JP2014110485A - 同期維持装置、局側装置、同期クロックの維持方法及び通信システム - Google Patents

同期維持装置、局側装置、同期クロックの維持方法及び通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 選択可能な複数の同期網のうちの1つから基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持する。
【解決手段】 本発明の同期維持装置(クロックボード11A)は、参照クロックの選択肢として複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを含み、選択後の参照クロックから同期クロックを生成するクロック生成部33と、クロック生成部33に参照させる基準クロックを選択可能であり、選択した方の基準クロックが所定の切替条件を満たすか否かを判定可能な制御部32とを備える。制御部32は、切替条件を満たした場合に、参照クロックを他の基準クロックに切り替える指示をクロック生成部33に通知する。クロック生成部33は、その指示があった場合に、指示前の基準クロックから生成していた同期クロックCLaと同じ周波数及び位相の同期クロックを、指示後の基準クロックから生成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の同期網からの情報を利用してクロック同期や時刻同期を維持する同期維持装置、この装置を有する局側装置、その装置が行う同期クロックの維持方法、並びに、その局側装置を含む通信システムに関する。
近年、モバイルトラフィックの増加を背景として、10G−EPONなどのキャリア網をモバイルバックホールとして利用する検討がなされている。
この場合、移動端末のハンドオーバーを適切に行うためには、各基地局装置のローカル時刻と搬送波周波数を合わせる必要がある。従って、PONをモバイルバックホールとして利用する場合、コアネットワークに接続されたPONには、自身のネットワーク内の通信ノードはもとより、他のキャリア網とも同期していることが求められる。
そこで、非特許文献1に示すように、GPS受信機で取得したToD(Time of Day)、1PPS(Pulse Per Second )及び10MHz正弦波の網同期クロックと、DCS(Digital Clock Supply)で取得した64k+8kの網同期クロックとをリファレンスとして、周波数と時刻の同期を図る、ハイブリット同期型の10G−EPONのOLT(Optical Line Terminal )が既に開発されている。
非特許文献1に記載の通り、ONU(Optical Network Unit )は、IEEE1588などで標準化されたPTP(Precision Timing Protocol)方式によりOLTと時刻を同期させることができ、下りフレームの同期用区間から再生した伝送クロックに基づいてOLTと同じ同期クロックを生成することで、OLTと周波数を同期させることができる。
従って、OLTと同期した時刻と周波数をONUが基地局装置に供給すれば、ONUの配下の基地局装置のローカル時刻と搬送波周波数を合わせることができる。
「周波数・時刻ハイブリッド同期型10G-EPONシステムの試作評価」 田代隆義他5名 電子情報通信学会 2012年秋ソサイエティ大会 B-8-20
現在、同期用のリファレンスとしてGPSが広く利用されている。その理由は、GPSでは、同期情報として、上記の10MHzの高精度なクロックと、これに同期したToDと、タイミングリファレンスパルスである1PPSの3つが含まれ、周波数同期と時刻同期の双方に対応できるからである。
しかし、GPSの同期情報は、GPS衛星からの無線信号によって取得するものであるから、落雷その他の気象変化によって一時的に取得できなくなる場合がある。
従って、OLTがGPSの網同期クロックのみを参照して同期クロックを生成すると、OLTの設置場所の状況により、あるPONではGPSとクロック同期ができていても、他のPONではGPSのクロック同期が達成できていない可能性があり、この場合、各PONのONUに繋がる基地局装置の搬送周波数がずれることになる。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、選択可能な複数の同期網のうちの1つから基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持できる同期維持装置等を提供することを第1の目的とする。
なお、上述の非特許文献1には、OLTがGPSの網同期クロックとDCSの網同期クロックの双方に同期可能であることが記載されているが、OLTの内部構成が明らかではなく、GPSの網同期クロックを取得できない場合に、DCSの網同期クロックをどのように利用するかについては記載されていない。
ところで、わが国では、NTTなどの通信事業者が、GPSの同期網(以下、「GPS同期網」又は「第1同期網」ともいう。)とは独立した、独自の同期網(以下、「DCS同期網」又は「第2同期網」ともいう。)を所有している。
従って、OLTが生成する同期クロックの参照元をGPS同期網とDCS同期網の2つに冗長化すれば、同期クロックの維持や耐故障性の向上などに役立つと考えられる。
しかし、通信事業者が独自に運用するDCS同期網には、通常、高精度な網同期クロックが含まれているものの、そのクロックに同期したToDなどの基準時刻が含まれていないのが現状である。
従って、同期クロックを生成する場合の参照元を冗長化できても、同期時刻を生成する場合の参照元を冗長化できないので、落雷などの気象変化でGPS信号を一時的に受信できない場合には、OLTがGPS同期網との時刻同期を図ることができなくなる。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、時刻同期網から基準時刻を適切に取得できなくなっても、これまで通りの時刻同期を維持できる同期維持装置等を提供することを第2の目的とする。
(1) 本発明の同期維持装置は、参照クロックの選択肢として複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを含み、選択後の参照クロックから同期クロックを生成するクロック生成部と、前記クロック生成部に参照させる基準クロックを選択可能であり、選択した方の基準クロックが所定の切替条件を満たすか否かを判定可能な制御部と、を備えており、前記制御部は、前記切替条件を満たした場合に、参照クロックを他の基準クロックに切り替える指示を前記クロック生成部に通知し、前記クロック生成部は、前記指示があった場合に、前記指示前の基準クロックから生成していた前記同期クロックと同じ周波数及び位相の同期クロックを、前記指示後の基準クロックから生成することを特徴する。
本発明において、「所定の切替条件」を満たす場合とは、例えば、選択中の基準クロックのエラーを検出した場合や、外部から何らかの操作指示があった場合が該当する。外部からの指示には、例えば、オペレータの操作による人為的な切り替え指示がある。
本発明の同期維持装置によれば、制御部が、選択した方の基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、参照クロックを他の基準クロックに切り替える指示をクロック生成部に通知し、クロック生成部は、その指示があった場合に、指示前の基準クロックから生成していた前記同期クロックと同じ周波数及び位相の同期クロックを、指示後の基準クロックから生成するので、選択可能な複数の同期網のうちの1つ(例えば、GPS同期網)の基準クロックにエラー等があったために、その基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持することができる。従って、前記第1の目的が達成される。
(2) 本発明の同期維持装置は、複数の同期網のうちの時刻同期網から基準時刻を所定時間ごとに取得し、その所定時間と同期する時間間隔の同期時刻を生成する時刻生成部を、更に備えていてもよい。
この場合、前記時刻生成部は、前記基準時刻に欠落があった場合又は前記指示があった場合に、前記時刻同期網以外の他の同期網から取得した基準クロックに基づく前記時間間隔にて前記同期時刻を生成することが好ましい。
本発明の同期維持装置によれば、時刻生成部が、基準時刻に欠落があった場合又は制御部からの基準クロックの切り替え指示があった場合に、時刻同期網以外の他の同期網から取得した基準クロックに基づく時間間隔にて同期時刻を生成するので、時刻同期網(例えば、GPS同期網)の基準時刻や基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りの時刻同期を維持することができる。従って、前記第2の目的が達成される。
(3) 本発明の局側装置は、上述の(1)又は(2)のいずれかに記載の同期維持装置と、前記同期維持装置が生成する前記同期クロックが入力される送受信ユニットと、を備えた局側装置であって、前記送受信ユニットは、入力された前記同期クロックに基づく所定の伝送クロックにて配下の宅側装置に下りフレームを送信する通信インタフェースを有することを特徴とする。
本発明の局側装置によれば、送受信ユニットの通信インタフェースが、同期クロックに基づく所定の伝送クロックにて配下の宅側装置に下りフレームに送信するので、宅側装置が所定の伝送クロックの下りフレームから同期クロックを再生すれば、特定の同期網と同期する同期クロックを配下の宅側装置に使用させることができる。
従って、局側装置の配下のすべての宅側装置やこれに接続する外部機器について、クロック同期を図ることができる。
本発明の局側装置において、前記同期維持装置が生成する前記同期時刻が前記送受信ユニットに入力される場合には、前記通信インタフェースは、入力された前記同期時刻に基づくタイムスタンプを記した同期用フレームを配下の前記宅側装置に送信することが好ましい。
このようにすれば、局側装置の配下のすべての宅側装置やこれに接続する外部機器について、時刻同期を図ることができる。
(4) 本発明方法は、参照クロックの選択肢として複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを用いて行う、同期クロックの維持方法であって、複数の基準クロックの中から選択した1つの基準クロックから同期クロックを生成するステップと、選択中の基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、参照クロックを他の基準クロックに切り替えるステップと、切り替え前の基準クロックから生成していた前記同期クロックと同じ周波数及び位相の同期クロックを、切り替え後の基準クロックから生成するステップと、を含むことを特徴する。
本発明方法によれば、選択中の基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、参照クロックを他の基準クロックに切り替え、切り替え前の基準クロックから生成していた同期クロックと同じ周波数及び位相の同期クロックを、切り替え後の基準クロックから生成するので、選択可能な複数の同期網のうちの1つ(例えば、GPS同期網)の基準クロックにエラー等があったために、その基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持することができる。従って、前記第1の目的が達成される。
(5) 本発明の通信システムは、コアネットワークに繋がる複数のキャリア網を備えた通信システムであって、前記キャリア網は、同期クロックの生成に用いる基準クロックを複数の同期網から取得可能な局側装置と、前記局側装置が送信する下りフレームから前記同期クロックを再生する宅側装置とを含み、前記局側装置は、複数の同期網の1つから取得した基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、その基準クロックから生成していた前記同期クロックと同じ周波数と位相の同期クロックの生成を、他の同期網から取得した基準クロックを用いて維持することを特徴とする。
本発明の通信システムによれば、局側装置が、複数の同期網の1つから取得した基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、その基準クロックから生成していた同期クロックと同じ周波数と位相の同期クロックの生成を、他の同期網から取得した基準クロックを用いて維持するので、複数の同期網のうちの1つ(例えば、GPS同期網)の基準クロックにエラー等があったために、その基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持することができる。従って、前記第1の目的が達成される。
