JP2014097038A - 高枝切り - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射対象やその周囲への切断具の干渉を軽減し、且つ噴射方向の竿の長手方向に対する角度を軽減して、高所へ薬剤を散布可能な高枝切りを提供する。
【解決手段】本発明は、薬剤の噴射装置9及び切断具3を竿2の一端部に設け、噴射装置9は、薬剤の収納容器50の竿2への支持用の支持部10と、遠隔操作される押圧レバー13と、収納容器50に着脱自在で押圧レバー13で作動される噴射ボタン20とを備え、支持部10は薬剤の噴射方向F1の角度が調整自在であり、噴射ボタン20は、押圧レバー13に押圧される押圧面20aを有すると共に、押圧面20aが噴射方向F1の先端側程薬剤噴射用の噴射孔29に近づくように傾斜している。これによって、本発明は、噴射対象や周囲への切断具3の干渉を軽減し、且つ噴射方向F1の長手方向L1に対する角度を軽減して、高所へ薬剤を散布することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高枝切りに関するものである。
従来から、伸縮杆の伸縮方向の一端に鋏等の切断具を有し、伸縮方向の他端にこの切断具の可動刃を開閉させる操作ハンドル部を有した高枝切りがある。このような高枝切りでは、市販のスプレー缶を取付可能なスプレー缶ホルダを、伸縮杆に固定して設けると共に、可動刃の動作に連動して作動する押圧レバーを、可動刃に固定して設けたものがある(特許文献1等参照)。この高枝切りでは、切断具による高所の枝の剪定に加えて、押圧レバーを作動させてスプレー缶の噴射ボタンを押圧することで、スプレー缶の薬剤を高所へ散布することができる。これによって、利用者は、切断具による切断動作と薬剤の散布動作とを同じ高枝切りで行うことができ、作業場所へ持ち込む道具を減らして作業負担を軽減することができる。また、例えば、病気の枝を切断具で切断する場合には、切断に用いた高枝切りで切断位置やその周囲に消毒や殺菌用等の薬剤を噴射することで、切断のみを行う場合に比べて、枝の切断量を低減する等で植物への負担を軽減することができる。
特開2003−70406号公報
ところで、伸縮杆にスプレー缶ホルダを固定してあるため、伸縮方向に略直交した向き(伸縮杆の軸心を中心とした場合の径外方向)にしか、薬剤を散布することができない。そのため、高枝切りは、例えば枝や軒先等の高所に形成された蜂の巣や、高所の病気に侵された葉や枝、或いは害虫の付着した葉や枝等の散布対象部位に対して、スプレー缶の噴射孔を略水平に位置させて、薬剤を散布する。そして、高枝切りは、このような散布時に、切断具がスプレー缶より上方に突出して位置するため、切断具が周囲の果実や屋根等に干渉し易く、噴射孔を噴射対象に向け難くなったり、果実や屋根等を傷付けてしまったりする恐れがある。
そこで、本願発明者は、薬剤を収納した収納容器を竿に支持する支持部に、角度調整部を設けて、噴射孔からの噴射方向の竿の長手方向に対する角度を調整可能にした高枝切りに想到した。この高枝切りでは、押圧レバーと噴射ボタンとの相対位置が前記角度によって変動する。そのため、この高枝切りでは、押圧レバーで噴射ボタンを押圧し難くなる等の前記角度による影響で、噴射量(押圧力)が低下したり、噴射動作(押圧動作)が困難になったり等の問題を新たに生じることが判明した。
そこで、本発明は、薬剤散布用の補助装置を備えた高枝切りにおいて、前記従来の課題である切断具の噴射対象やその周囲との干渉の問題を解決すると共に、新たな課題である噴射方向の竿の長手方向に対する角度の影響を軽減することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、長尺な竿と、この竿の長手方向の一端部に設けられた切断具と、前記竿の長手方向の他端部に設けられ前記切断具を遠隔操作するための操作部と、この操作部と前記切断具とを連結して前記操作部の操作を前記切断具に伝達する伝達部材とを備えた高枝切りであって、薬剤噴射用の噴射装置を前記一端部に設け、この噴射装置は、薬剤の収納容器を前記竿に支持するための支持部と、前記伝達部材を介して前記操作部で遠隔操作される押圧レバーと、前記収納容器に着脱自在で取り付けられ前記押圧レバーによる押圧で前記薬剤を噴射する噴射ボタンとを備え、前記支持部は、前記噴射ボタンから前記薬剤を噴射する噴射方向の角度を、前記竿の長手方向に対して調整自在であり、前記噴射ボタンは、前記押圧レバーに押圧される押圧面と、前記薬剤を噴射する噴射孔とを有すると共に、この押圧面が前記噴射方向の先端側に向かう程前記噴射孔に近づくように傾斜していることを特徴とする。
このような構成としたことで、高枝切りは、前記長手方向に対する噴射方向の角度を調整して、高所への薬剤散布時に、噴射対象やその周囲への前記切断具の干渉を軽減し易くすることができる。そして、高枝切りは、前記押圧面を傾斜させたことで、角度調整した状態で前記押圧レバーによって押圧された際に、前記噴射ボタンを作動方向(噴射動作を行う方向)に移動し易くすることができる。
この高枝切りとして、前記押圧面は、前記噴射方向に対する幅方向の中央側を凹ませた形状であることが好ましい。この構成によって、高枝切りは、前記押圧レバーで前記押圧面の幅の中央側を押圧し易くすることができる。
この高枝切りとして、前記噴射ボタンは、前記押圧面を前記収納容器に対して保持するカバー部を備え、このカバー部は、前記押圧面を前記噴射方向及びこの噴射方向に対する幅方向において位置決めする位置決め部と、前記収納容器に着脱自在で嵌り合う嵌合部とを有するものであることが好ましい。この構成によって、高枝切りは、前記カバー部を前記収納容器に取り付けることで、前記収納容器に対して前記押圧面を容易に位置決めすることができる。
本発明は、前記構成を備えたことで、噴射対象やその周囲への切断具の干渉を軽減し、且つ噴射方向の竿の長手方向に対する角度の影響を軽減して、高所へ薬剤を散布可能な高枝切りを提供することができるという効果を奏する。
実施形態の高枝切りの一部を省略した正面図である。 切断具の閉成状態の正面図である。 収納容器を取り付けた状態の押圧レバー周辺の斜視図である。 (a)が噴射ボタンの側面図であり、(b)がカバー部の側断面図であり、(c)が収納容器に取り付けた状態で一部を切断した側面図である。 本体部の説明図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。 捕獲筒の一部を破断した状態の斜視図である。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
本実施形態の高枝切り1は、図1に示すように、長尺な竿2と、可動刃5を有した切断具3と、可動刃5を遠隔操作するための操作部(不図示)と、この操作部の操作を可動刃5に伝達する伝達部材6と、薬剤散布用の噴射装置9とを備える。
竿2は、内部に空間を有した棒状になっている。そして、竿2は長手方向L1に伸縮自在な所謂伸縮竿になっている。また、竿2は、長手方向L1の一端部2aに、切断具3が設けてあり、長手方向L1の反対側である他端部(不図示)に、操作部が設けてある。そして、竿2は内部に伝達部材6が配置してある。以下説明の便宜上、他の部材の長手方向と区別するために、竿2の長手方向L1を、伸縮方向L1と記載する。
切断具3は、例えば、一方を可動刃5とした鋏形状になっており、竿2に固定された固定刃4と、固定刃4に対して回動する可動刃5とを備える。そして、切断具3は、固定刃4と可動刃5との間で剪断することで、高所の枝(高枝)等を切断することができる。
伝達部材6は、伸縮方向L1に沿って長尺に形成してあり、竿2の伸縮に対応して伸縮する。伝達部材6は長手方向の両端が夫々竿2から突出する。そして、伝達部材6の長手方向の一端は、可動刃5に連結してあり、伝達部材6の長手方向の他端は、操作部に連結してある。これによって、伝達部材6は、操作部の操作を可動刃5に伝達する。言い換えると、伝達部材6は、操作部と可動刃5とを連結して、切断具3の操作部による遠隔操作を可能にしている。
