JP2014119315A - 電流センサ及び電流センサユニット - Google Patents

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紳悟 大橋
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Abstract

【課題】 従来に比べて消費電力を低減することが可能な電流センサを提供する。
【解決手段】 本発明は、シャント抵抗13を用いた電流センサ1に関する。この電流センサ1は、電流の被測定部材であるバスバー20から並列的に分岐する電流経路(導体部12)と、その電流経路の途中に配置され、当該電流経路を流れる電流に応じた電圧を出力するシャント抵抗13とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シャント抵抗を用いた電流センサ及び電流センサユニットに関し、特に車載用の電流センサ及び電流センサユニットに関する。
従来、車載用の電流センサとして、シャント抵抗(「カレントシャント抵抗」ともいう。)を用いたものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
かかる従来の電流センサは、シャント抵抗の両端のそれぞれにバスバーが溶接されており、一方のバスバーを車載バッテリの端子に接続し、他方のバスバーをワイヤーハーネス又は車体に接続することによって構成されている。
特開2008−39571号公報 特開2009−236641号公報
車載用の電流センサには、車載バッテリに接続されるものの他に、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車及びプラグインハイブリッド車等の電動機を搭載した自動車における電動機とインバータ装置との間に流れる電流を検出するために使用されるものもある。
これらの車載用の電流センサは、100A以上の大きい電流を検出するためのものであるから、従来のようにバスバー自体にシャント抵抗を介在させる電流センサでは、大電流がシャント抵抗を流れ、その消費電力が大きくなるという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、従来に比して消費電力を低減することが可能な電流センサ及び電流センサユニットを提供することを目的とする。
(1) 本発明の電流センサは、シャント抵抗を用いた電流センサであって、電流の被測定部材であるバスバーから並列的に分岐する電流経路と、前記電流経路の途中に配置され、当該電流経路を流れる電流に応じた電圧を出力する前記シャント抵抗と、を備えていることを特徴とする。
上記の電流センサによれば、バスバーから並列的に分岐する電流経路の途中にシャント抵抗を配置しているので、その電流経路の電流のみがシャント抵抗を通過する。このため、バスバーそのものにシャント抵抗を介在させる従来の電流センサに比べて、消費電力を低減することが可能となる。
(2) 本発明の電流センサは、前記バスバーに着脱自在に取り付け可能な回路基板を更に備え、前記電流経路を構成する導電部と、前記導電部の途中に接続された前記シャント抵抗が前記回路基板に設けられていることが好ましい。
これにより、回路基板をバスバーに取り付けるだけで、バスバーから分岐した電流経路を形成することができるので、バスバー自体を電流経路を有する形状に加工する場合に比べて、電流センサをより簡便に製作できるようになる。
(3) また、本発明の電流センサにおいて、前記導電部の両端部がそれぞれ接続された螺子穴付き端子が前記回路基板に設けられ、前記端子に挿通した導電性を有する螺子により前記回路基板が前記バスバーに取り付けられていることが好ましい。
これにより、螺子穴付き端子に挿通した螺子で回路基板をバスバーに取り付けるだけで、電流センサをバスバーに設置することができ、半田付けなどの結線方法で電流センサを取り付ける場合に比べて、簡便かつ安定的な取り付けが可能となる。
(4) 本発明の電流センサは、前記シャント抵抗の出力電圧を増幅する、入力側と出力側とが絶縁された絶縁増幅器を更に備えることが好ましい。
これにより、電流センサの出力側をバスバーから絶縁した状態で、シャント抵抗の出力電圧を増幅することが可能となり、バスバーの大電流によってシャント抵抗の出力電圧が乱れることがない。このため、センサの検出精度を向上することができる。
(5) また、本発明の電流センサは、前記絶縁増幅器の入力側及び出力側の何れか一方に直流を供給する電源と、前記電源から供給される直流を変換し、変換後の直流を前記絶縁増幅器の入力側及び出力側の他方に供給する絶縁型DC−DCコンバータと、を更に備えることが好ましい。
これにより、絶縁増幅器を駆動するための電源部も絶縁増幅器の入力側と出力側とで絶縁することができるため、電流センサの出力側をバスバーから確実に絶縁することが可能となる。
(6) 本発明の電流センサユニットは、バスバーに取り付け可能な電流センサユニットであって、前記バスバーに取り付け可能な回路基板と、前記回路基板上に形成され、前記回路基板が前記バスバーに取り付けられたときに、前記バスバーから並列的に分岐する電流経路を形成する導体部と、前記回路基板に搭載され、前記導体部の途中に配置されて前記導体部に流れる電流に応じた電圧を出力するシャント抵抗と、を備えていることを特徴としている。
