JP2014109566A - 剥離検出装置、剥離検出方法、及び、走行体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ソリッドタイヤのホイールと被覆材の間の剥離を、走行中に高い精度で検出することが可能な剥離検出装置を提供する。
【解決手段】 剥離検出装置4は、ウレタンタイヤ3の走行音を取得するマイク41と、ウレタンタイヤ3の回転数を検出する検出部44と、走行音から、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた回転音(ピーク周波数を含む帯域の音)を除去して剥離成分データを抽出する抽出部45と、抽出された剥離成分データとしきい値との比較に基づいてウレタンタイヤ3の剥離状態を判定する剥離判定部46とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 剥離検出装置4は、ウレタンタイヤ3の走行音を取得するマイク41と、ウレタンタイヤ3の回転数を検出する検出部44と、走行音から、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた回転音(ピーク周波数を含む帯域の音)を除去して剥離成分データを抽出する抽出部45と、抽出された剥離成分データとしきい値との比較に基づいてウレタンタイヤ3の剥離状態を判定する剥離判定部46とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ソリッドタイヤの剥離を検出する剥離検出装置、剥離検出方法、及び、走行体に関する。
従来から、金属ホイールにウレタン等の被覆材を接着した中実構造のソリッドタイヤでは、過走行等によりホイールと被覆材との接合部に剥離が生じるという問題があった。この剥離を検出するために、走行音に異音があるか否かを作業者が聞き分けたり、あるいは剥離に起因する粉塵等によってタイヤや走行面が変色しているか否かを作業者が目視する等の方法が採られていた。
一方、回転体の故障検出を自動で行う方法として、回転体の動作音を利用する方法が知られている。例えば、特許文献1には、タイヤが路面上を転動する際の騒音を測定し、この測定された騒音について以前の測定結果からの変化率を算出し、変化率がしきい値を越える場合にタイヤに故障が発生したものと判別する装置が開示されている。より具体的には、所定の周波数帯における騒音の音圧レベルと正常時の音圧レベルとの比較結果を用いてタイヤの故障発生が検知される。
しかしながら、上述したような作業者の五感による剥離検出では、作業者の熟練度によって検出精度にバラつきが生じ得る。また、作業者が剥離検出対象の近辺に滞在できない環境(例えば、クリーンルーム、危険作業地帯等)では、剥離の発生を早期に発見することができず、最悪の場合には、被覆材の脱落に至るおそれがあった。
また、特許文献1に開示された自動故障検出では、正常時の騒音と異常時の騒音との間でその特性上の差が小さいために故障検出精度が低いという問題があった。すなわち、故障(剥離)の程度が大きく進んだ状態にならないと、正常と異常の判別を行うことが難しいという問題があった。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、ソリッドタイヤのホイールと被覆材の間の剥離を、走行中に高い精度で検出することが可能な剥離検出装置、剥離検出方法、及び走行体を提供することを課題とする。
本発明に係る剥離検出装置は、ホイール及び該ホイールに密着された被覆材を有するソリッドタイヤの走行音を取得する音響センサと、ソリッドタイヤの回転数を検出する検出部と、走行音から、ソリッドタイヤの回転数に応じた回転音を除去して剥離成分データを抽出する抽出部と、抽出部により抽出された剥離成分データと、判定基準との比較に基づいて、ホイールと被覆材の剥離状態を判定する判定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る剥離検出方法は、ホイール及び該ホイールに密着された被覆材を有するソリッドタイヤの走行音を取得する取得ステップと、ソリッドタイヤの回転数を検出する検出ステップと、走行音から、ソリッドタイヤの回転数に応じた回転音を除去して剥離成分データを抽出する抽出ステップと、抽出ステップにおいて抽出された剥離成分データと、判定基準との比較に基づいて、ホイールと被覆材の剥離状態を判定する判定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係る剥離検出装置又は剥離検出方法によれば、ソリッドタイヤの回転数に応じた回転音(すなわちソリッドタイヤの回転数に応じて発生する音)が走行音から除去されて剥離成分データが抽出される。そして、剥離成分データと判定基準との比較に基づいて、ホイールと被覆材の剥離状態が判定される。そのため、走行中に、ホイールと被覆材の間の剥離を高い精度で検出することが可能となる。
本発明に係る剥離検出装置では、判定部が、上記判定基準として、剥離の有無に応じて設定された1つのしきい値を有し、剥離成分データと該しきい値との比較に基づいて剥離の有無を判定することが好ましい。このようにすれば、剥離の有無のみを検出したい場合に、剥離の有無を適切に判定することができる。
一方、本発明に係る剥離検出装置では、判定部が、上記判定基準として、剥離状態に応じて設定された複数のしきい値を有し、剥離成分データと複数のしきい値との比較に基づいて剥離状態を判定することも好ましい。
また、本発明に係る剥離検出装置では、判定部が、上記判定基準として、剥離状態に応じて設定された複数の基準データを有し、剥離成分データと複数の基準データとの一致度に基づいて剥離状態を判定することも好ましい。
本発明に係る剥離検出装置によれば、剥離状態に応じて設定された複数のしきい値、又は複数の基準データとの比較結果に基づいて、剥離状態(剥離の程度)が判定される。そのため、剥離の有無のみならず、剥離の程度を判定することが可能となる。
本発明に係る剥離検出装置では、抽出部が、走行音から、ソリッドタイヤの回転数に応じたピーク周波数を含む帯域の音を除去して、剥離成分データを抽出することが好ましい。
ところで、走行音は、ソリッドタイヤの回転音と剥離音とを含む。ソリッドタイヤの回転音は、回転数に同期した基本波とその倍音成分(高調波)から構成される。また、剥離音はインパルス性の音であるため、周波数領域で低域から高域まで広い周波数帯域を持つ。ここで、本発明に係る剥離検出装置によれば、回転数に応じたピーク周波数を含む帯域の音、すなわちソリッドタイヤの回転音が、走行音から除去される。よって、剥離を有するソリッドタイヤの走行音と正常なソリッドタイヤの走行音との間の差を抽出することができ、高精度な剥離検出が可能となる。
本発明に係る剥離検出装置では、抽出部が、ソリッドタイヤの回転数に応じた線形予測符号係数を用いて、走行音を逆フィルタリングして残差を求め、剥離成分データを抽出することが好ましい。
この場合、ソリッドタイヤの回転数に応じた線形予測符号係数を用いて走行音が逆フィルタリングされて残差が求められる。これにより、剥離を有するソリッドタイヤの走行音と正常なソリッドタイヤの走行音との間の顕著な差を抽出することができ、高精度な剥離検出が可能となる。
本発明に係る剥離検出装置では、抽出部が、走行音を周波数変換して時系列に並べた走行音スペクトログラムに対して画像処理を施し、周波数軸に沿った直線成分を剥離成分データとして抽出することが好ましい。
この場合、走行音のスペクトログラムに対して画像処理が施され、周波数軸に沿った直線成分が抽出される。これにより、走行音のスペクトログラムから、回転数に同期した基本周波数とその倍音成分から構成されるソリッドタイヤの回転音を除去し、周波数領域で低域から高域まで広い周波数帯域を持つインパルス性の剥離音を抽出することができる。よって、走行音から剥離音の成分を抽出することができ、高精度な剥離検出が可能となる。
本発明に係る剥離検出装置は、ホイール及び該ホイールに密着された被覆材を有するソリッドタイヤの走行振動を検出する振動センサと、ソリッドタイヤの回転数を検出する検出部と、走行振動から、ソリッドタイヤの回転数に応じた回転振動を除去して剥離成分データを抽出する抽出部と、抽出部により抽出された剥離成分データと、判定基準との比較に基づいて、ホイールと被覆材の剥離状態を判定する判定部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る剥離検出装置によれば、ソリッドタイヤの回転数に応じた回転振動が走行振動から除去されて剥離成分データが抽出される。そして、剥離成分データと判定基準との比較に基づいて、ホイールと被覆材の剥離状態が判定される。そのため、走行中に、ホイールと被覆材の間の剥離を高い精度で検出することが可能となる。また、ソリッドタイヤの走行振動を検出する構成としたので、回転音や剥離音に近い特性を持つ音源が走行路付近にある場合でも、確実にソリッドタイヤの剥離を検出することができる。また、同様のソリッドタイヤを有する複数の走行体同士が接近して走行するような場合でも、他の走行体の走行音の影響を受けずに自身の走行体のソリッドタイヤの剥離状態を確実に判定することが可能となる。
本発明に係る走行体は、本体と、本体に取り付けられた上記いずれかの剥離検出装置と、本体に転動可能に取り付けられたソリッドタイヤとを備えることを特徴とする。
本発明に係る走行体によれば、上記いずれかの剥離検出装置を搭載しているため、保守管理性の高い走行体を提供することが可能となる。
本発明によれば、ソリッドタイヤのホイールと被覆材の間の剥離を、走行中に高い精度で検出することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。まず、図1及び図2を併せて参照して実施形態に係る剥離検出装置4、及び該剥離検出装置4を搭載した走行体1の構成を説明する。図1は、走行体1の構成を示すブロック図である。また、図2は、剥離検出装置4の構成を示すブロック図である。