更に、伝達部材6の長手方向の前記一端側は、平板状の板状部7になっている。板状部7は、操作部が操作されることで、伸縮方向L1に沿って進退する。そして、板状部7は板面に可動刃5が接続してあり、板状部7は前記進退動作に伴って可動刃5を作動させる(回動させる)。具体的には、板状部7が竿2側に前進することで、可動刃5が固定刃4から離れる向きに回動し、この状態から板状部7が後退することで、可動刃5が固定刃4に近づく向きに回動する。言い換えると、切断具3は、図1に示すように、板状部7の前進によって鋏が開成状態になるように作動し、図2に示すように、板状部7の後退によって鋏が閉成状態になるように作動する。
噴射装置9は、竿2の一端部2a側に設けてある。そして、噴射装置9は、図3に示すように、薬剤を収納した収納容器50が取付自在になっている。噴射装置9は、収納容器50を保持した(取り付けた)状態で、操作部の操作に応じて収納容器50内の薬剤を噴射する。
収納容器50は、図4(c)に示すように、例えば、薬剤が内部に充填された円筒缶51と、円筒缶51の軸方向の一端に設けられたステム52(薬剤吐出管)と、ステム52を介して開閉するガスケット(不図示)とを備える。ステム52は、円筒缶51の軸方向に沿って円筒缶51から突出しており、この軸方向に沿って進退自在になっている。前記ガスケットは円筒缶51内部に設けられる。そして、このガスケットは、ステム52が円筒缶51側に押し込まれる(後退する)ことで、開成状態となって、円筒缶51内の薬剤をステム52に供給する。これによって、噴射装置9は、薬剤を収納容器50からステム52を介して噴射ボタン20(詳細は後述する)に導入して、噴射ボタン20から外部に噴射する。
そして、収納容器50は、噴射装置9の用途に応じて夫々異なる薬剤を収納したものが用いられる。例えば、収納容器50は、蜘蛛等の害虫駆除用、蝙蝠等の害獣駆除用、蜂や樹木に付着したダニ等の殺虫用、葉や果実等の消毒用や防虫用、或いは樹木の切断面や天井や高所の壁面等の塗装用等の所謂スプレー缶になっている。そして、収納容器50に収納される薬剤は、例えば、殺虫剤、防虫剤、殺菌剤、消毒薬、忌避剤、ペンキ等の塗料、樹木の切断面用の保護剤、断熱や防音用の発泡剤等になっている。
また、噴射装置9は、図1や図3に示すように、収納容器50を竿2に支持するための支持部10と、薬剤噴射用の噴射ボタン20と、操作部の操作により噴射ボタン20を押圧する押圧レバー13とを備える。支持部10は、収納容器50保持用のホルダ11と、ホルダ11を竿2に取り付けるための取付部15とを備える。
ホルダ11は、略円筒形状の円筒部12と、有底カップ形状の下部18とで形成してある。円筒部12は、図3に示すように、内部(内周側)に、略同心で収納容器50が挿通配置される。そして、円筒部12は軸方向V1の一端部12aが切断具3側に位置しており、一端部12a側に、図3に示すように、噴射ボタン20を取り付けた状態で収納容器50のステム52(吐出筒)が位置する。また、円筒部12は軸方向V1の反対側の端部(他端部12b)に着脱自在で下部18が取り付けられる。これによって、円筒部12は他端部12b側が閉塞される。
下部18はカップの底がホルダ11の底部になっている。そして、下部18の底(底部)は、収納容器50を円筒部12内に配置した際に、収納容器50の底(円筒缶51の軸方向の他端)が載置される。これによって、収納容器50は、軸方向V1において円筒部12に位置決めされると共に、円筒部12からの抜け落ちが抑制される。言い換えると、ホルダ11は、収納容器50を円筒部12の内周面及び下部18(底部)で保持する。これによって、ホルダ11は内部に収納容器50が取り付けられる。
