JP2014106222A - 干渉測定装置、波面収差測定装置、形状測定装置、露光装置、干渉測定方法、投影光学系の製造方法、及び露光装置の製造方法 - Google Patents

干渉測定装置、波面収差測定装置、形状測定装置、露光装置、干渉測定方法、投影光学系の製造方法、及び露光装置の製造方法 Download PDF

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Takamitsu Sugawara
貴光 菅原
Shunsuke Aoki
俊介 青木
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Tetsuya Koike
哲也 小池
Risako Matsui
理紗子 松井
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Abstract

【課題】高性能な干渉測定装置を提供する。
【解決手段】本発明の干渉測定装置の一例は、物体光束と参照光束とを統合して統合光束を生成する統合手段と、前記統合光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手段と、前記複数の分岐光束で複数の干渉縞を個別に生成する干渉手段と、前記複数の干渉縞を同時に撮像する撮像手段と、前記複数の干渉縞に共通のキャリアを発生させるキャリア発生手段と、前記複数の干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、干渉測定装置、波面収差測定装置、面形状測定装置、露光装置、干渉測定方法、投影光学系の製造方法、及び露光装置の製造方法に関する。
露光装置等の精密機器の製造時、露光装置に搭載される投影光学系の波面収差測定や光学素子の形状測定には、干渉計測が利用される(特許文献1等を参照。)。干渉計測によると、光の波長未満の分解能が得られる。
特開2001−4335号公報
本発明は、高性能な干渉測定装置、波面収差測定装置、形状測定装置、露光装置、干渉測定方法、高性能な投影光学系の製造方法、高性能な露光装置の製造方法を提供する。
本発明の干渉測定装置の一例は、物体光束と参照光束とを統合して統合光束を生成する統合手段と、前記統合光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手段と、前記複数の分岐光束で複数の干渉縞を個別に生成する干渉手段と、前記複数の干渉縞を同時に撮像する撮像手段と、前記複数の干渉縞に共通のキャリアを発生させるキャリア発生手段と、前記複数の干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段とを備える。
また、本発明の干渉測定装置の一例は、物体光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手段と、共通の空間キャリアが発生した複数のシアリング干渉縞を前記複数の分岐光束で個別に生成する干渉手段と、前記複数のシアリング干渉縞を同時に撮像する撮像手段と、前記複数のシアリング干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段とを備える。
また、発明の波面収差測定装置の一例は、本発明の干渉測定装置の一例を備える。
また、本発明の形状測定装置の一例は、本発明の干渉測定装置の一例を備える。
また、本発明の露光装置の一例は、本発明の波面収差測定装置の一例を備える。
また、本発明の干渉測定方法の一例は、物体光束と参照光束とを統合して統合光束を生成する統合手順と、前記統合光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手順と、前記複数の分岐光束で複数の干渉縞を個別に生成する干渉手順と、前記複数の干渉縞を同時に撮像する撮像手順と、前記複数の干渉縞に共通のキャリアを発生させるキャリア発生手順と、前記複数の干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手順とを含む。
また、本発明の干渉測定方法の一例は、物体光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手順と、共通の空間キャリアが発生した複数のシアリング干渉縞を前記複数の分岐光束で個別に生成する干渉手順と、前記複数のシアリング干渉縞を同時に撮像する撮像手順と、前記複数のシアリング干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段とを含む。
また、本発明の投影光学系の製造方法の一例は、本発明の干渉測定方法の一例で投影光学系の波面収差を測定する手順を含む。
また、本発明の投影光学系の製造方法の一例は、本発明の干渉測定方法の一例で投影光学系の光学素子の形状を測定する手順を含む。
また、本発明の露光装置の製造方法の一例は、本発明の投影光学系の製造方法の一例を含む。
本発明によれば、高性能な干渉測定装置、波面収差測定装置、形状測定装置、露光装置、干渉測定方法、高性能な投影光学系の製造方法、高性能な露光装置の製造方法が実現する。
第1実施形態の干渉測定装置の構成図である。 第1実施形態の演算装置の動作を説明する図である。 測定誤差δθa、測定誤差δθb、平均測定誤差δθaveを、位相θの値毎に示したグラフである。 平均測定誤差δθaveを、位相揺らぎの周波数nの値毎に示したグラフである。 第2実施形態の演算装置の動作を説明する図である。 第3実施形態の干渉測定装置の構成図である。 第3実施形態の演算装置の動作を説明する図である。 第3実施形態の第1縞画像Ia、第3縞画像Icにおける理想キャリア縞及びアパーチャ像を示す概念図である。 第3実施形態の第1縞画像Ia、第3縞画像Icにおける実測キャリア縞の位相を示す図である。 第4実施形態の演算装置の動作を説明する図である。 第5実施形態の干渉測定装置の構成図である。 第5実施形態の演算装置の動作を説明する図である。 第6実施形態の演算装置の動作を説明する図である。 第7実施形態の投影露光装置の構成図である。 第7実施形態の製造方法のフローチャートである。 第8実施形態の投影露光装置の構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態として干渉測定装置を説明する。
図1は、本実施形態の干渉測定装置の構成図である。図1に示すとおり干渉測定装置には、レーザ光源10、ピンホール絞り11、コリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ13、1/4波長板14、被検物15、1/4波長板16、参照物17、ピエゾ素子などの並進機構18、無偏光ビームスプリッタ19、1/2波長板20、偏光ビームスプリッタ21、CCDなどの撮像素子22a、22c、1/4波長板23、偏光ビームスプリッタ24、CCDなどの撮像素子22b、22dが配置される。
このうち撮像素子22a、22b、22c、22dの間では、画素配列及び入出力特性が互いに等しい。以下、撮像素子22aを「第1撮像素子」と称し、撮像素子22bを「第2撮像素子」と称し、撮像素子22cを「第3撮像素子」と称し、撮像素子22dを「第4撮像素子」と称す。
レーザ光源10から射出したレーザ光束は、ピンホール絞り11を介して理想的な波面の発散光束となった後、コリメートレンズ12を介して平行光束に変換される。
コリメートレンズ12を射出したレーザ光束は、偏光ビームスプリッタ13へ入射すると、偏光ビームスプリッタ13を透過するレーザ光束と、偏光ビームスプリッタ13を反射するレーザ光束とに分岐される。
偏光ビームスプリッタ13を透過したレーザ光束は、1/4波長板14を介して被検物15へ入射すると、被検物15の被検面15aで反射し、被検面15aの形状に応じた波面の物体光束となる。
被検面15aを射出した物体光束は、1/4波長板14を介して偏光ビームスプリッタ13へ入射すると、偏光ビームスプリッタ13を反射する。
偏光ビームスプリッタ13を反射したレーザ光束は、1/4波長板16を介して参照物17へ入射すると、参照物17の参照面17aで反射し、参照面17aの形状に応じた波面の参照光束となる。
参照面17aを射出した参照光束は、1/4波長板16を介して偏光ビームスプリッタ13へ入射すると、偏光ビームスプリッタ13を透過し、偏光ビームスプリッタ13を反射した物体光束と統合される。
なお、1/4波長板14の進相軸の方向は、入射したレーザ光束の偏光方向に対して45°だけ回転した方向に設定されている。
また、1/4波長板16の進相軸の方向は、入射したレーザ光束の偏光方向に対して45°だけ回転した方向に設定されている。
偏光ビームスプリッタ13を射出した物体光束及び参照光束からなる統合光束は、無偏光ビームスプリッタ19へ入射すると、無偏光ビームスプリッタ19を透過する統合光束と無偏光ビームスプリッタ19を反射する統合光束とに分岐される。
