(第1の実施の形態)
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」又は「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」又は「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図1中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3のベースとなる略額縁状の前面枠本体4には、表面に遊技領域5が区画形成された矩形状の遊技盤6(図2参照)を収納可能としている。また、前面枠本体4の表面のうち機枠2への軸着側(図1中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の左右両側には、発光装飾可能な枠装飾装置10と、効果音を発する上スピーカ11と、ランプおよびモータを内蔵して光の照射方向を変更可能なムービングライト12とを備え、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を上皿ユニット13に対して左右方向にずれた位置に配置している。また、下皿ユニット14の一側方(図1中、右側方)には、発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備え、他側方(図1中、左側方)には、効果音を発する下スピーカ16を備え、上皿ユニット13の前側には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出ボタン17を備えている。
遊技盤6は、図2および図3に示すように、当該遊技盤6の基部となる平板状の遊技盤本体21を備え、該遊技盤本体21の表面には、枠状の区画部材22を止着して遊技領域5を区画形成し、該遊技領域5の側方(図2中、左側方)には縦長円弧状の発射球案内路23を備えている。また、遊技領域5の中央部分には、枠状のセンターケース(前面構成部材)25を配置し、該センターケース25の側部(図2中、右側部)には普図始動ゲート(球通過ゲート)26を配置し、遊技球の普図始動ゲート26への入賞(通過)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。また、センターケース25の下方には横長な入賞ユニット28を遊技領域5の一側(図2中、右側)に寄った状態で配置し、該入賞ユニット28には、始動入賞口29、一般入賞具30の他、2つの特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置31、第2特別変動入賞装置32)を有して構成された大入賞口を備えている。なお、センターケース25および入賞ユニット28については、後で詳細に説明する。
さらに、遊技領域5のうち入賞ユニット28よりも発射球案内路23側(図2中、左側)には、3つの一般入賞口35が備えられた装飾ランプ36を配置し、センターケース25の一側部(図2中、右側部)には普通変動入賞装置(第2始動入賞口)38を備えている。そして、入賞ユニット28の下方に位置する遊技領域5の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口41を遊技盤6の板厚方向(表裏方向)に貫通して開設し、遊技領域5のうちセンターケース25や入賞ユニット28等が配置されていない箇所には複数の障害釘(図示せず)を植設している。そして、区画部材22の一側の下部(図2中、右下部)には一括表示装置42を備え、該一括表示装置42において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示等を行うように構成されている。
また、図2、図4、図5に示すように、遊技盤本体21の裏面には矩形枠状の裏面構成部材44を装着し、該裏面構成部材44の裏側には変動表示装置(演出表示装置)45を装着し、変動表示装置45の表示部45aを裏面構成部材44およびセンターケース25を通して遊技盤6の前方に臨ませている。そして、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)や、遊技における演出表示を変動表示装置45の表示部45aで表示可能としている。さらに、変動表示装置45の裏面には演出制御装置47を装着してカバー体48で被覆し、遊技盤本体21の裏面の下部には遊技制御装置50を装着している。なお、裏面構成部材44については、後で詳細に説明する。
次に、センターケース25について説明する。
センターケース25は、図2および図6に示すように、当該センターケース25の基部となる枠状のケースベース部材52を備え、該ケースベース部材52の中央部分には、変動表示装置45の表示部45aを露出させる開口窓53を開設している。また、ケースベース部材52の周縁部にはフランジ状の取付基板54をセンターケース25の外方へ向けて延設し、該取付基板54を遊技盤本体21の表面に止着してセンターケース25を遊技盤6に装着するように構成されている。そして、取付基板54の上部の前面には、センターケース25の前方へ向けて突出した庇状の鎧部55をセンターケース25の左右両側へ向けて下り傾斜した円弧状態で配置して、この鎧部55がセンターケース25の上部に設けられた枠状の流入阻止壁となって、遊技球(詳しくは、遊技領域5内をセンターケース25の上方から流下してくる遊技球)がセンターケース25の内部へ流入することを規制するように構成されている。さらに、鎧部55の下方には、センターケース25の上部を装飾する上部装飾パネル56を配置している。
また、鎧部55の左右両側の傾斜下端から縦向きの側辺部58をケースベース部材52よりも前方へ突出した状態で備え、取付基板54の下部の後方であってケースベース部材52の下側に位置する底部には、遊技球が横方向(前後方向および左右方向)へ転動可能なステージ部59を配置している。さらに、ステージ部59の左右方向の中央部の後方には、遊技球をステージ部59上からステージ部59の後方および下方へ案内する案内流路60を備え、該案内流路60の出口を取付基板54の下部のうち始動入賞口29の直上に開設している。そして、ステージ部59の後縁には、後述する裏面構成部材44の一部を前方から被覆する透明な板状の被覆部61を立設し、ステージ部59の一側方(図2中、左側方)に位置する側辺部58には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)62を設け、球導入路62の入口をセンターケース25の側方(図2中、左側方)へ開放した状態で開設し、球導入路62の出口をステージ部59の側方(図2中、左側方)へ向けて開放し、遊技球が遊技領域5から球導入路62を通ってステージ部59上へ到達できるように構成されている。なお、被覆部61の構成については、後で詳細に説明する。
さらに、ステージ部59の他側方(図2中、右側方)に位置する側辺部58の上部には普図始動ゲート26を側方へ突出する状態で備え、該普図始動ゲート26よりも下方に位置する箇所には普通変動入賞装置38を備え、普図始動ゲート26および普通変動入賞装置38が遊技領域5の一側(図2中、右側)に上下に並んだ状態で位置するように構成されている。また、普通変動入賞装置38よりも下方には遊技球通路64を備え、普通変動入賞装置38に入賞せずに側方を通過した遊技球が遊技球通路64を通って遊技領域5のうちセンターケース25と入賞ユニット28との間の領域に到達できるように構成されている。
普通変動入賞装置38は、図7〜図10に示すように、側辺部58を左右方向に貫通して、遊技領域5を流下する遊技球が入賞可能(通過可能)な第2始動開口(入賞開口)67と、該第2始動開口67を開閉変換するための羽根状の普通電動役物(開閉部材)68と、該普通電動役物68に変換動作を行わせる普電ソレノイド69と、第2始動開口67を通過した遊技球(入賞球)を検出可能な始動口2スイッチ70とを備えて構成されている。そして、普通電動役物68をセンターケース25の側方(図2中、右側方)に位置する遊技領域5に臨ませ、第2始動開口67への遊技球の入賞を阻止する閉状態においては、図7および図8に示すように、普通電動役物68が縦向き姿勢となって第2始動開口67を閉成し、遊技球が第2始動開口67へ入賞し易い開状態においては、図9および図10に示すように、普通電動役物68が下端部を回動中心として回動して上端部をセンターケース25の側方へ移動し、当該普通電動役物68と第2始動開口67の開口上縁とを遊技球が通過可能な間隔で離間するように構成されている。なお、本実施形態の普通電動役物68は、閉状態では入口(第2始動開口67)を遊技球の直径よりも小さくして遊技球の入賞を阻止しているが、閉状態でも入口を遊技球が入賞でき得る程度の大きさにして入賞を規制(入賞可能ではあるが開状態よりも入賞し難い状態)してもよい。
また、普通電動役物68の下端部には、普通電動役物68と共回りする回動軸72を遊技盤本体21の板厚方向に沿って後方へ延設している。さらに、センターケース25の裏面のうち第2始動開口67が開設されている側辺部58の後方に位置する箇所には、普電ソレノイド69をプランジャ69aが下側に位置する姿勢で配設し、プランジャ69aの下端と回動軸72の後端とをスライダー部材73およびリンク部材74を介して連結している。そして、普電ソレノイド69が消磁して、コイルばね等の付勢部材69bの付勢力によりプランジャ69aを伸長させた(吸引しない)常態では、普通電動役物68が閉状態を維持し(図8参照)、普電ソレノイド69が励磁してプランジャ69aを付勢部材69bの付勢力に抗して収縮(吸引)させると、回動軸72が回動して普通電動役物68が開状態に変換するように構成されている(図10参照)。
次に、裏面構成部材44について説明する。
裏面構成部材44は、図11および図12に示すように、遊技盤本体21の裏面側に止着される額縁状のケース部材77を前側が開放した状態で備え、該ケース部材77の後部には矩形状の表示開口窓78を遊技盤本体21の板厚方向に沿って貫通して開設し、ケース部材77の後方から変動表示装置45を装着して、該変動表示装置45の表側に位置する表示部45aを表示開口窓78から前方へ臨ませている。さらに、ケース部材77の内側には、倒コ字状の第1装飾ユニット81と、該第1装飾ユニット81の下部に装着される横長な第2装飾ユニット82と、第1装飾ユニット81の前面に装着される第3装飾ユニット83とを備えている。言い換えると、変動表示装置45とセンターケース25との間に第1装飾ユニット81、第2装飾ユニット82、第3装飾ユニット83を配置している。
第1装飾ユニット81は、図13に示すように、表示開口窓78の開口縁に沿って倒コ字状(門型)となる第1ユニットベース86を備え、遊技盤6の前方から見て該第1ユニットベース86の左側辺には左側装飾機構87を備え、右側辺には右側装飾機構88を備え、左側装飾機構87と右側装飾機構88との間に表示開口窓78を臨ませることができるように構成されている。
左側装飾機構87は、図13〜図16に示すように、表示部45aの前方へ移動可能な略半円形状の左側装飾プレート91と、該左側装飾プレート91の駆動力を発生する左側装飾駆動モータ92と、左側装飾駆動モータ92から発生した駆動力(回動力)を左側装飾プレート91へ伝達する縦長な左側装飾駆動アーム93と、左側装飾プレート91と第1ユニットベース86の左側辺とを連結する縦長な左側装飾連結アーム94とを備えている。詳しく説明すると、略半円形状の左側装飾プレート91を縦向き姿勢に設定するとともに、半円の弦部分に相当する部分を右側装飾機構88の一部に当接可能な左側装飾当接部91aとして右側装飾機構88側へ向け、該左側装飾当接部91aには磁石91b(図16参照)を内蔵している。また、左側装飾プレート91の上方には左側装飾駆動アーム93を配置するとともに、左側装飾プレート91の下方には左側装飾連結アーム94を配置している。さらに、左側装飾駆動アーム93の上部に設けられた上側軸着部93aを第1ユニットベース86の上辺の左側に回動可能な状態で軸着し、左側装飾駆動アーム93の下部に設けられた下側軸着部93bを左側装飾プレート91のうち上下方向の中央部分に回動自在な状態で軸着している。そして、左側装飾連結アーム94の上部に設けられた上側軸着部94aを左側装飾プレート91のうち左側装飾駆動アーム93の軸着箇所よりも下方に回動自在な状態で軸着し、左側装飾連結アーム94の下部に設けられた長穴形状の下側軸受部94bに、第1ユニットベース86の左側辺に突設された左側連結軸86aを係合し、左側装飾連結アーム94が左側連結軸86aを中心して回動可能であり、かつ当該左側装飾連結アーム94の長手方向に沿ってスライド可能となるように構成されている。さらに、左側装飾駆動アーム93の上部には、円弧状の左側装飾回動ギア96を上側軸着部93aが中心となる状態で備え、左側装飾駆動モータ92の出力軸には左側装飾駆動ギア97を共回り状態で軸着し、該左側装飾駆動ギア97と左側装飾回動ギア96とを左側装飾伝達ギア98を介して噛合している。
右側装飾機構88は、図13〜図16に示すように、表示部45aの前方へ移動可能な略半円形状の右側装飾プレート101と、該右側装飾プレート101の駆動力を発生する右側装飾駆動モータ102と、右側装飾駆動モータ102から発生した駆動力(回動力)を右側装飾プレート101へ伝達する縦長な右側装飾駆動アーム103と、右側装飾プレート101と第1ユニットベース86の右側辺とを連結する縦長な右側装飾連結アーム104とを備えている。詳しく説明すると、略半円形状の右側装飾プレート101を縦向き姿勢に設定するとともに、半円の弦部分に相当する部分を左側装飾当接部91aに当接可能な右側装飾当接部101aとして左側装飾機構87側へ向け、該右側装飾当接部101aには磁石101b(図16参照)を内蔵している。また、右側装飾プレート101の上方には右側装飾駆動アーム103を配置するとともに、右側装飾プレート101の下方には右側装飾連結アーム104を配置している。さらに、右側装飾駆動アーム103の上部に設けられた上側軸着部103aを第1ユニットベース86の上辺の右側に回動可能な状態で軸着し、右側装飾駆動アーム103の下部に設けられた下側軸着部103bを右側装飾プレート101のうち上下方向の中央部分に回動自在な状態で軸着している。そして、右側装飾連結アーム104の上部に設けられた上側軸着部104aを右側装飾プレート101のうち右側装飾駆動アーム103の軸着箇所よりも下方に回動自在な状態で軸着し、右側装飾連結アーム104の下部に設けられた長穴形状の下側軸受部104bに、第1ユニットベース86の右側辺に突設された右側連結軸86bを係合し、右側装飾連結アーム104が右側連結軸86bを中心して回動可能であり、かつ当該右側装飾連結アーム104の長手方向に沿ってスライド可能となるように構成されている。さらに、右側装飾駆動アーム103の上部には、円弧状の右側装飾回動ギア106を上側軸着部103aが中心となる状態で備え、右側装飾駆動モータ102の出力軸には右側装飾駆動ギア107を共回り状態で軸着し、該右側装飾駆動ギア107と右側装飾回動ギア106とを右側装飾伝達ギア108を介して噛合している。
このような構成の左側装飾機構87および右側装飾機構88を備えた第1装飾ユニット81においては、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102を駆動せず演出動作を実行していない演出非実行状態(常態)では、図13および図14に示すように、左側装飾駆動アーム93が第1ユニットベース86の左上隅部の前方に重なって位置し、左側装飾プレート91および左側装飾連結アーム94が上下に並んだ状態で第1ユニットベース86の左側辺の前方に重なって位置する。また、右側装飾駆動アーム103が第1ユニットベース86の右上隅部の前方に重なって位置し、右側装飾プレート101および右側装飾連結アーム104が上下に並んだ状態で第1ユニットベース86の右側辺の前方に重なって位置する。この結果、演出非実行状態では、左側装飾機構87および右側装飾機構88が表示部45aの前方から外方に外れて第1ユニットベース86と第3装飾ユニット83との間に隠れ、遊技盤6の前方から視認不能となる(図3、図11、図12参照)。
そして、演出非実行状態から左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102を駆動して演出動作を実行すると、左側装飾駆動アーム93および右側装飾駆動アーム103が回動し、左側装飾駆動アーム93の下部に軸着された左側装飾プレート91、および右側装飾駆動アーム103の下部に軸着された右側装飾プレート101が第1装飾ユニット81の左右方向の中央側に向かって横方向に移動して互いに近づく。さらに、左側装飾プレート91に軸着された左側装飾連結アーム94がその上部を第1装飾ユニット81の左右方向の中央側に傾けながら第1ユニットベース86と第3装飾ユニット83との間から引き出され、右側装飾プレート101に軸着された右側装飾連結アーム104がその上部を第1装飾ユニット81の左右方向の中央側に傾けながら第1ユニットベース86と第3装飾ユニット83との間から引き出される。このとき、左側装飾連結アーム94が左側装飾プレート91にぶら下がる錘として機能して左側装飾プレート91の縦向き姿勢を維持し、右側装飾連結アーム104が右側装飾プレート101にぶら下がる錘として機能して右側装飾プレート101の縦向き姿勢を維持する。したがって、左側装飾プレート91および右側装飾プレート101は、互いに当接部91a、101aを対向させた姿勢で近づく(図15参照)。
引き続き、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102を駆動すると、左側装飾駆動アーム93および右側装飾駆動アーム103がさらに回動し、図16および図17に示すように、左側装飾当接部91aと右側装飾当接部101aとが重合するとともに磁石91b、101b同士が互いに吸引する。そして、左側装飾プレート91と右側装飾プレート101とが横に並んだ状態でくっついて位置決めされる。この結果、第1装飾ユニット81は、略円形状を呈する左側装飾プレート91と右側装飾プレート101との結合体を表示開口窓78の前方に配置し、表示部45aを覆う演出実行状態となる(図18参照)。なお、平面同士で当接する場合はずれる場合があるが、左側装飾当接部91aと右側装飾当接部101aは互いに鉤状であるため、ずれることなく位置決めされて当接する。
さらに、第1装飾ユニット81には、演出非実行状態であることを検出可能な検出センサ(左側装飾検出センサ109、右側装飾検出センサ110)をフォトセンサで構成して備えている。具体的には、左側装飾検出センサ109を第1ユニットベース86のうち左側装飾駆動アーム93の上側軸着部93aの上方に配置し、右側装飾検出センサ110を第1ユニットベース86のうち右側装飾駆動アーム103の上側軸着部103aの上方に配置している。そして、演出非実行状態においては、左側装飾駆動アーム93から延設された左側装飾検出片93cが左側装飾検出センサ109により検出され、さらには、右側装飾駆動アーム103から延設された右側装飾検出片103cが右側装飾検出センサ110により検出され、これらの検出信号に基づいて第1装飾ユニット81が演出非実行状態であると検出できるように構成されている。
また、第1装飾ユニット81においては、演出非実行状態から演出実行状態に変換し、再び演出非実行状態に戻る一連の動作を演出動作としている。詳しくは、図19(a)に示すように、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102が正転動作(演出非実行状態から演出実行状態に変換する動作)を開始し、装飾検出片93c、103cが左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110で検出できなくなる位置まで移動し、左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がOFF状態となる(図19(a)に示すaの区間)。さらに、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102が、左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110のOFF状態の開始から予め設定された正転継続時間bに亘ってさらに正転動作を継続して、第1装飾ユニット81が演出実行状態に変換する。そして、演出実行状態に変換したならば、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102が停止時間cに亘って停止して演出実行状態を維持する。
停止時間cが経過したならば、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102が逆転動作(演出実行状態から演出非実行状態に変換する動作)を実行し、装飾検出片93c、103cが左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110で検出される位置まで戻り、左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がON状態となる(図19(a)に示すdの区間)。そして、左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110のON状態の開始から予め設定された逆転継続時間eに亘ってさらに逆転動作を継続して、第1装飾ユニット81が演出非実行状態に再変換する。そして、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102を停止する。
なお、パチンコ遊技機1の電源投入時には、第1装飾ユニット81を演出非実行状態にする初期化動作が実行されるが、電源投入時に左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がON状態かOFF状態かで初期化動作の内容が異なる。電源投入時に左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がON状態である場合には、図19(a)に示す動作タイミングで左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102が駆動して第1装飾ユニット81を演出非実行状態にする。一方、電源投入時に左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がOFF状態である場合には、図19(b)に示すように、左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102が正転継続時間bに亘って正転動作を実行して第1装飾ユニット81を演出実行状態に変換し、停止時間cに亘って演出実行状態を維持した後、左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がON状態となるまで逆転動作を行った後、さらに逆転動作を時間eに亘って実行して第1装飾ユニット81を演出非実行状態に変換する。
さらに、パチンコ遊技機1の電源投入後においては、所定時間が経過する毎に左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110の状態を、例えば演出制御装置47で監視し、必要に応じて第1装飾ユニット81の状態を初期化(演出非実行状態へ変換する動作)を行う。具体的には、演出制御装置47から第1装飾ユニット81を演出実行状態に変換する指令が出ていないにも拘らず左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がOFF状態となっている場合(すなわち、第1装飾ユニット81が演出非実行状態に維持されていない場合)には、図19(b)に示す動作タイミングで左側装飾駆動モータ92および右側装飾駆動モータ102を駆動し、第1装飾ユニット81を一旦演出実行状態に変換してから演出非実行状態に戻す。なお、図19(b)に示す動作タイミングで行わずに、左側装飾検出センサ109および右側装飾検出センサ110がON状態となるまで逆転動作を行った後、さらに逆転動作を時間eに亘って実行して第1装飾ユニット81を演出非実行状態に変換してもよい。この方が大きな動作を行わないので、遊技者に不信感を抱かせない効果がある。ただし、動作のパターンが増えるために、プログラム容量が増える。
次に、第2装飾ユニット82について説明する。
第2装飾ユニット82は、図20〜図22に示すように、第1ユニットベース86の左右両側辺の下部の間に装着される横長な第2ユニットベース120を備え、該第2ユニットベース120の前面のうち左右方向の中央部分には、可動して演出動作を実行可能な主装飾体(装飾役物)121を備えて変動表示装置45の下部の前方に位置させ(図2参照)、該主装飾体121の後部から突設された主スライドピン121aを第2ユニットベース120に開設された縦長な主スライドガイド溝120aへ遊嵌して、主装飾体121が主スライドガイド溝120aに沿って上下方向に移動できるように構成されている。そして、主装飾体121の上部には、透明な球面で形成された役物窓部122を備え、該役物窓部122を通して後方の変動表示装置45を遊技盤6の前方から視認できるように構成されている。また、第2ユニットベース120の裏面には、第2装飾駆動ソレノイド123をプランジャ123aが横向きとなる姿勢で配設し、プランジャ123aの先端と主装飾体121とを、第2ユニットベース120の裏面に軸着された第2ユニットアーム124を介して連結している(図21および図22参照)。
さらに、主装飾体121の左右両側には、可動して演出動作を実行可能な副装飾体126をそれぞれ備え、該主装飾体121の後部から突設された副スライドピン121bを副装飾体126に開設された横長な副スライドガイド溝126aへ遊嵌して、副装飾体126が副スライドガイド溝126aを副スライドピン121bに沿わせて左右方向に移動できるように構成されている。また、副装飾体126の下部には、先端にカムフォロワ127aが設けられた装飾体アーム127(図22参照)を備え、第2ユニットベース120のうち主スライドガイド溝120aの側方には、縦長な傾斜姿勢のカム溝120bを形成してカムフォロワ127aを係合し、該カム溝120bを下側から上側に向かうにつれて次第に主スライドガイド溝120aから離れる状態で傾斜させている。
このような構成を備えた第2装飾ユニット82においては、第2装飾駆動ソレノイド123を消磁してプランジャ123aを伸長させた常態では、第2ユニットアーム124が軸着部に設けられたバネ(図示せず)の付勢力により裏面から見て反時計方向に付勢されることと主装飾体121の自重により主装飾体121が下死点に位置し、副装飾体126がカムフォロワ127aをカム溝120bの下端に係合して、演出非実行状態に設定される(図20(a)および図21(a)参照)。また、第2装飾駆動ソレノイド123を励磁してプランジャ123aを収縮させると、第2ユニットアーム124がバネ(図示せず)の付勢力および主装飾体121の自重に抗して回動して主スライドピン121aを上方へ押し上げ、主装飾体121および副装飾体126が下死点から上死点へ上昇し、副装飾体126のカムフォロワ127aが傾斜姿勢のカム溝120bに沿って上昇する。この結果、副装飾体126が上昇するにしたがって次第に主装飾体121から横方向に離れる動きを実行する。そして、第2装飾駆動ソレノイド123がプランジャ123aを十分に収縮すると、主装飾体121および副装飾体126が上死点に到達し、左右の副装飾体126の離間距離が演出非実行状態よりも広がって演出実行状態となる(図20(b)および図21(b)参照)。
また、演出非実行状態の主装飾体121は、図23および図24(a)に示すように、第2装飾ユニット82の前方に立設する被覆部61のうち、左右方向の中央部に設けられた被覆領域61aにより前方から被覆されている。ここで、被覆領域61aについて説明すると、被覆領域61aは、後方の主装飾体121を視認可能とする第1被覆領域61bと、主装飾体121を視認不能又は極めて視認困難とする第2被覆領域61cとを有している。具体的に説明すると、図24に示すように、当該被覆領域61aの裏面を横長な枠形状および「GARM」の文字形状が形成されるように彫刻を施して凹ませてある。したがって、被覆領域61aは平面部の第1被覆領域61bと彫刻部の第2被覆領域61cが混在して、全体として後方を視認不能ではないが視認性に欠ける状態である視認困難にしている。なお、枠形状および文字形状が形成された部分である凹部に不透明塗料や半透明塗料で塗装する等の表面処理を施してもよい。
そして、被覆部61は、変動表示装置45の下部を被覆し、被覆領域61a以外の被覆部61の左右部は、平面に形成され後方の変動表示装置45を視認可能にしている。なお、被覆領域61a以外の被覆部61の左右部の一部には彫刻を施しているが、変動表示装置45の表示領域の端部の前方に位置しているので、変動表示装置45の表示内容の視認の障害にならないようにしつつ、デザイン性を向上させている。また、被覆部61の上部は左右に水平で、中央の被覆領域61aの部分は若干上部に突出し、突出部に架けて彫刻を施している。突出部の上端は主装飾体121の前方に収まり、変動表示装置45に及んでいないので、被覆領域61aが主装飾体121に係る部分以外の変動表示装置45の表示の視認性に影響を与えない。
このような構成の被覆領域61aの後方に主装飾体121が演出非実行状態に設定されると、図24(a)に示すように、主装飾体121の役物窓部122と被覆領域61aとが前後に並ぶ。この状態で変動表示装置45のうち役物窓部122の後方に位置する箇所で表示を実行(例えば「77」の文字を表示)すると、この表示内容の一部は第1被覆領域61bおよび役物窓部122を通して視認可能であるが、一部は第2被覆領域61cにより邪魔されて明瞭には視認できず、視認困難な状態となる。一方、主装飾体121が演出実行状態に設定されると、図24(b)に示すように、役物窓部122が被覆領域61aの後方から上昇して外れ、被覆領域61aによる被覆状態が解除される。この状態で変動表示装置45のうち役物窓部122の後方に位置する箇所で表示を実行(例えば「77」の文字を表示)すると、この表示内容は役物窓部122を通して視認される。したがって、第2装飾ユニット82の演出実行状態では、変動表示装置45のうち役物窓部122の後方に位置する表示内容が視認可能となり、第2装飾ユニット82の演出非実行状態では、変動表示装置45のうち役物窓部122の後方に位置する表示内容が演出実行状態よりも視認困難となる。この結果、演出実行状態において主装飾体121および変動表示装置45の表示内容の双方に遊技者の興味を惹きつけるとともに、一方のみに興味が集中することを防止することができる。また、演出非実行状態において、変動表示装置45のうち役物窓部122の後方に位置する表示(例えば、文字や記号などの表示)を歪ませたり、モザイクをかけたりする等して変形させれば、演出非実行状態での変動表示装置45の表示内容が一層視認困難になる。したがって、演出非実行状態においても変動表示装置45の表示内容に遊技者の興味を惹きつけることができる。また、視認性を調整するため、役物窓部122の表面を滑らか(鏡面)ではなく磨りガラス状にしたり、板厚を均一とはせずに歪ませたり、着色あるいは少量の拡散剤を混入して透過性(透明性)を低くしてもよい。