また、円筒部12は他端部12bの内周面が径外方向に凹んでいる。そして、この凹んだ内周面には、ねじ山19aが設けてある。また、下部18はカップの外周面に、ねじ山19bが設けてある。ホルダ11は、円筒部12のねじ山19aと下部18のねじ山19bとが螺合可能になっている。そして、下部18には、ねじ山19a,19bの螺合用の操作片18aが設けてあり、操作片18aを介して下部18を円筒部12の円周方向に回転させることで、ねじ山19a,19bの螺合量を調整することができる。すなわち、ホルダ11は、下部18の円筒部12に対する軸方向V1の螺進位置(ねじ山19a,19bの螺合量)を変更することで、軸方向V1において、円筒部12に対する下部18の取付位置を調整することができる。言い換えると、ホルダ11は、操作片18aによって、軸方向V1において底部の位置を調整することができる。
そのため、ホルダ11は、取り付ける収納容器50の底からステム52までの高さ寸法(軸方向V1に沿う寸法)に応じて、底部(下部18)の位置を調整することで、軸方向V1におけるホルダ11(円筒部12の一端部12a)に対するステム52の高さ位置を略一定にすることができる。なお、円筒部12に対する下部18の取付け構造は、ねじ山19a,19bを用いた螺合構造に限らない。
押圧レバー13は、図1や図2に示すように、例えば板状になっている。そして、押圧レバー13は、板の一端が板状部7に脱着自在に取り付けてあり、板状部7の進退時に板状部7と一体で伸縮方向L1に進退する。また、押圧レバー13は他端側にホルダ11に向けて突出した凸部14が設けてある。凸部14は突出先端に丸みを有する。そして、凸部14は、押圧レバー13の後退時に、噴射ボタン20(詳細は後述する)を押圧する。
取付部15は、板状の基台16を有する。基台16は伸縮方向L1に長尺になっている。そして、基台16は、板面を竿2の外周面に当接した状態で、保持具17によって着脱自在で竿2に取り付けられる。保持具17は、例えば、締付ベルトや、粘着テープや、面ファスナー等で形成してある。なお、保持具17は、例えばU字ボルト及びナット等で形成したものであってもよい。また、取付部15は、保持具17を用いた取付構造に限らず、磁石等での磁気的な保持を用いた取付構造や、フック等の係止部や係合部を用いた取付構造や、凹凸等の嵌合部32を用いた取付構造等であってもよい。
噴射ボタン20は、図4に示すように、押圧レバー13に押圧される本体部21と、本体部21を作動自在で収納容器50に保持するカバー部31と、本体部21の作動を規制するストッパー(不図示)とを備える。本体部21は、図4や図5に示すように、薬剤噴射用の噴射孔29を有した噴射ノズル26と、押圧レバー13に押圧操作される押圧面20aを有した押圧部材22とで形成してある。
噴射ノズル26は、ステム52に連通接続される連通部27と、ステム52の突出方向に略直交した向きで連通部27から突出するノズル部28とを有する。噴射ノズル26は、連通部27の上流端側をステム52に連通接続される。そして、噴射ノズル26は、連通部27にステム52を連通接続した状態で、前記ガスケットを開成させることで、収納容器50から薬剤が導入される。また、連通部27の下流端には、ノズル部28の上流端が連通して設けてある。
ノズル部28は連通部27からの突出先端(下流端)が噴射孔29になっている。そして、ノズル部28は、この突出方向先端側に向けて薬剤を、霧状或いは泡状に噴射する。そして、この薬剤を噴射する方向が、噴射ボタン20の噴射方向F1となっている。更に、噴射された薬剤は、例えば、噴射孔29を頂点として噴射方向F1を軸心とした略円錐形状に飛散して散布される。
噴射ノズル26は、図3に示すように、収納容器50をホルダ11に取り付けた状態で、ホルダ11の軸心及び取付部15との接続部位を通るホルダ11の所定の直径上に位置する。言い換えると、噴射孔29は、ホルダ11の取付部15との接続部位に背向して位置する。以下、噴射方向F1を前方として、反対側を後方とする。そして、軸方向V1に略平行となるステム52の突出方向(円筒缶51の軸方向)を上下方向として、連通部27のステム52との接続部位側を下方、反対側(噴射ノズル26との接続部位側)を上方とし、上下方向に沿って下向きに視た状態を平面視とする。更に、前後方向及び上下方向の両方に直交する方向を幅方向F2(側方)とする。
