JP2014117526A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】リセット信号を不正に入力して、遊技者にとって有利な演出を発生させるといった行為(不正行為)を有効に抑制することが可能な遊技機の提供。
【解決手段】
サブCPUは、LOWレベルのリセット信号を受信した場合、第1乱数発生器および第2乱数発生器からそれぞれ乱数を取得してサブRAMに記憶する。また、サブCPUは、LOWレベルのリセット信号を受信した場合、サブRAMに記憶された乱数値に基づいて、第1乱数発生器および第2乱数発生器による乱数の更新を遅延して開始させるための遅延時間を決定するともに乱数の更新を開始する際の変更初期値を決定する(ステップS1507−2)。そして、サブCPUは、LOWレベルのリセット信号を受信した後、上記遅延時間が経過したときに(ステップS1507−4)、上記変更初期値から第1乱数発生器および第2乱数発生器による乱数の更新を開始させる(ステップS1507−5)。
【選択図】図21

Description

本発明は、遊技の進行を制御する主制御装置と、演出動作を制御する副制御装置とを備えた遊技機に関するものであり、特に、取得された乱数値に応じて演出内容を決定することが可能な副制御装置を備えた遊技機に関するものである。
近年、スロットマシンなどの遊技機においては、例えば、ビッグボーナスゲームなどの特別遊技の後、所定数のゲームに亘って、液晶表示装置等の演出装置に停止操作の順序を報知し、遊技者が、この停止操作の順序に従って停止ボタンを操作したときに、多くのメダルを獲得することができるように構成された遊技機が知られている。
この種の遊技機では、電源供給装置と、遊技全体の動作を制御する主制御基板と、演出動作を制御する副制御基板と、所定の乱数を発生させる乱数発生器とを備え、副制御装置において、所定のタイミングで乱数発生器から乱数を取得し、この取得された乱数の値が予め定められた当たり値である場合に、上記のような停止操作の順序を報知させるゲーム(以下、「ATゲーム」と称す)を発生させることが可能となっている(特許文献1参照)。
ここで、一般に、上記乱数発生器は、例えば、0から所定数まで1ずつ増加するとともに所定数に達した時点で0に再び戻って1ずつ増加するといったように、所定の規則性をもって乱数を発生させるものである。すなわち、このような構成では、当たり値となる乱数の値を知っていれば、サブCPUに対して強制的にリセット信号を入力して、予め定められた初期値(例えば、「0」)から乱数の更新を行わせ、且つ、遊技者が、上記当たり値となるタイミング(周期)で停止ボタン等を操作することにより(当たり値を狙い打つことにより)、ATゲームを不正に発生させることが可能である。
ここで、所定の電源電圧が制御基板に入力された後、所定時間遅延させてリセット信号を出力する技術が知られている(特許文献2参照)。このような技術を特許文献1に記載の遊技機に適用すれば、リセット信号を不正に入力したとしても、乱数の更新が開始されるタイミングがずれるため、上記のような当たり値を狙い打つといった不正行為を抑制することが可能となる。
特開2011−092789号公報 特開2001−346941号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術を適用した遊技機では、常に、リセット信号の出力を遅延させる時間が一定であるため、この遅延時間を知ることができれば、上記不正を行うことができるといった問題が生じる。
本発明は、上記不都合を解消するためになされたものであり、リセット信号を不正に入力して、遊技者にとって有利な演出を発生させるといった行為(不正行為)を有効に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
請求項1に記載の発明に係る遊技機は、複数の図柄がそれぞれの周面に配された複数のリールと、前記複数のリールの周面に配された複数の図柄のうち、一部の図柄を表示する図柄表示手段と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、前記開始操作検出手段により、遊技者による開始操作が検出されたことに基づいて、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記開始操作検出手段により遊技者による開始操作が検出されたことに基づいて、前記複数のリールを回転させることにより、前記複数の図柄を変動表示させる図柄変動手段と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、遊技者による停止操作を検出する停止操作検出手段と、前記停止操作検出手段により遊技者による停止操作が検出されたことと、前記内部当選役決定手段により決定された内部当選役とに基づいて、前記図柄変動手段により変動表示されている図柄の停止制御を行う停止制御手段と、前記停止制御手段により前記複数の図柄の変動表示が全て停止されたことに基づいて、予め定められた図柄の組み合わせが表示されたか否かを判定する判定手段と、遊技に係る情報を報知する遊技情報報知手段と、前記内部当選役決定手段により決定された内部当選役に係る情報を前記遊技情報報知手段により報知する制御を行う遊技情報報知制御手段と、前記内部当選役決定手段により特定の内部当選役が決定された場合に、前記特定の内部当選役に係る情報を前記遊技情報報知手段により報知する特定状態の制御を行う特定状態制御手段と、前記特定状態の抽選に係る乱数値を生成する乱数生成手段と、前記乱数生成手段により生成された前記乱数値を抽出する乱数抽出手段と、前記乱数生成手段による前記乱数値の生成を所定の初期値から開始させるためのリセット信号を第1レベルから第2レベルに切り替えるリセット信号切替手段と、前記リセット信号切替手段から前記第1レベルのリセット信号を受信したことに基づいて、前記乱数生成手段から前記乱数値を取得して記憶する乱数値記憶手段と、前記乱数値記憶手段に前記乱数値が記憶されている場合において、当該記憶されている乱数値に基づいて、前記乱数生成手段による前記乱数値の生成を遅延して開始させるための遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、前記遅延時間決定手段により前記遅延時間が決定された場合において、前記第2レベルのリセット信号が入力されてから前記遅延時間が経過したことに基づいて、前記乱数値生成手段により前記所定の初期値から前記乱数値の生成を開始させる乱数値生成開始手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明に係る遊技機は、前記乱数値記憶手段に記憶されている前記乱数値に基づいて、前記所定の初期値を決定する初期値決定手段を更に有し、前記乱数値生成開始手段は、前記初期値決定手段により決定された前記所定の初期値から前記乱数値生成手段による前記乱数値の生成を開始させることを特徴とする。
ここで、上記「遊技情報報知手段」とは、液晶表示装置等、演出画像を表示可能な表示装置の他、所定の音声を出力可能なスピーカ等の音声出力装置を含む概念である。
上記「内部当選役決定手段により決定された内部当選役に係る情報」とは、静止画像や動画像の演出画像(以下、「演出画像」と称す)の他、音声を広く含む概念であり、例えば、上記「遊技機」が、いわゆるアシストタイム(以下、「AT」と称す)機能が付加されたスロットマシンである場合、液晶表示装置等の表示手段に表示される、停止ボタンの押し順に関する情報などが該当する。
本発明(請求項1)によれば、リセット信号切替手段から第1レベルのリセット信号を受信したことに基づいて、乱数生成手段から乱数値を取得して乱数値記憶手段に記憶し、その後、第2レベルのリセット信号を受信した場合、乱数値記憶手段に記憶された乱数値に基づき、遅延時間決定手段により決定された遅延時間遅延させて、乱数値生成手段による乱数値の生成を所定の初期値から開始させるように構成されている。
すなわち、本発明では、第1レベルのリセット信号が入力される度に、乱数値の生成が開始されるタイミングがランダムに遅延されるため、多くの遊技媒体(メダル等)を獲得することが可能な、内部当選役に係る情報を報知させるための当選値(乱数カウンタ)の周期を、不正行為者に把握できないようにすることが可能となる。
従って、本発明によれば、上記のような当選値を狙い打つといった不正行為を有効に抑制することが可能となる。
また、本発明によれば、上記遅延時間が、第1レベルのリセット信号が入力されたタイミングで取得された乱数値に基づいて決定されるため、例えば、取得された乱数カウンタの値が「6000」である場合、遅延時間を「6000」ms(ミリ秒)(=「6」s(秒))とすることも可能である。このような場合、複雑な演算回路等を用いることなく、乱数カウンタの更新を開始させるタイミングをランダムに遅延させることが可能となる。
本発明(請求項2)によれば、前記乱数値記憶手段に記憶されている前記乱数値に基づいて、前記所定の初期値を決定する初期値決定手段を更に有し、前記乱数値生成開始手段は、前記初期値決定手段により決定された前記所定の初期値から前記乱数値生成手段による前記乱数値の生成を開始させることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、不正行為者は、より一層、自己に有利な内部当選役に係る情報を報知させるための乱数値のタイミングを把握することが困難となるため、故意にリセット信号を入力するといったような不正行為を、より効果的に抑制することが可能となる。
本実施形態における遊技機であるスロットマシンの一例を示す斜視図である。 図1のスロットマシンの内部構成を示す正面図である。 図1のスロットマシンに設けられている制御システムを説明するためのブロック図である。 図1のスロットマシンに設けられている電源供給システムを説明するためのブロック図である。 図1のスロットマシンの表示窓の部分拡大図である。 図1のスロットマシンの各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典を示したものである。 図1のスロットマシンの各リールに付されたそれぞれのリール帯に表記された図柄列(ボーナス図柄のみ)を平面的に展開した状態を示すである。 図1のスロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を示すフローチャートである。 図1のスロットマシンの始動処理の内容を示すフローチャートである。 図1のスロットマシンの全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示した図である。 図1のスロットマシンのBBについての当たり値と内部抽選確率を具体的に示した図である。 図1のスロットマシンのリール停止処理の内容を示すフローチャートである。 図1のスロットマシンの判定処理の内容を示すフローチャートである。 図1のスロットマシンのBBゲーム開始処理の内容を示すフローチャートである。 図1のスロットマシンのBBゲーム終了判定処理の内容を示すフローチャートである。 図1のスロットマシンのサブ制御基板にて各種コマンドを受信したときに行われるコマンド解析に係る処理の概略を示すフローチャートである。 サブ制御基板に記憶されるAT抽選テーブルの一例を示す図である。 サブ制御基板に記憶されるAT継続抽選テーブルの一例を示す図である。 図1のスロットマシンのメインCPUに、電源供給停止信号、HIレベルのリセット信号およびLOWレベルのリセット信号の何れかが入力されたときの制御処理の内容を示すフローチャートである。 図1のスロットマシンのサブCPUに、電源供給停止信号、HIレベルのリセット信号およびLOWレベルのリセット信号の何れかが入力されたときの制御処理の内容を示すフローチャートである。 図20のサブ制御基板の制御処理において実行される乱数更新処理の内容を示すフローチャートである。 電源の供給の停止および開始された場合における、メイン制御基板およびサブ制御基板における起動と停止を示すタイミングチャートである。 電源の供給の停止および開始された場合以外における、サブ制御基板における起動と停止を示すタイミングチャートである。 液晶表示装置において出力される押し順報知処理の一例を示す画像である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明に係る遊技機の好適な一実施形態を、スロットマシンを例に図面を参照して説明する。図1はスロットマシン1の斜視図、図2は前面扉3を開放した状態におけるスロットマシン1の内部構造を表した正面図である。
これらの図に示すように、回胴式遊技装置であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前面扉3が略矩形状の箱体である筐体2の開口側に対し、蝶番機構2aにより左側端部側を回動支点として開閉可能に取り付けられている。前面扉3は、上部パネル部3A、中部パネル部3B、操作パネル部3C及び下部パネル部3Dに概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
筐体2の内部には、スロットマシン1全体の動作を統括制御するメイン制御基板300と、3個の円筒状の回転リールである左リール111、中リール112、右リール113を備える回胴装置110と、スロットマシン1の各部に電力を供給するための電源装置510と、ゲームの入賞に応じてメダルの払い出しを行うメダル排出スリット521を有するホッパ装置520と、ホッパ装置520から溢れたメダルを収納する補助貯留部530等とが設けられている。なお、上記左リール111、中リール112、右リール113と、回胴装置110とが、それそれ、特許請求の範囲に記載の「複数のリール」と、「図柄表示手段」とに該当する。
ここで、回胴装置110は、メイン制御基板300からの回転駆動開始制御信号や回転駆動停止制御信号等を受ける後述のリール基板100によって各リール111,112,113の回転や回転停止が制御されるようになっている。また、回胴装置110は、筐体2の内部に取り付けられている台座120に対し引き出し及び押し戻し自在に載置されている。また、各リール111,112,113は、それぞれの周面を一方向(遊技者側)に向けて並設されている。
また、筐体2の内部に設けられている電源装置510のたとえば側面には、いわゆる配電盤に相当する後述の電源装置基板500が設けられている。この電源装置基板500には、電源装置510で発生される各種電源電圧を回胴装置110やホッパ装置520等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源(電源電圧)を供給する。
また、前面扉3は、筐体2の開口を閉塞する位置で、操作パネル部3Cに設けられている鍵穴4を有する図示しない施錠装置によりロックされ、ホールスタッフ等がメイン制御基板300上の各電子素子等の状態の確認を含むメンテナンス作業や設定値変更等に伴う出玉管理作業等を行う場合、前面扉3の鍵穴4に専用鍵を差し込んでそのロックを解除すると、前面扉3が開放されるようになっている。
前面扉3の上部パネル部3Aには、遊技に伴った演出を行う演出表示部40が取り付けられている。演出表示部40には、たとえばゲームの進行に応じた動画像等を表示する液晶表示装置41と、この液晶表示装置41を覆う表示パネル42とが設けられている。この表示パネル42は、中央部に液晶表示装置41を視認可能とする略長方形の透明窓43を有し、その透明窓43の周囲が映像を表示可能な液晶パネルで構成されている。また、演出表示部40には、意匠的に遊技者の視覚に訴える形状及び色彩、模様、絵柄等を施してデザイン設計された複数の演出用ランプ44〜46と、演出用の効果音を発するスピーカ50a,51aを有する放音部50,51とが設けられている。
そして、前面扉3の上部パネル部3Aの背面に設けられている後述の演出制御基板410と画像音響生成基板420とを有するサブ制御基板400に、メイン制御基板300から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、そのサブ制御基板400により液晶表示装置41による動画像等の表示と、演出用ランプ44〜46による点滅又は点灯によっての演出と、放音部50,51からの効果音による演出等が行われるようになっている。
前面扉3の中部パネル部3Bには、回胴装置110の各リール111,112,113の確認を行える表示窓21を有するパネル22を備えたメイン演出部20が設けられている。また、メイン演出部20の下方には、貯留枚数表示器23、遊技進行表示器24、払出枚数表示器25が設けられている。これらの表示器(貯留枚数表示器23、遊技進行表示器24、払出枚数表示器25)は、7セグメントLEDを複数有しており、0〜9までの10通りの数字で複数桁の数字を表示することが可能となっている。
貯留枚数表示器23には、遊技停止中にメダルをクレジット(最大50枚まで)する際、後述のメダル投入部6から連続投入されたメダルの枚数が最大50までの数字で表示されるようになっている。
遊技進行表示器24には、遊技者に有利な特別遊技状態(ビックボーナス、レギュラーボーナス等)が発生した際、その特別遊技状態の残りゲーム数等が数字で表示されるようになっている。
払出枚数表示器25には、回胴装置110の各リール111,112,113の停止に伴い、その有効ライン上に揃った図柄に応じてのメダルの払い出しの枚数が数字で表示されるようになっている。また、払出枚数表示器25は、スロットマシン1における、例えば出玉率(メダルの払出率)を決定する際の設定値を表示するものとして兼用されている。
また、中部パネル部3Bの両側には、高輝度発光ダイオードを内蔵したサイドランプ5a,5bが配置されている。これらのサイドランプ5a,5bは、リーチや大当たり等の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行うものである。
前面扉3の操作パネル部3Cには、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部6と、メダルを1枚ずつベットするベットスイッチ7と、メダルを一度に3枚ベットするMAXベットスイッチ8と、クレジットとして貯留されたメダルをスロットマシン1外へ払い出させる精算スイッチ9と、ゲームの操作を指示する操作ノブ10aを有するスタートスイッチ10と、回胴装置110の各リール111,112,113をストップさせる左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13を有するストップスイッチユニット14等が設けられている。
ベットスイッチ7及びMAXベットスイッチ8は、スロットマシン1のゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式の操作スイッチである。メダルがクレジットされているとき、ゲーム開始時にベットスイッチ7又はMAXベットスイッチ8を操作すると、そのクレジットされているメダルのうち1枚、2枚又は3枚がベットされるようになっている。このとき、上述した貯留枚数表示器23に表示される枚数がベットスイッチ7又はMAXベットスイッチ8の操作に応じて減算されて表示される。
スタートスイッチ10は、回胴装置110の各リール111,112,113を一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に設けられている球形の操作ノブ10aを上下左右のいずれかの方向に傾倒操作するとオン作動し、その操作ノブ10aから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13は、回胴装置110の左リール111、中リール112、右リール113の回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各リール111,112,113の配列に対応してそれぞれ並設されている。
また、前面扉3の操作パネル部3Cの背面には、操作パネル部3Cのベットスイッチ7、MAXベットスイッチ8、精算スイッチ9、スタートスイッチ10、左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13等の各種操作スイッチが電気的に接続された中央表示基板200が設けられており、これらのスイッチの出力信号が中央表示基板200からメイン制御基板300に転送されるようになっている。
中央表示基板200には、開閉自在なカバー(図示省略)によって覆われている設定スイッチ15が設けられている。この設定スイッチ15は、スロットマシン1の出玉率(メダルの払出率)を決定する際の設定値(例えば、「1」〜「6」までの6段階に分けられた設定値)を変更する場合に操作されるものであって、設定スイッチ15の操作に応じて払出枚数表示器25に設定値が表示される。
前面扉3の下部パネル部3Dには、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるため、たとえば登場キャラクタの絵等を表示するパネル30が設けられている。
下部パネル部3Dの下方には、入賞時等においてメダルを排出するメダル排出口32を有する受皿ユニット31と、下部スピーカ33a,34aを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる下部放音部33,34と、灰皿35等とがそれぞれ配設されている。
また、前面扉3の下部パネル部3Dの背面には、メダル投入部6より投入される投入物に対し正規のメダルか異物かを判別して振り分けるセレクタ16と、このセレクタ16で振り分けられたメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置520へ案内するホッパガイド部材522と、セレクタ16で振り分けられた異物をメダル排出口32へ案内するガイド部材523と、ホッパ装置520のメダル排出スリット521から排出されたメダルを受皿ユニット31のメダル排出口32側にガイドする払出ガイド部材524とが設けられている。
