JP2014095573A - ガス成分濃度算出方法および装置 - Google Patents

ガス成分濃度算出方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料ガスの希釈率が大きくなっても、その希釈前の正確な成分濃度が取得できるようにする。
【解決手段】質量流量計による試料ガスの希釈前の質量流量の測定値と、ガス分析計による試料ガスの希釈後の成分濃度の測定値と、希釈ガスの質量流量と、試料ガスの各成分の流量補正係数および質量流量計の固有の流量補正係数とを用い、反復計算法に従って、質量流量計の測定値、および当該質量流量計の測定値から得られる希釈率、および当該希釈率から得られる試料ガスの希釈前成分濃度を、所定の精度が得られるまで、繰り返し補正し、それによって、試料ガスの正確な成分濃度を算出する(S1〜S9)。
【選択図】図1

Description

本発明は、予め用意された希釈ガスによって希釈された、成分濃度が未知の試料ガスをガス分析計に導入し、ガス分析計による測定で得られた希釈後の試料ガスの成分濃度から、希釈前の試料ガスの正確な成分濃度を算出する方法および装置に関するものである。
内燃機関、燃料改質システムおよび燃料電池等の開発においては、それらから発生する試料ガスに含まれる各成分ガスの濃度をガス分析計を用いて検出し、それによって性能や作動状態を把握することが重要である。
この場合、ガス分析計には測定可能濃度範囲(測定レンジ)があり、試料ガスの濃度がこの測定レンジ内にあるときは、正確な測定値が得られるが、試料ガスの濃度がこの測定レンジ外にあるときは、得られる測定値は不正確なものとなることは良く知られている。
一方、試料ガスは、通常、多量の燃料成分や反応成分を含んでおり、比較的高濃度である場合が多い。そのため、試料ガスがガス分析計の測定レンジを恒常的に超える場合には、試料ガスを、例えば窒素や空気等によって希釈し、希釈後のガスをガス分析計によって測定を行うことが多い。
また、採取可能な試料ガスの量が少量であって、ガス分析計に必要なガス流量が確保できない場合にも、ガス流量を増やすために希釈が行われることがある。
そして、従来技術においては、試料ガスを希釈してその成分濃度を測定する形式のガス分析装置として、例えば、ガス発生源に連なる流路を流れる試料ガスの一部をサンプリングし、サンプリングした試料ガスを希釈ガスによって希釈し、希釈した試料ガスを質量流量計(マスフローメータ)によって質量流量を測定しつつガス分析計に導入し、ガス分析計によって試料ガスの希釈後の成分濃度を測定する一方、希釈後の試料ガスの質量流量と希釈ガスの質量流量との差を試料ガス流量として希釈率を算出し、この希釈率に基づいて、試料ガスの希釈後の成分濃度から試料ガスの希釈前の成分濃度を求めるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このガス分析装置においては、試料ガスの希釈率が大きくなって、希釈後の試料ガスの質量流量と希釈ガスの質量流量との差、すなわち、試料ガスの質量流量が小さくなると、当該試料ガスの質量流量の算出(測定)時に質量流量計の測定誤差の影響が大きくなって、その結果、希釈率の算出、さらには、試料ガスの希釈前の成分濃度の算出に誤差を生じるという問題があった。
特開2010−243180号公報
したがって、本発明の課題は、試料ガスの希釈率が大きくなっても、常に試料ガスの希釈前の正確な成分濃度が得られるようにする。
上記課題を解決するため、第1発明は、(1)質量流量計の流量表示値をモニタリングしつつ試料ガスを供給するとともに、前記試料ガスに予め用意した希釈ガスの一定質量流量を混合し、混合したガスをガス分析計に導入することにより、前記試料ガスの希釈後成分濃度を前記ガス分析計によって測定するステップと、
(2)前記質量流量計の流量表示値および前記希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を計算するステップと、
(3)前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
(4)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
(5)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を再計算し、当該合成流量補正係数と、前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
(6)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
(7)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と、当該再計算前の前記試料ガスの希釈前成分濃度との差を計算し、当該差が予め決定した閾値よりも小さいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を、前記試料ガスの正確な成分濃度として処理を終了するが、当該差が前記閾値に等しいかまたはそれよりも大きいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を用いて、再度、ステップ(5)〜(7)を順次実行するステップと、を順次実行することを特徴とする試料ガスの成分濃度算出方法としたものである。
上記課題を解決するため、第2発明は、質量流量計の流量表示値をモニタリングしつつ試料ガスを供給するとともに、前記試料ガスに予め用意した希釈ガスの一定質量流量を混合し、混合したガスをガス分析計に導入することによって得られた前記試料ガスの希釈後成分濃度の入力を受ける第1入力部と、前記希釈ガスの質量流量および前記質量流量計の前記流量表示値の入力を受ける第2入力部と、前記第1入力部に入力された前記試料ガスの希釈後成分濃度、および前記第2入力部に入力された前記希釈ガスの質量流量並びに前記質量流量計の前記流量表示値を格納する第1メモリ部と、前記質量流量計の測定対象となる各ガス成分の流量補正係数、および前記質量流量計の固有の流量補正係数が予め格納された第2メモリ部と、前記質量流量計の流量表示値および前記希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第1の試料ガス成分濃度算出部と、前記第1の試料ガス成分濃度算出部によって算出された前記試料ガスの希釈前成分濃度と、前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正し、当該流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第2の試料ガス成分濃度算出部と、前記第2の試料ガス成分濃度算出部によって算出された前記試料ガスの希釈前成分濃度に基づき前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数に基づいて前記質量流量計の前記流量表示値を補正し、当該流量表示値に基づいて希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算し、再計算した希釈前成分濃度と当該再計算前の希釈前成分濃度との差が予め決定された閾値よりも小さくなるまで前記試料ガスの希釈前成分濃度の再計算を繰り返し、前記差が前記閾値よりも小さくなった時の前記試料ガスの希釈前成分濃度を出力する試料ガス成分濃度補正部と、を備えたことを特徴とする試料ガス成分濃度算出装置としたものである。
本発明によれば、質量流量計による試料ガスの希釈前の質量流量の測定値と、ガス分析計による試料ガスの希釈後の成分濃度の測定値と、希釈ガスの質量流量と、試料ガスの各成分の流量補正係数および質量流量計の固有の流量補正係数とを用い、反復計算法に従って、質量流量計の測定値、および当該質量流量計の測定値から得られる希釈率、および当該希釈率から得られる試料ガスの希釈前成分濃度を、所定の精度が得られるまで、繰り返し補正し、それによって、試料ガスの正確な成分濃度を算出するようにしているので、試料ガスの希釈率の如何にかかわらず、常に、試料ガスの正確な成分濃度が得られる。
本発明の1実施例によるガス成分濃度算出方法のフロー図である。 本発明の1実施例によるガス成分濃度算出装置を備えたガス分析装置のブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。図1は、本発明の1実施例によるガス成分濃度算出方法のフロー図である。
図1を参照して、本発明によれば、まず、質量流量計の流量表示値をモニタリグしつつ試料ガスが供給されるとともに、試料ガスに予め用意された希釈ガスの一定質量流量が混合され、混合されたガスがガス分析計に導入されることにより、試料ガスの希釈後成分濃度がガス分析計によって測定される(図1のステップS1)。
