JP2014096201A - 蓄電装置及び二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極活物質層中の負極活物質の存在割合が負極活物質層の厚さ方向において同等な場合に比べて、容量維持率を向上させることができる蓄電装置あるいは二次電池を提供する。
【解決手段】二次電池(蓄電装置)は、少なくとも正極活物質及びバインダを有する正極活物質層が金属箔16の少なくとも片面に形成された正極及び少なくとも負極活物質22及びバインダを有する負極活物質層14aが金属箔16の少なくとも片面に形成された負極14が、両者の間にセパレータが存在する状態で積層された電極組立体を備えている。そして、負極活物質層14a中における負極活物質22の存在割合が、負極活物質層14aの金属箔16に近い側の方が、負極活物質層14aの表面側に比べて多く、かつ負極活物質層14aの多孔度が金属箔16に近い側と表面側とで同等である。
【選択図】図3

Description

本発明は、蓄電装置及び二次電池に関する。
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。そして、蓄電装置は、金属箔に活物質を含有するスラリー状又はペースト状の活物質合剤が塗布されて形成された活物質層を有するシート状の正極及びシート状の負極が、間にセパレータが存在する状態で層をなすように積層あるいは巻回された電極組立体を備えている。これまでの電極の断面を観察すると、一般に、活物質層中の活物質の存在割合が、活物質層の全域で同等であった。
特許文献1には、活物質密度の高い非水系二次電池の電極板により構成される電極群の非水電解液の注液性を向上させ、良好な寿命特性を示す非水系二次電池が提案されている。この二次電池は、図4に示すように、二次電池用負極板51(負極)の負極合剤層52(活物質層)の表層部の多孔度を負極集電体53(金属箔)の側の多孔度よりも大きくすることで、非水電解液の注液後の負極板51の内部への含浸性を良化させ、電極群での非水電解液の注液性を向上させている。また、負極合剤層52の表層部の多孔度を負極集電体53の側の多孔度よりも大きくするため、負極活物質として人造黒鉛を含有する負極合剤塗料を負極板51に塗布、乾燥後、プレスを行って負極合剤層52を形成し、その後、負極板51を80℃で加熱した後、15℃で5秒間急冷却している。
特開2012−129040号公報
二次電池やキャパシタのような蓄電装置では、容量維持率の向上が要求されている。本願発明者は、容量維持率の悪いリチウムイオン二次電池の負極を観察し、活物質層の一部が金属箔(集電体)から浮いていることを見出した。そして、原因として放電時におけるリチウムと活物質との反応により活物質層が体積膨張する際に、体積膨張に伴う応力が活物質層と金属箔との境界に集中することを考えた。
特許文献1の二次電池では、負極合剤層52の表層部の多孔度を負極集電体53の側の多孔度よりも大きくすることで、負極板51の内部への非水電解液の液注性を向上させた。しかし、特許文献1では、活物質層の体積膨張及び応力集中のことに関しては何ら記載されていない。また、特許文献1では、結果として容量維持率も改良されているが、目的の多孔度分布の二次電池を製造するには、加熱された負極板51の急冷却を必要とし工数が多くなる。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、負極の活物質層中の活物質の存在割合が活物質層の厚さ方向において同等な場合に比べて、容量維持率を向上させることができる蓄電装置あるいは二次電池を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、少なくとも正極活物質及びバインダを有する正極活物質層が金属箔の少なくとも片面に形成された正極及び少なくとも負極活物質及びバインダを有する負極活物質層が金属箔の少なくとも片面に形成された負極が、両者の間にセパレータが存在する状態で積層された電極組立体を備えた蓄電装置である。そして、前記負極活物質層中における前記負極活物質の存在割合が、前記負極活物質層の前記金属箔に近い側の方が、前記負極活物質層の表面側に比べて多く、かつ前記負極活物質層の多孔度が前記金属箔に近い側と前記表面側とで同等である。ここで、「負極活物質層の多孔度」とは、負極活物質層中の空間の割合を意味する。また、「負極活物質層の多孔度が同等」とは、負極活物質層の厚さ方向における中央を境にして、金属箔に近い側と、負極活物質層の表層側とで多孔度の違いが5%以下であることを意味する。