なお、セレクタ16は、たとえばスロットマシン1での回胴装置110の各リール111,112,113の回転中やリプレイ入賞時等でのメダルの受付不可時(スロットマシン1がメダルの投入受け付けを禁止する状態)に、メダル投入部6から投入された後述のメダルをガイド部材523側に振り分けるようになっている。そして、ガイド部材523側に振り分けられたメダルはメダル排出口32側から排出される。また、セレクタ16は、遊技待機中等でのメダル受付時(スロットマシン1がメダルの投入受け付けを許可する状態)に、メダルの検出に併せてメダルの受け付けを行うようになっている。
詳しくは後述するが、本実施形態に係るスロットマシン1は、BBゲームの終了後に、所定の停止出目を出現させるための操作方法等を報知するアシストタイム(以下、「AT」と称す。)といった遊技状態に移行することが可能なように構成されている。なお、ここでいう、通常の遊技状態とは、BBゲーム、RTゲーム、ATゲームといった特別なゲームを行っていない遊技状態をいう。
本実施形態において、上記ATゲームは、BBゲームが終了したときにAT抽選が行われ、当該抽選に当選した場合、BBゲームの終了後、所定回数のゲームに亘って実行されるように構成されている。また、本実施形態では、ATゲームが終了したときに、さらに所定回数のゲームに亘り、継続してATゲームを実行するか否かを決定するための継続抽選が行われるようになっている。
上記ATゲームでは、後述する、「ベル」に当選している場合、液晶表示装置41に、各リールストップスイッチ11,12,13を押下する順番(以下、「押し順」と称す)を報知し、遊技者が、この押し順に従って各リールストップスイッチ11,12,13の停止操作を行った場合に限り、ベル図柄を揃えることが可能となっている。このように、ATゲームでは、容易にベル図柄を揃えることができるため、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となっている。なお、上記液晶表示装置41が特許請求の範囲に記載の「遊技情報報知手段」に該当する。
図3は、スロットマシン1に設けられている制御システムを説明するためのブロック図である。制御システムは、主としてメイン制御基板300、サブ制御基板400、中央表示基板200、リール基板100、電源装置基板500、サイドランプ5a,5b、スピーカ33a,34a,50a,51a、液晶表示装置41等を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
メイン制御基板300には、メインCPU301、乱数発生器302、メインROM303、メインRAM304、I/F(インタフェース)回路305等が設けられている。
メインCPU301は、メインROM303に予め記憶されているシステムプログラムやスロットマシンゲーム用のプログラム等を読み込み、ゲームの進行に合わせた所定の演算処理を行って、サブ制御基板400、リール基板100、中央表示基板200、電源装置基板500等に対する分散制御を行うための所定のコマンドを出力する。例えば、メインCPU301は、BBゲームが開始されることを示すBBゲーム開始コマンドおよびBBゲームが終了することを示すBBゲーム終了コマンドをサブ制御基板400に出力する。上記BBゲーム開始コマンドはBB図柄が有効ライン上に揃った際に、また、上記BBゲーム終了コマンドは所定のBBゲーム終了条件が成立した際に、出力されるように構成されている。なお、上記メインCPU301が、特許請求の範囲に記載の「内部当選役
決定手段」、「停止制御手段」および「判定手段」に該当する。
乱数発生器302は、役抽選のための乱数を発生させるものであり、電源が投入されている間、常時0〜65535の数値を発生させ、所定の契機(遊技者の操作)に基づいて1つの数値が乱数値として出力される。
メインROM303は、システムプログラムやスロットマシンゲーム用のプログラム等を記憶しているものであり、役の抽選処理に用いる役抽選テーブルや、回転リールの停止制御に用いる停止位置決定テーブル等を記憶している。
メインRAM304は、メインCPU301によって実行されるシステムプログラム、スロットマシンゲーム用のプログラムや、メインCPU301による演算結果等を一時的に記憶する。
I/F(インタフェース)回路305は、サブ制御基板400、中央表示基板200、リール基板100、電源装置基板500間でのコマンドの送受信を行う。なお、上記サブCPU412と、サブRAM414とが、それぞれ特許請求の範囲に記載の「図柄変動手段」、「遊技情報報知制御手段」、「特定状態制御手段」、「乱数抽出手段」、「遅延時間決定手段」、「乱数生成開始手段」および「初期値決定手段」と、「乱数記憶手段」とに該当する。
サブ制御基板400は、主として演出を制御するものであり、演出制御基板410と画像音響生成基板420とを有している。演出制御基板410は、主として演出時にサイドランプ5a,5bや演出用ランプ44〜46を点灯させる制御を行うものであり、I/F(インタフェース)回路411、サブCPU412、サブROM413、サブRAM414、第1乱数発生器417、第2乱数発生器418を有している。
I/F(インタフェース)回路411は、メイン制御基板300のI/F(インタフェース)回路305からのコマンドの受信を行う。サブCPU412は、サブROM413に予め記憶されている演出用のプログラム等を読み込み、メイン制御基板300からの演出開始を示すコマンド、または、演出ボタン検出スイッチ20a等の入力信号に基づいて所定の演算を行い、その演算結果を画像制御IC421や音源IC424に与える。
I/F(インタフェース)回路411は、メイン制御基板300のI/F(インタフェース)回路305からのコマンドの受信を行う。サブCPU412は、サブROM413に予め記憶されている演出用のプログラム等を読み込み、メイン制御基板300からの演出開始を示すコマンド(以下、「演出開始コマンド」と称す)、または、演出ボタン検出スイッチ20a等の入力信号に基づいて所定の演算を行い、その演算結果を画像制御IC421や音源IC424に与える。
サブROM413は、演出用のプログラム、演出で用いる画像や音声に関するプログラムやデータ(主としてキャラクタ等の画像のデータや音声データ)等を記憶しているものであり、ATゲームを行うか否かの抽選処理に用いるAT抽選テーブル、ATゲームを継続して行うか否かの抽選処理に用いるAT継続抽選テーブル、ATゲームを行うゲーム数を決定する際に用いられるATゲーム数抽選テーブル等を記憶している。
AT抽選テーブルには、例えば、図17に示すように、「当選1」、「当選2」、「当選3」、「ハズレ」ごとに当たり値が設定され、後述する第1乱数発生器417により取得される乱数値に基づいて、サブCPU412により、上記「当選1」、「当選2」、「当選3」、「ハズレ」の何れかに当選したかが判定されるようになっている。なお、上記第1乱数発生器417が特許請求の範囲に記載の「乱数生成手段」に該当する。
サブCPU412は、上記判定の結果が、「当選1」、「当選2」、「当選3」の何れかである場合、BBゲームの終了後にATゲームを行うように制御し、「ハズレ」である場合、ATゲームを行わないように制御する。
サブCPU412は、上記のような判定の結果、「当選1」、「当選2」および「当選3」の何れかに当選したと判定した場合、これら「当選1」、「当選2」、「当選3」のそれぞれに対応した「当選1フラグ」、「当選2フラグ」、「当選3フラグ」を、サブRAM414に設けられる所定のフラグ記憶領域に記憶する処理(該当するフラグをON(=1)とする処理)を行う。
AT継続抽選テーブルには、例えば、図18に示すように、サブRAM414に記憶された「当選1フラグ」、「当選2フラグ」、「当選3フラグ」に対応して、それぞれ「当選1」、「当選2」、「当選3」、「ハズレ」の当たり値が設定されている。
例えば、AT継続抽選を行う際、サブRAM414において「当選1フラグ」がONとなっている場合には、後述する第1乱数発生器417により取得される乱数値、および、AT継続抽選テーブルの「当選1フラグ」に対応して記憶される「当選1」、「当選2」、「当選3」、「ハズレ」の当たり値に基づいて、サブCPU412により、「当選1」、「当選2」、「当選3」、「ハズレ」の何れかに当選したかが判定されるようになっている。
同様に、サブRAM414において「当選2フラグ」(「当選3フラグ」)がONとなっている場合には、第1乱数発生器417により取得される乱数値、および、AT継続抽選テーブルの「当選2フラグ」(「当選3フラグ」)に対応して記憶される「当選1」、「当選2」、「当選3」、「ハズレ」の当たり値に基づいて、サブCPU412により、「当選1」、「当選2」、「当選3」、「ハズレ」の何れかに当選したかが判定されるようになっている。
サブCPU412は、AT継続抽選の判定結果が、「当選1」、「当選2」、「当選3」の何れかである場合、ATゲームの終了後に、継続してATゲームを行うように制御し、「ハズレ」である場合、ATゲームを行わないように制御する。
サブCPU412は、AT継続抽選の結果、「当選1」、「当選2」および「当選3」の何れかに当選した場合、上記AT抽選の場合と同様、これら「当選1」、「当選2」、「当選3」のそれぞれに対応する「当選1フラグ」、「当選2フラグ」、「当選3フラグ」をサブRAM414に設けられる所定のフラグ記憶領域に記憶する処理を行う。
本実施形態では、図18に示すように、サブRAM414に、「当選1フラグ」が記憶されている場合の方が、「当選2フラグ」または「当選3フラグ」が記憶されている場合よりも、AT継続抽選においてハズレ難くなっている。また、サブRAM414に、「当選2フラグ」が記憶されている場合の方が、「当選3フラグ」が記憶されている場合よりも、AT継続抽選においてハズレ難くなっている。
ATゲーム数抽選テーブル(図示省略)には、例えば、「10回」、「30回」、「50回」等の複数のゲーム数が記憶されているとともに、これらゲーム数のそれぞれに当たり値が設定されている。このように構成されたATゲーム数抽選テーブルでは、第2乱数発生器418から取得された乱数値に基づいて、サブCPU412により、「10回」、「30回」、「50回」の何れかに当選したかが判定されることとなる。なお、上記第2乱数発生器418が特許請求の範囲に記載の「乱数生成手段」に該当する。
サブRAM414は、サブCPU412によって実行される演出用のプログラムや、サブCPU412による演算結果等を一時的に記憶するとともに、画像データを合成して生成させるための作業エリアとして機能する。また、このサブRAM414には、所定のフラグを記憶する領域(上述した当選1フラグ記憶領域、当選2フラグ記憶領域、当選3フラグ記憶領域、ATゲーム開始フラグ記憶領域、ATゲーム中記憶領域等)や、ATゲーム数を記憶するATゲーム数記憶領域等が設けられている。
また、本実施形態において、サブRAM414には、所定のタイミングで取得された、第1乱数発生器417の乱数値および第2乱数発生器418の乱数値を記憶する乱数値記憶領域が設けられている。
詳しくは後述するが、サブCPU412は、電源スイッチ511がOFF操作され、電源供給装置512から供給される電源電圧が所定の電源電圧まで低下したときや、不正に(LOWレベルの)リセット信号が入力されたときに、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418のそれぞれにおいて更新されている乱数値を取得して、これら乱数値を乱数値記憶領域に記憶するように構成されている。
第1乱数発生器417は、演出抽選のための乱数を発生させる、主としてカウンタからなり、電源が投入されている間、常時0〜16383の数値を発生させ、I/F(インタフェース)回路305、I/F(インタフェース)回路411を介して送信される、メイン制御基板300からのコマンドに基づいて1つの数値が乱数値として出力される。
詳しくは後述するが、サブCPU412は、回胴装置110においてBB図柄が揃ったときに、メインCPU301から送信されるBBゲーム開始コマンドを受信し、このコマンドの受信に伴って、第1乱数発生器417からAT抽選を行うための乱数値を取得する。
また、サブCPU412は、ATゲームを開始する際に、当該ATゲームのゲーム回数を決定するための乱数値、および、当該ATゲームの終了後に、継続してATゲームを行うか否かのAT継続抽選を行うための乱数値を、第1乱数発生器417から取得する。
第2乱数発生器418は、ATゲームのゲーム回数を決定するための乱数を発生させるものである。この第2乱数発生器418は、上記第1乱数発生器417と同様、主としてカウンタからなり、電源が投入されている間、例えば、常時0〜99の乱数を発生させ、サブCPU412からのコマンド等に基づいて1つの数値が乱数値として出力される。
画像音響生成基板420は、主として演出時に表示や音を制御するものであり、画像制御IC421、音源IC424、アンプ426を有している。
画像制御IC421は、サブROM413から画像に関するプログラムやデータを読み込み、液晶表示装置41に画像を表示させるための画像データを生成する。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、サブCPU301によって、ATゲームを実行することが決定され、且つ、「リプレイ」や「ベル」に当選している場合、液晶表示装置41に、各リールストップスイッチ11,12,13を押下する順番を報知するように構成されている。
音源IC424は、サブROM413から音声に関するプログラムやデータを読み込み、スピーカ33a,34a,50a,51aを駆動させるための音声信号を生成する。この音声信号は、アンプ426によって増幅され、スピーカ33a,34a,50a,51aに出力されるようになっている。
中央表示基板200には、ベットスイッチ7、MAXベットスイッチ8、精算スイッチ9、スタートスイッチ10、左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13、設定スイッチ15、セレクタ16が接続されている。なお、上記スタートスイッチ10と、左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12および右リールストップスイッチ13とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「停止操作検出手段」と、「開始操作検出手段」とに該当する。
ベットスイッチ7は上述したようにメダルを1枚ずつベットするものであり、MAXベットスイッチ8は上述したようにメダルを一度に3枚ベットするものである。
精算スイッチ9は、メダルの投入や、小役等の入賞により獲得したメダルをスロットマシン1内で貯留し、その貯留されたメダルをスロットマシン1外へ払い出させるためのスイッチである。
スタートスイッチ10は、上述したように各リール111,112,113を一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチである。左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13は、上述したようにそれぞれ左リール111、中リール112、右リール113を停止させるためのものである。
設定スイッチ15は、上述したように、スロットマシン1の出玉率(メダルの払出率)を決定する際の設定値を変更する場合に操作されるものである。
セレクタ16は、上述したようにメダル投入部6より投入される投入物に対し正規のメダルか異物かを判別して振り分けるとともに、遊技待機中等でのメダル受付時(スロットマシン1がメダルの投入受け付けを許可する状態)に、メダルの検出に併せてメダルの受け付けを行うものである。
リール基板100には、左リールモータ101、中リールモータ102、右リールモータ103、左リールセンサ121、中リールセンサ122、右リールセンサ123、外部集中端子板190、ドアスイッチ4aが接続されている。
左リールモータ101、中リールモータ102、右リールモータ103は、それぞれ左リール111、中リール112、右リール113の加速、減速、停止を行うステッピングモータである。左リールセンサ121、中リールセンサ122、右リールセンサ123は、それぞれ左リール111、中リール112、右リール113の回転角度位置を検出するものである。
外部集中端子板190は、メダル払出、メダル投入等の遊技情報に関する信号と、ドア開放、設定変更、投入エラー、払出エラー等のセキュリティに関する信号とを受信し、ホールコンピュータに出力するものである。ドアスイッチ4aは、ドア開閉スイッチ信号を送信するものである。
電源装置基板500には、ホッパ装置520、電源スイッチ511、リセットスイッチ540、設定変更有効化スイッチ550が接続されている。ホッパ装置520は、上述したようにゲームの入賞に応じてメダルの払い出しを行うものである。
電源スイッチ511は、スロットマシン1全体に電源を供給する際に操作するものである。
リセットスイッチ540は、エラー信号等の出力を停止させ、エラー状態から復旧させるためのリセットスイッチ信号を出力する。
設定変更有効化スイッチ550は、上述した設定スイッチ15の操作を有効化するための設定変更有効化信号を送信する。
ここで、スロットマシン1に設けられている電源供給システムについて、図4を参照して説明する。
本実施形態における電源供給システムは、主として、電源装置510、メイン制御基板300、サブ制御基板400を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
図4に示すように、電源装置510は、スロットマシン1の外部から供給されるAC(交流)24Vの電源から所要の直流電源を生成する装置であって、主電源を手動操作によりONとOFFとに切換え可能な電源スイッチ511と、電源供給装置512と、電源監視装置513、バックアップ用コンデンサ514とを備えている。
電源供給装置512は、電源スイッチ511を介して入力されたAC(交流)24VからDC(直流)24Vを生成するとともに、メイン制御基板300やサブ制御基板400等に供給するDC32V、DC12V、DC5Vを生成し、これら生成された電源電圧を、バックアップ用コンデンサ514、メイン制御基板300やサブ制御基板400に供給する。
電源監視装置513は、電源供給装置512からメイン制御基板300やサブ制御基板400等に出力される電源電圧(以下、「供給電圧」と称す)を監視する装置である。具体的に、電源監視装置513は、電源スイッチ511のOFF操作や停電等により、供給電圧が所定の電源電圧まで低下したとき(例えば、DC32VがDC20Vまで低下したとき)、電源の供給が停止されたことを示す電源供給停止信号(LOWレベルの信号、図22参照)をメイン制御基板300やサブ制御基板400に出力する。一方、電源監視装置513は、電源スイッチ511のON操作より、供給電圧が所定の電圧値まで上昇したとき、電源の供給が開始されたことを示す電源供給開始信号(HIレベルの信号、図22参照)をメイン制御基板300のNMI端子およびサブ制御基板400のNMI端子に出力するように構成されている。
バックアップ用コンデンサ514は、主電源が断たれた場合であっても、所定期間、メイン制御基板300のメインRAM304およびサブ制御基板400のサブRAM414にDC5Vの電源を供給することが可能なように構成されたものである。このため、主電源が断たれた場合であっても、メインRAM304およびサブRAM414に記憶されている情報が、継続して記憶保持されるようになっている。
メイン制御基板300とサブ制御基板400とは、それぞれ、リセットIC307およびコンデンサ308と、リセットIC431およびコンデンサ432とを備えている。なお、上記リセットIC431が特許請求の範囲に記載の「リセット信号切替手段」に該当する。
リセットIC307(リセットIC431)は、電源供給装置512から供給される電源電圧が所定の電圧値(本実施形態ではDC4.25V)まで上昇するか、または、所定の電圧値まで低下した場合に、リセット信号を出力することが可能なように構成されたものである。また、このリセットIC307(リセットIC431)には、グランドと接地されたコンデンサ308(コンデンサ432)が電気的に接続され、このコンデンサ308(コンデンサ432)の容量によって、リセット信号の出力されるタイミングを遅延させることが可能となっている。
具体的に、リセットIC307(リセットIC431)は、通常、電源供給装置512から供給される供給電圧(DC5V)が所定の電圧値(本実施形態ではDC4.25V)まで上昇した後、コンデンサ308(コンデンサ432)の容量に応じて設定された遅延時間が経過したときに、メインCPU301(サブCPU412)のリセット端子にリセット信号をHIレベルで出力する。また、リセットIC307(リセットIC431)は、電源供給装置512から供給される供給電圧が上記所定の電圧値まで低下した後、コンデンサ308(コンデンサ432)の容量に応じて設定された遅延時間が経過したときに、メインCPU301(サブCPU412)のリセット端子にリセット信号をLOWレベルで出力するように構成されている。なお、上記HIレベルのリセット信号およびLOWレベルのリセット信号は、上述したように、電源供給装置512から供給される電源電圧の高低によって出力される場合に限られず、例えば、図23に示すように、サブCPU412の動作中に、例えば、不正な操作等により強制的に出力される場合もある(図23参照)。
詳しくは後述するが、メインCPU301は、HIレベルのリセット信号が入力されたとき(例えば、電源スイッチ511がON)に、乱数発生器302を初期化(予め定められた初期値(「0」)から乱数発生器302による乱数カウンタの更新を開始するようにリセット)するとともに、コンデンサ308の容量に応じて設定された遅延時間(t1、図22参照)の経過後に、当該初期値(「0」)から乱数発生器302による乱数カウンタの更新を開始するように制御する。
一方、本実施形態において、サブCPU412は、上述したように、電源供給停止信号が入力されたとき(電源スイッチ511がOFF)に、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418により更新されている乱数をそれぞれ取得して、当該乱数の値をサブRAM414に記憶する一方、HIレベルのリセット信号が入力されたとき(例えば、電源スイッチ511をON)後、コンデンサ432の容量に応じて設定された遅延時間(t2、図22参照)およびサブRAM414に記憶されている乱数値に基づいて算出された遅延時間(t3、図22参照)の経過後に、サブRAM414に記憶されている乱数の値から更新を開始するように構成されている。
