JP2014098237A - 土砂投入用減衰器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この減衰器1では、胴体10を上側胴部11と下側胴部12とにより構成し、上側胴部11の少なくとも内面を上方から下方に向けて漸次拡径される略円錐台形に形成し、上部側に土砂の流入口110を設け、下側胴部12の少なくとも内面を上方から下方に向けて漸次縮径される略逆円錐台形に形成し、下部に土砂の排出口13を設けた構造として、胴体10に通す土砂を、上側胴部11の内面を案内にして回転させ、この土砂を下側胴部12の内面を案内にして土砂の排出口13に送り出し排出する。
【選択図】図2
Description
そこで、従来は、搬送管の終端で、サイクロンやトレミー管などの土砂投入用減衰器を使って、搬送管の終端から排出される土砂の勢いを減衰することが行われている。
従来のサイクロンは、例えば特許文献1に記載されているように、円柱状の胴部からなり、その下端に漏斗部を有し、その下端が開口される。このようにして搬送管の排出口から勢いよく吐出される土砂をサイクロンの内面に沿って螺旋状に回転させて、土砂の勢いを減衰するようになっている。
トレミー管は、例えば特許文献2に記載されているように、外筒管と内管で構成され、内管の上部に開口を設けた構造を有する。このようにして土砂を内管に投入すると、内管の上部開口に負圧が発生し、濁質分が外筒管と内管の間から吸い上げられ、内管内に戻されること(循環流の発生)で濁質の沈降を促進し濁りの拡散を抑制するようになっている。
このようにポンプ浚渫では、土砂投入用減衰器を併用することで、土砂の採取先でも移動先でも、濁水の発生を抑制することができる。
この土砂輸送システムは、超高圧ポンプ、特殊エジェクター、吸引管、流体注入装置及び輸送管ラインを備え、エジェクターを流体注入装置とともに駆動して、水底の堆砂を流体注入装置により注入される流体と混合して、吸引管を通してエジェクターに吸引し、輸送管ラインへ圧送するようになっている。かかるエジェクターポンプはジェット水による負圧を利用して吸引・輸送を行うので、例えばサンドポンプと比較するとインペラの摩耗がない分だけ、耐久性が高く、閉塞の可能性が少ない点で活用が期待される。
(1)この土砂輸送システムの場合、輸送管ラインに圧送される土砂と水の勢いは従来のポンプ圧送による場合に比べて大きく、輸送管ラインの終端から土砂と水が相当の勢いで排出されるため、輸送管ラインの終端から排出された土砂と水は従来のサイクロンの一定の円柱面で回転動作してもその減衰能力が低く、十分な減衰効果が得られていない。このため、土砂をサイクロンを通じて水域内に排出しても、水域内での濁りの拡散を抑制できない。
(2)この土砂輸送システムの場合、礫を輸送する場合は、特に大量の土砂と水が相当の勢いで排出され、また、土砂の輸送距離が長くなると、空気を用いて、流速を増加させて輸送を行うため、排出側での水の勢いの確実な減衰能力が求められるところ、従来の円柱型のサイクロンでは、既述のとおり、十分な減衰効果は期待できない。また、空気を用いた場合、輸送管ラインに大量の空気が混入されるため、輸送管ラインの終端でこの空気の処理が必要となるが、従来のサイクロンでは、この空気の処理に対応できない。
(3)この土砂輸送システムの場合、水域内の土砂の輸送終点に撒布台船が設置されて、この台船上にサイクロンが搭載され、輸送管ラインから排出された土砂と水は、このサイクロンを通じて、水域の水面に対して上方から排出されるため、土砂と水が水面を叩くことから、土砂をサイクロンを通じて水域内に排出しても、水域内での濁りの拡散を抑制できない。
(4)この土砂輸送システムの場合、土砂と水が輸送管ラインを通じて圧送され、輸送管ラインの終端から排出されるので、輸送管ラインの終端に土砂を直接投入する形式のトレミー管は利用できない。なお、この点について実験を行ったところ、トレミー管に循環流が生じないことが確認された。また、一般に、トレミー管を輸送管ラインの終端に設置する場合、水中にトレミー管を設置するための設備が必要で、施工に多くの手間がかかるため、この点でも、この土砂輸送システムに適していない。
この場合、胴体の中心軸と下側胴部の内面とのなす角度は胴体の中心軸と上側胴部の内面とのなす角度よりも大きいことが好ましい。
また、この減衰器は各部に次のような構成を備える。
(1)土砂の排出口は下側胴部の下部に下方に向けて延びる略円柱状に形成される。
(2)上側胴部の上面に空気の排出口を有する。この場合、空気の排出口は上側胴部の上面に上方に向けて延びる略円柱状に形成されることが好ましい。
また、この減衰器では、土砂の排出口を下側胴部の下部に下方に向けて延びる略円柱状に形成するので、この排出口を水域の水面下に挿入して、この減衰器から土砂を直接水中に排出することができ、これにより、土砂が水面上を叩かないため、水面で濁水の発生及びその拡散を抑えることができ、水中に排出された土砂は減衰器で既に勢いを減衰されて沈降されるので、土砂を減衰器の下方に直進的に沈下させて、水中で濁水の発生及びその拡散を抑制することができる。
さらに、この減衰器では、上側胴部の上面に空気の排出口を有するので、土砂が空気圧送されて大量の空気が減衰器内に排出されても、空気の排出口のベンチレーションにより空気が水域内に入り込むことがない。
したがって、この減衰器によれば、本願出願人提案の土砂輸送システムを含む各種ポンプにより土砂を圧送するシステムを用いて、水域内での土砂の移動を実施する場合に、水域上で土砂を水とともに圧送する土砂の輸送ラインの終端に設置して、輸送ラインの終端から水とともに排出される土砂を可及的に遅い速度でスムーズに水域内の投入地点に投入し、水域内での濁水の発生及びその拡散を抑制することができる。
図1に示すように、土砂投入用減衰器1は筒形形状の胴体10を有するサイクロン式に構成され、胴体10は、少なくとも内面を上方から下方に向けて漸次拡径される略円錐台形に形成され、上部側に土砂の流入口110を有する上側胴部11と、この上側胴部11の下部に連続し、少なくとも内面を上方から下方に向けて漸次縮径される略逆円錐台形に形成され、下部に土砂の排出口13を有する下側胴部12とを備える。
また、この胴体10の土砂の排出口13は下側胴部12の下部、この場合、下側胴部12の下面中央に下方に向けて所定の長さだけ延びる略円柱状に形成されて、この減衰器1の水域での設置位置においてこの排出口13が水域の水面下適宜の位置まで挿入可能になっている。
図2に示すように、土砂輸送システムSは、ダム貯水池などの水域Aで土砂の輸送始点と輸送終点との間に土砂の輸送管ラインLが形成され、輸送管ラインLの輸送始点で土砂を投入し、輸送管ラインLの輸送始点から輸送終点へ土砂を圧送する形式のシステムになっている。この場合、輸送管ラインLは複数の輸送管が連結されてなり、各輸送管を水面に浮かせて配管するため、輸送管1本につき2個のフロートが設置される。
このシステムSのポンプは、特に図示していないが、高圧の動力水を送給する超高圧ポンプと、噴射口、吸引口、及び吐出口を有し、超高圧ポンプから送給される動力水により駆動され、土砂を吸引、圧送するエジェクターと、輸送管ラインLに圧縮空気を送入する空気送入装置とを備え、超高圧ポンプがエジェクターの噴射口に接続され、エジェクターの吐出口と輸送管ラインLの輸送始点が接続され、空気送入装置が輸送管ラインLの輸送始点側に接続されて構成される(詳細は特許文献3参照)。
また、このシステムSでは、土砂の輸送終点で土砂を投入するので、輸送終点に撒布台船Mがウインチを用いて移動可能に設置され、この台船Mに土砂投入用減衰器1が搭載される。この場合、土砂の排出口13を輸送終点の貯水池の水面下に挿入する。そして、輸送管ラインLの終端をこの減衰器1(の土砂の流入口110)に連結する。
このようにしてエジェクターを空気送入装置とともに駆動して、輸送管ラインLの輸送始点に投入される土砂を空気と混合し、輸送管ラインLを通して、輸送終点へ圧送する。
そして、輸送管ラインLの輸送終点で、輸送された土砂が土砂投入用減衰器1に土砂の流入口110を通じて流入される。この減衰器1では、土砂が胴体10に通されて、上側胴部11の内面を案内にして螺旋状に回転される。この場合、上側胴部11の内面は略円錐台形で土砂の回転半径が徐々に長くなっているので、土砂の流れは上から下に向けて徐々に拡張する螺旋状の回転になって土砂がスムーズに流れ、土砂の勢いが十分に減衰される。そして、この土砂は下側胴部12の内面を案内にして下部の土砂の排出口13に送り出され排出される。この場合、下側胴部12の内面は略逆円錐台形で上側胴部11の内面に比べて緩やかな傾斜面になっているので、上側胴部11で回転され減衰された土砂はこの下側胴部12の内面の案内により中央の排出口13に向けて徐々に流されて排出され、土砂は、従来の円柱型のサイクロンの下部から下方の水域に向けて直接落下させるのと異なり、落下速度を適宜落とされて水域Aの投入地点に投入される。また、この場合、土砂の排出口13は貯水池の水面下に挿入されているので、この減衰器1から土砂は直接水中に排出される。このような土砂の排出により、従来の円柱型のサイクロンの下部から下方の水域に向けて直接落下させるのと異なり、土砂が水面を叩かないので、水域Aの水面での濁水の発生及びその拡散が抑えられ、また、水中に排出された土砂は、既述のとおり、減衰器1を通じて、既に勢いを減衰されているので、減衰器1(の土砂の排出口13)の下方に略直進的に水底に向けて沈降され、水中での濁水の発生及びその拡散が抑制される。なお、この土砂は水底に達すると、水底である程度水平方向に拡散されるが、水底での拡散になるため、水中での濁水の発生及びその拡散の抑制に影響は少ない。
また、このシステムSの場合、輸送管ラインLから土砂減衰器1へ土砂が排出される際に、大量の空気が併せて排出されるが、この減衰器1には上側胴部11の上部に空気の排出口14が設けられているので、輸送ラインLから排出された空気はこの空気の排出口14から排出されて、水域Aの水中に入り込むことがない。
従来のサイクロン2は既述のとおり円柱形で、このサイクロン2を水槽の上方に設置し、サイクロン2下端の排出口20を水槽内の水面の位置よりも少し上方に配置して、縮尺1/10のエジェクターにより土砂をこのサイクロン2に圧送したところ、このサイクロン2を通じて排出された土砂は水面上に落下して水中を沈下していくが、土砂は水面に当たった時点で水平方向に拡散し、水中を沈下中に水平方向に拡散し、水底に達して水平方向にさらに拡散された。このサイクロン2の場合、土砂が水面、水中で拡散されたことで、水槽内の水に濁りが発生した。
本発明による減衰器1は既述のとおり略円錐台形と略逆円錐台形からなる複合形状で、この減衰器1を水槽の上方に設置し、この減衰器1の土砂の排出口13を水槽内の水面下(水中)に挿入して、縮尺1/10のエジェクターにより土砂をこの減衰器1に圧送したところ、この減衰器1を通じて排出された土砂は水中に直接排出されて水中を沈下していくが、土砂は減衰器1(の土砂の排出口13)の下方に略直進的に沈降し、水底に達して水平方向に拡散された。この減衰器1の場合、土砂が水面でも水中でも拡散することがなく、水槽内の水に濁りが発生しなかった。
以上の結果から明らかなように、本発明の減衰器1は、従来のサイクロン2に比べて、ポンプ圧送された土砂に対する減衰能力が高く、濁水の発生及びその拡散を抑制する効果が高い、ことが確認された。
また、この減衰器1では、土砂の排出口13を下側胴部12の下部に下方に向けて延びる略円柱状に形成したので、この排出口13を水域の水面下に挿入して、この減衰器1から土砂を直接水中に排出することができる。これにより、土砂が水面上を叩かないため、水面での濁水の発生及びその拡散を抑えることができ、水中に排出された土砂は減衰器1で既に勢いを減衰されて沈降されるので、土砂を減衰器1の下方に直進的に沈下させて、水中での濁水の発生及びその拡散を抑制することができる。
さらに、この減衰器1では、上側胴部11の上面に空気の排出口14を有するので、土砂が空気圧送されて大量の空気が減衰器1内に排出されても、空気の排出口14のベンチレーションにより空気が水域内に入り込むことがない。
したがって、この減衰器1によれば、本願出願人提案の土砂輸送システムを用いて、水域内での土砂の移動を実施する場合に、水域上で土砂を水とともに圧送する土砂の輸送ラインの終端に設置して、この輸送ラインの終端から水とともに排出される土砂を可及的に遅い速度でスムーズに水域内の投入地点に投入して、水域内での濁水の発生及びその拡散を抑制することができる。
10 胴体
11 上側胴部
110 土砂の流入口
12 下側胴部
13 土砂の排出口
14 空気の排出口
S 土砂輸送システム
A 水域
L 輸送管ライン
M 撒布台船
2 従来のサイクロン
20 排出口
Claims (5)
- 筒形形状の胴体を有するサイクロン式に構成され、水域上で土砂を水とともにポンプ圧送する土砂の輸送ラインの終端に設置され、前記輸送ラインの終端から水とともに排出される土砂を前記胴体内に通し螺旋状に回転させて土砂の勢いを減衰し水域内の投入地点に投入する土砂投入用減衰器において、
前記胴体は、
少なくとも内面を上方から下方に向けて漸次拡径される略円錐台形に形成され、上部側に土砂の流入口を有する上側胴部と、
前記上側胴部の下部に連続し、少なくとも内面を上方から下方に向けて漸次縮径される略逆円錐台形に形成され、下部に土砂の排出口を有する下側胴部と、
を備え、
前記胴体に通す土砂を、前記上側胴部の内面を案内にして回転し、前記下側胴部の内面を案内にして前記土砂の排出口に送り出し排出する、
ことを特徴とする土砂投入用減衰器。 - 胴体の中心軸と下側胴部の内面とのなす角度は胴体の中心軸と上側胴部の内面とのなす角度よりも大きい請求項1に記載の土砂投入用減衰器。
- 土砂の排出口は下側胴部の下部に下方に向けて延びる略円柱状に形成される請求項1又は2に記載の土砂投入用減衰器。
- 上側胴部の上面に空気の排出口を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の土砂投入用減衰器。
- 空気の排出口は上側胴部の上面に上方に向けて延びる略円柱状に形成される請求項4に記載の土砂投入用減衰器。
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JPH10384A (ja) * | 1996-04-19 | 1998-01-06 | Yoshio Mikazuki | サイクロン式集塵装置 |
JP2010121364A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Penta Ocean Construction Co Ltd | スラリー状泥土に対する粉粒状添加材混合装置 |
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- 2012-11-13 JP JP2012249114A patent/JP6147989B2/ja active Active
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