次に、第3装飾ユニット83について説明する。
第3装飾ユニット83は、図11および図12に示すように、第1装飾ユニット81を被覆する倒コ字状の第3ユニットベース130と、該第3ユニットベース130の前面に装着され、可動して演出動作を実行可能な複数の可動装飾装置(第1可動装飾装置131、第2可動装飾装置132)とを備えて構成されており、第1可動装飾装置131を第3ユニットベース130の左右両側辺にそれぞれ配置し、第2可動装飾装置132を第3ユニットベース130の上辺に配置している。
第1可動装飾装置131は、図25〜図30に示すように、第3ユニットベース130に止着される第1可動装飾基部135と、該第1可動装飾基部135の前面にスライド可能な状態で装着された装飾部材136とを備えて構成されている。第1可動装飾基部135は、図25および図26に示すように、基部ケース137の前面を装飾部材136が摺動可能な摺動面137aとし、該摺動面137aを、遊技盤6の表面の延在方向とは異なる方向に延在する仮想スライド曲線C1、詳しくは遊技盤6の表面と直交する仮想平面P1に沿って延在する円弧状の仮想スライド曲線C1に沿って湾曲する円弧面に設定している。なお、仮想スライド曲線C1は、当該仮想スライド曲線C1の接線方向が遊技盤6の表面から離間するにつれて次第に遊技盤6の表面の延在方向に近づく状態に設定されている。また、摺動面137aの円弧方向の両側部には、装飾部材136に係合するスライド係合受部137bをそれぞれ備えている。さらに、図26に示すように、基部ケース137の内部には駆動ブラケット139を止着し、該駆動ブラケット139には第1可動装飾モータ141を出力軸が基部ケース137の内部で遊技盤6の表面に沿って延在する姿勢で装着し、第1可動装飾モータ141の出力軸に第1可動ギア142を共回り状態で軸着し、基部ケース137の前面に開設された縦長な開口部137cから第1可動ギア142の歯を臨ませている。
装飾部材136は、図26および図27に示すように、基部ケース137の摺動面137aに沿って円弧状となる装飾ベースプレート145を備え、該装飾ベースプレート145の円弧方向の両側縁には、スライド係合受部137bに係合されるスライド係合部145aを摺動面137aに沿った円弧状に設定して備え、該スライド係合部145aがスライド係合受部137bに係合された状態で摺動面137a上を仮想スライド曲線C1に沿って摺動するように構成されている。さらに、各スライド係合部145aよりも遊技盤6の前方には装飾ブラケット146をそれぞれ備え、該装飾ブラケット146には、尖端が遊技盤6の中央側に向いた爪形状の装飾カバー体147を止着して、装飾ベースプレート145を装飾カバー体147で装飾部材136の前方から被覆している。
また、装飾部材136には、複数の発光体150と、該発光体150から光が照射される半透明プラスチック製の導光部151と、該導光部151を遊技盤6の前方から視認可能とする装飾窓部152とを備えている。具体的に説明すると、装飾ベースプレート145には、仮想スライド曲線C1に沿って延在するプレート開口145bを貫通し(図27参照)、装飾ベースプレート145の表面(遊技盤6の前方に向けた面)のうちプレート開口145bの側方には仮想平面P1に平行な状態、詳しくは仮想スライド曲線C1に沿って延在する略円弧状の発光基板153を配置している。また、該発光基板153のうちプレート開口145b側に向けた面に複数の発光体(フルカラーLED)150を装飾ベースプレート145側に近づけて実装するとともに、仮想スライド曲線C1に沿って円弧状に列設し、発光体150が仮想平面P1と直交する方向へ向けて光を出射できるように構成されている。さらに、発光基板153のうち仮想スライド曲線C1の曲げ中心側に位置する縁部を仮想スライド曲線C1に沿って円弧状に成形し(図28参照)、この縁部を装飾ベースプレート145の表面に沿わせている。
そして、プレート開口145bには、仮想スライド曲線C1に沿って延在する円弧状に形成された導光部151を挿通して、該導光部151が発光体150から仮想平面P1と直交する方向へずれて位置するように設定し、装飾カバー体147には、導光部151を遊技盤6の前方へ臨ませる透明な帯状の装飾窓部152を備えている。また、導光部151のうち装飾ベースプレート145の裏面(遊技盤6の後方に向けた面)から遊技盤6の後方に向けて突出した後縁部には装飾側ギア151aを導光部151の長手方向に沿って形成し、該装飾側ギア151aを基部ケース137内の第1可動ギア142へ噛合している(図29参照)。さらに、装飾ベースプレート145の表面から遊技盤6の前方に向けて突出した前縁部には、発光体150からの光が入射する光入射部151bを、発光体150の列に平行な円弧状であり、かつ装飾窓部152との離間距離が発光体150側に近づくにつれて次第に広くなる傾斜状態で形成している(図27参照)。なお、図30に示すように、光入射部151bには円筒面形の凸レンズを導光部151の延在方向に沿って複数形成し、光入射部151bから入射した光が凸レンズを通って導光部151内で拡散するように構成されている。
第2可動装飾装置132は、図31に示すように、第3ユニットベース130に止着される第2可動装飾基部156と、該第2可動装飾基部156の前面にスライド可能な状態で装着された3つの装飾部材136とを備えて構成されている。なお、装飾部材136は、第1可動装飾装置131に装着されているものと同じ構成であるので、詳細な説明を省略する。
第2可動装飾基部156は、図31(a)に示すように、各装飾部材136が装着される3つの基部ケース(中央基部ケース158、左側基部ケース159、右側基部ケース160)を遊技盤6の左右方向に沿って並べて配置している。中央基部ケース158には、遊技盤6の左右方向に沿って延在する中央装飾回動軸162を貫通するとともに回動可能な状態で支持し、図31(b)に示すように、中央装飾回動軸162のうち中央基部ケース158内に位置する箇所には中央伝達ギア163を共回り状態で軸着している。また、中央基部ケース158のうち第3ユニットベース130側となる後側には中央駆動ブラケット164を備え、該中央駆動ブラケット164には第2可動装飾モータ165を出力軸が中央伝達ギア163の後方で中央装飾回動軸162と平行となる姿勢で装着し、第2可動装飾モータ165の出力軸に中央駆動ギア166を共回り状態で軸着し、該中央駆動ギア166と中央伝達ギア163とを噛合している。さらに、中央基部ケース158の前側(中央装飾回動軸162を挟んで中央駆動ギア166とは反対側)には、中央伝達ギア163と噛合する中央可動ギア167を回動可能な状態で支持し、中央可動ギア167の歯を中央基部ケース158の前側に開設された開口部(図示せず)から臨ませて、中央基部ケース158に装着される装飾部材136の装飾側ギア151aへ噛合している。
さらに、中央基部ケース158の前面を装飾部材136が摺動可能な摺動面(図示せず)とし、該摺動面を、遊技盤6の表面の延在方向とは異なる方向に延在する仮想スライド曲線C2C、詳しくは遊技盤6の表面と直交する仮想平面P2Cに沿って延在する円弧状の仮想スライド曲線C2Cに沿って湾曲する円弧面に設定している(図31(a)参照)。なお、仮想スライド曲線C2Cは、当該仮想スライド曲線C2Cの接線方向が遊技盤6の表面から離間するにつれて次第に遊技盤6の表面の延在方向に近づく状態に設定されている。また、摺動面の左右両側には、装飾部材136のスライド係合部145aを係合するスライド係合受部(図示せず)をそれぞれ備えている。
左側基部ケース159には、図31(b)に示すように、左側装飾回動軸170を中央基部ケース158側から左側基部ケース159側に向かって下り傾斜した姿勢で挿通し、該左側装飾回動軸170の左端部を左側基部ケース159内の左側駆動ブラケット171により回動自在な状態で支持し、この左端部には左側伝達ギア172を共回り状態で軸着している。また、左側装飾回動軸170の右端部を左側基部ケース159から中央基部ケース158側に突出し、この右端部と中央装飾回動軸162の左端部とを自由継手173で連結している。さらに、左側基部ケース159の前側には、左側伝達ギア172と噛合する左側可動ギア174を回動可能な状態で支持し、左側可動ギア174の歯を左側基部ケース159の前側に開設された開口部(図示せず)から臨ませて、左側基部ケース159に装着される装飾部材136の装飾側ギア151aへ噛合している。
さらに、左側基部ケース159の前面を装飾部材136が摺動可能な摺動面(図示せず)とし、該摺動面を、遊技盤6の表面の延在方向とは異なる方向に延在する仮想スライド曲線C2L、詳しくは遊技盤6の表面と直交する仮想平面P2Lに沿って延在する円弧状の仮想スライド曲線C2Lに沿って湾曲する円弧面に設定している(図31(a)参照)。なお、仮想スライド曲線C2Lは、当該仮想スライド曲線C2Lの接線方向が遊技盤6の表面から離間するにつれて次第に遊技盤6の表面の延在方向に近づく状態に設定されている。また、摺動面の左右両側には、装飾部材136のスライド係合部145aを係合するスライド係合受部(図示せず)をそれぞれ備えている。
右側基部ケース160には、図31(a)に示すように、右側装飾回動軸175を中央基部ケース158側から右側基部ケース160側に向かって下り傾斜した姿勢で挿通し、該右側装飾回動軸175の右端部を右側基部ケース160内の右側駆動ブラケット176により回動自在な状態で支持し、この右端部には右側伝達ギア177を共回り状態で軸着している。また、右側装飾回動軸175の左端部を右側基部ケース160から中央基部ケース158側に突出し、この左端部と中央装飾回動軸162の右端部とを自由継手178で連結している。さらに、右側基部ケース160の前側には、右側伝達ギア177と噛合する右側可動ギア179を回動可能な状態で支持し、右側可動ギア179の歯を右側基部ケース160の前側に開設された開口部(図示せず)から臨ませて、右側基部ケース160に装着される装飾部材136の装飾側ギア151aへ噛合している。
さらに、右側基部ケース160の前面を装飾部材136が摺動可能な摺動面(図示せず)とし、該摺動面を、遊技盤6の表面の延在方向とは異なる方向に延在する仮想スライド曲線C2R、詳しくは遊技盤6の表面と直交する仮想平面P2Rに沿って延在する円弧状の仮想スライド曲線C2Rに沿って湾曲する円弧面に設定している(図31(a)参照)。なお、仮想スライド曲線C2Rは、当該仮想スライド曲線C2Rの接線方向が遊技盤6の表面から離間するにつれて次第に遊技盤6の表面の延在方向に近づく状態に設定されている。また、摺動面の左右両側には、装飾部材136のスライド係合部145aを係合するスライド係合受部(図示せず)をそれぞれ備えている。
このような構成の第1可動装飾装置131および第2可動装飾装置132を備えた第3装飾ユニット83においては、第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165を駆動せずに演出動作を実行していない演出非実行状態(常態)では、図12および図32(a)に示すように、装飾部材136と各基部ケース137、158、159、160とが前後に重なり、装飾カバー体147の基端部が第3ユニットベース130の外縁の前方に位置するとともに、尖端部が第3ユニットベース130の内縁の前方に位置する。この結果、第3装飾ユニット83は、各装飾部材136を表示部45aの前方から外方へ外した状態となる(図3参照)。
そして、演出非実行状態から第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165を駆動して演出動作を実行すると、第1可動装飾モータ141の出力が第1可動ギア142により第1可動装飾装置131の装飾側ギア151aへ伝達されて、第1可動装飾装置131の装飾部材136が表示部45aの中央側へスライドし(図32(b)参照)、第2可動装飾モータ165の出力が中央駆動ギア166、中央伝達ギア163、中央可動ギア167、中央装飾回動軸162、自由継手173、178、左側装飾回動軸170、左側伝達ギア172、左側可動ギア174、右側装飾回動軸175、右側伝達ギア177、右側可動ギア179により第2可動装飾装置132の各装飾側ギア151aへ伝達されて、第2可動装飾装置132の各装飾部材136が表示部45aの中央側へスライドする。この結果、第3装飾ユニット83は、各装飾部材136を表示部45aの前方に位置させて演出実行状態となり、5本の爪が表示部45aを遊技盤6の後方から鷲掴みにするような演出を行う(図33参照)。
このとき、第1可動装飾装置131および第2可動装飾装置132は、仮想スライド曲線C1、C2C、C2L、C2Rに沿って装飾部材136をスライド移動するので、斬新な動きをする演出動作を実現することができ、遊技の興趣を高めることができる。しかも、仮想スライド曲線C1、C2C、C2L、C2Rが遊技盤6の表面と直交する仮想平面P1、P2C、P2L、P2Rに沿って延在する円弧であり、当該仮想スライド曲線C1、C2C、C2L、C2Rの接線方向が遊技盤6の表面から離間するにつれて次第に遊技盤6の表面の延在方向に近づく状態に設定されているので、装飾部材136が遊技者側に飛び出し過ぎること、さらには、装飾部材136が遊技盤6の前方に位置する透明部材9に当たってしまう不都合を避けることができる。
また、装飾部材136の発光体150を発光すると、発光体150が光を仮想平面P1、P2C、P2L、P2Rと直交する方向へ向けて出射し、この光が光入射部151bに入射し、凸レンズにより拡散した状態で導光部151内に導入される。この状態を遊技盤6の前方から装飾窓部152を通して見ると、円弧状の導光部151の全体が光っているかのように見える。このような発光を実現する構成として、各装飾部材136においては、複数の発光体150を円弧状に列設するとともに、仮想平面P1、P2C、P2L、P2Rと直交する方向へ向けて光を出射可能とし、導光部151を発光体150から仮想平面仮想平面P1、P2C、P2L、P2Rと直交する方向へずれた位置に配設し、導光部151の光入射部151bを発光体150の列に平行な円弧状に形成したので、高価なフレキシブル基板を採用しなくても、発光体150を支障なく円弧状に並べて実装することができ、導光部151に光を十分に照射することができる。また、安価で曲がらない平板状のフェノール基板やガラスエポキシ基板を発光基板として採用した場合には、この発光基板を導光部151の後方に配置して導光部151の全体を光らせるようにする場合が考えられるが、発光基板を導光部151の後方に配置すると、装飾部材136のスライド機構の配置の邪魔になり易い。しかも、平板状の発光基板と円弧状の導光部151との離間距離が均一にならないため、導光部151の全体を均一に光らせることが難しい。しかしながら、本発明の場合には、発光基板を導光部151の後方に配置しなくても、円弧状の導光部151の全体が均一に光っているかのように見える演出を実現することができる。したがって、発光のための構成が装飾部材136のスライド機構の邪魔になり難い。
さらに、光入射部151bを装飾窓部152との離間距離が発光体150側に近づくにつれて次第に広くなる傾斜状態に設定しているので、光入射部151bが当該光入射部151bの全体で発光体150からの光を受け易くなり、導光部151の明るさにムラが生じ難い。また、発光基板153のうち仮想スライド曲線C1、C2C、C2L、C2Rの曲げ中心側に位置する縁部を、仮想スライド曲線C1、C2C、C2L、C2Rに沿って円弧状に成形したので、発光基板153を装飾部材136のスライド移動の境界部分に近づけて配置することができる。したがって、装飾部材136内における発光基板153の配置空間を狭くすることができ、装飾部材136を小型化し易い。
また、第3装飾ユニット83には、演出非実行状態であることを検出可能な検出センサ(第1可動装飾検出センサ181、第2可動装飾検出センサ182)をフォトセンサで構成して備えている。具体的には、図26および図34(a)に示すように、第1可動装飾検出センサ181を基部ケース137の第3ユニットベース130側に配置し、図31(b)に示すように、第2可動装飾検出センサ182を中央基部ケース158の第3ユニットベース130側に位置する中央駆動ブラケット164に配置している。さらに、第1可動装飾装置131の装飾部材136、および第2可動装飾装置132のうち中央基部ケース158に装着される装飾部材136には、装飾ブラケット146から可動装飾検出片183を延設している。そして、演出非実行状態においては、第1可動装飾装置131の可動装飾検出片183が第1可動装飾検出センサ181により検出され、さらには、第2可動装飾装置132の可動装飾検出片183が第2可動装飾検出センサ182により検出され、これらの検出信号に基づいて第3装飾ユニット83が演出非実行状態であると検出できるように構成されている。
また、第3装飾ユニット83においては、演出非実行状態から演出実行状態に変換し、再び演出非実行状態に戻る一連の動作を演出動作としている。詳しくは、図35(a)に示すように、第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165が正転動作(演出非実行状態から演出実行状態に変換する動作)を開始し、可動装飾検出片183が第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182で検出できなくなる位置まで移動し、第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がOFF状態となる(図35(a)に示すaの区間)。さらに、第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165が、第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182のOFF状態の開始から予め設定された正転継続時間bに亘ってさらに正転動作を継続して、第3装飾ユニット83が演出実行状態に変換する。そして、演出実行状態に変換したならば、第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165が停止時間cに亘って停止して演出実行状態を維持する。
停止時間cが経過したならば、第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165が逆転動作(演出実行状態から演出非実行状態に変換する動作)を実行し、可動装飾検出片183が第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182で検出される位置まで戻り、第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がON状態となる(図35(a)に示すdの区間)。そして、第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182のON状態の開始から予め設定された逆転継続時間eに亘ってさらに逆転動作を継続して、第3装飾ユニット83が演出非実行状態に再変換する。そして、第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165を停止する。
なお、パチンコ遊技機1の電源投入時には、第3装飾ユニット83を演出非実行状態にする初期化動作が実行されるが、電源投入時に第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がON状態かOFF状態かで初期化動作の内容が異なる。電源投入時に第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がON状態である場合には、図35(a)に示す動作タイミングで第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165が駆動して第3装飾ユニット83を演出非実行状態にする。一方、電源投入時に第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がOFF状態である場合には、図35(b)に示すように、第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165が正転継続時間bに亘って正転動作を実行して第3装飾ユニット83を演出実行状態に変換し、停止時間cに亘って演出実行状態を維持した後、第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がON状態となるまで逆転動作を行った後、さらに逆転動作を時間eに亘って実行して第3装飾ユニット83を演出非実行状態に変換する。
さらに、パチンコ遊技機1の電源投入後においては、所定時間が経過する毎に第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182の状態を、例えば演出制御装置47で監視し、必要に応じて第3装飾ユニット83の状態を初期化(演出非実行状態へ変換する動作)を行う。具体的には、演出制御装置47から第3装飾ユニット83を演出実行状態に変換する指令が出ていないにも拘らず第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がOFF状態となっている場合(すなわち、第3装飾ユニット83が演出非実行状態に維持されていない場合)には、図35(b)に示す動作タイミングで第1可動装飾モータ141および第2可動装飾モータ165を駆動し、第3装飾ユニット83を一旦演出実行状態に変換してから演出非実行状態に戻す。なお、図35(b)に示す動作タイミングで行わずに、第1可動装飾検出センサ181および第2可動装飾検出センサ182がON状態となるまで逆転動作を行った後、さらに逆転動作を時間eに亘って実行して第3装飾ユニット83を演出非実行状態に変換してもよい。この方が大きな動作を行わないので、遊技者に不信感を抱かせない効果がある。ただし、動作のパターンが増えるために、プログラム容量が増える。
次に、入賞ユニット28について説明する。入賞ユニット28は、図36に示すように、遊技盤本体21に止着される入賞ユニットベース185を備え、該入賞ユニットベース185の表面の左右方向の中央部分には、2つの入賞開口を開閉可能な大入賞口(第1特別変動入賞装置31、第2特別変動入賞装置32)を配置し、該入賞ユニットベース185の表面のうち大入賞口よりも発射球案内路23側に位置する側部(図36(a)中、左側部)には始動入賞口29を配置し、大入賞口を挟んで始動入賞口29とは反対側に位置する側部(図36(a)中、右側部)には、一般入賞具30を第1特別変動入賞装置31よりも上方へずらして配置している。そして、大入賞口のうち、一般入賞具30側に位置する第1特別変動入賞装置31を、始動入賞口29側に位置する第2特別変動入賞装置32よりも上方へずらして配置している。さらに、入賞ユニットベース185の表面のうち第1特別変動入賞装置31の下方であって第2特別変動入賞装置32の側方(図36中、右側方)には、遊技球が上面を転動可能な棚状の球転動案内路185aを一般入賞具30側から第2特別変動入賞装置32側へ向かって下り傾斜した状態で備え、球転動案内路185aの傾斜下端を第2特別変動入賞装置32の側方(図36(a)中、右側方)に配置している。
第1特別変動入賞装置(上大入賞口)31は、入賞ユニットベース185に開設された横長な第1入賞開口186と、該第1入賞開口186を開閉可能な横向き短冊状の第1開閉扉187と、該第1開閉扉187を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド188(図36(b)参照)と、第1入賞開口186を通過した遊技球を入賞ユニット28の内部に流下させる第1球流下路(図示せず)と、該第1球流下路の途中に配置され、第1球流下路を流下する遊技球を当該第1特別変動入賞装置31の入賞球として検出する第1カウントスイッチ190(図40参照)とを備えて構成されている。そして、第1大入賞口ソレノイド188を駆動しない常態では、第1開閉扉187が第1入賞開口186を閉成して、遊技球の入賞を阻止する閉状態となり、第1大入賞口ソレノイド188を駆動すると、第1開閉扉187が下縁部を回動中心として前方へ回動して第1入賞開口186を開放し、遊技球の入賞を許容する開状態に変換するように構成されている。
第2特別変動入賞装置(下大入賞口)32は、図36および図37に示すように、入賞ユニットベース185に開設された横長な第2入賞開口191と、該第2入賞開口191を開閉可能な横向き短冊状の第2開閉扉192と、該第2開閉扉192を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド193(図36(b)参照)と、第2入賞開口191を通過した遊技球を入賞ユニット28の一側(図37中、右側)へ向けて転動させる傾斜状態の転動棚部194と、該転動棚部194を転動してきた遊技球を下方へ流下させる第2球流下路195と、該第2球流下路の途中に配置され、第2球流下路を流下する遊技球(言い換えると、第2特別変動入賞装置32に進入した遊技球)を当該第2特別変動入賞装置32の入賞球として検出および計数する第2カウントスイッチ(入賞計数スイッチ)196とを備えて構成されている。そして、第2大入賞口ソレノイド193を駆動しない常態では、第2開閉扉192が第2入賞開口191を閉成して、遊技球の入賞を阻止する閉状態となり、第2大入賞口ソレノイド193を駆動すると、第2開閉扉192が下縁部を回動中心として前方へ回動して第2入賞開口191を開放し、遊技球の入賞を許容する開状態に変換するように構成されている。
さらに、第2特別変動入賞装置32のうち第2球流下路の下流端には、第2球流下路を流下してきた遊技球を入賞ユニット28の下方へ誘導する球誘導路200を接続している。球誘導路200は、図37に示すように、当該球誘導路200の上流部として第2球流下路の下流端に連通する球導入路201と、該球導入路201の下流端から分岐する第1球経路203および第2球経路204と、該第1球経路203の下流端と第2球経路204の下流端とを合流させ、下流部が入賞ユニット28の下方へ開放した球排出経路205とを備えて構成されている。また、第2球経路204を第1球経路203よりも下方に分岐し、第1球経路203には、当該第1球経路203を流下する遊技球を検出および計数する第1流下計数スイッチ206を備え、第2球経路204には、当該第2球経路204を流下する遊技球を検出および計数する第2流下計数スイッチ207を備え、球排出経路205には、当該球排出経路205を流下する遊技球を検出および計数する排出計数スイッチ208を備えている。なお、大当り状態において第2流下計数スイッチ207が遊技球を検出すると、大当り状態が終了後に後述する確変状態が発生するように構成されている。すなわち、第2球経路204(いわゆるVゾーン)に遊技球が流下したことに基づいて、遊技者に有利となる遊技状態が発生するように設定されている。
そして、第2カウントスイッチ196、第1流下計数スイッチ206、第2流下計数スイッチ207、排出計数スイッチ208から検出信号を遊技制御装置(球計数監視手段)50へ送信可能とし、各スイッチ196、206、207、208が計数した遊技球の各計数値を遊技制御装置50で監視できるように構成されている。そして、第2カウントスイッチ196における遊技球の検出数と、排出計数スイッチ208における遊技球の検出数とを比較して、球誘導路200内を流下している遊技球(残存球)の有無を把握可能としている。そして、入賞ユニットベース185には、球導入路201の下流端の分岐部分を入賞ユニット28の前方に臨ませる透明な分岐開口窓210を備え(図36(a)参照)、入賞した遊技球がどちらに分岐するかを遊技者が分岐開口窓210を覗いて確認できるように構成されている。また、第1流下計数スイッチ206、第2流下計数スイッチ207を分岐開口窓210の近傍に配置して分岐した遊技球がスイッチを通過する様子を遊技者が確認できるようにしている。なお、第2カウントスイッチ196、第1流下計数スイッチ206、第2流下計数スイッチ207、排出計数スイッチ208としては、金属製の遊技球の通過による磁束の変化を検出して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサを採用している。また、第1流下計数スイッチ206、第2流下計数スイッチ207における遊技球検出の監視については、後で詳細に説明する。
そして、図38に示すように、第2球経路204の上流端の後方にはシャッター出没口212を開設し、該シャッター出没口212から平板状のシャッター213を出没させて、遊技球の当該第2球経路204への流入を許容したり阻止したりするように構成されている。シャッター213は、遊技盤6の表裏方向(前後方向)に沿って移動して第2球経路204の上流端を上方から被覆可能な平板状の部材であり、当該シャッター213のうちシャッター出没口212の後方に常時位置する後端部には、シャッター213を駆動するシャッター駆動機構214を接続している。シャッター駆動機構214は、図39に示すように、入賞ユニットベース185の裏面のうちシャッター出没口212の側方(図39(a)中、右側方)に横長なアーム部材215を軸着し、該アーム部材215の自由端部(図39(a)中、左端部)をシャッター213の後端部へ接続している。また、入賞ユニットベース185の裏面のうちアーム部材215を挟んでシャッター出没口212とは反対側(図39(a)中、右側)には、シャッターソレノイド216をプランジャ216aがアーム部材215側に向けた横向き姿勢で配置し、該シャッターソレノイド216のプランジャ216aを、アーム部材215の軸着部から入賞ユニットベース185の後方へ向けて延設された連結部217へ接続している。なお、シャッター駆動機構214は、駆動機構カバー218により入賞ユニット28の後方から被覆されている(図36(b)参照)。
このような構成のシャッター駆動機構214においては、シャッターソレノイド216を励磁していない消磁状態(常態)では、シャッターソレノイド216に設けられたコイルばね等の付勢部材216bの付勢力によりプランジャ216aが伸長して連結部217を押し込み、この押し込み力によりアーム部材215がシャッター出没口212に近づく方向へ回動するとともに、シャッター213が第2球経路204側に位置する前端部をシャッター出没口212から突出して第2球経路204の上流端を閉じ、第2球経路204への遊技球の進入阻止する閉成状態に維持される(図38(a)および図39(a)参照)。一方、シャッターソレノイド216を励磁すると、プランジャ216aが付勢部材216bの付勢力に抗して収縮して連結部217を引っ張り、この引張力によりアーム部材215がシャッター出没口212から離れる方向へ回動するとともに、シャッター213が前端部をシャッター出没口212内に引き込んで第2球経路204の上流端から外れ、第2球経路204への遊技球の進入を許容する開放状態に変換する(図38(b)および図39(b)参照)。なお、シャッター213の開閉タイミングについては、後で詳細に説明する。
