けられ、前記光学素子を通過した前記励起ビームを前記蛍光体板に収束させて、当該励起ビームのスポットを前記蛍光体板に形成する収束光学系を更に備える、
ことを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の蛍光発生装置。 - 前記光学素子が、前記励起ビームを前記蛍光体板に収束させて、当該励起ビームのスポットを前記蛍光体板に形成する収束光学系であり、
前記収束光学系の光軸が前記収束光学系に入射する前記励起ビームの光軸からずれており、
前記収束光学系が前記収束光学系に入射する前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光発生装置。 - 請求項1から12の何れか一項に記載の蛍光発生装置と、
表示素子と、
前記蛍光体板の前記蛍光体層から発せられた蛍光を前記表示素子に照射する光学系と、
前記表示素子によって形成された像を投影する投影光学系と、を備える、
ことを特徴とする投影装置。 - 互いに平行な励起光線をそれぞれ発生させることによってこれら励起光線の束となる励起ビームを発生させる複数の励起光光源と、
前記励起ビームの光路上に配置されて前記励起ビームが入射し、前記励起ビームの断面像を当該励起ビームの光軸回りに回転させ、前記励起ビームの光軸回りに回転可能に設けられた像回転素子と、
前記像回転素子を回転させる回転駆動器と、を備える、ことを特徴とする励起ビーム発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012276329A JP2014119670A (ja) | 2012-12-19 | 2012-12-19 | 蛍光発生装置、投影装置及び励起ビーム発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012276329A JP2014119670A (ja) | 2012-12-19 | 2012-12-19 | 蛍光発生装置、投影装置及び励起ビーム発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014119670A true JP2014119670A (ja) | 2014-06-30 |
Family
ID=51174529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012276329A Pending JP2014119670A (ja) | 2012-12-19 | 2012-12-19 | 蛍光発生装置、投影装置及び励起ビーム発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014119670A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018045121A (ja) * | 2016-09-15 | 2018-03-22 | 株式会社Jvcケンウッド | 投射型画像表示装置 |
US9946142B2 (en) | 2015-02-02 | 2018-04-17 | Nichia Corporation | Light source device and projector having the light source device |
US20220308433A1 (en) * | 2021-03-29 | 2022-09-29 | Seiko Epson Corporation | Wavelength conversion device, light source device, and projector |
-
2012
- 2012-12-19 JP JP2012276329A patent/JP2014119670A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9946142B2 (en) | 2015-02-02 | 2018-04-17 | Nichia Corporation | Light source device and projector having the light source device |
JP2018045121A (ja) * | 2016-09-15 | 2018-03-22 | 株式会社Jvcケンウッド | 投射型画像表示装置 |
US20220308433A1 (en) * | 2021-03-29 | 2022-09-29 | Seiko Epson Corporation | Wavelength conversion device, light source device, and projector |
US12072616B2 (en) * | 2021-03-29 | 2024-08-27 | Seiko Epson Corporation | Wavelength conversion device, light source device, and projector |
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