JP2014117534A - ドレープおよび使い捨て医療機器セット - Google Patents

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竜太郎 久保
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Abstract

【課題】基布に影響を与えることなく、手術用品をドレープに容易に取り付ける。
【解決手段】ドレープのドレープ本体は、基布と、吸収シート13とを備える。吸収シート13は、基布の清潔面上において開口の周囲に固定される。吸収シート13は、吸収シート本体131と、2つのフラップ132とを備える。2つのフラップ132は、吸収シート13の一部である。吸収シート本体131は、基布の清潔面上に固定され、フラップ132は基布12から離間可能である。手術用品の1つである器具収容袋がドレープに取り付けられる際には、器具収容袋の上端部が、フラップ132と共に鉗子により挟まれる。フラップ132は、基布から離間可能であるため、器具収容袋の取り付けの際に、鉗子により基布に貫通孔が形成されることが防止される。換言すれば、基布に影響を与えることなく、手術用品をドレープに容易に取り付けることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、手術の際に患者を覆うドレープ、および、当該ドレープを含む使い捨て医療機器セットに関する。
従来より、手術室において外科手術等の医療処置が行われる際には、不潔領域と定められる患者の体表を医療用のドレープにて覆い、清潔領域を当該不潔領域から隔離することが行われている。ドレープには、患者の手術部位を露出させるための開口が設けられる。
例えば、特許文献1では、腹腔鏡下手術用覆布が開示されている。腹腔鏡手術では、患者の腹部に複数の小さな穴を開け、これらの穴から腹腔鏡(腹腔用カメラ)や電気メス等の様々な種類の手術用器具が腹腔内に挿入される。特許文献1の覆布では、開口近傍に複数のポケットが設けられ、手術用器具が当該ポケットに収容される。
特開平5−146453号公報
ところで、特許文献1の覆布では、ポケットが開口の周囲に固定された補強布上に固定されているため、ポケットの位置や向きを、施術者が使いやすいように変更することができない。そこで、手術用器具を収容するための袋を、施術者が使いやすい位置に取り付けることが考えられる。この場合、手術用機器の重量により袋が落ちてしまわないように、鉗子等により袋を覆布と共に挟んで取り付けることが考えられるが、鉗子により覆布に貫通孔が形成されてしまう。また、袋の位置や向きを変更しようとして鉗子の位置を変更すると、上記貫通孔を介して清潔領域と不潔領域とが連通してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基布に影響を与えることなく、手術用品をドレープに容易に取り付けることを目的としている。
請求項1に記載の発明は、手術の際に患者を覆うドレープであって、患者の手術部位を露出させる開口を有する基布と、前記基布の清潔面上において前記開口近傍に接続され、前記基布から離間可能であり、手術に利用される物品である手術用品が着脱自在に取り付けられるフラップとを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のドレープであって、前記フラップが、前記基布の前記清潔面上において前記開口の周囲に固定される吸収シートの一部である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のドレープであって、前記基布の前記清潔面上において前記開口近傍にて前記フラップに隣接して固定されるパウチをさらに備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のドレープであって、前記フラップと同様の構造を有する他のフラップをさらに備え、前記フラップおよび前記他のフラップが、前記基布の前記清潔面上において前記開口の左右両側に配置される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のドレープであって、前記基布の前記清潔面上において前記開口近傍にて前記他のフラップに隣接して固定される他のパウチをさらに備える。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のドレープであって、前記フラップに、手術器具を収容する器具収容袋が前記手術用品として取り付けられる。
請求項7に記載の発明は、使い捨て医療機器セットであって、請求項1ないし6のいずれかに記載のドレープを含む。
本発明では、基布に影響を与えることなく、手術用品をドレープに容易に取り付けることができる。
一の実施の形態に係る医療用ドレープの平面図である。 使用状態のドレープの斜視図である。 吸収シートの平面図である。 吸収シートの底面図である。 後脇翼部の斜視図である。 後脇翼部を展開して示す平面図である。 弱化線および弱化線近傍の部位の断面図である。 弱化線および弱化線近傍の部位の断面図である。 前脇翼部の斜視図である。 前脇翼部を展開して示す平面図である。 使用状態のドレープの斜視図である。 前脇翼部、腕被覆領域および後脇翼部の断面図である。 脚翼部の斜視図である。 脚翼部を展開して示す平面図である。 脚翼部の中央部近傍を示す図である。 脚翼部およびドレープ本体の断面図である。 脚翼部の中央部近傍を示す図である。 パウチの平面図である。 パウチを示す図である。 パウチを示す図である。 フラップに取り付けられた器具収容袋を示す図である。 器具収容袋の平面図である。 器具収容袋を示す図である。 第1コードホルダを伸ばした状態で示す図である。 第1コードホルダの斜視図である。 第1コードホルダの斜視図である。 開口近傍の拡大図である。 使用状態のドレープの斜視図である。 第2コードホルダを伸ばした状態で示す図である。 使用状態のドレープの斜視図である。 パウチを示す図である。 使い捨て医療機器セットを示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る医療用ドレープ1を示す図である。医療用ドレープ1(以下、単に「ドレープ1」という。)は、医療施設内において手術等の医療処置が行われる際に患者を覆うことにより、不潔領域である患者の体表から清潔領域を隔離するシート状の部材である。ドレープ1は、腹腔鏡手術を受ける患者を覆うために利用される。腹腔鏡手術では、患者の腹部に複数の小さな穴を開け、これらの穴から腹腔用カメラや電気メス等の様々な種類の手術器具が腹腔内に挿入される。
図2は、使用状態のドレープ1を示す斜視図である。ドレープ1は、手術台上にて仰臥位をとる患者の頭部から脚部まで全身を覆う。患者は、両腕を左右に伸ばし、両脚を左右に開いている。換言すれば、患者は、いわゆる「大の字」になっている。ドレープ1には、略五角形の開口110が設けられる。開口110は、患者の腹部上に位置する。患者の腹部のうち開口110から露出する部位に、手術器具を挿入するための複数の小さな穴が開けられる。
図1中の左右方向は、仰臥位の患者の左右方向に対応し、以下、単に「左右方向」という。図1中の上下方向は、患者の頭部、頸部、体幹の体軸を貫く体軸方向に対応する。以下の説明では、図1中の上下方向を「前後方向」といい、頭部側を「前側」、脚部側を「後側」という。また、以下の説明では、重力方向上側および下側を、単に「上側」および「下側」という。
図1に示すように、ドレープ1は、ドレープ本体11と、2つの医療用パウチ2(以下、単に「パウチ2」という。)と、複数の第1コードホルダ3と、複数の第2コードホルダ4と、一対の前脇翼部14と、一対の後脇翼部15と、一対の横翼部16と、脚翼部17とを備える。一対の横翼部16は、ドレープ本体11の左右両側に位置する帯状の部材である。
ドレープ本体11は、患者を覆うシート状の部材であり、患者の手術部位を露出させるための上述の開口110が設けられる。開口110は、1つの頂点が他の頂点よりも前側においてドレープ1の中心線上に位置する略五角形である。ドレープ1の中心線は、ドレープ1の左右方向の中央にて前後方向に延びる。開口110は、ドレープ1の中心線に関して線対称に配置される。以下の説明では、ドレープ本体11の患者とは反対側の面を「清潔面111」といい、ドレープ本体11の患者側の面を「不潔面112」という。図1では、清潔面111を手前側にしてドレープ1を描いている。
ドレープ本体11の不潔面112には、開口110の周囲を囲む粘着層(図示省略)が設けられる。ドレープ1の使用時には、当該粘着層により、ドレープ本体11の不潔面112が患者の手術部位の周囲に貼付される。これにより、開口110が手術部位からずれることが防止される。なお、開口110は、必要に応じて、四角形・矩形等の他の形状であってもよい。
ドレープ本体11は、基布12と、吸収シート13とを備える。基布12は、平面視において略矩形のシート部材であり、およそ中央部に、患者の手術部位を露出させる略五角形の開口120が設けられる。開口120は、上述の開口110よりも一回り大きい。吸収シート13は、平面視において略矩形のシート部材であり、前後方向の長さおよび左右方向の幅は基布12よりも小さい。吸収シート13のおよそ中央部には、基布12の開口120よりも小さい略五角形の開口が設けられ、当該開口が開口120内に位置するように吸収シート13が基布12の清潔面上に固定される。換言すれば、吸収シート13は、基布12の清潔面上において開口120の周囲に固定される。吸収シート13の開口と基布12の開口120とが重なった部分は、ドレープ本体11の開口110となる。本実施の形態では、基布12はスパンレース不織布により形成され、吸収シート13は、不織布の下側にプラスチックフィルムを積層することにより形成される。
図3および図4はそれぞれ、吸収シート13を拡大して示す平面図および底面図である。図3および図4に示すように、吸収シート13は、吸収シート本体131と、2つのフラップ132とを備える。2つのフラップ132は、互いに同様の形状および構造を有する。吸収シート本体131および2つのフラップ132は、1枚のシート部材から形成されており、2つのフラップ132は吸収シート本体131と連続する。換言すれば、2つのフラップ132は、吸収シート13の一部である。
吸収シート本体131は、略長方形状であり、一対の長辺は前後方向に平行であり、一対の短辺は左右方向に平行である。2つのフラップ132もそれぞれ、略長方形状であり、一対の長辺は前後方向に平行であり、一対の短辺は左右方向に平行である。一方のフラップ132は、吸収シート本体131の一方の長辺の前部(図3および図4中の上側)に連続し、他方のフラップ132は、吸収シート本体131の他方の長辺の後部に連続する。