以上、スロットマシン1の内部構成例を説明した。かかる構成を有するスロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態でスタートスイッチ10を操作すると左リール111、中リール112、右リール113が回転し、この後、遊技者が左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13を操作すると、対応する各リール111,112,113の停止制御が行われる。そして、全てのリール111,112,113が停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
以下では、上記のスロットマシン1によって行なわれるゲームの遊技性を、より特徴的に具現化するための制御について、より詳細に説明する。
まず、スロットマシン1における図柄および当選役について、図5〜図7を用いて説明する。
図5は、表示窓21および表示窓21に表示される図柄の部分拡大図であり、図6は、スロットマシン1における各当選役の配当表(各当選役により付与される遊技特典の説明を示した表)である。また、図7は、各リール111,112,113に付されたリール帯の図柄列を示す配列図である。
[リールの図柄]
各リール111,112,113には、図7に示すように、複数種類(例えば、9種類)の図柄が一定間隔に配されることで構成された図柄列(例えば、21個の図柄が配された図柄列)が表記されたリール帯151,152,153(具体的には、左リール帯151、中リール帯152、右リール帯153)がそれぞれ付されている。
そして、図5に示すように、各リール111,112,113が停止状態となったときに、表示窓21内には各リール帯151,152,153の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が視認可能となるように配置されている。
各リール帯に配された複数種類の図柄には、「白7」図柄(以下では白7図柄という)、「赤7」図柄(以下では赤7図柄という)、および「青7」図柄(以下では青7図柄という)が含まれている。これらの図柄は数字の「7」を模った図柄となっており、それぞれ、白7図柄は図柄全体が白で塗りつぶされており、赤7図柄は図柄全体が赤で塗りつぶされている。また、青7図柄は、図柄全体が青で塗りつぶされている。
上記白7図柄、赤7図柄及び青7図柄は、他の図柄に比べて大きい図柄となっており、また、白、赤及び青などの比較的目立ちやすい色が施されていることから、他の図柄に比べて視認しやすくなっている。
また、複数種類の図柄には、上記各7図柄およびBAR図柄の他、ベル(鐘)を模った図柄である「ベル図柄」、スイカ(西瓜)を模った図柄である「スイカ図柄」、チェリー(さくらんぼ)を模った図柄である「チェリー図柄」、および、「RP」という文字を模った図柄である「リプレイ図柄」がある。例えば、これらの図柄は、リール帯151,152,153に少なくとも1つ以上が配されている。図7では、リール帯151,152,153における、白,赤,青の各「7図柄」、および「ベル図柄」の配置について示している。なお、配列番号(図7中において、1〜21で示す)とは、リール帯上において図柄が配置された位置を示す番号であり、以下では、必要に応じて、リールの種別(左、中、右のいずれか)および配列番号を用いて図柄の説明をする。例えば、左リール111における4番の図柄といえば、リール帯151における配列番号4番の図柄、すなわち「青7図柄」のことをいい、中リール112における9番の「赤7図柄」といえば、リール帯152における配列番号9番の図柄(「赤7図柄」)を指す。また、左リールに「ベル図柄」が多数(9個)配置されていることについての詳細な説明は後述する。
[有効ライン]
図5(a)は、表示窓21を中心として、パネル20を部分的に拡大したところを示している。表示窓21からは、各リール111,112,113の図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。ここで連続する3つの図柄が表示されている位置を上から「上段(または上段位置)」、「中段(または中段位置)」、「下段(または下段位置)」という。例えば、図5において、赤7図柄は上段に表示されており、青7図柄は中段に、そして白7図柄は下段に表示されているということになる。このように、表示窓21内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。本実施形態のスロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より、表示窓21内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
パネル20には、図示しないBETランプが備えられており、このBETランプとは、投入されたメダルのベット数に応じて、例えば、「BET1」,「BET2」,「BET3」というランプを点灯させるものである。なお、「BET1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「BET2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「BET3」は3ベット(MAXベット、掛けたメダルの枚数は3枚)のようにそれぞれベット数に対応している。
なお、本実施形態におけるスロットマシン1では、3ベット(MAXベット)にて1回のゲームを行うものとしている。
そして、各リール111,112,113が全て停止状態となったときに、後述する所定の当選役に対応する図柄が揃ったと判定される組み合わせ(直線型となる組み合わせ、直線型以外となる組み合わせ)が、有効ラインとして予め決められている。所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が表示窓21内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、スロットマシン1における有効ラインについて図5(b)〜図5(e)を用いて説明する。有効ラインには、図5(b)に示す、左リールの上段位置、中リールの中段位置および右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びとなる有効ライン171(以下、「右下がりライン171」という)と、図5(c)に示す、左リールの下段位置、中リールの中段位置および右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン172(右上がりライン172)と、の2つの直線型となる有効ラインがある。
また、図5(d)に示す、左リールの上段位置、中リールの中段位置および右リールの上段位置を繋いだ「上段−中段−上段」となるV字形を成す有効ライン173(以下、「V字ライン173」という)と、図5(e)に示す、左リールの下段位置、中リールの中段位置および右リールの下段位置を繋いだ「下段−中段−下段」となる逆V字を成す有効ライン174(逆V字ライン174)と、の2つの非直線型(直線型以外)となる有効ラインがある。
なお、有効ラインは上記のような直線型や非直線型に限られることはない。また、1回の遊技におけるベット数は、1ベット以上であれば遊技が開始可能とする形態であっても、MAXベットのみで遊技が開始可能となる形態であってもよい。さらには、ベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様であってもよいし、ベット数に拘らず有効ラインが固定される(例えば、1ベットでもMAXベットでも常に上記4つの有効ラインの全てが有効となる)態様であってもよい。
また、パネル20には、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールスタッフなども含む)に知らせるエラーランプ、ベット数が遊技を開始するのに可能なベット数(3ベット)に達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者にスタートスイッチ10の操作を促すスタートランプ、遊技結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技ができることを遊技者に知らせるリプレイランプ(いずれも図示しない)等が備えられている。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(いわゆる入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて、図6および図7を用いて具体的に説明をする。図6は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典(払い出し枚数等、以下では遊技特典という)を示したものである。なお、この図6は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)としてパネル20等に表記するものとしてもよい。
前述したとおり、各リール111,112,113には、それぞれリール帯151,152,153が付されている。そして、リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示窓21内に表示されることの無いものとなっている。なお、表示窓21内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、左リール111、中リール112、右リール113の全て(以下「全てのリール」という)を停止させた際に、表示窓21内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、表示窓21内において、いずれか1つ以上の有効ラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
本実施形態では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか1つ以上の有効ライン上に表示されることを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは、当選役図柄が揃うという。
スロットマシン1の図柄には、「白7図柄」、「赤7図柄」、「青7図柄」、「ベル図柄」、「スイカ図柄」、「チェリー図柄」および「RP図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「白7図柄」、「赤7図柄」及び「青7図柄」は、他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。
これに対して、「ベル図柄」、「スイカ図柄」、「チェリー図柄」、「RP図柄」は目立ちにくく、特にリールの回転中には、識別しにくい(識別困難な)図柄となっている。すなわち、遊技者がこれらの図柄を識別するためには、後述する「目押し」技術等に代表されるように動体視力の高さが要求される。したがって、これらの図柄を識別して、なおかつ、狙って表示窓21内に停止させようとするには、相当の熟練者(遊技に習熟した遊技者)でも精度の高い「目押し」技術を必要とする。言い換えれば、遊技に不慣れな初心者をはじめ、初心者に比べて「目押し」技術は高いものの熟練者とまではいえない中級程度の「目押し」技術を持った遊技者では、リールの回転中に、これら「ベル図柄」、「スイカ図柄」、「チェリー図柄」、「RP図柄」を識別することは困難なものとなっている。
図7は、左リール111、中リール112、右リール113に付されたそれぞれのリール帯151,152,153に、上記識別しやすい図柄(「白7図柄」、「赤7図柄」および「青7図柄」)、並びに「ベル図柄」が表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す説明図である。これらの識別しやすい図柄のうち、「赤7図柄」および「青7図柄」については、各リール111,112,113に1つしか配置されておらず、「白7図柄」については、左リール111に2つのみ配置されているが、中リール112、右リール113には1つしか配置されていない。加えて色彩も白、赤および青と他の図柄に比べて視認しやすい。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
また、上記識別しにくい図柄のうち、「ベル図柄」については、各リール111,112,113に少なくとも3つ以上配置されている(具体的には、図示のように、左リール111には9つ、中リール112には5つ、右リール113には3つ、それぞれ配置されている)。
上記した各図柄はそれだけでは象徴的な図柄に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、図柄1つだけでは当選役に対応しない。ただし、後述するとおり、当選役がチェリーの場合は図柄一つだけで当選役に対応する。以下、図6に示された当選役、および、該当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス]
図6において、BBと示されている当選役が、ビッグボーナス(以下「BB」という)である。このBBには、対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として以下の5種類が予め決められている。すなわち、
「白7図柄−白7図柄−白7図柄」
「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」
「青7図柄−青7図柄−青7図柄」
「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」
「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」
が予め決められている。これらの組み合わせのいずれかが1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったことになる。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定枚数のメダル(例えば、300枚)を賞として払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、スロットマシン1においては、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を果たすことになる。また、BB図柄は、特にリール112,113にそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図7参照)、BB図柄を表示窓21内に正確に狙って停止操作を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、すなわち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技術(または技量、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技術が高ければ、目的の図柄を狙った位置(例えば、表示窓21内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。
一方、遊技者の「目押し」の技術が低ければ、目的の図柄を狙った位置に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
また、BBは「BB1」〜「BB5」にさらに分けられており、これらはそれぞれ別々のBBとして区別されている。すなわち、「BB1」〜「BB5」にはそれぞれ別々の当たり値が対応づけられている(後述する図10参照)。なお、以下では、BBと呼称する場合には、「BB1」〜「BB5」の全てを含むものとし、それ以外の場合には「BB○(○には1〜5のいずれか該当する番号が入る)」というようにBBの種類のうちのいずれかを指すものとする。
スロットマシン1では、「BB1」〜「BB5」までのそれぞれのBBゲームにおいて獲得可能なメダル総数はほぼ同数となる。したがって、「BB1」〜「BB5」のいずれに当選しても同じ内容のBBゲームが行われる。
[リプレイ]
図6において、リプレイと示されている当選役には、対応する図柄(リプレイ図柄)の組み合わせ態様として「RP図柄−RP図柄−RP図柄」が予め決められている。
リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームにおいては、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく(例えば、自動的にベットされる等)、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームにおける有効ライン数と同じとなる。
このように、リプレイ図柄が揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(ベット操作する)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。したがって、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述する)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役を設けることで、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができる。
なお、図7等において特に図示はしないが、本実施形態においてリプレイ図柄は、各リール111,112,113にそれぞれ満遍なく配置する。例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする。このようにすると、後述するリール停止制御により、リプレイ図柄は目押しの必要なく揃えることができるものとなる。また、スロットマシン1では、左リール111及び右リール113については、上段位置または下段位置のいずれかに表示させればよいため、左リール及び右リール113については、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄を最大でも6個までとすることが可能である。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
なお、本実施形態において、「当選」とは抽選により所定の当選役が選び出されたことを意味し、当該抽選に当選したことを条件に、当該当選役図柄を有効ライン上に揃えることが可能となる。ただし、前述したように「目押し」に失敗すると、たとえ抽選に当選したとしても当該当選役図柄が有効ライン上に揃わない場合がある。これを「取りこぼし」という。
[ベル]
図6において、ベルと示されている当選役には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、「白7図柄−ベル図柄−ベル図柄」、「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」、「青7図柄−ベル図柄−ベル図柄」が予め決められている。ベルに当選となった場合には、これらのいずれの組み合わせでも揃えることが可能となる。そして、左リール111において、ベル図柄は9つ配置されているとともに、左リール111におけるベル図柄は、上段位置および下段位置に2つのベル図柄が表示されうる配置となっている。例えば、1番から5番のベル図柄においては、1番のベル図柄が下段位置に表示されるときには、3番のベル図柄が上段位置に表示される。また、3番のベル図柄が下段位置に表示されるときには、5番のベル図柄が上段位置に表示される。同様のことは、8番〜12番におけるベル図柄、15番〜19番におけるベル図柄についてもいえることである。これにより、左リール111において、ベル図柄が上段位置および下段位置にともに表示されることとなった場合には、2つの有効ライン上(例えば、有効ライン171および有効ライン174)に、ベル図柄が揃う可能性があることとなる。
ベル図柄が揃うと、規定枚数(例えば、6枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームが終了したときに行われる。つまり、ベル図柄が揃うと6枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。
ここで、ベルには、ベル1、ベル2、ベル3、ベル4、ベル5の5種類が設けられており、これらのベル1〜ベル5は、それぞれリールの押し順(停止操作手順のこと、以下「押し順」という)に対応した当選役となっている。すなわち、当該当選したベルに対応する押し順に従った操作が行われたときには、左リール111において、上段位置および下段位置にベル図柄を表示させることが可能となっている。例えば、ベル1に当選した場合、左リール111⇒中リール112⇒右リール113という押し順に従ったときには、左リール111において、「配列番号1番のベル図柄および配列番号3番のベル図柄および配列番号5番のベル図柄」を下段位置および上段位置に、または「配列番号8番のベル図柄および配列番号10番のベル図柄および配列番号12番のベル図柄」を下段位置および上段位置に、または「配列番号15番のベル図柄および配列番号17番のベル図柄および配列番号19番のベル図柄」を下段位置および上段位置に表示させるリール停止制御が行われる。これにより、2つの有効ライン(例えば、有効ライン171および有効ライン174)に重複してベル図柄が揃っていると判定される。したがって、このときの払い出し枚数は、
〔 6枚×2=12枚 〕
となる。
一方、当該当選したベル(ベル1〜ベル5のいずれか)に対応しない押し順を行った場合には、左リール111において、上段位置および下段位置の一方にのみベル図柄または白7図柄、赤7図柄、青7図柄のいずれかを表示させるリール停止制御が行われる。これにより、1つの有効ライン(例えば、有効ライン172)のみにベル図柄が揃っていると判定される。したがって、このときの払い出し枚数は、
