JP2014116657A - 音処理装置、音処理装置の制御方法、プログラム - Google Patents

音処理装置、音処理装置の制御方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】楽音の音色を崩すことなく、低音を強調することができる音処理装置、音処理装置の制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の音声信号処理部15は、原音から、聴覚錯覚の対象となる基音に対する倍音を抽出する倍音抽出部31と、抽出された倍音が所定の条件を満たす場合、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定する判定部32と、判定部32の判定結果に応じて、倍音抽出部31により抽出された倍音の強調処理を行う強調処理部33と、強調処理部33による強調処理後の倍音と原音を加算する加算部34と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、低音再生能力が低いスピーカーを用いた場合に、倍音を強調することで、基音を聴覚錯覚させる音処理装置、音処理装置の制御方法、プログラムに関する。
従来、この種の技術として、原音から、所定の音階の楽音の基音レベルを検出する手段と、原音から基音および倍音の周波数成分を抽出する手段と、抽出した周波数成分から、基音以下の周波数成分と、所定の音階の楽音に含まれる倍音以上の周波数成分を除去する手段と、周波数成分を除去した楽音を、検出した基音レベルに応じてレベル調整する手段と、レベル調整後の楽音を増幅し、原音に加算する手段と、を備えた楽音強調装置が知られている(例えば、特許文献1)。当該楽音強調装置は、この構成により、所望の楽音を高調波のバランスを崩すことなく自然な音で強調することが可能である。また、低音再生能力が低いスピーカーであっても、高調波が強調されることにより、楽音が強調されたとユーザーに知覚させることができる。
WO2009/004718号公報
ところが、上記特許文献1の発明は、倍音の強調度合いが基音レベルによって制御されるため、バスドラム音のような倍音成分を持たない楽音に対しても、その整数次倍音、つまりバスドラム音を構成している周波数成分以外の成分(別の楽器の成分)が強調され、楽音の音色が崩れてしまう可能性がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、楽音の音色を崩すことなく、低音を強調することができる音処理装置、音処理装置の制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
本発明の音処理装置は、原音から、聴覚錯覚の対象となる基音に対する倍音を抽出する倍音抽出部と、抽出された倍音が所定の条件を満たす場合、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定する判定部と、判定部の判定結果に応じて、倍音抽出部により抽出された倍音の強調処理を行う強調処理部と、を備えたことを特徴とする。
上記の音処理装置において、強調処理部は、判定部により、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定された場合、倍音の強調処理を行うことを特徴とする。
上記の音処理装置において、倍音抽出部は、聴覚錯覚の対象となる基音に対し、次数の異なる複数の倍音を抽出し、判定部は、抽出された複数の倍音が所定の条件を満たす場合、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定することを特徴とする。
上記の音処理装置において、所定の条件は、複数の倍音の振幅値が、周波数軸上でいずれも極大であることを含むことを特徴とする。
上記の音処理装置において、所定の条件は、抽出されたN次倍音(但し、NはN≧2となる整数)の極大点の振幅値と、(N+1)次倍音の極大点の振幅値の差が所定値以下であることを含むことを特徴とする。
上記の音処理装置において、所定の条件は、抽出されたN次倍音(但し、NはN≧2となる整数)の極大点の振幅値が、(N+1)次倍音の極大点の振幅値より大きいことを含むことを特徴とする。
上記の音処理装置において、所定の条件は、基音と、複数の倍音の振幅値の時間推移に相関があることを含むことを特徴とする。