本発明の通信システムにおいて、前記局側装置が、複数の同期網のうちの時刻同期網から基準時刻を所定時間ごとに取得し、その所定時間と同期する時間間隔の同期時刻を生成可能であり、前記宅側装置が、前記局側装置と送受信する同期用メッセージにて前記局側装置と時刻同期が可能であること好ましい。
また、この場合、前記局側装置は、前記基準時刻に欠落があった場合、或いは、前記時刻同期網から取得する基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、前記同期時刻の生成を、他の同期網から取得した基準クロックを用いて維持することが好ましい。
本発明の通信システムによれば、局側装置が、基準時刻に欠落があった場合、或いは、その時刻同期網から取得する基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、同期時刻の生成を、他の同期網から取得した基準クロックを用いて維持するので、基準時刻の欠落や時刻同期網の基準クロックのエラー等のために、基準時刻を適切に取得できなくなっても、これまで通りの時刻同期を維持することができる。従って、前記第2の目的が達成される。
(6) 他の観点から見た本発明の同期維持装置は、複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを選択する手段と、所定の切替条件を満たした場合に、主とする基準クロックから従とする基準クロックに選択を切り替える手段と、選択された基準クロックから所定の周波数の同期クロックを生成する手段と、選択の切り替え時に生じる同期クロックの位相差を記憶する手段と、前記同期クロックの位相を補正する手段を有し、記憶した前記位相差を用いて選択後の同期クロックの位相を補正することにより、切り替え時の同期クロックの位相を維持することを特徴とする。
本発明の同期維持装置によれば、基準クロックの選択の切り替え時にその位相差を記憶しておき、記憶した位相差を用いて選択後の同期クロックの位相を補正することにより、切り替え時の同期クロックの位相を維持するので、ある同期網の基準クロックが何らかの原因で取得できなくなっても、他の同期網の基準クロックによってこれまで通りのクロック同期を維持することができる。従って、前記第1の目的が達成される。
以上の通り、本発明によれば、選択可能な複数の同期網のうちの1つから基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持することができる。
また、本発明によれば、時刻同期網から基準時刻を適切に取得できなくなっても、これまで通りの時刻同期を維持することができる。
本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。 OLTの同期情報の生成及び伝送に関する機能ブロック図である。 OSUの同期情報の生成及び伝送に関する機能ブロック図である。 クロックボードの内部構成を示す機能ブロック図である。 制御部による参照クロックの選択ポリシーを示す表である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔通信システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の通信システムは、通信事業者のキャリア網2をモバイルバックホールとして利用した移動体通信網を構成しており、コアネットワーク1と、このネットワーク1に繋がる有線通信網である複数のキャリア網2を備えている。
キャリア網2は、例えば10G−EPONなどのPONよりなる。図1の例では、PONよりなるキャリア網2が2つ図示されているが、3つ以上のキャリア網2がコアネットワーク1に接続されていてもよい。
各PON2,2…は、1つのOLT3と、OLT3と光ファイバによりP2MP形態で接続された複数のONU4とを備えている。各々のONU4には、1又は複数の基地局装置5が接続されている。
基地局装置5は、例えば3GPPやLTEなどの通信方式を採用しており、図示しない携帯電話機などの移動端末との無線通信が可能である。移動端末は、いずれかの基地局装置5のセル内において当該基地局装置5と無線通信を行う。
各OLT3には、後述の「同期情報」を含むGPS信号を受信可能な2つのGPS受信機7A,7Bが接続され、GPS同期の耐故障性を強化した冗長構成となっている。2つのGPS受信機7A,7Bの設置位置は、特に限定されないが、例えばOLT3が設置される局舎の屋上に、所定の距離だけ離れた状態で設置されている。
2つのGPS受信機7A,7Bは、受信した同期情報をそれぞれOLT3に入力する。OLT3は、2つのGPS受信機7A,7Bから入力された同期情報のうちのいずれか一方を、時刻や周波数の同期処理ためのリファレンスとして使用する。
第1同期網を構成するGPS衛星6が送信する「同期情報」には、高精度な10MHzの網同期クロックと、1秒ごとのパルス信号である「1PPS」(「PPS」ともいう。)と、これらに同期した1秒ごとに進行する時刻情報である「ToD」とが含まれる。
各OLT3には、64k+8kの網同期クロックを受信可能な2つのDCS受信機8A,8Bが接続され、DCS同期の耐故障性を強化した冗長構成となっている。2つのDCS受信機8A,8Bは、通信事業者が独自に運用する第2同期網に繋がっており、第2同期網から受信した網同期クロックをOLT3に入力する。
OLT3は、2つのDCS受信機8A,8Bから入力された網同期クロックのうちのいずれか一方を、周波数の同期処理ためのリファレンスとして使用する。
なお、以下において、GPS受信機7A,7Bから取得する10MHzの網同期クロックを「GPSクロック」といい、DCS受信機8A,8Bから受信する64kHzと8kHzの合成クロック信号である網同期クロックを「DCSクロック」という場合がある。
図1の移動体通信網において、ONU4に繋がる複数の基地局装置5が移動端末のハンドオーバーを適切に実行するには、各々の基地局装置5のローカル時刻と搬送周波数が一致している必要がある。
そこで、本実施形態のPON2では、例えばIEEE1588やIEEE802.1ASにて標準化されたPTP方式により、OLT3と各ONU4との間で時刻同期が取られている。
すなわち、OLT3は、各ONU4との間のRTT(Round Trip Time)を測定し、ToDに従って自身のマスタクロックが生成したタイムスタンプと、測定したRTTとを記した同期用メッセージを、各ONU4に送信する。
そして、各ONU4は、受信した同期用メッセージからタイムスタンプとRTTを抽出し、そのRTT分だけタイプスタンプ値を補正した時刻値を自身のローカル時刻とすることにより、OLT3との間の時刻同期を行う。