〔 6枚×1=6枚 〕
となる。
なお、中リール112及び右リール113においてはベル図柄が満遍なく配置されている。上記したリプレイ図柄と同様に、中リール112については、ベル図柄からベル図柄までの間に他の図柄が最大でも4個まで配置され、右リール113については、ベル図柄からベル図柄までの間に他の図柄が最大でも6個まで配置されるものとしている。すなわち、ベル図柄を揃えるにあたって、少なくとも1つの有効ライン上に揃えることについては、取りこぼしは生じないものとなっている。
なお、以下では、ベルと呼称する場合には、ベル1〜ベル5を全て含むものとする。
[スイカ]
また、図6においてスイカと示されている当選役には、対応する図柄(スイカ図柄)の組み合わせ態様として「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が予め決められている。
スイカ図柄が揃うと、ベル図柄が揃った場合と同じ規定枚数(例えば、6枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと6枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。
このように、ベル、および、スイカはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、ベル、および、スイカに当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBに当選しなくともメダルが増加してしまう虞がある)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、ベル、および、スイカという当選役には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイと同程度若しくはそれ以下となるよう当選確率を抑えている。なお、スイカ図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール111,112,113に満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない(図7等において特に図示はしない)。
[チェリー]
図6において、チェリーと示されている当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。また、チェリー図柄については、「ANY−ANY−チェリー図柄」というように、有効ライン上にチェリー図柄が1つ表示されるだけで(この例では、右リール113の上段位置・下段位置のいずれかに停止するのみで)、チェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、1枚)のメダルの払い出しが行われる。
したがって、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、スロットマシン1では、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお、本実施形態では上記でいう「少なくとも1つのリール」を右リール113としている。
ここで、本実施形態では、前述した有効ライン(図5参照)から明らかなように、右リール113におけるチェリー図柄が、上段位置および下段位置に表示された場合、2つの有効ライン(この場合、有効ライン172および有効ライン173、あるいは有効ライン171および有効ライン174)に重複してチェリー図柄が揃っていると判定される。したがって、このときの払い出し枚数は、
〔 1枚×2=2枚 〕
となる。すなわち、チェリー図柄が揃ったと判定される場合には、常に2つの有効ラインに重複して揃っていると判定されるため、チェリー図柄が揃った場合には、常に2枚の払い出しがあることとなる。
また、チェリーについても、前述のベルおよびスイカと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイと同程度若しくはそれ以下となるよう当選確率を抑えている。
なお、チェリー図柄については、前述のリプレイ図柄等とは異なり、各リール111,112,113(特に、右リール113)に偏った配置とすることにより、目押しをしなければ確実に揃えることができない図柄とすることも可能である。例えば、右リール113にチェリー図柄を1つだけ配置するようにして、目押しをしなければ揃えることが困難とすることなどである(図7等において特に図示はしない)。
また、前述したベル、スイカおよびチェリーはいずれもメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。すなわち、小役図柄が揃った場合には、規定枚数のメダルの払出しが行なわれ、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、ベル、スイカおよびチェリーを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けてもよい。例えば、ベル図柄、スイカ図柄およびチェリー図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別することなどである。
[ハズレ]
図6に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。そして、本実施形態では、ボーナス図柄(BB図柄)の組み合わせが複数種類あり、それぞれ目押しをしなければ揃えることができないものとなっている。したがって、遊技者はいずれのボーナス図柄が揃うのかを試行錯誤しながら遊技を行うことが可能となる。
なお、図柄や図柄の組み合わせ態様は、上記図柄および上記図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。例えば、上記図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。また、各リール帯151,152,153に配置される図柄の数も21個に限らない。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン制御基板300にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。なお、以下の処理は、特に説明がない限り、メインCPU301が実行するものである。図8は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を示している。
(ステップS1)
先ず、ステップS1において、メインCPU301は、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
(ステップS2)
次のステップS2において、メインCPU301は、メダル投入部6から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットスイッチ8(あるいはベットスイッチ7)の押下操作により掛け数を決定するとともに、スタートスイッチ10の操作待ちの状態とする。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、スタートスイッチ10の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。
(ステップS3)
ステップS3において、メインCPU301は、上記ステップS2において操作待ちの状態となったスタートスイッチ10の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4において回転を開始する全てのリール111,112,113が停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること、または所定時間経過後に自動的にリールの停止制御を行い停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
なお、メインCPU301の実行する内部抽選処理が、特許請求の範囲に記載の「内部当選役決定手段」に該当する。
(ステップS4)
次にステップS4において、メインCPU301は、上記ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール111,112,113の回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール111,112,113の回転が開始された時点で左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13の押下操作を有効とし、各リールストップスイッチ11,12,13が有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リールストップスイッチ11,12,13にそれぞれ内蔵されるランプである。また、全てのリール111,112,113が回転を開始した後、所定の回転速度に達したことを条件に、リールストップスイッチ11,12,13の押下操作を有効とするものとしてもよい。
(ステップS5)
ステップS5において、メインCPU301は、遊技者による左リールストップスイッチ11、中リールストップスイッチ12、右リールストップスイッチ13の押下操作が受け付けられると、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール111,112,113の回転を停止させるリール停止処理を実行する。
なお、上記リール停止処理を実行するメインCPU301が、特許請求の範囲に記載の「停止制御手段」に該当する。
(ステップS6)
次のステップS6において、メインCPU301は、上記ステップS5において全てのリール111,112,113の回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記ステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
(ステップS7)
ステップS7において、メインCPU301は、上記ステップS6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典の付与を実行する。すなわち、この払出処理には遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典を付与する処理(以下「遊技特典付与処理」という)も含まれている。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。したがって、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。
[始動処理]
以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。図9は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
(ステップS101)
まずステップS101において、メインCPU301は、メダルの投入またはベットスイッチ7、MAXベットスイッチ8の操作が有ったか否かを判定する。このとき、ベット操作またはメダル投入が有ったと判定された場合には、ステップS102に処理を移し、ベット操作またはメダル投入がないと判定された場合には、ステップS105に処理を移す。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる操作が有った場合(すなわち、ベットスイッチ7の操作が3回有った、あるいはMAXベットスイッチ8の操作が有った場合)にのみ満たされるものとしている。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としないため、後述するリプレイゲーム処理においてMAXベットコマンドがメインRAM304に記憶され、このMAXベットコマンドにより、自動的にMAXベット状態にされるものとしている(詳細は後述する)。すなわち、当ステップS101における判定は、MAXベットコマンドがメインRAM304に記憶されている場合にも満たされることとなる。
(ステップS102)
ステップS102において、メインCPU301は、上記ステップS101においてメダル投入が有った場合には、メダル投入コマンドをサブ制御基板400に送信する。また、上記ステップS101において、ベット操作が有った場合には、ベット操作コマンド(クレジット検知コマンド)をサブ制御基板400に送信する。
(ステップS103)
ステップS103において、メインCPU301は、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じたBETランプを点灯させる。
(ステップS104)
ステップS104において、メインCPU301は、スタートスイッチ10の操作入力有効化処理を実行する。ここでは、スタートスイッチ10の操作入力が有効化され、このスタートスイッチ10の操作入力が受け付けられるまで操作入力待ちの状態となり、次のステップS105に処理を移す。
(ステップS105)
次のステップS105において、メインCPU301は、スタートスイッチ10の操作入力が有効化されているか、また有効化されている場合にはスタートスイッチ10の操作入力が受け付けられたか否かを判定する。上記ステップS104においてスタートスイッチ10の操作入力が有効化されている場合には、遊技者によるスタートスイッチ10の操作入力が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS106に処理を移す。
一方、スタートスイッチ10の操作入力が有効化されていないと判定された場合には、メインCPU301は、上記ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
(ステップS106)
ステップS106において、メインCPU301は、上記ステップS105において受け付けられたスタートスイッチ10の操作入力を受けて、スタートスイッチ10の操作入力無効化処理を実行する。すなわち、上記ステップ105においてスタートスイッチ10の操作入力が受け付けられると、それ以降のスタートスイッチ10の操作入力は受け付けられなくなる。また、このとき、メインCPU301は、始動コマンドをサブ制御基板400に送信する。
(ステップS107)
次にステップS107において、メインCPU301は、スタートスイッチ10の操作入力を契機として乱数の抽出を行う。ここで乱数の抽出を行った後、次のステップS108に処理を移す。
なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、スタートスイッチ10の操作入力後直ぐに行ったり、所定時間(例えば0.5秒後など)後に行ったりするなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。なお、本ステップS107において抽出された乱数値のみが後述するフラグ処理(ステップS108)に反映されるものであれば、ステップS108以降においてスタートスイッチ10の操作入力が受け付けられるたびに乱数の抽出を行うものであってよい(ただし、ステップS108以降で抽出された乱数はフラグ処理に反映されない、つまりリールの回転中に抽出された乱数が有った場合、これについては破棄等の処理がなされるものとする)。
(ステップS108)(ステップS109)
ステップS108では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(または合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときONとなった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。例えば、当該当選役がスイカであれば、スイカ当選フラグをONにする、といったことである。
また、ステップS109において、メインCPU301は、当該当選役当選フラグに係るコマンド(当選コマンド)をサブ制御基板400に送信する。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。このゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグ(後述の図10(b)に示される当たり値判定テーブルに基づいて行われるゲーム中フラグ)がある。そして、これらのゲーム状態フラグがOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグがON状態とされる。
一方、ステップS108にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。したがって、成立フラグがハズレフラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記ステップS107および本ステップS108はスロットマシン1の内部において乱数抽選が行われていることから、以下ではこれらのステップS107およびステップS108における処理のことを内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選処理(前述の図8におけるステップS3)に相当する。なお、以下では、必要に応じて、ハズレフラグを含む成立フラグのことを内部抽選フラグという。
(ステップS110)
ステップS110において、メインCPU301は、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前に行われたゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS111に処理を移す。そして、本ステップS110における判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
(ステップS111)
ステップS111において、メインCPU301は、全てのリール111,112,113の回転を開始させる。そして全てのリール111,112,113の回転の速さが一定となると、それぞれのリールストップスイッチ11,12,13の操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者は各リールストップスイッチ11,12,13の押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リールストップスイッチ11,12,13の押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
(ステップS112)
ステップS112において、メインCPU301は、リール回転コマンドをサブ制御基板400に送信する。
(ステップS113)
次にステップS113において、メインCPU301は、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ、始動処理を終了する。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで許容された当選役となる。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで許容された当選役は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)に予め決めている。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、ある当選役『A』(『A』には、各当選役の名称が入る)に対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「『A』に当選した」ということになり、当選役『A』の当選フラグ(A当選フラグ)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及び当選役『A』に対応する乱数値から、『A』の当選確率(当選役『A』が内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。すなわち、当選役『A』の例でいえば、
〔 『A』に対応する乱数値の総個数 / 抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、『A』の当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。したがって、上記当選役『A』の例では、抽出範囲内の乱数値「1」が当選役『A』に対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定されると、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値と呼ばれることもある。
図10および図11は、スロットマシン1の全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示している。なお、これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予めメイン制御基板300(メインROM303)に記憶されているものである。この当たり値判定テーブルは、通常状態、BBゲーム中について、それぞれ、内部抽選確率が異なる複数の当たり値判定テーブルが記憶されている。また、当たり値判定テーブルは、いわゆる設定値(例えば、設定1〜6の6段階)ごとにそれぞれ別々の当たり値判定テーブルを予め定めておくことができる。図10および図11は、設定6の場合の当たり値判定テーブルである。
図10(a)は、通常状態において行われるゲーム(以下「通常ゲーム」と称す)における各当選役およびハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(これを、通常ゲーム判定テーブルという)。そして、図11(a)は通常ゲームにおけるBBの当たり値のみをさらに詳細に示したものである。