この発明では、負極活物質層は負極活物質の他に少なくともバインダを含有しており、金属箔に近い側の負極活物質層中の負極活物質の存在割合が多いということは、その部分のバインダの量が少なく、負極活物質層中の負極活物質の存在割合が全体で同等の場合に比べて負極活物質層の金属箔に対する密着性が低くなる。そのため、蓄電装置の放電時に負極活物質層の体積膨張による金属箔と負極活物質層との境界における応力集中が生じ難くなり、充放電の繰り返しによる容量維持率の低下が抑制される。したがって、負極活物質層中の負極活物質の存在割合が負極活物質層の厚さ方向において同等な場合に比べて、容量維持率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記負極活物質層の厚さ方向における前記負極活物質の存在割合が2段階に分布している。負極活物質の存在割合が連続的あるいは3段階以上の多段階に分布していても、金属箔に近い側の負極活物質層中の負極活物質の存在割合が多ければ、放電反応の際の負極活物質層の体積膨張の際に金属箔と負極活物質層との境界における応力集中の発生を抑制できる。しかし、2段階に分布している構造の方が、製造が容易になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記負極活物質は、リチウムと合金化可能な元素及びリチウムと合金化可能な元素の化合物の少なくとも一方を含む。この発明では、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタのように実用化されている蓄電装置において有効に実施することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の蓄電装置の構成を備えた二次電池である。したがって、この発明の二次電池は請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明と同様の効果を有する。
本発明によれば、負極活物質層中の負極活物質の存在割合が負極活物質層の厚さ方向において同等な場合に比べて、容量維持率を向上させることができる。
一実施形態の二次電池の一部破断模式斜視図。 (a)は電極組立体を構成する正極、負極、及びセパレータを模式的に示す分解斜視図、(b)は正極及び負極の模式部分斜視図。 (a)は実施例の負極の模式断面図、(b)は比較例の負極の模式断面図。 従来技術の負極用電極の断面の模式図。
以下、本発明を蓄電装置としての二次電池に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース本体11a及び蓋体11bで構成されたケース11内に、積層型の電極組立体12が収容されている。なお、ケース11内には図示しないが電解液も収容されている。二次電池10は、リチウムイオン二次電池に具体化されている。
図2(a)に示すように、電極組立体12は、複数のシート状の正極13及び複数のシート状の負極14が、正極13と負極14との間にシート状のセパレータ15が存在する状態で積層されて構成されている。正極13及び負極14は、少なくとも活物質及びバインダを有する正極活物質層13a、負極活物質層14aが金属箔16(図2(b)に図示)の両面に形成されている。また、正極13及び負極14は、正極活物質層13a、負極活物質層14aを有する部分が矩形状に形成され、正極活物質層13a、負極活物質層14aが形成されていない活物質非塗布部13b,14bからタブ部13c,14cが突出形成されている。
図1に示すように、タブ部13cが積層された積層群17pは正極用の導電部材18に溶接され、タブ部14cが積層された積層群17nは負極用の導電部材19に溶接されている。蓋体11bには正極端子20及び負極端子21が固定されている。電極組立体12は、正極用の導電部材18を介して正極端子20に電気的に接続されており、負極用の導電部材19を介して負極端子21に電気的に接続されている。なお、各導電部材18,19は、ケース11(ケース本体11a及び蓋体11b)から絶縁された状態で蓋体11bの下面(内面)に固定されている。
次に負極14について詳述する。
図3(a)に示すように、負極14は、負極活物質層14a中における負極活物質22の存在割合が、負極活物質層14aの金属箔16に近い側の方が、負極活物質層14aの表面側に比べて多く、かつ負極活物質層14aの多孔度が金属箔16に近い側と表面側とで同等である。ここで、多孔度とは、負極活物質層14a中の空間の割合を意味する。また、多孔度が同等とは、負極活物質層14aの厚さ方向における中央を境にして、金属箔16に近い側と、負極活物質層14aの表層側とで多孔度の違いが5%以下であることを意味する。
