JP2014111677A - テープカッター - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動性を改善したポリカーボネート樹脂製のテープカッターを提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、特定のアルキルケテンダイマー(B)1〜20重量部を必須成分とするポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるテープカッター。本発明のテープカッターは、優れた透明性、耐衝撃性のみならず、優れた摺動性を有している。そのため、テープとテープカッターとの間の滑り性の悪さからテープがスムーズに取り出しにくいといった不具合の発生が抑えられる。
【選択図】なし
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、特定のアルキルケテンダイマー(B)1〜20重量部を必須成分とするポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるテープカッター。本発明のテープカッターは、優れた透明性、耐衝撃性のみならず、優れた摺動性を有している。そのため、テープとテープカッターとの間の滑り性の悪さからテープがスムーズに取り出しにくいといった不具合の発生が抑えられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、摺動性を改善したポリカーボネート樹脂製のテープカッターに関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。最近では、透明性および耐衝撃性が優れることから、テープカッターにも使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂から得られたテープカッターはテープとテープカッターとの間の滑り性の悪さからテープがスムーズに取り出しにくいといった不具合が発生する場合があり、かかる不具合が発生しないように摺動性に優れたポリカーボネート樹脂が要望されている。
上記欠点を改良する目的でポリカーボネート樹脂にポリテトラフルオロエチレン樹脂を配合した樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を配合する事で摺動性は改良されるものの
(1)ポリカーボネート樹脂の長所である透明性を大きく低下させると共に、
(2)ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性が損なわれる、
という問題があり、これら改良が求められていた。
(1)ポリカーボネート樹脂の長所である透明性を大きく低下させると共に、
(2)ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性が損なわれる、
という問題があり、これら改良が求められていた。
本発明は、ポリカーボネート樹脂が本来有する透明性、衝撃性等を保持したまま、摺動性を著しく改善したポリカーボネート樹脂製のテープカッターを提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題に鑑み鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート樹脂に特定のアルキルケテンダイマーを配合することにより驚くべきことに摺動性が著しく改良できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、下記一般式1に示すアルキルケテンダイマー(B)1〜20重量部を必須成分とするポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるテープカッターを提供するものである。
一般式1:
一般式1:
本発明のテープカッターは、優れた透明性、耐衝撃性のみならず、優れた摺動性を有している。そのため、テープとテープカッターとの間の滑り性の悪さからテープがスムーズに取り出しにくいといった不具合発生が抑えられる。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは16000〜30000、さらに好ましくは18000〜24000の範囲である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用されるアルキルケテンダイマー(B)は下記一般式にて示される化合物である。
一般式1:
一般式1:
一般式1において、Rは、同一でも異なっても良いが、炭素数6〜33のアルキル基、好ましくは炭素数10〜21のアルキル基である。
一般式1において、更に好ましくは、Rは、同一でも異なっても良いが、炭素数が10〜21のアルキル基である化合物が使用できる。
アルキルケテンダイマー(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり1〜20重量部である。1重量部未満では摺動性に劣り、20重量部を越えると造粒加工が困難になり樹脂組成物のペレットを得ることができなくなることから好ましくない。好ましい配合量は、1〜10重量部、更に好ましくは2〜5重量部である。
本発明の各種配合成分(A)、(B)の配合方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、染顔料、展着剤(エポキシ大豆油、流動パラフィン等)や強化材(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ等)等、又、他の樹脂を配合することができる。
本発明のテープカッターの成形方法については、主として射出成形方法が用いられる。1個若しくは数個等複数のテープカッターが同時に成形できるような金型と100〜200Tクラスの射出成形機が用いられる。射出成形温度は、成形加工性の面から280〜300℃が望ましい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、部や%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
使用した配合成分は、以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂:
ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20
粘度平均分子量:19000、以下、PCと略記)
酸化防止剤:
アデカ社製 PEP36(以下、AOと略記)
アルキルケテンダイマー(B):
永恒化工社製 AKD1840(以下、AKDと略記)
ポリカーボネート樹脂:
ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20
粘度平均分子量:19000、以下、PCと略記)
酸化防止剤:
アデカ社製 PEP36(以下、AOと略記)