図4に示すように、吸収シート本体131の不潔面の外縁部には、全周に亘って両面テープ133が貼付される。図4中では、両面テープ133に平行斜線を付して示す。吸収シート本体131は、両面テープ133を介して基布12の清潔面上に固定される。これにより、図1に示すように、吸収シート本体131が基布12の開口120の周囲に固定され、2つのフラップ132が、基布12の清潔面上において、開口120の近傍にて開口120の左右両側(すなわち、開口110の左右両側)に接続される。好ましくは、各フラップ132の中心は、開口120の中心から半径50cm以内(より好ましくは、半径40cm以内)に位置する。各フラップ132は、吸収シート本体131を介して間接的に基布12に固定されているが、基布12に直接的には固定されていないため、基布12の清潔面から離間可能である。なお、吸収シート本体131の基布12への固定は、接着剤による接着等、他の方法により行われてもよい。
図1および図2に示すように、ドレープ本体11は、左右方向に伸ばされた患者の左右の腕の上部を覆う一対の腕被覆領域113を有する。一対の腕被覆領域113は、開口110および吸収シート13よりも前側(すなわち、患者の頭部側)において、基布12の左右両側に設けられる。各腕被覆領域113は、基布12の左右両側の側方エッジ(すなわち、ドレープ本体11の側方エッジ117)から左右方向内側に延びる略帯状の領域である。
図1に示すように、ドレープ本体11は、一対の腕被覆領域113の後側(すなわち、患者の腹部側)において、ドレープ本体11の左右両側の側方エッジ117から左右方向に延びる一対の後スリット114を有する。後スリット114は、前後方向に関して、吸収シート13の前縁とおよそ同じ位置に位置する。一対の後スリット114の近傍には、一対の後脇翼部15が取り付けられる。
図5は、図1中の左側の後脇翼部15を示す斜視図である。図1中の右側の後脇翼部15は、左側の後脇翼部15と同様の構造を有する。一対の後脇翼部15は、ドレープ本体11の上述の中心線に関して線対称に配置される。図6は、後脇翼部15を展開して示す平面図である。展開した状態の後脇翼部15は、略正方形状のシート部材である。以下の説明では、後脇翼部15の図6中の手前側の主面を「表面151」といい、表面151の反対側の主面を「裏面152」という。
後脇翼部15は、図6中において二点鎖線にて示す対角線である折り畳み線153にて、図5に示すように、表面151を内側にして2つ折りにされる。以下の説明では、図5中における後脇翼部15の折り畳み線153よりも奥側の部位を「第1部位154」といい、折り畳み線153よりも手前側の部位を「第2部位155」という。第1部位154の側方のエッジには、横翼部16の一部が接合されている。図5および図6に示すように、第1部位154の裏面152上には、脇翼止着部156が設けられる。脇翼止着部156は、折り畳み線153の中央部近傍に配置される。本実施の形態では、後脇翼部15および横翼部16はスパンレース不織布により形成され、脇翼止着部156として面ファスナが利用される。
図5に示す後脇翼部15の折り畳み線153の端点158から延びる2つのエッジ157およびエッジ157近傍の部位(すなわち、図5中における上端部)は、図1に示すドレープ本体11の後スリット114の前後両側において、後スリット114に沿って後スリット114の近傍に接合される。具体的には、後脇翼部15の第1部位154の上端部が、ドレープ本体11の後スリット114よりも前側の部位に後スリット114に沿って接合される。また、第2部位155の上端部は、ドレープ本体11の後スリット114よりも後側の部位に後スリット114に沿って接合される。
折り畳み線153の端点158は、後スリット114の左右方向の端部よりも、ドレープ本体11の上述の中心線に近い位置に位置する。これにより、後スリット114が、全長に亘って後脇翼部15の第1部位154と第2部位155との間に挟まれる。図1中の右側の後脇翼部15も、上述の左側の後脇翼部15の後スリット114に沿う接合と同様に、右側の後スリット114に沿って基布12に接合される。
ドレープ1が使用される際には、図2に示すように、ドレープ本体11および一対の横翼部16が、一対の後スリット114(図1参照)の位置にて曲げられ、ドレープ本体11および横翼部16のうち、一対の後スリット114よりも前側の部位(以下、「立ち上がり部19」という。)が斜め上方に立ち上げられた状態で支持される。一対の後スリット114は大きく開かれ、ドレープ本体11の後スリット114よりも後側の部位が、患者の胸部や腹部の側方にて下方に垂れ下がる。また、2つ折りにされていた一対の後脇翼部15が広がり、横翼部16の一部と共に患者の腕の後方にて立ち上がり部19から下方に垂れ下がる。後脇翼部15は、患者の腕の上部を覆う上部被覆領域である腕被覆領域113の後側から下方へと広がって患者の腕の側方を覆う側部被覆領域である。後脇翼部15の表面151は、清潔領域に対向する清潔面であり、後脇翼部15の裏面152は、不潔領域に対向する不潔面である。
図1に示すように、ドレープ本体11は、一対の腕被覆領域113の前側において、ドレープ本体11の左右両側の側方エッジ117から左右方向に延びる一対の弱化線115を備える。換言すれば、弱化線115と後スリット114との間の略帯状の部位が腕被覆領域113である。一対の弱化線115の近傍には、一対の前脇翼部14が取り付けられる。
図7は、一方の弱化線115および弱化線115近傍の部位を、弱化線115に垂直に切断した断面図である。他方の弱化線115も、図7に示す構造と同様である。図7に示すように、弱化線115は、基布12の側方エッジから左右方向に延びるスリット121を、左右方向に延びる帯状のリニアカットフィルム122にて覆うことにより形成される。リニアカットフィルム122は、不潔面112側においてスリット121の前後両側にて基布12に接合される。リニアカットフィルム122は、左右方向に略平行な方向に容易に引き裂くことができるフィルムである。リニアカットフィルム122には、一方の主面から他方の主面へと貫通する孔が設けられていないため、弱化線115において、ドレープ本体11の清潔面111と不潔面112とは不連続である。換言すれば、弱化線115を介して清潔領域と不潔領域とは連通しない。
ドレープ本体11では、弱化線115が引き裂かれることにより、具体的には、スリット121に沿ってリニアカットフィルム122が引き裂かれることにより、図8に示すように、ドレープ本体11に前スリット116が形成される。すなわち、弱化線115は、形成される前の潜在的な前スリット116であり、ドレープ本体11は、一対の腕被覆領域113の前側において、ドレープ本体11の左右両側の側方エッジ117から左右方向に延びる一対の前スリット116を潜在的に備える。
図9は、図1中の左側の前脇翼部14を示す斜視図である。図1中の右側の前脇翼部14は、左側の前脇翼部14と同様の構造を有する。一対の前脇翼部14は、ドレープ本体11の上述の中心線に関して線対称に配置される。図10は、前脇翼部14を展開して示す平面図である。展開した状態の前脇翼部14は、後脇翼部15と同様に、略正方形状のシート部材である。以下の説明では、前脇翼部14の図10中の手前側の主面を「表面141」といい、表面141の反対側の主面を「裏面142」という。
前脇翼部14は、図10中において二点鎖線にて示す対角線である折り畳み線143にて、図9に示すように、表面141を内側にして2つ折りにされる。以下の説明では、図9中における前脇翼部14の折り畳み線143よりも奥側の部位を「第1部位144」といい、折り畳み線143よりも手前側の部位を「第2部位145」という。第2部位145の側方のエッジには、横翼部16の一部が接合されている。
図9および図10に示すように、第2部位145の裏面142上には、脇翼止着部146が設けられる。脇翼止着部146は、折り畳み線143の中央部近傍に配置される。また、第1部位144の裏面142上には、前脇翼仮止着部149が設けられる。前脇翼仮止着部149は、第1部位144の図9中の下端部に設けられる。本実施の形態では、前脇翼部14はスパンレース不織布により形成され、脇翼止着部146および前脇翼仮止着部149として面ファスナが利用される。
図9に示す前脇翼部14の折り畳み線143の端点148から延びる2つのエッジ147およびエッジ147近傍の部位(すなわち、図9中における上端部)は、図1に示すドレープ本体11の弱化線115(すなわち、潜在的な前スリット116)の前後両側において、弱化線115に沿って弱化線115の近傍に接合される。具体的には、前脇翼部14の第1部位144の上端部が、ドレープ本体11の弱化線115よりも前側の部位に弱化線115に沿って接合される。また、第2部位145の上端部は、ドレープ本体11の弱化線115よりも後側の部位に弱化線115に沿って接合される。
折り畳み線143の端点148は、弱化線115の左右方向の端部よりも、ドレープ本体11の上述の中心線に近い位置に位置する。これにより、弱化線115が、全長に亘って前脇翼部14の第1部位144と第2部位145との間に挟まれる。図1中の右側の前脇翼部14も、上述の左側の前脇翼部14の弱化線115に沿う接合と同様に、右側の弱化線115に沿って接合される。
ドレープ1の使用時に前脇翼部14が使用されない場合、あるいは、前脇翼部14の使用前の状態では、図2に示すように、一対の前脇翼部14はそれぞれ、前脇翼仮止着部149により、弱化線115よりも前後方向の前側においてドレープ本体11の不潔面112に仮止着されている。各前脇翼部14は、折り畳み線143にて2つ折りにされた状態で、不潔面112に沿って配置される。
前脇翼部14は、施術者や看護士等が、患者の頭部の側方に立つ必要がある場合に使用される。前脇翼部14が使用される際には、一方の弱化線115(以下の例では、図1中の左側の弱化線115)が左右方向に略平行に引き裂かれて前スリット116(図8参照)が形成される。また、当該前スリット116よりも前側に位置する前脇翼仮止着部149による前脇翼部14の仮止着が解除される。これにより、図11に示すように、ドレープ本体11の前スリット116よりも前側の部位が、患者の頭部の側方にて下方に垂れ下がる。また、2つ折りにされていた前脇翼部14が広がり、横翼部16の一部と共に患者の腕の前方にて下方に垂れ下がる。前脇翼部14は、上述の腕被覆領域113の前側から下方へと広がって患者の腕の側方を覆うもう1つの側部被覆領域である。前脇翼部14が広がることにより、患者の頭部の側方に清潔領域が新たに形成される。前脇翼部14の表面141は、清潔領域に対向する清潔面であり、前脇翼部14の裏面142は、不潔領域に対向する不潔面である。