この場合、希釈ガスとしては、使用されるガス分析計によって検出されないガス、例えば、窒素ガスおよびアルゴンガス等の不活性ガスが用いられる。また、希釈ガスの供給は、例えば、質量流量調整器(マスフローコントローラ)を用いて行われる。
また、ガス分析計としては、公知の任意のガス分析計(例えば、FTIR法ガス分析計、質量分析計およびNDIR法分析計等)が使用可能であり、さらには、必要に応じて、複数のガス分析計を使用することもできる。
次に、質量流量計の流量表示値Fおよび希釈ガスの質量流量Fから希釈率αが計算され、当該希釈率αと試料ガスの希釈後成分濃度m(i=1、2、・・・、n)とから試料ガスの希釈前成分濃度M(i=1、2、・・・、n)が
Figure 2014095573
に従って算出される(図1のステップS2)。
そして、試料ガスの希釈前成分濃度M(i=1、2、・・・、n)と、試料ガスの各成分の流量補正係数CF(i=1、2、・・・、n)とから試料ガスの合成流量補正係数CFが、
Figure 2014095573
に従って計算され、当該合成流量補正係数CFと、質量流量計の固有の流量補正係数CFとを用いて質量流量計の流量表示値Fが、
Figure 2014095573
に従って補正され、試料ガスの質量流量Fsampleが得られる(図1のステップS3)。
そして、ステップS3で補正された流量表示値(=試料ガスの質量流量Fsample)と、希釈ガスの質量流量Fとから希釈率αが
Figure 2014095573
に従って計算され、当該希釈率αと、試料ガスの希釈後成分濃度m(i=1、・・・、n)とから、試料ガスの希釈前成分濃度M(i=1、・・・、n)が、
Figure 2014095573
に従って算出される(図1のステップS4)。
そして、(5)式で得られた試料ガスの希釈前成分濃度Mを(2)式に代入することによって、試料ガスの合成流量補正係数CFが再計算され、当該再計算された合成流量補正係数CFと、質量流量計の固有の流量補正係数CFとから、(3)式に従って、質量流量計の流量表示値Fが再補正され、補正された試料ガスの質量流量Fsampleが得られる(図1のステップS5)。
次に、ステップS5で補正された流量表示値(=補正された試料ガスの質量流量Fsample)と、希釈ガスの質量流量Fとから、(4)式に従って希釈率αが再計算され、当該再計算された希釈率αを用いて、(5)式に従って、試料ガスの希釈前成分濃度Mが再計算される(図1のステップS6)。
さらに、ステップS6で再計算された試料ガスの希釈前成分濃度と、当該再計算前の試料ガスの希釈前成分濃度との差が計算され(図1のステップS7)、当該差が予め決定された閾値と比較される(図1のステップS8)。この閾値は、算出される試料ガスの成分濃度値の望まれた精度に応じて決定される。
そして、当該差が予め決定した閾値よりも小さいときは、ステップS6で再計算された試料ガスの成分濃度を試料ガスの正確な成分濃度として処理が終了される(図1のステップS9)が、当該差が閾値に等しいかまたはそれよりも大きいときは、ステップS6で再計算された試料ガスの成分濃度を用いて、再度、ステップS5〜S8が順次実行される。
こうして、本発明は、質量流量計を用いて複数ガスの混合ガスの質量流量を測定する場合、当該質量流量計の表示流量が、当該混合ガスの成分濃度、各成分の流量補正係数、並びに当該質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて補正される点、および、ガス分析計によって測定されるのはあくまでも試料ガスの希釈後の成分濃度である点に鑑み、質量流量計による試料ガスの希釈前の質量流量の測定値と、希釈ガスの質量流量と、ガス分析計による試料ガスの希釈後の成分濃度の測定値と、試料ガスの各成分の流量補正係数および質量流量計の固有の流量補正係数とを用い、反復計算法に従って、質量流量計の測定値、および当該質量流量計の測定値から得られる希釈率、および当該希釈率から得られる試料ガスの希釈前成分濃度を、所定の精度が得られるまで繰り返し補正し、それによって、試料ガスの正確な成分濃度を算出するようにしている。
それ故、本発明によれば、試料ガスの希釈率の変動の如何にかかわらず、常に、試料ガスの正確な成分濃度が得られる。