すでに説明したが、BBはさらに「BB1」〜「BB5」までの5種類に分けられている。この「BB1」〜「BB5」までのいずれの当選フラグを契機とするBBゲームにおいても、そのゲーム内容(例えば、獲得できるメダル枚数)は同じである。ただし、当該BBゲーム終了後に付加される遊技特典がそれぞれ異なっているものが含まれている(詳細は後述する)。
さらにBBは、それぞれBBのみ当選となる当たり値の範囲(単独当選当たり値という)と、「BB+その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)」双方に当選となる当たり値の範囲(共有当選当たり値)に分けられている。なお、上記その他の当選役として、BBを除く全ての当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)としたが、これに限られない。
また、スロットマシン1では、BBに当選したときはBBの当選フラグ(以下「BB当選フラグ」という)がONされた状態が次ゲーム以降まで持ち越されるものとしている。このため、BBに当選した当該ゲームにおいてBB図柄が揃わなかったとしても、次ゲーム以降においてBB図柄を揃えることが可能となる。一方、その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)に当選したときは、これらの当選フラグが次ゲーム以降に持ち越されることがないので、当選した当該ゲームにおいてのみ当選役図柄を揃えることが可能となる。したがって、抽出乱数値が「BB+その他の当選役」の共有当選当たり値であったとき、BB図柄が当該ゲームにて揃わなかったとしても次ゲーム以降にて揃えることが可能となる一方で、その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)図柄については、当選した当該ゲームにて揃わなかった場合には、次ゲーム以降にて揃えることが不可能となる。
BBの単独当選当たり値は、ベルやリプレイ等の単独当選当たり値と同様に、その該当する当選役1つのみに対応している。すなわち、この図10(a)において、例えば、
抽出乱数値が「1」の場合は、ベル1の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「2300」の場合は、スイカの単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「2800」の場合は、チェリーの単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5000」の場合は、リプレイの単独当選当たり値に該当する。
となる。同様に、図11(a)においては、
抽出乱数値が「2900」の場合は、BB2の単独当たり値に該当する。
抽出乱数値が「2950」の場合は、BB4の単独当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、1つの当選役のみが対応するものである。このような当選役のことを単独当選役という。
一方、BBの共有当選当たり値は、図11(a)において、例えば、
抽出乱数値が「2977」の場合は、BB1+スイカの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「2995」の場合は、BB2+ベル2の共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「3000」の場合は、BB2+チェリーの共有当選当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、複数の当選役が対応するものである。このように、抽出乱数値が共有当選当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図9のステップS108参照)にて、BBと、その他の当選役(つまり、リプレイ、ベル、スイカまたはチェリー)との2つの当選フラグを同時にONにするということである。このような当選役のことを共有当選役という。
なお、抽出乱数値がBBの単独当選当たり値に該当する場合、該当する当選フラグのことをBB単独フラグともいう。また、抽出乱数値がBBの共有当選当たり値に該当する場合、該当する当選フラグのことをBB重複フラグともいう。
そして、BBの当たり値については、単独当選当たり値及び共有当選当たり値を合計(合算)した当たり値の範囲がBB全体の当たり値ということになり、これによりBB全体の当選確率を算出することができる。すなわち、
BB(全体) 130/16384(1/126.03)
というように、BB全体の当選確率が算出される。
一方、図10(b)は、BBゲーム中における各当選役およびハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(これを、「ボーナスゲーム判定テーブル」という)。そして、図11(b)はBBゲームにおけるBBの当たり値のみをさらに詳細に示したものである。ここで、BB重複フラグとなる「BB1」〜「BB5」までには取り消し線が付されているが、これはBB重複フラグであっても、BB以外のその他の当選役、すなわち、スイカ、ベル、チェリーのみ有効となることを示している。したがって、BBを除く当選役の実質的な当選確率は、図10(a)、図10(b)で示す当選確率に加えて、図11(a)においてBB重複フラグとなる当たり値におけるそれぞれの当選役に該当する当たり値も含まれることとなる。
また、図10(b)によれば、BBゲーム中は、BBに加えてリプレイの抽選も行われないことになる。BBゲーム中は、ベルの当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている(当たり値の総数12000個)。したがって、BBゲーム中は、約4回に3回程度はベルに当選することが多くなる。また、ベルの当たり値が増加した代わりに、ハズレに該当する当たり値は大幅に減少(当たり値の総数3548個)している。このため、ボーナスゲーム中は、通常ゲームに比べて極めてハズレとなる可能性が低くなり、ベルの当選により効率よくメダルを獲得することができる。
そして、「BB1」〜「BB5」ゲームにおける当たり値の判定は、全て共通するボーナスゲーム判定テーブル(図10(b))となっている。そして、「BB1」〜「BB5」までのいずれの当選フラグを契機とするBBゲームにおいても、そのゲーム内容は同じものとなる。なお、図10(b)からも明らかなように、ボーナスゲーム判定テーブルではハズレとなる可能性も含まれている。また、BBゲーム中の当選状況、つまりどの小役にどれだけ(回数)当選するかは常に一定とはなりえないため、「BB1」〜「BB5」ゲームのいずれのゲーム内容も同じではあるが、獲得できるメダルの総枚数は若干異なることもありえることになる。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまり各リールストップスイッチ11,12,13の押下操作)待ちの状態となる。まず、リール停止処理の概要について説明する。なお、スロットマシン1では、いわゆる「テーブル方式」によりリールの停止制御についての処理を行うものとしている。
リール停止処理では、まず、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す当選フラグにしたがってリール停止制御テーブル(不図示)が選択される。このリール停止制御テーブルは、内部抽選フラグに応じて、リール111,112,113ごと、また押し順ごとに設けられており、第1リールがいずれのリール111,112,113のいずれとなるかにより選択されるものとなっている。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられることにより第1番目に停止することとなるリールのことをいう。
また、特に当選フラグがベル1〜ベル5に該当する場合には、押し順正解用のリール停止制御テーブルおよび押し順不正解用のリール停止制御テーブルが設けられており、ベル1〜ベル5のそれぞれに対応した押し順に従ったときのみ、左リール111に、押し順正解用のリール停止制御テーブルが選択されるものとなっている。これにより、前述したとおり、押し順が正解したときに限り、左リール111において、ベル図柄が上段位置および下段位置に共に表示されるリールの停止制御が実行される。
そして、各リールストップスイッチ11,12,13の押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる。これらの待ち受け状態で、左リール111、中リール112、右リール113の各リールについて押下操作が受け付けられ、全てのリール111,112,113が停止状態となるまでが本リール停止処理となる。
ここで、リールストップスイッチ11,12,13の押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール111を第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リールストップスイッチ11を第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール113を第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リールストップスイッチ13を第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール112を第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リールストップスイッチ12を第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
以下では、リール停止処理の詳細について、主に「順押し」の停止操作手順に従って、図12を用いて説明する。
(ステップS201)
まず、メインCPU301は、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン制御基板300(メインROM303)に格納されている。
(ステップS202)
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リールストップスイッチ11,12,13の押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる。ステップS202において、メインCPU301は、この待ち受け状態で、左リール111が停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リールストップスイッチ11の押下操作が受け付けられたか否かを判定する。左リール停止フラグLF=0であり、なおかつ、左リールストップスイッチ11の押下操作が受け付けられたと判定された場合、すなわち、「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リールストップスイッチ11が押下されたときには、メインCPU301は、ステップS203に処理を移し、左リール停止フラグLF=0ではない、または、左リールストップスイッチ11の押下操作が受け付けられていないと判定された場合、すなわち、「順押し」以外の停止操作手順に沿って最初(第1番目)のリールストップスイッチ(この場合は、中リールストップスイッチ12または右リールストップスイッチ13が該当する)が押下されたときには、ステップS210に処理を移す。
(ステップS203)
ステップS203において、メインCPU301は、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでは、「順押し」の停止操作手順に従って、左リール111の停止操作が第1番目に受け付けられるので、本ステップS203においては第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。したがって、本ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に処理を移す。
一方、「順押し」以外の停止操作手順による場合には、本ステップS203の判定は満たされず、ステップS208に処理を移す。
(ステップS204)
ステップS204において、メインCPU301は、左リール111について第1リール停止処理(左リール第1リール停止処理)を行う。この左リール第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
また、このとき、当選フラグがベル1に該当する場合には、押し順に従った停止操作となるため、左リール111において、ベル図柄が上段位置および下段位置に共に表示されるリールの停止制御が実行される(押し順正解用のリール停止制御テーブル(不図示)による停止制御が実行される)。ただし、当選フラグがベル2〜ベル5に該当する場合には、押し順に従わない停止操作となるため、左リール111において、ベル図柄、白7図柄、赤7図柄及び青7図柄のいずれか一つが上段位置または下段位置のどちらか一方にのみ表示されるリールの停止制御が実行される(押し順不正解用のリール停止制御テーブル(不図示)による停止制御が実行される)。
(ステップS205)
ステップS205において、メインCPU301は、残りの中リール112、右リール113のリール停止制御テーブルを決定する。例えば、当選フラグがスイカに該当する場合、第1停止リール(この場合は左リール111)における有効ライン上、つまり、表示窓21内の上段位置または下段位置に表示された図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄(スイカ図柄)であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール112、右リール113)の該当当選役図柄(スイカ図柄)を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
また、当選フラグがベル1に該当する場合には、残りのリール(中リール112、右リール113)において押し順正解用のリール停止制御テーブルが選択される。
この点を具体的に説明すると、例えば、第1停止リール(この場合は左リール111)において、表示窓21内の上段位置に、例えば、スイカ図柄が停止したとする。この場合は、右下がりライン171またはV字ライン173のいずれかに当該スイカ図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルが選択される。すなわち、未だ回転中である残りのリール(中リール112、右リール113)に第2番目および第3番目の停止操作が受け付けられたときに、右下がりライン171またはV字ライン173のいずれかに当該スイカ図柄が停止されうるリール停止制御テーブルが選択されることとなる。
同様に、左リール111において、表示窓21内の下段位置に、例えば、スイカ図柄が停止した場合は、残りのリール(中リール112、右リール113)において停止操作が受け付けられたときに、右上がりライン172または逆V字ライン174のいずれかに当該スイカ図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルが選択されることとなる。なお、停止状態となったリールにおいて、表示窓21内に表示される図柄群(3個の図柄)のことを停止目という。
すなわち、「順押し」の停止操作手順では、左リール111のみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。したがって、本ステップS205の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
(ステップS206)
ステップS206において、メインCPU301は、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS207に処理を移す。
(ステップS207)
ステップS207において、メインCPU301は、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に処理を移す。
なお、このとき上記ステップS202〜ステップS207において左リール111の押下操作が受け付けられたことに基づく受付情報(例えば、これを「リール回転停止コマンド」という)が適宜サブ制御基板400に送信される。例えば、上記ステップS202の判定が満たされたときには押下操作の受け付けられた受付位置に係る情報(受付位置情報、例えば「リール停止操作受付コマンド」など)がサブ制御基板400に送信され、上記ステップS206、ステップS207においては停止目に係る情報(停止目情報、例えば「停止目コマンド」など)がサブ制御基板400に送信されるというように、リールストップスイッチ(左リールストップスイッチ11)が押下されたタイミングと、リール(左リール111)が停止状態となったタイミングで、その都度、上記受付情報がサブ制御基板400に送信される。また、「受付位置情報」とはリールの押下操作が受け付けられたタイミング(時点)において直ちに該リールが停止すると仮定した場合、該リールについて表示窓21に表示される停止目を意味するものである。また、「停止目情報」とは、リールが停止状態となったときに表示窓21に実際に表示された停止目を意味するものである。
(ステップS208)
一方、上記ステップS203において第1リール停止フラグがONの状態(F=1)となっていると判定された場合には、ステップS208において、メインCPU301は、左リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブル(この場合、順押し以外の停止操作手順に従って停止操作が受け付けられているので、後述するステップS213またはステップS220において決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき左リール111は第2番目または第3番目に停止するリール(第2リール、または第3リール)となり、上記ステップS204〜ステップS206の処理は全て迂回され、上記ステップS207に処理を移す。
(ステップS209)
そして、ステップS209において、メインCPU301は、全てのリール111,112,113が停止状態となったか否かを判定する。例えば、上記ステップS203の判定が満たされた⇒ステップS204〜ステップS207の処理を経由した場合には、まだ左リール停止フラグLFがON(LF=1)となっただけであり、中リール112および右リール113はまだ回転中であることから、本ステップS209における判定が満たされず、上記ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール111は停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に処理を移す。
一方、全てのリールが停止状態となったと判定された場合(本ステップS209=YES)には、メインCPU301は、ステップS224に処理を移す。
(ステップS210)
ステップS210において、メインCPU301は、中リール112が停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リールストップスイッチ12の押下操作が受け付けられたかを判定する。このとき、中リールストップスイッチ12の押下操作が受け付けられたと判定された場合には、次のステップS211に処理を移し、中リールストップスイッチ12の押下操作が受け付けられていないと判定された場合には、ステップS217に処理を移す。
(ステップS211)
ステップS211において、メインCPU301は、上記ステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでは、「順押し」の停止操作手順に従って、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、本ステップS211の判定が満たされず、ステップS216に処理を移す。
(ステップS212)(ステップS213)(ステップS214)
一方、上記ステップS211において、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)であると判定された場合には、メインCPU301は、上記ステップS204〜ステップS206で説明した処理と同様の処理をステップS212〜ステップS214において実行する。すなわち、「中押し」の停止操作手順に従って中リールストップスイッチ12の押下操作が受け付けられた場合には、中リール112について第1リール停止処理(中リール第1リール停止処理)が行われ(ステップS212)、残りの左リール111、右リール113のリール停止制御テーブルが決定され(ステップS213)、第1リール停止フラグがON(F=1)にされる(ステップS214)。
また、当選フラグがベル2またはベル3に該当する場合には、ステップS213において、押し順に従った停止操作となるため、左リールストップスイッチ11の押下操作が受け付けられた場合には、左リール111においてベル図柄が上段位置および下段位置に共に表示される押し順正解用のリール停止制御テーブルが選択される。ただし、当選フラグがベル1、ベル4、ベル5に該当する場合には、押し順に従わない停止操作となるため、左リール111において、ベル図柄(白7図柄、赤7図柄、青7図柄)が上段位置または下段位置のどちらか一方にのみ表示される押し順不正解用のリール停止制御テーブルが選択される。
(ステップS215)
次いでステップS215において、メインCPU301は、中リール停止フラグMFをON(MF=1)として、上記ステップS209に処理を移す。
(ステップS216)
