JP2014095573A - ガス成分濃度算出方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量流量計による試料ガスの希釈前の質量流量の測定値と、ガス分析計による試料ガスの希釈後の成分濃度の測定値と、希釈ガスの質量流量と、試料ガスの各成分の流量補正係数および質量流量計の固有の流量補正係数とを用い、反復計算法に従って、質量流量計の測定値、および当該質量流量計の測定値から得られる希釈率、および当該希釈率から得られる試料ガスの希釈前成分濃度を、所定の精度が得られるまで、繰り返し補正し、それによって、試料ガスの正確な成分濃度を算出する(S1〜S9)。
【選択図】図1
Description
この場合、ガス分析計には測定可能濃度範囲(測定レンジ)があり、試料ガスの濃度がこの測定レンジ内にあるときは、正確な測定値が得られるが、試料ガスの濃度がこの測定レンジ外にあるときは、得られる測定値は不正確なものとなることは良く知られている。
また、採取可能な試料ガスの量が少量であって、ガス分析計に必要なガス流量が確保できない場合にも、ガス流量を増やすために希釈が行われることがある。
(2)前記質量流量計の流量表示値および前記希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を計算するステップと、
(3)前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
(4)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
(5)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を再計算し、当該合成流量補正係数と、前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
(6)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
(7)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と、当該再計算前の前記試料ガスの希釈前成分濃度との差を計算し、当該差が予め決定した閾値よりも小さいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を、前記試料ガスの正確な成分濃度として処理を終了するが、当該差が前記閾値に等しいかまたはそれよりも大きいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を用いて、再度、ステップ(5)〜(7)を順次実行するステップと、を順次実行することを特徴とする試料ガスの成分濃度算出方法としたものである。
図1を参照して、本発明によれば、まず、質量流量計の流量表示値をモニタリグしつつ試料ガスが供給されるとともに、試料ガスに予め用意された希釈ガスの一定質量流量が混合され、混合されたガスがガス分析計に導入されることにより、試料ガスの希釈後成分濃度がガス分析計によって測定される(図1のステップS1)。
また、ガス分析計としては、公知の任意のガス分析計(例えば、FTIR法ガス分析計、質量分析計およびNDIR法分析計等)が使用可能であり、さらには、必要に応じて、複数のガス分析計を使用することもできる。
そして、試料ガスの希釈前成分濃度Mi(i=1、2、・・・、n)と、試料ガスの各成分の流量補正係数CFi(i=1、2、・・・、n)とから試料ガスの合成流量補正係数CFが、
次に、ステップS5で補正された流量表示値(=補正された試料ガスの質量流量Fsample)と、希釈ガスの質量流量F1とから、(4)式に従って希釈率αが再計算され、当該再計算された希釈率αを用いて、(5)式に従って、試料ガスの希釈前成分濃度Miが再計算される(図1のステップS6)。
そして、当該差が予め決定した閾値よりも小さいときは、ステップS6で再計算された試料ガスの成分濃度を試料ガスの正確な成分濃度として処理が終了される(図1のステップS9)が、当該差が閾値に等しいかまたはそれよりも大きいときは、ステップS6で再計算された試料ガスの成分濃度を用いて、再度、ステップS5〜S8が順次実行される。
それ故、本発明によれば、試料ガスの希釈率の変動の如何にかかわらず、常に、試料ガスの正確な成分濃度が得られる。
なお、本発明では、上述のように、反復計算法に従って、質量流量計の流量表示値(測定値)、希釈率および試料ガスの希釈前成分濃度を、所定の精度が得られるまで繰り返し補正し、それによって、試料ガスの正確な成分濃度を算出しており、よって、上記反復計算の過程では、試料ガスの希釈前成分濃度の精度の上昇とともに、質量流量計の流量表示値の精度も上昇する。したがって、試料ガスの希釈前成分濃度の代わりに、質量流量計の流量表示値に着目し、反復計算において、補正後の流量表示値と補正前の流量表示値の差が所定の閾値より小さくなった時点での試料ガスの希釈前成分濃度を試料ガスの正確な成分濃度とすることもできる。
今、組成が、
・成分1:7vol%(流量補正係数=0.8)
・成分2:12vol%流量補正係数=0.55)
・成分3:23vol%(流量補正係数=0.55)
・窒素:58vol%(流量補正係数=1.0)
である試料ガスの流量12L/minを供給しつつ、流量50L/minの希釈ガス(窒素)で希釈し、希釈後の試料ガスをガス分析計に導入して成分濃度を測定する場合を考える。
・成分1:1.355vol%
・成分2:2.323vol%
・成分3:4.452vol%
となり、この試料ガスの合成流量補正係数は、上記(2)式に従って、0.605と計算される。
そして、この流量表示値(19.82L/min)と、上で計算された希釈後の成分濃度とから、試料ガスの希釈前の成分濃度が、上記(5)式に従って、
・成分1:4.771vol%
・成分2:8.179vol%
・成分3:15.677vol%
と計算され、前提とされた成分濃度から誤差を生じている。