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置50、および該遊技制御装置50を中心とする制御系統を、図40および図41に基づいて説明する。遊技制御装置50は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、図40に示すように、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)311を有するCPU部310と、入力ポートを有する入力部320と、出力ポートやドライバなどを有する出力部330、CPU部310と入力部320と出力部330との間を接続するデータバス340などからなる。
上記CPU部310は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)311と、入力部320内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)321aからの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン311に入力させるインバータなどからなる反転回路312と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)313などを有する。遊技制御装置50および該遊技制御装置50によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V、DC12V、DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン311の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置50に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置50と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置50と一体、すなわち、遊技制御装置50上に設けるように構成してもよい。遊技盤6および遊技制御装置50は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは遊技制御装置50とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置50の遊技用マイコン311(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン311内のRAM311Cおよび払出制御装置220内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン311が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン311は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)311A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)311Bおよび随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)311Cを備える。
ROM311Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM311Cは、遊技制御時にCPU311Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM311B又はRAM311Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM311Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU311Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な変動表示装置45を有し、該変動表示装置45が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となるパチンコ遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、変動表示装置45の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。また、リーチ状態とは、変動表示装置45の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。なお、全ての表示結果が導出表示されていない段階で全ての表示結果が導出表示されたときに特別結果態様となる可能性が極めて高いもしくは特別結果態様となることが確定している場合に行う特別な表示状態でもよい、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ(リーチ状態)に含まれる。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置45に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置45における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU311Aは、ROM311B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置220や演出制御装置47に対する制御信号(コマンド)を生成して出力したり、ソレノイドや変動表示装置45の駆動信号を生成して出力したりしてパチンコ遊技機1の全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン311は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数、大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路313からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU311Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU311Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM311Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU311Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置38の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU311Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM311Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置220は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置50からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置220は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン311の入力部320には、パチンコ遊技機1に対する磁気の近接を検出する磁気センサ231、パチンコ遊技機1に対する電波の発射を検出する電波センサ232、始動入賞口29内の始動口1スイッチ233、普通変動入賞装置38内の始動口2スイッチ70、普図始動ゲート26内のゲートスイッチ234、入賞口スイッチ235、第1特別変動入賞装置31の第1カウントスイッチ190、第2特別変動入賞装置32の第2カウントスイッチ196等に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)321a、321bが設けられている。近接I/F321a、321bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F321aと近接I/F321bの二つを設けているのは、近接I/F321aの入力端子数が限られているためである。近接I/F321bは不足する入力端子数に応じて近接I/F321aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F321aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F321bを設けないようにしてもよい。
近接I/F321a、321bの出力は、第2入力ポート323又は第3入力ポート324へ供給されデータバス340を介して遊技用マイコン311に読み込まれる。なお、近接I/F321a、321bの出力のうち、始動口1スイッチ233、始動口2スイッチ70、ゲートスイッチ234、入賞口スイッチ235、第1カウントスイッチ190および第2カウントスイッチ196の検出信号は第2入力ポート323へ入力される。また、近接I/F321a、321bの出力のうち、電波センサ232の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1、2は第3入力ポート324に入力される。また、第3入力ポート324には、パチンコ遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサ231の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチをパチンコ遊技機1に設け、検出信号が第3入力ポート324に入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F321a、321bの出力のうち、第2入力ポート323への出力は、遊技制御装置50から中継基板240を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F321a、321bの出力のうち始動口1スイッチ233と始動口2スイッチ70の検出信号は、第2入力ポート323の他、反転回路312を介して遊技用マイコン311へ入力されるように構成されている。反転回路312を設けているのは、遊技用マイコン311の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ233と始動口2スイッチ70としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路312を設けずに直接遊技用マイコン311へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ233と始動口2スイッチ70からの負論理の信号を直接遊技用マイコン311へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F321a、321bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F321a、321bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート323が保持しているデータは、遊技用マイコン311が第2入力ポート323に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート324や後述の第1入力ポート322も同様である。
また、入力部320には、パチンコ遊技機1の透明部材保持枠8等に設けられた保持枠開放検出スイッチ243および前面枠3等に設けられた前面枠開放検出スイッチ244からの信号および払出制御装置220からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス340を介して遊技用マイコン311に供給する第1入力ポート322が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿ユニット14に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部320には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン311等に入力するためのシュミットトリガ回路325が設けられており、シュミットトリガ回路325はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート322に入力され、データバス340を介して遊技用マイコン311に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン311に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路325によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン311に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部330の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部330を介さずに直接中継基板240に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板240のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板240を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部320の各ポート322、323、324には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン311によって出力部330の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部320の各ポートから遊技用マイコン311が読み込んだデータは、遊技用マイコン311のリセットによって廃棄されるためである。
出力部330は、データバス340に接続され払出制御装置220へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を生成する第1出力ポート331を備える。遊技制御装置50から払出制御装置220へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部330には、バッファ332が設けられている。このバッファ332は遊技用マイコン311から演出制御装置47へのデータの通信経路に配されており、演出制御装置47の側から遊技制御装置50へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するためのものである。遊技制御装置50から演出制御装置47へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、第1出力ポート331から払出制御装置220へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部330には、データバス340に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板240を介して出力するバッファ333が実装可能に構成されている。このバッファ333は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機1の遊技制御装置(主基板)50には実装されない部品である。なお、前記近接I/F321a、321bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ333を通さずに中継基板240を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ231や電波センサ232のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン311に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えばパチンコ遊技機1が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス340からバッファ333、中継基板240を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板240には、上記バッファ333から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板240上のポートには、遊技用マイコン311から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部330には、データバス340に接続され第1特別変動入賞装置31を開閉する第1大入賞口ソレノイド188、第2特別変動入賞装置32を開閉する第2大入賞口ソレノイド193、普通電動役物68を開閉する普電ソレノイド69の開閉データを出力するための第2出力ポート334が設けられている。また、出力部330には、一括表示装置42に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート335、一括表示装置42のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート336が設けられている。
また、出力部330には、大当り情報などパチンコ遊技機1に関する情報を外部情報端子245へ出力するための第5出力ポート337が設けられている。外部情報端子245にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、パチンコ遊技機1に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。
さらに、出力部330には、第2出力ポート334から出力される第1大入賞口ソレノイド188や第2大入賞口ソレノイド193、普電ソレノイド69の開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)338a、第3出力ポート335から出力される一括表示装置42の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ338b、第4出力ポート336から出力される一括表示装置42の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ338c、第5出力ポート337から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子245へ出力する第4ドライバ338dが設けられている。
上記第1ドライバ338aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置42のセグメント線を駆動する第2ドライバ338bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ338cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ338bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ338cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子245へ出力する第4ドライバ338dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ333や第2出力ポート334、第1ドライバ338a等は、遊技制御装置50の出力部330、すなわち、遊技制御装置50ではなく、中継基板240側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部330には、外部の検査装置250へ各パチンコ遊技機1の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ339が設けられている。フォトカプラ339は、遊技用マイコン311が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン311が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート322、323、324のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置47の構成について説明する。
演出制御装置47は、図41に示すように、遊技用マイコン311と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)511と、該1stCPU511の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)512と、該2ndCPU512からのコマンドやデータに従って変動表示装置45への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)513と、各種のメロディや効果音などをスピーカ11、16から再生させるため音の出力を制御する音源LSI514を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)511と映像制御用マイコン(2ndCPU)512には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM521、522がそれぞれ接続され、VDP513にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM523が接続され、音源LSI514には音声データが記憶された音声ROM524が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)511は、遊技用マイコン311からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン512へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI514への再生音の指示、装飾ランプ36の点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)511と映像制御用マイコン(2ndCPU)512の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)511と映像制御用マイコン(2ndCPU)512との間、主制御用マイコン(1stCPU)511と音源LSI514との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)512との間、主制御用マイコン(1stCPU)511とVDP513との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP513には、画像ROM523から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)513aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ513b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置45へ送信する映像信号を生成する信号変換回路513cなどが設けられている。
VDP513から主制御用マイコン511へは変動表示装置45の映像と前面枠3や遊技盤6に設けられている装飾ランプ36の点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP513から映像制御用マイコン512へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび映像制御用マイコン512からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン512から主制御用マイコン511へは、映像制御用マイコン512が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン511と音源LSI514との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)512には、主制御用マイコン(1stCPU)511よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)511とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)512を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)511のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置45に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)512と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置47には、遊技制御装置50から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)531が設けられている。このコマンドI/F531を介して、遊技制御装置50から演出制御装置47へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置50の遊技用マイコン311はDC5Vで動作し、演出制御装置47の主制御用マイコン(1stCPU)511はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F531には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置47には、遊技盤6(センターケース25を含む)に設けられているLEDを有する盤装飾装置252(第1装飾ユニット81、第2装飾ユニット82、第3装飾ユニット83等)を駆動制御する盤装飾LED制御回路532、前面枠3に設けられているLEDを有する枠装飾装置10等を駆動制御する枠装飾LED制御回路533、遊技盤6(センターケース25を含む)に設けられている盤演出装置254(第1装飾ユニット81、第2装飾ユニット82、第3装飾ユニット83等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路534、前面枠3に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト12を動作させるモータ)等の枠演出装置255を駆動制御する枠演出モータ制御回路535が設けられている。なお、ランプやモータおよびソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路532〜535は、アドレス/データバス540を介して主制御用マイコン(1stCPU)511と接続されている。
さらに、演出制御装置47には、遊技演出ボタン17に内蔵されている演出ボタンスイッチ17aや上記盤演出装置254内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ(左側装飾検出センサ109、右側装飾検出センサ110、第1可動装飾検出センサ181、第2可動装飾検出センサ182等)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)511へ検出信号を入力するスイッチ入力回路536、上スピーカ11を駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路537a、下スピーカ16を駆動するアンプ回路537bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置47やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる変動表示装置45を駆動するためのDC12V、コマンドI/F531の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)511や映像制御用マイコン(2ndCPU)512として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置47に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン511、映像制御用マイコン512、VDP513、音源LSI514、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路532〜535、スピーカを駆動するアンプ回路537a、537bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン512の有する汎用のポートを利用して、VDP513に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン512とVDP513の動作の連携性を向上させることができる。
次に、遊技制御装置50および演出制御装置47において行われる大まかな遊技制御について説明する。
遊技制御装置50の遊技用マイコン311のCPU311Aは、遊技球の普図始動ゲート26への通過に基づいてゲートスイッチ234から遊技球の検出信号を受信すると、この検出信号の入力に基づき、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値を抽出してROM311Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、一括表示装置42の普図表示器(図示せず)において、識別図柄(普通図柄)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、一括表示装置42に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド69を動作させ、普通変動入賞装置38を開状態に変換し、所定時間(例えば、0.3秒間)に亘って維持する制御を行う。一方、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置42にはずれの結果態様の表示を行わせる制御を行うとともに、普通変動入賞装置38を常態である閉状態のままにする。
