JP2014116779A - 逓倍回路及びこれを用いた無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の逓倍波の出力レベルを所望の範囲に制御して出力可能な逓倍回路を提供する。
【解決手段】トランジスタを含み、あらかじめ決められた周波数の入力信号を受けて、当該入力信号の所定逓倍数の逓倍波を出力する逓倍波出力部と、前記トランジスタのゲートソース間電圧を制御する制御部と、を備え、前記逓倍波出力部は、前記逓倍波の出力に係る高調波歪が、当該ゲートソース間電圧に基づき制御されることを特徴とする逓倍回路。
【選択図】図1

Description

本発明は、逓倍回路及びこれを用いた無線通信装置に関する。
無線通信の進歩により、搬送波信号は高周波化する傾向が顕著になっている。その一方で、このような搬送波の出力に係る半導体集積回路の設計は、高周波化に伴い難易度が高くなっている。例えば、80GHz帯のミリ波帯を使用する回路の設計では、設計パラメタが寄生素子に近い値となり、寄生素子の影響を無視できなくなるため、設計の難易度を上げている。
そこで、トランジスタのような非線形素子を利用して、入力信号の周波数の整数倍の周波数を持つ逓倍波(高調波)を出力することが可能な逓倍回路が注目されている。このような逓倍回路を用いることで、発振器で出力する信号(上記した入力信号)の周波数を低く抑えることができ、高周波の出力に係る回路設計の難易度を低く抑えることが可能となる。特許文献1には、逓倍回路を用いた周波数逓倍器の一例が開示されている。
特開2007−158803号公報
一方で、高周波を出力可能な無線通信装置において、受信環境や使用されるアプリケーションに応じて、搬送波の出力レベルや周波数を切り替え可能としたものが求められている。
そこで、このような無線通信装置を、比較的低い設計難易度で実現するために、所望の逓倍数の逓倍波(以降では、単に「所望の逓倍波」と呼ぶ)の出力レベルを、所望の範囲に制御することが可能な逓倍回路が求められている。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とすることろは、所望の逓倍波の出力レベルを所望の範囲に制御して出力可能な逓倍回路を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、トランジスタを含み、あらかじめ決められた周波数の入力信号を受けて、当該入力信号の所定逓倍数の逓倍波を出力する逓倍波出力部と、前記トランジスタのゲートソース間電圧を制御する制御部と、を備え、前記逓倍波出力部は、前記逓倍波の出力に係る高調波歪が、当該ゲートソース間電圧に基づき制御されることを特徴とする逓倍回路が提供される。
このような構成により、トランジスタのゲートソース間電圧を制御することで、トランジスタの高調波歪が変化させることが可能となる。
前記制御部は、前記ゲートソース間電圧をあらかじめ決められた範囲内で制御可能に構成され、前記逓倍波出力部は、前記ゲートソース間電圧の制御を受けて、前記高調波歪を、当該前記ゲートソース間電圧に対応する値に設定してもよい。
前記高調波歪の制御により、前記逓倍波の振幅値が所望の範囲に制御されてもよい。
前記逓倍波出力部の後段に設けられ、少なくとも前記逓倍波に対応する周波数成分を通過させるフィルタを備えてもよい。
前記フィルタは、前記入力信号に対応する周波数成分を遮断するように構成してもよい。
前記トランジスタに並列に接続された補助トランジスタを備え、前記補助トランジスタに印加するゲートソース間電圧を制御することで、前記高調波歪を制御してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、あらかじめ決められた周波数の入力信号を出力する発振器と、トランジスタを含み、前記入力信号を受けて、当該入力信号の所定逓倍数の逓倍波を出力する逓倍波出力部と、前記トランジスタのゲートソース間電圧を制御する制御部と、前記逓倍波を搬送波として、所望のベースバンド信号を変調する変調部と、を備え、前記逓倍波出力部は、前記逓倍波の出力に係る高調波歪が、当該ゲートソース間電圧に対応する値に制御されることを特徴とする無線通信装置が提供される。
前記発振器は、前記入力信号の周波数を制御可能に構成されていてもよい。
所望の周波数成分を遮断可能に構成され、前記発振器により周波数が制御された前記入力信号に対応する周波数成分を遮断するフィルタを備えてもよい。
以上説明したように本発明によれば、所望の逓倍波の出力レベルを所望の範囲に制御して出力可能な逓倍回路及び無線通信装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る無線通信装置の概略的な構成を示したブロック図である。 トランジスタの高調波歪係数とゲートソース間電圧との関係の一例を示したグラフである。 本発明の実施形態に係る逓倍回路の概略的な構成を示したブロック図である。 図3Aに示した逓倍回路の回路図の一例である。 実施例1に係る無線通信装置の概略的な構成を示したブロック図である。 実施例1に係る無線通信装置における、高調波歪制御電圧と変調後の出力信号の振幅値との関係を示したグラフである。 変形例に係る逓倍回路の回路図の一例である。 実施例2に係る逓倍回路の、各トランジスタの詳細なパラメタについて示した表である。 実施例2に係る無線通信装置における、高調波歪制御電圧と出力信号の振幅値との関係を示したグラフである。 実施例3に係る無線通信装置の概略的な構成を示したブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[無線通信装置]