図2を参照して、ガス分析装置は、ガス分析計9と、ガス分析計9に試料ガス源8から試料ガスを導入するためのガス導入管路10を備えている。また、ガス導入管10の途中には、試料ガスの供給流量を調整するバルブ15と、バルブ15の下流側に試料ガスの流量を測定する質量流量計11が設けられている。
なお、図示はしないが、必要に応じて、ガス導入管路10における希釈ガス供給管路12との接続点よりも下流側に、ガス分析計9にガスを供給するための供給ポンプが設けられる。
また、試料ガス中に露点温度が低い成分ガスが含まれる場合には、当該成分ガスがガス導入管路10や質量流量計11内に凝縮して故障や測定誤差を引き起こすことを防止すべく、ガス導入管路10および質量流量計11等が露点温度以上に温度制御される。
本発明によるガス成分濃度算出装置1は、ガス分析計9によって測定された試料ガスの希釈後成分濃度の入力を受ける第1入力部2と、希釈ガスの質量流量(質量流量調整器14の流量表示値)および質量流量計11の流量表示値の入力を受ける第2入力部3を備えている。
2 第1入力部
3 第2入力部
4 第1メモリ部
5 第2メモリ部
6a 第1の試料ガス成分濃度算出部
6b 第2の試料ガス成分濃度算出部
7 試料ガス成分濃度補正部
8 試料ガス源
9 ガス分析計
10 ガス導入管路
11 質量流量計
12 分岐管路
13 希釈ガス源
14 質量流量調整器
15 バルブ
また、採取可能な試料ガスの量が少量であって、ガス分析計に必要なガス流量が確保できない場合にも、ガス流量を増やすために希釈が行われることがある。
今、組成が、
・成分1:7vol%(流量補正係数=0.8)
・成分2:12vol%流量補正係数=0.55)
・成分3:23vol%(流量補正係数=0.3)
・窒素:58vol%(流量補正係数=1.0)
である試料ガスの流量12L/minを供給しつつ、流量50L/minの希釈ガス(窒素)で希釈し、希釈後の試料ガスをガス分析計に導入して成分濃度を測定する場合を考える。
Claims (2)
- (1)質量流量計の流量表示値をモニタリングしつつ試料ガスを供給するとともに、前記試料ガスに予め用意した希釈ガスの一定質量流量を混合し、混合したガスをガス分析計に導入することにより、前記試料ガスの希釈後成分濃度を前記ガス分析計によって測定するステップと、
(2)前記質量流量計の流量表示値および前記希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を計算するステップと、
(3)前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
(4)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
(5)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を再計算し、当該合成流量補正係数と、前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
(6)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
(7)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と、当該再計算前の前記試料ガスの希釈前成分濃度との差を計算し、当該差が予め決定した閾値よりも小さいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を、前記試料ガスの正確な成分濃度として処理を終了するが、当該差が前記閾値に等しいかまたはそれよりも大きいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を用いて、再度、ステップ(5)〜(7)を順次実行するステップと、を順次実行することを特徴とする試料ガスの成分濃度算出方法。 - 質量流量計の流量表示値をモニタリングしつつ試料ガスを供給するとともに、前記試料ガスに予め用意した希釈ガスの一定質量流量を混合し、混合したガスをガス分析計に導入することによって得られた前記試料ガスの希釈後成分濃度の入力を受ける第1入力部と、
前記希釈ガスの質量流量および前記質量流量計の前記流量表示値の入力を受ける第2入力部と、
前記第1入力部に入力された前記試料ガスの希釈後成分濃度、および前記第2入力部に入力された前記希釈ガスの質量流量並びに前記質量流量計の前記流量表示値を格納する第1メモリ部と、
前記質量流量計の測定対象となる各ガス成分の流量補正係数、および前記質量流量計の固有の流量補正係数が予め格納された第2メモリ部と、
前記質量流量計の流量表示値および前記希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第1の試料ガス成分濃度算出部と、
前記第1の試料ガス成分濃度算出部によって算出された前記試料ガスの希釈前成分濃度と、前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正し、当該流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第2の試料ガス成分濃度算出部と、
前記第2の試料ガス成分濃度算出部によって算出された前記試料ガスの希釈前成分濃度に基づき前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数に基づいて前記質量流量計の前記流量表示値を補正し、当該流量表示値に基づいて希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算し、再計算した希釈前成分濃度と当該再計算前の希釈前成分濃度との差が予め決定された閾値よりも小さくなるまで前記試料ガスの希釈前成分濃度の再計算を繰り返し、前記差が前記閾値よりも小さくなった時の前記試料ガスの希釈前成分濃度を出力する試料ガス成分濃度補正部と、を備えたことを特徴とする試料ガス成分濃度算出装置。
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