また、遊技球の始動入賞口29への入賞に基づいて始動口1スイッチ233からの遊技球の検出信号を受信すると、この検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM311Cに記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM311Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。さらに、遊技球の普通変動入賞装置38への入賞に基づいて始動口2スイッチ70からの遊技球の検出信号を受信すると、この検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM311Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置47に出力する。さらに、一括表示装置42の特図1表示器や特図2表示器(いずれも図示せず)に識別図柄(特別図柄)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、遊技制御装置50から制御情報を受信した演出制御装置47は、遊技制御装置50からの制御情報に基づき、変動表示装置45で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行うとともに、スピーカ11、16からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置50のCPU311Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、一括表示装置42の特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態(大当り)を発生させる処理を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置42の特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、第1大入賞口ソレノイド188により第1開閉扉187を回動して第1特別変動入賞装置31を開放したり、又は、第2大入賞口ソレノイド193により第2開閉扉192を回動して第2特別変動入賞装置32を開放したりして、大入賞口内への遊技球の流入を許容する制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば29秒又は0.2秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば16回)繰り返す制御(サイクル遊技)を行う。以下、大入賞口の29秒開放を長開放、0.2秒開放を短開放と称する。なお、第1特別変動入賞装置31又は第2特別変動入賞装置32の開放は第1特図変動表示ゲームのゲーム結果又は第2特図変動表示ゲームのゲーム結果に対応して実行させてもよいし、どちらの特図変動表示ゲームで大当りとなっても、サイクル遊技の実行サイクル等に応じて第1特別変動入賞装置31又は第2特別変動入賞装置32を選択的に開放させるように制御してもよい。
ここで、第1特別変動入賞装置31又は第2特別変動入賞装置32の開放パターンの振り分けを図42に例示する。図42(a)には、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合における第1特別変動入賞装置31又は第2特別変動入賞装置32の開放パターンの振り分けを例示し、図42(b)には、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合における第1特別変動入賞装置31又は第2特別変動入賞装置32の開放パターンの振り分けを例示している。そして、図42(c)には、各開放パターンの振り分け率(発生率)を示している。また、図42中、「10R」、「16R」等はサイクル遊技におけるラウンドを表わし、「(上)2900ms、(上)200ms」の記載は上側の第1特別変動入賞装置31の開放時間を示し、また「(下)2900ms、(下)200ms」の記載は下側の第2特別変動入賞装置32の開放時間を示している。図42に示す振り分け例では、大当り図柄乱数に応じて第1特図変動表示ゲームでは4種類の開放パターン1〜3、5のいずれかに振り分け、第2特図変動表示ゲームでは2種類の開放パターン1、4のいずれかに振り分けるように設定されている。なお、図42の例示では、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合と、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合とで、第1特別変動入賞装置31と第2特別変動入賞装置32の開放パターンの振分けを異ならせているが、同じにしてもよく、それによって制御を簡略化しROM容量を少なくすることができる。
また、第2特別変動入賞装置32においては、当該第2特別変動入賞装置32の開閉ラウンドに拘らず、シャッター213が200ms間の開放、3200ms間の閉成、26900ms間の開放を実行する。ただし、第2特別変動入賞装置32の開放時間が短い設定(200ms)の場合、図43(a)に示すように、シャッター213が第2特別変動入賞装置32の開放タイミングと同時に開いて第2球経路204の上流端を開放すると、シャッター213の開放時間(a=200ms)に亘って遊技球の第2球経路204への流入を許容し、第2特別変動入賞装置32の閉成タイミングと同時に閉じて第2球経路204の上流端を閉成する。また、第2流下計数スイッチ207は、第2特別変動入賞装置32の開放タイミングと同時に遊技球の検出を有効とし、第2特別変動入賞装置32の閉成タイミングから所定時間(b=3000ms)の経過後に遊技球の検出を無効とする。そして、シャッター213は、2回目の開放が第2流下計数スイッチ207の無効となる以降のため、開放することなく作動を終了する。
一方、第2特別変動入賞装置32の開放時間が長い設定(29000ms)の場合、図43(b)に示すように、シャッター213が第2特別変動入賞装置32の開放タイミングと同時に開いて第2球経路204の上流端を開放すると、第2特別変動入賞装置32の開放状態の間(a=29000ms)に、シャッター213が開状態と閉状態とに変換することになる。具体的には、開放(b=200ms)、閉成(c=3200ms)、開放(d=26900ms)の変換動作を行う。そして、シャッター213の2回目の開放(d=26900ms)の途中で第2特別変動入賞装置32が閉成するため、第2特別変動入賞装置32は第2特別変動入賞装置32の閉成後も所定時間(e=1300ms)に亘って開放を継続することになる。さらに、第2流下計数スイッチ207は、第2特別変動入賞装置32の開放タイミングと同時に遊技球の検出を有効とし、第2特別変動入賞装置32の閉成タイミングから所定時間(f=3000ms)の経過後に遊技球の検出を無効とする。ここで、第2特別変動入賞装置32が閉成されると、遊技制御装置50は、ラウンド終了後のインターバル動作を実行するが、第2特別変動入賞装置32およびシャッター213がいずれも閉状態となった時点(所定時間eが経過した時点)でも球誘導路200内に残存球がある(第2カウントスイッチ196による遊技球の検出数が排出計数スイッチ208による遊技球の検出数よりも多い)場合には、残存球が球誘導路200から排出されるまで次回ラウンドの開始の制御を実行せず、インターバル動作を実行し続ける。なお、短開放の場合も残存球がある場合は、同様である。
このようなシャッター213の開閉を実行する第2特別変動入賞装置32に遊技球が入賞して球誘導路200に流入し、シャッター213が開いている場合には、遊技球が第2球経路204に流入して第2流下計数スイッチ207により検出され、第2球経路204を通過した後に球排出経路205へ流入して排出計数スイッチ208により検出される。一方、シャッター213が閉じている場合には、遊技球が第2球経路204に流入せずシャッター213上を通過し、第1球経路203に流入して第1流下計数スイッチ206により検出され、第1球経路203を通過した後に球排出経路205へ流入して排出計数スイッチ208により検出される。
さらに、遊技制御装置50は、第2特別変動入賞装置32が開放した状態で流入した遊技球が第2球経路(確変領域)204に流入したこと(第2流下計数スイッチ207により検出されたこと)を条件として、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームにおける大当りの発生確率が高い確変状態を発生する制御を行うようになっている。したがって、図42の例示では、第2特別変動入賞装置32が長開放される開放パターン1〜4の場合に確変状態が発生し易い。そして、確変状態で規定回数(例えば170回)の特図変動表示ゲームを実行した場合は、確変状態から通常遊技状態に戻る制御(いわゆる回数切り)を行う。なお、特図変動表示ゲームがいわゆる「確変図柄で大当り」した場合にのみ、第2特別変動入賞装置32内の第2球経路204を遊技球が通過したことを条件として、大当りの発生確率が高い確変状態を発生するようにしてもよい。
また、確変状態が発生してから通常状態に戻るまでに行われる規定回数の特図変動表示ゲームでは、ゲーム実行時間(特図変動時間)を複数段階に分けて設定している。例えば、1回目では5000sに設定し、2回目〜70回目までは500ms、71回目〜120回目までは800ms秒、121回目〜150回目までは1600ms、151回目〜170回目までは8000msに設定している。
また、遊技制御装置50は、特図変動表示ゲームの結果態様(停止図柄)に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。そして、この時短状態においては、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置38を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間(例えば10秒)よりも短い第2の変動表示時間(例えば1秒)となるように制御され、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置38の開放回数が実質的に多くなるように制御される。さらに、時短状態における普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置38が開放される場合には、開放時間が通常状態の第1開放時間(例えば0.3秒)よりも長い第2開放時間(例えば1.2秒)となるように制御される。また、時短状態における普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置38の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、(1.2秒開放、0.3秒閉成、1.2秒開放、0.5秒閉成、1.2秒開放、0.3秒閉成、1.2秒開放で実行される4回)の第2開放回数に設定される。そして、時短状態で規定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームを実行した場合は、時短状態から通常遊技状態に戻る制御(いわゆる回数切り)を行う。また、時短状態が発生してから通常状態に戻るまでに行われる規定回数の特図変動表示ゲームでは、ゲーム実行時間(特図変動時間)を複数段階に分けて設定している。例えば、1回目では5秒に設定し、2回目〜70回目までは0.5秒に設定している。また、普図変動表示ゲームの当たり確率を0から201/251に高くしている。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置38の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.2秒)とし、かつ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、4回)とする制御は、何れか一方のみを行ってもよいし、両方を行ってもよい。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置38に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。なお、大当りの確変状態と普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置38の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。同様に、普図変動表示ゲームの当たり確率を同時に発生することも可能であるし、同時に発生させなくてもよい。なお、時短状態は確変状態においても行う。
そして、第2特別変動入賞装置32では、遊技球の検出が第2カウントスイッチ196、第1流下計数スイッチ206、第2流下計数スイッチ207、排出計数スイッチ208により遊技球が計数されるが、遊技制御装置50は、これらの遊技球の計数値を監視し、第2特別変動入賞装置32に対して不正行為が行われているか否かを判定する。具体的に説明すると、第1流下計数スイッチ206の計数値と第2流下計数スイッチ207の計数値とを加算し、この加算値(流下計数加算値)と第2カウントスイッチ196の計数値とを比較する。このとき、不正行為を行う者が第2特別変動入賞装置32に不正な電波を照射して、第2流下計数スイッチ207の検出信号を不正に発生させようとする不正行為(遊技球が確変領域に流入したと誤魔化して確変状態を不正に発生させようとする不正行為)が行われると、第2流下計数スイッチ207だけではなく、第2カウントスイッチ196、第1流下計数スイッチ206、排出計数スイッチ208にも不正電波が照射されて各スイッチの計数値が全て同じ数だけ加算される。この結果、流下計数加算値が第2カウントスイッチ196の計数値よりも大きくなる。そこで、遊技制御装置50は、流下計数加算値が第2カウントスイッチ196の計数値よりも大きい場合には、異常が発生したと判定し、エラー信号を出力したり遊技の実行を中止したりする。これにより、不正行為者が賞球等の利益を不正に得る不都合を阻止することができる。
さらに、流下計数加算値を第2カウントスイッチ196の計数値と比較するだけではなく、排出計数スイッチ208の計数値とも比較してもよい。そして、排出計数スイッチ208の計数値が流下計数加算値よりも大きい場合には、異常が発生したと判定する。これにより、不正行為が行われたか否かを一層判定し易い。
また、不正行為を行う者が遊技球に糸を括りつけ、この遊技球を第2特別変動入賞装置32内に流入させ、糸を操作して遊技球を第1流下計数スイッチ206又は第2流下計数スイッチ207に検出(計数)される前に停留させようとする不正行為が行われる場合がある。そして、シャッター213が閉じているときには、遊技球の移動を規制して遊技球を第1球経路203へ流下することを阻止し、シャッター213が開くと遊技球の移動を許容して遊技球を第2球経路204に流入させ、不正に確変状態を発生させようとすることがある。これに対し、遊技制御装置50では、第2カウントスイッチ196が遊技球の計数を終了してから所定時間(例えば、5秒)が経過した後、第2カウントスイッチ196の計数値と流下計数加算値とを比較する。そして、第2カウントスイッチ196が流下計数加算値と一致しない場合、詳しくは第2カウントスイッチ196が流下計数加算値よりも大きい場合には、異常が発生したと判定する。これにより、第2カウントスイッチ196を通過した遊技球を第1流下計数スイッチ206又は第2流下計数スイッチ207への通過前に不正な手段で停留させようとする不正行為が行われたか否かを判定することができる。
さらに、糸を括りつけた遊技球を第2球経路204へ流入させて第2流下計数スイッチ207に検出させ、排出計数スイッチ208に検出(計数)される前に停留させようとする不正行為が行われる場合がある。そして、次回のラウンド時に糸を引き上げて停留状態の遊技球を第2球経路204に逆流させて第2流下計数スイッチ207に検出させ、不正に確変状態を発生させようとすることがある。これに対し、遊技制御装置50では、第2カウントスイッチ196が遊技球の計数を終了してから所定時間(例えば、5秒)が経過した後、流下計数加算値と排出計数スイッチ208の計数値とを比較する。そして、排出計数スイッチ208の計数値が流下計数加算値よりも小さい場合には、異常が発生したと判定する。これにより、第2流下計数スイッチ207を通過した遊技球を排出計数スイッチ208への通過前に不正な手段で停留させようとする不正行為が行われたか否か、ひいては、停留させた遊技球を逆流させて第2流下計数スイッチ207に再検出させる不正行為が行われようとしているか否かを判定することができる。
また、第2カウントスイッチ196が遊技球の計数を終了してから所定時間(例えば、5秒)が経過した後、第2カウントスイッチ196の計数値が排出計数スイッチ208よりも大きい場合には、不正行為によるものか否かに拘らず球誘導路200内で球止まりが発生していることを検出することができる(球止まり検出)。さらに、第2特別変動入賞装置32が閉状態であるにも拘らず第2カウントスイッチ196から遊技球の検出信号が出力された場合、詳しくは、第2特別変動入賞装置32が開状態から閉状態に変換してから所定時間(例えば、3秒)が経過した後に第2カウントスイッチ196から検出信号が出力された場合には、不正行為や球止まりなどによる異常が発生したと判定する。
次に、第2特別変動入賞装置32の開放および演出制御と、第2特別変動入賞装置32の内部に設けられた複数のスイッチからの信号に基づく監視処理について説明する。
図44は第2特別変動入賞装置32を短時間(例えば200ミリ秒)開放する場合のタイミングチャート、図45は第2特別変動入賞装置32を長時間(例えば29秒)開放する場合のタイミングチャートである。なお、第2特別変動入賞装置32は、開放開始後規定時間経過する前に入賞球数が規定数(例えば10個)に達するとその時点で閉鎖される。また、第2特別変動入賞装置32が開放されると同時に特別電動役物が作動される(t1)。ここで、特別電動役物とは、大入賞口に係る理論的な役物である。
図44および図45において、「確率変動機能」とは遊技制御装置50が備えるタイマ機能等を使って、第2特別変動入賞装置32内の第2流下計数スイッチ207(確変領域スイッチ)からの検出信号を有効とする期間を設定する機能であり、プログラムによって実現される。この確率変動機能によって、図44、図45に示すように、第2流下計数スイッチ207からの検出信号は、第2特別変動入賞装置32が開放されるタイミングt1より、第2特別変動入賞装置32が閉鎖されるタイミングt2から所定時間T2(例えば3秒)経過するまでの期間すなわち、第2特別変動入賞装置32の開放期間T1+所定時間T2の間有効とされる。また、第2特別変動入賞装置32が閉鎖されるタイミングt2から所定時間経過するまでの期間T3は、第2カウントスイッチ196からの信号を有効とする処理時間であり、この期間T3は例えば1.3秒のような時間とされる。そして、第2特別変動入賞装置32の開放期間T1+期間T3の間は、特別電動役物が作動している状態とされる。
また、図44において、第2特別変動入賞装置32の短時間開放中に入賞があり、その遊技球が第2球経路204を通過することで第2流下計数スイッチ207から検出信号があった場合には、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの当たり確率を低確率状態から高確率状態へ移行させるようになっている。なお、図44では、前述の球止まり検出がされた場合で、排出計数スイッチ208における遊技球検出の後に所定期間(T4のエンディング、例えば10秒)経過した後(特別遊技状態の終了)、高確率状態へ移行する。球止まり検出がされていない場合は、特別電動役物の作動が終了した時点(t3)から所定時間T4(エンディング、例えば10秒)経過後に特別遊技状態が終了し、高確率状態へ移行する。また、図45において、第2特別変動入賞装置32の長時間開放中に入賞がありその遊技球が第2球経路204を通過することで第2流下計数スイッチ207から検出信号があった場合には、球止まり検出がされていないので、特別電動役物の作動が終了した時点(t3)から所定時間T4(エンディング、例えば10秒)経過後に特別遊技状態が終了し、特図変動表示ゲームの当たり確率を低確率状態から高確率状態へ移行させるようになっている。
さらに、第2特別変動入賞装置32が開放されると、シャッターソレノイド216を作動させてシャッター213を開く制御を実行するが、図44および図45に示すように、その作動のさせ方(作動パターン)に特徴がある。すなわち、何れの場合にも第2特別変動入賞装置32の開放に合わせてシャッターソレノイド216を2回作動させ、そのうち最初の作動の期間は、図44に示すように、第2特別変動入賞装置32の短時間開放期間T1とし、2回目の作動期間は図45に示すように第2特別変動入賞装置32の長時間開放期間T1の終了時点t5から所定時間T5が経過するまでとしている。
第2特別変動入賞装置32の短時間開放の場合には、図44に示すように、シャッターソレノイド216の2回目の作動は、実際には図43のように動作しないが、制御データは長開放の場合と同じデータを使用しており、プログラム容量を低減している。また、第2特別変動入賞装置32の短時間開放の場合のシャッターソレノイド216の作動パターンと、第2特別変動入賞装置32の長時間開放の場合の作動パターンとが異なっていると、検査工程では短時間開放と長時間開放のそれぞれでシャッターソレノイド216が正常に作動するか確認する検査が必要になる。しかるに、第2特別変動入賞装置32の開放パターンにかかわらずシャッターソレノイド216の作動パターンが同じであれば、一方の開放パターンについて検査を行うだけでよいので、検査時間を短くすることができることとなる。なお、検査工程において、シャッターソレノイド216が正常に作動したか否かは、分岐開口窓210よりシャッター213の動きを視認することで行うことができる。
図46は第2特別変動入賞装置32を長時間開放する場合であって、図44と同様に球止まりが検出された場合のタイミングチャートである。この場合には、排出計数スイッチ208からの検出信号が入ったタイミングt4から所定時間T4(エンディング)として例えば8700ミリ秒が経過するのを待って、特図変動表示ゲームの当たり確率を低確率状態から高確率状態へ移行させるようにしている。なお、図45および図46に示す制御(長時間開放)では、確率変動機能を無効にするタイミングt6を、特別電動役物作動停止タイミングt3よりも遅くしている。これは、第2特別変動入賞装置32の閉鎖するタイミング(t5)より、シャッターソレノイド216がOFFするタイミングが遅いからであり、タイミングt3の時点ですべての入賞球が排出すなわち残存球が「0」の場合には、図47に示すように、確率変動機能を無効にするタイミングを、特別電動役物作動停止タイミングt3と同じにしてもよい。
次に、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置50の遊技用マイコン311によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン311による制御処理は、主に図48および図49に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図50に示すタイマ割込み処理とからなる。先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図48に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置50が先に立ち上がって払出制御装置220が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置220へ送ってしまい、払出制御装置220がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM311C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6、S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン311に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置220や演出制御装置47とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図49のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図49のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。図49のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21、S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置42に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置47へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置47へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン311(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU311Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU311A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
ステップS32に続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
次に、タイマ割込み処理について図50のフローチャートを用いて説明する。
図50に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU311Aに入力されることで開始される。タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ233、始動口2スイッチ70、普図変動表示ゲームの始動条件を与えるゲートスイッチ234、第1カウントスイッチ190、第2カウントスイッチ196など)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド188、193、普電ソレノイド69)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置220等に出力する払出コマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ233、始動口2スイッチ70、ゲートスイッチ234、入賞口スイッチ235、第1カウントスイッチ190から正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠3や透明部材保持枠8が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。続いて、後述の確変変動機能作動領域スイッチ処理(図51のステップA3、図52)や異常排出監視処理(ステップS63、図62)により設定されるRAM内の確変変動機能作動情報領域をチェックする(ステップS58)。そして、次のステップS59で、異常排出監視領域にエラー発生データが保存されているか否か判定し、エラー発生データなし(ステップS59:No)と判定すると、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS60)へ移行し、その後普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS61)を実行する。
次に、パチンコ遊技機1に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS62)、第2特別変動入賞装置32における入賞した遊技球の排出状態を監視する異常排出監視処理(ステップS63)を行う。また、ステップS59で、異常排出監視領域にエラー発生データがある(Yes)と判定すると、ステップS60〜S62をスキップして異常排出監視処理(ステップS63)を行う。なお、異常排出監視処理については、後に詳しく説明する。その後、磁気センサ231からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS64)、不正な電波がパチンコ遊技機1に照射されているかを監視する電波不正監視処理(ステップS64′)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS65)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS66)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS67)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS68)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について、図51を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動入賞口29に設けられている始動口1スイッチ233と第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置38に設けられている始動口2スイッチ70の入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。図51に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ233および始動口2スイッチ70の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。この始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口29、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、第1特別変動入賞装置(上大入賞口)31内に設けられた第1カウントスイッチ190の信号および第2特別変動入賞装置(下大入賞口)32内に設けられた第2カウントスイッチ196の信号を監視してカウントする上大入賞口、下大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。続いて、第2特別変動入賞装置32内の第2球経路204(確変領域)に設けられた第2流下計数スイッチ207の信号を監視して異常の発生を検出する確変変動機能作動領域スイッチ処理(ステップA3)を行う。次に、特図ゲーム処理タイマが0でなければ更新(−1)し(ステップA4)、当該ゲーム処理タイマが0であるか否かをチェックして(ステップA5)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA5;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA6)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA7)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA8)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。ステップA9にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA10)を行う。また、ステップA9にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理へ移行するために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA11)を行う。さらに、ステップA9にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当り(16R)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA9にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理へ移行するために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA13)を行う。また、ステップA9にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理へ移行するために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA9にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA15)を行う。また、ステップA9にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA10)へ移行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA16)を行う。
