JP2006194629A - 異常診断装置 - Google Patents

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淳太郎 佐原
Yasuyuki Muto
泰之 武藤
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Abstract

【課題】車両一台あたりに振動センサを1つ設けるのみで、その1つの振動センサからの波形信号を基に、その車両における軸受の剥離、車輪のフラット、等の異常を検出することができる異常診断装置を提供すること。
【解決手段】車両の振動を検出する振動センサ21と、振動センサ21が出力する波形信号に基づいて、RMSを求めるパラメータ値検出回路22と、波形信号のピーク値を求めるピーク検出回路23と、パラメータ値検出回路22から出力されたパラメータ値の一定倍の値とピーク検出回路23から出力されたピーク値とを比較し、その比較結果に応じて、パラメータ値が一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号またはパラメータ値が一定の基準以下であることを示す第2の電圧の信号を出力する比較回路24とを備え、比較回路24の出力に基づいて異常を検出するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両等の車両の走行中に異常を診断する技術に関する。
鉄道車両の車軸用軸受や車輪の損傷を振動(音響的振動を含む)を利用して検出する異常診断装置が知られている。従来のこの種の異常診断装置は、軸箱ごとに個々に振動センサを設けて、個々の軸受や車輪の損傷を検出していた(特許文献1、特許文献2、等参照)。
特開平4−235327号公報 特表平9−500452号公報
しかし、従来の異常診断装置では、軸箱ごとに個々に振動センサを設ける必要があるため、各車両ごとのセンサの設置数が多くなり、センサ信号を処理するための信号処理部の入力回路や配線の数が多大となり回路構成が複雑になるという問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みなされたものであり、その目的は、車両一台あたりに振動センサを1つ設けるのみで、その1つの振動センサからの波形信号を基に、その車両における軸受の剥離、車輪のフラット、等の異常を検出することができる異常診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る異常診断装置は、下記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)を特徴としている。
(1) 車両の走行中に異常を診断する異常診断装置であって、
車両の振動を検出する振動センサと、
前記振動センサが出力する波形信号に基づいて、波高率、衝撃指数、波形率、および尖り度のうちいずれか1つの無次元パラメータ値を求めるパラメータ値検出回路と、
前記パラメータ値検出回路から出力された無次元パラメータ値が一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号または前記無次元パラメータ値が一定の基準以下であることを示す第2の電圧の信号を出力する比較回路と、
を備え、
前記比較回路の出力に基づいて異常を検出するように構成したこと。
(2) 車両の走行中に異常を診断する異常診断装置であって、
車両の振動を検出する振動センサと、
前記振動センサが出力する波形信号に基づいて、RMS(2乗平均の平方根)および絶対値平均のいずれか一方のパラメータ値を求める演算回路と、
前記波形信号のピーク値を求めるピーク検出回路と、
前記パラメータ値の一定倍の値と前記ピーク検出回路から出力されたピーク値とを比較し、その比較結果に応じて、前記ピーク値と前記パラメータ値との比として求まる無次元パラメータ値が一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号または前記無次元パラメータ値が一定の基準以下であることを示す第2の電圧の信号を出力する比較回路と、
を備え、
前記比較回路の出力に基づいて異常を検出するように構成したこと。
(3) 上記(2)の構成の異常診断装置において、
