JP2014113095A - 油揚げ類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、豆乳を原料液とし、圧搾工程を設けることなく衛生品質が良く、自由な形状、自由な成分組成を有する油揚げ類を得ることができる油揚げ類の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
原料豆乳から膜分離法により、ホエイに相当する成分を除去した分離豆乳を確保し、この分離豆乳を油揚げ類の原料液として用いることで、圧搾工程を設けないで油揚げ類を製造することを特徴とする油揚げ類の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明の課題は、上記の問題点を解消して、豆乳を原料液とし、圧搾工程を設けることなく衛生品質が良く、自由な形状、自由な成分組成を有する油揚げ類を得ることができる油揚げ類の製造方法を提供することにある。
本発明における油揚げ類とは、通常の油揚げに加え、一般に豆腐加工品と称される絹あげ、厚揚げ、がんもどき等を含み、いわゆる豆腐生地を油で揚げた製品全般を指す。
膜の種類は、分離能や洗浄性によって選択され、ひとつだけでなく、複数種の膜を組み合わせることも考慮することが必要である。
そのユニットである分離膜装置は、バッチ式のものでも連続式のものでも良いが、密閉系であり、大量生産する場合には連続式のユニットが望ましい。
膜分離により除去したホエイに相当する成分には、糖類、無機塩類、有機酸類等と若干の低分子タンパク質成分(ペプチド、アミノ酸を含む)が含まれる。ただし、用いる分離膜の孔径や原料豆乳中の粒子の存在状態により、膜を透過できる成分が変化するので、十分な予備試験により、所望の分離豆乳が得られる膜の種類や孔径を選択する必要がある。
糖質は油で揚げる際にアミノカルボニル反応(メイラード反応)やカラメル反応を起こすため、生成物が油揚げの表面の色彩や風味に影響する。
そのため、膜分離して原料豆乳から分離されたホエイに相当する成分を分離豆乳に適当量混合し(戻すこと)、分離豆乳を所望する色彩や風味に調整することが望ましい。ホエイに相当する成分を分離豆乳に戻す際には、必要に応じ逆浸透膜法等により衛生的に濃縮して行っても良い。
また、膜分離した分離豆乳と凝固剤の混合、ホエイに相当する成分の再添加には定量的に混合する機構が必要である。
その際、所望する油揚げ類の品質、形状に応じて分離豆乳の濃縮度や成型装置および凝固剤の種類、濃度を選択すれば良い。もちろん、フライ条件も所望する油揚げ類の品質に応じて自由に選択することができる。
豆乳は必要な量を分取し、定温70℃まで加熱し、限外ろ過膜(DSS社 ラボ用膜分離装置「DSS LabStak(登録商標) M20」)に通過させ、タンパク質濃度が2倍になるまで分離させた。分離の途中でホエイに相当する成分である糖質などの低分子を除くために、加水しながらダイアフィルトレーションを行い、分離液の成分を調整した。
このときの分離後の分離豆乳と透過液(ホエイに相当する成分)を菌汚染しないよう専用デバイスを用いてサンプリングし、菌数を測定した。膜分離した分離豆乳に、25%w/wの塩化マグネシウム水溶液を豆乳量に対し
1.5%v/w添加し、ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所 エースホモジナイザー)で混合した。
混合物を 50×50×10mmの型枠に入れ、スチーマーでボイル後、型枠から取出し、食用油で定温110℃に加熱後、保形のため定温150℃で再度加熱した。
10mmに成型した。従来製法の製造機を模して、洗浄無しに10回くり返し、10回目の圧搾物とホエイを菌汚染に考慮しサンプリングし、菌数を測定した。残りを50×50mmにカットし、食用油で定温110℃加熱後、保形のため定温150℃で再度加熱した。
その結果、従来製法である比較例1と実施例1に有意差は認められなかったが、比較例1と比較して、ホエイに相当する成分を再添加した実施例2は色彩が濃くなり、糖質分の調整で色彩を調整することができた。その結果を表2に示す。
食用油で定温110℃に加熱後、保形のため定温150℃で再度加熱した。
その結果、従来法と同様の形態である板型に対し、柱型、球型でも成型することができ、食用油で加熱することで膨化することができ、つまり形態を自由にすることができた。
実施例1で調製した原料豆乳、分離豆乳およびホエイに相当する成分、比較例1で調製したホエイについて、成分分析を行った。分析項目として、固形分、タンパク質、脂質、糖類の代表成分としてショ糖、無機塩類に相当する灰分、大豆に含まれる遊離の有機酸類の代表成分としてクエン酸を選択し、それぞれ定法に従い分析した。すなわち、固形分は、常圧加熱乾燥法を用いて測定した。タンパク質は、ケルダール法により全窒素を測定し、窒素−タンパク質換算係数5.71を用いて算出した。脂質は、クロロホルム−メタノール混液抽出法により測定した。ショ糖は、各サンプルから70%エタノールで抽出し、高速液体クロマトグラフィーにより順相分配カラムを用いて分析した。灰分は、マッフル炉を用いて直接灰化法で測定した。クエン酸は、各サンプルを過塩素酸溶液で除タンパク抽出し、高速液体クロマトグラフィーにより有機酸分析用ポリマーカラムを用いて分析した。
表4にその結果を示す。実施例1の分離豆乳において、タンパク質および脂質は約2倍に濃縮されたが、ホエイに相当する成分にはタンパク質、脂質はほとんど含まれず、ショ糖(糖類)、灰分(無機塩類)、クエン酸(有機酸類)は分離膜を通過したことが確認された。また、実施例1のホエイに相当する成分と比較例1のホエイの成分値を比較すれば、ほぼ同様であることが確認された。
Claims (5)
- 原料豆乳から膜分離法により、ホエイに相当する成分を除去した分離豆乳を確保し、この分離豆乳を油揚げ類の原料液として用いることで、圧搾工程を設けないで油揚げ類を製造することを特徴とする油揚げ類の製造方法。
- ホエイに相当する成分が、糖類、無機塩類、有機酸類であることを特徴とする請求項1記載の油揚げ類の製造方法。
- 原料豆乳から膜分離法により、ホエイに相当する成分を除去する際、原料豆乳を密閉系で流すことができる分離膜装置を用いることを特徴とする請求項1記載の油揚げ類の製造方法。
- 原料豆乳から膜分離法により、ホエイに相当する成分を除去して得られた分離豆乳の濃縮度や、成型装置や、凝固剤の種類、濃度を選択することで、自由な形状の油揚げ類製品の製造を可能とすることを特徴とする請求項1記載の油揚げ類の製造方法。
- 原料豆乳から膜分離法により除去したホエイに相当する成分を、必要に応じて分離豆乳に戻し、油揚げ類の原料液の成分組成を調整することを特徴とする請求項1記載の油揚げ類の製造方法。
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JP2012269656A JP2014113095A (ja) | 2012-12-10 | 2012-12-10 | 油揚げ類の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017029118A (ja) * | 2015-08-06 | 2017-02-09 | 太子食品工業株式会社 | 大豆加工品製造方法、大豆加工品製造システム、および大豆加工品 |
JP2017042065A (ja) * | 2015-08-24 | 2017-03-02 | 太子食品工業株式会社 | 大豆製スポンジ状加工品製造方法、大豆製スポンジ状加工品製造システム、および大豆製スポンジ状加工品 |
JP7508099B2 (ja) | 2020-09-16 | 2024-07-01 | 赤穂化成株式会社 | 油揚げ製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4993557A (ja) * | 1973-01-13 | 1974-09-05 |
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2012
- 2012-12-10 JP JP2012269656A patent/JP2014113095A/ja active Pending
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