JP2014110714A - 地絡保護装置 - Google Patents

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健一 海老原
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Abstract

【課題】サイリスタ起動方式を適用した発電プラントにおいて、外部電源印可方式での地絡保護を行う場合に、サイリスタ起動装置の地絡事故時による地絡電流を制限し、外部電源印可のための変圧器を焼損しないようにした地絡保護装置を得る。
【解決手段】サイリスタ起動装置2を用いて発電機1に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式において、発電機1の巻線導体に変圧器5を介して低周波の交流電力を供給する外部電源3を設け、発電機の主回路に配置された計器用変流器6と地絡保護継電器7により地絡事故を検出すると共に、変圧器5の発電機主回路側に設けられた巻線に並列に接続された第1の抵抗器8と、この第1の抵抗器8と接地側との間に直列接続された第2の抵抗器9により、変圧器5に流れる地絡電流を制限する。
【選択図】図1

Description

この発明は、タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式を適用した発電プラントにおいて、サイリスタ起動装置および発電機の地絡事故に対する保護を実現する地絡保護装置に関するものである。
サイリスタ起動装置は、発電プラントにおいて発電機を低周波起動する際に、サイリスタ変換器を用いて交流電流を供給することにより。同期発電機を同期電動機として使用するものであり、エネルギーの有効な利用を図るため、火力発電所のガスタービン起動時などに広く利用されている。
このような発電機の起動装置において、複数の発電機を共通のサイリスタ起動装置で起動するプラントの場合、起動用電源装置と各発電機との間の主回路に遮断器を設け、これら遮断器のうち1つの遮断器を切替制御装置によって選択して閉成することにより発電機に起動用の交流電力を供給して発電機を起動するようにしている。そして、上記主回路に3巻線の計器用変圧器を設け、その三次巻線に零相電圧を検出する地絡過電圧継電器を接続して、複数の発電機の地絡事故を検出するようにしている(特許文献1を参照)。
一方、発電機の固定子(ステータ)巻線の地絡事故を検出するために、インジェクション信号源から低周波の周波数を持った方形波のインジェクション信号をインジェクション変成器および接地抵抗を介して発電機の主回路に供給し、固定子(ステータ)巻線の星型ポイントを接地電位に対してバイアスするようにし、上記接地抵抗の両端に発生する電圧を測定変成器を介して評価ユニット(地絡保護継電器)に入力することにより、この評価ユニットで発電機の地絡事故を検出するようにしている(特許文献2を参照)。
特開2010−130704号公報 特開平7−83984号公報
特許文献1の発電機の起動装置は、サイリスタ起動装置を用いて発電機を起動するものの、発電機の地絡事故の検出は特許文献2のようにインジェクション信号などの外部電源印加方式を採用したものでなく、地絡事故からの100%の保護については課題がある。
一方、特許文献2の地絡事故検出方法は、発電機などの電気機器における通常運転時の地絡事故を検出するもので、サイリスタ起動装置の地絡事故については何ら対策は採られていない。
特許文献2の地絡事故検出方法をサイリスタ起動方式を適用した発電プラントに適用した場合、サイリスタ起動装置の地絡事故で発生した直流電流によって測定変成器が焼損しないよう、サイリスタ起動装置の起動中は発電機主回路と測定変成器の間に遮断器を設置し、発電機主回路から測定変成器を遮断する必要がある。
このため、回路遮断中は地絡保護継電器が発電機主回路と切り離されるため、地絡保護継電器を動作させることが出来ないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、外部電源印可方
式においてサイリスタ起動装置が起動中であったとしても、地絡保護継電器を発電機主回路から遮断することなく、常時、地絡保護を可能にする地絡保護装置を提供することを目的とするものである。
この発明に係る地絡保護装置は、タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式において、発電機の巻線導体に変圧器を介して低周波の交流電力を供給する外部電源、発電機の主回路に配置された計器用変流器、この計器用変流器に接続された地絡保護継電器、変圧器の発電機主回路側に設けられた巻線に並列に接続された第1の抵抗器、この第1の抵抗器と接地側との間に直列接続された第2の抵抗器を備えたものである。
また、この発明に係る地絡保護装置は、タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式において、発電機の巻線導体に変圧器を介して低周波の交流電力を供給する外部電源、発電機の主回路に配置された計器用変流器、この計器用変流器に接続された地絡保護継電器、変圧器の発電機主回路側に設けられた巻線に並列に接続された抵抗器を備えたものである。
また、この発明に係る地絡保護装置は、タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式において、発電機の巻線導体に変圧器を介して低周波の交流電力を供給する外部電源、発電機の主回路に配置された計器用変流器、この計器用変流器に接続された地絡保護継電器、変圧器の発電機主回路側に設けられた巻線と接地側との間に接続された抵抗器を備えたものである。
この発明によれば、サイリスタ起動装置による直流地絡事故が発生したとしても、抵抗器が地絡事故時の電流を制限するため、発電機の巻線導体に低周波の交流電力を供給する変圧器が焼損することもない。また、発電機主回路と変圧器との間に遮断器を設置する必要もないため、常時、100%地絡事故を検出することが可能となる。
この発明の実施の形態1の地絡保護装置を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態2の地絡保護装置を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態3の地絡保護装置を示す回路構成図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における地絡保護装置を図に基づいて説明する。
図1はこの発明による地絡保護装置の回路構成図である。図1において、発電機1は図示しないタービンによって駆動されるもので、タービン起動時にサイリスタ起動装置2を用いて発電機1に電力を供給し電動機として使用する。サイリスタ起動装置2は発電機1を電動機として使用するため、タービン起動時に発電機1の固定子に回転磁界を発生させるためのものである。発電機1の定格値は、例えば21KV、9623Aである。
発電機1の地絡事故を検出するため、発電機1の固定子巻線、例えば星型に接続された固定子巻線導体の星形ポイント(中性点)に接地電位に対してバイアスするための低周波(20Hz)の交流電力を供給する20Hz発生器などの外部電源3が設けられている。
外部電源3から出力される20Hzの方形波の交流電力は、20Hzの周波数のみを通過させ、他の周波数は減衰させるバンドパスフィルタ4に通してノイズを軽減させる。バンドパスフィルタ4を通過した20Hzの方形波の交流電力は、大容量電圧検出用変圧器
(VT)5の2次巻線に出力され、その1次巻線を介して発電機1の固定子巻線の中性点に供給される。大容量電圧検出用変圧器(VT)5の1次巻線と2次巻線の変圧比は、例えば10.5/√3KV:500Vになるように設定されている。
発電機1の主回路には、主回路に流れる電流を検出するための計器用変流器(CT)6が配置され、この計器用変流器6には地絡保護継電器7が接続されている。地絡保護継電器7は20Hz発生器などの外部電源3から方形波の交流電力が正常に発生しているか監視するために、バンドパスフィルタ4を介して20Hzの方形波の交流電力も入力している。
発電機1の主回路側に設けられた大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線に並列に第1の抵抗器8が接続され、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線に大電流が流れるのを防止するようにしている。また、この第1の抵抗器8と接地側との間に、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線と直列接続された第2の抵抗器9が接続されている。この第2の抵抗器9も大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線に大電流が流れるのを防止するようにしている。なお、抵抗器8、9の抵抗値としては、実施例としてはそれぞれ625Ωの抵抗が用いられている。
即ち、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線に並列に接続された第1の抵抗器8によって、発電機1側から流れる短絡電流を第1の抵抗器8側に迂回させ、大容量電圧検出用変圧器(VT)5を焼損から保護し、また、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線に直列に接続された第2の抵抗器9によって、発電機1側から流れる短絡電流を小さくし、大容量電圧検出用変圧器(VT)5を焼損から保護するようにしている。
上記構成において、発電機1の固定子に1相地絡が発生した場合、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の1次巻線に交流電流が多く流れるが、第1の抵抗器8および第2の抵抗器9により、大容量電圧検出用変圧器(VT)5に流れる地絡電流が制限されるため、大容量電圧検出用変圧器(VT)5が焼損せず、計器用変流器(CT)6で地絡電流が検出され、地絡保護継電器7が地絡事故を検出する。
一方、サイリスタ起動装置2内で地絡事故が発生した場合、通常の変圧器であれば直流回路の電流が流れた場合、インピーダンスが小さく変圧器を損傷するが、直流電流に対して大容量電圧検出用変圧器(VT)5のインピーダンスは通常の変圧器に比べ大きいため、地絡電流は第1の抵抗器8および第2の抵抗器9を経由し、計器用変流器(CT)6を通過する。この通過した電流により地絡保護継電器7はサイリスタ起動装置2で発生した地絡事故を検出する。
地絡保護継電器7における地絡事故の検出は、通常は発電機1の固定子巻線の中性点側には、外部電源3から供給される20Hzの低周波の電流しか流れていないが、地絡事故が発生すると、固定子巻線の中性点側に異常電流が発生し、外部電源3から供給される20Hzの低周波の電流が乱れるため、その異常電流を計器用変流器(CT)6で検出し、地絡保護継電器7がそれを検出することにより行われる。
なお、上記実施の形態1では、20Hzの方形波の交流電力を発電機1の巻線に供給するために大容量電圧検出用変圧器(VT)5を使用しているが、大容量電圧検出用変圧器(VT)5に代えて、通常の変圧器を使用することも可能である。
なぜならば、この実施形態1では大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線と直列に第2の抵抗器9を接続しているため、この第2の抵抗器9の効果で通常の変圧器を使用しても短絡電流は小さくなるから、変圧器の損傷を防ぐことができる。
以上のように実施の形態1の地絡保護装置は、タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式を適用した発電プラントにおいて、サイリスタ起動装置の地絡事故における電流を制限しつつ、遮断器などによるオンオフ回路を必要とせず、常時、外部電源印加方式での100%地絡保護を実現することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2における地絡保護装置を図に基づいて説明する。 図2はこの発明による地絡保護装置の回路構成図である。図2において実施の形態1の 図1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
図2において、図1と異なる点は、第1の抵抗器8と接地側との間に、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線と直列接続されていた第2の抵抗器9が省略されている点である。
この実施の形態2の発明では、発電機主回路側に設けられた大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線に並列に接続された抵抗器8によって、発電機1側から流れる短絡電流を抵抗器8側に迂回させ、大容量電圧検出用変圧器(VT)5を焼損から保護するようにしている。
上記構成において、発電機1の固定子に1相地絡が発生した場合、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の1次巻線に交流電流が多く流れるが、抵抗器8により、大容量電圧検出用変圧器(VT)5に流れる地絡電流が制限されるため、大容量電圧検出用変圧器(VT)5が焼損せず、計器用変流器(CT)6で地絡電流が検出され、地絡保護継電器7が地絡事故を検出する。
一方、サイリスタ起動装置2内で地絡事故が発生した場合、通常の変圧器であれば直流回路の電流が流れた場合、インピーダンスが小さく変圧器を損傷するが、直流電流に対して大容量電圧検出用変圧器(VT)5のインピーダンスは通常の変圧器に比べ大きいため、地絡電流は抵抗器8を経由し、計器用変流器(CT)6を通過する。この通過した電流により地絡保護継電器7はサイリスタ起動装置2で発生した地絡事故を検出する。
地絡保護継電器7における地絡事故の検出は、実施の形態1と同じにつき、説明を省略する。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3における地絡保護装置を図に基づいて説明する。
図3はこの発明による地絡保護装置の回路構成図である。図3において実施の形態1の
図1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
図3において、図1と異なる点は、発電機1の主回路側に設けられた大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線と並列に接続されていた第1の抵抗器8が省略されている点である。
この実施の形態3の発明では、発電機主回路側に設けられた大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線と直列に接続された抵抗器9によって、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線に大電流が流れるのを防止し、大容量電圧検出用変圧器(VT)5を焼損から保護するようにしている。
上記構成において、発電機1の固定子に1相地絡が発生した場合、大容量電圧検出用変圧器(VT)5の1次巻線に交流電流が多く流れるが、抵抗器9により、大容量電圧検出用変圧器(VT)5に流れる地絡電流が制限されるため、大容量電圧検出用変圧器(VT)5が焼損せず、計器用変流器(CT)6で地絡電流が検出され、地絡保護継電器7が地
絡事故を検出する。
一方、サイリスタ起動装置2内で地絡事故が発生した場合、通常の変圧器であれば直流回路の電流が流れた場合、インピーダンスが小さく変圧器を損傷するが、直流電流に対して大容量電圧検出用変圧器(VT)5のインピーダンスは通常の変圧器に比べ大きいため、地絡電流は抵抗器9を経由し、計器用変流器(CT)6を通過する。この通過した電流により地絡保護継電器7はサイリスタ起動装置2で発生した地絡事故を検出する。
地絡保護継電器7における地絡事故の検出は、実施の形態1と同じにつき、説明を省略する。
なお、上記実施の形態3では、20Hzの方形波の交流電力を発電機1の巻線に供給するために大容量電圧検出用変圧器(VT)5を使用しているが、大容量電圧検出用変圧器(VT)5に代えて、通常の変圧器を使用することも可能である。
なぜならば、この実施形態3では大容量電圧検出用変圧器(VT)5の一次巻線と直列に抵抗器9を接続しているため、この抵抗器9の効果で通常の変圧器を使用しても短絡電流は小さくなるから、変圧器の損傷を防ぐことができる。
なおこの発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:発電機、 2:サイリスタ起動装置、 3:外部電源(20Hz発生器)、
4:バンドパスフィルタ、 5:大容量電圧検出用変圧器(VT)、
6:計器用変流器(CT)、 7:地絡保護継電器、 8、9:抵抗器。

Claims (5)

  1. タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式において、前記発電機の巻線導体に変圧器を介して低周波の交流電力を供給する外部電源、前記発電機の主回路に配置された計器用変流器、この計器用変流器に接続された地絡保護継電器、前記変圧器の発電機主回路側に設けられた巻線に並列に接続された第1の抵抗器、この第1の抵抗器と接地側との間に直列接続された第2の抵抗器を備えた地絡保護装置。
  2. 前記変圧器として大容量電圧検出用変圧器を使用した請求項1に記載の地絡保護装置。
  3. タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式において、前記発電機の巻線導体に変圧器を介して低周波の交流電力を供給する外部電源、前記発電機の主回路に配置された計器用変流器、この計器用変流器に接続された地絡保護継電器、前記変圧器の発電機主回路側に設けられた巻線に並列に接続された抵抗器を備えた地絡保護装置。
  4. タービン起動時にサイリスタ起動装置を用いて発電機に電力を供給し電動機として使用するサイリスタ起動方式において、前記発電機の巻線導体に変圧器を介して低周波の交流電力を供給する外部電源、前記発電機の主回路に配置された計器用変流器、この計器用変流器に接続された地絡保護継電器、前記変圧器の発電機主回路側に設けられた巻線と接地側との間に接続された抵抗器を備えた地絡保護装置。
  5. 前記変圧器として大容量電圧検出用変圧器を使用した請求項4に記載の地絡保護装置。
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