また、OLT3は、GPSクロック又はDCSクロックから生成した同期クロックを所定倍率で逓倍したクロックを用いて、所定の伝送速度(本実施形態では10Gbps)の下りフレームを生成し、生成した下りフレームを各ONU4に送信する。
各ONU4は、自身のCDR(Clock Data Recovery)により、受信した下りフレームの先頭部分に含まれる同期用区間(プリアンブル)から下りの伝送クロックを再生し、再生した伝送クロックを分周して、OLT3側と同じ10MHzのクロック信号を生成する。
そして、各ONU4は、自身に繋がる基地局装置5などの外部機器に、自身のローカル時刻と10MHzのクロック信号とを提供する。基地局装置5は、通知された時刻と10MHzのクロック信号を基準として、移動端末との無線通信を行う。
このように、本実施形態の通信システムでは、GPS衛星6の同期情報に従う各OLT3が、配下のONU4との間で時刻と周波数をアクセス同期させており、PON2に属するONU4がアクセス同期にて取得した時刻と周波数を基地局装置5に提供する。
従って、コアネットワーク1が非同期のネットワークシステムであっても、各々のPON2に属するONU4や基地局装置5などの通信ノードのローカル時刻と使用周波数を同期させることができる。
このため、基地局装置5は、どのPON2のONU4に接続されているかに関係なく、正確なローカル時刻と搬送周波数にて移動端末と無線通信することができ、隣接する他の基地局装置5とのハンドオーバーを適切に行うことができる。
〔OLTの内部構成〕
図2は、OLT3の同期クロックの生成及び伝送に関する機能ブロック図である。
図2に示すように、OLT3は、2つのクロックボード11A,11B、切替制御部12、バックプレーン13及び複数のOSU(Optical Subscriber Unit)14を備えている。これらの各部は、OLT3の筐体(図2の二点鎖線)の内部に収容されている。なお、OSU14の数は、図2で例示した16個に限定されるものではない。
図2において、OLT3内の各クロックボード11A,11Bは、本発明における「同期維持装置」を構成している。
また、図2において、ONU4と光ファイバで繋がるOSU14は、同期維持装置から同期クロックCLa,CLbや同期時刻Ta,Tbが入力される「送受信ユニット」に相当する。OLT3は、上記同期維持装置と複数の送受信ユニットとを備えたキャリア網2の「局側装置」に相当し、ONU4は、そのキャリア網2の「宅側装置」に相当する。
本実施形態では、説明の便宜上、添え字「A」又は「a」を付した場合(例えば、クロックボード11A)を「第1系統」とし、添え字「B」又は「b」を付した場合(例えば、クロックボード11B)を「第2系統」とする。
また、本明細書において、「運用系」とは、現時点において恒常的に使用している方の系統のことをいい、「予備系」とは、異常等が原因で運用系を使用しない場合に、その代わりに使用する予備的なの系統のことをいう。
第1系統のクロックボード11Aには、GPS受信機7Aの同期情報であるGPSクロック、ToD及びPPSと、DCS受信機8Aからの同期情報であるDCSクロックが入力される。
クロックボード11Aは、GPSクロック又はDCSクロックを参照クロックとして、GPSクロックと同じ周波数(10MHz)の同期クロックCLaを生成し、生成した同期クロックCLaをバックプレーン13に出力する。
クロックボード11Aは、GPS受信機7Aから所定時間(1秒)ごとに入力されるToDについては、その所定時間と同じ時間間隔(1秒)で同期する同期時刻Taを生成し、生成した同期時刻Taをバックプレーン13に出力する。
また、クロックボード11Aは、GPS受信機7Aから所定時間(1秒)ごとに入力されるPPSについても、これと同期する同期クロックであるPPSaを生成し、生成したPPSaをバックプレーン13に出力する。
第2系統のクロックボード11Bには、GPS受信機7Bの同期情報であるGPSクロック、ToD及びPPSと、DCS受信機8Bからの同期情報であるDCSクロックが入力される。
クロックボード11Bは、GPSクロック又はDCSクロックを参照クロックとして、GPSクロックと同じ周波数(10MHz)の同期クロックCLbを生成し、生成した同期クロックCLbをバックプレーン13に出力する。
クロックボード11Bは、GPS受信機7Bから所定時間(1秒)ごとに入力されるToDについては、その所定時間と同じ時間間隔(1秒)で同期する同期時刻Tbを生成し、生成した同期時刻Tbをバックプレーン13に出力する。
また、クロックボード11Bは、GPS受信機7Bから所定時間(1秒)ごとに入力されるPPSについても、これと同期する同期クロックであるPPSbを生成し、生成したPPSbをバックプレーン13に出力する。
バックプレーン13は、1本のスイッチ用信号線Cと、それぞれ2本ずつの同期情報伝送用の信号線Xa,Xb,Ya,Yb,Za,Zbとを有する。
このうち、スイッチ用信号線Cは、切替制御部12と、各OSU14に接続されている。従って、切替制御部12が出力する切り替え信号Scは、スイッチ用信号線Cを介して各OSU14にそれぞれ入力される。
同期クロックCLa伝送用の信号線Xaは、クロックボード11Aと各OSU14に接続されている。従って、クロックボード11Aが出力する同期クロックCLaは、信号線Xaを介して各OSU14にそれぞれ供給される。
同期クロックCLb伝送用の信号線Xbは、クロックボード11Bと各OSU14に接続されている。従って、クロックボード11Bが出力する同期クロックCLbは、信号線Xbを介して各OSU14にそれぞれ供給される。
PPSa伝送用の信号線Yaは、クロックボード11Aと各OSU14に接続されている。従って、クロックボード11Aが出力するPPSaは、信号線Yaを介して各OSU14にそれぞれ供給される。
PPSb伝送用の信号線Ybは、クロックボード11Bと各OSU14に接続されている。従って、クロックボード11Bが出力するPPSbは、信号線Ybを介して各OSU14にそれぞれ供給される。
Ta伝送用の信号線Zaは、クロックボード11Aと各OSU14に接続されている。従って、クロックボード11Aが出力する同期時刻Taは、信号線Zaを介して各OSU14にそれぞれ供給される。
Tb伝送用の信号線Xbは、クロックボード11Bと各OSU14に接続されている。従って、クロックボード11Bが出力する同期時刻Tbは、信号線Zbを介して各OSU14にそれぞれ供給される。