本発明の音処理装置の制御方法は、原音から、聴覚錯覚の対象となる基音に対する倍音を抽出する倍音抽出ステップと、抽出された倍音が所定の条件を満たす場合、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定する判定ステップと、判定ステップの判定結果に応じて、倍音抽出ステップにより抽出された倍音の強調処理を行う強調処理ステップと、を実行することを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の音処理装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る再生装置のブロック図である。 音声信号処理部の機能構成図である。 倍音強調処理を行う場合の、倍音抽出結果の一例を示す図である。 倍音強調処理を行わない場合の、倍音抽出結果の一例を示す図である。 倍音強調処理を行わない場合の、倍音抽出結果の一例を示す図である。 倍音強調処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る再生装置のブロック図である。 本発明の他の変形例に係る再生装置のブロック図である。
以下、本発明の一実施形態に係る音処理装置、音処理装置の制御方法、プログラムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の音処理装置を適用した再生装置10のブロック図である。再生装置10は、主な構成として、入力インターフェース(以下、「入力I/F」と表記する)11、主制御部12、内部メモリ13、操作部14、音声信号処理部15、アンプ16、スピーカー17を備えている。なお、請求項における「音処理装置」は、音声信号処理部15に相当する。
入力I/F11は、上位装置20から提供された楽曲データおよび楽曲情報を入力する。上位装置20としては、パーソナルコンピューター、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、PDAなどを含む)、Web上のサーバーやLANネットワーク上のサーバーなどが考えられる。また、上位装置20は、楽曲解析処理部21を有している。楽曲解析処理部21は、楽曲データを解析し、解析データを生成する。解析データとしては、拍位置情報、BPM(Beats Per Minute)情報、調(キー)情報、ジャンル情報などの楽曲特徴量を生成する。これらは、再生装置10において、楽曲の選択(ジャンルや調を指定した楽曲の選択)や、拍位置の同期処理、並びに音声信号処理(倍音強調処理)などに用いられる。
上位装置20は、楽曲データと共に、楽曲解析処理部21の解析結果である解析データや、楽曲に付随されている付随情報(楽曲のタイトル、アーティスト名、アルバム名などのメタ情報)を、再生装置10に提供する。なお、以下の説明では、解析データおよび付随情報を楽曲情報と総称する。また、上位装置20により提供されるデータを、USBメモリ等の外部記憶媒体に格納して、再生装置10に読み取らせる構成としても良い。
主制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やマイコンにより構成され、再生装置10内の各部を制御する。内部メモリ13は、上位装置20から提供された楽曲データおよび楽曲情報を記憶する。また、内部メモリ13は、各種制御プログラムおよび制御データの記憶にも用いられる。操作部14は、再生装置10本体に設けられた操作キーやリモートコントローラーにより構成され、ユーザーが各種操作および設定を行うために用いる。
音声信号処理部15は、入力I/F11から入力された楽曲データ、または内部メモリ13から読み出された楽曲データ(楽曲データをデコードした音声信号=原音)の加工処理を行う。本実施形態では、当該音声信号処理部15により、主に低音(基音)を聴覚錯覚させるための倍音強調処理を行う。詳細については、後述する。アンプ16は、音声信号処理部15による処理後の音声信号を増幅する。また、スピーカー17は、アンプ16によって増幅された音声信号を再生する。
なお、アンプ16は、スピーカー17内に内蔵しても良い。また、音声信号処理部15は、DSP(Digital Signal Processor)などのソフトウェアによって実現しても良いし、アナログ機器によって実現しても良い。また、スピーカー17に代えて、ヘッドフォンを搭載しても良い。さらに、スピーカー17は、再生装置10に設けるのではなく、別体とした構成でも良い。
次に、図2を参照し、第1実施形態に係る音声信号処理部15の詳細について説明する。音声信号処理部15は、倍音抽出部31、判定部32、強調処理部33および加算部34を有している。倍音抽出部31は、音声信号処理部15に入力された音声信号(原音)中の、所定の基音に対する整数次倍音(以下、単に「倍音」と記載する)を抽出する。
本実施形態では、所定の基音として、聴覚錯覚の対象となる低域帯の基音(ベースなどの、低音を再生する楽器の音階に合せた周波数)を抽出する。ここで、聴覚錯覚とは、基本周波数fの信号(基音)の高調波である2f、3f、4f・・・の信号(倍音群)から成る音を聞いた場合、基本周波数fの成分が含まれていなくても、その周波数fの音があたかも再生されているかのように感じるという聴覚心理現象(ミッシングファンダメンタル現象)を指す。つまり、本実施形態の再生装置10は、この聴覚心理現象を利用し、低音再生能力が低いスピーカー17で楽曲を再生した場合に、スピーカー17の再生限界以下の低域をカットして、カットした音(基音)に対応する倍音を強調することで、基音を聴覚錯覚させるものである。但し、バスドラム音のような倍音成分を持たない楽音に対して、その倍音に相当する周波数成分を強調すると、バスドラム音を構成している周波数成分以外の成分(別の楽器の成分)が強調され、楽音の音色が崩れてしまう。そこで、聴覚錯覚の対象となる基音の倍音の状態に応じて、倍音成分を持たない楽音(バスドラム音など)に対しては倍音強調を行わず、倍音成分を持つ楽音(ベース音など)に対してのみ倍音強調を行うことで、楽音の音色を崩さずに低音の増強を行うことが可能である。以下、倍音成分を持つ楽音に対してのみ倍音強調を行う倍音強調処理について、詳述する。
判定部32は、倍音抽出部31により抽出された倍音が所定の条件を満たす場合、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定する。本実施形態では、倍音抽出部31により、2次倍音と3次倍音を抽出するものとする。もちろん、他の次数の倍音を抽出しても良いが、次数の低いものを抽出することが好ましい。また、抽出する倍音の数も任意である。
なお、抽出する倍音の数や次数を、操作部14を用いてユーザーが指定(選択)可能としても良いし、上位装置20から入力された楽曲情報に基づいて、抽出する倍音の数や次数を決定しても良い。
ここで、倍音成分を持つか否かの判定基準となる「所定の条件」について説明する。本実施形態では、3つの条件に基づいて判定を行う。第1の条件は、「原音を周波数変換した周波数スペクトラム上において(周波数軸上で)、抽出された複数の倍音の振幅値がいずれも極大であること」である。具体例を挙げて説明する。図3〜図5は、横軸を周波数、縦軸を振幅値(信号レベル)とした周波数スペクトラムを示している。また、図3において、符号P01は、基音(音階D1)の周波数(および、基音の周波数に相当する周波数スペクトラムの振幅値)を示し、符号P02,P03は、それぞれ基音(音階D1)に対する2次倍音,3次倍音の周波数を示している。同図に示すように、2次倍音および3次倍音が、いずれも極大である場合、第1の条件を満たしていると判定する。なお、「極大である」とは、対象となる倍音の振幅値が、周囲の周波数成分の振幅値より大きいことを意味する。
これに対し、図4は、第1の条件を満たさない場合を例示している。同図において、符号P11は、基音(音階B1)の周波数を示し、符号P12,P13は、それぞれ基音(音階B1)に対する2次倍音,3次倍音の周波数を示している。同図の例では、2次倍音および3次倍音が、いずれも極大でないため、第1の条件を満たしていないと判定する。なお、特に図示しないが、2次倍音と3次倍音のいずれか一方が極大でない場合も、第1の条件を満たしていないと判定する。
続いて、第2の条件は、「抽出されたN次倍音(但し、NはN≧2となる整数)の極大点と、(N+1)次倍音の極大点の振幅値の差が所定値以下であること」である。ここで、「所定値」とは、予め定められた値(内部メモリ13に記憶されている所定の値)を意味する。図3の例では、符号P02,P03で示される2次倍音の極大点と3次倍音の極大点との振幅値の差L1が小さいため(所定値以下であるため)、第2の条件を満たしていると判定する。これに対し、図5は、第2の条件を満たさない場合を例示している。同図において、符号P21は、基音(音階G1)の周波数を示し、符号P22,P23は、それぞれ基音(音階G1)に対する2次倍音,3次倍音の周波数を示している。同図の例では、2次倍音および3次倍音が、いずれも極大であるものの、それらの振幅値の差L2が大きいため(所定値を超えるため)、第2の条件を満たしていないと判定する。
なお、第2の条件の判定閾値となる「所定値」については、上述のように固定値に限らず、ユーザーが指定(選択)した値であっても良い。若しくは、上位装置20から入力された楽曲情報に基づいて、「所定値」を可変設定しても良い。
続いて、第3の条件は、「抽出されたN次倍音(但し、NはN≧2となる整数)の極大点の振幅値が、(N+1)次倍音の極大点の振幅値より大きいこと」である。図3の例では、符号P02で示される2次倍音の極大点の振幅値が、符号P03で示される3次倍音の極大点の振幅値より大きいため、第3の条件を満たしていると判定する。これに対し、図5の例では、符号P22で示される2次倍音の極大点の振幅値が、符号P23で示される3次倍音の極大点の振幅値より小さいため、第3の条件を満たしていないと判定する。
以上のように、判定部32では、倍音抽出部31により抽出された複数の倍音が、第1の条件から第3の条件の全てを満たす場合、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定する。
強調処理部33は、判定部32により、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定された場合、倍音抽出部31により抽出された倍音の強調処理を行うものである。図2に示すように、強調処理部33は、2次倍音用のレベル調整部41、3次倍音用のレベル調整部42、倍音加算部43およびスイッチ44から成る。レベル調整部41,42は、それぞれ抽出された2次倍音および3次倍音のレベル調整(増幅)を行う。
なお、レベル調整量(レベル調整係数)は、各レベル調整部41,42で同じ値としても良いし、異なる値としても良い。また、予め定められた値(内部メモリ13に記憶された所定の値)であっても良いし、ユーザーが指定(選択)した値であっても良い。若しくは、上位装置20から入力された楽曲情報に基づいて、レベル調整量(レベル調整係数)を可変設定しても良い。
倍音加算部43は、各レベル調整部41,42によるレベル調整後の倍音を加算する。また、スイッチ44は、判定部32の判定結果に応じて、ON/OFFを切り替える。具体的には、判定部32により、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つと判定された場合、ON状態とし、倍音成分を持たないと判定された場合、OFF状態とする。
一方、加算部34は、入力された原音(音声信号)と、強調処理後の倍音とを加算する。以上の構成により、音声信号処理部15は、判定部32により、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持たないと判定された場合、原音のみを出力し、倍音成分を持つと判定された場合、原音と強調処理後の倍音との加算結果を出力する。
次に、図6のフローチャートを参照し、再生装置10の倍音強調処理の流れについて説明する。再生装置10(音声信号処理部15)は、上位装置20から原音(楽曲データ)を取得すると(S01)、聴覚錯覚の対象となる基音に対する倍音(2次倍音および3次倍音)を抽出する(S02)。そして、2次倍音と3次倍音の振幅値が極大か否か(第1の条件を満たすか否か)を判別する(S03)。S03:Yesの場合は、続いて2次倍音と3次倍音の振幅値の差が所定値以下か否か(第2の条件を満たすか否か)を判別する(S04)。さらに、S04:Yesの場合は、2次倍音の振幅値が3次倍音の振幅値より大きいか否か(第3の条件を満たすか否か)を判別する(S05)。S05:Yesの場合(第1の条件〜第3の条件の全てを満たす場合)は、S01で抽出した倍音を強調して(S06)、倍音強調処理を終了する。また、S03:No,S04:No,S05:Noの場合は、S01で抽出した倍音を強調せず(S07)、倍音強調処理を終了する。
以上説明したとおり、本実施形態の再生装置10は、聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つか否かを判別し、倍音成分を持つと判定された場合のみ、倍音強調処理を行う。言い換えれば、倍音成分を持たないバスドラム音などの打楽器音の倍音について強調処理を行わない。このため、バスドラム音を含めて無差別に倍音強調処理を行った場合に生じる、バスドラム音を構成している周波数成分以外の成分(別の楽器の成分)が強調され、楽音の音色が崩れてしまうといった課題を解決できる。
また、倍音成分を持つか否かの判定を、3つの条件に基づいて行うことで、より高精度な判定結果を得ることができる。また、これにより、小口径スピーカーなど低音再生能力の低いスピーカーを用いた場合でも、ミッシングファンダメンタル現象を利用した高品質な低音再生を、より確実に実現できる。
なお、上記の実施形態において判定部32は、第1の条件から第3の条件をAND条件として判定したが、OR条件として判定しても良い。また、AND条件として判定するかOR条件として判定するかについて、ユーザーが選択可能としても良い。さらに、第1の条件から第3の条件について全て判定するのではなく、一部の条件についてのみ判定を行っても良い。この場合、ユーザーが対象となる条件を選択可能としても良い。
また、上位装置20から入力された楽曲情報に基づいて、第1の条件から第3の条件をAND条件として判定するかOR条件として判定するかを可変設定しても良い。若しくは、入力された楽曲情報に基づいて、対象となる条件を可変設定しても良い。
また、判定部32の判定条件として、基音と倍音の振幅値の時間推移の相関があることを、第4の条件として加えても良い。これは、ベース音などの倍音を持つ楽音は、基音と倍音の振幅値の時間推移に相関があり、バスドラム音などの倍音を持たない楽音は、基音と倍音との間に相関が無いことに着目したものである。ここで、「相関がある」とは、例えばベース音が鳴ると、基音と倍音の振幅値が共に大きくなり、楽器が鳴り終わると、共に振幅値が下がることを意味する。したがって、判定部32は、判定条件として第4の条件が付加された場合、時間経過に伴う周波数スペクトラムの変化を判定する。つまり、複数フレーム分の周波数スペクトラムを不図示のバッファに保存しておき、基音と倍音の時間推移の相関を調べる。そして、例えば第2倍音および第3倍音の振幅値が、いずれも時間経過に伴って下がっていくものについては、「基音と倍音との間に相関がある」と判定する。また、この場合「倍音を持つ楽音である」と看做し、倍音強調処理を行う。なお、第4の条件も、第1〜第3の条件にAND条件として加えても良いし、OR条件として加えても良い。
また、上記の実施形態において判定部32は、2次倍音および3次倍音の両方がいずれも極大である場合、第1の条件を満たすと判定したが、いずれか一方のみが極大である場合、第1の条件を満たすと判定してもよい。
また、3つ以上の倍音を抽出して判定を行う場合は、例えば2次倍音と3次倍音の振幅値の差、3次倍音と4次倍音の振幅値の差、のいずれか一方のみが所定値以下の場合、第2の条件を満たすと判定してもよい。さらに、2次倍音の振幅値>3次倍音の振幅値、3次倍音の振幅値>4次倍音の振幅値、のいずれか一方のみを満たす場合、第3の条件を満たすと判定してもよい。
また、上記の実施形態では、スピーカー17の再生限界以下の低域をカットして、カットした音(基音)に対応する倍音を強調するものとしたが、基音は、必ずしもカットした音の中に含まれるものでなくても良い。また、必ずしも再生限界以下の低域をカットしなくても良い。
また、上記の実施形態では、原音を周波数変換した周波数スペクトラムから、聴覚錯覚の対象となる基音に対する倍音を抽出したが、周波数軸ではなく、時間軸を元に倍音を抽出しても良い。
[変形例1]
次に、図7および図8を参照し、本発明の変形例について説明する。図7は、変形例1に係る再生装置10のブロック図である。変形例1では、第1実施形態の再生装置10(図1参照)と比較して、楽曲解析処理部18を追加した構成となっている。楽曲解析処理部18は、楽曲データの解析処理を行うものであり、第1実施形態の楽曲解析処理部21と同様の機能を有する。つまり、変形例に係る再生装置10は、上位装置20から楽曲データのみを取得すれば良い構成となっている。
このように、本発明の変形例1によれば、楽曲解析処理部18を備えており、再生装置10自身によって楽曲解析ができるため、上位装置20からは楽曲データのみを取得すれば良い。
[変形例2]
図8は、変形例2に係る再生装置10のブロック図である。変形例2では、上位装置20に楽曲解析処理部21と音声信号処理部22を有する構成となっている。音声信号処理部22は、楽曲データをデコードした音声信号の加工処理を行うものであり、第1実施形態の音声信号処理部15と同様の機能を有する。つまり、変形例2に係る再生装置10は、上位装置20から倍音強調処理を行った処理済の楽曲データ(音声信号)を取得する構成となっている。なお、第1実施形態と同様、上位装置20には楽曲解析処理部21も備えられているため、再生装置10は、当該楽曲解析処理部21による解析データおよび付随情報を含む楽曲情報も取得する。一方、再生装置10の機能は、楽曲データおよび楽曲情報の送受信機能を行う入力I/F11、主制御部12、操作部14を備えており、アンプ16およびスピーカー17を別体とした構成となっている。もちろん、再生装置10に、アンプ16およびスピーカー17を内蔵した構成としても良い。
このように本発明の変形例2によれば、Web上のサーバーや、LANネットワーク上のサーバーに上位装置20を備えることができる。つまり、本発明の音処理装置を、クラウドコンピューティングとして利用することも可能である。
なお、上記の実施形態および変形例に示した再生装置10の各構成要素および各処理工程をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記憶媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、再生装置10の各構成要素または各処理工程を実現するためのプログラム、およびそれを記録した記憶媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。
また、上記の実施形態および変形例では、本発明の音処理装置を、再生装置10または上位装置20に適用した場合を例示したが、再生専用装置や楽曲提供専用装置に限らず、パーソナルコンピューター、タブレット端末、携帯電話またはカーナビゲーション装置など、他の電子機器の一機能として再生装置10または上位装置20を実現しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
10…再生装置 11…入力インターフェース 12…主制御部 13…内部メモリ 14…操作部 15…音声信号処理部 16…アンプ 17…スピーカー 20…上位装置 21…楽曲解析処理部 31…倍音抽出部 32…判定部 33…強調処理部 34…加算部 41…2次倍音用レベル調整部 42…3次倍音用レベル調整部 43…倍音加算部 44…スイッチ

Claims (9)

  1. 原音から、聴覚錯覚の対象となる基音に対する倍音を抽出する倍音抽出部と、
    抽出された倍音が所定の条件を満たす場合、前記聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に応じて、前記倍音抽出部により抽出された前記倍音の強調処理を行う強調処理部と、を備えたことを特徴とする音処理装置。
  2. 前記強調処理部は、前記判定部により、前記聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定された場合、前記倍音の強調処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の音処理装置。
  3. 前記倍音抽出部は、前記聴覚錯覚の対象となる基音に対し、次数の異なる複数の倍音を抽出し、
    前記判定部は、抽出された前記複数の倍音が所定の条件を満たす場合、前記聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定することを特徴とする請求項2に記載の音処理装置。
  4. 前記所定の条件は、前記複数の倍音の振幅値が、周波数軸上でいずれも極大であることを含むことを特徴とする請求項3に記載の音処理装置。
  5. 前記所定の条件は、抽出されたN次倍音(但し、NはN≧2となる整数)の極大点の振幅値と、(N+1)次倍音の極大点の振幅値の差が所定値以下であることを含むことを特徴とする請求項4に記載の音処理装置。
  6. 前記所定の条件は、抽出されたN次倍音(但し、NはN≧2となる整数)の極大点の振幅値が、(N+1)次倍音の極大点の振幅値より大きいことを含むことを特徴とする請求項5に記載の音処理装置。
  7. 前記所定の条件は、前記基音と、前記複数の倍音の振幅値の時間推移に相関があることを含むことを特徴とする請求項6に記載の音処理装置。
  8. 原音から、聴覚錯覚の対象となる基音に対する倍音を抽出する倍音抽出ステップと、
    抽出された倍音が所定の条件を満たす場合、前記聴覚錯覚の対象となる基音が、倍音成分を持つ楽音の基音であると判定する判定ステップと、
    前記判定ステップの判定結果に応じて、前記倍音抽出ステップにより抽出された前記倍音の強調処理を行う強調処理ステップと、を実行することを特徴とする音処理装置の制御方法。
  9. コンピューターに、請求項8に記載の音処理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
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