図12は、前脇翼部14、腕被覆領域113および後脇翼部15を、患者の腕91に略垂直に切断した断面図である。図11および図12に示すように、腕被覆領域113の前後両側から下方へと広がる前脇翼部14の裏面142と後脇翼部15の裏面152とは、患者の一方の腕91の下方にて対向する。そして、前脇翼部14の裏面142に設けられた脇翼止着部146と、後脇翼部15の裏面152に設けられた脇翼止着部156とが止着されることにより、前脇翼部14の裏面142と後脇翼部15の裏面152とが、患者の一方の腕91の下方にて互いに止着される。
前脇翼部14の表面141には、脇翼止着部146と重なる位置に、裏面142における脇翼止着部146の位置を示す文字や図形等の目印(図示省略)が設けられる。これにより、脇翼止着部146の位置を表面141側からでも容易に認識することができる。後脇翼部15の表面151にも、脇翼止着部156と重なる位置に、裏面152における脇翼止着部156の位置を示す文字や図形等の目印(図示省略)が設けられる。これにより、脇翼止着部156の位置を表面151側からでも容易に認識することができる。その結果、前脇翼部14と後脇翼部15とを容易に止着することができる。なお、前脇翼部14と後脇翼部15とを互いに止着することができるのであれば、脇翼止着部は、前脇翼部14および後脇翼部15の少なくとも一方の裏面(すなわち、不潔面)に配置されていればよい。
図11に示すドレープ1では、横翼部16が、後脇翼部15の第1部位154(図5参照)から腕被覆領域113を経由して前脇翼部14の第2部位145(図9参照)にかけて、後脇翼部15、腕被覆領域113および前脇翼部14の側方エッジに沿って連続して接合されている。したがって、前脇翼部14が広げられると、患者の腕の先端部から、後脇翼部15、腕被覆領域113および前脇翼部14と共に横翼部16が垂れ下がり、腕の先端部、および、その下方の領域が、清潔領域から隔離される。
図11では、患者の頭部の左側に新たな清潔領域が形成されているが、患者の頭部の両側に新たな清潔領域が形成されてもよく、患者の頭部の右側のみに新たな清潔領域が形成されてもよい。患者の頭部の右側に清潔領域が形成される際には、上述した左側の清潔領域の形成と同様に、右側の弱化線115が引き裂かれて前スリット116が形成されるとともに、前脇翼仮止着部149による仮止着が解除されて右側の前脇翼部14が大きく広がる。これにより、患者の頭部の右側に新たな清潔領域が形成される。また、患者の腕の下方において、脇翼止着部146,156により、前脇翼部14の裏面142と後脇翼部15の裏面152とが互いに止着される。
図1に示すように、ドレープ1は、ドレープ本体11に仮止着された2つの前脇翼部14の間に、4つの貫通孔71を有する。これらの貫通孔71は、レバーリトラクタのアーム挿入用の貫通孔である。4つの貫通孔71は、前後方向に関してドレープ本体11の一対の弱化線115(すなわち、一対の前スリット116)よりも前側に位置し、左右方向に関して一対の弱化線115の間に位置する。2つの貫通孔71は、一方の弱化線115の端部近傍に位置し、他の2つの貫通孔71は、他方の弱化線115の端部近傍に位置する。
ドレープ1の使用前の状態において、4つの貫通孔71はそれぞれ、4つの略矩形のシール72により覆われている。各シール72は、ドレープ本体11の清潔面111上に剥離可能に取り付けられる。各シール72により、各貫通孔71を介して清潔領域と不潔領域とが連通することが防止される。レバーリトラクタが使用される際には、適切な位置の1つのシール72がドレープ本体11から剥離され、露出した貫通孔71にレバーリトラクタのアームが挿入される。当該アームは、不潔領域において、レバーリトラクタの本体に接続される。
図1に示すように、ドレープ本体11は、後側のエッジの左右方向の中央から前後方向に延びる脚スリット118を有する。脚スリット118は、後側のエッジから開口110の近傍まで延びており、吸収シート13と重なる部分では、吸収シート13および基布12の双方に設けられる。図2に示すように、患者の一方の脚は他方の脚から離間して配置されており、ドレープ1により患者を覆った状態では、脚スリット118は、患者の一方の脚と他方の脚との間に位置する。脚スリット118の近傍には、脚翼部17が取り付けられる。
図13は、脚翼部17を示す斜視図である。図14は、脚翼部17を展開して示す平面図である。展開した状態の脚翼部17は、略帯状のシート部材である。以下の説明では、脚翼部17の図14中の手前側の主面を「表面171」といい、表面171の反対側の主面を「裏面172」という。また、図14中の左右方向を脚翼部17の「長手方向」といい、図14中の上下方向を脚翼部17の「幅方向」という。幅方向は長手方向に垂直である。
脚翼部17は、長手方向の中央において幅方向に延びる折り畳み線173(一部を二点鎖線にて示す。)にて、図13に示すように、表面171を内側にして2つ折りにされる。以下の説明では、図13中における脚翼部17の折り畳み線173よりも奥側の部位を「第1部位174」といい、折り畳み線173よりも手前側の部位を「第2部位175」という。図13および図14に示すように、第1部位174および第2部位175の裏面172上にはそれぞれ、脚翼止着部176が設けられる。脚翼止着部176は、第1部位174および第2部位175の長手方向の中央近傍において、幅方向の中央よりも図14中の下側に配置される。本実施の形態では、脚翼部17はスパンレース不織布により形成され、脚翼止着部176として面ファスナが利用される。
図13に示す脚翼部17の折り畳み線173の端点178から延びる2つのエッジ177およびエッジ177近傍の部位(すなわち、図13中における上端部)は、図1に示すドレープ本体11の脚スリット118の左右両側において、脚スリット118に沿って脚スリット118の近傍に接合される。具体的には、脚翼部17の第1部位174の上端部が、ドレープ本体11の脚スリット118よりも左側の部位に脚スリット118に沿って接合される。また、第2部位175の上端部は、ドレープ本体11の脚スリット118よりも右側の部位に脚スリット118に沿って接合される。折り畳み線173の端点178は、脚スリット118の前端よりも前側に位置する。これにより、脚スリット118の前端を含む大部分が、脚翼部17の第1部位174と第2部位175との間に挟まれる。
ドレープ1が使用される際には、脚スリット118は左右の脚の間にて左右に開かれ、図2に示すように、2つ折りにされていた脚翼部17が左右の脚の間にて広がり、左右の脚の間に清潔領域が形成される。脚翼部17の表面171は、清潔領域に対向する清潔面であり、脚翼部17の裏面172は、不潔領域に対向する不潔面である。
図15は、広がった脚翼部17の長手方向の中央部近傍を示す図である。図15では、脚翼部17およびドレープ本体11を、患者の脚に略垂直に切断した断面も示す(図17においても同様)。図15に示すように、脚翼部17の第1部位174(すなわち、図15中における左側の部位)は、図15中における左側の脚92(患者の右脚)の上側を覆う上部被覆領域である脚被覆領域123の右側方にて、脚被覆領域123から下方に垂れ下がる。また、脚翼部17の第2部位175は、図15中における右側の脚92の上側を覆う上部被覆領域である脚被覆領域123の左側方にて、脚被覆領域123から下方に垂れ下がる。
ドレープ本体11の左側の側部(以下、「後左側部124」という。)は、左側の脚被覆領域123の左側方にて脚被覆領域123から下方に垂れ下がり、ドレープ本体11の右側の側部(以下、「後右側部125」という。)は、右側の脚被覆領域123の右側方にて脚被覆領域123から下方に垂れ下がる。ドレープ本体11の後左側部124および脚翼部17の第1部位174、すなわち、左側の脚被覆領域123よりも左右両側の部位は、左側の脚92の左右の側方を覆う側部被覆領域である。また、ドレープ本体11の後右側部125および脚翼部17の第2部位175、すなわち、右側の脚被覆領域123よりも左右両側の部位は、右側の脚92の左右の側方を覆う側部被覆領域である。
図16は、脚翼部17の第1部位174、ドレープ本体11の左側の脚被覆領域123および後左側部124を、患者の脚92に略垂直に切断した断面図である。図2および図16に示すように、ドレープ本体11の後左側部124の不潔面112と、脚翼部17の第1部位174の裏面172とは、患者の一方の脚92の下方にて対向する。後左側部124の不潔面112には、脚翼部17の脚翼止着部176に対向する位置に、脚翼止着部126が設けられる。脚翼止着部126としても、脚翼止着部176と同様に、面ファスナが利用される。そして、後左側部124の脚翼止着部126と、脚翼部17の第1部位174の脚翼止着部176とが止着されることにより、後左側部124の不潔面112と脚翼部17の裏面172とが、患者の一方の脚92の下方にて互いに止着される。
ドレープ本体11の後右側部125の不潔面112と、脚翼部17の第2部位175の裏面172とは、上記と同様に、患者の他方の脚の下方にて対向する。後右側部125の不潔面112にも脚翼止着部126が設けられ、当該脚翼止着部126と脚翼部17の第2部位175の脚翼止着部176とが止着されることにより、後右側部125の不潔面112と脚翼部17の裏面172とが、患者の他方の脚の下方にて互いに止着される。
脚翼部17の表面171には、2つの脚翼止着部176と重なる位置に、裏面172における脚翼止着部176の位置を示す文字や図形等の目印(図示省略)が設けられる。これにより、脚翼止着部176の位置を表面171側からでも容易に認識することができる。ドレープ本体11の清潔面111にも、2つの脚翼止着部126と重なる位置に、不潔面112における脚翼止着部126の位置を示す文字や図形等の目印(図示省略)が設けられる。これにより、脚翼止着部126の位置を清潔面111側からでも容易に認識することができる。その結果、後左側部124および後右側部125と脚翼部17とを容易に止着することができる。なお、後左側部124および後右側部125と脚翼部17とを互いに止着することができるのであれば、脚翼止着部は、ドレープ本体11および脚翼部17の少なくとも一方の裏面(すなわち、不潔面)に配置されていればよい。
図13ないし図15に示すように、脚翼部17は、股部開口73と、股部弱化線74と、シール75とを有する。股部開口73は略円形の貫通孔であり、股部開口73の中心は折り畳み線173上に位置する。股部開口73は、略矩形のシール75により覆われている。股部開口73の使用前の状態において、シール75は、脚翼部17の清潔面である表面171上に剥離可能に取り付けられる。シール75により、股部開口73を介して清潔領域と不潔領域とが連通することが防止される。