前記ピーク検出回路から出力されたピーク値と予め設定した参照値とを比較するピーク‐参照値比較回路を更に備え、
前記ピーク‐参照値比較回路による比較の結果、前記ピーク値が前記参照値よりも大きい場合には、前記比較回路の出力を無効にするように構成したこと。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの構成の異常診断装置において、
前記第1の電圧の信号のデューティ比に基づいて異常を検出するように構成したこと。
(5) 上記(2)〜(4)のいずれかの構成の異常診断装置において、
前記振動センサの出力信号のうち所定の帯域の信号のみ前記パラメータ値検出回路および前記ピーク検出回路に入力するためのフィルタ回路を更に備えたこと。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかの構成の異常診断装置において、
前記車両は鉄道車両であること。
上記(1)の構成の異常診断装置によれば、振動センサが出力する波形信号に基づいて、波高率、衝撃指数、波形率、および尖り度のうちいずれか1つの無次元パラメータ値が、一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号または前記無次元パラメータ値が一定の基準以下であることを示す第2の電圧の信号を出力する比較回路を備え、当該比較回路の出力に基づいて異常を検出することができるので、車両一台あたりに振動センサを1つ設けるのみで、その1つの振動センサからの波形信号を基に、その車両における軸受の剥離、車輪のフラット、等の異常を検出することができる。
上記(2)の構成の異常診断装置によれば、振動センサが出力する波形信号に基づいて、RMS(2乗平均の平方根)および絶対値平均のいずれか一方のパラメータ値を求める演算回路と、前記波形信号のピーク値を求めるピーク検出回路と、前記パラメータ値の一定倍(例えば後述する[発明を実施するための最良の形態]ではアナログ回路で倍率を決めるので一般的に整数にはならず一定倍あるいは定数倍となる。)の値と前記ピーク検出回路から出力されたピーク値とを比較し、その比較結果に応じて、前記ピーク値と前記パラメータ値との比(即ち、無次元パラメータ値)が一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号または前記無次元パラメータ値が一定の基準以下であることを示す第2の電圧の信号を出力する比較回路と、を備え、前記比較回路の出力に基づいて異常を検出することができるので、車両一台あたりに振動センサを1つ設けるのみで、その1つの振動センサからの波形信号を基に、その車両における軸受の剥離、車輪のフラット、等の異常を検出することができる。また、上記(2)の構成の異常診断装置によれば、比較的簡単な回路構成で異常診断を行なうことができる。
上記(3)の構成の異常診断装置によれば、ピーク値と予め設定した参照値とを比較し、ピーク値が参照値よりも大きい場合には、異常を検出するため第1および第2の電圧の信号を無効にするので、ノイズに起因する非常に大きな信号によってセンサユニット20の出力が飽和してしまうのを防止することができる。
上記(4)の構成の異常診断装置によれば、パラメータ値が一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号のデューティ比に基づいて異常を検出するように構成したことにより、ノイズの影響を避けながら異常診断を行なうことができる。
上記(5)の構成の異常診断装置によれば、振動センサの出力信号のうち所定の帯域の信号のみ捉えて異常診断を行なうことができる。
上記(6)の構成の異常診断装置によれば、鉄道車両の異常を検出できるので、鉄道車両の信頼性を高めることができる。
本発明の異常診断装置によれば、車両一台あたりに振動センサを1つ設けるのみで、その1つの振動センサからの波形信号を基に、その車両における軸受の剥離、車輪のフラット、等の異常を検出することができるので、異常診断システムを低コストで構築できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、鉄道車両における軸受の剥離や車輪のフラット等の異常を検出する場合を例にとり説明する。
図1は本発明の異常診断装置を備えた鉄道車両の概略構成図である。鉄道車両1は、4組の車輪(計8輪)2-1〜2-4と、それらを車台3の下に回転自在に保持する4つの軸受4-1〜4-4とを備え、車台3に異常診断装置10が設置されている。
