JP2014105675A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014105675A
JP2014105675A JP2012260924A JP2012260924A JP2014105675A JP 2014105675 A JP2014105675 A JP 2014105675A JP 2012260924 A JP2012260924 A JP 2012260924A JP 2012260924 A JP2012260924 A JP 2012260924A JP 2014105675 A JP2014105675 A JP 2014105675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder pressure
combustion engine
internal combustion
output
pressure sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012260924A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6007755B2 (ja
Inventor
Yusuke Suzuki
裕介 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012260924A priority Critical patent/JP6007755B2/ja
Publication of JP2014105675A publication Critical patent/JP2014105675A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6007755B2 publication Critical patent/JP6007755B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】圧電素子を有する筒内圧センサを用いて、内燃機関停止後の筒内圧を予測する。
【解決手段】圧電素子を有する筒内圧センサを備える内燃機関の、停止から次回始動までの期間に含まれる所定期間、筒内圧が変化しなかった場合の、所定期間内の所定時点における筒内圧センサの出力が予測される。そして、この所定期間内の開始点における筒内圧と、所定時点における筒内圧センサの出力値と、予測された筒内圧センサの出力予測値と、に応じて、所定時点における筒内圧が算出される。
【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、筒内圧センサが搭載された内燃機関の制御装置に関する。
一般に、内燃機関の気筒に筒内圧センサを設置し、この出力値に応じて筒内圧や燃焼圧を検出することが知られている。筒内圧や燃焼圧は気筒内の燃焼状態を直接的に示すパラメータとなり、内燃機関の各種制御に用いられる。また内燃機関の停止後も、ピストンリング等からの圧抜けによって筒内圧は低下する。この筒内圧の変化によって、例えば、燃料の気化特性も変化するため、気化安定時間も変化する。従って、内燃機関の始動時に最適な時期に点火を行うためには、始動時の筒内圧を正確に把握して点火遅延時間を設定することが望ましい。このように内燃機関の始動時の種々の制御等においては、内燃機関の始動時の筒内圧を把握することが必要となる。この点、特許文献1のシステムでは、内燃機関の停止後の経過時間に応じて、内燃機関停止中の筒内圧が推定され、推定された始動時の筒内圧に基づいて、点火遅延時間が補正されている。
特開2006−183630号公報 特開2012−145041号公報 特開2009−150291号公報
特許文献1のシステムでは、内燃機関の停止後の経過時間に応じて、始動時の筒内圧が推定される。しかし、ピストンリング等の磨耗状況の違いにより、圧抜けの速度は異なる。従って、経過時間だけでは筒内圧の変化を正確に推定することは難しい。
また、圧電素子を用いた筒内圧センサは、筒内圧の変化に応じて圧電素子が出力する電圧に応じた出力を発するものである。このような圧電素子を用いた筒内圧センサの場合、静圧の検出が難しい。つまり、内燃機関の停止後、筒内圧の変化がごく小さい状態では、筒内圧センサでは筒内圧を高い精度で検出することが難しくなる。
特に、圧電素子を備え、かつ内蔵回路にオフセット補正機能を備えた筒内圧センサを用いたシステムにおいて、内燃機関が膨張行程の途中で停止すると、筒内圧センサの出力変化には、実際の筒内圧の低下による圧電素子の出力変化と、オフセット補正機能による一定出力への収束による変化とが、重畳することになる。しかし、内燃機関停止後の筒内圧変化はごく小さなものであるため、オフセット補正機能による補正の影響が過度に大きくなる。従って、正確に筒内圧を検出することが難しい。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の停止後の筒内圧をより高い精度で推定できるよう改良した内燃機関の制御装置を提供するものである。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、圧電素子を有する筒内圧センサを備える内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の停止から次回始動までの期間に含まれる所定期間の間、筒内圧が変化しなかった場合の、前記所定期間内の所定時点における筒内圧センサの出力を予測する予測手段と、