「中押し」以外の停止操作手順に従った停止操作が受け付けられた場合には、ステップS216において、メインCPU301は、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブル(この場合は上記ステップS206または後述するステップS220で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール112は第2番目または第3番目に停止するリール(第2リールまたは第3リール)となり、上記ステップS212〜ステップS214の処理は全て迂回され、上記ステップS215に処理を移す。
なお、この中リール112についても、左リール111で説明したのと同様に、サブ制御基板400に受付情報(受付位置情報、停止目情報を含む)が適宜送信される。すなわち、上記ステップ210〜ステップS216において中リール112の押下操作が受け付けられたことに基づく受付情報が適宜サブ制御基板400に送信される。例えば、上記ステップS210の判定が満たされたときには押下操作の受け付けられた受付位置情報がサブ制御基板400に送信され、上記ステップS214、ステップS215においては停止目情報がサブ制御基板400に送信されるというように、リールストップスイッチ(中リールストップスイッチ12)が押下されたタイミングと、リール(中リール112)が停止状態となったタイミングで、その都度、受付情報がサブ制御基板400に送信される。
そして、「順押し」の停止操作手順に従った停止操作が受け付けられた場合には、左リール111および中リール112が停止状態となっただけであり、まだ右リール113は回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、上記ステップS209においての判定が満たされず、再び、上記ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
(ステップS217)
ステップS217において、メインCPU301は、右リール113が停止状態となったことを示すフラグ(右リール停止フラグRF)がOFF(RF=0)であり、なおかつ、右リールストップスイッチ13の押下操作が受け付けられたかを判定する。ここで、「順押し」の停止操作手順に従って、右リールストップスイッチ13の押下操作が受け付けられたと判定された場合には、本ステップS217の判定が満たされ、次のステップS218に処理を移す。一方、上記右リールストップスイッチ13の押下操作が受け付けられたと判定されなかった場合には、ステップS209に処理を移す。
(ステップS218)
ステップS218において、メインCPU301は、上記ステップS203、ステップS211と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここで、「順押し」の停止操作手順に従った場合には、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、本ステップS218の判定が満たされず、ステップS223に処理を移す。
(ステップS219)(ステップS220)(ステップS221)
なお、上記ステップS218において、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)であると判定された場合には、上記ステップS204〜ステップS206で説明した処理と同様の処理が、ステップS219〜ステップS221において行われる。すなわち、「逆押し」の停止操作手順に従って右リールストップスイッチ13の押下操作が受け付けられた場合には、右リール113について第1リール停止処理(右リール第1リール停止処理)が行われ(ステップS219)、残りの左リール111、中リール112のリール停止制御テーブルが決定され(ステップS220)、第1リール停止フラグがON(F=1)にされる(ステップS221)。
また、当選フラグがベル4またはベル5に該当する場合には、ステップS220において、押し順に従った停止操作となるため、左リールストップスイッチ11の押下操作が受け付けられた場合には、左リール111においてベル図柄が上段位置および下段位置に共に表示される押し順正解用のリール停止制御テーブルが選択される。ただし、当選フラグがベル1、ベル2、ベル3に該当する場合には、押し順に従わない停止操作となるため、左リールストップスイッチ11の押下操作が受け付けられた場合には、左リール111において、ベル図柄、白7図柄、赤7図柄及び青7図柄のいずれか1つの図柄が上段位置または下段位置のどちらか一方にのみ表示される押し順不正解用のリール停止制御テーブルが選択される。
(ステップS222)
次いでステップS222において、メインCPU301は、右リール停止フラグRFをON(RF=1)として、上記ステップS209に処理を移す。
(ステップS223)
「逆押し」以外の停止操作手順に従った停止操作が受け付けられた場合には、ステップS223において、メインCPU301は、右中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブル(この場合は上記ステップS205またはステップS212で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき右リール113は第2番目または第3番目に停止するリール(第2リールまたは第3リール)となり、上記ステップS219〜ステップS221の処理は全て迂回され、上記ステップS222に処理を移す。
なお、この右リール113についても、左リール111,中リール112で説明したのと同様に、サブ制御基板400に受付情報(受付位置情報、停止目情報を含む)が適宜送信される。すなわち、上記ステップ217〜ステップS223において右リール113の押下操作が受け付けられたことに基づく受付情報が適宜サブ制御基板400に送信される。例えば、上記ステップS217の判定が満たされたときには押下操作の受け付けられた受付位置情報がサブ制御基板400に送信され、上記ステップS221、ステップS222においては停止目情報がサブ制御基板400に送信されるというように、リールストップスイッチ(右リールストップスイッチ13)が押下されたタイミングと、リール(右リール113)が停止状態となったタイミングで、その都度、受付情報がサブ制御基板400に送信される。
(ステップS224)
ステップS224において、メインCPU301は、リール停止処理が終了となったことを示す情報(これを「リール停止コマンド」という)をサブ制御基板400に送信する。これにより、リール停止処理を終了する。
以上では、主に「順押し」の停止操作手順に従った停止操作が受け付けられた場合について説明したが、「逆押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため、詳細な説明は省略する。ところで、「中押し」の停止操作手順に従った停止操作が受け付けられた場合には、上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
すなわち、「中押し」の停止操作手順に従った場合には、「順押し」における上記ステップS205(あるいは、「逆押し」における上記ステップS220)とは異なり、この時点でまだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は中リール112)の停止目のうちで中段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(左リール111、右リール113)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
この点を具体的に説明すると、例えば、第1停止リール(この場合は中リール112)において、表示窓21内の中段位置に、当選役図柄となる可能性のある図柄が停止したとする。この場合は、右下がりライン171、右上がりライン172、V字ライン173および逆V字ライン174の全てが、中リール112の中段位置を有効停止位置(有効ラインを形成することが可能な図柄の停止表示位置)としていることから、全ての有効ラインにおいて残りのリール111,113の該当当選役図柄を揃えることができることなる。そのため、「中押し」の場合には、右下がりライン171、右上がりライン172、V字ライン173および逆V字ライン174のいずれにも残りのリール111,113の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することとなる。したがって、「中押し」の停止操作手順に従った停止操作が受け付けられた場合には、中リール112のみが停止状態となり、中段位置に当選役図柄があった場合、まだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。したがって、上記ステップS215の処理が行われた段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[引き込み制御]
上記リール停止処理では、当選フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力、表示窓21内(特に有効ライン上)に引き込むリール停止制御を行う。このようなリール停止制御は、いわゆる「引き込み制御」とも呼ばれ、この引き込み制御においては、1つの図柄を1コマとして所定のコマ数(つまり、所定個数分の図柄)を上限として図柄の引き込み制御が行われる。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、表示窓21内に停止させることが可能な範囲(以下、「引き込み制御可能範囲」という)として例えば4コマを予め決めておき、その範囲内に当該ゲームにて許容された当選役に対応する当選役図柄がある場合、これを表示窓21内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込み制御可能範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、当該リールがリールの回転方向に移動が可能な最大コマ数のことをいう(上記の例でいえば4コマ)。なお、スロットマシン1では、各リール帯151,152,153に21個の図柄が表記されており、このうちの4図柄分を上限として図柄の引き込み制御が行われる。
したがって、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、表示窓21内に当該ゲームにて許容された当選役に対応する当選役図柄がなかったとしても、当該当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その当該当選役図柄を表示窓21内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者が当該当選役図柄の目押しを行ったタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を表示窓21内に引き込んで停止させることが可能となる。これにより、取りこぼしが生じることを極力抑えることができる。既に説明したとおり、取りこぼしとは、当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうことをいう。
前述したように、リプレイ図柄及びベル図柄は、各リール111,112,113にそれぞれ満遍なく配置されている。例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄は、中リール112においては1個から最大でも4個まで、左リール111及び右リール113においては1個から最大でも6個までにされている。このため、リプレイが当選フラグとなる場合には、引き込み制御により、必ずいずれかの有効ライン上にリプレイ図柄を引き込むことができる。これにより、遊技者は目押しを必要とせずに必ずリプレイ図柄を揃えることができる。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、メインCPU301は、表示窓21内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。このリール停止処理により全てのリールが停止した状態となると、表示窓21内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもあり、以下では必要に応じて、全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことを出目という。
判定処理の具体的な内容について、図13を用いて説明する。
(ステップS301)
先ずステップS301において、メインCPU301は、現在BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するBBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON(=1)状態、OFF(=0)状態を判定することである。このとき、BBゲーム中フラグがOFFとなっていると判定された場合には、本ステップS301の判定が満たされず、ステップS302に処理を移す。このとき、BBゲーム中フラグがONとなっていると判定された場合には、ステップS311に処理を移す。
(ステップS302)
ステップS302において、メインCPU301は、いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っているか否かを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っていると判定された場合(例えば、「白7図柄−白7図柄−白7図柄」が有効ライン171上に揃っている場合)、本ステップS302の判定が満たされ、次のステップS303に処理を移す。このとき、いずれの有効ライン上にもBB図柄が揃っていないと判定された場合には、ステップS304に処理を移す。
(ステップS303)
次のステップS303において、メインCPU301は、BBゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理がなされることとなる。
(ステップS304)
ステップS304において、メインCPU301は、いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っているか否かを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っていると判定された場合(「RP図柄−RP図柄−RP図柄」が有効ライン171〜174のいずれかに揃っている場合)には、本ステップS304の判定が満たされ、次のステップS305に処理を移す。このとき、いずれの有効ライン上にもリプレイ図柄が揃っていないと判定された場合には、ステップS307に処理を移す。
(ステップS305)
ステップS305において、メインCPU301は、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームにおけるベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをメインRAM304に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
(ステップS306)
そして、ステップS306において、メインCPU301は、リプレイ当選フラグをOFFにして判定処理を終了する。なお、この場合には、上記ステップS108においてONにされているリプレイ当選フラグがOFFにされる。
(ステップS307)
ステップS307において、メインCPU301は、いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っていると判定された場合(例えば、「青7図柄−ベル図柄−ベル図柄」が有効ライン171〜174のいずれかに揃っている場合)、本ステップS307の判定が満たされ、次のステップS308に処理を移す。このとき、いずれの有効ライン上にも小役図柄が揃っていないと判定された場合には、ステップS310に処理を移す。
(ステップS308)
次のステップS308において、メインCPU301は、いずれかの有効ライン上に揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(ホッパ装置520より規定枚数のメダルを払い出す)。また、このとき、メインCPU301は、メダルの払出枚数を払出枚数表示器25に表示する。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(または告知、表示)される。なお、払い出されるメダルの枚数について、払出に係る情報(払出コマンド)をサブ制御基板400に送信して、サブ制御基板400において液晶表示装置41等に表示させるものであってもよい。
(ステップS309)
そして、ステップS309において、メインCPU301は、該当する小役当選フラグをOFFにして判定処理を終了する。なお、この場合には、上記ステップS108においてONにされている小役当選フラグがOFFにされる。詳細には、単独当選役として、ベルに当選していた場合にはベル当選フラグをOFFにし、スイカに当選していた場合にはスイカ当選フラグをOFFにし、チェリーに当選していた場合にはチェリー当選フラグをOFFにする。
一方、ボーナスとの共有当選役(「小役+BB」、または「リプレイ+BB」)に当選し、且つ、上記ステップS304またはステップS307において小役図柄(またはリプレイ図柄)が揃ったと判定された場合には、本ステップS309において小役当選フラグ(またはリプレイ当選フラグ)はOFFにするが、BB当選フラグはOFFとせずにONのまま次ゲーム以降に持ち越される。
(ステップS310)
次に、ステップS310において、有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていないと判定された場合、すなわち、上記ステップS302、ステップS304、ステップS307のいずれの判定も満たされなかった場合には、メインCPU301は、ハズレ処理を実行する。なお、本ステップS310の処理が行われるときに表示窓21に表示されている出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ハズレ処理では、この時点でON状態となっている当選フラグがBB当選フラグを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFFにする。また、いずれの当選フラグもONとなっていない場合(すなわち、ハズレフラグがONとなっている場合)には、ハズレフラグをOFFにする。したがって、当該当選フラグが、BB当選フラグに該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。
また、当該当選フラグがBB当選フラグに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。したがって、遊技者は、他の当選役(例えば、リプレイや小役)に比べて利益の度合いの高い当選役(BB)の取りこぼしを心配することがなく、BBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技術の低い遊技者にとっては、BB図柄を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記ステップS302〜ステップS310までの処理は、通常ゲームの場合に実行される。次にBBゲーム中に実行される処理(ステップS311以降の処理)について説明する。
(ステップS311)
ステップS311において、メインCPU301は、BBゲーム中有効役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム中有効役」とは、ベル、スイカ、チェリーを含めたBBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム中有効役図柄が揃っていると判定された場合には、本ステップS311の判定が満たされ、次のステップS312に処理を移す。このとき、いずれの有効ライン上にもBBゲーム中有効役図柄が揃っていないと判定された場合には、ステップS314に処理を移す。
(ステップS312)
次のステップS312において、メインCPU301は、いずれかの有効ライン上に揃っているBBゲーム中有効役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(ホッパ装置520より規定枚数のメダルを払い出す)。また、このとき、メインCPU301は、メダルの払出枚数を払出枚数表示器25に表示する。これにより、遊技者には当該BBゲーム中有効役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(または告知、表示)される。なお、上記ステップS308でも説明したとおり、このとき払い出されるメダルの枚数について、払出に係る情報(払出コマンド)をサブ制御基板400に送信して、サブ制御基板400において液晶表示装置41等に表示させるものであってもよい。
(ステップS313)
ステップS313において、メインCPU301は、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。
(ステップS314)
ステップS314において、メインCPU301は、当該成立フラグ(当選フラグまたはハズレフラグを含む)をOFFにする。すなわち、本ステップS314において当該ハズレフラグもOFFにされる。
[BBゲーム開始処理]
上記ステップS304の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理が実行される(図13参照)。このBBゲーム開始処理について図14を用いて説明する。
(ステップS304−1)
まず、ステップS304−1において、メインCPU301は、BB当選フラグがON(=1)となっているかを判定する。ここで、BBには「BB1」〜「BB5」までの5種類があることは既に説明したとおりである。したがって、BB当選フラグについても、BB1当選フラグ〜BB5当選フラグまで存在することになる。すなわち、本ステップS304−1においてはBB1当選フラグ〜BB5当選フラグのいずれがONとなっているかが判定される。本ステップS304−1の判定が満たされた場合には、次のステップS304−2に処理を移し、本ステップS304−1の判定が満たされない場合には、ステップS304−6に処理を移す。