また、上記一連のステップを、予め決定された時間間隔で連続的に繰り返し実行することによって、濃度変化のある試料ガスの成分濃度を連続的に測定することができる。
なお、本発明では、上述のように、反復計算法に従って、質量流量計の流量表示値(測定値)、希釈率および試料ガスの希釈前成分濃度を、所定の精度が得られるまで繰り返し補正し、それによって、試料ガスの正確な成分濃度を算出しており、よって、上記反復計算の過程では、試料ガスの希釈前成分濃度の精度の上昇とともに、質量流量計の流量表示値の精度も上昇する。したがって、試料ガスの希釈前成分濃度の代わりに、質量流量計の流量表示値に着目し、反復計算において、補正後の流量表示値と補正前の流量表示値の差が所定の閾値より小さくなった時点での試料ガスの希釈前成分濃度を試料ガスの正確な成分濃度とすることもできる。
次に、上記反復計算によって、試料ガスの希釈前成分濃度が次第にその正確な値に収れんしていく過程を調べるべく、コンピュータによるシミュレーションを行った。
今、組成が、
・成分1:7vol%(流量補正係数=0.8)
・成分2:12vol%流量補正係数=0.55)
・成分3:23vol%(流量補正係数=0.55)
・窒素:58vol%(流量補正係数=1.0)
である試料ガスの流量12L/minを供給しつつ、流量50L/minの希釈ガス(窒素)で希釈し、希釈後の試料ガスをガス分析計に導入して成分濃度を測定する場合を考える。
この場合、試料ガスの希釈後の成分濃度は、それぞれ、
・成分1:1.355vol%
・成分2:2.323vol%
・成分3:4.452vol%
となり、この試料ガスの合成流量補正係数は、上記(2)式に従って、0.605と計算される。
一方、この試料ガスの質量流量を、窒素を基準に校正された質量流量計(質量流量計の固有の流量補正係数=1.0)を用いて測定したとすれば、質量流量計の流量表示値は、19.82L/minとなる。
そして、この流量表示値(19.82L/min)と、上で計算された希釈後の成分濃度とから、試料ガスの希釈前の成分濃度が、上記(5)式に従って、
・成分1:4.771vol%
・成分2:8.179vol%
・成分3:15.677vol%
と計算され、前提とされた成分濃度から誤差を生じている。
そこで、この試料ガスの成分濃度、および質量流量計の流量表示値19.82L/minから出発して、上記ステップS1〜S9を順次実行すれば、次の表1に示すような結果が得られた。表1から、5回の反復計算により、算出された成分濃度の値が、前提とされた成分濃度に対して0.1%の誤差範囲内に収れんしていることがわかる。
Figure 2014095573
本発明によるガス成分濃度算出方法の一連のプロセスをプログラム化し、公知の適当なCPUに搭載することによって、ガス成分濃度算出装置とすることができる。そして、本発明によるガス成分濃度算出装置は、通常、ガス分析装置に組み込まれて使用される。
図2は、本発明の1実施例によるガス成分濃度算出装置を備えたガス分析装置のブロック図である。
図2を参照して、ガス分析装置は、ガス分析計9と、ガス分析計9に試料ガス源8から試料ガスを導入するためのガス導入管路10を備えている。また、ガス導入管10の途中には、試料ガスの供給流量を調整するバルブ15と、バルブ15の下流側に試料ガスの流量を測定する質量流量計11が設けられている。
また、ガス導入管路10における質量流量計11の下流側には、希釈ガス供給管路12が分岐接続されており、希釈ガス供給管路12には、希釈ガス源13と、希釈ガスの供給流量を調整する質量流量調整器(マスフローコントローラ)14が接続されている。
なお、図示はしないが、必要に応じて、ガス導入管路10における希釈ガス供給管路12との接続点よりも下流側に、ガス分析計9にガスを供給するための供給ポンプが設けられる。
そして、質量流量計11の流量表示値がモニタリングされつつ試料ガス源8から試料ガスが供給されるとともに、試料ガスに予め用意された希釈ガスの一定質量流量が混合され、混合されたガスがガス分析計9に導入されることによって、試料ガスの希釈後成分濃度が測定されるようになっている。
この実施例では、質量流量計11の流量表示値をモニタリングしながら試料ガスの供給流量をバルブ15によって調整するようにしているが、バルブ15および質量流量計11の代わりに質量流量調整器を配置し、予め設定された流量をガス分析計9に供給する構成とすることもできる。