前記所定期間内の開始点における筒内圧と、前記所定時点における筒内圧センサの出力と、前記予測手段により予測された前記筒内圧センサの出力予測値と、に応じて、前記所定時点における筒内圧を算出する算出手段と、を備える。
上記において、「開始点における筒内圧」及び「所定時点における筒内圧」としているが、筒内圧の値を直接的に示す数値に限るものではなく、例えば、これら「筒内圧」に対応した筒内圧センサの理論的な出力値など、筒内圧と相関を有するパラメータをも含まれるものとする。
第2の発明は、第1の発明において、前記予測手段が、前記開始点における前記筒内圧センサの出力と、前記筒内圧センサが有するオフセット補正機能の収束点とに応じて、前記所定時点における前記出力予測値を予測するものである。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記開始点における筒内圧が、前記内燃機関の停止時に検出された前記筒内圧センサの出力に基づくものである。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記所定期間は、前記内燃機関の停止直後から一定時間ごとに区切られて繰り返される複数の期間であって、
前記所定時点は、前記所定期間それぞれの終了点であって、
前記予測手段は、前記所定期間それぞれの開始点における筒内圧センサの出力に基づいて、前記所定期間それぞれの終了点における出力予測値を予測し、
前記複数の所定期間のうち、前記内燃機関の停止後の最初の所定期間の開始点における筒内圧は、前記内燃機関の停止時に検出された前記筒内圧センサの出力に基づく筒内圧であって、
前記最初の所定期間を除く他の1の所定期間の開始点における筒内圧は、前記1の所定期間の直前の所定期間において前記算出手段により算出された該終了点の筒内圧であるものである。
第3、第4の発明においても、上記同様に「筒内圧」には筒内圧と相関を有するパラメータも含まれる。そして「停止時に検出された筒内圧センサの出力に基づく筒内圧」には、筒内圧センサの出力を直接用いる場合も含まれる。また「内燃機関の停止時に検出された」とは、内燃機関の停止直前や停止直後に検出されたものも含まれる。従って、例えば内燃機関の停止前に最後に検出された筒内圧センサの出力、あるいは停止後最初に検出された筒内圧センサの出力も含まれる。
第5の発明は、第1から第4の発明において、前記所定期間の所定時点は、前記内燃機関の停止後、基準時間が経過した後の時点であって、
前記内燃機関の停止後かつ前記所定時点より前の筒内圧と、前記算出手段により算出された該所定時点における筒内圧とに基づいて、前記内燃機関の筒内圧の異常を検出する検出手段を、更に備えるものである。
第6の発明は、第1から第4の発明において、前記所定期間の所定時点は、前記内燃機関の停止後、基準時間が経過した後の時点であって、
前記所定時点における前記出力予測値と、前記所定時点における前記筒内圧センサの出力との差が、基準範囲外である場合に、前記内燃機関の筒内圧の異常を検出する検出手段を、更に備えるものである。
第1の発明によれば、内燃機関の停止中の所定期間内のある時点の筒内圧が変化しなかった場合に予測される筒内圧センサの出力予測値と、その時点の筒内圧センサの出力とに応じて、筒内圧が検出される。ここで、筒内圧センサが有するオフセット補正機能のセンサ出力への影響は、筒内圧が変化しなかった場合の出力予測値に近似する。従って、筒内圧センサの出力からオフセット補正機能の影響を排除して、より正確に筒内圧を求めることができる。
第1から第4の発明によれば、内燃機関の停止中の筒内圧の小さな変化を、オフセット補正機能の影響を排除した状態で算出することができる。従って、第5、第6の発明によれば、上記のように算出された筒内圧又はその変化に応じて、高い精度で筒内圧の異常を検出することができる。
本発明の実施の形態1のシステムの全体構成を説明するための図である。 内燃機関の停止後の筒内圧の変化と筒内圧センサの出力について説明するための図である。 本発明の実施の形態1における筒内圧の算出手法について説明するための図である。 本発明の実施の形態1における筒内圧の算出手法について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 内燃機関の停止後の筒内圧の変化について説明するための図である。 本発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態としてのシステム構成を説明するための概略構成図である。図1のシステムは内燃機関10を備えている。内燃機関10は、ガソリンを燃料とする火花点火式の多気筒エンジンである。内燃機関10の各気筒内には、その内部を往復運動するピストン12が設けられている。また、内燃機関10は、シリンダヘッド14を備えている。ピストン12とシリンダヘッド14との間には、燃焼室16が形成されている。燃焼室16には、吸気通路18および排気通路20の一端がそれぞれ連通している。