無偏光ビームスプリッタ19を透過した統合光束は、1/2波長板20を介して偏光ビームスプリッタ21へ入射すると、偏光ビームスプリッタ21を透過する分岐光束と、偏光ビームスプリッタ21を反射する分岐光束とに分岐される。
無偏光ビームスプリッタ19を反射した統合光束は、1/4波長板23を介して偏光ビームスプリッタ24へ入射すると、偏光ビームスプリッタ24を透過する分岐光束と、偏光ビームスプリッタ24を反射する分岐光束とに分岐される。
ここで、1/2波長板20の進相軸の方向は、入射した分岐光束に含まれる物体光束及び参照光束の偏光方向に対して22.5°だけ回転した方向に設定されている。
また、1/4波長板23の進相軸の方向は、入射した分岐光束に含まれる物体光束及び参照光束の偏光方向に対して45°だけ回転した方向に設定されている。
よって、偏光ビームスプリッタ21を透過した分岐光束に含まれる物体光束と参照光束とは、互いに干渉し、第1撮像素子22aの撮像面上にワンカラーの干渉縞を形成する。なお、被検面15aと参照面17aとの間の形状差(又は姿勢差)が大きい場合には干渉縞がワンカラーにはならない可能性もあるが、ここでは両者の形状差(又は姿勢差)は十分に小さく干渉縞がワンカラーになると仮定する(他の撮像素子においても同様)。第1撮像素子22aは、この干渉縞を撮像して画像を生成する。以下、第1撮像素子22aが生成する画像を第1縞画像と称す。
また、偏光ビームスプリッタ21を反射した分岐光束に含まれる物体光束と参照光束とは、互いに干渉し、第3撮像素子22cの撮像面上にワンカラーの干渉縞を形成する。第3撮像素子22cは、この干渉縞を撮像して画像を生成する。以下、第3撮像素子22cが生成する画像を第3縞画像と称す。
また、偏光ビームスプリッタ24を透過した分岐光束に含まれる物体光束と参照光束とは、互いに干渉し、第2撮像素子22bの撮像面上にワンカラーの干渉縞を形成する。第2撮像素子22bは、この干渉縞を撮像して画像を生成する。以下、第2撮像素子22bが生成する画像を第2縞画像と称す。
また、偏光ビームスプリッタ24を反射した分岐光束に含まれる物体光束と参照光束とは、互いに干渉し、第4撮像素子22dの撮像面上にワンカラーの干渉縞を形成する。第4撮像素子22dは、この干渉縞を撮像して画像を生成する。以下、第4撮像素子22dが生成する画像を第4縞画像と称す。
また、第1縞画像における干渉縞の位相を基準とすると、第2縞画像における干渉縞の位相はπ/2だけシフトし、第3縞画像における干渉縞の位相はπだけシフトし、第4縞画像における干渉縞の位相は3π/2だけシフトする。つまり、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像の間では、「空間的な位相シフト」が発生している。
よって、不図示の制御装置は、第1撮像素子22a、第2撮像素子22b、第3撮像素子22c、第4撮像素子22dを同時に駆動することにより、干渉縞の位相がπ/2ずつずれた第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像を同時に取得することができる。
また、並進機構18は、参照物17を光軸方向にシフトさせる。並進機構18が参照物17を所定ピッチだけシフトさせると、第1撮像素子22aにおける干渉縞の位相、第2撮像素子22bにおける干渉縞の位相、第3撮像素子22cにおける干渉縞の位相、第4撮像素子22dにおける干渉縞の位相の各々が、π/2だけシフトする。つまり、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像の各々には、共通の「時間的な位相シフト」が発生する。
よって、不図示の制御装置は、並進機構18を介して参照物17を5ピッチ分だけシフトさせると共に、参照物17が5つのシフト位置の各々にあるときに第1撮像素子22a、第2撮像素子22b、第3撮像素子22c、第4撮像素子22dを並行して駆動することにより、干渉縞の位相がπ/2ずつずれた5バケット分の第1縞画像(第1縞画像群)と、干渉縞の位相がπ/2ずつずれた5バケット分の第2縞画像(第2縞画像群)と、干渉縞の位相がπ/2ずつずれた5バケット分の第3縞画像(第3縞画像群)と、干渉縞の位相がπ/2ずつずれた5バケット分の第4縞画像(第4縞画像群)とを並行に取得することができる。
これらの第1縞画像群、第2縞画像群、第3縞画像群、第4縞画像群は、不図示の演算装置によって取り込まれる。
図2は、本実施形態の演算装置の動作を説明する図である。図2では、バケット番号がiである第1縞画像をIa(x,y)とおき、バケット番号がiである第2縞画像をIb(x,y)とおき、バケット番号がiである第3縞画像をIc(x,y)とおき、バケット番号がiである第4縞画像をId(x,y)とおいた。なお、(x,y)は、光軸に垂直な面内の座標を表す。
演算装置は、これらの縞画像に基づき以下のステップS1〜S5を実行し、物体光束と参照光束との間の波面ズレ(位相θ’(x,y))を算出する。
ステップS1:演算装置は、撮像位置が共通である5枚の第1縞画像Ia(x,y)、Ia(x,y)、Ia(x,y)、Ia(x,y)、Ia(x,y)を5バケット法の式へ当てはめることにより、第1位相θa’ (x,y)を算出する。但し、第1位相θa’ (x,y)’には測定誤差(後述)が重畳されている。
因みに、第1バケットの縞画像をI、第2バケットの縞画像をI、第3バケットの縞画像をI、第4バケットの縞画像をI、第5バケットの縞画像をIとおき、算出すべき位相をθとおくと、5バケット法の式は、以下のとおり表される。
ステップS2:演算装置は、撮像位置が共通である5枚の第2縞画像Ib(x,y)、Ib(x,y)、Ib(x,y)、Ib(x,y)、Ib(x,y)を5バケット法の式へ当てはめることにより、第2位相θb’ (x,y)’を算出する。但し、第2位相θb’ (x,y)’には測定誤差(後述)が重畳されている。
ステップS3:演算装置は、撮像位置が共通である5枚の第3縞画像Ic(x,y)、Ic(x,y)、Ic(x,y)、Ic(x,y)、Ic(x,y)を5バケット法の式へ当てはめることにより、第3位相θc’ (x,y)を算出する。但し、第3位相θc’ (x,y)’には測定誤差(後述)が重畳されている。
ステップS4:演算装置は、撮像位置が共通である5枚の第4縞画像Id(x,y)、Id(x,y)、Id(x,y)、Id(x,y)、Id(x,y)を5バケット法の式へ当てはめることにより、第4位相θd’ (x,y)を算出する。但し、第4位相θd’ (x,y)’には測定誤差(後述)が重畳されている。
ステップS5:演算装置は、算出した第1位相θa’ (x,y)、第2位相θb’ (x,y)、第3位相θc’ (x,y)、第4位相θd’ (x,y)を平均することにより、測定誤差の相殺された位相θ’(x,y)を算出する(以上、ステップS5)。
以下、本実施形態の効果を検証する。
先ず、第1縞画像Ia(x,y)(但し、i=1、2、…、5)、第2縞画像Ib(x,y)(但し、i=1、2、…、5)、第3縞画像Ic(x,y)(但し、i=1、2、…、5)、第4縞画像Id(x,y)(但し、i=1、2、…、5)は、以下のとおり表される。
上式を変形すると、以下の式が成り立つ。
但し、θは、位相θ’(=実測値)の理想値であり、A、Aは、縞画像に寄与する物体光束及び参照光束の振幅であって、全ての縞画像に寄与する物体光束及び参照光束の振幅は共通と仮定した。また、sは、時間的な位相シフト量であり、Δeは位相揺らぎであって、測定誤差の原因となる成分である。
ここで、位相揺らぎΔeを以下のとおり仮定する。
但し、bは、揺らぎの振幅であり、αは揺らぎの位相オフセットであり、nは揺らぎの周波数であり、cは時間的な位相シフト数(=バケット数)である。
先ず、揺らぎの周波数nを2、揺らぎの位相オフセットαを0とおく。また、時間的な位相シフト精度は十分に高く、位相シフト量s、s、s、s、sを、s=0、s=π/2、s=π、s=3π/2、s=2πと仮定する。また、本実施形態では、バケット数cは5とした。
この場合、位相揺らぎΔe(i=1〜5)は、以下のとおり表される。
よって、実測値としての第1位相θa’と、実測値としての第2位相θb’と、第1位相θa’に重畳される測定誤差δθaと、第2位相θb’に重畳される測定誤差δθbと、両者の平均測定誤差δθaveとは、以下のとおり表される。
但し、θaは、第1位相θa’(=実測値)の理想値であり、θbは、第2位相θb’ (=実測値)の理想値であり、θcは、第3位相θb’ (=実測値)の理想値であり、θdは、第4位相θd’ (=実測値)の理想値である。
図3は、測定誤差δθa、測定誤差δθb、平均測定誤差δθaveを、位相θの値毎に示したグラフである(但し、図3では、位相揺らぎの周波数nを2と仮定し、位相揺らぎの位相オフセットαをゼロと仮定した。)。
図3の横軸は、位相θの値を示しており、左側の縦軸は、測定誤差δθa、測定誤差δθbの値を示しており、右側の縦軸は、平均測定誤差δθaveの値を示している。右側の縦軸の単位は、左側の縦軸の単位よりも格段に小さいことに注意すべきである。
図3によると、位相θが共通であるときには測定誤差δθa、測定誤差δθbは互いに反対符号で発生する傾向にあるので、平均測定誤差δθaveは、θの値に依らずゼロに近い値をとることがわかる。
図4は、平均測定誤差δθaveを、位相揺らぎの周波数nの値毎に示したグラフである(但し、図4では、位相揺らぎの周波数nを0<n≦12と仮定し、揺らぎの位相オフセットαを−π<α≦πと仮定し、位相θを−π<θ<πと仮定した。)。
図4の横軸は、位相揺らぎの周波数nの値であり、図4の縦軸は、平均測定誤差δθaveをレーザ光束の波長単位で表したものである。なお、図4では比較のため、本実施形態のカーブと共に、従来例のカーブを示した。ここでいう「従来例」は、本実施形態において撮像素子の台数を単一化したものである。
図4によると、本実施形態の平均測定誤差は、n=2において若干大きくなるものの、n≠2の各範囲において、ほぼゼロとなる。また、本実施形態の平均測定誤差は、0<n<12の範囲内の全域において従来例の平均測定誤差より小さくなる。
したがって、第1位相θa’と第2位相θb’とを平均化する本実施形態によれば、第1位相θa’に重畳された測定誤差と、第2位相θb’重畳された測定誤差とを、相殺することができる。この相殺による効果は、単なる平均化効果(=ランダム誤差を含んだ測定データ同士の平均化効果)よりも高い。
また、ここでは第1位相θa’の測定誤差と第2位相θb’の測定誤差との関係を説明したが、第3位相θc’の測定誤差と第4位相θd’の測定誤差との関係も同様である。
したがって、第1位相θa’、第2位相θb’、第3位相θc’、第4位相θd’を平均化する本実施形態によると、測定誤差の相殺された位相θ’を測定結果として得ることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例である。ここでは、第1実施形態との相違点のみを説明する。相違点は、演算装置の動作にある。
図5は、本実施形態の演算装置の動作を説明する図である。演算装置は、以下のステップS1〜S6を実行し、物体光束と参照光束との間の波面ズレ(位相θ’(x,y))を算出する。
ステップS1:演算装置は、撮像タイミングが共通である4枚の縞画像、すなわち第1縞画像Ia(x,y)、第2縞画像Ib(x,y)、第3縞画像Ic(x,y)、第4縞画像Id(x,y)を4バケット法の式へ当てはめることにより、第1位相θ’(x,y)を算出する。
なお、第1縞画像をIa、第2縞画像をIb、第3縞画像をIc、第4縞画像をIdとおき、算出すべき位相をθとおくと、4バケット法の式は、以下のとおり表される。
ステップS2:演算装置は、撮像タイミングが共通である4枚の縞画像、すなわち第1縞画像Ia(x,y)、第2縞画像Ib(x,y)、第3縞画像Ic(x,y)、第4縞画像Id(x,y)を4バケット法の式へ当てはめることにより、第2位相θ’(x,y)を算出する。
ステップS3:演算装置は、撮像タイミングが共通である4枚の縞画像、すなわち第1縞画像Ia(x,y)、第2縞画像Ib(x,y)、第3縞画像Ic(x,y)、第4縞画像Id(x,y)を4バケット法の式へ当てはめることにより、第3位相θ’(x,y)を算出する。
ステップS4:演算装置は、撮像タイミングが共通である4枚の縞画像、すなわち第1縞画像Ia(x,y)、第2縞画像Ib(x,y)、第3縞画像Ic(x,y)、第4縞画像Id(x,y)を4バケット法の式へ当てはめることにより、第4位相θ’(x,y)を算出する。
ステップS5:演算装置は、撮像タイミングが共通である4枚の縞画像、すなわち、第1縞画像Ia(x,y)、第2縞画像Ib(x,y)、第3縞画像Ic(x,y)、第4縞画像Id(x,y)を4バケット法の式へ当てはめることにより、第5位相θ’(x,y)を算出する。なお、以上のステップでは、第1位相θ’(x,y)又は第5位相θ’(x,y)の算出を省略することも可能であるが、ここでは省略しない場合を説明する。
ステップS6:演算装置は、算出した第1位相θ’(x,y)、第2位相θ’(x,y)、第3位相θ’(x,y)、第4位相θ’(x,y)、第5位相θ’(x,y)を平均することにより、測定誤差の相殺された位相θ’(x,y)を算出する。
但し、第1位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差と第2位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差とは、等量反対符号の関係にあり、第2位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差と第3位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差とは、等量反対符号の関係にあり、第3位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差と第4位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差とは、等量反対符号の関係にある。その一方で、第5位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差と第1位相θ’(x,y)に含まれる測定誤差とは、等量同一符号の関係にある。
よって、これら全ての測定誤差を相殺するためには、ステップS6における平均は、単純平均ではなく重み付け平均とすることが望ましい。すなわち、ステップS6では、第1位相θ’(x,y)と第5位相θ’(x,y)との平均値を求めてから、その平均値と、第2位相θ’(x,y)と、第3位相θ’(x,y)と、第4位相θ’(x,y)とを平均する(以上、ステップS6)。
以上、本実施形態では、位相算出に使用する縞画像群を、撮像場所の共通する縞画像群(時間的な位相シフトの施された縞画像群)とするのではなく、撮像タイミングの共通する縞画像群(空間的な位相シフトの施された縞画像群)とする点において、第1実施形態とは異なるものの、第1実施形態と同様に測定誤差が相殺されるので、第1実施形態と同様の効果が期待できる。
因みに、第1実施形態で相殺されるのは、時間変化する測定誤差(=位相揺らぎに起因した測定誤差)であったのに対して、本実施形態で相殺されるのは、空間変化する測定誤差(=撮像素子間の理想状態からの座標ズレ、撮像素子間の光路の透過率差、撮像素子間の光路の位相差などに起因した測定誤差)である。
[第1実施形態又は第2実施形態の補足]
なお、第2実施形態では、ステップS5において第1位相又は第5位相の算出を省略した場合は、ステップS5で算出した4つの位相をステップS6において単純平均すればよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、位相算出と平均化処理とを順次に行ったが、位相算出と平均化処理とを同時に(つまり一括の演算で)行ってもよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、被検面15aで反射した光束を物体光束としたので、「反射面の形状」を測定することができるが、被検物15を透過した光束を物体光束とすることにより、「透過波面の形状」を測定してもよい。
例えば、結像光学系の透過波面の形状(つまり結像光学系の波面収差)を測定する場合は、図1に点線で示したとおり、被検物15の代わりに、集光レンズ15a、被検光学系15’、折り返しミラー15bを配置すればよい。
また、第1実施形態では、空間的な位相シフト数(=撮像素子の台数)を4としたが、2以上の任意の数としてもよいことは言うまでもない。但し、上述した測定誤差の相殺を行うためには、空間的な位相シフト量がπ/2に設定された少なくとも1対の撮像素子が必要である(なお、言うまでもないが、その位相シフト量がπ/2から若干外れていたとしても、測定誤差を軽減することは可能である。)。
また、第1実施形態では、時間的な位相シフト数(=バケット数)を5としたが、3以上の任意の数としてもよいことは言うまでもない。但し、その場合は、バケット数に応じた演算式(例えば、3バケット法の式、4バケット法の式、5バケット法の式、6バケット法の式、7バケット法の式、9バケット法の式、11バケット法の式の何れか)が使用される。
また、第2実施形態では、空間的な位相シフト数(=撮像素子の台数)を4としたが、3以上の任意の数としてもよいことは言うまでもない。但し、その場合は、台数に応じた演算式(3バケット法の式、4バケット法の式、5バケット法の式、6バケット法の式、7バケット法の式、9バケット法の式、11バケット法の式の何れか)が使用される。
また、第2実施形態では、時間的な位相シフト数(=バケット数)を5としたが、2以上の任意の数としてもよいことは言うまでもない。但し、上述した測定誤差の相殺を行うためには、時間的な位相シフト量がπ/2に設定された少なくとも1対のバケット(1対の縞画像)が必要である(なお、言うまでもないが、その位相シフト量がπ/2から若干外れていたとしても、測定誤差を軽減することは可能である。)。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、物体光束と参照光束とを生成するために、偏光ビームスプリッタ13と1/4波長板14、16との組み合わせを使用したが、光量ロスを無視できる場合には、無偏光ビームスプリッタを使用してもよいことは言うまでもない。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、時間的な位相シフトを行うために、参照物を移動させたが、被検物を移動させてもよいことは言うまでもない。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、時間的な位相シフトを行うために、参照物又は被検物を移動させたが、参照光束と物体光束との少なくとも一方に対して、厚さの異なる複数の位相板を順次に挿入してもよい。その場合、厚さの異なる複数の位相板を同一部材で構成した階段状の位相板、或いは、楔状の位相板を使用してもよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、時間的な位相シフトを行うために、参照光束と物体光束の光路長差を変化させたが、光路長差を一定としたままレーザ光束の波長をシフトさせてもよい。
[第1実施形態又は第2実施形態の作用効果]
以上、第1実施形態又は第2実施形態の干渉測定装置は、物体光束と参照光束とを統合して統合光束を生成する統合手段(偏光ビームスプリッタ13、1/4波長板14、1/4波長板16)と、前記統合光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手段(無偏光ビームスプリッタ19、偏光ビームスプリッタ21、24)と、前記複数の分岐光束で複数の干渉縞を個別に生成する干渉手段(1/2波長板20、1/4波長板23)と、前記複数の干渉縞を同時に撮像する撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)と、前記複数の干渉縞に共通の時間キャリアを発生させるキャリア発生手段(並進機構18)と、前記複数の干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段(1/2波長板20、1/4波長板23、偏光ビームスプリッタ21、24)とを備える。
したがって、第1実施形態又は第2実施形態の干渉測定装置は、ワンカラー干渉縞の空間的な位相シフトと時間的な位相シフトとの双方を行い、測定誤差を抑制するのに必要な縞画像群を取得することができる。
また、第1実施形態の干渉測定装置は、前記時間キャリアの発生中に前記撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像群(図2)を取り込み、それら縞画像群のうち撮像位置の共通するもの同士で位相情報を求めると共に、求めた複数の位相情報から誤差成分の除去された位相情報を求める演算手段(演算装置)を更に備える。
したがって、第1実施形態の干渉測定装置によれば、位相情報を高精度に求めることができる。
また、第2実施形態の干渉測定装置は、前記時間キャリアの発生中に前記撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像群(図5)を取り込み、それら縞画像群のうち撮像タイミングの共通するもの同士で位相情報を求めると共に、求めた複数の位相情報から誤差成分の除去された位相情報を求める演算手段(演算装置)を更に備える。
したがって、第2実施形態の干渉測定装置によれば、位相情報を高精度に求めることができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例である。ここでは、第1実施形態との相違点のみを説明する。相違点は、干渉測定装置の構成の一部と、制御装置の動作と、演算装置の動作とにある。
図6は、本実施形態の干渉測定装置の構成図である。図6に示すとおり本実施形態の干渉測定装置は、図1に示した第1実施形態の干渉測定装置において、並進機構18を省略すると共に、参照物17と1/4波長板16との間に楔ガラス18’を配置したものである。
楔ガラス18’の配置によると、参照光束の波面に所定の傾斜成分が重畳されるので、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像の各々における干渉縞は、物体光束と参照光束と間の波面ズレを示す干渉縞に、所定のキャリア縞(空間キャリア)を重畳させたもの(ここではストライプ干渉縞)となる。
よって、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像の少なくとも1枚をフーリエ変換して位相情報を抽出すれば、キャリア縞成分を含まない波面ズレ(位相θ’(x,y))を算出することができる。
なお、楔ガラス18’は、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像に対して等しく作用するので、第1縞画像におけるキャリア縞の空間周波数と、第2縞画像におけるキャリア縞の空間周波数と、第3縞画像におけるキャリア縞の空間周波数と、第4縞画像におけるキャリア縞の空間周波数とは、互いに等しくなる(つまり位相のみが異なる。)。
また、図6には表さなかったが、本実施形態の干渉測定装置では、参照面17の姿勢を若干傾斜させることにより、撮像面に対する参照光束の入射位置と物体光束の入射位置とのズレが抑えられている。
また、本実施形態の制御装置(不図示)は、第1撮像素子22a、第2撮像素子22b、第3撮像素子22c、第4撮像素子22dを同時に駆動することにより、干渉縞の位相がπ/2ずつずれた第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像を同時に取得する。これらの第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像は、本実施形態の演算装置(不図示)によって取り込まれる。
図7は、本実施形態の演算装置の動作を説明する図である。図7では、第1縞画像をIa(x,y)とおき、第2縞画像をIb(x,y)とおき、第3縞画像をIc(x,y)とおき、第4縞画像をId(x,y)とおいた。
演算装置は、これらの縞画像に基づき以下のステップS1〜S5を実行し、物体光束と参照光束との間の波面ズレ(位相θ’(x,y))を算出する。
ステップS1:演算装置は、第1縞画像Ia(x,y)をFFTによりフーリエ変換することによりスペクトル画像を取得し、そのスペクトル画像から1次スペクトルを切り出すと共に、切り出した1次スペクトルをフーリエ空間上で所定周波数だけシフトさせ、フーリエ空間上の原点に配置する。これによって、第1縞画像Ia(x,y)に含まれていたDC成分及びキャリア縞成分が除去される。なお、そのシフト量は、キャリア縞の空間周波数に相当する量である。さらに、演算装置は、シフト後の1次スペクトルをIFFTにより逆フーリエ変換することにより、第1位相θa’(x,y)を算出する。但し、第1位相θa’(x,y)には測定誤差(後述)が重畳されている。
ステップS2:演算装置は、第2縞画像Ib(x,y)に対してステップS1と同じ処理を施すことにより、第2位相θb’(x,y)を算出する。但し、第2位相θa’(x,y)には測定誤差(後述)が重畳されている。
ステップS3:演算装置は、第3縞画像Ic(x,y)に対してステップS1と同じ処理を施すことにより、第3位相θc’(x,y)を算出する。但し、第3位相θc’(x,y)には測定誤差(後述)が重畳されている。
ステップS4:演算装置は、第4縞画像Id(x,y)に対してステップS1と同じ処理を施すことにより、第4位相θd’(x,y)を算出する。但し、第4位相θd’(x,y)には測定誤差(後述)が重畳されている。
ステップS5:演算装置は、算出した第1位相θa’ (x,y)、第2位相θb’ (x,y)、第3位相θc’ (x,y)、第4位相θd’ (x,y)を平均することにより、測定誤差の相殺された位相θ’(x,y)を算出する(以上、ステップS5)。
以下、本実施形態の効果を検証する。
先ず、空間的な位相シフト量がπに設定された第1縞画像Iaと第3縞画像Icとに着目する。
第1縞画像Ia、第3縞画像Icの間では、図7(A)、(A’)に示すとおり、明暗パターンが互いに反転している。
正確に言うと、第1縞画像Iaのアパーチャエリアに写っているキャリア縞(理想キャリア縞)Iacarrierと、第3縞画像Icのアパーチャエリアに写っているキャリア縞(理想キャリア縞)Ibcarrierとの間では、図8(B)、(B’)に示すとおり、明暗パターンが互いに反転している。
但し、第1縞画像Iaと第3縞画像Icとの各々には、図8(C)、(C’)に示すとおり、共通のアパーチャ像Iapertureが写っている。
このため、第1縞画像Iaにおける実際のキャリア縞(=第1縞画像Iaの実測キャリア縞)は、理想キャリア縞Iacarrierとアパーチャ像Iapertureとを合成したものとなり、第3縞画像Iaにおける実際のキャリア縞(=第3縞画像Icの実測キャリア縞)は、理想キャリア縞Ibcarrierとアパーチャ像Iapertureとを合成したものとなる。