負極活物質層14aは、少なくとも負極活物質22及びバインダを有し、厚さが80μm以上である。負極活物質22として黒鉛とリチウムと合金化可能な元素の化合物としてのSiO(0.5<x≦1.5)を含む活物質が使用されている。リチウムと合金化可能な元素としては、Si、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Biが挙げられる。また、リチウムと合金化可能な元素の化合物としてはSiO(0.5<x≦1.5)、ZnLiAl、AlSb、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、 CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSiO あるいはLiSnOなどが挙げられる。ここで、ケイ素酸化物(SiO)は、SiOが不均化してSiとSiOとの混合物となったものを意味する。また、バインダとして、例えば、ポリアミドイミドが使用されている。
負極活物質層14aは、負極活物質層14aの厚さ方向における負極活物質22の存在割合が2段階に分布している。この実施形態では、負極活物質層14aの厚さ方向における中央より金属箔16に近い側の領域における負極活物質22の量と、負極活物質層14aの厚さ方向における中央より遠い側、即ち表面側の領域における負極活物質22の量との割合を示す存在割合は、1.08程度である。
なお、負極活物質22の存在割合は、負極14の断面の電子顕微鏡像を用い、2値化法で求めた。具体的には、負極14を厚さ方向に切断した断面の電子顕微鏡像において、負極活物質層14aを複数の領域に区画し、各領域中の負極活物質22が存在する領域の面積と、負極活物質22が存在しない領域の面積とをそれぞれ計算し、負極活物質22が存在する領域の面積に1を掛け、負極活物質22が存在しない領域の面積に0を掛け、それらの合計値を求める。そして、両者の合計値の比で負極活物質22の存在割合を表したものである。例えば、金属箔16に近い側の領域における合計値をS1とし、表面側の領域における合計値をS2とすると、存在割合Raは、Ra=S1/S2で表される。したがって、存在割合が1.08程度ということは、負極活物質層14a中において金属箔16に近い側の領域における負極活物質22の量が、表面側の領域における負極活物質22の量より百分率で8%程度多いことを表す。
なお、正極13は一般的な正極と同様に、正極活物質層13a中の正極活物質の存在割合が、正極活物質層13aの全域で同等に構成されている。
次に負極14の製造方法を説明する。
負極14の製造方法は、金属箔16に、少なくとも負極活物質22及びバインダを有するスラリー状又はペースト状の活物質合剤を塗布した後、塗布された活物質合剤を乾燥する際に、乾燥温度を通常乾燥温度より20℃程度高い温度で乾燥する点を除き、プレス工程等の他の製造工程は同じである。
金属箔16として銅箔を使用する。活物質合剤は、負極活物質22として公知の金属リチウム、黒鉛などの炭素系材料、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であってリチウムと合金化可能な元素及びリチウムと合金化可能な元素の化合物の少なくとも一方を含むものが使用される。リチウムと合金化可能な活物質としては、Si、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Biが挙げられる。また、リチウムと合金化可能な元素の化合物としては、SiO(0.5<x≦1.5)、ZnLiAl、AlSb、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、 CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSiO あるいはLiSnOなどが挙げられる。バインダとして、例えば、ポリアミドイミドが使用される。また、活物質合剤は、活物質及びバインダの他に導電材(導電助材)を含有し、導電材としてアセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラックが使用される。