(ステップS304−2)
ステップS304−2において、メインCPU301は、上記ステップS304−1においてONになっていると判定されたBB当選フラグに対応するBBゲーム中フラグをONにする。このBBゲーム中フラグについても、BB1〜BB5に対応してBB1ゲーム中フラグ〜BB5ゲーム中フラグが設けられている。
また、このときメインCPU301は、当該BB当選フラグをOFF(=0)にする。さらに、このとき、メインCPU301は、BB1ゲーム〜BB5ゲームが実行中であることを示すコマンド(BBゲーム実行中コマンド)をサブ制御基板400に送信する。
(ステップS304−3)
次いで、ステップS304−3において、メインCPU301は、図10(b)に示すボーナスゲーム判定テーブル(BBゲーム用の当たり値判定テーブル)を選択する。これにより、次のゲームから当たり値判定テーブルがボーナスゲーム判定テーブルに変更されたゲームが実行される。
(ステップS304−4)
ステップS304−4において、メインCPU301は、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数、つまり3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
(ステップS304−5)
ステップS304−5において、メインCPU301は、BBゲーム開始コマンドをサブ制御基板400に送信する。
(ステップS304−6)
上記ステップS304−1の判定が満たされない場合、ステップS304−6において、メインCPU301は、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BB当選フラグがOFFであるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。したがって、エラー処理では、サイドランプ5aなどのランプ類や、スピーカ33aなどによってエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
図13で説明したとおり、上記ステップS314において、BBゲーム終了判定処理が実行される。このBBゲーム終了判定処理について図15を用いて説明する。
(ステップS314−1)
まず、ステップS314−1において、メインCPU301は、上記ステップS312(図13参照)においてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
(ステップS314−2)
次にステップS314−2において、メインCPU301は、BBゲーム中における累計払出枚数が300枚を超えたか否かを判定する。BBゲーム中における累計払出枚数が300枚を超えていないと判定された場合には、次のステップS314−3に処理を移し、BBゲーム中における累計払出枚数が300枚を超えたと判定された場合には、ステップS314−7に処理を移す。
(ステップS314−3)
ステップS314−3において、メインCPU301は、BBゲームの残りゲーム数(G)が「0」であるか否かを判定する。BBゲームの残りゲーム数(G)が「0」ではないと判定された場合には、次のステップS314−4に処理を移し、BBゲームの残りゲーム数(G)が「0」であると判定された場合には、ステップS314−7に処理を移す。なお、スロットマシン1では、BBゲーム中において実行可能な最大ゲーム数は30回に設定されている。
(ステップS314−4)
ステップS314−4において、メインCPU301は、BBゲームの残りゲーム数(G)を「1」減算して、新たなBBゲームの残りゲーム数(G)として更新する。
(ステップS314−5)
ステップS314−5において、メインCPU301は、上記ステップS314−4において更新されたBBゲームの残りゲーム数(G)を、遊技進行表示器24に表示する。なお、BBゲームの残りゲーム数(G)については、該残りゲーム数に係る情報(残りゲーム数コマンド)をサブ制御基板400に送信して、サブ制御基板400において液晶表示装置41等に表示させるものであってもよい。
(ステップS314−6)
ステップS314−6において、メインCPU301は、払出枚数表示器25にBBゲーム中の累計払出枚数を表示する。なお、BBゲーム中に払い出されるメダルの枚数についても、払出に係る情報(払出コマンド)をサブ制御基板400に送信して、サブ制御基板400において液晶表示装置41等に表示させるものであってもよい。
(ステップS314−7)
ステップS314−7において、メインCPU301は、上記ステップS304−2(図14参照)においてONにされたBB1ゲーム中フラグ〜BB5ゲーム中フラグのいずれかのBBゲーム中フラグをOFFにする。
(ステップS314−8)
ステップS314−8において、メインCPU301は、BBゲーム終了コマンドをサブ制御基板400に送信して、上記ステップS314−6に処理を移す。
そして、メインCPU301は、本ステップS314−8を経由して上記ステップS314−6の処理を行った後、BBゲーム終了判定処理を終了する。
[演出動作の基本制御]
以上は、メイン制御基板300による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせてサブ制御基板400により各種演出動作の制御を実行する。図16は、サブCPU412によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。サブ制御基板400では、メイン制御基板300側から受信される各種コマンド(始動コマンド、BBゲーム開始コマンド、当選コマンド、BBゲーム終了コマンド、メダル投入コマンド、ベット操作コマンド、リール回転中コマンド、リール停止コマンド等、または出力信号)に基づいた各種遊技処理が適宜行われる。前述の通り、メイン制御基板300から出力された各種コマンドは、一旦、サブ制御基板400(サブRAM414)に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてサブ制御基板400内(主にサブROM413)に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
スロットマシン1では、所定の条件が成立したときに、所定期間だけ、ベル1〜ベル5の押し順についての報知が行われるゲーム(いわゆるAT(アシストタイム)ゲーム)が行われる。ATゲームでは、ベル1〜ベル5について、押し順の報知が行われる。この押し順の報知は通常ゲームでは行われないものとしているため、ATゲームでは、通常ゲームに比べてベルに当選したときに獲得できるメダルの枚数が倍になる。したがって、ATゲームでは、通常ゲームに比べて、遊技者にとって有利であると共に、じわじわとメダルを増やしながら、あるいはメダルをあまり減らさずに遊技を進めることが可能である。
図16を用いて、上記各種コマンドのうち、始動コマンド及びBBゲーム終了コマンドを受信した場合に行われる処理(コマンド解析に係る処理)について説明する。なお、以下の処理は、特に説明がない限り、サブCPU412が実行するものである。
(ステップS1001)
まず、ステップS1001において、サブCPU412は、受信したコマンドが、始動コマンドであるか否かを判定する。受信したコマンドが始動コマンドではないと判定した場合、ステップS1013に処理を移し、受信したコマンドが始動コマンドであると判定した場合、次のステップS1002に処理を移す。
(ステップS1002)
ステップS1002において、サブCPU412は、ATゲーム中フラグがON(=1)となっているか否かを判定する。このATゲーム中フラグは、サブRAM414のATゲーム中フラグ記憶領域にてON/OFFされるものであって、後述するステップS1004の処理においてONとされるものである。
サブCPU412は、ATゲーム中フラグがONであると判定した場合、ステップS1005に処理を移し、ATゲーム中フラグがONではないと判定した場合、次のステップS1003に処理を移す。
(ステップS1003)
ステップS1003において、サブCPU412は、ATゲーム開始フラグがON(=1)となっているか否かを判定する。このATゲーム開始フラグは、サブRAM414のATゲーム開始フラグ記憶領域にてON/OFFされるものであって、後述するステップS1017の処理においてONとされるものである。
サブCPU412は、ATゲーム開始フラグがONではないと判定した場合、本コマンド受信処理を終了し、ATゲーム開始フラグがONであると判定した場合、次のステップS1004に処理を移す。
(ステップS1004)
ステップS1004において、サブCPU412は、ATゲーム開始フラグ記憶領域においてONとされているフラグ(ATゲーム開始フラグ)をOFFにするとともに、ATゲーム中フラグ記憶領域においてOFFにされているフラグ(ATゲーム中フラグ)をONとする処理を行う。サブCPU412は上記ステップS1004の処理を行ったあと、本コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1005)
ステップS1005において、サブCPU412は、ATゲーム残り回数(A)を「1」減算して、新たなATゲーム残り回数(A)として、サブRAM414内に設けられたATゲーム残り回数(A)記憶領域に記憶する。サブCPU412は、上記ステップS1005の処理を行ったあと、次のステップS1006に処理を移す。
(ステップS1006)
ステップS1006において、サブCPU412は、上記ステップS1001の処理で受信したコマンドが、当選役である「ベル」(「ベル1」〜「ベル5」)にかかるものであるか否かを判定する。
サブCPU412は、「ベル」ではないと判定した場合、ステップS1008に処理を移し、「ベル」であると判定した場合、次のステップS1007に処理を移す。
(ステップS1007)
ステップS1007において、サブCPU412は、押し順報知演出実行コマンドを画像音響生成基板420に送信する処理(押し順報知処理)を行う。これにより、画像音響生成基板420によってベル1〜ベル5のそれぞれに対応した押し順を報知する各種演出が、液晶表示装置41、スピーカ33a,34a,50a,51a等において実行されることとなる。
ここで、上記押し順報知について具体的に説明すると、サブCPU412は、「ベル」に当選している場合、図24(a)に示すように、液晶表示装置41に、押し順を「1」「2」「3」というように表示して、遊技者に各リールストップスイッチ11,12,13を押下する順番を報知する。
なお、押し順報知が行われない演出(押し順非報知演出)を行うものとしてもよい。例えば、図24(b)では、「リプレイ」や「ベル」に当選している場合、液晶表示装置41において、「?」「?」「?」と表示して、各リールストップスイッチ11,12,13の押し順が報知されない場合の演出の一例を示している。
サブCPU412は、上記ステップS1007の処理を行ったあと、ステップS1008に処理を移す。
(ステップS1008)
ステップS1008において、サブCPU412は、ATゲーム残り回数(A)が「0」であるか否かを判定する。このATゲーム残り回数(A)が「0」となると、後述するATゲーム継続抽選(ステップS1009)において当選した場合を除き、ATゲームは終了となる。
サブCPU412は、「A=0」ではないと判定した場合、当該コマンド解析に係る処理を終了し、「A=0」であると判定した場合、ステップS1009に処理を移す。
(ステップS1009、ステップS1010)
サブCPU412は、第1乱数発生器417から1つの乱数値を取得し(ステップS1009)、この取得された乱数値、および、サブRAM414においてON(=1)となっている当選フラグの種別に基づいて、AT継続抽選テーブル(図18)に記憶されている「当選1」、「当選2」、「当選3」および「ハズレ」の何れかであるかを判定する(ステップS1010)。
この当選フラグは、前回行われた抽選((1)ATゲーム抽選(後述するステップS1014)に基づくATゲームの終了後に本ステップS1009の処理を行った場合は当該ATゲーム抽選、(2)ATゲーム継続抽選処理(本ステップS1009)に基づくATゲームの終了後に再び本ステップS1009の処理を行った場合は直前のATゲーム継続抽選)において当選となった、当該当選の種別(「当選1」、「当選2」、「当選3」)に応じて記憶されるものである。
具体的に説明すると、図18に示すように、サブCPU412は、例えば、当選2フラグがONとなっている状態において、第1乱数発生器417から取得した乱数値が「1000」である場合、「当選1」に当選したと判定する。この際、サブCPU412は、当選2フラグをOFF(=0)にするとともに当選1フラグをONとする処理を行う。
また、サブCPU412は、当選2フラグがONとなっている状態において、第1乱数発生器417から取得した乱数値が「1300」である場合、「当選2」に当選したと判定し、当選2フラグのON状態を維持することとなる。
一方、サブCPU412は、当選2フラグがONとなっている状態において、第1乱数発生器417から取得した乱数値が「10000」である場合、「ハズレ」であると判定し、当選2フラグをOFF(=0)にする処理を行う。
サブCPU412は、抽選結果が当選でないと判定した場合、ステップS1012に処理を移し、抽選結果が当選であると判定した場合、次のステップS1011に処理を移す。
(ステップS1011)
サブCPU412は、ステップS1011において、ATゲームを行うゲーム回数(ゲーム残り回数)を抽選により決定する処理(ATゲーム回数決定処理)を行う。
具体的に、サブCPU412は、第2乱数発生器418から1つの乱数値を取得し、この乱数値がATゲーム回数抽選テーブルに記憶される、「10回」、「30回」、「50回」等の何れかの当たり値を示すものであるかを判定する。この際、サブCPU412は、「30回」であると判定した場合、このゲーム残り回数(A)を、サブRAM414のATゲーム回数記憶領域に記憶する。
サブCPU412は、上記ステップS1011の処理を行ったあと、本コマンド受信処理を終了する。
なお、本実施形態では、上記ATゲーム継続抽選処理(ステップS1009)やATゲーム回数抽選処理(ステップS1010)をATゲーム残り回数(A)が「0」となったとき(ステップS1008)に行うようにしたが、これに限られず、ATゲームを行っている間の所望のタイミングで行うようにしてもよい。
(ステップS1012)
ステップS1012において、サブCPU412は、ATゲーム中フラグ記憶領域においてONとなっているフラグ(ATゲーム中始フラグ)をOFFする処理を行う。サブCPU412は、上記ステップS1012の処理を行ったあと、本コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1013)
ステップS1013において、サブCPU412は、受信したコマンドが、BB終了コマンドであるか否かを判定する。受信したコマンドがBB終了コマンドではないと判定した場合、本コマンド受信処理を終了し、受信したコマンドがBB終了コマンドであると判定した場合、次のステップS1014に処理を移す。
(ステップS1014、ステップS1015)
サブCPU412は、第1乱数発生器417から1つの乱数値を取得し(ステップS1014、ATゲーム抽選処理)、この取得された乱数値が、AT抽選テーブル(図17)に記憶されている「当選1」、「当選2」、「当選3」および「ハズレ」の何れかに該当するかを判定する(ステップS1015)。
具体的に、サブCPU412は、第1乱数発生器417から1つの乱数値を取得し、この乱数値がAT抽選テーブルに記憶される、「当選1」、「当選2」、「当選3」および「ハズレ」の何れかの当たり値を示すものであるかを判定する。この際、サブCPU412は、「当選1」であると判定した場合、当選1フラグをON(=1)にし、「当選2」であると判定した場合、当選2フラグをON(=1)にし、当選3フラグをON(=1)にする処理を行う。
例えば、サブCPU412は、取得された乱数値が「1000」である場合、「当選1」に当選したと判定するとともに、当選1フラグをON(=1)にする処理を行う(図7参照)。
サブCPU412は、抽選結果が当選ではないと判定した場合、本コマンド受信処理を終了し、抽選結果が当選であると判定した場合、次のステップS1016に処理を移す。
(ステップS1016)
サブCPU412は、ステップS1016において、ATゲームを行うゲーム回数(ゲーム残り回数)を抽選により決定する処理(ATゲーム回数決定処理)を行う。
具体的に、サブCPU412は、第2乱数発生器418から1つの乱数値を取得し、この乱数値がATゲーム回数抽選テーブルに記憶される、「10回」、「30回」、「50回」等の何れかの当たり値を示すものであるかを判定する。この際、サブCPU412は、「30回」であると判定した場合、このゲーム残り回数(A)を、サブRAM414のATゲーム回数記憶領域に記憶する。
サブCPU412は、上記ステップS1016の処理を行ったあと、次のステップS1017に処理を移す。
なお、本実施形態では、上記ATゲーム抽選処理(ステップS1014)やATゲーム回数抽選処理(ステップS1016)をBBゲームが終了したとき(ステップS1013)に行うようにしたが、これに限られず、BB図柄が揃ったタイミングや、BBゲームを行っている間の所望のタイミングで行うようにすることも可能である。
(ステップS1017)
サブCPU412は、ステップS1017において、ATゲーム開始フラグ記憶領域においてOFFになっているフラグ(ATゲーム開始フラグ)をONにする処理を行う。サブCPU412は上記ステップS1017の処理を行ったあと、本コマンド受信処理を終了する。
次に、スロットマシン1の電源供給システムにおいて実行される電源電圧監視処理について、メインCPU301において実行される処理と、サブCPU412において実行される処理とに分けて説明する。
[メイン制御基板の電源電圧監視処理]
まず、メインCPU301において実行される、電源電圧監視処理について、図19を参照して説明する。
(ステップS501)
メインCPU301は、ステップS501において、電源監視装置513から電源供給停止信号を受信したか否かを判断する。この電源供給停止信号は、上述したように、例えば、電源スイッチ511のOFF操作や停電等により、供給電圧が所定の電源電圧まで低下したときに出力されるものである。
メインCPU301は、電源供給停止信号が入力された場合(図22の時点a)、その後、後述する電源供給停止処理(ステップS502)を行うように制御する。一方、メインCPU301は、電源供給信号を受信していない場合、ステップS505に処理を移すこととなる。
(ステップS502)
メインCPU301は、ステップS502において、電源供給停止処理を開始するように制御する。この電源供給停止処理では、電源の供給が開始されたときに、電源供給の停止により中断された処理を再開するために必要な処理が行われる。例えば、メインCPU301は、各スイッチからの入力信号を読み込んでメインRAM304に記憶する処理等を行う。メインRAM304は、上述したように、バックアップ用コンデンサ514から供給される電力によって、停電等が発生した後、所定時間、データ等の情報を記憶保持するように構成されている。
メインCPU301は、電源供給停止処理を開始した後、次のステップS503に処理を移す。
(ステップS503)
メインCPU301は、ステップS503において、リセットIC307からLOWレベルのリセット信号を受信したか否かを判断する。このリセット信号は、例えば、電源供給装置512から供給される5Vの供給電圧が4.25Vまで低下した後、コンデンサ308の容量に応じて設定された遅延時間(t1)が経過したときに、リセットIC307から出力されるものである。
メインCPU301は、上記リセット信号を受信していない場合、再び、ステップS502に処理を移し、上記リセット信号を受信した場合、ステップS504に処理を移す。
(ステップS504)
メインCPU301は、上記ステップS502の処理で開始した電源供給停止処理を終了するように制御する。このタイミング(時点b)では、図22に示すように、乱数発生器302による乱数の更新が停止される。その後、メインCPU301は、電源装置510から供給される電源電圧5VがメインCPU301の動作電圧(メインCPU301の動作に最低限必要な電圧)以下になったときに(時点c)、完全に動作停止することとなる。
(ステップS505)
メインCPU301は、ステップS505において、HIレベルのリセット信号を受信したか否かを判断する。このHIレベルのリセット信号は、図22に示すように、通常、電源装置510から電源供給開始信号を受信した後(時点d)、コンデンサ308の容量に応じて設定された遅延時間t1が経過したときに(時点e)、リセットIC307から出力されるものである。
メインCPU301は、HIレベルのリセット信号を受信した場合、ステップS506に処理を移し、HIレベルのリセット信号を受信していない場合、本制御処理を終了する。
(ステップS506)
メインCPU301は、ステップS506において、電源供給開始処理(初期化処理)を行う。メインCPU301は、図22に示すように、電源供給開始信号を受信した後(時点d)、HIレベルのリセット信号を受信することにより(時点e)、上記電源供給停止処理においてメインRAM304に退避させた情報を復帰させるなどの処理を行うとともに、乱数発生器302において予め定められた初期値「0」から乱数の更新を開始するなどの処理(初期化処理)を行う。
メインCPU301は、ステップS506の処理を行った後、本制御処理を終了する。なお、電源供給開始信号を受信していないにもかかわらず、HIレベルのリセット信号を受信した場合(例えば、不正にリセット信号が入力された場合)においても、このステップS506の処理が行われることとなる。
[サブ制御基板の電源電圧監視処理]
次に、サブCPU412において実行される、電源供給停止信号およびリセット信号が入力されたときの制御処理について、図20を参照して説明する。
