JP2014115087A - ペプチド構造解析方法及び装置 - Google Patents
ペプチド構造解析方法及び装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014115087A JP2014115087A JP2012266980A JP2012266980A JP2014115087A JP 2014115087 A JP2014115087 A JP 2014115087A JP 2012266980 A JP2012266980 A JP 2012266980A JP 2012266980 A JP2012266980 A JP 2012266980A JP 2014115087 A JP2014115087 A JP 2014115087A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion
- modification
- peptide
- product
- search
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】被検試料のMS1スペクトル上で修飾物が脱離したペプチドイオンと修飾を受けたままのペプチドイオンとを見つけ、それぞれをプリカーサとするMS2分析を実行する(S1-S3)。二つのMS2スペクトルを比較することで、ペプチド由来の修飾物が脱離したプロダクトイオンと修飾を受けたプロダクトイオンとの対を見つける(S4)。イオン対毎に一方のイオンを削除するとともに、削除されたイオンの強度を残すイオンの強度に加算する(S5)。こうして作成されたピークリストに対し、S2,S4で検出された修飾条件の下で既存のデータベース検索を実行し、その検索結果である同定結果を表示する(S6-S9)。
【選択図】図2
Description
a)被検試料中の目的ペプチドに由来するプリカーサイオンをn−1段階に開裂させることにより取得されたMSnスペクトルに基づいて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと該修飾物が脱離したプロダクトイオンとのイオン対を複数検出するイオン対検出ステップと、
b)前記イオン対検出ステップにより検出された複数のイオン対のそれぞれについて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと修飾物が脱離したプロダクトイオンとのいずれか一方を選択し他方を削除するとともに、削除された方のイオンの強度情報を選択された方のイオンの強度情報に反映させるように強度情報を修正した上で、又は、選択された方のイオンの強度情報をそのまま残して、選択されたプロダクトイオンのピーク情報を集めたピークリストを作成するピークリスト作成ステップと、
c)前記イオン対検出ステップにおけるイオン対検出時に用いられた修飾情報を検索条件の一つとして、又は修飾がないことを検索条件の一つとして、前記ピークリスト作成ステップにより作成されたピークリストをデータベースに登録されているペプチドと照合するデータベース検索を実行するデータベース検索ステップと、
d)前記データベース検索ステップで得られた検索結果に基づいて、目的ペプチドのアミノ酸配列に関する情報を出力する結果提供ステップと、
を有することを特徴としている。
a)被検試料中の目的ペプチドに由来するプリカーサイオンをn−1段階に開裂させることにより取得されたMSnスペクトルに基づいて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと該修飾物が脱離したプロダクトイオンとのイオン対を複数検出するイオン対検出部と、
b)前記イオン対検出部により検出された複数のイオン対のそれぞれについて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと修飾物が脱離したプロダクトイオンとのいずれか一方を選択し他方を削除するとともに、削除された方のイオンの強度情報を選択された方のイオンの強度情報に反映させるように強度情報を修正した上で、又は、選択された方のイオンの強度情報をそのまま残して、選択されたプロダクトイオンのピーク情報を集めたピークリストを作成するピークリスト作成部と、
c)前記イオン対検出部におけるイオン対検出時に用いられた修飾情報を検索条件の一つとして、又は修飾がないことを検索条件の一つとして、前記ピークリスト作成部により作成されたピークリストをデータベースに登録されているペプチドと照合するデータベース検索を実行するデータベース検索部と、
d)前記データベース検索部で得られた検索結果に基づいて、目的ペプチドのアミノ酸配列に関する情報を出力する結果提供部と、
を備えることを特徴としている。
こうしてイオン対毎にイオンの選択と必要に応じて強度の修正を行ったならば、その質量電荷比情報と強度情報とからなるピークリストを作成する。
なお、データベース検索の手法自体は既存のものを利用することができ、例えば、上述した英国マトリックス・サイエンス社が提供するMascotに含まれるMS/MSイオンサーチ法やX! Tandemにおける同様の機能を利用することができるが、これに限るものではない。
図1は本実施例のペプチド構造解析システムの全体構成図、図2は本システムにおけるペプチド構造解析(翻訳修飾解析)の処理手順を示すフローチャート、図3は図2に示した翻訳後修飾解析を説明するための模式図である。
即ち、イオン化部10において被検試料から生成された各種イオンは一旦イオントラップ11に捕捉され、イオントラップ11において、指定された質量電荷比を持つイオンのみが選別された後にCIDによる1回の解離操作がなされる。それによってプリカーサイオンが開裂して生成された各種プロダクトイオンがイオントラップ11から一斉に出射されて、飛行時間型質量分析器12により質量分析される。この質量分析に応じて得られた検出信号に基づいて、スペクトル作成部21ではMS2スペクトルが作成される。即ち、プリカーサイオンが相違する二つのMS2スペクトルが作成される。
図5(b)は、図5(a)に示した構造を有する、糖鎖断片であるHexNAc1個による修飾を受けたヒトトランスフェリン由来のペプチドイオンをプリカーサイオンとするMS2スペクトル及びプロダクトイオンの帰属結果である。HexNAc付加ペプチドの解離によってy/b系列イオンが生じているが、それに加えてHexNAcの脱離により生じたプロダクトイオン列(図5(b)中にyx-■及びbx-■で示した複数のイオン)もy/b系列イオンと同等のイオン強度で生じている。このMS2スペクトルに対しピークピッキングを実行して作成したピークリストに対し、MascotのMS/MSイオンサーチを用いてデータベース検索した結果を図6に示す。即ち、図6は従来手法によるデータベース検索結果である。