本発明の電流センサユニットによれば、バスバーから並列的に分岐する電流経路を形成する導体部の途中にシャント抵抗を配置しているので、シャント抵抗には、分岐された導体部に流れる電流しか流れない。このため、バスバーそのものにシャント抵抗を介在させる従来の電流センサに比べて、消費電力を低減することが可能となる。
以上の通り、本発明によれば、従来に比して電流センサの消費電力を低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係る電流センサの構造例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る電流センサユニットの回路構成例を示す回路図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電流センサの構造例を示す斜視図である。
本実施形態に係る電流センサ1は、例えば、走行用電動機を搭載した自動車における、その電動機とインバータとの間の電力回路の電流検出に用いられる。
本実施形態に係る電流センサ1は、電流センサユニット10と、バスバー20とを備えている。電流センサユニット10は、バスバー20に着脱自在に取り付け可能である。
電流センサユニット10は、回路基板11に搭載された回路素子によって構成されている。回路基板11には、バスバー20から並列的に分岐する導体部12がプリント配線により設けられ、この導体部12の途中にシャント抵抗13が配置されている。このため、シャント抵抗13はバスバー20に対して並列に設けられている。
回路基板11上には、絶縁増幅器14及びコネクタ15が設けられている。コネクタ15は、電動機を所要の回転数及びトルクに制御する電子制御システム(ECU)の信号線に接続され、センサユニット10で検出された電流値を示す検出信号が、その信号線を通じてECUに出力される。
回路基板11には、この基板11をバスバー20に取り付けるための一対の穴付き端子16,16が設けられている。
穴付き端子16,16の挿通穴は、回路基板11を板厚方向に貫通しており、当該端子16,16に導体部12の両端部がそれぞれ接続されている。他方、バスバー20には、端子16,16の挿通穴の位置に対応する螺子穴(図示せず)が設けられている。
このため、端子16,16の挿通穴とバスバー20の螺子穴を位置合わせした状態で、導電性を有する螺子16A,16Aを螺子孔に螺合させることにより、回路基板11をバスバー20に取り付けることができる。
これにより、バスバー20と導体部12とが電気的に接続され、導体部12がバスバー20の支流として配線され、バスバー20から並列的に分岐する導体部12よりなる電流経路が構成される。
従って、導体部12には、バスバー20の断面積と導体部12の断面積との比率に応じたバスバー20の電流の一部が流れることとなる。
図2は、本発明の実施形態に係る電流センサユニット10の回路構成例を示す回路図である。
図2に示すように、シャント抵抗13の両端部は、導体部12を介して、電流センサユニット10をバスバー20と連結するための穴付き端子16,16に接続されている。また、シャント抵抗13の両端部は、フィルタ17にも接続されている。このフィルタ17は、シャント抵抗13の出力信号(電圧信号)からノイズ成分を除去する。
フィルタ17は、絶縁増幅器14の入力側に接続され、フィルタ17からの出力信号は絶縁増幅器14に与えられる。かかる絶縁増幅器14としては、例えば、Avago社製のACPL−782T等を使用することができる。
絶縁増幅器14の出力側には増幅器18が接続されており、絶縁増幅器14によって増幅された電圧信号が増幅器18に与えられ、更に増幅される。増幅器18から出力される電圧信号は、コネクタ15を通じて例えば車載のECUに出力される。
電流センサユニット10には、5Vの直流電源19が設けられている。かかる直流電源19は、絶縁増幅器14の出力側に接続されており、絶縁増幅器14の出力側に5Vの直流を供給するようになっている。
直流電源19には、DC−DCコンバータ191が接続されており、かかるDC−DCコンバータ191にも5Vの直流が供給される。
DC−DCコンバータ191は、絶縁型のDC−DCコンバータであり、入力側に与えられた5Vの直流が、同じく5Vの直流に変換され、入力側と絶縁された出力側から変換後の5Vの直流が出力される。
DC−DCコンバータ191の出力側(図2の破線の左側)は、絶縁増幅器14の入力側に接続されており、絶縁増幅器14の入力側に5Vの直流を出力する。DC−DCコンバータ191のグランド端子は、シャント抵抗13の一端(接地側)に接続されている。
図2に破線で示すように、絶縁増幅器14及びDC−DCコンバータ191によって電流センサユニット10の入力側と出力側とが絶縁されており、これによってバスバー20とECUとが絶縁される。
本実施形態に係る電流センサ1によれば、バスバー20から並列的に分岐された電流経路を形成する導体部12の途中にシャント抵抗13が配置する回路構成となっているので、シャント抵抗13には、バスバー20の支流となる導体部12の電流しか流れない。
このため、バスバー20そのものにシャント抵抗13を介在する場合に比べて、消費電力を低減することが可能となる。
また、電流センサユニット10に導体部12を設けたため、電流センサユニット10をバスバー20に取り付けるだけで、バスバー20から分岐した電流経路を形成することが可能となる。
更に、電流センサユニット10とバスバー20とを螺子16A,16Aによって接続するだけで、バスバー20から分岐した電流経路を形成することが可能となる。
なお、本実施形態に係る電流センサ1では、従来の高精度電流センサであるフラックスゲート方式電流センサ及び磁気平衡方式電流センサと比較して、シャント抵抗13を備えているが、フラックスゲート方式電流センサ及び磁気平衡方式電流センサにおいてもコイルに直列接続された抵抗が設けられているため、シャント抵抗13を設けたことによって従来の電流センサよりも検出精度が低下することはない。
また、絶縁増幅器14は一般的な増幅器と同等以上の性能を有しており、フラックスゲート方式電流センサ及び磁気平衡方式電流センサにおいても増幅器は用いられている。このため、絶縁増幅器14及び増幅器18が設けられることによっても従来の電流センサよりも検出精度が低下することはない。
また、DC−DCコンバータ191は電流センサ1の検出精度には影響しない。このように、本実施の形態に係る電流センサは、従来の高精度電流センサと比較して同等以上の電流検出性能を確保することが可能である。
上述の実施形態では、バスバー20と別個に回路基板11上に設けた導体部12によって、バスバー20から電流経路を並列的に分岐させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、バスバー20自体を一体的に分岐させて電流経路を形成し、その分岐経路の途中にシャント抵抗13を設ける構成とすることもできる。
また、上述の実施形態においては、回路基板11を有する電流センサユニット10をバスバー20に取り付けることによって電流センサ1を構成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記のようにバスバー20自体を分岐させ、その一方にシャント抵抗を設けることで、バスバー20と一体化した電流センサとすることも可能であるし、バスバー20に両端が固着された導体を設け、この導体の途中にシャント抵抗13を設けることで、バスバー20と一体化した電流センサとすることも可能である。
上述の実施形態においては、電流センサユニット10を螺子16A,16Aによってバスバー20に取り付ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。
例えば、電流センサユニット10の導体部12の両端を、はんだ付けによってバスバー20に接続する構成とすることも可能である。
上述の実施形態においては、電流センサ1にフィルタ17、絶縁増幅器14、増幅器18、直流電源19及びDC−DCコンバータ191を設ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。
例えば、フィルタ17を除いた構成とすることも可能であるし、絶縁増幅器14、直流電源19及びDC−DCコンバータ191を除いた構成とすることも可能であるし、増幅器18を除いた構成とすることも可能である。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電流センサ
10 電流センサユニット
11 回路基板
12 導体部
13 シャント抵抗
14 絶縁増幅器
16 螺子
19 直流電源
191 DC−DCコンバータ
20 バスバー

Claims (6)

  1. シャント抵抗を用いた電流センサであって、
    電流の被測定部材であるバスバーから並列的に分岐する電流経路と、
    前記電流経路の途中に配置され、当該電流経路を流れる電流に応じた電圧を出力する前記シャント抵抗と、を備えていることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記バスバーに着脱自在に取り付け可能な回路基板を更に備え、
    前記電流経路を構成する導電部と、前記導電部の途中に接続された前記シャント抵抗が前記回路基板に設けられている請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記導電部の両端部がそれぞれ接続された螺子穴付き端子が前記回路基板に設けられ、前記端子に挿通した導電性を有する螺子により前記回路基板が前記バスバーに取り付けられている請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記シャント抵抗の出力電圧を増幅する、入力側と出力側とが絶縁された絶縁増幅器を更に備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流センサ。
  5. 前記絶縁増幅器の入力側及び出力側の何れか一方に直流を供給する電源と、
    前記電源から供給される直流を変換し、変換後の直流を前記絶縁増幅器の入力側及び出力側の他方に供給する絶縁型DC−DCコンバータと、
    を更に備えている請求項4に記載の電流センサ。
  6. バスバーに取り付け可能な電流センサユニットであって、
    前記バスバーに取り付け可能な回路基板と、
    前記回路基板上に形成され、前記回路基板が前記バスバーに取り付けられたときに、前記バスバーから並列的に分岐する電流経路を形成する導体部と、
    前記回路基板に搭載され、前記導体部の途中に配置されて前記導体部に流れる電流に応じた電圧を出力するシャント抵抗と、
    を備えていることを特徴とする電流センサユニット。
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