股部弱化線74は、脚翼部17の下側のエッジ179から股部開口73の下端に至る。より具体的には、股部弱化線74は、折り畳み線173の上側の端点178とは反対側の他方の端点から股部開口73の下端に至る。脚翼部17のエッジ179は、上述のエッジ177を一方のエッジとすると、脚翼部17の幅方向の他方のエッジである。股部弱化線74は、脚翼部17の下側のエッジ179から股部開口73の下端に至るスリットを、上下方向に延びる帯状のリニアカットフィルム76により裏面172側から覆うことにより形成される。リニアカットフィルム76には、上述のリニアカットフィルム122と同様に、一方の主面から他方の主面へと貫通する孔が設けられていないため、股部弱化線74において、脚翼部17の表面171と裏面172とは不連続である。換言すれば、股部弱化線74を介して清潔領域と不潔領域とは連通しない。
股部開口73は、例えば、腹腔鏡手術の終盤において、肛門から腹腔内の腸等にアクセスする必要がある際に使用される。股部開口73が使用される際には、シール75が脚翼部17の表面171から剥離され、患者の肛門が露出される。脚翼部17の裏面172には、股部開口73の周囲に粘着層(図示省略)が設けられており、当該粘着層により脚翼部17の股部開口73近傍の部位が、患者の肛門の周囲に貼付される。
股部弱化線74は、股部開口73の使用時に必要に応じて引き裂かれる。例えば、患者の身長が低く、股部開口73が患者の肛門から前後方向にある程度離れており、股部開口73を介して肛門にアクセスしにくい場合に、股部弱化線74が引き裂かれる。脚翼部17では、股部弱化線74が引き裂かれることにより、具体的には、脚翼部17の上記スリットに沿ってリニアカットフィルム76が引き裂かれることにより、図17に示すように、脚翼部17の下側のエッジ179から股部開口73の下端に至るスリット77が形成される。そして、股部開口73の周囲の部位、および、スリット77の両側の部位が、左右に大きく開かれて患者の肛門の左右等に貼付される。これにより、患者の肛門に容易にアクセスすることができる。
図1に示すドレープ1では、2つのパウチ2は、ドレープ本体11の清潔面111上において開口110の左右両側に配置され、開口110近傍に固定される。2つのパウチ2は、互いに同様の形状および構造を有する。図1中の左側のパウチ2は、吸収シート13の左側のフラップ132の前側(すなわち、頭部側)に隣接して基布12の清潔面上に固定される。また、右側のパウチ2は、吸収シート13の右側のフラップ132の後側(すなわち、脚部側)に隣接して基布12の清潔面上に固定される。パウチ2は、手術部位からの液体を受ける受液袋や、電気メス等の手術器具を収容する収容袋等、様々な用途で使用される。
図18は、一方のパウチ2を拡大して示す平面図である。パウチ2は、第1シート部21と、第2シート部22とを備える。図18中の上下方向における第2シート部22の長さは、第1シート部21の長さよりも短い。また、図18中の左右方向における第2シート部22の幅は、第1シート部21の幅におよそ等しい。以下の説明では、図18中の左右方向を、パウチ2の「幅方向」という。
第2シート部22は、下縁221が第1シート部21の下縁211に一致するように第1シート部21上に重ねられる。本実施の形態では、第1シート部21の下縁211と第2シート部22の下縁221とが連続する。換言すれば、第1シート部21と第2シート部22とは、1枚のシート部材である。本実施の形態では、第1シート部21および第2シート部22は、ポリエチレン等の透明または半透明の柔軟な樹脂材料により形成される。なお、第1シート部21と第2シート部22とが個別に形成され、第1シート部21の下縁211と第2シート部22の下縁221とが、全幅に亘ってヒートシール等により接続されてもよい。
第1シート部21の上端部212は、第2シート部22から露出しており、基布12(図1参照)と吸収シート13との間に挟まれて基布12および吸収シート13に接合される。これにより、第1シート部21の上端部212が、ドレープ本体11の開口110近傍に直接的に固定される。第1シート部21の上端部212を除くパウチ2の他の部位は、ドレープ本体11には直接的に固定されず、第1シート部21の上端部212を介してドレープ本体11に間接的に固定される。このため、パウチ2の上端部212を除く他の部位は、ドレープ本体11の清潔面111から離間可能である。
第1シート部21の幅方向両側の側縁213の中央部には段差部214が設けられる。第1シート部21では、段差部214よりも上側の部位における両側縁213間の距離は、段差部214よりも下側の部位における両側縁213間の距離よりも小さい。第2シート部22の幅方向両側の側縁223の中央部にも、第1シート部21の段差部214とおよそ重なる位置に段差部224が設けられる。第2シート部22でも、第1シート部21と同様に、段差部224よりも上側の部位である第2シート上部227における両側縁223間の距離は、段差部224よりも下側の部位である第2シート下部228における両側縁223間の距離よりも小さい。
第2シート部22の両側縁223は、第1シート部21の両側縁213に重なる。以下の説明では、第1シート部21の両側縁213のうち、図18中における段差部214よりも上部および下部をそれぞれ「側縁上部215」および「側縁下部216」といい、第2シート部22の両側縁223のうち、段差部224よりも上部および下部をそれぞれ「側縁上部225」および「側縁下部226」という。第2シート部22の両側縁上部225は、第1シート部21の両側縁上部215と重なるが、両側縁上部215と非接続である。両側縁上部225と両側縁上部215とが非接続とは、第2シート部22と第1シート部21とが両側縁上部にて接合されておらず、かつ、両側縁上部にて連続する1枚のシート部材でもないことを意味する。第2シート部22の両側縁下部226(すなわち、両側縁223の両側縁上部225よりも下側の部位)は、第1シート部21の両側縁下部216にヒートシール等により接続される。なお、第2シート部22の両側縁下部226は、第1シート部21の両側縁下部216に連続していてもよい。パウチ2では、第2シート部22の下縁221および両側縁下部226が第1シート部21と接続または連続して接続縁部231が構成される。
上述のように、第2シート部22の両側縁上部225は、第1シート部21の両側縁上部215と非接続であるため、図19に示すように、第2シート上部227は、第1シート部21から大きく離間可能である。図19に示す状態では、第2シート下部228の上端と第1シート部21との間に、第1上部開口232が形成される。
図18および図19に示すように、第2シート部22の上端部222には、幅方向に延びる帯状の保形部材241が、第2シート部22の幅方向の略全長に亘って取り付けられる。保形部材241は、アルミニウムやポリエチレン等の容易に塑性変形可能な(すなわち、形状が容易に変更可能な)材料により形成される。
また、第2シート部22の上端部222には、2つの第1パウチ止着部251と、1つの第2パウチ止着部252とが、第2シート部22の第1シート部21と対向する面に設けられる。2つの第1パウチ止着部251は、第2シート部22の上端部222において、幅方向の両端部に配置される。第2パウチ止着部252は、第2シート部22の上端部222において、幅方向の中央部に配置される。2つの第1パウチ止着部251と第2パウチ止着部252とは、保形部材241の下側(すなわち、保形部材241と一対の段差部224との間)において、幅方向に略平行に保形部材241に沿って配列される。以下の説明では、2つの第1パウチ止着部251と第2パウチ止着部252とをまとめて「パウチ止着部250」という。
第1シート部21の上端部212には、2つの第1被止着部253と、1つの第2被止着部254とが、第1シート部21の第2シート部22と対向する面(すなわち、第1シート部21の基布12と対向する面とは反対側の面)に設けられる。2つの第1被止着部253は、第1シート部21の上端部212において、幅方向の両端部に配置される。第2被止着部254は、第1シート部21の上端部212において、幅方向の中央部に配置される。2つの第1被止着部253と第2被止着部254とは、幅方向に略平行に配列される。以下の説明では、2つの第1被止着部253と第2被止着部254とをまとめて「被止着部255」という。
2つの第1パウチ止着部251と第2パウチ止着部252とは、ほぼ同形状の略矩形状である。2つの第1被止着部253はそれぞれ、幅方向に延びる略帯状である。2つの第1パウチ止着部251の幅方向の長さはそれぞれ、各第1被止着部253の幅方向の長さよりも短い。第2被止着部254は、第2パウチ止着部252と同形状の略矩形状である。
本実施の形態では、第1パウチ止着部251および第2パウチ止着部252が、面ファスナのフック部材であり、第1被止着部253および第2被止着部254が、面ファスナのループ部材である。なお、第1パウチ止着部251および第2パウチ止着部252が、面ファスナのループ部材であり、第1被止着部253および第2被止着部254が、面ファスナのフック部材であってもよい。また、第1パウチ止着部251、第2パウチ止着部252、第1被止着部253および第2被止着部254が、多数のフック要素およびループ要素の双方を有するフック・ループ混合型の面ファスナであってもよい。
換言すれば、第1パウチ止着部251、第2パウチ止着部252、第1被止着部253および第2被止着部254は、面ファスナ部である。ここで、第1被止着部253を第1面ファスナ部と呼び、第1パウチ止着部251を第2面ファスナ部と呼ぶと、被止着部255は2つの第1面ファスナ部を含み、パウチ止着部250は2つの第2面ファスナ部を含む。
図18に示すように、第2シート上部227を第1シート部21上に重ねた状態では、2つの第1パウチ止着部251が、2つの第1被止着部253に重なって着脱自在に止着される。これにより、第2シート部22の上端部222が、幅方向の両端部にて、第1シート部21の上端部212に止着される。換言すれば、第2シート部22の上端部222は、第1シート部21を介してドレープ本体11(図1参照)に間接的に着脱可能に止着される。また、第2パウチ止着部252が、第2被止着部254に重なって着脱自在に止着される。これにより、第2シート部22の上端部222が、幅方向の中央部にても、第1シート部21の上端部212に止着される。
