JP2014101336A - ナフトピジルを含有する医薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】 間質性膀胱炎に伴う症状を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制に有効性を有する医薬を提供する。
【解決手段】 間質性膀胱炎に伴う症状を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するためのナフトピジルを含有する医薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む間質性膀胱炎に伴う症状を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するための医薬に関する。
間質性膀胱炎は、頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、骨盤痛(膀胱痛)などの症状症候群を呈する原因不明で難治性の疾患である。治療は一般に困難で、持続する症状のため患者の生活の質は大きく損なわれる。間質性膀胱炎の原因としては、自己免疫反応、アレルギー、膀胱粘膜の透過性亢進、及び神経性炎症などさまざまな素因が挙げられているが、明確なものはない。間質性膀胱炎の病態で重要なのは、尿路上皮のグリコサミノグリカン層の異常と肥満細胞の活性化による炎症反応である。グリコサミノグリカンが陰性電荷を持ったヘパラン硫酸プロテオグリカンになると、CD44やTGF−βに類似した性質をもち、各種の成長因子とヘパリン結合する。一方、活性化された肥満細胞は多種類のサイトカインや成長因子を産生する。その結果、炎症反応が増幅される(非特許文献1)。
間質性膀胱炎の治療には、水圧拡張術、薬物の内服療法、薬物の膀胱内注入療法、食事療法などがあるが、その有効性は全く十分ではない(非特許文献1)。
一方、ナフトピジル(Naftopidil:(±)−1−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]−3−(1−ナフチロキシ)プロパン−2−オール)は特許文献1に開示された物質であり、同公報には、ナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩が前立腺肥大における排尿困難治療に有用であることが開示されている。ナフトピジルは多数の臨床的研究において前立腺肥大に伴う排尿障害に対して改善作用を示すことが報告されており、すでに経口用錠剤(フリバス錠又はフリバスOD錠、旭化成ファーマ株式会社製造及び販売)として発売されている。
ナフトピジルは、α1Aアドレナリン受容体とα1Dアドレナリン受容体に対する遮断作用を有し、ノルアドレナリンによる前立腺組織あるいは前立腺部尿道の平滑筋組織の収縮を抑制する作用を有することが知られている(非特許文献2)。また、ナフトピジルは、前立腺肥大に伴う排尿障害だけでなく、前立腺肥大症患者での頻尿や夜間頻尿といった蓄尿症状にも有効であることが示されている(非特許文献3)。しかしながら、間質性膀胱炎に起因する頻尿及び膀胱痛などの下部尿路症状にナフトピジルが有効という報告はない。α1受容体以外に対してもナフトピジルが作用を有することは幾つか知られている。例えば、ナフトピジルがセロトニン受容体に対して作用するという報告がある(非特許文献4、特許文献2)。しかし、セロトニン受容体遮断薬或いはセロトニン受容体作動薬が間質性膀胱炎患者に対する治療薬として承認されたことはない。また、前記のいずれの報告とも、ナフトピジルが間質性膀胱炎に伴う症状を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制する可能性を示唆していない。
特公昭60−29712号公報 特開2012−219075号公報
間質性膀胱炎診療ガイドライン、ブラックウェルパブリッシング(2007) Takei R.et al.,Jpn.J.Pharmacol.,79:447−495(1999) Kakizaki H.et al.,LUTS,1:35−39(2009) Borbe HO et al.,Eur.J.Pharmacol.,205(1):105−7(1991)
本発明の課題は、間質性膀胱炎に伴う症状の治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制薬を提供することにある。
本発明者らは、ラットの間質性膀胱炎病態モデルを用いて、ナフトピジルの効果について慎重に鋭意検討を重ねた。その結果、驚くべきことにナフトピジルは、間質性膀胱炎病態モデルにおける頻尿を改善することが見出された。ナフトピジルの投与は、単にそれだけではなく、自発運動量の低下も改善した。間質性膀胱炎病態モデルにおける自発運動量低下の改善は、骨盤痛(膀胱痛)を改善したことを示唆する。本発明は、以上の知見により完成されたものである。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1) 間質性膀胱炎に伴う症状を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するためのナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩を含有する医薬。
(2) 間質性膀胱炎に伴う症状が、少なくとも間質性膀胱炎に伴う頻尿、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛、又は間質性膀胱炎に伴う自発運動量低下のいずれか1つを含む症状である、前記(1)に記載の医薬。
(3) 骨盤痛が膀胱痛である前記(2)に記載の医薬。
(4) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う頻尿である前記(1)に記載の医薬。
(5) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛である前記(1)に記載の医薬。
(6) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う膀胱痛である前記(1)に記載の医薬。
(7) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う自発運動量低下である前記(1)に記載の医薬。
(8) 女性又は前立腺肥大を伴わない男性用である前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の医薬。
(9) 女性用である前記(8)に記載の医薬。
(10) 前立腺肥大を伴わない男性用である前記(8)に記載の医薬。
(11) 治療用である前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医薬。
(12) 改善用である前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医薬。
(13) 悪化抑制用である前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医薬。
(14) 間質性膀胱炎に伴う症状の治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制方法であって、当該治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制が必要とされる対象者に対して、ナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩の治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制有効量を投与することを含む、前記方法。
(15) 間質性膀胱炎に伴う症状が、少なくとも間質性膀胱炎に伴う頻尿、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛、又は間質性膀胱炎に伴う自発運動量低下のいずれか1つを含む症状である、前記(14)に記載の方法。
(16) 骨盤痛が膀胱痛である前記(15)に記載の方法。
(17) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う頻尿である前記(14)に記載の方法。
(18) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛である前記(14)に記載の方法。
(19) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う膀胱痛である前記(14)に記載の方法。
(20) 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う自発運動低下である前記(14)に記載の方法。
(21) 対象者が女性又は前立腺肥大を伴わない男性用である、前記(14)〜(20)のいずれか1つに記載の方法。
(22) 対象者が女性用である、前記(21)に記載の方法。
(23) 対象者が前立腺肥大を伴わない男性用である、前記(21)に記載の方法。
(24) 間質性膀胱炎に伴う症状を治療するための、前記(14)〜(23)のいずれか1つに記載の方法。
(25) 間質性膀胱炎に伴う症状を改善するための、前記(14)〜(23)のいずれか1つに記載の方法。
(26) 間質性膀胱炎に伴う症状の悪化を抑制するための、前記(14)〜(23)のいずれか1つに記載の方法。
本発明の医薬は、実施例1に示されているように、間質性膀胱炎病態モデルにおいて、ナフトピジルが膀胱の痛みと考え得る自発運動量の低下を有意に改善したことから、間質性膀胱炎の代表的な症状である骨盤痛(膀胱痛)の治療のために極めて有効な医薬として利用できる。また、実施例2に示されているように、間質性膀胱炎病態モデルラットの排尿間隔の短縮を有意に改善したことから、本発明の医薬は、間質性膀胱炎の代表的な症状である頻尿の治療のために極めて有効な医薬として利用できる。
トラニラストによる間質性膀胱炎病態モデルラットを用いた膀胱痛あるいは骨盤痛に対するナフトピジルの効果を示すグラフである。 トラニラストによる間質性膀胱炎病態モデルラットを用いた頻尿に対するナフトピジルの効果を示すグラフである。
本発明の医薬における有効成分は、ナフトピジル(Nafutopidil:(±)−1−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]−3−(1−ナフチロキシ)プロパン−2−オール)又は生理学的に許容されるその塩である。したがって、本発明の医薬は、有効成分としてのナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩及び1以上の製剤用添加物とを含むものであり得る。ナフトピジルは、特公昭60−29712号公報に記載された物質であり、当業者が容易に入手できる物質である。しかして、典型的な本発明の医薬には、当該遊離形態のナフトピジルを用いることができる。或いは、本発明の医薬には、ナフトピジルの生理学的に許容される塩(例えば塩酸塩など)を用いてもよい。
本発明の医薬の製造に用いられる製剤用添加物は、医薬を調製する際に、賦形効果、コーティング効果、結合化効果、崩壊化効果、滑沢化効果等の機能付与のために添加する物質であり、医薬に含まれる成分のうち有効成分を除いた全ての物質を包含している。製剤用添加物は使用目的により分類でき、例えば賦形効果を有する物質であれば賦形剤、コーティング効果を有する物質であればコーティング剤、結合化効果を有する物質であれば結合剤、崩壊化効果を有する物質であれば崩壊剤、滑沢化効果を有する物質であれば滑沢剤等に分類することができる。本明細書で用いられる製剤用添加物として、好ましくは「医薬品添加物辞典2000」(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)に収載されている物質を用いることができ、好ましくは乳糖以外の物質を用いることができる。
例えば、製剤用添加物として糖アルコール類及び/又は乳糖以外の糖類を使用することができる。糖アルコール類は糖類がもつカルボニル基を還元して得られる多価アルコールであり、例えば、グリセリン、D−ソルビトール、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトールが挙げられ、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトールが好ましい例として挙げられる。糖アルコール類として、1種類又は2種類以上を選択してもよい。また、乳糖以外の糖類としては、例えば、ブドウ糖、白糖、果糖、マルトース、またデンプンを酵素により糖化したアメ粉等が挙げられ、ブドウ糖、白糖が好ましい例として挙げられる。
本発明の医薬の調製には、水溶性高分子結合剤を用いることができる。水溶性高分子結合剤は、水に溶解することで粘性が得られ、糊のような接着性を示す水溶性高分子からなる製剤用添加物のことである。水溶性高分子結合剤は、この性質を利用して粉末混合物を造粒する際に用いられる。その添加方法は特に制限されないが、例えば、造粒時に溶液として添加するか、あるいは粉末で添加することができる。水溶性高分子結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファー化デンプン、ゼラチン、プルラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム末等が例示される。水溶性高分子結合剤として、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。これらのうち、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい例として挙げられる。
本発明の医薬の調製には、前記の水溶性高分子結合剤に替えて又は一緒に水溶性高分子結合剤以外の結合剤を用いてもよい。このような結合剤としては、例えば、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、無水沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。圧縮成形物が打錠部品に接着して容易に排出し難くなる現象(スティッキング:打錠の際に生じる)を回避するために用いられる滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、L−ロイシン等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムが特に好ましい。また、圧縮された錠剤を唾液中や胃液中で速やかに崩壊させるための崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、合成ヒドロタルサイト等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。錠剤に甘味を付与して服用性を向上させるために甘味料を用いてもよい。甘味料としては、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン酸モノアンモニウム酸、還元麦芽糖水アメ、精製ハチミツ等が例示される。これらのうち、1種類あるいは2種類以上を選択してもよい。錠剤に官能的に良好な臭いを付与して服用性を向上させるために香料を用いてもよい。香料としては、例えば、L−メントール、バニリン、ハッカ油、レモン油、バニラフレーバー、フルーツフレーバー、ミントフレーバー等が例示される。
錠剤の製造方法及び製造装置は特に限定されず、当業界で通常用いられる方法及び装置を使用することができる。より具体的には、混合工程では、V型混合機、クロスロータリー式混合機等が用いられる。造粒工程では、流動層造粒乾燥機、転動流動造粒コーティング装置、撹拌造粒機、円筒押出造粒機等が用いられる。圧縮成型(打錠)機は一般に錠剤の製造に用いられる装置であり、例えば、単発式打錠機等が挙げられる。
本発明の医薬において、有効成分であるナフトピジルの含有割合の下限値は特に限定されないが、例えば、医薬の全重量に対して3重量%以上であることが好ましく、4重量%以上であることがさらに好ましく、特に好ましくは5重量%以上である。上記含有割合の上限値も特に限定されないが、医薬の全重量に対して60重量%以下が好ましく、55重量%以下がさらに好ましく、特に好ましくは50重量%以下である。賦形剤の含有割合の下限値は、例えば、医薬の全重量に対して45重量%以上が好ましく、50重量%以上がさらに好ましく、特に好ましくは55重量%以上である。賦形剤の含有割合の上限値は、例えば、医薬の全重量に対して96重量%以下が好ましく、94重量%以下がさらに好ましく、特に好ましくは92重量%である。
単位投与形態中のナフトピジルの含有量は特に限定されないが、例えば、臨床用量を反映した量にすることが好ましい。例えば、単位投与形態である錠剤一錠中の含有量の下限値は20mg以上が好ましく、22mg以上がさらに好ましく、特に好ましくは25mg以上である。錠剤1錠中のナフトピジル含量の上限値は150mg以下であることが好ましい。
本発明の医薬を錠剤とする場合、その形状は特に限定されず、服用し易い形状であればよい。例えば、円形、楕円形、多角形、カプレット(カプセルタイプ)の形状が例示される。また、サイズは指でつかみ易く、かつ口に含み易ければよく、長径(円形であれば直径)の上限値は25mm程度以下が好ましく、22mm程度以下がさらに好ましく、20mm程度以下が特に好ましい。また下限値は5mm程度以上が好ましく、6mm程度以上がさらに好ましく、7mm程度以上が特に好ましい。
本発明の医薬を包装する場合の包装形態は特に限定されないが、例えば、遮光フィルム等を用いた遮光処理を行ってよく、PTP(Press Through Package)包装、ストリップ包装、あるいはPTP包装にピロー包装を施した包装などを採用することもできる。また包装材料としては、例えば、アルミ箔、ポリ塩化ビニール、環状ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレンが例示される。また、包装容器としては、遮光処理をしたポリエチレン瓶やガラス瓶が例示される。
本発明の医薬に含有されるナフトピジルの1日当たりの投与量は、投与ルート、疾患、疾患の症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。通常、経口投与の場合は、成人1人当たりナフトピジルとして約10乃至150mg/日であり、これを1日1回乃至2回食後に経口投与する。
間質性膀胱炎とは、膀胱壁の慢性炎症であり、原因不明で難治性の疾患である。間質性膀胱炎の原因としては、自己免疫反応、アレルギー、膀胱粘膜の透過性亢進、及び神経性炎症など様々な素因が挙げられているが、明確なものはない。間質性膀胱炎の病態で重要なのは、尿路上皮のグリコサミノグリカン層の異常と肥満細胞の活性化による炎症反応である。グリコサミノグリカンが陰性電荷を持ったヘパラン硫酸プロテオグリカンになると、CD44やTGF−βに類似した性質を持ち、各種の成長因子とヘパリン結合する。一方活性化された肥満細胞は、多種類のサイトカインや成長因子を産生する。その結果、炎症反応が増幅される。
本発明の医薬の間質性膀胱炎に伴う症状に対する有用性は、トラニラストによる間質性膀胱炎病態モデルラットを用いて確認することができる。
本発明の医薬は、間質性膀胱炎に伴う症状を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するのに有用であり、間質性膀胱炎に伴う頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、骨盤痛(膀胱痛)、自発運動量低下などの症状、及びそれら症状の症候群を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するのに有用であり、間質性膀胱炎に伴う頻尿、膀胱痛、又は自発運動量低下、あるいはそれら症状の症候群を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するのに有用であり、間質性膀胱炎に伴う頻尿を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するのに有用である。また、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するのに有用な別の様態や、間質性膀胱炎に伴う膀胱痛を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するのに有用な別の様態、又は間質性膀胱炎に伴う自発運動量低下を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するのに有用な別の様態も挙げられる。
本発明の医薬は哺乳類に有効であり、ヒトに有効であり、特に女性又は前立腺肥大を伴わない男性に有効であり、女性に有効である。また、前立腺肥大を伴わない男性に有効な別の様態もある。
本発明の医薬は、治療用として有用であり、改善用としても有用であり、また悪化抑制としても有用である。
[実施例1]トラニラストによる間質性膀胱炎病態モデルラットを用いた骨盤痛(膀胱痛)に対するナフトピジルの効果
トラニラスト誘発ラット間質性膀胱炎病態モデルは、アレルギー治療薬であるトラニラストの副作用に着目して構築された間質性膀胱炎病態モデルである。トラニラスト誘発ラット間質性膀胱炎病態モデルは以下のように作製できる。雌性SDラット(体重200〜230g)に、通常の粉末飼料1kgあたり4gのトラニラストを混合し、4週間摂餌させた。それにより間質性膀胱炎に特徴的な頻尿と膀胱の点状出血が現れる。コントロール群には、通常の粉末飼料を4週間摂餌させた。ナフトピジルによる治療群には、通常の粉末飼料1kgあたり400mgのナフトピジルを混合し、4週間摂餌させた。ラットは1日あたり20gの飼料を摂取するので、トラニラスト及びナフトピジルの1日あたりの投与量は、それぞれ80mg及び8mgとなる。試験群構成は、コントロール群(n=8)、トラニラスト群(n=8)及びトラニラスト/ナフトピジル群(n=8)である。
試験開始4週後、それぞれのラットの自発運動を自発運動量測定センサー(NS−AS01、ニューロサイエンス、東京)にて24時間観察した。ラットは夜間活動するので、午前8時から午後8時までを明期(休んでいる期間)とし、午後8時から午前8時までを暗期(活動している期間)とし、明期と暗期に分けて自発運動を観察した。自発運動量は、ラットの体温による赤外線を感知するセンサーによって赤外線の移動変化を検出し、センサーと接続されたパーソナルコンピュータに明期及び暗期ごとに累積数値(数値1を1カウントとした)として記録した。得られたラット個々の自発運動量を群ごとに明期と暗期に分けて集計し、その平均を比較した。明期におけるコントロール群の自発運動量に対してトラニラスト群の自発運動量は有意に減少した。加えて、トラニラスト群の自発運動量に対して、トラニラスト+ナフトピジル群の自発運動量は有意に増加した(図1)。暗期におけるコントロール群の自発運動量に対してトラニラスト群の自発運動量は有意に減少した。加えて、トラニラスト群の自発運動量に対して、トラニラスト+ナフトピジル群の自発運動量は有意に増加した(図1参照。)。
この結果から、ナフトピジルは間質性膀胱炎に伴う骨盤痛(膀胱痛)治療に有効であることが明らかになった。また、ナフトピジルは、間質性膀胱炎に伴う自発運動量低下の改善に対しても有効であることが分かった。
[実施例2]トラニラストによる間質性膀胱炎病態モデルラットを用いた頻尿に対するナフトピジルの効果
実施例1に引き続き、試験開始5週間後、それぞれのラットに対してウレタン麻酔下(0.6mg/kg、皮下投与)にて尿道より膀胱内にカテーテルを挿入し、連続膀胱内圧測定を実施した。
その結果、コントロール群の膀胱収縮間隔に対してトラニラスト群の膀胱収縮間隔は有意に短縮した(図2参照。)。加えてトラニラスト群の膀胱収縮間隔に対して、トラニラスト+ナフトピジル群の膀胱収縮間隔は有意に延長した(図2参照。)。
この結果から、ナフトピジルは間質性膀胱炎に伴う頻尿治療に有効であることが明らかになった。
本発明の医薬は、間質性膀胱炎病態モデルに対する顕著な効果を有したことから、間質性膀胱炎に伴う頻尿、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛(膀胱痛)、又は間質性膀胱炎に伴う自発運動量低下、あるいはそれら症状の症候群を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制のための臨床上安全な医薬として利用できる。

Claims (12)

  1. 間質性膀胱炎に伴う症状を治療及び/又は改善及び/又は悪化抑制するためのナフトピジル又は生理学的に許容されるその塩を含有する医薬。
  2. 間質性膀胱炎に伴う症状が、少なくとも間質性膀胱炎に伴う頻尿、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛、又は間質性膀胱炎に伴う自発運動量低下のいずれか1つを含む症状である、請求項1に記載の医薬。
  3. 骨盤痛が膀胱痛である請求項2に記載の医薬。
  4. 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う頻尿である請求項1に記載の医薬。
  5. 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う骨盤痛である請求項1に記載の医薬。
  6. 間質性膀胱炎に伴う症状が、間質性膀胱炎に伴う膀胱痛である請求項1に記載の医薬。
  7. 女性又は前立腺肥大を伴わない男性用である請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬。
  8. 女性用である請求項7に記載の医薬。
  9. 前立腺肥大を伴わない男性用である請求項7に記載の医薬。
  10. 治療用である請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬。
  11. 改善用である請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬。
  12. 悪化抑制用である請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬。
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