そして、スラリー状又はペースト状の活物質合剤を帯状の金属箔16に塗布した後、塗布された活物質合剤を通常乾燥温度(例えば、80℃程度)より20℃程度高い温度(例えば、100℃程度)で乾燥する。乾燥時間は、80℃の場合と同じでよい。したがって、この製造方法では、負極14を従来の設備を使用して、簡単に製造することができる。
通常の乾燥温度より高温で乾燥することにより金属箔16に近い側で負極活物質層14aの表面側に比べて負極活物質22の存在割合が多くなる理由としては、乾燥温度が高くなることでバインダの熱振動が大きくなり、金属箔16側のバインダが表面側に移動することが考えられる。金属箔16側のバインダが表面側へ移動すると、負極活物質22の存在割合が金属箔16に近い側で相対的に増加し、表面側では相対的に減少するため、負極活物質22の存在割合が金属箔16に近い側で負極活物質層14aの表面側に比べて多くなる。
(負極試料の製作)
負極14の活物質としてケイ素酸化物を32重量部・黒鉛を50重量部、導電材としてアセチレンブラックを8重量部、バインダとしてポリアミドイミドを10重量部を適量の水と混合し、ペースト状の活物質合剤を得た。
次に、得られたペースト状の活物質合剤を、帯状の銅箔の両面に塗布するとともに整形し、厚さ20μmの銅箔を含めた厚さ68μmとした。次に、活物質合剤を塗布した銅箔を乾燥器で乾燥して水を除去した。乾燥は、通常乾燥温度より20℃程度高い温度である100℃程度で行った。
続けて、乾燥後の銅箔を、ロールプレス機により加圧して活物質層を圧縮して帯状の負極14を得た。そして、製作した帯状の負極14を加工して、積層型の電極組立体12用の負極試料を得た。
(電子顕微鏡像を用いた活物質比率の算出)
得られた帯状の負極14の断面の電子顕微鏡像を用い、負極活物質22の存在割合(活物質比率)を前述の2値化法で求めた。
(二次電池の作製)
得られた帯状の負極14と、従来と同様に構成された帯状の正極13を所定の大きさに切断して、セパレータ15と共に積層型の電極組立体12を構成し、その電極組立体12を用いて二次電池10を作製した。そして、二次電池10の容量維持率を測定した。
容量維持率は、以下の充放電サイクルを500回繰り返し、300サイクル後の容量維持率と500サイクル後の容量維持率とを測定した。
ここで、充放電の1サイクルは、充電を0.5C定電流充電の条件で行い、放電を0.5C定電流放電の条件で行うことを1サイクルとした。そして、1サイクル目に対する300サイクル目の放電後の容量比を300サイクル後の容量維持率とし、1サイクル目に対する500サイクル目の放電後の容量比を500サイクル後の容量維持率として測定を行った。
比較例
活物質合剤の乾燥温度を80℃程度で行う以外、実施例と同様にして負極試料を製作した。この負極試料を用いて、実施例と同様に活物質比率を求めた。また、この負極試料を用いる点を除き、他の点は実施例と同様にして二次電池10を作製した。そして、二次電池10の容量維持率を実施例と同様に測定した。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。なお、負極試料の製作を実施例及び比較例ともそれぞれ同じ条件で2回行い、各試料に対して、活物質比率及び容量維持率をそれぞれ求めた。2回の試験結果を表1に示す。
表1から活物質比率は同じ条件で試料を調製してもバラツキが実施例で1%程度、比較例で3%程度ある。また、容量維持率のバラツキは、実施例及び比較例とも1%程度あることが分かる。
表1から、実施例では、活物質比率が1.07及び1.09であり、負極活物質層14aの厚さ方向の中央より金属箔16に近い側における負極活物質22の存在割合が、中央より表面側における負極活物質22の存在割合に比べて7〜9%程度多いことが分かる。
表1から、二次電池の容量維持率は、300サイクル後において、比較例ではバラツキを考慮しても実施例に比べて明らかに低下していることが分かる。また、500サイクル後の結果から、実施例が比較例に比べて容量維持率の向上に優れていることが分かる。
次に前記のように構成された二次電池10の作用を説明する。
二次電池10は、単体でも使用されるが、一般には複数の二次電池10が直列あるいは並列に接続されて構成された組電池として使用される。そして、二次電池10は種々の用途に使用されるが、例えば、車両に搭載されて走行用モータの電源や他の電気機器の電源としても使用される。
二次電池10は、負極14を構成する負極活物質層14a中における負極活物質22の存在割合が、負極活物質層14aの金属箔16に近い側の方が、負極活物質層14aの表面側に比べて多く、かつ負極活物質層14aの多孔度が金属箔16に近い側と表面側とで同等である。そのため、負極活物質22全体の量が同じで、負極活物質層14a中の負極活物質22の存在割合が、負極活物質層14aの全域で同等に構成された負極14を有する場合と容量は変わらずに、容量維持率が高くなる。
容量維持率が高くなる理由としては、負極活物質層14aは負極活物質22の他に少なくともバインダを含有しており、金属箔16に近い側の負極活物質層14a中の負極活物質22の存在割合が多いということは、その部分のバインダの量が少なく、負極活物質層14a中の負極活物質22の存在割合が全体で同等の場合に比べて負極活物質層14aの金属箔16に対する密着性が低くなる。そのため、二次電池10の放電時に負極活物質層14aの体積膨張による金属箔16と負極活物質層14aとの境界における応力集中が生じ難くなり、充放電の繰り返しによる容量維持率の低下が抑制されると考えられる。なお、バインダの量が少なくなっても応力集中が抑制されるため、負極活物質層14aを金属箔16に密着保持するには充分な密着性は確保される。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)二次電池10は、少なくとも正極活物質及びバインダを有する正極活物質層13aが金属箔16の少なくとも片面に形成された正極13及び少なくとも負極活物質22及びバインダを有する負極活物質層14aが金属箔16の少なくとも片面に形成された負極14が、両者の間にセパレータ15が存在する状態で積層された電極組立体12を備えている。そして、負極活物質層14a中における負極活物質22の存在割合が、負極活物質層14aの金属箔16に近い側の方が、負極活物質層14aの表面側に比べて多く、かつ負極活物質層14aの多孔度が金属箔16に近い側と表面側とで同等である。したがって、負極活物質層14a中の負極活物質22の存在割合が負極活物質層14aの厚さ方向において同等な場合に比べて、容量維持率を向上させることができる。
(2)負極活物質層14aは、負極活物質層14aの厚さ方向における負極活物質22の存在割合が2段階に分布している。負極活物質22の存在割合が連続的あるいは3段階以上の多段階に分布していても、金属箔16に近い側の負極活物質層14a中の負極活物質22の存在割合が多ければ、放電反応の際の負極活物質層14aの体積膨張の際に金属箔16と負極活物質層14aとの境界における応力集中の発生を抑制できる。しかし、2段階に分布している構造の方が、製造が容易になる。
(3)負極活物質22は、リチウムと合金化可能な元素及びリチウムと合金化可能な元素の化合物の少なくとも一方を含む。したがって、リチウムイオン二次電池において有効に実施することができる。
(4)負極14の製造方法は、金属箔16の少なくとも片面に、負極活物質22及びバインダを有するスラリー状又はペースト状の活物質合剤を塗布した後、塗布された活物質合剤を乾燥する際に、乾燥温度を通常乾燥温度より20℃程度高い温度で乾燥する。したがって、この製造方法では、金属箔16に塗布された活物質合剤の乾燥温度を通常乾燥温度より20℃程度高い温度で乾燥することに変更するだけで、従来の設備を使用して、簡単に製造することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 二次電池10は、負極活物質層14a中における負極活物質22の存在割合が、金属箔16に近い側の方が、負極活物質層14aの表面側に比べて多く、かつ負極活物質層14aの多孔度が金属箔16に近い側と表面側とで同等であればよい。したがって、負極活物質層14aの厚さ方向における中央より金属箔16に近い側における負極活物質22の存在割合及び表面側における負極活物質22の存在割合が各領域において同等で、全体として2段階に分布している構成に限らない。例えば、負極活物質22の存在割合が負極活物質層14aの厚さ方向において、3段階以上に分布している構成や連続的に分布している構成であってもよい。
○ 負極活物質層14aの金属箔16に近い部分、例えば、負極活物質層14aの厚さの1〜2割程度の領域における負極活物質22の存在割合を他の部分より多くしてもよい。
○ 容量維持率の向上が可能な二次電池10を構成する負極14の製造方法として、金属箔16の少なくとも片面にスラリー状又はペースト状の活物質合剤を塗布した後、塗布された活物質合剤を乾燥する際の乾燥温度は、通常乾燥温度より20℃程度高い温度である100℃に限らない。例えば、10℃程度高い90℃程度にしたり、40℃程度高い120℃程度にしたりしてもよい。
○ 金属箔16に活物質合剤を塗布した後の負極活物質層14aの乾燥温度は、活物質合剤を構成する負極活物質22の種類やバインダの種類、金属箔16に塗布された負極活物質層14aの厚さ等によって変更してもよい。
○ 負極活物質層14a中における負極活物質22の存在割合が、金属箔16に近い側の方が、負極活物質層14aの表面側に比べて多く、かつ負極活物質層14aの多孔度が金属箔16に近い側と表面側とで同等の負極14の製造方法は、乾燥温度を変更する方法に限らない。例えば、活物質の含有量の異なる少なくとも2種類の活物質合剤を準備し、塗布工程では先ず金属箔16に活物質の含有量が多い活物質合剤を塗布して第1の活物質層を形成し、その後、第1の活物質層上に活物質の含有量が少ない活物質合剤を塗布して第2の活物質層を形成し、乾燥は通常の乾燥温度で行うようにしてもよい。しかし、活物質合剤を1回塗布して形成した活物質層の乾燥温度を変更して行う製造方法の方が、工数が少なくなる。
○ 負極14の負極活物質層14aを構成する負極活物質22は、リチウムと合金化可能な元素及びリチウムと合金化可能な元素の化合物の少なくとも一方を含めばよく、活物質は単独ではなく、複数種の活物質を混合して用いても良い。
○ 電極、即ち正極13及び負極14は、金属箔16の少なくとも片面に正極活物質層13a、負極活物質層14aを有していればよく、両面ではなく片面に正極活物質層13a、負極活物質層14aを有する構成であってもよい。
○ 積層型の電極組立体12において、正極13及び負極14の間にセパレータ15が存在する構成として、シート状のセパレータ15を使用せずに、例えば、正極13及び負極14の一方を袋状のセパレータに収容して、そのセパレータと袋状のセパレータに収容されていない電極とを交互に積層してもよい。
○ 二次電池10は電解液が必須ではなく、例えば、セパレータ15が高分子電解質や固体電解質で形成されていてもよい。
○ 積層型の電極組立体12に限らず、巻回型の電極組立体12を備えた二次電池10に適用してもよい。
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池に限らず、負極14における放電反応の際、負極活物質層14aの体積膨張が生じる活物質を使用する負極14を用いる二次電池に適用することができる。
○ 蓄電装置は、二次電池10に限らず、例えば、リチウムイオンキャパシタのようなキャパシタであってもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記負極活物質層中における前記負極活物質の存在割合は、前記負極活物質層の厚さ方向における中央より前記金属箔に近い側の方が、前記負極活物質層の表面側に比べて大きく、かつ前記近い側の前記負極活物質の存在割合は、前記表面側の前記負極活物質の存在割合に比べて5%以上多い。
10…蓄電装置としての二次電池、12…電極組立体、13…正極、13a…正極活物質層、14a…負極活物質層、14…負極、15…セパレータ、16…金属箔、22…負極活物質。

Claims (4)

  1. 少なくとも正極活物質及びバインダを有する正極活物質層が金属箔の少なくとも片面に形成された正極及び少なくとも負極活物質及びバインダを有する負極活物質層が金属箔の少なくとも片面に形成された負極が、両者の間にセパレータが存在する状態で積層された電極組立体を備えた蓄電装置であって、
    前記負極活物質層中における前記負極活物質の存在割合が、前記負極活物質層の前記金属箔に近い側の方が、前記負極活物質層の表面側に比べて多く、かつ前記負極活物質層の多孔度が前記金属箔に近い側と前記表面側とで同等であることを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記負極活物質層の厚さ方向における前記負極活物質の存在割合が2段階に分布している請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記負極活物質は、リチウムと合金化可能な元素及びリチウムと合金化可能な元素の化合物の少なくとも一方を含む請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の蓄電装置の構成を備えた二次電池。
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