シリンダヘッド14には、燃焼室16の頂部から燃焼室16内に突出するように点火プラグ26と、燃料を筒内に噴射するための燃料噴射弁28とが設けられている。更に、シリンダヘッド14には、各気筒の筒内圧力を検出するための筒内圧センサ30がそれぞれ組み込まれている。筒内圧センサ30は圧電素子タイプの筒内圧センサであり、その内蔵回路にオフセットドリフト機能を備えたものである。
本実施の形態のシステムは、制御装置40を備えている。制御装置40の入力部には、上述した筒内圧センサ30の他、クランク軸の回転位置を検知するためのクランク角センサ42等の各種センサが接続されている。また、制御装置40の出力部には、上述したスロットルバルブ、点火プラグ26、燃料噴射弁28等の各種アクチュエータが接続されている。制御装置40は、入力された各種の情報に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御する。また、制御装置40は、内燃機関10の運転・停止を間欠的、かつ自動的に行うエコラン制御を実行する。
[実施の形態1の動作]
図2は、筒内圧センサ30の出力に基づく筒内圧検出値について説明するための図である。図2において横軸は経過時間、縦軸は筒内圧を示している。また、図2では、時点tにおいて、内燃機関10の運転が停止した例を表しており、破線(a)は実際の筒内圧を表し、実線(b)は筒内圧センサ30に基づいて求められた筒内圧を示している。
筒内圧センサ30は圧電素子を有する。圧電素子は気筒内に発生した圧力差に応じた電圧を発する。また、筒内圧センサ30は、オフセットドリフトを補正する機能(以下「オフセット補正回路」とも称する)を内蔵している。オフセット補正回路は、一定の時定数に基づいて、センサ出力を一定の収束値に収束させる。内燃機関10の運転中は、このオフセット補正回路により補正されたセンサ出力に基づいて筒内圧が正しく検出される。
しかし、内燃機関10停止後の筒内圧の変化は、例えばピストンリングからの空気の漏れなど、小さなものである。従って、筒内圧センサ30に用いられている圧電素子が発する電圧も、圧力変化に応じた小さなものとなる。一方、ある気筒において一定の圧縮圧がかかった状態で内燃機関10が停止した場合、停止後のオフセット補正回路による補正値が圧電素子の出力に比して大きくなる。従って、図2に示されるように、内燃機関10停止後、筒内圧センサの出力に基づく筒内圧(b)と、実際の筒内圧(a)との乖離Aが大きくなる。
そこで本実施の形態1では、内燃機関10停止後は、オフセット補正回路の影響を排除して、内燃機関10停止後の筒内圧を検出する。図3は、内燃機関10停止後の筒内圧センサ30の出力変化予測と、筒内圧検出値とを表す図であり、図4は、本実施の形態1により算出される筒内圧推定値について説明するための図である。図3及び図4において、横軸は時間、縦軸は筒内圧を表している。なお、筒内圧センサ30は、一般的には電圧等をその出力とし、この出力信号に基づいて制御装置40において筒内圧の値が検出される。しかしながら、簡略化のため以下の説明では、筒内圧センサ30が筒内圧の値を直接出力するものとして説明する。
図3において、曲線X(i=0,1,2,・・・・)は、ある時点tにおける筒内圧センサの出力変化の予測線を表している。この予測線Xは、内燃機関10の停止後のある時点tから筒内圧変化がないとすれば得られるであろう筒内圧センサ30の出力変化を予測したものである。この筒内圧センサ30の出力変化は、筒内圧センサ30が有するオフセット補正回路の機能によるものであり、予測線Xは現時点tの筒内圧出力値CPと、オフセット補正回路の収束値Pfixとの偏差dPiと、オフセット補正回路が有する放電時定数et/Tとにより、次式(1)に従って求めることができる。
筒内圧予測線X=dP×(1−et/T) ・・・・(1)
上記式(1)において収束値Pfixはオフセット補正回路ごとに固有の、固定値である。
内燃機関の停止時tの筒内圧センサ30の出力値CP(以下、「筒内圧出力値」とも称する)に応じて求められる予測線Xの、次の時点tにおける値、即ち、時点tでの筒内圧予測値CPFは、上記式(1)に従って、筒内圧出力値CPと収束値Pfixと放電時定数に従って求めることができる。この筒内圧予測値CPFは、内燃機関10の停止時tの筒内圧が時点tまで変化しなかったと仮定した場合の筒内圧センサ30の出力の予測値である。従って、時点tにおける筒内圧予測値CPFと、実際の筒内圧センサ30の筒内圧出力値CPとの差dCPTは、時点tから時点tに実際に発生した筒内圧の変化量に近似すると考えられる。従って、図4に示すように、内燃機関10停止時の筒内圧出力値CPから、筒内圧変化量dCPTを減算した筒内圧を、時点tにおける筒内圧推定値Pdとして算出する。なお、内燃機関10の運転中は筒内圧の大きく変化するためオフセット補正回路による出力誤差が生じない。従って、正常な筒内圧センサ30であれば、内燃機関10の停止時までは、そのセンサ出力に基づき筒内圧を正確に検出することができる。従って、停止時の筒内圧出力値CPが、そのまま停止時の筒内圧であると推定され、用いられる。
本実施の形態では、内燃機関10の停止直後から一定時間ごとに区切られた所定期間ごとに、上記と同様の処理を繰り返し筒内圧の算出を行う。まず、前回の筒内圧出力値CPi−1と収束値Pfixとの偏差dPi―1に基づいて、ある時点ti−1から筒内圧が変化しなかった場合に、時点tにおいて得られるはずの筒内圧予測値CPFが求められる。次に、筒内圧予測値CPFと、現時点tの筒内圧出力値CPとの差を、時点ti−1から時点tの間に発生した筒内圧変化量dCPTとして求める。その後、筒内圧変化量dCPTを、前回の筒内圧推定値Pdi−1から減算することで、現時点tにおける筒内圧推定値Pdが算出される。
[実施の形態1の具体的な制御のルーチン]
図5は、本発明の実施の形態1において制御装置40が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図5のルーチンは、一定時間ごとに繰り返し実行されるルーチンである。図5のルーチンでは、まず、内燃機関10が停止中であるか否かが判別される(S100)。内燃機関10が停止中であることが認められない場合、このルーチンで筒内圧の算出回数のカウンタとなるiがゼロとされ(S102)、今回の処理は一旦終了する。
一方、ステップS100において内燃機関10が停止中であることが認められると、次に、現時点tにおける筒内圧出力値CPが検出される(S104)。ここでは筒内圧出力値CPは筒内圧センサ30の出力値である。
次に、現時点tにおいて、i>0であるか否かがか判別される(S106)。ここで、iは初期値においてゼロに設定され、内燃機関10の停止から、次回の始動までの間に、このルーチンで筒内圧が算出されるたびに1が加算されるカウンタである。i>0である場合、筒内圧推定値Pdが、まだ一度も算出されておらず、筒内圧推定値Pdiの算出履歴がないことになる。この場合、ステップS104において検出された筒内圧出力値CPが、内燃機関10停止直後の筒内圧推定値Pdとして記憶され(S107)、ステップS116においてiに1が加算されてインクリメントされた後、今回の処理は終了する。
一方、ステップS106において、i>0であることが認められると、次に、前回の筒内圧出力値CPi−1が呼出される(S108)。次に、今回の筒内圧予測値CPFが算出される(S110)。ここでは、上記式(1)に従って、前回筒内圧出力値CPi−1と収束値Pfixとの偏差dPi−1と時定数とにより、この時点tでの筒内圧予測値CPFが算出される。
次に、筒内圧変化量dCPTが算出される(S112)。筒内圧変化量dCPTは、今回筒内圧出力値CPを筒内圧予測値CPFから減じた値(CPF−CP)である。
次に筒内圧推定値Pdが算出される(S114)。筒内圧推定値Pdは、前回の筒内圧推定値Pdi−1から、ステップS112で求められた筒内圧変化量dCPTを減じた値(Pdi−1−dCPT)である。次に、カウンタiがインクリメントされ(S116)、その後、今回の処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、内燃機関10停止後の筒内圧センサ30の出力変化を予測し、この予測値と筒内圧センサ30の出力値との差分を筒内圧の変化量として求め、この変化量に応じて内燃機関10停止後の筒内圧を推定する。これによりオフセット補正回路による影響を排除して筒内圧を求めることができる。従って、圧縮圧がかかった状態で停止した気筒の、内燃機関10停止中の小さな筒内圧の変化をも、より正確に把握することができる。また、本実施の形態1において活用されるのは、オフセット補正回路の時定数及び収束値であり、経時的な変化の影響のない固定値である。従って、高い精度で筒内圧の推定が可能となる。
なお、たとえば実施の形態1において、ステップS110の処理が実行されることで、本発明の「予測手段」が実現し、ステップS112及びS114の処理が実行されることで「算出手段」が実現する。
また、例えば、実施の形態1において、内燃機関の停止時tから一定時間ごとの、図5のルーチンが繰り返される期間や、前回の時点ti−1から今回の時点tまでの期間が、本発明の「所定期間」に該当する。そして、例えば、今回の時点tが、本発明の「所定時点」かつ「終了点」に該当し、前回の時点ti−1は、本発明の「開始点」に該当する。また、内燃機関10の停止時tからtまでの期間は、本発明の「内燃機関の停止後の最初の所定期間」に該当し、停止時の筒内圧CPは、本発明の「開始点における筒内圧」に該当する。それ以降、時点ti−1の筒内圧推定値Pdi−1は、本発明の「最初の所定期間を除く他の1の所定期間の開始点における筒内圧」に該当する。
上記のように本実施の形態1では、筒内圧を検出する一定時間ごとの所定期間に、前回の所定期間の筒内圧出力値CPi−1に基づく筒内圧予測値CPFを算出し、この予測値CPFと今回の出力値CPから筒内圧変化量dCPTを求める場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではない。例えば、内燃機関10の停止時の筒内圧CPに応じて出力予測線(図3のX)を算出し、この予測線(X)と予測値を求める時点の内燃機関10の停止からの経過時間とから、その時点における筒内圧予測値を求めるものとしてもよい。
また、本実施の形態1では、筒内圧センサ30は、その内蔵回路にオフセット補正機能を有する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、筒内圧センサ30が接続する制御装置40や、外部コントロールユニット等に、同様のオフセット補正機能を有するものであってもよい。
また、オフセット補正機能は、一定の収束値にセンサ出力を収束させる機能である。従って、例えば圧縮圧のかかっていない場合や、停止後の経過時間が長くなり、センサ出力が収束した場合には、オフセット補正機能の影響はない。このような場合、本実施の形態1の制御では、筒内圧予測値CPFがゼロとなり、それ以降は筒内圧センサの出力に基づく筒内圧がそのまま用いられることとなる。但し、現在の筒内圧とオフセット補正機能の収束値との差が、所定より大きい場合にのみ上記の制御を行うこととしてもよい。
また、本実施の形態1では、内燃機関10停止後の筒内圧センサ30の出力の外乱要因として、オフセット補正機能を挙げ、この影響を排除する場合について説明した。しかし、センサ出力には、例えば、温度変化に伴う出力ドリフトなど、他の外乱要因も含まれる。これらについても、そのドリフトの予測量を算出できるものであれば、上記同様の手法で、このドリフト分を除いた内燃機関停止後の筒内圧を推定することができる。より具体的には、現在の筒内圧センサの出力値から現在の筒内圧予測値を減算し、実際の筒内圧変化量を求め、求められた筒内圧変化量と、前回までの筒内圧推定値又は停止時の筒内圧に応じて、その時点での筒内圧推定値が算出される。
実施の形態2.
実施の形態2のシステムは図1と同様の構成を有する。実施の形態2のシステムは、実施の形態1と同様の制御により筒内圧を算出した後、算出された筒内圧推定値に基づき、筒内の異常検出を実行する。
図6は、本発明の実施の形態2における制御の概要について説明するための図である。図6において、横軸は時間、縦軸は筒内圧を表している。また実線(a)は正常な場合の筒内圧を表し、破線(b)は、筒内圧が高くなる異常が発生している場合、破線(c)は、筒内圧が低くなる異常が発生している場合の筒内圧を、それぞれ表している。
内燃機関10の停止後、筒内圧が抜けていく先となるクランクケース内圧が高くなっている場合、筒内圧が高いままの状態が続く。従って、クランクケース内圧が高くなる異常が発生している場合には、図6の破線(b)に示されるように、内燃機関10の停止後のあるべき筒内圧変化(実線(a)参照)に対して、高い筒内圧変化を示す。また、一方、リング磨耗やバルブ噛み込み等によりコンプレッションの低下が発生している場合、内燃機関10の停止後の筒内圧が早くに低下する。従って、コンプレッションが低下する異常が発生している場合には、図6の破線(c)に示されるように、内燃機関10の停止後のあるべき筒内圧変化に対して、筒内圧が低くなる。
従って、内燃機関10停止後、所定時間が経過した後の筒内圧推定値の低下度合いを算出値、低下度合いが、正常時の低下度合いの許容範囲を超えて小さくなるときは、クランクケースの内圧異常と判定する。また、筒内圧の低下度合いが、正常時の低下度合いの許容範囲を超えて大きくなる場合には、コンプレッションの異常と判定する。
より具体的には、内燃機関10の停止時の筒内圧P0と所定時間経過後の時点tにおいて、実施の形態1の方法で算出された筒内圧変化量dCPTを、所定時間の間の基準変化量dCPSから減算した差分dPvが、基準値αよりも大きい場合にはクランクケースの内圧異常と判定し、基準値βよりも小さい場合には、コンプレッションの異常と判定する。
ここで、正常な気筒の筒内圧の変化は、内燃機関10の停止時の筒内圧と経過時間に応じて異なる。従って、基準変化量dCPSと、その気筒の停止時の気筒内と経過時間との関係を定めたマップをあらかじめ制御装置40に記憶し、このマップに従って基準変化量dCPSが設定されるものとする。このようなマップは予め実験やシミュレーション等によって適宜求められる。また、基準値α、βは、異常と判定するか否かの判断の基準となる値であり、所定時間における正常時の低下度合との差の許容範囲の上限、および下限値近傍の値であり、予め実験やシミュレーション等によって求められ制御装置に記憶される。
図7は、本発明の実施の形態2において制御装置40が実行する制御のルーチンについて説明するための図である。図7のルーチンは、図5のルーチンに替えて実行される。図7のルーチンでは、内燃機関10の停止中であることが認められ、図5のステップS100〜S114と同様に筒内圧推定値Pdiが算出され、ステップS116においてカウンタiに1が加算された後、次に、内燃機関10の停止からの経過時間が所定時間を越えたか否かが判別される(S200)。所定時間は、筒内に生じる圧力異常の影響が検出できる程度に大きくなるまでに要する時間であり、予め制御装置等に記憶されている。
ステップS200において、内燃機関の停止後の経過時間が所定時間に達したことが認められない場合には、今回の処理は一度終了する。一方、停止後の経過時間が所定時間に達したことが認められると、次に、筒内圧変化量と基準変化量との差分dPvが算出される(S204)。基準変化量dCPSは、予め制御装置40に記憶されたマップに従い、停止後の経過時間と、内燃機関停止時の筒内圧CPに応じて算出される。算出された基準変化量dCPSから、ステップS112において求められた筒内圧変化量dCPTが減算されて、差分dPvが求められる。
次に、差分dPvが基準値αより大きいか否かが判別される(S206)。差分dPvが基準値αより大きい場合には、筒内圧低下度合いが正常範囲を超えて小さい状態であると判断される。従って、クランクケース内圧異常であると判定され(S208)、今回の処理は終了する。
一方、ステップS206において、差分dPvが基準値αより大きいことが認められない場合、差分dPvが基準値βより小さいか否かが判別される。基準値βは基準値αよりも小さな基準値であり、予め制御装置40に記憶されている。ステップS210において、差分dPvが基準値βより小さいことが認められると、筒内圧の低下度合いが正常範囲を超えて大きい状態であると判断される。この場合、コンプレッション異常が発生していることが検出される(S212)。その後、今回の処理が終了する。
以上説明したように、本実施の形態2によれば検出された筒内圧変化量に基づいて、異常の検出が実行される。これにより、より正確な筒内圧の推定に基づき、高い精度で異常の検出を行うことができる。
なお、本実施の形態2においては、ある時点において算出されている筒内圧変化量dCPTをそのまま利用して、異常の判定を行う場合について説明した。しかし、本発明における異常判定は、これに限られるものではない。例えば、ある時点tにおいて推定された筒内圧推定値Pdと、停止時の筒内圧CPまたは、時点tより前に算出された筒内圧推定値Pd(x<i)との差を求め、この差が、正常な筒内圧が示す変化の許容範囲を超えている場合に、異常と判定するものとしてもよい。このようにしても、オフセット補正回路による影響を排除して推定される筒内圧に基づいて、より高い精度で異常を検出することができる。
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
10 内燃機関
12 ピストン
14 シリンダヘッド
16 燃焼室
18 吸気通路
20 排気通路
26 点火プラグ
28 燃料噴射弁
30 筒内圧センサ
40 制御装置
42 クランク角センサ

Claims (6)

  1. 圧電素子を有する筒内圧センサを備える内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の停止から次回始動までの期間に含まれる所定期間の間、筒内圧が変化しなかった場合の、前記所定期間内の所定時点における筒内圧センサの出力を予測する予測手段と、
    前記所定期間内の開始点における筒内圧と、前記所定時点における筒内圧センサの出力と、前記予測手段により予測された前記筒内圧センサの出力予測値と、に応じて、前記所定時点における筒内圧を算出する算出手段と、
    を備える内燃機関の制御装置。
  2. 前記予測手段は、前記開始点における筒内圧センサの出力と、前記筒内圧センサが有するオフセット補正機能の収束点とに応じて、前記所定時点における前記出力予測値を予測する、
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記開始点における筒内圧は、前記内燃機関の停止時に検出された前記筒内圧センサの出力に基づくものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記所定期間は、前記内燃機関の停止直後から一定時間ごとに区切られて繰り返される複数の期間であって、
    前記所定時点は、前記所定期間それぞれの終了点であって、
    前記予測手段は、前記所定期間それぞれの開始点における前記筒内圧センサの出力に基づいて、前記所定期間それぞれの終了点における出力予測値を予測し、
    前記複数の所定期間のうち、前記内燃機関の停止後の最初の所定期間の開始点における筒内圧は、前記内燃機関の停止時に検出された前記筒内圧センサの出力に基づく筒内圧であって、
    前記最初の所定期間を除く他の1の所定期間の開始点における筒内圧は、前記1の所定期間の直前の所定期間において前記算出手段により算出された該終了点の筒内圧である、
    請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記所定期間の所定時点は、前記内燃機関の停止後、基準時間が経過した後の時点であって、
    前記内燃機関の停止後かつ前記所定時点より前の筒内圧と、前記算出手段により算出された該所定時点における筒内圧とに基づいて、前記内燃機関の筒内圧の異常を検出する検出手段を、更に備える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記所定期間の所定時点は、前記内燃機関の停止後、基準時間が経過した後の時点であって、
    前記所定時点における前記出力予測値と、前記所定時点における前記筒内圧センサの出力との差が、基準範囲外である場合に、前記内燃機関の筒内圧の異常を検出する検出手段を、更に備える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
JP2012260924A 2012-11-29 2012-11-29 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP6007755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012260924A JP6007755B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012260924A JP6007755B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014105675A true JP2014105675A (ja) 2014-06-09
JP6007755B2 JP6007755B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=51027387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012260924A Expired - Fee Related JP6007755B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6007755B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183630A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関及びその始動方法
JP2009108868A (ja) * 2009-01-19 2009-05-21 Honda Motor Co Ltd 筒内圧センサの故障を判定する装置
JP2013160087A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Toyota Motor Corp 筒内圧センサの異常診断装置
JP2013221407A (ja) * 2012-04-12 2013-10-28 Denso Corp 電子制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183630A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関及びその始動方法
JP2009108868A (ja) * 2009-01-19 2009-05-21 Honda Motor Co Ltd 筒内圧センサの故障を判定する装置
JP2013160087A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Toyota Motor Corp 筒内圧センサの異常診断装置
JP2013221407A (ja) * 2012-04-12 2013-10-28 Denso Corp 電子制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6007755B2 (ja) 2016-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4303757B2 (ja) 内燃機関の吸気系の異常判定装置
KR101566733B1 (ko) 차량의 엔진 회전수를 이용한 실화 검출 장치 및 그 방법
JP2011157904A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP5381755B2 (ja) 筒内圧センサの出力補正装置
JP2006126171A (ja) 燃焼室圧力の測定方法
JP2008510921A (ja) 内燃機関の運転方法及びその制御装置
JP2011149364A (ja) 燃料噴射制御装置及び方法
JP4530080B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2015197074A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6020061B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009024553A (ja) 内燃機関の制御システム
JP6007755B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006284533A (ja) 筒内圧力センサの異常検知装置
JP4830986B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2012207656A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009013904A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP5772531B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5742787B2 (ja) 内燃機関の異常燃焼検出装置
JP2013147977A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008070232A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4606198B2 (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP2017227198A (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
JP4798647B2 (ja) 筒内圧力センサの異常検知装置
JP2007077856A (ja) 内燃機関の燃焼状態判定装置
JP5174497B2 (ja) 燃料噴射量補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160829

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6007755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees