JP2014116734A - 給電回路 - Google Patents

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Motomi Abe
素実 安部
Hidenori Yugawa
秀憲 湯川
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Abstract

【課題】ブロックの接合面であるE面分割面で層ずれが発生しても、結合特性の劣化を低減することができる給電回路を得ることを目的とする。
【解決手段】3つのブロックB1,B2,B3の接合面であるE面分割面6,7が、狭壁面結合カプラ1における狭壁面の間を結合する結合孔2の位置とずれているように構成する。これにより、ブロックB1,B2,B3の接合面であるE面分割面6,7で層ずれが発生しても、結合特性の劣化を低減することができる効果を奏する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、マルチビームアンテナ向けの給電回路に関するものである。
例えば、以下の非特許文献1に開示されているマルチビームアンテナ向けの給電回路は、数十個から数百個のカプラや位相器から構成されており、そのマルチビームアンテナが適用されるシステムは、例えば、移動衛星通信のように、連続した広大なエリアをカバーし、多数のキャリアを用いて通信する方式のマルチビーム送信系などが該当する。
この給電回路は、多層導波管で構成されており、低損失の観点から、E面分割導波管を用いて構成されていると想定される。
また、非特許文献1及び非特許文献2によれば、給電回路のカプラとして、広壁面の間を結合する結合孔を有する広壁面結合カプラ(例えば、ブランチラインカプラ)だけを用いている。
なお、本明細書において、「広壁面」は矩形導波管の幅広面を表し、「E面」と「狭壁面」は矩形導波管の幅狭面を表しているものとする。
図5は非特許文献1,2に開示されている給電回路を示す構成図である。
特に図5(a)は給電回路を示す斜視図であり、図5(b)は図5(a)のCから見た上面透視図である。
また、図5(c)は図5(a)のAから見た側面透視図であり、図5(d)は図5(a)のBから見た側面透視図である。
図5において、E面分割導波管を用いている広壁面結合カプラ101,102は広壁面の間を結合する結合孔103を有している。
図5の給電回路は、2つのブロックB1,B2が接合されて構成されるものであるため、製造時に、2つのブロックB1,B2の接合面であるE面分割面104で層ずれが発生する場合がある。
E面分割面104で層ずれが発生すると、広壁面結合カプラ101と広壁面結合カプラ102の結合度に設計値からのずれが発生し、給電回路全体の特性が劣化する。
図6はE面分割面104で層ずれが発生している場合の給電回路を示す構成図であり、(a)は給電回路の斜視図、(b)は上面透視図である。
図6では、給電回路の座標軸のX軸方向に0.3mmのE面層ずれが発生している例を示している。
図7は図5及び図6の給電回路のPort1から入力された電力が、広壁面結合カプラ101と広壁面結合カプラ102の結合端子を介してPort3に出力された電力Sを示す説明図である。
図7において、実線はE面層ずれが発生していない状態での電力Sを示しており、点線はE面層ずれが発生している状態での電力Sを示している。
E面層ずれが発生している場合、E面層ずれが発生していない場合と比べて、0.8dB程度の結合度の劣化が現れる。
Schneider, M.; Hartwanger, C.; Sommer, E.; Wolf, H.,「The Multiple Spot Beam Antenna Project "Medusa"」, IEEE 3rd EuCAP,2009 Schneider, M.; Hartwanger, C.; Sommer, E.; Wolf, H.,「Branch-Line Couplers for Satellite Antenna Systems」, GeMIC 2011 German
従来の給電回路は以上のように構成されているので、製造時に、2つのブロックB1,B2の接合面であるE面分割面104で層ずれが発生すると、広壁面結合カプラ101と広壁面結合カプラ102の結合度に設計値からのずれが発生し、給電回路全体の特性が劣化するという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ブロックの接合面であるE面分割面で層ずれが発生しても、結合特性の劣化を低減することができる給電回路を得ることを目的とする。
この発明に係る給電回路は、片面あるいは両面が掘削された3つのブロックが接合されることで、E面分割導波管を用いている狭壁面結合カプラと、E面分割導波管を用いている広壁面結合カプラとが構成されて、その狭壁面結合カプラの入出力端子と広壁面結合カプラの入出力端子とが管軸を揃えて直結されており、3つのブロックを接合する面であるE面分割面が、狭壁面結合カプラにおける狭壁面の間を結合する結合孔の位置とずれているようにしたものである。
この発明によれば、3つのブロックを接合する面であるE面分割面が、狭壁面結合カプラにおける狭壁面の間を結合する結合孔の位置とずれているように構成したので、ブロックの接合面であるE面分割面で層ずれが発生しても、結合特性の劣化を低減することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による給電回路を示す構成図である。 E面分割面6で層ずれが発生している場合の給電回路を示す上面透視図である。 図1及び図2の給電回路のPort1から入力された電力が、広壁面結合カプラ3の結合端子を介して狭壁面結合カプラ1に入力されたのち、例えば、狭壁面結合カプラ1の結合端子を介してPort3へ出力される電力Sを示す説明図である。 この発明の実施の形態2による給電回路を示す構成図である。 非特許文献1,2に開示されている給電回路を示す構成図である。 E面分割面104で層ずれが発生している場合の給電回路を示す構成図である。 図5及び図6の給電回路のPort1から入力された電力が、広壁面結合カプラ101と広壁面結合カプラ102の結合端子を介してPort3に出力された電力Sを示す説明図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による給電回路を示す構成図である。
特に図1(a)は給電回路を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のBから見た側面透視図、図1(c)は図1(a)のAから見た側面透視図である。
また、図1(d)は図1(a)のCから見た上面透視図であり、図1(e)は給電回路の分解透視図である。
図1において、E面分割導波管を用いている狭壁面結合カプラ1は狭壁面の間を結合する結合孔2を有している。
E面分割導波管を用いている広壁面結合カプラ3は広壁面の間を結合する結合孔4を有している。
図1の給電回路は、片面あるいは両面が掘削された3つのブロックB1,B2,B3が接合されることで、狭壁面結合カプラ1と広壁面結合カプラ3とが構成されて、狭壁面結合カプラ1の入出力端子であるPort2と、広壁面結合カプラ3の入出力端子であるPort1,4とが管軸5を揃えて直結されている。
ブロックB1とブロックB2の接合面であるE面分割面6は管軸5上にあり、狭壁面結合カプラ1における狭壁面の間を結合する結合孔2の位置とずれている。
ブロックB2とブロックB3の接合面であるE面分割面7は、狭壁面結合カプラ1における狭壁面の間を結合する結合孔2の位置とずれている。
次に動作について説明する。
例えば、Port1から入力された電力は、広壁面結合カプラ3の結合端子を介して狭壁面結合カプラ1に入力される。
狭壁面結合カプラ1に入力された電力は、例えば、狭壁面結合カプラ1の結合端子を介してPort3へ出力される。
図1の給電回路は、3つのブロックB1,B2,B3が接合されて構成されるものであるため、製造時に、2つのブロックB1,B2の接合面であるE面分割面6や、2つのブロックB2,B3の接合面であるE面分割面7で層ずれが発生する場合がある。
図2はE面分割面6で層ずれが発生している場合の給電回路を示す上面透視図である。
図2では、給電回路の座標軸のX軸方向に0.3mmのE面層ずれが発生している例を示している。
図3は図1及び図2の給電回路のPort1から入力された電力が、広壁面結合カプラ3の結合端子を介して狭壁面結合カプラ1に入力されたのち、例えば、狭壁面結合カプラ1の結合端子を介してPort3へ出力される電力Sを示す説明図である。
図3において、実線はE面層ずれが発生していない状態での電力Sを示しており、点線はE面層ずれが発生している状態での電力Sを示している。
E面層ずれが発生している場合、E面層ずれが発生していない場合と比べて、0.3dB程度の結合度の劣化が現れているが、図5及び図6に示している従来の給電回路における劣化量0.8dBよりも劣化量が低減されている。
この実施の形態1の給電回路では、狭壁面結合カプラ1における結合度を決定する結合孔2が、E面分割面6,7とかかっていない。このため、E面分割面6,7で層ずれが発生しても、狭壁面結合カプラ1の結合度には殆ど影響しておらず、E面分割面6,7の層ずれに伴う結合度の劣化が従来例と比較して小さくなっている。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、3つのブロックB1,B2,B3の接合面であるE面分割面6,7が、狭壁面結合カプラ1における狭壁面の間を結合する結合孔2の位置とずれているように構成したので、ブロックB1,B2,B3の接合面であるE面分割面6,7で層ずれが発生しても、結合特性の劣化を低減することができる効果を奏する。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による給電回路を示す構成図である。
特に図4(a)は給電回路を示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)のBから見た側面透視図1、図4(c)は図4(a)のAから見た側面透視図2である。
また、図4(d)は図4(a)のCから見た上面透視図である。
図4において、E面分割導波管を用いている狭壁面結合カプラ11は狭壁面の間を結合する結合孔12を有している。
E面分割導波管を用いている広壁面結合カプラ13は広壁面の間を結合する結合孔14を有している。
E面分割導波管を用いている広壁面結合カプラ15は広壁面の間を結合する結合孔16を有している。
図4の給電回路は、片面あるいは両面が掘削された3つのブロックB1,B2,B3が接合されることで、狭壁面結合カプラ11と、2つの広壁面結合カプラ13,15とが構成されて、狭壁面結合カプラ11の入出力端子であるPort2と、広壁面結合カプラ13の入出力端子であるPort1,4とが管軸(管軸の位置は、E面分割面17と同じ位置)を揃えて直結されている。