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る無線通信装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る無線通信装置の概略的な構成を示したブロック図である。図1に示すように、この無線通信装置は、周波数逓倍器10と、変調部20と、送信部30とを含んで構成されている。
周波数逓倍器10は、逓倍回路11と、高調波歪制御部12とを含んで構成されている。また、逓倍回路11は、逓倍波出力部111と、フィルタ112とを含んで構成されている。
逓倍波出力部111は、あらかじめ決められた周波数の周波数成分を含む入力信号を受ける。この入力信号の生成には、例えば、発振器等を用いる。また、この発振器として、VCO(Voltage Controlled Oscillator)のように発振周波数を変更可能とした発振器を用いてもよい。なお、この入力信号に含まれる前述の周波数成分を、以降では「基準波fOSC」と呼ぶ。
詳細は後述するが、逓倍波出力部111は、トランジスタを含んで構成されている。逓倍波出力部111には、高調波歪制御部12から高調波歪制御電圧Vgが印加され、この高調波歪制御電圧Vgが逓倍波出力部111のトランジスタに対してゲートソース間電圧として印加される。この高調波歪制御電圧Vgの電圧値に応じて、逓倍波出力部111に含まれるトランジスタの高調波歪が変化する。なお、この動作原理の詳細については後述する。この高調波歪の変化により、入力信号中の高調波成分(即ち、逓倍波)の出力レベルが変化する。即ち、高調波歪制御部12から印加される高調波歪制御電圧Vgの電圧値を制御することで、入力信号中の所望の逓倍数の逓倍波の出力レベルを所望の値に調整することが可能となる。なお、以降では、逓倍波出力部111により、所定逓倍数n(n≧2)の逓倍波n*fOSCの出力レベルが所望の値に調整されたものとして説明する。
逓倍波出力部111は、所定逓倍数nの逓倍波n*fOSCの出力レベルが調整された入力信号をフィルタ112に出力する。
高調波歪制御部12は、逓倍波出力部111に高調波歪制御電圧Vgを印加することで、逓倍波出力部111における高調波歪を、この高調波歪制御電圧Vgに対応する値に制御する。
高調波歪制御部12は、逓倍波出力部111に印加する高調波歪制御電圧Vgを変更可能に構成されていてもよい。例えば、図1に示す例では、高調波歪制御部12は、複数のスイッチSW〜SWを含んで構成されている。また、スイッチSW〜SWのそれぞれによりON/OFFが切り替わる配線には、それぞれ異なる電圧Vg1〜Vg_mが印加されるように構成されている。このような構成により、スイッチSW〜SWを切り替えることで、電圧Vg1〜Vg_mのうち、ON状態となったスイッチに対応する電圧が、高調波歪制御電圧Vgとして逓倍波出力部111に印加される。なお、図1に示す高調波歪制御部12の構成は一例であり、逓倍波出力部111に印加する高調波歪制御電圧Vgを所望の値に制御可能であれば、高調波歪制御部12の構成は限定されない。なお、この高調波歪制御部12が、「制御部」の一例を示している。また、逓倍回路11に高調波歪制御部12を含めた周波数逓倍器10を、単に「逓倍回路」と呼ぶ場合がある。
フィルタ112は、逓倍波出力部111から、所定逓倍数nの逓倍波n*fOSCの出力レベルが調整された入力信号を受ける。フィルタ112は、この入力信号に含まれる周波数成分のうち、少なくとも搬送波として使用する周波数成分、例えば、所定逓倍数nの逓倍波n*fOSCを通過させるように構成されている。また、フィルタ112は、搬送波として使用する周波数成分以外を除去するように構成してもよい。例えば、フィルタ112は、搬送波として使用する逓倍波n*fOSCを通過させ、逓倍波n*fOSCの生成元である基準波fOSCについては、搬送波として使用しないため除去するように動作させるとよい。なお以降では、フィルタ112は、逓倍波n*fOSCを通過させたものとして説明する。フィルタ112は、フィルタリングされた入力信号、即ち、逓倍波n*fOSCを変調部20に出力する。なお、以降では、このフィルタ112から出力される、フィルタリングされた入力信号を「出力信号」と呼ぶ。
変調部20は、フィルタ112から出力信号、即ち、所定周波数の逓倍波n*fOSCを受ける。この逓倍波n*fOSCは、基準波fOSCの所定逓倍数nの逓倍波であり、逓倍波出力部111において出力レベルが調整されている。また、変調部20は、送信対象であるデータを基に生成されたベースバンド信号fBBを受ける。変調部20は、この逓倍波n*fOSCを搬送波として、ベースバンド信号fBBを変調する。変調部20は、変調後の信号fTXを送信部30に出力する。これを受けて、送信部30は、所定の送信先に信号fTXを送信する。