異常診断装置10は、センサユニット20と制御盤30とを備えている。センサユニット20は、車台3の振動を検出するユニットである。制御盤30は、センサユニット20の出力信号を基に、軸受4-1〜4-4の剥離や車輪2-1〜2-4のフラット等の異常の有無を診断する診断回路31を備えている。診断回路31による診断内容(警報信号)は車両1内の通信回線を通じて運転台や指令所に送られるシステムになっている。
以下の形態例では、図11のように、軸受4-1〜4-4の剥離等の劣化を示すパラメータとして、Peak/RMS(Root Mean Square)を利用することとする。ここで、Peakは一定区間における最大振幅の絶対値、RMSは一定区間における電圧の2乗平均の平方根値である。ここで対象にする波形は、図12のような車台3の振動を表す波形で、レールの継ぎ目による衝撃音や摩擦音等、車両1を構成する機械要素の劣化とは関係ないノイズを含んだものである。この種のノイズは、軸受4-1〜4-4の剥離や車輪2-1〜2-4のフラット等の異常に起因する振動よりも遙かに大きな振幅を有する。
図2は、センサユニット20の第1の構成例を示すブロック図である。図2に示すセンサユニット20は、振動センサ(Sens)21と、パラメータ値検出回路であってアナログ演算回路である2乗平均の平方根演算回路(RMS‐DC;以後、RMS演算回路と記述する。)22と、ピーク検出回路(Peak)23と、比較回路である第1比較器(CMP)24と、ピーク‐参照値比較回路である第2比較器(CMP)25と、参照電圧出力回路(Vref.)26と、を備えている。尚、RMS演算回路22は、次の計算式(1)に基づき2乗平均の平方根演算を行なう。
Figure 2006194629
:i番目の実測値(時刻Iにおける値)
n:サンプル数(区間長)
振動センサ21は、圧電セラミックにより鉛直方向の振動を検出するセンサであり、50Hz〜10kHzの周波数帯域の振動を検出し、その振動波形を電気信号として出力する。振動センサ21の出力信号(振動信号)は、増幅回路27で増幅された後、RMS演算回路22とピーク検出回路23とに同時に入力される。
RMS演算回路22は、入力された振動信号を処理することにより、その振動信号の電圧のRMSに相当する電圧(以下、RMS電圧と記す。)の直流信号を出力する。このRMS演算回路22には、たとえば、バッファアンプ、絶対値回路、平方・除算回路、出力用フィルタアンプ回路、等を内蔵したRMStoDCコンバータICが使用される。このRMStoDCコンバータICの具体例としては、商品型番「AD637」:アナログデバイセズ社製などが挙げられる。
RMS演算回路22の時定数は外付けのコンデンサによって決めることができる。この例では、100msとする。また、RMS演算回路22は、RMS電圧を一定の倍率に増幅して出力する回路を含んでいる。この例では、4倍の電圧を出力するものとする。
ピーク検出回路23は、入力された振動信号のピーク電圧を出力する。ピーク検出回路23の時定数はRMS演算回路22のそれと等しく、出力時の電圧レベルの増幅度は1である。
RMS演算回路22の出力信号は、第1比較器24の第1の入力端子に入力される。ピーク検出回路23の出力信号は、第1比較器24の第2の入力端子と、第2比較器25の第1の入力端子とに入力される。第2比較器25の第2の入力端子には、参照電圧出力回路26からの参照電圧が入力される。
第1比較器24は、RMS演算回路22からの信号電圧すなわちRMS電圧の4倍の電圧と、ピーク検出回路23からの信号電圧すなわちピーク電圧とを比較する。そして、ピーク電圧の方が大きければ+5Vの電圧(第1の電圧)の信号を出力し、ピーク電圧の方が小さければ−5Vの電圧(第2の電圧)の信号を出力する(これは、波高率(Peak/RMS)が4を超えるかどうかを出力していることに留意されるべきである)。
第2比較器25は、ピーク検出回路23からの信号電圧すなわちピーク電圧と、参照電圧出力回路26からの参照電圧とを比較する。そして、ピーク電圧の方が参照電圧よりも大きければ+5Vの電圧の信号を出力し、ピーク電圧の方が小さければ−5Vの電圧の信号を出力する。参照電圧は、軸受等の異常に起因する信号の電圧レベルよりも高いレベルに選定されている。
第1比較器24の出力信号は、ゲート回路28の検出信号入力端子に入力される。第2比較器25の出力信号は、ゲート回路28の制御信号入力端子に入力される。
ゲート回路28は、第1比較器24からの信号(+5Vまたは−5V)を、第2比較器25から−5Vの電圧の信号が与えられた場合にはそのまま出力するが、第2比較器25から+5Vの電圧の信号が与えられた場合には、常に0Vの電圧の信号を出力する。
下記の表1は、センサユニット20の第1および第2の比較器24、25における比較結果とゲート回路28の出力との関係を示している。表1において、4×RMSは第1比較器24の入力電圧であり、peakは第2比較器25の入力電圧(ピーク電圧)であり、Vrefは参照電圧出力回路26の出力電圧(参照電圧)であり、Outputはゲート回路28の出力電圧である。尚、第1および第2の比較器24、25の出力電圧それぞれは2値であることに留意されるべきである。ゲート回路28は、第2比較器25からの信号の真偽によって第1比較器24からの信号をそのまま通過させる(−5Vまたは+5V)か、無効(0V)にするかを制御する。第2比較器25の出力はゲート開閉制御信号、ゲート回路28の出力はゲート出力、そして第1比較器24の出力は信号源である。
Figure 2006194629
表1に示すように、センサユニット20は、振動センサ21により検出された振動信号のピーク電圧(peak)が参照電圧(Vref)すなわち軸受等の異常に起因する信号の電圧レベル以下の場合のみ、ピーク電圧(peak)とRMS電圧の4倍の電圧との大小関係を示す信号(+5Vまたは−5V)を出力する。これにより、レールの継ぎ目による衝撃音や摩擦音等、車両1を構成する機械要素の劣化とは関係ないノイズに起因する非常に大きな信号によってセンサユニット20の出力が飽和してしまうのを防止している。センサユニット20の出力電圧が+5Vであるということは、Peak/RMSが一定の基準を超えたことを意味し、逆にセンサユニット20の出力電圧が−5Vであるということは、Peak/RMSが一定の基準に満たないことを意味する。
制御盤30の診断回路31は、センサユニット20の出力信号を常時監視し、単位時間(ここでは60秒間とする。)における+5Vの電圧の信号の出力時間の割合を、Peak/RMSが基準を超えたデューティ比として算出する(図3参照)。そして、算出したデューティ比に応じた警報レベルの警報信号を発する。警報信号は1秒ごとに更新され、デューティ比の算出は常に、センサユニット20からの最新の信号を受信した時から60秒前までの受信信号に基づいて行なわれる。この警報信号が車両1内の通信回線を通じて運転台や指令所に送られる。運転台や指令所には、各々色の異なる複数の警報ランプが設けられており、センサユニット20から受信した警報信号の警報レベルに応じて所定の色の警報ランプが点灯あるいは点滅するようになっている。
下記の表2は、上記デューティ比と警報レベルとの対応関係を例示している。また、表2中には、警報レベルと警報ランプの色との対応関係も例示されている。
Figure 2006194629
この異常診断装置10は、鉄道車両の走行中の異常の有無を監視するものであり、表2に示す警報は、脱線予知等と違って異常を検出した場合に列車を停止させることは想定していない。表2における最高の警報レベルである警報レベルIIでも、たとえば1週間以内に目視検査を要するといった程度の警報である。軸受の剥離、車輪のフラットが発生している場合でも、その列車が直ぐに運行不能になるわけではないので、点検の目安を示すことがこの異常診断装置10を使用する主な目的であるといえる。ただし、列車の走行速度が高速であるほど、点検の緊急度は高くなる。最高時速が200kmを超えるような超高速鉄道では、上記警報レベルIIの警報が発せられたら速やかに列車を停止させ、点検を実施することが望まれる。
図4は、センサユニット20の第2の構成例を示すブロック図である。図4に示すセンサユニット20は、振動センサ(Sens)21と、増幅器27と、増幅器27からの信号が入力される帯域の異なる3つのバンドパスフィルタ(BPF)41-1〜41-3と、各バンドパスフィルタ41-1〜41-3を通過した信号を各々処理する3つの信号処理部42-1〜42-3とを備えている。バンドパスフィルタ41-1〜41-3は、この例では、それぞれ500Hz、1.5kHz、3kHzの中心周波数を持つものとする。