上記ステップA10〜A16を実行すると、特図1表示器の変動を制御するための変動パターンテーブルを準備した後(ステップA18)、特図1表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。その後、特図2表示器の変動を制御するための変動パターンテーブルを準備した後(ステップA20)、特図2表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。次に、第2特別変動入賞装置32内の第2球経路204(確変領域)の入り口に設けられたシャッター213を作動させるシャッターソレノイド216の作動に関する制御処理(ステップA22)を実行して、特図ゲーム処理から抜ける。一方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA5;No)と判定した場合は、ステップA18へ移行して、それ以降の処理を行う。以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置50が変動表示ゲーム実行手段および特別遊技状態制御手段として機能する。
次に、上記特図ゲーム処理(図51)における確処理のうち、本発明に関連する処理の具体的な内容について順次説明する。
先ず、上記特図ゲーム処理(図51)における確変変動機能作動領域スイッチ処理(ステップA3)の詳細について、図52を用いて説明する。図52に示すように、確変変動機能作動領域スイッチ処理では、先ず現在の状態が大当り中であるかの判定を、例えば特図ゲーム処理番号が「3」以降の番号であるか否か判断することによって行う(ステップA201)。ここで、大当り中でない(No)と判定すると、何もせず当該確変変動機能作動領域スイッチ処理から抜ける。また、ステップA201で、大当り中である(Yes)と判定すると、ステップA202へ進み、前記第2特別変動入賞装置32内の第2球経路204に設けられたスイッチ39c等の状態に関するデータを記憶するRAM内の確率変動機能作動情報領域から、現在の第2流下計数スイッチ207の状態を取得する。
そして、第2流下計数スイッチ207の信号の入力があったか否か判定し(ステップA203)、入力がない(No)と判定すると当該確変変動機能作動領域スイッチ処理から抜ける。また、ステップA203で、第2流下計数スイッチ207の信号の入力があった(Yes)と判定すると、ステップA204へ進み、確変変動機能作動情報領域内の入賞に関するデータをチェックする。ここで、入賞データが異常入賞データである(ステップA205:Yes)と判定すると、当該確変変動機能作動領域スイッチ処理から抜ける。また、ステップA205で、異常入賞データでない(No)と判定すると、次のステップA206へ進み、入賞データが正常入賞データであるか否か判定する。そして、ここで正常入賞データでない(ステップA206:No)と判定すると、まだ入賞データが記憶されていなかったということであるので、次のステップA207で、確変変動機能作動情報領域に第2流下計数スイッチ207の入賞コマンドを設定した後、該コマンドを演出制御装置47へ送信するために送信バッファへコマンドを設定するコマンド設定処理(ステップA208)を実行して、ステップA209へ進む。
一方、ステップA206で、入賞データが正常入賞データである(Yes)と判定すると、既に確変領域への入賞を送信済みであるため、ステップA207、A208をスキップしてステップA209へ進む。ステップA209では、第2特別変動入賞装置32内の球排出経路205に設けられた排出計数スイッチ208の状態に関するデータを記憶するRAM内の排出スイッチ監視領域をチェックする。なお、この排出スイッチ監視領域には、後述の大入賞口開放中処理(図59)内で監視タイマが3秒(3000ms)に設定され、その後、入賞口スイッチ/エラー監視処理(図63)内で監視タイマが3秒を計時するまでに排出球が検出されると排出正常タイミングデータが記憶され、3秒が経過した後に排出球が検出されると排出異常タイミングデータが記憶される。
そこで、次のステップA210で、排出スイッチ監視領域に排出正常タイミングデータが記憶されているか否か判定して、排出正常タイミングデータが記憶されている(Yes)と判定すると、ステップA211へ進み、確変変動機能作動情報領域に正常入賞データを設定して、当該確変変動機能作動領域スイッチ処理から抜ける。一方、ステップA210で、排出正常タイミングデータが記憶されていない(ステップA210:No)と判定すると、ステップA212へ移行して、確変変動機能作動情報領域に異常入賞データを設定してから、第2流下計数スイッチ207の異常入賞報知コマンドを設定し(ステップA213)、該コマンドを演出制御装置47へ送信するために送信バッファへコマンドを設定するコマンド設定処理(ステップA214)を実行して、当該確変変動機能作動領域スイッチ処理から抜ける。なお、ステップA210、A211では、現在の第2特別変動入賞装置32の開放パターンを確認して、短時間開放の場合には異常入賞データを、また長時間開放の場合には正常入賞データを、確変変動機能作動情報領域に設定するようにしてもよい。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)におけるシャッターソレノイド制御処理(ステップA22)の詳細について、図53を用いて説明する。このシャッターソレノイド制御処理は、第2特別変動入賞装置32内の第2球経路204の入り口に設けられたシャッター213を移動させるシャッターソレノイド216を制御する処理であり、該シャッター213の移動によって第2球経路204への遊技球の流入が許容される。図53に示すように、シャッターソレノイド制御処理では、先ずRAM内に設けられているシャッターソレノイド制御領域内の、次に行う処理を示す次ポインタ領域の内容をチェックする(ステップA221)。なお、シャッターソレノイド制御領域は、図54(A)に示すように、次ポインタ領域(アドレス+00H)と、制御タイマ(下位)領域(アドレス+01H)と、制御タイマ(上位)領域(アドレス+02H)とからなる。
次に、上記ステップA221でチェックした次ポインタ領域が「更新なしコード」であるか否か判定する(ステップA222)。ここで、次ポインタ領域が更新なしコードである(Yes)と判定すると、何もせずに当該シャッターソレノイド制御処理から抜ける。シャッターソレノイド216の作動が終了している場合は、次ポインタ領域に「更新なしコード」が格納されるので、ステップA223以降の処理を行う必要がないためである。一方、ステップA222で、次ポインタ領域が「更新なしコード」でない(No)と判定すると、次のステップA223へ進み、シャッターソレノイド制御領域のタイマを更新(−1)する。そして、該タイマがタイムアップしたか否か判定し(ステップA224)、タイマがタイムアップしてない(No)と判定すると、当該シャッターソレノイド制御処理から抜ける。また、ステップA224で、タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、次のステップA225へ進み、図54(B)に示すようなシャッターソレノイド設定テーブルを参照して、シャッターソレノイド制御領域の次ポインタ領域の内容に対応するタイマ値をタイマに設定する。
その後、シャッターソレノイド設定テーブルを参照して次ポインタ領域の内容に対応するシャッターソレノイド216の出力データを取得する(ステップA226)。続いて、ステップA226で取得した出力データ(ON又はOFF)をソレノイド領域に設定する(ステップA226)。この処理で、ONの出力データがソレノイド領域に設定されるとタイマに設定された時間だけシャッターソレノイド216がオン状態にされ、OFFの出力データがソレノイド領域に設定されるとタイマに設定された時間だけシャッターソレノイド216がオフ状態にされることとなる。なお、大当りが発生して第2特別変動入賞装置32の開放を行う場合、シャッターソレノイド制御領域の次ポインタ領域には、後述のファンファーレ/インターバル中処理(図58)の中で、第2特別変動入賞装置32の開放後所定のタイミングで先ずシャッターソレノイド設定テーブルの中の「作動1」が設定される。
これにより、200ms間だけシャッターソレノイド216が作動される。そして、「作動1」の次ポインタ領域の内容は「作動2」であるため、処理がシャッターソレノイド設定テーブルの中の「作動2」に移行して、200msの作動後に3200ms間だけシャッターソレノイド216がオフにされる。続いて、シャッターソレノイド設定テーブルの中の「作動2」の次ポインタ領域の内容は「作動3」であるため、処理がシャッターソレノイド設定テーブルの中の「作動3」に移行して、12500ms間だけシャッターソレノイド216が作動される。そして、「作動3」の次ポインタ領域の内容は「停止」であるため、処理がシャッターソレノイド設定テーブルの中の「停止」に移行して、シャッターソレノイド216がオフにされる。上記のような手順に従った制御によって、シャッターソレノイド216の2回作動が実現される。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)における特図普段処理(ステップA10)の詳細について説明する。
図55に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、次のステップA302で第2特図保留数が0であるか否かの判定を行い、第2特図保留数が0である(Yes)と判定すると、ステップA303へ進む。ステップA303では、次のステップA304で第1特図保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かの判定を行い、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続いて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行い、ステップA310に移行する。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。ステップA310では、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、ステップA311へ移行して第2特図変動表示ゲームの変動を開始させる特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する処理(ステップA312)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器の変動中に係るフラグ、特図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、ステップA313へ移行して第1特図変動表示ゲームの変動を開始させる特図1変動開始処理を行う。その後、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する処理(ステップA314)を行って、特図普段処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)における特図変動中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図56に示すように、特図変動中処理では、先ず、ステップA521で演出制御装置47へ送信する第2特図変動表示ゲームを停止させるための特図2停止コマンド(MODE、ACTION)を準備した後、ステップA522へ移行して、特図1が変動中か否かすなわち第1特図変動表示ゲームを実行中か否か判定する(ステップA522)。ここで、特図1が変動中である(ステップA522;Yes)と判定された場合には、ステップA522へ移行して、第1特図変動表示ゲームを停止させるための特図1停止コマンド(MODE、ACTION)を準備してから、コマンドを送信するためのコマンド設定処理(ステップA524)を実行してステップA525へ移行する。また、ステップA522で、特図1が変動中でない(No)と判定された場合には、ステップA523〜A524をスキップしてステップA525へ移行する。
ステップA525では、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報をチェックして、停止図柄情報がはずれ図柄であるか否か判定する(ステップA526)。ここで、停止図柄情報がはずれ図柄である(ステップA526;Yes)と判定すると、ステップA527へ移行して後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする。そして、後半変動番号がリーチなしの番号である(ステップA528;Yes)と判定すると、ステップA529へ移行して、はずれとなる場合の特図表示時間ポインタを設定する処理を行う。また、ステップA528で、後半変動番号がリーチなしの番号でない(No)と判定すると、ステップA530へ移行して、はずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定する処理を行う。
一方、ステップA529にて、停止図柄情報がはずれ図柄情報でない(No)すなわち大当り図柄情報であると判定すると、ステップA531へ移行して、大当り時の特図表示時間ポインタを設定する処理を行う。その後、特図表示時間テーブルを設定する処理(ステップA532)を行う。続いて、ステップA529、A530、A531の何れかにて設定された特図表示時間ポインタに対応する停止時間、即ち、ステップA529にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図表示時間ポインタ、ステップA530にて設定されたリーチはずれ時の特図表示時間ポインタ、或いは、ステップA531にて設定された大当り時の特図表示時間ポインタ、の何れかに対応する停止表示時間を取得する処理(ステップA533)を行った後、取得された停止表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA534)。
その後、特図表示中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA535)、具体的には、当該テーブルに、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、一括表示装置42の特図1表示器や特図2表示器における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器や特図2表示器の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行って、特図変動中処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)における特図表示中処理(ステップA12)の詳細について、図57を用いて説明する。
図57に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図普段処理(図55)のステップA311の特図2変動開始処理の中で設定された大当りフラグ2をチェックして(ステップA541)、特図2の変動表示ゲームが大当りであるか否か判定する(ステップA542)。ここで、特図2が大当りでない(ステップA542;No)と判定すると、ステップA543へ進み、特図普段処理(図55)のステップA312の特図1変動開始処理の中で設定された大当りフラグ1をチェックする。そして、特図1の変動表示ゲームが大当りであるか否か判定する(ステップA544)。ここで、特図1が大当りである(ステップA544;Yes)と判定すると、ステップA545へ移行する。
また、ステップA542で、特図2が大当りで(Yes)と判定した場合には、ステップA543〜A544をスキップしてステップA545へ移行する。そして、ステップA545では、外部へ出力する試験信号として大当り信号の出力を設定してステップA546へ移行し、一括表示装置42のラウンド表示LED(図示せず)への出力設定を行う(ステップA546)。続いて、外部情報信号として大当り信号の出力を設定し(ステップA547)、大入賞口の開放パターンをチェックする(ステップA548)。そして、次のステップA549で、大入賞口の開放が短開放(短時間開放)であるか否か判定する。
ここで、大入賞口の開放が短開放である(ステップA549;Yes)と判定すると、ステップA550へ進んで、ファンファーレ時間として100msを設定してから、演出制御装置47へ送信するファンファーレコマンドを設定する(ステップA551)。また、ステップA549で、大入賞口の開放が短開放でない(ステップA549;No)と判定すると、長時間開放ということであるので、ステップA552へ進み、ファンファーレ時間として1200msを設定してから、演出制御装置47へ送信するファンファーレコマンドを設定する(ステップA553)。それから、コマンドを送信するためのコマンド設定処理(ステップA554)を実行した後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを設定する処理(ステップA555)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定する処理や大入賞口の不正入賞数のクリア等を行って、特図変動中処理を終了する。なお、大入賞口の不正入賞数のクリアは、大入賞口の開放処理時に行うようにしてもよい。
一方、ステップA543の特図1大当りフラグ1のチェックの結果、特図1が大当りでない(ステップA544;No)と判定すると、ステップA556へ移行して、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時間短縮変動回数を更新(−1)した後、特図普段処理に移行するための設定する処理(ステップA557)、具体的には、時短終了時用テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置38の開放時間を延長する状態(時短状態)の終了に係る情報等の設定と、大入賞口の不正入賞監視の機能を無効にする処理を行って、特図表示中処理を終了する。なお、大入賞口の不正入賞監視の機能を有効にする処理は、次に説明するファンファーレ/インターバル中処理の最後の方で行う。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA13)の詳細について説明する。
図58に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、先ず、RAM内の残存球監視領域内の第1特別変動入賞装置(上大入賞口)31の残存球を計数している残存球カウンタの値をチェックする(ステップA561)。なお、残存球カウンタは、後述の残存球監視処理(図65)の中で更新される。次に、残存球カウンタの値が「0」か否か判定し(ステップA562)、残存球カウンタの値が「0」でない(ステップA562;No)と判定すると、ステップA563へ進んで、連続作動回数すなわち特別遊技状態のラウンド数を取得して更新(+1)した後、再びこの処理に戻ってくるためにファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを設定する処理(ステップA564)を実行する。
続いて、ステップA565へ進んで、次のラウンドは第2特別変動入賞装置(下大入賞口)32の開放であるか否か判定する。なお、ステップA563でラウンド数を更新しているのは、このステップA565での判定を行うためであり、ステップA563で更新した値は記憶しない。ステップA565で、次のラウンドは第2特別変動入賞装置(下大入賞口)32の開放である(Yes)と判定すると、当該ファンファーレ/インターバル中処理から抜ける。これによって、次のラウンドが下大入賞口の開放である場合には、上大入賞口の残存球が0となるまで次のラウンドへ進まなくなり、確変状態への移行も発生しないようにされる。つまり、例えば大当りが発生すると必ず確変が発生するようにさせるために、予め下大入賞口に不正に遊技球を仕込んでおいたような場合には、下大入賞口の開放のラウンドへ進まないようにすることができる。
一方、ステップA565で、次のラウンドは下大入賞口の開放でない(No)と判定すると、ステップA566へ進む。また、ステップA562で残存球カウンタの値が「0」である(Yes)と判定した場合も、ステップA566へ進む。ステップA566では、特別遊技状態の連続作動回数であるラウンド数を更新(+1)する処理(記憶を含む)を行う。続いて、ラウンド数を演出制御装置47へ知らせるためのラウンドコマンドを設定し(ステップA567)、該コマンドを送信するための設定処理(ステップA568)を行う。それから、図42に示すような開放パターンに従って、連続作動回数すなわち特別遊技状態の各ラウンドに対応する大入賞口の開放時間を特図ゲーム処理タイマに設定する処理(ステップA569)を行う。これにより、次のラウンドが上大入賞口の開放の場合には、残存球カウンタの値が「0」にならなくても次のラウンドへ進むことでサイクル遊技をテンポよく進行させることができる。
次に、ステップA570へ進み、次のラウンドは第2特別変動入賞装置(下大入賞口)32の開放であるか否か判定する。ここで、次のラウンドは第2特別変動入賞装置32の開放である(ステップA570:Yes)と判定すると、大入賞口開放中処理に移行するために下大入賞口用の設定テーブル2を準備する処理(ステップA571)、第2特別変動入賞装置32内のシャッターソレノイド216の制御に係るシャッターソレノイド制御領域の次ポインタに「作動1」(図54(B)参照)を設定する処理(ステップA572)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理から抜ける。また、ステップA570で、次のラウンドは第2特別変動入賞装置32の開放でない(No)、つまり第1特別変動入賞装置(上大入賞口)31の開放であると判定すると、大入賞口開放中処理に移行するために上大入賞口用の設定テーブル1を設定する処理(ステップA573)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理から抜ける。なお、ステップA571とA573の設定処理では、後述の入賞口スイッチ/エラー監視処理で入賞の監視を行うか否かの設定や、大入賞口開放中を示す大入賞口開放状態フラグの設定、大入賞口の開放ソレノイドへの作動信号を出力するための設定、大入賞口の不正入賞監視の機能(図62等)を有効にするための設定も行う。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)における大入賞口開放中処理(ステップA14)の詳細について、図59を用いて説明する。
図59に示すように、大入賞口開放中処理では、先ず、図58のファンファーレ/インターバル中処理のステップA571やA573で設定される大入賞口開放状態フラグをチェックし(ステップA611)、下大入賞口開放状態フラグが立っているか否か判定する(ステップA612)。ここで、下大入賞口開放状態フラグが立っている(ステップA612;Yes)と判定すると、ステップA613へ進み、第2特別変動入賞装置32内の排出計数スイッチ208を監視するRAM内の排出スイッチ監視領域の監視タイマに、例えば3000ms(=3秒)を設定して、ステップA614へ進む。また、ステップA612で、下大入賞口開放状態フラグが立っていない(No)と判定すると、ステップA613をスキップしてステップA614へ進む。
ステップA614では、特別遊技状態における連続作動回数すなわちラウンド数をチェックし、最終ラウンドであるか否か判定する(ステップA615)。ここで、最終ラウンドでない(ステップA615;No)と判定すると、ラウンド間のインターバルに行うインターバル表示画面の表示制御等に係るインターバルコマンドを準備して(ステップA616)、コマンド設定処理(ステップA618)を行う。また、ステップA615で、最終ラウンドである(Yes)と判定すると、大当り遊技すなわちサイクル遊技の終了の際に行うエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA617)、コマンド設定処理(ステップA618)を行う。その後、大入賞口残存球処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA619)、具体的には、当該テーブルに、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」、特図ゲーム処理タイマにセーブする大入賞口残存球処理に係る処理時間、大入賞口を閉塞するための第1大入賞口ソレノイド188、第2大入賞口ソレノイド193の駆動に係る制御信号(オフ信号)等を設定する処理を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)における大入賞口残存球処理(ステップA15)の詳細について、図60を用いて説明する。
図60に示すように、大入賞口残存球処理では、先ず、特別遊技状態における連続作動回数すなわちラウンド数をチェックする(ステップA621)。そして、下大入賞口開放による最終ラウンドであるか否かの判定を行う(ステップA622)。ここで、最終ラウンドである(Yes)と判定すると、次のステップA624へ進み、後述の残存球監視処理(図65)で更新されるRAM内の残存球監視領域の残存球カウンタをチェックする。そして、残存球カウンタが「0」であるか否かの判定を行う(ステップA625)。ここで、残存球カウンタが「0」でない(ステップA625;No)と判定すると、ステップA628へ移行して、再びこの大入賞口残存球処理へ戻ってくるために大入賞口残存球処理に移行するための設定テーブルを準備する処理(ステップA628)を行って、大入賞残存球処理から抜ける。
また、ステップA622で下大入賞口開放による最終ラウンドでない(No)と判定した場合や、ステップA625で残存球カウンタが「0」である(Yes)と判定した場合には、ステップA629へ進み、連続作動回数すなわちラウンド数をチェックする。そして、最終ラウンドであるか否かの判定を行う(ステップA630)。ここで、最終ラウンドでない(ステップA630;No)と判定すると、ステップA631へ移行してインターバル時間を特図ゲーム処理タイマに設定してから、ファンファーレ/インターバル中処理へ移行するための設定テーブルを準備する処理、具体的には当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定する処理(ステップA632)を行って、大入賞残存球処理から抜ける。一方、ステップA630で、最終ラウンドである(Yes)と判定すると、次のステップA633へ進み、エンディング時間を特図ゲーム処理タイマに設定してから、大当り終了処理へ移行するための設定テーブルを準備する処理、具体的には当該テーブルに、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定する処理(ステップA634)を行って、大入賞残存球処理から抜ける。
次に、上述の特図ゲーム処理(図51)における大当り終了処理(ステップA16)の詳細について、図61を用いて説明する。
図61に示すように、大当り終了処理では、先ず、前述の確変変動機能作動領域スイッチ処理(図51)により設定されるRAM内の確変変動機能作動情報領域をチェックする(ステップA641)。そして、第2特別変動入賞装置32内の第2球経路204への入賞があったか否かの判定を行う(ステップA642)。具体的には、確変変動機能作動情報領域内に正常入賞データ又は異常入賞データが格納されていれば入賞ありと判定し、確変変動機能作動情報領域内に正常入賞データ又は異常入賞データが格納されていなければ入賞なしと判定する。
ステップA642で、入賞あり(Yes)と判定するステップA643へ進み、格納されている入賞データが異常入賞データであるか否かの判定を行う。そして、ステップA643で異常入賞データでない(No)つまり正常入賞データであると判定すると、ステップA644へ進み、入賞あり時の特図普段処理に移行するための設定テーブルを準備する処理を行う。具体的には、特図ゲーム番号に特図普段処理のゲーム番号を設定するとともに、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームにおける当り確率を高確率に設定し、時短および高確率の変動回数(例えば170回)を設定して、ステップA646へ進む。