押圧部材22は、図5に示すように、前後方向(噴射方向F1に沿った方向)に長尺で、平面視矩形状になっている。押圧部材22の下端には、幅方向F2に突出して突出片24が設けてある。突出片24は、前後方向に長尺に形成してある。そして、押圧部材22の下部には、下方及び前方に開口した凹部23が設けてある。凹部23には噴射ノズル26が配置してあり、連通部27の上面が凹部23の天面に接着等で固定してある。そして、凹部23の前開口にはノズル部28の下流端(噴射孔29)が位置する。
また、押圧部材22は、下方(ステム52側)に向けて押圧操作される(移動させられる)ことで、噴射ノズル26及びステム52を介して収納容器50(前記ガスケット)を開成させて、噴射孔29から薬剤を噴射する。言い換えると、押圧部材22は、上面22aが押圧されることで、噴射ノズル26(噴射ボタン20)を作動させる。
押圧部材22の上面22aは、側面視幅方向F2の中央側に向けて凹の曲面形状になっている。言い換えると、押圧部材22の上面22aは、幅方向F2において中央側を下方側(噴射ノズル26側)に凹ませた形状になっている。そして、押圧部材22の上面22aは、前後方向の略中央を含む前方側が、押圧レバー13用の押圧面20aになっており、押圧面20aより後方側が、使用者の指用の操作面20bになっている。押圧面20aは、噴射方向F1先端側に向かう程、噴射孔29に近づくように傾斜している。言い換えると、押圧面20aは、前方に向けて下り傾斜した形状になっている。また、指用の操作面20bは、前方に向けて上り傾斜した形状になっている。
カバー部31は、図4に示すように、収納容器50のステム52側の端部(円筒缶51の軸方向の一端)に嵌合する嵌合部32と、本体部21を位置決めする位置決め部33とを備える。嵌合部32は、平面視略円環状になっている。そして、嵌合部32は、円環の内周に円筒缶51の前記一端を嵌め込むことで、カバー部31を収納容器50に対して位置決め保持する。これによって、収納容器50は、嵌合部32の円環の略中心に、ステム52が位置する。更に、嵌合部32は、収納容器50に対して着脱自在になっている。
位置決め部33は、嵌合部32に一体で且つ嵌合部32の上方に設けてある。そして、位置決め部33は、前後方向に長尺な溝部34を幅方向F2に対向して有する。溝部34には突出片24が配置される。これによって、本体部21は、カバー部31に対して上下方向に抜け止めされる。
更に、溝部34の上縁には本体部21の側面21aが当接される。溝部34の後端34aには突出片24の後端が当接される。これによって、本体部21は、カバー部31に対して幅方向F2及び噴射方向F1(前後方向)に位置決め保持される。具体的には、嵌合部32の円環の略中心に、連通部27の上流端が位置する。そして、溝部34は上下方向の寸法が突出片24に比べて大寸になっている。これによって、本体部21は、突出片24が溝部34にガイドされながら、カバー部31に対して上下方向にスライド移動を行うことができる。
このように、カバー部31は、本体部21を、噴射方向F1(前後方向)及び幅方向F2の両方において位置決めして、噴射動作させる作動方向に移動自在で収納容器50に保持する。そして、本体部21は、この位置決めによって、上下方向において連通部27の上流端がステム52と略重なって位置する。言い換えると、噴射ボタン20は、カバー部31によって、収納容器50に対する本体部21のセンター出しを行うことができる。
ストッパーは、突出片24が溝部34の上方に位置した状態で、カバー部31の後方側から、押圧部材22の下端両側の直下に挿通されて、カバー部31に取り付けられる。そして、ストッパーは、この取り付けた状態で、上下方向において押圧部材22と嵌合部32との間に介在して位置する。これによって、ストッパーは、カバー部31に対する本体部21の上下方向のスライド移動(作動)を規制する。言い換えると、噴射装置9は、ストッパーをカバー部31に取り付けることで、噴射動作を禁止することができる。そのため、高枝切り1は、収納容器50に噴射ボタン20を取り付けた状態での商品の出荷時や運搬移動時等に、予期しない噴射動作をストッパーによって抑制することができる。なお、噴射ボタン20は、収納容器50の使用時等に、ストッパーをカバー部31から取り外すことで、前記スライド移動の規制が解除されて、噴射動作が可能となる。
また、取付部15とホルダ11の間には、図1に示すように、角度調整部36が設けてある。高枝切り1は、角度調整部36によって、伸縮方向L1に対する噴射方向F1の角度を変更自在になっている。角度調整部36は、例えば、ホルダ11を竿2に対して回動させる回動部37と、回動部37で回動した姿勢にホルダ11を保持する保持部38とを備える。
回動部37は、図1乃至図3に示すように、例えば、ヒンジで形成してある。回動部37は、基台16と円筒部12の一端部12aとの間に設けてある。そのため、回動部37は基台16に対してホルダ11を回動自在で支持している。これによって、ホルダ11の基台16に対する姿勢は、軸方向V1が伸縮方向L1に対して略平行に並ぶ姿勢から、他端部12b側を竿2から離れる向きに回動させて、軸方向V1が伸縮方向L1に対して交差する姿勢に切り替えることができる。そして、ホルダ11に取り付けた収納容器50は、前記略平行に並ぶ姿勢の際に、噴射方向F1が伸縮方向L1に対して略直交した向きとなり、前記交差する姿勢の際に、噴射方向F1が伸縮方向L1側に傾いた向きとなる。このように、噴射装置9は、回動部37によってホルダ11の姿勢を変更することで、噴射方向F1の伸縮方向L1に対する角度を変更することができる。
なお、回動部37は、ヒンジに限らない。例えば、ホルダ11と基台16とを一体成形した場合であれば、一体成型に伴い形成される円筒部12の一端部12aと基台16との間を接続する部位を弾性変形自在に設けて、この部位を回動部37に用いてもよい。すなわち、高枝切り1は、前記部位(回動部37)を弾性変形させることで、ホルダ11を基台16に対して回動自在としたものであってもよい。
保持部38は、回動部37を介したホルダ11の回動範囲(前記略平行に並ぶ姿勢を含む)内において、所望の姿勢(噴射方向F1の前記角度)にホルダ11を保持する。保持部38は、例えば基台16に一端が接続された第1アーム38aと、ホルダ11に一端が接続された第2アーム38bとを備える。第1アーム38aと第2アーム38bとは互いの他端が回動自在に接続してある。そして、保持部38は、例えば前記他端の接続にボルトナットを用いる等で、回動可能な状態から回動不能な状態に切替可能になっている。
すなわち、保持部38は、第1アーム38aと第2アーム38bとのなす角度θ1(回動角度)を所望の角度に保持することができる。そして、角度調整部36は、保持部38を回動不能状態にすることで、回動部37の回動動作を規制する。言い換えると、保持部38は、回動部37で変更した姿勢にホルダ11を保持する。
これによって、噴射装置9は、、回動部37で変更した前記角度(姿勢)の噴射方向F1で、薬剤を噴射することができる。言い換えると、回動部37は、例えば、ホルダ11の基台16(伸縮方向L1)に対する姿勢を変更する姿勢変更部になっており、保持部38は、例えば、姿勢変更部で変更した姿勢にホルダ11を保持する姿勢保持部になっている。なお、角度調整部36は、回動部37と保持部38とを夫々備えたものに限らず、例えば、回動部37と保持部38とを一体で備えたものであってもよい。
また、ホルダ11は、円筒部12の噴射方向F1を向く径外方向上の部位の一端部12a側に、径方向に貫通して軸方向V1に凹んだ凹所12cを設けてある。そして、凹所12cは噴射ボタン20からの薬剤を噴射可能な開口になっている。そのため、噴射装置9は、噴射ボタン20を一端部12aより軸方向V1に突出した位置に配置した場合に加えて、凹所12cを介して円筒部12の径外方向に露出した位置に配置した場合にも、薬剤を噴射することができる。言い換えると、ホルダ11は、軸方向V1において噴射ボタン20を円筒部12から突出した位置から凹所12cを介して露出する位置となる範囲において、ホルダ11の底部(下部18)の位置を調整することができる。