図18に示す状態では、第2パウチ止着部252および第2被止着部254の幅方向の両側において、第2シート上部227の上端と第1シート部21との間に、2つの第2上部開口233が形成される。また、第2シート上部227の幅方向の両側において、第2シート部22の両側縁上部225と第1シート部21の両側縁上部215との間に、2つの側部開口234が形成される。
パウチ2では、2つの第1パウチ止着部251を、図18に示す位置よりも第2パウチ止着部252に近い位置にて2つの第1被止着部253に止着することにより、図20に示すように、各第2上部開口233の幅が小さくなるとともに、各第2上部開口233の幅方向の中央部において、第2シート部22が第1シート部21から大きく離間する。保形部材241は、各第1パウチ止着部251と第2パウチ止着部252との間において、ドレープ本体11から離れる方向に凸となるように曲げられる。これにより、各第2上部開口233が大きく開いた状態で維持される。第2上部開口233には、例えば、電気メス等の手術器具81が挿入される。なお、第2パウチ止着部252の第2被止着部254に対する止着が解除されると、2つの第2上部開口233は、1つの大きな第2上部開口233となる。
図1に示すドレープ1が使用される際には、必要に応じて、手術に利用される物品である手術用品がフラップ132に着脱自在に取り付けられる。腹腔鏡手術では、例えば、図21に示すように、電気メス等の手術器具を収容する器具収容袋5が、手術用品としてフラップ132に取り付けられる。器具収容袋5は、その上端部がフラップ132と共に2つの鉗子50により挟まれることにより、フラップ132から下方に吊り下がるようにフラップ132に取り付けられる。器具収容袋5のフラップ132への取り付けは、鉗子による挟持以外の様々な方法により行われてもよい。
図22は、器具収容袋5を拡大して示す平面図である。以下の図22の説明では、図中の左右方向を器具収容袋5の「幅方向」といい、図中の上下方向を器具収容袋5の「長手方向」という(図23においても同様)。器具収容袋5は、第1収容袋シート部51と、第2収容袋シート部52と、2つの収容袋保形部材53とを備える。第1収容袋シート部51および第2収容袋シート部52は、不織布により形成される。2つの収容袋保形部材53は、アルミニウムやポリエチレン等の容易に塑性変形可能な(すなわち、形状が容易に変更可能な)材料により形成された帯状の部材である。
第1収容袋シート部51は略長方形状のシート部材であり、長手方向の長さは約45cm、幅方向の幅は約20cmである。第2収容袋シート部52は、上端の幅が下端の幅よりも大きい略台形状のシート部材である。第2収容袋シート部52では、幅が第1収容袋シート部51におよそ等しくなるように、両側部が内側に折り畳まれてマチ521が形成されている。マチ521は、平面視において、上側から下側に向かうに従って幅が漸次減少する略三角形状である。第2収容袋シート部52の長さは、第1収容袋シート部51の長さよりも短い。
第2収容袋シート部52は、下縁が一致するように第1収容袋シート部51上に重ねられる。本実施の形態では、第1収容袋シート部51の下縁と第2収容袋シート部52の下縁とが連続する。換言すれば、第1収容袋シート部51と第2収容袋シート部52とは、1枚のシート部材である。なお、第1収容袋シート部51と第2収容袋シート部52とが個別に形成され、第1収容袋シート部51の下縁と第2収容袋シート部52の下縁とが、全幅に亘ってヒートシール等により接続されてもよい。第1収容袋シート部51の上端部は、第2収容袋シート部52から露出しており、当該上端部が鉗子50(図21参照)によりフラップ132に取り付けられる。第2収容袋シート部52の幅方向の両側縁は、第1収容袋シート部51の両側縁に長手方向の全長に亘って接合される。第2収容袋シート部52の幅方向の中央部も、長手方向に第2収容袋シート部52の全長に亘って延びる帯状の接合領域にて、第1収容袋シート部51に接合される。これにより、第1収容袋シート部51と第2収容袋シート部52との間に、上方に向かって開口する2つの収容ポケット54が形成される。
第2収容袋シート部52では、図22中の左側の側縁の長手方向の長さが、右側の側縁の長手方向の長さよりも短く、第2収容袋シート部52の上縁は、左側から右側に向かうに従って漸次上側に向かう。これにより、各収容ポケット54の上部開口は、少し左側に向かって開口する。第2収容袋シート部52の上端部には、2つの収容袋保形部材53が、第2収容袋シート部52の上縁に沿って固定される。
器具収容袋5が使用される際には、第2収容袋シート部52の左右のマチ521が広げられ、図23に示すように、収容袋保形部材53が塑性変形される。これにより、第2収容袋シート部52の上部が第1収容袋シート部51から大きく離れ、各収容ポケット54の上部開口が大きく開口する。各収容ポケット54の断面積は、上側から下側に向かうに従って漸次減少する。器具収容袋5の使用時には、第1収容袋シート部51の下部に両面テープが設けられ、当該両面テープにより、器具収容袋5の下部がドレープ本体11の清潔面111に着脱自在に固定されてもよい。
器具収容袋5では、上述のように、第1収容袋シート部51および第2収容袋シート部52が不織布により形成されるため、電気メス等のように先端部が比較的鋭利な手術器具82が収容ポケット54に収容された場合であっても、手術器具により第1収容袋シート部51や第2収容袋シート部52に穴が開くことを防止することができる。また、電気メス等のように先端部が比較的高温になる手術器具82が収容ポケット54に収容された場合であっても、当該先端部との接触により第1収容袋シート部51や第2収容袋シート部52が溶けてしまうことを防止することができる。
器具収容袋5では、幅方向の中央部に仕切りが設けられて2つの収容ポケット54が形成される。これにより、複数の手術器具を分別して容易に収容することができる。本実施の形態では、各収容ポケット54の底部における幅は約10cmであり、各収容ポケット54の高さは約35cm〜40cmである。このため、器具収容袋5は、比較的長い手術器具が利用される腹腔鏡手術に特に適している。
上述のように、第2収容袋シート部52の上縁は、左側から右側に向かうに従って漸次上側に向かい、各収容ポケット54の上部開口は、少し左側に向かって開口する。このため、器具収容袋5を施術者の右側に配置することにより、施術者が、比較的長い手術器具を各収容ポケット54の上部開口から容易に挿入することができる。また、収容袋保形部材53が収容ポケット54の上部開口近傍に設けられることにより、収容ポケット54の上部開口を大きく維持することができ、手術器具をより容易に収容ポケット54の上部開口に挿入することができる。
器具収容袋5では、各収容ポケット54の断面積は、上側から下側に向かうに従って漸次減少する。このため、手術器具82を収容ポケット54の上部開口に容易に挿入することができるとともに、手術器具82の先端部の収容ポケット54の底部における動きを制限することができる。その結果、器具収容袋5により、手術器具82を安定して保持することができる。また、第2収容袋シート部52の両側部にマチ521が設けられることにより、使用前の器具収容袋5を小型化することができる。
図1に示すドレープ1では、第1コードホルダ3および第2コードホルダ4が、ドレープ本体11の清潔面111上において開口110の周囲に配置されてドレープ本体11に固定される。複数の第1コードホルダ3、および、複数の第2コードホルダ4はそれぞれ、手術器具の絶縁被覆電線、チューブ、光ファイバ等の保持に利用される。以下の説明では、手術器具の絶縁被覆電線、チューブ、光ファイバ等の線状、かつ、容易に変形可能な部位を「コード」という。第1コードホルダ3は、電気メスや腹腔用カメラのように、手術中に位置が変更される頻度が比較的高い手術器具のコードの保持に利用される。また、第2コードホルダ4は、手術中に位置が変更される頻度が低い手術器具のコードの保持に利用される。
各第1コードホルダ3および各第2コードホルダ4は、2つ折りにされた略テープ状である。複数の第2コードホルダ4はそれぞれ、複数の第1コードホルダ3と異なる外見を有し、複数の第1コードホルダ3よりも開口110から離れて配置される。本実施の形態では、複数の第1コードホルダ3と複数の第2コードホルダ4との外見の差異は、色の違いである。4個の第1コードホルダ3の後述する第1ホルダ本体31の色は緑色であり、11個の第2コードホルダ4の後述する第2ホルダ本体41の色は白色である。第1ホルダ本体31および第2ホルダ本体41は他の色であってもよい。また、第1コードホルダ3および第2コードホルダ4の個数も適宜変更されてよい。
図24は、1つの第1コードホルダ3を伸ばした状態で拡大して示す図である。他の第1コードホルダ3も、図24に示す第1コードホルダ3と同様の構造を有する。第1コードホルダ3は、第1ホルダ本体31と、2つの第1ホルダ止着部32と、低摩擦部33を備える。第1ホルダ本体31は、図24中の左右方向に延びる略テープ状(すなわち、略帯状)である。以下の説明では、図24中の左右方向を、第1ホルダ本体31の「長手方向」という。
第1ホルダ本体31の長手方向の一方の端部は、ドレープ本体11の清潔面111(図1参照)に直接的に接合されて固定される固定端部34である。第1ホルダ本体31の固定端部34以外の部位は、ドレープ本体11に直接的には固定されていないため、ドレープ本体11の清潔面111から離間可能である。以下の説明では、第1ホルダ本体31の長手方向の他方の端部を「自由端部35」という。第1ホルダ本体31は、図25に示すように、長手方向の中央部に位置する折り目36にて、一方の面37を内側にして2つ折りにされている。
図24および図25に示すように、2つの第1ホルダ止着部32はそれぞれ、第1ホルダ本体31の面37上において、第1ホルダ本体31の固定端部34および自由端部35(すなわち、第1ホルダ本体31の長手方向の両端部)に配置される。また、低摩擦部33は、第1ホルダ本体31の面37上において、第1ホルダ本体31の中央部に配置される。2つの第1ホルダ止着部32および低摩擦部33はそれぞれ、第1ホルダ本体31の長手方向に長い略矩形状である。
本実施の形態では、自由端部35に位置する第1ホルダ止着部32は、面ファスナのフック部材であり、固定端部34に位置する第1ホルダ止着部32は、面ファスナのループ部材である。なお、自由端部35に位置する第1ホルダ止着部32が、面ファスナのループ部材であり、固定端部34に位置する第1ホルダ止着部32が、面ファスナのフック部材であってもよい。また、2つの第1ホルダ止着部32が、多数のフック要素およびループ要素の双方を有するフック・ループ混合型の面ファスナであってもよい。