また、検出されたイオン対のうち残す方のイオンの信号強度については、削除した方のイオンの信号強度を残す方に加算する以外に、元のイオンの信号強度をそのまま用いる、イオン対の平均信号強度を用いる、イオン対のうちの信号強度の大きい方の強度を採用する、などといった別の強度処理を実行した場合でも、従来法に比べて同定の信頼度を向上させることができることが確認できた。
10…イオン化部
11…イオントラップ
12…飛行時間型質量分析器
13…飛行空間
14…イオン検出器
2…制御・処理部
20…分析制御部
21…スペクトル作成部
22…スペクトル解析部
23…データベース検索部
24…同定用データベース
28…入力部
29…表示部
Claims (4)
- MSn分析(ここでnは2以上の整数)を実行可能な質量分析装置を用いて翻訳後修飾を受けたペプチドのアミノ酸配列を同定するためのペプチド構造解析方法であって、
a)被検試料中の目的ペプチドに由来するプリカーサイオンをn−1段階に開裂させることにより取得されたMSnスペクトルに基づいて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと該修飾物が脱離したプロダクトイオンとのイオン対を複数検出するイオン対検出ステップと、
b)前記イオン対検出ステップにより検出された複数のイオン対のそれぞれについて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと修飾物が脱離したプロダクトイオンとのいずれか一方を選択し他方を削除するとともに、削除された方のイオンの強度情報を選択された方のイオンの強度情報に反映させるように強度情報を修正した上で、又は、選択された方のイオンの強度情報をそのまま残して、選択されたプロダクトイオンのピーク情報を集めたピークリストを作成するピークリスト作成ステップと、
c)前記イオン対検出ステップにおけるイオン対検出時に用いられた修飾情報を検索条件の一つとして、又は修飾がないことを検索条件の一つとして、前記ピークリスト作成ステップにより作成されたピークリストをデータベースに登録されているペプチドと照合するデータベース検索を実行するデータベース検索ステップと、
d)前記データベース検索ステップで得られた検索結果に基づいて、目的ペプチドのアミノ酸配列に関する情報を出力する結果提供ステップと、
を有することを特徴とするペプチド構造解析方法。 - 請求項1に記載のペプチド構造解析方法であって、
被検試料をMS1分析して得られたMS1スペクトル中に現れる目的ペプチド由来で修飾物が付加されたイオンのピークと修飾物が脱離したイオンのピークとを抽出し、それら二つのピークに対応したイオンをそれぞれプリカーサイオンとして被検試料に対するMSn分析を行ってMSnスペクトルを取得する分析実行ステップ、をさらに有し、
前記イオン対検出ステップでは、二つのMSnスペクトルを比較することによりイオン対を検出することを特徴とするペプチド構造解析方法、 - 請求項1又は2に記載のペプチド構造解析方法であって、
前記ピークリスト作成ステップでは、選択したイオンの強度に削除されたイオンの強度に強度が小さい方のイオンの強度を加えることを特徴とするペプチド構造解析方法。 - MSn分析(ここでnは2以上の整数)を実行可能な質量分析装置を用いて翻訳後修飾を受けたペプチドのアミノ酸配列を同定するためのペプチド構造解析装置であって、
a)被検試料中の目的ペプチドに由来するプリカーサイオンをn−1段階に開裂させることにより取得されたMSnスペクトルに基づいて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと該修飾物が脱離したプロダクトイオンとのイオン対を複数検出するイオン対検出部と、
b)前記イオン対検出部により検出された複数のイオン対のそれぞれについて、修飾物が付加した状態のプロダクトイオンと修飾物が脱離したプロダクトイオンとのいずれか一方を選択し他方を削除するとともに、削除された方のイオンの強度情報を選択された方のイオンの強度情報に反映させるように強度情報を修正した上で、又は、選択された方のイオンの強度情報をそのまま残して、選択されたプロダクトイオンのピーク情報を集めたピークリストを作成するピークリスト作成部と、
c)前記イオン対検出部におけるイオン対検出時に用いられた修飾情報を検索条件の一つとして、又は修飾がないことを検索条件の一つとして、前記ピークリスト作成部により作成されたピークリストをデータベースに登録されているペプチドと照合するデータベース検索を実行するデータベース検索部と、
d)前記データベース検索部で得られた検索結果に基づいて、目的ペプチドのアミノ酸配列に関する情報を出力する結果提供部と、
を備えることを特徴とするペプチド構造解析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012266980A JP5983371B2 (ja) | 2012-12-06 | 2012-12-06 | ペプチド構造解析方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012266980A JP5983371B2 (ja) | 2012-12-06 | 2012-12-06 | ペプチド構造解析方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014115087A true JP2014115087A (ja) | 2014-06-26 |
JP5983371B2 JP5983371B2 (ja) | 2016-08-31 |
Family
ID=51171263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012266980A Expired - Fee Related JP5983371B2 (ja) | 2012-12-06 | 2012-12-06 | ペプチド構造解析方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5983371B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017145496A1 (ja) * | 2016-02-22 | 2017-08-31 | 株式会社島津製作所 | シアリル糖鎖解析方法 |
WO2018042605A1 (ja) * | 2016-09-01 | 2018-03-08 | 株式会社島津製作所 | 質量分析データ処理装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005099021A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-04-14 | Micromass Uk Ltd | マススペクトル測定方法 |
US20050164325A1 (en) * | 2003-09-24 | 2005-07-28 | Micromass Uk Limited | Method of mass spectrometry |
JP2010117377A (ja) * | 2003-08-13 | 2010-05-27 | Hitachi High-Technologies Corp | 質量分析システム |
JP2010256101A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Shimadzu Corp | 糖ペプチド構造解析方法及び装置 |
WO2011064068A1 (en) * | 2009-11-30 | 2011-06-03 | Physikron | Multiplexed tandem mass spectrometry method |
-
2012
- 2012-12-06 JP JP2012266980A patent/JP5983371B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010117377A (ja) * | 2003-08-13 | 2010-05-27 | Hitachi High-Technologies Corp | 質量分析システム |
JP2005099021A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-04-14 | Micromass Uk Ltd | マススペクトル測定方法 |
US20050164325A1 (en) * | 2003-09-24 | 2005-07-28 | Micromass Uk Limited | Method of mass spectrometry |
JP2010256101A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Shimadzu Corp | 糖ペプチド構造解析方法及び装置 |
WO2011064068A1 (en) * | 2009-11-30 | 2011-06-03 | Physikron | Multiplexed tandem mass spectrometry method |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017145496A1 (ja) * | 2016-02-22 | 2017-08-31 | 株式会社島津製作所 | シアリル糖鎖解析方法 |
JPWO2017145496A1 (ja) * | 2016-02-22 | 2018-07-12 | 株式会社島津製作所 | シアリル糖鎖解析方法 |
WO2018042605A1 (ja) * | 2016-09-01 | 2018-03-08 | 株式会社島津製作所 | 質量分析データ処理装置 |
JPWO2018042605A1 (ja) * | 2016-09-01 | 2019-02-28 | 株式会社島津製作所 | 質量分析データ処理装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5983371B2 (ja) | 2016-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5299060B2 (ja) | 糖ペプチド構造解析方法及び装置 | |
US8481924B2 (en) | MS/MS data processing | |
JP4988884B2 (ja) | 質量分析システム | |
JP4818270B2 (ja) | 選択されたイオンクロマトグラムを使用して先駆物質および断片イオンをグループ化するシステムおよび方法 | |
JP4515819B2 (ja) | 質量分析システム | |
US8592752B2 (en) | Techniques for performing retention-time matching of precursor and product ions and for constructing precursor and product ion spectra | |
US8067729B2 (en) | Mass analysis data analyzing apparatus and program thereof | |
JP6065652B2 (ja) | 糖鎖構造解析方法及び装置 | |
JP2012220365A (ja) | 糖ペプチド解析方法及び解析装置 | |
US10796784B2 (en) | Mass spectrometric data analyzing apparatus and analyzing method | |
JP4821400B2 (ja) | 構造解析システム | |
JP2014215172A (ja) | ペプチド構造解析のための質量分析データ解析装置 | |
JP2021081365A (ja) | 糖ペプチド解析装置 | |
JP5751126B2 (ja) | 質量分析データ解析方法及び解析装置 | |
US8180576B2 (en) | Data processor for mass spectrometer | |
JP5983371B2 (ja) | ペプチド構造解析方法及び装置 | |
US9460903B2 (en) | Glycopeptide analyzer | |
JP5696592B2 (ja) | 質量分析データ解析方法及び解析装置 | |
JP2015230262A (ja) | 質量分析データ解析方法及び装置 | |
JP2015230261A (ja) | 糖ペプチド解析方法及び解析装置 | |
WO2017047580A1 (ja) | ペプチド帰属方法及びペプチド帰属システム | |
JP2006284509A (ja) | 質量分析システム | |
JP6003842B2 (ja) | タンパク質の同定方法及び同定装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150303 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160705 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160718 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5983371 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |