JP2014100408A - 有機・無機複合体及びその製造方法 - Google Patents

有機・無機複合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、複雑な形状への成形容易性を有し、高強度であり、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】エーテル酸素を有する高分子11と、無機塩13との複合体であって、高分子11が複数絡み合っており、かつ、高分子11が架橋部12で架橋されており、高分子11の表面および内部に無機塩13が結晶として含有されていることを特徴とする有機・無機複合体1を用いることによって前記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機・無機複合体及びその製造方法に関する。
インプラントとは、欠損あるいは外傷を受けた部位に埋め込むために、人工的に作製した器官・組織の代替構成物である人工関節・義歯・腱・血管などを埋め込むことをいう。
インプラント材料は、前記代替構成物に用いられる材料であり、骨の代替構成物は、骨インプラント材料と呼ばれる。骨インプラント材料には、高強度及び骨との接合性が高い特性が求められる。
インプラント材料としては、純チタン、チタン合金などの金属・合金材料や、有機・無機複合体がある。(特許文献1、非特許文献1)。
前記代替構成物は、前記インプラント材料を切削、研磨等の機械加工により、適切な形状に加工して作製する。よって、前記インプラント材料を複雑な形状への加工が困難となり、所望の形状の代替構成物に成形できない場合や、加工時間が長時間となり、生産性を低下させる等の問題がある(特許文献2)。
特開2003−52805号公報 特開2002−345857号公報
J.Non−cryst.Sol.,120,138−151(1990)
本発明は、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、有機物からなる高分子ゲルを形成し、所定の形状にした後で、無機物を添加してから、加熱処理することにより、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体からなり、複雑な形状の骨代替構成物(骨インプラント代替構成物)を容易に形成できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)エーテル酸素を有する高分子と、無機塩との複合体であって、前記高分子が複数絡み合っており、かつ、前記高分子が架橋部で架橋されており、前記高分子の表面および内部に前記無機塩が結晶として含有されていることを特徴とする有機・無機複合体。
(2)前記高分子がポリエチレングリコール骨格を有する高分子であることを特徴とする(1)に記載の有機・無機複合体。
(3)前記高分子がpoly(ethylene glycol)dimethacrylate、poly(ethylene glycol)diacrylate、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする(2)に記載の有機・無機複合体。
(4)前記架橋部が、アミド結合、炭素−炭素結合、不飽和炭素−チオール結合の群から選択されるいずれか一の結合であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の有機・無機複合体。
(5)前記無機塩がハイドロキシアパタイト、炭酸含有ハイドロキシアパタイト、オクタカルシウムフォスフェイト、カルサイト、アラゴナイト、バテライト、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウムの群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の有機・無機複合体。
(6) 前記無機塩が1wt%以上含有されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の有機・無機複合体。
(7)エーテル酸素を有する高分子と架橋剤との混合溶液を調製する工程と、前記混合溶液を型中で架橋反応させて、高分子ゲルを形成する工程と、高分子ゲルを水に浸漬する工程と、高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程と、高分子ゲルを熱処理する工程と、を有すること特徴とする有機・無機複合体の製造方法。
(8)前記架橋剤がトリスクシンイミジルシトレート、ジスクシンイミジルマレート、ジスクシンイミジルタータレート、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする(7)に記載の有機・無機複合体の製造方法。
(9)前記キレート剤がtrans−1,2−Diaminocyclohexane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、O,O’−Bis(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Diethylenetriamine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’−pentaacetic acid、Triethylenetetramine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’ ’,N’ ’ ’−hexaacetic acid、O,O’−Bis(2−aminophenyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Nitrilotris(methylphosphonic acid)、N−(2−Hydroxyethyl)iminodiacetic acid、Iminodiacetic acid、Nitrilotriacetic acid、N−(2−Hydroxyethyl)ethylenediamine−N,N’,N’−triacetic acid、N,N,N’,N’−Tetrakis(2−pyridylmethyl)ethylenediamineの群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする(7)又は(8)に記載の有機・無機複合体の製造方法。
(10) 前記高分子ゲルの熱処理が、30℃以上100℃以下のオーブンで10分以上保持して加熱する処理であることを特徴とする(7)〜(9)のいずれかに記載の有機・無機複合体の製造方法。
(11) 前記高分子ゲルの熱処理が,150W以上700W以下の出力のマイクロ波を1分以上照射して加熱する処理であることを特徴とする(7)〜(10)のいずれかに記載の有機・無機複合体の製造方法。
(12) 高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程と、高分子ゲルを熱処理する工程とからなるサイクルを2回以上繰り返すことを特徴とする(7)〜(11)のいずれかに記載の有機・無機複合体の製造方法。
(13) 前記型として、骨代替構成物の形状の型を用いることを特徴とする(7)〜(12)のいずれかに記載の有機・無機複合体の製造方法。
本発明の有機・無機複合体は、エーテル酸素を有する高分子と、無機塩との複合体であって、前記高分子が複数絡み合っており、かつ、前記高分子が架橋剤により架橋されており、前記高分子の表面および内部に前記無機塩が結晶として含有されている構成なので、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の有機・無機複合体の製造方法は、エーテル酸素を有する高分子と架橋剤との混合溶液を調製する工程と、前記混合溶液を型中で架橋反応させて、高分子ゲルを形成する工程と、高分子ゲルを水に浸漬する工程と、高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程と、高分子ゲルを熱処理する工程と、を有する構成なので、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の有機・無機複合体の一例を示す模式図であって、(a)は正面図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。 本発明の有機・無機複合体の製造方法の一例を示すフローチャート図である。 実施例の有機・無機複合体の製造工程の一例を示す工程図である。 溶媒を水に置換したTAPEG/DSTゲルのEDTA−Ca/P溶液への浸漬時間とゲル質量(gel weight(wt%))の関係を示すグラフであって、(a)は0.2M EDTA−Ca/P溶液のものであり、(b)は0.4M EDTA−Ca/P溶液のものであり、(c)は0.6M EDTA−Ca/P溶液のものである。 TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドの写真であって、(a)は熱処理なしのものであり、(b)は2時間熱処理のものであり、(c)は4時間熱処理のものである。 溶媒をEDTA−Ca/P溶液に置換したTAPEG/DSTゲルのX線回折(XRD)分析結果を示すスペクトルであって、(a)は0.6M EDTA−Ca/P溶液から析出したリン酸カルシウム塩のものであり、(b)は0.4M EDTA−Ca/P溶液から析出したリン酸カルシウム塩のものであり、(c)は 0.2M EDTA−Ca/P溶液から析出したリン酸カルシウム塩のものであり、(d)はハイドロキシアパタイト標準品である。 TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドの無機物含量割合(Inorganic content)のEDTA−Ca/P濃度依存性及びDST濃度依存性を示すグラフである。 EDTA−Ca/P含有TAPEG−DSTの熱処理時間に対するハイドロキシアパタイト形成量の変化である。 TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドの写真であって、(a)は熱処理なしのものであり、(b)は1サイクル熱処理のものであり、(c)は3サイクル熱処理のものである。 マイクロ波照射する熱処理サイクルの回数と生成アパタイト量(mg)の関係を示すグラフである。 マイクロ波照射加熱によりハイドロキシアパタイト結晶の作製の一例を示す工程図である。 EDTA−Ca/P溶液及びハイドロキシアパタイト標準品(pure ハイドロキシアパタイト)のFT−IR分析結果であって、(a)は170W、5minのマイクロ波照射後のものであり、(b)は170W、3minのマイクロ波照射後のものであり、(c)はハイドロキシアパタイト標準品のものである。 EDTA−Ca/P溶液及びハイドロキシアパタイト標準品(pure ハイドロキシアパタイト)のXRD分析結果であって、(a)は170W、5minのマイクロ波照射後のものであり、(b)は170W、3minのマイクロ波照射後のものであり、(c)はハイドロキシアパタイト標準品である。
(本発明の実施形態)
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態である有機・無機複合体及びその製造方法について説明する。
<有機・無機複合体>
まず、本発明の実施形態である有機・無機複合体について説明する。
図1は、本発明の実施形態である有機・無機複合体を示す模式図である。
図1に示すように、有機・無機複合体1は、エーテル酸素を有する高分子11と、無機塩13との複合体である。