自由端部35に位置する第1ホルダ止着部32と、固定端部34に位置する第1ホルダ止着部32とは、互いに着脱可能に止着する。自由端部35に位置する第1ホルダ止着部32が、固定端部34に位置する第1ホルダ止着部32に止着されることにより、第1コードホルダ3の自由端部35が固定端部34に止着される。換言すれば、自由端部35は、固定端部34を介して間接的にドレープ本体11に着脱可能に止着される。なお、自由端部35のみに第1ホルダ止着部32が配置され、当該第1ホルダ止着部32により、第1ホルダ本体31の自由端部35が、第1ホルダ本体31の他の部位に止着されてもよく、また、ドレープ本体11の清潔面111に直接的に止着されてもよい。
図26に示すように、第1コードホルダ3では、折り目36にて2つ折りにされた第1ホルダ本体31の間に手術器具のコード83を挟んだ状態で、2つの第1ホルダ止着部32が互いに止着されることにより、コード83が第1コードホルダ3により保持される。コード83は、第1コードホルダ3の低摩擦部33と接する。第1コードホルダ3では、第1ホルダ本体31をコード83に1周以上巻き付けた状態で2つの第1ホルダ止着部32が互いに止着されることにより、コード83が第1コードホルダ3により保持されてもよい。この場合も、コード83は、第1コードホルダ3の低摩擦部33と接する。
本実施の形態では、第1ホルダ本体31は不織布により形成される。低摩擦部33は、コード83との間に生じる摩擦が第1ホルダ本体31よりも小さい材料、例えば、プラスチックシートや面ファスナ等により形成される。なお、第1ホルダ本体31は、プラスチックシート等の他の材料により形成されてもよい。
図27は、ドレープ1の開口110近傍を拡大して示す図である。図27に示すように、各第1コードホルダ3では、第1ホルダ本体31の折り目36が、固定端部34よりもドレープ本体11の開口110に近い。換言すれば、折り目36と開口110の最近接部との間の直線距離が、固定端部34と開口110の最近接部との間の直遠距離よりも小さい。また、開口110は、第1コードホルダ3の固定端部34と折り目36とを結んで第1ホルダ本体31の長手方向に延ばした直線上に位置する。したがって、図28に示すように、コード83が第1コードホルダ3に保持された状態では、コード83は、当該第1コードホルダ3の2つの第1ホルダ止着部32(図27参照)と開口110との間に位置する。
図29は、1つの第2コードホルダ4を伸ばした状態で拡大して示す図である。他の第2コードホルダ4も、図29に示す第2コードホルダ4と同様の構造を有する。本実施の形態では、第2コードホルダ4は、基材の一方の面上に多数のフック要素およびループ要素が混在するフック・ループ混合型の面ファスナである。第2コードホルダ4の基材は、図29中の左右方向に延びる略テープ状(すなわち、略帯状)の第2ホルダ本体41である。以下の説明では、図29中の左右方向を、第2ホルダ本体41の「長手方向」という。図29では、第2ホルダ本体41上に設けられた多数のフック要素およびループ要素を、符号40を付す矩形にて示す。フック要素およびループ要素40は、第2ホルダ本体41の長手方向のおよそ全長に亘って設けられる。
第2ホルダ本体41の長手方向の一方の端部は、ドレープ本体11の清潔面111(図1参照)に直接的に接合されて固定される固定端部44である。第2ホルダ本体41の固定端部44以外の部位は、ドレープ本体11に直接的には固定されていないため、ドレープ本体11の清潔面111から離間可能である。以下の説明では、第2ホルダ本体41の長手方向の他方の端部を「自由端部45」という。第2ホルダ本体41は、長手方向の中央部に位置する折り目にて、フック要素およびループ要素が設けられた面を内側にして2つ折りにされている。
第2コードホルダ4では、フック要素およびループ要素40のうち、固定端部44および自由端部45上に位置する多数のフック要素およびループ要素が、2つの第2ホルダ止着部42として機能する。2つの第2ホルダ止着部42は、第2ホルダ本体41の長手方向の両端部に配置され、互いに着脱可能に止着する。自由端部45に位置する第2ホルダ止着部42が、固定端部44に位置する第2ホルダ止着部42に止着されることにより、第2コードホルダ4の自由端部45が固定端部44に止着される。換言すれば、自由端部45は、固定端部44を介して間接的にドレープ本体11に着脱可能に止着される。なお、自由端部45は、第1ホルダ本体31の他の部位に止着されてもよく、また、ドレープ本体11の清潔面111に直接的に止着されてもよい。
第2コードホルダ4では、図26に示す第1コードホルダ3と同様に、2つ折りにされた第2ホルダ本体41の間に手術器具のコードを挟んだ状態で、2つの第2ホルダ止着部42が互いに止着されることにより、コードが第2コードホルダ4により保持される。なお、第2コードホルダ4をコードに1周以上巻き付けた状態で2つの第2ホルダ止着部42が互いに止着されることにより、コードが第2コードホルダ4により保持されてもよい。
図27に示すように、各第2コードホルダ4では、第2ホルダ本体41の固定端部44が、折り目46よりもドレープ本体11の開口110に近い。換言すれば、折り目46と開口110の最近接部との間の直線距離が、固定端部44と開口110の最近接部との間の直遠距離よりも大きい。開口110は、第2コードホルダ4の折り目46と固定端部44とを結んで第2ホルダ本体41の長手方向に延ばした直線上に位置する。また、11個の第2コードホルダ4のうち、開口110の左右両側に位置する2個の第2コードホルダ4は、左右両側のパウチ2の第1シート部21(図18参照)とドレープ本体11との間に配置される。
第2コードホルダ4は、上述のように、第1コードホルダ3よりも開口110から離れて配置されている。このため、図28に示すように、ドレープ1にて患者を覆った状態では、開口110および脚スリット118の左右両側に位置する6個の第2コードホルダ4は、開口110よりも下方に位置する。
図28では、パウチ2とドレープ本体11との間に位置する第2コードホルダ4、および、当該第2コードホルダ4と前後方向において隣接する2個の第2コードホルダ4により、コード84が保持されている。したがって、コード84の一部は、パウチ2とドレープ本体11との間、および、パウチ2よりも脚部側(すなわち、後側)において、開口110よりも下方に位置する。パウチ2とドレープ本体11との間に位置する第2コードホルダ4、および、当該第2コードホルダ4の後側に位置する第2コードホルダ4では、固定端部44がコード84よりも上方に位置する。換言すれば、コード84は、これらの第2コードホルダ4により、患者の側方にて吊り下げられた状態で保持される。
第1コードホルダ3によりコード83が保持されている手術器具の位置が移動される際には、2つの第1ホルダ止着部32の止着が解除されて、コード83が第1コードホルダ3から外される。続いて、コード83が開口110上を横切らないように、手術器具およびコード83の位置が変更される。
図30は、コード83の位置が、図28に示す位置から変更された状態を示す図である。図30では、コード83が、開口110の脚部側に位置する2つの第1コードホルダ3に加えて、開口110の左側に位置するパウチ2によっても保持されている。
パウチ2によりコード83を保持する際には、図19に示すように、パウチ止着部250の被止着部255に対する止着を解除し、第2シート上部227を第1シート部21から離間させる。そして、図31に示すように、第2シート上部227と第1シート部21との間にコード83を挟み、パウチ止着部250を被止着部255に止着する。これにより、コード83は、接続縁部231の上端とパウチ止着部250との間にて、パウチ2により保持される。コード83は、パウチ2の幅方向の両側の側部開口234を介して、パウチ2から外側へと延びる。コード83のパウチ2に保持された部位は、第2コードホルダ4よりも開口110(図1参照)に近い位置に位置する。これにより、パウチ2に保持されたコード83は、パウチ2とドレープ本体11との間に位置する第2コードホルダ4に保持されたコード84から離間し、コード84の上方に位置する。
ドレープ1は、単体で提供されてもよく、図32に示すように、使い捨て医療機器セット6に含まれた状態で提供されてもよい。使い捨て医療機器セット6は、医療処置の内容に合わせて用意された複数の使い捨ての医療機器のセットである。ドレープ1は、折り畳まれた状態で、使い捨て医療機器セット6のトレイ61に収容され、トレイ61は、二点鎖線にて描く通気性を有する包装袋62内に収容される。
以上に説明したように、ドレープ1では、複数の第1コードホルダ3、および、第1コードホルダ3と異なる外見を有する複数の第2コードホルダ4が、ドレープ本体11の清潔面111上に配置される。これにより、手術中における位置変更の頻度が比較的高い手術器具のコードと、位置変更の頻度が比較的低い手術器具のコードとを区別して保持することができる。その結果、手術中におけるコードの位置変更を、容易かつ素早く行うことができる。また、第1コードホルダ3と第2コードホルダ4との外見の差異が色の違いであるため、第1コードホルダ3と第2コードホルダ4とを容易に区別することができる。その結果、コードの位置変更の際に、位置を変更する必要のない他のコードの保持を解除してしまうことを防止することができる。
上述のように、複数の第1コードホルダ3は開口110の周囲に配置され、複数の第2コードホルダ4は、複数の第1コードホルダ3よりも開口110から離れて配置される。これにより、第1コードホルダ3に保持されているコードの位置を変更する際に、当該コードの第1コードホルダ3からの取り外し、コードの移動、および、第1コードホルダ3へのコードの取り付けが、第2コードホルダ4に保持されているコードにより阻害されることを抑制することができる。その結果、手術中におけるコードの位置変更を、より容易、かつ、より素早く行うことができる。
各第1コードホルダ3は、固定端部34がドレープ本体11に固定されたテープ状の第1ホルダ本体31と、第1ホルダ本体31の自由端部35に配置される第1ホルダ止着部32とを備える。これにより、第1コードホルダ3によるコードの保持および解放(すなわち、保持の解除)を容易に行うことができる。また、第2コードホルダ4も、第1コードホルダ3と同様に、テープ状の第2ホルダ本体41と、自由端部45に配置される第2ホルダ止着部42とを備えるため、第2コードホルダ4によるコードの保持および解放を容易に行うことができる。