各信号処理部42-1〜42-3は、それぞれ、RMS演算回路(RMS‐DC)22と、ピーク検出回路(Peak)23と、第1比較器(CMP)24と、を備えている。以下、第1比較器を単に比較器と記す。
振動センサ21は、図1の例と同様、50Hz〜10kHzの周波数帯域の振動を検出し、その振動波形を電気信号として出力する。振動センサ21の出力信号(振動信号)は、増幅回路27で増幅された後、3つのバンドパスフィルタ41-1〜41-3に同時に入力される。各バンドパスフィルタ41-1〜41-3を通過した各々帯域の異なる信号は、各々別々の信号処理部42-1〜42-3内のRMS演算回路22とピーク検出回路23とに入力される。すなわち、この例では、第1の信号処理部42-1内のRMS演算回路22とピーク検出回路23とには、第1のバンドパスフィルタ41-1を通過した低帯域(中心周波数500Hz)の振動信号が入力される。第2の信号処理部42-2内のRMS演算回路22とピーク検出回路23とには、第2のバンドパスフィルタ41-2を通過した中間帯域(中心周波数1.5kHz)の振動信号が入力される。第2の信号処理部42-2内のRMS演算回路22とピーク検出回路23とには、第3のバンドパスフィルタ41-3を通過した高帯域(中心周波数3kHz)の振動信号が入力される。
各信号処理部42-1〜42-3内のRMS演算回路22は、入力された振動信号を処理することにより、その振動信号のRMS電圧の4倍の電圧を出力する。
各信号処理部42-1〜42-3内のピーク検出回路23は、入力された振動信号のピーク電圧を出力する。ピーク検出回路23の出力時の電圧レベルの増幅度は1である。
各信号処理部42-1〜42-3内のRMS演算回路22の出力信号は、比較器24の第1の入力端子に入力される。ピーク検出回路23の出力信号は、比較器24の第2の入力端子に入力される。
各信号処理部42-1〜42-3内の比較器24は、RMS演算回路22からの信号電圧すなわちRMS電圧の4倍の電圧と、ピーク検出回路23からの信号電圧すなわちピーク電圧とを比較する。そして、ピーク電圧の方が大きければ+5Vの電圧の信号を出力し、ピーク電圧の方が小さければ−5Vの電圧の信号を出力する。
制御盤30の診断回路31は、センサユニット20の各信号処理部42-1〜42-3の出力信号を常時監視し、各信号毎に単位時間(ここでは60秒間とする。)における+5Vの電圧の信号の出力時間の割合を、Peak/RMSが基準を超えたデューティ比として算出する(図5参照)。そして、算出したデューティ比に応じた警報レベルの警報信号を発する。
この例では、図1の例とは異なり、デューティ比の算出に使用するピーク電圧に上限を設けていないので、ノイズ対策として、デューティ比の基準にノイズ成分を含めている。表2の例では、正常であることを示すデューティ比20%未満の中に、レールの継ぎ目による衝撃音や摩擦音等、車両1を構成する機械要素の劣化とは関係ないノイズ分を見込んでいるわけである。
図6は、センサユニット20の第3の構成例を示すブロック図である。図6に示すセンサユニット20は、振動センサ(Sens)21と、増幅器27と、増幅器27からの信号が入力されるローパスフィルタ(LPF)51と、ローパスフィルタ51を通過した信号を処理する信号処理部52とを備えている。ローパスフィルタ51は、1kHz程度のカットオフ周波数を持つ。1kHz程度を超える信号を遮断することにより、レールの継ぎ目による衝撃音や摩擦音等、車両1を構成する機械要素の劣化とは関係ないノイズに起因する非常に大きな信号をカットし、機械要素の振動のみを捉えることができる。
信号処理部52は、RMS演算回路(RMS‐DC)22と、ピーク検出回路(Peak)23と、比較器24と、を備えている。
振動センサ21は、図1の例と同様、50Hz〜10kHzの周波数帯域の振動を検出し、その振動波形を電気信号として出力する。振動センサ21の出力信号(振動信号)は、増幅回路27で増幅された後、ローパスフィルタ51に入力される。そして、ローパスフィルタ51を通過した1kHz程度以下の信号が信号処理部52に入力される。信号処理部52における処理は、図4中の各信号処理部42-1〜42-3における処理と同様である。
この第3の構成例によれば、1kHz程度以下の信号のみ捉えて信号処理部52に入力するようにしたので、レールの継ぎ目による衝撃音や摩擦音等、車両1を構成する機械要素の劣化とは関係ないノイズに起因する非常に大きな信号によってセンサユニット20の出力が飽和してしまうのを防止できる。
図7は、センサユニット20の第4の構成例を示すブロック図である。図7に示すセンサユニット20は、図6の構成に加えて、増幅器27からの信号が入力されるハイパスフィルタ(HPF)53と、ハイパスフィルタ53を通過した信号を処理する信号処理部54とを備えている。信号処理部54の構成は、ローパスフィルタ51側の信号処理部52のそれと同じである。ハイパスフィルタ53は、1kHzのカットオフ周波数を持つ。1kHz以上の信号のみ信号処理部54に入力することにより、軸受のスポット傷を有効に検出することができる。
図8は、センサユニット20の第5の構成例を示すブロック図である。この構成例は、上述したRMS演算回路22、ピーク検出回路23および比較器24の機能を、制御盤30に持たせた場合のものであり、センサユニット20内には、振動センサ(Sens)21、増幅器27、およびローパスフィルタ(LPF)51だけが設けられている。
図9は、センサユニット20の第6の構成例を示すブロック図である。図9に示すセンサユニット20は、振動センサ(Sens)21と、増幅器27と、増幅器27の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器55と、A/D変換器55からの信号を処理するマイクロプロセッサ(MPU)56と、を備えている。MPU56は、その内部に格納されたプログラムに従って、A/D変換器55からの入力信号をデジタル処理することにより、上述したRMS演算回路22、ピーク検出回路23および比較器24の機能を果たすとともに、表2に例示した診断処理も行なう。したがって、この構成例によれば、制御盤30の診断回路31を省略できる。MPU56の代わりに、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)を使用することも可能である。また、MPU56の代わりに、A/D変換器を内蔵したマイクロプロセッサを使用すれば、外付けのA/D変換器55を省略できる。
しかし、MPUやDSPを使用して演算処理を行なう場合、RMS演算処理はかなり重い処理になりかねない。2乗の総和演算は、固定小数点数演算を行なうシステムでは飽和を起こしやすいし、平方根の命令は存在しないのが普通である。
したがって、RMS演算処理がかなり複雑でその他の処理が比較的簡単なものであれば、MPUやDSPを使用するよりも、RMS演算の処理効率を優先した専用のデジタル演算回路をフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)により実現する方が有利である。FPGAによる演算回路については、マイコンやDSPに対する優位性はハッキリしないところがあるが、ハードウエアによる高速化を望め、マイコン回路よりも小さくできる可能性が高い。マイコンでは既に最初から搭載されている加算器および乗算器等は、FPGAでは後から書き込む必要がある。しかし、これは裏を返せば、演算機能と周辺機能を必要なだけ載せることができるので、装置の小型化や演算の並列化で高速化が期待できる。
そこで、図10に示す第7の構成例では、A/D変換器55からの入力信号をデジタル処理することにより、上述したRMS演算回路22、ピーク検出回路23および比較器24の機能を果たすとともに、表2に例示した診断処理も行なう専用のデジタル回路としてFPGA57を備えている。
なお、上記の形態例の説明では、軸受4-1〜4-4の剥離等の劣化を示すパラメータとしてPeak/RMS(波高率)を用いたが、これに代えて、尖り度(Kurtosis)、衝撃指数(Peak/絶対値平均)または波形率(RMS/絶対値平均)を用いることもできる。尚、尖り度(Kurtosis)は、基本統計量における無次元パラメータであって、次の計算式(2)で算出される。
Figure 2006194629
n:サンプル数(区間長)
:i番目の実測値(時刻Iにおける値)
σ:標準偏差
平均値をゼロにする振動波形では、σはRMS値に等しいとして構わない。4乗回路は、RMS回路に含まれる2乗回路が応用できる。従って、上述した実施形態における波高率(Peak/RMS)の代わりに、尖り度(Kurtosis)を使う実施形態も実現可能である。すなわち、上記RMS演算回路(RMS‐DC)22の代わりに、尖り度、衝撃指数または波形率を求める回路を用いたものも本発明の異常診断装置に含まれる。
本発明の異常診断装置を備えた鉄道車両の概略構成図である。 センサユニットの第1の構成例を示すブロック図である。 図2のセンサユニットの出力波形を示す図である。 センサユニットの第2の構成例を示すブロック図である。 図4のセンサユニットの出力波形を示す図である。 センサユニットの第3の構成例を示すブロック図である。 センサユニットの第4の構成例を示すブロック図である。 センサユニットの第5の構成例を示すブロック図である。 センサユニットの第6の構成例を示すブロック図である。 センサユニットの第7の構成例を示すブロック図である。 剥離等の劣化を示すパラメータの一つである波高率(Peak/RMS)の波形図であり、剥離によってパラメータ値が増大することを示している。 鉄道車両の振動波形図であり、検出される振動波形にレールの継ぎ目による衝撃振動(ノイズ)が混入することを示している。
符号の説明
1 鉄道車両
2-1〜2-4 車輪
3 車台
4-1〜4-4 軸受
10 異常診断装置
20 センサユニット
21 振動センサ
22 RMS演算回路
23 ピーク検出回路
24 第1比較器
25 第2比較器
26 参照電圧出力回路
30 制御盤
31 診断回路
41-1〜41-3 バンドパスフィルタ(BPF)
42-1〜42-3 信号処理部
51 ローパスフィルタ
52 信号処理部
53 ハイパスフィルタ
54 信号処理部

Claims (6)

  1. 車両の走行中に異常を診断する異常診断装置であって、
    車両の振動を検出する振動センサと、
    前記振動センサが出力する波形信号に基づいて、波高率、衝撃指数、波形率、および尖り度のうちいずれか1つの無次元パラメータ値を求めるパラメータ値検出回路と、
    前記パラメータ値検出回路から出力された無次元パラメータ値が一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号または前記無次元パラメータ値が一定の基準以下であることを示す第2の電圧の信号を出力する比較回路と、
    を備え、
    前記比較回路の出力に基づいて異常を検出するように構成したことを特徴とする異常診断装置。
  2. 車両の走行中に異常を診断する異常診断装置であって、
    車両の振動を検出する振動センサと、
    前記振動センサが出力する波形信号に基づいて、RMS(2乗平均の平方根)および絶対値平均のいずれか一方のパラメータ値を求める演算回路と、
    前記波形信号のピーク値を求めるピーク検出回路と、
    前記パラメータ値の一定倍の値と前記ピーク検出回路から出力されたピーク値とを比較し、その比較結果に応じて、前記ピーク値と前記パラメータ値との比として求まる無次元パラメータ値が一定の基準を超えたことを示す第1の電圧の信号または前記無次元パラメータ値が一定の基準以下であることを示す第2の電圧の信号を出力する比較回路と、
    を備え、
    前記比較回路の出力に基づいて異常を検出するように構成したことを特徴とする異常診断装置。
  3. 前記ピーク検出回路から出力されたピーク値と予め設定した参照値とを比較するピーク‐参照値比較回路を更に備え、
    前記ピーク‐参照値比較回路による比較の結果、前記ピーク値が前記参照値よりも大きい場合には、前記比較回路の出力を無効にするように構成したことを特徴とする請求項2に記載の異常診断装置。
  4. 前記第1の電圧の信号のデューティ比に基づいて異常を検出するように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  5. 前記振動センサの出力信号のうち所定の帯域の信号のみ前記パラメータ値検出回路および前記ピーク検出回路に入力するためのフィルタ回路を更に備えたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  6. 前記車両は鉄道車両であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の異常診断装置。
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