一方、ステップA642で第2球経路204への入賞なし(No)、又はステップA643で異常入賞データである(Yes)と判定すると、ステップA645へ進み、入賞なし時の特図普段処理に移行するための設定テーブルを準備する処理を行う。具体的には、特図ゲーム番号に特図普段処理のゲーム番号を設定するとともに、普図変動表示ゲームにおける当り確率を高確率に設定し、時短の変動回数(例えば70回)を設定して、ステップA646へ進む。なお、異常入賞データの場合には、異常報知を行った上で、特図変動表示ゲームにおける当り確率も高確率に設定してもよい。ステップA646では、確変状態用の大当り終了後の確率状態を演出制御装置47へ知らせる確率情報コマンドを設定して、該コマンドを送信するためコマンド設定処理(ステップA647)を行って、大当り終了処理を終了する。
次に、図50のタイマ割込み処理中に実行される異常排出監視処理(ステップS63)の具体的な手順の一例を、図62を用いて説明する。この異常排出監視処理は、第2特別変動入賞装置32内の第1流下計数スイッチ206と第2流下計数スイッチ207が、第2カウントスイッチ196が検出した入賞球数を上回る遊技球を検知した場合や、排出計数スイッチ208が、第1流下計数スイッチ206および第2流下計数スイッチ207が検出した球数を上回る遊技球を検知した場合に、異常排出エラーとして検知するためのものである。
図62の異常排出監視処理では、先ずその時点でのRAM内の設定データを取得する(ステップS631)。以下の処理で異常排出が検出されると、ステップS631で取得した設定データは異常排出エラー検出時の設定データとなる。続いて、本異常排出監視処理の最終ステップS655において設定されるRAM内の確変変動機能作動情報領域内のステータス情報をチェックする(ステップS632)。そして、エラー発生データが格納されているか否かの判定を行う(ステップS633)。ここで、エラー発生データが格納されていない(ステップS633;No)と判定すると、ステップS634へ進んで第2特別変動入賞装置32の第2カウントスイッチ196からの入力をチェックし、入力の有無を判定する(ステップS635)。
ここで、第2特別変動入賞装置32の第2カウントスイッチ196の入力がある(ステップS635;Yes)と判定すると、入賞数カウンタ1を更新(+1)する(ステップS636)。つまり、入賞数カウンタ1は、第2特別変動入賞装置32へ入賞した遊技球の数を計数することとなる。また、ステップS634で、第2特別変動入賞装置32の第2カウントスイッチ196の入力がない(No)と判定すると、ステップS636をスキップしてステップS637へ移行する。ステップS637では、第2特別変動入賞装置32内の第2流下計数スイッチ207からの入力をチェックし、入力の有無を判定する(ステップS638)。そして、第2流下計数スイッチ207からの入力がある(ステップS638;Yes)と判定すると、入賞数カウンタ2を更新(+1)する(ステップS639)。続いて、入賞数カウンタ1の値が「0」か否か判定し(ステップS640)、「0」でなければ次のステップS641へ進み、入賞数カウンタ1の値を更新(−1)つまり減数し、ステップS642へ進む。従って、第2特別変動入賞装置32の解放中に例えば1個の遊技球が入賞し、それが第2カウントスイッチ196と第2流下計数スイッチ207でそれぞれ検出されると、入賞数カウンタ1の値は「0」となる。
また、上記ステップS638で、第2特別変動入賞装置32の第2流下計数スイッチ207からの入力がない(No)と判定すると、ステップS639〜S641をスキップしてステップS642へ移行する。なお、ステップS640で入賞数カウンタ1の値が「0」である(Yes)と判定すると、ステップS655へ移行して、ステータス更新処理を実行して当該異常排出監視処理から抜ける。ステップS642では、第2特別変動入賞装置32内の第1流下計数スイッチ206からの入力をチェックし、入力の有無を判定する(ステップS643)。そして、第1流下計数スイッチ206からの入力がある(ステップS643;Yes)と判定すると、入賞数カウンタ2を更新(+1)する(ステップS644)。つまり、入賞数カウンタ2は、第2流下計数スイッチ207を通過した遊技球と第1流下計数スイッチ206を通過した遊技球の総数を計数することとなる。
続いて、入賞数カウンタ1の値が「0」か否か判定し(ステップS645)、「0」でなければ次のステップS646へ進み、入賞数カウンタ1の値を更新(−1)つまり減数する。従って、第2カウントスイッチ196が入賞球を検出するとカウントアップされる入賞数カウンタ1は、第2流下計数スイッチ207又は第1流下計数スイッチ206からの入力があるとカウントダウンされるので、不正又は球詰まりなどの異常がなければ最終的に「0」(正常)となる。また、上記ステップS643で、第2特別変動入賞装置32の第1流下計数スイッチ206からの入力がない(No)と判定すると、ステップS644〜S646をスキップしてステップS647へ移行する。なお、ステップS645で入賞数カウンタ1の値が「0」である(Yes)と判定すると、ステップS655へ移行して、ステータス更新処理を実行して当該異常排出監視処理から抜ける。
ステップS647では、第2特別変動入賞装置32内の排出計数スイッチ208からの入力をチェックし、入力の有無を判定する(ステップS648)。そして、排出計数スイッチ208からの入力がある(ステップS648;Yes)と判定すると、ステップS649へ進み、入賞数カウンタ2の値が「0」か否か判定し、「0」でなければ次のステップS650へ進み、入賞数カウンタ2の値を更新(−1)つまり減数した後、ステップS654へ進む。従って、第2流下計数スイッチ207又は第1流下計数スイッチ206が遊技球を検出するとカウントアップされる入賞数カウンタ2は、排出計数スイッチ208からの入力があるとカウントダウンされるので、不正又は球詰まりなどの異常がなければ最終的に「0」(正常)となる。
一方、上記ステップS633で、エラー発生データが格納されている(Yes)と判定すると、ステップS651へ進んで、バックアップ電源部に設けられているRAMデータのクリアスイッチからの入力をチェックし、入力の有無を判定する(ステップS652)。ここで、クリアスイッチの入力がない(ステップS652;No)と判定すると、何もせずに当該異常排出監視処理から抜ける。また、クリアスイッチの入力がある(ステップS652;Yes)と判定すると、入賞数カウンタ1と入賞数カウンタ2の値をクリアし(ステップS653)、ステップS654へ移行する。
ステップS654では、その時点でのRAM内の設定データを取得する。この際にRAMクリア等で既に異常排出エラーが解除されていると、ステップS654で取得した設定データは異常排出エラー解除時の設定データとなる。続いて、ステップS655へ進み、ステータス更新処理を実行して当該異常排出監視処理から抜ける。ステップS655のステータス更新処理では、ステップS631とステップS654で取得した設定データを比較して状態に変化が生じていた場合に確変変動機能作動情報領域内のステータス情報を更新するとともに、状態の変化に応じて演出制御装置47へ送信するエラー報知開始コマンド又はエラー報知解除コマンドを設定する。
次に、図50のタイマ割込み処理中に実行される入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)の具体的な手順の一例を、図63を用いて説明する。
図63の入賞口スイッチ/エラー監視処理では、先ず入賞監視処理(ステップS571)を実行する。この入賞監視処理(ステップS571)では、遊技領域5の各入賞口に設けられている検出スイッチからの信号に基づく入賞をチェックし、対応する入賞カウンタを更新する。また、大入賞口の開放期間外に遊技球が入賞した場合は、不正入賞数をカウントし、不正入賞数が所定数となった場合にエラー報知コマンド(下大入賞口不正入賞エラー)を設定する。そして、不正入賞数のクリアは、エラー報知が終了した時点で行なう。
その後、遊技枠監視処理(ステップS572)を実行する。この遊技枠監視処理(ステップS571)では、保持枠開放検出スイッチ243および前面枠開放検出スイッチ244からの信号に基づく透明部材保持枠8および前面枠3の状態の監視を行う。また、スイッチの異常の有無やシュート球切れ、オーバーフロー、払出しの異常の有無等の監視も行う。続いて、図58のファンファーレ/インターバル中処理のステップA571とA573の設定処理で設定される大入賞口開放中を示す大入賞口開放状態フラグをチェックする(ステップS573)。そして、大入賞口開放状態フラグが設定されているか否かの判定を行い(ステップS574)、フラグが設定されていないすなわち大入賞口開放中でない(No)つまり大入賞口が閉鎖されていると判定すると、ステップS575へ進み、大入賞口開放中処理(図59)のステップA613で設定されるRAM内の排出スイッチ監視領域の監視タイマを更新(−1)する。なお、この監視タイマには、前述の大入賞口開放中処理(図59)の中のステップA613で例えば3秒が設定される。
そして、次のステップS575で、監視タイマ(例えば3秒)がタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(ステップS576;No)と判定すると、ステップS577へ進む。また、ステップS576でタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップS578へ移行する。一方、上記ステップS574で、大入賞口開放状態フラグが設定されている(Yes)と判定した場合はステップS575、S576をスキップして、ステップS577へ移行する。
ステップS577では、RAM内の排出スイッチ監視領域の入賞監視フラグに排出正常タイミングデータを設定する。また、ステップS578では、RAM内の排出スイッチ監視領域の入賞監視フラグに排出異常タイミングデータを設定する。つまり、大入賞口閉鎖後3秒以内であれば排出正常タイミングデータが設定され、大入賞口閉鎖後3秒を経過すると排出異常タイミングデータが設定される。なお、監視タイマは3秒に限定されるものでなく、第2特別変動入賞装置32の構造等に応じて適宜決定される。その後、ステップS579へ進み排出タイミング監視処理を実行した後、残存球排出処理(ステップS580)を実行して、当該入賞口スイッチ/エラー監視処理から抜ける。ステップS579の排出タイミング監視処理とステップS580の残存球排出処理の具体的な内容については、以下に図64および図65を用いて説明する。
次に、図63の入賞口スイッチ/エラー監視処理中のステップS579で実行される排出タイミング監視処理の具体的な手順の一例を、図64を用いて説明する。この排出タイミング監視処理は、第2特別変動入賞装置32の開放から下大入賞口閉鎖後3秒までの期間が経過した後に第2流下計数スイッチ207又は第1流下計数スイッチ206が遊技球を検出した場合の排出タイミングエラーの監視、報知処理である。図64の排出タイミング監視処理では、先ずRAM内の排出タイミング監視領域のアドレスを取得しておく(ステップS781)。次に、図63の入賞口スイッチ/エラー監視処理中のステップS577、S578で設定される排出スイッチ監視領域の入賞監視フラグをチェックする(ステップS782)。そして、入賞監視フラグに排出正常タイミングデータが設定されているか否か判定する(ステップS783)。
ステップS783で、排出正常タイミングデータが設定されていない(No)と判定すると、ステップS784へ進み、第2流下計数スイッチ207からの信号の入力をチェックする。そして、第2流下計数スイッチ207からの信号の入力の有無を判定し(ステップS785)、入力がない(No)と判定すると、ステップS786へ進み、第1流下計数スイッチ206からの信号の入力をチェックする。そして、第1流下計数スイッチ206からの信号の入力の有無を判定し(ステップS787)、入力があった(Yes)と判定すると、ステップS788へ進む。また、ステップS785で、第2流下計数スイッチ207からの信号の入力があった(Yes)と判定した場合はステップS786、S787をスキップして、ステップS788へ移行する。
そして、ステップS788では、そのときのRAM内の設定データを排出タイミングエラー発生時の設定データとして取得する。つまり、第2特別変動入賞装置32の閉鎖後3秒が経過した後に第2流下計数スイッチ207又は第1流下計数スイッチ206からの信号の入力があると排出タイミングエラーとされる。その後、ステップS789で、エラー報知タイマを例えば60000ms(60秒)に設定してステップS793へ進み、ステップS781で取得したアドレスに基づいて排出タイミング監視領域のステータス情報を排出異常タイミングに更新して、当該排出タイミング監視処理から抜ける。従って、図63のステップS575の監視タイマが、第2流下計数スイッチ207の信号の有効/無効を設定する設定手段として機能する(確率変動機能)。
一方、ステップS783で排出正常タイミングデータが設定されている(Yes)と判定した場合や、ステップS787で入力がない(No)と判定した場合、つまり排出正常タイミングデータが記憶されておらずかつ第2流下計数スイッチ207からの信号の入力も第1流下計数スイッチ206からの信号の入力がない場合には、ステップS790へ移行して、報知タイマを更新(−1)してから、該タイマがタイムアップしたか否か判定する(ステップS791)。そして、ステップS791で、タイマがタイムアップしていない(No)と判定した場合はそのまま当該排出タイミング監視処理から抜ける。また、ステップS791で、タイマがタイムアップした(Yes)と判定する、つまりエラー報知開始後60秒経過すると、ステップS788へ進み、そのときのRAM内の設定データを排出タイミングエラー解除時の設定データとして取得する。その後、ステップS793へ進み、ステップS781で取得したアドレスに基づいて排出タイミング監視領域のステータス情報を排出正常タイミングに更新して、当該排出タイミング監視処理から抜ける。
次に、図63の入賞口スイッチ/エラー監視処理中のステップS580で実行される残存球監視処理の具体的な手順の一例を、図65を用いて説明する。この残存球監視処理は、第2特別変動入賞装置32内の第2カウントスイッチ196からの信号のカウント数が排出計数スイッチ208からの信号のカウント数よりも多い状態で、最後に第2特別変動入賞装置32の第2カウントスイッチ196が遊技球を検出した時点から所定時間(例えば5秒)経過した場合のエラー監視処理である。図65(A)に示すように、残存球監視処理では、先ずRAM内の残存球監視領域のアドレスを取得する(ステップS801)。図65(B)に、残存球監視領域の構成を示す。次に、第2特別変動入賞装置32内の排出計数スイッチ208からの信号の入力をチェックし(ステップS802)、排出計数スイッチ208からの信号の入力があるか否か判定する(ステップS803)。そして、入力がある(ステップS803:Yes)と判定した場合はステップS804へ進み、残存球監視領域(図65(B))内の残存球カウンタの値を更新(−1)して、ステップS805へ進む。また、ステップS803で、入力がない(No)と判定した場合は、ステップS804をスキップして、ステップS805へ進む。
ステップS805では、第2特別変動入賞装置32内の第2カウントスイッチ196からの信号の入力をチェックし、第2カウントスイッチ196からの信号の入力があるか否か判定する(ステップS806)。そして、入力がある(ステップS806:Yes)と判定した場合は、ステップS807へ進み、残存球監視領域(図65(B))内の残存球カウンタの値を更新(+1)してから、監視タイマにタイマ値(例えば5秒)を設定して(ステップS808)、ステップS809へ進む。また、ステップS806で、入力がない(No)と判定した場合は、ステップS807、S808をスキップして、ステップS809へ進む。なお、通常はステップS807で残存球カウンタの値が+1されてから、再びこの残存球監視処理が実行されてステップS803で排出計数スイッチ208からの信号の入力があり(Yes)と判定されて残存球カウンタの値が−1される。
ステップS809では、残存球監視領域(図65(B))内のステータス情報をチェックする。そして、エラー発生データが格納されているか否かの判定を行う(ステップS810)。ここで、エラー発生データが格納されていない(ステップS810;No)と判定すると、ステップS811へ進んで残存球監視領域内の残存球カウンタをチェックし、残存球カウンタの値が「0」か否かを判定する(ステップS812)。そして、残存球カウンタの値が「0」でない(ステップS812:No)と判定した場合は、ステップS813へ進み、監視タイマを更新(−1)し、該タイマがタイムアップしたか否かの判定を行う(ステップS814)。ここで、タイマがタイムアップしていない(ステップS814;No)と判定すると、そのまま当該残存球監視処理から抜ける。
一方、ステップS814で、タイマがタイムアップした(Yes)と判定した場合は、ステップS815へ進み、そのときのRAM内の設定データを残存球エラー発生時の設定データとして取得する。その後、ステップS819へ進み、ステップS801で取得したアドレスに基づいて残存球監視領域のステータス情報を残存球エラー発生データに更新して、当該残存球監視処理から抜ける。また、上記ステップS810で、エラー発生データが格納されている(Yes)と判定した場合は、ステップS816へ移行して、残存球監視領域(図65(B))内の残存球カウンタをチェックし、残存球カウンタの値が「0」か否かを判定する(ステップS817)。そして、残存球カウンタの値が「0」でない(ステップS817:No)と判定した場合は、そのまま当該残存球監視処理から抜ける。
一方、ステップS817で、残存球カウンタの値が「0」である(Yes)と判定した場合は、ステップS818へ進み、そのときのRAM内の設定データを残存球エラー解除時の設定データとして取得する。また、上記ステップS812で残存球カウンタの値が「0」である(Yes)と判定した場合もステップS818へ進み、そのときのRAM内の設定データを残存球エラー解除時の設定データとして取得する。その後、ステップS819へ進み、残存球監視領域(図65(B))のステータス情報を残存球エラーなしデータに更新して、当該残存球監視処理から抜ける。
(第1実施形態の変形例1)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
第1実施形態の変形例1は、上記実施形態と同様に、予めシャッターソレノイド216による第2球経路204の入り口に設けられているシャッター213の開放パターン(開放回数と開放時間)が設定されているものの、第2カウントスイッチ196を有効とする時間を長くした場合で、シャッター213の開放終了時間が経過する前に規定数(例えば10個)の遊技球が第2特別変動入賞装置32に入賞して残存球が「0」になった場合には、その時点でシャッターソレノイド216をオフさせる制御を行うようにしたものである。そして、このような制御を行うことによって、大当り時のサイクル遊技において、第2カウントスイッチ196を有効とする時間を長くしたとしても、次のラウンドへ進むタイミングが早くなり、サイクル遊技をテンポよく進行させることができる。
図66には、第1実施形態の変形例1における大入賞口残存球処理の具体的な手順が示されている。この変形例における図66の大入賞口残存球処理は、図60の大入賞口残存球処理に類似している。図60の大入賞口残存球処理との差異は、図66の大入賞口残存球処理では、残存球カウンタが「0」か否か判定するステップA625の次に、図60の大入賞口残存球処理にはない、シャッターソレノイド制御領域の次ポインタに「停止」を設定するステップA626と、シャッターソレノイド制御領域の制御タイマをクリアするステップA627を追加している点である。
例えば、第2特別変動入賞装置32の短時間開放の場合に、発生する入賞球が少なく残存球カウンタが早く「0」になるため、第2カウントスイッチ196を有効とする時間を長くしたとしても、上記のように大入賞口残存球処理にステップA626、A627を追加することによって、図67にタイミングt4で示すように、排出計数スイッチ208が入賞球を検出して残存球カウンタが「0」になった時点で、第2球経路204の入り口に設けられているシャッター213を駆動するシャッターソレノイド216がオフされて、第2球経路204への入賞球の流下が規制されてその回のラウンドが終了し、次のラウンドの開始を早めることができるようになる。また、第2特別変動入賞装置32の短時間開放の場合には、そもそも入賞球が発生しにくくなるため、大入賞口残存球処理のフローチャートに上記ステップA626、A627があることで、入賞球が発生しなかった場合、ステップA625で残存球カウンタが「0」と判定してステップA626、A627を実行することによって、第2カウントスイッチ196を有効とする時間を長くしたとしても、図68に一点鎖線で示す2回目のシャッターソレノイド216の作動が生起されないようになる。
また、この第1実施形態の変形例1においては、第2特別変動入賞装置32の長時間開放の場合に、予め規定されている第2特別変動入賞装置32の開放時間が終了する前に入賞球が規定数(例えば10個)に達した場合、図69に示すように、第2特別変動入賞装置32が規定よりも早いタイミングt2で閉鎖されるとともに、最後の残存球が検出されるタイミングが予め規定されたシャッターソレノイド216の作動終了タイミングも早くなることがあるため、最後の残存球の検出タイミングt4でシャッターソレノイド216がオフされることとなる。なお、この変形例においても、残存球カウンタが「0」になる最後の残存球の検出タイミングタイミングt4が遅ければ、図70に示すように、上記実施形態と同様に、予め規定された作動終了タイミングt7でシャッターソレノイド216がオフされる。
(第1実施形態の変形例2)
図71には、第1実施形態の変形例2におけるファンファーレ/インターバル処理の具体的な手順が示されている。この変形例における図71のファンファーレ/インターバル処理は、図58のファンファーレ/インターバル処理に類似している。図58のファンファーレ/インターバル処理との差異は、図71のファンファーレ/インターバル球処理では、次のラウンドが下大入賞口の開放か否かを判定するステップA565の次に、図58のファンファーレ/インターバル処理にはない、短時間開放か否かの判定を行うステップA565aを設けて、該ステップで短時間開放である(Yes)と判定すると当該ファンファーレ/インターバル処理から抜けるようにしている点である。
第2特別変動入賞装置32の開放が短時間の場合には、そもそも第2特別変動入賞装置32への入賞球の発生が少ない(発生しない場合を含む)ので、通常は残存球カウンタが「0」になるまでそれほど時間がかからないため残存球カウンタが「0」になるのを待つようにしたものである。そして、開放終了後に再び該ファンファーレ/インターバル処理を実行してステップA562で残存球カウンタが「0」か否か判定し、「0」である(Yes)と判定するとステップA566へ移行して、次のラウンドへ移行するための処理を実行することとなる。これにより、遊技者が短時間開放中に糸釣り球等により不正に第2流下計数スイッチ207をオンさせた場合に、残存球カウンタが「0」にならないことで、次のラウンドに進まないようにすることができる。なお、第2特別変動入賞装置32の開放が長時間の場合には、遊技球が確変領域を通過する可能性が高いので遊技者はそのような場合にわざわざ上記のような不正を行うことは考えにくい一方、残存球カウンタが「0」になるのを待っているとサイクル遊技の進行が遅くなるので、それを回避するために上記のような制御を行うようにしている。
図72には、第1実施形態の変形例2における大入賞口残存球処理の具体的な手順が示されている。
図72の大入賞口残存球処理は、図60の大入賞口残存球処理に類似している。図60の大入賞口残存球処理との差異は、図72の大入賞口残存球処理では、第2特別変動入賞装置(下大入賞口)32の開放のラウンドであるか否か判定するステップA622の次に、図60の大入賞口残存球処理にはない、短時間開放か否か判定するステップA623を設けて、該ステップで短時間開放でない(No)と判定すると、ステップA629へ移行するようにしている点である。これにより、第2特別変動入賞装置32の開放であってその開放が短時間である場合にのみ、残存球カウンタが「0」になったのを確認して次のラウンドに進むように制御することができる。第1特別変動入賞装置31には確変領域が設けられていないので、不正が行われることが考えにくいため残存球カウンタが「0」になったのを確認せずに次のラウンドに進むようにしても支障はない。
ところで、上記実施形態および変形例では、第1球経路203における遊技球の流下を第1流下計数スイッチ206により検出したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図73に示すように、第1球経路203に第3流下計数スイッチ260を第1流下計数スイッチ206とは別個に備えてもよい。これは、次のような不都合が生じることを阻止するためである。すなわち、第1球経路203に第1流下計数スイッチ206のみを備えた場合、第1流下計数スイッチ206が遊技球を検出するタイミングで、不正行為を行う者が第2特別変動入賞装置32に不正な電波を照射して、第2流下計数スイッチ207の検出信号を不正に発生させようとする不正行為(遊技球が確変領域に流入したと誤魔化して確変状態を不正に発生させようとする不正行為)が行われると、第1流下計数スイッチ206において、遊技球を検出する信号と不正電波により不正に発生する信号とが重なってしまう。この結果、本来ならば計数されるはずの不正電波による第1流下計数スイッチ206の計数が行われないため、流下計数加算値を比較対象にしても、不正行為が行われていないときと同じ判定結果となってしまう。
そこで、第1球経路203に第3流下計数スイッチ260を第1流下計数スイッチ206よりも下流側に備え、遊技制御装置50により、第1流下計数スイッチ206の計数値と第3流下計数スイッチ260の計数値とを比較する。このとき、第1流下計数スイッチ206が遊技球を検出するタイミングで、不正行為を行う者が第2特別変動入賞装置32に不正な電波を照射すると、第1流下計数スイッチ206での不正電波による発生信号は、実際の遊技球の検出による信号と重なって計数されないことになるが、第3流下計数スイッチ260では、遊技球が通過する前であるため、不正電波による発生信号を計数値として加算する。さらに、第1流下計数スイッチ206から流下してきた遊技球を実際に計数する。したがって、遊技制御装置50は、監視の結果、第1流下計数スイッチ206の計数値と第3流下計数スイッチ260の計数値とが異なる場合には、異常が発生下と判定することができる。これにより、不正な電波を第2特別変動入賞装置32に照射して入賞の検出を操作しようとする不正行為が第1流下計数スイッチ206による遊技球の検出のタイミングに合わせて行われたとしても、この不正行為が行われたか否かを判定することができる。
なお、本変形例では第1球経路203は1つであるが、複数設けてもよい。この場合、第1流下計数スイッチ206を複数の第1球経路203のそれぞれに設け、第1流下計数スイッチ206の計数値の合計値を基に不正を判定するが、第3流下計数スイッチ260は省略してもよい。第1流下計数スイッチ206と第3流下計数スイッチ260に同時に遊技球が通過することは希であることと同様に、複数の第1流下計数スイッチ206に同時に遊技球が通過することは希であるからである。また、本変形例では第2球経路204は1つであるが、複数設けてもよい。その場合は第2流下計数スイッチ207を複数の第2球経路204のそれぞれに設け、第2流下計数スイッチ207の計数値の合計値を基に不正を判定する。
ところで、上記実施形態および変形例では、遊技領域5のうち入賞ユニット28の上方には、2つの入賞具(普図始動ゲート26、普通変動入賞装置38)のみ備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図74に示すように、遊技領域5のうち普図始動ゲート26と普通変動入賞装置38との間に、遊技球が入賞可能な入賞口262を備えてもよい。この入賞口262を備えた場合、特別遊技状態の発生時に、遊技者が多くの遊技球を開状態の第1特別変動入賞装置31又は第2特別変動入賞装置32に入賞させようとするために所謂右打ち(遊技領域5の右側へ遊技球を集中して打ち込む操作)を行うと、遊技球が普図始動ゲート26や開状態の普通変動入賞装置38だけではなく入賞口262にも入賞し易い。そして、入賞口262への遊技球の入賞に基づいて賞球が払い出されるが、この賞球の数を、普通変動入賞装置38への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球の数よりも多く設定すれば、普通変動入賞装置38への遊技球の入賞に基づく賞球の数を極めて少なく設定したときでも、遊技者が所謂右打ちをしたときに獲得する賞球(出玉)により持ち玉が増加することを防止しつつ、減少することを極力抑えることができる。
また、普通変動入賞装置38の下方にも、遊技球が入賞可能な一般入賞具30を配置しているので、入賞口262および普通変動入賞装置38に入賞しなかった遊技球が一般入賞具30に入賞し得るように構成することができ、遊技者が所謂右打ちをしたときに持ち玉が減少することを極力抑えることができる。そして、一般入賞具30にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域5のうち一般入賞具30の周辺に設定された第1球流下領域R1又は第2球流下領域R2を流下する。ここで、第1球流下領域R1は、第1特別変動入賞装置31の前方の領域である。また、第2球流下領域R2は、第1球流下領域R1よりも一般入賞具30側に位置する領域であり、一般入賞具30と第1特別変動入賞装置31との間、および一般入賞具30とその側方に位置する区画部材22との間に設定されている。
一般入賞具30に入賞せずに第1球流下領域R1に流下すると、第1特別変動入賞装置31が開状態である場合には第1特別変動入賞装置31へ入賞するが、第1特別変動入賞装置31が閉状態である場合には、第1特別変動入賞装置31の前方を通過して球転動案内路185aに到達し、球転動案内路185a上を転動して第2特別変動入賞装置32側へ向けて案内される。また、遊技球が第2球流下領域R2に流下すると、第1特別変動入賞装置31の側方を通過するため第1特別変動入賞装置31には入賞しない。そして、球転動案内路185aに到達し、球転動案内路185a上を転動して第2特別変動入賞装置32側へ向けて案内される。なお、第1球流下領域R1と第2球流下領域R2に遊技球が流下する割合は、第1球流下領域R1および第2球流下領域R2の上流側の遊技釘(図示せず)の調整により遊技店で設定可能である。この結果、大当り中の出玉を増やすことなく、第2特別変動入賞装置32内の確変領域に遊技球を入賞させることが可能となる。したがって、大当たりの出玉を減らしたが為に第2特別変動入賞装置32への入賞が減少してしまうこと、ひいては第2特別変動入賞装置32内の確変領域に入賞せず確変しないといったことがなく、大当り中の出玉を減少させつつ確実性をもって確変させることができ、遊技の興趣を低下させることなく、遊技店の利益を確保することができる。