第1コードホルダ3の第1ホルダ本体31は、折り目36にて2つ折りにされており、第1ホルダ本体31の自由端部35に配置された第1ホルダ止着部32が、固定端部34に配置された第1ホルダ止着部32に止着されることにより、自由端部35が固定端部32に止着される。このため、ドレープ本体11の清潔面111上に、第1コードホルダ3の自由端部35を止着するための構造(例えば、面ファスナ)を設ける必要がなく、ドレープ1の製造を簡素化することができる。また、コードの保持に使用されていない第1コードホルダ3において、2つの第1ホルダ止着部32を互いに止着しておくことにより、第1ホルダ止着部32がドレープ1の他の部位等に意図に反して止着してしまうことを防止することができる。
第2コードホルダ4においても同様に、第2ホルダ本体41が2つ折りにされており、第2ホルダ本体41の自由端部45に配置された第2ホルダ止着部42が、固定端部44に配置された第2ホルダ止着部42に止着される。これにより、ドレープ1の製造をより簡素化することができる。また、使用されていない第2コードホルダ4において、2つの第2ホルダ止着部42を互いに止着しておくことにより、第2ホルダ止着部42がドレープ1の他の部位等に意図に反して止着してしまうことを防止することができる。
ドレープ1では、各第1コードホルダ3の折り目36が、第1コードホルダ3の固定端部34よりも開口110に近い位置に位置する。これにより、コードの第1コードホルダ3に保持される部位が、開口110に向かって引っ張られた場合であっても、第1ホルダ止着部32の止着が容易に解除されることはなく、コードを強く保持することができる。その結果、コードが第1コードホルダ3から外れて開口110に重なることを抑制することができる。また、各第2コードホルダ4の固定端部44は折り目46よりも開口110に近い位置に位置する。これにより、第2コードホルダ4によりコードが吊り下げられた状態で保持されている場合に、コードの第2コードホルダ4に保持される部位が、重力により2つの第2ホルダ止着部42に押し付けられることがない。その結果、第2コードホルダ4によるコードの保持が、コードの自重等により意図に反して解除されることを抑制することができる。
第1コードホルダ3では、第1ホルダ本体31の長手方向の中央部に低摩擦部33が配置される。これにより、第1コードホルダ3とコードとの摩擦が小さくなるため、第1コードホルダ3に保持されたコードを長手方向に容易に進退させることができる。なお、コードを容易に進退させることができる程度に第1ホルダ本体31とコードとの摩擦が低い場合には、低摩擦部33は省略されてもよい。
ドレープ1では、パウチ2の接続縁部231とパウチ止着部250との間にて、第1シート部21と第2シート上部227との間にコードを挟むことによりコードが保持される。これにより、パウチ2が設けられる位置においても、コードの保持および解放を容易に実現することができる。また、パウチ2により位置変更の頻度が比較的高いコードを保持することにより、手術器具の位置変更に迅速に対応することができる。
上述のように、パウチ2とドレープ本体11との間には、第2コードホルダ4が配置される。これにより、パウチ2が設けられる位置においても、位置変更の頻度が比較的高いコードと比較的低いコードとを区別して保持することができる。また、パウチ2により、第2コードホルダ4よりも開口110に近い位置にてコードが保持されることにより、パウチ2からのコードの取り外しやコードの移動が、第2コードホルダ4に保持されているコードにより阻害されることを抑制することができる。その結果、手術中におけるコードの位置変更を、より容易、かつ、より素早く行うことができる。
なお、ドレープ1では、各パウチ2の第1シート部21とドレープ本体11との間に、2つ以上の第2コードホルダ4が配置されてもよい。換言すれば、パウチ2とドレープ本体11との間には少なくとも1つの第2コードホルダ4が配置される。これにより、パウチ2が設けられる位置においても、位置変更の頻度が比較的高いコードと比較的低いコードとを区別して保持することができる。
上述のように、パウチ2では、第1シート部21の上端部がドレープ本体11に固定され、第2シート部22の下縁221および両側縁下部226が第1シート部21と接続または連続して接続縁部231が構成される。また、第2シート部22の両側縁上部225は、第1シート部21の両側縁上部215と非接続であるため、第2シート上部227は、第1シート部21から大きく離間可能である。第2シート部22の上端部222には、パウチ止着部250が設けられる。パウチ2をこのような構造とすることにより、開口110からの液体を受けたり、手術器具等を収容したり、手術器具のコードを保持する等、様々な用途にパウチ2を利用することができる。換言すれば、ドレープ1では、様々な用途に利用可能なパウチ2を提供することができる。
パウチ2は、第1シート部21の上端部212に被止着部255を備え、パウチ止着部250が被止着部255に止着されることにより、第2シート部22の上端部222が第1シート部21の上端部212に止着される。このため、ドレープ本体11の清潔面111上に、パウチ2のパウチ止着部250を止着するための構造(例えば、面ファスナ)を設ける必要がなく、ドレープ1の製造を簡素化することができる。
パウチ2では、被止着部255が、第1シート部21の幅方向の両端部にて幅方向に延びる2つの第1被止着部253を含み、パウチ止着部250が、第2シート部22の幅方向の両端部に配置される2つの第1パウチ止着部251を含み、各第1パウチ止着部251の幅方向の長さが、各第1被止着部253の幅方向の長さよりも短い。これにより、第1パウチ止着部251の止着位置を幅方向において容易に変更することができる。その結果、パウチ2の第2上部開口233の形状を容易に変更することができる。また、第1被止着部253の幅方向の長さが、第1パウチ止着部251の幅方向の長さよりも長いことにより、第1パウチ止着部251を第1被止着部253から剥離する際に、第1被止着部253が第1パウチ止着部251に引っ張られて第1シート部21から剥がれてしまうことを防止(または抑制)することができる。
ドレープ1では、パウチ止着部250が、第2シート部22の幅方向の中央部に配置される第2パウチ止着部252を含むことにより、パウチ2の第2上部開口233を2つに分割することができる。これにより、複数の手術器具等を互いに接触しないようにパウチ2に収容することができる。また、様々な種類の手術器具等に合わせて第2上部開口233の大きさを容易に変更することができる。なお、被止着部255は、第1シート部21の上端部212のおよそ全幅に亘って帯状に設けられてもよい。この場合、当該被止着部255の幅方向の両端部が2つの第1被止着部253に相当し、幅方向の中央部が第2被止着部254に相当する。
上述のように、第2シート部22の上端部222には保形部材241が設けられる。これにより、パウチ2の第2上部開口233の形状を容易に変更したり維持することができる。なお、保形部材241は、必ずしも第2シート部22の幅方向の略全長に亘って設けられる必要はない。また、保形部材241は、それぞれが幅方向に延びる帯状であって幅方向に配列される複数の保形部材であってもよい。
ドレープ1では、2つのパウチ2が開口110の左右両側に配置される。これにより、患者の左側から手術を行う場合であっても右側から手術を行う場合であっても、上述の様々な用途にパウチ2を利用することができる。
上述のように、ドレープ1の開口110近傍にはフラップ132が設けられ、器具収容袋5の上端部が、フラップ132と共に鉗子50により挟まれることにより、器具収容袋5がドレープ1に取り付けられる。フラップ132は、基布12から離間可能であるため、器具収容袋5の取り付けの際に、鉗子50により基布12に貫通孔が形成されることが防止される。また、器具収容袋5の向き等を変更するために鉗子50の位置を変更する場合も、基布12に貫通孔が形成されることが防止される。フラップ132には、器具収容袋5以外の様々な手術用品が、様々な手段により着脱自在に取り付けられてよい。この場合も、フラップ132が基布12から離間可能であるため、基布12に影響を与えることなく、手術用品をドレープ1に容易に取り付けることができる。
フラップ132は、基布12の清潔面上において開口110の周囲に固定される吸収シート13の一部である。これにより、フラップ132を開口110近傍に容易に接続することができ、ドレープ1の製造を簡素化することができる。また、フラップ132は、パウチ2に隣接して配置される。これにより、フラップ132に器具収容袋5が取り付けられる場合、手術器具の種類に応じて、器具収容袋5およびパウチ2から適切な方を選択して手術器具を収容することができる。
ドレープ1では、2つのフラップ132が開口110の左右両側に配置される。これにより、患者の左側から手術を行う場合であっても右側から手術を行う場合であっても、フラップ132を手術用品の取り付けに利用することができる。また、2つのフラップ132がそれぞれ2つのパウチ2に隣接して配置されることにより、患者の左右両側において、手術器具の収容に器具収容袋5およびパウチ2を選択的に利用することができる。
上述のように、ドレープ本体11には、側方エッジ117から左右方向に延びる前スリット116が設けられ、2つ折りにされた前脇翼部14が、前スリット116の両側に前スリット116に沿って接合される。前スリット116が広げられると、ドレープ本体11の前スリット116よりも前側の部位が、患者の頭部の側方にて下方に垂れ下がり、前脇翼部14が広がって患者の腕の前方にて下方に垂れ下がる。これにより、患者の頭部の側方にも清潔領域を確保することができる。したがって、ドレープ1は、腹腔用カメラ等の手術器具を扱う施術者が手術中に患者の頭部の側方に位置することがある腹腔鏡手術に特に適している。
前スリット116は、ドレープ本体11に設けられた弱化線115が引き裂かれることにより形成されるため、前脇翼部14を使用しない場合には、患者の頭部の側方に麻酔医等の作業スペースである不潔領域を大きく確保することができる。また、前脇翼部14を使用する場合には、弱化線115を引き裂くことにより容易に前スリット116を形成し、新たな清潔領域を患者の頭部の側方に容易に形成することができる。ドレープ1では、弱化線115において、ドレープ本体11の清潔面111と不潔面112とは不連続である。これにより、前脇翼部14が使用されない場合、および、前脇翼部14の使用前の状態において、弱化線115における清潔領域と不潔領域との連通を防止することができる。
上述のように、使用前の前脇翼部14は、前脇翼仮止着部149により、弱化線115よりも前側においてドレープ本体11の不潔面112に仮止着されている。これにより、使用前の前脇翼部14がドレープ本体11から垂れ下がり、床、施術者、患者等に意図に反して接触することを防止することができる。
