JP2014097549A - 剛性可変駆動装置及び関節駆動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】低剛性から高剛性まで幅広く連続的に可変でき、ダイナミックな動作が可能である剛性可変駆動装置、剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構を提供する。
【解決手段】剛性可変駆動装置100は、棒状の弾性部材2と、駆動モータ5と、駆動モータ5に接続された回転軸4と、弾性部材2に嵌合する嵌合穴32が形成され、回転軸4と一体に回転して弾性部材2に回転軸4の回転力を伝達する伝達部材3と、を備えている。また、剛性可変駆動装置100は、伝達部材3を軸方向に駆動する超音波モータ6と、弾性部材2の一部分に接触して弾性部材2を拘束し、伝達部材3と一体に移動して、弾性部材2に対する接触位置が軸方向に移動する拘束部材13と、を備えている。弾性部材2は、弾性部材2に捩れがない状態において、拘束部材13が先端部2aから軸方向に離れるに連れて、拘束部材13と弾性部材2との接触範囲が小さくなるように形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】剛性可変駆動装置100は、棒状の弾性部材2と、駆動モータ5と、駆動モータ5に接続された回転軸4と、弾性部材2に嵌合する嵌合穴32が形成され、回転軸4と一体に回転して弾性部材2に回転軸4の回転力を伝達する伝達部材3と、を備えている。また、剛性可変駆動装置100は、伝達部材3を軸方向に駆動する超音波モータ6と、弾性部材2の一部分に接触して弾性部材2を拘束し、伝達部材3と一体に移動して、弾性部材2に対する接触位置が軸方向に移動する拘束部材13と、を備えている。弾性部材2は、弾性部材2に捩れがない状態において、拘束部材13が先端部2aから軸方向に離れるに連れて、拘束部材13と弾性部材2との接触範囲が小さくなるように形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、剛性を調整して駆動する剛性可変駆動装置、及び剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構に関する。
近年、ヒューマノイド型のロボットにおいて、生体に近い動特性を持たせた俊敏で柔軟なロボットの研究が行われている。これら研究分野に関係して、非特許文献1、特許文献1に、車体のサスペンションの弾性力を変化させる手段や関節剛性を調整する手段が開示されている。
特許文献1では、トーションバーの支持点を可変する構成であり、トーションバーの有効長を変化させ、サスペンションの弾性力を調整できるとしている。
また、非特許文献1に記載の関節メカニズム設計方法では、ローラによる板ばねの支持点とロッド端面間の距離を変化させて、関節剛性を調整できるとしている。これにより、関節まわりの剛性を高剛性から低剛性まで変化させることができるとしている。
ここで、生物の筋力の一般的な粘弾性モデルとして、筋の収縮力が増加すると、筋の弾性係数も増加することが知られている。これは、筋の弾性係数は一定ではなく、筋の収縮力に比例して変化する非線形特性であることを表している。このような非線形剛性特性を持たせた剛性可変駆動装置をロボットやパワーアシスト装置の関節部に配置し、関節の駆動トルク及び関節の剛性を調整し制御することで生体動作に類似させている。
Development of Force−Controlled Robot Arm Using Mechanical Impedance Adjuster Toshio Morita, Nobuyoshi Tomita, Takeo Ueda and Shigeki Sugano 日本ロボット学会誌 Vol.16 No.7、 pp1001〜1006、1998
しかしながら、ロボットやパワーアシスト装置では、柔らかく外力が働いた場合、押し戻される動作(以下、「バックドライバビリティを有する動作」)と、高速に高精度で目標位置に位置決めする動作とを両立させることが困難となっていた。
前者のような非常に柔らかいバックドライバビリティを有する動作では、関節剛性を0に近づける必要がある。一方、後者のような高速に高精度で目標位置に位置決めする動作では、関節剛性をできるだけ高くする必要がある。
このように大きく特性の異なる動作を同一のロボットで実現しようとすると、関節剛性を可変させ、最小の剛性値と最大の剛性値との可変比をより大きくすることが必要であった。
また、滑らかな関節動作を可能にするために関節剛性を低剛性の状態から高剛性まで連続的に変化させることが必要であった。
そこで、本発明は、低剛性から高剛性まで幅広く連続的に可変でき、ダイナミックな動作が可能である剛性可変駆動装置、剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構を提供することにある。
本発明の剛性可変駆動装置は、軸方向に延びて形成され、軸線を中心に回転自在に支持され、先端部から回転力を出力する弾性部材と、回転駆動部と、前記回転駆動部の駆動により回転する回転軸と、前記軸方向にスライド自在に前記弾性部材に嵌合する嵌合穴が形成され、前記回転軸と一体に回転して前記弾性部材に前記回転軸の回転力を伝達する伝達部材と、前記伝達部材を前記軸方向に駆動する伝達部材駆動部と、前記伝達部材に設けられ、前記弾性部材の一部分に接触して前記弾性部材を拘束し、前記伝達部材駆動部の駆動により前記伝達部材と一体に前記軸方向に移動して、前記弾性部材に対する接触位置が前記軸方向に移動する拘束部材と、を備え、前記拘束部材及び前記弾性部材は、前記弾性部材に捩れがない状態において、前記拘束部材が前記先端部から前記軸方向に離れるに連れて、前記拘束部材と前記弾性部材との接触範囲が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、弾性部材の先端部の捩れ剛性を能動的に自由に変化させることができ、単純な受動的ばね構造では実現できない低剛性から高剛性までの幅広い剛性可変が可能となる。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る剛性可変駆動装置の概略構成を示す説明図である。図1(a)は、捩れモーメント、即ち捩れ剛性が最小の状態、図1(b)は、捩れモーメント、即ち捩れ剛性が最大の状態を示している。
図1は、本発明の第1実施形態に係る剛性可変駆動装置の概略構成を示す説明図である。図1(a)は、捩れモーメント、即ち捩れ剛性が最小の状態、図1(b)は、捩れモーメント、即ち捩れ剛性が最大の状態を示している。
剛性可変駆動装置100は、出力端の捩れ剛性を可変とするものである。剛性可変駆動装置100は、回転駆動部として電磁モータである駆動モータ5と、剛性可変機構1と、を備えている。
剛性可変機構1は、軸方向Yに延びて形成され、先端部2aから回転力を出力する棒状の弾性部材2と、駆動モータ5から軸方向Yに延びる回転軸4と、伝達部材3と、伝達部材駆動部としての剛性可変モータである超音波モータ6とを有している。弾性部材2は、先端部2aが外部に露出するように筐体12に収容されており、弾性部材2の先端部2aには、出力ギア(出力端)10が接続されている。弾性部材2の先端部2aは、筐体12に固定された軸受11に回転中心線(軸線)Gを中心として回転自在に支持され、また、軸受11により軸方向Yへの移動が規制されている。
駆動モータ5は、筐体12の外部に配置され、駆動モータ5の不図示の回転子に接続された回転軸4が筐体12の内部に貫通して延びている。回転軸4と弾性部材2とは同軸に配置されている。なお、本第1実施形態では、回転軸4は、駆動モータ5と一体に形成されているが、別体であってもよく、不図示の歯車機構を介して駆動モータ5により駆動されるようにしてもよい。
伝達部材3は、回転軸4と一体に回転して弾性部材2に回転軸4の回転力を伝達する。具体的に説明すると、伝達部材3は、回転軸4が嵌合する嵌合穴31と、弾性部材2が嵌合する嵌合穴32とが形成されている。本第1実施形態では、嵌合穴31と嵌合穴32とは連通している。伝達部材3は、筐体12に対して軸方向Yにスライド可能に筐体12に収容されている。
伝達部材3の嵌合穴31には、軸方向Yにスライド自在に回転軸4が挿通され、嵌合穴32には、軸方向Yにスライド自在に弾性部材2が挿通される。
回転軸4及び嵌合穴31は、断面四角形状に形成され、回転軸4が嵌合穴31にガタがない状態で嵌められている。これにより、伝達部材3が回転軸4に図1中、区間Nで嵌合し、伝達部材3は、回転軸4と一体に回転する。伝達部材3は、弾性部材2と比べて剛性が高く、回転中心線Gを中心とする捩れが発生しない構造になっている。換言すると、弾性部材2は、伝達部材3と比べて剛性が低く、回転中心線Gを中心とする捩れが生じる構造になっている。
伝達部材3には、弾性部材2を拘束する拘束部材13が設けられている。伝達部材3の嵌合穴32は、図1中、区間Mで弾性部材2に嵌合しており、拘束部材13を介して回転力が弾性部材2に伝達される。
本第1実施形態では、拘束部材13は、弾性部材2を挟むように伝達部材3に回転自在に支持された一対の回転体として一対のローラ131,131を有している。一方のローラ131と他方のローラ131とは、弾性部材2を挟んで互いに対向して配置されている。なお、図1では、一方のローラ131のみ図示している。各ローラ131,131は、伝達部材3に形成された嵌合穴32の開口端近傍に配置されている。このように、伝達部材3は、拘束部材13を支持する支持部材でもある。
拘束部材13は、弾性部材2の外周の一部分に接触して弾性部材2を拘束し、超音波モータ6の駆動により伝達部材3と一体に軸方向Yに移動する。これにより、拘束部材13は、弾性部材2に対する接触位置(拘束位置)が軸方向Yに移動する。
伝達部材3は、ローラ131,131による弾性部材2の接触位置において、回転中心線Gを中心とした回転方向の捩れ動作を拘束しながら、軸方向Yにスライドすることができる。
駆動モータ5の駆動力は、回転軸4から伝達部材3、拘束部材13及び弾性部材2を介して、出力ギア10へ伝えることができる。
伝達部材3の外周には、周方向に延びる駆動溝3bが形成され、駆動溝3bには、雄ねじ8に固定された伝達部材駆動リング9が接触して配置されている。この雄ねじ8は、軸線Gを中心に回転可能に筐体12に支持された雌ねじ7に噛合している。
超音波モータ6は、筐体12に固定された固定部6bと、固定部6bに対して軸線Gを中心に回転する駆動出力部6aとを有し、駆動出力部6aが雌ねじ7に固定されている。これにより、雌ねじ7は、超音波モータ6により軸線Gを中心に回転する。
雌ねじ7に噛合した雄ねじ8は、筐体12に対して軸方向Yに並進可能に筐体12に支持されている。従って、雌ねじ7の回転運動は、雄ねじ8の軸方向Yへの並進運動に変換される。そして、雄ねじ8が軸方向Yに移動することで、伝達部材3が回転中心線Gを中心とした回転を許容した状態で軸方向Yに移動する。よって、伝達部材3は、超音波モータ6の回転駆動により、軸方向Yへ移動することとなる。
弾性部材2の材質は、ばね用の鋼材等である。回転軸4の回転を固定した状態で出力ギア10に軸線Gを回転中心とした外力が働くと、弾性部材2における拘束部材13と先端部2aとの間の分、即ち有効長L1,L2の部分(図1(a),図1(b))が捩じられる。
出力ギア10に外力が働いたときの、捩れモーメント(負荷トルク)をT、弾性部材2の捩れ角度をθ、弾性部材2の有効長をL、弾性部材2の断面2次モーメントをI、弾性部材2の横弾性率をGとすると、これらの関係式は以下の式(1)で表される。
θ=(T×L)/(G×I)・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
θ=(T×L)/(G×I)・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
式(1)を変形すると、以下の式(2)となる。
T=(G×I×θ)/L・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
T=(G×I×θ)/L・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
式(2)より、捩れモーメントTは、断面2次モーメントIの大きさに比例し、弾性部材2の有効長Lに反比例する。弾性部材2の有効長Lを変えることで、捩れモーメントを可変することができる。また、断面2モーメント(≒断面積)を変えることで、捩れモーメントを可変とすることも可能となる。
図1(a)は、捩れモーメントが最小の状態である。超音波モータ6によって伝達部材3を軸方向Yにスライドさせることで、弾性部材2の有効長が最も長いL1となっている。この状態で出力ギア10に外力が働くと、弾性部材2の有効長L1の部分が捩れ、捩れモーメントは最小となる。
図1(b)は、捩れモーメントが最大の状態である。超音波モータ6によって伝達部材3を軸方向Yにスライドさせることで、弾性部材2の有効長が最も短いL2となっている。この状態で出力ギア10に外力が働くと、弾性部材2の有効長L2の部分が捩れ、捩れモーメントは最大となる。
駆動モータ5と出力ギア10との間に設けられた伝達部材3を超音波モータ6により軸方向Yに移動させることで、拘束部材13(ローラ131,131)による弾性部材2に対する接触位置(拘束位置)が軸方向Yに移動する。これにより、弾性部材2の捩れモーメントが変化するので、出力ギア10の回転方向の捩れ剛性が変化する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る剛性可変駆動装置100を示す説明図である。図2(a)は剛性可変駆動装置100の軸方向Yに沿った断面図、図2(b)は弾性部材2及び伝達部材3のB−B断面図、図2(c)は弾性部材2及び伝達部材3のC−C断面図、図2(d)は弾性部材2及び伝達部材3のD−D断面図である。図2では、弾性部材2の捩れモーメントが0の状態(捩れがない状態)を示している。
拘束部材13及び弾性部材2は、弾性部材2に捩れがない状態において、拘束部材13が先端部2aから軸方向Yに離れるに連れて、拘束部材13と弾性部材2との接触範囲(拘束範囲)Rが小さくなるように形成されている。具体的に説明すると、本第1実施形態では、拘束部材13は、ローラ131,131であり、軸方向Yに移動してもローラ面は一定である。従って本第1実施形態では、弾性部材2は、先端部2aの近傍の第1端21aから軸方向Yに最も遠い第2端21bに向かって先細りとなる第1被拘束面である一対の被拘束面21,21を有する。被拘束面21は、ローラ131が接触する面である。
具体的に説明すると、図2(b)、図2(c)、図2(d)に示すように、弾性部材2の断面形状は、出力ギア10、即ち先端部2aに近い位置では断面積(≒断面2次モーメント)が大きく、出力ギア10から軸方向Yに離れるに従って断面積も徐々に小さくなる。
伝達部材3は、図2(b)に示す弾性部材2のB−B断面の断面形状よりも僅かに大きな嵌合穴32が軸方向Yに同じ断面形状で連続している。
弾性部材2の断面形状は、弾性部材2の有効長が最も短くなる図2(b)に示すB−B断面の位置では、伝達部材3の嵌合穴32よりも僅かに小さい断面形状をしている。伝達部材3に回転自在に支持された一対のローラ131,131は、弾性部材2の一対の被拘束面21,21にB−B断面の位置において捩れの拘束範囲(接触範囲)Rで接触することで拘束している。
一対のローラ131,131が図2(b)に示すB−B断面の位置に移動すると、ローラ131,131により弾性部材2の断面上下部分の全範囲で弾性部材2の捩れを拘束することができる。この位置で外力が出力ギア10に働くと、弾性部材2の有効長L2の部分が捩られ、出力ギア10の捩れモーメントは最大の値±tm(図4)となる。
弾性部材2の有効長が中間部付近の図2(c)に示すC−C断面の位置の断面形状は、上下部分の両隅部が小さくなった断面形状をしている。つまり、被拘束面21,21の幅が狭くなっている。一対のローラ131,131は、弾性部材2の上下部分を拘束し、捩れの拘束範囲Rが狭くなっている。一対のローラ131,131が図2(c)に示すC−C断面の位置に移動すると、一対のローラ131,131によって狭くなっている捩れの拘束範囲Rで弾性部材2の捩れを拘束することができる。この位置で外力が出力ギア10に働くと、弾性部材2の有効長L3の部分が捩られる。
弾性部材2の有効長が最も長くなる図2(d)に示すD−D断面の位置の断面形状は、上下部分の両隅部が大きく切られた断面形状になっている。一対のローラ131,131が図2(d)に示すD−D断面の位置に移動すると、各ローラ131,131と弾性部材2とは点拘束となる。つまり、被拘束面21は、第2端21bでは第2端21bに移動したローラ131に点接触する。
図3は、剛性可変駆動装置100の動作を示す説明図である。図3(a)は剛性可変駆動装置100の軸方向Yに沿った断面図、図3(b)及び図3(c)は弾性部材2及び伝達部材3のD−D断面図である。なお、図3(b)は弾性部材2に作用する捩れモーメントが0(ゼロ)の状態、図3(c)は弾性部材2に作用する捩れモーメントが0ではない状態を示している。
図3(a)〜図3(c)に示すように、弾性部材2は、被拘束面21の両側に被拘束面21に対して傾斜する一対の第2被拘束面である被拘束面22,22を有する。本第1実施形態では、各被拘束面21に対して2つの被拘束面22,22が配置されているので、被拘束面22は合計4つある。図3(b)及び図3(c)に示すように、ローラ131と弾性部材2の被拘束面21とが点接触(点拘束)であると、軸線Gを中心として、ローラ131と被拘束面22とが接触する±θnの範囲で弾性部材2は自由に回転できる。つまり±θnの範囲の捩れモーメントは0となる。
図3(c)に示すD−D断面の位置で外力が出力ギア10に働くと、捩れモーメントが0の状態から弾性部材2の有効長L1の部分が捩られ、出力ギア10の捩れモーメントが±ts(図4)となる。
図4は、剛性可変駆動装置100の出力ギア10の捩れ角度θと捩れモーメントTとの関係を示した図である。図4(a)は非線形な特性を持たせた場合、図4(b)は線形な特性を持たせた場合を示している。
図4(a)の実線のL1−L2は、弾性部材2の有効長が最も長いL1から最も短いL2まで、弾性部材2の回転方向の拘束をしながら伝達部材3をスライド移動させた特性である。
図4中の捩れモーメント0(ゼロ)領域Sは、図3の弾性部材2の有効長を最も長くしたL1状態での軸線Gを中心として±θnの範囲は自由に回転できる状態を示している。捩れモーメント0の領域Sから最大の値±tmまで連続的に幅広く変化している。
点線L1は、弾性部材2の有効長を変化させず有効長が最も長いL1の特性である。図4中捩れモーメント0(ゼロ)領域Sから±tsまで連続的に緩やかに変化している。このように伝達部材3のスライドに伴って弾性部材2の捩れに対する拘束範囲Rを徐々に変化させることで、図4(b)に示すような線形特性だけでなく、図4(a)に示すような非線形な捩れ剛性を得ることが可能となる。
図10は、従来の剛性可変駆動装置の特性を示す図である。図10(a)は、0の弾性領域が存在しない例である。図10(b)は、0の弾性領域は存在するが、不連続な曲線部分が有り低弾性をうまく制御できないことを示している。これに対し、本第1実施形態の剛性可変駆動装置100は、出力ギア10の捩れ剛性を0から高剛性まで幅広く連続的に可変できる。
以上、本第1実施形態によれば、弾性部材2の先端部2aの捩れ剛性を能動的に自由に変化させることができ、単純な受動的ばね構造では実現できない低剛性から高剛性までの幅広い剛性可変が可能となる。
そして、拘束部材13は、弾性部材2の捩れを拘束しながら弾性部材2の有効長を変化させるので、弾性部材2の先端部2aの捩れ剛性を連続的に変化させることが可能となる。
また、弾性部材2は、被拘束面21が第2端21bに向かって先細り形状であるので、軸方向Yの位置によって捩れの拘束範囲Rを自由に決めることができ、捩れ剛性を線形だけでなく、非線形な特性にすることができる。よって、弾性部材2の有効長を長くすることなく、小型でコンパクトな剛性可変駆動装置100が可能となる。
また、弾性部材2の先端部2aの捩れモーメントを0にすることができるため、非常に柔らかい動作と、高速かつ目標位置に対する高精度の位置決め動作とを両立できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の剛性可変駆動装置について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る剛性可変駆動装置を示す説明図である。図5(a)は剛性可変駆動装置の軸方向に沿った断面図、図5(b)は弾性部材及び伝達部材のB−B断面図、図5(c)は弾性部材及び伝達部材のC−C断面図、図5(d)は弾性部材及び伝達部材のD−D断面図である。図5では、弾性部材の捩れモーメントが0の状態(捩れがない状態)を示している。なお、本第2実施形態では、弾性部材、伝達部材及び拘束部材が上記第1実施形態と異なり、それら以外の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、同様の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態の剛性可変駆動装置について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る剛性可変駆動装置を示す説明図である。図5(a)は剛性可変駆動装置の軸方向に沿った断面図、図5(b)は弾性部材及び伝達部材のB−B断面図、図5(c)は弾性部材及び伝達部材のC−C断面図、図5(d)は弾性部材及び伝達部材のD−D断面図である。図5では、弾性部材の捩れモーメントが0の状態(捩れがない状態)を示している。なお、本第2実施形態では、弾性部材、伝達部材及び拘束部材が上記第1実施形態と異なり、それら以外の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、同様の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
図5(a)に示すように、本第2実施形態の剛性可変駆動装置200は、弾性部材202、伝達部材203及び拘束部材213を備えている。
弾性部材202は、軸方向Yに延びて形成され、軸線Gを中心に回転自在に軸受11に支持され、先端部202aから回転力を出力する。
伝達部材203には、軸方向Yにスライド自在に弾性部材202に嵌合する嵌合穴232が形成されており、伝達部材203は、上記第1実施形態と同様、回転軸4と一体に回転して弾性部材202に回転軸4の回転力を伝達する。
拘束部材213は、伝達部材203に設けられ、弾性部材202の一部分に接触して弾性部材202を拘束し、超音波モータ6(図1参照)の駆動により伝達部材203と一体に軸方向Yに移動する。これにより、拘束部材213は、弾性部材202に対する接触位置(拘束位置)が軸方向Yに移動する。
拘束部材213及び弾性部材202は、弾性部材202に捩れがない状態において、拘束部材213が先端部202aから軸方向Yに離れるに連れて、拘束部材213と弾性部材202との接触範囲Rが小さくなるように形成されている。
以下、具体的に説明すると、拘束部材213は、図5(b)〜図5(d)に示すように、伝達部材203と一体に形成され、嵌合穴232の側壁面から突出する一対の突出部231,231である。
各突出部231は、嵌合穴232の開口端232aから前記軸方向に離れるに連れて広くなる一対の第1拘束面として一対の拘束面241,241を有する。そして、弾性部材202は、拘束面241,241にそれぞれ接触する一対の被拘束面251,251を有する。本第2実施形態では、被拘束面251は、軸方向Yに亘って同一の幅に形成されている。つまり、弾性部材202は、先端部202aを除く部分は、軸方向Yに同じ断面形状で連続する形状、即ち軸方向Yに亘って断面形状が同一形状に形成されている。より詳細に説明すると、弾性部材202は、図5(d)に示すD−D断面の位置での伝達部材203の嵌合穴232よりも僅かに小さな断面形状であり、軸方向Yに同じ形状で連続している。換言すると、伝達部材203の嵌合穴232の断面形状は、図5(d)に示すD−D断面の位置では、弾性部材202の断面形状よりも僅かに大きい。
一対の突出部231,231が伝達部材203と一体に形成されているので、伝達部材203の嵌合穴232の断面形状は、出力ギア10に近い位置では断面積が大きく、出力ギア10から軸方向Yに離れるに伴い断面積も徐々に小さくなっている。
各突出部231の拘束面241は、開口端232aでは、図5(b)に示すように、弾性部材202の各被拘束面251に点接触する。
伝達部材203の嵌合穴232に設けられた一対の突出部231,231は、弾性部材202の上下部分、即ち一対の被拘束面251,251を、図5(d)に示すD−D断面の捩れの拘束範囲Rで拘束している。これにより、外力が出力ギア10に働くと、弾性部材202の有効長L1の部分が捩られる。
伝達部材203の嵌合穴232の断面形状は、図5(c)に示すC−C断面の位置では、上下部分の両隅部が広がった断面形状をしている。伝達部材203の軸方向Yの中央部付近では、伝達部材203の嵌合穴232の上下の捩れの拘束範囲Rが狭くなっている。伝達部材203の嵌合穴232の断面形状は、図5(b)に示すB−B断面の位置では、上下部分の両隅部が大きく広がった断面形状をしている。
図6は、剛性可変駆動装置200の動作を示す説明図である。図6(a)は剛性可変駆動装置200の軸方向Yに沿った断面図、図6(b)及び図6(c)は弾性部材202及び伝達部材203のD−D断面図である。なお、図6(b)は弾性部材202に作用する捩れモーメントが0(ゼロ)の状態、図6(c)は弾性部材202に作用する捩れモーメントが0ではない状態を示している。
図6(b)及び図6(c)に示すように、突出部231は、拘束面241の両側に拘束面241に対して傾斜する一対の第2拘束面である一対の拘束面242,242を有する。本第2実施形態では、各拘束面241に対して2つの拘束面242,242が配置されているので、拘束面242は合計4つある。
図6(a)に示すように、伝達部材203がD−D断面の位置までスライドすると、図6(b)及び図6(c)に示すように、伝達部材203の嵌合穴232に配置された各突出部231の拘束面241と弾性部材202の各被拘束面251とが点接触となる。これにより、軸線Gを中心として、拘束面242と被拘束面251とが面接触する±θnの範囲で弾性部材202は自由に回転できる。つまり±θnの範囲の捩れモーメントは0となる。
図6(c)に示すように、この位置で外力が出力ギア10に働くと、捩れモーメントが0の状態から弾性部材202の有効長L1の部分が捩られ、出力ギア10の捩れモーメントは±ts(図4)となる。
以上、本第2実施形態によれば、弾性部材202の先端部202aの捩れ剛性を能動的に自由に変化させることができ、単純な受動的ばね構造では実現できない低剛性から高剛性までの幅広い剛性可変が可能となる。
そして、拘束部材213は、弾性部材202の捩れを拘束しながら弾性部材202の有効長を変化させるので、弾性部材202の先端部202aの捩れ剛性を連続的に変化させることが可能となる。
また、突出部231の拘束面241は、開口端232aから軸方向Yに離れるに従って広がる形状であるので、軸方向Yの位置によって捩れの拘束範囲Rを自由に決めることができる。したがって、捩れ剛性を、図4(a)に示すような線形な特性だけでなく、図4(b)に示すような非線形な特性にすることができる。そして、弾性部材202の有効長を長くすることなく、小型でコンパクトな剛性可変駆動装置200が可能となる。
また、弾性部材202の先端部202aの捩れモーメントを0にすることができるため、非常に柔らかい動作と、高速かつ目標位置に対する高精度の位置決め動作とを両立できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構について説明する。図7は、第3実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構の概略構成を示す説明図である。図7(a)は関節駆動機構の上面図、図7(b)は関節駆動機構の側面図を示している。本第3実施形態の関節駆動機構は、ロボットアーム3000であり、第1リンクであるリンク51と、第2リンクであるリンク52と、基体53と、を備えている。リンク51の一端は基体53に固定されている。リンク51の他端とリンク52の一端とは関節Jで旋回可能に連結されている。具体的に説明すると、リンク51の他端には、軸受54が固定され、リンク52の一端には、軸受54に回転可能に支持された軸55が固定されている。この軸55の一端には、傘歯車である関節ギア56が接続されている。
次に、第3実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構について説明する。図7は、第3実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構の概略構成を示す説明図である。図7(a)は関節駆動機構の上面図、図7(b)は関節駆動機構の側面図を示している。本第3実施形態の関節駆動機構は、ロボットアーム3000であり、第1リンクであるリンク51と、第2リンクであるリンク52と、基体53と、を備えている。リンク51の一端は基体53に固定されている。リンク51の他端とリンク52の一端とは関節Jで旋回可能に連結されている。具体的に説明すると、リンク51の他端には、軸受54が固定され、リンク52の一端には、軸受54に回転可能に支持された軸55が固定されている。この軸55の一端には、傘歯車である関節ギア56が接続されている。
本第3実施形態では、ロボットアーム3000は、関節Jを駆動する、上記第1実施形態の剛性可変駆動装置100を備えており、剛性可変駆動装置100は、基体53に固定されている。
剛性可変駆動装置100の出力ギア10は、傘歯車であり、関節ギア56に噛合している。よって、出力ギア10が回転すると、関節ギア56が軸受54を中心に回転し、リンク52が軸受54を中心に旋回する。剛性可変駆動装置100の駆動モータ5は、制御回路(不図示)で駆動トルクを制御されている。また、剛性可変駆動装置100の超音波モータ6も他の制御回路(不図示)で捩れモーメントを制御されている。これらの制御回路でリンク52を駆動している。
図7(b)には、リンク52を駆動モータ5の駆動により関節角度θpの位置に旋回させた状態である。この関節角度θpの位置で超音波モータ6を駆動させ、伝達部材3をスライドさせることで、出力ギア10の捩れモーメントを自由に変えることができる。このように駆動モータ5による関節角度と、超音波モータ6による関節Jまわりの捩れ剛性をそれぞれ独立して制御することができる。
本第3実施形態によれば、リンク52の関節Jまわりの捩れ剛性を関節角度に関係なく、低剛性(0)から高剛性まで自由に設定でき、ダイナミックな動作と高い位置決め動作の両立が可能となる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構について説明する。図8は、第4実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構の概略構成を示す説明図である。図8(a)は関節駆動機構の上面図、図8(b)は関節駆動機構の側面図を示している。本第4実施形態の関節駆動機構は、ロボットアーム4000であり、第1リンクであるリンク51と、第2リンクであるリンク52と、基体53と、を備えている。リンク51の一端は基体53に固定されている。リンク51の他端とリンク52の一端とは関節Jで旋回可能に連結されている。具体的に説明すると、リンク51の他端には、軸受54が固定され、リンク52の一端には、軸受54に回転可能に支持された軸55が固定されている。この軸55の両端には、傘歯車である関節ギア561,562が接続されている。
次に、第4実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構について説明する。図8は、第4実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構の概略構成を示す説明図である。図8(a)は関節駆動機構の上面図、図8(b)は関節駆動機構の側面図を示している。本第4実施形態の関節駆動機構は、ロボットアーム4000であり、第1リンクであるリンク51と、第2リンクであるリンク52と、基体53と、を備えている。リンク51の一端は基体53に固定されている。リンク51の他端とリンク52の一端とは関節Jで旋回可能に連結されている。具体的に説明すると、リンク51の他端には、軸受54が固定され、リンク52の一端には、軸受54に回転可能に支持された軸55が固定されている。この軸55の両端には、傘歯車である関節ギア561,562が接続されている。
本第4実施形態では、ロボットアーム4000は、関節Jを駆動する、上記第1実施形態の2つの剛性可変駆動装置1001,1002を備えており、剛性可変駆動装置1001,1002は、基体53に固定されている。2つの剛性可変駆動装置1001,1002は、同一特性であり、関節Jに拮抗配置されている。つまり、2つの剛性可変駆動装置1001,1002は、リンク51の両側に配置されている。
剛性可変駆動装置1001の出力ギア101は、傘歯車であり、関節ギア561に噛合している。また、剛性可変駆動装置1002の出力ギア102は、傘歯車であり、関節ギア562に噛合している。剛性可変駆動装置1001,1002の軸受54まわりの構成は、上記第3実施形態と同様であり、説明を省略する。
拮抗配置した剛性可変駆動装置1001,1002によって、関節ギア561,562を同じ方向に駆動すると、剛性可変駆動装置1001,1002の駆動トルクの和を、リンク52に与えることができる。
また、剛性可変駆動装置1001,1002によって関節ギア561,562を互いに逆方向に駆動すると、剛性可変駆動装置1001,1002の駆動トルクの差を、リンク52に与えることができる。
剛性可変駆動装置1001,1002の駆動トルクに差を持たせてリンク52を駆動すると、出力ギア101,102と関節ギア561,562とのバックラッシュ(ギア間のガタ)小さくすることができる。
これにより目標位置に対する高い位置決めが可能となる。このように本第4実施形態では、2つの剛性可変駆動装置1001,1002を拮抗配置することで、大きな関節駆動トルクと更に高い位置決め動作が可能となる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構について説明する。図9は、第5実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構の概略構成を示す説明図である。図9(a)は関節駆動機構の側面図、図8(b)は関節駆動機構の正面図を示している。本第5実施形態の関節駆動機構は、パワーアシスト装置5000であり、第1リンクであるリンク501と、第2リンクであるリンク502と、を備えている。リンク501の一端とリンク502の一端とが関節Jで旋回可能に連結されている。具体的に説明すると、リンク501の一端には、軸受504が固定され、リンク502の一端には、軸受504に回転可能に支持された傘歯車である関節ギア503が固定されている。
次に、第5実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構について説明する。図9は、第5実施形態における剛性可変駆動装置を備えた関節駆動機構の概略構成を示す説明図である。図9(a)は関節駆動機構の側面図、図8(b)は関節駆動機構の正面図を示している。本第5実施形態の関節駆動機構は、パワーアシスト装置5000であり、第1リンクであるリンク501と、第2リンクであるリンク502と、を備えている。リンク501の一端とリンク502の一端とが関節Jで旋回可能に連結されている。具体的に説明すると、リンク501の一端には、軸受504が固定され、リンク502の一端には、軸受504に回転可能に支持された傘歯車である関節ギア503が固定されている。
本第5実施形態では、パワーアシスト装置5000は、関節Jを駆動する、上記第1実施形態の剛性可変駆動装置100を備えており、剛性可変駆動装置100は、リンク501に固定されている。
剛性可変駆動装置100の出力ギア10は、傘歯車であり、関節ギア503に噛合している。よって、出力ギア10が回転すると、関節ギア503が軸受504を中心に回転し、リンク502が軸受504を中心に旋回する。
パワーアシスト装置5000は、人体Hの下肢部に装着される。リンク501は、人体Hの大腿Hcの部分に配置されて、ベルト505で大腿Hcに固定される。リンク502は、人体Hの下腿Haの部分に配置されて、ベルト506で下腿Haに固定される。
剛性可変駆動装置100の弾性部材2は、大腿Hcと並行して配置されている。弾性部材2の有効長を変えることで関節ギア503まわりのトルクおよび剛性を可変する。これにより膝関節Hbまわりの関節トルクを補助する構成となっている。そして、剛性可変駆動装置100は、リンク502を旋回させることで、下腿Haへ駆動力を伝達することができる。
剛性可変駆動装置100の駆動モータ5と超音波モータ6も上記第3実施形態で説明した制御回路(不図示)によって駆動される。
以下、膝関節の屈伸動作を例に説明する。図9(a)のような膝関節Hbが比較的伸びた姿勢から深く折れ曲げるような動作では、超音波モータ6によって出力ギア10を低剛性にした状態で駆動モータ5の駆動力によって膝関節Hbを折り曲げ運動へ導く。このとき、人体Hの重力等で出力ギア10に外力が働いている。同時に、駆動モータ5の駆動は、回転軸4(図1参照)の回転をロック、または出力ギア10に働いている外力に対抗する方向のブレーキが働く駆動トルクで回転する。すると、駆動モータ5の駆動トルクと外力による出力ギア10のトルクとの差で弾性部材2に捩れの変位が発生する。つまり、弾性部材2に捩れのエネルギーが蓄積させるのである。
次に、膝関節Hbを折曲げた姿勢から超音波モータ6によって弾性部材2の有効長Lを短くして捩れ剛性を高めると、さらに蓄積された弾性部材2の捩れエネルギーを増加させることができる。膝関節Hbを伸ばして短い時間に飛び跳ねる瞬発的動作時には、駆動モータ5による駆動と共にこの増加させた捩れ蓄積エネルギーを開放させることで俊敏でダイナミックな動きが可能となる。
また、比較的ゆっくりした歩行動作では、着地する時、超音波モータ6によって中間程度の捩れ剛性にする。これにより弾性部材2によって着地の衝撃を吸収することができる。駆動モータ5の駆動によって地面を蹴り上げた後には超音波モータ6によって出力ギア10を最小の剛性にすることで自然で違和感のない歩行動作が得られる。
また、剛性可変駆動装置100は出力ギア10の捩れ剛性と駆動トルクを連動させて自由に変えることができるので、個人差のある人体の脚力および複雑な姿勢に対応した適切なパワーアシストが可能となる。本第5実施形態では、人体の膝関節まわりのパワーアシスト装置の構成であるが、人体および生物の上肢等の他の関節部位にも適用しても良い。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
上記第3〜第5実施形態では、剛性可変駆動装置が上記第1実施形態の剛性可変駆動装置100である場合について説明したが、上記第2実施形態の剛性可変駆動装置200であってもよい。
また、上記第3〜第5実施形態では、剛性可変駆動装置がロボットアームやパワーアシスト装置に適用される場合について説明したが、これに限定するものではなく、他のロボット、例えば、脚式ロボットや介護用ロボット等に適用することも可能である。
また、上記第1実施形態では、伝達部材駆動部として、リング型の超音波モータを用いた場合について説明したが、電磁式のモータやソレノイドを用いても良い。
また、上記第1実施形態では、拘束部材が2つのローラからなる場合について説明したが、これに限定するものではなく、拘束部材が1つ以上のローラからなるものであればよい。拘束部材が複数のローラからなり、これら複数のローラで弾性部材を挟むようにすると、弾性部材を拘束する効果が高く、より好ましい。
2…弾性部材、2a…先端部、3…伝達部材、4…回転軸、5…駆動モータ(回転駆動部)、6…超音波モータ(伝達部材駆動部)、13…拘束部材、32…嵌合穴、100…剛性可変駆動装置
Claims (10)
- 軸方向に延びて形成され、軸線を中心に回転自在に支持され、先端部から回転力を出力する弾性部材と、
回転駆動部と、
前記回転駆動部の駆動により回転する回転軸と、
前記軸方向にスライド自在に前記弾性部材に嵌合する嵌合穴が形成され、前記回転軸と一体に回転して前記弾性部材に前記回転軸の回転力を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を前記軸方向に駆動する伝達部材駆動部と、
前記伝達部材に設けられ、前記弾性部材の一部分に接触して前記弾性部材を拘束し、前記伝達部材駆動部の駆動により前記伝達部材と一体に前記軸方向に移動して、前記弾性部材に対する接触位置が前記軸方向に移動する拘束部材と、を備え、
前記拘束部材及び前記弾性部材は、前記弾性部材に捩れがない状態において、前記拘束部材が前記先端部から前記軸方向に離れるに連れて、前記拘束部材と前記弾性部材との接触範囲が小さくなるように形成されていることを特徴とする剛性可変駆動装置。 - 前記弾性部材は、前記先端部の近傍の第1端から前記軸方向に最も遠い第2端に向かって先細りとなる第1被拘束面を有することを特徴とする請求項1に記載の剛性可変駆動装置。
- 前記第1被拘束面は、前記第2端では前記第2端に移動した前記拘束部材に点接触することを特徴とする請求項2に記載の剛性可変駆動装置。
- 前記弾性部材は、前記第1被拘束面の両側に前記第1被拘束面に対して傾斜する一対の第2被拘束面を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の剛性可変駆動装置。
- 前記拘束部材は、前記伝達部材に回転自在に支持された回転体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の剛性可変駆動装置。
- 前記拘束部材は、前記伝達部材と一体に形成され、前記嵌合穴の側壁面から突出する突出部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の剛性可変駆動装置。
- 前記突出部は、前記嵌合穴の開口端から前記軸方向に離れるに連れて広くなる第1拘束面を有することを特徴とする請求項6に記載の剛性可変駆動装置。
- 前記第1拘束面は、前記開口端では前記弾性部材に点接触することを特徴とする請求項7に記載の剛性可変駆動装置。
- 前記突出部は、前記第1拘束面の両側に前記第1拘束面に対して傾斜する一対の第2拘束面を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の剛性可変駆動装置。
- 第1リンクと、
前記第1リンクに関節で連結された第2リンクと、
前記関節を駆動する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の剛性可変駆動装置と、を備えた関節駆動機構。
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CN115432083A (zh) * | 2021-06-01 | 2022-12-06 | 广东博智林机器人有限公司 | 机械腿及轮腿足式机器人 |
JP7514791B2 (ja) | 2021-04-21 | 2024-07-11 | 本田技研工業株式会社 | リンク機構 |
-
2012
- 2012-11-15 JP JP2012250796A patent/JP2014097549A/ja active Pending
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