走行体1は、例えば、工場内の自動搬送機や、液晶パネル運搬用のクレーン等であり、本体2、ウレタンタイヤ3(特許請求の範囲に記載のソリッドタイヤに相当)、及び剥離検出装置4を備えている。走行体1は、遠隔にある操作部5からの指令によって走行面10(例えば、床面、地面)を走行する。すなわち、走行体1は、無線通信部(図示省略)を備え、操作部5から無線通信によって走行制御が行われる。なお、本実施形態においては、説明の便宜上、剥離検出装置4の全ての構成要素が本体2に組み込まれている構成を示すが、後述するように、一部又は全部の構成要素が本体2とは別個に配置されてもよいし、一部の構成要素が操作部5に組み込まれていてもよい。なお、走行体1の走行制御は、操作者による操作部5の操作のみならず、上位システム(例えば生産管理システム等)からの操作(電気的な指令)よって行う構成とすることもできる。
ウレタンタイヤ3は、被覆材であるウレタン32が金属製のホイール31に密着して接着された中実構造のソリッドタイヤである。ウレタンタイヤ3のホイール31は、本体2に対して、シャフト、ギア、駆動源(本実施形態では電動モータ)等の機構部品(図示省略)によって駆動可能に取り付けられている。なお、被覆材はウレタンに限られず、ホイール31に接着可能でウレタンと同程度の軟度を有するものであれば他の材質のものであってもよい。
図2に示されるように、剥離検出装置4は、マイク41、アンプ42、A/D変換器43、回転数検出部44、抽出部45、剥離判定部46、及び通知部47を備える。なお、回転数検出部44、抽出部45、剥離判定部46、及び通知部47は、CPU及びメモリ等によって統合的に制御される。
マイク41はウレタンタイヤ3の走行音に応じた電気信号(走行音信号)を生成して出力する。アンプ42は、マイク41から入力される電気信号を増幅する。すなわち、マイク41は、特許請求の範囲に記載の音響センサとして機能する。なお、走行音は、ウレタンタイヤ3の回転音、及び(剥離がある場合には)剥離音を含む。
A/D変換器43は、アンプ42によって増幅された電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。A/D変換器43で変換されたデジタル信号は、回転数検出部44及び抽出部45に出力される。
回転数検出部44は、ウレタンタイヤ3の回転数を検出する。すなわち、回転数検出部44は、特許請求の範囲に記載の検出部として機能する。ここで、ウレタンタイヤ3の回転数は、例えば、走行音を、フーリエ変換やウェーブレット変換などの各種の周波数解析手段により周波数解析して生成された走行音スペクトルのピーク周波数(基本周波数及び高調波周波数)に基づいて検出することができる。また、ウレタンタイヤ3の回転数は、走行音の自己相関係数に基づいて求めてもよい。また、ウレタンタイヤ3の回転数は、エンコーダなどの各種のセンサにより検出された電動モータの回転数及びギヤレシオに基づいて求めてもよい。さらに、ウレタンタイヤ3の回転数は、電動モータに対する回転指令値及びギヤレシオに基づいて算出することもできる。なお、上述した方法を組合せて用いてもよい。回転数検出部44により検出されたウレタンタイヤ3の回転数は、抽出部45に出力される。
抽出部45は、走行音から、回転数検出部44により検出されたウレタンタイヤ3の回転数に応じた、剥離音を含まない回転音を除去することにより、剥離成分データを抽出する。すなわち、抽出部45は、特許請求の範囲に記載の抽出部として機能する。
ここで、正常なウレタンタイヤ3の走行音のスペクトログラムの一例を図3に示す。また、剥離が生じているウレタンタイヤ3の走行音のスペクトログラムの一例を図4に示す。図3及び図4に示されたスペクトログラムの横軸は時間(s)であり、縦軸は周波数(Hz)である。また、色(図3,4では濃淡)によって、エネルギーの高低が示されており、白色に近いほどエネルギーが高くなる。
図3によれば、剥離がない正常なウレタンタイヤ3の走行音(回転音)は、回転数に同期した基本周波数とその倍音(高調波)成分から構成されるため、当該基本波とその高調波の周波数でエネルギーが高くなる。そのため、図3に示されるように、基本波とその高調波の周波数において時間軸に沿った白線(図3では横線)が現れる。なお、図3(及び図4)では、ウレタンタイヤ3が等速回転された場合のスペクトログラムを示した。ウレタンタイヤ3の回転速度と走行音(回転音)の基本波・高調波の周波数とは比例するため、ウレタンタイヤ3の回転速度が変化すると、上述した時間軸に沿った白線は蛇行(上下)することとなる。
図4によれば、剥離が生じているウレタンタイヤ3の走行音は、上述したウレタンタイヤ3の回転音に加え、周波数領域で広い帯域を持つインパルス性の剥離音を含む。よって、図4に示されるように、時間軸に沿った白線に加え、ウレタンタイヤ3の回転速度に応じた周期(剥離部分が接地する周期)で、周波数軸に沿った白線(図4では縦線)が現れる。
続いて、ウレタンタイヤ3の走行音の周波数スペクトルの一例を図5に示す。図5に示した周波数スペクトルの横軸は周波数であり、縦軸はパワーである。図5において、破線で示されたスペクトルS1は、正常なウレタンタイヤ3の走行音(回転音)の周波数スペクトル(以下「回転音スペクトル」ともいう)である。一方、実線で示されたスペクトルS2は、剥離が生じているウレタンタイヤ3の走行音(回転音及び剥離音)の周波数スペクトル(以下「走行音スペクトル」ともいう)である。
回転音スペクトルS1及び走行音スペクトルS2のいずれにおいても、基本波の周波数f1、及びその高調波の周波数f2,f3においては、回転音に対応して高いピークが得られる。一方、スペクトルS2においては、ピーク周波数(近辺)を除いた周波数帯域でスペクトルS1よりもパワーが高くなる。これは、上述したように、インパルス性の剥離音が広帯域のエネルギーを持つためである。よって、走行音スペクトルS2と回転音スペクトルS1との差分が剥離音のパワーに相当する。なお、図5では、基本波f1及びその高次成分f2,f3を示したが、タイヤのサイズ、素材、及び回転数等によっては、高次成分f2,f3が発生しないことや、逆に、より周波数の高い高次成分f4,f5,・・・が発生することもある。
ここで、図6に、図5よりもウレタンタイヤ3の回転数が高い場合における、走行音の周波数スペクトルの一例を示す。図5、図6に示されるように、回転音スペクトルS1、走行音スペクトルS2において、基本周波数f1及びその高調波の周波数f2,f3は、ウレタンタイヤ3の回転数が上昇するに従って高くなるが、ピーク周波数を除く任意の周波数における走行音スペクトルS2と回転音スペクトルS1とのパワー差は回転数には殆ど依存しない。従って、以降の説明は1つの回転数に対して言及するが、任意の回転数に対して同様の説明が成り立つ。
上述したように、抽出部45は、走行音から、剥離音を含まない回転音を除去することにより、剥離成分データを抽出する。ここで、具体的な回転音除去方法には種々の方法があるため、続いて、各方法について詳述する。
(1)第1の回転音除去方法
図7を参照して第1の回転音除去方法について説明する。本方法では、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた回転音のピーク周波数、すなわち、基本周波数f1及びその高調波周波数f2,f3を含む帯域を遮断するBEF(Band Elimination Filter)群を用いる。図7において、取得された走行音のスペクトルSを実線で示す。この走行音スペクトルSは剥離を有するウレタンタイヤ3から取得されたものとし、上述した図5のスペクトルS2に相当するものとする。また、剥離が無い正常なウレタンタイヤ3から取得される回転音のスペクトルS1を破線で示す。
図7を参照して第1の回転音除去方法について説明する。本方法では、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた回転音のピーク周波数、すなわち、基本周波数f1及びその高調波周波数f2,f3を含む帯域を遮断するBEF(Band Elimination Filter)群を用いる。図7において、取得された走行音のスペクトルSを実線で示す。この走行音スペクトルSは剥離を有するウレタンタイヤ3から取得されたものとし、上述した図5のスペクトルS2に相当するものとする。また、剥離が無い正常なウレタンタイヤ3から取得される回転音のスペクトルS1を破線で示す。
図7に示されるように、BEF群は、基本周波数f1、及び高調波周波数f2,f3を含む周波数帯域B2,B4,B6を遮断する。抽出部45は、BEF群を通過して残った帯域B1,B3,B5,B7において、回転音が除去された剥離成分データとして、スペクトルSのエネルギーを演算する。ここで、帯域B1,B3,B5,B7の各帯域に含まれる任意の点のパワーからエネルギーを求めてもよいし、帯域B1,B3,B5,B7の所定範囲に亘る積分値(又は平均値)によってエネルギーを求めてもよい。なお、測定及び演算される周波数の上限及び下限は、ウレタンタイヤ3の回転数の上限及び下限に基づいて適宜決定することができる。
なお、図8に、図7の場合よりもウレタンタイヤ3の回転数が高い場合の例を示す。図5と図6の関係と同様に、走行音スペクトルS、回転音スペクトルS1において、基本周波数f1、及びその高調波の周波数f2,f3は、ウレタンタイヤ3の回転数が上昇するに従って高くなる。従って、抽出部45は、回転数検出部44によって検出されたウレタンタイヤ3の回転数に応じてBEF群を構成、すなわち、回転数が高い場合はBEF群の帯域を高くする。抽出部45により抽出された剥離成分データ(エネルギー)は、剥離判定部46に出力される。
なお、上記ではBEF群を用いる構成を示したが、回転音の帯域(すなわち、基本周波数f1及び高調波周波数f2,f3付近の帯域)以外の帯域を通過させるBPF(Band Pass Filter)群を用いても、BEF群を用いた場合と同様に、帯域B1,B3,B5,B7のスペクトルを取得することができる。なお、図7,図8では、回転成分の除去方法を周波数上で説明したが、BEF/BPFによる処理は、周波数領域で行っても、時間領域で行ってもよい。
剥離判定部46は、抽出部45から出力された剥離成分データであるエネルギーが所定のしきい値(>Th、特許請求の範囲に記載の判定基準に相当)を超える場合には剥離が発生したものと判定する。すなわち、剥離判定部46は、特許請求の範囲に記載の判定部として機能する。剥離判定部46による判定結果は、通知部47に出力される。
なお、剥離判定部46は、剥離状態(剥離の程度)に応じて設定された複数のしきい値を有し、エネルギー(剥離成分データ)と複数のしきい値との比較に基づいて剥離状態(剥離の程度)を判定するようにしてもよい。より詳細には、剥離判定部46は、例えば、3つのしきい値Th1〜3(ただし、Th1<Th2<Th3とする)を用いて、エネルギー<Th1では剥離無し、Th1≦エネルギー<Th2では軽微な剥離有り、Th≦エネルギー<Th3では中度の剥離有り、Th3≦エネルギーでは重度の剥離有り、といったように判定してもよい。
また、剥離判定部46は、剥離状態(剥離の程度)に応じて設定された複数の基準データ(特許請求の範囲に記載の判定基準に相当)を上記しきい値に代えて有し、エネルギー(剥離成分データ)と複数の基準データとの一致度に基づいて剥離状態(剥離の程度)を判定するようにしてもよい。
(2)第2の回転音除去方法
次に、図9及び図10を参照して第2の回転音除去方法について説明する。本方法では、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた正常時の線形予測符号係数(LPC(Linear Predictive Coding))を用いて、測定された走行音に対して逆フィルタリングを行って残差を求める。図9に、ウレタンタイヤ3の正常時の走行音スペクトルS1、正常時のモデル化スペクトルS1´、及び、走行音スペクトルS1を線形予測符号係数で逆フィルタリングした残差D1を示す。一方、図10に、剥離を有するウレタンタイヤ3の走行音スペクトルS2、正常時のモデル化スペクトルS1´、及び、走行音スペクトルS2を線形予測符号係数で逆フィルタリングした残差D2を示す。
次に、図9及び図10を参照して第2の回転音除去方法について説明する。本方法では、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた正常時の線形予測符号係数(LPC(Linear Predictive Coding))を用いて、測定された走行音に対して逆フィルタリングを行って残差を求める。図9に、ウレタンタイヤ3の正常時の走行音スペクトルS1、正常時のモデル化スペクトルS1´、及び、走行音スペクトルS1を線形予測符号係数で逆フィルタリングした残差D1を示す。一方、図10に、剥離を有するウレタンタイヤ3の走行音スペクトルS2、正常時のモデル化スペクトルS1´、及び、走行音スペクトルS2を線形予測符号係数で逆フィルタリングした残差D2を示す。
図9及び図10に示されるように、残差D1は、ほぼ0付近を推移する(理想的には0に一致する)。一方、残差D2は、殆どの周波数領域において、残差D1よりも大きくなる。特に、回転音の基本周波数及びその高調波周波数帯域以外の領域で大きい値を示す。そこで、抽出部45は、走行音を、正常時の線形予測符号係数で逆フィルタリングして、残差Dを演算する。抽出部45は、求めた残差Dの値、又は、残差Dの積分値、或いは平均値を剥離成分データとして剥離判定部46に出力する。なお、図9,図10では、残差の取得方法を周波数上で説明したが、逆フィルタリング処理は、周波数領域で行っても、時間領域で行ってもよい。
剥離判定部46は、残差D(剥離成分データ)が所定のしきい値(特許請求の範囲に記載の基準データに相当)を超える場合には剥離が発生したものと判定する。剥離判定部46による判定結果は、通知部47に出力される。
なお、上述した第1の除去方法と同様に、剥離判定部46は、剥離状態(剥離の程度)に応じて設定された複数のしきい値を有し、残差(剥離成分データ)と複数のしきい値との比較に基づいて剥離状態(剥離の程度)を判定するようにしてもよい。一方、しきい値は1つとし、抽出部45において、複数の線形予測符号係数(モデル化スペクトル)を用意する構成としてもよい。すなわち、例えば、剥離の度合い(程度)に応じて複数の線形予測符号係数を用意し、それぞれの線形予測符号係数を用いて走行音の残差を求めた後、各残差と上記しきい値とを比較する構成としてもよい。
また、剥離判定部46は、剥離状態(剥離の程度)に応じて設定された複数の基準データを有し、残差(剥離成分データ)と複数の基準データとの一致度に基づいて剥離状態(剥離の程度)を判定するようにしてもよい。
(3)第3の回転音除去方法
上述した図3に示されたように、正常な走行音のスペクトログラムでは、ウレタンタイヤ3の回転音の基本周波数及びその高調波周波数でエネルギーが高くなる。これに対し、図4に示されたように、剥離状態での走行音のスペクトログラムでは、周期的に(等速度の場合)全ての周波数帯域でエネルギーが高くなり、縦軸(周波数軸)に平行に高いエネルギー分布が観察される。このように、剥離音は、時間的に局在し、かつ周波数方向の広帯域に亘ってエネルギーを持つ。
上述した図3に示されたように、正常な走行音のスペクトログラムでは、ウレタンタイヤ3の回転音の基本周波数及びその高調波周波数でエネルギーが高くなる。これに対し、図4に示されたように、剥離状態での走行音のスペクトログラムでは、周期的に(等速度の場合)全ての周波数帯域でエネルギーが高くなり、縦軸(周波数軸)に平行に高いエネルギー分布が観察される。このように、剥離音は、時間的に局在し、かつ周波数方向の広帯域に亘ってエネルギーを持つ。
そこで、抽出部45は、まず、走行音を周波数変換して時系列に並べて生成された走行音スペクトログラムを画像とみなし、各種の画像処理を施して、周波数軸に沿った直線成分(縦線)を剥離成分データとして抽出する。より詳細には、例えば、スペクトログラムをグレースケール画像とみなし、メディアンフィルタ等の各種のノイズ除去処理を施した画像に、2値化処理を施して、2値画像(白黒画像)に変換する。ここで、図3及び図4それぞれに対するメディアンフィルタ、及び、2値化処理を施した結果を図11及び図12に示す。次に、抽出部45は、例えば、ハフ変換又は連続ラベリング処理等の直線検出処理を行うことにより、時間軸に沿った直線成分(横線)を除去(すなわち回転音を除去)するとともに、周波数軸に沿った直線成分(縦線)を剥離成分データとして抽出する。抽出部45により抽出された周波数軸に沿った直線(縦線)は、剥離判定部46に出力される。
剥離判定部46は、周波数軸に沿った直線(縦線)が所定のしきい値以上検出された場合に、ウレタンタイヤ3に剥離が発生していると判定する。なお、剥離判定部46による判定結果は、通知部47に出力される。
なお、上述した第1の除去方法と同様に、剥離判定部46は、剥離状態(剥離の程度)に応じて設定された複数のしきい値を有し、周波数軸に沿った直線(縦線)と複数のしきい値との比較に基づいて剥離状態(剥離の程度)を判定するようにしてもよい。
通知部47は、剥離判定部46の判定結果に応じて操作者(ユーザ)にウレタンタイヤ3の剥離に関する情報、すなわち剥離の有無、及び/又は剥離の程度(状態)を通知する。通知方法としては、例えば、ランプや表示パネル等による視覚的な通知であってもよいし、ブザーや音声案内等による音響的な通知であってもよい。また、視覚的な通知と音響的な通知とを合わせたものであってもよい。また、後述する操作部5に操作者が常駐している場合には、操作部5の表示部51に通知の内容が表示されるようにしてもよい。なお、剥離の通知先は操作者に限られることなく、例えばネットワーク等で接続されている上位のシステム(例えば生産管理システム)に通知する構成とすることもできる。このような場合に、通知方法としては、剥離発生を知らせる信号(例えば、剥離のON/OFFなど)を出力する構成とすることが好ましい。
次に、図13を参照しつつ、操作部5の構成について説明する。操作部5は、表示部51、無線通信部52、CPU53、及び入出力インターフェイス(I/O)54等を備え、これらはバス55によって相互に通信可能に接続されている。操作部5は走行体1の走行指令情報、すなわち、ウレタンタイヤ3を駆動するモータの駆動指令情報を無線通信部52から走行体1に送信する。なお、上述した(3)第3の除去方法で示した画像処理を行う場合には、表示部51を利用することができる。
続いて、図14を参照しつつ、剥離検出装置4の動作について説明する。図14は、剥離検出装置4による剥離検出処理の処理手順(剥離検出方法)を示すフローチャートである。ここでは、上述した第1の回転音除去方法を例にして説明する。
ステップS10では、マイク41によってウレタンタイヤ3の走行音がピックアップされて走行音信号が生成された後、該走行音信号がアンプ42により増幅される。すなわち、走行音信号が取得される。また、ステップS10では、取得されたアナログの走行音信号がデジタル信号に変換される。
続くステップS20では、回転数検出部44により、ウレタンタイヤ3の回転数が検出される。
続いて、ステップS30では、ステップS10で取得された走行音から、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた回転音が除去されて剥離成分データ(エネルギー)が抽出される。より詳細には、BEF群により、走行音から、回転音の基本波周波数及び高調波周波数付近の音が除去されて剥離成分データが抽出される。なお、本ステップでは、上述した第1の回転音除去方法に代えて、第2又は第3の回転音除去方法を用いてもよい。
次に、ステップS40では、ステップS30で抽出された剥離成分データが、所定のしきい値よりも大きいか否かについての判断が行われる。ここで、剥離成分データが上記しきい値以下の場合には、ステップS50に処理が進む。一方、剥離成分データが上記しきい値よりも大きいときには、ステップS60に処理が進む。なお、上述したように、しきい値は複数備えていてもよい。
ステップS50では、通知部47により、ウレタンタイヤ3に剥離が無いことが示される。その後、本処理から一旦抜ける。
一方、ステップS60では、ウレタンタイヤ3に剥離があることが示されるとともに、走行体1の駆動が停止される。その後、本処理から一旦抜ける。なお、本ステップでは、剥離の通知のみを行い、走行体1の停止は行わないようにしてもよい。
以上、説明したように、本実施形態に係る剥離検出装置4によれば、走行体1に装着されているウレタンタイヤ3の回転数に応じた回転音が走行音から除去されて剥離成分データが抽出される。そして、剥離成分データと判定基準との比較に基づいて、ウレタンタイヤ3の剥離状態が判定される。そのため、走行中に、ウレタンタイヤ3の剥離を高い精度で検出することが可能となる。
特に、剥離状態(剥離の程度)に応じて設定された複数のしきい値、又は複数の基準データとの比較結果に基づいて、剥離状態(剥離の程度)を判定するようにした場合には、剥離の有無のみならず、剥離の程度も判定することが可能となる。この場合、作業の安全を確保するとともに、使用不可となる直前までウレタンタイヤ3を使用することができ、コストをより低減することができる。
本実施形態に係る剥離検出装置4によれば、BEF(又はBPF)を用いて、ウレタンタイヤ3の回転数に応じたピーク周波数を含む帯域の音、すなわちウレタンタイヤ3の回転音を、走行音から除去することにより、剥離を有するウレタンタイヤ3の走行音と正常なウレタンタイヤ3の走行音との間の差を抽出することができるため、高精度な剥離検出が可能となる。
また、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた線形予測符号係数を用いて走行音を逆フィルタリングして残差を求める構成としても、剥離を有するウレタンタイヤ3の走行音と正常なウレタンタイヤ3の走行音(回転音)との間の差を抽出することができ、高精度な剥離検出が可能となる。
さらに、走行音のスペクトログラムに対して画像処理を施し、周波数軸に沿った直線成分を抽出する構成とすれば、ウレタンタイヤ3の回転数に同期した基本周波数とその倍音成分から構成される回転音を除去し、インパルス性の剥離音を抽出することができる。よって、このようにしても、走行音から剥離音の成分を抽出することができ、高精度な剥離検出が可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、剥離検出装置4が走行体1の走行路近傍の所定位置に配置され、マイク41が所定位置を通過する走行体1、すなわちウレタンタイヤ3の走行音を取得するようにしてもよい。マイク41は、走行体1側に配置される場合には、複数のウレタンタイヤ3の走行音を取得するように複数個設けられてもよいし、いずれか1つのサンプルとなるウレタンタイヤ3の走行音を取得するようにしてもよい。
また、例えば、マイク41、アンプ42が、本体2又は走行路近傍に配置され、A/D変換器43、回転数検出部44、回転特性除去部45、剥離判定部46、及び通知部47が操作部5に組み込まれていてもよい。この場合、アンプ42側に、操作部5の無線通信部52との間に無線通信リンクを確立するための無線通信部を設けることが必要となる。
上記実施形態では、音響センサ(マイク41)を用いて走行音を取得する構成としたが、音響センサ(マイク41)に代えて、振動センサを用いて走行時の振動を検出する構成としてもよい。この場合、振動センサは、例えば加速度センサからなり、走行体1に搭載される。振動センサによって取得された振動についても、アンプ42によって増幅され、A/D変換器43によってデジタルデータに変換された後、回転数検出部44、回転特性除去部45、剥離判定部46、及び通知部47による処理と同様の処理を適用することができる。
この場合、ウレタンタイヤ3の回転数に応じた回転振動が走行振動から除去されて剥離成分データが抽出される。そして、剥離成分データと判定基準との比較に基づいて、ウレタンタイヤ3の剥離状態が判定される。そのため、走行中に、ウレタンタイヤ3の剥離を高い精度で検出することが可能となる。また、この場合、ウレタンタイヤ3の走行状態を振動により検出する構成としたので、回転音や剥離音に近い特性を持つ音源が走行路付近にある場合でも、確実にウレタンタイヤ3の剥離を検出することができる。あるいは、同様のウレタンタイヤ3を有する複数の走行体1同士が接近して走行するような場合でも、他の走行体の走行音の影響を受けずに自身の走行体のウレタンタイヤ3の剥離状態を確実に判定することができる。
また、上記実施形態においては、ウレタンタイヤ3の駆動源をモータとしたが、駆動源はエンジン等であってもよい。
なお、上記で説明した各判定基準、及び、線形予測符号係数は、予めメモリ等に記憶しておくことを前提としているが、実走行時に、正常と判断された、又は、剥離の発生が検出された場合の剥離成分データから、随時、学習する構成としてもよい。
1 走行体
2 本体
3 ウレタンタイヤ
4 剥離検出装置
5 操作部
31 ホイール
32 ウレタン
41 マイク
42 アンプ
43 A/D変換器
44 回転数検出部
45 抽出部
46 剥離判定部
47 通知部
51 表示部
2 本体
3 ウレタンタイヤ
4 剥離検出装置
5 操作部
31 ホイール
32 ウレタン
41 マイク
42 アンプ
43 A/D変換器
44 回転数検出部
45 抽出部
46 剥離判定部
47 通知部
51 表示部
Claims (10)
- ホイール及び該ホイールに密着された被覆材を有するソリッドタイヤの走行音を取得する音響センサと、
前記ソリッドタイヤの回転数を検出する検出部と、
前記走行音から、前記ソリッドタイヤの回転数に応じた回転音を除去して剥離成分データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された剥離成分データと、判定基準との比較に基づいて、前記ホイールと前記被覆材の剥離状態を判定する判定部と、を備えることを特徴とする剥離検出装置。 - 前記判定部は、前記判定基準として、剥離の有無に応じて設定された1つのしきい値を有し、前記剥離成分データと前記しきい値との比較に基づいて剥離の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の剥離検出装置。