ドレープ本体11には、側方エッジ117から左右方向に延びる後スリット114が設けられ、2つ折りにされた後脇翼部15が、後スリット114の両側に後スリット114に沿って接合される。後スリット114が広げられると、ドレープ本体11の後スリット114よりも後側の部位が、患者の胸部や腹部の側方にて下方に垂れ下がり、後脇翼部15が広がって患者の腕の後方にて下方に垂れ下がる。これにより、患者の腕の後方かつ胸部の側方にてドレープ本体11が引っ張り上げられることが抑制され、患者の胸部の側方に大きな清潔領域を確保することができる。
上述のように、前脇翼部14の不潔面と後脇翼部15の不潔面とは、脇翼止着部146,156により、患者の腕の下方にて止着される。これにより、ドレープ1の腕を覆う部位が、腕の前後へとずれてしまうことを抑制することができる。また、当該部位が、腕に沿って肩の方へとずれて、腕の先端がドレープ1から露出してしまうことを抑制することができる。したがって、ドレープ1は、手術中に比較的高い頻度で患者の姿勢変更が行われる腹腔鏡手術に特に適している。また、後脇翼部15、腕被覆領域113および前脇翼部14の側方エッジに横翼部16が連続して接合されることにより、腕の先端がドレープ1から露出してしまうことを、より一層抑制することができる。
ドレープ1では、2つの前脇翼部14が開口110の左右両側に配置される。これにより、患者の頭部の左右両側に清潔領域を確保することができる。また、2つの後脇翼部15が開口110の左右両側に配置されることにより、患者の胸部の左右両側に大きな清潔領域を確保することができる。さらに、開口110の左右両側のおいて、前脇翼部14の不潔面と後脇翼部15の不潔面とが脇翼止着部146,156により止着されることにより、患者の左右の腕の先端がドレープ1から露出してしまうことを抑制することができる。
上述のように、ドレープ本体11の2つの前脇翼部14の間には、レバーリトラクタのアーム挿入用の貫通孔71が設けられており、貫通孔71の使用前には、シール72により貫通孔71が覆われている。これにより、貫通孔71を介して清潔領域と不潔領域とが連通することを防止することができる。また、シール72をドレープ本体11から剥離することにより、レバーリトラクタのアームを、ドレープ1を貫通する状態で容易に配置することができる。
ドレープ1では、脚翼部17の不潔面とドレープ本体11の脚翼部17に対向する面とが、脚翼止着部126,176により、患者の脚の下方にて止着される。これにより、ドレープ1の脚を覆う部位が、脚の左右へとずれてしまうことを抑制することができる。また、当該部位が、脚に沿って腰部の方へとずれて、脚の先端がドレープ1から露出してしまうことを抑制することができる。したがって、ドレープ1は、手術中に比較的高い頻度で患者の姿勢変更が行われる腹腔鏡手術に特に適している。
脚翼部17では、長手方向の中央部に股部開口73が設けられており、股部開口73の使用前には、股部開口73はシール75により覆われている。これにより、股部開口73を介して清潔領域と不潔領域とが連通することを防止することができる。また、シール75を剥離することにより、患者の肛門に容易にアクセスすることができる。
脚翼部17では、脚翼部17の下側のエッジ179(具体的には、折り畳み線173の下側の端点)から股部開口73の下端に至る股部弱化線74が設けられており、股部弱化線74が、股部開口73の使用時に必要に応じて引き裂かれることによりスリット77が形成される。これにより、股部開口73が患者の肛門から離れている場合であっても、連続した股部開口73およびスリット77を介して患者の肛門に容易にアクセスすることができる。また、股部弱化線74において、脚翼部17の清潔面と不潔面とは不連続である。これにより、股部開口73が使用されない場合、および、股部開口73の使用前の状態において、股部弱化線74における清潔領域と不潔領域との連通を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、第1コードホルダ3は、第2コードホルダ4と同様に、フック・ループ混合型のテープ状の面ファスナであってもよい。この場合、当該面ファスナの基材が第1ホルダ本体31であり、面ファスナの両端部が2つの第1ホルダ止着部32であり、面ファスナの中央部が低摩擦部33である。第2コードホルダ4では、第1コードホルダ3と同様に、不織布等にて形成された第2ホルダ本体41の両端部に、2つの第2ホルダ止着部42である面ファスナが接合されてもよい。
第1ホルダ止着部32および第2ホルダ止着部42は、必ずしも面ファスナである必要はなく、例えば、粘着層であってもよい。第1ホルダ本体31および第2ホルダ本体41は、必ずしも2つ折りにされる必要はなく、第1ホルダ本体31および第2ホルダ本体41の形状もテープ状以外のものであってよい。
第1コードホルダ3と第2コードホルダ4との外見の差異は、第1ホルダ本体31と第2ホルダ本体41との色の違い以外であってもよい。例えば、第1コードホルダ3と第2コードホルダ4との形状や大きさの違いが、外見の差異であってもよい。また、第1コードホルダ3と第2コードホルダ4との構造の違いが、外見の差異であってもよい。いずれの場合であっても、第1コードホルダ3と第2コードホルダ4との外見が異なることにより、第1コードホルダ3と第2コードホルダ4とを容易に見分けることができる。
第1パウチ止着部251の幅方向の長さは、第1被止着部253の幅方向の長さとおよそ同じであってもよい。パウチ止着部250および被止着部255は、必ずしも面ファスナである必要はなく、例えば、粘着層であるパウチ止着部250が第1シート部21に直接的に止着されてもよい。
パウチ2では、第2シート部22の上端部222が第1シート部21の上端部212よりも上方に広がり、第2シート部22の上端部222が、パウチ止着部250によりドレープ本体11に直接的に着脱可能に止着されてもよい。第2シート部22の上端部222は、少なくとも幅方向の両端部にて、第1シート部21またはドレープ本体11に止着されていればよく、必ずしも、幅方向の中央部にて第1シート部21またはドレープ本体11に止着されなくてもよい。
フラップ132は、必ずしも吸収シート13の一部である必要はなく、略長方形状のシート部材の一部が基布12に両面テープや接着剤により直接的に固定され、当該シート部材の他の部位が、基布12から離間可能なフラップ132として利用されてもよい。この場合、上記シート部材は、必ずしも吸収性を有している必要はない。また、フラップ132の形状は様々に変更されてよい。ドレープ1では、1つのフラップ132のみが、開口110の左右の一方に設けられてもよい。
ドレープ本体11の弱化線115は、必ずしも基布12のスリット121をリニアカットフィルム122にて覆うことにより形成される必要はなく、他の構造により実現されてもよい。例えば、弱化線115は、基布12を貫通しない非貫通ミシン目であってもよい。あるいは、弱化線115は、基布12を貫通するミシン目であってもよい。股部弱化線74も、リニアカットフィルム76を利用しない他の構造(例えば、非貫通ミシン目)であってもよい。
前スリット116は、必ずしも弱化線115が引き裂かれることにより形成される必要はなく、ドレープ本体11に予め形成されていてもよい。この場合、ドレープ本体11の前スリット116の両側の部位を、側方エッジ117近傍にて面ファスナ等で互いに止着しておくことにより、前脇翼部14を使用しない状態において、患者の頭部の側方に麻酔医等の作業スペースである不潔領域を大きく確保することができる。
前脇翼部14および後脇翼部15は、必ずしも略正方形状のシート部材である必要はなく、様々な形状(例えば、略四分円状)であってよい。脚翼部17も同様に、様々な形状であってよい。脇翼止着部146,156、前脇翼仮止着部149および脚翼止着部126,176は、必ずしも面ファスナである必要はなく、例えば、粘着層であってもよい。
ドレープ1では、1つのパウチ2のみが開口110の左右の一方に設けられてもよい。また、1組の前スリット116および前脇翼部14のみが、開口110の左右の一方に設けられてもよい(後スリット114および後脇翼部15においても同様)。
ドレープ1は、腹腔鏡手術以外の様々な手術の際に利用されてもよい。ドレープ本体11は、必ずしも患者の全身を覆う必要はなく、患者の身体の必要な部位を覆えばよい。ドレープ1では、用途に合わせて、パウチ2、前脇翼部14、後脇翼部15、横翼部16および脚翼部17が省略されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 ドレープ
2 パウチ
5 器具収容袋
6 医療機器セット
12 基布
13 吸収シート
81,82 手術器具
120 開口
132 フラップ

Claims (7)

  1. 手術の際に患者を覆うドレープであって、
    患者の手術部位を露出させる開口を有する基布と、
    前記基布の清潔面上において前記開口近傍に接続され、前記基布から離間可能であり、手術に利用される物品である手術用品が着脱自在に取り付けられるフラップと、
    を備えることを特徴とするドレープ。
  2. 請求項1に記載のドレープであって、
    前記フラップが、前記基布の前記清潔面上において前記開口の周囲に固定される吸収シートの一部であることを特徴とするドレープ。
  3. 請求項1または2に記載のドレープであって、
    前記基布の前記清潔面上において前記開口近傍にて前記フラップに隣接して固定されるパウチをさらに備えることを特徴とするドレープ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のドレープであって、
    前記フラップと同様の構造を有する他のフラップをさらに備え、
    前記フラップおよび前記他のフラップが、前記基布の前記清潔面上において前記開口の左右両側に配置されることを特徴とするドレープ。
  5. 請求項4に記載のドレープであって、
    前記基布の前記清潔面上において前記開口近傍にて前記他のフラップに隣接して固定される他のパウチをさらに備えることを特徴とするドレープ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のドレープであって、
    前記フラップに、手術器具を収容する器具収容袋が前記手術用品として取り付けられることを特徴とするドレープ。
  7. 使い捨て医療機器セットであって、
    請求項1ないし6のいずれかに記載のドレープを含むことを特徴とする使い捨て医療機器セット。
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