高分子11は複数絡み合っており、かつ、高分子11は架橋部12で架橋されている。
高分子11の間、その表面および内部に無機塩13が結晶として含有されている。
有機・無機複合体1の形状は、板状体(ディスク体)とされている。しかし、これに限られるものではない。
有機・無機複合体1は作製当初から、目的とする複雑な骨代替構成物の形状とすることが好ましい。これにより、研磨などの機械加工を行うことなく、インプラントに用いることができる。
高分子11は、エーテル酸素を有するものを用いる。エーテル酸素の不対電子は金属イオンを引き寄せることができ、その場所で無機塩の対アニオンと反応させることにより、高分子の表面および内部に無機塩を結晶として生成させることができる。
高分子11は、架橋反応可能な官能基を有するものを用いる。例えば、アミン末端を有するものを用いる。アミン末端はDST等の架橋剤とアミド結合からなる架橋部12を形成することができる。これにより、3次元的にネットワーク化された高次な構造体からなる高分子ゲルを形成することができる。
高分子11がpoly(ethylene glycol)dimethacrylate、poly(ethylene glycol)diacrylate、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)(以下、TAPEGと略記する。)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることが好ましい。
このうち、TAPEGは4armsPEGであり、分子の偏りが少なく、均一に分散された高分子ゲルを容易に形成できる。
TAPEGは次式(1)で表記される。
架橋部12がアミド結合、炭素−炭素結合、不飽和炭素−チオール結合の群から選択されるいずれか一の結合であることが好ましい。これにより、高分子ゲルを容易に形成できるとともに、安定した架橋結合とすることができ、高強度な有機・無機複合体を形成することができる。
無機塩13がハイドロキシアパタイト、炭酸含有ハイドロキシアパタイト、オクタカルシウムフォスフェイト、カルサイト、アラゴナイト、バテライト、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウムの群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることが好ましい。特に、ハイドロキシアパタイトを含有させることが好ましい。骨との接合性を高めることができる。
無機塩13が1wt%以上含有されていることが好ましい。これにより、骨との接合性を高めることができる。
<有機・無機複合体の製造方法>
次に、本発明の実施形態である有機・無機複合体の製造方法について説明する。
図2は、本発明の有機・無機複合体の製造方法の一例を示すフローチャート図である。
図2に示すように、本発明の実施形態である有機・無機複合体の製造方法は、混合溶液調製工程S1と、高分子ゲル形成工程S2と、水浸漬工程S3と、キレート剤−Ca/P溶液浸漬工程S4と、高分子ゲル熱処理工程S5とを有する。
(混合溶液調製工程)
まず、エーテル酸素を有する高分子の分散溶液を調製する。溶媒としては、例えば、Dimethyl sulfoxide(DMSO)/L−lactic acid(乳酸)=100:1溶液を用いる。
エーテル酸素を有する高分子としては、先に記載の高分子11を挙げることができる。
具体的には、poly(ethylene glycol)dimethacrylate、poly(ethylene glycol)diacrylate、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される高分子を1種又は2種以上の組み合わせとして用いることができる。
次に、架橋剤の分散溶液を調製する。
溶媒は、エーテル酸素を有する高分子の分散溶液の溶媒と同じものを用いることができ、例えば、Dimethyl sulfoxide(DMSO)/L−lactic acid(乳酸)=100:1溶液を用いる。架橋剤としては、トリスクシンイミジルシトレート、ジスクシンイミジルマレート、ジスクシンイミジルタータレート(以下、DSTと略記する。)、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。これらの架橋剤は、先に記載の高分子11の架橋反応可能な官能基と架橋反応を行い、3次元ネットワーク構造を有すると高分子ゲルを容易に形成して、高強度な有機・無機複合体を形成することができる。
DSTは次式(2)で表記される。
次に、これらの溶液を混合して、高分子:架橋剤混合溶液を調製する。
例えば、TAPEG溶液とDST溶液を調製した後、これらの溶液を混合して、TAPEG:DST混合溶液を調製する。
(高分子ゲル形成工程)
次に、前記混合溶液を型中で架橋反応させて、高分子ゲルを形成する。
型としては、例えば、ディスク状空洞部を有するシリコンスペーサーを用いる。これにより、ディスク状の高分子ゲルを形成できる。
(水浸漬工程)
次に、高分子ゲルを水に浸漬する。
具体的には、ビーカーに入れた水中に高分子ゲルを浸漬する。浸漬時間は、10時間以上とすることが好ましい。また、水を攪拌することが好ましい。これにより、高分子ゲルに含有されていた有機溶媒を水に置換することができる。
(キレート剤−Ca/P溶液浸漬工程)
次に、高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する。
具体的には、ビーカーに入れたキレート剤−Ca/P溶液中に高分子ゲルを浸漬する。浸漬時間は、10時間以上とすることが好ましい。また、キレート剤−Ca/P溶液を攪拌することが好ましい。これにより、高分子ゲルに含有されていた水をキレート剤−Ca/P溶液に置換することができる。
キレート剤−Caは金属錯体である。この金属錯体は加熱することにより、Caイオンを放出する。この金属錯体を高分子ゲル中に含有させ、かつ、表面に付着させた状態で、次の熱処理工程を行うことにより、高分子ゲルの表面および内部でCaイオンを放出させ、リン酸イオンと反応させて、ハイドロキシアパタイトのような無機塩の結晶を生成することができる。
キレート剤としては、Ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid (EDTA)を用いることができ、その金属錯体はEDTA−Caである。例えば、pH9に調製した0.2Mのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムカルシウム/リン酸二水素ナトリウム水溶液(EDTA−Ca/P溶液)を調製する。
キレート剤としては、EDTAの他、trans−1,2−Diaminocyclohexane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、O,O’−Bis(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Diethylenetriamine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’−pentaacetic acid、Triethylenetetramine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’ ’,N’ ’ ’−hexaacetic acid、O,O’−Bis(2−aminophenyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Nitrilotris(methylphosphonic acid)、N−(2−Hydroxyethyl)iminodiacetic acid、Iminodiacetic acid、Nitrilotriacetic acid、N−(2−Hydroxyethyl)ethylenediamine−N,N’,N’−triacetic acid、N,N,N’,N’−Tetrakis(2−pyridylmethyl)ethylenediamine等のキレート可能な分子を用いることができる。
(高分子ゲル熱処理工程)
次に、高分子ゲルを熱処理する。
熱処理方法としては、オーブン加熱法とマイクロ波照射加熱法を挙げることができる。
オーブン加熱法では、高分子ゲルを30℃以上100℃以下のオーブンで10分以上保持して加熱する。
マイクロ波照射加熱法では、150W以上700W以下の出力のマイクロ波を1分以上照射して加熱する。
いずれの方法でも、加熱により、キレート剤−Caからなる金属錯体がCaイオンを放出し、リン酸イオンと反応することにより、ハイドロキシアパタイトのような無機塩の結晶を生成する。その結晶が結晶成長することにより、高分子の表面および内部にハイドロキシアパタイトのような無機塩を析出させて、有機・無機複合体を形成することができる。
なお、高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程と、高分子ゲルを熱処理する工程とからなるサイクルを2回以上繰り返すことが好ましい。これにより、ハイドロキシアパタイトのような無機塩の結晶を大きく結晶成長させることができ、有機・無機複合体中のハイドロキシアパタイトのような無機塩の含有量を短時間で1wt%以上に高めることができる。
また、型として、目的とする骨代替構成物の形状の型を用いることにより、研磨などの機械加工を行うことなく、容易に、かつ、短時間で、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体からなり、複雑な形状の骨代替構成物(骨インプラント代替構成物)を成形することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1は、エーテル酸素を有する高分子11と、無機塩13との複合体であって、高分子11が複数絡み合っており、かつ、高分子11が架橋部12で架橋されており、高分子11の表面および内部に無機塩13が結晶として含有されている構成なので、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1は、高分子11がポリエチレングリコール骨格を有する高分子である構成なので、高分子ゲルを容易に形成でき、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1は、高分子11がpoly(ethylene glycol)dimethacrylate、poly(ethylene glycol)diacrylate、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせの群から選択されるいずれか一の高分子である構成なので、高分子ゲルを容易に形成でき、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1は、架橋部12が、アミド結合、炭素−炭素結合、不飽和炭素−チオール結合の群から選択されるいずれか一の結合である構成なので、高分子ゲルを容易に架橋でき、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1は、無機塩13がハイドロキシアパタイト、炭酸含有ハイドロキシアパタイト、オクタカルシウムフォスフェイト、カルサイト、アラゴナイト、バテライト、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウムの群から選択される1種または2種以上の組み合構成なので、高分子ゲルを容易に架橋でき、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1は、無機塩13が1wt%以上含有されている構成なので、高強度な有機・無機複合体を形成することができる。また、骨との接合性を高めることができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1の製造方法は、エーテル酸素を有する高分子と架橋剤との混合溶液を調製する工程S1と、前記混合溶液を型中で架橋反応させて、高分子ゲルを形成する工程S2と、高分子ゲルを水に浸漬する工程S3と、高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程S4と、高分子ゲルを熱処理する工程S5と、を有する構成なので、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)を容易に製造することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1の製造方法は、前記架橋剤がトリスクシンイミジルシトレート、ジスクシンイミジルマレート、ジスクシンイミジルタータレート(DST)、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせである構成なので、高分子ゲルを容易に架橋でき、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1の製造方法は、前記キレート剤がtrans−1,2−Diaminocyclohexane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、O,O’−Bis(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Diethylenetriamine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’−pentaacetic acid、Triethylenetetramine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’ ’,N’ ’ ’−hexaacetic acid、O,O’−Bis(2−aminophenyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Nitrilotris(methylphosphonic acid)、N−(2−Hydroxyethyl)iminodiacetic acid、Iminodiacetic acid、Nitrilotriacetic acid、N−(2−Hydroxyethyl)ethylenediamine−N,N’,N’−triacetic acid、N,N,N’,N’−Tetrakis(2−pyridylmethyl)ethylenediamineの1種または2種以上の組み合わせである構成なので、高分子ゲル中の水を置換したキレート剤−Ca/P溶液を熱処理することにより、容易に高分子の表面および内部に無機塩を結晶として含有させることができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1の製造方法は、前記高分子ゲルの熱処理が、30℃以上100℃以下のオーブンで10分以上保持して加熱する処理である構成なので、高分子の間及びその表面にハイドロキシアパタイトなどの無機塩を析出させて、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)を製造することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1の製造方法は、前記高分子ゲルの熱処理が,150W以上700W以下の出力のマイクロ波を1分以上照射して加熱する処理である構成なので、高分子の間及びその表面にハイドロキシアパタイトなどの無機塩を析出させて、有機・無機複合体を形成することができる
本発明の実施形態である有機・無機複合体1の製造方法は、高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程S4と、高分子ゲルを熱処理する工程S5とからなるサイクルを2回以上繰り返す構成なので、ハイドロキシアパタイトなどの無機塩の析出量を高め、高強度にして、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)を製造することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体1の製造方法は、前記型として、骨代替構成物の形状の型を用いる構成なので、研磨などの機械加工を行うことなく、複雑な形状の有機・無機複合体(インプラント材料)を容易に、かつ、短時間で製造することができる。
本発明の実施形態である有機・無機複合体及びその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<オーブン加熱サンプル調製>
図3は、実施例の有機・無機複合体の製造工程の一例を示す工程図である。
まず、TAPEG(MW20,000)を容器20に所定量測りとり、Dimethyl sulfoxide(DMSO)/L−lactic acid(乳酸)=100:1溶液に溶解して、TAPEG溶液21を調製した。
次に、DSTを所定量測りとり、Dimethyl sulfoxide(DMSO)/L−lactic acid(乳酸)=100:1溶液に溶解して、DST溶液22を調製した。
次に、これらを、TAPEG:DST=1:2mmol(TAPEG濃度:1mmol/L、DST濃度:2mmol/Lと表記する。)となるように混合して、TAPEG:DST混合溶液23を調製した。