また、試料ガス中に露点温度が低い成分ガスが含まれる場合には、当該成分ガスがガス導入管路10や質量流量計11内に凝縮して故障や測定誤差を引き起こすことを防止すべく、ガス導入管路10および質量流量計11等が露点温度以上に温度制御される。
ガス分析装置には、本発明によるガス成分濃度算出装置1が備えられている。
本発明によるガス成分濃度算出装置1は、ガス分析計9によって測定された試料ガスの希釈後成分濃度の入力を受ける第1入力部2と、希釈ガスの質量流量(質量流量調整器14の流量表示値)および質量流量計11の流量表示値の入力を受ける第2入力部3を備えている。
また、ガス成分濃度算出装置1は、第1入力部2に入力された試料ガスの希釈後成分濃度、および第2入力部3に入力された希釈ガスの質量流量並びに質量流量計11の流量表示値を格納する第1メモリ部4と、質量流量計11の測定対象となる各ガス成分の流量補正係数、および質量流量計11の固有の流量補正係数が予め格納された第2メモリ部5を備えている。
ガス成分濃度算出装置1は、また、質量流量計11の流量表示値および希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と試料ガスの希釈後成分濃度とから試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第1の試料ガス成分濃度算出部6aと、第1の試料ガス成分濃度算出部6aによって算出された試料ガスの希釈前成分濃度と、試料ガスの各成分の流量補正係数とから試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と、質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて質量流量計11の流量表示値を補正し、さらに、当該補正した流量表示値と、希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と、試料ガスの希釈後成分濃度とから、試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第2の試料ガス成分濃度算出部6bを備えている。
さらに、ガス成分濃度算出装置1は、第2の試料ガス成分濃度算出部6bによって算出された試料ガスの希釈前成分濃度に基づき試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数に基づいて質量流量計11の流量表示値を補正し、当該流量表示値に基づいて希釈率を計算し、当該希釈率と試料ガスの希釈後成分濃度とから試料ガスの希釈前成分濃度を再計算し、再計算した希釈前成分濃度と当該再計算前の希釈前成分濃度との差が予め決定された閾値よりも小さくなるまで試料ガスの希釈前成分濃度の再計算を繰り返し、差が閾値よりも小さくなった時の試料ガスの希釈前成分濃度を出力する試料ガス成分濃度補正部7を備えている。
1 ガス成分濃度算出装置
2 第1入力部
3 第2入力部
4 第1メモリ部
5 第2メモリ部
6a 第1の試料ガス成分濃度算出部
6b 第2の試料ガス成分濃度算出部
7 試料ガス成分濃度補正部
8 試料ガス源
9 ガス分析計
10 ガス導入管路
11 質量流量計
12 分岐管路
13 希釈ガス源
14 質量流量調整器
15 バルブ
一方、試料ガスは、通常、多量の燃料成分や反応成分を含んでおり、比較的高濃度である場合が多い。そのため、試料ガスがガス分析計の測定レンジを恒常的に超える場合には、試料ガスを、例えば窒素や空気等によって希釈し、希釈後のガスをガス分析計によって測定することが多い。
また、採取可能な試料ガスの量が少量であって、ガス分析計に必要なガス流量が確保できない場合にも、ガス流量を増やすために希釈が行われることがある。
次に、上記反復計算によって、試料ガスの希釈前成分濃度が次第にその正確な値に収れんしていく過程を調べるべく、コンピュータによるシミュレーションを行った。
今、組成が、
・成分1:7vol%(流量補正係数=0.8)
・成分2:12vol%流量補正係数=0.55)
・成分3:23vol%(流量補正係数=0.3
・窒素:58vol%(流量補正係数=1.0)
である試料ガスの流量12L/minを供給しつつ、流量50L/minの希釈ガス(窒素)で希釈し、希釈後の試料ガスをガス分析計に導入して成分濃度を測定する場合を考える。

Claims (2)

  1. (1)質量流量計の流量表示値をモニタリングしつつ試料ガスを供給するとともに、前記試料ガスに予め用意した希釈ガスの一定質量流量を混合し、混合したガスをガス分析計に導入することにより、前記試料ガスの希釈後成分濃度を前記ガス分析計によって測定するステップと、
    (2)前記質量流量計の流量表示値および前記希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を計算するステップと、
    (3)前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
    (4)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
    (5)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を再計算し、当該合成流量補正係数と、前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正するステップと、
    (6)前記補正をした前記流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算するステップと、
    (7)前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度と、当該再計算前の前記試料ガスの希釈前成分濃度との差を計算し、当該差が予め決定した閾値よりも小さいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を、前記試料ガスの正確な成分濃度として処理を終了するが、当該差が前記閾値に等しいかまたはそれよりも大きいときは、前記再計算をした前記試料ガスの希釈前成分濃度を用いて、再度、ステップ(5)〜(7)を順次実行するステップと、を順次実行することを特徴とする試料ガスの成分濃度算出方法。
  2. 質量流量計の流量表示値をモニタリングしつつ試料ガスを供給するとともに、前記試料ガスに予め用意した希釈ガスの一定質量流量を混合し、混合したガスをガス分析計に導入することによって得られた前記試料ガスの希釈後成分濃度の入力を受ける第1入力部と、
    前記希釈ガスの質量流量および前記質量流量計の前記流量表示値の入力を受ける第2入力部と、
    前記第1入力部に入力された前記試料ガスの希釈後成分濃度、および前記第2入力部に入力された前記希釈ガスの質量流量並びに前記質量流量計の前記流量表示値を格納する第1メモリ部と、
    前記質量流量計の測定対象となる各ガス成分の流量補正係数、および前記質量流量計の固有の流量補正係数が予め格納された第2メモリ部と、
    前記質量流量計の流量表示値および前記希釈ガスの質量流量から希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第1の試料ガス成分濃度算出部と、
    前記第1の試料ガス成分濃度算出部によって算出された前記試料ガスの希釈前成分濃度と、前記試料ガスの各成分の流量補正係数とから前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数と前記質量流量計の固有の流量補正係数とを用いて前記質量流量計の流量表示値を補正し、当該流量表示値と前記希釈ガスの質量流量とから希釈率を再計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を算出する第2の試料ガス成分濃度算出部と、
    前記第2の試料ガス成分濃度算出部によって算出された前記試料ガスの希釈前成分濃度に基づき前記試料ガスの合成流量補正係数を計算し、当該合成流量補正係数に基づいて前記質量流量計の前記流量表示値を補正し、当該流量表示値に基づいて希釈率を計算し、当該希釈率と前記試料ガスの希釈後成分濃度とから前記試料ガスの希釈前成分濃度を再計算し、再計算した希釈前成分濃度と当該再計算前の希釈前成分濃度との差が予め決定された閾値よりも小さくなるまで前記試料ガスの希釈前成分濃度の再計算を繰り返し、前記差が前記閾値よりも小さくなった時の前記試料ガスの希釈前成分濃度を出力する試料ガス成分濃度補正部と、を備えたことを特徴とする試料ガス成分濃度算出装置。
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