ところで、上記実施形態では、特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置45に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置45における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報(図柄)mを変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示する(図75参照)。このような飾り特図変動表示ゲームを実行する場合、3つの図柄変動に合わせて様々な演出を行って興趣を高めようとすることがあるが、興趣を高めようとするあまりに図柄の変動開始や停止のタイミング、確定した図柄の態様などが分かり難くなりがちである。
そこで、左、中、右の3つの図柄(メイン図柄)mとは別個の図柄である第4図柄(サブ図柄)を変動表示装置45の表示部45a(例えば表示部45aの左上)に表示し、このサブ図柄により図柄変動表示ゲームの進行状態を示し、演出表示装置における多様な演出と図柄変動表示ゲームの進捗の分かり易さとの両立を図ることが提案されている。例えば、左、中、右の3つの図柄が停止しても第4図柄が変動表示していれば、変動表示ゲームが実行中であることを示すことができるように構成する。そして、第4図柄を菱形等の図形を複数組み合わせて構成し、特図変動表示ゲームの結果態様を、第4図柄の各図形の色を異ならせて示す。しかしながら、上記実施形態のように、変動表示装置45の前面に複数の装飾ユニット81、82、83を配置した場合には、装飾ユニット81、82、83の一部が第4図柄の前方に移動して、第4図柄がパチンコ遊技機1の前方から視認困難になることがある。
このため、変動表示装置45の表示部45aの前方に装飾ユニット81、82、83が移動し得る構成のパチンコ遊技機1においては、センターケース25のうち装飾ユニット81、82、83が被覆不能な箇所に、第4図柄を表示する第4図柄表示装置を備えることが好ましい。例えば、図75に示す実施形態では、センターケース25の表面のうちステージ部59の下方に位置する箇所に開口部264を開設し、複数(図75では4つ)のフルカラーLEDで構成された第4図柄表示装置(サブ図柄表示装置)265の図柄表示部を開口部264に臨ませる状態でセンターケース25に配置し、各LEDの発光色を異ならせる等してLEDの発光パターンの組み合わせを設定して特図変動表示ゲームの結果態様を表示する。したがって、第1装飾ユニット81の装飾機構87、88や、第2装飾ユニット82の装飾体121、126や、第3装飾ユニット83の可動装飾装置131、132が演出動作を実行したとしても、第4図柄が可動装飾装置131、132等の後方に隠れて視認不能となることがない。また、第4図柄の表示位置が移動することがなく、第4図柄で示される内容のわかりやすさを損なうことがない。さらに、第4図柄を変動表示装置45に表示する必要がなく、変動表示装置45で行う多様な演出に対して第4図柄の表示が支障となる不都合がない。また、第4図柄をフルカラーLEDで表示することにより、少ない数で多くの組み合わせを表現できるので、LEDの数を増やさなくともよい。さらに、フルカラーLEDであるため、センターケース25の他の装飾発光体(LED)と調和がとれるので、他の装飾発光体の装飾効果を減ずることもない。
そして、遊技者の注視する始動入賞口29とステージ部59との間に第4図柄を配置したので、遊技者は、始動入賞口29やステージ部59から視線を外すことなく、第4図柄を見ることができる。また、ステージ部59から始動入賞口29へ遊技球を案内する案内流路60の出口の左右両側方に第4図柄を配置したので、遊技者は、案内流路60の出口から視線を外すことなく、第4図柄を見ることができる。なお、本実施形態では、センターケース25に第4図柄表示装置265を配置したが、第4図柄表示装置265を裏面構成部材44に配置し、センターケース25に設けた開口部264に第4図柄表示装置265の図柄表示部を臨ませて、センターケース25に設けた開口部264を介して第4図柄を見せるようにしてもよい。
さらに、第4図柄表示装置265は、センターケース25の表面に配置することに限定されず、可動装飾装置に設けてもよい。例えば、第3装飾ユニット83の第1可動装飾装置131(例えば、普通変動入賞装置38の下方に位置する第1可動装飾装置131)に内蔵された複数の発光体(フルカラーLED)150を第4図柄表示装置として機能させ、各発光体150の発光色を異ならせる等してLEDの発光パターンの組み合わせを設定して特図変動表示ゲームの結果態様を表示してもよい。可動装飾装置に第4図柄表示装置265を備えれば、可動装飾装置が演出動作を実行したとしても、第4図柄が可動装飾装置の後方に隠れて視認不能となることがない。また、第4図柄の表示位置が可動装飾装置に対して相対的に移動することがなく、第4図柄で示される内容のわかりやすさを損なうことがない。さらに、第4図柄を変動表示装置45に表示する必要がなく、変動表示装置45で行う多様な演出に対して第4図柄の表示が支障となる不都合がない。また、実施形態のようにLEDの光をそのまま遊技者に見せるのではなく、LEDの光の照射を受けて光った樹脂部品を遊技者に見せるので、いたずらに図柄を主張せず、周囲の装飾表示と調和を取ることが可能となる。また、複数のフルカラーLED(図柄)の間に仕切りを設けていないので、それぞれのLEDの光が分断されず、複数のLEDの中間部分の樹脂部品は複数のLEDの光が混合した色(グラデーション)となり、従来の区切りの明瞭な図柄とは趣向の異なる情味豊かな図柄とすることができる。なお、LEDに近い箇所の樹脂部品は当該LEDの光が強く照射されるため、正しく色(図柄)を認識できる。
ところで、上記実施形態の第2装飾ユニット82においては、役物窓部122を透明な球面部材で構成したが、本発明はこれに限定されない。要は、後方の変動表示装置45の表示内容が役物窓部を通して視認可能であればよい。例えば、役物窓部は、主装飾体121に開設された開口で構成されてもよい。また、被覆領域61aが有する第1被覆領域および第2被覆領域においては、表面処理の有無により主装飾体121の視認の難易度を異ならせることに限定されない。例えば、第1被覆領域および第2被覆領域に透視孔を複数開設し、透視孔の大きさや開設個数を異ならせて主装飾体121の視認の難易度を異ならせるようにしてもよい。
ところで、上記実施形態の第3装飾ユニット83においては、仮想スライド曲線を遊技盤の表面と直交する仮想平面に沿って延在する円弧に設定したが、本発明はこれに限定されない。要は、可動装飾装置が遊技盤の表面の延在方向とは異なる方向に延在する仮想スライド曲線に沿って装飾部材をスライド移動可能であれば、仮想スライド曲線は、どのように設定してもよい。例えば、遊技盤の表面と45度の角度で交差する仮想平面上に延在する仮想スライド曲線に沿って装飾部材をスライド移動可能としてもよい。また、発光体をフルカラーLEDで構成したが、本発明はこれに限定されず、導光部に光を照射可能であれば、どのような発光体でもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施形態では、右打ちにおける流下可能な遊技領域5に複数の特別変動入賞装置等を配置し、特別遊技状態中は右打ちを主たる打ち方とする遊技台において、確変中(確変状態中、確変遊技状態中)や時短遊技中の出玉を抑えつつも遊技者の手元の遊技球の減少を極力抑えるように賞球を払い出す遊技機について説明した。これに対して第2の実施形態では、右打ちにおける流下可能な遊技領域5に複数の特別変動入賞装置等を配置し、特別遊技状態中は右打ちを主たる打ち方とする遊技台において、各特別変動入賞装置に有意な差を設ける遊技機について説明する。
図76は、第2の実施形態の遊技盤6の正面図である。図3に示す遊技盤6とは、始動入賞口29の右下にガイド部33を備える点でのみ相違する。始動入賞口29は遊技領域5の左右方向のほぼ中央に配置し、始動入賞口29の右側下方に第2特別変動入賞装置32を配置している。ガイド部33は、ガイド部33の直上から流下してきた遊技球を右方へと転動させる機能を有し、左打ちの場合であっても遊技球を第2特別変動入賞装置32付近へと流下可能にするため、左側から始動入賞口29を越えて遊技領域5の右側に流下した遊技球を第2特別変動入賞装置32に入賞させることができる。ガイド部33の詳細は図77に斜視図として示す。図76の遊技領域に示す太い破線は、左打ちの場合の流下可能な経路と右打ちの場合の流下可能な経路とを示す。右打ちをした場合には、遊技球は遊技領域5の右側上部に発射され、センターケース25の右側側方を流下し、第1特別変動入賞装置31の右側上方から遊技領域5の下方に流下するため始動入賞口29へは左打ちの場合でしか入賞できず、また左打ちした場合には、遊技球は遊技領域5の左側上部に発射され、センターケース25の左側側方またはセンターケース25のワープを流下し、第1特別変動入賞装置31の上方に流下しないため第1特別変動入賞装置31へは右打ちの場合しか入賞できないが、第2特別変動入賞装置32へは、右打ちでも左打ち両方の場合で発射された遊技球が第2特別変動入賞装置32の上方に流下するため入賞可能となる。
次に、第2の実施形態の変動表示ゲームの変動時間等について説明する。
遊技機1は、特別遊技状態中にVゾーンに遊技球が入球したことで特別遊技状態の終了後に確変状態となるが、確変状態は変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の回転数(実行回数)が所定の回数に達することで終了する。このような確変回数切り機(いわゆるST機)において、第2の実施の形態の確変状態における変動表示ゲームの変動時間は、図78(a)に示すように、実行する変動表示ゲームの結果がはずれの場合、確変1回目の変動時間を5000ms(5秒)と長く設定する。これにより、表示部45aに表示される確変終了までの回転数と、呼出しランプユニット270に表示される大当り後スタート回数との間に齟齬が生じることを防ぐことができる。なお、詳細については後述する。なお、図78(b)に示すように、リーチが発生する場合には、変動時間が長く設定されるため、前述のような齟齬は生じないようになっている。
図79は、本実施形態における第3装飾ユニット83の装飾部材136(爪役物)の動作方向を示す。第1実施形態における動作と同様に、各装飾部材136は基部ケース137の前面を摺動し(図32参照)、表示部45aの前方に突出することで、5本の爪が表示部45aを遊技盤6の後方から鷲掴みにするような演出を行う(図33参照)。爪役物の動作速度は、図78(a)に示すように、確変開始から1〜70回転が20RPM(1分あたり20回動作)であるが、71〜120回転が30RPM、121〜150回転が36RPM、151〜170回転が40RPMと、確変開始からのスタート回数(変動表示ゲームの実行回数)に応じて役物動作速度が大きくなる。このように、確変開始からのスタート回数に応じて装飾部材136の動作が速くなるため、確変終了の接近が遊技者に直感的に認識しやすいように伝達され、遊技の興趣を高める効果を有する。なお、本実施形態は動作の速度を変化させたが、動作の移動距離を変化させても良い。移動距離を変化させる場合は、確変開始からのスタート回数に応じて移動距離を大きくさせても良いし、小さくさせても良い。また、往復移動する場所を変えても良い。すなわち、確変開始からのスタート回数が少ないときは初期位置に近いところで小さく往復移動し、スタート回数が多くなるにつれて最大突出位置付近にて小さく往復移動するようにする。そのようにすれば、スタート回数が多くなるにつれて表示装置の周辺部で小さく動いていた爪役物が表示装置の中央付近で動くこととなり、遊技者の視界に徐々に入り込むこととなるため、確変終了の接近が認識しやすい上に、焦燥感をあおり興趣が向上する。
爪役物(装飾部材136)の動作パターンは、ST中(確変状態中)、リーチ中、ST中かつリーチ中の3パターンがあり、各動作パターンとして爪役物の突出量および動作速度を図80に示す。図80の「突出位置」は、爪役物が突出する位置を表し、横軸は時間を表す。また、図80(a)は、ST中の動作を、(b)はリーチ中の動作を、(c)はST中かつリーチ中の動作(ST中にリーチになった場合の動作)を表す。
ST中では、図80(a)に示すように、爪役物は一定の速度で初期位置から突出位置へ、突出位置から初期位置へと等速で移動する動作を繰り返す。リーチ中では、図80(b)に示すように、動作開始直後は爪役物の突出位置は小さくかつ遅いが、時間の経過とともに突出位置が大きくかつ速くなり、時間fの経過後は爪役物の突出位置および速さが最大となり、リーチ終了まで繰り返す。ST中にリーチになった場合は、図80(c)に示すように、ST中の動作からリーチ中の動作に移行する。ST中である時間aでは爪役物はST中の動作をし、その後リーチとなってリーチ中の動作に移行する(時間b)。時間bの経過後にリーチが終了し、爪役物は再びST中の動作に移行する(時間c)。なお、リーチ中の爪役物の最大突出位置は、ST中の最大突出位置よりも大きい。このようにST中に、より大当たりの可能性が大きい状態であるリーチになった場合には、役物の動作を速くし、また大きくすることにより、ST中とは異なる状態であることを報知するとともに、より大きなチャンスが到来したことを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
また、ST中の動作からリーチ中の動作へは爪役物が初期位置で切り替わるのではなく、リーチになった時点で切り替わる様にしており、初期位置まで移動した場合の時間的なズレを小さくしている。図80(c)では、時間aの終了時点において爪役物が初期位置に向かって動作しているが、時間bにおいてリーチ動作が開始され、その時点で爪役物は突出位置へ向かう動作に変化する。その後、時刻dにおける小さな動作幅での突出位置に移動するまで(時間e)その動作を継続し、時刻d以降はリーチ中の動作となる。なお、リーチ終了時は、リーチ終了時点での爪役物の位置は正確に位置合わせをすることはできないので、リーチ終了後に初期位置になったときにリーチ中の爪役物の動作を終了している。
このように、爪役物は、遊技の進行状態に応じて、動作パターンが異なるため、遊技の興趣を高める効果を有する。
次に、特別変動入賞装置の開放パターンについて説明する。
図81に3種類の開放パターンを示すが、開放パターン1のみを設定する遊技機と、開放パターン2及び3を設定する遊技機とに、機種によって異ならせている。開放パターン1は全ての特別遊技状態におけるラウンド数が16R(16ラウンド)となっている遊技機(全16R機)に設定される。図81に表す「上大入賞口」は第1特別変動入賞装置31、「下大入賞口」は第2特別変動入賞装置32である。特別遊技状態になると、上大入賞口は11Rと16Rを除く各ラウンドで開放され、11Rと16Rは下大入賞口が開放される。後述するように、開放パターン1には複数の設定パターンがあるが確変の獲得の有無に関わる下大入賞口が開放するラウンドは、遊技者に分かり易いように、11Rと16Rとに固定される。
開放パターン2及び開放パターン3は、全16R機とは別の機種において設定され、大当りとなると、開放パターン2又は3が選択される。開放パターン2は、ラウンド数が15R(156ラウンド)としており15R中の5Rにおいてのみ下大入賞口が長開放(29秒)し、開放パターン3は、ラウンド数が5R(5ラウンド)としており5R中の5Rにおいてのみ下大入賞口が短開放(0.2秒)する。
図81〜図82に示すように、開放パターン1は、各ラウンドにおける開放時間をa(1〜10R)、b(11R)、c(12〜15R)、d(16R)、ラウンド間のインターバル時間をe、全ラウンド終了から特別遊技状態の終了までの時間をfとしている。また、各ラウンドの開放時間には長開放(29秒)と短開放(0.2秒)の2種類が設定されている。さらに、開放パターン1には、出玉の大小や確変獲得の有無が異なるように開放時間の異なる5種類の設定パターンが定義されている。なお、開放パターン3にも開放時間の異なる2種類の設定パターンが定義されている。
例えば、開放パターン1の設定パターン1(以下、開放パターン1−1と表記)では、上大入賞口は開放されるラウンドにおいては全て長開放し、下大入賞口は開放される2回のラウンドとも長開放するため、確変獲得の可能性が極めて高く、出玉も大きい。開放パターン1の設定パターン2〜4(以下、開放パターン1−2〜4と表記)では、下大入賞口は1回の短開放と1回の長開放をするので、確変獲得の可能性が高い。なお、開放パターン2−4は、下大入賞口が開放する11Rが長開放であるので確変獲得の可能性は高いが、11R以外のラウンドが短開放であり、実質1ラウンドの特別遊技状態であるが、遊技者に対しては確変を発生させて次回の特別遊技状態の発生および獲得遊技球数の期待感を高める。開放パターン1−5では、下大入賞口は2回とも短開放であるため、確変獲得の可能性は低い。ただし、確変を獲得できなかった場合でも10回の長開放ラウンドを有するため開放パターン1−4よりも獲得遊技球が多く、大当り後は時短遊技状態となる。
ここで、下大入賞口内に備えるVゾーンへの入球がない場合には、遊技者は確変遊技状態を獲得できないが、開放パターン1を設定した遊技機は全ての大当たりでVゾーンを備える下大入賞口が複数の開放を行うので、全ての大当たりで確変遊技状態を獲得する可能性を複数回有する。また、本実施形態における開放パターン1−1〜1−4では、下大入賞口の複数回の開放のうち少なくとも1回が長開放されるため、確変遊技状態を獲得する可能性が高い。特に開放パターン1−1では下大入賞口が2回長開放されるため、下大入賞口開放中に遊技球の発射不良(ファール球による玉突き等)となった場合でも確変遊技状態を獲得する可能性が極めて高く、遊技の興趣を高める効果を有する。
図83〜図84には、下大入賞口が開放する直前のインターバル中に、次回のラウンドで下大入賞口が開放することを報知する画面を示す。図83の画面aは、特別遊技状態の10R目の画面である。10Rが終了し、11Rが開始されるまでのインターバル時間に画面bが表示され、次回のラウンドでは下大入賞口が開放されること、及び下大入賞口のVゾーンに入賞することで確変遊技状態に移行することを遊技者に報知する。したがって、遊技者は次のラウンドの重要性を認識することができる。なお、本実施形態では、下大入賞口へは左打ちでも右打ちでも入賞を狙うことが可能である。そして11Rが開始されると、画面cが表示され、下大入賞口に遊技球を入賞させ遊技者にVゾーンに入賞させるように促す。したがって、遊技者は当該ラウンドの重要性を認識することができる。ただし、下大入賞口の開放時間が短開放である場合には、インターバル時間の画面での報知やラウンド中の「下ATに入賞させろ!」というメッセージを表示しないように制御してもよい。短開放で、確変遊技状態に移行する可能性が少ない場合には報知を行わないことで、遊技者は確変遊技状態に移行する可能性の高い長開放ではないことを認識することが可能となる。
図83の画面d〜fは15R〜16Rの画面であり、表示内容は画面a〜cと同様である。11RでVゾーンに入賞しなかった場合に、図83の画面d〜fが表示される。一方、11RでVゾーンに入賞した場合には、図84の画面d〜fが表示される。確変遊技状態に移行することが決定しているのにVゾーンに入賞させることを促す報知を行うと、遊技者が未だ遊技状態に移行することが決定していないものと誤解する可能性がある。図84の画面d〜fのようにVゾーンに入賞した以降のラウンドではVゾーンに入賞させることを促す報知を行わないことで、前述の誤解を招くことを防止ししている。なお、開放パターン2−1、3−1でも開放パターン1−2、1−3と同様の報知を行うが、開放パターン1−4では、実質1Rなので画面bのインターバル時間の画面、11R中の画面におけるラウンド表示や11R以外のラウンドにかかる画面表示である画面d〜fの表示を行わない。また、Vゾーンに入賞して確変を獲得した場合には、以降のラウンドやインターバル時間の画面でVゾーンに入賞させることを促す報知を行わないだけでなく、確変決定済である旨の報知をしてもよい。例えば、図84の画面eで「確変決定」の文字を表示してもよい。また、当該ラウンドのVゾーンに入賞した以降に確変決定済である旨の報知をしてもよい。
次に、特別遊技状態終了後の最初の変動時間の設定について、図85〜図92を用いて説明する。
図78(a)に示したとおり、本実施形態では、特別遊技状態が終了した直後の最初の変動がはずれの場合には、時短遊技状態としては長い変動時間(例えば5秒)を設定する。
遊技店ではホールコンピュータ800等の管理装置を用いて、遊技機の稼働情報(「賞球情報」、「大当り情報」(大当り信号)、「図柄変動情報」(図柄確定回数信号)、確変中情報、始動入賞情報、大当たりラウンド情報、セキュリティ情報)を収集分析し、その結果を遊技店の営業に反映させている。具体的には、入賞や賞球払出しを通常時、大当り中、確変中などの遊技状態別に収集、分類、集計している。つまり大当り中に入賞した遊技球に基づいて賞球払出しがある場合には、その入賞と賞球の払出しは大当り中に生じた稼働情報として集計される。なお、稼働情報の収集には遊技機から出力される外部情報を使用している。また、前述の遊技状態別の確変中には確変だけでなく時短遊技状態や普通電動役物開放延長機能(普通図柄当り時における普通電動役物の開放時間や開放回数が通常時に比べて増大する機能)の作動中を含むこともある。
ここで、遊技機に対して賞球用の遊技球を補給するための遊技店の設備である補給装置にトラブルが生じて、遊技機に対する補給が迅速に行われない場合には、大当り中の入賞に基づく賞球払出しが大当たりの終了後に行われる可能性がある。そこで、その可能性を低減し、稼働情報の集計の精度を向上させるためにホールコンピュータ800等の管理装置は遊技機1における特別遊技状態の実行時間に、例えば4秒の遅延時間(補正時間)を加えて、実際の特別遊技状態の実行時間に加えて遅延時間中も特別遊技状態が発生していたものとして遊技データ(稼働情報)を管理している。そのため、ホールコンピュータ800等の管理装置では、遅延時間内に発生した遊技データも特別遊技状態中に発生した遊技データとして管理され、大当り中の入賞に基づく賞球払出しが大当たりの終了後に行われたものと集計されることを防いでいる。
しかしながら、遊技機にとっては遅延時間中は大当たり終了後であるため、大当たり終了後の動作、例えば、変動表示ゲームを実行することがある。このように、遅延時間中に実行される遊技機の動作による遊技データの中には、大当たり終了後に実行されたものであると分類されるべきであるにも関わらず、管理装置は大当り中に行われたものとしてしまうことがある。
これにより、特別遊技状態が終了した後の変動表示ゲームの変動時間が遅延時間よりも短い場合には、ホールコンピュータ800では当該変動表示ゲームの実行を特別遊技状態中に発生したものと見なし、変動表示ゲームの実行回数を正確にカウントすることができないこととなる。特に、特別遊技状態が終了後の変動は時短遊技状態における変動であるため、変動時間を短縮する手段(変動時間短縮手段)により変動時間が短縮されており、遅延時間よりも短い時間で変動が終了する。したがって、実際に変動表示ゲームが実行した回数とホールコンピュータ800が収集した変動表示ゲームの実行回数とで差が生じることとなる。そして、ホールコンピュータ800で管理する遊技データとして変動表示ゲームの実行回数をスタート回数として呼出しランプユニット270のスタート表示部275(図87参照)に表示し、遊技機1の表示部45aの残り回転数表示290に確変終了までの回転数を表示した場合には、大当り終了後の遅延時間内の変動をカウントできていない分、それぞれの数値に間に齟齬が生じることになる。そこで、本実施形態においては、大当り終了直後の最初の変動がはずれの場合には、長い変動時間を設定することで、変動時間を短縮する手段を禁止し、スタート表示部275に表示されるスタート数と遊技機1の表示部45aの残り回転数表示290に表示される確変終了までの回転数との齟齬を解消する。
確変遊技状態は、例えば、特別遊技状態の終了から170回転で終了するように設定される。確変遊技状態の残り変動回数は、遊技者にとって重要な情報であり、本実施形態では、図85に示すように、確変遊技状態が終了するまであと○○○回と、表示部45aに残り回転数表示290が表示される。図85に示す残り回転数表示290は、遊技機1がカウントする確変終了までの回転数を表示するものである。これに対して、スタート表示部275に表示するスタート回数は、ホールコンピュータ800等の管理装置が管理する大当たりが終了してからのスタート数を表示する。
時短遊技中の変動時間は1秒未満に設定されることもあり、大当り後の変動が遅延時間の経過よりも前に終了していると、当該変動をホールコンピュータ800は特別遊技状態中に生じた変動表示ゲームと捉えカウントしない。そこで、特別遊技状態が終了した直後の1回目の変動時間を変動時間短縮手段による短縮をせずに(変動時間短縮禁止手段)、遅延時間より長い時間変動させることで、ホールコンピュータ800でのカウント漏れを防ぐことができる。また、ホールコンピュータ800で管理する遊技データとして変動表示ゲームの実行回数をスタート回数として呼出しランプユニット270のスタート表示部275に表示し、遊技機1の表示部45aの残り回転数表示290に確変終了までの回転数を表示した場合には、それぞれの数値の間に齟齬が生じないので、遊技者が遊技店や遊技機に不信感を抱くこともない。
特別遊技状態が終了した直後の1回目の変動時間を遅延時間よりも長く設定するために、遊技制御装置50では、図86に示す初回変動パターン取得処理を実行する。初回変動パターン取得処理は、特別遊技状態が終了した後の1回目の変動パターンを取得する処理である。遊技制御装置50は、特別遊技状態が終了した直後の最初の変動表示ゲームにおいてリーチが発生するか否かを判定し(ステップA701)、リーチを発生させる(ステップA701;Yes)と判定されると、1〜70回のリーチパターンを取得する(ステップA702)。
図78(b)に示すように、リーチが発生する場合の1〜70回の変動の変動時間は、8〜15秒であり、遅延時間よりも長い変動時間であるため、ホールコンピュータ800は、大当り後最初の変動についても遊技情報を正しく収集することができる。
一方、リーチが発生しない(ステップA701;No)と判定されると、遊技制御装置50は、初回変動パターンを取得する(ステップA703)。その結果、図78(a)に示すように、1回目の変動時間は5秒に設定されるので、遅延時間よりも長い変動時間であるため、ホールコンピュータ800は大当り後最初の変動をカウントし、遊技情報を正しく収集することができる。
次に、呼出しランプユニット270について説明する。呼出しランプユニット270は、図87に示すように、台番号表示部271、表示器272、データ表示ボタン273、呼出しボタン274を備える。台番号表示部271は、遊技場における遊技機の台番号を表示する。表示器272は、遊技データ等を表示する部分であり、スタート回数表示部275、大当り回数表示部276、確変大当り回数表示部277を備える。
また、表示器272に表示する遊技データは、データ表示ボタン273を押下することで、例えば、当日の当り履歴と7営業日分の当り履歴とに切換え可能であり、また、単位時間ごとの出玉数を推移グラフとして表示可能である。呼出しボタン274は、遊技者が遊技場の店員を呼びだす際に押下するボタンである。
図87では、呼出しランプユニット270は、ホールコンピュータ800から遊技データを受信して表示しているが、遊技機1、図示しない情報収集端末、図示しない島コンピュータ、又は図示しない呼出しランプユニット管理装置から遊技データを受信して表示してもよい。また、呼出しランプユニット270の代わりに、台間サンド700にスタート回数等を表示するようにしてもよい。
次に遊技場内の各機器の接続について図88を用いて説明する。遊技機1は、遊技データ(稼働情報)を単方向通信で呼出しランプユニット270に送信する。呼出しランプユニット270は、受信した遊技データをホールコンピュータ800に送信する。呼出しランプユニット270とホールコンピュータ800との間は、双方向に通信可能に構成されている。なお、呼出しランプユニット270に表示される表示情報は、ホールコンピュータ800や呼出しランプユニット管理装置等の管理装置から受信したものであってもよいし、遊技機1から受信した遊技データに基づいて呼出しランプユニット270が生成したものであってもよい。また、遊技機1と呼出しランプユニット270の間に中間収集装置を設けて、中間収集装置から呼出しランプユニットとホールコンピュータ800に遊技データを送信しても良い。
上述したホールコンピュータ800は、特別遊技状態の実行時間に含める遅延時間(補正時間)は予め所定の固有値が設定されているが、指定した遊技機に対応して大当り後の初回の変動表示ゲームの変動時間よりも短い時間に一括で遅延時間を設定可能としてもよい。図89は、ホールコンピュータ800の表示部に表示される遅延時間の設定画面である。図89では、大当り(特別遊技状態)に含める遅延時間に任意の設定値を入力する例を示したが、複数の設定値から選択する方法でもよい。呼出しランプユニット270が遊技データを集計して表示器272に表示する場合には、ホールコンピュータ800から設定された遅延時間を取得して、呼出しランプユニット270に設定する。
大当り後の初回の変動表示ゲームの変動時間は、遊技機毎に異なるので、それぞれ遅延時間を設定する必要がある。しかし、遊技機毎に遅延時間を設定する場合、例えば、台番号を指定して設定すると、台番号と遊技機との対応表などを用意する必要があり、設定に要する労力が大きくなってしまう。そこで、機種毎に大当りに含める遅延時間を設定可能であれば、遊技機毎に設定するよりも労力の軽減が図られ、また、設定漏れを起こす可能性を減らすことができる。
図89に示す設定画面では、「CR****」と機種名が表示されており、表示された機種に対して一括して遅延時間を設定することが可能となっている。なお、機種名は正式名ではなく、略称や符号などであってもよい。機種名が略称や符号でも設定可能であることで、設定画面における表示の自由度が高くなり、同一機種においての設定漏れや間違いの発生を減少させられる。また、設定漏れを防止するために、全ての機種に対して、管理装置から遅延時間が設定済であるか否かの問い合わせを行うことを可能とする構成としてもよい。なお、前述は手動にて遅延時間を設定する機能について説明したが、CDなどの情報媒体やインターネットから機種名などの情報と遅延時間を対応付けたデータを入力して自動的に設定しても良い。このようにデータを媒体等から入力して遅延時間を設定すれば、設定する際の手間や誤設定を回避することができる。また遅延時間の時間値を遊技機毎に設定するのではなく、大当り情報がOFFした後においても賞球情報が所定間隔未満で受信している間を遅延時間としてもよい。この場合には遅延時間を設定する操作をする必要が無く、遅延時間を設定する際の手間や誤設定を回避することができる。
次に、大当り終了後の最初の変動表示ゲームの変動情報と遅延時間との関係について説明する。