次に、得られたTAPEG:DST混合溶液23を直径10mm、高さ1mmの空洞部を有するシリコンスペーサー31中で架橋反応を行うことにより、直径10mm、高さ1mmのディスク状ゲル32を得た。
次に、得られたディスク状ゲル32を水41中で緩やかに48時間撹拌して、溶媒を水に置換して、溶媒を水に置換したTAPEG/DSTのディスク状ゲル44を調製した。
次に、溶媒を水に置換したTAPEG/DSTゲル44を、pH9に調製した0.2Mのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムカルシウム/リン酸二水素ナトリウム水溶液(EDTA−Ca/P溶液)51に24時間浸漬して、溶媒をEDTA−Ca/P溶液に置換したTAPEG/DSTゲル52を調製した。
次に、溶媒をEDTA−Ca/P溶液に置換したTAPEG/DSTゲル52を90℃のオーブン内で24時間、加熱することにより、ゲル内部においてリン酸カルシウム形成反応を行った。これにより、TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッド(TAPEG−DST/hydroxyapatite(HAp) hybrid:実施例1−1の有機・無機複合体)53を作製した。
EDTA−Ca/P溶液は、他に0.4M、0.6Mのものを用いた。
また、DST濃度は、後述の表1に示すもの(4mmol/L、2mmol/L)とした。TAPEG濃度は、他に2mmol/Lのものを用いた。
熱処理の加熱時間は、24時間の他、0時間、2時間、4時間とした。
これらの条件で、実施例1−2〜1−12の有機・無機複合体を作製した。
<結果>
図4は、溶媒を水に置換したTAPEG/DSTゲルのEDTA−Ca/P溶液への浸漬時間(soaking time (min.))とゲル質量(gel weight(wt%))の関係を示すグラフであって、(a)は0.2M EDTA−Ca/P溶液のものであり、(b)は0.4M EDTA−Ca/P溶液のものであり、(c)は0.6M EDTA−Ca/P溶液のものである。
図4に示すように、いずれの溶液においても、EDTA−Ca/P溶液に浸漬時間を長くするに従い、作製したゲルの質量は減少した。
具体的には、10分程度で急激に減少し、60分以上ではほとんど減少しなくなった。すなわち、飽和した。これは、高分子ゲル内の水がEDTA−Ca/P溶液で完全に置換され、平衡状態となったことを示している。
0.6Mの溶液を用いた場合が最も重量減少した。つまり、EDTA−Ca/P濃度が濃いほど、溶媒を水に置換したTAPEG/DSTゲルの重量減少が大きいことが確認できた。
また、重量だけでなく、形状も収縮した。
図5は、TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドの写真であって、(a)は熱処理なしのものであり、(b)は2時間熱処理のものであり、(c)は4時間熱処理のものである。
図5に示すように、熱処理なしのものは透明であるのに対し、熱処理したものは白濁した部分が形成された。熱処理時間が長くなるに従い、白濁した部分の割合が増加した。白濁化した部分が析出したハイドロキシアパタイトであり、4時間熱処理のものが最もハイドロキシアパタイト析出した。これにより、TAPEG/DSTゲルをEDTA−Ca/P溶液に浸漬後、加熱すると時間経過に伴い、その表面および内部に白色結晶からなるハイドロキシアパタイトが析出した。
熱処理なしのものは、柔らかい状態であった。
図6は、溶媒をEDTA−Ca/P溶液に置換したTAPEG/DSTゲルのXRD分析結果を示すスペクトルであって、(a)は0.6M EDTA−Ca/P溶液のものであり、(b)は0.4M EDTA−Ca/P溶液のものであり、(c)は 0.2M EDTA−Ca/P溶液のものであり、(d)はpure ハイドロキシアパタイト溶液のものである。pure ハイドロキシアパタイト溶液のXRDスペクトルは、(a)〜(c)のスペクトル同定に用いた。
図6に示すように、いずれの濃度のEDTA−Ca/P溶液を用いて作製した「溶媒をEDTA−Ca/P溶液に置換したTAPEG/DSTゲル」であっても、ハイドロキシアパタイトのピークが見られた。これにより、今回作成した複合材料中に形成されたリン酸カルシウム結晶はハイドロキシアパタイトであると同定された。
図7は、TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドの無機物含量割合(Inorganic content)のEDTA−Ca/P濃度依存性及びTAPEG濃度依存性を示すグラフである。
本実験で得られたTAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドの熱重量分析(TGDTA)の測定結果であり、無機物含量割合とは、ハイドロキシアパタイト析出量割合である。つまり、TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト hybridsの内部及び表面に析出された無機物のTAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト hybridsに対する重量割合である。5回の平均を実験値とした。グラフでは、5回の最大値もT字マークの横線で示している。
図7に示すように、EDTA−Ca/P濃度が0.2M(0.2mol/L)、TAPEG濃度が1mmol/Lのとき、最も無機物含量割合が高く、TAPEG濃度が1mmol/Lのまま、EDTA−Ca/P濃度を高めると、無機物含量割合が低下した。
図8は、熱処理時間(thermal treatment)に対するハイドロキシアパタイト形成量(HAp formed(wt%))の変化である。処理時間が経過するに従い、ハイドロキシアパタイトの形成が進むことを示している。
また、EDTA−Ca/P濃度を一定にして、TAPEG濃度を1mmol/Lから2mmol/Lへ高めても、無機物含量割合が低下した。
以上のオーブン加熱サンプル調製条件及び結果を表1に示す。

(実施例2)
<マイクロ波照射加熱サンプル調製>
熱処理をマイクロ照射加熱とした他は、実施例1と同様にして、TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドを作製した。
具体的には、熱処理は、電子レンジでマイクロ波を照射して加熱する処理とした。
1サイクル熱処理は、高分子ゲルをEDTA−Ca/P溶液へ浸漬してから、マイクロ波を5分間、照射する熱処理工程を1回行ったものであり、3サイクル熱処理はこの熱処理工程を3回連続して繰り返したものであり、5サイクル熱処理はこの熱処理工程を5回連続して繰り返したものである。
マイクロ波の出力は170Wとし、照射時間は5分とした。
これらの条件で、実施例2−1〜2−4の有機・無機複合体を作製した。
<結果>
図9は、TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッドの写真であって、(a)は熱処理なしのものであり、(b)は1サイクル熱処理のものであり、(c)は3サイクル熱処理のものである。
図9に示すように、熱処理なしのものは透明であるのに対し、熱処理したものは白濁した部分が形成された。サイクル数を増加するに従い、白濁化した部分(析出したハイドロキシアパタイト)が多くなり、3サイクル処理のものが最もハイドロキシアパタイト析出した。これにより、サイクル数の増加とともに、その表面および内部に白色結晶からなるハイドロキシアパタイトが析出した。
図10は、マイクロ波照射する熱処理サイクルの回数(reaction cycle)と生成アパタイト量(apatite formed(mg))の関係を示すグラフである。
溶媒をEDTA−Ca/P溶液に置換したTAPEG−DSTゲル(膨潤度(Swelling Ratio:SR)=40.9)を用いた。
図10に示すように、サイクル数の増加とともに、生成アパタイトの析出量が増加した。
以上のオーブン加熱サンプル調製条件及び結果を表2に示す。
(試験例1)
<マイクロ波照射加熱によりハイドロキシアパタイト結晶の作製試験(高強度材料作製のための試験)>
図11は、マイクロ波照射加熱によりハイドロキシアパタイト結晶の作製の一例を示す工程図である。
EDTA−Ca/P溶液(0.2M、10mL)62を容器61測り取り、170Wに設定した電子レンジでそれぞれ3分又は5分マイクロ波照射して、加熱して、熱処理サンプル溶液63を調製した。
次に、熱処理サンプル溶液63を5000rpmに設定した遠心分離機で5分間遠心分離して、固形物64と上澄み液65に分離した。
次に、上澄み液65を捨て、固形物64を純水で二回洗浄してから、凍結乾燥して、ハイドロキシアパタイト結晶(試験例1−1)66を得た。
また、電子レンジの熱処理時間を3分にした他は上記と同様にして、ハイドロキシアパタイト結晶(試験例1−2)を得た。
<結果>
図12は、EDTA−Ca/P溶液及びハイドロキシアパタイト標準品(pure ハイドロキシアパタイト)のFT−IR分析結果であって、波数(wavenumber(cm−1))と透過率(transmittance)の関係を示すスペクトルである。(a)は170W、5minのマイクロ波照射後のものであり、(b)は170W、3minのマイクロ波照射後のものであり、(c)はハイドロキシアパタイト標準品のものである。
図12に示すように、いずれの溶液でも、ハイドロキシアパタイト由来のリン酸ピークが見られた。
また、マイクロ波照射時間が長くなるに従い、ハイドロキシアパタイト由来のリン酸ピークが大きくなった。これは、ハイドロキシアパタイトがより多く析出したことを示す。
図13は、EDTA−Ca/P溶液及びハイドロキシアパタイト標準品(pure ハイドロキシアパタイト)のXRD分析結果であって、X線強度(intensity)と2θ値(2 thetadegree)の関係を示すスペクトルである。(a)は170W、5minのマイクロ波照射後のものであり、(b)は170W、3minのマイクロ波照射後のものであり、(c)はハイドロキシアパタイト標準品のものである。
図13に示すように、いずれの溶液でも、ハイドロキシアパタイト由来のリン酸ピークが見られた。
また、マイクロ波照射時間が長くなるに従い、ハイドロキシアパタイト由来のリン酸ピークが大きくなった。これは、ハイドロキシアパタイトがより多く析出したことを示す。
以上のマイクロ波照射加熱によりハイドロキシアパタイト結晶の作製試験条件及び結果を表3に示す。
これにより、マイクロ波照射加熱により、ハイドロキシアパタイトが析出されることを確認した。
本発明の有機・無機複合体及びその製造方法は、複雑な形状への成形容易性を備え、高強度、かつ、骨との接合性が高い有機・無機複合体(インプラント材料)及びその製造方法に関するものであり、研磨等の機械加工を行うことなく、容易に、短時間で、複雑な形状の代替構成物を作製できるインプラント材料として用いることができ、インプラント材料産業、インプラント産業等において利用可能性がある。
1…有機・無機複合体、11…高分子、12…架橋部、13…無機塩、21…TAPEG溶液、22…DST溶液、23…TAPEG:DST混合溶液、31…シリコンスペーサー、32…ディスク状ゲル、41…水、44…溶媒を水に置換したTAPEG/DSTのディスク状ゲル、51…EDTA−Ca/P溶液、52…溶媒をEDTA−Ca/P溶液に置換したTAPEG/DSTのディスク状ゲル、53…TAPEG−DST/ハイドロキシアパタイト ハイブリッド(TAPEG−DST/hydroxyapatite(HAp) hybrid)、62…0.2MのEDTA−Ca/P溶液10mL、63…熱処理サンプル溶液、64…固形物、65…上澄み液、66…ハイドロキシアパタイト(HAp)結晶。

Claims (13)

  1. エーテル酸素を有する高分子と、無機塩との複合体であって、
    前記高分子が複数絡み合っており、かつ、前記高分子が架橋剤により架橋されており、
    前記高分子の表面および内部に前記無機塩が結晶として含有されていることを特徴とする有機・無機複合体。
  2. 前記高分子がポリエチレングリコール骨格を有する高分子であることを特徴とする請求項1に記載の有機・無機複合体。
  3. 前記高分子がpoly(ethylene glycol)dimethacrylate、poly(ethylene glycol)diacrylate、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載の有機・無機複合体。
  4. 前記架橋部が、アミド結合、炭素−炭素結合、不飽和炭素−チオール結合の群から選択されるいずれか一の結合であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機・無機複合体。
  5. 前記無機塩がハイドロキシアパタイト、炭酸含有ハイドロキシアパタイト、オクタカルシウムフォスフェイト、カルサイト、アラゴナイト、バテライト、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウムの群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機・無機複合体。
  6. 前記無機塩が1wt%以上含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機・無機複合体。
  7. エーテル酸素を有する高分子と架橋剤との混合溶液を調製する工程と、
    前記混合溶液を型中で架橋反応させて、高分子ゲルを形成する工程と、
    高分子ゲルを水に浸漬する工程と、
    高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程と、
    高分子ゲルを熱処理する工程と、を有すること特徴とする有機・無機複合体の製造方法。
  8. 前記架橋剤がトリスクシンイミジルシトレート、ジスクシンイミジルマレート、ジスクシンイミジルタータレート、Tetra amine−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl glutarate−terminated tetra poly(ethylene glycol)、Tetra succimimidyl succinate−terminated tetra poly(ethylene glycol)の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項7に記載の有機・無機複合体。
  9. 前記キレート剤がtrans−1,2−Diaminocyclohexane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、O,O’−Bis(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Diethylenetriamine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’−pentaacetic acid、Triethylenetetramine−N,N,N’,N’ ’,N’ ’ ’,N’ ’ ’−hexaacetic acid、O,O’−Bis(2−aminophenyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、Nitrilotris(methylphosphonic acid)、N−(2−Hydroxyethyl)iminodiacetic acid、Iminodiacetic acid、Nitrilotriacetic acid、N−(2−Hydroxyethyl)ethylenediamine−N,N’,N’−triacetic acid、N,N,N’,N’−Tetrakis(2−pyridylmethyl)ethylenediamineの群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項7又は8に記載の有機・無機複合体の製造方法。
  10. 前記高分子ゲルの熱処理が、30℃以上100℃以下のオーブンで10分以上保持して加熱する処理であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機・無機複合体の製造方法。
  11. 前記高分子ゲルの熱処理が,150W以上700W以下の出力のマイクロ波を1分以上照射して加熱する処理であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の有機・無機複合体の製造方法。
  12. 高分子ゲルをキレート剤−Ca/P溶液に浸漬する工程と、高分子ゲルを熱処理する工程とからなるサイクルを2回以上繰り返すことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機・無機複合体の製造方法。
  13. 前記型として、骨代替構成物の形状の型を用いることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の有機・無機複合体。
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