図9は、第1縞画像Iaの実測キャリア縞Zacarrier’と、第3縞画像Icの実測キャリア縞Zbcarrier’とを、複素平面上のベクトルで表したものである。図9の横軸は実部であり、図9の縦軸は虚部である。
図9において、実測キャリア縞Zacarrier’は、理想キャリア縞Zacarrierと、アパーチャ像Zapertureとの合成ベクトルで表される。
よって、実測キャリア縞Zacarrier’の位相φa’は、理想キャリア縞Zacarrierの位相φaと比較すると、若干だけ(アパーチャ像Zapertureの分だけ)進行している。この位相進行に起因して、前述した第1位相θa’に測定誤差が発生する。
一方、図9において、実測キャリア縞Zccarrier’は、理想キャリア縞Zccarrierと、アパーチャ像Zapertureとの合成ベクトルで表される。
よって、実測キャリア縞Zccarrier’の位相φc’は、理想キャリア縞Zccarrierの位相φcと比較すると、若干だけ(アパーチャ像Zapertureの分だけ)遅延している。この位相遅延に起因して、前述した第3位相θc’に測定誤差が発生する。
したがって、第1位相θa’と第3位相θc’とを平均化する本実施形態によれば、第1位相θa’に重畳された測定誤差と、第3位相θc’に重畳された測定誤差とを、相殺することができる。この相殺による効果は、単なる平均化効果(=ランダム誤差を含んだ測定データ同士の平均化効果)よりも高い。
また、ここでは第1位相θa’の測定誤差と第3位相θb’の測定誤差との関係を説明したが、第2位相θb’の測定誤差と第4位相θd’の測定誤差との関係も同様である。
したがって、第1位相θa’、第2位相θb’、第3位相θc’、第4位相θd’を平均化する本実施形態によると、測定誤差の相殺された位相θ’を測定結果として得ることができる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態は、第3実施形態の変形例である。ここでは、第3実施形態との相違点のみを説明する。相違点は、演算装置の動作にある。
図10は、本実施形態の演算装置の動作を説明する図である。演算装置は、以下のステップS1〜S6を実行し、物体光束と参照光束との間の波面ズレ(位相θ’(x,y))を算出する。
ステップS1:演算装置は、第1縞画像Ia(x,y)と第3縞画像Ic(x,y)との差分をとることにより、差分縞画像Ie(x,y)を作成する。この差分縞画像Ie(x,y)からは、前述したアパーチャ像Iapertureの成分は消去されている。つまり、本ステップによると、第1縞画像Ia(x,y)の測定誤差と第3縞画像Ic(x,y)の測定誤差とが相殺される。
ステップS2:演算装置は、第2縞画像Ib(x,y)から第4縞画像Id(x,y)を減算することにより、差分縞画像If(x,y)を作成する。この差分縞画像If(x,y)からは、前述したアパーチャ像Iapertureの成分は消去されている。つまり、本ステップによると、第2縞画像Ib(x,y)の測定誤差と第4縞画像Id(x,y)の測定誤差とが相殺される。
ステップS3:演算装置は、差分画像Ie(x,y)に対して第3実施形態のステップS1と同じ処理を施すことにより、第1位相θe’(x,y)を算出する。
ステップS4:演算装置は、差分画像If(x,y)に対して第3実施形態のステップS1と同じ処理を施すことにより、第2位相θf’(x,y)を算出する。
ステップS5:演算装置は、第1位相θe’(x,y)と第2位相θf’(x,y)とを平均することにより、位相θ’(x,y)を算出する(以上、ステップS5)。
以上、本実施形態では、測定誤差の相殺を、位相算出後のタイミングではなく、位相算出前のタイミングで行う点において、第3実施形態とは異なるものの、第3実施形態と同様の測定誤差(アパーチャ像に起因する測定誤差)が相殺されるので、第3実施形態と同様の効果が期待できる。
[第3実施形態又は第4実施形態の補足]
なお、第3実施形態又は第4実施形態では、被検面15aで反射した光束を物体光束としたので、「反射面の形状」を測定することができるが、被検物を透過した光束を物体光束とすることにより、「透過波面の形状」を測定してもよい。
例えば、結像光学系の透過波面の形状(つまり結像光学系の波面収差)を測定する場合は、図6に点線で示したとおり、被検物15の代わりに、集光レンズ15a、被検光学系15’、折り返しミラー15bを配置すればよい。
また、第3実施形態又は第4実施形態では、空間的な位相シフト数(=撮像素子の台数)を4としたが、2以上の任意の数としてもよいことは言うまでもない。但し、上述した測定誤差の相殺を行うためには、空間的な位相シフト量がπに設定された少なくとも1対の撮像素子が必要である(なお、言うまでもないが、その位相シフト量がπから若干外れていたとしても、測定誤差を軽減することは可能である。)。
また、第3実施形態又は第4実施形態では、物体光束と参照光束とを生成するために、偏光ビームスプリッタ13と1/4波長板14、16との組み合わせを使用したが、光量ロスを無視できる場合には、無偏光ビームスプリッタを使用してもよいことは言うまでもない。
また、第3実施形態又は第4実施形態では、干渉縞に空間キャリアを発生させるための光学素子(楔ガラス)の挿入先を、参照光束の単独光路としたが、物体光束の単独光路としてもよいことは言うまでもない。
[第3実施形態又は第4実施形態の作用効果]
以上、第3実施形態又は第4実施形態の干渉測定装置は、第1実施形態又は第2実施形態と同様の前記統合手段(偏光ビームスプリッタ13、1/4波長板14、16)と、前記分岐手段(無偏光ビームスプリッタ19、偏光ビームスプリッタ21、24)と、前記干渉手段(1/2波長板20、1/4波長板23)と、前記撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)と、前記位相差付与手段(1/2波長板20、1/4波長板23、偏光ビームスプリッタ21、24)とを備えると共に、前記複数の干渉縞に共通の空間キャリアを発生させるキャリア発生手段(楔ガラス18’)を備える。
したがって、第3実施形態又は第4実施形態の干渉測定装置は、位相差を有する複数のキャリア干渉縞を同時に撮像し、測定誤差を抑制するのに必要な複数の縞画像を取得することができる。
また、第3実施形態の干渉測定装置は、前記空間キャリアの発生中に前記撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像(図7)を取り込み、それら複数の縞画像から複数の位相情報を個別に求めると共に、求めた複数の位相情報から誤差成分の除去された位相情報を求める演算手段(演算装置)を更に備える。
したがって、第3実施形態の干渉測定装置によれば、位相情報を高精度に求めることができる。
また、第4実施形態の干渉測定装置は、前記空間キャリアの発生中に前記撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像(図10)を取り込み、それら複数の縞画像から誤差成分の除去された縞画像を求めると共に、求めた縞画像から位相情報を求める演算手段(演算装置)を更に備える。
したがって、第4実施形態の干渉測定装置によれば、位相情報を高精度に求めることができる。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態として干渉測定装置を説明する。
図11は、本実施形態の干渉測定装置の構成図である。図11に示すとおり、干渉測定装置には、レーザ光源10、ピンホール絞り11、コリメートレンズ12、透過性を有した被検物15、無偏光ビームスプリッタ19、30、31、回折格子32a、32b、32c、32d、CCDなどの撮像素子22a、22b、22c、22dが配置される。
このうち撮像素子22a、22b、22c、22dの間では、画素配列及び入出力特性が互いに等しい。以下、撮像素子22aを「第1撮像素子」と称し、撮像素子22bを「第2撮像素子」と称し、撮像素子22cを「第3撮像素子」と称し、撮像素子22dを「第4撮像素子」と称す。
また、回折格子32a、32b、32c、32dの各々は、透過型回折格子であって、位相型又は振幅型で構成されている。また、回折格子32a、32b、32c、32dの各々は、互いに垂直な2方向(x方向、y方向)の各々に亘って周期構造を有した2方向回折格子である。これらの回折格子32a、32b、32c、32dの間では、構造が共通に設定されている。以下、回折格子32aを「第1回折格子」と称し、回折格子32bを「第2回折格子」と称し、回折格子32cを「第3回折格子」と称し、回折格子32dを「第4回折格子」と称す。
レーザ光源10から射出したレーザ光束は、ピンホール絞り11を介して理想的な波面の発散光束となった後、コリメートレンズ12を介して平行光束に変換される。