このように、高枝切り1は、噴射方向F1の角度を調整自在とした噴射装置9を、竿2の一端部2aに取り付けたことで、噴射方向F1の角度を変更して、収納容器50の薬剤を噴射することができる。これによって、高枝切り1は、噴射対象やその周囲への切断具3の干渉を軽減して、高所へ薬剤を散布することができる。そして、高枝切り1は、ホルダ11と取付部15の間に角度調整部36を設けたことで、角度調整部36による角度変更が伝達部材6による操作の伝達を阻害し難くすることができる。そのため、高枝切り1は、竿2の内部等の構成を簡素にしたり、例えば従来の高枝切り等を竿2等に用いたりして、生産費用を安価に抑え易くすることできる。更に、高枝切り1は、押圧レバー13を脱着自在に設けたことで、切断具3を利用する際等に、押圧レバー13を取り外して、切断具3での切断対象に押圧レバー13を干渉し難くすることができる。
ところで、噴射ボタン20は、噴射方向F1が伸縮方向L1側に傾く程、押圧面20a上の押圧レバー13に接する位置(押圧される位置)が前方側に変化する。この場合において、高枝切り1は、押圧面20aを噴射方向F1先端側程下向きに傾斜させたことで、例えば噴射ボタン20に下向きの力成分を生じ易くすることができる。これによって、高枝切り1は、押圧レバー13による押圧で噴射ボタン20を下方(作動方向)に移動し易くすることができて、噴射方向F1の伸縮方向L1に対する角度の影響を軽減して、噴射ボタン20を作動し易くすることができる。
更に、高枝切り1は、ホルダ11の底部の位置を調整可能としたことで、収納容器50の高さ寸法(軸方向V1に沿う寸法)や噴射方向F1の前記角度に合わせて、押圧レバー13に対する押圧面20aの位置を調整することができる。これによって、高枝切り1は、押圧レバー13で噴射ボタン20を安定して押圧し易くすることができる。そして、高枝切り1は、ホルダ11に凹所12cを設けたことで、押圧レバー13の進退動作する範囲を確保して、前記位置を調整することができる。言い換えると、高枝切り1は、前記位置を調整する際に、円筒部12の一端部12a側の縁に噴射ボタン20を干渉し難くすることができて、前記位置の調整を行い易くすることができる。
そして、高枝切り1は、押圧部材22の上面22aを側面視幅方向F2の中央側に向けて凹の曲面形状としたことで、押圧レバー13の凸部14が押圧面20aの幅方向F2の中央側を押圧し易くすることができる。これによって、高枝切り1は、噴射ボタン20を作動させる方向に押圧レバー13からの押圧力が加わり易くなり、薬剤の噴射を安定して行い易くすることができる。
更に、高枝切り1は、指用の操作面20bを設けたことで、噴射ボタン20の交換等の作業を行わなくても、ホルダ11からの着脱で、収納容器50を、高枝切り1での使用状態と直接把持しての使用状態とに切り替えることができる。そして、高枝切り1は、指用の操作面20bを噴射方向F1先端程上り傾斜としたことで、ホルダ11から取り外した状態の収納容器50において、噴射ボタン20に指を当接し易くすることができる。更に、高枝切り1は、カバー部31で噴射ボタン20を収納容器50に対して前後方向及び幅方向F2に位置決めしたことで、噴射ボタン20の収納容器50への取付時に、連通部27とステム52とを略同心に位置し易くすることができる。言い換えると、高枝切り1は、カバー部31によって噴射ボタン20の収納容器50に対するセンター出しを容易に行うことができる。これによって、高枝切り1は、噴射ボタン20の収納容器50への取付作業を行い易くすることができる。
また、高枝切り1は、捕獲筒40を着脱自在に備えることが好ましい。捕獲筒40は、図6に示すように、中空の円錐形状になっている。捕獲筒40の周面の一部には、軸方向の寸法の全体に亘って切込み43が設けてあり、切込み43は径方向に内外を貫通する。そして、捕獲筒40は、切込み43で円錐の円周方向に開くように変形可能になっている。捕獲筒40の外周面には、切込み43の円周方向に対向する縁部を互いに当接した状態に保持する保持部44が設けてある。そのため、捕獲筒40は、前記開くように変形させた状態で、内周側に竿2を配置することで、略同心で竿2に取り付けることができる。更に、捕獲筒40は、小径側の端部40aが竿2の外径と略同寸になっている。小径側の端部40aは縁の略全周が、竿2に取り付けた際に竿2の外周面に当接される。そして、捕獲筒40は、大径側の端部40bを切断具3側に向けた姿勢で、竿2に取り付けられる。
大径側の端部40bは、円錐の軸方向(伸縮方向L1)に貫通して開口した捕獲口41を有する。捕獲口41は、略同心の円形状で形成してある。そして、捕獲口41は、竿2より大径で開口してある。そのため、捕獲筒40は捕獲口41を介して内部(円錐内)に虫等が侵入可能になっている。更に、大径側の端部40bは、捕獲口41に向かって小径側の端部40a近づく傾斜形状(所謂すり鉢状)になっている。言い換えると、大径側の端部40bは捕獲口41の縁が、返し部材42として機能する。
このように、高枝切り1は、捕獲筒40を設けたことで、蜂の巣の除去時等に竿2を伝って来た蜂を捕獲して、使用者の安全を確保し易くすることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。例えば、噴射装置9は、押圧部材22と噴射ノズル26とを一体で形成したものや、収納容器50に既設の噴射ボタン20を噴射ノズル26として押圧部材22の凹部23に配置して利用するもの等であってもよい。また例えば、高枝切り1は、伸縮自在な竿2(伸縮竿)に限らず、伸縮しない竿2であってもよい。また例えば、切断具3は、鋸状の固定刃4と、固定刃4で切断した枝等を保持する保持爪とを備え、この保持爪が伝達部材6によって作動する(可動する)ものであってもよい。また例えば、切断具3とは別の切断具を脱着自在に取り付ける他の取付部を更に一端部2aに備えた高枝切り1であれば、この他の取付部を介して噴射装置9を脱役自在に取付可能としたものであってもよい。
1 高枝切り
2 竿
2a 一端部
5 可動刃
6 伝達部材
9 噴射装置
10 支持部
13 押圧レバー
20 噴射ボタン
20a 押圧面
29 噴射孔
31 カバー部
32 嵌合部
33 位置決め部
36 角度調整部
50 収納容器
L1 長手方向(伸縮方向)
F1 噴射方向
F2 幅方向

Claims (3)

  1. 長尺な竿と、この竿の長手方向の一端部に設けられた切断具と、前記竿の長手方向の他端部に設けられ前記切断具を遠隔操作するための操作部と、この操作部と前記切断具とを連結して前記操作部の操作を前記切断具に伝達する伝達部材とを備えた高枝切りであって、
    薬剤噴射用の噴射装置を前記一端部に設け、
    この噴射装置は、薬剤の収納容器を前記竿に支持するための支持部と、前記伝達部材を介して前記操作部で遠隔操作される押圧レバーと、前記収納容器に着脱自在で取り付けられ前記押圧レバーによる押圧で前記薬剤を噴射する噴射ボタンとを備え、
    前記支持部は、前記噴射ボタンから前記薬剤を噴射する噴射方向の角度を、前記竿の長手方向に対して調整自在であり、
    前記噴射ボタンは、前記押圧レバーに押圧される押圧面と、前記薬剤を噴射する噴射孔とを有すると共に、この押圧面が前記噴射方向の先端側に向かう程前記噴射孔に近づくように傾斜していることを特徴とする高枝切り。
  2. 前記押圧面は、前記噴射方向に対する幅方向の中央側を凹ませた形状であることを特徴とする請求項1に記載の高枝切り。
  3. 前記噴射ボタンは、前記押圧面を前記収納容器に対して保持するカバー部を備え、
    このカバー部は、前記押圧面を前記噴射方向及びこの噴射方向に対する幅方向において位置決めする位置決め部と、前記収納容器に着脱自在で嵌り合う嵌合部とを有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高枝切り。
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