- 前記判定部は、前記判定基準として、剥離状態に応じて設定された複数のしきい値を有し、前記剥離成分データと前記複数のしきい値との比較に基づいて剥離状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の剥離検出装置。
- 前記判定部は、前記判定基準として、剥離状態に応じて設定された複数の基準データを有し、前記剥離成分データと前記複数の基準データとの一致度に基づいて剥離状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の剥離検出装置。
- 前記抽出部は、前記走行音から、前記ソリッドタイヤの回転数に応じたピーク周波数を含む帯域の音を除去して、前記剥離成分データを抽出することを特徴とする請求項1に記載の剥離検出装置。
- 前記抽出部は、前記ソリッドタイヤの回転数に応じた線形予測符号係数を用いて、前記走行音を逆フィルタリングして残差を求め、前記剥離成分データを抽出することを特徴とする請求項1に記載の剥離検出装置。
- 前記抽出部は、前記走行音を周波数変換して時系列に並べた走行音スペクトログラムに対して画像処理を施し、周波数軸に沿った直線成分を前記剥離成分データとして抽出することを特徴とする請求項1に記載の剥離検出装置。
- ホイール及び該ホイールに密着された被覆材を有するソリッドタイヤの走行振動を検出する振動センサと、
前記ソリッドタイヤの回転数を検出する検出部と、
前記走行振動から、前記ソリッドタイヤの回転数に応じた回転振動を除去して剥離成分データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された剥離成分データと、判定基準との比較に基づいて、前記ホイールと前記被覆材の剥離状態を判定する判定部と、を備えることを特徴とする剥離検出装置。 - ホイール及び該ホイールに密着された被覆材を有するソリッドタイヤの走行音を取得する取得ステップと、
前記ソリッドタイヤの回転数を検出する検出ステップと、
前記走行音から、前記ソリッドタイヤの回転数に応じた回転音を除去して剥離成分データを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された剥離成分データと、判定基準との比較に基づいて、前記ホイールと前記被覆材の剥離状態を判定する判定ステップと、を備えることを特徴とする剥離検出方法。 - 本体と、
前記本体に取り付けられた請求項1〜8のいずれか1項に記載の剥離検出装置と、
前記本体に転動可能に取り付けられた前記ソリッドタイヤと、を備えることを特徴とする走行体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012265838A JP2014109566A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 剥離検出装置、剥離検出方法、及び、走行体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012265838A JP2014109566A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 剥離検出装置、剥離検出方法、及び、走行体 |
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JP2014109566A true JP2014109566A (ja) | 2014-06-12 |
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JP2012265838A Pending JP2014109566A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 剥離検出装置、剥離検出方法、及び、走行体 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022064756A1 (ja) * | 2020-09-28 | 2022-03-31 | ローツェ株式会社 | 波形解析装置、及び波形解析方法 |
JP2022080737A (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-30 | 新晃工業株式会社 | 回転機械の異常及び異常予兆の検出方法 |
JP7402500B2 (ja) | 2019-12-19 | 2023-12-21 | ネクストウェア株式会社 | 状態変化検知システム及び状態変化検知プログラム |
JP7492443B2 (ja) | 2020-11-20 | 2024-05-29 | 株式会社日立ビルシステム | パターン分類装置、昇降機音診断システム、及びパターン分類方法昇降機音の診断装置、及び昇降機音診断方法 |
-
2012
- 2012-12-04 JP JP2012265838A patent/JP2014109566A/ja active Pending
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