[逓倍回路11]
次に、逓倍回路11について、動作原理と、その詳細な構成について説明する。
(動作原理)
まず、図2を参照しながら、高調波歪制御電圧Vgにより、逓倍回路11に含まれるトランジスタの高調波歪が制御される原理について説明する。図2は、トランジスタの高調波歪係数とゲートソース間電圧との関係の一例を示したグラフである。図2の例では、チャネル長L=60[nm]、チャネル幅W=40[um]のMOSトランジスタを用いている。図2には、グラフg10、g11、g12、g13が示されている。図2の横軸は、トランジスタに印加されるゲートソース間電圧Vgs[V]を示しており、これは、グラフg10〜g13間で共通している。なお、本実施形態に係る逓倍回路11では、印加された高調波歪制御電圧Vgが、図2中のゲートソース間電圧Vgs[V]に対応することになる。
グラフg10は、ゲートソース間電圧Vgs[V]に対するドレインソース間電流Ids[A]の変化を示している。
また、グラフg11は、ゲートソース間電圧Vgs[V]に対する一次高調波(即ち、基準波)の高調波歪係数gm−1st[A/V]の変化を示している。なお、「高調波歪係数」とは、高調波歪の増幅率を示すものとする。また、グラフg12は、ゲートソース間電圧Vgs[V]に対する2次高調波の高調波歪係数gm−2nd[A/V]の変化を示している。また、グラフg13は、ゲートソース間電圧Vgs[V]に対する3次高調波の高調波歪係数gm−3rd[A/V]の変化を示している。
図2に示すように、グラフg12は、ゲートソース間電圧Vgs=0.55[V]近傍で極値を取り、このとき、2次高調波の高調波歪係数gm−2ndは最大となっている。つまり、グラフg12は、ゲートソース間電圧Vgs[V]を0.0[V]〜1.0[V]の範囲で変化させることで、2次高調波(即ち、逓倍数2の2逓倍波)の振幅値を変化させることが可能であることを示している。また、Vgs=0.55[V]に設定することで、最大の振幅値の2次高調波を得ることが可能となる。
また、グラフg13は、ゲートソース間電圧Vgs=0.65[V]近傍、及び、Vgs=0.35[V]近傍で極値を取る。即ち、3次高調波の高調波歪係数gm−3rdは、ゲートソース間電圧Vgs=0.65[V]近傍においてマイナス側で最大となり、ゲートソース間電圧Vgs=0.35[V]近傍において、プラス側で最大となる。つまり、グラフg13は、ゲートソース間電圧Vgs[V]を0.0[V]〜1.0[V]の範囲で変化させることで、3次高調波(即ち、逓倍数3の3逓倍波)の振幅値を変化させることが可能であることを示している。
なお、位相の違いを考慮する必要が無く、単に振幅値のみに着目する場合には、高調波歪係数の絶対値が等しければ、プラス側とマイナス側で同様の振幅値の高調波を得ることができる。具体的には、グラフg13に示した例では、Vgs=0.65[V]近傍と、Vgs=0.35[V]近傍とで、高調波歪係数の絶対値がほぼ等しい。即ち、図2のグラフg13に示す例では、Vgs=0.65[V]近傍と、Vgs=0.35[V]近傍との場合の双方において、同様の振幅値の3次高調波を得ることができる。そのため、他の高調波の影響を考慮する必要が無ければ、ゲートソース間電圧Vgs=0.35[V]に設定することにより、Vgs=0.65[V]の場合と同様の振幅値の3次高調波を得られ、かつ、消費電力を低く抑えることが可能となる。なお、上記の例では、2次高調波及び3次高調波について説明したが、あくまで一例であり、例えば、5次高調波等のように、所望の高調波を対象として処理してもよい。その場合には、当該高調波の特性を事前に調べ、その特性にあわせて、ゲートソース間電圧Vgsを制御すればよい。
このように、トランジスタの各高調波歪係数は、ゲートソース間電圧Vgsに応じて変化する。そのため、本実施形態に係る逓倍回路11では、トランジスタのこのような特性を利用して、ゲートソース間電圧Vgsを制御することで、トランジスタの高調波歪を変化させて、このトランジスタから出力される所望の高調波の出力レベルを所望の値に制御する。以降では、この本実施形態に係る逓倍回路11の構成について説明する。
(構成)
次に、図3A及び図3Bを参照しながら、逓倍回路11の詳細な構成について説明する。図3Aは、本実施形態に係る逓倍回路11の概略的な構成を示したブロック図であり、図3A中の逓倍回路11は、図1における逓倍回路11に対応している。また、図3Bは、図3Aに示した逓倍回路11の回路図の一例である。
図3Bに示すように、逓倍回路11は、トランジスタM1を含んで構成されている。トランジスタM1には、例えば、MOSトランジスタが用いられる。なお、以降ではトランジスタM1としてMOSトランジスタを用いる場合を例に説明するが、トランジスタM1は、MOSトランジスタに限らず、他の種類のトランジスタに置き換えることも可能である。入力端子RFINから入力された入力信号は、キャパシタCinを介してトランジスタM1のゲートに入力される。なお、キャパシタCinは、入力端子RFINとトランジスタM1のゲートとの間で、直流成分を遮断する役割を果たしている。即ち、入力端子RFINから入力された入力信号のうち、直流成分が遮断され、交流成分のみがトランジスタM1のゲートに入力される。