また、広壁面結合カプラ13の結合端子(入出力端子)19と狭壁面結合カプラ11の結合端子(入出力端子)21も管軸(管軸の位置は、E面分割面17と同じ位置)を揃えて直結されている。
狭壁面結合カプラ11の入出力端子であるPort3と、広壁面結合カプラ15の入出力端子であるPort5,6とが管軸(管軸の位置は、E面分割面18と同じ位置)を揃えて直結されている。
また、広壁面結合カプラ13の結合端子(入出力端子)20と狭壁面結合カプラ11の結合端子(入出力端子)22も管軸(管軸の位置は、E面分割面18と同じ位置)を揃えて直結されている。
ブロックB1とブロックB2の接合面であるE面分割面17は、狭壁面結合カプラ11における狭壁面の間を結合する結合孔12の位置とずれている。
ブロックB2とブロックB3の接合面であるE面分割面18は、狭壁面結合カプラ11における狭壁面の間を結合する結合孔12の位置とずれている。
次に動作について説明する。
例えば、Port1から入力された電力は、広壁面結合カプラ13の結合端子19及び狭壁面結合カプラ11の結合端子21を介して狭壁面結合カプラ11に入力される。
狭壁面結合カプラ11に入力された電力は、例えば、狭壁面結合カプラ11の結合端子を介してPort3へ出力される。
また、例えば、Port5から入力された電力は、広壁面結合カプラ15の結合端子20及び狭壁面結合カプラ11の結合端子22を介して狭壁面結合カプラ11に入力される。
狭壁面結合カプラ11に入力された電力は、例えば、狭壁面結合カプラ11の結合端子を介してPort2へ出力される。
図4の給電回路は、3つのブロックB1,B2が接合されて構成されるものであるため、製造時に、2つのブロックB1,B2の接合面であるE面分割面17や、2つのブロックB2,B3の接合面であるE面分割面18で層ずれが発生する場合がある。
E面層ずれが発生している場合、上記実施の形態1と同様に、E面層ずれが発生していない場合と比べて、0.3dB程度の結合度の劣化が生じるが、従来の給電回路における劣化量0.8dBよりも劣化量が低減される。
この実施の形態2の給電回路では、狭壁面結合カプラ11における結合度を決定する結合孔12が、E面分割面17,18とかかっていない。このため、E面分割面17,18で層ずれが発生しても、狭壁面結合カプラ11の結合度には殆ど影響しておらず、E面分割面17,18の層ずれに伴う結合度の劣化が従来例と比較して小さくなっている。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、3つのブロックB1,B2,B3の接合面であるE面分割面17,18が、狭壁面結合カプラ11における狭壁面の間を結合する結合孔12の位置とずれているように構成したので、ブロックB1,B2,B3の接合面であるE面分割面17,18で層ずれが発生しても、結合特性の劣化を低減することができる効果を奏する。
また、この実施の形態2では、狭壁面結合カプラ11の入出力端子と2つの広壁面結合カプラ13,15の入出力端子とが管軸を揃えて直結されているので、上記実施の形態1よりも、層ずれの影響が低減する入出力端子の組み合わせ(例えば、Port1の入力に対するPort3の出力、Port5の入力に対するPort2の出力など)が増えるようになる。このため、給電回路のレイアウトの自由度が向上する効果が得られる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
B1,B2,B3 ブロック、1 狭壁面結合カプラ、2 狭壁面の間を結合する結合孔、3 広壁面結合カプラ、4 広壁面の間を結合する結合孔、5 管軸、6,7 E面分割面、11 狭壁面結合カプラ、12 狭壁面の間を結合する結合孔、13 広壁面結合カプラ、14 広壁面の間を結合する結合孔、15 広壁面結合カプラ、16 広壁面の間を結合する結合孔、17,18 E面分割面 19,20 広壁面結合カプラの結合端子(入出力端子)、21,22 狭壁面結合カプラの結合端子(入出力端子)、101,102 広壁面結合カプラ、103 結合孔、104 E面分割面。

Claims (2)

  1. 片面あるいは両面が掘削された3つのブロックが接合されることで、E面分割導波管を用いている狭壁面結合カプラと、E面分割導波管を用いている広壁面結合カプラとが構成されて、上記狭壁面結合カプラの入出力端子と上記広壁面結合カプラの入出力端子とが管軸を揃えて直結される給電回路において、
    3つのブロックを接合する面であるE面分割面が、上記狭壁面結合カプラにおける狭壁面の間を結合する結合孔の位置とずれていることを特徴とする給電回路。
  2. 片面あるいは両面が掘削された3つのブロックが接合されることで、E面分割導波管を用いている狭壁面結合カプラと、E面分割導波管を用いている2つの広壁面結合カプラとが構成されて、上記狭壁面結合カプラの入出力端子と上記2つの広壁面結合カプラの入出力端子とが管軸を揃えて直結される給電回路において、
    3つのブロックを接合する面であるE面分割面が、上記狭壁面結合カプラにおける狭壁面の間を結合する結合孔の位置とずれていることを特徴とする給電回路。
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