アルキルケテンダイマー(B):
永恒化工社製 AKD1840(以下、AKDと略記)
前述の各種配合成分を表1および2に示す配合比率にて一括してタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、二軸押出機(神戸製鋼所製KTX37)を用いて、溶融温度280℃にて混練し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
(成形品の摺動性の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ105℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cm2にて試験片(63x63x3mm)を作成した。
得られた試験片をJIS K−7125に準じ、400g荷重をかけ相手材がポリカーボネート樹脂に対する動摩擦係数を測定し、0.3以下を良好とした。
当該相手材の作成条件は、次のとおり:
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂(住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20 粘度平均分子量:19000)を用いた。これを125℃で4時間乾燥した後、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cm2にて相手材(150x90x3mm)を作成した。
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ105℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cm2にて試験片(63x63x3mm)を作成した。
得られた試験片をJIS K−7125に準じ、400g荷重をかけ相手材がポリカーボネート樹脂に対する動摩擦係数を測定し、0.3以下を良好とした。
当該相手材の作成条件は、次のとおり:
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂(住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20 粘度平均分子量:19000)を用いた。これを125℃で4時間乾燥した後、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cm2にて相手材(150x90x3mm)を作成した。
(成形品の透明性の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物の試験片を用いてJIS K7361に準じ、試験片厚み3mmの光線透過率を測定し、光線透過率が80%以上を良好とした。
上記で得られた各種樹脂組成物の試験片を用いてJIS K7361に準じ、試験片厚み3mmの光線透過率を測定し、光線透過率が80%以上を良好とした。
(成形品のノッチ付きシャルピー衝撃強度の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ105℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cm2にてISO試験法に準じた試験片を作成し、得られた試験片を用いてISO 179−1、ISO75−2に準じノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。ノッチ付きシャルピー衝撃強度が30KJ/m2以上を良好とした。
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ105℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cm2にてISO試験法に準じた試験片を作成し、得られた試験片を用いてISO 179−1、ISO75−2に準じノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。ノッチ付きシャルピー衝撃強度が30KJ/m2以上を良好とした。
ポリカーボネート樹脂組成物が本発明の構成要件を満足する場合(実施例1〜3)にあっては、摺動性、透明性、衝撃強度のそれぞれに亘って良好な結果を示した。
一方、ポリカーボネート樹脂組成物が本発明の構成要件を満足しない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
アルキルケテンダイマーが添加されていない例(比較例1)およびアルキルケテンダイマーの添加量が本発明の定める範囲よりも少ない例(比較例2)においては、何れも摺動性に劣っていた。
比較例3はアルキルケテンダイマーの添加量が本発明の定める範囲より多い事から、造粒困難よりペレットが作成出来なかった。
アルキルケテンダイマーが添加されていない例(比較例1)およびアルキルケテンダイマーの添加量が本発明の定める範囲よりも少ない例(比較例2)においては、何れも摺動性に劣っていた。
比較例3はアルキルケテンダイマーの添加量が本発明の定める範囲より多い事から、造粒困難よりペレットが作成出来なかった。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012265978A JP2014111677A (ja) | 2012-12-05 | 2012-12-05 | テープカッター |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012265978A JP2014111677A (ja) | 2012-12-05 | 2012-12-05 | テープカッター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014111677A true JP2014111677A (ja) | 2014-06-19 |
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ID=51169033
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JP2012265978A Pending JP2014111677A (ja) | 2012-12-05 | 2012-12-05 | テープカッター |
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Country | Link |
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2012
- 2012-12-05 JP JP2012265978A patent/JP2014111677A/ja active Pending
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