また、トランジスタM1のゲート側には、インダクタLを介して、高調波歪制御部12から高調波歪制御電圧Vgが印加される。また、トランジスタM1のソース側は、グランドに接続されている。即ち、トランジスタM1に、ゲートソース間電圧として、この高調波歪制御電圧Vgが印加される。なお、インダクタLは、トランジスタM1のゲートと高調波歪制御部12との間で、高周波成分を遮断する役割を果たしている。
図2に基づき前述したように、トランジスタM1のゲートソース間に高調波歪制御電圧Vgが印加されると、この高調波歪制御電圧Vgの電圧値に応じて、トランジスタM1の高調波歪係数が変化する。これにより、トランジスタM1に入力された入力信号に含まれる各高調波成分の振幅値が、この高調波歪係数に応じて調整されて、トランジスタM1のドレイン側に出力される。即ち、このトランジスタM1(及び、トランジスタM1の入出力に係る回路)が、図3Aにおける逓倍波出力部111に対応する具体的な構成の一例を示している。
また、トランジスタM1のドレイン側には、回路群U112と、出力端子RFOUTが接続されている。
回路群U112は、図3Aに示したフィルタ112に対応する具体的な構成を示している。回路群U112は、直列接続されたキャパシタCLS及びインダクタLLS(以降では、「LC直列回路CLSLS」と呼ぶ)と、並列接続されたキャパシタCLP及びインダクタLLP(以降では、「LC並列回路CLPLP」と呼ぶ)とが並列に接続されて構成されている。
LC直列回路CLSLSは、自己共振周波数に相当する周波数成分を除去する役割を果たす。そのため、例えば、LC直列回路CLSLSの自己共振周波数を、基準波fOSCの周波数に設定することで、入力信号から基準波fOSCに対応する周波数成分を除去するように動作させることが可能となる。なお、以降の説明では、LC直列回路CLSLSは基準波fOSCに対応する周波数成分を除去するように動作するものとして説明する。
また、LC並列回路CLPLPは、自己共振周波数に相当する周波数成分を通過させる役割を果たす。そのため、例えば、LC並列回路CLPLPの自己共振周波数を、搬送波として使用する逓倍波n*fOSCの周波数近傍に設定することで、入力信号中の逓倍波n*fOSCに対応する周波数成分を選択的に通過させることが可能となる。なお、以降の説明では、LC並列回路CLPLPは逓倍波n*fOSCに対応する周波数成分を通過させるように動作するものとして説明する。
このように、トランジスタM1で、所定の逓倍数nの逓倍波n*fOSCの出力レベルが調整された入力信号が、回路群U112によりフィルタリングされる。このとき、上記に示したように、基準波fOSCに対応する周波数成分が除去され、逓倍波n*fOSCに対応する周波数成分が通過する。このようにしてフィルタリングされた入力信号が出力端子RFOUTから出力される。即ち、所定の出力レベルに調整された逓倍波n*fOSCが出力端子RFOUTから出力されることになる。出力端子RFOUTから出力された逓倍波n*fOSCは、搬送波として変調部20に入力される。
このように、本実施形態に係る周波数逓倍器10は、逓倍回路11のトランジスタM1のゲートソース間に印加される高調波歪制御電圧Vgを制御することで、所望の逓倍数nの逓倍波n*fOSCの出力レベルを所望の値に調整することが可能となる。また、発振器の発振周波数(即ち、基準波fOSCの周波数)を低くおさえることが可能なため、80GHzのような高周波の出力レベルを所望の範囲に制御して出力可能な無線通信装置を、比較的低い設計難易度で実現することが可能となる。
[実施例1]
次に、前述した実施形態のより具体的な構成として、実施例1として、周波数逓倍器10から出力される逓倍波n*fOSCの出力レベルを、高調波歪制御電圧Vgの制御により、あらかじめ決められた範囲で制御する例について説明する。
まず、図4Aを参照しながら、実施例1に係る無線通信装置の構成について説明する。なお、ここでは、図1に示した前述の実施形態とは動作の異なる周波数逓倍器10aの構成に着目して説明することとし、前述の実施形態と同様に動作する変調部20及び送信部30については、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例に係る逓倍回路11aは、図3Bに示す逓倍回路11と同様の構成を示している。即ち、本実施例では、図3Bにおける、トランジスタM1(及び、トランジスタM1の入出力に係る回路)が、本実施例における逓倍波出力部111aに対応する。また、図3Bにおける、回路群U112が、本実施例におけるフィルタ112aに対応する。また、実施例1では、本実施例では、に係る逓倍波出力部111aのトランジスタM1にはとして、チャネル長L=60[nm]、チャネル幅W=40[um]のものを用いる。
また、本実施例に係る周波数逓倍器10aは、基準波fOSCの周波数を40GHzとした入力信号を受けて、逓倍数n=2の2逓倍波2*fOSC(80GHz)を出力するものとする。そのため、フィルタ112aは、基準波fOSCに対応する40GHz近傍の周波数成分を除去し、2逓倍波2*fOSCに対応する80GHz近傍の周波数成分を通過させるように調整されている。
このような構成において、本実施例に係る高調波歪制御部12aは、高調波歪制御電圧Vgを0.4[V]〜0.8[V]まで0.1V刻みで変化させることが可能に構成されている。具体的な一例として、図4Aに示すように、高調波歪制御部12aは、スイッチSW〜SWを含んで構成されている。各スイッチまた、スイッチSW〜SWのそれぞれによりON/OFFが切り替わる配線には、それぞれ異なる電圧Vg1〜Vg5が印可印加されるように構成されている。なお、本実施例では、Vg1=0.4[V]、Vg2=0.5[V]、Vg3=0.6[V]、Vg4=0.7[V]、Vg5=0.8[V]とする。これにより、スイッチSWがON状態のとき、高調波歪制御部12aから逓倍波出力部111aのトランジスタM1に、高調波歪制御電圧VgとしてVg1=0.2[V]が印加される。また、ON状態となるスイッチをSW、SW、SW、SWと切り替えることにより、高調波歪制御電圧Vgの電圧値を、Vg2=0.5[V]、Vg3=0.6[V]、Vg4=0.7[V]、Vg5=0.8[V]と順次切り替えることが可能となる。
ここで、図4Bを参照する。図4Bは、図4Aに示す無線通信装置において、高調波歪制御電圧Vgを0.1V刻みで変化させた場合における、高調波歪制御電圧Vgと変調後の出力信号fTXの振幅値との関係を示したグラフである。図4Bの縦軸は、変調後の信号fTXの振幅値[mVpp]、即ち、周波数逓倍器10aからの出力信号(2逓倍波2*fOSC)が、変調部20により変調された後の信号の振幅値を示している。また、横軸は、高調波歪制御電圧Vgの電圧値[V]を示している。なお、図4Aでは、高調波歪制御電圧Vgを0.4[V]〜0.8[V]まで変化させる場合の構成について示しているが、図4Bに示すグラフg21は、高調波歪制御電圧Vgを0.2[V]〜0.8[V]まで変化させた場合について示している。
高調波歪制御電圧Vgは、逓倍波出力部111aにおけるトランジスタM1のゲートソース間に印加される。そのため、この高調波歪制御電圧Vgを変化させると、これに連動してトランジスタM1の高調波歪が変化し、結果として入力信号に含まれる各逓倍波の出力レベルが、この高調波歪に応じて変化する。例えば、図4Aに示す例では、高調波歪制御電圧Vgを0.2[V]〜0.8[V]まで変化させた場合に、変調後の信号fTXの振幅値が、390〜780[mVpp]の間で変化している。これは、高調波歪制御電圧Vgの制御により、逓倍波出力部111aにおけるトランジスタM1のゲートソース間に印加される電圧が変化し、これにより、トランジスタM1の高調波歪が変化したことによる。
図4Aをに示すように、特に、高調波歪制御電圧Vg=0.4[V]近傍で、変調後の信号fTXの振幅値は最大となり、それ以降は、振幅値が低下している。このとき、Vg=0.4[V]のときの振幅値と、Vg=0.8[V]の振幅値との間の差ΔGvは、ΔGv>6[dB]となる。
以上のように、図4Aに示す構成において、高調波歪制御部12aを、高調波歪制御電圧Vgを0.4[V]〜0.8[V]の範囲で制御可能に構成することで、6dB以上の利得可変範囲を実現することが可能となる。
[変形例]
次に、上述した実施形態の変形例に係る無線通信装置について説明する。変形例に係る無線通信装置は、図1に示した無線通信装置と、逓倍回路11の構成が異なる。以降では、変形例に係る無線通信装置について、図5を参照しながら、上述した実施形態と構成の異なる逓倍回路11bの構成に着目して説明する。図5は、変形例に係る逓倍回路11bの回路図の一例である。
図5に示すように、この変形例に係る逓倍回路11bは、図3Bに示された逓倍回路11と比べて、トランジスタM1に加えて、補助トランジスタM2を備えている点で異なる。そのため、この補助トランジスタM2に係る構成に着目して説明し、図3Bに示した逓倍回路11と同様の構成については詳細な説明は省略する。
補助トランジスタM2は、トランジスタM1に対して並列に接続されている。具体的には、トランジスタM1のドレイン側と、補助トランジスタM2のドレイン側とが接続されている。また、トランジスタM1と同様に、入力端子RFINから入力された入力信号が、キャパシタCinを介して補助トランジスタM2のゲートに入力される。また、補助トランジスタM2のソース側は、グランドに接続されている。
この変形例に係る逓倍回路11bでは、トランジスタM1及び補助トランジスタM2のそれぞれのゲート側には、インダクタLを介して、個々に独立して制御可能に構成された電圧VgM1及びVgM2が印加される。なお、電圧VgM1としては、図3Bに示した逓倍回路11と同様に、高調波歪制御部12からの高調波歪制御電圧Vgが印加される。
なお、前述の通り、電圧VgM1及びVgM2は、独立して制御可能に構成されている。そのため、トランジスタM1及び補助トランジスタM2に同じ特性のトランジスタを用い、同じ高調波歪制御電圧Vgを印加した場合には、所望の逓倍数nの逓倍波n*fOSCを、これらのトランジスタ(M1及びM2)間で強めあうように構成することが可能となる。また、トランジスタM1及び補助トランジスタM2に異なる特性のトランジスタを適用したり、補助トランジスタM2には、高調波歪制御電圧Vgとは異なる電圧を印加するように構成してもよい。このように、トランジスタM1及び補助トランジスタM2をそれぞれ独立して制御することで、例えば、所望の逓倍波を強めつつ、他の逓倍波を打ち消しあうといった動作が可能となる。
なお、その他の構成については、図3Bに示された逓倍回路11と同様である。
[実施例2]
次に、実施例2として、実施例1で示した周波数逓倍器10aにおいて、逓倍回路11aに替えて、変形例に示された逓倍回路11bを適用した場合について説明する。なお、本実施例における周波数逓倍器10aを、特に、周波数逓倍器10bと呼び、本実施例におけるフィルタ112aを、特に、フィルタ112bと呼ぶ。
まず図6Aを参照しながら、本実施例における、トランジスタM1及び補助トランジスタM2の詳細な構成について説明する。図6Aは、本実施例に係る逓倍回路11bにおける、トランジスタM1及び補助トランジスタM2の詳細なパラメタについて示した表である。なお、実施例2に係る無線通信装置では、逓倍回路11bに用いられるトランジスタM1及び補助トランジスタM2として、マルチフィンガー型のトランジスタを用いる。
図6Aに示すように、トランジスタM1は、フィンガー数k=20のトランジスタであり、フィンガー1つあたりのチャネル幅Wu=2[um]、チャネル長L=60[nm]である。即ち、トランジスタM1の総チャネル幅Wtotalは、Wtotal=Wu*k=40[nm]となる。また、トランジスタM1には、ゲートソース間電圧Vgs、即ち、電圧VgM1を0.2[V]〜0.8[V]の範囲で印加する。なお、電圧VgM1のデフォルト値は0.45[V]とし、このときのドレイン電流Idは、2.105[mA]であった。
また、補助トランジスタM2は、フィンガー数k=5のトランジスタであり、フィンガー1つあたりのチャネル幅Wu=2[um]、チャネル長L=60[nm]である。即ち、補助トランジスタM2の総チャネル幅Wtotalは、Wtotal=Wu*k=10[nm]となる。また、補助トランジスタM2には、ゲートソース間電圧Vgs、即ち、電圧VgM2として、0[V]、即ち、電圧を印加しないか、または0.5[V]の電圧を印加する。なお、電圧VgM2が0.5[V]のときのドレイン電流Idは、0.784[mA]であった。
また、本実施例に係る周波数逓倍器10bは、実施例1の場合と同様に、基準波fOSCの周波数を40GHzとした入力信号を受けて、逓倍数n=2の2逓倍波2*fOSC(80GHz)を出力するものとする。そのため、フィルタ112bは、基準波fOSCに対応する40GHz近傍の周波数成分を除去し、2逓倍波2*fOSCに対応する80GHz近傍の周波数成分を通過させるように調整されている。
ここで、図6Bを参照する。図6Bは、実施例2に係る無線通信装置における、高調波歪制御電圧と出力信号の振幅値との関係を示したグラフである。図6Bの横軸は、トランジスタM1に印加される電圧VgM1、即ち、高調波歪制御電圧Vgを示しており、本実施例では、この高調波歪制御電圧Vgを、0.2[V]〜0.8[V]の範囲で0.1[V]刻みで変化させている。また、図6Bの縦軸は、変調後の信号fTXの振幅値[mVpp]、即ち、周波数逓倍器10aからの出力信号(2逓倍波2*fOSC)が、変調部20により変調された後の信号の振幅値を示している。
図6Bにおいて、グラフg31は、補助トランジスタM2のゲートソース間に印加される電圧VgM2=0[V]の場合、即ち、補助トランジスタM2にゲートソース間電圧を印加しない場合を示している。また、グラフg32は、補助トランジスタM2のゲートソース間に印加される電圧VgM2=0.5[V]の場合を示している。
図6Bのグラフg31及びg32を比較するとわかるように、補助トランジスタM2にゲートソース間電圧として印加される電圧VgM2を0[V]から0.5[V]に変化させることで、変調後の信号fTXの振幅値が全体的に増加している。これは、補助トランジスタM2を動作させることで、補助トランジスタM2における2次高調波の高調波歪係数gm−2ndが増加し、2逓倍波2*fOSCの振幅値が増加したためである。
なお、このときの電流増加量は、補助トランジスタM2を駆動させたことによる増加分、即ち、補助トランジスタM2のドレイン電流Id=0.784[mA]となる。このように、補助トランジスタM2は、歪生成のために補助的に使用されるため、トランジスタイサイズが小さく、消費電流の増加も小さくおさえることができる。
このように、トランジスタM1に並列に接続された補助トランジスタM2を設けることで、トランジスタM1単体の場合に比べて、利得可変範囲をより細かく制御し、かつ、その制御幅を広げることも可能となる。具体的な一例として、本実施例のように、補助トランジスタM2のゲートソース間に印加される電圧VgM2を離散的に切り替えることで、図6Bのグラフg31及びg32に示すように、離散的な利得可変制御が可能となる。また、電圧VgM2をアナログ制御できるようにしてもよい。このような構成とすることで、例えば、トランジスタM1単体の場合に比べてより広い利得可変範囲を実現し、かつ、この範囲において、連続的に利得を変化させることが可能となる。また、補助トランジスタM2は、消費電力を小さくおさえることが可能であるため、僅かな電流増加量で、前述した利得制御を実現することが可能である。
[実施例3]
次に、実施例3として、複数種類の逓倍波(例えば、2逓倍波及び3逓倍波)のうち、所望の逓倍数の逓倍波を選択的に出力可能な無線通信装置について、図7を参照しながら説明する。図7は、実施例3に係る無線通信装置の概略的な構成を示したブロック図である。なお、ここでは、図1に示した前述の実施形態とは動作の異なる周波数逓倍器10cの構成に着目して説明することとし、前述の実施形態と同様に動作する変調部20及び送信部30については、詳細な説明は省略する。
本実施例に係る周波数逓倍器10cは、所望の逓倍波を出力することで、目的の周波数の搬送波を変調部20に出力する。なお、基準波fOSCの周波数は変更可能に構成してもよい。例えば、80[GHz]の搬送波を出力する方法として、2逓倍波2*fOSCを用いてもよいし、3逓倍波3*fOSCを用いてもよい。2逓倍波2*fOSCを用いる場合には、基準波fOSCの周波数を40GHzとすればよい。また、3逓倍波3*fOSCを用いる場合には、基準波fOSCの周波数を26.667GHzとすればよい。なお、以降では、説明を簡単にするために、入力信号における基準波fOSCの周波数を30[GHz]とし、2逓倍波2*fOSCを用いて60[GHz]の搬送波を出力する場合と、3逓倍波3*fOSCを用いて90[GHz]の搬送波を出力する場合とを例に説明する。
なお、本実施例に係る逓倍回路11cは、図3Bに示す逓倍回路11と同様の構成を示している。即ち、本実施例では、図3Bにおける、トランジスタM1(及び、トランジスタM1の入出力に係る回路)が、本実施例における逓倍波出力部111cに対応する。また、図3Bにおける、回路群U112が、本実施例におけるフィルタ112cに対応する。また、本実施例に係る逓倍回路11cに含まれるトランジスタM1は、ゲートソース間電圧Vgs(即ち、高調波歪制御電圧Vg)が0.55[V]のときに、2次高調波の高調波歪係数gm−2ndが極値(最大値)を示すものとする。また、このトランジスタM1は、ゲートソース間電圧Vgsが0.3[V]及び0.65[V]のときに、3次高調波の高調波歪係数gm−3rdが極値(最大値及び最小値)を示すものとする。
本実施例に係る高調波歪制御部12cは、トランジスタM1の特性にあわせて、高調波歪制御電圧Vgを0.3[V]、0.55[V]、0.65[V]の間で切り替え可能に構成されている。具体的な一例として、図7に示すように、高調波歪制御部12cは、スイッチSW、SW、SWを含んで構成されている。スイッチSW、SW、SWのそれぞれによりON/OFFが切り替わる配線には、それぞれ異なる電圧Vg0、Vg1、Vg2が印加されるように構成されている。なお、本実施例では、Vg0=0.3[V]、Vg1=0.55[V]、Vg2=0.65[V]とする。このような構成により、スイッチSW〜SWを切り替えることで、電圧Vg0〜Vg2のうち、ON状態となったスイッチに対応する電圧が、高調波歪制御電圧Vgとして逓倍波出力部111cに印加される。
具体的には、スイッチSWがON状態のとき、高調波歪制御部12aから逓倍波出力部111cのトランジスタM1に、高調波歪制御電圧VgとしてVg1=0.55[V]が印加される。この場合には、トランジスタM1において、特に、2逓倍波2*fOSCの振幅値が強調される。
また、スイッチSWがON状態のとき、高調波歪制御部12aから逓倍波出力部111cのトランジスタM1に、高調波歪制御電圧VgとしてVg0=0.3[V]が印加される。この場合には、トランジスタM1において、特に、3逓倍波3*fOSCの振幅値が強調される。これは、スイッチSWがON状態のときについても同様である。この場合には、トランジスタM1に、高調波歪制御電圧VgとしてVg0=0.65[V]が印加される。この場合には、トランジスタM1において、特に、3逓倍波3*fOSCの振幅値が強調される。
本実施例に係るフィルタ112cは、高調波歪制御部12cによる高調波歪制御電圧Vgの切り替えに同期して、通過させる周波数成分、及び、除去対象の周波数成分のうちの少なくともいずれかを切り替え可能に構成されている。例えば、高調波歪制御部12cのスイッチSWがON状態のときには、逓倍波出力部111cから、60[GHz]の2逓倍波2*fOSCが強調されて出力される。そのため、フィルタ112cは、スイッチSWがON状態のときには、2逓倍波2*fOSCに対応する60[GHz]の周波数成分を通過させ、その他の周波数成分(例えば、基準波fOSCや3逓倍波3*fOSC)を除去するようにフィルタの特性を調整するとよい。
同様に、高調波歪制御部12cのスイッチSWまたはSWがON状態のときには、逓倍波出力部111cから、90[GHz]の3逓倍波3*fOSCが強調されて出力される。そのため、フィルタ112cは、スイッチSWまたはSWがON状態のときには、3逓倍波3*fOSCに対応する90[GHz]の周波数成分を通過させ、その他の周波数成分(例えば、基準波fOSCや2逓倍波2*fOSC)を除去するようにフィルタの特性を調整するとよい。
なお、フィルタ特性の調整の具体的な一例として、図3Aに示した回路図で示された例の場合には、回路群U112を構成するLC直列回路CLSLS及びLC並列回路CLPLPそれぞれの自己共振周波数を調整すればよい。例えば、除去する周波数成分を変化させる場合には、LC直列回路CLSLSのキャパシタCLSをデジタル可変にして、LC直列回路CLSLSの自己共振周波数を変化させればよい。また、通過させる周波数成分を変化させる場合には、LC並列回路CLPLPのキャパシタCLPをデジタル可変にして、LC並列回路CLPLPの自己共振周波数を変化させればよい。
また、前述のとおり、基準波fOSCの周波数を変更可能な構成としてもよい。この場合には、フィルタ112cは、基準波fOSCの周波数の変更に同期して、変更後の基準波fOSCに対応する周波数成分を除去対象とするようにフィルタ特性を変更するとよい。
このような構成により、本実施例に係る高調波歪制御部12cは、複数種類の逓倍波(例えば、2逓倍波及び3逓倍波)のうち、所望の逓倍数の逓倍波を選択的に出力することが可能となる。また、基準波fOSCの周波数を変更可能に構成することも可能なため、多様な周波数の搬送波を出力可能な無線通信装置を、比較的低い設計難易度で実現することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10、10a、10b、10c 周波数逓倍器
11、11a、11b、11c 逓倍回路
12、12a、12c 高調波歪制御部
20 変調部
30 送信部
111、111a 逓倍波出力部
112、112a、112b、112c フィルタ
M1 トランジスタ
M2 補助トランジスタ
RFIN 入力端子
RFOUT 出力端子
U112 回路群

Claims (9)

  1. トランジスタを含み、あらかじめ決められた周波数の入力信号を受けて、当該入力信号の所定逓倍数の逓倍波を出力する逓倍波出力部と、
    前記トランジスタのゲートソース間電圧を制御する制御部と、
    を備え、
    前記逓倍波出力部は、前記逓倍波の出力に係る高調波歪が、当該ゲートソース間電圧に基づき制御されることを特徴とする逓倍回路。
  2. 前記制御部は、前記ゲートソース間電圧をあらかじめ決められた範囲内で制御可能に構成され、
    前記逓倍波出力部は、前記ゲートソース間電圧の制御を受けて、前記高調波歪を、当該前記ゲートソース間電圧に対応する値に設定することを特徴とする請求項1に記載の逓倍回路。
  3. 前記高調波歪の制御により、前記逓倍波の振幅値が所望の範囲に制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の逓倍回路。
  4. 前記逓倍波出力部の後段に設けられ、少なくとも前記逓倍波に対応する周波数成分を通過させるフィルタを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の逓倍回路。
  5. 前記フィルタは、前記入力信号に対応する周波数成分を遮断することを特徴とする請求項4に記載の逓倍回路。
  6. 前記トランジスタに並列に接続された補助トランジスタを備え、
    前記補助トランジスタに印加するゲートソース間電圧を制御することで、前記高調波歪を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の逓倍回路。
  7. あらかじめ決められた周波数の入力信号を出力する発振器と、
    トランジスタを含み、前記入力信号を受けて、当該入力信号の所定逓倍数の逓倍波を出力する逓倍波出力部と、
    前記トランジスタのゲートソース間電圧を制御する制御部と、
    前記逓倍波を搬送波として、所望のベースバンド信号を変調する変調部と、
    を備え、
    前記逓倍波出力部は、前記逓倍波の出力に係る高調波歪が、当該ゲートソース間電圧に対応する値に制御されることを特徴とする無線通信装置。
  8. 前記発振器は、前記入力信号の周波数を制御可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 所望の周波数成分を遮断可能に構成され、前記発振器により周波数が制御された前記入力信号に対応する周波数成分を遮断するフィルタを備えたことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
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