切替制御部12は、筐体内の基板(図示せず)が出力するボード検出信号に基づいて、いずれかのクロックボード11A,11Bが基板のコネクタに正常に挿入されているか否かを検出する、異常検出機能を有する。
また、切替制御部12は、その他の異常検出機能として、同期クロックCLa,CLbなどの同期情報が所望の周波数範囲を逸脱しているか否か、或いは、所望の振幅に達してないか否かを判定することにより、同期情報の異常を検出することもできる。
切替制御部12は、バックプレーン13のスイッチ用信号線Cを通じて各OSU14に切り替え信号Scを出力することにより、OSU14が使用する同期クロックなどの同期情報の参照元が、クロックボード11A又はクロックボード11Bのいずれであるかを各OSU14に通知することができる。
例えば、第1系統のクロックボード11Aを運用系とし、第2系統のクロックボード11Bを予備系とする場合は、切替制御部12は、切り替え信号Scを「第1系統」(A系)にセットする。
また、第1系統のクロックボード11Aに異常を検出したためを、第2系統のクロックボード11Bを運用系とし、第1系統のクロックボード11Aを予備系とする場合は、切替制御部12は、切り替え信号Scを「第2系統」(B系)にセットする。
〔OSUの内部構成〕
図3は、OSU14の同期情報の生成及び伝送に関する機能ブロック図である。
図3に示すように、各OSU14は、図示の上側から順に、クロック抽出部20と、この抽出部20が再生成した同期クロックが供給されるPONインタフェース21と、2つのセレクタ22,23とを内部に有する。
クロック抽出部20は、参照クロックの入力元が切り替え可能に構成されたPLL回路を内部に具備する。
クロック抽出部20のPLL回路は、切替制御部12からの切り替え信号Scによって選択された参照クロック(同期クロックCLa又は同期クロックCLb)に基づいて同期クロックを再生成し、同期状態を保持するとともに、再生成した同期クロックをPONインタフェース21に入力する。
すなわち、クロック抽出部20は、切替制御部12の切り替え信号Scが「第1系統」(A系)を指示している場合は、クロックボード11Aの同期クロックCLaを参照クロックとして自身のPLL回路に入力し、その参照クロックの同期クロックを生成させる。
また、クロック抽出部20は、切替制御部12の切り替え信号Scが「第2系統」(B系)を指示している場合は、クロックボード11Bの同期クロックCLbを、参照クロックとして自身のPLL回路に入力し、その参照クロックの同期クロックを生成させる。
セレクタ22は、PPS切替用のスイッチング素子であり、切替制御部12の切り替え信号Scに応じて、PPSa又はPPSbをPONインタフェース21に入力する。
すなわち、セレクタ22は、切り替え信号Scが「第1系統」(A系)を指示している場合は、クロックボード11AのPPSaをPONインタフェース21に入力し、切り替え信号Scが「第2系統」(B系)を指示している場合は、クロックボード11BのPPSbをPONインタフェース21に入力する。
セレクタ23は、同期時刻切替用のスイッチング素子であり、切替制御部12の切り替え信号Scに応じて、同期時刻Ta又は同期時刻TbをPONインタフェース21に入力する。
すなわち、セレクタ23は、切り替え信号Scが「第1系統」(A系)を指示している場合は、クロックボード11Aの同期時刻TaをPONインタフェース21に入力し、切り替え信号Scが「第2系統」(B系)を指示している場合は、クロックボード11Bの同期時刻TbをPONインタフェース21に入力する。
PONインタフェース21は、ONU4のPONインタフェース24との間で光ファイバを伝送路としたPON通信を行う通信インタフェースである。これらのPONインタフェース21,24は、MPCPやOAMなどの通信制御を行うMACチップや、電気信号と光信号の相互変換を行う光送受信モジュールなどの通信デバイスを備える。
PONインタフェース21は、クロック抽出部20から供給された同期クロックに基づく所定の伝送クロックにて、ONU4のPONインタフェース24とPON通信を行うことにより、ONU4のPONインタフェース24にクロック同期を行わせる。
具体的には、OSU14のPONインタフェース21は、クロック抽出部20から供給された同期クロックを所定倍率で逓倍したクロックを用いて、所定の伝送速度(本実施形態では10Gbps)の下りフレームを生成し、生成した下りフレームを各ONU4のPONインタフェース24に送信する。
ONU4のPONインタフェース24は、受信した下りフレームの先頭部分に含まれる同期用区間(プリアンブル)から下りの伝送クロックを再生し、再生した伝送クロックを分周して10MHzのクロック信号を生成し、OSU14との間のクロック同期を行う。
OSU14のPONインタフェース21は、セレクタ22から入力されたPPS(PPSa又はPPSb)とToD(Ta又はTb)に従って、自身のマスタクロックにてタイムスタンプを生成し、生成したタイムスタンプと各ONU4との間のRTTとを記した同期用メッセージを各ONU4に送信する。
ONU4のPONインタフェース24は、同期用メッセージからタイムスタンプとRTTを抽出し、そのRTT分だけタイプスタンプ値を補正した時刻値を自身のローカル時刻とすることにより、OSU14との間の時刻同期を行う。
〔クロックボードの内部構成〕
図4は、第1系統のクロックボード11Aの内部構成を示す機能ブロック図である。
なお、第2系統のクロックボード11Bの内部構成は、第1系統のクロックボード11Aの内部構成と同様であるから、その図示と詳細な説明を省略する。
図4に示すように、クロックボード11Aは、図示の左側から順に、信号抽出部30、時刻生成部31、制御部32及びクロック生成部33を備える。また、クロック生成部33は、周波数変換部34、位相比較部35、セレクタ36及びロック部37を有する。
DCS受信機8Aが出力するDCSクロック(64k+8kの網同期クロック)は、信号抽出部30に入力される。
信号抽出部30は、U/B(ユニポーラ/バイポーラ)変換回路よりなる。この変換回路は、DCS受信機8AのDCSクロックから8kHzのクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号を、クロック生成部33の周波数変換部34に入力する。
周波数変換部34は、信号抽出部30から入力された8kHzのクロック信号を10MHzのクロック信号に変換し、変換したクロック信号をセレクタ36の一方の入力端子に入力する。
GPS受信機8Aが出力するGPSクロック(10MHzの網同期クロック)は、セレクタ36の他方の入力端子に入力され、GPS受信機8Aが出力するPPSは、ロック部37に入力され、GPS受信機8Aが出力するToDは、時刻生成部31に入力される。
制御部32は、GPSクロックとDCS由来の基準クロック(8kHz)をそれぞれ監視しており、それらの信号の有無や信号がある場合の精度劣化を検出する。
例えば、制御部32は、GPSクロックの精度劣化については、それをDCS由来の基準クロック(8kHz)を10MHzに逓倍したクロックと、クロックボード11Aのその他の内部クロック(図示せず)と比較することによって判定する。
また、制御部32は、DCS由来の基準クロック(8kHz)の精度劣化については、これを10MHzに逓倍したものを、GPSクロックや内部クロックと比較することによって判定する。
図5は、制御部32による参照クロックの選択ポリシーを示す表である。
制御部32は、図5に示す選択ポリシーに従って、「GPS」、「DCS」又は「内部クロック」のいずれを参照クロックとして採用させるかを決定するとともに、決定した参照クロックの内容を、切り替え信号Sdによってクロックボード11Aの各部に指示することができる。
図5に示すように、制御部32は、「GPS」→「DCS」→「内部クロック」の順の優先順位にて、参照クロックを選択する。
具体的には、制御部32は、「GPS」が高精度である場合は、「DCS」の信号の有無や精度に関係なく、「GPS」を参照クロックとして選択する(図5のエントリ1〜3参照)。
また、制御部32は、「GPS」が低精度である場合は、「DCS」が高精度であれば「DCS」を参照クロックとして選択し(図5のエントリ4参照)、「DCS」が低精度又は信号なしの場合には、「内部クロック」を参照クロックとして選択する(図5のエントリ5及び6参照)。
更に、制御部32は、「GPS」が信号なしの場合は、「DCS」が高精度であれば「DCS」を参照クロックとして選択し(図5のエントリ7参照)、「DCS」が低精度又は信号なしの場合には、「内部クロック」を参照クロックとして選択する(図5のエントリ8及び9参照)。
図4に戻り、時刻生成部31は、所定時間(1秒)ごとに入力されるToDの時刻値を記憶するレジスタと、選択可能な参照クロックを用いてToDの入力時点からの時刻をカウントするカウンタとを有している。
時刻生成部31のカウンタは、GPSクロックとDCS由来の8kHzのクロック信号を参照クロックとして選択可能である。
時刻生成部31のカウンタは、ToDが欠落しておらず、かつ、制御部32の切り替え信号Sdが「GPS」を指示する場合は、GPSクロックに基づいて時刻をカウントし、ToDの入力時点から所定時間経過後に、ToDの時刻値の次の時刻値を出力する。
すなわち、時刻生成部31は、GPS受信機8Aの同期情報に異常がない場合は、GPSクロックに基づいてカウントした、ToDの所定時間と同期する時間間隔にて同期時刻Taを生成する。
また、時刻生成部31のカウンタは、ToDが欠落している場合や、制御部32からの切り替え信号Sdが「DCS」を指示する場合は、DCS由来の8kHzのクロック信号に基づいて時刻をカウントし、ToDの入力時点から所定時間経過後に、ToDの時刻値の次の時刻値を出力する。
すなわち、GPS受信機8Aからの同期情報に異常がある場合は、DCS由来の8kHzのクロック信号(基準クロック)に基づいてカウントした、ToDの所定時間と同期した時間間隔にて同期時刻Taを生成する。
セレクタ36は、2入力1出力が可能なスイッチング素子よりなる。セレクタ36の一方の入力端子には、DCS由来の10MHzの基準クロックが入力され、他方の入力端子には、GPSクロックが入力される。
セレクタ36は、制御部32の切り替え信号Sdによる指示が「GPS」である場合は、GPSクロックをロック部37に入力し、その切り替え信号Sdによる指示が「DCS」である場合は、DCS由来の10MHzの基準クロックをロック部37に入力する。
位相比較部35は、GPSクロックとDCS由来の10MHzの基準クロックとの位相差を検出しており、制御部32の切り替え信号Sdによる指示が切り替わった場合に、検出した位相差をロック部37に通知する。
ロック部37は、PPSクロック及び10MHzクロックとそれぞれ位相同期する少なくとも2種類のPLL回路を含む。このうち、ロック部37のPPS用のPLL回路は、入力されたPPSを参照クロックとしてこれに同期したクロック信号であるPPSaを生成する。
一方、ロック部37の10MHz用のPLL回路は、セレクタ36から入力された基準クロックを参照クロックとして、これに同期したクロック信号である同期クロックCLaを生成する。
また、この10MHz用のPLL回路は、位相比較部35から位相差が入力された場合には、その位相差の分だけ位相をオフセットして上記の同期クロックCLaを生成する。
〔クロックボード及びOLTの効果〕
以上の通り、本実施形態のクロックボード11A,11B(同期維持装置)によれば、制御部32が、選択中のGPSクロックのエラーを検出した場合に、参照クロックをDCS由来の基準クロックに切り替える指示をクロック生成部33に通知し、クロック生成部33は、その指示があった場合に、その指示前にGPSクロックから生成していた同期クロックCLaと同じ周波数及び位相の同期クロックを、その指示後のDCS由来の基準クロックから生成する。
より具体的には、位相比較部35が、基準クロックの選択の切り替え時に位相差を検出してそれを記憶しており、ロック部37が、選択が切り替えられた後の基準クロックから同期クロックCLbを生成する場合に、位相比較部35から通知された位相差を用いてその同期クロックCLbの位相を補正することにより、切り替え時の同期クロックCLaの位相を維持する。
従って、落雷などの気象変化によって第1同期網(GPS同期網)のGPSクロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持することができる。
このため、OLT3は、落雷などの外乱の発生前と同じ同期クロックCLa,CLbにて、配下のONU4とのクロック同期を維持することができ、その外乱によってONU4に繋がる基地局装置5の搬送周波数がずれるのを未然に防止することができる。
なお、本実施形態のクロックボード11A,11Bでは、上記とは逆に、制御部32は、選択中のDCS由来の基準クロックのエラーを検出した場合に、参照クロックをGPSクロックに切り替える指示をクロック生成部33に通知し、クロック生成部33は、その指示があった場合に、その指示前にDCS由来の基準クロックから生成していた同期クロックCLbと同じ周波数及び位相の同期クロックを、その指示後のGPSクロックから生成することもできる。
従って、何らかの原因で第2同期網(DCS同期網)の基準クロックにエラーが発生したために、第2同期網の網同期クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りのクロック同期を維持することができる。
また、本実施形態のクロックボード11A,11Bによれば、時刻生成部31が、第1同期網のToDに欠落があった場合やGPSクロックにエラーがあった場合に、第2同期網から取得したDCS由来の基準クロックに基づく時間間隔にて同期時刻Ta,Tbを生成する。
従って、落雷などの気象変化によって第1同期網(GPS同期網)のToDやGPSクロックを適切に取得できなくなった場合でも、これまで通りの時刻同期を維持することができる。
このため、OLT3は、落雷などの外乱の発生前と同じ同期時刻Ta,Tbにて、配下のONU4との時刻同期を維持することができ、その外乱によってONU4に繋がる基地局装置5のローカル時刻がずれるのを未然に防止することができる。
本実施形態のOLT3によれば、OLT3に搭載された複数のOSU14のPONインタフェース21が、同期クロックCLa,CLbに基づく所定の伝送クロックにて配下のONU4に下りフレームを送信し、ONU4のPONインタフェース24が、所定の伝送クロックの下りフレームから同期クロックCLa,CLbを再生する。
従って、OLT3の配下のすべてのONU4や、これに接続する基地局装置5などの外部機器について、クロック同期を図ることができる。
また、本実施形態のOLT3によれば、OLT3に搭載された複数のOSU14のPONインタフェース21が、クロックボード11A,11Bから入力された同期時刻Ta,Tbに基づくタイムスタンプを記した同期用メッセージをONU4に送信し、ONU5のPONインタフェース24が、その同期用メッセージから抽出したタイムスタンプを用いて自身のローカル時刻を設定する。
従って、OLT3の配下のすべてのONU4や、これに接続する基地局装置5などの外部機器について、時刻同期を図ることができる。
〔その他の変形例〕
本発明の権利範囲は、上述の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びその構成と均等な範囲内のすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、GPS受信機7A,7B及びDCS受信機8A,8Bとクロックボード11A,11Bがそれぞれ2つある冗長構成の場合を例示したが、これらの各部材を1つずつ設けた単独構成を採用してもよい。
また、上述の実施形態において、キャリア網2は、PON以外の有線通信網を採用することができる。
例えば、キャリア網2は、ツリー構造のActiON(Active Optical Network)であってもよいし、同軸ケーブル(Coax)を使用したCDN(Coaxial Distribution Network )やHFC(Hybrid Fiber-Coaxial Network)であってもよい。
上述の実施形態では、選択中の基準クロック(GPSクロック)を他の基準クロック(DCSクロック)に切り替える契機として、選択中の基準クロックにエラーを検出した場合を例示したが、その切り替えの契機は、例えば、オペレータによる手動の操作入力などの外部からの指示信号であってもよい。
この場合、アンテナ等のメンテナンスのためにGPS受信機7A,7Bの動作を停止する前に、基準クロックをDCSクロックに強制的に切り替えれば、クロック同期や時刻同期を維持することができる。
〔付記〕
上述の〔課題を解決するための手段〕の欄では、第1の目的を主眼として発明の構成とその作用効果を展開したが、第2の目的を主眼として発明の構成(請求項)とその作用効果を展開すると、例えば次のようになる。
(請求項1)
複数の同期網のうちの時刻同期網から基準時刻を所定時間ごとに取得し、その所定時間と同期する時間間隔の同期時刻を生成する時刻生成部と、
前記時刻生成部に参照させる基準クロックを選択可能であり、選択した方の基準クロックが所定の切替条件を満たすか否かを判定可能な制御部と、を備えており、
前記制御部は、前記切替条件を満たした場合に、参照クロックを前記時刻同期網以外の他の同期網の基準クロックに切り替える指示を前記時刻生成部に通知し、
前記時刻生成部は、前記基準時刻に欠落があった場合又は前記指示があった場合に、前記他の同期網の基準クロックに基づく前記時間間隔にて前記同期時刻を生成することを特徴とする同期維持装置。
(請求項1の効果)
本発明の同期維持装置によれば、時刻生成部が、基準時刻に欠落があった場合又は制御部からの基準クロックの切り替え指示があった場合に、時刻同期網以外の他の同期網から取得した基準クロックに基づく時間間隔にて同期時刻を生成するので、時刻同期網(例えば、GPS同期網)の基準時刻や基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りの時刻同期を維持することができる。従って、前記第2の目的が達成される。
(請求項2)
請求項1に記載の同期維持装置と、
前記同期維持装置が生成する前記同期時刻が入力される送受信ユニットと、を備えた局側装置であって、
前記送受信ユニットは、入力された前記同期時刻に基づくタイムスタンプを記した同期用フレームを配下の宅側装置に送信する通信インタフェースを有することを特徴とする局側装置。
(請求項2の効果)
本発明の局側装置によれば、局側装置の通信インタフェースが、入力された同期時刻に基づくタイムスタンプを記した同期用フレームを配下の宅側装置に送信するので、局側装置の配下のすべての宅側装置やこれに接続する外部機器について、時刻同期を図ることができる。
(請求項3)
複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを用いて行う、同期時刻の維持方法であって、
複数の同期網のうちの時刻同期網から基準時刻を所定時間ごとに取得し、その所定時間と同期する時間間隔の同期時刻を生成するステップと、
前記同期時刻の生成のために選択した基準クロックが、所定の切替条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記基準時刻に欠落があった場合又は前記切替条件を満たした場合に、前記時刻同期網以外の他の同期網から取得した基準クロックに基づく前記時間間隔にて前記同期時刻を生成するステップと、
を含むことを特徴とする同期時刻の維持方法。
(請求項3の効果)
本発明の同期時刻の維持方法によれば、基準時刻に欠落があった場合又は所定の切替条件を満たした場合に、時刻同期網以外の他の同期網から取得した基準クロックに基づく時間間隔にて同期時刻を生成するので、時刻同期網(例えば、GPS同期網)の基準時刻や基準クロックを適切に取得できなくなっても、これまで通りの時刻同期を維持することができる。従って、前記第2の目的が達成される。
(請求項4)
コアネットワークに繋がる複数のキャリア網を備えた通信システムであって、
前記キャリア網は、複数の同期網のうちの時刻同期網から基準時刻を所定時間ごとに取得し、その所定時間と同期する時間間隔の同期時刻を生成する局側装置と、前記局側装置と同受信する同期用メッセージにて前記局側装置と時刻同期が可能な宅側装置とを含み、
前記局側装置は、前記基準時刻に欠落があった場合、或いは、前記時刻同期網から取得する基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、前記同期時刻の生成を、他の同期網から取得した基準クロックを用いて維持することを特徴とする通信システム。
(請求項4の効果)
本発明の通信システムによれば、局側装置が、基準時刻に欠落があった場合、或いは、その時刻同期網から取得する基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、同期時刻の生成を、他の同期網から取得した基準クロックを用いて維持するので、基準時刻の欠落や時刻同期網の基準クロックのエラー等のために、基準時刻を適切に取得できなくなっても、これまで通りの時刻同期を維持することができる。従って、前記第2の目的が達成される。
1 コアネットワーク
2 PON(キャリア網)
3 OLT(局側装置)
4 ONU(宅側装置)
5 基地局装置
6 GPS衛星
7A GPS受信機
7B GPS受信機
8A DCS受信機
8B DCS受信機
11A クロックボード(同期維持装置)
11B クロックボード(同期維持装置)
12 切替制御部
13 バックプレーン
14 OSU(送受信ユニット)
20 クロック抽出部
21 PONインタフェース(通信インタフェース)
30 信号抽出部
31 時刻生成部
32 制御部
33 クロック生成部
CLa 同期クロック
CLb 同期クロック
Ta 同期時刻
Tb 同期時刻

Claims (6)

  1. 参照クロックの選択肢として複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを含み、選択後の参照クロックから同期クロックを生成するクロック生成部と、
    前記クロック生成部に参照させる基準クロックを選択可能であり、選択した方の基準クロックが所定の切替条件を満たすか否かを判定可能な制御部と、を備えており、
    前記制御部は、前記切替条件を満たした場合に、参照クロックを他の基準クロックに切り替える指示を前記クロック生成部に通知し、
    前記クロック生成部は、前記指示があった場合に、前記指示前の基準クロックから生成していた前記同期クロックと同じ周波数及び位相の同期クロックを、前記指示後の基準クロックから生成することを特徴する同期維持装置。
  2. 複数の同期網のうちの時刻同期網から基準時刻を所定時間ごとに取得し、その所定時間と同期する時間間隔の同期時刻を生成する時刻生成部を、更に備えており、
    前記時刻生成部は、前記基準時刻に欠落があった場合又は前記指示があった場合に、前記時刻同期網以外の他の同期網から取得した基準クロックに基づく前記時間間隔にて前記同期時刻を生成する請求項1に記載の同期維持装置。
  3. 請求項1又は2に記載の同期維持装置と、
    前記同期維持装置が生成する前記同期クロックが入力される送受信ユニットと、を備えた局側装置であって、
    前記送受信ユニットは、入力された前記同期クロックに基づく所定の伝送クロックにて配下の宅側装置に下りフレームを送信する通信インタフェースを有することを特徴とする局側装置。
  4. 複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを用いて行う、同期クロックの維持方法であって、
    複数の基準クロックの中から選択した1つの基準クロックから同期クロックを生成するステップと、
    選択中の基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、参照クロックを他の基準クロックに切り替えるステップと、
    切り替え前の基準クロックから生成していた前記同期クロックと同じ周波数及び位相の同期クロックを、切り替え後の基準クロックから生成するステップと、
    を含むことを特徴する同期クロックの維持方法。
  5. コアネットワークに繋がる複数のキャリア網を備えた通信システムであって、
    前記キャリア網は、同期クロックの生成に用いる基準クロックを複数の同期網から取得可能な局側装置と、前記局側装置が送信する下りフレームから前記同期クロックを再生する宅側装置とを含み、
    前記局側装置は、複数の同期網の1つから取得した基準クロックが所定の切替条件を満たした場合に、その基準クロックから生成していた前記同期クロックと同じ周波数と位相の同期クロックの生成を、他の同期網から取得した基準クロックを用いて維持することを特徴とする通信システム。
  6. 複数の同期網からそれぞれ取得した基準クロックを選択する手段と、
    所定の切替条件を満たした場合に、主とする基準クロックから従とする基準クロックに選択を切り替える手段と、
    選択された基準クロックから所定の周波数の同期クロックを生成する手段と、
    選択の切り替え時に生じる同期クロックの位相差を記憶する手段と、
    前記同期クロックの位相を補正する手段を有し、
    記憶した前記位相差を用いて選択後の同期クロックの位相を補正することにより、切り替え時の同期クロックの位相を維持することを特徴とする同期維持装置。
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