コリメートレンズ12を射出したレーザ光束は、被検物15へ入射すると、被検物15の位相分布に応じた波面の物体光束となって、被検物15を射出する。
被検物15を通過した物体光束は、無偏光ビームスプリッタ19へ入射すると、無偏光ビームスプリッタ19を透過する物体光束と、無偏光ビームスプリッタ19を反射する物体光束とに分岐される。
無偏光ビームスプリッタ19を透過した物体光束は、無偏光ビームスプリッタ30へ入射すると、無偏光ビームスプリッタ30を透過する分岐光束と、無偏光ビームスプリッタ30を反射する分岐光束とに分岐される。
無偏光ビームスプリッタ19を反射した物体光束は、無偏光ビームスプリッタ31へ入射すると、無偏光ビームスプリッタ31を透過する分岐光束と、無偏光ビームスプリッタ31を反射する分岐光束とに分岐される。
無偏光ビームスプリッタ30を透過した分岐光束は、第1回折格子32aへ入射すると、2対の回折光束(x方向にシアされた1対の回折光束及びy方向にシアされた1対の回折光束)にシアされる。なお、第1回折格子32aでは他の回折光束も発生しているものの、以下、それら回折光束の強度はゼロとみなす。
無偏光ビームスプリッタ30を反射した分岐光束は、第3回折格子32cへ入射すると2対の回折光束(x方向にシアされた1対の回折光束及びy方向にシアされた1対の回折光束)にシアされる。なお、第3回折格子32cでは他の回折光束も発生しているものの、以下、それら回折光束の強度はゼロとみなす。
無偏光ビームスプリッタ31を透過した分岐光束は、第2回折格子32bへ入射すると、2対の回折光束(x方向にシアされた1対の回折光束及びy方向にシアされた1対の回折光束)にシアされる。なお、第2回折格子32bでは他の回折光束も発生しているものの、以下、それら回折光束の強度はゼロとみなす。
無偏光ビームスプリッタ31を反射した分岐光束は、第4回折格子32dへ入射すると2対の回折光束(x方向にシアされた1対の回折光束及びy方向にシアされた1対の回折光束)にシアされる。なお、第4回折格子32dでは他の回折光束も発生しているものの、以下、それら回折光束の強度はゼロとみなす。
第1回折格子32aでシアされた2対の回折光束は、第1撮像素子22aの撮像面上に市松状のシアリング干渉縞を形成する。このシアリング干渉縞は、物体光束の波面のxy方向の勾配(シア波面)を示す。第1撮像素子22aは、このシアリング干渉縞を撮像して画像を生成する。
第3回折格子32cでシアされた2対の回折光束は、第3撮像素子22cの撮像面上に市松状のシアリング干渉縞を形成する。このシアリング干渉縞は、物体光束の波面のxy方向の勾配(シア波面)を示す。第3撮像素子22cは、このシアリング干渉縞を撮像して画像を生成する。
第2回折格子32bでシアされた2対の回折光束は、第2撮像素子22bの撮像面上に市松状のシアリング干渉縞を形成する。このシアリング干渉縞は、物体光束の波面のxy方向の勾配(シア波面)を示す。第2撮像素子22bは、このシアリング干渉縞を撮像して画像を生成する。
第4回折格子32dでシアされた2対の回折光束は、第4撮像素子22dの撮像面上に市松状のシアリング干渉縞を形成する。このシアリング干渉縞は、物体光束の波面のxy方向の勾配(シア波面)を示す。第4撮像素子22dは、このシアリング干渉縞を撮像して画像を生成する。
以下、第1撮像素子22aが生成する画像を「第1縞画像」と称し、第2撮像素子22bが生成する画像を「第2縞画像」と称し、第3撮像素子22cが生成する画像を「第3縞画像」と称し、第4撮像素子22dが生成する画像を「第4縞画像」と称す。
また、第1回折格子32aと第1撮像素子22aとの間隔、第2回折格子32bと第2撮像素子22bとの間隔、第3回折格子32cと第3撮像素子22cとの間隔、第4回折格子32dと第4撮像素子22dとの間隔は、Talbot条件を満たすような間隔に設定されている。
すなわち、これらの回折格子が振幅型であり、その格子ピッチがD、レーザ光束の波長がλである場合には、上記の間隔は、D/(2λ)に設定される。
また、これらの回折格子が位相型であり、その格子ピッチがD、レーザ光束の波長がλである場合には、上記の間隔は、D/(4λ)に設定される。
よって、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像の各々におけるシアリング干渉縞は、前述したシア波面を示す干渉縞に、所定のキャリア縞(空間キャリア)を重畳させたもの(ここでは市松状干渉縞)となる。
よって、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像の少なくとも1枚をフーリエ変換して位相情報を抽出すれば、キャリア縞成分を含まないシア波面(位相θ’(x,y))を算出することができる。
また、前述したとおり第1回折格子32aの構造と、第2回折格子32bの構造と、第3回折格子32cの構造と、第4回折格子32dの構造とは共通に設定されている。
よって、第1縞画像におけるキャリア縞のパターンと、第2縞画像におけるキャリア縞のパターンと、第3縞画像におけるキャリア縞のパターンと、第4縞画像におけるキャリア縞のパターンとは、互いに等しくなる。
ここで、第1回折格子32aのx方向の位置座標と、第2回折格子32bのx方向の位置座標と、第3回折格子32cのx方向の位置座標と、第4回折格子32dのx方向の位置座標との関係は、第1縞画像におけるシアリング干渉縞の位相を基準として、第2縞画像におけるシアリング干渉縞のx方向の位相がπ/2だけシフトし、第3縞画像におけるシアリング干渉縞のx方向の位相がπだけシフトし、第4縞画像におけるシアリング干渉縞のx方向の位相が3π/2だけシフトするように設定されている。
また、第1回折格子32aのy方向の位置座標と、第2回折格子32bのy方向の位置座標と、第3回折格子32cのy方向の位置座標と、第4回折格子32dのy方向の位置座標との関係は、第1縞画像におけるシアリング干渉縞の位相を基準として、第2縞画像におけるシアリング干渉縞のy方向の位相がπ/2だけシフトし、第3縞画像におけるシアリング干渉縞のy方向の位相がπだけシフトし、第4縞画像におけるシアリング干渉縞のy方向の位相が3π/2だけシフトするように設定されている。
つまり、第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像の間では、「空間的な位相シフト」が発生している。
よって、不図示の制御装置は、第1撮像素子22a、第2撮像素子22b、第3撮像素子22c、第4撮像素子22dを同時に駆動することにより、シアリング干渉縞の位相がπ/2ずつずれた第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像を同時に取得することができる。
これらの第1縞画像、第2縞画像、第3縞画像、第4縞画像は、不図示の演算装置によって取り込まれる。
図12は、本実施形態の演算装置の動作を説明する図である。図12では、第1縞画像をIa(x,y)とおき、第2縞画像をIb(x,y)とおき、第3縞画像をIc(x,y)とおき、第4縞画像をId(x,y)とおいた。
演算装置は、これらの縞画像に基づき以下のステップS1〜S5を実行し、物体光束の波面の勾配(シア波面θ’(x,y))を算出する。なお、物体光束の波面は、このシア波面を積分することにより算出できる。
ステップS1:演算装置は、第1縞画像Ia(x,y)をFFTによりフーリエ変換することによりスペクトル画像を取得し、そのスペクトル画像から1次スペクトルを切り出すと共に、切り出した1次スペクトルをフーリエ空間上で所定周波数だけシフトさせ、フーリエ空間上の原点に配置する。なお、そのシフト量は、キャリア縞の空間周波数に相当する量である。さらに、演算装置は、シフト後の1次スペクトルをIFFTにより逆フーリエ変換することにより、第1位相θa’(x,y)を算出する。
ステップS2:演算装置は、第2縞画像Ib(x,y)に対してステップS1と同じ処理を施すことにより第2位相θb’(x,y)を算出する。
ステップS3:演算装置は、第3縞画像Ic(x,y)に対してステップS1と同じ処理を施すことにより、第3位相θc’(x,y)を算出する。
ステップS4:演算装置は、第4縞画像Id(x,y)に対してステップS1と同じ処理を施すことにより、第4位相θd’(x,y)を算出する。
ステップS5:演算装置は、算出した第1位相θa’ (x,y)、第2位相θb’ (x,y)、第3位相θc’ (x,y)、第4位相θd’ (x,y)を平均することにより、測定誤差の相殺された位相θ’(x,y)を算出する(以上、ステップS5)。
以上、本実施形態では、キャリア縞を発生させるために楔ガラスではなく回折格子を利用するとともに、物体光束と参照光束とを干渉させる代わりに回折格子でシアされた物体光束同士を干渉させる点において第3実施形態とは異なるが、第3実施形態と同様の測定誤差(アパーチャ像に起因する測定誤差)が相殺されるので、第3実施形態と同様の効果が期待できる。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態を説明する。本実施形態は、第5実施形態の変形例である。ここでは、第5実施形態との相違点のみを説明する。相違点は、演算装置の動作にある。
図13は、本実施形態の演算装置の動作を説明する図である。演算装置は、以下のステップS1〜S5を実行し、シア波面(位相θ’(x,y))を算出する。
ステップS1:演算装置は、第1縞画像Ia(x,y)と第3縞画像Ic(x,y)との差分をとることにより、差分縞画像Ie(x,y)を作成する。
ステップS2:演算装置は、第2縞画像Ib(x,y)から第4縞画像Id(x,y)を減算することにより、差分縞画像If(x,y)を作成する。
ステップS3:演算装置は、差分画像Ie(x,y)に対して第5実施形態のステップS1と同じ処理を施すことにより、第1位相θe’(x,y)を算出する。
ステップS4:演算装置は、差分画像If(x,y)に対して第5実施形態のステップS1と同じ処理を施すことにより、第2位相θf’(x,y)を算出する。
ステップS5:演算装置は、第1位相θe’(x,y)と第2位相θf’(x,y)とを平均することにより、測定誤差の相殺された位相θ’(x,y)を算出する(以上、ステップS5)。
以上、本実施形態では、測定誤差の相殺を、位相算出後のタイミングではなく、位相算出前のタイミングで行う点において、第5実施形態とは異なるものの、第5実施形態と同様の測定誤差が相殺されるので、第5実施形態と同様の効果が期待できる。
[第5実施形態又は第6実施形態の補足]
なお、第5実施形態又は第6実施形態において、結像光学系の透過波面の形状(つまり結像光学系の波面収差)を測定する場合は、図11に点線で示したとおり、ピンホール絞り11、コリメートレンズ12、被検物15の代わりに、ピンホール絞り11、被検光学系15’、コリメートレンズ12を配置すればよい。
また、第5実施形態又は第6実施形態では、空間的な位相シフト数(=撮像素子の台数)を4としたが、2以上の任意の数としてもよいことは言うまでもない。但し、上述した測定誤差の相殺を行うためには、空間的な位相シフト量がπに設定された少なくとも1対の撮像素子が必要である。
また、第5実施形態又は第6実施形態では、物体光束を分岐するために、無偏光ビームスプリッタ19を使用したが、偏光ビームスプリッタを使用してもよいことは言うまでもない。
また、第5実施形態又は第6実施形態では、2方向回折格子を使用することでx方向のシアとy方向のシアとを同時に行ったが、光軸周りに90°回転可能な1方向回折格子を使用することで、x方向のシアとy方向のシアとを順次に行ってもよい。
また、第5実施形態又は第6実施形態では、複数の回折格子の個体差(形状誤差、アライメント誤差など)を予め測定しておき、その個体差に応じて、位相の測定結果、縞画像、演算内容のうち少なくとも1つを補正してもよい。
[第5実施形態又は第6実施形態の作用効果]
以上、第5実施形態又は第6実施形態の干渉測定装置は、物体光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手段(無偏光ビームスプリッタ19、30、31)と、共通の空間キャリアが発生した複数のシアリング干渉縞を前記複数の分岐光束で個別に生成する干渉手段(回折格子32a、32b、32c、32d)と、前記複数のシアリング干渉縞を同時に撮像する撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)と、前記複数のシアリング干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段(回折格子32a、32b、32c、32d)とを備える。
したがって、第5実施形態又は第6実施形態の干渉測定装置は、位相差を有する複数のキャリア干渉縞を同時に撮像し、測定誤差を抑制するのに必要な複数の縞画像を取得することができる。
また、第5実施形態の干渉測定装置は、前記空間キャリアの発生中に前記撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像(図12)を取り込み、それら複数の縞画像から複数の位相情報を個別に求めると共に、求めた複数の位相情報から誤差成分の除去された位相情報を求める演算手段(演算装置)を更に備える。
したがって、第5実施形態の干渉測定装置によれば、位相情報を高精度に求めることができる。
また、第6実施形態の干渉測定装置は、前記空間キャリアの発生中に前記撮像手段(撮像素子22a、22b、22c、22d)が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像(図13)を取り込み、それら複数の縞画像から誤差成分の除去された縞画像を求めると共に、求めた縞画像から位相情報を求める演算手段(演算装置)を更に備える。
したがって、第6実施形態の干渉測定装置によれば、位相情報を高精度に求めることができる。
[第1実施形態〜第6実施形態に共通する補足]
なお、第1実施形態〜第6実施形態の何れか1形態では、1つの干渉縞を1つの撮像素子で検出したが、2以上の干渉縞を同一平面上に並べて形成し、それら2以上の干渉縞を1つの大サイズの撮像素子で一括して検出してもよい。
なお、2以上の干渉縞を同一平面上に並べて形成するためには、個々の干渉縞に寄与する個々の光束を、光路折り曲げミラーなどで同一平面に導光すればよい。
また、第1実施形態〜第6実施形態の何れか1形態では、複数の撮像素子の間の個体差(入出力特性、画素座標などの固体差)を予め測定しておき、その個体差に応じて、位相の測定結果、縞画像、演算内容のうち少なくとも1つを補正してもよい。
また、第1実施形態〜第6実施形態の何れか1形態では、参照光束の強度と、測定光束の強度とを個別に検出し、それらの検出結果に応じて、測定結果、縞画像、演算内容のうち少なくとも1つを補正してもよい。
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態として投影光学系の製造方法を説明する。
本実施形態で製造する投影光学系は、図14に示すような投影露光装置に搭載される。
図14に示すように投影露光装置には、照明光学系101、レチクルR、投影光学系PL、ウエハWが配置される。レチクルRは、レチクルステージ102によって支持され、ウエハWはウエハステージ106によって支持される。レチクルステージ102及びウエハステージ106は、駆動回路102c,106cによって駆動される。また、駆動回路102c,106cは、制御部109によって制御される。
図15は、投影光学系PLの製造方法の手順を示すフローチャートである。
ステップS101では、投影光学系PLの光学設計をする。このステップS101において、投影光学系PL内の光学素子(レンズ、ミラーの少なくとも一方)の各面形状が決定される。
次のステップS102では、各光学素子を加工する。
次のステップS102,103,104では、加工された各光学素子の面形状を測定しつつ、その面精度誤差が小さくなるまで加工を繰り返す。
その後、全ての光学素子の面精度誤差が十分に小さくなるとそれらを完成させ(ステップS104OK)、ステップS105において投影光学系PLを組み立てる。
次のステップS106では、投影光学系PLの波面収差を測定する。この測定に、上述した何れかの実施形態の測定装置が用いられる。
その後のステップS108では、測定された波面収差に応じて、各光学素子の間隔調整や偏心調整などを行う。
このステップS106,S108を繰り返し、波面収差が許容範囲内に収まった時点(ステップS107OK)で、投影光学系PLを完成させる。
以上、本製造方法では、投影光学系PLの波面収差測定に上述した何れかの実施形態の測定装置が適用される。この測定装置によれば、干渉縞の位相分布が高精度に求まるので、投影光学系PLの波面収差は、高精度に求まる。したがって、間隔調整や偏心調整の方法がたとえ従来と同じであったとしても、投影光学系PLの波面収差を高精度に測定することができた分だけ、投影光学系PLを高性能にすることができる。
また、この投影光学系PLを備えた投影露光装置(図9参照)は、レチクルRのパターンをウエハWに高精度に転写できる高性能な投影露光装置となる。よって、その投影露光装置によれば、高性能なデバイスを製造することができる。
なお、本製造方法では、上述した実施形態の測定装置を投影光学系PLの波面収差測定(ステップS106)に適用したが、投影光学系PLを構成する光学素子(レンズやミラー)の面精度測定(ステップS103)に適用してもよい。
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態として、投影露光装置を説明する。
図16は、投影露光装置の構成図である。
本投影露光装置は、第5実施形態の測定装置(図11)と同じ機能が搭載された投影露光装置である。本実施形態の投影露光装置の基本的な構成は、第7実施形態で説明した投影露光装置(図14)と同じである。図16において図14に示した要素と同じものには同じ符号を付した。
それに加えて、本実施形態の投影露光装置には、第5実施形態で説明したピンホール絞り11、コリメートレンズ12、無偏光ビームスプリッタ19、30、31、回折格子32a、32b、32c、32d、撮像素子22a、22b、22c、22dが第5実施形態と同じ位置関係で搭載される。
このうち、ピンホール絞り11の搭載先は、レチクルステージ102であり、コリメートレンズ12、無偏光ビームスプリッタ19、30、31、回折格子32a、32b、32c、32d、撮像素子22a、22b、22c、22dの搭載先は、ウエハステージ106である。
以下、コリメートレンズ12、無偏光ビームスプリッタ19、30、31、回折格子32a、32b、32c、32d、撮像素子22a、22b、22c、22dからなる光学系を、測定系106aとおく。
ピンホール絞り11は、測定時にのみ、レチクルRの代わりに投影光学系PLの物体面へ挿入される。
測定系106aは、測定時にのみ、ウエハWの代わりに投影光学系PLの像面側へ挿入される。
測定時、ピンホール絞り11及び測定系106aが光路に挿入されると、ピンホール絞り11にて球面波状の測定光束が生成され、その測定光束は、投影光学系PLを通過することにより、物体光束となって測定系106aへ入射する。
測定時、制御部109は、駆動回路106cを介して測定系106aを駆動し、第5実施形態と同様の複数の縞画像を取得するとともに、それら複数の縞画像に対して第5実施形態の演算装置と同様の演算を施す。
したがって、制御部109は、本実施形態の投影露光装置を第5実施形態の測定装置と同様に動作させることができる。
したがって、本実施形態の投影露光装置は、第5実施形態の測定装置と同じ精度で、投影光学系PLの波面収差の自己測定を行うことができる。
よって、本投影露光装置の管理者は、適当なタイミングで投影光学系PLの波面収差測定を行い、その測定結果に応じて投影露光装置の何れかの箇所を調整すれば、投影露光装置の性能を維持することができる。
なお、本実施形態の投影露光装置には、ピンホール絞り11とレチクルRとが別々に用意されたが、ピンホール絞り11を一体化してなるレチクルRを用いてもよい。このようなレチクルRは、例えば、レチクルRの表面に金属膜を蒸着し、その金属膜をエッチングしてピンホールパターンを形成することにより形成される。
また、本実施形態では、第5実施形態の測定装置と同じ機能を搭載した投影露光装置を説明したが、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第6実施形態の何れかの測定装置と同じ機能を搭載した投影露光装置も同様に構成することもできる。
[第7実施形態又は第8実施形態の補足]
なお、第7実施形態又は第8実施形態では、屈折型の投影光学系を想定したが、反射型の投影光学系や、屈折レンズとミラーとの組み合わせからなる投影光学系を適用してもよいことは言うまでもない。
因みに、反射型の投影光学系を使用する場合は、透過型レチクルの代わりに反射型レチクルが使用されることが望ましい。また、反射型の投影光学系を使用する場合は、透過型ピンホール絞りの代わりに反射型ピンホール絞りが使用されることが望ましい。
20…レーザ光源、11…ピンホール絞り、12…コリメートレンズ、13…偏光ビームスプリッタ、14…1/4波長板、15…被検物、16…1/4波長板、17…参照物、18…並進機構、19…無偏光ビームスプリッタ、20…1/2波長板、21…偏光ビームスプリッタ、22a、22b、22c、22d…撮像素子、23…1/4波長板、24…偏光ビームスプリッタ

Claims (16)

  1. 物体光束と参照光束とを統合して統合光束を生成する統合手段と、
    前記統合光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手段と、
    前記複数の分岐光束で複数の干渉縞を個別に生成する干渉手段と、
    前記複数の干渉縞を同時に撮像する撮像手段と、
    前記複数の干渉縞に共通のキャリアを発生させるキャリア発生手段と、
    前記複数の干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段と、
    を備えることを特徴とする干渉測定装置。
  2. 請求項1に記載の干渉測定装置において、
    前記キャリアは、
    時間キャリアである
    ことを特徴とする干渉測定装置。
  3. 請求項1に記載の干渉測定装置において、
    前記キャリアは、
    空間キャリアである
    ことを特徴とする干渉測定装置。
  4. 物体光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手段と、
    共通の空間キャリアが発生した複数のシアリング干渉縞を前記複数の分岐光束で個別に生成する干渉手段と、
    前記複数のシアリング干渉縞を同時に撮像する撮像手段と、
    前記複数のシアリング干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段と
    を備えることを特徴とする干渉測定装置。
  5. 請求項2に記載の干渉測定装置において、
    前記時間キャリアの発生中に前記撮像手段が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像群を取り込み、それら縞画像群のうち撮像位置の共通するもの同士で位相情報を求めると共に、求めた複数の位相情報から誤差成分の除去された位相情報を求める演算手段を更に備える
    ことを特徴とする干渉測定装置。
  6. 請求項2に記載の干渉測定装置において、
    前記時間キャリアの発生中に前記撮像手段が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像群を取り込み、それら縞画像群のうち撮像タイミングの共通するもの同士で位相情報を求めると共に、求めた複数の位相情報から誤差成分の除去された位相情報を求める演算手段を更に備える
    ことを特徴とする干渉測定装置。
  7. 請求項3又は請求項4に記載の干渉測定装置において、
    前記空間キャリアの発生中に前記撮像手段が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像を取り込み、それら複数の縞画像から複数の位相情報を個別に求めると共に、求めた複数の位相情報から誤差成分の除去された位相情報を求める演算手段を更に備える
    ことを特徴とする干渉測定装置。
  8. 請求項3又は請求項4に記載の干渉測定装置において、
    前記空間キャリアの発生中に前記撮像手段が前記複数の干渉縞に応じて生成した複数の縞画像を取り込み、それら複数の縞画像から誤差成分の除去された縞画像を求めると共に、求めた縞画像から位相情報を求める演算手段を更に備える
    ことを特徴とする干渉測定装置。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の干渉測定装置を備えることを特徴とする波面収差測定装置。
  10. 請求項1〜請求項8に記載の干渉測定装置を備えることを特徴とする形状測定装置。
  11. 請求項9に記載の波面収差測定装置を備えることを特徴とする露光装置。
  12. 物体光束と参照光束とを統合して統合光束を生成する統合手順と、
    前記統合光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手順と、
    前記複数の分岐光束で複数の干渉縞を個別に生成する干渉手順と、
    前記複数の干渉縞を同時に撮像する撮像手順と、
    前記複数の干渉縞に共通のキャリアを発生させるキャリア発生手順と、
    前記複数の干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手順と、
    を含むことを特徴とする干渉測定方法。
  13. 物体光束を複数の分岐光束に分岐する分岐手順と、
    共通の空間キャリアが発生した複数のシアリング干渉縞を前記複数の分岐光束で個別に生成する干渉手順と、
    前記複数のシアリング干渉縞を同時に撮像する撮像手順と、
    前記複数のシアリング干渉縞の間に所定の位相差を付与する位相差付与手段と
    を含むことを特徴とする干渉測定方法。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の干渉測定方法で投影光学系の波面収差を測定する手順を含むことを特徴とする投影光学系の製造方法。
  15. 請求項12又は請求項13に記載の干渉測定方法で投影光学系の光学素子の形状を測定する手順を含むことを特徴とする投影光学系の製造方法。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の投影光学系の製造方法を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。
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