(ステップS1501)
サブCPU412は、ステップS1501において、上述したメインCPU301のステップS501の処理と同様に、電源監視装置513から電源供給停止信号を受信したか否かを判断する。
サブCPU412は、電源供給停止信号を受信した場合(図22の時点f)、その後、後述する電源供給停止処理(ステップS1502)を行うように制御する。一方、サブCPU412は、電源供給停止信号を受信していない場合、ステップS1504に処理を移す。
(ステップS1502)
サブCPU412は、ステップS1502において、上述したメインCPU301のステップS502の処理と同様な、一般的な電源供給停止処理を開始するように制御する。
サブCPU412は、電源供給停止処理を開始するように制御した後、次のステップS1503に処理を移す。
(ステップS1503)
サブCPU412は、ステップS1503において、リセットIC431からLOWレベルのリセット信号を受信したか否かを判断する。当該リセット信号は、図22に示すように、電源供給停止信号を受信した後(時点f)、コンデンサ432の容量に応じて設定された遅延時間(t2)が経過したときにリセットIC431から出力されるものである(時点g)。
サブCPU412は、上記リセット信号を受信していない場合、再び、ステップS1502に処理を移し、上記リセット信号を受信した場合、ステップS1505に処理を移す。
なお、上記LOWレベルのリセット信号が特許請求の範囲に記載の「第1レベルのリセット信号」に該当する。
(ステップS1504)
サブCPU412は、上記ステップS1503と同様に、リセットIC431からLOWレベルのリセット信号を受信したか否かを判断する。
ここで、サブCPU412が、ステップS1504の処理を行う場合(電源供給停止信号を受信していないにも拘わらずリセットIC431からLOWレベルのリセット信号を受信したか否かを判断する場合)としては、図23に示すように、上記リセット信号を(不正な操作等を行うことにより)強制的に生じさせた場合などが考えられる(時点l)。
サブCPU412は、上記リセット信号を受信していない場合、ステップS1506に処理を移し、上記リセット信号を受信した場合、ステップS1505に処理を移す。
(ステップS1505)
サブCPU412は、ステップS1505において、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418のそれぞれにおいて更新されている乱数値を取得して、これら乱数値をサブRAM414の乱数値記憶領域に記憶する処理を行う。
具体的に、サブCPU412は、図22に示すように、リセットIC431からLOWレベルのリセット信号が入力されたタイミング(時点g)で、第1乱数発生器417または第2乱数発生器418において更新されている乱数値が「255」である場合、この「255」の乱数値を取得するとともに、この取得された乱数値「255」をサブRAM414の乱数値記憶領域に記憶する。
また、サブCPU412は、図23に示すような、電源供給停止信号を受信していないにも拘わらずLOWレベルのリセット信号を受信した場合においても、上記図22の例(電源供給停止信号を受信した後にLOWレベルのリセット信号を受信した場合)と同様な、乱数値記憶領域処理を行う。具体的に、サブCPU412は、リセットIC431からLOWレベルのリセット信号を受信したタイミングで(時点l)、第1乱数発生器417または第2乱数発生器418において更新されている乱数値が「156」である場合、この「156」の乱数値を取得するとともに、この取得された乱数値「156」をサブRAM414の乱数値記憶領域に記憶する。
なお、すでに、乱数値記憶領域に上記のような乱数値が記憶されている場合には、この記憶されている乱数値に、上記取得した乱数値が上書きされるようになっている。
サブCPU412は、上述したような、乱数値の取得および記憶する処理を行った後、本制御処理を終了する。
なお、サブCPU412は、上記ステップS1501の処理で電源供給停止信号を受信していると判断された場合(ステップS1501で「YES」)、図22に示すように、電源装置510から供給される電源電圧5VがメインCPU301の動作電圧(メインCPU301の動作に最低限必要な電圧)以下になったときに(時点h)、完全に動作停止することとなる。
(ステップS1506)
サブCPU412は、ステップS1506において、上述したメインCPU301のステップS505の処理と同様に、HIレベルのリセット信号を受信したか否かを判断する。このHIレベルのリセット信号は、図22に示すように、通常、電源装置510から電源供給開始信号を受信した後(時点i)、コンデンサ432の容量に応じて設定された遅延時間t2が経過したときに(時点j)、リセットIC431から出力されるものであるが、上述したように、サブCPU412の動作中に、例えば、不正な操作等により生じる場合もある(図23参照)。
サブCPU412は、HIレベルのリセット信号を受信した場合、ステップS1507に処理を移し、HIレベルのリセット信号を受信していない場合、本制御処理を終了する。
なお、上記HIレベルのリセット信号が特許請求の範囲に記載の「第2レベルのリセット信号」に該当する。
(ステップS1507)
サブCPU412は、ステップS1507において、乱数更新開始処理を実行する(詳細は後述する)。
なお、サブCPU412は、図22に示すように、電源供給開始信号の受信後(時点j)、HIレベルのリセット信号を受信した場合(時点j)、上記乱数更新開始処理を行う際、メインCPU301のステップS507の処理と同様に、電源供給開始処理、例えば、電源供給開始信号の受信後(時点j)、HIレベルのリセット信号を受信することにより(時点j)、電源供給停止処理においてサブRAM414に退避させた情報を復帰させるなどの処理をも行う。
サブCPU412は、上記乱数更新開始処理を行った後、本制御処理を終了する。
[乱数更新開始処理]
次に、上述した乱数更新開始処理について、図21を参照して説明する。
(ステップS1507−1)
サブCPU412は、ステップS1507−1において、サブRAM414の乱数値記憶領域に、第1乱数発生器417の乱数値および第2乱数発生器418の乱数値が記憶されているか否かを判断する。上述したように、これら乱数値は、上記ステップS1505の処理で記憶されるものである。
サブCPU412は、乱数値記憶領域に上記乱数値が記憶されていると判断した場合、ステップS1507−2に処理を移し、乱数値記憶領域に上記乱数値が記憶されていないと判断した場合、ステップS1507−6に処理を移す。
(ステップS1507−2)
サブCPU412は、ステップS1507−2において、HIレベルのリセット信号を受信してから第1乱数発生器417および第2乱数発生器418による乱数値の更新を遅延して開始させるための遅延時間を算出するとともに、当該更新を開始する際の初期値を算出する処理を行う。
具体的に、サブCPU412は、図22に示すように、サブRAM414の乱数値記憶領域に第1乱数発生器417(第2乱数発生器418)の乱数値「255」が記憶されている場合、この「255」に係数「1」を乗算して、遅延時間「255」msおよび変更初期値「255」を算出する処理を行う。
同様に、図23の例では、サブCPU412は、サブRAM414の乱数値記憶領域に第1乱数発生器417(第2乱数発生器418)の乱数値「156」が記憶されている場合、この「156」に係数「1」を乗算して、遅延時間「156」msおよび変更初期値「156」を算出する処理を行う。
なお、上記例では、乱数値記憶領域に記憶されている乱数値が「215」である場合、係数「1」を乗算して、遅延時間および変更初期値を算出したが、これに限られず、他の係数(例えば、「0.5」や「2」)を乗算して遅延時間および変更初期値を算出するように構成してもよい。また、遅延時間および変更初期値を算出する際に用いる係数は、上記例のように同じ数値で有る必要はなく、異なる数値を用いてもよい。さらに、乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に係数を乗算して遅延時間および変更初期値を算出する場合に限られず、例えば、上記乱数値に係数を加算または減算して遅延時間および変更初期値を算出するように構成してもよい。また、上記のような係数は、固定である必要はなく、ランダムに変更されるものであってもよい。
サブCPU412は、上記遅延時間および変更初期値を算出する処理を行った後、次のステップS1507−3に処理を移す。
(ステップS1507−3)
サブCPU412は、ステップS1507−3において、サブ制御基板400に設けられる計測タイマ(図示省略)に上記ステップS1507−2の処理で算出した遅延時間をセットして、タイマカウントをスタートするとともに、上記ステップS1507−5の処理で算出した変更初期値をそれぞれ第1乱数発生器417および第2乱数発生器418にセットする処理を行う。
サブCPU412は、上記遅延時間および初期値をセットする処理を行った後、次のステップS1507−4に処理を移す。
(ステップS1507−4)
サブCPU412は、ステップS1507−6において、上記ステップS1507−5の処理でスタートさせた計測タイマにおいて、遅延時間に達したか否かを判断する。
サブCPU412は、遅延時間に達している場合、次のステップS1507−5に処理を移す一方、遅延時間に達していない場合、当該遅延時間に達するまでこの処理を繰り返し実行する。
(ステップS1507−5)
サブCPU412は、ステップS1507−5において、上記ステップS1507−3の処理で第1乱数発生器417および第2乱数発生器418のそれぞれにセットされた変更乱数値から乱数の更新を開始させる処理を行う。
図22を例にとって説明すると、サブCPU412は、HIレベルのリセット信号が入力されてから(時点i)「255」ms(t3)が経過したときに(時点j)、第1乱数発生器417(第2乱数発生器418)にセットされている変更乱数値「255」から256、257・・・といったように乱数の更新を開始させる処理を行う。
同様に、図23の例では、サブCPU412は、HIレベルのリセット信号が入力されてから(時点m)「156」ms経過したときに(時点h)、第1乱数発生器417(第2乱数発生器418)にセットされている変更乱数値「156」から157、158・・・といったように乱数の更新を開始させる処理を行う。
サブCPU412は、変更乱数値から乱数の更新を開始させる処理を行った後、本乱数更新開始処理を終了する。
(ステップS1507−6)
サブCPU412は、ステップS1507−6において、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418のそれぞれにおいて予め定められた初期値「0」から乱数の更新を開始する処理を行う。
上記ステップS1507−6の処理が行われる場合としては、例えば、スロットマシン1において、HIレベルのリセット信号がサブCPU412に未だ入力されたことがない場合(上記ステップS1503の処理が未だ行われたことが無い場合)、すなわち、スロットマシン1が、メーカから出荷され、遊技店に設置されたばかりの場合などが考えられる。
サブCPU412は、初期値「0」から乱数の更新を開始させる処理を行った後、本乱数更新開始処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、サブCPU412は、LOWレベルのリセット信号を受信した場合、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418のそれぞれにおいて更新されている乱数の中から1つの乱数を取得してサブRAM414に記憶し、その後、HIレベルのリセット信号を受信した場合、サブRAM414に記憶された乱数値に基づいて決定された遅延時間(遅延時間t3および遅延時間t4)遅延させて、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418による乱数更新を開始するように構成されている。
すなわち、本実施形態では、仮に、AT抽選(AT継続抽選)において当選する乱数値、および、より多くのATゲームのゲーム回数を獲得するための乱数値を知っていたとしても、LOWレベルのリセット信号がサブCPU412に入力される度に、乱数更新を開始させるタイミングがランダムに遅延されるため、上記乱数値の周期を不正行為者に把握できないようにすることが可能となる。従って、本実施形態によれば、上記のような乱数値を狙い打つといった不正行為を有効に抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418による乱数更新の開始を遅延させるための遅延時間が、LOWレベルのリセット信号が入力されたタイミングで取得された乱数値に基づいて決定されるため、例えば、図22に示すように、取得された乱数値が「255」である場合、遅延時間を「255」msとすることも可能である。このような場合、複雑な演算回路等を用いることなく、乱数の更新を開始させるタイミングをランダムに遅延させることが可能となる。
さらに、本実施形態では、リセットIC431によって、電源装置510から電源の供給が停止されたと判定された場合、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418のそれぞれから乱数を取得してサブRAM414に記憶するように構成されている。このため、例えば、遊技店において、スロットマシン1の電源を、営業終了時にOFFにし、営業開始時にONするようにしている場合では、乱数更新の開始されるタイミングが定期的に(毎日)変更されるため、上記のような乱数値を狙い打つといった不正行為を、より一層、抑制することが可能となる。
また本実施形態では、第1乱数発生器417および第2乱数発生器418によって乱数の更新を開始する場合、サブRAM414に記憶された乱数値から行うように構成されている。すなわち、リセット信号がサブCPU412に入力される度に、乱数の更新が開始されるタイミングが変更されるばかりでなく、当該乱数の更新を開始させる際の初期値も変更されるため、上記のような押し順を表示させる乱数のタイミングを、より一層、不正行為者に把握させなくすることができ、故意にリセット信号を入力するといったような不正行為をより効果的に抑制することが可能となる。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、サブRAM414に第1乱数発生器417の乱数値および第2乱数発生器418の乱数値が記憶されている状態において、HIレベルのリセット信号をサブCPU412が受信した場合、サブRAM414に記憶されている乱数値から第1乱数発生器417および第2乱数発生器418による乱数の更新を開始するように構成した。これに限られず、上記実施形態における、サブCPU412の制御を、(1)サブCPU412がHIレベルのリセット信号を受信した場合、初期値「0」から乱数の更新を開始させるように変更するとともに、(2)スロットマシン1でのゲーム中において、第1乱数発生器417や第2乱数発生器418から乱数値を取得する度に、この取得した乱数値に上記サブRAM414に記憶されている乱数値を加算するように変更して構成することも可能である。
このように構成すれば、HIレベルのリセット信号をサブCPU412が受信したときにサブRAM414に記憶されている乱数値から乱数の更新を開始させるのと、同様な効果、すなわち、押し順等を表示させる当たり値のタイミングを、不正行為者に把握させなくすることができ、故意にリセット信号を入力するといったような不正行為をより有効に抑制することができるといったような効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、サブCPU412のみ、LOWレベルのリセット信号を受信した際、第1乱数発生器417等から乱数を取得して記憶するとともに、HIレベルのリセット信号を受信した際、当該記憶された乱数の値に基づいて、変更初期値および遅延時間を決定するように構成した。これに限られず、メインCPU301にも、上記サブCPU412と同様な制御を行わせるように構成することも可能である。
さらに、本実施形態では、リセット信号を出力することが可能なリセットIC431を、サブ制御基板400に設けたが、これに限られず、例えば、このリセットIC431の有するリセット信号を出力するといった機能を、電源監視装置513に持たせて、当該リセットIC431を省略することも可能である。
また、本実施形態では、電源の供給が停止された場合であっても、メインRAM304やサブRAM414の内容が消失しないように、バックアップ用コンデンサ514を設けたが、メインRAM304やサブRAM414を、例えば、バックアップ電源の供給が不要なEEPROM等により構成してバックアップ用コンデンサ514を省略することも可能である。
さらに、本実施形態では、BBゲームの終了後に、ATゲームに移行することが可能なスロットマシン1に本発明を適用したが、これに限られず、例えば、リプレイタイム(RT)、および、アシストタイム(AT)が組み合わされた、いわゆるアシストリプレイタイム(以下、「ART」と称す)といった遊技状態に移行することが可能なスロットマシンに本発明を適用することも可能である。
また、本実施形態におけるスロットマシン1では、ATゲームを行うことが可能なように構成し、サブ制御基板400(サブROM413)に、ATに関するデータとして、AT抽選テーブル、AT継続抽選テーブル、ATゲーム数抽選テーブルを記憶するようにしたが、サブ制御基板に、遊技者が獲得可能な遊技媒体(メダルやパチンコ玉等)の数量に影響の及ぶデータを記憶する遊技機であれば、いかなる遊技機にも、本発明を適用することが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1 スロットマシン
2 筐体
3 前面扉
3A 上部パネル部
3B 中部パネル部
3C 操作パネル部
3D 下部パネル部
11 左リールストップスイッチ
12 中リールストップスイッチ
13 右リールストップスイッチ
20 演出ボタン
41 液晶表示装置(演出内容出力手段)
44〜46 演出用ランプ
110 回胴装置
111 左リール
112 中リール
113 右リール
151 左リール帯
152 中リール帯
153 右リール帯
200 中央表示基板
300 メイン制御基板
301 メインCPU
400 サブ制御基板
412 サブCPU
413 サブROM
414 サブRAM
417 第1乱数発生器
418 第2乱数発生器
500 電源装置基板
520 ホッパ装置
530 電源スイッチ

Claims (2)

  1. 複数の図柄がそれぞれの周面に配された複数のリールと、
    前記複数のリールの周面に配された複数の図柄のうち、一部の図柄を表示する図柄表示手段と、
    遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
    前記開始操作検出手段により、遊技者による開始操作が検出されたことに基づいて、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
    前記開始操作検出手段により遊技者による開始操作が検出されたことに基づいて、前記複数のリールを回転させることにより、前記複数の図柄を変動表示させる図柄変動手段と、
    前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、遊技者による停止操作を検出する停止操作検出手段と、
    前記停止操作検出手段により遊技者による停止操作が検出されたことと、前記内部当選役決定手段により決定された内部当選役とに基づいて、前記図柄変動手段により変動表示されている図柄の停止制御を行う停止制御手段と、
    前記停止制御手段により前記複数の図柄の変動表示が全て停止されたことに基づいて、予め定められた図柄の組み合わせが表示されたか否かを判定する判定手段と、
    遊技に係る情報を報知する遊技情報報知手段と、
    前記内部当選役決定手段により決定された内部当選役に係る情報を前記遊技情報報知手段により報知する制御を行う遊技情報報知制御手段と、
    前記内部当選役決定手段により特定の内部当選役が決定された場合に、前記特定の内部当選役に係る情報を前記遊技情報報知手段により報知する特定状態の制御を行う特定状態制御手段と、
    前記特定状態の抽選に係る乱数値を生成する乱数生成手段と、
    前記乱数生成手段により生成された前記乱数値を抽出する乱数抽出手段と、
    前記乱数生成手段による前記乱数値の生成を所定の初期値から開始させるためのリセット信号を第1レベルから第2レベルに切り替えるリセット信号切替手段と、
    前記リセット信号切替手段から前記第1レベルのリセット信号を受信したことに基づいて、前記乱数生成手段から前記乱数値を取得して記憶する乱数値記憶手段と、
    前記乱数値記憶手段に前記乱数値が記憶されている場合において、当該記憶されている乱数値に基づいて、前記乱数生成手段による前記乱数値の生成を遅延して開始させるための遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、
    前記遅延時間決定手段により前記遅延時間が決定された場合において、前記第2レベルのリセット信号が入力されてから前記遅延時間が経過したことに基づいて、前記乱数値生成手段により前記所定の初期値から前記乱数値の生成を開始させる乱数値生成開始手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記乱数値記憶手段に記憶されている前記乱数値に基づいて、前記所定の初期値を決定する初期値決定手段を更に有し、
    前記乱数値生成開始手段は、前記初期値決定手段により決定された前記所定の初期値から前記乱数値生成手段による前記乱数値の生成を開始させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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