図90は、遅延時間よりも前に大当り後の最初の変動が終了する場合のタイミングチャートであり、図91は、遅延時間よりも後に大当り後の最初の変動が終了する場合のタイミングチャートである。「賞球情報」、「大当り情報」及び「図柄変動情報」は、遊技機1から呼出ランプユニット270を介してホールコンピュータ800に出力される情報である。「賞球情報」は、賞球の払出しがあったことを示す情報であり、「大当り情報」は、特別遊技状態中であることを示す情報である。「遅延時間」は、特別遊技状態中に入賞した遊技球に基づく賞球払出しが特別遊技状態終了後に検出される等の稼働情報を遊技状態別に分類して集計する場合のずれを防ぐために設定された時間である。「図柄変動」は、変動表示ゲームが実行中であることを表す。「図柄変動情報」は、変動表示ゲームが実行されたことを示す情報で、変動表示ゲームが終了した時に出力される。
まず、図90の賞球情報について説明する。図90に示す賞球情報aは、大当り中に出力された遊技データであるため、管理装置は、大当り中の遊技データとして分類する。賞球情報bは、大当り中の入賞に基づく賞球払出しの遊技データが大当り後に出力された遊技データである。しかし、賞球情報bは、遅延時間内(T1)に出力された遊技データであるため、賞球情報bも大当り中の遊技データとして分類される。賞球情報cは、遅延時間(T1)よりも後に出力された遊技データであるため、大当り後の遊技データとして分類される。
大当りが終了すると変動表示ゲームが実行され(t1)、変動表示ゲームが終了すると図柄変動情報が出力される(t3)。ここで、図柄変動情報は、遅延時間を含む大当り中とみなされる時間(t4)よりも前に出力されることになり、管理装置において大当り中に発生する事象ではないとされて、当該図柄変動情報は無視されてカウントされない。そこで、遅延時間(T1)が変動時間(T2)よりも短い時間(T3)に設定されていれば、当該変動を管理装置においてカウントすることができる。しかし、遅延時間を変動時間(T2)よりも短い時間にすれば大当り後の変動をカウント可能となるが、遅延時間を設定する本来の目的である「大当り中の入賞に対する賞球情報を大当り中の遊技データとして正しく管理する」ことが困難になる。そこで、本実施形態では、大当り後の最初の変動時間を遅延時間よりも長くすることによって、以上の課題を解決する。
図91では、大当り終了後の最初の変動表示ゲームの変動時間が遅延時間よりも長い場合について説明する。最後のラウンドが終了し(t1)、特別遊技状態が終了すると変動表示ゲーム(T2)が実行され(t2)、遅延時間(T1)の経過(t3)よりも後に変動表示ゲーム(T2)が終了し、図柄変動情報が出力される(t4)。それ以降も連続的に時短遊技状態として変動表示ゲームが実行される(t5〜t8)。
ここで、管理装置は、遅延時間(T1)が終了する時刻t3まで大当り中とみなして遊技データを集計するが、大当り後の初回の変動表示ゲーム(T2)の変動時間は、遅延時間(T1)よりも長いため、当該変動表示ゲーム(T2)の図柄変動情報は遅延時間(T1)以降に出力される(t4)ため、管理装置は大当り後の変動表示ゲームとしてカウントすることができる。
このように、本実施形態では、大当り後の最初の変動がはずれの場合には、遅延時間よりも長い変動時間となる変動パターンを設定することによって、大当り後の変動回数を正しくカウントすることが可能となる。なお、大当り後の最初の変動時間が遅延時間よりも長くなればよいので、大当り後の最初の変動表示ゲームを、はずれ変動の151〜170回目の変動パターンに設定したり、強制的にリーチ変動に設定してもよい。
次に、本実施形態における管理装置が出力する遊技データについて、帳票を用いて説明する。図92は、20番台のCR****の遊技履歴の帳票である。帳票中の項目である「当り回数1」は、初回当りの回数であり、「当り回数2」は、初当たりからの当り回数(連荘回数)である。また、「アウト」はその遊技状態において発射された遊技球の数(数値は1/10)、「セーフ」はその遊技状態において賞球された遊技球の数(数値は1/10)、「差」は、セーフからアウトを差し引いた差分、「ベース」はアウトに対するセーフの割合であり、「当り回数2」に数字のある行は、各大当りに対応する遊技データである。なお、ベースは持ち玉が増減する速度を表すためのものであり、大当り中は差玉で確認するため算出されない。
また、当り回数2の1の1行上の行921は、営業開始又は前回大当りからの低確率中の遊技データであり、行921の2行下の行922は、確変中又は時短中の遊技データである。さらに、当り回数2の計の行923は、1回目の当りから時短終了までの遊技データである。
当り回数1の2回目の当り例では、前回大当りの時短が終了してから当るまでアウト6120個(時間換算で概ね1時間1分)、セーフ1350個、スタート回数300回、ベースは22である。また、1回目の当りは、アウト430個(時間換算で概ね4分)、セーフ1950個、差玉は1520個である。また、1回目の確変は、アウト830個(時間換算で概ね8分)、セーフ670個、差玉はマイナス160個、スタート回数103回、ベースは81である。そして、全て終了するまでは、アウト3320個(時間換算で概ね32分)、セーフ7350個、差玉は4030個、スタート回数251回、ベース82である。このように、本実施形態においては、時短中に払い出す賞球の数を抑えつつ、遊技者の手元の遊技球の数が極力減少しないようにする。
以上のように本実施形態における管理装置の帳票では、時系列的に遊技状態が変化しているときの遊技情報を遊技状態別に集計しているので、累計だけでは分からない情報を把握することができ、遊技店は営業に利用することが可能である。
また、本実施形態では、スタート回数に応じて装飾部材136の動作が速くなるため、確変終了が接近していることが遊技者に直感的に認識しやすいように伝達され、遊技の興趣を高める効果を有する。また、本実施形態では、確変の獲得が決定するVゾーン付きの特別変動入賞装置が開放するラウンドが複数あるので、いわゆるパンクとなることが減少し、遊技の興趣を高める。また、次ラウンドでVゾーン付きの特別変動入賞装置が開放することを遊技者に報知するので、遊技の興趣を高める。さらに、本実施形態では、大当り後の最初の変動表示ゲームがはずれの場合には、変動時間を遅延時間よりも長い変動時間に設定するので、大当り後の変動回数のカウント漏れを防ぐことができる。
〔第2の実施形態の効果〕
以上のように、第2の実施形態によれば、下大入賞口には確変獲得を決定するVゾーンを備え、上大入賞口と下大入賞口の開放パターンを複数設定することにより、各大入賞口に明確な差を設けるため、遊技の興趣が高まる。
また、遊技機1は、大当り終了後の初回の変動表示ゲームにおいて変動時間を短縮する手段を禁止するので、管理装置が変動表示ゲームの実行情報を正しく収集できる。
また、遊技機1は、特定遊技状態が終了して通常遊技状態に遷移するまでの残り変動回数を報知するため、遊技者は特定遊技状態の進行状況の把握が容易となる。
また、変動表示ゲームがリーチ態様である場合には、遊技機1は、大当り終了後の初回の変動表示ゲームにおいて変動時間を短縮する手段を禁止する手段を実行しない(変動時間を短縮する手段を禁止する手段を不能動化する)ので、遊技機1の処理負担が軽減される。
また、遊技機1が画面等に報知するスタート回数と管理装置が収集して別の表示装置に表示するスタート回数とが相違しないので、遊技者に無用な不信を与えることを防止できる。
また、遊技機1の変動時間を短縮する手段の禁止手段が能動化した場合には、特別遊技状態後の初回の変動表示ゲームの変動時間よりも、管理装置の補正手段によって特別遊技状態中情報がオフとなった以降に受信した稼働情報を特別遊技状態中の稼働情報とみなす期間の方が短いので、管理装置が正確に遊技データを収集することができる。
また、管理装置は、複数の同一機種に対して、所定期間を遅延時間として1回の作業で設定できるので、設定作業の効率化が図られ、設定漏れを防止することができる。
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。
(第2実施形態の変形例1)
第2実施形態の変形例1は、遊技機の仕様等に馴染みのない遊技者に遊技アシストとして仕様等を説明可能である一方、説明頻度が高いと遊技者に煩わしさを与えてしまうため、遊技機に慣れてきた遊技者には説明頻度を減少させる遊技機である。
まず、大当り確定演出となる演出進行を知らない遊技者に対する説明の表示について説明する。演出制御装置47は、図93に示すように、リーチパターンでの変動表示ゲームの実行にあたり、現在がデモ演出から所定時間が経過したか否かを判定し(ステップA711)、デモ演出からの経過時間が所定時間よりも小さいと判定されると(ステップA711;No)、図94に示すような大当り確定演出となる演出進行についての説明表示を行う(ステップA712)。一方、デモ演出からの経過時間が所定時間よりも大きいと判定されると(ステップA711;Yes)、演出制御装置47は、たびたび説明が表示されることは、遊技者に煩わしさを与えるため、説明表示を行わない(ステップA713)。
このように、本変形例では、遊技機1に遊技者が慣れているか否かを、デモ表示(客待ち表示)が解除されてからの経過時間で判定する。デモ表示が解除されてから所定時間(例えば、30分)が経過した後は、説明表示を行わないため、特に出現頻度の高い説明表示において、遊技者に煩わしさを与えることを抑制する効果を有する。
なお、全ての説明表示を一律に抑制するのではなく、説明表示毎に上記の所定時間を設定してもよい。また、出現頻度の低いリーチに対する説明表示は表示抑制をしない等、表示抑制手段の禁止手段を設けてもよい。さらに、デモ表示を行っている時間、つまり変動表示ゲームを実行していない時間に応じて、所定時間を増減してもよい。例えば、デモ表示を行っている時間が60分の場合は、上記所定時間を60分に、デモ表示を行っている時間が3分の場合は、上記所定時間を3分に設定してもよい。
また、遊技者が遊技機1に慣れているか否かの判定として、遊技者の会員カード情報から判定することも可能である。例えば、会員カード情報には、遊技者が遊技した遊技機の機種情報が記録されるため、当該記録から以前に同機種もしくは同シリーズの遊技機を遊技している遊技者か否かを判定する。これにより、以前に同機種、同シリーズの遊技機での遊技経験がある遊技者は、遊技機1に慣れていると判定して、説明表示を抑制することができる。
〔第2実施形態の変形例1の効果〕
以上のように、第2実施形態の変形例1では、所定のラウンドの前に確変遊技状態の発生の仕組みを報知することで、遊技者に次のラウンドの重要性を認識させ、遊技者が極力有利に遊技を進行できるようにすることで、遊技者の満足感を高める。
また、既に確変を獲得している場合には、同一の大当り遊技状態内における以降の説明報知を行わないことで、遊技者に無用な誤解を与えることを回避できる。一方、確変を未だ獲得できていない場合には、再度説明報知を行うことで、遊技者に次のラウンドの重要性を認識させることができる。
(第2実施形態の変形例2)
次に、第2実施形態の変形例2として、大当り中、確変遊技状態、時短遊技状態中は右打ち仕様であることを知らない遊技者に対する説明の表示について説明する。
図95は、本変形例の右打ち表示処理の手順を表すフローチャートである。演出制御装置47は、まず、現在が大当り中であるか否かを判定し(ステップA721)、大当り中ではないと判定されると(ステップA721;No)、右打ちを促す画面を表示しない(ステップA724)。現在が大当り中である判定されると(ステップA721;Yes)、演出制御装置47は、次に、大当りしてから所定期間が経過しているか否かを判定する(ステップA722)。大当りしてから所定時間が経過していないと判定されると(ステップA722;No)、図96に示すような右打ちを促す画面を表示する(ステップA725)。
一方、大当りしてから所定期間が経過していると判定されると(ステップA722;Yes)、演出制御装置47は、遊技球が普図始動ゲート26を通過してから所定期間が経過しているか否かを判定し(ステップA723)、普図ゲート26を通過してから所定期間が経過していると判定されると(ステップA723;Yes)、所定期間以上にわたって右打ちされていないものと評価され、右打ちを促す画面を表示する(ステップA725)。普図ゲート26を通過してから所定期間が経過していないと判定されると(ステップA723;No)、演出制御装置47は、右打ちを促す画面を表示しない(ステップA724)。
このように、本変形例では、大当りになった時に右打ちをするように遊技者に促すための説明画面が表示される。そのため、大当り中に左打ちをしている場合には、普図始動ゲート26を遊技球が通過しないので、遊技者に右打ちを促すことができる。
なお、説明表示は大当り中の全ての期間において表示するものではなく、特定の期間のみ普図始動ゲート26への通過を監視して、入賞がない場合に右打ちを促す説明表示をするようにしてもよい。上記の特定の期間とは、例えば、下大入賞口の開放するラウンドとその前のラウンドである10R、11R、15R、16R(該当ラウンドの前のインターバル時間も含む)において、普図始動ゲート26への入賞を監視する。
図97には、第2の実施形態の変形例3として、現在が10R、11R、15R、16Rであるか否かを判定する処理ステップA731を、右打ち画面を表示するステップA725の前に付加した。
これにより、右打ちを促す説明表示を遊技の進行上、特に重要な期間においてのみ表示する。そのため、遊技者にとって必要なタイミングで右打ちを促すことができるとともに、頻繁な説明表示による煩わしさを与えない効果を有する。
〔第2実施形態の変形例2及び変形例3の効果〕
以上のように、第2実施形態の変形例2及び変形例3では、遊技者が遊技機1の仕様を知らずに遊技者に不利な状態となっている場合には、遊技者に有利となる遊技の仕方の説明表示がされるため、遊技者は安心して遊技に臨めるとともに、遊技者の満足感を高めることができる。
また、遊技の進行上、特に重要な期間においてのみ説明表示を表示することが可能であるため、遊技者にとって必要なタイミングで右打ちを促すことができるとともに、頻繁な説明表示による煩わしさを与えない効果を有する。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、右打ちにおける流下可能な遊技領域5に複数の特別変動入賞装置等を配置し、特別遊技状態中は右打ちを主たる打ち方とする遊技台において、各特別変動入賞装置に有意な差を設ける遊技機について説明した。これに対して、第3の実施の形態では、複数の図柄(識別情報)が変動表示する変動表示ゲームにおいて、変動表示ゲームが実行されても一部の図柄が停止(ホールド)されて、残りの図柄のみが変動する遊技機について説明する。
第3の実施の形態は、先読み予告(先読み演出)として、例えば、第1停止桁991の図柄や第2停止桁992の図柄等、特定の桁に特定の図柄を停止表示し、次の変動では当該図柄を変動させない(ホールドする)変動表示ゲームを実行する遊技機に関する。特に、ホールドした図柄の桁の違いによって信頼度が異なり、斬新な先読み予告が実行可能である。
図98に示すように、図柄は0〜9までの10種類を有し、図柄は例えば、数字とキャラクタで構成されている。キャラクタには、主人公、味方、敵、中立の4種類がある。本実施形態では7には主人公のキャラクタを、1と3と5と9には味方のキャラクタを、2と6と0には敵のキャラクタを、4と8には中立のキャラクタを配している。なお、全ての図柄にキャラクタを配しても、一部の図柄のみにキャラクタを配してもよい。
図99A及び図99Bは、本実施形態を説明する画面遷移図である。画面aにおいて、保留3に先読み対象となる遊技球の入賞があり、保留記憶表示部994に新たな保留記憶が「○」として追加表示され、画面bへと遷移する。当該入賞による保留記憶(始動記憶)を対象に先読み予告の報知が決定される。画面cでは、第1停止桁991(左図柄)、第2停止桁992(右図柄)、第3停止桁993(中図柄)の図柄がほぼ同時に停止して現在実行中の変動表示ゲームが終了し、はずれが確定する。続けて、もっとも古い保留記憶に基づく、新たな変動表示ゲームが開始され、第1停止桁991(左図柄)、第2停止桁992(右図柄)、第3停止桁993(中図柄)の順に図柄が停止し、はずれが確定し、(画面e〜g)もっとも古い保留記憶が消化される。
続けて、保留記憶に基づいて、新たな変動表示ゲームが開始される。ここで、第2停止桁992(右図柄)には、主人公の図柄が前回の変動表示ゲームで表示されているが、当該新たな変動表示ゲームにおいて主人公の図柄は「ホールド」の表示とともに変動せずにホールドされる(画面h)。なお、当該ホールドや前回変動で第2停止桁992(右図柄)に主人公の図柄を停止したのは、先読み予告の一環であり、当該変動で大当たりにならない場合には次の変動においても主人公の図柄はホールドされる。また、画面中の主人公の図柄の上下に表示する「ホールド」の表示は、表示しなくてもよい。
続けて、第1停止桁991(左図柄)、第3停止桁993(中図柄)の順に図柄が停止、はずれが確定する(画面i〜j)。なお、画面iでは、第1停止桁991(左図柄)に「5」の味方の図柄が停止しているが、敵の図柄とが停止した場合には、後述するBattle演出(リーチ演出のひとつ)に移行する(図101)。また、第1停止桁991(左図柄)に主人公の図柄が停止した場合には、当り確定のリーチ演出に移行する(図100)。
続けて、先読み対象となる保留記憶に基づく、新たな変動表示ゲームが開始される。ここでも、前回の変動表示ゲームと同様に主人公の図柄はホールドされて実行される(画面k)。続けて、第1停止桁991(左図柄)、第3停止桁993(中図柄)の順に図柄が停止、はずれが確定する(画面l〜m)。なお、図99では、第2停止桁992(右図柄)がホールドする例を示したが、第1停止桁991(左図柄)がホールドされる場合もあり、第1停止桁991(左図柄)がホールドされる場合には、敵の図柄がホールドされる。つまり、停止桁によってホールドされる図柄の種類が決まっている。なお、その場合に停止順を右図柄、左図柄の順に変えても良い。
図100は、図99の画面iにおいて、第1停止桁991(左図柄)に第2停止桁992(右図柄)にホールドされた主人公の図柄と同じ図柄が停止した場合を示した図であり、当り確定パターンのリーチ演出となる。なお、図100は主人公の図柄がホールドされてリーチとなる場合を示したが、主人公以外の図柄がホールドされて、画面bでリーチとなった場合は、必ずしも当りの確定とならずに、高信頼度のリーチとしてもよい。
図101〜図103は、Battle演出を説明する図である。図101Aの画面bは、ホールドされた主人公の図柄と対峙するように、第1停止桁991(左図柄)に敵の図柄が停止した画面である。Battle演出は、第1停止桁991(左図柄)の敵キャラクタと第2停止桁992(右図柄)の主人公キャラクタがBattleを行い、当りの場合に主人公が勝利する演出を行う。
Battle演出では、例えば、戦闘、勝負、競技、任務などをテーマとして勝ち負けや成功失敗が結果として表示される。Battle演出が実行されるパターンとしては、敵(第1停止桁)×味方(第2停止桁)、敵(第1停止桁)×主人公(第2停止桁)の2パターンがあり、Battle演出には、画面のc−1及びc−2に示すように、敵攻撃パターンと味方(主人公)攻撃パターンがある。中立キャラクタが第1停止桁991(左図柄)又は第2停止桁992(右図柄)に停止した場合には、Battleパターンにはならない。なおこの場合には、残りの保留記憶の数によって、連続演出を続けるか否かを決定するようにしてもよい。
図102A及び図102Bは、図101の画面c−1の続きである。また、図103A及び図103Bは、図101の画面c−2の続きである。Battle演出では、画面f−1及びf−2に示すように、勝ち負けが表示された後に、画面g−1及びg−2に示す図柄の確定画面が表示される。なお、図102Bの画面g−2及び図103Bの画面g−2では、敵キャラクタの勝利の後に、図柄が「2、2、7」としてはずれで確定しているが、敵キャラクタの勝利であるので、「2、2、2」として大当りで確定してもよい。その場合には意外性があり、興趣が向上する。
また、本実施形態では、第1停止桁991(左図柄)に敵の図柄が停止し、第2停止桁992(右図柄)に主人公の図柄が停止してBattle演出を行うので、Battle演出の構図は図柄の位置と同じように左に敵を、右に主人公を配置することで、図柄を表示している画面から演出画面に表示画面を切り替えた場合に、どっちが敵か主人公なのか分かりやすくしている。また、Battle演出のキャラクタ自体を敵か主人公なのかを曖昧にしたり、あまり著名でないキャラクタなどのために遊技者がBattle演出のキャラクタ自体を敵であるか主人公であるかを識別できなくとも、敵または主人公の図柄の位置からBattle演出で表示されているキャラクタが敵であるか主人公であるかを推測することができる。
また、本実施形態では、第1停止桁991(左図柄)に敵の図柄が停止してBattle演出を行い、第2停止桁992(右図柄)に敵の図柄が停止してBattle演出を行うことはないので左に主人公を右に敵を配置した構図のBattle演出画面を有しなくて良いので、図柄の配置とBattle演出のキャラクタの配置を対応させつつ、Battle演出の構図の種類を少なくすることができ、ROMや開発作業のコストを削減することができる。また、遊技者にとって勝者となった場合に利益となるキャラクタが配置される側が固定されるので、分かり易い演出となり興趣が向上する。
図104は、Battleパターン設定処理の手順を示すフローチャートであり、図105は、Battleパターン設定処理で使用するデータテーブルである。図105に表す当り及びはずれは、演出の対象となる変動表示ゲームの結果が当りであるかはずれであるかを表す。
本処理は、サブ基板(演出制御装置47)において実行される。演出制御装置47は、まず、Battleパターンの取得のために乱数を取得する(ステップA801)。当該乱数は、遊技制御装置50から変動パターン乱数を受信してもよいし、Battleパターンを決定するための乱数を演出制御装置47が生成してもよい。次に、主人公側キャラクタ種類データテーブル(図105(a)参照)より第2停止桁992(右図柄)に停止させる図柄を主人公又は味方から選択する(ステップA802)。次に、ステップA802で選択した第2停止桁992(右図柄)の停止図柄を決定する主人公側キャラクタ決定処理を実行し、第2停止桁992(右図柄)に停止する図柄を決定する(ステップA803)。
次に、演出制御装置47は、ステップA801〜803と同様に乱数を取得して(ステップA804)、テーブルを参照し(ステップA805)、ホールドするキャラクタの設定処理を実行する(ステップ806)。続けて、演出制御装置47は、ステップA801〜803と同様に乱数を取得して(ステップA807)、テーブルを参照し(ステップA808)、攻撃をしかけるキャラクタの設定処理を実行する(ステップA809)。
図105(a)に示す、主人公側キャラクタ種類データテーブルでは、当り、はずれともに主人公が選択される割合を少なくしており、主人公はいわゆるレアキャラ設定としている。そのため、主人公は、はずれ時に選択される割合が1/10と低く設定される。したがって、主人公の図柄がホールドされた場合には、遊技者の大当たりの期待が増大し、興趣が高まる。また、図105(b)に示す、ホールドキャラクタデータテーブルでは、主人公を含む味方の図柄が第2停止桁992(右図柄)に停止する方が、敵の図柄が第1停止桁991(左図柄)に停止するよりも当りとなる信頼度(確率)が高くなるように設定される。したがって、敵の図柄がホールドされたときよりも味方の図柄がホールドされた場合には、遊技者の大当たりの期待が増大し、興趣が高まる。また、図105(c)に示す攻撃キャラクタデータテーブルでは、敵キャラクタが攻撃をしかける場合よりも味方キャラクタが攻撃をしかける場合の方が信頼度が高くなるように設定される。したがって、味方攻撃Battleになったときには、遊技者の大当たりの期待が増大し、興趣が高まる。
なお、図105(b)に示すホールドキャラクタデータテーブルはBattleパターンとなる場合のホールドキャラクタの選択テーブルであるので、Battleパターンへの発展に関わらない中立キャラクタは、当該テーブルには設定されない。しかし、Battleパターンへと発展しない形である場合等においては、中立キャラクタもホールドされてもよい。
このように、Battleパターンの構成要素として、第2停止桁992(右図柄)に停止するキャラクタ、ホールドするキャラクタ、攻撃をしかけるキャラクタが挙げられる。第2停止桁992(右図柄)に停止するキャラクタには、主人公キャラクタか味方キャラクタがある。また、ホールドするキャラクタには、第1停止桁991(左図柄)のキャラクタ(敵)又は第2停止桁992(右図柄)のキャラクタ(味方又は主人公)がある。さらに、攻撃をしかけるキャラクタには、敵キャラクタ又は味方キャラクタ、主人公キャラクタがある。これらの要素によってBattleパターンは構成され、それぞれ期待度が異なる。
本実施形態では、主要なキャラクタがホールドされる場合があり、さらには停止図柄の関係によってはBattle演出に発展して、当り、はずれが報知されることから、遊技者に斬新でゲーム性の高い演出を提供することができる。また、上記の3要素によって期待度が異なることから、遊技の興趣を高める効果を有する。
〔第3の実施形態の効果〕
以上のように、第3の実施形態によれば、識別情報が変動しないでホールドするという斬新なホールド演出が実行され、特別遊技状態が発生する場合と発生しない場合とでは、異なる割合でホールド位置が決定されるので、遊技の興趣が向上する。
また、先読み演出の一環として、先読み対象の変動表示ゲームの結果が確定するまで複数回のホールド演出が継続して実行されるため、遊技の興趣がさらに向上する。なお、ホールド演出は先読みとなる入賞が発生したときに実行中の変動表示ゲームから開始しても良い。
また、期待度の高い第2停止桁992においてホールド演出が実行されると、遊技者の期待感が高まるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態では、連続してホールドした変動を行い、先読み対象となる変動表示ゲームでBattle演出を行ったが、先読み対象となる変動表示ゲームの前の変動表示ゲームにおいてもBattle演出を行って、Battle演出を行う変動表示ゲームを連続して行ってもよい。多数のパターンによる演出を行うことで、興趣を高めることが可能となり、また連続してBattle演出を行う場合の信頼度を高めることで、連続してBattle演出を行う場合に遊技者の大当たりの期待が増大し、興趣が高まる。
なお、本実施例では1回の変動表示ゲームが終了して新たな変動表示ゲームが開始する際にホールドを開始したが、変動表示ゲーム中に図柄変動が停止したように見せかけ1回の変動表示ゲームで複数回の変動表示ゲームが行われように演出する、いわゆる擬似連続予告において、変動表示ゲーム中に図柄変動が停止したように見せかける演出をした図柄をホールドすることもできる。したがって、ホールドは図柄変動が停止した図柄や図柄変動が停止したように見せかけた演出を行った図柄である停止態様となった図柄について行うことができる。
(第3実施形態の変形例)
次に、第3実施形態の変形例について説明する。
第3実施形態の変形例は、図柄に対し、識別情報(例えば、数字)の他に属性(例えば、主人公、味方、中立、敵)を付加し、停止した2つの図柄の属性が所定の関係であれば、識別情報が異なっていてもリーチとなるため、自由度の高いBattle演出を実行可能とする。
第3実施形態の変形例では、Battleになるパターンとして、少なくとも、敵(第1停止桁)×味方(第2停止桁)、敵(第1停止桁)×主人公(第2停止桁)、味方(第1停止桁)×敵(第2停止桁)、主人公(第1停止桁)×敵(第2停止桁)の4パターンが含まれる。
図106は、第3実施形態の変形例のBattleパターン設定処理の手順を示すフローチャートであり、図107は、本変形例のBattleパターン設定処理で使用するデータテーブルである。
本変形例では、ステップA804〜806のホールドキャラクタ設定処理に代えて、主人公側キャラクタ位置設定処理を実行する(ステップA811〜813)。かかる処理により、味方属性のキャラクタを第1停止桁991又は第2停止桁992のどちらに停止させるかを決定し、味方属性のキャラクタの停止位置が第2停止桁992のみに制限されず、先読み予告の演出の自由度が高まる。
このように、本変形例では、図柄に属性情報を付加することで、遊技者にゲーム性の高い先読み演出を提供することができる。また、特定の属性(例えば、主人公又は味方)の図柄と別の特定の属性(例えば、敵)の図柄とが対峙する形で停止すると、Battle演出へと発展して、当り、はずれが報知されることから、遊技者に斬新な演出を提供することができる。また、上記の3要素によって期待度が異なることから、遊技の興趣を高める効果を有する。特に、第1の属性(敵の属性)よりも第2の属性(主人公又は味方の属性)が攻撃をかけるリーチがかかる場合(第2の属性によりBattle演出となる場合)の方が期待度が高いため、第2の属性によるリーチ演出がかかると遊技者の期待感を高めることができる。従来の、同種の図柄が揃ったことでリーチとなる演出とは異なり、異種の図柄でもリーチ演出に移行することできるので興趣が向上するとともに、属性情報を付加することで異種の図柄でもリーチとなる関係が分かりやすくなり、興趣が高まる。
なお、属性には、本変形例のような親和関係、対立関係、中立関係等の関係性を有する属性以外にも、例えば、火、水、風、地といったエレメント属性や、歴史ゲームに見られる主従、出身、経歴、技能、地位等の属人属性、恋愛ゲームに見られる性別、性格、年齢、相性等のパラメータ属性等、主にゲーム分野において既知の関係性情報が含まれる。
〔第3実施形態の効果〕
以上のように、第3実施形態の変形例では、識別情報が変動しないでホールドするという斬新なホールド演出が実行され、ホールド中の識別情報の属性と最初に停止する識別情報の属性が所定の関係である場合には、ホールド中の識別情報の属性または最初に停止した識別情報の属性にかかるリーチ演出を実行するので、遊技の興趣が向上する。
また、先読み演出の一環として、入賞時に実行中の変動表示ゲームから先読み対象の変動表示ゲームの結果が確定するまでホールド演出が継続されるため、遊技の興趣がさらに向上する。
また、期待度の高い第2の属性(主人公又は味方の属性)にかかるリーチ演出が実行されると、遊技者の期待感が高まるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、上記実施形態における変動表示ゲームの変動方向は、縦方向への変動に限定されず、横方向への変動など既知の変動方法が含まれる。また、変動する図柄(識別情報)は循環式でも非循環式でもよく、規則性の有無は問わない。さらに、図示を省略するが、変動中もしくは停止中又はホールド中において、図柄の入れ替えや置き換わりが発生してもよい。
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、遊技領域の一側に球通過ゲートと変動入賞装置と入賞口とを備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれるものである。